以下に、この発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明を適用可能な一例のシステム構成を示す。フォトプリンタ101とデジタルテレビ201とがHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠したHDMIケーブル501で接続される。デジタルテレビ201は、HDMIケーブル501を介して入力されたデジタル映像信号を表示可能なテレビジョン受像機である。HDMI規格に準拠した機器制御用プロトコルであるCEC(Consumer Electronics Control)を用いることで、フォトプリンタ101とデジタルテレビ201との間で双方向制御を行うことが可能である。
また、リモートコントロールコマンダ301は、操作子としてのボタンが設けられ、このボタンが押下されると、押下されたボタンに応じた命令を赤外線信号や電波に変調して送信する。以下、リモートコントロールコマンダ301をテレビリモコン301と略称する。テレビリモコン301から送信された信号は、デジタルテレビ201の受信部250に受信される。すなわち、デジタルテレビ201とテレビリモコン301は、電波や赤外線信号などの無線通信手段によって通信可能とされている。ユーザは、テレビリモコン301を操作してデジタルテレビ201の動作を制御することができる。
フォトプリンタ101は、給排紙部602、メモリカードスロット部402、操作部104および表示部110を有する。給排紙部602は、記録用紙601の給紙および排紙を行う。メモリカードスロット部402は、メモリカード401が挿抜可能に装填される。メモリカード401は、例えばデジタルカメラで撮影された画像データが記憶される。操作部104は、ボタンなどの操作子が配置され、ユーザのフォトプリンタ101に対する操作を受け付ける。表示部110は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、画像データやメニュー画面などの表示を行う。フォトプリンタ101は、HDMIケーブル501を介して外部表示装置であるデジタルテレビ201に対してHD映像による映像信号を出力することが可能とされている。
フォトプリンタ101がデジタルテレビ201にHDMIケーブル501で接続されると、EDID(Extended Display Identification)を用いた相互機器認証が行われる。この機器認証の際に、デジタルテレビ201からフォトプリンタ101に対してデジタルテレビ201の表示解像度を示す情報が送信される。フォトプリンタ101は、受信されたこの解像度を示す情報に基づき、接続されたデジタルテレビ201に最適な解像度の信号を出力するように設定される。
図2は、この発明の第1の実施形態に適用可能なフォトプリンタ101の一例の構成を示す。フォトプリンタ101において、プリンタコントロール部102に対して、メモリ103、操作部104、画像/音声データ処理部105および印刷制御部108が接続されると共に、HDMI信号処理部120内の制御信号処理部123が接続される。フォトプリンタ101において、さらに、画像/音声データ処理部105に対して、インターフェイス106、印刷制御部108、映像生成部109、表示部110およびスピーカ111が接続される。
フォトプリンタ101において、HDMI信号処理部120は、映像信号処理部121、音声信号処理部122、制御信号処理部123およびHDMI送受信部124を備える。HDMI信号処理部120は、HDMIケーブル501を接続することで、HDMIに対応した外部表示装置への映像信号および音声信号の出力、CECコマンドといった制御コマンドの双方向通信が可能である。
制御手段および領域設定手段としてのプリンタコントロール部102は、フォトプリンタ101における動作の全てを統括的に制御する。プリンタコントロール部102は、例えばCPUおよびROMを有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従いメモリ103をワークメモリとして用いて動作し、フォトプリンタ101の各部を制御する。例えば、プリンタコントロール部102は、操作部104に対してなされる操作に応じた操作命令や、システム設定命令など、ユーザに指示される動作が実行されるように、フォトプリンタ101の全体を制御する。
操作部104は、電源スイッチ、メニュー画面操作キー、印刷ボタン、印刷画像の拡大縮小ボタンなどの各種操作子が設けられ、フォトプリンタ101におけるユーザインタフェースとなる部分である。
メモリ103は、上述のようにプリンタコントロール部102がフォトプリンタ101を制御する際のワークメモリとして利用される他に、印刷サイズや印刷枚数、印刷品質などの印刷設定情報なども記憶される。
画像/音声データ処理部105は、例えばメモリを有し、メモリカード401から読み出した画像データに対してメモリを用いて所定の処理を施し、表示部110が表示可能な形式のデータとして表示部110に供給する。例えば、メモリカード401から読み出した画像データがJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で圧縮符号化されていれば、圧縮符号を所定に復号して表示部110に供給する。
また、画像/音声データ処理部105は、表示部110にインデクス画面などを表示する際に使用されるサムネイル画像を生成する機能を有する。さらに、画像/音声データ処理部105は、メモリカード401に記録された画像データを連続表示させるスライドショー再生を行う機能を有する。さらにまた、画像/音声データ処理部105は、表示部110に表示する画像データや外部表示装置に出力する映像データの拡大や縮小、回転、色反転などの画像編集を行う機能も備えている。また、画像/音声データ処理部105は、OSD(On Screen Display)を表示するための画像データを生成することができる。
一方、画像/音声データ処理部105は、メモリカード401に音声データが記憶されていれば、この音声データをメモリカード401から読み出してスピーカ111に出力することができる。画像/音声データ処理部105は、メモリカード401から読み出された音声データが所定の方式で圧縮符号化されていれば、圧縮符号を復号して出力し、スピーカ111に供給する。音声データの圧縮符号化方式としては、例えばMP3(Moving Pictures Experts Group 1 Audio Layer 3)方式が適用できる。これにより、例えばスライドショー再生時に音楽を再生するといったことが可能になる。また、画像/音声データ処理部105は、外部に接続された機器に対して、映像および音声出力するための画像および音声データの転送を行うことができる。
印刷制御部108は、プリンタコントロール部102から供給される命令に応じて印刷機構部107を制御し、記録用紙601への印刷を行う。例えば、操作部104に対する操作に応じて操作部104から印刷開始命令が発行されると、プリンタコントロール部102は、印刷制御部108に対して印刷開始命令を伝える。この印刷開始命令に応じて、印刷制御部108は、印刷設定情報をメモリ103から読み出し、読み出された印刷設定情報に従って印刷機構部107を制御する。印刷機構部107は、印刷制御部108の制御に応じて、記録用紙601の給排紙やカラーインクの噴出などを行う。印刷制御部108および印刷機構部107とが協働して印刷手段を構成する。
表示部110は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)とLCDを駆動するための駆動回路とからなる。表示部110に対し、画像やインデックス画面、スライドショー、印刷設定画面、メニュー画面などが、ユーザの操作部104に対する操作に応じて適宜表示される。
映像生成部109は、画像/音声データ処理部105から供給される画像データおよびOSDデータなどから、外部表示装置に出力するためのHD映像を生成する。映像生成部109は、HDMIケーブル501で接続された外部表示装置の表示解像度に合わせた信号で、HD映像を表示させる映像データを生成することが可能とされている。
映像信号処理部121および音声信号処理部122は、それぞれ、供給された映像データおよび音声データをHDMI規格に準拠するデータに変換し、HDMI送受信部124を介して例えばHDMIケーブル501で接続された外部表示装置に送信する。映像信号処理部121およびHDMI送受信部124が協働して映像信号出力手段を構成する。
制御信号処理部123は、HDMI規格に準拠するCECコマンドなどの制御信号の送受信を行う。CECコマンドは、例えばプリンタコントロール部102から制御信号処理部123を介してHDMI送受信部124に供給され、HDMI送受信部124からHDMIケーブル501で接続された外部表示装置に送信される。また、HDMI送受信部124を介して制御信号処理部123で受信されたCECコマンドは、例えばプリンタコントロール部102に渡される。制御信号処理部123およびHDMI送受信部124が協働して通信手段を構成する。
なお、CECは、標準コマンドとして規定されているコマンドの他に、メーカー独自のコマンドを定義可能なコマンドVender Specific Commandsを含む。
次に、フォトプリンタ101における通常のズーム処理について、拡大時を例に説明する。フォトプリンタ101において、表示部110に画像が表示されているときにユーザが操作部104の拡大ボタンを操作することで、表示画像の拡大を行うことができる。表示部110に表示するための画像データは、例えば画像/音声データ処理部105が有するメモリに格納されているものとする。
操作部104に対する操作に応じて、操作部104からプリンタコントロール部102に対して拡大指示命令が供給される。プリンタコントロール部102は、この拡大指示命令に応じて、画像/音声データ処理部105に対して拡大命令を送信する。このとき、拡大倍率や表示領域の座標などの拡大設定情報が、拡大命令と共に、画像/音声データ処理部105に対して送信される。拡大設定情報は、例えば、操作部104のボタンの種類やボタンの押下回数、押下時間などによって決定されるものである。
画像/音声データ処理部105は、拡大命令を受信すると、共に受信された拡大設定情報に基づき画像データから表示すべき領域を抽出し、表示部110で表示可能なデータに変換し出力を行う。また、画像/音声データ処理部105は、拡大設定情報に基づき抽出された領域の画素データを映像生成部109に供給することで、操作部104に対する操作に応じて拡大した領域(出力領域)の映像を外部の装置(外部表示装置)に出力することができる。一般的に、表示部110の画素数は、画像データの画素数よりも少ないため、等倍表示となるまでは画質が劣化することはない。
なお、等倍表示の場合には、画像データから表示部110の画素数に対応する領域を抽出する。一方、等倍表示未満、すなわち、画像データにおいて等倍表示の場合より広い領域を表示部110に表示させる場合には、抽出された領域の画素数が表示部110の画素数に一致するように変換処理を行う。
また、表示すべき領域の抽出は、例えば表示部110に表示される映像と中心を合わせるように行うことが考えられる。これは、映像の縮小時においても、同様である。
図3は、この発明の第1の実施形態に適用可能なデジタルテレビ201の一例の構成を示す。デジタルテレビ201において、テレビコントロール部202に対し、メモリ203、操作部204、リモコン受信部205、映像設定部206、セレクタ209、デジタル放送信号処理部210およびHDMI信号処理部220が接続される。デジタル放送信号処理部210は、チューナ211、信号解析部212、映像デコード部213および音声デコード部214を備えている。HDMI信号処理部は、HDMI送受信部221、映像信号処理部222、音声信号処理部223および制御信号処理部224を備えている。制御信号処理部224は、テレビコントロール部202と接続される。
映像表示装置としてのデジタルテレビ201は、デジタル放送信号を受信して映像や音声を再生する機能と、HDMIケーブル501を介して外部から入力された映像や音声を再生する機能とを有する。
デジタルテレビ201におけるデジタル放送信号の処理系について説明する。アンテナ260によって受信されたデジタル放送信号がチューナ211に供給される。チューナ211は、所定に選局されたチャンネルの信号を信号解析部212に送出する。信号解析部212は、チューナ211より供給されたデジタル放送信号から映像データと音声データとを検出する。信号解析部212で検出される映像データおよび音声データは、デジタル放送の規格に従い圧縮符号化された圧縮データである。圧縮符号化方式としては、例えばMPEG2(Moving Pictures Experts Group 2)が用いられる。
信号解析部212で検出された圧縮映像データおよび圧縮音声データは、それぞれ映像デコード部213および音声デコード部214に供給される。映像デコード部213は、供給された圧縮映像データの圧縮符号を復号し、映像表示部207で表示可能な映像データに変換して出力する。映像デコード部213から出力された映像データは、セレクタ209に供給される。同様に、音声デコード部214は、供給された圧縮音声データの圧縮符号を復号し、音声再生部208で再生可能な音声データに変換して出力する。音声デコード部214から出力された音声データは、セレクタ209に供給される。
デジタルテレビ201におけるHDMI信号の処理系について説明する。HDMIケーブル501を介して送信されたHDMI信号は、HDMI送受信部221により受信され、解析される。HDMI信号は、HDMI送受信部221で映像信号、音声信号および制御信号に分けられ、それぞれ映像信号処理部222、音声信号処理部223および制御信号処理部224で処理できる形式のデータに変換して送出される。映像信号処理部222および音声信号処理部223は、供給された映像データおよび音声データに対してそれぞれ所定の信号処理を施し、セレクタ209に供給する。
HDMI送受信部221および映像信号処理部222が協働して映像信号入力手段を構成する。また、HDMI送受信部221および映像信号処理部222、映像信号処理部121およびHDMI送受信部124、ならびに、HDMIケーブル501が協働して映像信号送信手段を構成する。
制御信号処理部224は、HDMI送受信部221から供給された制御信号に対して、機器間認証を行うためのEDIDデータや、双方向制御のためのCECコマンドの解析を行う。HDMI送受信部221および制御信号処理部224が協働して通信手段を構成する。
セレクタ209は、現在の表示設定に従って、デジタル放送信号処理部210およびHDMI信号処理部220から供給されるデータを適宜選択して、映像表示部207および音声再生部208にそれぞれ出力する。セレクタ209から出力された映像データは、映像設定部206を介して映像表示部207に供給される。
音声再生部208は、供給された音声データに対する音質調整などの音声処理と増幅処理とを施す音声処理部と、スピーカとを有する。映像表示部207は、供給された映像データに対する色調調整、コントラスト調整などを施す映像処理部と、LCDやPDP(Plasma Display Panel)などによる表示部と、映像データに基づき表示部を駆動するための駆動部とを有する。
映像設定部206は、セレクタ209によって選択されている映像データに対して表示設定を行う。ここでいう表示設定は、映像データに対する拡大処理や縮小処理、回転処理、色反転処理、輝度やコントラスト変更処理といった映像処理と、チャンネル名やテレビ設定内容を表示するためのOSDデータの生成や合成処理とが含まれる。
例えば、映像設定部206は、メモリを有し、供給された映像データをメモリに一時的に格納し、メモリ上の映像データに対して上述した各種の表示設定処理を行う。表示設定処理された映像データは、再びメモリに格納される。そして、このメモリから映像データを読み出して、映像表示部207に供給する。映像設定部206およびテレビコントロール部202が協働して表示領域変更手段を構成する。
制御手段としてのテレビコントロール部202は、デジタルテレビ201における動作の全てを統括的に制御する。テレビコントロール部202は、例えばCPUおよびROMを有し、ROMに予め記憶されたプログラムに従いメモリ203をワークメモリとして用いて動作し、デジタルテレビ201の全体を制御する。例えば、テレビコントロール部202は、操作部204に対する操作や、テレビリモコン301から送信された信号に応じた操作命令やシステム設定命令など、ユーザに指示される動作が実行されるように、デジタルテレビ201の全体を制御している。
リモコン受信部205は、テレビリモコン301から送信された信号を受信し、受信された信号に基づくコマンドを出力する。例えば、リモコン受信部205は、赤外線信号を受信して電気信号に変換する受光部と、受光部から出力された信号を復調してテレビコントロール部202が解釈可能なコマンドに変換して出力する変換部とを有する。リモコン受信部205から出力されたコマンドは、テレビコントロール部202に供給される。テレビリモコン301およびリモコン受信部205が協働してユーザ操作受け付け手段を構成する。
操作部204は、電源スイッチ、チャンネル選択ボタン、音量調整ボタン、メニュー画面操作ボタンなど、デジタルテレビ201を操作するために用いられる各種操作子が設けられる。操作部204は、操作子に対する操作に応じたコマンドを出力する。操作部204から出力されたコマンドは、テレビコントロール部202に供給される。
テレビコントロール部202に対して、電源部がさらに接続される。電源部230は、テレビコントロール部202の制御に応じてデジタルテレビ201の各部に電源を供給する。電源部230は、例えば、後述するテレビリモコン301の電源ボタンに対して電源ONの操作がなされるまでは、デジタルテレビ201の一部に対して電源を供給する。これにより、デジタルテレビ201は、待機状態とされる。待機状態では、例えばテレビコントロール部202、リモコン受信部205、メモリ203、HDMI送受信部221など、デジタルテレビ201が待機状態から復帰するために必要な部分のみに電源を供給することが考えられる。
図4は、デジタルテレビ201を遠隔操作するためのテレビリモコン301の一例の外観を概略的に示す。テレビリモコン301は、図示されるように複数のボタンが配置される。テレビリモコン301は、ユーザが操作したボタンに応じたリモートコントロールコマンドを生成し、このリモートコントロールコマンドを赤外線信号に変調して送信する。これに限らず、リモートコントロールコマンドを電波に変調して送信するようにしてもよい。この場合には、リモコン受信部205は、電波として送信された信号を受信可能な構成とされる。以下では、この発明に関わりの深いボタンについてのみ、説明を行う。
電源ボタン310は、上述したデジタルテレビ201の待機状態を復帰させるためのボタンである。図4において電源ボタン310の下部に、セレクタ209を切り替えるための入力切り替えボタンを含むボタン群が配置され、その下部に、4方向ボタン311、311、311、311が配置される。4方向ボタン311、311、311、311は、それぞれ上下左右の方向を指定することができるようになっている。4方向ボタン311、311、311、311の下部にチューナ211による選局を指示するチャンネル指定ボタン群が配置され、チャンネル指定ボタン群の下部に、チャンネル番号増減ボタン群および音量調整ボタン群が配置される。
また、図4においてチャンネル番号増減ボタン群および音量調整ボタン群の下部に、表示映像のズームインおよびズームアウトを要求するためのズームインボタン312およびズームアウトボタン313が配置される。ズームインボタン312を押下すると、デジタルテレビ201に対して、表示中の映像の拡大表示することが要求される。ズームアウトボタン313を押下すると、デジタルテレビ201に対して、表示中の映像を縮小表示することが要求される。4方向ボタン311、311、311、311や、ズームインボタン312およびズームアウトボタン313により、ユーザによる表示領域変更操作が受け付けられることになる。
さらに、図4においてズームアウトボタン313の左に、プリントボタン314が配置される。プリントボタン314を押下することで、デジタルテレビ201に対して、HDMIケーブル501を介して接続されたプリンタに対して印刷を要求することができる。
次に、デジタルテレビ201の通常のズーム処理について、拡大時を例に説明する。デジタルテレビ201において、表示部に映像が表示されているときにユーザが例えばテレビリモコン301のズームインボタン312を操作することで、表示映像の拡大を行うことができる。
テレビリモコン301のズームインボタン312の押下に応じて、テレビリモコン301からデジタルテレビ201に対して拡大指示命令が送信される。この拡大指示命令は、デジタルテレビ201のリモコン受信部205に受信され、テレビコントロール部202に供給される。テレビコントロール部202は、この拡大指示命令に応じて、映像設定部206に対して映像の拡大命令を送信する。このとき、拡大倍率や表示領域の座標などの拡大設定情報も同時に送信される。拡大設定情報は、テレビリモコン301のボタンの種類や押下回数、押下状態が維持されている時間などによって決定されるものである。
映像設定部206は、セレクタ209から供給される映像信号に対して電子ズーム処理を実行する。電子ズーム処理では、映像データの水平方向および垂直方向の各画素に基づき、拡大倍率に応じて画素を生成し、映像の一部の領域を拡大させる拡大処理を行う。拡大倍率に応じた画素の生成は、元の画素に対する補間処理によって行われる。そのため、拡大された映像の画質は、元の映像の画質に対して劣化することになる。映像設定部206で拡大処理された映像データは、映像表示部207に供給され表示される。
なお、テレビリモコン301のズームインボタン312が押下され続け押下状態が維持されている間は、1回の拡大命令における拡大処理が終了したら、次の拡大倍率での拡大命令を発行するものとする。この場合、拡大倍率の更新は、例えばテレビコントロール部202において行われる。
また、拡大処理により拡大する映像の一部の領域は、表示部に表示されている映像と中心を合わせるように行うことが考えられる。これは、映像の縮小時にも同様である。
次に、この第1の実施形態による映像の拡大処理について説明する。この第1の実施形態は、デジタルテレビ201に対してHDMIケーブル501で接続されたフォトプリンタ101から出力された映像信号に基づく映像が表示されている場合の拡大処理に関する。
デジタルテレビ201に対し、HDMIケーブル501で接続されたフォトプリンタ101から出力された映像データに基づく映像が表示される。例えばテレビリモコン301のズームインボタン312を押下して、デジタルテレビ201に対して表示映像の拡大を要求する。ズームインボタン312が押下された状態が維持されている間は、デジタルテレビ201は、デジタルテレビ201が有する映像の拡大機能、すなわち、上述したデジタルテレビ201の通常のズーム処理により表示映像の拡大を行う。
ズームインボタン312の押下状態が解除されると、デジタルテレビ201からフォトプリンタ101に対して、ズームインボタン312の押下状態が解除された時点での拡大倍率で映像の拡大処理を行うように、命令が送信される。フォトプリンタ101は、この命令に応じて、フォトプリンタ101が有する映像の拡大機能、すなわち、上述したフォトプリンタ101における通常のズーム処理により映像データに対して拡大処理を行う。拡大処理された映像データは、フォトプリンタ101からデジタルテレビ201に送信される。
最終的な拡大倍率に応じた映像の拡大処理がフォトプリンタ101側で行われるので、画質の劣化が少ない拡大映像を得ることができる。また、ズームインボタン312が押下された状態が維持されている間は、デジタルテレビ201側で拡大処理が行われるので、その間は拡大指示命令をフォトプリンタ101に送信する必要が無い。そのため、拡大指示命令の送信に伴う機器間での通信ロスを軽減でき、ユーザ操作に対するレスポンスを高めることが可能である。
なお、この第1の実施形態は、フォトプリンタ101から送信される映像データに基づく映像の拡大処理に限らず、当該映像の縮小処理、スクロール処理などにも適用することができる。以下では、フォトプリンタ101から送信される映像データに基づく映像の拡大処理を例にとって説明する。
図5および図6は、上述した図1のシステム構成における拡大処理時の一例の制御シーケンスを示す。図5は、フォトプリンタ101の電源がONとされた際の、フォトプリンタ101およびデジタルテレビ201の一例の動作を示す。なお、図5のシーケンスに先立って、フォトプリンタ101とデジタルテレビ201とがHDMIケーブル501で接続されているものとする。
まず、ユーザによりフォトプリンタ101の操作部104が操作され、フォトプリンタ101の電源がONとされる(ステップS101)。この操作に応じて、フォトプリンタ101において各部に電源が供給され、フォトプリンタ101が起動される。フォトプリンタ101が起動されると、フォトプリンタ101のプリンタコントロール部102により、デジタルテレビ201の電源をONにするよう要求するCECコマンドが発行される。このCECコマンドは、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に送信される(ステップS102)。このとき、EDIDによる機器認証を行うことができる。
フォトプリンタ101から送信された電源ON要求のCECコマンドは、デジタルテレビ201の制御信号処理部224に受信され、テレビコントロール部202に渡される。テレビコントロール部202は、受け取ったこのCECコマンドに応じて、デジタルテレビ201の電源をONとするように電源部230を制御する。デジタルテレビ201の電源がONとされると、デジタルテレビ201の各部に電源が供給されデジタルテレビ201の起動が開始される(ステップS103)。その後、テレビコントロール部202は、電源ON完了を示すCECコマンドを発行する、CECコマンドは、制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に対して送信される(ステップS104)。このCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。
デジタルテレビ201は、フォトプリンタ101からの電源ON要求によりシステムを起動後、フォトプリンタ101に対し、フォトプリンタ101が映像の拡大機能を備えているか否かを問い合わせる(ステップS105)。例えば、テレビコントロール部202により、フォトプリンタ101が映像の拡大機能を備えているか否かを問い合わせるCECコマンドが発行される。このCECコマンドは、制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に送信される。
送信されたこのCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、このCECコマンドを受け取ると、デジタルテレビ201に対して、拡大機能の有無を返答するCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部224を介してデジタルテレビ201に対して送信される(ステップS106)。ここでは、フォトプリンタ101が映像の拡大機能を具備しているものとする。
ステップS107で、デジタルテレビ201の起動処理が完了してスタンバイ状態になる。デジタルテレビ201のテレビコントロール部202は、フォトプリンタ101に対し、映像および音声の出力開始を要求するCECコマンドを制御信号処理部224を介して送信する(ステップS108)。このCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、受け取ったこのCECコマンドに応じて、画像/音声データ処理部105に対し、デジタルテレビ201に映像信号および音声信号の出力を開始する準備を行うように命令を出す。
映像信号および音声信号の出力準備ができたら、プリンタコントロール部102は、デジタルテレビ201に対して映像信号および音声信号の出力開始準備が完了した旨を通知するCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に対して送信される(ステップS109)。送信されたこのCECコマンドは、デジタルテレビ201の制御信号処理部224に受信され、テレビコントロール部202に渡される。そして、フォトプリンタ101から映像データおよび音声データが出力され(ステップS110)、HDMIケーブル501を介してデジタルテレビ201に送信される。
これら映像データおよび音声データは、デジタルテレビ201においてHDMI送受信部221に受信され、それぞれ映像信号処理部222および音声信号処理部223に供給される。映像信号処理部222および音声信号処理部223でそれぞれ所定の処理がなされた映像データおよび音声データは、セレクタ209に供給され、音声データは音声再生部208に供給され、映像データは映像設定部206を介して映像表示部207に供給される。
図6は、図5を用いて説明したようにしてフォトプリンタ101から出力されデジタルテレビ201に表示された映像を、テレビリモコン301を操作して拡大表示させる際の、フォトプリンタ101およびデジタルテレビ201の一例の動作を示す。
ユーザによりテレビリモコン301のズームインボタン312が押下されると(ステップS201)、デジタルテレビ201に表示中の映像を拡大することを要求する拡大指示命令がテレビリモコン301において発行される(ステップS202)。この拡大指示命令は、例えば赤外線信号に変調されてテレビリモコン301から送信され、デジタルテレビ201のリモコン受信部205に受信され、所定に復調処理されテレビコントロール部202に供給される。
テレビコントロール部202は、供給された拡大指示命令に応じて、現在フォトプリンタ101から出力されている映像が拡大処理可能な映像であるか否かを問い合わせるCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部224から送信され、HDMIケーブル501のCECラインを介して、フォトプリンタ101に対して送信される(ステップS203)。このCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。
プリンタコントロール部102は、このCECコマンドを受け取ると、現在出力中の映像に対する拡大処理の可否を示すCECコマンドを発行し、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に送信する(ステップS204)。
拡大処理の可否判断は、フォトプリンタ101の操作部104を操作した際に拡大処理可能な状態であるか否かによって判断する。一例として、フォトプリンタ101がインデクス表示時や設定メニュー表示時に拡大処理が不可と設定されている場合、現在出力中の映像がインデクス表示や設定メニュー表示のための映像であれば、拡大処理が不可であると判断される。なお、インデクス表示は、例えばメモリカード401に記憶されている画像を縮小し、サムネイル画像化して一覧表示したものである。また、設定メニュー表示は、例えばフォトプリンタ101に対する各種の設定を行うための表示である。
また、現在出力中の映像が拡大表示可能であると判断した場合、プリンタコントロール部102は、映像生成部109を制御し、映像生成部109で生成されるOSD映像を非表示にする(ステップS205)。これは、後述するようにデジタルテレビ201で拡大処理を行う際に、フォトプリンタ101のOSD表示も拡大されてしまうのを防ぐためである。
ステップS204でフォトプリンタ101から送信された拡大処理の可否を示すCECコマンドは、デジタルテレビ201の制御信号処理部224に受信され、テレビコントロール部202に渡される。テレビコントロール部202は、受け取ったこのCECコマンドが拡大処理が可能であることを示していれば、フォトプリンタ101に対して映像信号の出力の停止を要求するCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に対して送信される(ステップS206)。
映像信号の出力停止を要求するこのCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、受け取ったこのCECコマンドに基づき、映像信号処理部121に対して映像出力を停止するよう要求する。映像信号処理部121は、この要求に応じて映像信号の出力を停止する(ステップS207)。映像信号の出力が停止されると、プリンタコントロール部102は、映像信号の出力停止が完了したことを示すCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に送信される(ステップS208)。
映像信号の出力停止が完了したことを示すCECコマンドがデジタルテレビ201の制御信号処理部224に受信され、テレビコントロール部202に渡される。テレビコントロール部202は、受け取ったこのCECコマンドに応じて、上述したように、デジタルテレビ201における通常のズーム処理により映像データの拡大処理を行う。テレビコントロール部202は、映像設定部206に対して映像データの拡大命令を発行し、映像設定部206にて実際の拡大処理を行う(ステップS209)。
ステップS209における拡大処理は、例えば、フォトプリンタ101からステップS207により送信されたCECコマンドの受信の直前に出力された映像信号に対して、上述したフォトプリンタ101における通常の電子ズーム処理を行うことでなされる。例えば、映像設定部206において、映像設定部206が有するメモリに格納された映像信号に対して、映像信号の水平方向および垂直方向の各画素に基づき、拡大倍率に応じて補間処理を用いて画素を生成し、映像の一部の領域を拡大させる。
このステップS209における拡大処理は、ユーザがテレビリモコン301のズームインボタン312を押下し続けボタンの押下状態が維持されている間、繰り返し行われる。一例として、ズームインボタン312が押下され続けている間、1回の拡大処理が完了する毎に、拡大倍率を順次、段階的に大きくしていき繰り返し拡大処理を行う。この場合、テレビコントロール部202は、実行された拡大処理の回数をカウントしておくことで、拡大倍率を知ることができる。また、拡大倍率に基づき、元映像データに対する表示領域の位置情報を知ることができる。ユーザがズームインボタン312を離し、ボタンの押下状態が解除されたら、最終的な拡大表示領域が決定されるものとする。
ズームインボタン312の押下状態が解除されると(ステップS210)、その旨がテレビリモコン301からデジタルテレビ201のテレビコントロール部202に対して通知される(ステップS211)。例えば、テレビコントロール部202は、テレビリモコン301から送信される、拡大命令を含む赤外線信号が停止されたことで、ズームインボタン312の押下状態が解除されたことを知ることができる。これに限らず、テレビリモコン301が、ズームインボタン312が押下されたことを示すコマンドと、押下が解除されたことを示すコマンドとをそれぞれ送信するようにしてもよい。
ズームインボタン312の押下状態の解除が通知されると、テレビコントロール部202は、フォトプリンタ101に対して、ズームインボタン312の押下状態が解除された時点での拡大表示領域を示す情報と、表示画像情報とを送信する(ステップS212)。これら拡大表示領域を示す情報と、表示画像情報とは、例えばCECコマンドとして送信される。
なお、ここでいう表示画像情報は、拡大倍率情報、元映像信号に対する表示領域の位置情報、アスペクト比や解像度などの設定情報を指す。フォトプリンタ101で画像データから拡大領域を切り出して映像を生成する際に、フォトプリンタ101側で画像データから切り出す領域は、この表示画像情報に基づき決定できる。
デジタルテレビ201から送信された表示画像情報は、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、表示画像情報を受け取ると、映像生成部109に、表示画像情報に基づきオリジナルの画像データから切り出すべき領域の座標を計算させる(ステップS213)。切り出すべき領域が決定されたら、映像生成部109は、画像/音声データ処理部105から出力された画像データから、この切り出すべき領域のデータを抽出する(ステップS214)。
映像生成部109は、抽出された領域の画像データに基づきデジタルテレビ201に出力すべきHD映像を生成する(ステップS215)。HD映像を生成するために用いる画像データは、元画像データから表示領域を抽出して生成されたデータである。そのため、生成されたHD映像は、デジタルテレビ201によって電子ズーム処理された映像よりも高精細な映像となる。映像生成部109にて拡大画像によるHD映像が生成されたら、上述のステップS204で非表示にしたOSD表示を再表示する(ステップS216)。そして、プリンタコントロール部102は、映像出力の準備が完了したことを示すCECコマンドを発行し、このCECコマンドを、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に対して送信する(ステップS217)
デジタルテレビ201において、映像出力準備完了のCECコマンドが制御信号処理部224に受信されテレビコントロール部202に渡される。テレビコントロール部202は、受け取ったCECコマンドに応じてデジタルテレビ201の拡大機能をOFFにする(ステップS218)。これは、この後フォトプリンタ101より出力される映像に対してさらに拡大処理が行われることを防ぐためである。このとき、映像表示部207には、上述したステップS207で拡大処理された映像を表示させたままにしておく。例えば、映像設定部206に対する映像データの入力を停止し、映像設定部206が有するメモリに記憶された画像データを映像表示部207に供給する。
その後、デジタルテレビ201は、フォトプリンタ101に対し、映像の出力開始を要求するCECコマンドを送信し(ステップS219)、フォトプリンタ101は、このCECコマンドに応じて拡大処理した映像データの出力を開始する(ステップS220)。フォトプリンタ101において、プリンタコントロール部102は、映像データの出力を開始するように制御すると共に、デジタルテレビ201に対して映像表示の切り替えを要求するCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に対して送信される(ステップS221)。
デジタルテレビ201は、この映像表示切り替え要求のCECコマンドに応じて、フォトプリンタ101から出力された映像信号を映像表示部207に供給するように制御を行う(ステップS222)。
一例として、デジタルテレビ201において、映像表示切り替え要求のCECコマンドが制御信号処理部224に受信されテレビコントロール部202に渡される。テレビコントロール部202は、このCECコマンドに応じて、映像設定部206に対する映像データの供給を開始させる。フォトプリンタ101から出力された、拡大処理された映像データがHDMI送受信部221を介して映像信号処理部222に受信されて所定に処理される。映像信号処理部222から出力された、フォトプリンタ101で拡大処理された映像データは、セレクタ209を介して映像設定部206に供給され、メモリに格納される。映像設定部206は、メモリから、フォトプリンタ101で拡大処理された映像データを読み出して映像表示部207に供給する。
なお、上述のステップS203でデジタルテレビ201から送信された、拡大処理の可否を問い合わせるCECコマンドに対し、拡大処理が不可であると判断する場合も有り得る。この場合、フォトプリンタ101は、図6のステップS204で拡大処理が不可であることを示すCECコマンドをデジタルテレビ201に対して送信する。そして、ステップS205以下の処理は行わず、デジタルテレビ201の映像設定部206でズーム処理を実行することが考えられる。
また、上述では、映像の拡大処理について説明を行ったが、これはこの例に限られず、この第1の実施形態は、映像の縮小処理や、スクロール処理などにも用いて好適なものである。縮小処理は、例えばテレビリモコン301のズームアウトボタン313を押下することで行われる。縮小処理の場合のデジタルテレビ201およびフォトプリンタ101での動作は、上述の図5および図6と同様であるので、説明を省略する。
また、スクロール処理は、元の画像データから切り出す表示領域の位置を、表示画像の拡大倍率を変更せずに、当該元の画像データに対して移動させる。スクロール処理は、例えばテレビリモコン301の4方向ボタン311、311、311、311を押下することで行うことができる。
なお、縮小処理およびスクロール処理は、デジタルテレビ201が持っている画像データの範囲内で行うことが考えられる。このとき、フォトプリンタ101から出力されている現在表示中の映像に関し、デジタルテレビ201の表示領域より広い範囲の画像データをフォトプリンタ101から予め取得するようにしてもよい。
一例として、当該映像の元となる画像データを、フォトプリンタ101側で一旦、デジタルテレビ201の映像表示部207の画素数に対応するサイズに縮小して出力することが考えられる。デジタルテレビ201側では、この縮小された画像データを例えば映像設定部206のメモリに格納し、スクロール処理時の拡大倍率に応じた領域を切り出して映像表示部207の画素数のサイズに拡大し、映像表示部207に表示させる。メモリに格納された画像データから切り出す領域を、4方向ボタン311、311、311、311の押下に応じて移動させることで、スクロール処理がなされる。
スクロール処理は、ユーザがテレビリモコンの4方向ボタン311、311、311、311の何れかを押下し続けている間、繰り返し行われる。一例として、何れかの4方向ボタン311が押下され続けている間、押下された4方向ボタンが示す方向に表示画像が移動するように、所定画素単位で表示領域を移動させる。所定画素分による1回の移動が完了すると、次の1回分の移動が行われる。この場合、テレビコントロール部202は、実行された移動回数をカウントしておくことで、元映像データに対する表示領域の位置情報を知ることができる。
4方向ボタン311、311、311、311の押下が解除されると、拡大表示領域を示す情報と、表示画像情報とをデジタルテレビ201からフォトプリンタ101に送信する。フォトプリンタ101は、受信した拡大表示領域を示す情報と表示画像情報とに基づき、元画像データから表示すべき領域を切り出し、デジタルテレビ201に送信する。
このように、この発明の第1の実施形態においては、テレビリモコン301を使用して拡大や縮小、スクロールなど命令を連続的に出力しているときには、デジタルテレビ201側で対応する処理を行う。すなわち、デジタルテレビ201側の操作系を使用して、元画像における表示領域を変更する命令を連続的に出力しているときには、対応する処理をデジタルテレビ201側で行う。そして、元画像における表示すべき領域が最終的に決定されると、フォトプリンタ101側で、画像データから表示すべき領域を切り出し、HD映像の生成および出力を行っている。そのため、表示領域の変更処理に伴う機器間でのCECコマンドなどの通信ロスや、それに伴う処理を軽減でき、ユーザ操作に対する反応をより高速とすることが可能である。
また、上述した第1の実施形態では、デジタルテレビ201に映像データを出力する映像出力装置としてフォトプリンタを例に説明しているが、他の映像出力装置においても適用できる。例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話を、この第1の実施形態による映像出力装置に適用することが考えられる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態で説明した方法に従い、デジタルテレビ201側の操作により映像の拡大、縮小、スクロール処理を行い、フォトプリンタ101側の画像データにおける最終的な表示領域を決定する。そして、決定された表示領域の画像データを、デジタルテレビ201側の操作により、フォトプリンタ101に印刷させるようにしている。
この第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態と同様に、映像の拡大、縮小、スクロール処理などにおけるユーザ操作に対するレスポンスをより高速にすることができる。それと共に、第2の実施形態によれば、ユーザは、デジタルテレビ201側の操作のみで、印刷領域を決定しフォトプリンタ101に対して印刷を行わせることができる。
なお、この第2の実施形態では、第1の実施形態で図1を用いて説明したシステム構成をそのまま適用できる。同様に、第1の実施形態で図2〜図4を用いてそれぞれ説明したフォトプリンタ101、デジタルテレビ201およびテレビリモコン301も、第2の実施形態にそのまま適用できる。そのため、以下では、これらシステム構成や、フォトプリンタ101、デジタルテレビ201およびテレビリモコン301の詳細な説明を省略する。
なお、この第2の実施形態に適用されるフォトプリンタ101は、印刷機能を具備しているものとする。例えば、プリンタコントロール部102の命令に応じて、画像/音声データ処理部105で処理された画像データが印刷制御部108に供給される。印刷制御部108は、プリンタコントロール部102の制御に基づき印刷機構部107を制御し、画像データの記録用紙601への印刷を行う。
また、フォトプリンタ101は、画像データの指定された領域を所定に拡大処理して表示部110に表示し、表示部110に表示された領域を元の画像データから切り出して印刷することができるようにされている。これをトリミング印刷と呼ぶ。
さらに、この第2の実施形態に適用されるテレビリモコン301は、上述したプリントボタン314により印刷要求を送信することができるようにされている。また、テレビリモコン301は、図示されないボタンまたはボタン群により、DPOF(Digital Print Order Format)情報の作成指示を行う信号を送信することができるようにされているものとする。DPOF情報は、印刷番号、印刷種類、印刷部数、画像データのフォーマット、画像データのパス情報、トリミングや回転などの画像データに対する編集情報が含まれる。
図7および図8は、この第2の実施形態における印刷処理の一例の制御シーケンスを示す。なお、図7および図8の説明において、上述した図5および図6を用いて行った説明と共通する部分については、適宜、説明を省略する。
図7は、フォトプリンタ101の電源がONとされた際の、フォトプリンタ101およびデジタルテレビ201の一例の動作を示す。なお、図7のシーケンスに先立って、フォトプリンタ101とデジタルテレビ201とがHDMIケーブル501で接続されているものとする。
まず、ユーザによりフォトプリンタ101の操作部104が操作され、フォトプリンタ101の電源がONとされ(ステップS301)、フォトプリンタ101が起動される。フォトプリンタ101が起動されると、フォトプリンタ101からデジタルテレビ201に対して、デジタルテレビ201の電源をONにするよう要求するCECコマンドが送信される(ステップS302)。このとき、EDIDによる機器認証を行うことができる。
フォトプリンタ101から送信された電源ON要求のCECコマンドは、デジタルテレビ201に受信される。デジタルテレビ201において、受信された電源ON要求のCECコマンドに応じて電源がONとされ、デジタルテレビ201の起動が開始される(ステップS303)。その後、デジタルテレビ201からフォトプリンタ101に対して、電源ON完了を示すCECコマンドが送信される(ステップS304)。
デジタルテレビ201において、テレビコントロール部202は、フォトプリンタ101からの電源ON要求によりシステムを起動後、フォトプリンタ101が印刷機能を備えているか否かを問い合わせるCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に対して送信される(ステップS305)。このCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、このCECコマンドを受け取ると、デジタルテレビ201に対して、印刷機能の有無を返答するCECコマンドを発行し、制御信号処理部224を介して送信する(ステップS306)。
この印刷機能の有無を返答するCECコマンドは、デジタルテレビ201の制御信号処理部224に受信され、テレビコントロール部202に渡される。このCECコマンドが、フォトプリンタ101が印刷機能を有する旨を示していれば、テレビコントロール部202は、DPOF情報の作成機能を有するか否かを問い合わせるCECコマンドを発行する。このCECコマンドは、制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に送信される(ステップS307)。
フォトプリンタ101において、DPOF情報の作成機能を有するか否かを問い合わせるCECコマンドが、制御信号処理部123で受信されプリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、このCECコマンドに応じて、DPOF情報作成機能の有無を示すCECコマンドを発行し、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に送信する(ステップS308)。ここでは、このCECコマンドにより、DPOF情報作成機能を有することが通知される。
デジタルテレビ201の起動処理が完了してスタンバイ状態になると(ステップS309)、デジタルテレビ201からフォトプリンタ101に対して、映像および音声の出力開始を要求するCECコマンドが送信される(ステップS310)。フォトプリンタ101は、このCECコマンドに応じてデジタルテレビ201に映像データおよび音声データの出力を開始する準備を行う。映像データおよび音声データの出力準備ができたら、フォトプリンタ101からデジタルテレビ201に対して、映像データおよび音声データの出力開始準備が完了した旨を通知するCECコマンドが送信される(ステップS312)。
図8は、テレビリモコン301を操作して映像表示部207に表示された画像を拡大および/またはスクロールさせ、映像表示部207の表示に対応してトリミング印刷する際の、フォトプリンタ101およびデジタルテレビ201の一例の動作を示す。
ユーザは、映像表示部207に表示された画像を参照しながら、所望の印刷領域が得られるように、テレビリモコン301を操作して画像の拡大(ステップS401)、スクロール(ステップS402)などを指示する。ステップS401による画像の拡大処理は、図6を用いて説明したステップS201〜ステップS211の処理と同一に行われる。同様に、ステップS402による画像のスクロール処理についても、上述したように、図6のステップS201〜ステップS211の処理と同様にして行われる。ここでは、繁雑さを避けるために、ステップS401およびステップS402の処理についての説明は省略する。
ステップS401およびステップS402の処理は、ユーザのテレビリモコン301に対する操作に応じて、任意の順序で、ユーザが所望の印刷領域を得られるまで繰り返し行うことができる。このように、この第2の実施形態においては、印刷領域決めのための拡大処理やスクロール処理が、デジタルテレビ201における通常のズーム処理機能やスクロール機能を用いて行われる。そのため、拡大やスクロールを指示するボタン操作に対するレスポンスを高速にすることができ、ユーザは、印刷領域決めの操作を快適に行うことができる。
ユーザの所望する印刷領域が得られたら、ユーザにより、テレビリモコンのプリントボタン314が押下される(ステップS403)。テレビリモコン301のプリントボタン314の押下に応じて、テレビリモコン301からデジタルテレビ201に対して、印刷指示命令が送信される(ステップS404)。この印刷指示命令は、デジタルテレビ201のリモコン受信部205に受信され、テレビコントロール部202に供給される。
テレビコントロール部202は、テレビリモコン301からの印刷指示命令に応じて、印刷要求のCECコマンドを発行する。この印刷要求のCECコマンドは、テレビコントロール部202から制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に送信される(ステップS405)。
印刷要求のCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、受け取った印刷要求のCECコマンドに応じて、印刷要求受付のCECコマンドを発行する。この印刷要求受付のCECコマンドは、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に送信される(ステップS406)。
印刷要求受付のCECコマンドの送信と共に、プリンタコントロール部102は、受け取った印刷要求のCECコマンドに応じて、印刷準備を開始するように、フォトプリンタ101の各部を所定に制御する(ステップS407)。例えば、プリンタコントロール部102は、印刷制御部108を所定に制御すると共に、印刷に関するステータス情報を表示部110に表示させる。フォトプリンタ101が印刷準備を開始した際、印刷中を示すアイコンなどをOSDデータとして、デジタルテレビ201に送信する映像データに付加してもよい。
印刷準備が開始されると、プリンタコントロール部102は、デジタルテレビ201の映像表示部207に表示されている画像について、表示画像情報をデジタルテレビ201に問い合わせるCECコマンドを発行する(ステップS408)。ここでいう表示画像情報は、拡大倍率情報、元映像信号に対する表示領域の位置情報、アスペクト比や解像度などの設定情報を指す。フォトプリンタ101で画像データにおける所定領域を印刷領域として指定する際に、指定された印刷領域は、この表示画像情報に基づき決定できる。
表示画像情報を問い合わせるCECコマンドは、制御信号処理部123を介してデジタルテレビ201に送信される。このCECコマンドは、デジタルテレビ201の制御信号処理部224に受信され、テレビコントロール部202に渡される。テレビコントロール部202は、受け取ったこのCECコマンドに応じて、映像設定部206から表示画像情報を取得する。映像設定部206は、デジタルテレビ201に入力され映像表示部207にて表示している映像の表示領域の位置情報を表示画像情報として、テレビコントロール部202に渡す。
テレビコントロール部202は、表示画像情報を受け取ると、この表示画像情報をCECコマンドとして発行する。この表示画像情報のCECコマンドは、制御信号処理部224を介してフォトプリンタ101に対して送信される(ステップS409)。
表示画像情報のCECコマンドは、フォトプリンタ101の制御信号処理部123に受信され、プリンタコントロール部102に渡される。プリンタコントロール部102は、CECコマンドとして受け取った表示画像情報を、画像/音声データ処理部105に渡す。画像/音声データ処理部105では、受け取った表示画像情報に基づき、元画像データからトリミング印刷すべき領域の座標を計算する(ステップS410)。そして、印刷領域の座標計算が終わったら、プリンタコントロール部102は、印刷制御部108に印刷指示を出し、計算された座標に基づく印刷領域でのトリミング印刷を開始させる(ステップS411)。
なお、上述では、印刷命令をデジタルテレビ201のテレビリモコン301を用いて発行するように説明したが、これはこの例に限られない。例えば、フォトプリンタ101の操作部104を操作することで、印刷命令を発行してもよい。フォトプリンタ101が操作部104に対する操作により印刷命令を受けた後の動作は、図8のステップS407以降の動作と同様である。
また、上述では、印刷命令が発行されたときにのみ、デジタルテレビ201からフォトプリンタ101に対して表示画像情報を送信しているが、これはこの例に限られない。例えば、映像表示部207に表示される表示領域が変更される毎に表示画像情報を送信してもよい。
さらに、上述では、ステップS401およびステップS402による拡大処理およびスクロール処理が終了し、プリントボタン314が押下された後も、デジタルテレビ201側の映像処理により生成された映像が映像表示部207に表示される。これはこの例に限られず、例えばプリントボタン314が押下されたら、図6を用いて説明したステップS212〜ステップS222の処理を行うようにもできる。
すなわち、プリントボタン314が押下されたら、決定された印刷領域に対応する画像データをフォトプリンタ101側で生成し、デジタルテレビ201に送信する。デジタルテレビ201側で、フォトプリンタ101で生成され送信されたこの画像データを映像表示部207に表示させることで、印刷領域に対応する画像を高精細に確認することができる。
さらにまた、図7において、ステップS105およびステップS107で、印刷機能やDPOF情報作成機能を有していない機器が接続されていることが確認されることも考えられる。この場合、デジタルテレビ201は、印刷要求やDPOF情報作成要求のCECコマンドを発行しないようにできる。
この第2の実施形態によれば、テレビリモコン301などのテレビ側の操作系を使用して拡大や縮小、スクロールなどの元画像における表示領域を変更する処理を行う。そして、映像出力側であるフォトプリンタ101に対し、元画像に対する表示領域を示す情報をCECコマンドにより送信することでトリミング印刷を行うようにしている。これにより、ユーザは、映像表示装置および映像出力装置の何方の操作系を操作しているかを意識することなく、映像表示装置の表示部に表示される画像に対応したトリミング印刷を行うことが可能となる。
また、上述の第2の実施形態においては、印刷動作のみを説明しているが、これはこの例に限られない。例えば、フォトプリンタ101において、デジタルテレビ201から送信された表示画像情報に基づきDPOF情報を作成するようにもできる。なお、デジタルテレビ201に接続された機器が印刷機能を備えていない場合でも、表示画像情報をCECコマンドで取得することで、DPOF情報を作成することが可能である。
例えば、第2の実施形態のフォトプリンタ101側の構成として、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話などの映像出力が可能な機器においても適用できる。これに限らず、フォトプリンタ101は、一般的なパーソナルコンピュータとプリンタ装置との組み合わせで実現させることも可能である。
なお、上述した第1および第2の実施形態では、デジタルテレビ201とフォトプリンタ101の接続手段としてHDMIを用いているが、映像や音声の送信、双方向制御コマンドの送受信できる他の接続手段を利用してもよい。例えば、映像表示装置100に対する映像入力をD端子により行い、コマンドの双方向通信をRS−232Cインターフェイスを用いて行うことが考えられる。また、第1の実施形態では、双方向制御コマンドとしてCECを利用しているが、その他の双方向制御コマンドにも適用できる。
さらに、上述した第1および第2の実施形態では、フォトプリンタ101から出力される映像データを受信し表示する映像表示装置として、デジタルテレビ201を例に説明しているが、これはこの例に限定されない。例えば、アナログ放送も受信可能なデジタルテレビ受像機や、パーソナルコンピュータに接続して用いるモニタ装置など、他の映像表示装置にこの第1の実施形態を適用することができる。
上述の第1および第2の実施形態は、システムあるいは装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。
従って、上述の第1および第2実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の第1および第2の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体もこの発明の一つである。
なお、上述の第1および第2の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
上述の第1および第2の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体または有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の第1および第2の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
また、上述の第1および第2の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
また、上述の第1および第2の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
さらに、上述の第1および第2の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。