JP2009205626A - 接触音のリアルタイム生成装置、方法、プログラムおよびプログラムを格納した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る多感覚インタラクションシステム100は、制御部200と、記憶部260と、3D表示部270と、力覚提示部280と、音出力部290とを備える。制御部200は、記憶部260に格納された3Dモデル178aおよび物性178bに基づき、仮想物体からの反力の法線成分および接面成分を算出する。また、記憶部260に格納された音モデル178cと法線成分とに基づいて叩き音を、音モデル178cと接面成分とに基づいてこすり音を、それぞれ求める。
【選択図】図2
Description
O'Brien, J. F., Cook, P. R., and Essl, G.: Synthesizing Sounds from Physically Based Motion, in Proceedings of SIGGRAPH 2001, Annual Conference Series, (Los Angeles, California), pp. 529-536 (2001) K. van den Doel, P. G. Kry, and D. K. Pai, "FoleyAutomatic: physically-based sound effects for interactive simulation and animation", in Computer Graphics (ACM SIGGRAPH 01 Conference Proceedings), Los Angeles, California, 2001, pp. 537-544
他の局面に係る本願発明は、仮想物体への接触音を実時間で生成する接触音のリアルタイム生成方法であって、ユーザの動作に対応して仮想空間内を移動する移動物体の位置および仮想物体の形状を表わす3次元モデルに基づいて、仮想物体に移動物体が接触したと判断されたときに仮想物体が生成する反力の法線成分および接面成分を算出するステップと、法線成分に基づく叩き入力と、接面成分に基づくこすり入力とを算出するステップと、仮想物体への叩きに対応する第1の接触音データおよび叩き入力に基づいて仮想物体の叩き音を生成し、仮想物体へのこすりに対応する第2の接触音データおよびこすり入力に基づいて仮想物体のこすり音を生成するステップと、叩き音およびこすり音を出力するステップとをさらに備える。
(1.はじめに)
聴覚は、我々の日々の生活において、いくつもの重要な役割を果たしている。私たちは、手の届くところにある物体に触れることにより様々な音を生み出しえる。これらの音は、素材、形、粗さ、堅さといった物体と相互作用についての情報、ジェスチャー、私たちの動作の頻度や強さなどのたくさんの情報を伝える。
連続的なインタラクションによる音合成において、予め録音された音を再生することは、音の変化を予測できないため、不満足であり、また、実用的ではない。音を発生する物体は、様々な方法で、様々な物体により、刺激される。多くの研究者は、音生成の物理的モデルおよびパラメータ化された音合成方法のための音響的で物理的なデジタル信号処理を行ってきた[P. R. Cook, Real sound synthesis for interactive applications, A K Peters, Wellesley, MA. 2002, pp. 39-50]。
図2を参照して、第1の実施の形態に係る多感覚インタラクションシステム100の機能的構成について説明する。本システムは、Reachin(登録商標)の画像−力覚API[Reachin API, www.reachin.se/products/reachinapi/]を、結合マルチモード表現のための物理に基づく音合成アルゴリズムで拡張したものである。
<A.モード音合成>
固体との相互作用の間に耳にする接触音は、構造の振動により放射される波である。様々な物体形状は、異なる変形をするので、その音の違いを知ることができる。固体から放出される相互作用音をシミュレーションするためには、物理的に動機付けられたモード合成モデルM={f,d,a}を用いることができる(例えば、非特許文献2を参照)。これは、物体を、モード周波数fn、減衰パラメータdn、振幅an(ω)を持つ減衰する調和振動子の集合で表わすものである。ここで、n=1,…,Nであり、ωは、接触の位置と、聞き手の位置とを表わすベクトルを表わす。
叩き、こすり、といった相互作用が異なる多くの状況において、たとえ同じ位置に触れたとしても、接触音は全く異なる。その理由としては、叩き動作において、振動の重要な成分は、関連する物体の主要部(ボディ)の共鳴であるのに対し、こすり動作では、接触領域の表面振動の粒がより寄与するということが考えられる。
0:閾値δ0以上のとき、留めなし
1:閾値δ0未満のとき、留め動作としてみなす
δ0は、表面によって、経験的に決定される。
本発明の目的は、人が仮想物体に触ったときに、実際のものがその前に存在しているように感じるように実際の物体の仮想的な変形を表現することである。そのためには、実際の多感覚刺激を提供し、それらを緊密に同調させることが必要である。図1に示す試作システムは、3D表示部270と、力覚提示部280と、上述の本発明における実時間音合成方法で生成された音を出力する音出力部290とを備える。仮想物体のレンダリングの前に、実際の物体から多モードの性質を集め、視覚、力覚、音合成のためのデータ構造に組み入れる必要がある。
まず、物体の3次元形状および風合いが、図4(b)に示す非接触のデジタイザ(コニカミノルタのVivid910)により取得される。様々な視点からとられた形および画像が継ぎ合わされ、視覚および力覚表現のための完全な3次元モデルが作られる。太鼓の皮は、叩かれたときに大きく変形するので、表面は、振動の視覚的および力覚的な効果を表わす膜として定義される。
様々な物質からできた物体に対しては、幾何形状と物質の情報を近似する第1原理モデリングを用いて正確な結果を得ることは、かなり難しい。そこで、本発明では、パラメータを見積もるため、実際の世界の音を用いる。様々な位置の実際の物体の叩きおよびこすりの音は、無響室で録音される(図4(a)を参照)。距離減衰や部屋の音響といった空間的および環境的な音効果は、音モデル測定のサンプルには含まれない。
図7を参照して、本発明に係る音合成のための処理の流れについて説明する。
本実施の形態は、利用者に仮想物体が実在している感覚を与える視覚、力覚、そして聴覚刺激を統合する多モードのインターフェースを提供する。実在感の補助のため、システムは、継ぎ目のない相互作用、即座の反応、連続性、一貫性、そして、実際の刺激における意味を提供する必要がある。関連文献に比べて、本システムは、次の性質を持つ。
第1の実施の形態では、本発明に係る音生成方法を、視覚、力覚、触覚のいずれも再現する多感覚相互作用システムに適用することを説明した。
Claims (8)
- 仮想物体への接触音を実時間で生成する接触音のリアルタイム生成装置であって、
前記仮想物体のモデルを記憶する記憶部を備え、
前記モデルは、
前記仮想物体の形状を表わす3次元モデルと、
前記仮想物体への叩きに対応する第1の接触音データと、
前記仮想物体へのこすりに対応する第2の接触音データとを含み、
ユーザの動作に対応して仮想空間内を移動する移動物体の位置を決定する入力をユーザから受け付ける操作部と、
演算装置とをさらに備え、
前記演算装置は、
前記位置および前記3次元モデルに基づいて、前記仮想物体に前記移動物体が接触したと判断されたときに前記仮想物体が生成する反力の法線成分および接面成分を算出し、前記法線成分に基づく叩き入力と、前記接面成分に基づくこすり入力とを算出する算出部と、
前記第1の接触音データおよび前記叩き入力に基づいて前記仮想物体の叩き音を生成し、前記第2の接触音データおよび前記こすり入力に基づいて前記仮想物体のこすり音を生成する音生成部とを含み、
前記叩き音および前記こすり音を出力する音出力部とをさらに備える、接触音のリアルタイム生成装置。 - 前記算出部は、前記移動物体と前記仮想物体との接触時間が長くなるにつれ小さな値をとる第1の重み関数を前記法線成分に掛け合わせて前記叩き入力を算出し、前記接触時間が長くなるにつれ大きな値をとる第2の重み関数を前記接面成分に掛け合わせて前記こすり入力を算出する、請求項1に記載の接触音のリアルタイム生成装置。
- 前記第1の接触音データおよび前記第2の接触音データは、複数の振動モードの各々の周波数と、振幅と、減衰パラメータとで特定され、
前記算出部は、前記第1の接触音データの各前記振動モードを足し合わせた第1のインパルス応答と、前記第2の接触音データの各前記振動モードを足し合わせた第2のインパルス応答とを算出し、
前記音生成部は、前記第1のインパルス応答および前記叩き入力の畳み込み積分により前記叩き音を生成し、前記第2のインパルス応答および前記こすり入力の畳み込み積分により前記こすり音を生成する、請求項2に記載の接触音のリアルタイム生成装置。 - 前記算出部は、所定の時間内の前記変位が所定のしきい値以下のとき、前記叩き入力および前記こすり入力の値を所定の値以下とし、前記第1のインパルス応答および前記第2のインパルス応答の減衰を大きくする、請求項3に記載の接触音のリアルタイム生成装置。
- 前記操作部は、前記ユーザに前記反力を提示する力覚装置の操作部である、請求項1から4のいずれか1項に記載の接触音のリアルタイム生成装置。
- 仮想物体への接触音を実時間で生成する接触音のリアルタイム生成方法であって、
ユーザの動作に対応して仮想空間内を移動する移動物体の位置および前記仮想物体の形状を表わす3次元モデルに基づいて、前記仮想物体に前記移動物体が接触したと判断されたときに前記仮想物体が生成する反力の法線成分および接面成分を算出するステップと、
前記法線成分に基づく叩き入力と、前記接面成分に基づくこすり入力とを算出するステップと、
前記仮想物体への叩きに対応する第1の接触音データおよび前記叩き入力に基づいて前記仮想物体の叩き音を生成し、前記仮想物体へのこすりに対応する第2の接触音データおよび前記こすり入力に基づいて前記仮想物体のこすり音を生成するステップと、
前記叩き音および前記こすり音を出力するステップとをさらに備える、接触音のリアルタイム生成方法。 - 仮想物体再現システムに、仮想物体への接触音を実時間で生成させるための接触音のリアルタイム生成プログラムであって、
前記仮想物体再現システムは、
ユーザの動作に対応して仮想空間内を移動する移動物体の位置を決定する入力をユーザから受け付ける操作部と、
音出力部と、
演算装置とを備え、
前記演算装置に、前記位置および前記仮想物体の形状を表わす3次元モデルに基づいて、前記仮想物体に前記移動物体が接触したと判断されたときに前記仮想物体が生成する反力の法線成分および接面成分を算出させるステップと、
前記演算装置に、前記法線成分に基づく叩き入力と、前記接面成分に基づくこすり入力とを算出させるステップと、
前記演算装置に、前記仮想物体への叩きに対応する第1の接触音データおよび前記叩き入力に基づいて前記仮想物体の叩き音を生成させ、前記仮想物体へのこすりに対応する第2の接触音データおよび前記こすり入力に基づいて前記仮想物体のこすり音を生成させるステップと、
前記音出力部に、前記叩き音および前記こすり音を出力させるステップとを備える、接触音のリアルタイム生成プログラム。 - 請求項7に記載の接触音のリアルタイム生成プログラムを格納した、コンピュータ読取可能な記録媒体。
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