JP2009186026A - 一般住宅における簡易空調方法 - Google Patents

Abstract

【課題】用いる機器がコンパクトで構成簡易なものであって、機器自体のコストが極めて低廉で、その設置のために格別の工事を要さず、しかも僅かな電気代にて、冬期には暖かく、夏期には涼しい良好な室内環境の実現を可能にする、一般住宅における簡易空調方法を提供することを課題とする。
【解決手段】住宅上層部に微小加圧空気２を供給することによって当該上層部を下層部より高圧化し、以て室１内に緩やかな下降気流３を起こさせることを特徴とする一般住宅における簡易空調方法である。前記微小加圧空気２の供給は、屋根裏５、天井６又は室１内上部等の住宅上層部の一個所又は数個所に、小出力のエアポンプ４を配することにより行うことができる。
【選択図】図１

Description

本発明は、一般住宅における室内の空調を、格別の装置や設置工事を伴うことなく、簡易且つ低コストな方法にて手軽に行うことができる、一般住宅における簡易空調方法に関するものである。

一般住宅においては、太陽熱の影響で屋根裏、天井、室内上層部が温められて蓄熱される。その結果、室内には常時微量の上昇気流が生じており、それが冬期には冷たい外気を、また、夏期には暑い外気を室内に引き込む要因となっている。

一般に、室内の冷暖房のために各種ストーブ、ヒーター、エアコン等が用いられているが、そのためには機器自体のコスト、その設置工事のコスト、並びに、燃料費、電気代等がかかるという問題があり、また、室内の空気を汚すといった問題もある。
特開平１０−１１０９７２号公報

従来の室内環境並びに室内空調には、上記のような問題があったことに加え、本発明者は、就寝時においては体温によって布団内が温められ、その温められた空気が上昇気流を惹起し、これが隙間風を誘引して肩口や足先を冷やすとの知見を得て、本発明をなすに至ったものである。即ち、本発明は、用いる機器がコンパクトで構成簡易なもので、それ自体のコストがきわめて低廉で、その設置のために格別の工事を要さず、しかも僅かな電気代にて、冬期には暖かく、夏期には涼しい良好な室内環境の実現を可能にする一般住宅における簡易空調方法を提供することを課題とする。

上記課題を解決するための請求項１に記載の発明は、住宅上層部に微小加圧空気を供給することによって当該上層部を下層部より高圧化し、以て室内に緩やかな下降気流を起こさせることを特徴とする一般住宅における簡易空調方法である。前記微小加圧空気の供給は、屋根裏、天井又は室内上部等の住宅上層部の一個所又は数個所に小出力のエアポンプを配することにより行うことができる。

本発明に係る方法は、住宅内の上層部に微小加圧空気を供給することによって室内に緩やかな下降気流を起こさせる、即ち、住宅内上層部に微小加圧空気を供給することによって、住宅内上層部に下層部並びに室外よりも少し高圧の空気層を生成し、以て天井等の隙間から、冬期には太陽熱によって温められた屋根裏の暖気を室内に導入させると共に冷たい外気の流入を抑えることができ、夏期には、太陽熱が屋根、壁、断熱材等によって遮られるために外気温よりも低くなっている屋根裏の空気を室内に導入すると共に暑い外気の流入を抑えることができ、以て住宅内の居住環境を快適なものとすることができる効果がある。

また、室内に下降気流を起こさせるための微小加圧空気の供給は、屋根裏等の住宅上層部に小出力のエアポンプを配するという、極めて簡単な装置と方法とによって行うことができるので、手軽に低コストにて室内空調を行い得る効果がある。

本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しつつ説明する。本発明に係る方法は、住宅内上層部に微小加圧空気２を供給することにより、室１内に緩やかな下降気流３を起こさせることを特徴とするものである。微小加圧空気２の供給は、住宅内の上層部、例えば、屋根裏５、室１内の上部、天井等の一個所又は数個所に、小出力のエアポンプ４を設置し、これで以て、周囲の室内空気を加圧することにより行うことができる。

エアポンプ４としては、一般家庭において水槽用に用いられているような、モータでダイヤフラムやベローを駆動するタイプ等の簡易なもので足りる。例えば、５リットル／分
程度のものでよく、この場合の電気代は、月５０円程度である。

このエアポンプ４を屋根裏５に設置して動作させると、屋根裏５内の空気が加圧され、下層の室１内や大気よりも若干高圧になる。その結果、その微小加圧空気２は、天井等の隙間を通って室１内に流下するため、室内に緩やかな下降気流が起こる。

このように本発明に係る方法においては、住宅の上層部に微小な加圧空気２を供給することによって、室１内に緩やかな下降気流を起こさせるが、本発明においてこのようにしたのは、室１内を急に加温したり冷却したりすると、室温と外気温の温度差が大きくなる結果、壁内結露が生じ易くなるためである（なお、給気を機械で行って室内を正圧にする第２種換気は、この壁内結露の問題があるために一般に行われていない。）。

エアポンプ４の動作によって惹起される室１内の緩やかな下降気流３は、冬期は、太陽熱による屋根裏５、壁、断熱材等の蓄熱により温められた空気の流れであり、それは、室１内を暖めると共に、冷たい外気の流入を押さえる作用を果たし、また、それは夏期には、太陽熱が屋根、壁、断熱材等によって遮られることにより外気温よりも低くなっている空気の流れとなり、それは、室１内を冷やすと共に、暑い外気の流入を押さえる作用を果たす。

このように本発明に係る方法によれば、屋根裏５、天井６又は室１内上部に、微小加圧空気を供給することによって室１内に緩やかな下降気流３を発生させ、以て太陽熱に基づく住宅上層部の蓄熱等を、外気温に左右されることなく室内に循環させるので、住宅自体が有する温度エネルギーを有効に活用することができる。そして、下降気流３は緩やかなものであって、室１内上層部と下層部との温度変換は緩やかに自然に行われるため、結露が発生するおそれはない。

また、就寝時においては体温によって布団内が温められ、その温められた空気が上昇気流を惹起し、これが隙間風を誘引して肩口や足先を冷やす原因となっているが、本発明に係る方法を実施すれば、上述した下降気流３によって上昇気流の発生が抑えられるので、温かな状態にて熟睡することが可能となる。

もちろん本発明に係る方法は、単独で実施し得るだけでなく、一般的な冷暖房方法と併用して実施することもでき、その場合は、その冷暖房方法を補助して冷暖房費を節減し得るものである。

この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。

本発明に係る方法を説明するための簡略図である。

符号の説明

１ 室
２ 微小加圧空気
３ 下降気流
４ エアポンプ
５ 屋根裏
６ 天井

Claims (2)

1. 住宅上層部に微小加圧空気を供給することによって当該上層部を下層部より高圧化し、以て室内に緩やかな下降気流を起こさせることを特徴とする一般住宅における簡易空調方法。
2. 前記微小加圧空気の供給を、屋根裏、天井又は室内上部等の住宅上層部の一個所又は数個所に小出力のエアポンプを配することにより行う、請求項１に記載の一般住宅における簡易空調方法。

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