JP2009204800A - 感光性組成物、及び感光性フィルム - Google Patents

感光性組成物、及び感光性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 熱架橋剤としてエポキシ化合物を含み、保存安定性に優れる感光性組成物等の提供。
【解決手段】 本発明の感光性組成物は、バインダーと、光重合開始剤と、不飽和二重結合を少なくとも1つ有する重合性化合物と、熱架橋剤と、を含み、イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理が施されていることを特徴とする。前記光重合開始剤は、例えば、オキシム誘導体からなる。前記イオン交換樹脂は、例えば、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合してなるイオン交換樹脂からなる。該イオン交換処理は、例えば、バッチ法により行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー露光により永久パターンを形成するためのソルダーレジスト材料として好適な感光性組成物、及び感光性フィルムに関する。
従来、ソルダーレジスト等の永久パターンを形成するに際して、支持体上に感光性組成物を塗布し、乾燥することにより感光層を形成させた感光フィルムが用いられてきている。このような永久パターンを形成する方法としては、例えば、永久パターンが形成される銅張積層板等の基体上に、感光性フィルムを積層させて積層体を形成し、該積層体における感光層に対して露光を行い、該露光後、感光層を現像してパターンを形成させ、その後硬化処理等を行うことにより永久パターンを形成する方法等が知られている。
前記ソルダーレジスト形成用等の感光性組成物として、オキシム誘導体を光重合開始剤として含む組成物が知られている。該オキシム誘導体は、青色レーザー等のレーザーに対する感度が高い。そのため、該オキシム誘導体を光重合開始剤として含む感光性組成物は、露光性に優れ、好ましく用いられている。
ところで、この種の感光性組成物は、熱硬化性を得る等の目的で、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を含む場合がある。この場合、熱硬化性が得られるものの、エポキシ化合物を含む感光性組成物は、保存性が悪くなるという問題がある。
特許文献1は、エポキシ化合物を含み、かつ、無機イオン交換体を含む感光性組成物を開示する。該無機イオン交換体は、感光性組成物中のイオンを吸着するためのものである。
しかしながら、特許文献1に記載の感光性組成物は、保存安定性を向上させるために、イオン交換樹脂を用いたイオン交換処理を行うものでもない。
特許文献2は、エポキシ化合物を含み、かつ、金属イオン吸着剤及び陰イオン交換樹脂の少なくともいずれかを含む感光性組成物を開示する。
しかしながら、特許文献2は、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を併用してなるイオン交換樹脂を用いて、感光性組成物の保存安定性を向上させる技術を開示するものではない。
以上の事情等により、エポキシ化合物を含む感光性組成物であって、保存安定性に優れる感光性組成物の提供が望まれている。
特開平11−186718号公報 特開2006−243564号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、熱架橋剤を含み、保存安定性に優れる感光性組成物、及び該感光性組成物からなる感光性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、
バインダーと、光重合開始剤と、不飽和二重結合を少なくとも1つ有する重合性化合物と、少なくとも2つのエポキシ基を有する化合物等を含む熱架橋剤と、を含む感光性組成物に対し、イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理を施すと、感光性組成物の保存安定性が飛躍的に向上することを知見した。
本発明は、本発明者等の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> バインダーと、光重合開始剤と、不飽和二重結合を少なくとも1つ有する重合性化合物と、熱架橋剤と、を含み、イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理が施されていることを特徴とする感光性組成物である。
該<1>の感光性組成物は、バインダーと、光重合開始剤と、不飽和二重結合を少なくとも1つ有する重合性化合物と、熱架橋剤と、を含み、イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理が施されていることにより、保存安定性が飛躍的に向上する。
<2> 光重合開始剤が、オキシム誘導体からなる前記<1>に記載の感光性樹脂組成物である。
<3> イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合してなるイオン交換樹脂である前記<1>又は<2>に記載の感光性組成物である。
<4> バッチ法によりイオン交換処理を行う前記<1>から<3>のいずれかに記載の感光性組成物である。
<5> オキシム誘導体が下記一般式で表される前記<1>から<4>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。mは、0以上のいずれかの整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでいてもよい。
<6> 一般式(1)で表されるオキシム誘導体が、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1>から<5>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。mは、0以上のいずれかの整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
<7> 一般式(2)で表される光重合開始剤が、下記一般式(3)及び(4)のいずれかで表される化合物である前記<1>から<6>のいずれかに記載の感光性組成物である。
ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、アルキル基を表し、該アルキル基は、更に置換基を有していてもよい。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光性フィルムである。
<9> 基体上に、前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光層を有することを特徴とする感光性積層体である。
<10> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の感光性組成物により形成された感光層に対して露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とする永久パターン形成方法である。
<11> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、該光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<10>に記載の永久パターン形成方法である。
<12> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<10>又は<11>に記載の永久パターン形成方法である。
<13> 現像が行われた後、感光層の硬化処理を行う前記<12>に記載の永久パターン形成方法である。
<14> 前記<10>から<13>のいずれかに記載の永久パターン形成方法により永久パターンが形成されることを特徴とするプリント基板である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、熱架橋剤を含み、保存安定性に優れる感光性組成物、及び該感光性組成物からなる感光性フィルムを提供できる。
〔感光性組成物〕
本発明の感光性組成物は、バインダーと、光重合開始剤と、不飽和二重結合を少なくとも1つ有する重合性化合物と、熱架橋剤と、を含有し、イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理が施されたものである。
本発明の感光性組成物は、必要に応じて、その他の成分を含有する。その他の成分としては、例えば、増感剤、蛍光増白剤、熱重合禁止剤、着色顔料、フィラー、密着促進剤、及び界面活性剤等がある。
(バインダー)
前記バインダーとしては、酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物、エポキシアクリレート化合物、などが好適に用いられ、これらの中でも、酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物が特に好適に用いられる。
<酸性基とエチレン性不飽和結合を側鎖に含む高分子化合物>
前記酸性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等があげられるが、原料入手の点からカルボキシル基が好ましい。
また、前記バインダーとしては、分子内に少なくとも1つの重合可能な二重結合、例えば、(メタ)アクリレート基又は(メタ)アクリルアミド基等のアクリル基、カルボン酸のビニルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル等の各種重合性二重結合を用いることができる。より具体的には、酸性基としてカルボキシル基を含有するアクリル樹脂に、環状エーテル基含有重合性化合物、たとえばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、桂皮酸等の不飽和脂肪酸のグリシジルエステルや、脂環式エポキシ基(たとえば同一分子中にシクロヘキセンオキシド等のエポキシ基)と(メタ)アクリロイル基を有する化合物等のエポキシ基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物等が挙げられる。また、酸性基及び水酸基を含有するアクリル樹脂に、イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有の重合性化合物を付加させて得られる化合物、無水物基を含有するアクリル樹脂に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を含有する重合性化合物を付加させて得られる化合物等も挙げられる。また、グリシジルメタクリレート等の環状エーテル基含有重合性化合物と(メタ)アクリロイルアルキルエステル等のビニルモノマーを共重合し、側鎖のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させて得られる化合物等も挙げられる。
これらの例は、特許2763775号公報、特開平3−172301号公報、特開2000−232264号公報等が挙げられる。
これらの中で、前記バインダーが、高分子化合物の酸性基の一部に環状エーテル基(たとえばエポキシ基、オキセタン基を部分構造に有する基)含有重合性化合物を付加させたもの、及び高分子化合物の環状エーテル基の一部又は全部にカルボキシル基含有重合性化合物を付加させたもののいずれかから選択された高分子化合物であることが、さらに好ましい。この際、酸性基と環状エーテル基を有する化合物との付加反応は触媒存在下で実施するのが好ましく、特に、その触媒が酸性化合物及び中性化合物から選択されるものであることが好ましい。
その中でも、感光性組成物の経時での現像安定性の点から、バインダーは側鎖に、カルボキシル基とヘテロ環を含んでもよい芳香族基及び側鎖にエチレン性不飽和結合を含む高分子化合物が好ましい。
<ヘテロ環を含んでもよい芳香族基>
前記ヘテロ環を含んでもよい芳香族基(以下、単に「芳香族基」と称することもある。)としては、例えば、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを等が挙げられる。
前記芳香族基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基等が挙げられる。これらの中では、炭化水素芳香族基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記芳香族基は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、水酸基、エーテル基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、それぞれ置換基を有してもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、等が挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、炭素原子数が1から20までの直鎖状のアルキル基、分岐状のアルキル基、環状のアルキル基などが挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキル基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキル基、炭素原子数5から10までの環状のアルキル基が好ましい。
前記アルキル基が有してもよい置換基としては、例えば、水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基が挙げられる。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO32)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl))(以下、「alkyl」はアルキル基を意味する。)、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))(以下、「aryl」はアリール基を意味する。)、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基(アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基などが挙げられる。
これら置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられる。
前記置換基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基等が挙げられる。
前記置換基におけるアルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基などが挙げられる。
前記置換基におけるアルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
前記置換基におけるアシル基(R01CO−)のR01としては、水素原子、前述のアルキル基、アリール基などが挙げられる。
これらの置換基の中でも、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、アルキルホスホナト基、モノアリールホスホノ基、アリールホスホナト基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基、アリール基、アルケニル基等が好ましい。
また、前記置換基におけるヘテロ環基としては、例えば、ピリジル基、ピペリジニル基等が挙げられ、前記置換基におけるシリル基としてはトリメチルシリル基等が挙げられる。
一方、前記アルキル基における、アルキレン基としては、例えば、前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものが挙げられ、例えば、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキレン基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキレン基、炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基等が好ましい。
このような置換基とアルキレン基を組み合わせることで得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したもの等が挙げられる。
前記アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基等が挙げられる。これらの中では、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
前記アルキル基は置換基を有してもよく、このような置換基を有するアリール基(以下、「置換アリール基」と称することもある。)としては、例えば、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素原子以外の一価の非金属原子団からなる基を有するものが挙げられる。
前記アリール基が有してもよい置換基としては、例えば、前述のアルキル基、置換アルキル基、前記アルキル基が有してもよい置換基として示したものが好ましい。
前記置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等が挙げられる。
前記アルケニル基(−C(R02)=C(R03)(R04))及びアルキニル基(−C≡C(R05))としては、例えば、R02、R03、R04、及びR05が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
前記R02、R03、R04、R05としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基等が挙げられる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状のアルキル基、分岐状のアルキル基、環状のアルキル基が好ましい。
前記アルケニル基及びアルキニル基の好ましい具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
前記ヘテロ環基としては、例えば、置換アルキル基の置換基として例示したピリジル基等が挙げられる。
前記オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基であるものが挙げられる。
このようなオキシ基としては、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が好ましい。
これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。
好ましいオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が挙げられる。
アミド基を含んでもよいアミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、例えば、R08、R09、及びR010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。なお、R09とR010とは結合して環を形成してもよい。
前記アミノ基としては、例えば、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。また、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述の通りである。これらのうち、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基がより好ましい。
好ましいアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
前記スルホニル基(R011−SO−)としては、例えば、R011が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
このようなスルホニル基としては、例えば、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が好ましい。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。
前記スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
前記スルホナト基(−SO3−)は、前述のとおり、スルホ基(−SO3H)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。
このような対陽イオンとしては、一般に知られるものを適宜選択して用いることができ、例えば、オニウム類(例えば、アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、金属イオン類(例えば、Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
前記カルボニル基(R013−CO−)としては、例えば、R013が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
このようなカルボニル基としては、例えば、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。
前記カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が好ましく、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基がより好ましい。
前記カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が好適に挙げられる。
前記スルフィニル基(R014−SO−)としては、R014が一価の非金属原子団からなる基のものが挙げられる。
このようなスルフィニル基としては、例えば、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基などが挙げられる。これらにおけるアルキル基及びアリール基としては、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基として示したものが挙げられる。これらの中でも、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が好ましい。
前記置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が好適に挙げられる。
前記ホスホノ基とは、ホスホノ基上の水酸基の一つ乃至二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、例えば、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基等が好ましい。これらの中では、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基がより好ましい。
前記ホスホノ基のより好ましい具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基などが挙げられる。
前記ホスホナト基(−PO−、−POH−)とは、前述のとおり、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離、又は酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるものを適宜選択することができ、例えば、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
前記ホスホナト基は、ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であってもよく、このような具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
前記芳香族基は、芳香族基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することできる。
前記ラジカル重合法としては、例えば、一般的に懸濁重合法あるいは溶液重合法等が挙げられる。
前記芳香族基を含有するラジカル重合性化合物としては、例えば、一般式(A−1)で表される化合物、一般式(A−2)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(A−1)中、R、R、及びRは水素原子又は1価の有機基を表す。Lは有機基を表し、なくてもよい。Arはヘテロ環を含んでもよい芳香族基を表す。
ただし、前記一般式(A−2)中、R、R、及びR3、並びに、Arは前記一般式(A−1)と同じ意を表す。
前記Lの有機基としては、例えば、非金属原子からなる多価の有機基であり、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つものが挙げられる。
より具体的には、前記Lの有機基としては、下記の構造単位が組み合わさって構成されるもの、多価ナフタレン、多価アントラセン等を挙げることができる。
前記Lの連結基は置換基を有してもよく、前記置換基としては、前述のハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホナト基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換オキシ基、置換スルホニル基、置換カルボニル基、置換スルフィニル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスホナト基、シリル基、ヘテロ環基が挙げられる。
前記一般式(A−1)で表される化合物、及び一般式(A−2)で表される化合物においては、一般式(A−1)の方が感度の点で好ましい。また、前記一般式(A−1)のうち、連結基を有しているものが安定性の点で好ましく、前記Lの有機基としては、炭素数1〜4のアルキレン基が非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
前記一般式(A−1)で表される化合物は、下記一般式(A−3)の構造単位を含む化合物となる。また、前記一般式(A−2)で表される化合物は、下記一般式(A−4)の構造単位を含む化合物となる。この内、一般式(A−3)の構造単位の方が、保存安定性の点で好ましい。
ただし、前記一般式(A−3)及び一般式(A−4)中、R、R、及びR、並びに、Arは前記一般式(A−1)及び一般式(A−2)と同じ意を表す。
前記一般式(A−3)及び一般式(A−4)において、R及びRは水素原子、Rはメチル基である事が、非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
また、前記一般式(A−3)のLは、炭素数1〜4のアルキレン基が非画像部の除去性(現像性)の点で好ましい。
前記一般式(A−1)で表される化合物又は一般式(A−2)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(1)〜(30)が挙げられる。
前記例示化合物(1)〜(30)の中でも、(5)、(6)、(11)、(14)、及び(28)が好ましく、これらの中でも、(5)及び(6)が保存安定性及び現像性の点でより好ましい。
前記ヘテロ環を含んでもよい芳香族基の前記バインダーにおける含有量は、特に制限はないが、高分子化合物の全構造単位を100mol%とした場合に、前記一般式(A−3)で表される構造単位を20mol%以上含有することが好ましく、30mol%〜45mol%含有することがより好ましい。前記含有量が20mol未満であると、保存安定性が低くなることがあり、45mol%を超えると現像性が低下することがある。
<エチレン性不飽和結合>
前記エチレン性不飽和結合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(A−5)〜(A−7)で表されるものが好ましい。
ただし、前記一般式(A−5)〜(A−7)中、R〜R11は、それぞれ独立して1価の有機基を表す。X及びYは、それぞれ独立して、酸素原子、硫黄原子、又は−N−Rを表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、−N−R、又はフェニレン基を表す。Rは、水素原子、又は1価の有機基を表す。
前記一般式(A−5)において、Rとしては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記R及びRとしては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が挙げられ、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記Rとしては、例えば、置換基を有してもよいアルキル基等が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
前記一般式(A−6)において、R〜Rとしては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がより好ましい。
導入しうる前記置換基としては、前記一般式(A−5)において挙げたものが例示される。
前記一般式(A−7)において、Rとしては、例えば、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが好ましく、水素原子、メチル基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
前記R10、R11としては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基等が好ましく、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことからより好ましい。
ここで、導入しうる前記置換基としては、一般式(A−5)において挙げたものが例示される。
前記Zとしては、酸素原子、硫黄原子、−NR13−、又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R13は、置換基を有してもよいアルキル基などを表し、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
前記一般式(A−5)〜(A−7)で表される側鎖エチレン性不飽和結合の中でも、一般式(A−5)のものが、重合反応性が高く感度が高くなり、より好ましい。
前記エチレン性不飽和結合の前記高分子化合物における含有量は、特に制限はないが、0.5meq/g〜3.0meq/gが好ましく、1.0meq/g〜3.0meq/gがより好ましく、1.5meq/g〜2.8meq/gが特に好ましい。前記含有量が0.5meq/g未満であると、硬化反応量が少ないため低感度となることがあり、3.0meq/gより多いと、保存安定性が劣化することがある。
ここで、前記含有量(meq/g)は、例えば、ヨウ素価滴定により測定することができる。
前記一般式(A−5)で表されエチレン性不飽和結合を側鎖に導入する方法としては、特に制限はないが、例えば、側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物とエチレン性不飽和結合及びエポキシ基を有する化合物を付加反応させることで得ることができる。
前記側鎖にカルボキシル基を含有する高分子化合物は、例えば、カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物1種以上と、必要に応じて共重合成分として他のラジカル重合性化合物1種以上とを通常のラジカル重合法によって製造することでき、前記ラジカル重合法としては、例えば、懸濁重合法、溶液重合法等が挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合及びエポキシ基を有する化合物としては、これらを有すれば特に制限はないが、例えば、下記一般式(A−8)で表される化合物及び一般式(A−9)で表される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(A−8)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。
ただし、前記一般式(A−9)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは有機基を表す。Wは4〜7員環の脂肪族炭化水素基を表す。
前記一般式(A−8)で表される化合物及び一般式(A−9)で表される化合物の中でも、一般式(A−8)で表される化合物が好ましく、前記一般式(A−8)においても、Lが炭素数1〜4のアルキレン基のものがより好ましい。
前記一般式(A−8)で表される化合物又は一般式(A−9)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の例示化合物(31)〜(40)が挙げられる。
前記カルボキシル基を含有するラジカル重合性化合物しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、インクロトン酸、マレイン酸、p−カルボキシルスチレン等があり、特に好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
前記側鎖への導入反応としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン等の3級アミン、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ピリジン、トリフェニルフォスフィンなどを触媒として有機溶剤中、反応温度50℃〜150℃で数時間〜数十時間反応させることにより行うことができる。
前記側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(A−10)で表される構造、一般式(A−11)で表される構造、及びこれらの混合により表されるものが好ましい。
ただし、前記一般式(A−10)及び一般式(A−11)中、Ra〜Rcは水素原子又は1価の有機基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。Lは連結基を有してもよい有機基を表す。
前記一般式(A−10)で表される構造乃至一般式(A−11)で表される構造の高分子化合物における含有量は、20mol%以上が好ましく、20mol%〜50mol%がより好ましく、25mol%〜45mol%が特に好ましい。前記含有量が20mol%未満では、硬化反応量が少ないため低感度となることがあり、50mol%より多いと、保存安定性が劣化することがある。
<カルボキシル基>
本発明の高分子化合物においては、非画像部除去性などの諸性能を向上させるために、カルボキシル基を有していてもよい。
前記カルボキシル基は、酸基を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、前記高分子化合物に付与することができる。
このようなラジカル重合性が有する酸基としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸基等が挙げられ、カルボン酸が特に好ましい。
前記カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、インクロトン酸、マレイン酸、p−カルボキシルスチレン等が挙げられ、これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、p−カルボキシルスチレンが好ましい。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基のバインダーにおける含有量は、1.0meq/g〜4.0meq/gであり、1.5meq/g〜3.0meq/gが好ましい。前記含有量が1.0meq/g未満では現像性が不十分となることがあり、4.0meq/gを越えるとアルカリ水現像による画像強度ダメージを受けやすくなることがある。
前記高分子化合物は、画像強度等の諸性能を向上する目的で、前述のラジカル重合性化合物の他に、更に他のラジカル重合性化合物を共重合させることが好ましい。
前記他のラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類などから選ばれるラジカル重合性化合物などが挙げられる。
具体的には、アルキルアクリレート等のアクリル酸エステル類、アリールアクリレート、アルキルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、アリールメタクリレート、スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類、アルコキシスチレン、ハロゲンスチレン等が挙げられる。
前記アクリル酸エステル類としては、アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸エチルへキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
前記アリールアクリレートとしては、例えば、フェニルアクリレート等が挙げられる。
前記メタクリル酸エステル類としては、アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましく、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレー卜、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
前記アリールメタクリレートとしては、例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート等が挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等が挙げられる。
前記アルコキシスチレンとしては、例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等が挙げられる。
前記ハロゲンスチレンとしては、例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレン等が挙げられる。
これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、高分子化合物を合成する際に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、高分子化合物の分子量は、質量平均分子量で、10,000以上が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。前記質量平均分子量が10,000を下回ると硬化膜強度が不足することがあり、50,000を超えると現像性が低下する傾向にある。
また、本発明において、高分子化合物中には、未反応の単量体を含んでいてもよい。この場合、前記単量体の前記高分子化合物における含有量は、15質量%以下が好ましい。
本発明において、高分子化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、他の高分子化合物を混合して用いてもよい。この場合、前記他の高分子化合物の前記本発明の高分子化合物における含有量は、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
<エポキシアクリレート化合物>
前記エポキシアクリレート化合物とは、エポキシ化合物由来の骨格を有し、かつ分子中にエチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基を含有する化合物である。このような化合物は、例えば、多官能エポキシ化合物とカルボキシル基含有モノマーとを反応させ、更に多塩基酸無水物を付加させる方法などで得られる。
前記多官能エポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビスフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000;ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等)、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等);フェノール、o−クレゾール、ナフトール等のフェノール化合物と、フェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得られるポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応物;フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物;4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環を有するエポキシ樹脂;グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂;フェノール及びクレゾールから選択される1種とp−ヒドロキシベンズアルデヒド縮合体をグリシジルエーテル化したエポキシ樹脂;ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂;、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
またカルボキシル基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、α−シアノ桂皮酸、アクリル酸ダイマー;この他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体と無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等の環状酸無水物との付加反応物;ハロゲン含有カルボン酸化合物との反応生成物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。さらに、市販品としては、東亜合成化学工業(株)製のアロニックスM−5300、M−5400、M−5500およびM−5600、新中村化学工業(株)製のNKエステルCB−1およびCBX−1、共栄社油脂化学工業(株)製のHOA−MPおよびHOA−MS、大阪有機化学工業(株)製のビスコート#2100などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、多塩基酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水2,3−ジメチルコハク酸、無水2,2−ジメチルコハク酸、無水エチルコハク酸、無水ドデセニルコハク酸、無水ノネニルコハク酸、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水2,3−ジメチルマレイン酸、無水2−クロロマレイン酸、無水2,3−ジクロロマレイン酸、無水ブロモマレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水シスアコット酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸および5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物などの二塩基酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の多塩基酸無水物なども使用できる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
それぞれを順次反応させて、エポキシアクリレートを得るが、それらを反応させる比率は、多官能エポキシ化合物のエポキシ基1当量に対して、カルボキシル基含有モノマーのカルボキシル基0.8〜1.2当量、好ましくは、0.9〜1.1当量であり、多塩基酸無水物0.1〜1.0当量、好ましくは、0.3〜1.0当量である。
また、特開平5−70528号公報記載のフルオレン骨格を有するエポキシアクリレート(カルボキシル基を有してはいない化合物)に酸無水物を付加させて得られる化合物なども本発明のエポキシアクリレートとして利用できる。
前記エポキシアクリレート化合物の分子量は、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜50,000がより好ましい。該分子量が1,000未満であると、感光層表面のタック性が強くなることがあり、後述する感光層の硬化後において、膜質が脆くなる、あるいは、表面硬度が劣化することがあり、100,000を超えると、現像性が劣化することがある。また樹脂の合成も困難となる。
前記バインダーの前記感光性組成物中の固形分含有量は、5〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
前記バインダーの前記感光性組成物中の固形分含有量は、5質量%〜80質量%が好ましく、10質量%〜70質量%がより好ましい。該固形分含有量が、5質量%未満であると、感光層の膜強度が弱くなりやすく、該感光層の表面のタック性が悪化することがあり、80質量%を超えると、露光感度が低下することがある。
<I/O値>
前記バインダーは、I/O値が0.9以下であることが好ましい。I/O値が0.9以下であると、解像性、細線密着性が向上する。
前記バインダーのI/O値の調整は、共重合体を構成するモノマーの種類及び、該モノマーを重合させる際の重合比(含有量)の少なくともいずれかを適宜選択することにより行うことができる。
前記I/O値は、(無機性値)/(有機性値)とも呼ばれる各種有機化合物の極性を有機概念的に取り扱った値であり、各官能基にパラメータを設定する官能基寄与法の一つである。前記I/O値としては、詳しくは、有機概念図(甲田善生 著、三共出版(1984));KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
前記I/O値の概念は、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけて示すものである。
前記無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基或いは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値とは、該化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
前記有機性値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準にして定めたものである。即ち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近での炭素1個加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に、炭素原子1個の有機性値を20と定め、これを基礎として、各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化した値が有機性値である。例えば、ニトロ基(−NO)の有機性値は70である。
前記I/O値は、0に近いほど非極性(疎水性、有機性の大きな)の有機化合物であることを示し、大きいほど極性(親水性、無機性の大きな)の有機化合物であることを示す。
以下において前記I/O値の計算方法の一例を説明する。
メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン共重合体(共重合体組成(モル比):2/5/3)のI/O値は、該共重合体の無機性値及び有機性値を以下の方法により計算し、次式、(前記共重合体の無機性値)/(前記共重合体の有機性値)、を計算することにより求められる。
前記共重合体の無機性値は、前記メタクリル酸の無機性値×前記メタクリル酸のモル比と、前記メタクリル酸メチルの無機性値×前記メタクリル酸メチルのモル比と、前記スチレンの無機性値×前記スチレンのモル比との合計を求めることにより計算される。
前記メタクリル酸は、カルボキシル基を1個有し、前記メタクリル酸メチルは、エステル基を1個有し、前記スチレンは、芳香環を1個有するため、
前記メタクリル酸の無機性値は、150(カルボキシル基の無機性値)×1(カルボキシル基の個数)=150、
前記メタクリル酸メチルの無機性値は、60(エステル基の無機性値)×1(エステル基の個数)=60、
前記スチレンの無機性値は、15(芳香環の無機性値)×1(芳香環の個数)=15、である。
よって、前記共重合体の無機性値は、次式、150×2(メタクリル酸のモル比)+60×5(メタクリル酸メチルのモル比)+15×3(スチレンのモル比)、を計算することにより、645であることが計算される。
前記共重合体の有機性値は、前記メタクリル酸の有機性値×前記メタクリル酸のモル比と、前記メタクリル酸メチルの有機性値×前記メタクリル酸メチルのモル比と、前記スチレンの有機性値×前記スチレンのモル比との合計を求めることにより計算される。
前記メタクリル酸は、炭素原子4個を有し、前記メタクリル酸メチルは、炭素原子5個を有し、前記スチレンは、炭素原子8個を有するため、
前記メタクリル酸の有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×4(炭素原子数)=80、
前記メタクリル酸メチルの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×5(炭素原子数)=100、
前記スチレンの有機性値は、20(炭素原子の有機性値)×8(炭素原子数)=160、である。
よって、前記共重合体の有機性値は、次式、80×2(前記メタクリル酸のモル比)+100×5(前記メタクリル酸メチルのモル比)+160×3(前記スチレンのモル比)、を計算することにより、1140であることが計算される。
よって、前記共重合体のI/O値は、645(前記共重合体の無機性値)/1140(前記共重合体の有機性値)=0.566であることが判る。
(重合性化合物)
前記重合性化合物は、不飽和二重結合(重合性基)を少なくとも1つ有する。前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子中に少なくとも1個の付加重合可能な基を有し、例えば、(メタ)アクリル基を有するモノマーから選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合が好ましい。
前記分子中に重合性基を少なくとも1つ有する化合物は、ポリアルキレンオキシド基を有することが好ましい。
また、前記重合性化合物は、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有する化合物を含むことが好ましい。
<分子中に重合性基を1つ有する化合物>
前記分子中に重合性基を1つ有する化合物としては、例えば、下記構造式(i)で表される分子中に重合性基を1つ有し、かつポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物がある。
前記構造式(i)において、Rは、水素原子、又はメチル基を表す。
Xは、炭素原子数が2〜6のアルキレン基を表し、環状構造よりも鎖状構造を有していることが好ましい。鎖状アルキレン基は、分岐を有していてもよい。該アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、などが挙げられる。
nは、1〜30の整数であって、nが2以上の場合、複数の(−X−O−)は互いに同一であっても、異なってもよく、(−X−O−)は互いに異なる場合には、例えば、エチレン基とプロピレン基との組み合わせなどが挙げられる。
としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、これらの基は更に置換基により置換されていてもよい。
前記アルキル基としては、炭素数が1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、などが挙げられる。該アルキル基は、置換基を有してもよく、分岐や環構造を有していてもよい。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、などが挙げられる。該アラルキル基は置換基を有していてもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、クロロフェニル基、シアノフェニル基、ジブロモフェニル基、トリブロモフェニル基、ビフェニリル基、ベンジルフェニル基、α−ジメチル−ベンジルフェニル基、などが挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよい。
前記アルキル基、アラルキル基、及びアリール基における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、シアノ基、などが挙げられる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、などが挙げられる。
前記アリール基は、総炭素数6〜20が好ましく、6〜14がより好ましい。該アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、メトキシフェニル基、などが挙げられる。
前記アルケニル基としては、総炭素数2〜10が好ましく、2〜6がより好ましい。該アルケニル基としては、例えば、エチニル基、プロペニル基、ブチリル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、分岐していてもよい、総炭素数1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。該アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、2−メチルプロピルオキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
前記構造式(i)で表される分子中に重合性基を1つ有する化合物としては、具体的には、下記構造式で表される化合物、などが挙げられる。ただし、下記式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。nは1〜30の整数を表し、m及びLはそれぞれ1以上の整数を表し、m+Lは1〜30の整数を表す。Meはメチル基、Buはブチル基を表す。
前記分子中に重合性基を1つ有する化合物の前記重合性化合物中における含有量は、0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜25質量%が更に好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、剥離性や現像ラチチュード改良の効果が不十分になる場合があり、40質量%を超えると、解像、密着性、テント性などが悪化する場合がある。
<分子中に重合性基を2つ有する化合物>
前記分子中に重合性基を2つ有する化合物としては、分子中に重合性基を2つ有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有し、かつ重合性基を2つ有する化合物(モノマー又はオリゴマー)が好適に挙げられる。
<ウレタン基を有し、かつ重合性基を2つ有する化合物>
前記ウレタン基を有し、かつ重合性基を2つ有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子中に2個のイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基)などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
また、下記構造式(13)で表されるエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
前記構造式(13)において、R及びRは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。
及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、これらは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらの組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が特に好ましい。
前記構造式(13)において、m1及びm2は、1〜30の整数を表し、2〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(13)において、Yは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表す。該有機基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられる。これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記構造式で表されるいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記構造式で表される基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(13)で表される化合物としては、例えば、下記構造式(15)〜(21)で表される化合物などが好適に挙げられる。
ただし、前記構造式(15)〜(21)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。m及びnは、1〜60の整数を表す。
<アリール基を有し、かつ重合性基を2つ有する化合物>
前記アリール基を有し、かつ重合性基を2つ有する化合物としては、例えば、アリール基を有する2価アルコール化合物、アリール基を有する2価アミン化合物、及びアリール基を有するアミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する2価アルコール化合物、アリール基を有する2価アミン化合物、又はアリール基を有するアミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキサイド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホン、などが挙げられる。
また、これら以外にも、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、フタル酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性モノマーとしてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。
これらの中でも、下記構造式(38)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(38)において、R4及びRは、水素原子、又はアルキル基を表す。
前記構造式(38)において、X及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられる。これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が特に好ましい。
前記構造式(38)において、m5及びm6は、1〜60の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましく、4〜15の整数が特に好ましい。
前記構造式(38)において、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SOなどが挙げられる。
前記構造式(38)において、Ar及びArは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有し、かつ重合性基を2つ有する化合物の具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン;2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2〜20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン;フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2〜20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、国際公開第01/98832号パンフレットに記載の化合物、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物、などが挙げられる。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等の付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)、などが挙げられる。なお、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF又はビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
また、市販品としては、例えば、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000)などが挙げられる。
これらの分子中に重合性基を2つ有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記分子中に重合性基を2つ有する化合物の前記重合性化合物中における含有量は、60〜99質量%が好ましく、70〜99質量%がより好ましく、75〜99質量%が更に好ましい。
<分子中に重合性基を3つ以上有する重合性化合物>
前記分子中に重合性基を3つ以上有する重合性化合物としては、分子中に重合性基を3つ以上有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、前記分子中に重合性基を3つ以上有する化合物としては、例えば、下記構造式(ii)で表される分子中に重合性基を3つ以上有し、かつポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物も好適である。
ただし、前記構造式(ii)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
Xは、炭素数2〜6の分岐を有してもよいアルキレン基を表し、該アルキレン基は1分子中で1種でも、2種以上(例えばエチレンとプロピレン)を含んでいてもよい。
nは1〜30の整数を表す。mは3以上の整数を表す。
Yは、m価(3価〜6価)の有機基を表し、例えば、下記構造式で表される基などが挙げられる。
ただし、Etはエチル基を表す。
前記構造式(ii)で表される化合物としては、例えば、下記構造式(iii)〜(iv)で示される化合物が好適に挙げられる。
ただし、前記構造式(iii)及び(iv)において、R〜Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
〜Xは、炭素数2〜6の分岐を有してもよいアルキレン基を表し、該アルキレン基は1分子中で1種でも、2種以上(例えば、エチレンとプロピレン)を含んでいてもよい。
n1〜n3は、1〜30の整数を表す。
Rは、1価の有機基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基、などが挙げられる。
前記構造式(iii)及び(iv)で表される化合物としては、具体的には、下記構造式で表されるものが好適である。ただし、下記構造式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。n1、n2、及びn3は1〜30の整数を表す。m1、m2、及びm3、並びにL1、L2、及びL3は、それぞれ1以上の整数を表し、m1+L1、m2+L2、及びm3+L3は1〜30の整数を表す。
また、前記分子中に重合性基を3つ以上有する化合物としては、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有し、かつ重合性基を3つ以上有する化合物が好適である。
<ウレタン基を有し、かつ重合性基を3つ以上有する化合物>
前記ウレタン基を有し、かつ重合性基を3つ以上有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネートとトリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる多官能アルコールとの付加物(末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有するモノマーとしては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。
また、3つ以上の重合性基と共にウレタン基を有する化合物、更にポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物も好ましく用いられる。このような化合物としては、より具体的には、下記構造式(14)で表されるものが挙げられる。
前記構造式(14)において、Rは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。Xはアルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。m3は1〜30の整数、nは3以上の整数、Y2は2価の有機基、Zはn価の有機基を示す。
前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらの組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(14)中、m3は、1〜30の整数を表し、2〜20が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(14)中、Yは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記構造式で表されるいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記構造式で表される基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(14)中、Yは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記構造式(14)中、nは3〜6の整数を表し、重合性モノマーを合成するための原料供給性などの観点から、3、4又は6が好ましい。
前記構造式(14)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記構造式で表されるいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキサイドを表す。m4は、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価の脂肪族基、n価の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基としては、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
以下に、前記Aの好ましい例としては、下記構造式で表される通りである。
前記構造式(14)で表される化合物としては、例えば下記構造式(22)〜(37)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記構造式(15)〜(37)中、n、n1、n2及びmは、1〜60を意味する。lは、1〜20を意味する。Rは、水素原子又はメチル基を表す。
<アリール基を有し、かつ重合性基を3つ以上有する化合物>
前記アリール基を有し、かつ重合性基を3つ以上有する化合物としては、例えば、アリール基を有する3価以上のアルコール化合物、アリール基を有する3価以上のアミン化合物、及びアリール基を有する3価以上のアミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する3価以上のアルコール化合物、3価以上のアミン化合物及び3価以上のアミノアルコール化合物としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリオール、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロールなどが挙げられる。
また、この他ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、トリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、トリメリット酸トリアリル、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂等)、が挙げられる。
更に、カチオン重合性のエポキシ化合物(例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)なども利用できる。
これらの重合性基を3つ以上有する化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記分子中に重合性基を3つ以上有する化合物の前記重合性化合物中における含有量は、0.1〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜25質量%が更に好ましい。
<その他の重合性化合物>
本発明の感光性組成物には、前記の重合性化合物以外の重合性化合物を用いてもよい。例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、国際公開第01/98832号パンフレットに記載の化合物等)、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性化合物として、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/2165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
該重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
該重合性化合物の含有量としては、前記感光性組成物中の全固形分に対して、0.001〜30質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。該含有量が0.01質量%未満であると、十分な硬化感度を得られないことがあり、30質量%を超えると、現像性・保存性に悪影響を与えることがある。
(光重合開始剤)
前記光重合開始剤は、たとえば、下記一般式(1)で表されるオキシム誘導体からなる。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。mは、0以上のいずれかの整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでいてもよい。
前記一般式(1)で表されるオキシム誘導体の中でも、下記一般式(2)で表される誘導体がより好ましく、下記一般式(3)及び(4)のいずれかで表される誘導体が特に好ましい。
ただし、前記一般式(2)中、Rは、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。mは、0以上のいずれかの整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、アルキル基を表し、該アルキル基は、更に置換基を有していてもよい。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
前記一般式(1)及び(2)中、Rで表されるアシル基としては、脂肪族、芳香族、及び複素環のいずれでもよく、更に置換基を有してもよい。
脂肪族のアシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、フェノキシアセチル基、クロロアセチル基、などが挙げられる。芳香族のアシル基としては、ベンゾイル基、ナフトイル基、メトキシベンゾイル基、ニトロベンゾイル基、などが挙げられる。複素環のアシル基としては、フラノイル基、チオフェノイル基、などが挙げられる。置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかが好ましい。
前記アシル基としては、総炭素数2〜30のものが好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、メチルプロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、ベンジルカルボニル基、フェノキシアセチル基、2エチルヘキサノイル基、クロロアセチル基、ベンゾイル基、パラメトキシベンゾイル基、2,5−ジブトキシベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピリジルカルボニル基、フラノイル基、チオフェノイル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、などが挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)中、Rで表されるアルキルオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数が2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数2〜20のものがより好ましく、総炭素数2〜16のものが特に好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニルブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)中、Rで表されるアリールオキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、総炭素数7〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、総炭素数7〜20のものがより好ましく、総炭素数7〜16のものが特に好ましい。この様なアリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフトキシカルボニル基、パラメトキシフェノキシカルボニル基、2,5−ジエトキシフェノキシカルボニル基、パラクロロフェノキシカルボニル基、パラニトロフェノキシカルボニル基、パラシアノフェノキシカルボニル基、などが挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)中、Rで表される置換基としては、特に制限はなく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アシルアミノ基、などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、及びアシルオキシ基のいずれかが好ましい。
ここで、前記一般式(1)で表されるオキシム誘導体の具体例としては、下記構造式(1)〜(54)で表される誘導体が挙げられるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
ただし、前記構造式(1)〜(54)中、Meは、メチル基を表す。Phは、フェニル基を表す。Acは、アセチル基を表す。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤の含有量としては、前記感光性組成物中の全固形分に対して、0.001〜30質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。該含有量が、0.01質量%未満であると、十分な硬化感度を得られないことがあり、30質量%を超えると、現像性・保存性に悪影響を与えることがある。
本発明の光重合開始剤は、前記オキシム誘導体以外に、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有する公知の他の光重合開始剤を用いることができる。該他の光重合開始剤は、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
なお、前記他の光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記他の光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、アクリジン化合物、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層と基板との密着性等の観点から、ケトン化合物及びアクリジン化合物が好ましい。
(増感剤)
前記増感剤は、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる作用を有する。
前記増感剤としては、前記光照射手段(例えば、可視光線や紫外光及び可視光レーザ等)に合わせて適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、縮環系化合物、アミノフェニルケトン系化合物、多核芳香族類、酸性核を有するもの、塩基性核を有するもの、蛍光増白剤核を有するものから選択される少なくとも1種を含み、必要に応じて、その他の増感剤を含んでもよい。これらの中でも、感度向上の点で、ヘテロ縮環系化合物、アミノベンゾフェノン系化合物が好ましく、特にヘテロ縮環系化合物が好ましい。
<ヘテロ縮環系化合物>
前記ヘテロ縮環系化合物とは、環の中にヘテロ元素を有する多環式化合物を意味し、前記環の中に、窒素原子を含むのが好ましい。前記ヘテロ縮環系化合物としては、例えば、ヘテロ縮環系ケトン化合物が挙げられる。前記ヘテロ縮環系ケトン化合物の中でも、アクリドン化合物及びチオキサントン化合物が更に好ましく、これらの中でもチオキサントン化合物が特に好ましい。
前記ヘテロ縮環系ケトン化合物としては、具体的には、例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、などのアクリドン化合物;チオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロピルオキシチオキサントン、QuantacureQTXなどのチオキサントン化合物;3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、また、特開平5−19475号、特開平7−271028号、特開2002−363206号、特開2002−363207号、特開2002−363208号、特開2002−363209号公報等に記載のクマリン化合物、などのクマリン類;などが挙げられる。
また公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、なども挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜4質量%が好ましく、0.02〜2質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満となると、感度が低下することがあり、4質量%を超えると、パターンの形状が悪化することがある。
前記感光性組成物における前記増感剤の含有量と、光重合開始剤の含有量との質量比は、〔増感剤/光重合開始剤〕=1/0.1〜1/100であることが好ましく、1/1〜1/50であることがより好ましい。
前記増感剤の含有量と、前記光重合開始剤の含有量との質量比が、上記の範囲外であると、感度が低下し、かつ感度の経時変化が悪化することがある。
(熱架橋剤)
前記熱架橋剤は、加熱により架橋反応を起こす化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光性組成物を用いて形成される感光層の硬化後の膜強度を改良するために、現像性等に悪影響を与えない範囲で、例えば、1分子内に少なくとも2つのエポキシ基(オキシラン環)を有するエポキシ化合物(オキシラン化合物)、1分子内に少なくとも2つのオキセタン環を有するオキセタン化合物、などを用いることができる。これらの中でも1分子内に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物が特に好ましい。
前記1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂(「YX4000ジャパンエポキシレジン社製」等)又はこれらの混合物、イソシアヌレート骨格等を有する複素環式エポキシ樹脂(「TEPIC;日産化学工業社製」、「アラルダイトPT810;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製」等)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂(例えば、低臭素化エポキシ樹脂、高ハロゲン化エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、アリル基含有ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジフェニルジメタノール型エポキシ樹脂、フェノールビフェニレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(「HP−7200,HP−7200H;大日本インキ化学工業社製」等)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、トリグリシジルアミノフェノール等)、グリジジルエステル型エポキシ樹脂(フタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル等)ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジエポキシド、「GT−300、GT−400、ZEHPE3150;ダイセル化学工業製」等、)、イミド型脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、グリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂(ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、市販品としては「ESN−190,ESN−360;新日鉄化学社製」、「HP−4032,EXA−4750,EXA−4700;大日本インキ化学工業社製」等)、フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシクロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応によって得られるポリフェノール化合物と、エピクロルヒドリンとの反応物、4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酢酸等でエポキシ化したもの、線状含リン構造を有するエポキシ樹脂、環状含リン構造を有するエポキシ樹脂、α―メチルスチルベン型液晶エポキシ樹脂、ジベンゾイルオキシベンゼン型液晶エポキシ樹脂、アゾフェニル型液晶エポキシ樹脂、アゾメチンフェニル型液晶エポキシ樹脂、ビナフチル型液晶エポキシ樹脂、アジン型エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂(「CP−50S,CP−50M;日本油脂社製」等)、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン型エポキシ樹脂、ビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限られるものではない。これらのエポキシ樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記1分子中に少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ化合物におけるエポキシ基としては、β位にアルキル基を有していてもよく、β位がアルキル基で置換されたエポキシ基(より具体的には、β−アルキル置換グリシジル基など)が特に好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を少なくとも含むエポキシ化合物は、1分子中に含まれる2個以上のエポキシ基のすべてがβ−アルキル置換グリシジル基であってもよく、少なくとも1個のエポキシ基がβ−アルキル置換グリシジル基であってもよい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、室温における保存安定性の観点から、前記感光性組成物中に含まれる前記エポキシ化合物全量中における、全エポキシ基中のβ−アルキル置換グリシジル基の割合が、30%以上であるのが好ましく、40%以上であるのがより好ましく、50%以上であるのが特に好ましい。
前記β−アルキル置換グリシジル基としては、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、β−ブチルグリシジル基、などが挙げられ、これらの中でも、前記感光性組成物の保存安定性を向上させる観点、及び合成の容易性の観点から、β−メチルグリシジル基が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、多価フェノール化合物とβ−アルキルエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ化合物が好ましい。
前記β−アルキルエピハロヒドリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−メチルエピクロロヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン、β−メチルエピフロロヒドリン等のβ−メチルエピハロヒドリン;β−エチルエピクロロヒドリン、β−エチルエピブロモヒドリン、β−エチルエピフロロヒドリン等のβ−エチルエピハロヒドリン;β−プロピルエピクロロヒドリン、β−プロピルエピブロモヒドリン、β−プロピルエピフロロヒドリン等のβ−プロピルエピハロヒドリン;β−ブチルエピクロロヒドリン、β−ブチルエピブロモヒドリン、β−ブチルエピフロロヒドリン等のβ−ブチルエピハロヒドリン;などが挙げられる。これらの中でも、前記多価フェノールとの反応性及び流動性の観点から、β−メチルエピハロヒドリンが好ましい。
前記多価フェノール化合物としては、1分子中に2個以上の芳香族性水酸基を含有する化合物であれば、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ビフェノール、テトラメチルビフェノール等のビフェノール化合物、ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等のナフトール化合物、フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物等のフェノールノボラック樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物、ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物、フェノールと炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノールとホルムアルデヒドとの共重縮合物、フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物などが挙げられる。これらの中でも、例えば、流動性及び保存安定性を向上させる目的で選択する場合には、前記ビスフェノール化合物が好ましい。
前記β位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビフェノール化合物のジ−β−アルキルグリシジルエーテル;ジヒドロキシナフタレンのジ−β−アルキルグリシジルエーテル、ビナフトールのジ−β−アルキルグリシジルエーテル等のナフトール化合物のβ−アルキルグリシジルエーテル;フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;クレゾール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のモノアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;キシレノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等の炭素数1〜10のジアルキル置換フェノール−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;ビスフェノールA−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル等のビスフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;フェノール化合物とジビニルベンゼンの重付加物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテル;などが挙げられる。
これらの中でも、下記一般式(C−1)で表されるビスフェノール化合物、及びこれとエピクロロヒドリンなどから得られる重合体から誘導されるβ−アルキルグリシジルエーテル、及び下記一般式(C−2)で表されるフェノール化合物−ホルムアルデヒド重縮合物のポリ−β−アルキルグリシジルエーテルが好ましい。
ただし、前記一般式(C−1)中、Rは、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。nは、0〜20いずれかの整数を表す。
ただし、前記一般式(C−2)中、Rは、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基のいずれかを表す。R”は、水素原子、及びCHのいずれかを表し、nは、0〜20のいずれかの整数を表す。
これらβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、1分子中に少なくとも2つのエポキシ基(オキシラン環)を有するエポキシ化合物、及びβ位にアルキル基を有するエポキシ基を含むエポキシ化合物を併用することも可能である。
前記エポキシ化合物の骨格としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式基含有型エポキシ樹脂、及び難溶性エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種が好ましい。
前記1分子中に少なくとも2つのオキセタン環を有するエポキシ化合物としては、例えば、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート又はこれらのオリゴマーあるいは共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタン基を有する化合物と、ノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、シルセスキオキサン等の水酸基を有する樹脂など、とのエーテル化合物が挙げられ、この他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
前記熱架橋剤の含有量としては、感光性組成物中の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。該含有量が1質量%未満であると、硬化膜の膜強度の向上が認められず、50質量%を超えると、現像性の低下や露光感度の低下を生ずることがある。
(蛍光増白剤)
前記蛍光増白剤としては、後述する感光層への露光における露光感度や感光波長を調整する目的で、或いは、前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該現像の前後において変化させない前記光の最小エネルギー(感度)を向上させる観点から添加される。前記蛍光増白剤を併用することにより、例えば、前記感光層の感度を0.1〜100mJ/cmに極めて容易に調整することもできる。
「蛍光性白化剤」(“Fluorescent Whitening Agent”)としても知られる前記蛍光増白剤は、紫外〜短波可視である300〜450nm付近の波長を有する光を吸収可能であり、かつ400〜500nm付近の波長を有する蛍光を発光可能な無色ないし弱く着色した化合物である。蛍光増白剤の物理的原理および化学性の記述は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,Electronic Release,Wiley-VCH 1998に示されている。基本的には、適する蛍光増白剤は炭素環式または複素環式核を含んでなるπ−電子系を含有する。
該蛍光増白剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することできるが、非イオン性核を有する化合物が好ましい。前記非イオン性核としては、例えば、スチルベン核、ジスチリルベンゼン核、ジスチリルビフェニル核、ジビニルスチルベン核、フェニルピラゾリン核、及びスチリルピラゾリン核から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記非イオン性核を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、ピラゾリン類、トリアジン類、スチルベン類、ジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、ジビニルスチルベン類、トリアジニルアミノスチルベン類、スチルベニルトリアゾール類、スチルベニルナフトトリアゾール類、ビス−トリアゾールスチルベン類、ベンゾキサゾール類、ビスフェニルベンゾキサゾール類、スチルベニルベンゾキサゾール類、ビス−ベンゾキサゾール類、フラン類、ベンゾフラン類、ビス−ベンズイミダゾール類、ジフェニルピラゾリン類、ジフェニルオキサジアゾール類、ナフタルイミド類、キサンテン類、カルボスチリル類、ピレン類および1,3,5−トリアジニル−誘導体などが挙げられる。これらの中でも、スチリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基から選択される少なくとも1種を有するものが好ましく、更にジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、又はエテニル基、芳香環基、複素環基からなる2価の連結基で連結されたビスベンゾオキサゾール類、ビスベンゾチアゾール類、などが特に好ましい。
また、前記蛍光増白剤は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネチルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエチルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、炭素数30以下のアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホスホノ基、などが挙げられる。
前記のそれぞれの代表的な蛍光増白剤の例は、例えば大河原編「色素ハンドブック」、講談社、84〜145頁、432〜439頁に記載されているものを挙げることができる。
前記蛍光増白剤の含有量としては、前記感光性組成物の全固形分に対し、0.01〜4質量%が好ましく、0.02〜2質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満となると、感度が低下することがあり、4質量%を超えると、パターンの形状が悪化することがある。
前記蛍光増白剤に加えて、必要に応じて後述の他の増感剤を添加してもよい。
(熱重合禁止剤)
前記熱重合禁止剤は、前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(着色顔料)
前記着色顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタロシアニングリーン、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて、公知の染料の中から、適宜選択した染料を使用することができる。
前記着色顔料の含有量は、永久パターン形成の際の感光層の露光感度、解像性などを考慮して決めることができ、前記着色顔料の種類により異なるが、一般的には前記感光性組成物の全固形分に対し、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
(フィラー)
前記フィラーとしては、例えば、無機顔料(上記着色顔料を除く)、有機微粒子がある。
前記無機顔料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
前記無機顔料の平均粒径は、10μm未満が好ましく、3μm以下がより好ましい。該平均粒径が10μm以上であると、光錯乱により解像度が劣化することがある。
前記有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。また、平均粒径1〜5μm、吸油量100〜200m/g程度のシリカ、架橋樹脂からなる球状多孔質微粒子などを用いることができる。
前記フィラーの添加量は、前記感光性組成物の全固形分に対し、5〜60質量%が好ましい。該添加量が5質量%未満であると、十分に線膨張係数を低下させることができないことがあり、60質量%を超えると、感光層表面に硬化膜を形成した場合に、該硬化膜の膜質が脆くなり、永久パターンを用いて配線を形成する場合において、配線の保護膜としての機能が損なわれることがある。
(密着促進剤)
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報などに記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光性組成物の全固形分に対して0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
(イオン交換処理)
前記イオン交換処理は、前記感光性組成物に対し、イオン交換樹脂を用いて行われる。該イオン交換樹脂としては、有機材料からなる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂が好ましい。
<陽イオン交換樹脂>
前記陽イオン交換樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルホン酸型スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの強酸性陽イオン交換樹脂、カルボン酸型スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの弱酸性陽イオン交換樹脂などが上げられる。具体的には三菱化学製ダイヤイオンSK、ダイヤイオンPK、ダイヤイオンUBK500、ダイヤイオンWK、オルガノ社製アンバーライトIR,アンバーライトIRCなどが挙げられる。
<陰イオン交換樹脂>
前記陰イオン交換樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第4級アンモニウム塩型スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などの強塩基性陰イオン交換樹脂、芳香族アミン型樹脂、ポリエチレンアミン型樹脂、第1アミン型樹脂などの弱塩基性陰イオン交換樹脂などが挙げられる。具体的には、三菱化成社製ダイヤイオンSA、ダイヤイオンPA、ダイヤイオンHPA、ダイヤイオンWAやオルガノ社製アンバーライトIRA、アンバーリストA−21、アンバーリストA−27などが挙げられる。
また、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を併用してもよく、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合してなるイオン交換樹脂を、前記イオン交換処理に用いてもよい。該陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合してなるイオン交換樹脂としては、例えば、デュオライト6000(住友化学CHEMTEX社製)、デュオライト700(住友化学CHEMTEX社製)、アンバーリストMSPS2−1(オルガノ社製)等がある。
前記イオン交換処理法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バッチ法、カラム法などが挙げられる。
前記バッチ法は、感光性組成物の溶液中にイオン交換樹脂を入れ、所定時間、混合、撹拌することによって除去する方法である。
前記カラム法は、前記イオン交換樹脂をカラムに充填し、このカラムに感光性組成物溶液を滴下して精製する方法である。
これらの中でも、より好適にイオン交換し得るバッチ法が好ましい。前記バッチ法では、所定時間攪拌した後、前記感光性組成物の溶液と被吸着イオンとを分離することにより除去することができる。前記分離方法は、フィルターによる濾過や遠心分離などの手法が一般的に行われる。
前記バッチ法に用いられる感光性組成物の溶液は、該感光性組成物の固形部分の濃度が10〜60質量%が好ましい。前記濃度が10質量%未満あるいは60質量%を超えると、感光性組成物からなる感光層の好適な厚み(一般的に5〜50μm)を、均一に塗布するのが困難になり、好ましくない。
〔感光性フィルム〕
本発明の感光性フィルムは、支持体上に、感光性組成物からなる感光層が積層されてなる。好ましくは、前記感光層上に保護層が積層されてなり、更に必要に応じて、クッション層、酸素遮断層(PC層)等のその他の層が積層されてなる。
前記感光性フィルムの形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体上に、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記PC層、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態、前記支持体上に、前記クッション層、前記PC層、前記感光層、前記保護層をこの順に有してなる形態等が挙げられる。なお、前記感光層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。
<感光層>
前記感光層の前記感光性フィルムにおいて設けられる箇所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、前記支持体上に積層される。
前記感光層は、後述する露光工程において、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光で、露光されるのが好ましい。
前記感光層を露光し現像する場合において、該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギーは、100mJ/cm以下であることが好ましく、70mJ/cm以下であることがより好ましい。前記露光に用いる光の最小エネルギーが、100mJ/cmを超えると、タクト時間が長くなるため好ましくない。
ここで、「該感光層の露光する部分の厚みを該露光及び現像後において変化させない前記露光に用いる光の最小エネルギー」とは、いわゆる現像感度であり、例えば、前記感光層を露光したときの前記露光に用いた光のエネルギー量(露光量)と、前記露光に続く前記現像処理により生成した前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)から求めることができる。
前記硬化層の厚みは、前記露光量が増えるに従い増加していき、その後、前記露光前の前記感光層の厚みと略同一且つ略一定となる。前記現像感度は、前記硬化層の厚みが略一定となったときの最小露光量を読み取ることにより求められる値である。
ここで、前記硬化層の厚みと前記露光前の前記感光層の厚みとが±1μm以内であるとき、前記硬化層の厚みが露光及び現像により変化していないとみなす。
前記硬化層及び前記露光前の前記感光層の厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、膜厚測定装置、表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400D(東京精密社製))等を用いて測定する方法が挙げられる。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3μm〜100μmが好ましく、5μm〜70μmがより好ましい。
前記感光層の形成方法としては、前記支持体の上に、本発明の前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記感光性組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、ノルマル−プロパノール、イソプロパノール、ノルマル−ブタノール、セカンダリーブタノール、ノルマル−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−ノルマル−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホラン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコーター、スリットスピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター等を用いて、前記支持体に直接塗布する方法が挙げられる。
前記乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60℃〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
本発明において、前記感光層は、バインダーと、重合性化合物と、フィラーとを含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有する感光性組成物により形成される。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、且つ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、且つ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2μm〜150μmが好ましく、5μm〜100μmがより好ましく、8μm〜50μmが特に好ましい。前記支持体は、単層であってもよいし、多層構成を有していてもよい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの長さのものが挙げられる。
<保護層>
前記感光性フィルムは、前記感光層上に保護層を形成してもよい。
前記保護層としては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、等が挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜100μmが好ましく、8μm〜50μmがより好ましく、10μm〜30μmが特に好ましい。
前記支持体と保護層との組合せ(支持体/保護層)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、支持体及び保護層の少なくともいずれかを表面処理することにより、層間接着力を調整することができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護層との静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記感光性フィルムは、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状の感光性フィルムの長さは、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状の感光性フィルムをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いることが好ましい。
前記保護層は、前記保護層と前記感光層との接着性を調整するために表面処理してもよい。前記表面処理は、例えば、前記保護層の表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を形成させる。該下塗層の形成は、前記ポリマーの塗布液を前記保護層の表面に塗布した後、30℃〜150℃で1分間〜30分間乾燥させることにより形成させることができる。前記乾燥させる際の温度は、50℃〜120℃が特に好ましい。
<その他の層>
前記感光性フィルムにおけるその他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮断層(PC層)、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有していてもよい。また、前記感光層上に保護層を有していてもよい。
<感光性フィルムの製造方法>
前記感光性フィルムは、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、前記感光性組成物に含まれる材料を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて、感光性フィルム用の感光性組成物溶液を調製する。
前記溶媒としては、前記感光性組成物溶液の溶剤と同様のものが挙げられる。
次に、前記支持体上に前記感光性組成物溶液を塗布し、乾燥させて感光層を形成し、感光性フィルムを製造することができる。
前記感光性組成物溶液の塗布方法としては、上述した方法が挙げられる。
前記感光性フィルムは、前記感光性組成物を用いるため、耐めっき性、感度、現像性、及び密着性が良好であり、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフ等のパターン形成用などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
特に、前記感光性フィルムは、該フィルムの厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジスト等)を薄層化しても、高加速度試験(HAST)においてデンドライトの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、基材への積層がより精細に行われる。
〔感光性積層体〕
前記感光性積層体は、基体上に、前記感光層を少なくとも有し、目的に応じて適宜選択されるその他の層を積層してなる。
<基体>
前記基体は、感光層が形成される被処理基体、又は本発明の感光性フィルムの少なくとも感光層が転写される被転写体となるもので、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。板状の基体が好ましく、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板(プリント基板)、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
<感光性積層体の製造方法>
前記感光性積層体の製造方法として、第1の態様として、前記感光性組成物を前記基体の表面に塗布し乾燥する方法が挙げられ、第2の態様として、前記感光性フィルムにおける少なくとも感光層を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら転写して積層する方法が挙げられる。
前記第1の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体上に、前記感光性組成物を塗布及び乾燥して感光層を形成する。
前記塗布及び乾燥の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基体の表面に、前記感光性組成物を、水又は溶剤に溶解、乳化又は分散させて感光性組成物溶液を調製し、該溶液を直接塗布し、乾燥させることにより積層する方法が挙げられる。
前記塗布方法及び乾燥条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光性フィルムに用いたものと同じ方法及び条件で行う。
前記第2の態様の感光性積層体の製造方法は、前記基体の表面に本発明の感光性フィルムを加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層する。なお、前記感光性フィルムが前記保護層を有する場合には、該保護層を剥離し、前記基体に前記感光層が重なるようにして積層するのが好ましい。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製 VP−II、ニチゴーモートン(株)製 VP130)などが好適に挙げられる。
前記感光性フィルム及び前記感光性積層体は、前記感光性組成物を用いるため、感度、現像性、及び密着性が良好で、高精細な永久パターンを効率よく形成可能であり、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン、などの各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造用、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどのパターン形成用などに好適に用いることができ、特に、プリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
特に、前記感光性フィルムは、厚みが均一であるため、永久パターンの形成に際し、永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、ソルダーレジストなど)を薄層化しても、高度加速寿命試験(HAST)においてデンドライトの発生がなく、耐熱性、耐湿性に優れた高精細な永久パターンが得られるため、基材への積層がより精細に行われる。
〔永久パターン形成方法〕
前記永久パターン形成方法は、露光工程を少なくとも含み、適宜選択した現像工程等のその他の工程を含む。
なお、パターン形成装置は、前記パターン形成方法の説明を通じて明らかにするが、前記感光性積層体を備えており、光照射手段と光変調手段とを少なくとも有する。
<露光工程>
前記露光工程は、本発明の感光性組成物における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記感光性組成物、及び基体の材料については上述の通りである。
前記露光の対象としては、前記感光性組成物における感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述のように、基体上に感光性組成物を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層して形成した積層体に対して行われることが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記アナログ露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、(超)高圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプなどで露光を行なう方法が挙げられる。
前記デジタル露光としては、前記フォトマスクを用いずに行なうのであれば特に制限はないが、例えば、光照射手段及び光変調手段を少なくとも備えた露光ヘッドと、前記感光層の少なくともいずれかを移動させつつ、前記感光層に対して、前記光照射手段から出射した光を前記光変調手段によりパターン情報に応じて変調しながら前記露光ヘッドから照射して行なうことが好ましい。
前記デジタル露光では、紫外から近赤外線を発する光源であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、レーザ等の公知光源が用いられるが、好ましい光源は(超)高圧水銀灯、レーザであり、より好ましい光源はレーザである。
(超)高圧水銀灯とは、石英ガラスチューブなどに水銀を封入した放電灯であり水銀の蒸気圧を高く設定して発光効率を高めたものである。輝線スペクトルのうち、NDフィルターなどを用いて1波長のみの輝線スペクトルを用いても良く、複数の輝線スペクトルを有する光線を用いても良い。
レーザは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光の増幅)の頭字語である。反転分布を持った物質中で起きる誘導放出の現象を利用し、光波の増幅、発振によって干渉性と指向性が一層強い単色光を作り出す発振器及び増幅器。励起媒質として結晶、ガラス、液体、色素、気体などあり、これらの媒質から固体レーザ、液体レーザ、気体レーザ、半導体レーザなどの公知のレーザを前記波長領域において用いることができる。
具体的には、ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm)、Krイオンレーザ(356nm、351nm)、He−Cdレーザ(325nm)、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4 レーザ(1064nm)、及びYAG、YVO4 レーザの2倍波(532nm)、3倍波(355nm)、4倍波(266nm)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜400nm)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm)、AlGaInN(350nm〜470nm)などを挙げることができ、これらの中で好適なレーザは、コストの面でAlGaInN半導体レーザ(市販InGaN系半導体レーザ375nmまたは405nm)、生産性の面で高出力な355nmレーザである。
前記紫外から近赤外線の波長としては、例えば、300〜1,500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200〜1,500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、330〜500nmが更に好ましく、350〜420nmが特に好ましい。
<光変調手段>
前記光変調手段の代表的な方法について説明する。
その内のひとつは、n個の描素部を有し、前記パターン情報に応じて前記描素部を制御する方法である。例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Space Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
前記DMDを用いた場合、光源からの光は、適切な光学系によって前記DMD上に照射され、前記DMDに二次元に並んだ各ミラーからの反射光が、別の光学系などを経て、感光層上に、二次元に並んだ光点の像を形成する。このままでは光点と光点の間は露光されないが、前記二次元に並んだ光点の像を、二次元の並び方向に対して、やや傾いた方向に移動させると、最初の列の光点と光点の間を、後方の列の光点が露光する、という形で、感光層の全面を露光することができる。前記DMDの各ミラーの角度を制御し、前記光点をON−OFFすることで、画像パターンを形成することができる。このような前記DMDを有す露光ヘッドを並べて用いることで色々な幅の基板に対応することができる。
前記DMDでは、前記光点の輝度は、ONかOFFの2階調しかないが、ミラー階調型空間変調素子を用いると、256階調の露光を行なうことができる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
一方、前記光変調手段の、別の代表的な方法は、ポリゴンミラーを用いる方法である。ポリゴンミラー(polygon mirror)とは、周囲に一連の平面反射面を持った回転部材のことである。感光層上に光源からの光を反射して照射するが、反射光の光点は、該平面鏡の回転によって走査される。この走査方向に対して直角に基板を移動させることで、基板上の感光層の全面を露光することができる。光源からの光の強度を適切な方法でON−OFF、又は中間調に制御することで、画像パターンを形成することができる。光源からの光を複数本とすることで、走査時間を短縮することができる。
本発明の光変調手段には、例えば、以下の方法も適用することができる。
特開平5−150175に記載のポリゴンミラーを用いて描画する例、特表2004−523101(WO2002/039793)に記載の下部レイヤの画像の一部を視覚的に取得し、ポリゴンミラーを用いた装置で上部レイヤの位置を下部レイヤ位置に揃えて露光する例、特開2004−56080に記載のDMD有する露光する例、特表2002−523905に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2001−255661に記載のポリゴンミラー備えた露光装置、特開2003−50469に記載のDMD、LD、多重露光の組み合わせ例、特開2003−156853に記載の基板の部位により露光量を変える露光方法の例、特開2005−43576に記載の位置ずれ調整を行なう露光方法の例等である。
<光照射手段>
光の照射方法としては、特に制限はなく、前述の露光光源を目的に応じて適宜選択することができるが、これらの光源からの光を2以上合成して照射することが好適であり、2以上の光を合成したレーザ光(合波レーザ光)を照射することが特に好適に挙げられる。
前記合波レーザ光の照射方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数のレーザ光源と、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザ光源から照射されるレーザ光を集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とにより合波レーザ光を構成して照射する方法が挙げられる。
レーザのビーム径は、特に制限はないが、濃色離隔壁の解像度の観点から、ガウシアンビームの1/e値で5〜30μmが好ましく、7〜20μmがより好ましい。
本発明ではレーザ光を画像データに応じて空間光変調することが好ましい。この目的のため空間光変調素子である前記DMDを用いることが好ましい。
前記光変調手段、及び前記光照射手段を有している露光装置としては、例えば特開2005−222039号公報、特開2005−258431号公報、特開2006−30966号公報などに記載されている装置を用いることができるが、本発明における露光装置はこれに限定されるものではない。
<現像工程>
前記現像工程は、前記露光工程により前記感光層を露光し、該感光層の露光した領域を硬化させた後、未硬化領域を除去することにより現像し、永久パターンを形成する工程である。
前記未硬化領域の除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、現像液を用いて除去する方法などが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア水、4級アンモニウム塩の水溶液などが好適に挙げられる。これらの中でも、炭酸ナトリウム水溶液が特に好ましい。
前記現像液は、界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えば、ベンジルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や、現像を促進させるため有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類等)などと併用してもよい。また、前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液であってもよく、有機溶剤単独であってもよい。
<硬化処理工程>
前記硬化処理工程は、前記現像工程が行われた後、形成された永久パターンにおける感光層に対して硬化処理を行う工程である。
前記硬化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、全面露光処理、全面加熱処理などが好適に挙げられる。
前記全面露光処理の方法としては、例えば、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を露光する方法が挙げられる。該全面露光により、前記感光層を形成するパターン形成材料中の樹脂の硬化が促進され、前記永久パターンの表面が硬化される。
前記全面露光を行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯などのUV露光機が好適に挙げられる。
前記全面加熱処理の方法としては、前記現像工程の後に、前記永久パターンが形成された前記積層体上の全面を加熱する方法が挙げられる。該全面加熱により、前記永久パターンの表面の膜強度が高められる。
前記全面加熱における加熱温度としては、120〜250℃が好ましく、120〜200℃がより好ましい。該加熱温度が120℃未満であると、加熱処理による膜強度の向上が得られないことがあり、250℃を超えると、前記パターン形成材料中の樹脂の分解が生じ、膜質が弱く脆くなることがある。
前記全面加熱における加熱時間としては、10〜120分が好ましく、15〜60分がより好ましい。
前記全面加熱を行う装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、IRヒーターなどが挙げられる。
なお、前記基材が多層配線基板などのプリント配線板である場合には、該プリント配線板上に本発明の永久パターンを形成し、更に、以下のように半田付けを行うことができる。
即ち、前記現像工程により、前記永久パターンである硬化層が形成され、前記プリント配線板の表面に金属層が露出される。該プリント配線板の表面に露出した金属層の部位に対して金メッキを行った後、半田付けを行う。そして、半田付けを行った部位に、半導体や部品などを実装する。このとき、前記硬化層による永久パターンが、保護膜あるいは絶縁膜(層間絶縁膜)としての機能を発揮し、外部からの衝撃や隣同士の電極の導通が防止される。
本発明の永久パターン形成方法においては、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンの少なくともいずれかを形成するのが好ましい。前記永久パターン形成方法により形成される永久パターンが、前記保護膜、前記層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターンであると、配線を外部からの衝撃や曲げから保護することができ、特に、前記層間絶縁膜である場合には、例えば、多層配線基板やビルドアップ配線基板などへの半導体や部品の高密度実装に有用である。
本発明の永久パターン形成方法は、感光層上に結像させる像の歪みを抑制することにより、永久パターンを高精細に、かつ、効率よく形成可能であるため、高精細な露光が必要とされる各種パターンの形成などに好適に使用することができ、特に高精細な永久パターンの形成に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(バインダー1の合成)
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gの1−メトキシ−2−プロパノール159g溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(30/70mol%比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン3.0gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。質量平均分子量30,000、固形分45質量%のバインダー1の溶液を調製した。出来上がったバインダーの、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸のGMA付加物のモル比は30:33:37でI/O値は0.88であった。
〔分散物の調製〕
下記添加量にて、シリカ、バインダー1、ジシアンジアミド、着色顔料、酢酸n−プロピルを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製した。
バインダー1 ・・・・・・・・ 124.2部
シリカ(アドマファイン SO−C2、アドマテックス社製)
・・・・・・・・ 77.3部
ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン社製) ・・・・・・・・ 0.9部
ブルー顔料(HELIOGEN BLUE D7086、BASF社製)
・・・・・・・・ 1.3部
イエロー顔料(Pariotol Yellow D0960、BASF社製)
・・・・・・・・ 0.4部
酢酸n−プロピル ・・・・・・・・ 151.7部
合計 355.8部
〔実施例1〕
<感光性組成物の調製>
(感光性組成物溶液1)
下記組成の感光性組成物溶液1を調製した。
分散液1 ・・・・・・・・ 355.8部
バインダー1 ・・・・・・・・ 375.8部
DPHA(ジペンタエリストールヘキサアクリレート)日本化薬社製)
・・・・・・・・ 90.6部
熱架橋剤(ビスフェノールFタイプのエポキシ、YDF−170、東都化成社製)
・・・・・・・・ 45.3部
フッ素系界面活性剤(メガファックF780F、大日本インキ社製)
・・・・・・・・ 1.3部
光重合開始剤(下記構造式1を有する化合物)
・・・・・・・・ 3.8部
ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX−S、日本化薬社製)
・・・・・・・・ 4.0部
メチルエチルケトン ・・・・・・・・ 118.9部
合計 ・・・・・・・・ 1000.0部
<イオン交換処理>
得られた感光性組成物塗布液182g(固形分濃度55質量%、粘度20cp)に、表1に記載の、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合してなるイオン交換樹脂(45g)を加えて24時間攪拌し、その後、濾別することによって、イオン交換処理を行った。
<感光性フィルムの製造>
得られた感光性組成物溶液を、支持体としての厚み16μm(東レ(株)製、16FB50)、幅300mm、長さ200mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、バーコーターで塗布し、80℃熱風循環式乾燥機中で乾燥して、厚み30μmの感光層を形成した。次いで、該感光層の上に、保護フィルムとして、膜厚20μm、幅290mm、長さ210mのポリプロピレンフイルム(王子特殊紙(株)製、E−200)をラミネーションにより積層し、前記感光性フィルムを製造した。
<感光性積層体の作製>
前記基体として、プリント基板、すなわち配線形成済みの銅張積層板(銅厚み12μm)の表面にバフ研磨処理を施して調製した。該銅張積層板上に、前記感光性フィルムの感光層が前記銅張積層板に接するようにして前記感光性フィルムにおける保護フィルムを剥がしながら、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製、VP130)を用いて積層させ、前記銅張積層板と、前記感光層と、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)とがこの順に積層された感光性積層体を調製した。
圧着条件は、真空引きの時間40秒、圧着温度70℃、圧着圧力0.2MPa、加圧時間10秒とした。
<パターン形成>
前記積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、所望のパターンを露光した。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記最短現像時間の2〜3倍の時間(または40〜60秒)スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。
このサンプルを用いて、以下の感度、解像、細線密着の評価をおこなった。
<永久パターンの作製>
前記解像度の評価と同様の方法で硬化樹脂パターンを作成し、その後超高圧水銀灯により200mJ/cmで全面露光を行い、さらに170℃で1時間加熱処理(ポストベーク)をしてソルダーレジストパターン(永久パターン)を得た。
<感度の評価>
前記積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、L/S(ライン/スペース)=50μm/50μmのパターンデータを0.5mJ/cmから21/2倍間隔で200mJ/cm2までの光エネルギー量の異なる光を照射して露光し、L/S(ライン/スペース)=50μm/50μmのラインパターンを硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて40秒スプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。この様にして得られたL=50μmのパターンの線幅をレーザ顕微鏡(VK−9500、キーエンス社製;対物レンズ50倍)を用いて測定し、線幅が50μmとなる露光量を感度(最適露光量)とした。
<解像度の評価>
前記積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、40μmΦから400μmΦまで10μm刻みの丸穴パターンデータを前記最適露光量(または40mJ/cm)で照射し、各穴径のパターン露光を行った。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて40秒スプレー現像し、未硬化領域を溶解除去した。この様にして得られた硬化樹脂パターンの表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンにツマリ、ヨレ等の異常のない最小の丸穴径を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<細線密着>
前記積層体を、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の感光層表面に、INPREX IP−3000(富士フイルム社製、ピクセルピッチ=1.0μm)を用いて、L/S(ライン/スペース)=1/5でライン幅が20μmから100μmまで5μm刻みのパターンデータを上記最適露光量で露光し、ラインパターンを硬化させた。室温にて10分間静置した後、前記感光性積層体から前記支持体を剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて40秒のスプレー現像し、未硬化の領域を溶解除去した。この様にして得られたパターンを光学顕微鏡を用いて観察し、ラインの剥がれ、欠けが見られない最小のライン幅を細線密着幅とした。
<生保存性の評価>
前記積層体を23℃55%RH下で、防湿袋(黒色ポリエチレン製の袋、膜厚:80μm、水蒸気透過率:25g/m・24hr以下)に密閉してから、40℃で5日間保存した後において、前記最短現像時間の評価におけるのと同様な方法により前記最短現像時間を測定し、前記最短現像時間の評価で得られた値をt、5日間保存した後における前記最短現像時間の値をtとし、t/tの値を算出した。但し、t測定時おいて60秒間スプレー現像を行っても前期感光層が除去できなかった場合には「×」を記入した。得られた値が1に近い程、生保存性に優れることを意味する。
なお、上記40℃での5日間保存は、実際の保存状態(10℃)の6ヶ月に相当する。
〔実施例2〕
イオン交換処理を表1に示される内容に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物2を調製した。
感光性組成物1を感光性組成物2に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、感光性積層体、パターン、及び永久パターンを作製した。
また、実施例1と同様にして、感度、解像度、細線密度、及び生保存性の評価を行った。結果は表1に示した。
〔実施例3〕
イオン交換処理を表1に示される内容に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物3を調製した。
感光性組成物1を感光性組成物3に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、感光性積層体、パターン、及び永久パターンを作製した。
また、実施例1と同様にして、感度、解像度、細線密度、及び生保存性の評価を行った。結果は表1に示した。
〔実施例4〕
開始剤を、下記構造式2を有する化合物(イルガキュア907 チバスペシャリティケミカルズ社製)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物4を調製した。
感光性組成物1を感光性組成物4に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、感光性積層体、パターン、及び永久パターンを作製した。
また、実施例1と同様にして、感度、解像度、細線密度、及び生保存性の評価を行った。結果は表1に示した。
〔実施例5〕
開始剤を、下記構造式3を有する化合物(イルガキュア819 チバスペシャリティケミカルズ社製)に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物5を調製した。
感光性組成物1を感光性組成物5に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、感光性積層体、パターン、及び永久パターンを作製した。
また、実施例1と同様にして、感度、解像度、細線密度、及び生保存性の評価を行った。結果は表1に示した。
〔比較例〕
イオン交換処理を行わないこと以外は、実施例1と同様にして、感光性組成物6を調製した。
感光性組成物1を感光性組成物6に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、感光性フィルム、感光性積層体、パターン、及び永久パターンを作製した。
また、実施例1と同様にして、感度、解像度、細線密度、及び生保存性の評価を行った。結果は表1に示した。
表1に示される結果より、実施例1〜3では、生保存性が、1.2となり、比較例よりも優れることが確かめられた。
なお、実施例1〜3の結果(生保存性:1.2)は、実際の保存状態(10℃)において、現像時間の変化が少ないことを示し、また、少なくとも6ヶ月以上、保存可能であることを示す。
実施例4の結果(生保存性:1.6)、及び実施例5の結果(生保存性:1.8)は、実際の保存状態(10℃)において、5ヶ月程度、保存可能であることを示す。
比較例の結果(生保存性:3)は、実際の保存状態(10℃)において、4ヶ月以下であれば、保存可能であることを示す。
本発明の感光性フィルムは、現像性を維持すると共に絶縁信頼性を向上し、高精細な永久パターンを効率よく形成可能であるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン等の各種パターン形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などの液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造等に好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成用に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、前記感光性組成物を用いるため、保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン等の永久パターン等の各種パターン形成用、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等の液晶構造部材の製造、ホログラム、マイクロマシン、プルーフの製造等に好適に用いることができ、特にプリント基板の永久パターン形成に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. バインダーと、光重合開始剤と、不飽和二重結合を少なくとも1つ有する重合性化合物と、熱架橋剤と、を含み、イオン交換樹脂を用いてイオン交換処理が施されていることを特徴とする感光性組成物。
  2. 光重合開始剤が、オキシム誘導体からなる請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合してなるイオン交換樹脂である請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. バッチ法によりイオン交換処理を行う請求項1から3のいずれかに記載の感光性組成物。
  5. オキシム誘導体が下記一般式で表される請求項1から4のいずれかに記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。mは、0以上のいずれかの整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Aは、4、5、6、及び7員環のいずれかを表し、これらの環は、それぞれへテロ原子を含んでいてもよい。
  6. 一般式(1)で表されるオキシム誘導体が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1から5のいずれかに記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(2)中、Rは、アシル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基のいずれかを表し、これらの置換基は、更に置換基を有していてもよい。mは、0以上のいずれかの整数を表す。Rは、置換基を表し、mが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Arは、芳香族環及び複素芳香族環のいずれかを表す。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
  7. 一般式(2)で表される光重合開始剤が、下記一般式(3)及び(4)のいずれかで表される化合物である請求項1から6のいずれかに記載の感光性組成物。
    ただし、前記一般式(3)及び(4)中、Rは、アルキル基を表し、該アルキル基は、更に置換基を有していてもよい。lは、0〜6のいずれかの整数を表す。Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、スルホニル基、アシルオキシ基のいずれかを表し、lが2以上の場合、該Rは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは、O、及びSのいずれかを表す。Aは、5及び6員環のいずれかを表す。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の感光性組成物からなる感光性フィルム。
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