JP2009196898A - 保湿剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柑橘類の外皮を特定条件化での減圧蒸留やセルラーゼ、ペクチナーゼ、キチナーゼ、キシラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコシダーゼ、及びセロビアーゼから選択される酵素で処理を行って得られる細胞水を含む、皮膚の水分量や柔軟性が維持され、良好な肌状態が保たれることを特徴とする保湿剤。
【選択図】なし
Description
しかし、未だその多くは廃棄処分にされており、有効利用が望まれる。
項1. 柑橘類の外皮の細胞水を含むことを特徴とする保湿剤。
項2. 柑橘類の外皮の細胞水が柑橘類の外皮を減圧蒸留することにより得られる蒸留画分である項1に記載の保湿剤。
項3. 蒸留画分が、温度25〜40℃かつ圧力−98〜−93kPaの条件で蒸留される画分である項2に記載の保湿剤。
項4. 柑橘類の外皮の細胞水が、柑橘類の外皮をセルラーゼ、ペクチナーゼ、キチナーゼ、キシラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコシダーゼ、及びセロビアーゼから選択される少なくとも1種の酵素で処理する工程を含む方法により得られるものである項1に記載の保湿剤。
項5. 柑橘類がシークヮーサーである項1〜4のいずれかに記載の保湿剤。
に関する。
このため、本発明に係る保湿剤は、日常の基礎化粧品として、また、例えばアトピー性皮膚炎や、乾皮症などの乾燥肌の皮膚への水分の補給と保湿を目的とした化粧品や医薬品、医薬部外品として好適に使用できる。
本発明に係る保湿剤の原料となる柑橘類の外皮は天然物で安全性が高い。また、柑橘類の果実を搾汁して果汁やジュースなどを分離した後に廃棄されていた絞り粕は、そのまま本発明に係る保湿剤の原料の柑橘類の外皮として使用し得るので、本発明の保湿剤は、廃棄物の有効利用になり得るとともに、安価である。
本発明において、柑橘類の種類は特に限定されず、例えば、シークヮーサー、柚子、蜜柑、ハッサク、スダチ、オレンジ、カボス、グレープフルーツ、ウコウ、文旦などを制限無く使用できる。中でも、シークワーサーが好ましい。
柑橘類(学名:Citrus depressa、和名:ヒラミレモン)は、果実であればよく、未熟果でも、完熟果であってもよい。「外皮」は、外果皮部分(フラベド)、及びその内側の白い海綿様部分(アルベド)からなる部分である。本発明では、外皮の全部又は一部を使用することができる。
先ず、柑橘類の果実を洗浄処理後、柑橘類の果実から果肉及び果汁飲料(ジュース)を除去し、その残渣を外皮ごと利用すればよい。また、残渣から柑橘類の外皮だけを分離したものを利用してもよい。また、柑橘類の果実から手作業で外皮を分離してもよい。
柑橘類の果実から果肉または果汁飲料(ジュース)を除去する方法は、公知の方法、例えば柑橘類の果実を洗浄処理後、果実を圧搾処理して果肉または果汁を含む搾汁を除去して外皮を分離する方法などを採用できる。圧搾処理は、柑橘類の果実を圧搾処理できる方法であれば特に限定されない。圧搾装置としては、例えば遠心分離装置や低速回転圧搾式ジューサー、あるいは圧縮装置などが挙げられる。遠心分離装置を用いる場合、その回転数は、柑橘類の外皮の細胞壁や細胞膜などが破壊されない約500〜1,500rpmが好ましい。圧縮装置としては、2つの圧縮ロールで果実を搾汁するロールプレス搾汁機や、果実を濾布に包み圧縮して搾汁する、濾布プレス機などが挙げられる。分離された外皮はそのままでもよく、または、切断、粉砕、粗切、中切もしくは細切などされてもよい。
次いで、外皮を蒸留、好ましくは減圧蒸留し、蒸留画分を分取する。
減圧蒸留は低温下で細胞水を分離できるので細胞に含まれる成分の変質、変性、または分解(以下、変質等と略記する。)を抑制できる。減圧蒸留における温度及び圧力は、細胞に含まれる成分の変質等を抑制でき、かつ細胞水を蒸留分別できる温度及び圧力が好ましい。温度及び圧力の条件は、通常、約25〜40℃かつ約−98〜−93kPaであり、約25℃かつ約−98KPaが好ましい。
蒸留により得られる蒸留画分は、そのまま本発明にかかる細胞水として利用し得る。
本発明に係る保湿剤は、例えば化粧品組成物、医薬部外品組成物、または医薬品組成物とすることができる。また、皮膚(頭皮、毛髪を含む)に適用される皮膚外用組成物とすることができる。
保湿剤中の細胞水の含有量は、通常、約10〜100質量%、好ましくは約50〜100質量%である。
メントール、カンファーまたは合成香料などが挙げられる。
使用方法
本発明に係る保湿剤は、1日に適量(例えば細胞水に換算して10〜100質量%)を皮膚に塗布又は噴霧などすればよい。これにより皮膚の水分を保つことができる。本発明の保湿剤の使用対象としては、健康な肌(皮膚)を有する人の他、乾燥肌の人、アトピー性皮膚炎のような乾燥症状を示す皮膚疾患の人も好適である。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
柑橘類の果実を圧縮装置を用いて圧搾し、果汁飲料(ジュース)を分離した後の外皮20Kgを真空蒸留装置に入れ、真空圧力95KPa、蒸発温度約35℃、真空釜加熱温度105℃の条件で、抽出された画分14Kgを柑橘類の細胞水とした。
方法
試験を行う前に、被験候補者に試験の説明をし、同意を得られた者を被験者とした。試験は左右の腕で行い、片腕をコントロールとして水道水を塗布し、反対の腕に被験剤を適量塗布した。水道水または被験剤塗布は腕の同じ部分(上腕部、0.5×2.0cm)で行った。あらかじめ小部分に被験剤を塗布し、変化のないことを確認後、試験した。被験剤は、実施例1で調製した保湿剤を使用した。
塗布直後及び塗布10分後の皮膚水分量を肌水分計(トリプルセンス,株式会社モリテックス)を用いて、以下の手順(1)〜(4)に従って測定した。
(1)平常時の腕の皮膚水分量を肌水分計にて5回測定した。5回の測定値の平均値を被験剤使用前データとした。
(2)水道水または被験剤を塗布し、手でのばしてなじませた。
(3)上記(2)直後に、水道水または被験剤を塗布した部位の皮膚水分量をそれぞれ5回測定した。各平均値をそれぞれの使用直後データとした。
(4)水道水または被験剤塗布後10分後に腕の皮膚水分量をそれぞれ5回測定した。各平均値をそれぞれの使用10分後データとした。
結果
結果を、以下の表1に示す。10分後の肌水分量が、水道水塗布に比べて被験剤塗布の方が水分量が高い場合を◎、水道水塗布に比べて被験剤塗布の方が水分量が低い場合を×で表した。(※)については、被験剤塗布の肌水分量が塗布前より低下したことを示す。
Claims (5)
- 柑橘類の外皮の細胞水を含むことを特徴とする保湿剤。
- 柑橘類の外皮の細胞水が柑橘類の外皮を減圧蒸留することにより得られる蒸留画分である請求項1に記載の保湿剤。
- 蒸留画分が、温度25〜40℃かつ圧力−98〜−93kPaの条件で蒸留される画分である請求項2に記載の保湿剤。
- 柑橘類の外皮の細胞水が、柑橘類の外皮をセルラーゼ、ペクチナーゼ、キチナーゼ、キシラナーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコシダーゼ、及びセロビアーゼから選択される少なくとも1種の酵素で処理する工程を含む方法により得られるものである請求項1に記載の保湿剤。
- 柑橘類がシークヮーサーである請求項1〜4のいずれかに記載の保湿剤。
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2008
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