JP2009209278A - 廃プラスチックの油化方法及び廃プラスチックの油化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】廃プラスチックを加熱して熱分解させる熱分解槽10と、熱分解槽10で気化された油成分を冷却して油原液に凝縮させる油原液用コンデンサ20と、油原液が順次導入されて順次温度差をつけて加熱されるように直列に接続され、前記油原液を各々の所要の組成に気化させる複数の分留用加熱槽30と、分留用加熱槽30ごとに接続され、気化された油を冷却して各々の所要の組成の油となるように凝縮させる各々の分留用コンデンサ32と、分留用コンデンサ32ごとに接続され、各々の所要の組成の油を貯留する各々の貯留槽40を具備する。
【選択図】図1
Description
しかし、その廃プラスチックにかかる再資源化は遅れており、多くが、埋め立てられ、或は焼却処分とされているのが現状である。
このため、廃プラスチックの油化装置は、一般的に普及していないのが現状である。
そこで本発明の目的は、適切に分留ができ、油化装置の小型化と製造コストの低減ができる廃プラスチックの油化方法及び廃プラスチックの油化装置を提供することにある。
本発明にかかる廃プラスチックの油化方法の一形態によれば、廃プラスチックを加熱して熱分解させ、気化された油成分を冷却することで凝縮させて油原液を得る油化工程と、前記油原液を、直列に接続された複数の分留用加熱槽に導いて順次高温となるように温度差をつけて加熱して気化させ、低温度で気化する揮発性の高い組成の油から順に前記分留用加熱槽ごとに接続された各々の分留用コンデンサによって冷却することで凝縮させて各々の所要の組成の油を得る分留工程とを有する。
図1は本発明にかかる廃プラスチックの油化装置の形態例を示す説明図である。
最初の油化工程では、廃プラスチックを加熱して熱分解させ、気化された油成分を冷却することで凝縮させて油原液を得る。
なお、加熱手段としては、電熱装置による電力を利用する方法、ガス燃料や石油のような液体燃料をバーナーなどで燃焼させる方法、又は高周波による発熱を利用する方法などの周知慣用技術を用いればよい。また、冷却手段としては、水冷や、熱媒体による冷凍サイクルを用いた方法などの周知慣用技術を用いればよい。
そして、低温度で気化する揮発性の高い組成の油から順に、分留用加熱槽30ごとに対応して接続された各々の分留用コンデンサ32によって冷却することで凝縮させて各々の所要の組成の油を得る。
これによれば、従来から一般的な分留塔を用いることなく、装置を平面的でコンパクトに構成できる。そして、小型の油化装置であるが、効率よく適切に油を分留できる。また、油化装置が小型化するため、その製造コストを低減することができる。
これによれば、熱分解によって液化された油原液を、小型で簡単な構成の装置によって順次適切に送りつつ、効率よく適切に分留できる。
10は熱分解槽であり、廃プラスチックを加熱して熱分解させる。例えば、プラスチックを400〜500℃まで加熱して分解させる。なお、本形態例では、電熱装置11が巻かれており、電力によって加熱する構造になっている。
また、12は攪拌羽根であり、モータ13によって回転し、液化した廃プラスチックを均一に加熱すべく攪拌するために設けられている。
15は残渣槽であり、廃プラスチックを融解した際に発生する残渣を受けるための容器部となっている。また、16は排出用開閉弁であり、残渣を排出する際に開ける。
17は廃プラスチック供給装置部であり、原料の破砕された廃プラスチックを所要の温度まで加熱することで流動化された状態で連続供給できる装置となっている。例えば、粒状の廃プラスチックを300℃程度まで加熱し、流動化された状態のものを押し込むことで熱分解槽10に供給する装置とすることができる。
22は油原液貯留槽であり、油原液用コンデンサ20で生じた油原液を一時的に貯留する容器部となっている。また、24は電磁弁であり、油原液貯留槽22から分留用加熱槽30aへ油原液を適宜供給するように、その連通管路23に開閉や流量制御を行う調整弁として設けられている。
これによれば、熱分解槽10から供給される気化された油を含む気体が、断熱膨張によって冷却され、油原液用コンデンサ20に到達するまでの前処理がなされるスペースとなっている。また、気化された成分のうち、重いものの一部が液化されて落ち、油原液用コンデンサ20へ不要部が送られることを防止するための構成ともなっている。
本形態例では、ガソリンの分留用加熱槽30a、灯油の分留用加熱槽30b、軽油の分留用加熱槽30c及び重油の分留用加熱槽30dの順に4つが、熱分解槽10の側から直列に連続して接続されている。ガソリンの分留用加熱槽30aの加熱温度が最も低く、順次高温になって、重油の分留用加熱槽30dの加熱温度が最も高くなるように設定される。これにより、4つの異なる組成の油(ガソリン、灯油、軽油、重油)を好適に分留できる。さらに、多くの分留用加熱槽30を設ければ、さらに細かく分割して異なる組成の油を得ることができる。
本形態例では、ガソリンの分留用コンデンサ32a、灯油の分留用コンデンサ32b、軽油の分留用コンデンサ32c及び重油の分留用コンデンサ32dの順に4つが、各分留用加熱槽30(a〜d)に対応して管路38(a〜d)を介して接続・配置されている。これにより、4つの異なる組成の油(ガソリン、灯油、軽油、重油)を凝縮できる。
また、本形態例の油原液用コンデンサ20及び分留用コンデンサ32(a〜d)については、水冷式の熱交換部21、33(a〜d)を構成する水冷用の配管25が直列に接続されている。なお、26は冷却水の水槽であり、27は冷却水を循環させるためのポンプである。これによれば、各コンデンサ20、32(a〜d)に同量の冷却水を循環させることができるため、確実な冷却ができる。ただし、本発明はこれに限定されるものでなく、仕様条件によっては、配管を並列に接続することや、コンデンサごとに冷却水を循環させる形態としてもよい。
本形態例では、ガソリンの貯留槽40a、灯油の貯留槽40b、軽油の貯留槽40c及び重油の貯留槽40dの順に4つが、各分留用コンデンサ32(a〜d)に対応して配管41(a〜d)を介して接続・配置されている。これにより、4つの異なる組成の油(ガソリン、灯油、軽油、重油)を回収できる。
また、36(a〜d)は調整弁であり、接続管35(a〜d)ごとに配されて液面34高さの調整ができるように設けられている。
また、調整弁37(a〜d)は、接続管35(a〜d)の低い位置に配されている。
そして、接続管35(a〜d)の高い位置で分留用加熱槽30の側壁部に接続される高さ位置と同一の部分に、逆止弁37(a〜d)が配されている。この逆止弁37(a〜d)によれば、油原液の逆流を阻止することができる。
また、接続管35(a〜d)が油原液を下げて上げる管路になっている。このため、油原液が送られるに従って、比重の重いものが順次適切に押し出される形態となっている。
これらによれば、調整弁36(a〜d)を適切に開閉し、油原液の流れを適正に制御することができる。このため、各々の分留用加熱槽30(a〜d)における油成分の蒸発・気化の量変化に柔軟に応じて、導入される油原液の供給量を適宜に制御できることになる。従って、油の分留を適切に行うことができる。
これによれば、分留用加熱槽30から供給される気化された油を含む気体が、断熱膨張によって冷却され、分留用コンデンサ32に到達するまでの前処理がなされる部分となっている。また、気化された成分のうち、重いものの一部が液化されて落ち、分留用コンデンサ32へ必要以上に重質成分が送られることを防止するための構成ともなっている。
50(a〜g)は圧力抜き用の配管であり、各々が各槽10、22、40(a〜d)、55に接続・連通されている。51は水槽であり、その水槽51の水中に、圧力抜き用の配管50(a〜g)の末端が浸漬されている。これにより、それぞれの槽10、22、40(a〜d)、55は低い水圧で閉じた系となっている。
また、52は空気抜きの配管であり、水槽51の上部に接続・連通されており、上端が大気に開放されている。
また、55は自動排出槽であり、重油のような揮発性の低い油を排出できる。また、複数の分留用加熱槽30(a〜d)でオーバーフローした際には自動的に排出できるため、安全性を確保できる。なお、57は逆止弁であり、58は開閉弁である。
なお、塩素を成分として含んでいる廃プラスチックについては、脱塩素用の装置ユニットを採用すればよい。その場合、熱分解装置の前処理部として、脱塩素用の装置ユニットを組み込めばよい。
20 油原液用コンデンサ
30a〜d 分留用加熱槽
32a〜d 分留用コンデンサ
35a〜d 接続管
36a〜d 調整弁
39a〜d 容積拡大部
40a〜d 貯留槽
Claims (6)
- 廃プラスチックを加熱して熱分解させ、気化された油成分を冷却することで凝縮させて油原液を得る油化工程と、
前記油原液を、直列に接続された複数の分留用加熱槽に導いて順次高温となるように温度差をつけて加熱して気化させ、低温度で気化する揮発性の高い組成の油から順に前記分留用加熱槽ごとに接続された各々の分留用コンデンサによって冷却することで凝縮させて各々の所要の組成の油を得る分留工程とを有することを特徴とする廃プラスチックの油化方法。 - 前記複数の分留用加熱槽が実質的に同一の高さ位置に配置され、該複数の分留用加熱槽を通して前記油原液の液面高さが実質的に同一の高さ位置となるように維持しつつ加熱して気化させることを特徴とする請求項1記載の廃プラスチックの油化方法。
- 廃プラスチックを加熱して熱分解させる熱分解槽と、
該熱分解槽で気化された油成分を冷却して油原液に凝縮させる油原液用コンデンサと、
該油原液用コンデンサで生じた油原液が順次導入されて順次温度差をつけて加熱されるように直列に接続され、前記油原液を各々の所要の組成に気化させる複数の分留用加熱槽と、
該分留用加熱槽ごとに接続され、気化された油を冷却して各々の所要の組成の油となるように凝縮させる各々の分留用コンデンサと、
該分留用コンデンサごとに接続され、各々の所要の組成の油を貯留する各々の貯留槽とを具備することを特徴とする廃プラスチックの油化装置。 - 前記複数の分留用加熱槽が実質的に同一の高さ位置に配置され、該複数の分留用加熱槽を通して前記油原液の液面高さが実質的に同一の高さ位置を維持するように、隣接する分留用加熱槽の間ごとに設けられた各々の接続管と、該接続管ごとに設けられて液面高さの調整ができる各々の調整弁とを具備することを特徴とする請求項3記載の廃プラスチックの油化装置。
- 前記分留用加熱槽と前記分留用コンデンサとの間に接続されて配され、気化された油の一部を断熱膨張によって凝縮液化させる容積拡大部を具備することを特徴とする請求項3又4は記載の廃プラスチックの油化装置。
- 前記複数の分留用加熱槽が、前記熱分解槽の側からガソリン用、灯油用、軽油用、重油用の順に配されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の廃プラスチックの油化装置。
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JP2000309781A (ja) * | 1999-04-26 | 2000-11-07 | Aibi Purotekku:Kk | プラスチックの連続乾留熱分解油化装置 |
JP2001123007A (ja) * | 1999-10-28 | 2001-05-08 | Toshiba Plant Kensetsu Co Ltd | 廃プラスチックの有用成分回収方法 |
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