JP2009188551A - 無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高時間利用効率で協調ダイバーシチ効果を得ることが可能な無線通信システムを提供すること。
【解決手段】複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の無線中継局と、その無線基地局及び各無線中継局に送信信号を送信する無線端末とを含む無線通信システムに関し、無線端末により送信された端末信号と、無線中継局が他の通信局から受信した中継信号とを無線中継局において合成し、無線端末により送信された端末信号との混信を許容して無線基地局に送信する方式である。無線基地局では、各無線中継局から送信された合成信号と、端末信号とを分離した上で、合成信号を端末信号と中継信号とに分離する。その後、それぞれの分離手段で得られた端末信号を合成することでダイバーシチ効果を得る。また、反復復号処理を実施することで、合成信号から中継信号を分離する際の分離性能を上げる。
【選択図】図4

Description

本発明は、無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信方法に関する。特に、従来のブースタとは異なる無線中継局がシステムに含まれることを前提とし、その無線中継局を介した上り回線(又はアップリンク)の通信品質を改善する技術に関する。
無線装置間の通信速度を高速化する技術の一つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)と呼ばれる伝送方式が注目されている。この方式は、文字通り、複数のアンテナを用いた信号の入出力を基本としている。この方式の特徴は、異なる複数のアンテナを利用して、同じタイミング、かつ、同じ周波数で複数の送信データを一度に送信することが可能な点にある。そのため、同時に送信可能なチャネルの数が増加するにつれ、増加したチャネルの分だけ単位時間当たりに送信可能な情報量を増加させることが可能になる。また、この方式は、通信速度を向上させるに当たって、占有される周波数帯域が増加しないという利点も有する。
上記の技術に関連し、現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)においてV−MIMO(Virtual−MIMO)と呼ばれる伝送方式の規格化が進められている(図1を参照)。この方式は、マルチユーザMIMOとも呼ばれ、複数の無線端末から同じタイミングで送信され、空間多重された多重信号を無線基地局側に設けられた複数のアンテナで受信する伝送方式である。この方式を用いると、伝播特性の良い3ユーザが一度にデータ伝送できるため、従来の1ユーザが3倍のデータ伝送を行う場合よりも無線基地局当りのスループットを向上させることが可能になる。
ところで、次世代以降の無線通信では、その通信帯域をより広く確保するために、利用される無線周波数帯が高くなることが予定されている。このように無線周波数帯が高くなると、当然、電波の伝播損失が大きくなり、個々の無線端末又は無線通信局から発信された電波の到達距離が短くなってしまう。そのため、現世代と同等のセル半径を維持するためには、信号を乗せた電波を中継する無線中継局を設ける必要がある。但し、ここで言う無線中継局とは、アナログ領域で受信信号を増幅した上で再送信するブースタとは異なる。また、この無線中継局を複数設けて多中継システム(図3を参照)を構築する状況も考えられる。このように、無線中継局を設けることで、無線基地局に電波が到達しないサービスエリアにおいても、無線端末からの信号を無線基地局まで到達させることが可能になる。
上記の技術を組み合わせた応用技術として、下記の非特許文献1には、無線端末から発信された信号を複数の無線中継局に中継させて無線基地局に送信する協調ダイバーシチと呼ばれる技術が記載されている(図2を参照)。この技術によると、独立な経路を経て信号が無線基地局へ到達することによりダイバーシチ効果が得られるため、受信品質が向上する。但し、この協調ダイバーシチを実現させるには、ダイバーシチ次数と同数の直交チャネルが必要になる。例えば、MIMOと協調ダイバーシチとを同時に実現させるには、空間リソースを各無線中継局に割り当てる必要がある。
このように、MIMOと協調ダイバーシチとを同時に実現させると、1つのデータ信号を扱う目的で複数のリソースを消費することにより、リソースの利用効率が低下してしまう。この問題に対し、下記の非特許文献1には、時空間符号(STBC;Space−Time−Block−Code)を用いて複数の無線中継局に割り当てる空間リソースを1リソースで済ませる技術が開示されている。
また、下記の非特許文献2には、無線中継局で受信信号の復調、誤り訂正復号、CRC(Cyclic Redundancy Check)検査、誤り訂正符号化、再変調といった処理を施して再送する再生中継と呼ばれる技術に関する問題点が指摘されている。この再生中継をすると、その処理に要する時間分だけ再送のタイミングが遅延するため、無線基地局に直接到達する信号と、無線中継局で再生中継されて送信される信号とに対し、独立の送出時間単位を割り当てなければならなくなる。この再生中継を用いて、上記のMIMOと協調ダイバーシチとの組み合わせを実現しようとすると、1つのデータ伝送のために複数の送出時間単位を消費してしまうため、時間利用効率が半減してしまうのである。下記の非特許文献2では、この問題点が指摘されている。
J.N.Laneman,D.N.C.Tse,G.W.Wornell,"Cooperative Diversity in Wireless Networks: Efficient Protocols and Outage Behavior",IEEE Transaction on Information Theory,Vol.50,No.12,December 2004. Y.Fan and J.Thonmpson,"MIMO Configurations for Relay Channels: Theory and Practice",IEEE Transactions on Wireless Communications,Vol.6,No.5,May 2007.
このように、MIMOと協調ダイバーシチとを組み合わせる場合、空間リソースの利用効率の観点、及び時間利用効率の観点からシステム全体の実効的なスループットを向上させるための工夫が求められる。また、無線中継局において、協調ダイバーシチ目的の信号送信を実行している場合、無線基地局の電波到達範囲外等から送信され、無線基地局に中継されるべき信号を転送することができないか、或いは、その転送可能な信号の数が低減されてしまうという問題がある。こうした無線中継局が中継すべき信号を送信できるか否かは、その信号の送信者にとって通信の可否を決する重要な意味合いがある。そうした観点からも、この問題を考慮した上で、上記の実効的なスループット向上に努める必要がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、無線中継局で転送可能な中継信号の数を減少させる事無く、無線中継局と無線基地局との間の実効的なスループットを向上させると同時に、無線通信端末と無線基地局との間で複数の無線中継局を介した協調ダイバーシチ効果を得ることが可能な、新規かつ改良された無線通信システム、無線通信装置、及び無線通信方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の第1の無線中継局と、当該第1の無線中継局よりも、前記無線基地局より遠方に位置する複数の第2の無線中継局と、前記無線基地局及び前記第1の無線中継局に送信信号を送信する無線端末とを含む無線通信システムに係る技術が提供される。
上記の無線通信システムに含まれる前記各第1の無線中継局は、任意の前記第2の無線中継局から送信された前記無線基地局に中継すべき中継信号を受信し、その中継信号に対して誤り訂正復号、再度の誤り訂正符号化、及び再変調を施す復号中継処理部と、前記無線端末から受信した前記送信信号に位相補正を施して間接送信信号を生成する位相補正部と、前記位相補正部により生成された間接送信信号と、前記復号中継処理部により出力された中継信号とを合成して合成信号を生成する信号合成部と、前記信号合成部により生成された前記合成信号を前記無線基地局に送信する信号送信部とを備えている。
上記の第1の無線中継局は、復号中継処理部により、第2の無線中継局から送信された無線基地局に中継すべき中継信号を受信し、その中継信号に対して誤り訂正復号、再度の誤り訂正符号化、及び再変調を施す。このように、中継信号に対しては、復号中継処理部により誤り訂正復号を含む再生成処理が施されるため、中継信号に含まれる位相、及び振幅の不確定性が除かれる。一方、位相補正部は、前記無線端末から受信した前記送信信号に位相補正を施して間接送信信号を生成する。そのため、間接送信信号に対しては、上記の再生成処理を施さず、例えば、位相歪みのみを補正して信号合成部に入力される。このように構成することで、間接送信信号の中継処理に係る遅延を低減することができる。また、上記の信号合成部は、無線端末から受信した信号に位相補正を施して生成された間接送信信号と、復号中継処理部により出力された中継信号とを合成して合成信号を生成する。さらに、上記の信号送信部は、信号合成部により生成された合成信号を無線基地局に送信する。このように、送信信号と中継信号とを合成して送信することで、それぞれ異なるタイムスケジュールで送信する場合に比べて伝送効率を高めることができる。
また、上記の無線通信システムに含まれる前記無線基地局は、前記無線端末から送信された送信信号と、当該送信信号と同一時間帯及び同一周波数で各前記第1の無線中継局から送信された合成信号とを各前記アンテナを介して受信する信号受信部と、前記信号受信部により受信された前記各合成信号と前記無線端末から直接受信した直接送信信号とを分離する第1の信号分離部と、前記第1の信号分離部により分離された前記各合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出を施すことで前記間接送信信号と前記中継信号とに分離する第2の信号分離部と、前記第1の信号分離部により分離された直接送信信号と前記第2の信号分離部により分離された間接送信信号とを加算する送信信号加算部と、前記第1の信号分離部により分離された中継信号、及び前記送信信号加算部により出力された加算後の送信信号に基づき、前記信号受信部により前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカを生成するレプリカ信号生成部と、前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算して減算信号を生成する減算信号生成部とを備えている。
さらに、上記の無線通信システムに含まれる前記無線基地局は、前記減算信号生成部により生成された減算信号を再び第1信号分離部に入力し、前記第1及び第2の信号分離部、前記送信信号加算部、前記レプリカ信号生成部及び前記減算信号生成部による一連の処理を反復実行する。
上記の無線基地局は、信号受信部により、同じタイミングで前記複数の第1の無線中継局から送信された合成信号、及び前記無線端末から送信された送信信号を前記複数のアンテナを介して受信する。このように、無線基地局は、第1の無線中継局の送信した合成信号と無線端末が送信した直接送信信号との混信を許容している。また、一の送信信号を受信する経路について、無線中継局を介して受信する経路(間接送信信号に対応)と、無線端末から直接的に受信する経路(直接送信信号に対応)とを想定している。
そして、上記の無線基地局は、第1の信号分離部により、信号受信部により受信された各合成信号と無線端末から直接受信した直接送信信号とを分離する。このように、第1の信号分離部を有することで、複数の第1の無線中継局が送信する合成信号と、無線端末が送信する直接的な直接送信信号との混信が許容されるのである。さらに、上記の無線基地局は、第2の信号分離部により、第1の信号分離部により分離された各合成信号に対し、中継信号に対する最尤検出を施すことで間接送信信号と中継信号とに分離する。このように、第2の信号分離部を有することで、第1の無線中継局の各々が中継信号と間接送信信号とを合成して送信することが許容されるのである。
上記の通り、無線基地局は、2段階の信号分離処理により元の信号を取り出している。そのため、無線端末から無線基地局に対して送信される直接送信信号に関し、第1の無線中継局を中継する経路と、無線基地局に直接到達する経路とが存在するにも関わらず、その混在を許容し、これらの経路毎に信号の送出時間を区切る事無く送信することができる。つまり、同一信号を送信する目的で2以上の送出時間単位を消費せずに済むため、時間利用効率が高まり、システム全体のスループットが向上する。
さらに、上記の無線基地局は、送信信号加算部により、第1の信号分離部により分離された直接送信信号と第2の信号分離部により分離された間接送信信号とを加算する。この加算処理により、チャネル特性の異なる複数の経路を介して受信した間接送信信号が加算されることになり、アンテナダイバーシチ(協調ダイバーシチ)の効果が得られる。
但し、上記の第2の信号分離部による最尤検出の際に、合成信号に含まれる間接送信信号成分のため、そのままでは信号分離精度が比較的低い。そこで、上記の無線基地局は、レプリカ信号生成部により、前記第1の信号分離部により分離された中継信号、及び前記送信信号加算部による加算処理後の送信信号に基づいて前記信号受信部により前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカを生成する。次いで、減算信号生成部により、前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算して減算信号を生成する。そして、上記の無線基地局は、前記減算信号生成部により生成された減算信号を再び第1信号分離部に入力し、前記第1及び第2の信号分離部、及び前記送信信号加算部による処理を反復実行する。このようにレプリカ信号を用いて反復復号処理をすることにより、上記の第2の信号分離部による最尤検出の精度を向上させることができる。
また、前記信号合成部は、前記中継信号の信号点配置図内の最内郭に対応する電力まで前記間接送信信号の電力を制限した上で、当該間接送信信号と前記中継信号とを合成するものであってもよい。上記の通り、第2の信号分離部は、中継信号に対する最尤検出を施して信号分離する。その際、間接送信信号の電力が大きいと、中継信号の信号点候補を絞り込むことが難しくなり、正しい信号点を精度良く推定できなくなる。そこで、中継信号の信号点配置図内の最内郭に対応する電力まで間接送信信号の電力を抑制し、間接送信信号に起因して生じる推定誤差が中継信号の候補信号点間の間隔程度に収まるようにしているのである。
また、前記第1の無線中継局が前記中継信号を受信する際に利用する第1の周波数帯と、前記第1無線中継局、前記無線基地局、及び前記無線端末の間で通信する際に利用される第2の周波数帯とが分けられており、前記第2の周波数帯の幅は、前記第1の周波数帯の幅よりも広くなるように周波数帯の割り当てがされていてもよい。通常、無線基地局の近辺において、多重伝送を利用するようなMIMO通信等の高速通信が行われる。ところが、MIMO通信は、干渉に対する耐性が弱い。
そのため、第1の無線中継局や無線端末が直接的に無線基地局と通信するための周波数帯と、外側の領域に位置する第2の無線中継局との間で信号を送受信するための周波数帯とを分けることで、MIMO通信の干渉に対する脆弱性を低減させることができる。また、第2の周波数帯は、干渉を許容する領域であるため、第1の周波数帯よりも狭い幅でよい。一方、MIMO通信等に利用される第1の周波数帯は、極力干渉を抑えるため、上記のように、より広い周波数帯が割り当てられるようにすることが好ましいのである。
また、前記第1の無線中継局は、複数のアンテナを有している場合がある。この場合、前記位相補正部は、前記複数のアンテナを介して受信した前記間接送信信号の位相を揃えて合成する。このように、第1の無線中継局が複数のアンテナを有している場合には、最大比合成を適用することでアンテナ利得を得ることができる。その結果、より良好な状態で間接送信信号を受信し、無線基地局に中継することができるようになる。
また、前記信号合成部は、前記中継信号に要求される品質に応じて前記中継信号に合成される前記間接送信信号の比率を低減又は零にするように構成されていてもよい。上記の通り、各第1の無線中継局は、相互に協調して無線基地局でのアンテナダイバーシチを得るために送信信号を中継している。一方で、中継信号は、無線基地局の電波到達範囲外や受信感度が低い領域から送信された信号である。従って、中継信号の方が重要な場合も多い。そこで、中継信号に高い品質が要求される場合に、間接送信信号との合成比率を変えることで、無線基地局において中継信号をより精度良く推定できるようにしているのである。
また、前記第1の無線中継局は、前記間接送信信号に対して誤り訂正復号を施す誤り訂正復号部と、前記誤り訂正復号部により正しく復号された場合に生成された誤り訂正復号後の間接送信信号を所定の記録装置に記録する信号記録部とをさらに備えていてもよい。そして、前記第1の無線中継局は、前記無線基地局から前記無線端末に送信信号の再送が要求された場合に、当該要求に応じて前記信号記録部により記録された前記送信信号を前記無線基地局に再送するように構成されていてもよい。このように、無線中継局で送信信号の誤り訂正復号を実施し、誤りが無いと判定された場合に、その送信信号を保持しておくことで、再送制御の際に再利用することができる。再送要求があった際に、無線端末が通信環境の良くない場所に移動していた場合でも、無線中継局からの再送信号が無線基地局に送信されるため、再送制御のレスポンスが向上する。また、無線端末が再送制御に応答せずに済むため、無線端末の省電力化にも貢献する。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の第1の無線中継局と、当該第1の無線中継局よりも、前記無線基地局より遠方に位置する複数の第2の無線中継局と、前記無線基地局及び前記各無線中継局に送信信号を送信する無線端末とにより構成される無線通信システムの前記無線基地局内の無線通信装置が提供される。
上記の無線通信装置は、前記無線端末から直接受信した直接送信信号、及び、前記第1の無線中継局を経由して前記無線端末から間接的に受信した間接送信信号と前記第2の無線中継局から受信した中継信号とが合成された合成信号を同一時間帯及び同一周波数で各前記アンテナを介して信号受信部と、前記信号受信部により受信された前記合成信号と前記直接送信信号とを分離する第1の信号分離部と、前記第1の信号分離部により分離された前記合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出を施すことで前記間接送信信号と前記中継信号とを分離する第2の信号分離部と、前記第1の信号分離部により分離された直接送信信号と前記第2の信号分離部により分離された間接送信信号とを加算する信号加算部と、前記第1の信号分離部により分離された中継信号、及び前記信号加算部により出力された加算後の送信信号に基づいて前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカを生成するレプリカ信号生成部と、前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算して減算信号を生成する減算信号生成部とを備える。
さらに、上記の無線通信装置は、前記減算信号生成部により生成された減算信号を再び第1の信号分離部に入力し、前記第1及び第2の信号分離部、前記信号加算部、前記レプリカ信号生成部及び前記減算信号生成部による一連の処理を反復実行することを特徴とするものである。
上記の無線通信装置が備える信号受信部は、前記無線端末から直接受信した直接送信信号、及び、前記第1の無線中継局を経由して前記無線端末から間接的に受信した間接送信信号と前記第2の無線中継局から受信した中継信号とが合成された合成信号を同一時間帯及び同一周波数で各前記アンテナを介して受信する。このように、上記の無線通信装置は、複数チャネルを通じて伝送された合成信号と、その合成信号に含まれる間接送信信号とを同じタイミングで受信することを許容するものである。この受信方法を許容するために、上記の無線通信装置は、第1及び第2の信号分離部を備えている。まず、第1の信号分離部は、前記信号受信部により受信された前記合成信号と前記直接送信信号とを分離する。そして、第2の信号分離部は、前記第1の信号分離部により分離された前記合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出を施すことで前記間接送信信号と前記中継信号とを分離する。
このように、2段階に信号分離処理を分けることで、中継信号及び間接送信信号を合成して同時に送信することと、その合成信号と直接送信信号とを同じタイミングで送信することとを両立させている。そのため、信号送出に要する時間効率が向上している。そして、上記の無線通信装置は、信号加算部により、前記第1の信号分離部により分離された直接送信信号と前記第2の信号分離部により分離された間接送信信号とを加算する。合成信号と直接送信信号とが異なるチャネルで伝送されているため、合成信号に含まれる間接送信信号の分だけダイバーシチ効果が得られる。但し、中継信号に関する最尤検出により、合成信号から中継信号を分離する際に、間接送信信号が雑音成分として寄与し、分離精度を劣化させる原因となる。
そこで、上記の無線通信装置は、レプリカ信号生成部により、前記第1の信号分離部により分離された中継信号、及び前記信号加算部により出力された加算後の送信信号に基づいて前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカを生成する。そして、減算信号生成部により、前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算して減算信号を生成する。その上で、上記の無線通信装置は、前記減算信号生成部により生成された減算信号を再び第1の信号分離部に入力し、前記第1及び第2の信号分離部、及び前記信号加算部による処理を反復実行する。この反復処理により、上記の最尤検出において間接送信信号の存在に起因する分離精度の劣化が抑制され、より高い精度で中継信号が推定されるようになる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の第1の無線中継局と、当該第1の無線中継局よりも、前記無線基地局より遠方に位置する複数の第2の無線中継局と、前記無線基地局及び前記第1の無線中継局に送信信号を送信する無線端末とにより実現される無線通信方法が提供される。当該無線通信方法は、前記各第1の無線中継局により、任意の前記第2の無線中継局から送信された前記無線基地局に中継すべき中継信号が受信され、その中継信号に対して誤り訂正復号、再度の誤り訂正符号化、及び再変調が施される復号中継処理工程と、前記無線端末から受信された前記送信信号に位相補正が施されて間接送信信号が生成される位相補正工程と、前記位相補正工程で生成された間接送信信号と前記復号中継処理工程で処理された中継信号とが合成されて合成信号が生成される信号合成工程と、前記信号合成工程において生成された前記合成信号が前記無線基地局に送信される信号送信工程とを含んでいる。
さらに、上記の無線通信方法は、前記無線基地局により、前記無線端末から送信された送信信号と、当該送信信号と同一時間帯及び同一周波数で各前記第1の無線中継局から送信された合成信号とが各前記アンテナを介して受信される信号受信工程と、前記信号受信工程において受信された前記各合成信号と前記無線端末から直接受信された直接送信信号とが分離される第1の信号分離工程と、前記第1の信号分離工程において分離された前記各合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出が施され、前記間接送信信号と前記中継信号とに分離される第2の信号分離工程と、前記第1の信号分離工程において分離された直接送信信号と前記第2の信号分離工程において分離された間接送信信号とが加算される送信信号加算工程と、前記第1の信号分離工程において分離された中継信号、及び前記送信信号加算工程における加算処理後の送信信号に基づいて、前記信号受信工程において前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカが生成されるレプリカ信号生成工程と、前記レプリカ信号生成工程において生成されたレプリカ信号が前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算されて減算信号が生成される減算信号生成工程とを含んでいる。
そして、上記の無線通信方法は、前記無線基地局により、前記減算信号生成工程において生成された減算信号が再び第1信号分離部に入力され、前記第1及び第2の信号分離工程、前記送信信号加算工程、前記レプリカ信号生成工程及び前記減算信号生成工程における一連の処理が反復実行されることを特徴とするものである。かかる構成により、複数の無線中継局を介して送信される間接送信信号の分だけ、協調ダイバーシチの効果を得ることができる。また、中継信号、及び送信信号を共に扱う際に、個別に送出時間単位を消費することが無く、さらに、無線端末と無線中継局とで送出時間単位を個別に消費することが無いため、時間効率を大きく向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば、無線中継局で転送可能な中継信号の数を減少させる事無く、無線中継局と無線基地局との間の実効的なスループットを向上させると同時に、無線通信端末と無線基地局との間で複数の無線中継局を介した協調ダイバーシチ効果を得ることが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[無線中継局による信号転送方式について]
まず、本発明の実施形態について説明するに先立ち、当該実施形態に係る技術の理解を助けるため、無線中継局による信号転送方式について簡単に説明する。ここでは、無線中継局における信号の転送方式として、次の2つの方式について説明する。
1つは、AF(Amplify−and−Forward)方式と呼ばれる転送方式である。もう1つは、DF(Decode−and−Forward)方式と呼ばれる転送方式である。
(AF方式)
ここで言うAF方式とは、従来のブースタとは異なり、デジタル領域で信号に比較的簡単な信号処理を施した後に無線基地局に対して転送する方式である。以下の説明において、このAF方式のことを非再生中継と呼ぶ場合がある。尚、従来のブースタは、アナログ領域で信号を増幅した後に無線基地局に対して転送する方式を採用している。
AF方式では、処理時間の短い処理しか実施されずに信号が転送されるため、その転送処理により発生する遅延時間が短いという特徴がある。そのため、その遅延時間がガードインターバルと呼ばれる予備区画に収まる場合、無線端末の信号送信と、無線中継局による当該信号の受送信とが実質的に同時に実行されたものと同じになる。そのため、無線端末から直接的に無線基地局に到達した信号と、無線中継局を介して無線基地局に到達した信号とにより協調ダイバーシチの効果が得られる。しかしながら、転送処理、及び無線中継局−無線基地局間の伝達時間に起因する遅延時間をガードインターバル内に抑制することは技術的に困難である。そのため、AF方式を用いて協調ダイバーシチを実現するには工夫が必要になる。
(DF方式)
一方、DF方式とは、デジタル領域において、復調、誤り訂正復号、CRC検査、誤り訂正符号化、及び再変調等の処理を実行した後に信号を転送する方式である。以下の説明において、このDF方式のことを再生中継と呼ぶ場合がある。このように、DF方式では、受信した信号を復調して誤り訂正処理を施し、その上で再変調して転送するため、AF方式に比べて高い信号品質を得られるものの、その転送処理に長い時間を要してしまう。
そのため、協調ダイバーシチを利用する場合、無線端末が送信した信号を無線中継局が再変調して送信する時点で、無線端末は、その信号と異なる信号を送信している。その結果、無線中継局が再変調して送信する信号と、無線端末が送信する異なる信号とが衝突してしまう。これを避けるために、スケジューラにより信号の送出時間を区切ることが一般的に行われている。例えば、偶数フレーム番号の期間が無線端末から無線中継局への送出時間に割り当てられ、奇数フレーム番号の期間が無線中継局から無線基地局(又は無線中継局間)の送出時間に割り当てられる。この場合、同一の信号を扱う目的で2つのフレーム期間を消費してしまうため、実効的な伝送効率が半減してしまう。
以上、無線中継局による信号転送方式について簡単に説明した。上記の通り、AF方式は、転送処理に掛かる遅延時間が短いが、信号品質が比較的低い。一方、DF方式は、転送処理に掛かる遅延時間が大きいものの、信号品質が比較的高いという特徴を有している。そのため、単純な多中継システム(図3を参照)の無線中継局にはDF方式が適している。一方、協調ダイバーシチに関しては、AF方式、及びDF方式を巧く組み合わせて利用する工夫が求められる。
[一般的な無線通信システムの構成例]
次に、本発明の実施形態に係る無線通信システムとの間の相違点を明確にするため、ここで、図1、図2、及び図3を参照しながら、一般的な無線通信システムの構成例について簡単に説明する。図1は、マルチユーザMIMOに係る無線通信システム1のシステム構成例を示す説明図である。図2は、協調ダイバーシチに係る無線通信システム2のシステム構成例を示す説明図である。図3は、多中継システムに係る無線通信システム3のシステム構成例を示す説明図である。
(マルチユーザMIMOシステム)
まず、図1を参照する。図1に示すように、マルチユーザMIMOに係る無線通信システム1は、複数の無線端末10a、10b、10c、及び無線基地局20により構成されており、無線基地局20が備える複数のアンテナを介して複数の無線端末10a、10b、10cが同じ周波数帯を利用して同じタイミングで信号を送信することができる。
無線基地局20は、複数の無線端末10a、10b、10cから受信した空間多重信号をストリーム毎に分離する信号分離手段を有しており、空間多重信号をストリーム毎に分離して各送信データを再生することができる。但し、複数の無線端末10a、10b、10cは、無線基地局20の通信可能エリアA1内に位置している。このように、複数の信号を同一周波数帯、同じタイミングで送信することができるため、時間リソース及び周波数リソースを効率的に利用することができる。
(協調ダイバーシチシステム)
次に、図2を参照する。図2に示すように、協調ダイバーシチに係る無線通信システム2は、無線端末10と、無線基地局20と、複数の無線中継局30a、30bとを含んでいる。但し、無線端末10は、複数の無線中継局30a、30bの通信可能エリアA2、A3内に位置しているものとする。この無線通信システム2において、無線端末10から送信された信号は、複数の無線中継局30a、30bに受信され、無線中継局30a、30bのそれぞれで再生中継された後で同じタイミングで無線基地局20に転送される。
このとき、複数の無線中継局30a、30bから転送された信号は、無線基地局20に至る伝送経路内で空間多重され、空間多重信号として無線基地局20に到達する。そのため、無線端末10から送信された信号は、互いに異なるチャネル特性を有する経路を経て無線基地局20に到達することになり、ダイバーシチ効果が得られる。
(多中継システム)
次に、図3を参照する。図3に示すように、多中継システムに係る無線通信システム3は、無線端末10と、無線基地局20と、無線端末10及び無線基地局20の間を中継する複数の無線中継局30a、30bとにより構成される。但し、無線端末10は、無線基地局20の通信可能エリアA1の外であり、且つ、無線中継局30bの通信可能エリアA3内に位置する。また、無線中継局30bは、無線中継局30aとの間で通信可能である。
このような状況の場合、無線端末10が発した電波は、無線基地局20に直接到達しないため、無線中継局30b、無線中継局30aの順で中継されて無線基地局20に転送される。このとき、無線中継局30bは、無線端末10から受信した信号をDF方式で再生中継する。同様に、無線中継局30aは、無線中継局30bから再生中継された中継信号を更に再生中継して無線基地局20に伝達する。このように多中継システムを適用することで、無線基地局20から離れた位置の無線端末10からも通信することが可能になる。既に述べた通り、次世代以降の無線通信では、信号伝送に高周波数帯の利用が予想されることから、こうした無線中継局による多中継伝送技術が重要になると考えられる。
以上、一般的な無線通信システムの構成例について簡単に説明した。上記の通り、時間リソース、及び周波数リソースの有効利用という観点から、マルチユーザMIMOを含むMIMO伝送方式が有効である。一方で、無線基地局の通信可能エリアを拡大するための多中継伝送方式も重要である。さらに、複数の無線中継局を利用することでダイバーシチ効果を得ることが可能な協調ダイバーシチ方式も非常に魅力的な技術である。ところが、これらの方式を単純に組み合わせる場合に、既に述べたような種々の問題点が発生する。そこで、以下に示す実施形態では、こうした問題点を解決することが可能な無線通信システムの構成例を提案する。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る第1実施形態について説明する。本実施形態は、複数の無線中継局を含み、協調ダイバーシチシステム、及び多中継システムの構成を組み合わせつつも、時間、空間、及び周波数のいずれのリソースをも無駄にしない無線通信システムの構成を提案するものである。
[システムの全体構成]
まず、図4を参照しながら、本実施形態に係る無線通信システム4のシステム構成について説明する。図4は、本実施形態に係る無線通信システム4のシステム構成を示す説明図である。以下の説明において、無線端末10から送信された信号を端末信号と呼び、端末信号以外の信号(特に、無線基地局40の通信可能エリアA1の外から送信された信号)を中継信号と呼ぶことにする。
図4に示すように、無線通信システム4は、例えば、無線端末10と、複数の第1の無線中継局50a、50bと、第2の無線中継局30と、無線基地局40とを含んでいる。無線基地局40の通信可能エリアA1には、複数の第1の無線中継局50a、50b、及び無線端末10が含まれる。そして、無線基地局40の通信可能エリアA1の外側には、第2の無線中継局30が位置している。また、無線通信を統括するスケジューラ(非図示)により通信の許可が下りた場合に、複数の第1の無線中継局50a、50b、及び無線端末10は、無線基地局40に信号を送信できるものとする。尚、このスケジューラは、無線基地局40、又は他の通信局に設けられる。
無線端末10から発信された端末信号は、無線基地局40の他にも、複数の第1の無線中継局50a、50bに到達して受信される。そして、複数の第1の無線中継局50a、50bにより受信された端末信号は、それぞれ無線基地局40に転送される。そのため、無線基地局40には、無線端末10から直接的に端末信号(直接送信信号に対応)が到達すると共に、複数の第1の無線中継局50a、50bにより中継された端末信号(間接送信信号に対応)が到達する。このように、無線端末10から送信された端末信号は、互いに異なる複数の経路を経て無線基地局40に到達する。そのため、上記の協調ダイバーシチ効果が得られるのである。
一方、第1の無線中継局50aでは、第2の無線中継局30から送信された中継信号が受信される。尚、第1の無線中継局50bについても、他の通信局から送信された中継信号が到達した場合に、それを受信して無線基地局40に中継する機能がある。これらの第1の無線中継局50a、50bは、それぞれ受信した中継信号を記憶手段に一旦保持しておき、スケジューラによる通信許可が下りた際に無線基地局40に送信する。このように、中継信号は、第1の無線中継局50a、50bを介して無線基地局40に中継される。そのため、上記の多中継システムと同様に、無線基地局40による通信可能エリアA1を実質的に拡張することができるのである。
但し、本実施形態に係る第1の無線中継局50a、50bは、スケジューラが許可した1つの時間単位の中で端末信号、及び中継信号を同時に送信する。このとき、本実施形態に係る第1の無線中継局50a、50bは、無線端末10が端末信号を送信する時間単位の中で端末信号、及び中継信号を同時に送信することになる。このような状況において、本実施形態に係る無線通信システム4は、無線端末10から送信された端末信号と、複数の第1の無線中継局50a、50bが中継する端末信号及び中継信号との間の混信を許容し、時間効率を高めることができるのである。さらに、上記の通り、端末信号に対する協調ダイバーシチの効果が得られる。
但し、これらの効果を得るためには、第1の無線中継局50a、50b、及び無線基地局40の機能構成に工夫を凝らす必要がある。その工夫こそが、本実施形態の特徴部分である。そこで、本実施形態に係る第1の無線中継局50a、50b、及び無線基地局40の機能構成について、以下で詳細に説明する。
[第1の無線中継局50a、50bの機能構成]
ここで、図5を参照しながら、本実施形態に係る第1の無線中継局50a、50bの機能構成について説明する。図5は、本実施形態に係る第1の無線中継局50a、50bの機能構成を示す説明図である。尚、図5には、説明の都合上、無線端末10の機能構成についても簡単に示した。図5に示すように、無線端末10において、伝送データが符号化部102により符号化され、その符号化データが変調部104により変調マッピングされ、その変調信号がIFFT部106により時間領域の変調信号に変換されて、端末信号としてアンテナ108から送信される。尚、ガードインターバルの付加等、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)に係る基本的な処理については詳細な説明を省略する。
図5に示すように、第1の無線中継局50a、50bは、主に、アンテナ502と、合成部504と、AF処理ブロック510と、DF処理ブロック550と、記憶部506とを備える。このDF処理ブロック550は、復号中継処理部の一例である。尚、図中では、説明の都合上、アンテナ502を送信アンテナ/受信アンテナに分けて記載している点に注意されたい。
まず、端末信号Xに係る処理について説明する。まず、第1の無線中継局50aは、アンテナ502を介して端末信号Xを受信すると、その端末信号XをAF処理ブロック510に入力して端末信号Xに含まれる位相を補正する。そのため、AF処理ブロック510には、主に、FFT部512と、同期検波部514と、IFFT部516とが含まれる。
FFT部512は、アンテナ502から入力された端末信号Xを周波数領域の信号に変換し、同期検波部514に入力する。同期検波部514は、FFT部512から入力された周波数領域の端末信号Xに対して同期検波を施して位相を補正し、IFFT部516に入力する。例えば、同期検波部514では、無線端末10と第1の無線中継局50a、50bとの間の伝達関数を利用して端末信号Xの位相歪みが除かれる。IFFT部516は、同期検波部514により位相が補正された端末信号Xを時間領域の信号に変換し、合成部504に入力する。
このように、端末信号Xを同期検波して出力するため、同期検波後の端末信号Xからは位相の不確定性が取り除かれている。但し、振幅に関する2値判定等の処理は実施されない。また、AF処理ブロック510には、位相補正された端末信号X(準アナログ信号)を所定の増幅率(ρ)で増幅する増幅手段が含まれていてもよい。その場合、増幅手段により増幅された信号が合成部504に入力される。尚、AF処理ブロック510による位相補正処理には、ある程度の処理時間が必要になるため、この処理に起因して遅延時間が発生する。この遅延時間は、シンボル時間の整数倍とし、後述する無線基地局40の反復復号処理の処理時間に対して十分に短くなるように調整されることが好ましい。
次に、中継信号XDFに係る処理について説明する。尚、第1の無線中継局50aが受信した中継信号をXDFa、第1の無線中継局50bが受信した中継信号をXDFbと表記する。第1の無線中継局50a、50bは、アンテナ502を介して中継信号XDFを受信すると、その中継信号XDFをDF処理ブロック550に入力し、DF方式で中継信号XDFに誤り訂正復号を施した上で合成部504に入力する。DF処理ブロック550には、FFT部552と、DF処理部554と、IFFT部556とが含まれている。
FFT部552は、アンテナ502から入力された端末信号Xを周波数領域の信号に変換し、DF処理部554に入力する。DF処理部554は、FFT部552から入力された中継信号XDFを復調し、誤り訂正復号した後でCRC検査を実行する。そして、DF処理部554は、その出力信号を誤り訂正符号化して再変調し、再生後の中継信号XDFをIFFT部556に入力する。IFFT部556は、DF処理された中継信号XDFを時間領域の信号に変換し、合成部504に入力する。このように、中継信号XDFは、位相補正だけでなく、誤り訂正復号まで実施されて2値化されるため、位相及び振幅において不確定性が取り除かれる。
上記のように端末信号X、及び中継信号XDFは、それぞれAF処理ブロック510、及びDF処理ブロック550で処理された後、合成部504に入力される。このとき、合成部504は、DF処理ブロック550から入力された中継信号XDFを記憶部506に記録しておくことができる。合成部504は、入力された端末信号X、及び中継信号XDFを合成して合成信号Xを生成し、アンテナ502を介して無線基地局40に送信する。このとき、合成部504は、入力された端末信号Xに対し、記憶部506に予め記録しておいた中継信号XDFを合成して送信することもできる。
また、一つの応用例として、第1の無線中継局50a、50bは、記憶部506に記録された中継信号XDFを無線基地局40から無線端末10への再送要求に応じて、無線端末10の代わりに無線基地局40に再送してもよい。また、他の応用例として、合成部504は、中継信号XDFに高品質が求められる場合に、端末信号Xを合成せずに送信するか、或いは、端末信号Xの合成比率を低減して送信することも可能である。尚、以下の説明において、第1の無線中継局50aから送信される合成信号をXRa、第1の無線中継局50bから送信される合成信号をXRbと呼ぶことにする。
(中継信号XDFと端末信号Xとの合成比率について)
後述するように、合成部504により合成された合成信号Xは、無線基地局40により分離される。その際、中継信号XDFに対する端末信号Xの電力比率が大きいと、合成信号Xから中継信号XDFを復号する際の復号精度が低下してしまうという問題が発生する。この問題に鑑み、例えば、図10に示すように、端末信号Xを中継信号XDFに対して少ない電力に制限する方法を提案する。
図10に示すように、中継信号XDFの信号点配置図内で、中継信号XDFの1つの信号点が配置された区画よりも小さい範囲内に端末信号Xの全ての信号点が配置されるように電力を抑制するのが好ましい。このような構成にすると、中継信号XDFの1つの候補シンボルに対し、端末信号X分の雑音が含まれていたとしても、隣接する候補シンボルとの区別が可能になるからである。但し、図10の例は、説明の都合上、端末信号XのSN比が非常に良好で振幅不確定性が無い場合を例示したものである。
以上、本実施形態に係る第1の無線中継局50a、50bの機能構成について説明した。上記の通り、第1の無線中継局50a、50bは、端末信号Xと中継信号Xとを合成して送信するように構成されている。つまり、端末信号X、及び中継信号Xが同時に送信される。そのため、端末信号X、及び中継信号Xを同一リソースで送信することができる。尚、図5に示した通り、無線基地局40には、第1の無線中継局50a、50bから送信された合成信号XRa、XRbと、無線端末10から送信された直接信号Xとが伝送路で空間多重された空間多重信号が到達することになる。この状況を踏まえ、以下では、無線基地局40の機能構成について詳細に説明する。
[無線基地局40の機能構成]
次に、図6を参照しながら、本実施形態に係る無線基地局40の機能構成について説明する。図6は、本実施形態に係る無線基地局40の機能構成を示す説明図である。
図6に示すように、無線基地局40は、複数のアンテナ402に加え、主に、MMSE空間フィルタ404と、最尤検出部406、412と、誤り訂正復号部408、414、426と、減算器410、416、442、444、446と、加算器418、424と、レプリカ信号生成ブロック430とにより構成される。
まず、MMSE空間フィルタ404には、複数のアンテナ402を介して空間多重信号が入力される。この空間多重信号は、上記の通り、無線端末10から送信された端末信号X、及び第1の無線中継局50a、50bのそれぞれから送信された合成信号XRa、XRbが伝送路で空間多重されたものである。MMSE空間フィルタ404は、MMSE(Minimum Mean Square Error)法に基づいて空間多重信号を端末信号X、合成信号XRa、合成信号XRbに分離する。
尚、この例ではMMSE法による信号分離手段を示したが、例えば、ZF(Zero−Forcing)法等の他の空間分離法により上記の分離処理を実施してもよい。このようにして分離された端末信号X、合成信号XRa、合成信号XRbは次のように出力される。まず、端末信号Xは、遅延出力部420に入力される。一方、合成信号XRaは、最尤検出部406、及び減算器410に入力される。さらに、合成信号XRbは、最尤検出部412、及び減算器416に入力される。
最尤検出部406では、MMSE空間フィルタ404から入力された合成信号XRaに対し、その合成信号XRaに含まれる中継信号XDFaについて最尤検出を実施する。そして、最尤検出部406は、最尤検出により推定された中継信号XDFaを減算器410、及び誤り訂正復号部408に入力する。誤り訂正復号部408では、最尤検出部406により推定された中継信号XDFaに対して誤り訂正復号を実施し、伝送データを再生する。この伝送データは、後述する反復復号の初段において、レプリカ信号生成ブロック430に入力される。一方、減算器410では、MMSE空間フィルタ404から入力された合成信号XDFaから最尤検出部406により推定された中継信号XDFaが減算される。そして、減算器410の出力信号は、加算器418に入力される。
また、最尤検出部412では、MMSE空間フィルタ404から入力された合成信号XRbに対し、その合成信号XRbに含まれる中継信号XDFbについて最尤検出を実施する。そして、最尤検出部412は、最尤検出により推定された中継信号XDFbを減算器416、及び誤り訂正復号部414に入力する。誤り訂正復号部414では、最尤検出部412により推定された中継信号XDFbに対して誤り訂正復号を実施し、伝送データを再生する。この伝送データは、後述する反復復号の初段において、レプリカ信号生成ブロック430に入力される。一方、減算器416では、MMSE空間フィルタ404から入力された合成信号XDFbから最尤検出部412により推定された中継信号XDFbが減算される。そして、減算器416の出力信号は、加算器418に入力される。
加算器418では、減算器410、416から出力された信号が加算される。そして、加算器418により加算された信号は、加算器424に入力される。このとき、加算器424には、遅延出力部420に一旦保持されて遅延調整されていた端末信号Xが入力され、減算器410、416から出力された信号の加算信号に更に加算される。そして、加算器418により加算された信号は、誤り訂正復号部426に入力される。誤り訂正復号部426では、入力された信号に対して誤り訂正復号を実施し、伝送データを再生する。この伝送データは、後述する反復復号の初段において、レプリカ信号生成ブロック430に入力される。
このように、図6に(A)で示したブロックは、伝送路で空間多重された空間多重信号を分離する第1の分離手段と、各無線中継局で合成された信号を分離する第2の分離手段とを含んで構成されている。そのため、無線中継局での信号合成を許容することが可能であると共に、複数の無線中継局、及び無線端末から送信される信号の混信を許容することができるのである。さらに、図6に(B)で示したブロックでは、各合成信号を最尤検出により分離して得られる端末信号を直接受信した端末信号に加算している。そのため、異なる経路で伝送された端末信号による協調ダイバーシチ効果が得られるのである。
上記の機能構成、及び効果について、数式表現を交えた説明を加える。まず、図4に示すように、無線端末10と第1の無線中継局50a、50bとの間の伝達関数ベクトルをそれぞれHSRa、HSRbと表記する。同様に、無線端末10と無線基地局40との間の伝達関数ベクトルをHSDと表記する。さらに、無線基地局40と第1の無線中継局50a、50bとの間の伝達関数ベクトルをそれぞれHRDa、HRDbと表記する。
ここで、無線基地局40の第i番目のアンテナにおける雑音をnDiと表現すると、無線基地局40が受信した空間多重信号の受信信号ベクトルYは、下式(1)のように表現される。さらに、第1の無線中継局50a、50bにより合成された合成信号XRa、XRbを端末信号Xと中継信号XDFa、XDFbとに分解すると、下式(2)のようになる。但し、NRa、NRbは、第1の無線中継局50a、50bにて端末信号Xを受信した際の雑音ベクトルを表す。
Figure 2009188551
尚、上記の式展開において、合成信号XRaに含まれる端末信号Xの成分にHSRa 、又はHSRb を作用させる演算は、同期検波(又は最大比合成)による位相補正の処理を表現している。また、合成信号XRaに含まれる端末信号XをX’と表記したのは、無線端末10から無線基地局40に直接的に到達した端末信号Xに対して遅延していることを明示するためである。また、ρRa、ρRbは、第1の無線中継局50a、50bで端末信号Xが増幅された際の増幅ゲインである。この受信信号ベクトルYに対し、ZF法に基づく空間分離処理を施すと、下式(3)のように表現される。但し、Nは雑音ベクトルである。また、ここでは複雑な数式表現を避けるため、ZF法による空間分離について説明したが、実際にはMMSE法による空間分離、又はその他の空間分離法が利用できる。尚、WZFは、ZF法による等価係数である。
Figure 2009188551
このように、無線端末10から直接的に受信した端末信号Xと、第1の無線中継局50a、50bから受信した合成信号XRa、XRbとを分離することができる。さらに、無線基地局40は、最尤検出(MLD)により合成信号XRa、XRbから中継信号XDFa、XDFbを推定する。このとき、最尤検出の対象は、中継信号XDFa、XDFbのみである。中継信号XDFa、XDFbは、第1の無線中継局50a、50bを経由する際に雑音が混入した端末信号Xとは異なり、予め変調次数、及び伝送路変動が判明しているために最尤検出が可能なのである。但し、端末信号Xが干渉源となっており、その分だけ復号性能が劣化してしまうという問題を孕んでいる点に注意が必要である。
この問題に対し、本実施形態に係る無線基地局40は、端末信号Xを干渉源とする復号性能の劣化を低減させるため、反復復号による信号処理方法を提案する。図6に示すように、誤り訂正復号部408、414、426から出力された伝送データは、レプリカ信号生成ブロック430に入力される。そして、端末信号X、及び合成信号XRa、XRbの空間多重信号のレプリカ信号が生成され、減算器442、444、446に入力される。減算器442、444、446では、該当する各アンテナ402から入力された空間多重信号からレプリカ信号を減算し、再びMMSE空間フィルタ404に入力する。そして、MMSE空間フィルタ404以降の処理が再び繰り返される(反復復号)。
レプリカ信号生成ブロック430では、誤り訂正復号されたデータが符号化部432に入力されて再び符号化され、その符号化データが変調部434により変調マッピングされた後、空間多重部436により、伝達関数を用いて空間多重信号のレプリカが生成される。そのレプリカ信号は、IFFT部438により時間領域の信号に変換され、ゲイン調整部440に入力される。ゲイン調整部440では、第1の無線中継局50a、50bで増幅された際の増幅ゲインでレプリカ信号を増幅して減算器442、444、446に入力する。
但し、上記のように、図6の例には、この反復復号を実行するための構成を一般化した表現で示している。より具体的に、例えば、3種類の信号(X、XDFa、XDFb)を反復復号する場合には、3種類の独立した反復復号の処理構成が必要になる。一例として、信号Xの信号精度を向上させるには、無線基地局40の受信信号から中継信号XDFa、XDFbを減算する必要がある。この場合、レプリカ生成ブロック430は、信号Xを零として扱い、中継信号XDFa、XDFbのみに関するレプリカ信号を生成して減算器442、444、446に入力する。この処理により、中継信号XDFa、XDFbの成分が受信信号からキャンセルされ、送信信号Xの推定精度を向上させることができるのである。また、中継信号XDFa、XDFbについても、その信号以外の信号についてレプリカ信号を生成し、受信信号からキャンセルすることで、対象とする信号の推定精度を高めることができるのである。
ところで、無線基地局40において上記のような反復復号を実施する場合、その反復復号の処理に要する遅延時間に対して相対的に少ない遅延時間差で第1の無線中継局50a、50bからの合成信号XRa、XRbが到達すれば、中継処理に係る実質的な遅延が吸収される。
さて、最尤検出により中継信号XDFa、XDFbが分離されると、その分離された中継信号XDFa、XDFbがそれぞれ合成信号XRa、XRbから減算され、合成信号XRa、XRbに含まれる端末信号X’の成分が抽出される。さらに、これらの成分が加算され、下式(4)に示されるような信号が生成される。ここで、簡単化のために、増幅ゲインρRa=1/|HSRa、ρRb=1/|HSRbと仮定した上で、下式(4)の信号と、無線端末10から直接的に到達し、遅延させていた端末信号Xとを加算すると下式(5)のようになる。
Figure 2009188551
上記の式(5)で示された加算信号から信号電力S、及び雑音電力Nを求めると、下記の式(6)、及び式(7)のようになる。但し、NRa、NRb、Nは互いに無相関であり、その積の期待値が0となるものと仮定する。また、{}[i]は、ベクトルの第i成分を表す。
Figure 2009188551
上記の式(6)を参照すると、無線端末10と第1の無線中継局50a、50bとの間の伝達関数の絶対値分だけ端末信号Xの信号電力Sが増大していることが分かる。つまり、複数経路を介して受信された端末信号Xにおいて協調ダイバーシチの効果が得られることが示されたことになる。
以上説明したように、本実施形態に係る無線基地局40は、複数の無線中継局から送信された合成信号と、無線端末から直接的に到達した端末信号とを空間分離する第1の分離手段と、各無線中継局で合成された端末信号及び中継信号を分離する第2の分離手段を設けた点に特徴がある。さらに、第2の分離手段で中継信号に対する最尤検出を実施する際に、端末信号に起因する復号性能の劣化を抑制するため、反復復号処理を加える構成としている。このような構成を採ることで、無線中継局での信号合成を許容し、さらに、合成信号と端末信号とが伝送路で混信することを許容することができるようになる。その結果として、時間、空間、及び周波数のいずれのリソースをも無駄にする事無く、端末信号に対して協調ダイバーシチ効果を得ることが可能になるのである。
以上、本発明に係る第1実施形態について説明した。このシステム構成を適用することで、送信側(無線端末、無線中継局)に負担を強いる事無く、無線端末から送信される端末信号に対してダイバーシチ効果が得られるため、より通信品質を向上させることが可能になる。さらに、こうした通信品質の改善により、電波が無線基地局に到達するまでに要する電力を低減させることが可能になる。その結果、上り回線では無線端末のバッテリ持続時間を延長することが可能になり、下り回線ではインフラ設備の省電力化が可能になる。尚、省電力化を考えなくても良いケースでは、その分だけ伝送データのデータ量を増加させることが可能になる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態と上記の第1実施形態との間の相違点は、無線基地局40における最尤検出の実現方法にある。以下、この相違点を中心に説明する。
[無線基地局40の機能構成]
まず、図7を参照しながら、本実施形態に係る無線基地局40の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係る無線基地局40の機能構成を示す説明図である。但し、以下では、上記の第1実施形態に係る無線基地局40と実質的に同一の構成要素については同一の符号を付することにより説明を省略し、相違点についてのみ詳細に説明する。
上記の第1実施形態に係る無線基地局40と相違する構成要素は、主に、ユークリッド距離測定部452、454と、加算器456と、最尤検出部458と、減算器460、462である。
まず、MMSE空間フィルタ404から出力された合成信号XRa、XRbは、それぞれ、ユークリッド距離測定部452、454に入力される。ユークリッド距離測定部452、454は、合成信号XRa、XRbについて、それぞれに含まれる中継信号XDFa、XDFbの候補シンボルを抽出し、その候補シンボルに対してランク付けする。ユークリッド距離測定部452、454により抽出された候補シンボル、及びそのランキング情報は、最尤検出部458に入力される。例えば、中継信号XDFa、XDFbの変調方式が16QAMの場合、シンボル候補は16通り存在する。そこで、ユークリッド距離測定部452、454は、その16通りについて全てユークリッド距離を算出し、ランク付けした上で、その候補シンボル、及びランキング情報を最尤検出部458に入力する。
尚、最尤検出部458には、加算器456により合成信号XDFa、XDFbが加算された加算信号も入力される。この加算信号は、最尤検出部458の他に、減算器460にも入力される。ここで、最尤検出部458は、ユークリッド距離測定部452、454から入力された候補シンボルの組み合わせを順次、加算器456から入力された加算信号から差し引いて二乗誤差を算出する。そして、最尤検出部458は、最も二乗誤差が小さい候補シンボルの組み合わせを抽出する。抽出された候補シンボルの組み合わせは、減算器460に入力され、加算器456から入力された加算信号から減算される。
その後、減算器460により減算された信号は、加算器462に入力され、遅延出力部420により遅延されていた端末信号Xに加算される。この時点で端末信号Xに対する協調ダイバーシチの効果が得られる。尚、MMSE空間分離では、雑音協調を避けるために必ずしも信号が完全直交しないため、他の信号へ漏れこんだ中継信号の成分を利用することで受信特性を向上させることができる場合がある。
以上、本発明に係る第2実施形態について説明した。上記のような構成を採用しても、上記の第1実施形態と同様に、協調ダイバーシチ効果を得ることが可能になる。もちろん、送信側(無線端末、無線中継局)に負担を強いる事無く、無線端末から送信される端末信号に対してダイバーシチ効果が得られるため、より通信品質を向上させることが可能になる。さらに、こうした通信品質の改善により、電波が無線基地局に到達するまでに要する電力を低減させることが可能になる。その結果、上り回線では無線端末のバッテリ持続時間を延長することが可能になり、下り回線ではインフラ設備の省電力化が可能になる。尚、省電力化を考えなくても良いケースでは、その分だけ伝送データのデータ量を増加させることが可能になる。
<第3実施形態>
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。上記の第1及び第2実施形態は、協調ダイバーシチを実現するための構成について主に説明した。本実施形態は、無線基地局から遠方に位置する無線中継局を考慮した多中継伝送に関する提案である。通常、MIMO通信は、干渉に対して脆弱である。そのため、干渉が発生しやすい環境にMIMO通信を適用することは避けるべきである。また、この干渉に対する脆弱性について何らかの対策を講じる必要がある。こうした問題に対し、一つの解決策を提示するのが本実施形態の目的である。
まず、図8を参照しながら、本実施形態が対象とする無線通信システム5のシステム構成例について簡単に説明する。図8は、本実施形態に係る無線通信システム5のシステム構成の一例を示す説明図である。図8に示すように、無線通信システム5は、無線基地局40に近いエリアR1(1st Ring)と、無線基地局40から遠いエリアR2(2nd Ring)とに分けることができる。通常、MIMO通信は、無線基地局40に近いエリアR1内で実施される。そこで、エリアR2に位置する第2の無線中継局30a、30b、30cからの電波がエリアR1内の電波と干渉しないようにする工夫が必要になる。
その1つの解決手段として、図9に示すように、エリアR1とエリアR2とで利用する周波数帯を分けることが考えられている。特に、エリアR1における通信に中心の周波数帯ΔFを割り当て、その外側の周波数帯ΔFをエリアR2における通信に割り当てる。また、周波数帯の幅は、エリアR1用の割り当て周波数帯幅ΔFがエリアR2用の割り当て周波数帯幅ΔFよりも広くなるように設定される。これは、エリアR2内での干渉はある程度許容し、MIMO通信が利用されるエリアR1内での干渉を極力抑える狙いがあることによる。
上記のような状況が想定されることから、本実施形態では、エリアR2に位置する第2の無線中継局30a、30b、30cは、干渉が発生することを前提として周波数ブロックの外側に配置されたエリアR2用の周波数帯を利用して通信する。さらに、エリアR1内の第1の無線中継局50a、50bは、全ての周波数帯域の信号を受信し、エリアR2から到来した信号を受信した際に、その信号を復調し、誤り訂正復号、誤り訂正符号化、再変調を施した上で、エリアR1の周波数帯に乗せ換えて無線基地局40に転送するように構成する。このような構成にすることで、セル又はセクタ近辺で生じる劣悪な干渉状態を回避することができるようになる。
以上、本発明に係る第3実施形態について説明した。本実施形態は、無線基地局近辺のエリアにおける電波の干渉を低減させるため、エリア毎に周波数領域を分け、また、その周波数帯の幅に差を持たせた。さらに、無線基地局近辺のエリアに位置する無線中継局により、中継信号を再生中継する際に周波数の乗せ換えを実施する方式を提案した。こうした構成により、MIMO通信が利用される無線基地局近辺のエリア内に生じる干渉を抑制することが可能になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記の実施形態の説明において、無線端末、及び無線中継局のアンテナ数を1本としたが、本発明の技術的範囲はこれに限定されない。例えば、無線中継局に複数のアンテナを設け、無線端末、又は無線基地局との間でダイバーシチ効果を得られるように構成されていてもよい。その場合、同期検波部514に代えて最大比合成する手段を設けることが好ましい。また、無線端末、無線中継局、無線基地局の間で、MIMO伝送が可能な構成にしてもよい。
また、上記説明において、OFDMを前提として説明を進めた。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、サブキャリアの管理が容易なシングルキャリア通信方式、或いは、3GPP LTEにて検討されているDFT−SOFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、IFDMA(Interleaved Frequency Domain Multiple Access)、VSCRF−CDMA(Variable Spreading Chip Repetition Factor − CDMA)等の技術を採用した種々の無線通信方式に広く適用される。
ところで、従来技術として挙げた非特許文献2には、多重信号の分離方法に関する短い記載がある。しかしながら、無線端末からの送信信号を多重する技術について言及されていない。また、単純なMMSE−VBLASTの反復復号が記述されているだけであるため、無線端末からの送信信号が存在する状況でこの技術適用すると、準アナログ信号である送信信号の顕著な劣化を招いてしまう。こうした点からも、上記の実施形態に係る技術の格別なる有効性を窺い知ることができる。
尚、無線中継局のアンテナは、屋根の上やビル等の高所に設置されることが好ましい。但し、無線基地局に信号伝送するためのアンテナは、無線基地局に対して指向性を有するものであることが好ましい。
マルチユーザMIMO方式の無線通信システムを示す説明図である。 複数の無線中継局を用いた協調ダイバーシチシステムを示す説明図である。 複数の無線中継局を用いた多中継システムを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成を示す説明図である。 同実施形態に係る無線通信システムの機能構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る無線基地局の機能構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る無線基地局の機能構成を示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る無線通信システムの構成を示す説明図である。 同実施形態に係るチャネル割り当て方法を示す説明図である。 同実施形態に係る信号点配置方法を示す説明図である。
符号の説明
10、10a、10b、10c 無線端末
20、40 無線基地局
30、30a、30b、30c、50a、50b 無線中継局
102 符号化部
104 変調部
106 IFFT部
108 アンテナ
402 アンテナ
404 MMSE空間フィルタ
406、412、458 最尤検出部
408、414、426 誤り訂正復号部
410、416、442、444、446、460 減算器
418、424、456、462 加算器
420 遅延出力部
430 レプリカ信号生成ブロック
432 符号化部
434 変調部
436 空間多重部
438 IFFT部
440 ゲイン調整部
452、454 ユークリッド距離測定部
502 アンテナ
504 合成部
506 記憶部
510 AF処理ブロック
550 DF処理ブロック
512、552 FFT部
514 同期検波部
516、556 IFFT部
554 DF処理部
A1、A2、A3、A4 通信可能エリア
R1、R2 エリア

Claims (8)

  1. 複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の第1の無線中継局と、当該第1の無線中継局よりも、前記無線基地局より遠方に位置する複数の第2の無線中継局と、前記無線基地局及び前記第1の無線中継局に送信信号を送信する無線端末とを含む無線通信システムであって、
    前記各第1の無線中継局は、
    任意の前記第2の無線中継局から送信された前記無線基地局に中継すべき中継信号を受信し、その中継信号に対して誤り訂正復号、再度の誤り訂正符号化、及び再変調を施す復号中継処理部と、
    前記無線端末から受信した前記送信信号に位相補正を施して間接送信信号を生成する位相補正部と、
    前記位相補正部により生成された間接送信信号と、前記復号中継処理部により出力された中継信号とを合成して合成信号を生成する信号合成部と、
    前記信号合成部により生成された前記合成信号を前記無線基地局に送信する信号送信部と、
    を備え、
    前記無線基地局は、
    前記無線端末から送信された送信信号と、当該送信信号と同一時間帯及び同一周波数で各前記第1の無線中継局から送信された合成信号とを各前記アンテナを介して受信する信号受信部と、
    前記信号受信部により受信された前記各合成信号と前記無線端末から直接受信した直接送信信号とを分離する第1の信号分離部と、
    前記第1の信号分離部により分離された前記各合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出を施すことで前記間接送信信号と前記中継信号とに分離する第2の信号分離部と、
    前記第1の信号分離部により分離された直接送信信号と前記第2の信号分離部により分離された間接送信信号とを加算する送信信号加算部と、
    前記第1の信号分離部により分離された中継信号、及び前記送信信号加算部により出力された加算後の送信信号に基づき、前記信号受信部により前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカを生成するレプリカ信号生成部と、
    前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算して減算信号を生成する減算信号生成部と、
    を備え、
    前記減算信号生成部により生成された減算信号を再び第1信号分離部に入力し、前記第1及び第2の信号分離部、前記送信信号加算部、前記レプリカ信号生成部及び前記減算信号生成部による一連の処理を反復実行することを特徴とする、無線通信システム。
  2. 前記信号合成部は、前記中継信号の信号点配置図内の最内郭に対応する電力まで前記間接送信信号の電力を制限した上で、当該間接送信信号と前記中継信号とを合成することを特徴とする、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記第1の無線中継局が前記中継信号を受信する際に利用する第1の周波数帯と、前記第1の無線中継局、前記無線基地局、及び前記無線端末の間で通信する際に利用される第2の周波数帯とが分けられており、前記第2の周波数帯の幅は、前記第1の周波数帯の幅よりも広いことを特徴とする、請求項1又は2に記載の無線通信システム。
  4. 前記第1の無線中継局は、複数のアンテナを有し、
    前記位相補正部は、前記複数のアンテナを介して受信した前記間接送信信号の位相を揃えて合成することを特徴とする、請求項1〜3に記載の無線通信システム。
  5. 前記信号合成部は、前記中継信号に要求される品質に応じて前記中継信号に合成される前記間接送信信号の比率を低減又は零にすることを特徴とする、請求項1〜4に記載の無線通信システム。
  6. 前記第1の無線中継局は、
    前記間接送信信号に対して誤り訂正復号を施す誤り訂正復号部と、
    前記誤り訂正復号部により正しく復号された場合に生成された誤り訂正復号後の前記間接送信信号を所定の記録装置に記録する信号記録部と
    をさらに備え、
    前記無線基地局から前記無線端末に前記直接送信信号の再送が要求された場合に、当該要求に応じて前記信号記録部により記録された前記間接送信信号を前記無線基地局に再送することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信システム。
  7. 複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の第1の無線中継局と、当該第1の無線中継局よりも、前記無線基地局より遠方に位置する複数の第2の無線中継局と、前記無線基地局及び前記第1の無線中継局に送信信号を送信する無線端末とにより構成される無線通信システムの前記無線基地局内の無線通信装置であって、
    前記無線端末から直接受信した直接送信信号、及び、前記第1の無線中継局を経由して前記無線端末から間接的に受信した間接送信信号と前記第2の無線中継局から受信した中継信号とが合成された合成信号を同一時間帯及び同一周波数で各前記アンテナを介して受信する信号受信部と、
    前記信号受信部により受信された前記合成信号と前記直接送信信号とを分離する第1の信号分離部と、
    前記第1の信号分離部により分離された前記合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出を施すことで前記間接送信信号と前記中継信号とを分離する第2の信号分離部と、
    前記第1の信号分離部により分離された直接送信信号と前記第2の信号分離部により分離された間接送信信号とを加算する信号加算部と、
    前記第1の信号分離部により分離された中継信号、及び前記信号加算部により出力された加算後の送信信号に基づいて前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカを生成するレプリカ信号生成部と、
    前記レプリカ信号生成部により生成されたレプリカ信号を前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算して減算信号を生成する減算信号生成部と、
    を備え、
    前記減算信号生成部により生成された減算信号を再び前記第1の信号分離部に入力し、前記第1及び第2の信号分離部、前記信号加算部、前記レプリカ信号生成部及び前記減算信号生成部による一連の処理を反復実行することを特徴とする、無線通信装置。
  8. 複数のアンテナを有する無線基地局と、複数の第1の無線中継局と、当該第1の無線中継局よりも、前記無線基地局より遠方に位置する複数の第2の無線中継局と、前記無線基地局及び前記第1の無線中継局に送信信号を送信する無線端末とにより実現される無線通信方法であって、
    前記各第1の無線中継局により、
    任意の前記第2の無線中継局から送信された前記無線基地局に中継すべき中継信号が受信され、その中継信号に対して誤り訂正復号、再度の誤り訂正符号化、及び再変調が施される復号中継処理工程と、
    前記無線端末から受信された前記送信信号に位相補正が施されて間接送信信号が生成される位相補正工程と、
    前記位相補正工程で生成された間接送信信号と前記復号中継処理工程で処理された中継信号とが合成されて合成信号が生成される信号合成工程と、
    前記信号合成工程において生成された前記合成信号が前記無線基地局に送信される信号送信工程と、
    前記無線基地局により、
    前記無線端末から送信された送信信号と、当該送信信号と同一時間帯及び同一周波数で各前記第1の無線中継局から送信された合成信号とが各前記アンテナを介して受信される信号受信工程と、
    前記信号受信工程において受信された前記各合成信号と前記無線端末から直接受信された直接送信信号とが分離される第1の信号分離工程と、
    前記第1の信号分離工程において分離された前記各合成信号に対し、前記中継信号に対する最尤検出が施され、前記間接送信信号と前記中継信号とに分離される第2の信号分離工程と、
    前記第1の信号分離工程において分離された直接送信信号と前記第2の信号分離工程において分離された間接送信信号とが加算される送信信号加算工程と、
    前記第1の信号分離工程において分離された中継信号、及び前記送信信号加算工程における加算処理後の送信信号に基づいて、前記信号受信工程において前記各アンテナを介して受信された空間多重信号のレプリカが生成されるレプリカ信号生成工程と、
    前記レプリカ信号生成工程において生成されたレプリカ信号が前記各アンテナを介して受信された空間多重信号から減算されて減算信号が生成される減算信号生成工程と、
    前記無線基地局により、
    前記減算信号生成工程において生成された減算信号が再び第1信号分離部に入力され、前記第1及び第2の信号分離工程、前記送信信号加算工程、前記レプリカ信号生成工程及び前記減算信号生成工程による一連の処理における処理が反復実行されることを特徴とする、無線通信方法。
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