JP2009187440A - 観測画像補正装置、観測画像補正プログラムおよび観測画像補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】模擬画像生成部110は観測条件情報192とDEM181とに基づいて模擬強度画像171と模擬画像座標データ172とを作成する。一致点検出部120は観測画像191と模擬強度画像171との一致点831を検出する。緯度・経度リサンプリング部130は一致点831に基づいて観測画像191を模擬強度画像171に重ねるようにアフィン変換し、観測画像191の画素に対応する模擬強度画像171の画素を特定し、観測画像191に対応する座標を模擬画像座標データ172から取得して観測画像座標データ193を作成する。オルソ補正部140は観測画像座標データ193に基づいて観測画像191をオルソ補正し、オルソ画像196を作成する。
【選択図】図6
Description
(2)観測画像上の数ピクセルに対して各ピクセルの位置(緯度、経度)を手動で入力し、入力値をもとに多項式変換などにより幾何学歪みを補正する。
(a)観測画像が地図投影されていないことが条件となるが、販売されている標準の観測画像は地図投影されている。なお、販売品の観測画像は標高がゼロメートルと仮定されており、標高が考慮されていないのでオルソ画像ではない。また、販売品の観測画像は実際の地形や道路などとは一致しない。
(b)観測画像の各ピクセルから合成開口レーダーを搭載した観測衛星までの距離(スラントレンジ)と方位、各観測値の観測時刻または観測衛星の軌道情報に誤差があると、その誤差はそのままオルソ画像の誤差となり、オルソ画像により示される地形、道路、建物などは実際と一致しない。最近の観測衛星(例えば、だいち[ALOS1])や航空機のこれら情報は精度が良いが、90年代あるいはさらに古い観測衛星や航空機の情報は誤差が大きい。例えば、ふよう1号の軌道情報には数100メートルの誤差がある。このため、最近取られた観測画像以外には上記(1)の方法は適さない。
(c)使用する各種情報(例えば、軌道情報)に含まれる誤差を考慮してオルソ補正するためには、観測画像上の数ピクセルに対して正確な位置情報を手動で設定する必要がある。正確な位置情報には、高い精度で予め測量されている地上基準点(GCP:Grand Control Point)の座標値が用いられる。
(a)観測画像上の数ピクセルに対して正確な位置情報を手動で設定する必要がある。
(b)正確な位置情報を手動で設定した数ピクセル(GCP)以外は位置がずれる。
まず、レーダー観測、レーダー観測で得られる観測画像191および実施の形態1におけるオルソ補正装置100が観測画像191をオルソ補正(オルソ視補正)して作成するオルソ画像196について説明する。
図1において、SAR800(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダー)(観測レーダー)を搭載して地上の観測を行う人工衛星や航空機(以下、SAR800という)は、上空から斜め下方に向いたビーム照射方向803にビーム804(電磁波、電波、マイクロ波)を照射(出射)し、地表面823で反射して後方散乱した後方散乱波805を観測する。SAR800の進行方向801は「アジマス方向」と呼ばれ、進行方向801に直交する方向は「レンジ方向802」と呼ばれる。SAR800は、ビーム804を直下方向ではなく進行方向801と直交するレンジ方向802に照射して観測を行うため、サイドルッキングレーダーとも呼ばれる。また、ビーム804を照射するアンテナとビーム804を後方散乱させた地表の物体(以下、地物という)との距離rを「スラントレンジ」という。
スラントレンジrと画素位置との関係は以下の式1で表される。
ここで、
「r0」を左端の画素(0、0)、(0、1)、・・・、(0、y)に対応するスラントレンジ、「n」を横方向の画素番号(0、1、・・・、x)、「C」を光速、「fAD」をビーム804(および後方散乱波805)のサンプリング周波数とする。
「C/fAD」はビーム804の往復伝搬時間(ビーム804の伝搬時間+後方散乱波805の伝搬時間)を示し、ビーム804の往復伝搬時間を2で割った片道伝搬時間に基づいてスラントレンジrは求められている。
このように、標高の高い地点がSAR800側に倒れ込んで見えることを「フォア・ショートニング」という。
図5は、実施の形態1におけるオルソ画像196と稜線813とを示す図である。
図4および図5には、観測画像191およびオルソ画像196に重畳させて正しい稜線813の位置を点線で示している。
図4ではフォア・ショートニングにより観測画像191が稜線813からSAR800側にズレており、図5ではオルソ画像196が稜線813に合っていることが見て取れる。
実施の形態1におけるオルソ補正装置100は、図4に示すようにレーダー観測により得られフォア・ショートニングした観測画像191をオルソ補正して、図5に示すように地上を真上から見て正確に表したオルソ画像196を作成する。
オルソ補正は正射投影を意味し、オルソ画像196は正射投影画像ともいう。
実施の形態1におけるオルソ補正装置100の機能構成について、図6に基づいて以下に説明する。
さらに、模擬画像生成部110(模擬画像座標データ生成部)は、DEM記憶部180に記憶されているDEM181に基づいて模擬強度画像171の各画素に対応する平面座標を示す模擬画像座標データ172をCPUを用いて生成する。模擬画像座標データ172には模擬強度画像171の各画素に対応する緯度を示す模擬画像緯度データ173と模擬強度画像171の各画素に対応する経度を示す模擬画像経度データ174とが含まれる。
さらに、緯度・経度リサンプリング部130(観測画像座標データ生成部)は、特定した観測画像191の画素に対応する模擬強度画像171の画素と模擬画像生成部110により生成された模擬画像座標データ172とに基づいて観測画像191の各画素に対応する平面座標を示す観測画像座標データ193をCPUを用いて生成する。観測画像座標データ193には観測画像191の各画素に対応する緯度を示す観測画像緯度データ194と観測画像191の各画素に対応する経度を示す観測画像経度データ195とが含まれる。
図7において、オルソ補正装置100は、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(Key・Board:K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、CDD905(コンパクトディスク装置)、プリンタ装置906、スキャナ装置907などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。
システムユニット910は、コンピュータであり、ファクシミリ機932、電話器931とケーブルで接続され、また、LAN942(ローカルエリアネットワーク)、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
図8において、オルソ補正装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶機器、記憶装置あるいは記憶部の一例である。また、入力データが記憶されている記憶機器は入力機器、入力装置あるいは入力部の一例であり、出力データが記憶される記憶機器は出力機器、出力装置あるいは出力部の一例である。
通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力機器、入力装置あるいは入力部の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力機器、出力装置あるいは出力部の一例である。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disc)等の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
実施の形態1におけるオルソ補正装置100が実行するオルソ補正方法(観測画像補正方法)について、図9に基づいて以下に説明する。
オルソ補正装置100の各部は、以下に説明する各処理をCPUを用いて実行する。
まず、模擬画像生成部110は、観測画像191から観測条件情報192を抽出する。
このとき、模擬画像生成部110は観測画像記憶部190から観測画像191を取得し、取得した観測画像191から観測画像191に含まれる観測条件情報192を抽出する。観測条件情報192はSAR800の軌道情報、観測時刻、ビーム照射方向803、地図投影情報(地図投影の有無、地図投影に用いられた図法など)などを含んでいる。
次に、模擬画像生成部110は観測条件情報192とDEM181とに基づいて模擬強度画像171を作成する。
このとき、模擬画像生成部110は、DEM記憶部180からDEM181を取得し、観測条件情報抽出処理(S110)で抽出した観測条件情報192とDEM記憶部180から取得したDEM181とに基づいてレーダー観測をシミュレーションし、シミュレーションしたレーダー観測で取得された模擬データに基づいてフォア・ショートニングした模擬強度画像171を作成する。作成された模擬強度画像171には、SAR800で観測される後方散乱波805の強度に応じた明度(輝度)で陰影が付けられている。模擬画像生成部110は作成した模擬強度画像171を模擬画像記憶部170に記憶する。
模擬画像生成部110は、DEM181に基づいて生成される真上から見た場合の模擬強度画像179(図10)をレーダー観測のシミュレーションによりフォア・ショートニングさせ、観測画像191を模擬した模擬強度画像171(図11)を作成する。
図11の模擬強度画像171では標高の高い地点がSAR800側に倒れ込んで見えている。例えば、図11に表示されている山811の山頂は図10に比べてSAR800側に寄って見えている。
また、図11の模擬強度画像171には、SAR800から見て遮蔽されない部分(SAR800で観測される後方散乱波805の強度が強い部分)が明るく見え、SAR800から見て影になる部分(SAR800で観測される後方散乱波805の強度が弱い部分)が暗く見えるように陰影が付けられている。
図13は、実施の形態1の模擬画像生成処理(S120)におけるSAR800の地点Pと観測点Qとの関係図である。
模擬画像生成処理(S120)の詳細について、図12および図13に基づいて以下に説明する。
図12において、模擬画像生成部110は、観測条件情報192に含まれるSAR800の軌道情報と観測時刻とに基づいて観測時刻におけるSAR800の位置していた地点Pの3次元座標を算出する。
次に、模擬画像生成部110はDEM記憶部180からDEM181を取得する。DEM181は格子に区切られた地表の各格子点の平面座標(緯度、経度)と各格子点の標高とを示す。つまり、DEM181は地表の各地点の3次元座標(緯度、経度、標高)を示す。そして、模擬画像生成部110は、レーダー座標算出処理(S121)で算出した観測時刻におけるSAR800の位置していた地点Pの3次元座標とDEM記憶部180から取得したDEM181により示される地表の各地点の3次元座標とに基づいて、地表の特定の地点(以下、観測点Qという)に対するスラントレンジrを算出する。図13にSAR800の地点Pと観測点Qとの関係を示す。模擬画像生成部110は、SAR800の地点Pと観測点Qとの距離を、実際のレーダー観測において算出された観測点Qに対するスラントレンジrの推定値として算出する。
次に、模擬画像生成部110はスラントレンジ算出処理(S122)で算出したスラントレンジrに基づいて観測点Qを表示させる模擬強度画像171の画素(ピクセル)位置を特定する。観測点Qの画素位置は、スラントレンジrが短ければSAR800寄りの地点を表す画素位置となり、スラントレンジrが長いほどSAR800寄りの地点を表わす画素から離れた位置となる。図13において、標高の高い観測点Qには、スラントレンジrの等しい等距離線812上のSAR800寄りの麓の点Q’に対応する画素位置が特定される。
また、模擬画像生成部110は、SAR800の地点Pの3次元座標と観測点Qの3次元座標とに基づいて、実際のレーダー観測においてSAR800により照射されたビーム804の観測点Qにおける入射角θincの推定値を算出する。
図13に示すように、入射角θincはSAR800の地点Pと観測点Qとを結んだ線(SAR800から観測点Qへの視線ベクトル)と法線821との成す角度を示す。また、法線821は観測点Qにおいて地表面に接する接平面822に対して垂直な線を示す。
次に、模擬画像生成部110は、入射角算出処理(S124)で算出した入射角θincに基づいて、実際のレーダー観測で観測された観測点Qからの後方散乱波805の強度σの推定値を算出する。
そして、模擬画像生成部110は、画素位置特定処理(S123)で特定した画素を反射波強度算出処理(S125)で算出した後方散乱波805の強度σに応じた明度(輝度)で表わして模擬強度画像171を作成する。このとき、模擬画像生成部110は後方散乱波805の強度σが強いほど明度を明るくし、後方散乱波805の強度σが弱いほど明度を暗くする。
上記の模擬画像生成処理(S120)により、模擬画像生成部110は、図14に示すように一見あたかも実際の観測画像191かのような模擬強度画像171を作成することができる。
模擬画像生成部110は模擬強度画像171に対応する模擬画像座標データ172を作成する。模擬画像生成部110は作成した模擬画像座標データ172を模擬画像記憶部170に記憶する。
図16は、実施の形態1における模擬強度画像171と模擬画像座標データ172の概念図とを示している。
模擬画像座標データ生成処理(S130)において模擬画像生成部110が作成する模擬画像座標データ172について、図15および図16に基づいて以下に説明する。
したがって、模擬画像生成部110は模擬強度画像171の各画素に対応する平面座標を示す模擬画像座標データ172をDEM181に基づいて作成することができる。
図16では、模擬画像緯度データ173の2次元配列の各要素を2次元平面上に展開し、緯度の等しい要素を結んだ等緯度線173a(緯線)を模擬画像緯度データ173の概念図として示している。また、図16では、模擬画像経度データ174の2次元配列の各要素を2次元平面上に展開し、経度の等しい要素を結んだ等経度線174a(子午線、経線)を模擬画像経度データ174の概念図として示している。
模擬画像緯度データ173のQ1、Q2およびQ3は模擬強度画像171のQ1、Q2およびQ3の緯度を示し、模擬画像経度データ174のQ1、Q2およびQ3は模擬強度画像171のQ1、Q2およびQ3の経度を示している。模擬強度画像171において山頂を表しているQ2はフォア・ショートニングにより実際よりSAR800寄りに表示されているため、模擬画像経度データ174の等経度線174aを歪曲させている。
模擬画像生成部110は観測画像191に合わせて模擬強度画像171を地図投影する。
このとき、模擬画像生成部110は観測条件情報192に含まれている地図投影情報に基づいて観測画像191が地図投影されているか否かを判定する。地図投影情報には地図投影の有無や地図投影図法などが示されている。
観測画像191が地図投影されていると判定した場合、模擬画像生成部110は模擬画像生成処理(S120)で生成した模擬強度画像171を観測画像191と同じ図法で地図投影する。地図投影とは例えば、画像の向きを特定の方角(例えば、北)に向けて配置することであり、図法には例えば、メルカトル図法、ミラー図法、サンソン図法、モルワイデ図法などがある。
観測画像191が地図投影されていないと判定した場合、模擬画像生成部110は模擬強度画像171を地図投影せずに地図投影処理(S140)を終了する。
一致点検出部120は観測画像191と模擬強度画像171との一致点831を検出する。
このとき、一致点検出部120は観測画像記憶部190から観測画像191を取得すると共に模擬画像記憶部170から模擬強度画像171を取得し、観測画像191と模擬強度画像171とをイメージマッチングして観測画像191と模擬強度画像171との一致点831(タイポイントともいう)を2点以上検出する。但し、一致点検出部120が検出する一致点831は後述するように1点であっても構わない。例えば、一致点検出部120は、観測画像191の各画素の明度と模擬強度画像171の各画素の明度とを面積相関法(イメージマッチングの一例)で比較して観測画像191と模擬強度画像171との一致点831を検出する。
例えば、図14に示した観測画像191と模擬強度画像171とを面積相関法で比較した結果として、図17の観測画像191において×印で示されている画素が一致点831として検出された画素である。
緯度・経度リサンプリング部130は一致点831に基づいて観測画像191を模擬強度画像171に重ねるようにアフィン変換し、観測画像191の画素に対応する模擬強度画像171の画素を特定する。アフィン変換は平行移動、回転移動を意味する。
次に、緯度・経度リサンプリング部130は特定したずれ量に応じて観測画像191をアフィン変換して観測画像191の一致点831を模擬強度画像171の一致点831に重ねる。但し、模擬強度画像171をアフィン変換して観測画像191と模擬強度画像171とを重ね合わせてもよいし、観測画像191と模擬強度画像171との両方をアフィン変換して観測画像191と模擬強度画像171とを重ね合わせてもよい。アフィン変換の係数は観測画像191と模擬強度画像171とのずれ量に応じて定まる。
そして、緯度・経度リサンプリング部130は観測画像191の画素に重なる模擬強度画像171の画素を観測画像191の画素に対応する模擬強度画像171の画素として特定する。
緯度・経度リサンプリング部130は観測画像191の各画素に対応する平面座標を模擬画像座標データ172から取得し、観測画像座標データ193を作成する。観測画像座標データ193には観測画像191の各画素に対応する緯度を示す観測画像緯度データ194と観測画像191の各画素に対応する経度を示す観測画像経度データ195とが含まれる。観測画像緯度データ194は、模擬画像緯度データ173と同様に、観測画像191の各画素に対応した2次元配列の各要素に「緯度」が設定されたものである。また、観測画像経度データ195は、模擬画像経度データ174と同様に、観測画像191の各画素に対応した2次元配列の各要素に「経度」が設定されたものである。観測画像座標データ193の作成を観測画像191の緯度・経度情報のリサンプリングという。
図18において、上図は対応画素特定処理(S160)でアフィン変換され模擬強度画像171に重なり合った観測画像191の枠線を示している。また、左下図は観測画素座標データ生成処理(S170)で作成される観測画像緯度データ194の概念図を示し、右下図は観測画像座標データ生成処理(S170)で作成される観測画像経度データ195の概念図を示している。
オルソ補正部140は観測画像座標データ193に基づいて観測画像191をオルソ補正(オルソ視補正)し、オルソ画像196を作成する。
このとき、オルソ補正部140は観測画像191(例えば、図4)の各画素を観測画像座標データ193の示す平面座標に対応する画素位置に配置し直して観測画像191が真上から見た画像を示すようにオルソ補正する。そして、オルソ補正部140はオルソ補正した観測画像191をオルソ画像196(例えば、図5)として記憶機器に記憶したり、プリンタ装置906を用いて印刷したりする。観測画像191の各画素の配置し直しを観測画像191のリサンプリングという。観測画像191の各画素をリサンプリングした場合、フォア・ショートニングの影響により、オルソ画像196には観測画像191の画素が配置されない空白の画素が生じる。そこで、オルソ補正部140は、オルソ画像196の空白の画素を周囲の画素に基づいて補間する。例えば、オルソ補正部140は、線形補間、多項式補間、キュービック・コンボリューション、バイリニア法(双一次線形法)などを補間方法として用いる。
<手順1>入力画像(観測画像191)から軌道情報、観測開始時刻(画像先頭ラインに対応する時刻)、地図投影情報(投影の有無、図法など)を抽出する。
<手順2>DEMと軌道情報とを用いて模擬強度画像171及び模擬強度画像171の各ピクセルに対応した緯度情報(模擬画像緯度データ173)と経度情報(模擬画像経度データ174)とを作成する。
<手順3>観測画像191が地図投影されているのであれば、観測画像191に合わせて模擬強度画像171を地図投影する。
<手順4>模擬強度画像171と観測画像191との位置ズレを計測する(イメージマッチングにより一致する点を自動的に計測)。
<手順5>計測して求めたズレ量をもとに、観測画像191の各ピクセルに対応した緯度情報(観測画像緯度データ194)と経度情報(観測画像経度データ195)とを作成する(緯度情報および経度情報のリサンプリング)。
<手順6>リサンプリングして得た緯度情報と経度情報とをもとに、観測画像191をオルソ補正する(観測画像191のリサンプリング)。
(1)位置情報(GCP)を手動で設定するという作業をせずに観測画像191をオルソ補正して正確なオルソ画像196を作成することができる。つまり、オルソ画像196の作成を自動化できる。
(2)観測条件情報192(例えば、軌道情報)に高い精度が要求されないため、過去に取得された観測画像191を活用してオルソ画像196を作成することができる。これにより、例えば、過去の地形と現在の地形とをより正確に比較することができる。
(3)観測画像191は地図投影がされていてもいなくても構わないため、地図投影されている標準的な販売品を用いて正確なオルソ画像196を得ることができる。
Claims (11)
- レーダー観測で取得された観測データに基づいて生成された地表の画像を示す観測画像を記憶機器を用いて記憶する観測画像記憶部と、
前記レーダー観測の観測条件に関する情報を示す観測条件情報を記憶機器を用いて記憶する観測条件記憶部と、
格子に区切られた地表の各格子点の平面座標と各格子点の標高とを示す標高データを記憶機器を用いて記憶する標高データ記憶部と、
前記観測条件記憶部に記憶されている前記観測条件情報と前記標高データ記憶部に記憶されている前記標高データとに基づいてレーダー観測をCPU(Central Processing Unit)を用いて模擬し、模擬したレーダー観測で取得された模擬データに基づいて地表の画像を示す模擬画像を生成する模擬画像生成部と、
前記観測画像記憶部に記憶されている前記観測画像を構成する複数の画素と前記模擬画像生成部により生成された前記模擬画像を構成する複数の画素とをCPUを用いて比較し、前記観測画像の画素に対応する前記模擬画像の画素を特定する対応画素特定部と、
前記標高データ記憶部に記憶されている前記標高データに基づいて前記模擬画像生成部により生成された前記模擬画像の画素に対応する平面座標を示す模擬画像座標データをCPUを用いて生成する模擬画像座標データ生成部と、
前記対応画素特定部により特定された前記観測画像の画素に対応する前記模擬画像の画素と前記模擬画像座標データ生成部により生成された前記模擬画像座標データにより示される前記模擬画像の画素に対応する平面座標とに基づいて前記観測画像の画素に対応する平面座標を示す観測画像座標データをCPUを用いて生成する観測画像座標データ生成部と、
前記観測画像記憶部に記憶されている前記観測画像の画素が平面座標に対応する位置に配置された画像を前記観測画像座標データ生成部により生成された前記観測画像座標データに基づいて補正画像としてCPUを用いて生成する補正画像生成部と
を備えたことを特徴とする観測画像補正装置。 - 前記模擬画像生成部は、標高の高いものをレーダー観測を行った観測レーダー側に倒れ込ませて見せるフォア・ショートニングさせた画像を前記模擬画像として生成する
ことを特徴とする請求項1記載の観測画像補正装置。 - 前記模擬画像生成部は、前記観測条件情報に基づいてレーダー観測を行った観測レーダーの3次元座標を算出し、算出した前記観測レーダーの3次元座標と前記標高データにより示される地表の各格子点の平面座標と前記標高データにより示される地表の各格子点の標高とに基づいて前記観測レーダーから地表の各格子点までの距離と前記観測レーダーにより出射された電磁波の成す地表の各格子点における入射角とを算出し、算出した前記入射角に基づいて地表の各格子点からの反射波の強度を算出し、算出した前記距離に対応する画像内での位置にある画素に算出した前記強度に対応する陰影を付けて前記模擬画像を生成する
ことを特徴とする請求項1〜請求項2いずれかに記載の観測画像補正装置。 - 前記対応画素特定部は、前記観測画像の2画素に対応する前記模擬画像の2画素を特定し、前記観測画像の前記2画素それぞれの画素位置と前記模擬画像の前記2画素それぞれの画素位置との位置ずれの量に基づいて前記観測画像と前記模擬画像との少なくとも一方をアフィン変換し、アフィン変換後に前記観測画像の画素と同じ画素位置にある前記模擬画像の画素を前記観測画像の前記画素に対応する前記模擬画像の画素として求める
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の観測画像補正装置。 - 前記観測画像が光学センサを用いて撮像した光学画像であることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかに記載の観測画像補正装置。
- レーダー観測で取得された観測データに基づいて生成された地表の画像を示す観測画像を記憶機器を用いて記憶する観測画像記憶部と、
前記レーダー観測の観測条件に関する情報を示す観測条件情報を記憶機器を用いて記憶する観測条件記憶部と、
格子に区切られた地表の各格子点の平面座標と各格子点の標高とを示す標高データを記憶機器を用いて記憶する標高データ記憶部とを用い、
模擬画像生成部が、前記観測条件記憶部に記憶されている前記観測条件情報と前記標高データ記憶部に記憶されている前記標高データとに基づいてレーダー観測をCPU(Central Processing Unit)を用いて模擬し、模擬したレーダー観測で取得された模擬データに基づいて地表の画像を示す模擬画像を生成する模擬画像生成処理と、
対応画素特定部が、前記観測画像記憶部に記憶されている前記観測画像を構成する複数の画素と前記模擬画像生成部により生成された前記模擬画像を構成する複数の画素とをCPUを用いて比較し、前記観測画像の画素に対応する前記模擬画像の画素を特定する対応画素特定処理と、
模擬画像座標データ生成部が、前記標高データ記憶部に記憶されている前記標高データに基づいて前記模擬画像生成部により生成された前記模擬画像の画素に対応する平面座標を示す模擬画像座標データをCPUを用いて生成する模擬画像座標データ生成処理と、
観測画像座標データ生成部が、前記対応画素特定部により特定された前記観測画像の画素に対応する前記模擬画像の画素と前記模擬画像座標データ生成部により生成された前記模擬画像座標データにより示される前記模擬画像の画素に対応する平面座標とに基づいて前記観測画像の画素に対応する平面座標を示す観測画像座標データをCPUを用いて生成する観測画像座標データ生成処理と、
補正画像生成部が、前記観測画像記憶部に記憶されている前記観測画像の画素が平面座標に対応する位置に配置された画像を前記観測画像座標データ生成部により生成された前記観測画像座標データに基づいて補正画像としてCPUを用いて生成する補正画像生成処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする観測画像補正プログラム。 - 前記模擬画像生成部は、標高の高いものをレーダー観測を行った観測レーダー側に倒れ込ませて見せるフォア・ショートニングさせた画像を前記模擬画像として生成する
ことを特徴とする請求項6記載の観測画像補正プログラム。 - 前記模擬画像生成部は、前記観測条件情報に基づいてレーダー観測を行った観測レーダーの3次元座標を算出し、算出した前記観測レーダーの3次元座標と前記標高データにより示される地表の各格子点の平面座標と前記標高データにより示される地表の各格子点の標高とに基づいて前記観測レーダーから地表の各格子点までの距離と前記観測レーダーにより出射された電磁波の成す地表の各格子点における入射角とを算出し、算出した前記入射角に基づいて地表の各格子点からの反射波の強度を算出し、算出した前記距離に対応する画像内での位置にある画素に算出した前記強度に対応する陰影を付けて前記模擬画像を生成する
ことを特徴とする請求項6〜請求項7いずれかに記載の観測画像補正プログラム。 - 前記対応画素特定部は、前記観測画像の2画素に対応する前記模擬画像の2画素を特定し、前記観測画像の前記2画素それぞれの画素位置と前記模擬画像の前記2画素それぞれの画素位置との位置ずれの量に基づいて前記観測画像と前記模擬画像との少なくとも一方をアフィン変換し、アフィン変換後に前記観測画像の画素と同じ画素位置にある前記模擬画像の画素を前記観測画像の前記画素に対応する前記模擬画像の画素として求める
ことを特徴とする請求項6〜請求項8いずれかに記載の観測画像補正プログラム。 - 前記観測画像が光学センサを用いて撮像した光学画像であることを特徴とする請求項6〜請求項9いずれかに記載の観測画像補正プログラム。
- レーダー観測で取得された観測データに基づいて生成された地表の画像を示す観測画像を記憶機器を用いて記憶する観測画像記憶部と、
前記レーダー観測の観測条件に関する情報を示す観測条件情報を記憶機器を用いて記憶する観測条件記憶部と、
格子に区切られた地表の各格子点の平面座標と各格子点の標高とを示す標高データを記憶機器を用いて記憶する標高データ記憶部とを用い、
模擬画像生成部が、前記観測条件記憶部に記憶されている前記観測条件情報と前記標高データ記憶部に記憶されている前記標高データとに基づいてレーダー観測をCPU(Central Processing Unit)を用いて模擬し、模擬したレーダー観測で取得された模擬データに基づいて地表の画像を示す模擬画像を生成する模擬画像生成処理を行い、
対応画素特定部が、前記観測画像記憶部に記憶されている前記観測画像を構成する複数の画素と前記模擬画像生成部により生成された前記模擬画像を構成する複数の画素とをCPUを用いて比較し、前記観測画像の画素に対応する前記模擬画像の画素を特定する対応画素特定処理を行い、
模擬画像座標データ生成部が、前記標高データ記憶部に記憶されている前記標高データに基づいて前記模擬画像生成部により生成された前記模擬画像の画素に対応する平面座標を示す模擬画像座標データをCPUを用いて生成する模擬画像座標データ生成処理を行い、
観測画像座標データ生成部が、前記対応画素特定部により特定された前記観測画像の画素に対応する前記模擬画像の画素と前記模擬画像座標データ生成部により生成された前記模擬画像座標データにより示される前記模擬画像の画素に対応する平面座標とに基づいて前記観測画像の画素に対応する平面座標を示す観測画像座標データをCPUを用いて生成する観測画像座標データ生成処理を行い、
補正画像生成部が、前記観測画像記憶部に記憶されている前記観測画像の画素が平面座標に対応する位置に配置された画像を前記観測画像座標データ生成部により生成された前記観測画像座標データに基づいて補正画像としてCPUを用いて生成する補正画像生成処理を行う
ことを特徴とする観測画像補正方法。
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