JP2009201545A - 核磁気共鳴装置、磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴分析装置 - Google Patents

核磁気共鳴装置、磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】観測領域における静磁場の磁場強度の均一性を劣化させることなく、より高い磁場強度を過分極用に提供できる核磁気共鳴装置を提供する。
【解決手段】核磁気共鳴現象を生じさせる領域8に静磁場を生成させるために、磁力線13を発生させる超電導主コイル3fと、外側に生成する漏れ磁場の強度を低減させるために、磁力線13が超電導主コイル3fとの間を通るように超電導主コイル3fと逆向の電流を流す超電導シールドコイル3gとを有する核磁気共鳴装置1において、標識核種を含んだ物質9を超電導主コイル3fと超電導シールドコイル3gとの間に配置して、標識核種を過分極処理する過分極処理部2を有し、過分極処理された標識核種に領域8おいて核磁気共鳴現象を生じさせる。
【選択図】図2

Description

本発明は、過分極処理部を有する核磁気共鳴装置に関し、特に、磁気共鳴イメージング装置および磁気共鳴分析装置に関する。
水素原子は、磁場中に置かれると、水素原子核のスピンが2つのエネルギ準位に分かれて、低い準位の水素原子核の存在確率がわずかに多くなり、分極することが知られている。この分極する割合いわゆる分極率は、温度に反比例し磁場強度に比例する。具体的に室温で磁場強度1T中に置かれた水素原子核の場合で、その分極率はわずか1ppm(=1×10−6)程度である。
この2つのエネルギ準位のエネルギ差に相当する電磁波を外部より照射すると、低いエネルギ準位に存在する水素原子核が高いエネルギ準位へ、高いエネルギ準位に存在する水素原子核が低いエネルギ準位へ移動する。そして、電磁波照射後に、それぞれの水素原子核が、元のエネルギ準位に戻る過程で、2つのエネルギ準位のエネルギ差に相当する電磁波を放出する。この放出された電磁波が核磁気共鳴信号である。放出された電磁波は、被検体内に存在する全ての水素原子核から放出されるが、エネルギ準位が上がった水素原子核からと下がった水素原子核からの核磁気共鳴信号が相殺されるため、結果としてこれらの差分である分極率に応じた強度の核磁気共鳴信号しか観測されない。磁気共鳴イメージング装置では、分極率に応じた僅かな核磁気共鳴信号の強度を計測し、その核磁気共鳴信号の強度を演算処理することによって、被検体の体内中の水素原子核密度分布を断層像化している。
核磁気共鳴イメージング装置においては、従来、断層像の画質の向上が求められている。断層像の画質を向上させるために、静磁場の強度を上げて、水素原子核の分極率を上げ、計測される核磁気共鳴信号の強度を大きくすることが行われてきた。しかし、近年、被検体の外で、分極率がほぼ100%になるように分極(過分極)させた物質を、被検体内に投与することにより、断層像の画質を向上させる手法が提案されている(例えば、非特許文献1等参照)。従来の磁気共鳴イメージング装置では、水素原子核がppmオーダしか分極していないことを考えれば、分極率が100%程度のオーダになれば従来に比べ非常に大きな強度の核磁気共鳴信号が期待できる。そして、このような過分極を実現する方法が数多く提案されている(例えば、非特許文献等2参照)。
例えば、前記非特許文献1に記載された動的核偏極法(DNP: Dynamic nuclear polarizaion)では、被検体内に投与する物質に、不対電子を有する物質を加え、この混合物を1K以下の極低温で、3T以下の高磁場中で保持し、その混合物へマイクロ波を照射することにより、既に分極している前記不対電子のスピンが、被検体内に投与する物質の原子核へ移動(磁化移動)し、その原子核が過分極される。過分極させた原子核を含む物質は、この一連の過分極処理のために極低温下に置かれ凝固しているので、これを解凍すれば、経口や注射等により被検体へ投与することができる。投与された被検体内において、この過分極させた原子核がいわゆる標識核種として機能することで、この過分極させた原子核を含む物質はいわゆる超高感度の造影剤として機能し、血管等の微細な形態情報や、癌化等の各種臓器の代謝情報を得ることができる。
しかし、過分極させた原子核を含む物質を、凝固させた固体の状態で、磁場強度の低いところへ移動させると、過分極させた原子核のスピンが前記不対電子を有する物質側へ急速に移動するため、分極させた効果がなくなってしまう。そのため、強磁場中で、過分極させた原子核を含む物質を融解して不対電子との縁を切ることが必須となる。また、過分極させた原子核の過分極状態から過分極していない平衡状態へ遷移する時定数は、室温では1分間弱と非常に短いことから、過分極後の融解は、磁気共鳴イメージング装置の近く、さらには、磁気共鳴イメージング装置内で横になっている被検体の近くで行うことが必要となる。
これを受けて、トンネル型の磁気共鳴イメージング装置のトンネル部に過分極処理部を配置する方法により、薬剤移動時間を最短にすることが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2等参照)。また、オープン型の磁気共鳴イメージング装置の上下一対の超電導磁石装置を繋ぐ連結柱内に過分極処理部を配置する方法が提案されている(例えば、特許文献3等参照)。
特表2004−512537号公報、 特許第3682044号公報 特開2007−21008号公報 Jan H. Ardenkjaer-Larsen, el.al., "Increase in signal-to-noise ratio of > 10,000 times in Liquid-state NMR", PNAS vol.100, pp.10158-10163, (2003). Sven Mansson, el.al., "13C Imaging-a new diagnostiplatform", Eur Radiol, vol.16, pp.57-67, (2006).
磁気共鳴イメージング装置においては、過分極処理部だけでなく本体でも、核磁気共鳴信号の強度を大きくするために、核磁気共鳴を起こさせる観測領域には、磁場強度が例えば0.2T以上の磁場強度の静磁場が形成される。しかし、前記過分極に要する磁場強度は例えば3T以上である。
トンネル型装置であれば、観測領域に3T程度の磁場を発生させることは可能であるが、ガントリ内部は狭いため過分極処理部を設けることは困難であった。
また、オープン型装置であれば、ガントリ内部が広いため、過分極処理部を設けることは比較的容易であるが、観測領域に3T程度の磁場を発生することは困難であり、磁場強度を補う専用の超電導コイル等の磁場発生源が必要であった。
しかし、これらの配置場所に過分極処理部専用の超電導コイルを配置してしまうと、これらの配置場所は観測領域の近傍であるので、観測領域における静磁場の磁場強度の均一性を少なからず劣化させてしまうと予想された。
そこで、観測領域近くに過分極処理部を配置し、観測領域における静磁場の磁場強度の均一性を劣化させることなく、より高い磁場強度の磁場を過分極用に提供できれば有用である。そして、過分極の現象を核磁気共鳴現象に用いることは、磁気共鳴イメージング装置に限らず、タンパク質等の高分子化合物を含む有機化合物の構造解析が可能な磁気共鳴分析装置にとっても有用である。
そこで、本発明の目的は、観測領域近くに過分極処理部を配置し、観測領域における静磁場の磁場強度の均一性を劣化させることなく、より高い磁場強度の磁場を過分極用に提供できる核磁気共鳴装置、磁気共鳴イメージング装置、及び、磁気共鳴分析装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、核磁気共鳴現象を生じさせる領域に磁力線を発生させて静磁場を生成させる超電導主コイルと、前記磁力線が前記超電導主コイルとの間を通るように前記超電導主コイルと逆向きの電流を流す超電導シールドコイルとを有する核磁気共鳴装置において、
標識核種を含んだ核種含有物質を前記超電導主コイルと前記超電導シールドコイルとの前記間に配置して、前記標識核種を過分極処理する過分極処理部を有し、
過分極処理された前記標識核種に、前記領域において前記核磁気共鳴現象を生じさせることである。
また、本発明の第2の特徴は、核磁気共鳴現象を生じさせる領域に磁力線を発生させて静磁場を生成させる超電導主コイルと、前記超電導主コイルの内側に設けられ前記領域内における前記静磁場の強度の均一性を向上させる第2強磁性体とを有する核磁気共鳴装置において、
標識核種を含んだ核種含有物質を、前記第2強磁性体における前記超電導コイルの近傍に設けられた孔の中に配置して、前記標識核種を過分極処理する過分極処理部を有し、
過分極処理された前記標識核種に、前記領域において前記核磁気共鳴現象を生じさせることである。また、本発明は、前記第1の特徴、又は、前記第2の特徴を備えた磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴分析装置であることを特徴としている。
本発明によれば、観測領域における静磁場の磁場強度の均一性を劣化させることなく、より高い磁場強度の磁場を過分極用に提供できる核磁気共鳴装置、磁気共鳴イメージング装置、及び、磁気共鳴分析装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置(核磁気共鳴装置)1の斜視図を示す。磁気共鳴イメージング装置1はオープン型であり、上下一対の超電導磁石装置3が支柱5で連結されて互いに離れて配置されている。この上下一対の超電導磁石装置3によれば、上下一対の超電導磁石装置3で挟まれた空間の中央部の観測領域8に、磁場強度が0.2T以上の強い磁場強度の静磁場を生成でき、かつ、この静磁場の観測領域8内における磁場強度分布の均一性に10ppm程度の高い均一性を持たせることができる。上下一対の超電導磁石装置3はそれぞれ、共通の回転対称軸10を軸とする円柱形をしている。
被検体7は、ベッド6に横たわったまま上下一対の超電導磁石装置3の間に搬送され、観測領域8に被検体7の撮像したい領域が一致するように、被検体7は位置決めされることになる。
上下一対の超電導磁石装置3の互いに対向する表面上には、上下一対の高周波照射装置4が配置されている。高周波照射装置4から高周波が観測領域8に向けて照射されることにより、被検体7の撮像したい領域において、核磁気共鳴現象を生じさせることができ、結果、断層像が生成される。
上側の超電導磁石装置3には、過分極処理部2が取り付けられている。過分極処理部2は、標識核種を含んだ(核種含有)物質9を収納し冷却し凝固させる分極処理管2aと、分極処理管2a内の雰囲気を減圧して、前記標識核種を含んだ物質9の冷却温度を低下させるポンプユニット2d(ポンプ本体の図は省略)と、前記標識核種を含んだ物質9にマイクロ波を照射し標識核種を過分極状態にするマイクロ波生成ユニット2cと、過分極した標識核種を含んだ物質9を分極処理管2aからの移動後に融解させる融解処理部2bを有している。融解処理部2bは、超電導電磁石近傍の磁場が高い位置に配置され、さらにその融解処理部2bには、融解した標識核種を含んだ物質9を被検体7に投与するための注射器2eが接続できる機構を有している。
この過分極させる標識核種として炭素(12C)の安定同位体13Cを用いることができる。そして、過分極させる炭素の安定同位体13Cを含むことになる物質(薬剤)としてピルビン酸(HCOCOOH)を用いることができる。
さらに、過分極処理の一手法である動的核偏極法(DNP: Dynamic nuclear polarizaion)によれば、その標識核種を含む物質(薬剤)9に、不対電子を有する物質を加え、この混合物を1K程度の極低温で凝固させ、3T程度の高磁場中で保持し、その混合物へマイクロ波を照射することにより、低温・高磁場中で既に分極している前記不対電子のスピンが、前記標識核種へ移動(磁化移動)し、その標識核種が過分極される。
過分極させた標識核種を含む物質9は、この一連の過分極処理のために極低温下に置かれ凝固しているので、これを融解処理部2b内で解凍すれば、経口や注射等により被検体7へ投与することができる。投与された被検体7内において、この過分極させた標識核種を含む物質9はいわゆる超高感度の造影剤として機能し、血管等の微細な形態情報や、癌化等の各種臓器の代謝情報を得ることができる。
なお、前記不対電子を有する物質には、例えばトリチルラジカル(trityl radical:Tris{8-carboxyl-2,2,6,6-tetra[2-(1-hydroxyethyl)]-benzo(1,2-d:4,5-d’)bis(1,3)dithiole-4-yl}methyl sodium)を用いることができる。
そして、過分極させた炭素の安定同位体13Cを含むピルビン酸等の薬剤を用いると、炭素の安定同位体13Cは生体内に存在しているが、その存在比が僅かであることと、過分極されていない状態の核磁気共鳴信号の強度は過分極の状態の1万分の1程度(核磁気共鳴信号は分極率に比例するが、過分極されなければ、分極率は非常に小さい)であることから、実質上、過分極された炭素の安定同位体13Cからの核磁気共鳴信号のみで断層像が描かれることになる。このため、非常にS/N比の高い断層像が得られる。
前記標識核種としては、炭素の安定同位体13Cの他に、リンの安定同位体31P、フッ素の安定同位体19F、窒素の安定同位体15N、シリコンの安定同位体29Si等を用いることができる。
前記分極処理管2aは、上側の超電導磁石装置3を上下方向に貫通しており、分極処理管2a内に前記標識核種を含んだ物質9が置かれている。このため、標識核種を含んだ物質9は、上側の超電導磁石装置3の外壁で囲まれた領域内に配置されることになる。上下一対の超電導磁石装置3は、前記観測領域8における前記静磁場の発生源であるので、その上下一対の内の上側の超電導磁石装置3の外壁で囲まれた領域内であれば、その領域外にある観測領域8よりも磁場強度の強い磁場(場所)が存在する。第1の実施形態では、このような強磁場を利用して過分極処理を行っている。すなわち、標識核種を含んだ物質9を超電導磁石装置3内に発生している強磁場において過分極させている。
超電導磁石装置3内に発生している強磁場の磁場強度が過分極を起こさせるのに十分な強度であれば、過分極用の超電導磁石装置を省くことができ、たとえ十分な強度ではなくとも、その不足分の強度を補うだけの小型の超電導磁石装置を過分極専用に用意すればよい。過分極専用の超電導磁石装置が省けるのであれば、過分極専用の超電導磁石装置によって、前記観測領域8における磁場強度の均一性が劣化することはない。また、過分極専用の小型の超電導磁石装置を用いるとしても、この過分極専用の超電導磁石装置は、前記超電導磁石装置3の内部に置かれ、観測領域8とは離れているので、前記観測領域8における磁場強度の均一性の低下を、極力小さくすることができる。
前記融解処理部2bは、過分極した標識核種を含む物質9を、凝固した状態から融解させる。過分極した標識核種を含む物質9が、凝固したまま低磁場強度のところに置かれると、分極させた効果がなくなるので、融解処理部2bは、強磁場を有する上下一対の超電導磁石装置3で挟まれた空間に置かれている。この上下一対の超電導磁石装置3で挟まれた空間の中央部は前記観測領域8になっており、融解処理部2bは、観測領域8の近傍で、上下一対の超電導磁石装置3で挟まれた空間の外周部に配置されている。この空間の外周部は、観測領域8や、超電導磁石装置3の内部より、磁場強度が小さいものの、内包される超電導コイルに近いことから過分極の減衰する時定数を観測可能な程度に長くできる磁場強度を有している。
また、前記融解処理部2bは、前記観測領域8とともに、上下一対の超電導磁石装置3で挟まれた1つの空間に配置され、前記観測領域8に近接して配置されるので、過分極した標識核種を含む物質9を、融解後、迅速に被検体7に投与することができる。
また、前記融解処理部2bは、支柱5に近接して配置される。この配置であれば、オープン型の開放性を大きく損なうことはない。前記融解処理部2bは、分極処理管2aの直下に配置されている。このため、標識核種を含む物質9を、過分極処理後に、分極処理管2aから融解処理部2bへ容易に移動させることができる。
図2に、本発明の第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1を、図1の回転対称軸10を含むA−A方向に切断した矢視断面図を示す。
超電導磁石装置3には、観測領域8に均一で強力な静磁場11を生成するために、超伝導コイルである上下一対の超電導主コイル3fと上下一対の超電導シールドコイル3gとが用いられている。上下一対の超電導主コイル3fは、観測領域8に強力で均一な静磁場11を矢印の方向に生成し、上下一対の超電導シールドコイル3gは、磁気共鳴イメージング装置1の外側に漏れる漏れ磁場を抑制している。上下一対の超電導主コイル3fには、静磁場11の矢印の方向と同じ方向に磁場を発生させるように電流が流され、上下一対の超電導シールドコイル3gには、超電導主コイル3fとは逆向きに電流が流される。このため、磁力線13は、観測領域8においては静磁場11の矢印の方向と同じ方向を向き回転対称軸10に平行であるが、超電導磁石装置3内では、上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間と、下側の超電導主コイル3fと下側の超電導シールドコイル3gとの間を通るように曲げられる。
ここで、図2には、理解を容易にするために、磁力線13を1本だけ記載しているが、観測領域8には静磁場11の磁場強度に応じた多数本の磁力線13が通っている。観測領域8を通っている大部分の磁力線13は、上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間と、下側の超電導主コイル3fと下側の超電導シールドコイル3gとの間を通ることになる。通常、磁気共鳴イメージング装置1及び超電導磁石装置3をできるだけ小さく製造するために、上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間等の距離はできるだけ短く設定されている。そのため、上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間等における磁力線13の密度は、観測領域8における磁力線13の密度より高くなっている。このため、上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間等における磁場強度は、高められ、観測領域8における静磁場11の磁場強度を超えるまでになっている。そこで、第1の実施形態では、この上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間等に、標識核種を含んだ物質9を配置して過分極処理を実施することとしている。
また、超電導磁石装置3には、静磁場11の観測領域8における均一性を高める目的で、上下一対の第2強磁性体16が設けられている。上下一対の超電導主コイル3fと上下一対の超電導シールドコイル3gと上下一対の第2強磁性体16はそれぞれ、前記回転対称軸10を軸とする円環形状をしている。上下一対の第2強磁性体16は、冷却容器3bと超電導主コイル3fの内径よりも小さい外径を有している。
上下一対の超電導主コイル3fと上下一対の超電導シールドコイル3gは、図2に示すように、2層構造の容器内に収納されている。まず、上下一対の超電導主コイル3fと上下一対の超電導シールドコイル3gは、冷媒の液体ヘリウム(He)と共に冷却容器3bに内包されている。そして、真空容器3aは、冷却容器3bを内包しつつ、内部を真空に保持している。断熱支持部3eは、例えば冷却容器3bを真空容器3aから支持している。断熱支持部3eは、真空容器3aから冷却容器3bへの熱侵入量を極力減らすために、熱抵抗の大きい繊維強化プラスチック(FRP)等で構成されている。一方、真空容器3aや冷却容器3bは、磁化しないステンレス鋼等で構成されている。
真空容器3aは、室温の室内に配置されても、真空容器3a内が真空になっているので、室内の熱が伝導や対流で、冷却容器3bに伝わることはない。このため、上下一対の超電導主コイル3fと上下一対の超電導シールドコイル3gは、冷媒の温度である極低温に安定して設定することができ、超伝導電磁石として機能させることができる。
また、前記一対の内の上側の超電導磁石装置3と、前記一対の内の上側の高周波照射装置4との間には、一対のうちの上側をなす傾斜磁場コイル12が配置されている。一対の下側の超電導磁石装置3と、一対の下側の高周波照射装置4との間には、一対の下側をなす傾斜磁場コイル12が配置されている。これら一対の傾斜磁場コイル12は、断層像の撮像に用いる観測領域8の位置情報を得るために、観測領域8において軸10と平行な磁場成分の大きさが、位置の関数となる様に形成された傾斜磁場を発生させている。そして、上下一対の傾斜磁場コイル12と、上下一対の高周波照射装置4の外形形状は、前記回転対称軸10を共通の軸とする円板形状をしている。
前記のように、過分極処理部2を除いた磁気共鳴イメージング装置1は、観測領域8を通る水平面を対称面として概ね面対称に配置されている。
冷却容器3bの内側には、超電導主コイル3fの外径よりも内径の大きい第1円環15aと、第1円環15aの外径よりも内径の大きい第2円環15bとを有している。第1円環15aと第2円環15bは第1強磁性体または超電導コイル15により構成されている。第1円環15aと第2円環15bとは、上側の超電導主コイル3fと上側の超電導シールドコイル3gとの間に配置されている。そして、過分極処理の際には、第1円環15aの外周面と、第2円環15bの内周面とで挟まれた領域に、標識核種を含んだ物質9が配置されることになる。そして、第1円環15aと第2円環15bとの近傍に、標識核種を含んだ物質9が配置されている。
そして、第1円環15a及び第2円環15bが第1強磁性体であれば、過分極処理の際に標識核種を含んだ物質9が配置されることになる領域における前記強磁場の磁場強度の分布の均一性を高めることができる。この均一性が高ければ、過分極の現象を広範囲に生じさせることができ、標識核種を含んだ物質9の全体を迅速に過分極処理することができる。ただ、その均一性は、最大最小値が平均値に対して±0.2mTの範囲内に入っている程度で十分である。
また、第1円環15a及び第2円環15bが超電導コイルであれば、過分極処理の際に標識核種を含んだ物質9が配置されることになる領域における前記強磁場の磁場強度が不足していても、磁場強度を補ってより大きな磁場強度を得ることができ、過分極の現象を生じさせることができる。また、過分極処理の際に標識核種を含んだ物質9が配置されることになる領域における磁場強度の均一性を高めることも可能である。なお、後記では、第1円環15a及び第2円環15bが第1強磁性体である場合を例に説明する。
前記のように、第1円環15a及び第2円環15bを用いれば、観測領域8の均一磁場を大きく乱すことなく、第1円環15aと第2円環15bの間の空間に、過分極に必要な磁場強度と均一性を有する磁場領域を形成することができるのであるが、次に、その作用について説明する。この第1円環15aと第2円環15bの間の空間は、次に規定される領域に含まれている。その領域は、1対の超電導主コイル3fと1対の超電導シールドコイル3gからなるオープン型の磁気共鳴イメージング装置1において、超電導主コイル3fの外径よりも外側で、超電導シールドコイル3gの内径よりも内側の領域であり、かつ、超電導主コイル3fの上下面の内の反赤道面側(観測領域8に面しない側)の面より観測領域8から遠い領域であり、かつ、超電導シールドコイル3gの上下面の内の赤道面側(観測領域8に面する側)の面より観測領域8から近い領域である。このように規定された領域を、超電導シールドコイル3gによる漏れ磁場抑制の働きのために、超電導主コイル3fの内径側を鎖交する磁束の殆どが通過している。このため、この領域は、磁気共鳴イメージング装置1の中でも最も磁束密度(磁場)が高くなる。ただ、磁場の空間変化が大きくなりやすいため、過分極に要求される均一磁場を形成しやすいように第1強磁性体15が設けられている。
なお、第1強磁性体15は、観測領域8から離れた位置に配置されるために、観測領域8の均一磁場への悪影響を低く抑えることができる。また、第2強磁性体16が存在することにより、その均一磁場への悪影響を、さらに低く抑えることができる。これは、第2強磁性体16によって陰になる領域14に前記第1強磁性体15が配置されているからである。つまり、第2強磁性体16は、観測領域8から超電導主コイル3fと超電導シールドコイル3gを見た場合、その見込む角度の中に配置されており、第1強磁性体15から観測領域8を見た場合、その視線上に第2強磁性体16が存在することになっている。そして、強磁性体の持つ磁気遮蔽効果により、第1強磁性体15により発生する誤差磁場を第2強磁性体16が磁気遮蔽することになり、観測領域8の均一度の乱れを低く抑えているのである。
第1円環15aの外周面と第2円環15bの内周面の間には、前記冷媒3cが漏洩しないような管によって、冷却容器3bを上下に貫通する貫通孔3dが設けられている。前記分極処理管2aは、この貫通孔3dを貫通し、前記回転対称軸10と軸が概ね平行になるように、すなわち軸が鉛直になるように配置されている。分極処理管2aには、磁束を透過させる材料が用いられ、例えばステンレス管を用いることができる。
また、分極処理管2aは、上下一対の真空容器3aのうちの上側の真空容器3aを上下に貫通している。このことにより、分極処理管2aの外側面は、真空容器3aによって形成される減圧雰囲気に接し、分極処理管2aの冷却効率を高めている。また、分極処理管2aの上部は、外界に露出しているので、分極処理管2a内への標識核種を含む物質9の導入や、マイクロ波生成ユニット2cから分極処理管2aへのマイクロ波の導入や、ポンプユニット2dによる分極処理管2a内の減圧処理等を実施するのに必要な、分極処理管2aに対する配管等の接続を容易に実現することができる。また、分極処理管2aの下部は上側の真空容器3aの外側に露出しているので、分極処理管2aの下部は、融解処理部2bに直接接続することができる。このため、標識核種を含む物質9を、分極処理管2a内を移動させることで、融解処理部2bに容易かつ迅速に移すことができる。
融解処理部2bは、分極処理管2aの直下、及び前記上側の超電導磁石装置3の直下に配置されている。また、融解処理部2bは、前記上側の超電導磁石装置3と前記下側の超電導磁石装置3とで挟まれた領域に配置されている。また、融解処理部2bは、前記冷却容器3bと前記分極処理管2aの外側における前記超電導主コイル3fの近傍に配置されている。このように配置されることにより、過分極処理後の融解処理を磁場強度の高い磁場中で行うことができる。また、標識核種を含む物質9が過分極処理後の融解処理部2bへの移動経路となる分極処理管2aも磁場内に配置されているので、過分極処理から融解処理までを完全に磁場内で実施することができる。なお、融解処理部2bにおける磁場強度は、過分極処理する領域より弱くなるが、過分極の状態を維持するのに十分な磁場強度を得ることができる。
融解処理部2bと観測領域8とは、前記上側の超電導磁石装置3と前記下側の超電導磁石装置3とで挟まれた空間に配置され、融解処理部2bと観測領域8との間には隔てるものは何も無いので、融解処理部2bで融解した標識核種を含んだ物質9を容易かつ迅速に、観測領域8にいる被検体7(図1参照)に投与することができる。そして、過分極処理された前記標識核種に、観測領域8おいて、核磁気共鳴現象を生じさせることができる。
第1の実施形態によれば、超電導主コイル3fの外径と超電導シールドコイル3gの内径の間に形成される強磁場空間を、観測領域8の静磁場11の乱れを低く抑えた状態で、第1強磁性体15を用いて均一空間として形成でき、過分極処理用に利用することができる。
図3に、分極処理管2aと、第1強磁性体15の第1円環15aと第2円環15bとの位置関係を示す断面斜視図を示す。なお、理解を容易にするために、図3においては、図2に記載した冷却容器3b、特に、冷却容器3bの貫通孔3dの記載を省略している。これより、分極処理管2aは、第1円環15aの外側面と、第2円環15bの内側面との間に配置されていることがわかる。第1円環15aの上面の高さは、第2円環15bの上面の高さより、高さh1だけ低くなっている。第1円環15aの底面の高さは、第2円環15bの底面の高さより、高さh2だけ低くなっている。また、第1円環15aの内側面は、中央部が縁部より、深さd2だけ窪んでおり、第2円環15bの外側面は、中央部が縁部より、深さd1だけ窪んでいる。前記のような位置関係を有することにより、第1円環15aの外側面と第2円環15bの内側面とに挟まれた領域の分極処理管2aにおいて、強磁場を維持したまま、その強磁場の均一性を向上させることができる。
図4に、過分極処理する際における過分極処理部2とその周辺部の断面図を示す。過分極処理するため、標識核種を含んだ物質9を収納するホルダ2fは、分極処理管2a内の、第1円環15aの外側面と第2円環15bの内側面とに挟まれた領域に配置されている。ホルダ2fは、棒状のホルダ移動部2iによって支持され、ホルダ移動部2iを分極処理管2aから出し入れすることで、ホルダ2fを上下に移動させることができる。
注射器2hによって、分極処理管2aの外部から、ホルダ2f内に、標識核種を含んだ物質9を注入することができる。
分極処理管2aと冷却容器3bとを連通させる連通管2kが設けられている。連通管2kとしては、図示を省略するが一部に毛細管(キャピラリーチューブ)を用いることができる。連通管2kには、真空容器3aの外部から開閉の制御が可能な開閉バルブ2jが設けられている。開閉バルブ2jにはニードルバルブを用いることができる。開閉バルブ2jを開けると、連通管2kを介して、冷却容器3b内の冷媒3cが、分極処理管2aへ移動し、分極処理管2a内に冷媒2nを供給することができる。標識核種を含んだ物質9は、この冷媒2nに浸されて冷却し、凝固する。
また、図示しないポンプ本体と連結されたポンプユニット2dは、分極処理管2aの内部空間の上部に接続されており、分極処理管2aの内部空間を減圧状態にすることができる。減圧状態にすることで、冷媒2nの温度、さらには、標識核種を含んだ物質9の温度を極低温まで下げることができる。この時、ポンプユニット2dによる排気量を見ながら、開閉バルブ2jを調整することにより、分極処理管内に液体Heが残る様にする。
マイクロ波生成ユニット2cには、導波管2gが接続されており、マイクロ波生成ユニット2cは、導波管2gを介して、標識核種を含んだ物質9にマイクロ波を照射することができる。極低温に冷却され凝固した標識核種を含んだ物質9に、マイクロ波を照射することにより、標識核種を過分極させることができる。
融解処理部2bには、ヒータ2pが設けられ、標識核種を含んだ物質9ごとホルダ2fをヒータ2p上に載せることで、標識核種を含んだ物質9を温め、融解させることができる。
融解処理部2bと、分極処理管2aとの間には、開閉弁2mが設けられている。開閉弁2mは、開閉装置2lによって真空容器3a及び融解処理部2bの外部から開閉の制御が可能になっている。開閉弁2mを閉じれば、分極処理管2a内に冷媒2nを溜めることができ、開閉弁2mを開ければ、冷媒2nが融解処理部2bに流れ込み蒸発した後に、ホルダ2fを、分極処理管2aから融解処理部2bへ移動させることができる。
次に、過分極処理と融解処理の具体的な手順について説明する。
まず、ホルダ移動部2iを上昇させ、ホルダ2fを超電導主コイル3fと超電導シールドコイル3gの間の位置に配置させる。注射器2hを用いて、ホルダ2f内に、過分極させる標識核種を含む物質9と、不対電子を含む物質を混合して注入する。
次に、開閉バルブ2jを開けて、分極処理管2a内に冷媒3cを移動させ、冷媒2nで分極処理管2a内を満たす。冷媒3cと冷媒2nに液体ヘリウム(He)を用いると、冷媒2nの温度は、大気圧下では4.2Kで平衡状態となるため、開閉バルブ2jを調整しながら、ポンプユニット2dを利用して、分極処理管2a内部を減圧し1Kまで冷却する。この極低温の状態では前記不対電子のスピンは100%分極している。
続いて、マイクロ波生成ユニット2cによって、前記不対電子のスピンを標識核種へ移動させるために必要な周波数のマイクロ波を照射する。具体的に、磁場強度が3.35Tの場合には、必要とされるマイクロ波の周波数は、94GHzになる。以上で過分極処理が終了する。
次に、融解処理に移るが、融解処理としては、図5に示すように、まず、開閉バルブ2jを閉めた上で、分極処理管2aの下端部にある開閉弁2mを開放する。分極処理管2a内の冷媒2nは、ヒータ2p上に落下し、ヒータ2pに温められて蒸発する。蒸発した冷媒2nは、融解処理部2bの外壁に設けられた孔2qから大気へ放出される。
次に、ホルダ移動部2iを用いて、ホルダ2fを融解処理部2bまで移動させる。具体的には、ホルダ2fを融解処理部2bのヒータ2p上に置く。ホルダ2f内の標識核種を含む物質9は、ホルダ2fを介してヒータ2pに温められ、融解する。融解した標識核種を含む物質9は、融解処理部2bの外壁に設けられた孔2qから挿入された注射器2eによって、ホルダ2fから回収され、被検体7に投与される。以上で融解処理が終了する。なお、標識核種を含む物質9をホルダ2fから回収した経路を逆行する経路(ホルダ2fを引き上げる経路)によっても、過分極処理における標識核種を含む物質9をホルダ2fへ注入する行為を行うことができる。この場合、注射器2hを省くことができる。
(第1の実施形態の変形例)
図6に、本発明の第1の実施形態の変形例に係る磁気共鳴イメージング装置の分極処理管2aと第1強磁性体15の位置関係を示す。第1の実施形態の変形例の磁気共鳴イメージング装置が、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置と異なっている点は、第1強磁性体15の形状のみである。第1の実施形態では、図2と図3に示すように、超電導主コイル3fと同軸の第1円環15aと第2円環15bにて、分極処理管2a内に高均一・高磁場領域を形成することを説明したが、必ずしも、超電導主コイル3fと同軸である必要はなく、図6に示すように、分極処理管2aを巻回するように第1強磁性体または超電導コイル15を配置しても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。第1強磁性体または超電導コイル15は、内部に分極処理管2aを通した円筒形状をしており、その外側面は、中央部が縁部より、深さd1だけ窪んでいることが好ましい。
(第2の実施形態)
図7に、本発明の第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の断面図を示す。第2の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1が、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1と異なっている点は、分極処理管2aが、第2強磁性体16を貫通している点である。
第2強磁性体16には、上下方向に孔16aが設けられ、この孔16aを分極処理管2aが貫通している。分極処理管2aは、第2強磁性体16の内径と超電導主コイル3fの内径の間に、その中心軸が来るように配置されることになっている。そして、過分極処理の際には、標識核種を含んだ物質9は、分極処理管2aの中で、かつ、前記孔16aの中に配置される。第2強磁性体16は、前記超電導主コイル3fの近傍に設けられており、結果、標識核種を含んだ物質9も超電導主コイル3fの近傍に配置されることになる。
第2の実施形態によれば、超電導主コイル3fの作る強磁場空間に、標識核種を含んだ物質9を配置することができる。この強磁場空間は、第2強磁性体16に囲まれているので、均一磁場も容易に形成でき、観測領域8の静磁場の乱れも低く抑えることができる。したがって、過分極処理に利用することができる。また、融解処理部2bは、第1の実施形態と同様に、分極処理管2aの直下に配置されるので、超電導主コイル3fの近傍に配置でき、過分極処理後の融解処理を高い磁場中で行うことができる。なお、第2の実施形態においては、第1強磁性体または超電導コイル15の第1円環15aと第2円環15bとを省くことができる。
(第3の実施形態)
図8に、本発明の第3の実施形態に係る磁気共鳴分析装置(核磁気共鳴装置)1aの断面図を示す。第3の実施形態の磁気共鳴分析装置1aが、第1の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1と異なっている点は、装置外部から観測領域8へのアクセス空間が、軸10に平行方向に広がっている点である。因みに、第1の実施形態で示した形状をオープン型装置、第3の実施形態で示した形状をトンネル型装置と呼ぶ。このため、融解処理部2bを超電導主コイル3fの近傍に配置することはできない。図8では、融解処理部2bを、高磁場領域であるガントリ内部に配置する例を示した。この例の場合、標識核種を含んだ物質9は、分極処理管2a内を移動することで、過分極処理の行われる領域と、融解処理の行われる融解処理部2bと、核磁気共鳴現象の起きる観測領域8の相互間を移動することができる。そして、標識核種を含んだ物質9に、過分極処理と融解処理を施し、核磁気共鳴現象を起こすことができる。また、図示しないが、融解処理部2bを、超電導シールドコイル3g近傍の真空容器3a外側に配置しても良い。第1強磁性体15は、第1の実施例と同様に、超電導主コイル3fと超電導シールドコイル3gの間の空間に配置されるが、観測領域8よりも離れているために、観測領域8の均一度へ与える悪影響を低く抑えることができる。なお、標識核種を含んだ物質9は、被検体に投与することもできるし、標識核種を含んだ物質9に核磁気共鳴現象を起こさせることにより、この物質の構造解析を行うこともできる。すなわち、標識核種を含んだ物質9に、未知のタンパク質等の高分子化合物を用いて、この物質の構造解析をすることができる。
真空容器3aと高周波照射装置4とがそれぞれ、第1の実施形態では一対の円板形状であったが、円筒形状に変更されている。これは、トンネル型装置に適しているからであり、過分極処理と融解処理との性能、核磁気共鳴現象の感度に影響を与える変更ではない。
(第4の実施形態)
図9に、本発明の第4の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の断面図を示す。この装置の形状はトンネル型である。
第4の実施形態の磁気共鳴イメージング装置1は、回転対称軸10が水平方向を向いた円筒形状の超電導磁石装置3を有している。この超電導磁石装置3によれば、超電導磁石装置3のトンネル部の空間の中央部の観測領域8に、磁場強度が0.2T以上の強い磁場強度の静磁場を生成でき、かつ、この静磁場の観測領域8内における磁場強度分布の均一性に10ppm程度の高い均一性を持たせることができる。前記トンネル部には、軸が前記回転対称軸10に一致する円筒形の、傾斜磁場コイル12と高周波照射装置4とが配置されている。
被検体は、前記トンネル部に搬送され、観測領域8に被検体の撮像したい領域が一致するように、被検体は位置決めされることになる。高周波照射装置4から高周波が観測領域8に向けて照射されることにより、被検体の撮像したい領域において、核磁気共鳴現象を生じさせることができ、結果、断層像を生成することができる。
超電導磁石装置3が、2層構造になっており、一対の超電導主コイル3fと一対の超電導シールドコイル3gとを有している点は、第1の実施形態と同様である。
超電導主コイル3fと超電導シールドコイル3gの間に、かつ、第1円環15aと第2円環15bの間には、前記冷媒3cが漏洩しないような管によって、円筒形の冷却容器3bを外側壁から内側壁まで貫通する貫通孔3dが設けられている。前記分極処理管2aは、この貫通孔3dを貫通し、前記回転対称軸10と軸が概ね垂直になるように配置されている。
また、分極処理管2aは、円筒形の真空容器3aを外側壁から内側壁まで貫通している。分極処理管2aの端部は、前記トンネル部において融解処理部2bに直接接続することができる。このため、標識核種を含む物質9を、分極処理管2a内を移動させることで、融解処理部2bに容易かつ迅速に移すことができる。
融解処理部2bは、超電導主コイル3fの近傍に配置されるため、過分極処理後の融解処理を磁場強度の高い磁場中で行うことができる。
融解処理部2bと観測領域8とは、トンネル部という1空間に配置され、融解処理部2bと観測領域8との間には隔てるものは何も無いので、融解処理部2bで融解した標識核種を含んだ物質9を容易かつ迅速に、観測領域8にいる被検体に投与することができる。そして、過分極処理された前記標識核種に、観測領域8おいて、核磁気共鳴現象を生じさせることができる。
第4の実施形態によれば、超電導主コイル3fの外径と超電導シールドコイル3gの内径の間に形成される強磁場空間を、観測領域8の静磁場11の乱れを低く抑えた状態で、第1円環15aと第2円環15bを用いて均一空間として形成でき、過分極処理用に利用することができる。
前記の第1の実施形態から第3の実施形態まででは、分極処理管2aは一本のみ示したが、回転対称軸10の周りに複数本配置しても、本発明の効果は失われない。また、第1の実施形態から第2の実施形態まででは、上下一対の超電導磁石装置3のうち上側の超電導磁石装置3に、過分極処理部2を配置する例を示したが、下側の超電導磁石装置3に、過分極処理部2を配置しても、本発明の効果は失われない。また、第1の実施形態から第4の実施形態まででは、分極処理管2aの中心軸が鉛直である場合を示したが、これに限らず、鉛直から傾いていても、本発明の効果は失われない。
本発明の第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置を、図1の対称軸を含むA−A方向に切断した矢視断面図である。 分極処理管と、第1強磁性体の第1円環と第2円環との位置関係を示す断面斜視図である。 過分極処理する際における過分極処理部とその周辺部の断面図である。 融解処理する際における過分極処理部とその周辺部の断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る磁気共鳴イメージング装置の分極処理管と第1強磁性体の位置関係を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る磁気共鳴分析装置の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の断面図である。
符号の説明
1 磁気共鳴イメージング装置(核磁気共鳴装置)
1a 磁気共鳴分析装置(核磁気共鳴装置)
2 過分極処理部
2a 分極処理管
2b 融解処理部
2c マイクロ波生成ユニット
2d ポンプユニット
2e 注射器
2f ホルダ
2g 導波管
2h 注射器
2i ホルダ移動部
2j 開閉バルブ
2k 連通管
2l 開閉装置
2m 開閉弁
2n 冷媒
2p ヒータ
2q 孔
3 超電導磁石装置
3a 真空容器
3b 冷却容器
3c 冷媒
3d 冷却容器の貫通孔
3e 断熱支持部
3f 超電導主コイル
3g 超電導シールドコイル
4 高周波照射装置
5 超電導磁石装置を連結する支柱
6 ベッド
7 被検体
8 核磁気共鳴現象を生じさせる領域(観測領域)
9 標識核種を含んだ物質(核種含有物質)
10 回転対称軸
11 静磁場の方向を示す矢印
12 傾斜磁場コイル
13 磁力線
14 観測領域8から見ると第2強磁性体によって陰になる領域
15 第1強磁性体または超電導コイル
15a 第1円環
15b 第2円環
16 第2強磁性体
16a 孔

Claims (12)

  1. 核磁気共鳴現象を生じさせる領域に磁力線を発生させて静磁場を生成させる超電導主コイルと、前記磁力線が前記超電導主コイルとの間を通るように前記超電導主コイルと逆向きの電流を流す超電導シールドコイルとを有する核磁気共鳴装置において、
    標識核種を含んだ核種含有物質を前記超電導主コイルと前記超電導シールドコイルとの前記間に配置して、前記標識核種を過分極処理する過分極処理部を有し、
    過分極処理された前記標識核種に、前記領域において前記核磁気共鳴現象を生じさせることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  2. 前記標識核種を過分極処理する際に、前記核種含有物質の近傍に、第1強磁性体を配置することを特徴とする請求項1に記載の核磁気共鳴装置。
  3. 前記標識核種を過分極処理する際に、前記核種含有物質の近傍に、超電導コイルを配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の核磁気共鳴装置。
  4. 前記第1強磁性体は、第1円環と、前記第1円環の外側面と対向する内側面を有する第2円環とを有し、
    前記核種含有物質は、前記標識核種を過分極処理する際に、前記第1円環の前記外側面と、前記第2円環の前記内側面との間に配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の核磁気共鳴装置。
  5. 前記第1円環の内側面は、中央部が縁部より窪んでおり、
    前記第2円環の外側面は、中央部が縁部より窪んでいることを特徴とする請求項4に記載の核磁気共鳴装置。
  6. 核磁気共鳴現象を生じさせる領域に磁力線を発生させて静磁場を生成させる超電導主コイルと、前記超電導主コイルの内側に設けられ前記領域内における前記静磁場の強度の均一性を向上させる第2強磁性体とを有する核磁気共鳴装置において、
    標識核種を含んだ核種含有物質を、前記第2強磁性体における前記超電導主コイルの近傍に設けられた孔の中に配置して、前記標識核種を過分極処理する過分極処理部を有し、
    過分極処理された前記標識核種に、前記領域において前記核磁気共鳴現象を生じさせることを特徴とする核磁気共鳴装置。
  7. 前記超電導主コイルを冷却する冷媒とともに、前記超電導主コイルを収納する冷却容器を有し、
    前記過分極処理部は、
    前記核種含有物質を収納し、前記標識核種を過分極処理する際には、前記冷媒の一部を前記冷却容器から移動させて、前記核種含有物質を冷却する分極処理管を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置。
  8. 前記分極処理管は、前記超電導主コイルと超電導シールドコイルの間の空間に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の核磁気共鳴装置。
  9. 前記分極処理管では、前記標識核種を過分極処理する際に、前記核種含有物質が冷却されて凝固し、
    前記過分極処理部は、
    前記冷却容器と前記分極処理管の外側における前記超電導主コイルの近傍に配置され、前記超電導主コイルが生成する磁場空間において、過分極処理された前記標識核種を含んだ前記核種含有物質を融解する融解処理部を有し、
    前記核種含有物質は、前記分極処理管内を移動することで、前記融解処理部に達することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の核磁気共鳴装置。
  10. 前記分極処理管は、
    前記真空容器を貫通し、前記真空容器の外側において、前記融解処理部に接続していることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の核磁気共鳴装置による磁気共鳴イメージング装置において、
    前記核磁気共鳴現象を生じさせる前記領域には被検体が配置され、
    前記領域を挟んで対向する一対の前記超電導主コイルを有し、
    過分極処理された前記標識核種を含んだ前記核種含有物質は、前記領域に配置された前記被検体に投与されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項9に記載の核磁気共鳴装置による磁気共鳴分析装置において、
    前記分極処理管は、前記融解処理部を経由して、前記核磁気共鳴現象を生じさせる前記領域に達しており、
    前記核種含有物質は、前記分極処理管内を移動することで、前記融解処理部から前記領域に達することを特徴とする磁気共鳴分析装置。
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