JP2009193749A - プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009193749A
JP2009193749A JP2008031363A JP2008031363A JP2009193749A JP 2009193749 A JP2009193749 A JP 2009193749A JP 2008031363 A JP2008031363 A JP 2008031363A JP 2008031363 A JP2008031363 A JP 2008031363A JP 2009193749 A JP2009193749 A JP 2009193749A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
period
electrode
sustain
plasma display
pulse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008031363A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yamashita
武 山下
Yasuyuki Abe
泰之 阿部
Kei Kitatani
圭 北谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008031363A priority Critical patent/JP2009193749A/ja
Publication of JP2009193749A publication Critical patent/JP2009193749A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)

Abstract

【課題】製造工程において初期不良の検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置の製品品質を高める。
【解決手段】駆動回路は、通常駆動モードとエージング駆動モードとを有し、エージング駆動モードでは、1フィールド期間内のサブフィールド数を、通常駆動モードにおける1フィールド期間内のサブフィールド数よりも少なくし、かつ書込み期間の長さを通常駆動モードにおける書込み期間よりも長くし、かつ書込み期間においては、書込みパルスが印加されるデータ電極と書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うようにデータ電極に交互に書込みパルスを印加するとともに、書込みパルスを印加するデータ電極には書込み期間中継続して書込みパルスを印加し、かつ維持期間においては、維持パルスの発生数を通常駆動モードの維持期間における維持パルスの発生数よりも少なくする。
【選択図】図5

Description

本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、対向配置された前面板と背面板との間に多数の放電セルが形成されている。前面板は、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が前面ガラス基板上に互いに平行に複数対形成され、それら表示電極対を覆うように誘電体層および保護層が形成されている。背面板は、背面ガラス基板上に複数の平行なデータ電極と、それらを覆うように誘電体層と、さらにその上にデータ電極と平行に複数の隔壁とがそれぞれ形成され、誘電体層の表面と隔壁の側面とに蛍光体層が形成されている。そして、表示電極対とデータ電極とが立体交差するように前面板と背面板とが対向配置されて密封され、内部の放電空間には、例えば分圧比で5%のキセノンを含む放電ガスが封入されている。ここで表示電極対とデータ電極とが対向する部分に放電セルが形成される。このような構成のパネルにおいて、各放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行っている。
パネルを駆動する方法としては、サブフィールド法、すなわち、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般に用いられている。
各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成するとともに、書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(書込み放電を発生させるための励起粒子)を発生させる。
書込み期間では、走査電極に順次走査パルスを印加(以下、この動作を「走査」とも記す)するとともに、データ電極には表示すべき画像信号に対応した書込みパルスを印加する(以下、これらの動作を総称して「書込み」とも記す)。それにより、走査電極とデータ電極との間で選択的に書込み放電を発生させ、選択的に壁電荷を形成する。
続く維持期間では、表示させるべき輝度に応じた所定の回数の維持パルスを走査電極と維持電極とからなる表示電極対に交互に印加する。それにより、書込み放電による壁電荷形成が行われた放電セルで選択的に放電を起こし、その放電セルを発光させる。これにより画像表示を行う。
また、サブフィールド法の中でも、緩やかに変化する電圧波形を用いて初期化放電を行い、さらに維持放電を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行うことで、階調表示に関係しない発光を極力減らしコントラスト比を向上させた駆動方法が開示されている。
具体的には、複数のサブフィールドのうち、1つのサブフィールドの初期化期間においては全ての放電セルに初期化放電を発生させる全セル初期化動作を行い、他のサブフィールドの初期化期間においては直前の維持期間で維持放電を行った放電セルにのみ初期化放電を発生させる選択初期化動作を行う。このように駆動することによって、画像の表示に関係のない発光に依存して変化する黒表示領域の輝度(以下、「黒輝度」と略記する)は全セル初期化動作における微弱発光だけとなり、コントラストの高い画像表示が可能となる(例えば、特許文献1参照)。
このようなパネルにおいては、内部に水やCH系ガス等の不純物が残留していると、パネルの特性が悪化する。そこで、パネルの製造工程におけるエージング時に、パネル内部の残留不純物を取り除く方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、エージング処理に要する時間を短縮する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、各放電セルでエージングを均一に進行させることで、パネルの特性をより均一にする技術も開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−242224号公報 特開2002−13402号公報 特開2004−265655号公報 特開2002−231139号公報
一方、プラズマディスプレイ装置においては、駆動回路から出力される駆動電圧を電極に印加するための配線基板(例えば、フレキシブル配線板等)と、電極の引き出し線とを圧着する際に、圧着不良による空隙が生じることがある。このような空隙が生じると、その内部に残留する不純物を除去することは極めて困難である。また、この空隙に残留する不純物は、プラズマディスプレイ装置における使用開始からの経過時間がそれほど長くない時期に発生する動作不良(以下、「初期不良」と記す)を引き起こすことがある。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、プラズマディスプレイ装置の製造工程において初期不良の検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置の製品品質を高めることができるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のプラズマディスプレイ装置は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対およびデータ電極を有するパネルと、初期化期間とデータ電極に書込みパルスを印加する書込み期間と表示電極対に交互に維持パルスを印加する維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けてパネルを駆動する駆動回路とを備え、駆動回路は、入力画像信号にもとづきパネルを駆動する通常駆動モードと、入力画像信号にはよらずあらかじめ定められた駆動電圧波形のみを用いてパネルを駆動するエージング駆動モードとを有し、エージング駆動モードでは、1フィールド期間内のサブフィールド数を、通常駆動モードにおける1フィールド期間内のサブフィールド数よりも少なくし、かつ書込み期間の長さを通常駆動モードにおける書込み期間よりも長くし、かつ書込み期間においては、書込みパルスが印加されるデータ電極と書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うようにデータ電極に交互に書込みパルスを印加するとともに、書込みパルスを印加するデータ電極には書込み期間中継続して書込みパルスを印加し、かつ維持期間においては、維持パルスの発生数を通常駆動モードの維持期間における維持パルスの発生数よりも少なくすることを特徴とする。
これにより、エージング駆動モードによってパネルを駆動してエージング処理を行うことで、マイグレーションによる絶縁不良を発生させる恐れのあるプラズマディスプレイ装置において、通常駆動モードによってパネルを駆動するときと比較して、マイグレーションの進行を加速させることができ、従来では見つけ出すことが難しかったマイグレーションによる動作不良を引き起こす恐れのあるプラズマディスプレイ装置の、製造工程における品質検査での検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置における初期不良の発生を低減し、プラズマディスプレイ装置の製品品質を高めることが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、駆動回路は、エージング駆動モードにおいて、書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅を、通常駆動モードにおいて書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅よりも広くしてもよい。これにより、データ電極間に電位差が発生している状態を長時間継続させることができ、エージング処理を効率的に行うことが可能となる。
また、このプラズマディスプレイ装置において、駆動回路は、エージング駆動モードにおいて、1フィールド期間内のサブフィールド数を2以下とし、維持期間において発生させる維持パルス数を2以下とし、書込み期間の長さを4msec以上としてもよい。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の製造方法は、走査電極と維持電極とからなる表示電極対およびデータ電極を有するパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置の製造方法であって、1フィールド期間内のサブフィールド数を、通常の駆動時における1フィールド期間内のサブフィールド数よりも少なくし、かつ書込み期間の長さを通常の駆動時における書込み期間よりも長くし、かつ書込み期間においては、書込みパルスが印加されるデータ電極と書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うようにデータ電極に交互に書込みパルスを印加するとともに、書込みパルスを印加するデータ電極には書込み期間中継続して書込みパルスを印加し、かつ維持期間においては、維持パルスの発生数を通常の駆動時の維持期間における維持パルスの発生数よりも少なくするエージング駆動モードでパネルを所定時間駆動するエージング処理を備えたことを特徴とする。
これにより、エージング駆動モードによってパネルを駆動してエージング処理を行うことで、マイグレーションによる絶縁不良を発生させる恐れのあるプラズマディスプレイ装置において、通常駆動モードによってパネルを駆動するときと比較して、マイグレーションの進行を加速させることができ、従来では見つけ出すことが難しかったマイグレーションによる動作不良を引き起こす恐れのあるプラズマディスプレイ装置の、製造工程における品質検査での検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置における初期不良の発生を低減し、プラズマディスプレイ装置の製品品質を高めることが可能となる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の製造方法は、エージング駆動モードにおいて、書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅を、通常の駆動時の書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅よりも広くしてもよい。これにより、データ電極間に電位差が発生している状態を長時間継続させることができ、エージング処理を効率的に行うことが可能となる。
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の製造方法は、エージング駆動モードにおいて、1フィールド期間内のサブフィールド数を2以下とし、維持期間において発生させる維持パルス数を2以下とし、書込み期間の長さを4msec以上としてもよい。
本発明によれば、プラズマディスプレイ装置の製造工程において初期不良の検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置の製品品質を高めることができるプラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態におけるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして走査電極22と維持電極23とを覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。
また、保護層26は、放電セルにおける放電開始電圧を下げるために、パネルの材料として使用実績があり、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)ガスを封入した場合に2次電子放出係数が大きく耐久性に優れたMgOを主成分とする材料から形成されている。
背面板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。
これら前面板21と背面板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部をガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして、内部の放電空間には、ネオンとキセノンの混合ガスが放電ガスとして封入されている。なお、本実施の形態では、発光効率を向上させるためにキセノン分圧を約10%とした放電ガスを用いている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。なお、R・G・Bの各色で発光する3つの放電セルで1つの画素が構成される。
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。また、放電ガスの混合比率も上述した数値に限られるわけではなく、その他の混合比率であってもよい。
図2は、本発明の一実施の形態におけるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜走査電極SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜データ電極Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。そして、m×n個の放電セルが形成された領域がパネル10の表示領域となる。これらの電極は、銀(Ag)を含む材料で形成されている。
次に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1の構成について説明する。図3は、本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1の回路ブロック図である。プラズマディスプレイ装置1は、パネル10と、パネル10を駆動する駆動回路と、各回路ブロックに必要な電力を供給する電源回路(図示せず)とを有する。駆動回路として、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45を備えている。
画像信号処理回路41は、入力された画像信号sigを放電セルにおけるサブフィールド毎の発光・非発光を示す画像データに変換する。
タイミング発生回路45は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vにもとづき各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。
走査電極駆動回路43は、初期化期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する初期化波形電圧を発生するための初期化波形発生回路、維持期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する維持パルスを発生するための維持パルス発生回路、複数の走査ICを備え書込み期間において走査電極SC1〜走査電極SCnに印加する走査パルス電圧を発生するための走査パルス発生回路を有する。そして、タイミング信号にもとづいて各走査電極SC1〜走査電極SCnをそれぞれ駆動する。
データ電極駆動回路42は、画像信号処理回路41から出力されるサブフィールドデータ(画像信号を、各データ電極D1〜データ電極Dmの、各サブフィールドにおける点灯/非点灯を表す信号に変換したデータ)、およびタイミング信号にもとづいて各データ電極D1〜データ電極Dmを駆動する。
維持電極駆動回路44は、維持パルス発生回路および電圧Ve1、電圧Ve2を発生するための回路を備え、タイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜維持電極SUnを駆動する。
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作の概要について説明する。本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1は、サブフィールド法、すなわち1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。それぞれのサブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。
各サブフィールドにおいて、初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。加えて、放電遅れを小さくし書込み放電を安定して発生させるためのプライミング粒子(放電のための起爆剤=励起粒子)を発生させるという働きを持つ。このときの初期化動作には、全ての放電セルで初期化放電を発生させる全セル初期化動作と、直前のサブフィールドで維持放電を行った放電セルだけで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。
書込み期間では、後に続く維持期間において発光させるべき放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、輝度重みに比例した数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。このときの比例定数が「輝度倍率」である。
なお、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置1は、入力画像信号にもとづきパネル10を駆動する通常駆動モードと、あらかじめ定められた駆動電圧波形により入力画像信号とは無関係にパネル10を駆動するエージング駆動モードとの、異なる2つの駆動モードでパネル10を駆動することができる。ここでは、まず、通常駆動モードについて説明し、続いてエージング駆動モードについて説明する。
本実施の形態における通常駆動モードでは、1フィールドを9のサブフィールド(第1SF、第2SF、・・・、第9SF)で構成し、各サブフィールドはそれぞれ、例えば(1、2、4、7、13、24、41、64、100)の輝度重みを持つものとする。そして、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SF〜第9SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとする。これにより、画像の表示に関係のない発光は第1SFにおける全セル初期化動作の放電にともなう発光のみとなり、維持放電を発生させない黒表示領域の輝度である黒輝度は全セル初期化動作における微弱発光だけとなって、コントラストの高い画像表示が可能となる。また、各サブフィールドの維持期間においては、それぞれのサブフィールドの輝度重みに所定の輝度倍率を乗じた数の維持パルスを表示電極対24のそれぞれに印加する。
図4は、本発明の一実施の形態における通常駆動モードによるパネル駆動時にパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。図4には、2つのサブフィールドの駆動電圧波形、すなわち全セル初期化動作を行うサブフィールド(以下、「全セル初期化サブフィールド」と呼称する)の第1サブフィールド(第1SF)と、選択初期化動作を行うサブフィールド(「選択初期化サブフィールド」と呼称する)の第2サブフィールド(第2SF)とを示しているが、他のサブフィールドにおける駆動電圧波形もほぼ同様である。また、以下における走査電極SCi、維持電極SUi、データ電極Dkは、各電極の中から画像データにもとづき選択された電極を表す。
まず、全セル初期化サブフィールドである第1SFについて説明する。
第1SFの初期化期間前半部では、データ電極D1〜データ電極Dm、維持電極SU1〜維持電極SUnにそれぞれ0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧(以下、「上りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。
なお、本実施の形態では、この上りランプ波形電圧を約1.3V/μsecの勾配にして発生させている。
この上りランプ波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜データ電極Dm上部および維持電極SU1〜維持電極SUn上部には正の壁電圧が蓄積される。この電極上部の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。
初期化期間後半部では、維持電極SU1〜維持電極SUnには正の電圧Ve1を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmには0(V)を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧(以下、「下りランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。この間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が持続して起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上部の負の壁電圧および維持電極SU1〜維持電極SUn上部の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜データ電極Dm上部の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して初期化放電を行う全セル初期化動作が終了する。
なお、図4の第2SFの初期化期間に示したように、初期化期間の前半部を省略した駆動電圧波形を各電極に印加してもよい。すなわち、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnに放電開始電圧以下となる電圧(例えば、0(V))から電圧Vi4に向かって緩やかに下降する下りランプ波形電圧を印加する。これにより前のサブフィールドの維持期間で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上部および維持電極SUi上部の壁電圧が弱められる。また直前の維持放電によってデータ電極Dk(k=1〜m)上部に十分な正の壁電圧が蓄積されている放電セルでは、この壁電圧の過剰な部分が放電され書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷がそのまま保たれる。このように前半部を省略した初期化動作は、直前のサブフィールドの維持期間で維持動作を行った放電セルに対して初期化放電を行う選択初期化動作となる。
続く書込み期間では、走査電極SC1〜走査電極SCnに対しては順次走査パルス電圧を印加し、データ電極D1〜データ電極Dmに対しては発光させるべき放電セルに対応するデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加して、各放電セルに選択的に書込み放電を発生させる。
書込み期間では、まず維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を、走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vcを印加する。
そして、1行目の走査電極SC1に負の走査パルス電圧Vaを印加するとともに、データ電極D1〜データ電極Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vdを印加する。このときデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に放電が発生する。また、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を印加しているため、維持電極SU1上と走査電極SC1上との電圧差は、外部印加電圧の差である(Ve2−Va)に維持電極SU1上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧との差が加算されたものとなる。このとき、電圧Ve2を、放電開始電圧をやや下回る程度の電圧値に設定することで、維持電極SU1と走査電極SC1との間を、放電には至らないが放電が発生しやすい状態とすることができる。これにより、データ電極Dkと走査電極SC1との間に発生する放電を引き金にして、データ電極Dkと交差する領域にある維持電極SU1と走査電極SC1との間に放電を発生させることができる。こうして、発光させるべき放電セルに書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。
このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極D1〜データ電極Dmと走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnにベース電位となる接地電位、すなわち0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が維持パルス電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。
そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnにはベース電位となる0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに交互に輝度重みに輝度倍率を乗じた数の維持パルスを印加し、表示電極対24の電極間に電位差を与えることにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。
そして、維持期間の最後には、走査電極SC1〜走査電極SCnに、ベース電位となる0(V)から電圧Versに向かって緩やかに(例えば、約10V/μsecの勾配で)上昇する傾斜波形電圧(以下、「消去ランプ波形電圧」と呼称する)を印加する。これにより、微弱な放電を持続して発生させ、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCiおよび維持電極SUi上の壁電圧の一部または全部を消去している。この消去ランプ波形電圧によって発生させる維持期間の最後の放電を「消去放電」と呼称する。
続くサブフィールドの動作は、維持期間の維持パルスの数を除いて上述の動作とほぼ同様であるため説明を省略する。以上が、本実施の形態における通常駆動モード時にパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。
続いて、エージング駆動モードについて説明する。図5は、本発明の一実施の形態におけるエージング駆動モードによるパネル駆動時にパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。また、図6は、本発明の一実施の形態におけるエージング駆動モードによるパネル駆動時のパネル10の様子を示す概略図であり、放電セルの一部を拡大して示した概略図である。
本実施の形態におけるエージング駆動モードでは、入力画像信号にはよらず、あらかじめ定めた駆動電圧波形のみを用いてパネル10を駆動する。具体的には、図5に示すように、1フィールドを、通常駆動モードよりも少ない2つのサブフィールド(第1SF、第2SF)で構成する。なお、第1SFの初期化期間では全セル初期化動作を行い、第2SFの初期化期間では選択初期化動作を行うものとするが、この初期化期間の動作は、通常駆動モードにおける初期化期間の動作と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
書込み期間では、走査電極SC1〜走査電極SCnに対しては走査パルス電圧を印加せず、電圧Vcのみを印加する。また、データ電極D1〜データ電極Dmのうち、偶数番目のデータ電極Devenに対しては、通常駆動モードにおいて書込み期間に発生させる書込みパルスの幅(ここでは、パルスが立ち上がってから立ち下がるまでの時間を「パルス幅」とする)よりもパルス幅の広い書込みパルスを1回だけ印加する。例えば、通常駆動モードにおいて書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅を1μsec〜2μsec程度に設定しているのに対し、エージング駆動モードでは、書込みパルスのパルス幅を4msecにして発生させる。また、奇数番目のデータ電極Doddに対しては、0(V)を印加する。
続く維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに正の維持パルス電圧Vsを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnに0(V)を印加する。続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnには0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには維持パルス電圧Vsをそれぞれ印加する。このように、エージング駆動モードにおける維持期間では、表示電極対24のそれぞれに1回ずつ維持パルスを印加するものとする。
続く第2SFの動作は、初期化期間における初期化波形の波形形状が異なる以外は、第1SFの動作とほぼ同様であるため説明を省略する。以上が、本実施の形態におけるエージング駆動モード時にパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形の概要である。
このように、本実施の形態におけるエージング駆動モードでは、書込み期間に、偶数番目のデータ電極Devenに対してのみ書込みパルスを印加することでデータ電極D1〜データ電極Dmに交互に書込みパルスを印加し、これにより、図6に示すように、書込みパルスが印加されるデータ電極と書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うようにしている。また、1フィールドを構成するサブフィールドの数を大幅に少なくし、かつ維持期間における維持パルスの発生数を大幅に少なくすることで、通常駆動モードと比較して書込み期間を大幅に長くし、隣接するデータ電極の一方にのみ書込みパルスが印加される状態が長時間継続されるようにしている。
なお、本実施の形態におけるエージング駆動モードでは、走査電極SC1〜走査電極SCnに走査パルスを印加しておらず、書込み放電を発生させていないため、維持放電による発光は生じない。しかし、図6には、書込みパルスが印加される放電セルと書込みパルスが印加されない放電セルとを視覚的にわかりやすく区別できるようにするために、書込みパルスが印加される放電セルにのみハッチングをつけている。
続いて、エージング駆動モード時にこのような駆動を行う理由について説明する。
プラズマディスプレイ装置1においては、各電極それぞれの引き出し部と、各駆動回路のそれぞれの出力部とをフレキシブル配線板(以下、「FPC」と記す)によって電気的に接続し、FPCを介して各電極に駆動電圧を印加してパネル10を駆動している。図7は、本発明の一実施の形態におけるデータ電極32の引き出し部とFPC52との接続の様子を示す概略図である。例えば、データ電極駆動回路42は、FPC52との接続用に設けたコネクタを備えており(図示せず)、FPC52の一方の端部をそのコネクタに接続し(図示せず)、FPC52の他方の端部を、図7に示すようにデータ電極32の引き出し部に圧着することで、データ電極32と電気的に接続される。
ここで、FPC52の端部とデータ電極32の引き出し部とを圧着するときに、圧着不良等により圧着部に空隙を生じることがあり、この空隙に水等の不純物が閉じ込められることがある。このようにして空隙に閉じ込められた不純物は、除去することが極めて困難である。また、空隙に閉じ込められた不純物により、電極を形成する銀成分の一部が融解し、銀コロイド(Ag+)となることがある。そして、隣接するデータ電極32との間に電位差が発生すると、その電位差によって形成される電界に沿って銀コロイドが移動し、その後、固定化(金属化)することがある。以下、この現象を「マイグレーション」と呼ぶ。
このマイグレーションが発生すると、電極間の絶縁不良が発生し、表示不良を引き起こす恐れがある。例えば、1920×3本のデータ電極32が配列された高精細化されたパネル10では、データ電極32の引き出し部の幅が約70μm、データ電極32間の絶縁部の幅が約70μmと、ともに従来と比較して非常に細くなっており、マイグレーションが発生したときに、電極間の絶縁不良が発生しやすい。
一方、上述したように、マイグレーションはデータ電極32を形成する銀成分の一部が銀コロイドとなって溶け出すことで発生し、プラズマディスプレイ装置1の使用時間の経過にともない徐々に進行する現象である。そのため、マイグレーションによる動作不良を引き起こす恐れのあるプラズマディスプレイ装置1であっても、使用開始からの経過時間がそれほど多くない使用初期段階においては正常に動作することが多い。しかし、その後、プラズマディスプレイ装置1の使用時間が累積されることで、徐々にマイグレーションによる絶縁不良に起因する動作不良が発生し始める。このような動作不良は初期不良と呼ばれ、製造工程における品質検査等で見つけ出すことは難しい。
そこで、本実施の形態では、プラズマディスプレイ装置1の製造工程において、エージング駆動モードによってパネル10を駆動するエージング処理を所定時間(例えば、30分程度)行うこととする。これにより、マイグレーションによる絶縁不良を引き起こす恐れのあるプラズマディスプレイ装置1において、マイグレーションをあえて進行させ、マイグレーションに起因する動作不良を早めに発生させる。
上述したように、隣接するデータ電極32間に電位差が発生すると、その電位差によって形成される電界に沿って銀コロイドが移動し、マイグレーションが進行する。本実施の形態におけるエージング駆動モードでは、偶数番目のデータ電極Devenに対してのみ書込みパルスを印加し、奇数番目のデータ電極Doddには0(V)を印加する。これにより、隣接する全てのデータ電極32間の電位差を電圧Vdにすることができる。さらに、1フィールドを構成するサブフィールド数を通常駆動モードよりも大幅に減らし、かつ維持期間に発生させる維持パルス数を大幅に減らして、1回の書込み期間に割り当てることができる時間を大幅に延長させる。こうして、書込み期間を延長する(本実施の形態では、4msec)ことで、隣接するデータ電極32間に電位差が発生している状態を長時間継続させることができる。これにより、エージング処理を効率的に行い、マイグレーションによる絶縁不良を発生させる恐れのあるプラズマディスプレイ装置1において、通常駆動モードによってパネル10を駆動するときと比較して、マイグレーションの進行を加速させることができる。
したがって、従来では見つけ出すことが難しかったマイグレーションによる動作不良を引き起こす恐れのあるプラズマディスプレイ装置1の、製造工程における品質検査での検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置1における初期不良の発生を低減し、プラズマディスプレイ装置1の製品品質を高めることが可能となる。
なお、書込み放電を発生させなくとも、隣り合うデータ電極32間に電位差を発生させることでマイグレーションを進行させることが可能であることが確認された。そこで、本実施の形態では、走査電極SC1〜走査電極SCnに走査パルスを印加せず、書込み放電を発生させていない。また、維持パルスの発生数も大幅に減らしているため、本実施の形態におけるエージング駆動モードでは、消費電力を低減したエージング処理が可能である。さらに、本実施の形態におけるエージング駆動モードによるエージング処理では、放電セルに発生する発光は極めて微弱であるため、エージング処理期間にパネルへの焼き付きが発生する恐れもない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、1フィールド期間内のサブフィールド数を、通常駆動モードにおける1フィールド期間内のサブフィールド数よりも少なくし、かつ書込み期間の長さを通常駆動モードにおける書込み期間よりも長くし、書込み期間において、書込みパルスが印加されるデータ電極と書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うようにデータ電極に交互に書込みパルスを印加するとともに、書込みパルスを印加するデータ電極には書込み期間中継続して書込みパルスを印加し、かつ維持期間においては、維持パルスの発生数を通常駆動モードの維持期間における維持パルスの発生数よりも少なくしたエージング駆動モードによりパネル10を所定時間駆動することで、マイグレーションによる絶縁不良を引き起こす恐れのあるプラズマディスプレイ装置1におけるマイグレーションの進行を加速させることができ、その後の品質検査での不良品の検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置1における初期不良の発生を低減し、製品品質を高めることができる。
なお、上述した絶縁不良に起因する動作不良に関しては、例えば、全放電セルを発光させるように設定された画像信号による画像をパネル10に表示し、全放電セルが正常に発光しているかどうかを検査することで、比較的容易に良否判定を行うことができる。
なお、本実施の形態では、エージング駆動モードにおいて発生させる書込みパルスのパルス幅を、通常駆動モードにおいて発生させる書込みパルスのパルス幅(例えば、1μsec〜2μsec)よりも広くする(例えば、4msec)構成を説明した。しかし、何らこの構成に限定されるものではなく、例えば、エージング駆動モードにおいて、通常駆動モードに発生させる書込みパルスと同じ波形形状の書込みパルスを、書込み期間の間、連続して発生させる構成としてもよい。この構成であっても、同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、エージング駆動モードにおける書込み期間において、偶数番目のデータ電極Devenには書込みパルスを印加し、奇数番目のデータ電極Doddには0(V)を印加する構成を説明したが、データ電極Doddに書込みパルスを印加し、データ電極Devenに0(V)を印加する構成としてもかまわない。また、先にデータ電極Devenに書込みパルスを印加し、所定時間経過後にデータ電極Doddに書込みパルスを印加する構成としてもよく、あるいはその逆の順番で書込みパルスを印加する構成としてもよい。このように、データ電極Devenとデータ電極Doddとに交互に書込みパルスを印加する構成では、マイグレーションをより進行させる効果が期待できる。
なお、本実施の形態では、エージング駆動モードにおける維持期間において、表示電極対24に交互に1回ずつ維持パルスを印加する構成を説明したが、例えば、維持期間に維持パルスを全く発生させない構成としてもかまわない。また、初期化動作を行わない構成としてもかまわない。
なお、エージング駆動モードによるパネル駆動時には、パネル10の表示面における発光が微弱になるため、表示面からは、パネル10が動作しているかどうかの判断がつきにくい。そこで、プラズマディスプレイ装置に備えられた電源オン・オフを表示するための表示素子(例えば、LED等)を点滅させる等して、パネル10がエージング駆動モードで駆動されていることを視覚的にわかりやすく表示させる構成とすることが望ましい。
なお、本実施の形態では、プラズマディスプレイ装置に備えられた駆動回路がエージング駆動モードによるパネル駆動を行う構成を説明したが、本発明は、何らこの構成に限定されるものではない。例えば、本実施の形態に示したエージング駆動モードによるパネル駆動を行うことができるエージング装置を作成し、そのエージング装置にパネル10を取り付けてエージング処理を行う構成であってもよい。
なお、本実施の形態では、上述したエージング駆動モードによるエージング処理を30分程度継続して行う構成を説明したが、本発明は何らこの数値に限定されるものではなく、パネルの特性等に応じて最適に設定すればよい。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極SC1〜走査電極SCnを第1の走査電極群と第2の走査電極群とに分割し、書込み期間を、第1の走査電極群に属する走査電極のそれぞれに走査パルスを印加する第1の書込み期間と、第2の走査電極群に属する走査電極のそれぞれに走査パルスを印加する第2の書込み期間とで構成する、いわゆる2相駆動によるパネルの駆動方法にも適用させることができ、上述と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明における実施の形態は、走査電極と走査電極とが隣り合い、維持電極と維持電極とが隣り合う電極構造、すなわち前面板21に設けられる電極の配列が、「・・・走査電極、走査電極、維持電極、維持電極、走査電極、走査電極、・・・」となる電極構造(「ABBA電極構造」と呼称する)のパネルにおいても、有効である。
なお、本実施の形態において示した具体的な各数値は、表示電極対数1080の50インチのパネルの特性にもとづき設定したものであって、単に実施の形態の一例を示したものに過ぎない。本発明はこれらの数値に何ら限定されるものではなく、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて最適に設定することが望ましい。また、これらの各数値は、上述した効果を得られる範囲でのばらつきを許容するものとする。
本発明は、プラズマディスプレイ装置の製造工程において初期不良の検出精度を高め、プラズマディスプレイ装置の製品品質を高めることができるので、プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法として有用である。
本発明の一実施の形態におけるパネルの構造を示す分解斜視図 同パネルの電極配列図 本発明の一実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図 本発明の一実施の形態における通常駆動モードによるパネル駆動時にパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の一実施の形態におけるエージング駆動モードによるパネル駆動時にパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図 本発明の一実施の形態におけるエージング駆動モードによるパネル駆動時のパネルの様子を示す概略図 本発明の一実施の形態におけるデータ電極の引き出し部とFPCとの接続の様子を示す概略図
符号の説明
1 プラズマディスプレイ装置
10 パネル
21 (ガラス製の)前面板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
25,33 誘電体層
26 保護層
31 背面板
32 データ電極
34 隔壁
35 蛍光体層
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
52 FPC

Claims (6)

  1. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対およびデータ電極を有するプラズマディスプレイパネルと、
    前記データ電極に書込みパルスを印加する書込み期間と前記表示電極対に交互に維持パルスを印加する維持期間とを有するサブフィールドを1フィールド期間内に複数設けて前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備え、
    前記駆動回路は、入力画像信号にもとづき前記プラズマディスプレイパネルを駆動する通常駆動モードと、入力画像信号にはよらずあらかじめ定められた駆動電圧波形のみを用いて前記プラズマディスプレイパネルを駆動するエージング駆動モードとを有し、前記エージング駆動モードでは、
    1フィールド期間内のサブフィールド数を、前記通常駆動モードにおける1フィールド期間内のサブフィールド数よりも少なくし、かつ
    前記書込み期間の長さを前記通常駆動モードにおける前記書込み期間よりも長くし、かつ
    前記書込み期間においては、前記書込みパルスが印加されるデータ電極と前記書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うように前記データ電極に交互に前記書込みパルスを印加するとともに、前記書込みパルスを印加するデータ電極には書込み期間中継続して前記書込みパルスを印加し、かつ
    前記維持期間においては、前記維持パルスの発生数を前記通常駆動モードの維持期間における前記維持パルスの発生数よりも少なくすることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 前記駆動回路は、前記エージング駆動モードにおいて、
    前記書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅を、前記通常駆動モードにおいて前記書込み期間に発生させる書込みパルスのパルス幅よりも広くすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 前記駆動回路は、前記エージング駆動モードにおいて、
    1フィールド期間内のサブフィールド数を2以下とし、
    前記維持期間において発生させる前記維持パルス数を2以下とし、
    前記書込み期間の長さを4msec以上とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 走査電極と維持電極とからなる表示電極対およびデータ電極を有するプラズマディスプレイパネルを組み込んだプラズマディスプレイ装置の製造方法であって、
    1フィールド期間内のサブフィールド数を、通常の駆動時における1フィールド期間内のサブフィールド数よりも少なくし、かつ
    書込み期間の長さを通常の駆動時における前記書込み期間よりも長くし、かつ
    前記書込み期間においては、書込みパルスが印加されるデータ電極と前記書込みパルスが印加されないデータ電極とが隣り合うように前記データ電極に交互に前記書込みパルスを印加するとともに、前記書込みパルスを印加するデータ電極には書込み期間中継続して前記書込みパルスを印加し、かつ
    維持期間においては、維持パルスの発生数を通常の駆動時の前記維持期間における前記維持パルスの発生数よりも少なくするエージング駆動モードで前記プラズマディスプレイパネルを所定時間駆動するエージング処理を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
  5. 前記エージング駆動モードにおいて、
    前記書込み期間に発生させる前記書込みパルスのパルス幅を、通常の駆動時の前記書込み期間に発生させる前記書込みパルスのパルス幅よりも広くすることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法。
  6. 前記エージング駆動モードにおいて、
    1フィールド期間内のサブフィールド数を2以下とし、
    前記維持期間に発生させる前記維持パルス数を2以下とし、
    前記書込み期間の長さを4msec以上とすることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法。
JP2008031363A 2008-02-13 2008-02-13 プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法 Pending JP2009193749A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008031363A JP2009193749A (ja) 2008-02-13 2008-02-13 プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008031363A JP2009193749A (ja) 2008-02-13 2008-02-13 プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009193749A true JP2009193749A (ja) 2009-08-27

Family

ID=41075605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008031363A Pending JP2009193749A (ja) 2008-02-13 2008-02-13 プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009193749A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4613956B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
KR101078083B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 장치
KR100963713B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 장치 및 플라즈마 디스플레이 패널의구동 방법
KR101022086B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 구동 방법 및 플라즈마 디스플레이 장치
JP5119613B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP5076384B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP2008287244A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
KR100992260B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 구동 방법
JP4530047B2 (ja) プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP2006284729A (ja) Ac型プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP5310876B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
JPWO2008087805A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
KR100944615B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 점등 검사 방법
WO2010146827A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
JP2009193749A (ja) プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイ装置の製造方法
JP2007133291A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP2010175772A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法
JP4997932B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
WO2011089886A1 (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
WO2011096220A1 (ja) プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法
JPWO2009072239A1 (ja) プラズマディスプレイパネル表示装置とその駆動方法
JP2009265465A (ja) プラズマディスプレイパネル表示装置とその駆動方法
JP2011022257A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置
WO2011089890A1 (ja) プラズマディスプレイ装置の駆動方法
JP2011033964A (ja) プラズマディスプレイパネルの駆動方法およびプラズマディスプレイ装置