JP2009191170A - 光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents

光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置 Download PDF

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【課題】半田リフロー時の耐クラック性に優れた光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物である。そして、(C)成分であるポリアルキレンジオールの含有量が、(A)成分100重量部に対して5〜30重量部の範囲に設定され、かつ上記エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移点以上の温度領域における貯蔵弾性率が3〜8MPaである。(A)下記の(a)をエポキシ樹脂成分〔(A)成分〕全体の60重量%以上含有するエポキシ樹脂。(a)常温で固形を示すエポキシ樹脂。(B)硬化剤。(C)平均分子量300〜1000のポリアルキレンジオール。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐半田クラック性に優れた透明性を有する光半導体素子用エポキシ樹脂組成物(以下「エポキシ樹脂組成物」という)およびそれを用いて樹脂封止された光半導体装置に関するものである。
発光ダイオード(LED)等の光半導体素子が樹脂封止された光半導体装置においても、小型・軽量化や実装生産性の向上を目的として、従来のピン挿入実装方式に代わって、表面実装方式が急速に普及してきている。
このような表面実装方式では、ピン挿入実装方式と異なり、実装時にパッケージ全体が215〜260℃の高温環境下に曝されることになる。その際、光半導体デバイス製造後の保管中に吸湿した水分が上記高温のために急激に気化膨張し、大きな応力が発生することとなる。その応力が、パッケージの強度を超えた場合にクラックが発生するという問題が生じる。そのクラック発生防止対策として、光半導体メーカーでは、例えば、光半導体デバイスを出荷する際に防湿梱包したり、また、実装現場では、実装工程前に光半導体デバイスをオーブンで加熱乾燥する等の工程を加えて吸湿水分を除去する方法が採られている。さらには、封止用樹脂組成物として、フィラー等の無機質充填剤を含有させる方法があげられる。また、樹脂中の脂肪族基やフェニル基の含有率を高めることで吸水率を下げる方法があげられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−226450号公報
しかしながら、上記防湿梱包による対策方法では、梱包による高コスト化や梱包開封による作業性の悪化を招くという問題がある。また、上記加熱乾燥による対策方法では、加熱乾燥のコストが大きな負担となるという問題がある。さらに、上記フィラー等の無機質充填剤を含有させてなる封止用樹脂組成物では、光半導体用途においては、透明性が低下する傾向がみられる。そして、上記樹脂中の脂肪族基やフェニル基の含有率を高めることで吸水率を下げる方法では、ガラス転移温度が高くなるとともに、半田リフロー時の弾性率が高くなるために、リフロー時の水分の気化膨張による応力を緩和することができず、クラックが発生するおそれがある。さらに、近年では、環境保護の観点から、鉛フリー化が促進され、それに伴い実装温度が240℃から260℃程度にまで上がってきており、一層耐半田クラック性が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、半田リフロー時の耐クラック性に優れたエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた光半導体装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記(C)成分であるポリアルキレンジオールの含有量が、上記(A)成分100重量部に対して5〜30重量部の範囲に設定され、かつ上記エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移点以上の温度領域における貯蔵弾性率が3〜8MPaであるエポキシ樹脂組成物を第1の要旨とする。
(A)下記の(a)をエポキシ樹脂成分〔(A)成分〕全体の60重量%以上含有するエポキシ樹脂。
(a)常温で固形を示すエポキシ樹脂。
(B)硬化剤。
(C)平均分子量300〜1000のポリアルキレンジオール。
また、本発明は、上記エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、透明性を有する、半田リフロー時の耐クラック性に優れた光半導体素子封止材料を得るべく鋭意検討を重ねた。そして、封止材料によって形成される封止樹脂、すなわち硬化体の剛性に着目し、クラック発生の原因となる応力を緩和することを目的として一連の研究を重ねた。その結果、配合成分として、上記平均分子量のポリアルキレンジオールを特定の割合で用い、かつこのポリアルキレンジオールを含有するエポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移点以上の温度領域における貯蔵弾性率を上記特定の範囲と設定すると、透明性を有することはもちろん、低弾性率化が図られ、気化膨張時の発生応力を撓んだり、振動することによって、応力を緩和すことが可能となり、半田リフロー時の耐クラック性に優れることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、常温で固形を示すエポキシ樹脂(a)を特定量含有するエポキシ樹脂〔(A)成分〕および硬化剤〔(B)成分〕とともに、前記平均分子量を有するポリアルキレンジオール〔(C)成分〕を特定の割合で含有し、しかもこれら成分を含有するエポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移点以上の温度領域における貯蔵弾性率を特定の範囲に設定してなるエポキシ樹脂組成物である。このため、半田リフロー時に生起する応力が緩和されクラックの発生が効果的に抑制される。したがって、本発明のエポキシ樹脂組成物によって光半導体素子が封止された光半導体装置は、信頼性および透明性に優れ、その機能を充分に発揮することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、硬化剤(B成分)と、特定のポリアルキレンジオール(C成分)とを用いて得られるものであり、通常、粉末状もしくは打錠したタブレット状として用いられる。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントインエポキシ樹脂等の含窒素環エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、低吸水率硬化体タイプの主流であるビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらエポキシ樹脂の中でも、光半導体素子の封止後、エポキシ樹脂組成物の硬化体が変色しにくいという点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートを用いることが好ましい。
そして、上記エポキシ樹脂(A成分)としては、常温で固形を示すエポキシ樹脂(a)を含有するものであり、この常温で固形を示すエポキシ樹脂(a)の含有割合はエポキシ樹脂(A成分)全体の60%以上に設定する必要がある。したがって、エポキシ樹脂(A成分)全体が常温で固形を示すエポキシ樹脂(a)で構成されてもよい。なお、本発明において常温とは、10〜50℃の範囲をいう。このような常温で固形を示すエポキシ樹脂(a)としては、例えば、軟化点が100℃以下のものが好ましい。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等があげられる。
上記硬化剤(B成分)としては、エポキシ樹脂組成物の硬化体が変色しにくいという点から、特に、酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。上記酸無水物系硬化剤としては、分子量140〜200程度のものが好ましく用いられ、例えば、無水テトラカルボン酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の無色ないし淡黄色の酸無水物があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。そして、これら酸無水物系硬化剤の中でも、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸を用いることが好ましい。
さらに、上記硬化剤(B成分)として、上記酸無水物系硬化剤以外に、従来公知のアミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、または、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボン酸類等の硬化剤を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂(A成分)と硬化剤(B成分)との配合割合は、例えば、硬化剤(B成分)として酸無水物系硬化剤を用いる場合、上記エポキシ樹脂(A成分)中のエポキシ基1当量に対して、酸無水物における酸無水物当量が0.5〜1.5当量となるような割合に設定することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2当量である。すなわち、上記配合割合において、酸無水物当量が0.5当量未満の場合では、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化後の色相が悪くなる傾向がみられ、逆に1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられるからである。なお、硬化剤(B成分)として、上記酸無水物系硬化剤以外に前記アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、またはカルボン酸類等の硬化剤を単独でもしくは2種以上併用する場合においても、その配合割合は、上記酸無水物系硬化剤を使用した際の配合割合(当量比)に準ずる。
上記エポキシ樹脂(A成分)および硬化剤(B成分)とともに用いられるポリアルキレンジオール(C成分)としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリペンタエチレングリコール、ポリヘキサエチレングリコール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そのなかでも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラエチレングリコールを用いることが好ましい。
そして、上記ポリアルキレンジオール(C成分)としては、平均分子量が300〜1000の範囲のものを用いる必要がある。特に好ましくは平均分子量が300〜700である。すなわち、平均分子量が下限値未満では、効果を得るためには、かなりの過剰量が必要となり、硬化性不良や吸水率が増加するという問題が生じる。また、平均分子量が上限値を超えると、固形を示すエポキシ樹脂組成物と溶解しにくくなり、相分離が生起して透明性が損なわれるからである。なお、上記ポリアルキレンジオール(C成分)の平均分子量の測定は、例えば、つぎのようにして行なわれる。すなわち、JIS K−1557−1に準じて試料中の水酸基価を求め、下記の数式に代入して算出する。なお、下記式中、Nは試料1分子中の官能基数であり、56.1はKOHの分子量である。
平均分子量=(56.1/試料中の水酸基価)×N×1000
上記ポリアルキレンジオール(C成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物100重量部(以下「部」と略す)に対して5〜30部の範囲に設定する必要がある。より好ましくは5〜20部である。すなわち、下限値未満では充分な効果を得られず、逆に上限値を超えると、硬化性不良や吸水率が増加するからである。
そして、本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記A〜C成分とともに、従来公知の各種シランカップリング剤を用いることができる。上記シランカップリング剤を用いることにより、光半導体素子やリードフレーム等との接着力を向上させることが可能となり、信頼性が向上するという効果を奏する。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記A〜C成分、さらには上記シランカップリング剤以外に、必要により硬化促進剤を含有することができる。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノール等の三級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、四級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併せて用いてもよい。これら硬化促進剤の中でも、三級アミン類、イミダゾール類を用いることが好ましい。
上記硬化促進剤の含有量は、上記エポキシ樹脂(A成分)100部に対して0.05〜7.0部に設定することが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0部である。すなわち、0.05部未満では、充分な硬化促進効果が得られ難く、また7.0部を超えると、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化体に変色がみられるおそれがあるからである。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記A〜C成分、シランカップリング剤、硬化促進剤以外に、エポキシ樹脂組成物の硬化体の透明性を損なわない範囲であれば必要に応じて従来から用いられている、酸化防止剤、変性剤、離型剤、染料、顔料等の公知の各種の添加剤を適宜配合することができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来公知の酸化防止剤があげられる。
上記変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来から公知の変性剤があげられる。
上記離型剤としては、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸およびその金属塩、ポリエチレン系ワックス、ポリエチレン−ポリオキシエチレン系ワックス、カルナバワックス等の従来公知のものがあげられる。そして、上記離型剤のなかでも、ポリエチレン−ポリオキシエチレン系ワックスが、エポキシ樹脂組成物の硬化体の透明性が良好となり好ましい。
なお、光分散性を必要とする場合には、上記成分以外にさらに充填剤を配合してもよい。上記充填剤としては、石英ガラス粉末、タルク、シリカ粉末、アルミナ粉末、炭酸カルシウム等の無機質充填剤等があげられる。このような充填剤の配合量は、光分散性等の目的に応じて適宜に設定される。
そして、本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することによって、粉末状、もしくは、その粉末を打錠したタブレット状として得ることができる。すなわち、上記A〜C成分、加えて場合によりシランカップリング剤および必要により配合される添加剤を所定の割合で配合する。そして、これを常法に準じてドライブレンド法または溶融ブレンド法を適宜採用して溶融混練する。ついで、これを室温まで冷却した後、公知の手段によって粉砕し、さらに必要に応じて打錠することにより製造することができる。
このようにして得られた本発明のエポキシ樹脂組成物は、LED、電荷結合素子(CCD)等の光半導体素子の封止用として用いられる。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、光半導体素子を封止するには、特に制限されることはなく、通常のトランスファー成形や注型等の公知のモールド方法により行なうことができる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物が粉末状もしくはタブレット状である場合には、上記した各成分を溶融混合する時に、Bステージ(半硬化状態)とし、これを使用時に加熱溶融してもよい。
そして、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化体のガラス転移点以上の温度領域において、すなわち熱硬化性樹脂組成物である本発明のエポキシ樹脂組成物において、ガラス転移点以上の温度領域となるゴム状領域の貯蔵弾性率が3〜8MPaである必要がある。すなわち、3MPa未満では、ガラス転移温度以上では非常に軟らか過ぎて成形体として成形しにくく、逆に、8MPaを超えると、リフロー時における水分の気化膨張に対する応力緩和能に乏しく、クラックが発生しやすくなるからである。このような低弾性率化を実現することにより、パッケージ中の吸湿水分の気化膨張時の発生応力を緩和することが可能となり、耐半田リフロー性に優れたものとなる。本発明において、上記エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移点以上の温度領域とは、例えば、ガラス転移温度から+50℃までの領域をいう。また、通常、上限は240〜260℃である。
なお、上記硬化体のガラス転移点以上の温度領域(ゴム状領域)における貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定機を用いて、つぎのようにして測定される。すなわち、RHEOMETRIC SCIENTIFIC社製の動的粘弾性測定機RSA−III を用い、1Hz,30〜270℃の温度範囲で10℃/分の測定条件にて測定する。また、試験片の大きさは、長さ35mm×幅5mm×厚み1mmとする。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化体は、厚み1mmにおいて、分光光度計の測定により、波長600nmの光透過率が70%以上のものが好ましく、特に好ましくは80%以上である。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂a〕
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量950、融点85℃)
〔エポキシ樹脂b〕
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物(エポキシ当量185)
〔エポキシ樹脂c〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185、液状)
〔硬化剤〕
テトラヒドロ無水フタル酸
〔硬化促進剤〕
2−エチル−4−メチルイミダゾール
〔ポリテトラメチレングリコールa〕
平均分子量250
〔ポリテトラメチレングリコールb〕
平均分子量500
〔ポリテトラメチレングリコールc〕
平均分子量1000
〔ポリプロピレングリコールa〕
平均分子量400
〔ポリプロピレングリコールb〕
平均分子量700
〔ポリプロピレングリコールc〕
平均分子量1300
〔実施例1〜7、比較例1〜8〕
後記の表1〜表2に示す各成分を同表に示す割合で配合し、ミキシングロールで溶融混練(80〜130℃)を行い、熟成した後、室温で冷却固化して粉砕することにより目的とする微粉末状のエポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、その硬化体の透明性、およびその硬化体のガラス転移点以上の温度領域(ゴム状領域)の貯蔵弾性率、透明性をそれぞれ下記の方法にしたがって測定・評価した。また、得られた各エポキシ樹脂組成物を用い、下記の方法にしたがって光半導体装置を作製し耐半田リフロー性を測定・評価した。これらの結果を後記の表1〜表2に示した。
〔透明性〕
各エポキシ樹脂組成物を用い、厚み1mmの硬化体を作製した(硬化条件:150℃×5分間+150℃×3時間)。そして、上記硬化体を用いて、波長600nmの光透過率を島津製作所社製の分光光度計UV3101を使用して光透過率を測定した。その結果、光透過率が70%未満のものを×、80%以上のものを○として評価した。
〔貯蔵弾性率〕
動的粘弾性測定機を用いて、つぎのようにして測定した。すなわち、長さ35mm×幅5mm×厚み1mmの試験片を成形し(硬化条件:150℃×5分間+150℃×3時間)、RHEOMETRIC SCIENTIFIC社製の動的粘弾性測定機RSA−III を用いて、1Hz,30〜270℃の温度範囲で10℃/分の測定条件にて測定した。
〔耐半田リフロー性〕
各エポキシ樹脂組成物を用いて、厚み0.6mmのエポキシ基板に設置した光半導体素子(チップサイズ:1.5mm×1.5mm×厚み0.37mm)をトランスファー成形(成形条件:150℃×4分間)により封止し、さらに150℃×3時間の条件でアフターキュアすることにより光半導体装置(パッケージサイズ:7.8mm×5.2mm×厚み1.5mm)を作製した。このようにして得られた光半導体装置を、30℃/85%RHの恒温恒湿槽に96時間放置した後、この光半導体装置を赤外線(IR)リフロー260℃にさらし、パッケージ内の素子の剥離、クラック発生状況を実体顕微鏡により観察した。そして、パッケージ内の素子の剥離やクラックが発生せず、問題のない良好なパッケージ数を表示した。なお、各光半導体装置のサンプル数(n数)は10個とした。
Figure 2009191170
Figure 2009191170
上記結果から、実施例品は、良好な透明性を有し、しかも耐半田リフロー性に優れた信頼性の高い光半導体装置が得られた。
これに対して、常温で固形を示すエポキシ樹脂が特定の割合以下である、あるいは平均分子量が特定の範囲を外れたポリアルキレンジオールを用いた、またはポリアルキレンジオールの含有量が上記範囲を外れた各比較例品は、成形体が作製できなかった(比較例4,6,8)か、あるいは貯蔵弾性率が前記特定の範囲を外れたものであるため、耐半田リフロー性に劣る結果となった。

Claims (2)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を含有する光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記(C)成分であるポリアルキレンジオールの含有量が、上記(A)成分100重量部に対して5〜30重量部の範囲に設定され、かつ上記エポキシ樹脂組成物硬化体のガラス転移点以上の温度領域における貯蔵弾性率が3〜8MPaであることを特徴とする光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物。
    (A)下記の(a)をエポキシ樹脂成分〔(A)成分〕全体の60重量%以上含有するエポキシ樹脂。
    (a)常温で固形を示すエポキシ樹脂。
    (B)硬化剤。
    (C)平均分子量300〜1000のポリアルキレンジオール。
  2. 請求項1記載の光半導体素子封止用エポキシ樹脂組成物を用いて光半導体素子を樹脂封止してなる光半導体装置。
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JP2016060747A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 京セラケミカル株式会社 光半導体封止用エポキシ樹脂組成物および光半導体装置

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