JP2009183289A - ヒトサイトカイン受容体 - Google Patents

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Abstract

【課題】“Zcytor 16”と称する新規受容体、Zcytor 16ポリペプチド及びZcytor 16融合タンパク質、並びにそのようなポリペプチド及びタンパク質をコードする核酸分子、及びそれらの核酸分子及びアミノ酸配列の使用方法の提供。
【解決手段】ヒト由来の特定のアミノ酸配列を有するタンパク質、並びにそのようなポリペプチド及びタンパク質をコードする核酸分子、及びそれらの核酸分子及びアミノ酸配列の使用方法。
【選択図】なし

Description

本発明は一般的に、ヒト細胞により発現される新規タンパク質に関する。特に、本発明は、“Zcytor 16”と称する受容体をコードする新規遺伝子、及びZcytor 16ポリペプチド、及び前記ポリペプチドに対する抗体をコードする核酸分子に関する。
サイトカインは、多くの細胞型の増殖及び分化の調節を包含する種々の生物学的効果を仲介する可溶性の小さなタンパク質である(例えば、Araiなど., Annu. Rev. Biochem. 56: 783 (1990); Mosmann, Curr. Opin. Immunol. 3:311 (1991); Paul and Seder, Cell 76: 241 (1994) を参照のこと)。サイトカイングループを構成するタンパク質は、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子及び他の調節分子を包含する。例えば、ヒトインターロイキン−17は、インターロイキン−6、細胞内付着分子1、インターロイキン−8、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子の発現、及びプロスタグランジンE2発現を刺激し、そしてCD34+造血前駆体の好中球への選択的成熟において役割を演じるサイトカインである。(Yaoなど., J. Immunol. 155: 5483 (1995); Fossiez など., J. Exp. Med. 183: 2593 (1996))。
サイトカインと結合する受容体は典型的には、高い親和性でサイトカインと結合し、そしてこの結合現象を、一定の受容体サブユニットの細胞質部分を通して細胞にトランスダクションする1又は複数の膜内在性タンパク質から構成される。サイトカイン受容体は、それらの細胞外リガンド結合ドメインにおける類似性に基づいて、いくつかのクラスに分類されている。例えば、インターフェロンの結合及び/又はその効果のトランスダクションを担当する受容体鎖は、特徴的な200個の残基の細胞外ドメインに基づいて、タイプIIサイトカイン受容体ファミリーのメンバーである。
サイトカイン及びそれらの受容体の明らかにされたインビボ活性は、他のサイトカイン、サイトカイン受容体、サイトカインアゴニスト及びサイトカインアンタゴニストの臨床学的可能性及びそれらについての必要性を示す。
本発明は、“Zcytor 16”と称する新規受容体を提供する。本発明はまた、Zcytor 16ポリペプチド及びZcytor 16融合タンパク質、並びにそのようなポリペプチド及びタンパク質をコードする核酸分子、及びそれらの核酸分子及びアミノ酸配列の使用方法を提供する。
1.概観:
Zcytor 16をコードする実例のヌクレオチド配列は、配列番号1及び37により提供される。コードされるポリペプチドは、次ぎのアミノ酸配列を有する:
Figure 2009183289
前記231個のアミノ酸ポリペプチドは、新規クラスIIサイトカイン受容体のサイトカイン−結合ドメインとしても呼ばれる細胞外ドメインを表す。Zcytor16ポリペプチドの特徴は、配列番号2のアミノ酸残基1〜21、又は1〜22(配列番号38においても示される)での推定上のシグナル配列、及び配列番号2の残基23〜231又は23〜231からの成熟可溶性受容体ポリペプチドを包含する。前記受容体は、配列番号2のアミノ酸残基32〜123(フィブロネクチンIIIドメインI)、及び132〜230(フィブロネクチンIIIドメインII)含んで成るクラスIIサイトカイン受容体ファミリーの特徴を示す、免疫グロブリンスーパーファミリー(Ig)ドメインとも呼ばれる2種のフィブロネクチンIIIドメイン、及びIgドメイン間に存在するリンカー(すなわち、配列番号2のアミノ酸残基128〜131での)を有する。
従って、本発明の分子は、配列番号2のアミノ酸32〜230を含んで成るサイトカイン結合ドメインを含むポリペプチドを包含する。さらに、Zcytor16ポリペプチドの追加の変異体は、配列番号2のアミノ酸残基28〜123、23〜123、22〜123、又は32〜127、28〜127、23〜127、22〜127(フィブロネクチンIIIドメインI)、及び132〜230又は231(フィブロネクチンIIIドメインII)を含んで成るポリペプチド、及びIgドメイン間に存在するリンカー(すなわち、配列番号2のアミノ酸残基124〜131又は128〜131での)を包含する。従って、本発明の分子は、配列番号2のアミノ酸22、23又は28〜132〜230又は231を含んで成るサイトカイン結合ドメインを含むポリペプチドを包含する。
さらに、Zcytor16は、クラスIIサイトカインの特徴を示す次の保存されたモチーフ及び残基を含む:配列番号2の残基220〜223からのSXWS(配列番号46)−様モチーフ;配列番号2の残基47, 72及び114での保存されたトリプトファン残基;及び配列番号2の残基78, 86, 206及び227での保存されたシステイン残基。Zcytor16遺伝子は、単球、リンパ球、胎盤、脾臓、扁桃及び他の組織において発現され、そしてヒト染色体6q23-q24に存在する。開始メチオニン(配列番号37のヌクレオチド237)の上流に、脊椎動物において翻訳に特有なコンセンサスKozak配列に包含される停止コドン(TGA)を含む5’側未翻訳領域(UTR)(配列番号37のヌクレオチド1〜236)を含む、十分な長さのmRNA及び従ってcDNAが、配列番号37で示される。さらに、3’側UTR(配列番号37のヌクレオチド933〜1610)は、mRNA安定性モチーフ(例えば、配列番号37のヌクレオチド1458〜1465)及びポリA末端を含む。
下記のように、本発明は、(a)アミノ酸残基28〜127;(b)アミノ酸残基132〜231;(c)アミノ酸残基28〜231; (d)アミノ酸残基23〜230;(e)アミノ酸残基23〜231;及び(f)アミノ酸残基22〜230;(g)アミノ酸残基22〜231;及び(h)アミノ酸残基1〜231から成る群から選択された、配列番号2の対照アミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチドを提供し、ここで前記単離されたポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプチドと特異的に結合する抗体と特異的に結合する。
例示的ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜231又は配列番号2のアミノ酸残基28〜231のいずれかを含んで成るポリペプチドを包含する。さらに、本発明はまた、IL−TIF(例えば、配列番号15で示されるようなヒトIL−TIFポリペプチド配列)を結合する、上記に開示されるような単離されたポリペプチドを提供する。ヒトIL−TIFポリヌクレオチド配列は、配列番号14で示される。
本発明はまた、(a)アミノ酸残基28〜127;(b)アミノ酸残基132〜231;(c)アミノ酸残基28〜231; (d)アミノ酸残基23〜230;(e)アミノ酸残基23〜231;及び(f)アミノ酸残基22〜230;(g)アミノ酸残基22〜231;及び(h)アミノ酸残基1〜231から成る群から選択された、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。例示的ポリペプチドは、アミノ酸残基(a)〜(h)を含むか、又はそれらから成るポリペプチドを包含する。さらに、本発明はまた、IL−TIFを結合する、上記に例示されるような単離されたポリペプチドを提供する。
本発明はまた、本発明はまた、変異体Zcytor 16ポリペプチドを包含し、ここで前記変異体ポリペプチドのアミノ酸配列は、少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は95%以上の同一性から成る群から選択された、配列番号2のアミノ酸残基22〜231、又は28〜231との同一性を共有し、そして前記変異体ポリペプチドのアミノ酸配列と配列番号2のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異は1又は複数の保存性アミノ酸置換によるものである。さらに、本発明はまた、IL−TIFを結合する、上記に開示されるような単離されたポリペプチドを提供する。
本発明はさらに、そのようなポリペプチドと特異的に結合する抗体及び抗体フラグメントを提供する。典型的な抗体は、ポリクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体、ネズミモノクローナル抗体に由来するヒト型化抗体及びヒトモノクローナル抗体を包含する。例示的な抗体フラグメントは、F(ab’)2, F(ab)2, Fab’, Fab ,Fv, scFv及び最少認識単位を包含する。本発明はさらに、キャリヤー、及び本明細書に記載されるペプチド、ポリペプチド、又は抗体を含んで成る組成物を提供する。
本発明はまた、(a)配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、(b)配列番号2のアミノ酸残基22−231又は配列番号2のアミノ酸残基28−231のいずれかを含んで成るアミノ酸配列をコードする核酸分子、及び(c)配列番号1のヌクレオチド64又は82〜690又は693のヌクレオチド配列又は配列番号1のヌクレオチド64又は82〜690又は693の補体を含んで成る核酸分子に対して、緊縮洗浄条件下でハイブリダイズされたまま存続する核酸分子から成る群から選択された、Zcytor16ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。
例示的な核酸分子は、核酸分子(c)によりコードされるアミノ酸配列と配列番号2のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異が保存性アミノ酸置換のためであるそれらの核酸を包含する。本発明はさらに、配列番号1のヌクレオチド64、67、82、又は94〜690又は693を含んで成る単離された核酸分子にも関する。さらに、本発明はまた、IL−TIFを結合する、上記に開示されるような単離されたポリヌクレオチドを提供する。
本発明はまた、そのような核酸分子を含んで成るベクター及び発現ベクターを包含する。そのような発現ベクターは、転写プロモーター及び転写ターミネーターを含んで成り、ここで前記プロモーターが前記核酸分子に作用可能に連結され、そして前記核酸分子が転写ターミネーターに作用可能に連結される。本発明はさらに、それらのベクター及び発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞及び組換えウィルスを包含する。例示的な宿主細胞は、細菌、酵母、菌類、昆虫、哺乳類、及び植物細胞を包含する。そのような発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞は、発現ベクターを含んで成り、そしてZcytor 16タンパク質を生成するそのような組換え宿主を培養し、そして任意には、その培養された宿主細胞からZcytor 16タンパク質を単離することによって、Zcytor 16ポリペプチドを調製するために使用され得る。
さらに、本発明は、医薬的に許容できるキャリヤー、及び少なくとも1つのそのような発現ベクター、又はそのような発現ベクターを含んで成る組換えウィルスを含んで成る医薬組成物を提供する。本発明はさらに、医薬的に許容できるキャリヤー及び本明細書に記載されるポリペプチドを含んで成る医薬組成物を包含する。
本発明はまた、生物学的サンプルにおけるZcytor 16 RNAの存在を検出するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)Zcytor 16核酸プローブと、(i)前記生物学的サンプルから単離された試験RNA分子、又は(ii)前記単離されたRNA分子から合成された核酸分子のいずれかとを、ハイブリダイゼーション条件下で接触せしめ、ここで前記プローブが、配列番号1のヌクレオチド配列の一部、又はその相補体から成るヌクレオチド配列を含んで成り;そして(b)前記核酸プローブ、及び前記試験RNA分子又は合成された核酸分子のいずれかのハイブリッドの形成を検出し、ここで前記ハイブリッドの存在が前記生物学的サンプルにおけるZcytor 16 RNAの存在を示す。例えば、適切なプローブは、次の配列番号1のヌクレオチド配列から成る:ヌクレオチド64、67、82又は94〜690又は693;ヌクレオチド64、67、82又は94〜369または381;394〜690;及びヌクレオチド1〜690又は693。他の適切なプローブは、それらのヌクレオチド配列の補体、又は前記ヌクレオチド配列又はそれらの補体の一部から成る。
本発明はさらに、生物学的サンプルにおけるZcytor 16の存在を検出するための方法を提供し、ここで前記方法は、(a)前記生物学的サンプルと、配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプチドと特異的に結合する抗体、又は抗体フラグメントとを接触せしめ、ここで前記接触が、前記生物学的サンプルへの前記抗体又は抗体フラグメントの結合を可能にする条件下で行われ、そして(b)前記結合された抗体又は結合された抗体フラグメントのいずれかを検出する段階を含んで成る。そのような抗体又は抗体フラグメントはさらに、放射体同位体、蛍光ラベル、化学ルミネセントラベル、酵素ラベル、生物ルミネセントラベル及びコロイド状金から成る群から選択された検出できるラベルを含んで成る。
本発明はまた、それらの検出方法を行うためのキットを提供する。例えば、Zcytor 16遺伝子発現の検出のためのキットは、核酸分子を含んで成る容器を含んで成り、ここで前記核酸分子は、(a)配列番号1のヌクレオチド64、67、82、又は94〜693のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、(b)配列番号1のヌクレオチド配列のヌクレオチド64、67、82、又は94〜693の補体を含んで成る核酸分子、(c)少なくとも8個のヌクレオチドから成る(a)のフラグメントである核酸分子、及び(d)少なくとも8個のヌクレオチドから成る(b)のフラグメントである核酸分子から成る群から選択される。そのようなキットはまた、核酸分子の存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器を含んで成る。他方では、Zcytor 16タンパク質の検出のためのキットは、配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプチドと特異的に結合する、抗体又は抗体フラグメントを含んで成る容器を含んで成る。
本発明はまた、配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプチドを特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを特異的に結合する、抗−イディオタイプ抗体又は抗−イディオタイプ抗体フラグメントも企画する。典型的な抗−イディオタイプ抗体は、配列番号2のアミノ酸残基22〜231、又は28〜231から成るポリペプチドを特異的に結合する抗体と結合する。
本発明はさらに、Zcytor 16分泌シグナル配列をコードするヌクレオチド配列、及び生物学的活性のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離された核酸分子を包含し、ここで前記Zcytor 16分泌シグナル配列は、配列番号2の残基1〜21のアミノ酸配列を含んで成る。生物学的活性のポリペプチドは、第VIIa因子、プロインスリン、インスリン、卵胞刺激ホルモン、組織型プラスミノーゲン活性化因子、腫瘍壊死因子、インターロイキン、コロニー刺激因子、インターフェロン、エリトロポエチン、及びトロンボポエチンを包含する。さらに、本発明は、Zcytor 16分泌シグナル配列及びポリペプチドを含んで成る融合タンパク質を提供し、ここで前記Zcytor 16分泌シグナル配列は、配列番号2の残基1〜21のアミノ酸配列を含んで成る。
本発明はまた、Zcytor 16ポリペプチド及び免疫グロブリン成分を含んで成る融合タンパク質を提供する。そのような融合タンパク質においては、免疫グロブリン成分は、免疫グロブリンH鎖不変領域、例えばヒトFcフラグメントであり得る。本発明はさらに、そのような融合タンパク質をコードする単離された核酸分子を包含する。
本発明はまた、Zcytor16細胞外ドメインを含んで成る、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体を提供する。そのような受容体は可溶性であるか、又は膜結合され、そしてZcytor16 リガンド、IL−TIF(例えば、配列番号15に示されるようなヒトIL−TIF)のアンタゴニストとして作用する。好ましい態様においては、そのような受容体は、配列番号2のアミノ酸22〜231、又は22〜210を含んで成る少なくとも1つのZcytor16細胞外ドメインポリペプチドを含んで成る可溶性受容体である。本発明はさらに、そのような受容体ポリペプチドをコードする単離された核酸分子も包含する。
本発明はまた、Zcytor16細胞ドメイン、例えば上記に記載されるそれらのドメインを含んで成る、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体に対するポリクローナル及びモノクローナル抗体を提供する。さらに、Zcytor16リガンド、IL−TIF(配列番号15)、すなわちZcytor16受容体経の結合を拮抗するそのような抗体が使用され得る。
本発明はまた、患者における遺伝子異常性を決定するための方法を提供し、ここで患者から遺伝子サンプルを得;配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記遺伝子サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下でインキュベートすることによって、第1反応生成物を生成し;前記第1反応生成物を可視化し;そして野生型患者からの対照反応生成物に、前記第1反応生成物を比較し、前記第1反応生成物と前記対照反応生成物との間の差異が患者における遺伝子異常性の表示である。
本発明はまた、患者における癌を検出するための方法を提供し、ここで患者から組織又は生物学的サンプルを得;前記組織又は生物学的サンプルを、請求項16記載の抗体と共に、前記抗体が前記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに結合する条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体を可視化し;そして正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおける結合される抗体のレベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇が前記患者における癌の表示である。
本発明はまた、患者における癌を検出するための方法を提供そ、ここで患者から組織又は生物学的サンプルを得;配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし;前記組織又は生物学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを可視化し;そして正常な対照組織又は生物学的サンプルに対して、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおけるラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのレベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに比較して、前記患者組織又は生物学的サンプルに対するラベルにされたポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションの上昇が前記患者における癌の表示である。
本発明のそれらの及び他の観点が、次の特定の記載に基づいて明らかに成るであろう。さらに、種々の文献が下記に同定され、そして引用により組み込まれる。
2.定義:
次の記載においては、多くの用語が広範囲に使用される。次の定義は、本発明の理解を促進するために提供される。
本明細書において使用される場合、“核酸”又は“核酸分子”とは、ポリヌクレオチド、例えばデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により生成されるフラグメント、及び連結、切断、エンドヌクレアーゼ作用及びエキソヌクレアーゼ作用のいずれかにより生成されるフラグメントを言及する。核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド(例えばDNA及びRNA)、又は天然に存在するヌクレオチドの類似体(例えば天然に存在するヌクレオチドのα−鏡像異性体形)、又は両者の組み合わせであるモノマーから構成され得る。修飾されたヌクレオチドは、糖成分において、及び/又はピリミジン又はプリン塩基成分において変更を有することができる。
糖修飾は、ハロゲン、アルキル基、アミン及びアジド基による1又は複数のヒドロキシル基の置換を包含し、又は糖はエーテル又はエステルとして機能され得る。さらに、全糖成分は、立体的に及び電子的に類似する構造体、例えばアザ−糖及びカルボン酸糖類似体により置換さえ得る。塩基成分における修飾の例は、アルキル化されたプリン及びピリミジン、アシル化されたプリン又はピリミジン、又は他の良く知られている複素環式置換基を包含する。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合又はそのような結合の類似体により結合さえ得る。ホスホジエステル結合の類似体は、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホラニリデート、ホスホラミデート、及び同様のものを包含する。用語“核酸分子”とはまた、いわゆる、ポリアミド主鎖に結合される天然に存在するか又は修飾された核酸塩基を含んで成る“ペプチド核酸”も包含する。核酸は一本鎖又は二本鎖のいずれかであり得る。
用語“核酸分子の相補体”とは、相補的ヌクレオチド配列、及び対照ヌクレオチド配列に比較して逆の配向を有する核酸分子である。例えば、配列5’ ATGCACGGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。
用語“コンチグ(contig) ”とは、他の核酸分子に対する一連の連続した同一の又は相補的な配列を有する核酸分子を示す。連続した配列とは、核酸分子の全体において、又はその一部に沿って、一定の長さの核酸分子を“オーバーラップ”すると言われる。
用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオチドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAspをコードする)。
用語“構造遺伝子”とは、特定のポリペプチドの特徴のアミノ酸の配列に翻訳されるメッセンジャーRNA(mRNC)に転写される核酸分子を言及する。
“単離された核酸分子”とは、生物のゲノムDNAに組み込まれない核酸分子である。例えば、細胞のゲノムDNAから分離された成長因子をコードするDNA分子が、単離されたDNA分子である。単離された核酸分子のもう1つの例は、生物のゲノムに組み込まれない、化学的に合成された核酸分子である。特定の種から単離された核酸分子は、その種からの染色体の完全なDNA分子よりも小さい。
“核酸分子構造体”とは、天然においては存在しない配置で組み合わされ、そして並置された核酸のセグメントを含むようヒト介在を通して修飾された−本鎖又は二本鎖の核酸分子である。
“線状DNA”とは、遊離5’及び3’及び末端を有する非環状DNA分子を示す。線状DNAは、閉環DNA分子、例えばプラスミドから、酵素消化又は物理的な破壊により調製され得る。
“相補的DNA(cDNA)”とは、逆転写酵素によりmRNA鋳型から形成される一本鎖DNA分子である。典型的には、mRNAの一部に対して相補的なプライマーは、逆転写の開始のために使用される。当業者はまた、そのような一本鎖DNA分子及びその相補的DNA鎖から成る二本鎖DNA分子を言及するために用語“cDNA”を用いる。用語“cDNA”はまた、RNA鋳型から生成されたcDNA分子のクローンも言及する。
“プロモーター”とは、構造遺伝子の転写を方向づけるヌクレオチド配列である。典型的には、プロモーターは、構造遺伝子の転写開始部位に最も近い、遺伝子の5’非コードに領域位置する。転写の開始において機能するプロモーター内の配列要素は、しばしば、コンセンサスヌクレオチド配列により特徴づけられる。それらのプロモーター要素は、RNAポリメラーゼ結合部位、TATA配列、CAAT配列、分化−特異的要素(DSE:McGeheeなど., Mol. Endocrinol. 7: 511 (1993))、サイクリックのAMP応答要素(CRE)、血清応答要素(SRE:Treisman, Seminars in Cancer Biol. 1: 47 (1990))、グルココルチコイド応答要素(GRE)及び他の転写因子のための結合部位、例えばCRE/ATF(O’Reillyなど., J. Biol. Chem. 267: 19938 (1992))、AP2 (Yeなど., J. Biol. Chem. 269: 25728 (1994)), SP1, cAMP応答要素結合タンパク質(CREB;Loeken, Gene Expr. 3: 253 (1993))、及びオクタマー因子(一般的には、Watsonなど., eds., Molecular Biology of the Gene, 4th ed. (The Benjamin Kummings Publishing Company, Inc. 1987), and Lemaigre and Rousseau, Biochem. J. 303: 1 (1994))を包含する。プロモーターが誘発プロモーターである場合、転写の速度は誘発剤に応答して上昇する。対照的に、転写の速度は、プロモーターが構成プロモーターである場合、誘発剤により調節されない。抑制できるプロモーターはまた知られている。
“コアプロモーター”は、TATAボックス及び転写の開始を包含するプロモーター機能のための必須ヌクレオチド配列を含む。この定義によれば、コアプロモーターは、活性を増強し又は組織特異的活性を付与することができる特定の配列の不在下で検出できる活性を有しても又は有さなくても良い。
“調節要素”は、コアプロモーターの活性を調節するヌクレオチド配列である。例えば、調節要素は、特定の細胞、組織又はオルガネラにおいて独占的に又は選択的に転写を可能にする細胞因子と結合するヌクレオチド配列を含むことができる。それらのタイプの調節要素は通常、“細胞−特異的”、“組織−特異的”、又は“オルガネラ−特異的”態様で発現される遺伝子に結合されている。
“エンハンサー”は、転写の開始部位に対してエンハンサーの距離又は配向に関係なく、転写の効率を高めることができるタイプの調節要素である。
“異種DNA”とは、所定の宿主細胞内に天然において存在しない、DNA分子又はDNA分子の集団を言及する。特定宿主細胞に対して異種であるDNA分子は、宿主DNAが非宿主DNA(すなわち、外来性DNA)と組み合わされる限り、宿主細胞種(すなわち、内因性DNA)に由来するDNAを含むことができる。例えば、転写プロモーターを含んで成る宿主DNAセグメントに作用可能に連結されるポリペプチドをコードする非宿主DNAセグメントを含むDNA分子は、異種DNA分子であると思われる。逆に言えば、異種DNA分子は、外来プロモーターと作用可能に連結される内因性遺伝子を含むことができる。もう1つの例として、野生型細胞に由来する遺伝子を含んで成るDNA分子は、そのDNA分子が野生型遺伝子を欠いている突然変異細胞中に導入される場合、異種DNAであると思われる。
“ポリペプチド”とは、天然又は合成的に生成されても、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約10個よりも少ないアミノ酸残基のポリペプチドは通常、“ペプチド”として言及される。
“タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子である。タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる。炭水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付加され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ酸主鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
非宿主DNA分子によりコードされるペプチド又はポリペプチドは“異種”ペプチド又はポリペプチドである。
“組み込まれた遺伝子要素”とは、その要素がヒト操作を通して細胞中に導入された後、宿主細胞の染色体中に組み込まれているDNAのセグメントである。本発明においては、組み込まれた遺伝子要素は通常、エレクトロポレーション又は他の技法により細胞中に導入される線状化されたプラスミドに由来する。組み込まれた遺伝子要素は、元の宿主細胞からその子孫に通過される。
“クローニングベクター”は、宿主細胞において自律的に複製する能力を有する、核酸分子、例えばプラスミド、コスミド、又はバクテリオファージである。クローニングベクターは典型的には、ベクターの必須の生物学的機能を失わないで、決定できる態様で核酸分子の挿入を可能にする1又は少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位、及びクローニングベクターにより形質転換された細胞の同定及び選択への使用のために適切であるマーカー遺伝子をコードするヌクレオチド配列を含む。マーカー遺伝子は典型的には、テトラサイクリン耐性又はアンピシリン耐性を付与する遺伝子を含む。
“発現ベクター”は、宿主細胞において発現される遺伝子をコードする核酸分子である。典型的には、発現ベクターは、転写プロモーター、遺伝子及び転写ターミネーターを含む。遺伝子発現は通常、プロモーターの制御下に配置され、そしてそのような遺伝子はプロモーターに“作用可能に結合される”と言われる。同様に、調節要素及びコアプロモーターは、調節要素がコアプロモーターの活性を調節する場合、作用可能に連結される。
“組換え宿主”とは、異種核酸分子、例えばクローニングベクター又は発現ベクターを含む細胞である。本明細書においては、組換え宿主の例は、発現ベクターからZcytor 16を生成する細胞である。対照的に、Zcytor 16は、Zcytor 16の“天然源”であり、そして発現ベクターを欠いている細胞により生成さえ得る。
“インテグレイティブ組換え体”は、異種DNAが細胞ゲノムDNA中に組み込まれるようになる組換え宿主細胞である。
“融合タンパク質”は、少なくとも2つの遺伝子のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子により発現されるハイブリッドタンパク質である。例えば、融合タンパク質は、親和性マトリックスを結合するポリペプチドにより融合されるZcytor 16ポリペプチドの少なくとも一部を含むことができる。そのような融合タンパク質は、親和性クロマトグラフィーを用いて、多量のZcytor 16を単離するための手段を提供する。
用語“受容体”とは、“リガンド”と称する生物活性分子に結合する、細胞結合されたタンパク質を示す。この相互作用は、細胞に対するリガンドの効果を介在する。受容体は、膜結合されたシトソール又は核;モノマー(例えば、胸腺刺激性ホルモン受容体、β−アドレナリン作用受容体)又はマルチマー(例えば、PDGF受容体、成長ホルモン受容体IL−3受容体、GM−CSF受容体、G−CSF受容体、エリトロポエチン受容体及びIL−6受容体)であり得る。膜結合された受容体は、細胞外リガンド−結合ドメイン、及び典型的には、シグナルトランスダクションに関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多−ドメイン構造により特徴づけられる。一定の膜結合された受容体においては、細胞外リガンド−結合ドメイン及び細胞内エフェクタードメインは、完全な機能的受容体を含んで成る別々のポリペプチドに位置する。
一般的に、受容体へのリガンドの結合は、細胞の代謝における変更を導く、細胞におけるエフェクタードメインと他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体のコンホメーション変化をもたらす。受容体−リガンド相互作用にしばしば連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクリックAMPを生成の上昇、細胞カルシウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付着、イノシトール脂質の加水分解及びリン脂質の加水分解を包含する。
“可溶性受容体”とは、細胞膜に結合されない受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、最も通常には、トランスメンブラン及び細胞質ドメイン、及び例えば、糖ホスホイノシトール(gpi)を通しての細胞膜への他の連鎖を欠いているリガンド−結合受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、追加のアミノ酸残基、例えばポリペプチドの精製を提供するか、又は基質へのポリペプチドの結合のための部位を提供する親和性標識、又は免疫グロブリン不変領域配列を含むことができる。多くの細胞−表面受容体は、タンパク質加水分解により生成されるか又は他のスプライシングされたmRNAから翻訳される、天然に存在する可溶性カウンターパートを有する。
適切な受容体は、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーであり得、そしてマルチマー受容体は一般的に、9個以上のサブユニットを含まず、好ましくは6個以上のサブユニットを含まず、そして最も好ましくは、3個以上のサブユニットを含まない。受容体ポリペプチドは、それらがそれぞれ、膜固定化又はシグナルトランスダクションを提供するそれらのセグメントの十分な部分を欠いている場合、トランスメンブラン及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に有さないと言われる。クラスI及びクラスIIサイトカイン受容体の可溶性受容体は一般的に、トランスメンブランドメイン及び細胞内ドメインを有さない細胞外サイトカイン結合ドメインを含んで成る。
例えば、代表的な可溶性受容体は、配列番号35で示されるようなCRF2−4(Genbank受託番号第Z17227号)についての可溶性受容体;配列番号36で示されるようなIL−10R(Genbank受託番号第U00672号及びNM001558号)についての可溶性受容体;及び配列番号34で示されるようなzcytor11(アメリカ特許第5,965,704号)についての可溶性受容体を包含する。既知のクラスI又はクラスIIサイトカイン配列がトランスメンブランドメイン及び細胞内ドメインを有さない細胞外サイトカイン結合ドメインを含んで成ることを明確に記載することは、当業者のレベルの範囲内である。さらに、当業者は、遺伝子コードを用いて、そのような受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを容易に決定することができる。
用語“分泌シグナル配列”とは、それが合成される細胞の分泌路を通してより大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向づけるペプチド(“分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポリペプチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常分解される。
“単離されたポリペプチド”は、汚染性細胞成分、例えば炭水化物、脂質又は天然においてポリペプチドに関連している他のタンパク質性不純物を実質的に含まないポリペプチドである。典型的には、単離されたポリペプチドの調製物は、高く精製された形で、すなわち少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、95%以上の純度、又は99%以上の純度でポリペプチドを含む。特定のタンパク質調製物が単離されたポリペプチドを含むことを示すための1つの手段は、タンパク質調製物のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びゲルのクーマシーブルー染色によるシングルバンドの出現によるものである。しかしながら、用語“単離された”とは、他の物理形、例えばダイマー又は他のグリコシル化された又は誘導体化された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
用語“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の位置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それらの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末端側に位置する一定の配列は、その対照配列のカルボキシル末端に隣接して位置するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではない。
用語“発現”とは、遺伝子生成物の生合成を言及する。例えば、構造遺伝子においては、発現はmRNAへの構造遺伝子の転写及び1又は複数のポリペプチドへのmRNAの翻訳を包含する。
用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライシング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写されるいくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるポリペプチドを示すために本明細書において使用される。
本明細書において使用される場合、用語“イムノモジュレータ−”とは、サイトカイン、幹細胞成長因子、リンフォトキシン、同時−刺激分子、造血因子及びそれらの分子の合成類似体を包含する。
用語“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有的に会合される安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプテン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
“抗−イディオタイプ抗体”とは、免疫グロブリンの可変領域ドメインと結合する抗体である。本明細書においては、抗−イディオタイプの抗体は、抗−Zcytor 16抗体の可変領域と結合し、そして従って、抗−イディオタイプ抗体はZcytor 16のエピトープを模倣する。
“抗体フラグメント”は、抗体の一部、例えばF(ab’)2, F(ab)2, Fab’, Aab及び同様のものである。構造に関係なく、抗体フラグメントは、損なわれていない抗体により認識される同じ抗原と結合する。例えば、抗−Zcytor 16モノクローナル抗体フラグメントは、Zcytor 16のエピトープと結合する。
用語“抗体フラグメント”はまた、特定の抗原に結合する、合成の又は遺伝的に構築されたポリペプチド、例えばL鎖可変領域から成るポリペプチド、H及びL鎖の可変領域から成る“Fv”フラグメント、L及びH鎖可変領域がペプチドリンガーにより連結されている組換え一本鎖ポリペプチド分子(“svFvタンパク質”)、及び超可変領域を模倣するアミノ酸残基から成る最少認識単位を包含する。
“キメラ抗体”は、囓歯動物抗体に由来する種々のドメイン及び相補的決定領域を含む組換えタンパク質であるが、ところが抗体分子の残りはヒト抗体に由来する。
“ヒト型化抗体”は、モノクローナル抗体のネズミ相補的決定領域がネズミ免疫グロブリンのH及びL可変鎖からヒト可変ドメインに移行されている組換えタンパク質である。
本明細書において使用される場合、“治療剤”は、治療のために有用である接合体を生成するために抗体成分に接合される分子又は原子である。治療剤の例は、薬剤、毒素、イムノモジュレーター、キレート化剤、硼素化合物、光活性剤又は染料、及び放射生同位体を包含する。
“検出できるラベル”は、診断のために有用な分子を生成するために抗体成分に接合され得る分子又は原子である。検出できるラベルの例は、キレート化剤、光活性剤、放射性同位体、蛍光剤、常磁性イオン又は他のマーカー成分を包含する。
“親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質への第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタンパク質が親和性標識として使用され得る。親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA (Nilsson など., EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991), グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 1988), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1210, 1988)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメインを包含する。一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107, 1991を参照のこと。親和性標識をコードする核酸分子は、商品供給者(例えばPharmacia Biotech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New England Biolabs, Beverly, MA)から入手できる。
“裸の抗体”は、抗体フラグメントに対立するものとして、治療剤により接合されない完全な抗体である。裸の抗体は、ポリクローナル及びモノクローナル抗体、並びに一定の組換え抗体、例えばキメラ性及びヒト型化抗体を包含する。
本明細書において使用される場合、用語“抗体成分”は、完全な抗体及び抗体フラグメントの両者を包含する。
“免疫接合体”は、治療剤又は検出できるラベルと抗体成分との接合体である。
本発明において使用される場合、用語“抗体融合タンパク質”とは、抗体成分及びZcytor 16ポリペプチド成分を含んで成る組換え分子を言及する。抗体融合タンパク質の例は、Zcytor 16細胞ドメイン、及びFcドメイン又は抗原−結合領域のいずれかを含んで成るタンパク質を包含する。
“標的ポリペプチド”又は“標的ペプチド”は、少なくとも1つのエピトープを含み、そして標的細胞、例えば腫瘍細胞、又は感染剤抗原を担持する細胞上で発現されるアミノ酸配列である。T細胞は、標的ポリペプチド又は標的ペプチドに、主要組織適合性複合体分子により提供されるペプチドエピトープを認識し、そして典型的には、標的細胞を溶解し、又は標的細胞の例に他の免疫細胞を補充し、それにより標的細胞を殺害する。
“抗原性ペプチド”は、T細胞により認識されるMHC−ペプチド複合体を形成するために、主要組織適合複合体分子を結合し、それにより、T細胞への提供に基づいて細胞毒性リンパ球応答を誘発するペプチドである。従って、抗原性ペプチドは、適切な主要組織適合性複合体分子に結合し、そして細胞毒性T細胞応答、例えば抗原を結合するか又は発現する標的細胞に対する細胞溶解又は特異的サイトカイン開放を誘発することができる。抗原性ペプチドは、抗原提供細胞又は標的細胞上に、クラスI又はクラスII主要組織適合性複合体分子に関して結合され得る。
真核生物においては、RNAポリメラーゼIIは、mRNAを生成するために構造遺伝子の転写を触媒する。核酸分子はRNAポリメラーゼII鋳型を含むより企画され、ここでRNA転写体は特定のmRNAの配列に対して相補的である配列を有する。RNA転写体は、“アンチセンスRNA”と呼ばれ、そしてアンチセンスRNAをコードする核酸分子は“アンチセンス遺伝子”と呼ばれる。アンチセンスRNA分子は、mRNA分子に結合することができ、mRNA翻訳の阻害をもたらす。
“Zcytor 16に対して特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド”又は“Zcytor 16アンチセンスオリゴヌクレオチド”は、(a)Zcytor 16遺伝子の一部と共に安定した三量体を形成できるか、又は(b)Zcytor 16遺伝子のmRNA転写体の一部と共に安定した二量体を形成できる配列を有するオリゴヌクレオチドである。
“リボザイム”は、触媒中心を含む核酸分子である。この用語は、RNA酵素、自己スプライシングRNA、自己分解性RNA及びそれらの触媒機能を行う核酸分子を包含する。
“外部案内配列”は、細胞内mRNAの特定種に内因性リボザイム、すなわちRNアーゼPを方向づけ、RNアーゼPによるmRNAの分解をもたらす核酸分子である。外部案内配列をコードする核酸分子は、“外部案内配列遺伝子”と呼ばれる。
用語“変異体Zcytor 16遺伝子”は、配列番号2の修飾であるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする核酸分子を言及する。そのような変異体は、天然に存在する多型現象のZcytor 16遺伝子、及び配列番号2のアミノ酸配列の保存性アミノ酸置換を含む合成遺伝子を包含する。Zcytor 16遺伝子の追加の変異体形は、本明細書に記載されるヌクレオチド配列の挿入又は欠失を含む核酸分子である。変異体Zcytor 16遺伝子は、その遺伝子が配列番号1のヌクレオチド配列を有する核酸分子、又はその補体と、緊縮条件下でハイブリダイズするかどうかを決定することによって同定され得る。
他方では、変異体Zcytor 16遺伝子は、配列−比較により同定さえ得る。2つのアミノ酸配列は、その2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基が、最大の応答により整列される場合、同じである場合、“100%のアミノ酸配列同一性”を有する。配列比較は、標準のソフトウェアプログラム、例えばDNASTAR(Madison, Wisconsin)により製造されるLASERGENE生物情報コンピューターサイトに包含されるそれらのプログラムを用いて行われ得る。
最適な整列を決定することによって、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列を比較するための他の方法は、当業者に良く知られている(例えば、Peruski and Peruski, The Internet and the New Biology: Tools for Genomic and Molecular Research (ASM Press, Inc. 1997), Wu など. (eds.), “Information Superhighway and Computer Databases of Nucleic Acids and Proteins.” In Methods in Gene Biotechnology, Pages 123-151 (CRC Press. Inc. 1997), 及びBishop (ed.), Guide to Human Genome Computing, 2nd Edition (Academic Press, Inc. 1998) を参照のこと)。配列同一性を決定するための特定の方法は下記に記載される。
変異体Zcytor 16遺伝子又は変異体Zcytor 16ポリペプチドを同定するために使用される特定の方法にもかかわらず、変異体遺伝子又はそれによりコードされるポリペプチドは、その抗−ウィルス又は抗−増殖活性により、又は抗−Zcytor 16抗体に対して特異的に結合する能力により機能的に特徴づけられる。変異体Zcytor 16遺伝子又は変異体Zcytor 16ポリペプチドはまた、本明細書に記載される生物学的又は生化学的アッセイを用いて、そのリガンド、IL−TIFに結合する能力を機能的に特徴づけられ得る。
用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために、本明細書において使用される。対立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされたポリペプチドにおける変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使用される。
用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。
“パラ体(paralogs)”とは、生物によって製造される、異なっているが,しかし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じると思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互いパラ体である。
本発明は、Zcytor 16遺伝子の機能的フラグメントを包含する。本発明においては、Zcytor 16遺伝子の“機能的フラグメント”は、本明細書に記載されるドメインであるか、又は抗−Zcytor 16抗体と少なくとも特異的に結合する、Zcytor 16ポリペプチドの一部をコードする核酸分子を言及する。
標準分析法の不正確さのために、ポリマーの分子量及び長さは、おおよその値であることが理解される。そのような値が“約”X又は“およそ”Xとして表される場合、Xの言及された値は、±10%で正確であると理解されるであろう。
3.Zcytor 16ポリヌクレオチド又は遺伝子の生成:
ヒトZcytor 16遺伝子をコードする核酸分子は、配列番号1又は配列番号37に基づいてのポリヌクレオチドプローブを用いて、ヒトcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。それらの技法は、標準であり、そして十分に確立されている。
例示されるように、ヒトZcytor 16遺伝子をコードする核酸分子は、ヒトcDNAライブラリーから単離され得る。この場合、第1段階は、当業者に良く知られている方法を用いて、組織、例えば扁桃組織からRNAを単離することによって、cDNAライブラリーを調製することである。一般的に、RNA単離技法は、細胞を分解するための方法、RNAのRNアーゼ指図された分解を阻害するための手段、及びDNA、タンパク質及び多糖類汚染物からRNAを分離する方法を提供すべきである。
例えば、全RNAは、液体窒素において組織を凍結し、その凍結された組織を乳針及び乳棒により粉砕し、細胞を溶解し、フェノール/クロロホルムの溶液により前記粉砕された組織を抽出し、タンパク質を除き、そして塩化リチウムによる選択的沈殿によりRNAを残る不純物から分離することによって単離され得る(例えば、Ausubel など., (eds.), Short Protocols in Molecular Biology, 3rd Edition pages4-1〜4-6 (John Wiley& Sons 1995 )[“Ausubel (1995)”]; Wuなど., Methods in Gene Biotechnology, pages33-41 (CRC Press, Inc. 1997 ) [“Wu(1997)”]を参照のこと)。
他方では、全RNAは、粉砕された組織をグアニジニウムイソチオシアネートにより抽出し、有機溶媒により抽出し、そしてRNAを汚染物から示差遠心分離により分離することによって単離され得る(例えば、Chirgwinなど., Biochemistry 18: 52 (1979); Ausubel (1995) P.4-1〜4-6; Wu (1997) P.33-41 を参照のこと)。
cDNAライブラリーを構成するために、ポリ(A)+RNAが全RNA調製物から単離されるべきである。ポリ(A)+RNAは、オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィーの標準技法を用いて、全RNAから単離され得る(例えば、Aviv and Leder, Proc. Natl. Acad.Sci. USA69: 1408 (1972); Ausubel (1995) P. 4-11〜4-12を参照のこと)。
二本鎖cDNA分子は、当業者に良く知られている技法を用いて、ポリ(A)+RNAから合成される(例えば、Wu (1997) P.41-46を参照のこと)。さらに、市販のキットが、二本鎖cDNA分子を合成するために使用され得る。例えば、そのようなキットは、Life Technologies, Inc. (Gaithersburg, MD), CLONTECH Laboratories, Inc. (Palo Alto, CA), Promega Corporation (Madison, WI) 及びSTRATAGENE (La Jolla, CA) から入手できる。
種々のクローニングベクターが、cDNAライブラリーの構成のために適切である。例えば、cDNAライブラリーは、バクテリオファージに由来するベクター、例えばλgt10バクターにおいて調製され得る。例えば、Huynhなど., “Construction and Screening cDNA Libraries in λgt10 and λ11” in DNA Cloning: A Practica Approach Vol. I, Glovar (ed.), page 49 (IRL Press, 1985); Wu (1997) at pages 47-52 を参照のこと。
他方では、二本鎖cDNA分子は、プラスミドベクター、例えばPBLUESCRIPTベクター(STRATAGENE;La Jolla, CA), LAMDAGEM-4 (Promega Corp.) 又は他の市販のベクター中に挿入され得る。適切なクローニングベクターはまた、American Type Culture Collection (Manassas. VA) から入手できる。
クローン化されたcDNA分子を増幅するために、cDNAライブラリーが、標準技法を用いて、原核宿主中に挿入される。例えば、cDNAライブラリーは、例えばLife Technologies, Inc. (Gaithersburg, MD) から得られるコンピテントE.コリDH5又はDH10B細胞中に導入され得る。
ヒトゲノムライブラリーは、当業界において良く知られている手段により調製され得る(例えばAusubel (1995) p. 5-1〜5-6; Wu (1997) p. 307-327を参照のこと)。ゲノムDNAは、界面活性剤Sarkosylにより組織を溶解し、その溶解物をプロテイナーゼKにより消化し、不溶性残骸を溶解物から遠心分離により清浄し、イソプロパノールを用いて溶解物から核酸を沈殿し、そして塩化セシウム密度グラジエント上で再懸濁されたDNAを精製することによって単離され得る。
ゲノムライブラリーの生成のために適切であるDNAフラグメントは、ゲノムDNAのランダム剪断により、又は制限エンドヌクレアーゼによるゲノムDNAの部分消化により得られる。ゲノムDNAフラグメントは、従来の技法、例えば適切な末端を供給するために制限酵素消化の使用、DNA分子の所望しない連結を回避するためにアルカリホスファターゼ処理の使用、及び適切がリガーゼによる連結に従って、ベクター、例えばバクテリオファージ又はコスミドベクター中に挿入され得る。そのような操作のための技法は当業界において良く知られている(例えば、Ausubel (1995) p. 5-1〜5−6; Wu (1997) p. 307-327 を参照のこと)。
他方では、ゲノムライブラリーは、市販源、例えばResearch Genetic (Huntsville, AL) 及びATCC (Marassas, VA) から得られる。
cDNA又はゲノムクローンを含むライブラリーは、標準方法を用いて、配列番号1に基づかれる1又は複数のポリヌクレオチドプローブによりスクリーンされ得る(例えば、Ausubel (1995) p. 6-1〜6-11を参照のこと)。
Zcytor 16遺伝子をコードする核酸分子はまた、本明細書に記載されるように、Zcytor 16遺伝子のヌクレオチド配列に基づくヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーによるポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて得られる。PCRによるライブラリーのスクリーニングの一般的方法は、例えば、Yuなど., “Use of The Polymerase Chain Reaction to Screen Phage Libraries”. In Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols: Current Methods and Application, White (ed.), p.211-215 (Humana Press, Inc. 1993)により提供される。さらに、関連する遺伝子を単離するためへのPCRの使用の技法は、例えばPreston, “Use of Degenerate Oligonucleotide Primers and the Polymerase Chain Reaction to Clone Gene Family Members,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols; Current Metods and Applications. White (ed.), pages 317-337 (Humana Press, Inc. 1993) により記載される。
下記のようにして生成された抗−Zcytor 16抗体はまた、cDNAライブラリーからのZcytor 16遺伝子をコードするDNA配列を単離するためにも使用され得る。例えば、抗体はλgt11発現ライブラリーをスクリーンするために使用され、又は抗体はハイブリッド選択及び翻訳に続くイムノスクリーニングのために使用され得る(例えば、Ausubel(1995)p.6-12〜6-16; Margolis など., “Screening λ expression libraries with untibody and Protein Probes” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など (eds.) p. 1-14 (Oxford University Press 1995) を参照のこと)。
他に、Zcytor 16遺伝子は、お互いプライムする長いオリゴヌクレオチド、及び本明細書に記載されるヌクレオチド配列を用いて、核酸分子を合成することによって得られる(例えば、Ausubel (1995) p.8-8〜8-9を参照のこと)。ポリメラーゼ鎖反応を用いての確立された技法は、少なくとも2kbの長さのDNA分子を合成する能力を提供する(Adang など., Plant Molec. Biol. 21: 1131 (1993). Bambot など., PCR Methods and Applications 2:266 (1993), Dilfon など., “Use of the Polymerase Chain Reaction for the Rapid Constrauction of Synthetic Genes,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols: Current Methods and Applications. White (ed.), Pages 263-268. (Humana Press. Inc. 1993), 及びHolowachukなど., PCR Methods Appl. 4: 299 (1995)。
本発明の核酸分子はまた、ホスホラミジット方法のようなプロトコールを用いて、“遺伝子機会”により合成され得る。化学的に合成される二本鎖DNAが遺伝子又は遺伝子フラグメントの合成のような用途のために必要とされる場合、個々の相補的鎖は別々に製造される。短い遺伝子(60〜80の塩基対)の生成は技術的に簡単であり、そして相補的鎖を合成し、そして次にそれらをアニーリングすることによって達成され得る。しかしながら、長い遺伝子(300以上の塩基対)の生成に関しては、化学的DNA合成の間、個々のサイクルのカップリング効率はめったに100%ではないので、特殊な手段が必要とされる。この問題を克服するために、合成遺伝子(二本鎖)が、20〜100個の長さのヌクレオチドである一本鎖フラグメントからモジュラー形でアセンブルされる。ポリヌクレオチド合成の再考のためには、例えば、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology, Principles and Applications of Recombinant DNA (ASM Press 1994), Itakura など., Annu. Rev. Biochem. 53: 323 (1984), などClimie など., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 87: 633 (1990) を参照のこと。
Zcytor 16cDNA又はZcytor 16ゲノムフラグメントの配列は、標準の方法を用いて決定され得る。本明細書に開示されるZcytor 16ポリヌクレオチド配列はまた、Zcytor 16遺伝子の5’側の非−コード領域をクローン化するためのプローブ又はプライマーとして使用され得る。Zcytor 16遺伝からのプロモーター要素は、例えばトランスジェニック動物の扁桃組織又は、又は遺伝子治療を受けている患者において異種遺伝子の発現を方向づけるために使用され得る。Zcytor 16プロモーター又は調節要素を含むゲノムフラグメントの同定は、十分に確立された技法、例えば欠失分析を用いて達成され得る(一般的には、Ausubel (1995) を参照のこと)。
5’側フランギング配列のクローニングはまた、アメリカ特許第5,641,670号に開示される方法に従って、“遺伝子活性化”によるZcytor 16タンパク質の生成を促進する。手短くに言及すれば、細胞における内因性Zcytor 16遺伝子の発現は、少なくとも標的配列、調節配列、エキソン、及び対になっていないスプライスドナー部位を含んで成るDNA構造体を、Zcytor 16遺伝子座中に導入することによって変更される。標的配列は、内因性Zcytor 16遺伝子座を有する構造体の相同組換えを可能にするZcytor 16 5’側非コード配列であり、それにより、前記構造体内の配列は内因性Zcytor 16コード配列により作用可能に連結されるようになる。この場合、内因性Zcytor 16プロモーターが、他の調節は列により置換されるか又はそれにより補充され、増強された組織特異的、又は他方では、調節された発現が提供される。
4.Zcytor 16遺伝子変異体の生成:
本発明は、本明細書に開示されるZcytor 16ポリペプチドをコードする種々の核酸分子、例えばDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コードの縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能であることを容易に認識するであろう。配列番号3は、それぞれ配列番号2のZcytor 16ポリペプチドをコードするすべての核酸分子を包含する縮重ヌクレオチド配列である。当業者は、配列番号3の縮重配列がまた、Tに代わってUを置換することによって、それぞれ配列番号2をコードするすべてのRNA配列を提供することを認識するであろう。
さらに、本発明はまた、配列番号3の受容体ポリペプチドに対して実質的に相同である少なくとも1つのZcytor 16受容体サブユニット含んで成る単離された可溶性モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリペプチドを提供する。従って、本発明は、配列番号1のヌクレオチド1−693、及びそれらのRNA同等物を含んで成るZcytor 16ポリペプチド−コード核酸分子を企画する。
表1は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号3内に使用される1文字コードを示す。“決定”は、コード文字により示されるヌクレオチドである。“補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。例えば、コードYはC又はTのいずれかを示し、そしてその補体RはA又はGを示し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
Figure 2009183289
所定のアミノ酸についてのすべての可能なコドンを包含する、配列番号3に使用される縮重コドンが表2に示される。
Figure 2009183289
当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するであろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ酸配列への参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
異なった種は“選択的コドン使用法”を示すことができる。一般的には、Grantham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980; Haas, など., Curr. Biol. 6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 13:355−64,1981;Grosjean and Fiera,Gene 18:199−209、1982;Holm,Nuc.Acids Res.14:3075−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97,1982、Sharyp and Matassi, Curr. Opin. Genet. Dev. 4: 851 (1994), Kane, Curr. Opin. Biotechnol. 6: 494(1995), 及びMakrides, Microbiol. Rev. 60: 512(1996) を参照のこと。本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン使用法”又は“選択的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され、従って個々のアミノ酸をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタンパク質翻訳コドンを言及する技術的用語である(表2を参照のこと)。
例えば、アミノ酸トレオニン(Thr)は、ACA、ACC、ACG、又はACTによりコードされるが、しかし哺乳類細胞においては、ACCが最も通常に使用されるコドンであり;他の種においては、例えば昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌においては、異なったThrコドンが好ましい。特定の種のための選択的コドンは、当業界において知られている種々の方法により、本発明のポリヌクレオチド中に導入され得る。例えば、組換えDNA中への選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は種内でタンパク質の翻訳により効果的にすることによって、そのタンパク質の生成を増強する。従って、配列番号3に開示される縮重コドン配列は、当業界において通常使用され、そして本明細書において開示される種々の細胞型及び種においてポリペプチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。選択コドンを含む配列は、種々の種における発現について試験され、そして本明細書に開示される官能性について試験され得る。
本発明はさらに、他の種(オルト体)からの相対物を表すポリペプチド及び核酸分子を供給する。それらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆虫及び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されない。特に興味あるものは、他の哺乳類種、例えばネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬、ネコ、馬及び他の霊長類リガンドからのZcytor 16ポリペプチドである。ヒトZcytor 16ポリペプチドのオルト体は、従来のクローニング技法と組合して、本発明により供給される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。例えば、cDNAは、Zcytor 16を発現する組織又は細胞型から得られるmRNAを用いてクローン化され得る。mRNAの適切な源は、本明細書に開示される配列から企画されたプローブによりノザンブロットをプローブすることによって同定され得る。次に、ライブラリーが陽性の組織又は細胞系のmRNAから調製される。
Zcytor 16コードのcDNAが種々の方法、例えば完全な又は部分的なZcytor16cDNAにより、又は前記開示される配列に基づく1又は複数の変性プローブにより、プローブすることによって単離され得る。cDNAはまた、本明細書に開示される代表的なZcytor 16配列から企画されたプライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖反応を用いてもクローン化され得る。さらに、cDNAライブラリーが、宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトするために使用され、そして興味あるcDNAの発現がZcytor 16ポリペプチドに対する抗体により検出され得る。
当業者は、配列番号1又は配列番号37に開示される配列がヒトZcytor 16の単一の対立遺伝子を表し、そして対立遺伝子変動及び交互のスプライシングが生じることが予測されることを認識するであろう。本明細書に開示されるヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体は、標準の方法に従って、異なった個人からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによってクローン化され得る。本明細書に開示されるヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体、例えばサイレント突然変異を含むそれらの変異体及び突然変異がアミノ酸配列変更をもたらすそれらの変異体は、本明細書に開示されるアミノ酸配列の対立遺伝子変異体であるタンパク質のように、本発明の範囲内である。
Zcytor 16ポリペプチドの性質を保持する、もう1つのスプライスされたmRNAから生成されるcDNAは、そのようなcDNA及びmRNAによりコードされるポリペプチドと同じように、本発明の範囲内に包含される。それらの配列の対立遺伝子変異体及びスプライス変異体は、当業界において知られている標準の方法に従って、異なった個人又は組織からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることによってクローン化され得る。
上記で論じられた方法を用いて、当業者は、配列番号1、 2、13、又は37に対して実質的に相同である可溶性受容体サブユニット、配列番号2のアミノ酸22〜231又は28〜231、又はそれらの対立遺伝子変異体を含んで成り、そして野生型zcytor16受容体のリガンド−結合性質を保持する種々のポリペプチドを調製することができる。そのような性質はまた、一般的に本明細書に開示されるような追加のポリペプチドセグメントを包含することができる。
本発明のある態様においては、単離された核酸分子は、本明細書に開示されるヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子に対して、緊縮条件下でハイブリダイズするであろう。例えば、そのような核酸分子は、緊縮条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、配列番号1のヌクレオチド64、67、82又は94〜693のヌクレオチド配列から成る核酸分子、又は配列番号1に対して相補的なヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、又は配列番号1のヌクレオチド64、67、82又は94〜693又はそのフラグメントにハイブリダイズすることができる。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度及びpHで、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くあるよう選択される。Tmは、標的配列の50%が好ましく適合されたプローブに対してハイブリダイズする温度(定義されたイオン強度及びpH下で)である。
1対の核酸分子、例えばDNA-DNA, RNA-RNA及びDNA-RNAは、ヌクレオチド配列がいくらかの程度の相補性を有する場合、ハイブリダイズすることができる。ハイブリッド二重ヘリックスにおけるミスマッチ塩基対を許容できるが、しかしハイブリッドの安定性はミスマッチの程度により影響される。ミスマッチハイブリッドのTmは、1〜1.5%の塩基対ミスマッチごとに1℃低下する。ハイブリダイゼーション条件の緊縮性の変更は、ハイブリッドに存在するであろうミスマッチの程度に対する制御を可能にする。緊縮性の程度は、ハイブリダイゼーション温度が上昇し、そしてハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度が低下するにつれて、上昇する。
緊縮ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリッドの熱溶融点(Tm)よりも約5〜25℃低い温度、及び1MまでのNa+を有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。より低い温度でのより高い温度の緊縮性は、緩衝溶液における個々の1%ホルムアミドについて約1℃、ハイブリッドのTmを低めるホルムアミドの添加により達成され得る。一般的に、そのような緊縮条件は、20〜70℃の温度、及び6×SSC及び0〜50%のホルムアミドを含むハイブリッド緩衝液を包含する。高い程度の緊縮性は、40〜70℃の温度で及び4×SSC及び0〜50%のホルムアミドを有するハイブリダイゼーション緩衝液により達成され得る。
高い緊縮条件は典型的には、42〜70℃の温度、及び1×SSC及び0〜50%のホルムアミドを有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。異なった程度の緊縮液が、標的配列への最大の特異的結合を達成するために、ハイブリダイゼーション、及び洗浄の間、使用され得る。典型的には、ハイブリダイゼーションに続く洗浄は、ハイブリダイズされた複合体からハイブリダイズされていないポリヌクレオチドプローブを除去するために、上昇する程度の緊縮性で行われる。
上記条件は、ガイドとして作用することを意味し、そしてそれは特定のポリペプチドハイブリッドとの使用のためのそれらの条件を適合するために、十分に当業者の能力の範囲内である。特定の標的配列についてのTmは、標的配列の50%が完全に適合されたプローブ配列にハイブリダイズするであろう温度(定義された条件下での)である。Tmに影響を及ぼすそれらの条件は、ポリヌクレオチドプローブのサイズ及び塩基対含有率、ハイブリダイゼーション溶液のイオン温度、及びハイブリダイゼーション溶液における不安定化剤の存在を包含する。
Tmを計算するための多くの等式は当業界において知られており、そして種々の長さのDNA、RNA及びDNA−RNAハイブリッド及びポリヌクレオチドプローブ配列に対して特異的である(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Press 1988); Ausubel など., (eds.), Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons, Inc. 1987); Berger and Kimmel (eds.), Guide to Molecular Cloning Techniques, (Academic Press, Inc. 1987); 及びWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227 (1990)を参照のこと)。配列分析ソフトウェア、例えばOLIGO6.0(LSR; Long Lake, MN)及びPrimer Premier 4.0 (Premier Biosoft International; Palo Alto, CA), 並びにインターネット上のサイトが所定の配列を分析し、そして使用者の定義された基準に基づいてTmを計算するための手段を入手できる。
そのようなプログラムはまた、定義された条件下で所定の配置を分析し、そして適切なプローブ配列を同定することができる。典型的には、50以上の塩基対の長いポリヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションは、計算されたTmよりも約20〜25℃低い温度で行われる。50以下の塩基対の小さなプローブに関しては、ハイブリダイゼーションは典型的には、Tm又はそれよりも5〜10℃以下で行われる。これは、DNA−DNA及びDNA−RNAハイブリッドに関して、最大速度のハイブリダイゼーションを可能にする。
ヌクレオチド配列の長さは、ハイブリッド形成の速度及び安定性に影響を及ぼす。小さなプローブ配列、すなわち50個以下の塩基対は、相補的配列との平衡化にすばやく達するが、しかし安定したハイブリッドは形成されない。インキュベーション時間(およそ分〜時)が、ハイブリッド形成を達成するために使用され得る。より長いプローブ配列はよりゆっくりと平衡化するが、しかし低い温度でさえ、より安定した複合体を形成する。インキュベーションは、一晩又はそれ以上の間、進行せしめられる。一般的に、インキュベーションは、計算されたコット時間の3倍に等しい期間、行われ得る。コット時間、すなわちポリヌクレオチド配列が再会合するのにかかる時間は、当業界において知られている方法により、特定の配列について計算され得る。
ポリヌクレオチド配列の塩基対組成が、ハイブリッド複合体の熱安定性をもたらし、それにより、ハイブリダイゼーション温度の選択及びハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度に影響を及ぼす。A−T対は、塩化ナトリウムを含む水溶液においてG−C対よりも低い安定性である。従って、G−C含有率が高いほど、ハイブリッドはより安定する。配列内のG及びC残基の平等な分布がまた、ハイブリッド安定性に正に寄与する。さらに、塩基対組成は、所定の配列のTmを変えるために操作され得る。例えば5−メチルデオキシシヂンは、デオキシシスチジンより置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンは、デオキシシチジンにより置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンはTmを高めるためにチミジンにより置換され、そして7−デアズ−2’−デオキシグアノシンは、Tmに対する依存性を低めるためにグアノシンにより置換され得る。
ハイブリダイゼーション緩衝液のイオン濃度はまた、ハイブッリドの安定性に影響お及ぼす。ハイブリダイゼーション緩衝液は一般的にブロッキング剤、例えばDenhardt溶液(Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.)、変性されたサケ精子DNA、粉乳(BLOTTO)、ヘパリン又はSDS、及びNa+源、例えばSSC(1×SSC:0.15:NのNaCl、15mMのクエン酸ナトリウム)又はSSPE(1×SSPE:1.8MのNaCl、10mMのNaH2PO4、1mMのEDTA、pH7.7)を含む。典型的には、ハイブリダイゼーション緩衝液は、10mM〜1MのNa+を含む。不安定剤又は変性剤、例えば、ホルムアミド、テトラアルキルアンモニウム塩、グアニジウムカチオン又はチオシアネートカチオンのハイブリダイゼーション溶液への添加が、ハイブリッドのTmを変更するであろう。典型的には、ホルムアミドが、より便利で且つ低い温度でのインキュベーションの実施を可能にするために、50%までの濃度で使用される。ホルムアミドはまた、RNAプローブを用いる場合、非特異的バッググラウンドを低めるためにも作用する。
例示のように、変異体Zcytor 16ポリペプチドをコードする核酸分子が、配列番号1又は配列番号37のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子により、50%ホルムアミド、5×SSC、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt’s 溶液(100×Denhardt’s 溶液:2%(w/v)のFicoll 400, 2% (w/v)のポリビニルピロリドン及び2%(w/v)のウシ血清アルブミン)、10%の硫酸デキストラン及び20μg/mlの変性され、剪断されたサケ精子DNAを含んで成る溶液において、42℃で一晩ハイブリダイズされ得る。当業者は、それらのハイブリダイゼーション条件の変動性を考慮することができる。例えば、ハイブリダイゼーション混合物は、ホルムアミドを含まない溶液において、高度で、例えば約65℃でインキュベートされ得る。さらに、予備混合されたハイブリダイゼーション溶液が入手でき(例えば、CLONTECH Laboratories, Inc. からのEXPRESSHYB Hybridization Solution),そしてハイブリダイゼーションは製造業者の説明書に従って行われ得る。
ハイブリダイゼーションに続いて、核酸分子は、緊縮条件下で、又は高い緊縮条件下で、ハイブリダイズされなかった核酸分子を除去するために洗浄され得る。典型的な緊縮洗浄条件は、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.5×〜2×SSC溶液による55〜65℃での洗浄を包含する。すなわち、変異体Zcytor 16ポリペプチドをコードする核酸分子は、緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで前記洗浄緊縮性は、55〜65℃での、0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液、例えば55℃での、0.1%SDSを含む0.5×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを含む2×SSC溶液に等しい。当業者は、例えば洗浄溶液におけるSSCをSSPEにより置換することによって同等の条件を容易に製造することができる。
典型的な高い緊縮洗浄条件は、50〜65℃での0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.1×〜0.2×SSCの溶液による洗浄を包含する。例えば、変異体Zcytor 16ポリペプチドをコードする核酸分子は、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで前記洗浄緊縮性は、50〜65℃での、0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶液、例えば50℃での、0.1%SDSを含む0.1×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを含む0.2×SSC溶液に等しい。
本発明はまた、配列番号2のポリペプチド又はそれらのオルト体に対して実質的に類似する配列同一性を有する単離されたZcytor 16ポリペプチドも提供する。用語“実質的に類似する配列同一性”とは、配列番号2で示される配列又はそれらのオルト体に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも95%以上の配列同一性を有するポリペプチドを示すために本明細書において使用される。
本発明はまた、2種の次の基準を用いて同定され得るZcytor 16変異体核酸分子を企画する:配列番号2のアミノ酸配列とコードされたポリペプチドとの間の類似性の決定、及びハイブリダイゼーションアッセイ。そのようなZcytor 16変異体は、(1)55〜65℃での0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液に等しい緊縮洗浄条件下で、配列番号1又は配列番号37のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%,少なくとも80%,少なくとも90%,少なくとも95%又は95%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。
他方では、Zcytor16変異体は、(1)50〜65℃での0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶液に等しい、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1又は配列番号37のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも70%,少なくとも80%,少なくとも90%,少なくとも95%又は95%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子として特徴づけられ得る。
%配列同一性は、従来の方法により決定される。例えば、Altschulなど., Bull. Math. Bio. 48 : 603−616, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. Acad. Sci. USA 89 :10915−10919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルティー、及び表3(アミノ酸は標準の1文字コードにより示される)に示されるようなHenikoff and Henikoff (前記)の“BLOSUM62”評点マトリックスを用いて、その整合評点を最適化するために整合される。次に、%同一性が次のようにして計算される:
Figure 2009183289
Figure 2009183289
当業者は、2種のアミノ酸配列を整列するために多くの確立されたアルゴリズムが存在することを理解している。Pearson and Lipmanの“FASTA”類似性調査アルゴリズムは、1つのアミノ酸配列及び推定上の変異体のアミノ酸配列により供給される同一性のレベルを試験するための適切なタンパク質整列方法である。前記FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 85: 2444 (1988), 及びPearson, Meth. Enzymol. 183: 63 (1990) により記載される。
手短には、FASTAがまず、問題の配列(例えば、配列番号2)及び保存性アミノ酸置換、挿入又は欠失を考慮しないで、最高密度の同一性(ktup変数が1である場合)又は対の同一性(ktup=2である場合)のいずれかを有する試験配列により共有される領域を同定することによって配列を特徴づける。次に、最高密度の同一性を有する10の領域が、アミノ酸置換マトリックスを用いて、すべての対合されたアミノ酸の類似性を比較することによって再評価され、そして前記領域の末端が、最高の評点に寄与するそれらの残基のみを含むよう“整えられる”。
“カットオフ”値(配列の長さ及びktup値に基づいて予定された式により計算される)よりも高い評点を有するいくつかの領域が存在する場合、その整えられた初期領域が、その領域がギャップとのおおよその一列配列を形成するために結合され得るかどうかを決定するために試験される。最終的に、2種のアミノ酸配列の最高評点領域が、アミノ酸挿入及び欠失を可能にする、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and winsch, J. Mol. Biol. 48: 444, 1970; Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26: 787, 1974)の変法を用いて整列される。FASTA 分析のための好ましいパラメーターは次のものである:ktup=1、ギャップ開始ペナルティー=10、ギャップ拡張ペナルティー=1及び置換マトリックス=BLOSUM62。それらのパラメーターは、Appendix 2 of Pearson, 1990 (前記)に説明されるように、評点マトリックスを調節することによってFASTAプログラム中に導入され得る。
FASTAはまた、上記に開示されるような割合を用いて、核酸分子の配列同一性を決定するためにも使用され得る。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値は、上記に設定される他のパラメーターを伴なって、1〜6、好ましくは3〜6、最も好ましくは3であり得る。
本発明は、本明細書に開示されるアミノ酸配列に比較して、1又は複数の保存性アミノ酸変更を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。例えば、配列番号2の1又は複数のアミノ酸置換を含む変異体が得られ、ここでアルキルアミノ酸がZcytor 16アミノ酸配列におけるアルキルアミノ酸に代わって置換され、芳香族アミノ酸がZcytor 16アミノ酸における芳香族アミノ酸に代わって置換され、硫黄含有アミノ酸がZcytor 16アミノ酸配列における硫黄含有アミノ酸に代わって置換され、ヒドロキシ含有アミノ酸Zcytor 16アミノ酸配列におけるヒドロキシ含有アミノ酸に代わって置換され、酸性アミノ酸がZcytor 16アミノ酸配列における酸性アミノ酸に代わって置換され、塩基性アミノ酸がZcytor 16アミノ酸配列における塩基性アミノ酸に代わって置換され、又は二塩基性モノカルボン酸アミノ酸Zcytor 16アミノ酸配列における二塩基性モノカルボン酸アミノ酸に代わって置換される。
通常のアミノ酸の中で、“保存性アミノ酸置換”は、次のグループの個々内のアミノ酸間の置換により示される:(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン、(3)セリン及びトレオニン、(4)アスパラギン酸及びグルタミン酸、(5)グルタミン及びアスパラギン、及び(6)リシン、アルギニン及びヒスチジン。BLOSUM62表は、関連するタンパク質の500以上のグループの高く保存された領域を表す、タンパク質配列セグメントの約2,000の局部の複数整列に由来するアミノ酸置換マトリックスである[Henikoff and Henikoff, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 89: 10915 (1992) ]。
従って、BLOSUM62置換頻度は、本発明のアミノ酸配列中に導入され得る保存性アミノ酸置換を定義するために使用され得る。単に化学的性質に基づいてのアミノ酸置換を企画することが可能であるが(上記で論じられたように)、用語“保存性アミノ酸置換”とは、−1よりも大きなBLOSUM62値により表される置換を言及する。例えば、アミノ酸置換は、その置換が0,1,2又は3のBLOSUM62値により特徴づけられる場合、保存性である。このシステムによれば、好ましい保存性アミノ酸置換は、少なくとも1(例えば、1,2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられ、ところがより好ましくは保存性置換は、少なくとも2(例えば、2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられる。
Zcytor 16の特定の変異体が、その対応するアミノ酸配列(すなわち、配列番号2)に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は95%以上の配列同一性を有することによって特徴づけられ、ここでアミノ酸配列の変動は、1又は複数のアミノ酸置換による。
Zcytor 16遺伝子における保存性アミノ酸変化が、配列番号1のいずれか1つに列挙されるヌクレオチドに代わってヌクレオチドを置換することによって導入され得る。そのような“保存性アミノ酸”変異体は、例えばオリゴヌクレオチド指図された突然変異誘発、リンカー走査突然変異誘発、ポリメラーゼ鎖反応を用いての突然変異誘発及び同様の方法により得られる(Ausubel(1995)pages8-10〜8-22; 及びMcPhrson(ed.), Directed Mutagenesis: A Practical Approach (IRL Press 1991) を参照のこと)。変異体Zcytor 16ポリペプチドが、抗−Zcytor 16抗体を特異的に結合する能力により同定され得る。
本発明のタンパク質はまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含んで成る。天然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタプロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方法が当業界において知られている。
例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用され得る。アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。例えば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman など., Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 1993; 及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照のこと。
第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノアミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271: 1991−98, 1996 )。 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定である天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導入される。Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。天然に存在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403, 1993)。
限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、Zcytor 16アミノ酸により置換され得る。
本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発により同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085, 1989; Bassなど., Proc. Natl. Scad. Sci. USA 88: 4498−502, 1991), Coombs and Corey, “Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineering” ,in Proteins: Analysis and Design, Angeletti(ed.) Ppages 259-311(Academic Press, Inc. 1998))。後者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子中のあらゆる残基で導入され、そして得られる変異体分子が、前記分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために、下記に開示されるようして、生物学的活性について試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699−5708, 1996を参照のこと。
配列分析はZcytor 16リガンド結合領域を同定するために使用され得るが、Zcytor 16結合活性(例えば、リガンドIL−TIF又は抗−Zcytor 16抗体へのZcytor 16の結合)において役割を演ずるアミノ酸はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異と共に、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、構造体の物理的分析によっても決定され得る。例えば、de Ves など., Science 255: 306 (1992), Smith など., J. Mol. Biol. 224: 899 (1992), 及びWlodaver など., FEBS Lett. 309:59 (1992) を参照のこと。
複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばReidhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペプチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリーンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。
使用され得る他の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WIPO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。さらに、ビオチン又はFITCによりラベルされたZcytor 16は、Zcytor 16リガンドの発現クローニングのために使用され得る。
開示されるZcytor 16ヌクレオチド及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer, Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10747−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダムに導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いてのアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、前記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異なった種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の選択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が、有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択することによって、配列の急速な“進化”を提供する。
本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン化された突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。生物学的に活性のポリペプチド又は抗−Zcytor 16抗体と結合するポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装置を用いて配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプチドに適用され得る。
本発明はまた、Zcytor 16ポリペプチドの“機能的フラグメント”及びそのような機能的フラグメントをコードする分子を包含する。核酸分子の通常の欠失分析は、Zcytor 16ポリペプチドをコードする核酸分子の機能的フラグメントを得るために行われ得る。例示されるように、配列番号1のヌクレオチド配列を有するDNA分子は、一連の欠失を得るためにBal3 Tヌクレアーゼにより消化され得る。次に、フラグメントが正しい読み取り枠を整合して発現ベクター中に挿入され、そして発現されたポリペプチドが単離され、そして細胞−細胞相互作用について、又はZcytor 16抗体を結合する能力について試験される。エキソヌクレアーゼ消化のための1つの方法は、欠失を導入するためにオリゴヌクレオチド−指図された突然変異誘発を使用し、又は所望するフラグメントの生成を特定するために停止コドンを使用することである。他方では、Zcytor 16遺伝子の特定のフラグメントは、ポリメラーゼ鎖反応を用いて合成され得る。
インターフェロンのいずれかの又は両末端での切断に対する研究により例示されるこの一般的アプローチは、Horisberger and Di Marco, pharmac. Ther. 66: 507 (1995) により要約されている。さらに、タンパク質の機能的分析のための標準技法は、例えばTreulterなど., Molec. Gen. Genet. 240: 113 (1993), Content など., “Expression and preliminary deletion analysisi of the 42 kDa 2-5A synthetase induced by human interferon”, in Biological Interferon Systems, Proceedings of ISIR-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell (ed.), Pages 65-72 (Nijhoff 1987), Herschman, “The EGF Enzyme”, in Cortrol of Animal Cell Proliferation, Vol. 1, Boynton など., (eds.) pages 169-199 (Academic Press 1985), Counailleau など., J. Biol. Chem. 270: 29270 (1995); Fukunaga など., J. Biol. Chem. 270: 25291 (1995); Yamaguchi など., Biochem. Pharmacol. 50: 1295 (1995); 及びMeiselなど., Plant Molec. Biol. 30: 1 (1996)により記載される。
本明細書に開示される特定の配列の分析は、表4に示される1組の例示的機能フラグメントを提供する。表4に示さない、本明細書に記載される追加のヒトZcytor16機能的変異体ドメインをコードするヌクレオチドは、配列番号1又は配列番号37に関して決定され得る。そのような機能的フラグメントは、例えば配列番号1の次のヌクレオチド配列:ヌクレオチド64, 67, 82又は94〜690又は693;ヌクレオチド64, 67, 82又は94〜369又は381;394〜690又は693;及びヌクレオチド1〜690又は693、及びそれらによりコードされるアミノ酸配列、例えばそれぞれ配列番号2に示されるそれらを包含する。
Figure 2009183289
本発明はまた、本明細書に開示されるアミノ配列に比較して、アミノ配列変化を有するZcytor 16遺伝子の機能的フラグメントも企画する。変異体Zcytor 16遺伝子は、上記のように、開示されるヌクレオチド及びアミノ酸配列との同一性のレベルを決定することにより、構造体に基づいて同定され得る。構造体に基づいて変異体遺伝子を同定するもう1つのアプローチは、可能性ある変異体Zcytor 16遺伝子をコードする核酸分子が、上記のように、配列番号1又は配列番号37のヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズすることができるかどうかを決定することである。
本発明はまた、本明細書に記載されるZcytor 16ポリペプチドのエピトープ−担持の部分を含んで成るポリペプチドフラグメント又はペプチドも提供する。そのようなフラグメント又はペプチドは、完全なタンパク質が免疫原として使用される場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部である“免疫原性エピトープを含んで成る。免疫原性エピトープ−担持のペプチドは、標準方法を用いて同定され得る。(例えば、Geysenなど., Proc. Natl. Acad Sci. USA81: 3988, 1983を参照のこと)。
対照的に、ポリペプチドフラグメント又はペプチドは、抗体が特異的に結合することができるタンパク質分子の領域である“抗原性エピトープ”を含んで成る。一定のエピトープは、線状又は連続した範囲のアミノ酸から成り、そしてそのようなエピトープの抗原性は、変性剤により破壊されない。タンパク質のエピトープを模倣する比較的短い合成ペプチドがタンパク質に対する抗体の生成を刺激するために使用され得ることは、当業界において知られている(例えば、Sutcliffeなど., Science 219: 660, 1983を参照のこと)。従って、本発明の抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるポリペプチドと結合する抗体を生ぜしめるために有用である。
抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは好ましくは本明細書に開示されるアミノ酸配列の少なくとも4〜10個のアミノ酸、少なくとも10〜15個のアミノ酸、又は約15〜約30個のアミノ酸を含む。そのようなエピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるように、Zcytor 16ポリペプチドのフラグメント化又は化学的ペプチド合成により生成され得る。さらに、エピトープは、ランダムペプチドライブラリーのファージ表示により選択され得る(例えば、Lane and Stephen, Curr. Opin. Immunol. 5: 268, 1993, 及びCortese など., Curr. Opin. Biotechnol. 7: 616, 1996を参照のこと)。
エピトープを含んで成る小さなペプチドからエピトープを同定し、そして抗体を生成するための標準の方法は、例えばMole, “Epitope Mapping,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.), Pages 105-16 (The Humana Press, Inc., 1992), Price, “Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), page 60-84 (Cambridge University Press 1995), 及びColigan など. (eds.), Current Protocols in Immunology, pages 9.3.1-9.3.5 and pages 9.4.1-9.4.11 (John Wiley & Sons, 1997)により記載される。
変異体及び融合タンパク質を包含するいずれかのZcytor 16ポリペプチドに関しては、当業者は、上記表1及び2に示される情報を用いて、その変異体をコードする十分な縮重ポリヌクレオチド配列を容易に生成することができる。さらに、当業者は、本明細書に記載されるヌクレオチド及びアミノ酸配列に基づいて、種々のZcytor 16変異体に標準のソフトウェアを使用することができる。従って、本発明は、次の配列、すなわち配列番号1、2、及び3の少なくとも1つの配列を提供するデータ構造によりコードされるコンピューターに読み取り可能媒体を包含する。
適切な形のコンピューター読み取り可能媒体は、磁気媒体及び光学的読み取り可能な媒体包含する。磁気媒体の例は、ハード又は固定されたドライブ、ランダムアクセス記憶(RAM)チップ、フロッピー(登録商標)ディスク、デジタルリニアーテープ(DLT)、ディスクカーシ及びZIPディスクを包含する。光学的読み取り可能な媒体は、コンパクトディスク(例えば、CD−読み取りのみ記憶(ROM)、CD−再書き込みできる(RW)及びCD−再記録できる)、及びデジタル可転性/ビデオディスク(DVD)(例えば、DVD−ROM, DVD−RAM及びDVD+RW)により例示される。
6.Zcytor 16ポリペプチドの生成:
十分な長さのポリペプチド;可溶性モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体;十分な長さの受容体;受容体フラグメント(例えば、リガンド−結合フラグメント);機能的フラグメント;及び融合タンパク質を包含する本発明のポリペプチドは、従来の技法に従って、組換え宿主細胞において生成され得る。Zcytor 16遺伝子を発現するためには、ポリペプチドをコードする核酸分子が、発現ペプチドにおいて転写発現を制御し、そして次に、宿主細胞中に導入される調節配列に作用可能に連結されるべきである。転写調節配列、例えばプロモーター及びエンハンサーの他に、発現ベクターは、翻訳調節配列、及び発現ベクターを担持する細胞の選択のために適切なマーカー遺伝子を包含することができる。
真核細胞において外来性タンパク質の生成のために適切である発現ベクターは、典型的には、(1)細胞宿主における発現ベクターの増殖及び選択を提供するための細菌複製起点及び抗生物質耐性マーカーをコードする真核DNA要素;(2)転写の開始を制御する真核DNA要素、例えばプロモーター;及び(3)転写体のプロセッシングを制御するDNA要素、例えば転写終結/ポリアデニル化配列を含む。上記で論じられたように、発現ベクターはまた、異種ポリペプチドを、宿主細胞の分泌経路中に方向づける分泌配列コードするヌクレオチド配列を包含する。例えば、Zcytor 16発現ベクターは、Zcytor 16遺伝子、及びいずれかの分泌された遺伝子に由来する分泌配列を含むことができる。
本発明のZcytor 16タンパク質は、哺乳類細胞において発現され得る。適切な哺乳類宿主細胞の例は、アフリカミドリザル腎細胞(Vero; ATCC CRL1587)、ヒト胚腎細胞(293−HEK; ATCC CRL1573)、子供のハムスター腎細胞(BHK−21, BHK−570;ATCC CRL8544, ATCC CRL10314)、イヌ腎細胞(MDCK;ATCC CCL34)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−K1; ATCC CCL61; CHO DG44 [Chasinなど., Som. Cell. Molec. Genet. 12: 555 (1986)]、ラット下垂体細胞(CH1;ATCC CCL82)、HeLa S3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝癌細胞(H−4−II−E;ATCC CRL1548)、SV40−形質転換されたモンキー腎細胞(COS−1;ATCC CRL1650)及びネズミ胚細胞(NIH−3T3;ATCC CRL1658)を包含する。
哺乳類宿主に関しては、転写及び翻訳シグナルは、ウィルス源、例えばアデノウィルス、ウシ乳頭腫ウィルス、サルウィルス又は同様のものに由来することができ、ここで調節するシグナルは、高レベルの発現を有する特定の遺伝子に関連している。適切な転写及び翻訳調節配列はまた、哺乳類遺伝子、例えばアクチン、コラーゲン、ミコシン及びメタロチオネイン遺伝子から得られる。
転写調節配列は、RNA合成の開始を方向づけるために十分なプロモーター領域を含む。適切な真核プロモーターは、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロモーター(Hamerなど., J. Molec. Appl. Genet. 1: 273 (1982))、ヘルペスウィルスのTKプロモーター(Mcknight, Cell 31 : 355 (1982))、SV40初期プロモーター(Benoistなど., Nature 290: 304 (1981))、Rous肉腫ウィルスプロモーター(Gormanなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 6777 (1982))、サイトメガロウィルスプロモーター(Foeckingなど., Gene 45: 101 (1980))及びマウス乳腫瘍ウィルスプロモーター(一般的には、Etcheverry, “Expression of Engineered Protein in Mammalian Cell Culture”, in Protein Engineering: Principles and Practice, Cleland など., (eds.), p. 163-181 (John Wiley & Sons, Inc. 1996)を参照のこと)を包含する。
他方では、原核プロモーター、例えばバクテリオファージT3 RNAポリメラーゼプロモーターは、その原核プロモーターが真核プロモーターにより調節される場合、哺乳類細胞におけるZcytor 16遺伝子発現を制御するために使用され得る(Zhouなど., Mol. Cell. Biol. 10: 4529 (1990), 及びKaukamanなど., Nucl. Acids Res. 19: 4485 (1991) を参照のこと)。
一定の態様においては、Zcytor16モノマー又はホモダイマー可溶性受容体ポリペプチドをコードするDNA配列、又はヘテロダイマー又はマルチマーZcytor16可溶性受容体、例えばCRF2−4又はIL10Rポリペプチドの追加のサブユニットをコードするDNA配列は、発現ベクター内のその発現のために必要とされる他の遺伝子要素、例えば一般的に転写プロモーター及びターミネーターに作用可能に連結される。
前記ベクターはまた、通常、1又は複数の選択マーカー及び1又は複数の複製起点を含むが、但し、当業者は、一定のシステム内で、選択マーカーが、別のベクターに基づいて供給され得、そして外因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への組み込みにより供給され得ることを認識するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター及び他の要素の選択は、当業者のレベル内である。多くのそのような要素は、文献に記載されており、そして市販されている。可溶性受容体複合体の複数の成分は、個々の発現ベクターに基づいて同時トランスフェクトされ得、又は単一の発現ベクターに含まれ得る。タンパク質複合体の複数成分を発現するそのような技法は、当業界において良く知られている。
発現ベクターは、種々の標準の技法、例えばリン酸カルシウムトランスフェクション、リポソーム−介在性トランスフェクション、マイクロプロジェクト−介在性供給、エレクトロポレーション及び同様のものを用いて、宿主細胞中に導入され得る。好ましくは、トランスフェクトされた細胞が選択され、そして増殖され、宿主細胞ゲノムに安定して組み込まれる発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞が供給される。真核細胞中にベクターを導入するための技法、及び優性選択マーカーを用いてのそのような安定した形質転換体を選択するための技法は、例えばAusubel (1995) 及びMurray (ed.), Gene Transfer and Expression Protocols (Humana Press 1991) により記載される。
例えば、1つの適切な選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性を付与する遺伝子である。この場合、選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418又は同様のもの存在下で実施される。“増幅”として言及される方法である選択システムは、興味ある遺伝子の発現レベルを高めるためにも使用される。増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、そして次に、導入された遺伝子の生成物を高レベルで生成する細胞を選択するために選択剤の量を高めることによって実施される。
好ましい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、複数薬物耐性、ピューロマイシン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、使用され得る。変更された表現型を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光タンパク質、又は細胞表面タンパク質、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリホスファターゼが、FACS分類又は磁気ビース分離技法のような手段により、トランスフェクトされていない細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類するために使用され得る。
Zcytor 16ポリペプチドはまた、ウィルス供給システムを用いて、培養された哺乳類細胞により生成され得る。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウィルス、ヘルペスウィルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV)を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種核酸の供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベクターである(Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and D.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。アデノウィルスシステムの利点は、比較的大きなDNA挿入体の収容、高い力価に増殖する能力、広範囲の哺乳類細胞型を感染する能力、及び異なったプロモーターを含む多数の入手できるベクターとの使用を可能にする柔軟性を包含する。
アデノウィルスゲノムの一部を欠失することによって、異種DNAの大きな挿入体(7kbまでの)が収容され得る。それらの挿入体は、直接的な連結により、又はトランスフェクトされたプラスミドによる相同組換えにより、ウィルスDNA中に導入され得る。EI遺伝子が宿主細胞により供給されない場合、複製の無能性をもたらす、ウィルスベクターからの必須EI遺伝子を欠失することは任意である。例えば、アデノウィルスベクター−感染されたヒト293細胞(ATCC No. CRL−1573, 45504, 45505)は、有意な量のタンパク質を生成するために比較的高い細胞密度で、付着細胞として、又は懸濁培養物において増殖され得る(Garnierなど., Cytotechnol. 15: 145 (1994) を参照のこと)。
Zcytor 16はまた、他の高等真核細胞、例えば鳥類、菌類、昆虫、酵母、又は植物細胞においても発現され得る。バキュロウィルスシステムは、昆虫細胞中に、クローン化されたZcytor 16遺伝子を導入するための効果的な手段を提供する。適切な発現ベクターは、オートグラファ・カリホルニカ(Autographa californica) 核多角体病ウィルス(AcMNPV)に基づかれており、そして良く知られているプロモーター、例えばショウジョウバエ熱ショックタンパク質(hsp)70プロモーター、オートグラファ・カルホルニカ核多角体病ウィルス即時−初期遺伝子プロモーター(ie-I)及び遅延された初期39K プロモーター、バキュロウィルスp10プロモーター及びジョウジョウバエメタロチオネインプロモーターを含む。
組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, VA, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに基づくシステムを利用する。トランスファーベクターを利用するこのシステムは、Bac−to−BacTMキット(Life Technologies, Rockville, MD)として市販されている。このシステムは、“bacmid” と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに維持されるバキュロウィルスゲノム中に、Zcytor16リガンドポリペプチドをコードするDNAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、pFastBacI TM (Life Technologies )を利用する。Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
さらに、トランスファーベクターは発現されたZcytor 16リガンドポリペプチドのC−又はN−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識をコードするDNAとのイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など., Peoc. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)。当業界において知られている技法を用いて、Zcytor 16遺伝子を含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換され、そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida についてスクリーンされる。組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が、通常の技法を用いて単離される。
例示的なPFASTBACベクターは、相当の程度まで修飾され得る。例えば、前記ポリヒドリンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早めに発現され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であることが知られているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor, p6.9又はMPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロモーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。さらに、昆虫タンパク質に由来する分泌シグナル配列により天然のZcytor 16リガンド分泌シグナル配列を置換しているトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロイド・グルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen, Carlsbad, CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)からのシグナル配列は、生来のZcytor 16分泌シグナル配列を置換するために、構造体に使用され得る。
組換えウィルス又はbacmidは、宿主細胞をトランスフェクトするために使用される。適切な昆虫宿主細胞は、IPLB−Sf−21に由来する細胞系、スポドプテラフルギペルダ(Spodoptera frugiperda)さなぎ卵巣細胞系、例えばSf9 (ATCC CRL 1711)、Sf21AE及びSf21(Invitrogen Corporation; San Diego, CA)、及びショウジョウバエSchneider−2細胞、並びにトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するHIGH FIVEO 細胞系(Invitrogen)を包含する(アメリカ特許第5,300,435号)。市販の血清フリー培地が、細胞の増殖及び維持のために使用され得る。適切な培地は、Sf9細胞に関しては、Sf900IITM (Life Technologies) 又はESF921TM (Expression Systems);及びトリコプルシア・ニ細胞に関しては、Ex−cellO405TM (JRH Biosiences, Lenexa, KS) 又はExpress FiveOTM (Life Technologies)を包含する。組換えウィルスが使用される場合、細胞は典型的には、組換えウィルスストックが0.1〜10、より典型的には、約3の感染の多重度(MOI)で添加される地点で、約2〜5×105個の細胞1〜2×106個の細胞の接種密度で触媒される。
バキュロウィルスでの組換えタンパク質を生成するための確立された技法は、Baileyなど., “Manipulation of Baculovirus Vectors”, in Methods in Molecular Biology, Volume 7: Gene Transfer and Expression Protocols, Murray (ed.), P. 147-168 (The Humana Press, (nc. 1991) により、Patel など., “The buculovirus expression system”, in DNA Cloing2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など., (eds.) p.205-244 (Oxford University Press 1995) により、Ausubel (1995) p.16-37〜16-57により、Richardson (ed.), Baculovirus Expression Proteocols (The Humana Press, Inc. 1995) により、及びLucknow, “Insect Cell Expression Technology”, in Protein Engineering: Principles and Practice. Cleland など. (eds.), p.183-218 (John Wiley & Sons, Inc. 1996) により提供される。
菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本明細書に開示される遺伝子を発現するためにも使用され得る。これに関して、特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pichia methanolica) を包含する。酵母における発現のための適切なプロモーターは、GAL1(ガラクトース)、PGK(ホスホグリセリンキナーゼ)、ADH(アルコールデヒドロゲナーゼ)、AOX1(アルコールオキシダーゼ)、HIS4(ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ)及び同様のものからのプロモーターを包含する。外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,743号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。
形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物(例えばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選択される。サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシステムは、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT1ベクターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びターミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第4,977,092 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び第4,661,454号を参照のこと。
他の酵素、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces pombe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermondii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システムは、当業界において知られている。
例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCregg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。アスペルギラス細胞は、Mcknight など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,533号により開示される。
例えば、組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、Raymond、アメリカ特許第5,716,808号、Raymond、アメリカ特許第5,736,383号、Raymondなど.,Yeast 14: 11-23 (1998)、及びWIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される。P.メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好ましくは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.メタノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモーター及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコール利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。
宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有するプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタノリカへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主細胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。メタノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、両メタノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用することが好ましい。
分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーションが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kV/cm,好ましくは約3.75kV/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数(t)を有する、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレーションによりP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
発現ベクターはまた、植物プロトプラスト、損なわれていない植物組織又は単離された植物細胞中にも導入され得る。植物組織中に発現ベクターを導入するための方法は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、マイクロプロジェクティル−介在性供給、DNA注射、エレクトロポレーション及び同様のものによる植物組織の直接的な感染又はそれらと共にs植物細胞の同時培養を包含する。例えば、Horschなど., Science 227:1229 (1995)、Kleinなど., Biotechnology 10: 268 (1992) 及びMikiなど., “Procedures for Intoducing Foreign DNA into Plants”, in Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick など. (eds.), P.67-88 (CRC Press, 1993) を参照のこと。
他方では、Zcytor 16遺伝子は、原核宿主細胞において発現され得る。原核細胞においてZcytor 16ポリペプチドを発現するために使用され得る適切なプロモーターは、当業者に良く知られており、そしてT4, T3, Sp6及びT7ポリメラーゼを認識できるプロモーター、バクテリオファージλのPR及びPLプロモーター、E.コリのtrp, recA, 熱ショック、lacUV5, tac, lpp-lacSpr, phoA及びlacZプロモーター、B.スブチリスのプロモーター、バチルスのバクテリオファージのプロモーター、ストレプトミセスプロモーター、バクテリオファージλのintプロモーター、pBR322のblaプロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターを包含する。原核プロモーターは、Glick, J. Ind. Microbiol. 1: 277 (1987), Watsonなど., molecular Biology of the Gene, 4th Ed. (Benjamin Cummins 1987), 及びAusubelなど. (1995) により再考されている。
適切な原核宿主は、E.コリ及びバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)を包含する。E.コリの適切な株は、BL21 (DE3), BL21 (DE3) pLysS, BL21 (DE3)pLysE, DH1, DH4, DH5, DH51, DH51F, DH51MCR, DH 10B, DH10B/p3, DH11S, C600, HB101, JM101, JM105, JM109, JM110, K38, RR1, Y1088, Y1089, CSH18, ER1451及びER1647を包含する(例えば、Brown (ed.), Molecular Biology Labfax (Academic Press 1991) を参照のこと)。バチルス・スブチリスの適切な株は、BR151、YB886、MI119、MI120及びBI70を包含する(例えば、Hardy, “Bacillus Cloning Methods”, in DNA Cloning: A Practical Approach, Clover (ed.) (IRL Press 1985) を参照のこと。
細菌、例えばE.コリにおいてZcytor 16ポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型的には不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周辺腔に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そして例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変性される。次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア、及び還元された及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収することによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変性及び再生のための必要性を回避することができる。
原核宿主においてタンパク質を発現するための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Williamsなど., “Expression of foreign protein in E.coli using plasmid vectors and purification of specific polyclonal antibodies” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), P.15 (Oxford University Press 1995), Ward など., “Genetic Manipulation and Expression of Antibodies” in Monoclonal Antibodies: Principles and Applications, p. 137 (Wiley-Liss, Inc. 1995), 及びGeorgiou, “Expression of Proteins in Bacteria”, in Protein Engineering: Principles and Practice; Cleland など. (eds.), p101 (John Wiley & Sons, Inc. 1996) を参照のこと)。
細菌、酵母、昆虫及び植物細胞中に発現ベクターを導入するための標準方法は、Ausubel (1995) により提供される。
哺乳類細胞系により生成される外来性タンパク質を発現し、そして回収するための一般的方法は、例えばEtcheverry, “Expression of Engineered Proteins in Mammalian Cell Culture “in Protein Englineering: Principles and Practice, Cleland など. (eds.), p163 (Wiley-Liss, Inc. 1996) により提供される。細菌系により生成されるタンパク質を回収するための標準技法は、例えばGrisshammer など., “Purification of Over-Produced proteins from E.coli cells “in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), p.59-92 (Oxford University Press 1995) により提供される。バキュロウィルス系から組換えタンパク質を単離するための確立された方法は、Richardson (ed.), Baculovirus Expression Protocols (The Humana Press, Inc. 1995) により記載される。
他方では、本発明のポリペプチドは、独占的固相合成、部分固相方法、フラグメント縮合又は従来の溶液合成により合成され得る。それらの合成方法は、当業者に良く知られている(例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85: 2149 (1963), Stewart et al., “Solid Phase Peptide Synthesis” (2nd Edition), (Pierce Chemical Co. 1984), Bayer and Rapp, Chem. Pept. 3.3 (1986). Atherton など., Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach (IRL Press 1989). Fields and Colowick, “Solid-Phase Peptide Synthesis.” Methods in Enzymology Volume 289 (Academic Press 1997), 及び Lloyd-Williams など., Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins (CRC Press, Inc. 1997)を参照のこと)。
全体的な化学合成方法、例えば“生来の化学的連結”及び“発現されたタンパク質連結”における変動性もまた標準である(例えば、Dawsonなど., Science 266: 776 (1994), Hackengなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA94: 7845 (1997), Dawson, Methods Enzymol. 287: 34 (1997), Muir など., proc. Natl. Acad. Sci. USA95: 6705 (1998),及び Severinov and Muir, J. Biol. Chem. 273: 16205 (1998)を参照のこと)。
本発明のペプチド及びポリペプチドは、配列番号2の少なくとも6個、少なくとも9個又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る。例示のように、ポリペプチドは、次ぎの配列番号2のアミノ酸配列のいずれかの少なくとも6個、少なくとも9個又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る:アミノ酸残基22〜230又は231、アミノ酸残基23〜230又は231、アミノ酸残基28〜230又は231、又はアミノ酸残基32〜230又は231;アミノ酸残基22、23、28又は32〜127;アミノ酸残基22、23、28又は32〜123、及びアミノ酸残基132〜230又は231。本発明の1つの態様においては、ポリペプチドは、それらのアミノ酸配列の20個,30個,40個,50個,100個又はそれ以上の連続した残基を含んで成る。そのようなペプチド及びポリペプチドをコードする核酸分子は、ポリメラーゼ鎖反応プライマー及びプローブとして有用である。
さらに、Zcytor16ポリペプチドは、高等真核生物細胞内でモノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーとして発現され得る。そのような細胞は、少なくともZcytor16ポリペプチド(“Zcytor16−含有受容体”、又は“Zcytor16−含有受容体ポリペプチド”)を含んで成る、Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリペプチドを生成するために使用され得るか、又はスクリーニングシステムにおいてアッセイ細胞として使用され得る。本発明の1つの観点においては、Zcytor16細胞外ドメインを含んで成るホン発明のポリペプチドは、培養された細胞により生成され、そして前記細胞は、天然のリガンドを包含する、受容体のためのリガンド、及び天然のリガンドのアゴニスト及びアンタゴニストについてスクリーンするために使用される。
このアプローチを要約するために、受容体をコードするcDNA又は遺伝子が、その発現のために必要とされる他の遺伝子要素(例えば、転写プロモーター)と共に組合され、そしてその得られる発現ベクターが宿主細胞中に挿入される。DNAを発現し、そして機能的受容体を生成する細胞が選択され、そして種々のスクリーニングシステム内に使用される。モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体複合体の個々の成分が、同じ細胞において発現され得る。さらに、前記モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体複合体の成分が、上記のように、トランスフェクトの複雑なアセンブリー及びスクリーニングを可能にするために、トランスメンブランドメイン又は他の膜融合成分に融合され得る。
Zcytor16受容体の発現及び受容体−介在性シグナルのトランスダクションへの使用のために適切な哺乳類細胞は、Zcytor16と共に機能的な複合体を形成できる他の受容体サブユニットを発現する細胞を包含する。それらのサブユニットは、インターフェロン受容体ファミリーの、又は他のクラスI又はクラスIIサイトカイン受容体、例えばCRF2−4(Genbank受託番号Z17227号)、IL−10R(Genbank受託番号第U00672号及びNM001558号)、Zcytor11(アメリカ特許第5,965,704号)、Zcytor7(アメリカ特許第5,945,511号)及びIL−9Rのそれらのサブユニットを包含することができる。発現されるべき受容体と同じ種からの細胞を使用することがまた好ましい。好ましい態様においては、細胞は、その増殖のための外来性供給造血成長因子に依存する。このタイプの好ましい細胞系は、GM−CSF−依存性ヒト白血病細胞系である、ヒトTF−1細胞系(ATCC番号CRL−2003)及びAML−193細胞系(ATCC番号CRL−9589)、及びIL−3依存性ネズミプレ−B細胞系であるBaF3(Palacios and Steinmetz, Cell41: 727-734 (1985))である。
適切な宿主細胞が、必要な受容体サブユニット、又は所望する細胞応答のために必要とされる他の細胞成分を生成するために構築され得る。このアプローチは、細胞系がいずれかの種からの受容体サブユニットを発現するために構築され得、それにより、種特異性から生じる可能性ある限界を克服するので、好都合である。ヒト受容体cDNAの種オルト体がクローン化され、そして同じ種からの細胞系、例えばBaF3細胞系におけるマウスcDNA内に使用され得る。従って、1つの造血成長因子、例えばGM−CSF又はIL−3に依存する細胞系が、Zcytor16受容体、例えばIL−TIFを通して作用するもう1つのサイトカインに依存するように成るよう構築され得る。
機能的受容体を発現する細胞が、スクリーニングアッセイ内に使用される。種々の適切な通常のアッセイは、当業界において良く知られている。それらのアッセイは、標的細胞における生物学的反応の検出に依存する。1つのそのようなアッセイは、細胞増殖アッセイである。細胞は、試験化合物の存在又は不在下で培養され、そして細胞増殖は、例えばトリチウム化されたチミジンの組み込みを測定することにより、又は3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(Mosman, J. Immunol. Meth. 65: 55-63, 1983)の代謝性分解に基づく比色分析により検出される。他のアッセイ型は、レポーター遺伝子を発現するよう、さらに構築される細胞を用いる。
レポーター遺伝子は、レポーター−連結経路に応答するプロモーター要素に連結され、そしてアッセイは、レポーター遺伝子の転写の活性化を検出する。これに関しての好ましいプロモーター要素は、血清応答要素、又はSREである(例えば、Shawなど., Cell 563-572, 1989を参照のこと)。好ましいそのようなレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ遺伝子である(de Wetなど., Mol. Cell. Biol. 7: 1987)。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、当業界において知られている方法を用いて発光により検出される(Baumgartnerなど., J. Biol. Chem. 269: 19094-29101, 1994; Schenborn and Goiffin, Promega Notes 41; 11, 1993)。ルシフェラーゼアッセイキットは、例えばPromega Corp., Madison, WIから市販されている。
この型の標的細胞系は、化学物質、細胞−ならし培養培地、菌類ブイヨン、土壌サンプル、水サンプル及び同様のもののライブラリーをスクリーンするために使用され得る。例えば、細胞−ならし培地サンプルのバンクが、リガンドを生成する細胞を同定するために標的細胞に対してアッセイされ得る。次に、陽性細胞が、プールに分けられ、宿主細胞中にトランスフェクトされ、そして発現される、哺乳類細胞発現ベクターにおいてcDNAライブラリーを生成するために使用される。次にトランスフェクトされた細胞からの培地サンプルがアッセイされ、続くプールの分割、トランスフェクション、継代培養、及び陽性細胞の再アッセイが伴ない、リガンドを発現するクローン細胞系が単離され得る。
Zcytor16受容体のための天然のリガンドはまた、十分な長さの受容体又は受容体融合体(例えば、トランスメンブランに融合されるZcytor16細胞外ドメイン、及びもう1つのサイトカイン受容体のシグナル化ドメインを含んで成る)を含んで成る細胞系を突然変異誘発し、そしてそれを、オートクライン増殖を選択する条件下で培養することによって同定され得る。WIPO公開WO95/21930号を参照のこと。典型的な方法においては、Zcytor16及び必要な追加のサブユニットを発現するIL−3依存性BaF3細胞が、例えば2−メチルメタンスルホネート(EMS)により突然変異誘発される。次に、細胞が、IL−3の存在下で回収され、そしてIL−3及びIL−4を欠いている培養培地に移される。生存細胞が、可溶性受容体を培養培地に添加するか、又は野生型BaF3細胞及び受容体を発現するBaF3細胞に基づいてならし培地をアッセイすることによって、Zcytor16リガンド(例えば、IL−TIF)の生成についてスクリーンされる。この方法を用いて、IL−TIFを発現する細胞及び組織が同定され得る。
さらに、いくつかのIL−TIF応答細胞系が知られており(Dumontierなど., J. Immunol. 164: 1814-1819, 2000; Dumoutier, L. など., Proc. Nat’l. Acad. Sci. 97: 10144-10149, 2000; Xie MHなど., J. Biol. Chem. 275: 31335-31339, 2000; Kotenko SVなど., JBC in press), そしてIL−TIF受容体サブユニットZcytor11を発現するそれらの細胞も知られている。例えば、次の細胞が、IL−TIFに対して応答性である:TK−10(Xie MHなど., 前記)(ヒト腎癌);SW480(ATCC No. CCL-228)(ヒト結腸腺癌);HepG2(ATCC No. HB-8065)(ヒト肝癌);PC12(ATCC No. CRL-1721)(ネズミニューロン細胞モデル;ラット褐色細胞腫);及びMES13(ATCC No. CRL-1927)(ネズミ腎糸球体間質細胞系)。
さらに、Zcytor11(IL−TIF受容体)を発現する次のいくつかの細胞系がまた、IL−TIFに対する応答細胞のための候補体でもある:A549(ATCC No. CCL-185)(ヒト肺癌);G−361(ATCC No. CRL-1424)(ヒト黒色腫);及びCaki−1(ATCC No. HTB-46)(ヒト腎癌)。それらの細胞は、IL−TIFアンタゴニスト又は抗−炎症因子としてZcytor16の官能性を評価するためにアッセイにおいて使用され得る。
本発明により提供される追加のスクリーニングアプローチは、ハイブリッド受容体ポリペプチドの使用を包含する。それらのハイブリッドポリペプチドは、2種の一般的な種類に分類される。第1の種類においては、Zcytor16の細胞内ドメインが、第2受容体のリガンド−結合ドメインに連結される。好ましくは、第2受容体は、造血サイトカイン受容体、例えばmpl受容体である(Souyriなど., Cell63: 1137-1147, (1990))。ハイブリッド受容体はさらに、いずれかの受容体に由来するトランスメンブランドメインを含んで成る。次にハイブリッド受容体をコードするDNA構造体が宿主細胞中に挿入される。
ハイブリッド受容体を発現する細胞が、結合ドメインのためのリガンドの存在下で培養され(例えば、mpl受容体細胞外ドメインが使用される場合、TPO)、そして応答についてアッセイされる。このシステムは、容易に入手できるリガンドを用いて、Zcytor16により介在されるシグナルトランスダクションを分析するための手段を提供する。このシステムはまた、特定の細胞系が本発明のZcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体によりトランスダクトされるシグナルに対して応答できるかどうかを決定するためにも使用され得る。
第2種類のハイブリッド受容体ポリペプチドは、第2受容体、好ましくは造血サイトカイン受容体の細胞内ドメイン及びトランスメンブランドメインと共に、Zcytor16の細胞外(リガンド結合)ドメイン(配列番号2の残基22−231;配列番号13)を含んで成る。この第2種類の本発明の受容体のハイブリッドZacytor11モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマーが、前記第2受容体によりトランスダクトされるシグナルに対して応答できることが知られている細胞において発現される。
さらに、それらの2種の種類のハイブリッド受容体は、IL−TIFを検出するためのアッセイの開発のための応答性細胞型の同定を可能にする。さらに、そのような細胞は、競争型アッセイにおいて本発明の可溶性受容体アンタゴニストをアッセイするためにIl−TIFの存在下で使用され得る。そのようなアッセイにおいては、本発明の可溶性受容体の存在下でIL−TIFの増殖又はシグナルトランスダクション活性の低下は、アンタゴニスト活性を示す。さらに、IL−TIF−可溶性受容体結合アッセイはまた、可溶性受容体がIL−TIF活性を拮抗するかどうかを評価するためにも使用され得る。
7.Zcytor 16融合タンパク質及び接合体の生成:
1つの一般的な種類のZcytor 16類似体は、本明細書に開示されるアミノ酸配列の突然変異であるアミノ酸配列を有する変異体である。もう1つの一般的種類のZcytor 16類似体は、下記のように、抗−イディオタイプ抗体及びそのフラグメントにより供給される。さらに、抗−イディオタイプの可変ドメインを含んで成る組換え抗体が、類似体として使用され得る(例えば、Monfardiniなど., proc. Assoc. Am. Physicians 108: 420 (1996) を参照のこと)。抗−イディオタイプZcytor 16抗体の可変ドメインはZcytor 16を模倣するので、それらのドメインは、Zcytor 16結合活性を提供することができる。、抗−イディオタイプ触媒性抗体を生成するための方法は、当業者に知られている(例えば、Joronなど., Ann. N. Y. Acad. Sci. 672:216(1992), Fribouletなど., Appl. Biochem. Biotechnol. 47:229(1994),及びAvalleなど., Ann. N. Y. Acad. Sci.864:118(1998)を参照のこと)。
Zcytor 16類似体を同定するもう1つのアプローチは、結合ライブラリーの使用により提供される。ファージ表示及び他の結合ライブラリーを構成し、そしてスクリーニングする方法は、例えばKayなど., Phage Display of Peptide and Proteins (Academic Press 1996), Verdine, アメリカ特許第5,783,384号、Kay, など., アメリカ特許第5,747, 334号及びKauffmanなど., アメリカ特許第5,723,323号号により提供される。
Zcytor 16ポリペプチドは、インビボ及びインビトロの両者において使用される。例示として、Zcytor 16の可溶形が、培養された細胞により生成されるZcytor 16リガンドの効果を阻害するために、細胞培養培地に添加され得る。
Zcytor 16の融合タンパク質は、組換え宿主においてZcytor 16を発現するために、そして発現されたZcytor 16を単離するために使用され得る。下記に記載されるように、特定のZcytor 16融合タンパク質はまた、診断及び治療にも使用される。1つのタイプの融合タンパク質は、組換え宿主細胞からのZcytor 16ポリペプチドを案内するペプチドを含んで成る。Zcytor 16ポリペプチドを、真核細胞の分泌経路中に方向づけるためには、分泌シグナル配列(また、シグナルペプチド、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている)が、Zcytor 16発現ベクターに供給される。分泌シグナル配列はZcytor 16に由来するが、適切なシグナル配列はまた、もう1つの分泌されたタンパク質から誘導されるか、又は新たに合成され得る。
分泌シグナル配列は、Zcytor 16−コード配列に作用可能に連結され、すなわち2つの配列は正しく読み取り枠を整合して連結され、そして宿主細胞の分泌経路中に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づけるように配置される。分泌シグナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’ 側に位置するが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あるヌクレオチド配列の他の場所に位置することもできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,743号;Hollandなど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
Zcytor 16又は哺乳類細胞により生成されるもう1つのタンパク質(例えば、アメリカ特許第5,641,655号に記載されるような組織タイプのプラスミノーゲン活性化因子シグナル配列)は、組換え哺乳類宿主におけるZcytor 16の発現のために有用であるが、酵母シグナル配列は、酵母細胞における発現のために有用である。適切な酵母シグナル配列の例は、酵母対合現象α−因子(MFα1遺伝子によりコードされる)、インバーターゼ(SUC2遺伝子によりコードされる)又は酸性ホスファターゼ(PHO遺伝子によりコードされる)に由来するそれらのものである。例えば,Romanos など., “Expression of Cloned Genes in Yeast” in DNA Cloning 2: A Practical Approach, 2nd Edition, Glover and Hames (eds.), p.123-167 (Oxford University Press 1995) を参照のこと。
Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリペプチドは、細胞外ドメイン、例えば配列番号13、配列番号2のアミノ酸22−210又は非ヒト受容体のその対応する領域をコードする切断されたDNAを発現することによって調製され得る。好ましくは、細胞外ドメインポリペプチドは、トランスメンブラン及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に有さない形で調製され得る。宿主細胞からの受容体ドメインの輸送を方向づけるために、受容体DNAが、分泌ポリペプチド、例えばt-PA分泌ペプチドをコードする第2DNAセグメントに連結される。
分泌された受容体ドメインの精製を促進するためには、C−末端拡張、例えばポリ−ヒスチジン標識、物質P, FlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1210, (1988); Eastman Kodak Co., New Haven, CTから入手できる)、又は抗体又は他の特異的結合剤が入手できるもう1つのポリペプチド又はタンパク質が、受容体ポリペプチドに融合され得る。さらに、ヘテロダイマー及びマルチマー非−Zcytor16サブユニット細胞外サイトカイン結合ドメインがまた、上記のようにして調製される。
他のアプローチにおいては、Zcytor16の受容体細胞外ドメイン又は他のクラスI又はIIサイトカイン受容体成分が、免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的には、2種の不変領域ドメイン及びヒンジ領域を含むが、しかし可変領域を欠いているFcフラグメントとの融合体として発現され得る(Slodziewski, AZなど., アメリカ特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照のこと)。本発明の可溶性Zcytor16、可溶性Zcytor16/CRF2-4ヘテロダイマー、及びモノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマーポリペプチドは、そのような融合体を包含する。そのような融合体は典型的には、マルチマー分子として分泌され、ここでFc部分はお互いジスルフィド結合され、そして2種の受容体ポリペプチドがお互い密接して整列される。
このタイプの融合は、リガンドを特異的に滴定することによってインビトロでシグナルを阻止するために、インビトロアッセイ手段として、そして循環リガンドを結合し、そしてそれを循環からクリアランスするために、それらを非経口投与することによって、インビボでのアンタゴニストとして、溶液から同起源のリガンドを親和性精製するために使用され得る。リガンドを精製するために、Zcytor16−Igキメラが、リガンドを含むサンプル(例えば、細胞ならし培養培地又は組織抽出物)に、受容体−リガンド結合を促進する条件(典型的には、ほぼ生理学的温度、pH及びイオン強度)下で、添加される。次に、キメラ−リガンド複合体が、固体支持体(例えば、不溶性樹脂ビーズ)上に固定されるタンパク質Aを用いて、混合物により分離される。
次に、リガンドが、従来の化学的技法を用いて、例えば塩又はpHグラジエントにより溶離される。他の手段においては、キメラ自体が、上記のようにして行われる結合及び溶離により、固体支持体に結合され得る。前記キメラ、急性期応答、例えば血清アミロイドA(SAA)、C−反応性タンパク質(CRP)及び同様のものを包含する炎症性応答を調節するためにインビボで使用され得る。高い結合親和性を有するキメラは、非経口(例えば、筋肉内、皮下又は静脈内注射による)投与される。循環分子は、リガンドを結合し、そして通常の生理学的工程により循環からクリアランスされる。アッセイへの使用のために、キメラは、Fc領域を通して支持体に結合され、そしてELISA型に使用される。
本発明はさらに、1又は複数のポリペプチド融合体を含んで成る、種々の他のポリペプチド融合体及び関連するマルチマータンパク質を提供する。例えば、可溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16ヘテロダイマーポリペプチド、例えば可溶性Zcytor16/CRF2-4は、アメリカ特許第5,155,027号及び第5,567,584号に開示されるように、二量体化するタンパク質への融合体として調製され得る。これに関しての好ましい二量体化するタンパク質は、免疫グロブリン不変領域ドメイン、例えばIgGγ1及びヒトκL鎖を包含する。免疫グロブリン−可溶性Zcytor16受容体又は免疫グロブリン−可溶性Zcytor16ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチド、例えば免疫グロブリン−可溶性Zcytor16/CRF2-4融合体は、種々のマルチマーZcytor16受容体類似体を生成するために、遺伝子的に構築された細胞において発現され得る。
補助ドメインは、可溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16へテロダイマー又はマルチマーポリペプチド、例えば可溶性Zcytor16/CRF2-4に、それらを特定の細胞、組織又は高分子(例えば、コラーゲン、又はZcytor16リガンド、IL−TIFを発現する細胞)に標的化するために融合さえ得る。Zcytor16ポリペプチドは、複数の成分、例えば精製及び標的化ドメインのための親和性標識に融合され得る。ポリペプチド融合体はまた、特にドメイン間に1又は複数の切断部位を含むことができる。Tuanなど., Connective Tissue Research 34: 1-9, 1996 を参照のこと。
細菌細胞においては、毒性を低め、安定性を高め、そして発現されたタンパク質の回収性を高めるために、異種タンパク質を融合タンパク質として発現することが、しばしば所望される。例えばZcytor16は、グルタチオンS−トランスフェラーゼポリペプチドを含んで成る融合タンパク質として発現され得る。グルタチオンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質は、典型的には、可溶性であり、そして固定されたグルタチオンカラム上でE. コリ融解物から容易に精製できる。類似するアプローチにおいては、マルトース結合タンパク質ポリペプチドを含んで成るZcytor16融合タンパク質は、アミロース樹脂カラムにより単離され得、そして切断されたタンパク質A遺伝子のC−末端を含んで成る融合タンパク質は、IgG−セファロースを用いて精製され得る。
細菌細胞において異種ポリペプチドを、融合タンパク質として発現するために確立された技法は、Williamsなど., “Expression of Foreign Proteins in E. coli Using Plasmid Vectors and Purification of Specific Polyclonal Antibodies”, in DNA Cloning 2: A Practical Approach, 2nd Edition, Glover and Hames (Eds.), p.15-58 (Oxford University Press 1995) により記載される。さらに、市販の発現システムが利用できる。例えば、PINPOINT Xaタンパク質精製システム(Promega Corporation, Madison, WI)は、アビジンを含んで成る樹脂により、発現の間、ビオチニル化されるポリペプチドを含んで成る融合タンパク質を単離するための方法を提供する。
原核又は真核細胞により発現される異種ポリペプチドを単離するために有用であるペプチド標識は、ポリヒスチジン標識(ニッケル−キレート化樹脂に対する親和性を有する)、c-myc標識、カルモジュリン結合タンパク質(カルモジュリン親和性クロマトグラフィーにより単離される)、物質P, RYIRS 標識(抗−RYIRS抗体と結合する)、Gln−Gln標識及びFLAG標識(抗−FLG抗体と結合する)を包含する。例えば、Luoなど., Srch. Biochem. Biophys. 329: 215 (1996), Morganti など., Biotechnol. Appl. Biochem. 23: 67 (1996), 及びZhengなど., Gene 186: 55 (1997) を参照のこと。そのようなペプチド標識コードする核酸分子は、例えばSigma−Aldrich Corporation (St. Louis, MO) から入手できる。
本発明はまた、分泌経路中に他のポリペプチドを方向づけるために本発明のZcytor16ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列の使用を企画する。配列番号2のアミノ酸残基1〜21又は1〜22に由来する分泌シグナル配列が当業界において知られており、そして本明細書に開示される方法を用いてもう1つのポリペプチドに作用可能に連結されるシグナル融合ポリペプチドが製造され得る。本発明の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は好ましくは、分泌路中に追加のペプチドを方向づけるためにその追加のペプチドにアミノ末端的に融合される。そのような構造体は、当業界において知られている多くの用途を有する。例えば、それらの新規の分泌シグナル配列融合構造体は通常分泌されないタンパク質の活性成分、例えば受容体の分泌を方向づけることができる。そのような融合は、分泌路を通してペプチドを方向づけるためにインビボ又はインビトロで使用され得る。
後者に関して、典型的なポリペプチドは、医薬的活性の分子、例えば第VIIa因子、プロインスリン、インスリン、卵胞刺激ホルモン、組織タイプのプラスミノーゲン活性化因子、腫瘍壊死因子、インターロイキン(例えば、インターロイキン−(IL−I)〜IL−15)、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)及び顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF))、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、−β、−γ、−ω、−δ、−τ及び−ε)、幹細胞増殖因子、例えば“SI因子”、エリトロポエチン及びトロンボポエチンを包含する。本発明の融合ポリペプチドに含まれるZcytor16分泌シグナル配列は好ましくは、追加のペプチドを分泌経路中に方向づけるために、その追加のペプチドにアミノ末端融合される。Zcytor16分泌シグナル配列を含んで成る融合タンパク質は、標準の技法を用いて構成され得る。
もう1つの形の融合タンパク質は、Zcytor16ポリペプチド、及び2又は3個の複領域ドメイン及びヒンジ領域を含むが、しかし可変領域を欠いている免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的なFcフラグメントを含んで成る。例示のように、Chang など., (アメリカ特許第5,723,125号) は、ヒトインターフェロン及びヒト免疫グロブリンFcフラグメントを含んで成る融合タンパク質を記載する。インターフェロンのC−末端は、ペプチドリンカー成分によりFcフラグメントのN−末端に連結される。ペプチドリンカーの例は、免疫学的に不活性であるT細胞不活性配列を主に含んで成るペプチドである。典型的なペプチドリンカーは、アミノ酸配列:GGSGG SGGGG SGGGG S (配列番号4) を有する。
融合タンパク質においては、好ましいFc成分は、溶液において安定性であり、そして活性を活性化する補体をほとんど有さないか又は完全に有さないヒトγ鎖である。従って、本発明はZcytor16成分及びヒトFcフラグメントを含んで成るZcytor16融合タンパク質を企画し、ここで前記Zcytor16成分のC−末端は、ペプチドリンカー、例えば配列番号4のアミノ酸配列から成るペプチドを通してFcフラグメントのN−末端に結合される。Zcytor16成分は、Zcytor16分子又はそのフラグメントであり得る。例えば、融合タンパク質は、配列番号2のアミノ酸残基22〜231又は28〜231、及びFcフラグメント(例えば、ヒトFcフラグメント)を含んで成る。
もう1つの態様においては、Zcytor16融合タンパク質は、IgG配列、IgG Zcytor16のアミノ酸末端に共有結合されるZcytor16成分、及びZcytor16のアミノ酸末端に共有結合されるシグナルペプチドを含んで成り、ここで前記IgG配列は、次の順序での次の要素から成る:CH2ドメイン及びCH3ドメイン。従って、IgG配列はCH1ドメインを欠いている。Zcytor16成分は、本明細書に記載されるように、Zcytor16活性、例えばZcytor16リガンドと結合する能力を示す。抗体及び非抗体部分の両者を含んで成る融合タンパク質を生成するこの一般的なアプローチは、LaRochelleなど., ヨーロッパ特許第742830号(WO95/21258号)により記載されている。
Zcytor16成分及びFc成分を含んで成る融合タンパク質は、インビトロアッセイ手段として使用され得る。例えば生物学的サンプルにおけるZcytor16リガンドの存在は、Zcytor16−免疫グロブリン融合タンパク質を用いて検出され得、ここでZcytor16成分は、前記リガンド、及び高分子、例えばタンパク質A又は抗−Fc抗体を結合するために使用され、すなわち固体支持体に融合タンパク質を結合するために使用される。さらに、そのようなシステムは、Zcytor16リガンドのその受容体への結合を妨害するアゴニスト及びアンタゴニストを同定するために使用され得る。
抗体融合タンパク質の他の例は、抗原−結合ドメイン、及びZcytor16細胞外ドメインを含むZcytor16フラグメントを含んで成るポリペプチドを包含する。そのような分子は、Zcytor16結合活性の有益性のための特定の組織を標的化するために使用され得る。
本発明はさらに、種々の他のポリペプチド融合体を提供する。例えば、生物学的機能を付与するドメインの一部又はすべては、サイトカイン受容体ファミリーの他のメンバーからの機能的に同等のドメインにより本発明のZcytor16間で置換され得る。ポリペプチド融合体は、Zcytor16融合類似体を生成するために、組換え宿主細胞において発現され得る。Zcytor16ポリペプチドは、複数の成分又はドメイン、例えば精製の親和性標識及び標的化ドメインに融合され得る。ポリペプチド融合体はまた、特にドメイン間での1又は複数の切断部位を含むことができる。例えば、Tuanなど., Connective Tissue Research 34; 1(1996) を参照のこと。
融合タンパク質は、その融合タンパク質の個々の成分を調製し、そしてそれらを化学的に接合することによって、当業者に知られている方法により調製され得る。他方では、正しく読み取り枠を整合して融合タンパク質の両成分をコードするポリヌクレオチドは、既知の技法を用いて生成され、そして本明細書に記載される方法により発現され得る。融合タンパク質の酵素的及び化学分解のための一般的な方法は、例えばAusubel(1995)、p. 16-19〜16−25により記載される。
Zcytor16ポリペプチドは、Zcytor16リガンドを同定し、そして単離するために使用される得る。例えば、本発明のタンパク質及びペプチドが、カラム上に固定され、そしてカラム上で作動する生物学的サンプルからのリガンドを結合するために使用され得る(Hermansonなど. (eds.), Immobilized Affinity Ligand Techniques, P. 195-202 (Academic Press 1992))。それ自体、本発明のZcytor16ポリペプチドは、診断又は生成のためにIL−TIFを同定し、そして単離するために使用され得る。
受容体リガンドとして、Zcytor16ポリペプチドの活性が、受容体結合及び続く生理学的細胞応答に関連する、細胞外酸性化速度又はプロトン排泄を測定する、珪素に基づくバイオセンサーのマイクロフィジオメーターにより測定され得る。典型的な装置は、Molecular Devices, Sunnyvale, CAにより製造されるCytosensorTM マイクロフィジオメーターである。種々の細胞応答、例えば細胞増殖、イオン輸送、エネルギー生成、炎症応答、調節及び受容体活性化及び同様のものが、この方法により測定され得る。
例えば、McConnell, H.M.など., Science 257:1906-1912, 1992; Pitchford, S. など., Meth. Enzymol. 228: 84-108, 1997: Arimilli, S. など., J. Immunol. Meth. 212: 49-59, 1998; Van Liefde, I. など., Eur. J. Pharmacol. 346: 87-95, 1998を参照のこと。さらに、マイクロフィジオメーターは、付着性又は非付着性真核又は原核細胞をアッセイするために使用され得る。時間にわたっての細胞培地における細胞外酸性化変化を測定することによって、マイクロフィジオメーターは、種々の刺激に対する細胞応答、例えばZcytor16のアゴニスト、リガンド又はアンタゴニストを直接的に測定する。
例えば、マイクロフィジオメーターは、Zcytor16ポリペプチドを発現しない対照の真核宿主に比較して、Zcytor16−発現真核細胞の応答を測定するために使用され得る。Zcytor16−調節刺激に対して応答性の適切な細胞は、Zcytor16発現バクターを含んで成る組換え宿主細胞、及び天然においてZcytor16を発現する細胞を包含する。細胞外酸性化は、Zcytor16−調節された細胞応答についての1つの測定を提供する。さらに、このアプローチは、Zcytor16リガンド、そのアゴニスト及びアンタゴニストを同定するために使用され得る。例えば、分子は、Zcytor16ポリペプチドを発現する細胞を供給し、前記細胞の第1部分を、試験化合物の不在下で培養し、前記細胞の第2部分を、試験化合物の存在下で培養し、そして前記第1部分と比較して、前記第2部分が細胞応答を示すかどうかを決定することによって、Zcytor16リガンドのアゴニストとして同定され得る。
他方では、固相システムが、Zcytor16リガンド、Zcytor16リガンドのアゴニスト又はアンタゴニストを同定するために使用され得る。例えば、Zcytor16ポリペプチド又はZcytor16融合タンパク質、又はZcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体が、市販のバイオセンサー装置の受容体チップの表面上に固定され得る(BLACORE, Biacore AB; uppsala, Sweden)。この装置の使用は、例えばkarlsson, Immunol. Methods 145:229 (1991)、及びCunningham and Wells, J. Mol. Biol. 234:554 (1993) により開示される。
手短には、Zcytor16ポリペプチド又は融合タンパク質は、流動細胞内の金フィルムに結合されるデキストラン繊維に、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて、共有結合される。次ぎに、試験サンプルが、細胞を通して通される。リガンドがサンプルに存在する場合、それは固定されたポリペプチド又は融合タンパク質に結合し、培地の屈折率の変化を引き起こし、これが金フィルムの表面プラスモン共鳴の変化として検出される。このシステムは、結合親和性が計算され得るオン−及びオフ−速度の測定、及び結合の化学量論の評価を可能にする。このシステムはまた、抗体−抗原相互作用、及び他の補体/抗−補体対の相互作用を試験するためにも使用され得る。
Zcytor16結合ドメインはさらに、Zcytor16リガンドアゴニストの推定上の接触部位アミノ酸の突然変異に関連して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、耕造体の物理的分析により特徴づけられ得る。例えば、de Vosなど., Science 255:306 (1992), Smithなど., J. Mol. Biol. 224:899 (1992), 及びWlodaverなど., FEBS Lett. 309: 59 (1992) を参照のこと。
本発明はまた、Zcytor16ポリペプチドがポリマーにより連結される、化学的に修飾されたZcytor16組成物を企画する。例示的なZcytor16ポリペプチドは、機能的なトランスメンブランドメインを欠いている可溶性ポリペプチド、例えば配列番号2のアミノ酸残基22〜231又は28〜231から成るポリペプチドである。典型的には、前記ポリマーは、Zcytor16結合体が水性環境、例えば生理学的環境において沈殿しないよう水溶性である。適切なポリマーの例は、単一の反応基、例えばアシル化のための活性エステル、又はアルキル化のためのアルデヒドを有する修飾されている1つのポリマーである。この場合、重合化の程度は調節され得る。反応性アルデヒドの例は、ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒド、又はモノ−(C1−C10)アルコキシ、又はそれらのアリールオキシ誘導体である(例えば、Harrisなど., アメリカ特許第5,252,714号を参照のこと)。ポリマーは枝分かれ鎖であっても、又は枝分かれ鎖でなくても良い。さらに、ポリマーの混合物がZcytor16接合体を生成するために使用され得る。
治療のために使用され得るZcytor16接合体は、医薬的に許容できる水溶性ポリマー成分を含むことができる。適切な水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシ−PEG、モノ−(C1−C10)アルコキシ−PEG、アリールオキシ−PEG、ポリ−(N−ビニルピロリドン)PEG、トレシルモノメトキシPEG、PEGプロピオンアルデヒド、ビス−スクシンイミジルカーボネートPEG、プロピレングリコールホモポリマー、酸化ポリプロピレン/酸化エチレンコポリマー、ポリオキシエチル化されたポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、デキストラン、セルロース又は他の炭水化物基材のポリマーを包含する。適切なPEGは、約600〜約60,000、例えば5,000、12,000及び25,000の分子量を有することができる。Zcytor16接合体はまた、そのような水溶性ポリマーの混合物も含むことができる。
Zcytor16接合体の1つの例は、Zcytor16成分、及びZcytor16成分のN−末端に結合される酸化ポリアルキル成分を含んで成る。PEGは、1つの適切な酸化ポリアルキルである。例示として、Zcytor16は、PEG、すなわち“PEG化”として知られている方法により修飾され得る。Zcytor16のPEG化は、当業界において知られているPEG化反応のいずれかにより行われ得る(例えば、ヨーロッパ特許第0154316号、Delgadoなど., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 9: 249 (1992), Duncan and Spreafico, Clin. Pharmacokinet. 27: 290 (1994) 及びFrancis など., Int, J. Hematol. 68: 1 (1998) を参照のこと)。例えば、PEG化は反応性ポリエチレングリコール分子によるアシル化反応又はアルキル化反応により行われ得る。他のアプローチにおいては、Zcytor16接合体は、PEGの末端ヒドロキシ又はアミノ基が活性化されたリンカーにより置換されている活性化されたPEGを縮合することによって形成される(例えば、Karasiewiczなど., アメリカ特許第5,382,657号を参照のこと)。
アシル化によるPEG化は典型的には、Zcytor16ポリペプチドとPEGの活性エステル誘導体との反応を必要とする。活性化されたPEGエステルの例は、N−ヒドロキシスクシンイミドにエステル化されたPEGである。本明細書において使用される場合、用語“アシル化”とは、Zcytor16と水溶性ポリマー間のタイプの結合を包含する:アミド、カルバメート、ウレタン及び同様のもの。アシル化によるPEG化されたZcytor16の調製方法は、典型的には、(a)Zcytor16ポリペプチドとPEG(例えば、PEGのアルデヒド誘導体の反応性エステル)とを、1又は複数のPEG基がZcytor16に結合する条件下で反応せしめ、そして(b)その反応生成物を得る段階を含んで成る。一般的に、アシル化反応のための最適な反応条件は、既知のパラメーター及び所望する結果に基づいて決定されるであろう。例えば、PEG:Zcytor16の比が高いほど、ポリPEG化されたZcytor16生成物の%が高くなる。
アシル化によるPEG化の生成物は典型的には、リシンε−アミノ基がアシル結合を通してPEG化されるポリPEG化されたZcytor16生成物である。典型的には、その得られるZcytor16は、少なくとも95%、モノ−、ジ−又はトリ−ペルギレートされるが、但し高い程度のPEG化を有するいくつかの種は、その反応条件に依存して形成され得る。PEG化された種は、標準の精製方法、例えば透析、限外濾過、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー及び同様のものを用いて、接合されていないZcytor16ポリペプチドから分離され得る。
アルキル化によるPEG化は一般的に、還元剤の存在下で、Zcytor16と、PEGの末端アルデヒド誘導体との反応を包含する。PEG基は好ましくは、−CH2−NH基を通してポリペプチドに結合される。
モノPEG化された生成物を生成するためへの還元性アルキル化を通しての誘導体化は、誘導体化のために利用できる異なったタイプの第1アミノ基の示差反応性を利用する。典型的には、前記反応は、リシン残基のε−アミノ基とタンパク質のN−末端残基のα−アミノ基との間のpKa差異の利用を可能にするpHで行われる。そのような選択的誘導体化により、反応性基、例えばアルデヒドを含む水溶性ポリマーのタンパク質への結合が調節される。ポリマーとの接合は、他の反応性基、例えばリシン側鎖アミノ基の有意な修飾を伴なわないで、タンパク質のN−末端で優先的に生じる。本発明は、Zcytor16モノポリマー接合体の実質的な調製物を提供する。
モノポリマーZcytor16接合体分子の実質的に均質な集団を生成するための還元性アルキル化は、(a)Zcytor16のアミノ末端でのα−アミノ基選択的修飾を可能にするために適切なpHでの還元性アルキル化条件下で反応性PEGとンZcytor16ポリペプチドとを反応せしめ、そして(b)反応生成物を得る段階を含んで成る。還元性アルキル化のために使用される還元剤は、水溶液において安定性であり、そして好ましくは、還元性アルキル化の初期工程において形成されるSchiff塩基のみを還元できるべきである。例示的な還元剤は、硼水素化ナトリウム、シアノ硼水素化ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン及びビリジンボランを包含する。
モノポリマーZcytor16接合体の実質的に均質な集団に関しては、還元性アルキル化反応条件は、Zcytor16のN−末端への水溶性ポリマーの成分の結合を可能にするそれらの条件である。そのような反応条件に、N−末端でのα−アミノ基とリシンアミノ基との間のpKa差異を提供する。pHはまた、使用されるポリマー:タンパク質の比にも影響を及ぼす。一般的に、pHが低い場合、タンパク質よりも過剰量のポリマーが、N−末端α−基が反応性であるほど、より多くのポリマーが最適な条件を達成するために、必要とされるので、所望される。pHが高い場合、ポリマー:Zcytor16は、より多くの反応性基が利用できるので、高くある必要はない。典型的には、pHは、3〜9又は3〜6の範囲内であろう。この方法は、Zcytor16−含有ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体接合体を製造するために使用され得る。
考慮すべきもう1つの因子は、水溶性ポリマーの分子量である。一般的に、ポリマーの分子量が高いほど、より少数のポリマー分子がタンパク質に結合され得る。PEG化反応に関しては、典型的な分量は、約2kDa〜約100kDa、約5kDa〜約50kDa又は約12kDa〜約25kDaである。水溶性ポリマー:Zcytor16のモル比は、一般的に、1:1〜100:1の範囲であろう。典型的には、水溶性ポリマー:Zcytor16のモル比は、ポリPEG化に関して、1:1〜20:1であり、そしてモノPEG化に関しては、1:1〜5:1であろう。
ポリペプチド及び水溶性ポリマー成分を含んで成る接合体を生成するための一般的な方法は当業界において知られている。例えば、Karasiewiczなど., アメリカ特許第5,382,657号、Greewaldなど., アメリカ特許第5,738,846号、Nieforthなど., Clin. Pharmacol. Ther. 59: 636 (1996), Monkarsh など., Anal. Biochem. 247: 434 (1997) を参照のこと。この方法は、Zcytor16−含有ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体接合体を製造するために使用され得る。
本発明は、本明細書に記載されるペプチド又はポリペプチドを含んで成る組成物を企画する。そのような組成物はさらに、キャリヤーを含むことができる。前記キャリヤーは、従来の有機又は無機キャリヤーであり得る。キャリヤーの例は、水、緩衝液、アルコール、ポリエチレングリコール、マクロゲル、ゴマ油、トウモロコシ油及び同様のものを包含する。
8.Zcytor16ポリペプチドの単離:
本発明のポリペプチドは、汚染性高分子、特に他のタンパク質及び核酸に対して、少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純度、又は95%以上の純度に精製することが好ましく、そして感染性及び発熱性剤を有さない。本発明のポリペプチドはまた、99.9%以上の純度である医薬的に純粋な状態に精製され得る。特定の製剤においては、精製されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に有さない。
分別及び/又は従来の精製方法は、天然源(例えば、扁桃組織)から精製されたZcytor16、合成Zcytor16ポリペプチド、及び組換え宿主細胞から精製された組換えZcytor16ポリペプチド及び融合Zcytor16ポリペプチドの調製物を得るために使用され得る。一般的に、硫酸アンモニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出は、サンプルの分別のために使用される。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体は、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特別なシリカ及び同様のものを包含する。PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましい。
典型的なクロマトグラフィー用媒体は、フェニル、ブチル又はオクチル基により誘導体化されたもの、例えばフェニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl ブチル650(Toso Haas, Montgomeryville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharmacia)及び同様のもの;又はポリアクリル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso Haas)及び同様のものを包含する。適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基材の樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋されたポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用される条件下で不溶性である同様のものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分によるタンパク質の結合を可能にする反応性基より変性され得る。
カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及びカルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そして広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。ポリペプチド単離及び精製の特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の性質により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988、及びDoonan, Protein Purification Protocols (The Humana Press 1996)を参照のこと。
Zcytor16単離及び精製における追加の変動は、当業者により調節され得る。例えば、下記のようにして得られる抗−Zcytor16抗体は、免疫親和性精製により多量のタンパク質を単離するために使用され得る。
本発明のポリペプチドは、アニオン及びカチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除、及び親和性クロマトグラフィーを包含する方法の組み合わせより単離され得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、ヒスチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれらのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski, Trends in Biochem. 3: 1−7, 1985)。ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用される金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され、そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶出されるであろう。
他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(M. Deutscher, (ed.), Methods Enzymol. 182, 529(1990))。本発明のさらなる態様においては、興味あるポリペプチド、及び親和性標識(例えばマルトース−結合タンパク質、FLAG標識、Glu-Gku標識、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を促進するために構成され得る。さらに、Zcytor16細胞外ドメインのリガンド−結合性質が、例えばLI−TIFリガンドがカラムに結合され、そしてZcytor16−含有受容体が結合され、そしてつづいて標準のクロマトグラフィー方法を用いて溶離される親和性クロマトグラフィーを用いることによって開発され得る。
Zcytor16ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、下記のようにして、化学合成を通して調製され得る。Zcytor16ポリペプチドは、モノマー又はマルチマーであり得;グリコシル化されても、又はグリコシル化されなくても良く;PEG化されても、又はPEG化されなくても良く;そして初期メチオニンアミノ酸残基を含むことができるか、又は含まなくても良い。
9.Zcytor16タンパク質に対する抗体の生成:
Zcytor16に対する抗体は、例えば抗原として、Zcytor16発現ベクターの生成物又は天然源から単離されたZcytor16を用いて得られる。特に有用な抗−Zcytor16抗体は、Zcytor16を、“特異的に結合する”。抗体は、その抗体が次の2つの性質の少なくとも1つを示す場合、特異的に結合すると思われる:(1)抗体が限界レベルの結合活性を伴って、Zcytor16に結合し、そして(2)抗体がZcytor16に関連するポリペプチドと有意に交差反応しない場合。
第1の特徴に関しては、抗体は、それらが、106M-1又はそれ以上、好ましくは107M-1又はそれ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは109M-1又はそれ以上の結合親和性(Ka)を伴なって、Zcytor16ポリペプチド、ペプチド又はエピトープに結合する場合、特異的に結合する。抗体の結合親和性は、Scatchard 分析(Scatchard, Ann. NY Acad. Sci. 51: 660 (1949))により、当業者により容易に決定され得る。第2の特徴に関しては、抗体は、それらが、標準のウェスターンブロット分析を用いて、Zcytor16を検出するが、しかし現在知られているポリペプチドを検出しない場合、関連するポリペプチドと有意に交差反応しない。既知の関連するポリペプチドの例は、既知のサイトカイン受容体である。
抗−Zcytor16抗体は、抗原性Zcytor16エピトープ−担持ペプチドを用いて生成され得る。本発明の抗原性エピトープ−担持ペプチド及びポリペプチドは、配列番号2内に含まれる、少なくとも9個、又は15〜約30個のアミノ酸の配列、又は本明細書に開示されるもう1つのアミノ酸配列を含む。しかしながら、30〜50個のアミノ酸、又は本発明のポリペプチドの全アミノ酸配列までのいずれかの長さのアミノ酸を含む、本発明のアミノ酸配列の大きな部分を含んで成るペプチド又はポリペプチドはまた、Zcytor16と結合する抗体を誘発するためにも有用である。所望には、エピトープ担持ペプチドのアミノ酸配列は、水性溶媒において実質的な溶解性を提供するよう選択される(すなわち、前記配列は、比較的親水性の残基を包含し、そして疎水性残基は好ましくは、回避される)。さらに、プロリン残基を含むアミノ酸配列がまた、抗体生成のために所望される。
例示のように、Zcytor16における可能性ある抗原性部位が、LASERGENE(DNASTAR;Madison, WI)のPROTEANプログラム(バージョン3.14)により実効されるように、Jameson-Wolf method, Jameson and Wolf, CABIOS 4: 181, (1988) を用いて、同定された。デフォールトパラメーター(default parameter)が、この分析に使用された。
Jameson−Wolf方法は、タンパク質構造予測のために6種の主要サブルーチンを組合すことによって、可能性ある抗原決定基を予測する。手短には、Hopp−Woods方法、Hoppなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 3924 (1981) が最初に、最大の局部親水性の領域を表すアミノ酸配列を同定するために使用された(パラメーター:平均7個の残基)。第2段階においては、Emini方法、Eminなど., J. Virolgy 55: 836 (1985) が、表面確立を計算するために使用された(パラメーター:表面決定限界値(0.6)=1)。
第3に、Karplus−Schultz方法、Karplus and Schultz, Naturwissenschaften 72: 212 (1985) が、主鎖柔軟性を予測するために使用された(パラメーター:柔軟性限界値(0.2)=1)。分析の第4及び第5段階においては、二次構造の予測が、Chou-Fasmanの方法、Chou, “Prediction of Protein Structural Classes from Amino Acid Composition”, in Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation, Fasman (ed.), p.549-586 (1978) を用いて、データに適用された(Chou-Fasman パラメーター:コンホメーション表=64タンパク質;β領域限界値=105;Grrnier-Robsonパラメーター:α及びβ決定パラメーター=0)。
第6のサブルーチンにおいては、柔軟性パラメーター及び水治療/溶媒接近性因子が、“抗原指数”として呼ばれる表面輪郭値を決定するために組合された。最終的に、ピーク拡大機能が、抗原指数に適用され、内部領域に対する表面領域の移動度に由来する追加の自由エネルギーを計算するために、それぞれのピーク値の20, 40, 60又は80%を付加することによって主用表面ピークを拡大する。しかしながら、この計算は、ヘリカル領域がほとんど柔軟性になる傾向がないので、ヘリカル領域に存在するいずれかの主用ピークにも適用されなかった。
この分析の結果は、配列番号2の次のアミノ酸配列が適切な抗原性ペプチドを提供することを示した:アミノ酸24−42(“抗原性ペプチド1”)、アミノ酸24-33 (“抗原ペプチド2”)、アミノ酸37−42(“抗原性ペプチド3”)、アミノ酸48−55(“抗原性ペプチド4”)、アミノ酸68−81(“抗原ペプチド5”)、アミノ酸88−97(“抗原性ペプチド6”)、アミノ酸126−132(“抗原ペプチド7”)、アミノ酸156−165(“抗原ペプチド8”)アミノ酸178−185(“抗原性ペプチド9”)、及びアミノ酸216−227(“抗原性ペプチド10”)。本発明は、Zcytor16に対する抗体を生成するために抗原性ペプチド1−10のいずれか1つの使用を企画する。本発明はまた、抗原性ペプチド1−10の少なくとも1つを含んで成るポリペプチドを企画する。
さらに、適切な抗原はまた、もう1つのクラスI又はIIサイトカイン細胞外ドメイン、例えば可溶性Zcytor16ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチド、例えば可溶性Zcytor16/CRF2−4、Zcytor16/ Zcytor11、Zcytor16/ Zcytor7、及び同様のものを形成するそれらのドメインと組合して、Zcytor16サイトカイン結合又は上記に開示される細胞外ドメインを含んで成るZcytor16ポリペプチドを包含する。
組換えZcytor16タンパク質、又は天然源から単離されたZcytor16に対するポリクローナル抗体は、当業者に良く知られている方法を用いて調製され得る。例えば、Green など., “Production of polyclonal Antisera,” in Immunochemical Protecols (Manson, ed.), pages 1-5 (Humana Press 1992), 及びWilliams など., “Expression of foreign proteins in E. coli using plasmid vectors and purification of specific polyclonal antibodies,” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など., (eds.), page 15 (Oxford University press 1995を参照のこと。
Zcytor16ポリペプチドの免疫原性は、アジュバント、例えばみょうばん(水酸化アルミニウム)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用を通して高められ得る。免疫化のために有用なポリペプチドはまた、融合ポリペプチド、例えばZcytor16又はその一部と、免疫グロブリンポリペプチド又はマルトース結合タンパク質との融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部分は好都合には、免疫化のために高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に結合されるか又は連結され得る。
ポリクローナル抗体は典型的には、動物、例えば馬、牛、犬、鶏、ラット、マウス、ウサギ、テンジュクネズミ、ヤギ又は羊において生ぜしめられるが、本発明の抗−Zcytor16抗体はまた、ヒトに近い霊長類抗体から誘導され得る。ヒヒにおいて診断的に及び治療的に有用な抗体を生ぜしめるための一般的な技法は、例えばGoldenbergなど., 国際特許出願番号WO91/11465号及びLosmanなど., Int. J. Cancer 46: 310, 1990に見出され得る。
他方では、モノクローナル抗−Zcytor16抗体が生成され得る。特定抗原に対する囓歯動物モノクローナル抗体は、当業者に知られている方法により得られる(例えば、Kohler など., Nature 256: 495 (1975), Coliga など., (eds.), Current Protocols in Immunology, Vol. 1, page 2.5.1-2.6.7 (John Wiley & Sons 1991), Picksley など., “Production of monoclonal antibodies against proteins expressed in E. coli,” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), page 93 (Oxford University Press 1995を参照のこと)。
手短には、モノクローナル抗体は、Zcytor16遺伝子生成物を含んで成る組成物をマウスに注射し、血清サンプルを除去することにより抗体生成の存在を確かめ、B−リンパ球を得るために脾臓を除去し、ハイブリドーマを生成するために前記リンパ球を骨髄腫細胞により融合し、ハイブリドーマをクローニングし、抗原に対する抗体を生成する陽性クローンを選択し、抗原に対する抗体を生成するクローンを培養し、そしてハイブリドーマ培養物から抗体を単離することに得られる。
さらに、本発明の抗−Zcytor16抗体は、ヒトモノクローナル抗体から誘導され得る。ヒトモノクローナル抗体は、抗原攻撃に応答して特定のヒト抗体を生成するよう構築されたトランスジェニックマウスから得られる。この技法においては、ヒトH鎖及びL鎖遺伝子座の要素が、内因性H鎖及びL鎖遺伝子座の標的化された破壊を含む胚幹細胞系に由来するマウス株中に導入される。トランスジェニックマウスは、ヒト抗原に対して特異的なヒト抗体を合成することができ、そして前記マウスはヒト抗体−分泌性ハイブリドーマを生成するために使用され得る。トランスジェニックマウスからヒト抗体を得るための方法は、Greenなど., Nat. Genet. 7: 13, 1994, Lonberg など., Nature 368: 856, 1994, 及びTaylorなど., Inc. Immun. 6: 576, 1994により記載される。
モノクローナル抗体は、種々の十分に確立された技法により、ハイブリドーマ培養物から単離され、そして精製され得る。そのような単離技法は、プロテイン−Aセファロースによる親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーを包含する(例えば、Coligan, page 2.7.1-2.7.12及びpage 2.9.1^2.9.3; Bainesなど.,” Purification of Imunoglobulin G (IgG)”, Methods in Molecular Biology, vol, 10, p. 79-104 (The Humana Press, Inc. 1992) を参照のこと)。
特定の用途に関しては、抗−Zcytor16抗体のフラグメントを調製することが所望される。そのような抗体フラグメントは、例えば抗体のタンパク質加水分解により得られる。抗体フラグメントは、従来の方法による完全な抗体のペプシン又はパパイン消化により得られる。例示のように、抗体フラグメントは、F(ab’)2として示される5Sフラグメントを供給するためにペプシンによる抗体の酵素分解により生成され得る。このフラグメントはさらに、3.5S Fab’ 単価フラグメントを生成するためにチオール還元剤を用いて分解され得る。
任意には、その分解反応は、ジスルフィド結合の分解に起因するスルフヒドリル基に関するブロッキング基を用いて行われ得る。他の手段としては、ペプシンを用いての酸素分解が2種の単位Fabフラグメント及びFcフラグメントを直接的に生成する。それらの方法は、例えば、Goldenberg, アメリカ特許第4,331,647号、Nisonoff など., Arcg Biochem. Biophys. 89: 230, 1960, Porter, Biochem. J. 73: 119, 1959, Edelman など., in Methods in Enzymology vol. 1, p. 422 (Academic Press 1967), 及びColigan, p. 2.8.1-2.8.10及び2.10-2.10.4により記載される。
抗体を分解する他の方法、例えば単価L−H鎖フラグメントを形成するためへのH鎖の分解、フラグメントの追加の分解、又は他の酵素的、化学的又は遺伝的技法がまた、そのフラグメントが損なわれていない抗体により認識される抗原に結合する限り、使用され得る。
例えば、Fvフラグメントは、VH及びVL鎖の会合を含んで成る。この会合は、Inbar など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 2659, 1972により記載のように、非共有的であり得る。他方では、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合により連結され、又は化学物質、例えばグルテルアルデヒドにより交差結合され得る(例えば、Sandhu, Crit. Rew. Biotech. 12: 437, 1992を参照のこと)。
Fvフラグメントは、ペプチドリンカーにより連結されるVH及びVL鎖を含んで成る。それらの一本鎖抗原結合タンパク質(scFv)は、オリゴヌクレオチドにより連結されるVH及びVLドメインをコードするDNA配列を含んで成る構造遺伝子を構成することによって調製される。構造遺伝子が、続いて、宿主細胞、例えばE.コリ中に導入される発現ベクター中に挿入される。組換え宿主細胞は、2種のVドメインを架橋するリンカーペプチドを有する単鎖ポリペプチドを合成する。ScFvを生成するための方法は、例えばWhitlow など., Methods: A Companion to Metheds in Enzymology 2:97, 1991により記載される。Bird など., Science 242:423, 1988, Ladner など., アメリカ特許第4,946,778号、Packなど., Bio/Technology 11: 1271, 1993及びSandhu, 前記も参照のこと。
例示のように、scFvは、インビトロで、Zcytor16ポリペプチドにリンパ球を暴露し、そしてファージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選択すること(例えば、固定された又はラベルされたZcytor16タンパク質又はペプチドの作用を通して)によって得られる。可能性あるZcytor16ポリペプチド結合ドメインを有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示)又は細菌、例えばE.コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多くの手段、例えばランダム突然変異誘発及びランダムポリヌクレオチド合成を通して得られる。それらのランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチドであり得る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子、又は有機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために使用され得る。
そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そしてスクリーニングするための技法は、当業界において知られており(Ladner など., アメリカ特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778 号;Ladner など., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特許第5,571,698 号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins (Academic Press, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及びそのようなライブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClontech (Palo Alto, CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs, Inc. (Beverly, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, MJ) から市販されている。ランダムペプチド表示ライブラリーは、Zcytor16に結合するタンパク質を同定するために、本明細書に開示されるZcytor16配列を用いてスクリーンされ得る。
抗体フラグメントのもう1つの形は、単一の相補性−決定領域(CDR)をコードするペプチドである。CDRペプチド(“最小認識単位”)は、興味ある抗体のDCRをコードする遺伝子を構成することによって得られる。そのような遺伝子は、例えば抗体−生成細胞のRNAから可変領域を合成するためにポリメラーゼ鎖反応を用いることによって調製される(例えば、Larrick など., Methods: A Companion to Methods in Enzymology 2:106, (1991), Courtenay-Luck, “Genetic Manipulation of Monoclonal Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering and Clinical Application, Ritter など., (eds.), page 166 (Cambridge University Press 1995), 及びWard など., “Genetic Manipulation and Expression of Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Principles and Applications, Birch など., (eds.), page 137 (Wiley-Liss, Inc. 1995)を参照のこと)。
他方では、抗−Zcytor16抗体は、“ヒト型化”モノクローナル抗体から誘導され得る。ヒト型化モノクローナル抗体は、マウス免疫グロブリンH及びL可変鎖からのマウス相補的決定領域を、ヒト可変ドメイン中に移行することにより生成される。次に、ヒト抗体の典型的な残基がネズミ相対物の骨格領域において置換される。ヒト型化モノクローナル抗体に由来する抗体成分の使用は、ネズミ不変領域の免疫原性に関連する可能性ある問題を回避する。ネズミ免疫グロブリン可変ドメインをクローン化するための一般的な技法は、例えば、Orlandiなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3833, 1989により記載される。
ヒト型化モノクローナル抗体を生成するための技法は、例えば、Jones など., Nature 321:522, 1986, Carter など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 4285, 1992, Sandhu, Crit. Rey. Biotech. 12: 437, 1992, Singer など., J. Tmmun. 150: 2844, 1993, Sudhir (ed.), Antibody Engineering Protocols (Humana Press, Inc. 1995), Kelley, “Engineering Therapeutic Antibodies,” in Protein Engineering: Principles and Practice, Cleland など. (eds.), pages 399-434 (John Wiley & Sons, Inc. 1996), 及びQueen など., アメリカ特許第5,693,762号(1997)により記載される。
ポリクローナル抗−イディオタイプ抗体は、標準技法を用いて、抗−Zcytor16抗体又は抗体フラグメントにより動物を免疫化することにより調製され得る。例えば、Greenなど., “Production of Ployclonal Antisera” in Methods in Molecular Biology: Immunochemical Protocols, Manson (ed.), P. 1-2 (Humana Press 1992) を参照のこと。また、Coligan, 前記、p.2.4.1-2.4.7も参照のこと。他方では、モノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、上記の技法により、抗−Zcytor16抗体又は抗体フラグメントを免疫原として用いて調製され得る。もう1つの方法として、ヒト型化抗−イディオタイプ抗体又は人間に近い霊長類抗−イディオタイプ抗体が、上記技法を用いて調製され得る。抗−イディオタイプ抗体を調製するための方法は、例えばIrie, アメリカ特許第5,208,146号, Greeneなど., アメリカ特許第5,637,677号、及びVarthakovi and Minocha, J. Gen. Virol 77: 1875, 1996により記載される。
10.遺伝子発現及び遺伝子構造を検出するためへのZcytor16ヌクレオチド配列の使用:
核酸分子は、生物学的サンプルにおけるZcytor16遺伝子の発現を検出するために使用され得る。適切なプローブ分子は、配列番号1のヌクレオチド配列、又はその一部を含んで成る二本鎖核酸分子、及び配列番号1のヌクレオチド配列の補体、又はその一部を有する1本鎖核酸分子を包含する。本明細書において使用される場合、用語“一部”とは、少なくとも8個のヌクレオチド〜少なくとも20個又はそれ以上のヌクレオチドを言及する。例示的なプローブは、他のサイトカイン受容体遺伝子における相当の領域に対して低い配列類似性を有する、Zcytor16遺伝子の領域と結合する。
基本的アッセイにおいては、一本鎖プローブ分子が、プローブと標的Zcytor16 RNA種との間の塩基対合を促進する、温度及びイオン強度の条件下で、生物学的サンプルから単離されたRNAと共にインキュベートされる。末結合のプローブをハイブリダイズされた分子から分離した後、ハイブリッドの量が検出される。
さらに、Zcytor16は脾臓−特異的ポリヌクレオチドプローブ、抗−zcytor16抗体及び検出であるので、組織におけるZcytor16ポリペプチドの存在は、例えば、疾病又は癌性脾臓の切除を包含する手術の後、脾臓組織が存在するかどうかを評価するために使用される。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド及び抗体は、すべての脾臓組織が、手術の後、例えば脾臓癌についての手術の後、切除されたかどうかを決定するための助剤として使用され得る。そのような場合、癌からの回復を最大化し、そして再発を最少にするためにすべての可能性ある疾病組織を除去することが、特に重要である。好ましい態様は、現場使用され得る、蛍光、放射性ラベルされた又は熱量計上的にラベルされた抗体を包含する。
さらに、抗−Zcytor16抗体及び結合フラグメントは、Zcytor16を特異的に発現する細胞、例えば、単核細胞、リンパ球細胞、例えば活性化されたCD4+ T-細胞及びCD19+ B-細胞、及び本明細書に記載される他の細胞を標的化し、そして分類するために使用され得る。そのような細胞標的化及び分類方法は、当業界において良く知られている(例えば、”Molecular Biology of the Cell”, 3rd Ed., Albert, B. など. (Garland Publishing, London & New York, 1994を参照のこと)。当業者は、細胞を研究するための細胞組織型の分離の重要性及び特定の細胞組織型の分離のためへの抗体の使用を認識するであろう。
基本的には、細胞型の表面に結合する抗体は、抗体により認識される細胞のみが付着するであろう親和性表面を形成するために、種々のマトリックス、例えばコラーゲン、多糖ビーズ又はプラスチックにカップリングされる。次に、結合された細胞は、従来の技術により回収される。他の方法は、蛍光活性化された細胞ソーター(FACS)による細胞の分離を包含する。この技法においては、蛍光色素に結合される抗体により細胞をラベリングする。次に、ラベルされた細胞は、FACS機械によりラベルされていない細胞から分離される。
FACS分離においては、単一の列で移動する個々の細胞が、レーザービームを通過し、そして個々の細胞の蛍光が測定される。わずかにさらなる下流の小滴(ほとんどは、1つの細胞を含むか又はまったく含まない)が、振動ノズルにより形成される。単一の細胞を含むその小滴は、それらが含む細胞が蛍光であるかどうかに依存して、形成の瞬間で、正又は負の電荷を自動的に付与され、そして次に、強い電界により適切な容器中に偏向される。そのような機械は、1000の細胞のうち1つを選択し、そして1秒当たり約5000個の細胞を分類できる。これは、細胞培養物について均等な細胞集団を生成する。
当業者は、本発明のZcytor16ポリペプチドに対する抗体は、必ずしもすべての組織型がZcytor16受容体を発現せず、そして生物学者がさらなる研究及び/又は身体中への治療的再移植のために特定の細胞型を分離することができることは重用であるので、有用である。これは、細胞、例えばZcytor16が発現される免疫細胞において特に適切である。
さらに、Zcytor16ポリヌクレオチドプローブ、抗−Zcytor16抗体及び検出の使用は、組織におけるZcytor16ポリペプチドの存在が、自然流産の診断及び/又は予防において、又は胎盤の健康及び機能をモニターするために使用され得る。Zcytor16は胎盤において発現されるので、それは胎盤の決定的な機能、例えばトロホブラスト細胞の増殖又は生存、及び同様の機能において役割を演じることができる。従って、Zcytor16は、胎盤の機能、従って胚の成熟のために必須である。従って、Zcytor16ポリペプチド又は抗−Zcytor16抗体の補充は、一定型の自然流産、又は胎盤におけるZcytor16の異常発現により引き起こされる子供の早産の予防及び処理において、又は胎盤の機能を評価するための診断剤として有益である。例えば、Zcytor16は胎盤において通常発現されるので、Zcytor16発現の不在は、異常胎盤機能の表示であり得る。
RNA検出の十分に確立されたハイブリダイゼーション方法は、ノザン分析及びドット/スロット ブロットハイブリダイゼーションを包含する(例えば、Ausubel 前記、p4−1〜4−27、及びWuなど. (eds.)、”Analysis of Gene Expression at the RNA Level”, in Methods in Gene Biotechnology, p. 225-39, CRC Press, Inc., 1997を参照のこと)。核酸プローブは、放射性同位体、例えば32P又は35Sにより検出できるようラベルされ得る。他方では、Zcytor16 RNAは、非放射性ハイブリダイゼーション方法により検出され得る(例えば、Isaac (ed.), Protocols for Nucleic Acid Analysis by Nonradioactive Probes, Humana Press, Inc., 1993を参照のこと)。典型的には、非放射能性検出は、クロモゲン又は化学ルミネセンス基質の酵素転換により達成される。例示的な非放射性成分は、ビオチン、フルオレセイン及びジゴキシゲニンを包含する。
Zcytor16オリゴヌクレオチドプローブはまた、インビボ診断のためにも有用である。例示として、16F−ラベルされたオリゴヌクレオチドが対象に投与され、そして陽電子射出断層撮影法により可視可され得る(Tavitian など., Nat. Med. 4: 467, 1998)。
多くの診断方法は、検出方法の感度を高めるために、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を利用する。PCRを実施するための標準技法は良く知られている(一般的には、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics, Humana Press, Inc., 1991; White (ed.), PCR Protocols: Current Methods and Applications, Humana Press, Inc., 1993; Cotter (ed.), Molecular Diagnosis of Cancer, Humana Press, Inc., 1996; Hanausek and Walaszed (eds.), Tumor Marker Protocols, Humana Press, Inc., 1998; Lo (ed.), Clinical Applications of PCR, Humana Press, Inc., 1998及びMeltzer (ed.), PCR in Bioanalysis, Humana Press, Inc., 1998を参照のこと)。
PCRプライマーは、他のタンパク質、例えば、他のサイトカイン受容体タンパク質における相当の領域に対して低い配列類似性を有するZcytor16遺伝子の一部を増幅するよう企画される。
診断アッセイについてのPCRの1つの変法は、逆転写酵素−PCR(RT−PCR)である。RT−PCR技法においては、RNAが生物学的サンプルから単離され、cDNAに逆転写され、そしてそのcDNAがZcytor16プライマーと共にインキュベートされる(例えば、Wuなど. (eds.), “Rapid Isolation of Specific cDNA or Genes by PCR”, in Methods in Gene Biotechnology, P. 15-28, CRC Press, Inc. 1997を参照のこと)。次に、PCRが行われ、そして生成物が標準技法を用いて分析される。
例示のように、RNAは、例えば上記グアニジニウム−チオシアネート細胞溶解を用いて、生物学的サンプルから単離される。他方では、固相技法が、細胞溶解物からmRNAを単離するために使用され得る。逆転写反応は、ランダムオリゴヌクレオチド、dTの短いホモポリマー、又はZcytor16アンチセンスオリゴマーを用いて、単離されたRNAにより感作され得る。オリゴ−dTプライマーは、対照の標的配列を提供することができる種々のmRNAヌクレオチド配列が増幅される利点を提供する。Zcytor16配列は、典型的には20個の長さの塩基である2種のフランキングオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ鎖反応により増幅される。
PCR増幅方法は、種々のアプローチを用いて検出され得る。例えば、PCR生成物は、ゲル電気泳動により分別され、そして臭化エチジウム染色により可視化される。他方では、分別されたPCR生成物は、膜に移行され、検出できるようにラベルされたZcytor16プローブによりハイブリダイズされ、そしてオートラジオグラフィーにより試験され得る。追加の他のアプローチは、化学ルミネセンス検出及びC−TRAK比色アッセイを提供するために、ジゴキシゲニンによりラベルされたデオキシリボ核酸三ミリ酸の使用を包含する。
Zcytor16発現の検出のためのもう1つのアプローチは、サイクリングプローブ技法(CDT)であり、ここで一本鎖DNA標的物が過剰のDNA−RNA−DNAキメラプローブと結合し、複合体を形成し、RNA部分がRNアーゼHにより分化され、そして分解されたプローブの存在が検出される(例えば、Beggsなど., J. Clin. Microbiol. 34: 2985, 1996, 及び Bekkuouiなど., Biotechniques 20: 240, 1996を参照のこと)。Zcytor16配列の検出のための他の方法は、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、交差ハイブリダイゼーションによる鋳型の協同増幅(CATCH)及びリガーゼ鎖反応(LCR)のようなアプローチを利用することができる(例えば、Marshallなど., アメリカ特許第5,686,272号(1997)、Dyerなど., J. Virol. Methods 60: 161, 1996; Ehrichtなど., Eur. J. Biochem. 243: 358, 1997; 及びChadwickなど., J. Viro. Methods 70:59, 1998を参照のこと)。他の標準方法も当業者に知られている。
Zcytor16プローブ及びプライマーはまた、組織サンプルにおける局在化されたZcytor16遺伝子発現を検出し、そして位置決定するためにも使用され得る。そのような現場ハイブリダイゼーションのための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Choo (ed.), In situ Hybridization Protocols, Humana Press, Inc., 1994; We など. (eds.), “Analysis of Cellular DNA or Abundance of mRNA by Radioactive In Situ Hybridization (RISH), “ in Methods in Gene Biotechnology, pages 259-278, CRC Press, Inc., 1997; 及びWuなど. (eds.), “Localizaion of DNA or Abundance of mRNA by Fluorescence In Situ Hybridization (RISH),” in Methods in Gene Biotechnology, pages 279-289, CRC Press, Inc., 1997を参照のこと)。
種々の追加の診断アプローチも当業者に良く知られている(例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics, Humana Press, Inc., 1991; Coleman and Tsongalis, Molecular Diagnostics, Humana Press, Inc., 1996; 及びElles, molecular Diagnosis of Genetics Diseases, Humana Press Inc., 1996を参照のこと)。適切な試験サンプルは、血液、尿、唾液、組織生検及び検死を包含する。
Zcytor16遺伝子は、ヒト染色体6q23−q24に存在する(例2)。この領域は、種々の障害、例えばインスリン依存性糖尿病、網膜錐体ジストロフィー、乳癌及びパーキンソン病に関係している。同様に、Zcytor遺伝子座自体における欠陥は、本明細書において論じられるように遺伝性ヒト疾病状態をもたらすことができる。当業者は、サイトカイン受動態における欠陥がヒトにおいて特定の疾病を引き起こすことが知られていることを理解するであろう。例えば、サイトカイン受容体の多型現象は、肺胞タンパク症、家族性周期性熱及び赤白血病に関連している。
さらに、成長ホルモン受容体突然変異は、小人症をもたらし(Amselem, Sなど., New Eng. J. Med. 321: 989-995, 1989)、IL−2受容体γ突然変異は重度の組合された免疫欠損(SCID)をもたらし(Noguchi, Mなど., Cell 73: 147-157, 1993)、c−Mpl突然変異は血小板減少をもたらし(Ihara, Kなど., Proc. Nat. Acad. Sci. 96: 3132-3136, 1999)、そして重度のマイコバクテリア及びサルモネラ感染がインターロイキン−12受容体−欠失患者をもたらす(de Jong, Rなど., Science 280: 1435-1439, 1998)。従って、同様に、zcytor16における欠陥は、疾病状態、又は疾病又は感染に対する敏感性を引き起こすことができる。
Zcytor16遺伝子は6q23-q24領域zcytor19 に位置するので、ポリヌクレオチドプローブは、ヒト疾病、例えば炎症性疾患、慢性炎症、炎症応答の機能不全、免疫細胞癌、骨髄癌、脾臓癌、前立腺癌、甲状腺、上皮小体又は他の癌、又は免疫疾患に関連する、染色体6q23-q24損失、トリソミー、重複又はトランスロケーションを検出するために使用され得る。さらに、本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド及び抗体は、zcytor16遺伝子欠陥に関連する、検出、診断予防及び処理を助けるであろう。従って、Zcytor16ヌクレオチド配列は、種々の疾病についての連鎖に基づく試験において、及び対象の染色体がZcytor16遺伝子において突然変異を含むかどうかを決定するために使用され得る。
Zcytor16遺伝子座での検出できる染色体異常は、異数体、遺伝子コピー数の変化、6q23−q24の異種性の損失、6q23−q24におけるトランスロケーション、挿入、欠失、制限部位変更及び転移を包含するが、但しそれらだけには限定されない。そのような検出できる転移に関連するヒト疾病は、当業界において知られている。例えば、OMIMTM, National Center for Biotechnology Information, National library of Medicine, Bethesda, MD 遺伝子地図、例えばトランスロケーション、LOH、トリソミー及び同様のものを参照のこと。Zcytor16遺伝子を不活性化する遺伝子変更、又はZcytor16遺伝子座における及びその周囲での全体的染色体変更が特に興味あるものである。
同様に、Zcytor16遺伝子座自体における欠陥は、本明細書に論じられるような遺伝性ヒト疾病状態をもたらすことができる。さらに、当業者は、サイトカイン受容体の欠陥がヒトにおける疾病状態を引き起こすことが知られていることを理解するであろう。例えば、成長ホルモン受容体突然変異は、小人症をもたらし(Amselem, Sなど., New Eng. J. Med. 321: 989-995, 1989)、IL−2受容体γ突然変異は重度の組合された免疫欠損(SCID)をもたらし(Noguchi, Mなど., Cell 73: 147-157, 1993)、c−Mpl突然変異は血小板減少をもたらし(Ihara, Kなど., Proc. Nat. Acad. Sci. 96: 3132-3136, 1999)、そして重度のマイコバクテリア及びサルモネラ感染がインターロイキン−12受容体−欠失患者をもたらす(de Jong, Rなど., Science 280: 1435-1439, 1998)。
従って、同様に、zcytor16における欠陥は、疾病状態、又は疾病又は感染に対する敏感性を引き起こすことができる。zcytor19は、癌に関与する異常型についての染色体領域内のサイトカイン受容体であり、そして卵巣癌において発現されることが示されているので、本発明の分子はまた、癌形成又は転移に直接的に包含され得る。zcytor19遺伝子は6q23-q24領域zcytor16 に位置するので、ポリヌクレオチドプローブは、ヒト疾病、例えば免疫細胞癌、神経芽腫、骨髄癌、甲状腺、上皮小体、前立腺癌、メラノーマ、又は他の癌、又は免疫疾患に関連する、染色体6q23-q24損失、異種性の損出(LOH),トリソミー、重複又はトランスロケーションを検出するために使用され得る。さらに、本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド及び抗体は、zcytor16遺伝子欠陥に関連する、検出、診断予防及び処理を助けるであろう。
診断は、疾病のタイプ及び適切な関連する治療の決定において医者を助けることができるか、又は遺伝的カウンセリングを助けることができる。それ自体、本発明の抗−zcytor16抗体、ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、zcytor16ポリペプチド、mRNA又は抗−zcytor16抗体の検出のために使用され、従って当業界において知られており、そして本明細書において記載される方法を用いて、本明細書に記載されるようにして、遺伝的疾病又は癌の検出のためのマーカーとして作用し、そしてそのために直接的に使用される。
さらに、zcytor19ポリヌクレオチドプローブは、ヒト疾病に関連する染色体6q23-q24欠失及びトランスロケーション、又は悪性又は他の癌における染色体転位に関与することが予測される、腫瘍の悪性進行又は他の6q23-q24突然変異に関与する他のトランスロケーションに関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。同様に、zcytor16ポリヌクレオチドプローブが、染色体6q23-q24三染色体性、及びヒト疾病に関連する染色体欠失に関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。従って、zcytor16ポリヌクレオチドプローブは、それらの欠陥の関連する異常性又は遺伝子型を検出するために使用され得る。
上記で論じられるように、zcytor16遺伝子自体における欠陥は、遺伝性ヒト疾病状態をもたらすことができる。例えば、zcytor16発現は、本明細書に記載されるように、いくつかの組織−特異的ヒト癌において高められる。本発明の分子、例えば本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド及び抗体は、zcytor16遺伝子欠陥に関連する疾病の検出、診断予防及び処理を助ける。さらに、zcytor16ポリペプチドプローブは、zcytor16染色体遺伝子座で、疾病又は非疾病の個人間での対立遺伝子差異を検出するために使用され得る。それ自体、zcytor16配列は、法的なDNAプロフィーリングにおける診断として使用され得る。
一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために遺伝子連鎖分析に使用される診断方法は、当業界において知られている。分析用プローブは一般的に、少なくとも20個の長さのntを有するが、但し幾分短いプローブも使用され得る(例えば、14−17nt)。PCRプライマーは、少なくとも5個の長さのnt、好ましくは15又はそれ以上の長さのnt、より好ましくは20−30個の長さのntである。遺伝子又は染色体DNAの全体的な分析のために、zcytor16ポリヌクレオチドプローブは、完全なエキソン又はそれ以上を含むことができる。エキソンは、zcytor16配列(配列番号1)とzcytor16についてのヒトゲノムDNA(Genbank受託番号AC002781号)とを比較することによって、容易に決定される。一般的に、患者における遺伝子異常性又は異常型を検出するために遺伝子連鎖分析に使用される診断方法は、当業界に知られている。
ほとんどの診断方法は、(i)潜在的に疾病の患者、疾病の患者又は劣性疾病対立遺伝子の可能性ある非疾病キャリヤーから遺伝子サンプルを得;(ii)zcytor16ポリヌクレオチドプローブと共に遺伝子サンプルをインキュベートすることにより(ここで、前記ポリヌクレオチドは、RFIP分析においては、相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするであろう)、又は適切なPCR反応条件下でPCR反応において、センス及びアンチセンスプライマーと共に遺伝子サンプルをインキュベートすることにより、第1反応生成物を生成し;(iii)前記第1反応生物を、電気泳動及び/又は他の既知方法により可視化し、例えば、前記第1反応生成物を、zcytor16ポリヌクレオチドプローブ(ここで、前記ポリヌクレオチドは第1反応の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするであろう)により可視化し、そして(iV)正常又は対照の個人からの遺伝子サンプルの第2対照反応生成物と、前記可視化された第1反応生成物とを比較する段階を含んで成る。
第1反応生成物と対照反応生成物との間の差異は、疾病又は潜在的に疾病の患者における遺伝子異常性の、又は非疾病患者についてのヘテロ接合性劣性キャリヤー表現型の存在の、又は疾病患者からの腫瘍における遺伝子欠陥の存在の、又は胎児又は移植前胚における遺伝子異常性の存在の表示である。例えば、制限フラグメントパターン、PCR生成物の長さ、zcytor16遺伝子座の反復性配列の長さ、及び同様のもの差異は、遺伝子異常性、遺伝子異常型、又は正常な対照に比較しての対立遺伝子差異の表示である。対照は、サンプルの試験及び利用性に依存して、影響されていないファミリーメンバー又は無関係の個人からであり得る。
本発明内への使用のための遺伝子サンプルは、患者からのいずれかの組織又は他の生物学的サンプル、例えば血液、唾液、精子、胚細胞、羊水及び同様のもの(但し、それらだけには限定されない)から単離されたゲノムDNA、mRNA及びcDNAを包含する。ポリヌクレオチドプローブ又はプライマーは、RNA又はDNAであり得、そして配列番号1の一部、配列番号1の補体、又はそれらのRNA同等物を含んで成る。ヒト疾病表現型ヘの遺伝子連鎖分析を示すそのような方法は、当業界において良く知られている。診断における、PCRに基づく方法の参照のためには、一般的、次の文献を参照のこと:Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press, Inc. 1991), White (ed), PCR Protocols; Current Methods and Applications (Humana Press, Inc, 1993), Cotter (ed), molecular Diagnosis of Cancer (Humana Press, Inc. 1996), Hanausek and Walaszek (eds.), Tumor Marker Protocols。(Humana Press, Inc. 1998). Lo (ed), Clinical Application of PCR (Humana Press, Inc. 1998), 及びMeltzer (ed), PCR in Bioanalysis (Humana Press. Inc. 1998))。
Zcytor 16遺伝子座に関連する逸脱は、分子遺伝子技法、例えば制限フラグメント長さ他型現象(RFLP)分析、PCR技法を用いる短いタンデム反復体(STR)分析、増幅−不応性突然変異システム分析(ARMS)、一本鎖コンホメーション多型現象(SSCP)検出、RNアーゼ切断方法、変性グラジエントゲル電気泳動、蛍光−助力のミスマッチ分析(FAMA)、及び当業界において知られている他の遺伝子分析により、本発明の核酸分子を用いて検出され得る(例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press. Inc. 1991), Marian, Chest 108:255 (1995), Coleman and Tsongalis, Molecular Diagnositics (Human Press, Inc. 1996), Elles (ed.) Morecular Diagnosis of Genetic Diseases (Humana Press, Inc. 1996), Landegren (ed.), Laboratory Protocols for Mutation Detection (Oxford University Press 1996), Burren など. (eds.), Genome Analysis, Vol. 2: Detecting Genes (Cold Spring Habor Laboratory Press 1998), Dracopoli など. (eds.), Current Protocols in Human Genetics (John Wiley & Sons 1998), 及びRichards and Ward, “Molecular Diagnostic Testing,” in Principles of Molecular Medicine, Pages 83-88 (Humana Presa. Inc. 1998) を参照のこと)。
タンパク質切断試験はまた、翻訳−終結突然変異がコードされたタンパク質の一部のみを生成する、遺伝子の不活性化を検出するために有用である(例えば、Stoppa-Lynnet など., Blood 91: 3920 (1998) を参照のこと)。このアプローチによれば、RNAが生物学的サンプルから単離され、そしてcDNAを合成するために使用される。次に、PCRが、Zcytor 16標的物配列を増幅し、そしてRNAポリメラーゼプロモーター、翻訳開始配列及びインフレ−ムATGトリプレットを導入するために使用される。PCR生成物が、RNAポリメラーゼを用いて転写され、そして転写体がT7−結合された網様体溶解物システムによりインビトロで翻訳される。次に、翻訳生成物が、その翻訳生成物の長さを決定するために、SDS−PAGEにより分別される。タンパク質切断試験は、例えば、Dracopoliなど. (eds.), Current Protocols in Human Genetics, p.9.11.1-9.11.18 (John Wiley & Sons 1998) により記載される。
本発明はまた、Zcytor 16遺伝子発現のための診断アッセイを行うための又はZcytor 16遺伝子における突然変異を検出するためのキットも企画する。そのようなキットは、核酸プローブ、例えば配列番号1のヌクレオチド配列又はその一部を含んで成る二本鎖分子、及び配列番号1のヌクレオチド配列の補体又はその一部を有する一本鎖核酸分子を含んで成る。プローブ分子は、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド及び同様のものであり得る。キットは、PCRを行うための核酸プライマーを含んで成る。
そのようなキットは、上記核酸診断アッセイを行うためのすべての必要な要素を含むことができる。キットは、Zcytor 16プローブ又はプライマーを含んで成る少なくとももう1つの容器を含むであろう。キットはまた、Zcytor 16配列の存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器を含むことができる。そのようなインジケーター試薬の例は、検出できるラベル、例えば放射性ラベル、蛍光色素、化学ルミネセント剤、及び同様のものを包含する。キットはまた、Zcytor 16プローブ及びプライマーがZcytor 16遺伝子発現を検出するために使用される、使用者に知られるための手段を含んで成る。例えば、文書の説明書は、封入されている核酸分子が、Zcytor 16をコードする核酸分子、又はZcytor 16コードのヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を有する核酸分子のいずれかを検出するために使用され得ることを記載する。その文書の材料は、容器に直接的に適用され、又は文書の材料は、パッケージング挿入体の形で提供され得る。
11. Zcytor16を検出するか又はIL−TIFに対するZcytor16の結合を拮抗するためへの抗−Zcytor16抗体の使用:
本発明は、Zcytor16の存在についてインビトロで生物学的サンプルをスクリーンするためへの抗−Zcytor16抗体の使用を企画する。1つのタイプのインビトロアッセイにおいては、抗−Zcytor16抗体が液相において使用される。例えば、生物学的サンプルにおけるZcytor16の存在は、生物学的サンプルと、微量のラベルされたZcytor16及び抗−Zcytor16抗体とを、Zcytor16とその抗体との間の結合を促進する条件下で混合することによって試験され得る。
サンプルにおけるZcytor16及び抗−Zcytor16の複合体が、前記複合体を、抗体、例えばFc抗体又はスタフィロコーカスタンパク質Aと結合する同定されたタンパク質とを接触することによって、反応混合物から分離され得る。生物学的サンプルにおけるZcytor16の濃度は、抗体に結合されるラベルされたZcytor16の量に反比例し、そして遊離ラベルにされたZcytor16の量に直接的に関連する。例示的な試験サンプルは、血液、尿、唾液、組織生検及び検死材料を包含する。
他方では、抗−Zcytor16抗体が固相キャリヤーに結合されるインビトロアッセイが行われ得る。例えば、抗体が、不溶性支持体、例えばポリマー−被覆されたビーズ、プレート又は管に抗体を結合するために、ポリマー、例えばアミノデキストランに結合され得る。他の適切なインビトロアッセイは、当業者に明らかであろう。
もう1つのアプローチにおいては、抗−Zcytor16抗体が、生検検体から調製された組織切片においてZcytor16を検出するために使用され得る。そのような免疫化学的検出が、比較的多くのZcytor16を決定するために、及び試験される組織におけるZcytor16の分布を決定するために使用され得る。一般的な免疫化学的技法は、十分に確立されている(例えば、Ponder, “Cell Marking Techniques and Their Application.”in Mammalian Development: A Practical Approach, Monk (ed.), pages 115-38 (IRL Press 1987), Coligan at pages 5.8.1-5.8.8, Ausubel (1995) at pages 14.6.1 to 14.6.13 (Wiley interscience 1990), and Manson (ed.), Methods In Molecular Biology. Vol. 10: Immunochemical Proteocols (The Humana Press. Inc. 1992) を参照のこと)。
免疫化学的検出は、生物学的サンプルと抗−Zcytor16抗体とを接触し、そして次に、前記生物学的サンプルと、抗体に結合する検出できるラベルされた分子とを接触せしめることによって行われ得る。例えば、前記検出できるラベルされた分子は、抗−Zcytor16抗体に結合する抗体成分を含んで成る。他方では、抗−Zcytor16抗体は、アビジン/ストレプタビジン(又はビオチン)により接合され、そして検出できるラベルされた分子はビオチン(又はアビジン/ストレプタビジン)を含むことができる。この基本的技法の多くの変法は、当業者に良く知られている。
他方では、抗−Zcytor16抗体が、抗−Zcytor16免疫接合体を形成するために、検出できるラベルにより接合され得る。適切な検出できるラベルは、例えば放射生同位体、蛍光ラベル、化学ルミネセンスラベル、酵素ラベル、生物ルミネセンスラベル又はコロイド状金を包含する。そのような検出できるラベルされた免疫接合体の製造及び検出方法は、当業者に良く知られており、そして下記により詳細に記載される。
検出できるラベルは、オートラジオグラフィーにより検出される放射性同位体であり得る。本発明のために特に有用である同位体は、3H, 125I, 131I, 35S及び14Cである。
抗−Zcytor16免疫接合体はまた、蛍光化合物によりラベルされ得る。蛍光ラブルされた抗体の存在は、適切な波長の光に免疫接合体を暴露し、そして得られる蛍光を検出することによって決定される。蛍光ラベル化合物は、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒド及びフルオレサミンを包含する。
他方では、抗−Zcytor16免疫接合体は、化合物ルミネセンス化合物に抗体化合物を接合することによって、検出的にラベルされ得る。化学ルミネセンス−標識された免疫接合体の存在は、化学反応の間に生じるルミネセンスの存在を検出することによって決定される。化学ルミネセンスラベリング化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩及びオキサレートエステルを包含する。
同様に、化学ルミネセンス化合物は、本発明の抗−Zcytor16免疫接合体をラベルするために使用され得る。生物発光は、触媒タンパク質が化学ルミネセンス反応の効率を高める生物学的システムに見出されるタイプの化学ルミネセンスである。生物ルミネセンスタンパク質の存在は、ルミネセンスの存在を検出することによって決定される。ラベリングのために有用である生物ルミネセンス化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼ及びエクオリンを包含する。
他方では、抗−Zcytor16免疫接合体は、酵素に抗−Zcytor16抗体化合物を接合することによって検出できるようラベルされ得る。抗−Zcytor16−酵素接合体が適切な基質の存在下でインキュベートされる場合、酵素成分は、分光光度、蛍光又は可視手段により検出され得る化学成分を生成するために基質と反応する。多くの特異的免疫接合体を検出できるようにラベルするために使用され得る酵素の例は、β−ガラクトシダーゼ、グルコオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及びアルカリホスファターゼを包含する。
当業者は、本発明に従って使用され得る他の適切なラベルを知っているであろう。抗−Zcytor16抗体へのマーカー成分の結合は、当業界において知られている標準技法を用いて達成され得る。これに関しての典型的な方法論は、Kennedyなど., Clin. Chim. Acta 70:1 (1976), Schursなど., Clim. Acta 81:1 (1977), Shihなど., Int’l. J. Cancer 46:1101 (1990), steinなど., Cancer Res. 50:1330 (1990), 及びColigan、前期により記載される。
さらに、免疫化学的検出の便利さ及び多様性は、アビジン、ストレプタビジン及びビオチンにより接合された抗−Zcytor16抗体を用いることによって増強され得る(例えば、Wilchek. など., (eds.), “Avidin-Biotin Technology,” Methods In Enzymology, Vol. 184 (Academic Press 1990), and Bayerなど., “Immunochemical Applications of Avidin-Biotin Technology,” in Methods In Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.) pages 149-162 (The Humana Press. Inc. 1992) を参照のこと)。
イムノアッセイを行うための方法は十分に確立されている。例えば、Cook and Self, “Monoclonal Antibodies in Diagonostic Immunoassays,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), Pages 180-208. (Cambridg University Press, 1995), Perry, “The Role of Monoclonal antibodies in the Advancement of Immunoassay Technoogy”, in Monoclonal Antibodies; Principles and applications, Birch and Lennox (eds.), pages 107-120 (Wiley-Liss, Inc. 1995), and Diamandis, Immunoassay (Academic Press, Inc. 1996 を参照のこと。
本発明はまた、Zcytor16遺伝子発現についての免疫学的診断アッセイを行うためのキットも企画する。そのようなキットは、抗−Zcytor16抗体又は抗体フラグメントを含んで成る少なくとも1つの容器を含んで成る。キットはまた、Zcytor16抗体又は抗体フラグメントの存在を示すことができる1又は複数の試薬を含んで成る第2容器を含むことができる。そのようなインジケーター試薬の例は、検出できるラベル、例えば放射性ラベル、蛍光ラベル、化学ルミネセンスラベル、酵素ラベル、生物ルミネセンスラベル、コロイド状金及び同様のものを包含する。キットはまた、Zcytor16抗体又は抗体フラグメントが、Zcytor16タンパク質を検出するために使用される、使用者に伝達するための手段を含んで成る。例えば、文書の説明書は、封入される抗体又は抗体フラグメントが、Zcytor16を検出するために使用され得ることを言及する。文書の材料は容器に直接的に適用され、又は文書の材料は、パッケージング挿入体の形で提供され得る。
本明細書において有用な抗体を生成するか又は選択するための他の技法は、インビトロで、可溶性Zcytor16モノマー受容体又は可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチドにリンパ球を暴露し、そしてファージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選択すること(例えば、固定された又はラベルされた可溶性Zcytor16モノマー受容体又は可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチドの使用を通して)を包含する。可能性ある結合ドメインを有するポリペプチド、例えば可溶性Zcytor16モノマー受容体又は可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示)又は細菌、例えばE.コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多くの手段、例えばランダム突然変異誘発及びランダムポリヌクレオチド合成を通して得られる。
それらのランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチドであり得る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子、又は有機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために使用され得る。そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そしてスクリーニングするための技法は、当業界において知られており(Ladner など., アメリカ特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778 号; Ladner など., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特許第5,571,698 号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins (Academic Press, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及びそのようなライブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClontech (Palo Alto, CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs, Inc. (Beverly, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, MJ) から市販されている。
ランダムペプチド表示ライブラリーは、Zcytor16−含有受容体ポリペプチドに結合するタンパク質を同定するために、本明細書に開示される可溶性Zcytor16モノマー受容体又は可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチド配列を用いてスクリーンされ得る。可溶性Zcytor16−含有受容体ポリペプチドと相互作用するそれらの“結合ペプチド”は、細胞を標識するために;親和性精製により相同体ポリペプチドを単離するために使用され得;それらは薬物、トキシン、放射性核種及び同様のものに直接的にまたは間接的に接合され得る。それらの結合ポリペプチドはまた、分析方法に、例えば発現ライブラリーをスクリーニングし、そして活性を中和するために、例えばIL-TIFリガンドと受容体との間の相互作用、又は受容体に対するウィルス結合を阻止すれためにも使用され得る。
結合ポリペプチドはまた、可溶性Zcytor16−含有受容体ポリペプチドの循環レベルを決定するために;根本的な病理学又は疾病のマーカーとして可溶性又は非−可溶性Zcytor16−含有受容体を検出し又は定量化するために、診断アッセイにも使用され得る。それらの結合ポリペプチドはまた、可溶性又は膜−結合されたZcytor16モノマー受容体又はZcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチド(例えば、リガンドに対して結合する)及びシグナルトランスダクションをインビトロ及びインビボで阻止するために、 “アンタゴニス”として作用することができる。
再び、それらの結合ポリペプチドは、抗−Zcytor16モノマー受容体又は抗−Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチドとして作用し、そしてIL−TIF活性、及び受容体活性又はタンパク質−結合の阻害のために有用である。本発明の天然の受容体複合体に対して生ぜしめられた抗体は、それらがIL−TIFに対してより特異的に、又はわずか1つのサブユニットに対して生じせしめられた抗体よりも有力に作用することができるので、好ましい態様であり得る。さらに、本発明は抗体の拮抗性及び結合活性は、IL−TIF及びZcytor16−含有可溶性受容体の存在下でのIL−TIF増殖、シグナルトラップ、ルシファラーゼ又は結合アッセイにおいて、及び本明細書に記載される他の生物学的又は生化学的アッセイによりアッセイされ得る。
モノマー性Zcytor16受容体又はZcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーZcytor16−含有受容体に対する抗体は、Zcytor16受容体を発現する細胞を標識するために;アフィニティー精製により可溶性Zcytor16−含有受容体ポリペプチドを単離するために; 可溶性Zcytor16−含有受容体ポリペプチドの循環レベルを決定するための診断アッセイのために;根本的な病理学又は疾病のマーカーとして可溶性Zcytor16−含有受容体を検出し又は定量化するために; FACS を使用する分析方法において;発現ライブラリーをスクリーニングするために;IL-TIFアゴニストとして作用することができる抗-インディオタイプ抗体を生成するために;及びインビトロでZcytor16受容体機能を阻止するか又はIL-TIF活性を阻止するための中和抗体又はアンタゴニスとして使用され得る。
適切な直接的標識又はラベルは、放射性核種、酵素、基質、補因子、ビオチン、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子及び同様のものを包含し;間接的な標識又はラベルは、中間体としてのビオチン−アビジン又は他の補体/抗−補体対の使用を特徴とする。本発明書における抗体及び結合タンパク質はまた、薬物、トキシン、放射性核種、及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体はインビボ診断又は治療用途のために使用され得る。さらに、可溶性Zcytor16−含有受容体ポリペプチド又はそのフラグメントに対する抗体は、アッセイ、例えば当業界において知られているウェスターンブロット又は他のアッセイにおいて、変性された又は変性されていないZcytor16−含有受容体ポリペプチド又はそのフラグメントを検出するためにインビトロで使用され得る。
可溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体ポリペプチドに対する抗体は、その対応する受容体を発現する細胞を標識し、そしてそれらの発現レベルをアッセイするために、受容体ポリペプチドの循環レベルを決定するために診断アッセイ内での親和性精製のために、蛍光−活性化された細胞分類を用いる分析方法のために有用である。さらに、ニ価の抗体、及び抗-インディオタイプ抗体が、Zcytor16リガンド、すなわちIL-TIFの効果を最少にするためにアゴニストとして使用され得る。
本明細書における抗体はまた、薬剤、トキシン、放射性核種及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体は、治療用途を研究するためのネズミモデルにおいて、又は治療の用途において、インビボ診断のために使用される。例えば、本発明の可溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体ポリペプチドを認識する抗体又は結合ポリペプチドは、対応する抗−相補的分子(すなわち、Zcytor16−含有可溶性または膜−結合された受容体)を発現する組織又は器官を同定し、又は処理するために使用され得る。より特定には、可溶性Zcytor16−含有受容体ポリペプチド又はその生物活性フラグメント又は一部に対する抗体が、検出可能な又は細胞毒性の分子に連結され、そしてZcytor16−含有受容体、例えばZcytor16−発現性癌又は一定の疾病状態を発現する細胞、組織又は器官を有する哺乳類に供給され得る。
適切な検出可能分子は、Zcytor16−含有受容体ポリペプチド、例えば“結合ポリペプチド”(上記に開示される結合ペプチドを包含する)、抗体、又はその生物活性フラグメント又は一部に直接的に又は間接的に結合され得る。適切な検出可能分子は、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子、及び同様のものを包含する。
適切な細胞毒性分子は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合され得、そして細菌又は植物毒性(例えば、ジフテリア毒素、プソイドモナシス内毒素、リシン、アブリン及び同様のもの)、及び治療用放射性核種、例えばI−131、レニウム−188又はイットニウム−90(ポリペプチド又は抗体に直接的に結合されるか、又はキレ−ト成分により間接的に結合される)を包含する。結合ポリペプチド又は抗体はまた、細胞毒性薬物、例えばアドリアマイシンに結合され得る。検出可能又は細胞毒性分子の間接的な結合に関しては、検出可能又は細胞毒性分子は相補的/抗相補的対のメンバーにより結合され得、ここで他のメンバーは結合ポリペプチド又は抗体部分に結合される。それらの目的のためには、ビオチン/ストレプタビジンが典型的な相補的/抗相補的対である。
もう1つの態様においては、結合ポリペプチド−毒素融合タンパク質又は抗体−毒素融合タンパク質は、標的化された細胞又は組織阻害又は除去(例えば、癌細胞又は組織を処理するために)のために使用され得る。他方では、結合ポリペプチドが複数の機能ドメイン(すなわち、活性化ドメイン又はリガンド結合ドメイン、及び標的化ドメイン)を有する場合、標的化ドメインのみを包含する融合タンパク質は、検出可能分子、細胞毒性分子又は相補的分子を、興味ある細胞又は組織型に向けるために適切である。例えば、単一のドメインのみのを包含する融合タンパク質が相補的分子を含む場合、抗−相補的分子は検出可能又は細胞毒性分子に接合され得る。従って、そのようなドメイン−相補的分子融合タンパク質は、一般的抗−相補的−検出可能/細胞毒性分子接合体のための一般的標的化ビークルを表す。
もう1つの態様においては、Zcytor16結合ポリペプチド−サイトカイン又は抗体−サイトカイン融合タンパク質は、結合ポリペプチドサイトカイン又は抗−Zcytor16受容体抗体が過剰増殖性細胞を標的化する場合、標的組織(例えば、脾臓、膵臓、血液、リンパ球、結腸及び骨髄癌)のインビボ殺害を増強するために使用され得る(一般的には、Hornickなど., Blood 89: 4437-4447, 1997を参照のこと)。記載される融合タンパク質は、作用の所望する部位へのサイトカインの標的化を可能にし、それにより、サイトカインの高められた局部濃度を提供する。適切な抗−Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー抗体は、所望しない細胞又は組織(例えば、腫瘍又は白血病)を標的化し、そして融合されたサイトカインはエフェクター細胞による改良された標的細胞溶解を仲介する。例えば、この目的のための適切なサイトカインは、インターロイキン−2及び顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSM)を包含する。
他方では、本明細書に記載されるZcytor16受容体結合ポリペプチド又は抗体融合タンパク質は、Zcytor16受容体−調節されたアポプトシス経路を直接的に刺激することにより、標的組織のインビボ殺害の増強のために使用され、Zcytor16−含有受容体を発現する高増殖性細胞の細胞死がもたらされる。
12.Zcytor16活性を有するポリペプチドの治療使用:
Zcytor16活性を有するアミノ酸配列は、Zcytor16リガンドを結合し、そして従って、内因性Zcytor16受容体とZcytor16リガンドとの結合を妨げることによって、免疫系を調節するために使用され得る。Zcytor16アンタゴニスト、例えば抗−マウスZcyotr16抗体はまた、内因性Zcytor16受容体とのZcytor16リガンドの結合を阻害することによって、免疫系を調節するためにも使用され得る。
従って、本発明は、適切な量のこのポリペプチドを欠いているか、又は過剰のZcytor16リガンドを生成する対象への、Zcytor16活性を有するタンパク質、ポリペプチド、及びペプチド(例えば、Zcytor16ポリペプチド、Zcytor16類似体(例えば、抗−Zcytor16抗−イディオタイプ抗体)、及びZcytor16融合タンパク質)の使用を包含する。Zcytor16アンタゴニスト(例えば、抗−Zcytor16抗体)はまた、過剰のZcytor16リガンド又はZcytor16受容体のいずれかを生成する対象を処理するためにも使用され得る。適切な対象は、哺乳類、例えばヒトを包含する。
さらに、本発明者は、ヒトZcytor16受容体がT−細胞誘発因子(IL−TIF)(配列番号15)(Dumoutier, L. など., Proc. Nat’l. Acad. Sci. 97: 10144-10149, 2000)を結合することを示しており;マウスIL−TIF配列(配列番号41)が、Dumontierなど., J. Immunol. 164: 1814-1819, 2000に示されている。さらに、共有所有のzcytor11(通常アメリカ特許第5,965,704号)及びCRF2-4受容体はまた、IL-TIFを結合する(WIPO公開WO00/24758号;Dumontiernado., J. Immunol. 164: 1819, 2000; Spencer, SDなど., J. Exp. Med. 187: 571-578, 1998; Gibbs, Vc and Pennica Gene 186: 97-101, 1997 (CRF2-4 cDNA) ; Xie, MHなど., J. Biol. Chem. 275: 31335-31339, 2000; 及びKotenko, SVなど., J. Biol. Chem. manuscript in press moo7837200を参照のこと)。
さらに、IL−10β受容体はIL−TIFのための受容体として包含され得、そしてCRF2-4と同意語であると思われる(Dumoutier, L. など., Proc. Nat’l. Acad. Sci. 97: 10144-10149, 2000; LiuY. など., J. Immunol. 152: 1821-1829, 1994 (IL-10R cDNA))。好ましい態様においては、可溶性受容体形のZcytor16、すなわち配列番号2(配列番号13)の残基22〜231は、インビボでのIL−TIFの効果を拮抗する、モノマーホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーである。そのようなZcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーに対する抗体及び結合ポリペプチドはまた、Zcytor16活性のアンタゴニストとしても作用する。
IL−TIFはIL−9の存在下で誘発されることが示されており、そしてTh1−型免疫応答、及び炎症の促進に関与すると思われる。IL−9は、種々の手段で、免疫機能の増殖、活性化、分化及び/又は誘発を刺激し、そしてぜん息、肺肥満細胞症及び他の疾病に関与する。IL−TIF又はIL−9機能のアンタゴニストは、そのようなヒト疾患に対して有効に使用され得る。本発明は、IL−TIFのそのような新規アンタゴニストを提供する。
IL-TIFは、急性相反応体、例えば血清アミロイドA(SAA)、α1−アンチキモトリプシン及びハプトグロビンの生成のアップ−レギュレーションに包含され、そしてIL-TIF発現は、IL-TIFが炎症応答に関与する示唆する、インビボでのリポ多糖(LPS)の注入に基づいて高められ得ることが示されている(Dumoutier, L. など., Proc. Nat’l. Acad. Sci. 97: 10144-10149, 2000)。急性相タンパク質、例えばSAAの生成は、炎症が有益である短期生存機構であると思われるが、しかしながら、長い期間、急性相タンパク質の維持が、慢性炎症に寄与し、そしてヒト健康に対して有害であり得る。再考のためには、Uhlar、Cm and Whitehead, AS, Eur. J. Biochem. 265: 501-523, 1999, 及びBaumann H, and Gauldie, J. Immunology Today 15: 74-80, 1994を参照のこと。
さらに、急性相タンパク質SAAは、いくつかの慢性炎症患者の病因に関係し、アテローム硬化症及びリウマチ様関節炎に関与し、そしてアミロイド症において沈着するアミロイドAタンパク質への前駆体である(Uhlar, CM and Whitehead, 前記)。従ってIL-TIFが、前炎症性分子として作用し、そしてSAAの生成を誘発する場合、アンタゴニストが、炎症性疾患、及びIL-TIFにより誘発される急性相応答タンパク質に関連する他の疾病の処理において有用であろう。そのようなアンタゴニストが、本発明により提供される。
例えば、IL-TIF−誘発された又はIL-9誘発された炎症を減じるための方法は、炎症を低めるのに十分な量の、可溶性Zcytor16−含有受容体の組成物を、炎症を有する哺乳類に投与することを含んで成る。さらに、炎症を有する哺乳類における炎症応答を抑制するための方法は、(1)血清アミロイドAタンパク質のレベルを決定し;(2)許容できる医薬ビークル中、本明細書に記載されるような可溶性Zcytor16サイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る組成物を投与し;(3)血清アミロイドAタンパク質の後投与レベルを決定し;(4)段階(3)における血清アミロイドAタンパク質のレベルに、段階(1)における血清アミロイドAタンパク質のレベルを比較することを含んで成り、ここで血清アミロイドAタンパク質の上昇又は下降の欠失が炎症応答の抑制の表示である。
本発明の受容体は、少なくとも1つのZcytor16受容体サブユニットを含む。ヘテロダイマー可溶性受容体に包含される第2受容体ポリペプチドは、インターフェロン−10受容体、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ、α及びβ鎖、及びインターフェロン−α/β受容体α及びβ鎖)、zcytor7、zcytor11及びCRF2−4を含む受容体サブファミリーに属する。ヘテロダイマー可溶性受容体に包含される第2可溶性受容体ポリペプチドはまた、共有所有のアメリカ特許第5,965,704号に開示されるZcytor11可溶性受容体サブユニット;IL−10Rサブユニット、例えばIL−10Rα;又は共有所有のアメリカ特許第5,945,511号に開示されるzcytor7可溶性受容体サブユニットを含むことができる。CRF2−4及びIL−10受容体と共にzcytor11受容体は、IL−TIFに応答してJAK−STAT経路をシグナル化することが示された(Xieなど., 前記;Kotenkoなど., 前記)。
本発明によれば、モノマー又はホモダイマーZcytor16受容体ポリペプチドの他に、可溶性Zcytor16受容体+可溶性CRF2-4受容体ヘテロダイマー(Zcytor16/CRF2-4)を含んで成る態様により例示されるように、ヘテロダイマー可溶性Zcytor16受容体は、IL−TIFのアンタゴニストとして作用することができる。他の態様は、Zcytor16/IL−10R、Zcytor16/IL−9R、Zcytor16/zcytor11、Zcytor16/zcytor7、及び他のクラスII受容体サブユニットを含んで成るヘテロダイマー、及びZcytor16/CRF2-4/zcytor11又はZcytor16/CRF2-4/IL−10R(但し、それらだけには限定されない)を含むマルチマー受容体を包含する。
mRNA対応のZcytor16 cDNAの組織分布の分析は、mRNAが胎盤及び脾臓において発現され、そしZcytor16が、結合するリガンド(IL−TIF)が急性相応答の誘発を包含する疾患応答の誘発に関与することを示した(Dumoutier, L. など., Proc. Nat’l Acad. Sci: 97:10144-10149, 2000)。従って、本発明の特定の態様は、炎症及びヒト疾病又は病状、例えば膵炎、I型糖尿病(IDDM)、膵臓癌、Graves病、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、結腸及び小腸癌、憩室症、自己免疫疾患、敗血症、器官又は骨髄移植;外傷、手術又は感染による炎症;アミロイドーシス;巨脾腫;対宿主性移植片病において;及び炎症の阻害、免疫抑制、造血、免疫、炎症又はリンパ細胞、マクロファージ、T−細胞(Th1及びTh2細胞を包含する)の増殖の低下、病原体又は抗原に対する免疫応答の抑制、又はIL−TIF又はIL-9サイトカイン生成の阻害が所望される場合、アンタゴニストとしての可溶性Zcytor16ヘテロダイマーの使用に向けられる。
さらに、本明細書に記載されるZcytor16ポリペプチド、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー及び/又はZcytor16ポリペプチド、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー自体を結合する抗体又は結合ポリペプチドは、次のことを実施するために有用である:
1)急性炎症、外傷、組織損傷、手術、敗血症又は感染の結果としての炎症、及び慢性炎症疾患、例えばぜん息、炎症性腸疾患(IBD)、慢性大腸炎、巨脾腫、リウマチ様関節炎、再発性急性炎症性エピソード(例えば、結核)、及びアミロイドーシス及びアラローム硬化症、Castleman病、ぜん息、及び急性相応答の誘発に関連する他の疾病の処理においてIL−TIF受容体を通してのシグナル化を拮抗するか又は阻止するために;
2)Zcytor16を通して免疫細胞(例えば、リンパ球、単球、白血球)におけるシグナル化を妨げるか又は阻害するために、自己免疫疾患、例えばIDDM、多発生硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、リウマチ様関節炎及びIBDの処理においてIL−TIF受容体を通してのシグナル化を拮抗するか又は阻害するために(Hughes Cなど., J. Immunol. 153: 3319-3325, 1994); 他方では、抗体、例えばZcytor16含有受容体に対するモノクローナル抗体(MAb)はまた、自己免疫疾患を処理するために所望しない免疫細胞を消耗するためのアンタゴニストとしても使用され得る。ぜん息、アレルギー及び他のアトピー性疾患は、免疫応答を阻害するか又は攻撃性細胞を消耗するために、例えば可溶性Zcytor16受容体又はZcytor16/CRF2−4ヘテロダイマーに対するMAbにより処理され得る。
本発明のポリペプチド及び抗体を用いて、Zcytor16を通してシグナル化を阻止し、又は阻害することはまた、膵臓、肝臓及びニューロン細胞の疾病を治療することができる。IDDM、NIDDM、膵炎及び膵癌のためにも有益であり得る。Zcytor16は、拮抗性MAbが癌増殖を阻害し、そして免疫介在性殺害を標的化する、癌のMAb治療のための標的物として作用することができる(Holliger P. and Hoogenboom, H: Nature Biotech. 16: 1015-1016, 1998)。可溶性Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマーに対するMAbはまた、腎症、糸球体硬化症、膜ニューロパシー、アミロイドーシス(他の組織の中で腎臓に影響を及ぼす)、腎動脈硬化症、種々の起原の糸球体腎炎、腎臓の線維増殖疾患、及びSLE、IDDM、II型糖尿病(NIDDM)、腎腫瘍及び他の疾病に関連する腎機能不全を処理するためにも有用であり;
3)自己免疫疾患、例えばIDDM、MS、SLE、重症筋無力症、リウマチ様関節炎及びIBDの処理においてIL-TIF受容体を通してのシグナル化を作用するか又は開始するために;抗−可溶性Zcytor16、抗−可溶性Zcytor16/CRF2-4ヘテロダイマー及びマルチマーモノクローナル抗体は、分化するリンパ球又は他の免疫細胞をシグナル化し、増殖を変更し、又は自己免疫性を改良する、サイトカイン又は細胞表面タンパク質の生成を変えることができる。特に、サイトカイン分泌の他のパターンに対するT−ヘルパー細胞応答の調節が、疾病を改善するために自己免疫応答を偏向することができる(Smith SAなど., J. Immunol. 160: 4841-4849, 1998)。
同様にアゴニスト性抗−Zcytor16、抗−可溶性Zcytor16/CRF2-4ヘテロダイマー及びマルチマーモノクローナル抗体は、ぜん息、アレルギー及びアトピー性疾患に関与する免疫細胞を表示し、消耗し、そして偏向するために使用され得る。Zcytor16によるシグナル化はまた、膵臓、腎臓、下垂体及びニューロン細胞の疾病に有益であり得る。IDDM、NIDDM、膵癌のために有益であり得る。Zcytor16は、シグナル化MAbが癌増殖を阻害し、そして免疫介在性殺害を標的化する、膵臓のMAb治療のための標的物として作用することができる(Tutt、ALなど., J. Immunol. 161: 3175-3185, 1998)。同様に、腎細胞癌は、本発明のZcytor16含有の可溶性受容体に対するモノクローナル抗体により処理され得る。
本明細書に記載される可溶性Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマーポリペプチドは、上記に記載されるような自己免疫疾患、アトピー性疾患、NIDDM、膵炎及び腎機能不全の処理においてIL-TIF活性を中和するか、又は阻止するために使用され得る。可溶性形のZcytor16は、T細胞により介在される抗体応答を促進するために、及び/又はリンパ球又は他の免疫細胞によるIL−4又は他のサイトカインの生成を促進するために使用され得る。
本発明の可溶性Zcytor16含有受容体は、IL-TIFサイトカインのアンタゴニストとして有用である。そのようなアンタゴニスト効果は、IL-TIFの直接的な中和又は結合により達成され得る。アンタゴニスト使用の他に、本発明の可溶性受容体は、IL-TIFを結合し、そしてそのリガンドを身体内の異なった組織、器官及び細胞に輸送するために、そのIL-TIFサイトカインのためのキャリヤータンパク質として作用することができる。本発明の可溶性受容体は、特定の部位、例えば組織、特定の免疫細胞、単球又は腫瘍に可溶性受容体−リガンド複合体を方向づける、分子、ポリペプチド又は化学的成分に融合されるか又はカップリングされ得る。例えば、急性感染又はいくつかの癌においては、有益性は、IL-TIFの作用による炎症及び局部急性相応答タンパク質の誘発に起因することができる。従って、本発明の可溶性受容体は、IL-TIFの作用を特異的に方向づけるために使用され得る。Cosman, D. Cytokine 5: 95-106, 1993; 及びFermandez−Botran, R. Exp. Opin. Invest. Drugs 9: 497-513, 2000を参照のこと。
さらに、本発明の可溶性受容体は、分解又はクリアランスからリガンドを安定化するか、又は身体内の作用の部位にリガンドを標的化することによって、リガンドの生物利用性及び/又は治療効力を高めるために、IL-TIFの安定化のために使用され得る。例えば、天然に存在するIL−6/可溶性IL−6R複合体は、IL−6を安定化し、そしてgp130受容体を通してシグナル化することができる。Cosman, D. 前記及びFernandez−Botran, R, 前記を参照のこと。さらに、Zcytor16は、リガンド/可溶性受容体複合体を含むよう、同種リガンド、例えばそのIL-TIFと共に組合され得る。そのような複合体は、コンパニオン受容体サブユニット、例えばzcytor11又はCRF2-4を提供する細胞からの応答を刺激するために使用され得る。
Zcytor16/リガンド複合体の細胞特異性は、単独で投与されるリガンドについて見られるその特異性とは異なる。さらに、前記複合体は、異なった薬力学的性質、例えば影響を及ぼす半減期、用量/応答性及び器官又は組織特異性を有する。従って、Zcytor16/IL-TIF複合体は、免疫応答を増強し、又は糸球体間質細胞又は肝細胞を刺激するためにアゴニスト活性を有することができる。他方では、IL6/IL6R複合体に対する応答に類似する複合体とヘテロダイマー化するシグナル化サブユニットを発現する組織のみが、影響され得る(Hirota H. など., Proc. Natl. Acad. Sci. 92: 4862-4866, 1995; Hirano, T. in Thamason, A. (ED.) “The Cytokine Handbook”, 3rd ED., p. 248-209)。IL12及びCNTFのための可溶性受容体/サイトカイン複合体は、類似する活性を示す。
さらに、炎症は、侵入剤を受けとめるための生物による保護応答である。炎症は、多くの細胞及び体液メディエーターを包含する段階的に連続した現象である。他方では、炎症応答の制御は宿主を免疫無防備状態にするが、しかしながら、抑制されなければ、炎症は、慢性炎症性疾患(例えば、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患及び同様のもの)、敗血性ショック及び多発性器官不全を包含する重度の合併症を導くことができる。重要なことには、それらの種々の疾病状態は、共通する炎症性メディエーターを共有する。炎症により特徴づけられる集合的疾病は、ヒト罹病率及び死亡率に対して大きな衝撃を有する。従って、抗−炎症性タンパク質、例えばZcytor16が、ぜん息及び自己免疫性及び敗血性ショックに対するアレルギーからの莫大な数のヒト及び動物疾病のための決定的治療可能性を有することが明白である。
1.関節炎
変形性関節炎、リュウマチ様関節炎、損傷の結果としての関節炎性の関節、及び同様のものを包含する関節炎は、抗炎症性タンパク質、例えば本発明のzcytor16ポリペプチドの治療使用から利益を得る通常の炎症状態である。例えば、リウマチ様関節炎(RA)は、全身体に影響を及ぼす全身性疾患であり、そして最も通常の形の関節炎の1つである。それは、痛み、硬直、発熱、赤み及び膨潤を引き起こす、関節の内側をおおう膜の炎症によって特徴づけられる。炎症細胞は、骨及び軟骨を消化することができる酵素を開放する。リウマチ様関節炎の結果として、炎症の関節内層、すなわち滑液が侵入し、そして骨及び軟骨に損傷を与え、他の生理学的効果の中で、関節変性及び重度の痛みを導く。その関連する関節は、その形状及び整合を失い、痛み及び運動の損傷をもたらす。
リウマチ様関節炎(RA)は、重度の疾病及び高められた死亡率を導く、炎症及び続く組織損傷により特に特徴づけられる免疫介在性疾病である。種々のサイトカインがリウマチ様関節炎において局部的に生成される。多くの研究は、IL−1及びTNF−α(2種のプロトタイプのプロ炎症性サイトカイン)が滑膜炎症及び進行性関節破壊に関与する機構において重要な役割を演じることを実証している。実際、RAを有する患者におけるTNF−α及びIL−1インヒビターの投与は、炎症の臨床学的及び生物学的徴候の劇的な改良、及び骨侵食及び軟骨破壊の放射線学徴候の低下を誘導して来た。
しかしながら、それらの有望な結果にもかかわらず、有用な%の患者がそれらの剤に対して応答せず、このことは、他のメディエイターがまた、関節炎の病理学にも関与することを示唆する(Gabay, Expert. Opin. Biol. Ther. 2(2): 135-149, 2002)。それらのメディエーターの1つは、IL−9又はIL−TIFであり、そしてIL−TIFを結合するか又は阻害するそのような分子として、zcytor16ポリペプチド、可溶性Zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド、又は抗IL−TIF抗体又は結合パートナーが、リウマチ様関節炎及び他の関節炎患者における炎症を低めるための価値ある治療剤として作用することができる。
当業界において知られているリウマチ様関節炎についてのいくつかの動物モデルが存在する。例えば、コラーゲン−誘発された関節炎(CIA)モデルにおいては、マウスは、ヒトリウマチ様関節炎に密接に類似する慢性炎症性関節炎を進行する。CIAはRAと、類似する免疫学的及び病理学的特徴とを共有するので、これは、可能性あるヒト抗炎症性化合物をスクリーリングのための理想的モデルにする。このCIAモデルは、免疫応答及び炎症性応答の両者に依存する、マウスにおける良く知られているモデルである。免疫応答は、抗原として与えられ、そして抗−コラーゲン抗体の生成を導く、コラーゲンに応答してB−細胞及びCD4+ T−細胞の相互作用を包含する。
炎症相は、マウスの生来のコラーゲンと交差反応し、そして補体カスケードを活性化するそれらのいくつかの抗体の結果として、炎症のメディエーターからの組織応答の結果である。CIAモデルを用いることの利点は、病因の基本的機構が知られていることである。タイプIIコラーゲン上の適切なT−細胞及びB−細胞エピトープは同定されており、そして免疫介在性関節炎に関係する、種々の免疫学的(例えば、遅延性型過敏症及び抗−コラーゲン抗体)及び炎症性(例えば、サイトカイン、ケモカイン及びマトリックス−分解酵素)パートナーが決定されており、そして従って、CIAモデルにおける試験化合物の効率を評価するために使用され得る。(Wooley, Curr. Opin. Rheum. 3:407−20、1999;Williameなど., Immunol. 89:9784−788、1992;Myersなど., Life Sci. 61: 1861-78, 1997; 及びWangなど.,Immunol.92:8955−959、1995)。
可溶性zcytor16含有ポリペプチド、例えばzcytor16-Fc4又は他のzcytor16可溶性及び融合タンパク質のそれらのCIAモデルマウスへの投与は、症状を改善し、そして疾病の経路を変更するためへのzcytor16の使用を評価するために使用された。zcytor16のリガンド、すなわちIL−TIFは、リウマチ様関節炎の病因に関連するSAAの生成を誘発し、そしてzcytor16はインビトロ及びインビボでIL−TIF及びSAA活性を阻害することができることが示されているので、zcytor16包含ポリペプチド、例えばzcytor16−Fc4又は他のzcytor可溶性及び癒合タンパク質の全身性又は局部投与は、RAにおける炎症性応答を実質的に抑制することができる。10μgのzcytor16−Fcの注入(4週間、1週当たり3度)は疾病評点を有意に低めた(足の評点、炎症又は疾病の発生率)。他の可能性ある治療剤は、Zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド、又は抗IL−TIF抗体又は結合パートナー及び同様のものを包含する。
2.内毒血症
内毒血症は、感染剤、例えば細菌及び他の感染性疾病剤、敗血症、毒性ショック症候群に通常起因するか、又は日和見性感染及び同様のものにゆだねられた免疫無防備状態の患者における重症状態である。治療的に有用な抗炎症性タンパク質、例えば本発明のzcytor16ポリペプチドは、ヒト及び動物における内毒血症の予防及び処理を助ける。zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド、又は抗IL−TIF抗体又は結合パートナーは、内毒血症における炎症及び病理学的効果を低めるための価値ある治療剤として作用することができる。
ポリ多糖類(LPS)誘発された内毒血症は、感染性疾病において病理学的効果を生成する多くのプロ炎症メディエーターと連動し、そして囓歯動物におけるLPS誘発された内毒血症は、可能性あるプロ炎症又は免疫調節剤の薬理学的効果を研究するための広く使用され、そして許容できるモデルである。グラム陰性細菌において生成されるLPSは、敗血性ショックの病因における主要原因剤である(Glausnerなど., Lancet 338: 732, 1991)。ショック様状態は実際、LPSの動物中への1回の注射入により実験的に誘発され得る。
LPSに応答する細胞により生成される分子は、病原体を直接的に又は間接的に標的化することができる。それらの生物学的応答は侵入性病原体に対して宿主を保護するが、それらは損傷を引き起こすことができる。従って、重度のグラム陰性細菌感染の結果として生じる生来の免疫性の強力な刺激が、サイトカイン及び他の分子の過剰の生成、及び致命的症状、発熱により特徴づけられる敗血性ショック症状、低血圧、散在性血管内凝固、及び多発性器官不全の進行を誘導する(Dumitruなど., Cell 103: 1071-1083, 2000)。
LPSのそれらの毒性効果は、複数の炎症性メディエーターの導くマクロファージ活性化に最も関連している。それらのメディエーターの中で、TNFは、中和化抗−TNF抗体の投与によるLPS毒性の予防により示されるように、決定的な役割を演じるように見える(Beutlerなど., Science 229: 869, 1985)。C57B1/6マウス中へのE.コリLPS1μgの注射が、注射の約2時間後、循環性IL−6、TNF−α、IL−1、及び急性相タンパク質(例えば、SAA)の有意な上昇をもたらすであろうことは、十分に確立されている。LPSの毒性は、それらのメディエーターに対する受動性免疫化が低められた致死性をもたらすので、それらのサイトカインにより介在されると思われる(Beutler など., Science 229: 869, 1985)。敗血性ショックの予防及び/又は処理のための可能性ある免疫介入方法は、抗−TNF mAb, IL-1受動体アンタゴニスト、LIF、IL−10及びG−CSFを包含する。
可溶性zcytor16含有ポリペプチド、例えばzcytor16-Fc4又は他のzcytor可溶性及び融合タンパク質のそれらのLPS−誘発されたモデルへの投与は、症状を改善し、そしてLPS−誘発された疾病の経路を変更するために、zcytor16の使用を評価するために使用された。そのモデルは、LPS注射によるIL−TIFの誘発、及びZcytor16ポリペプチドによる疾病の可能性ある処理を示した。LPSは、プロ−炎症性IL−TIF、SAA、又は内毒血症の病理学にたぶん寄与する他のプロ−炎症因子の生成を誘発するので、IL−TIF活性、SAA又は他のプロ−炎症因子のそのアンタゴニストzcytor16ポリペプチドによる中和は、例えば内毒性ショックに見られる内毒血液の症状を減じるために使用され得る。他の可能性ある治療剤は、Zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド、又は抗IL−TIF抗体又は結合パートナー及び同様のものを包含する。
3.炎症性腸疾患、IBD
アメリカ合衆国においては、約500,000人の人々が、結腸又は直腸のいずれか(潰瘍性大腸炎)、又は小及び大腸の両者(クローン病)に影響を及ぼすことができる炎症性腸疾患(IBD)を有する。それらの疾病の病因は不明であるが、しかしそれらは影響される組織の慢性炎症を包含する。zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド又は抗−IL−TIF抗体又は結合パートナーは、IBD及び関連する疾病における炎症性及び病理学的効果を低めるための価値ある治療剤として作用する。
潰瘍性大腸炎(UC)は、結腸の粘膜又は最も内部の内層の炎症及び潰瘍により特徴づけられた、通常結腸と呼ばれる大腸の炎症性疾患である。この炎症は、時折結腸を空にし、下痢をもたらす。症状は、下痢ぎみ及び関連する腸の痙攣、発熱及び体重の低下を包含する。UCの正確な原因は未知であるが、最近の研究は、身体の天然の防御が、身体が外来性と見なすタンパク質に対して作用する(“自己免疫反応”)ことを示唆する。たぶん、それらは腸における細菌タンパク質に類似するので、それらのタンパク質は、結腸の内層を破壊し始める炎症工程を生ぜしめるか又は刺激することができる。
結腸の内層が破壊されるにつれて、潰瘍が開放性粘液、膿及び血液を形成する。その疾病は通常、直腸領域で始まり、そして最終的に、全大腸中に拡張する。炎症の反復された症状の発現は、瘢痕組織を伴なって、腸及び直腸の壁の肥厚化を導く。結腸組織の死又は販血症は、重度の疾病を生ぜしめる。潰瘍性大腸炎の症状は重症度において変化し、そしてそれらの開始は徐々であるか又は突然であり得る。攻撃は、多くの要因、例えば呼吸器感染又はストレスにより刺激され得る。
現在、UCについての有益な治療は存在しないが、処理は、結腸内層における異常炎症工程の抑制に集中される。コルチコステロイド免疫抑制剤(例えば、アザチオプリン、メルカプトプリン及びメトトレキセ−ト)及びアミノサリチレートを包含する処理は、その疾病を処理するために入手できる。しかしながら、免疫抑制剤、例えばコルチコステロイド及びアザチオプリンの長期使用は、骨の微細化、白内障、感染、及び腎臓及び骨髄の効果を包含する重度の副作用をもたらすことができる。現在の治療が好都合でない患者においては、手術が任意である。手術は、全結腸及び直腸の除去を包含する。
慢性潰瘍性大腸炎に部分的に類似するいくつかの動物モデルが存在する。最も広く使用されるモデルは、結腸において慢性炎症及び潰瘍を誘発する、2,4,6−トリニトロベンスルホン酸/エタノール(TNBS)誘発された大腸炎モデルである。TNBSが直腸内点滴を通して敏感なマウスの結腸中に導入される場合、それは、結腸粘膜において、T−細胞介在性免疫応答を誘発し、この場合、大腸の全壁じゅうへのT−細胞及びマクロファージの強い浸潤により特徴づけされた大量の粘膜浸潤を導く。さらに、この組織病理学的臨床像は、進行性体重の低下(消耗)、出血性下痢、直腸脱出及び大腸壁の肥厚化の臨床学的像を付随する(Neurathなど., Intern, Rev. Immunol. 19: 51-62, 2000)。
もう1つの大腸炎モデルは、出血性下痢により明白な急性大腸炎、体重の低下、結腸の短縮、及び好中球浸潤を伴なっての粘膜性潰瘍を誘発する硫酸デキストランナトリウム(DSS)を使用する。DSS誘発された大腸炎は、リンパ過形成、病巣陰窩損傷及び上皮潰瘍を伴なって、粘膜固有層中への炎症細胞の浸潤により組織学的に特徴づけられる。それらの変化は、上皮上へのDSSの毒性効果により、及び粘膜固有層細胞のファゴサイトーシス、及びTNF−α及びIFN−γの生成により進行すると思われる。その通常の使用にもかかわらず、ヒト疾病への関連性についてのDSSの機構に関するいくつかの問題点は末解決のままである。DSSは、それがT細胞欠失動物、例えばSCIDマウスにおいて観察されるので、T細胞−無関係モデルとして見なされる。
可溶性zcytor16含有ポリペプチド、例えばzcytor16−Fc4又は他の可溶性zcytor6及び融合タンパク質のそれらのTNBS又はDSSモデルへの投与は、症状を改善し、そして胃腸病の経路を変更するためにzcytor16の使用を評価するために使用され得る。本発明者は、RT−PCRによるDSS−マウスの結腸組織におけるIL−TIFの高められた発現、及び腸細胞系に対するIL−TIF及びIL−1βの相乗活性を観察した。それは、IL−TIFが大腸炎における炎症応答において役割を演じ、そしてzcytor16ポリペプチドを投与することによるIL−TIF活性の中和がIBDに関しての可能性ある治療アプローチであることを示す。他の可能性ある治療剤は、Zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド、又はIL−TIF抗体又は結合パートナー、及び同様のものを包含する。
4.乾癬
乾癬は、700万以上のアメリカ人に影響を及ぼす慢性皮膚状態である。乾癬は、新しい皮膚細胞が異常に増殖する場合に生じ、古い皮膚がすばやく十分に脱皮しない皮膚の赤く熱をもち、はれ上がった、鱗状の皮膚パッチをもたらす。最も通常の形であるプラーク乾癬は、銀色がかった白色鱗片を上部に有する皮膚の炎症性パッチ(“病変”)により特徴づけられる。乾癬は、少数のプラークに限定されるか、又は頭皮、膝、肘及び体幹上に最も通常には出現する、中位〜強い皮膚領域を包含する。それは高く認識できるが、乾癬は感染性疾病ではない。疾病の病因は、影響された組織の慢性炎症を包含する。zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド又は抗−IL−TIF抗体又は結合パートナーは、乾癬、他の炎症性皮膚疾患、皮膚及び粘膜アレルギー及び関連する疾病における炎症及び病理学的効果を低めるために価値ある治療剤として作用することができる。
乾癬は、相当な不快性を引き起こすことができる皮膚のT−細胞介在性炎症障害である。それは、治癒せず、そしてすべての年齢の人々に影響を及ぼす疾病である。乾癬は、ヨーロッパ及び北アメリカの人口の約2%に影響する。軽い乾癬を有する個人はしばしば、局部剤によりそれらの疾病を制御することができるが、世界じゅうの10万人以上の患者は、紫外線又は全身性免疫抑制療法を必要とする。不運なことには、紫外線の不便性及び危険性、及び多くの治療の毒性が、それらの長期使用を制限する。さらに、患者は通常、乾癬の再発、及び多くの場合、免疫抑制療法の停止後すぐに、再発を有する。
IL−20は、IL−20トランスジェニックマウスにおける異常上皮分化を包含する皮膚異常性を伴なって、新生児致死性を引き起こす新規IL−10相同体である(Bluberg, H. など., Cell 104: 9-19, 2001)。IL−20受容体は、乾癬皮膚において劇的にアップレギュレートされる。IL−TIFは、IL−20受容体と受容体サブユニット(zcytor11)を共有し、そしてIL−TIFトランスジェニックマウスは類似する表現型を示すので、IL−TIFはまた、炎症性皮膚疾患、例えば乾癬に包含されることが可能である。zcytor16ポリペプチドの皮下又は局部投与は、炎症及び症状を潜在的に低めることができる。他の可能性ある治療剤は、Zcytor16ポリペプチド、可溶性zcytor11/CRF2-4受容体ポリペプチド、又は抗−IL−TIF抗体又は結合パートナー、及び同様のものを包含する。
Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリペプチドはまた、IL-TIFリガンドの循環レベルの検出のために、及び急性相炎症応答に関連するIL-TIFの検出において、診断システム内で使用され得る。関連する態様においては、本発明のZcytor16可溶性受容体に特異的に結合する抗体又は他の剤は、循環性受容体ポリペプチドを検出するために使用され得;逆に言えば、Zcytor16可溶性受容体自体が、循環性又は局部的に作用するIL-TIFポリペプチドを検出するために使用され得る。リガンド又は受容体ポリペプチドの高められた又は低められたレベルが、炎症又は癌を包含する病理学的状態の表示であり得る。IL-TIFは、関連する急性相炎症応答を誘発することが知られている。さらに、急性相タンパク質又は分子、例えばIL-TIFの検出は、一定の疾病状態(例えば、リウマチ様、関節炎)における慢性炎症状態の表示であり得る。そのような状態の検出は、疾病診断を助け、そして正しい治療の医者による選択を助けるよう作用する。
さらに、本発明の可溶性Zcytor16受容体ポリペプチドは、リガンドの存在が所望されない治療又は他の用途において、インビボ又はインビトロでリガンドを結合するために、“リガンドシンク(ligand sink)”、すなわちアンタゴニストとして使用され得る。例えば、多量の生物活性IL-TIFを発現する慢性炎症状態又は癌においては、、可溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリペプチド、例えば可溶性Zcytor16/CRF-2-4は、インビボで、リガンドの直接的なアンタゴニストとして使用され得、そして疾病に関連する進行及び病状の低下を助けることができ、そして進行及び徴候を低め、そして再発を妨げることにおいて治療の効果を増強するために、他の治療剤(例えば、ステロイド又は化学治療剤)と共に使用され得る。さらに、可溶性Zcytor16受容体ポリペプチドは、それらの癌の増殖を増強するリガンドをインビボで結合することによって、Zcytor16受容体を過剰発現する癌の進行を遅延するために使用され得る。
さらに、可溶性Zcytor16受容体ポリペプチドは、IL-TIF−発現性炎症又は癌をインビボで検出するための診断用途において、又は組織サンプルにおいて使用され得る。例えば、本発明の可溶性Zcytor16受容体は、本明細書に記載されるような放射性ラベル又は蛍光ラベルに接合され得、そしてインビトロリガンド−受容体型結合アッセイ又は蛍光イメージングアッセイを用いて、組織サンプルにおけるリガンドの存在を検出するために使用され得る。さらに、本発明の放射性ラベルされたZcytor16受容体は、当業界において知られている放射性−イメージングを通して、リガンド発現性固形腫瘍を検出するために、インビボで投与され得る。
一般的に、投与されるZcytor16(又はZcytor16類似体又は融合タンパク質)の用量は、患者の年齢、体重、身長、性別、一般的な医学的状態及びこれまでの医学的歴史のような要因に依存して変化するであろう。典型的には、約1pg/kg〜10mg/kg(剤の量/患者の体重)の範囲でのZcytor16の用量(但し、それよりも低いか又は高い用量もまた、環境が指図する場合、投与され得る)を、受容体に供給することが所望される。
Zcytor16ポリペプイドの対象への投与は、局部カテーテルを通しての灌流によるか又は直接的な病変内注入による、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、鞘内投与であり得る。注射により治療用タンパク質を投与する場合、投与は連続的注入によるか、又は一回又は複数回のボーラスによることができる。
投与の追加経路は、経口、粘膜、肺及び経皮を包含する。経口供給は、ポリエステル微小球、ゼイン微小球、プロテイノイド微小球、ポリシアノアクリレート微小球及び脂質基剤システムのために適切である(例えば、DiBase and Morrel, “Oral Delivery of Microencapsulated Protein”, in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), p.255-288 (Plenum Press 1977) を参照のこと)。鼻腔内供給の実行可能性は、インスリン投与のそのような態様により例示される(例えば、Hinchcliffe and Illum, Adv. Drug Deliv. Rev. 35: 199 (1997) を参照のこと)。
Zcytor16を含んで成る乾燥又は液体粒子は、乾燥−粉末分散機、液体エーロゾル発生器又はネブライザーの助けにより調製され、そして吸入され得る(例えば、Pettit and Gombotz, TIBTECH 16: 343 (1998); Patton など., Adv. Drug Deliv. Rev. 35: 235 (1999) を参照のこと)。このアプローチは、エーロゾル化されたインスリンを肺に供給する電動吸入器であるAERX糖尿病治療システムにより例示される。研究によれば、48,000kDaほどの大きなタンパク質が、経皮投与の実行可能性を例示する、低周波超音波の助けにより治療濃度で皮膚を通して供給されることが示された(Mitragotriなど., Science 269: 850 (1995))。エレクトロポレーションを用いての経皮供給は、Zcytor16活性を有する分子を投与するもう1つの手段を提供する(Pottsなど., Pharm. Biotechnol. 10: 213 (1997))。
Zcytor16結合活性を有するタンパク質、ポリペプチド又はヘプチドを含んで成る医薬組成物は、医薬的に有用な組成物を調製する既知の方法に従って配合され得、それによれば、治療用タンパク質が医薬的に許容できるキャリヤーと共に混合される。組成物は、その投与が受容体患者により許容され得る場合、“医薬的に許容できるキャリヤー”であると言われる。無菌リン酸緩衝溶液は、医薬的に許容できるキャリヤーの1つの例である。他の適切なキャリヤーは、当業者に良く知られている。例えば、Gennaro (ed.), Remington’s Pharmaceutical Sciences, 19th Edition (Mack Publishing Company 1995) を参照のこと。
治療のためには、Zcytor16活性を有する分子及び医薬的に許容できるキャリヤーが、治療的に有効な量で患者に投与される。Zcytor16活性を有するタンパク質、ポリペプチド又はペプチド、及び医薬的に許容できキャリヤーの組み合わせは、その投与される量が生理学的に有意である場合、“治療的に有効な量”で投与されると言われる。剤は、その存在が受容体患者の生理学において検出される変化をもたらす場合、生理学的に有意である。例えば、炎症を処理するために使用される剤は、その存在が炎症応答を緩和する場合、生理学的に有意である。
Zcytor16(又はZcytor16類似体又は融合タンパク質)を含んで成る医薬組成物は、液体形、エーロゾル、又は固体形で維持され得る。液体形は、注射用溶液及び経口懸濁液により例示される。典型的な固体形は、カプセル、錠剤及び調節された開放形を包含する。後者の形は、ミニ浸透ポンプ及び移植体により例示される(Bremer など., Pharm. Biotechnol. 10:239 (1997): Ranade. “Implants in Drug Delivery,” in Drug Delivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 95-123 (CRC Press 1995); Bremer など., “Protein Delivery with Infusion Pum-s,” in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), Pages 239-254 (Plenum Press 1997); Yewey など., “Delivery of Proteins from a Controlled Release Injectable Implant,” in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), Pages 93-117 (Plenum Press 1997))。
リポソームは、治療用ポリペプチドを、患者に、静脈内、腹膜内、鞘内、筋肉内、皮下、又は経口、吸入又は鼻腔内供給するための1つの手段を提供する。リポソームは、水性区画を取り組む1又は複数の脂質二層から成る微小ビークルである(一般的には、Bakker Woudenberg など., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis. 12 (Suppl. 1): S61 (1993), Kim Drugs 46:618 (1993), and Ranade, “Site-Specific Drug Delivery Using Liposomes as Carriers,” in Drug Delivery Systems, Ranade and組生Hollinger (eds.), pages 3-24 (CRC Press 1995)を参照のこと)。
リポソームは、組成において細胞膜に類似し、そして結果として、リポソームは安全に投与され、そして生分解性である。調製方法に依存して、リポソームは、単層又は多層性であり得、そしてリポソームは0.02μm〜10μm以上の範囲の直径でサイズ的に変化することができる。種々の剤がリポソームに封入され得る:疎水性剤は二層に分割され、そして親水性剤は内部水性空間内に封入される(例えば、Macky など., Liposomes In Cell Biology and Pharmacology (John Libbey 1987), 及びOstroなど., American J. Hosp. Pharm. 46: 1576 (1989) を参照のこと)。さらに、リポソームサイズ、二層の数、脂質組成、及びリポソームの電荷及び表面性質を変えることにより、封入される剤の治療利用性を調節することが可能である。
リポソームは、実質的にいずれかのタイプの細胞に吸着することができ、そして次に、封入された剤をゆっくりと開放する。他方では、吸収されたリポソームは、食細胞性である細胞によりエンドサイト−シス化され得る。エンドサイト−シスに続いて、リポソーム脂質のリソソーム内分解が伴ない、そして封入された剤が開放される(Scherphof など., Ann. N.Y. Acad. Sci. 446: 368 (1985))。静脈内投与の後、小さなリポソーム(0.1〜1.0μm)は、典型的には、肝臓及び脾臓に主として位置する網内細胞系の細胞により摂取されるが、ところが3.0μmよりも大きなリポソームは肺に沈着される。網内細胞系の細胞による小さなリポソームのこの好ましい摂取は、マクロファージ及び肝臓の腫瘍に化学治療剤を供給するために使用されて来た。
網内細胞系は、いくつかの方法、例えば多量のリポソーム粒子による飽和、又は薬理学的手段による選択的マクロファージ不活性化により回避され得る(Claassenなど., Biochim. Biophys. Acta 802: 428 (1984))。さらに、リポソーム膜中への糖脂質−又はポリエチレングリコール−誘導されたリン脂質の組み込みは、網内細胞系による有意に低められた摂取をもたらすことが示されている(Allen など., Biochim. Biophys. Acta 1068:133 (1991); Allen など., Biochim. Biophys. Acta 1150: 9 (1993))。
リポソームはまた、リン脂質組成を変えることによって、又はリポソーム中に受容体又はリガンドを挿入することによって、特定の細胞又は器官を標的化するためにも調製され得る。例えば、高い含有率の非イオン性界面活性剤により調製されたリポソームが、肝臓を標的化するために使用されて来た(Hayakawaなど., 日本特許04-244,018号;Katoなど., Biol. Pharm. Bull. 16:960 (1993))。それらの配合物は、メタノールにおいて、大豆ホスファチジルコリン、α−トコフェロール及びエトキシル化され、水素付加されたヒマシ油(HCO−60)を混合し、前記混合物を真空下で濃縮し、そして次に、前記混合物を水により再構成することによって調製された。大豆由来のステリルグルコシド混合物(SG)及びコレステロール(Ch)と共にジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のリポソーム配列物はまた、肝臓を標的化することが示されている(Shimizuなど., Biol. Pharm. Bull. 20:881(1997))。
他方では、種々の標的化リガンドが、リポソーム、例えば抗体、抗体フラグメント、炭水化物、ビタミン及び輸送タンパク質の表面に結合され得る。例えば、リポソームは、肝臓細胞の表面上で独占的に発現されるアシアログリコプロテイン(ガラクトース)受容体標的化するために、枝分かれ型のガラクトシル脂質誘導体により変性され得る(Kato and Sugiyama, Crit. Rev. Ther. Drug. Carrier Syst. 14: 287 (1997); Murahashiなど., Biol. Pharm. Bull. 20:259 (1997))。同様に、Wuなど., Hepatology 27: 772 (1988) は、アジアロフェチュインによるリポソームのラベリングが短くされたリポソーム結晶半減期を導き、そしてアジアロフェチュイン−ラベルされたリポソームの肝細胞による摂取を非常に高めたことを示している。
他方では、枝分かれ型のガラクトシル脂質誘導体を含んで成るリポソームの肝臓蓄積が、アジアロフェチュインの前注入により阻害され得る(Murahashiなど., Biol. Pharm. Bull. 20: 259 (1997))。ポリアコニチル化されたヒト血清アルブミンリポソームは、肝臓細胞へのリポソームの標的化のためのもう1つのアプローチを提供する(Kamps など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94: 11681 (1997))。さらに、Gehoなど., (アメリカ特許第4,603,044号)は、肝臓の特殊化された代謝細胞に関連する肝胆管受容体に対する特異性を有する、肝細胞−指図されたリポソーム小胞供給システムを記載する。
組織標的化へのより一般的なアプローチにおいては、標的細胞は、標的細胞により発現されるリガンドに対して特異的な、ビオチニル化された抗体によりプレラベルされる(Harasymなど., Adv. Drug Deliv. Rev. 32: 99 (1998))。遊離抗体の血漿排除の後、ストレプタビジン−接合されたリポソームが投与される。もう1つのアプローチにおいては、標的化抗体は、リポソームに直接的に結合される(Harasymなど., Adv. Drug. Deliv. Rev. 32: 99 (1998))。
Zcytor16活性を有するポリペプチドは、タンパク質のマイクロカプセル封入の標準技法を用いて、リポソーム内に封入され得る(例えばAndersonなど., Infect. Immun. 31: 1099 (1981), Andersonなど., Cancer Res. 50: 1853 (1990), and Cobenなど., Biochim. Biophys. Acta 1063:95 (1991), Alving など., “Preparation and Use of Liposomes in Immunological Studies,” in Liposome Technology, 2nd Edition, Vol. III, Gregoriadis (ed.), page 317 (CRC Press 1993), Wassef など., Meth. Enzymol. 149: 124 (1987)を参照のこと)。上記に示されるように、治療的に有用なリポソームは、種々の成分を含むことができる。例えば、リポソームは、ポリ(エチレングリコール)の脂質誘導体を含むことができる(Allenなど., Biochim. Biophys. Acta 1150: 9 (1993))。
分解性ポリマー微小球が、治療用タンパク質の高い全身レベルを維持するため企画された。微小球は、分解性ポリマー、例えばポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLG)、ポリ無水物、ポリ(オルトエステル)、モノ生分解性エチルビニルアセテートポリマー(タンパク質がポリマー封入される)から調製されるGombotz and Pettit, Bioconugate Chem. 6:332 (1995); Ranade, “Role of Polymers in Drug Delivery.” In Drug Delivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 51-93 (CRC Press 1995); Roskos and Maskiewicz, “Degradable Controlled Release Systems Useful for Protein Delivery,” in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), pages 45-92 (Plenum Press 1997); Bartus など., Science 281:1161 (1998); Putney and Burke, Nature Biotechnology 16:153 (1998); Putney, Curr. Opin. Chem. Biol. 2:548 (1998))。ポリエチレングリコール(PEG)被覆された超微小球はまた、治療用タンパク質の静脈内投与のためのキャリヤーを提供することができる(例えば、Grefなど., Pharm. Biotechnol. 10:167 (1997) を参照のこと)。
本発明はまた、上記で論じられたように、ポリペプチドがポリマーにより結合されている、結合Zcytor16活性、例えばZcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体を有する化学的に変性されたポリペプチド、及びZcytor16アンタゴニスト、例えば抗−Zcytor16抗体又は結合ポリペプチドを企画する。
他の用量形は、例えば、Anset and Popovich. Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. 5th Edition (Lea & Febiger 1990), Gennaro (ed.), Remington’s Pharmaceutical sciences. 19th Edition (Mack Publishing Company 1995) により、及びRanade and Hollinger, Drug Delivery Systems (CRC Press 1996) により示されるように、当業者により考案され得る。
例示のように、医薬組成物は、Zcytor16細胞外ドメイン、例えばZcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体、又はZcytor16アンタゴニスト(例えば、Zcytor16ポリペプチドを結合する抗体又は抗体フラグメント)と共に1つのポリペプチドを含んで成る容器を含んで成るキットとして供給され得る。治療用ポリペプチドは、単一又は複数回の用量のための注射用溶液の形で、又は注射の前、再構成されるであろう無菌粉末として供給され得る。他方では、そのようなキットは、治療用ポリペプチドの投与のための乾燥粉末分散機、液体エーロゾル発生機又はネブライザーを包含することができる。そのようなキットはさらに、医薬組成物の指示及び使用法に対する文書での情報を包含する。さらに、そのような情報は、Zcytor16組成物が、Zcytor16に対する既知の過敏性を有する患者に禁忌を示される提示も包含することができる。
13.Zcytor16ヌクレオチド配列の治療的使用:
本発明は、Zcytor16を、そのような処理の必要な対象に供給するためへのZcytor16ヌクレオチド配列の使用を包含する。さらに、Zcytor16遺伝子発現を阻害する治療用発現ベクター、例えばアンチセンス分子、リボザイム又は外部案内配列分子が供給され得る。
Zcytor16を発現する組換え宿主細胞の使用、Zcytor16をコードする裸の核酸の供給、Zcytor16をコードする核酸分子と共にカチオン性脂質キャリヤーの使用、及びZcytor16を発現するウィルス、例えば組換えレトロウィルス、組換えアデノ−関連ウィルス、組換えアデノウィルス、及び組換えヘルペス単純ウィルス(HSV)の使用を包含する、Zcytor16遺伝子を対象に導入するための多くのアプローチが存在する(例えば、Mulligan, Science 260: 926 (1993), Rosenberg など., Science 242: 1575 (1988), LaSalle など., Science 250: 988 (1993), Wolffなど., Science 247: 1465 (1990), Breakfield and Deluca, The New Biologist 3: 203 (1991) を参照のこと)。エクスビボアプローチにおいては、細胞が対象から単離され、Zcytor16遺伝子を発現するベクターによりトランスフェクトされ、そして次に、対象中に移植される。
Zcytor16遺伝子の発現をもたらすために、Zcytor16遺伝子をコードするヌクレオチド配列が、遺伝子転写を制御するために、コアプロモーター及び任意には、調節要素に作用可能に連結される発現ベクターが構成される。発現ベクターの一般的な必要性は、上記に記載されている。
他方では、Zcytor16遺伝子は、組換えウィルスベクター、例えばアデノウィルスベクター(例えば、Kass-Eister など., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 90: 11498 (1993), Kolis など., proc. Nat’l Acad. Sci. USA 91: 215 (1994), Liなど., Hum. Gene Ther. 4;403 (1993), Vincent など., Nat. Genet. 5:130 (1993), and Zabner など., Cell 75: 207 (1993))、アデノウィルス−関連ウィルスベクター(Flotteなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10613 (1993))、アルファウィルス、例えば“Semliki Forest ウィルス及びSindbisウィルス(Hertz and Huang, J. Vir. 66: 857 (1992), Raju and Huang, J.vir. 65:2501 (1991), 及びXiongなど., Science 243: 1188 (1989))、ヘルペスウィルスベクター(Koeringなど., Hum. Gene. Therap. 5: 457 (1994))、
ポックスウィルスベクター(Ozakiなど., Biochem. Biophys. Res. Comm. 193: 653 (1993), Panicali and Paoietti, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 4927 (1982))、ポックスウィルス、例えばカナリヤポックスウィルス又はワクシニアウィルス(Fisher-Hochなど., Proc. Hatl. Acad. Sci. USA 86: 317 (1989) 及びFlexner など., Ann. N. Y. Acad. Sci. 569: 86 (1989))、及びレトロウィルス(Baba など., J. Neurosurg 79: 729 (1993), Ram など., Cancer Res. 53:83 (1993), Takamiyaなど., J. Neurosci. Res. 33: 493 (1992), Vile and Hart, Cancer Res. 53: 962 (1993), Vile and Hart, Cancer Res. 53: 3860 (1993) 及びAndersonなど., アメリカ特許第5,399,346号)を用いて供給され得る。種々の態様においては、ウィルスベクター自体又はウィルスベクターを含むウィルス粒子のいずれかが、下記に記載される方法及び組成物に使用され得る。
1つシステムの例示として、アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは、異種核酸分子の供給のための十分に特徴づけられた遺伝子トランスファーベクターである(Beckerなど., Meth. Cell Biol. 43:161 (1994); Douglas and Curiel, Science & Medicine 4:44 (1997))。アデノウィルスシステムは、次のいくつかの利点を提供する:(i)比較的大きなDNA挿入体を収容する能力、(ii)高い力価に増殖する能力、(iii)広範囲の哺乳類細胞型を感染する能力、及び(iV)多くの異なったプロモーター、例えば遍在性で、組織特異的な、及び調節できるプロモーターと共に使用される能力。さらに、アデノウィルスは、そのウィルスが血流において安定しているので、静脈内注射により投与され得る。
アデノウィルスゲノムの一部が欠失されているアデノウィルスベクターを用いて、挿入体は、直接的な連結により、又は同時トランスフェクトされたプラスミドによる相同組換えにより、ウィルスDNA中に組み込まれる。典型的なシステムにおいては、必須E1遺伝子がウィルスベクターから欠失され、そしてウィルスは、E1遺伝子が宿主細胞により供給されない場合、複製しないであろう。損なわれていない動物に静脈内供給される場合、アデノウィルスは主に、肝臓を標的化する。E1遺伝子欠失を有するアデノウィルス供給システムが宿主細胞において複製しない場合、宿主の組織は、コードされた異種タンパク質を発現し、そしてプロセッシングするであろう。宿主細胞はまた、その対応する遺伝子が分泌シグナル配列を含む場合、異種タンパク質を分泌するであろう。分泌されたタンパク質は、異種遺伝子を発現する組織(例えば、高く血管化された肝臓)から循環に侵入するであろう。
さらに、ウィルス遺伝子の種々の欠失を含むアデノウィルスベクターは、そのベクターに対する免疫応答を低めるか又は排除するために使用され得る。そのようなアデノウィルスは、E1−欠失され、そしてさらに、E2A又はE4の欠失を含む(Luskyなど., J. Virol. 72: 2022 (1998); Raper など., Human Gene Therapy 9: 671 (1998))。E2bの欠失はまた、免疫応答を低めることが報告されている(Amalfitanoなど., J. Virol. 72:926 (1998))。完全なアデノウィルスゲノムを欠失することによって、異種DNAの非常に大きな挿入体が収容され得る。すべてのウィルス遺伝子が欠失されている、いわゆる“不活性(gutless)”アデノウィルスの生成は、異種DNAの大きな挿入体の挿入のために特に好都合である(Yeh and Perricaudet, FASEB J. 11: 615 (1997) を参照のこと)。
治療用遺伝子を発現できる組換えウィルスの高い力価のストックが、標準方法を用いて、感染された哺乳類細胞から得られる。例えば、組換えHSVは、Vero細胞において、Brandtなど., J. Gen. Virol. 72: 2043 (1991), Herold など., J. Gen. Virol. 75:1211 (1994), Visalli and Brandt, Virology 185:419 (1991), Grauなど., Invest. Ophtalmol. Vis. Sci. 30: 2474 (1989), Brandiなど., J. Virol. Meth. 36:209 (1992), 及びBrawn and MacLean (eds.), HSV Virus Protocols (Human Press 1997) により記載のようにして、調製され得る。
他方では、Zcytor16遺伝子を含んで成る発現ベクターは、リポソームを用いてのインビボリポフェクションにより、対象の細胞に導入され得る。合成カチオン脂質が、マーカーをコードする遺伝子のインビボトランスフェクションのためのリポソームを調製するために使用され得る(Felgner など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413-17, 1987; 及びMackey など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 8027-31, 1988)。インビボで特定の器官中に外因遺伝子を導入するためへのリポフェクションの使用は、一定の実際的な利点を有する。特定細胞型へのトランスフェクションの方向づけが、細胞異質性を有する組織、例えば膵臓、肝臓、腎臓及び脳において特に好都合であることは明白である。脂質は、標的化のために他の分子に化学的に得られる。標的化されたペプチド(例えば、ホルモン又は神経伝達物質)、タンパク質、例えば抗体又は非ペプチド分子は、化学的にリポソームに結合され得る。
エレクトロポレーションは、投与のもう1つの態様である。例えば、Aihara and Miyazaki, Nature Biotechnology 16: 867 (1998) は、筋肉中への遺伝子トランスファーのためへのインビボエレクトロポレーションの使用を示している。
遺伝子療法へのもう1つのアプローチにおいては、治療用遺伝子は、Zcytor16の発現を阻害するZcytor16アンチセンスRNAをコードすることができる。アンチセンス分子のための適切な配列は、本明細書に開示されるZcytor16のヌクレオチド配列から誘導され得る。
他方では、調節要素がリボザイムをコードするヌクレオチド配列に作用可能に連結される発現ベクターが構成され得る。リボザイムは、mRNA分子における一定の標的配列に向けられるエンドヌクレアーゼ活性を発現するよう企画され得る(例えば、Draper and Macejak, アメリカ特許第5,496,698号、McSwiggen, アメリカ特許第5,525,468号、Chowrira and McSwiggen, アメリカ特許第5,631,369号及びRobertson and Goldberg, アメリカ特許第5,225,337号を参照のこと)。本発明においては、リボザイムはZcytor16 mRNAと結合するヌクレオチド配列を包含する。
もう1つのアプローチにおいては、調節要素がZcytor16遺伝子をコードするmRNA分子のRNアーゼP−介在性切断を促進できるRNA転写体の生成を方向づける発現ベクターが構成され得る。このアプローチによれば、外部案内配列が、細胞リボザイムにより続いて切断される、特定種の細胞内mRNAに内因性リボザイム、すなわちRNアーゼPを向けるために構成され得る(例えば、Altmanなど., アメリカ特許第5,168,053号、Yuanなど., Science 263: 1269 (1994), Paceなど., WO96/18733号、Georgeなど., WO96/21731号及びWemerなど., WO97/33991号を参照のこと)。好ましくは、前記外部案内配列は、Zcytor16 mRNAに対して相補的な10〜15個のヌクレオチド配列、及び3’−NCCAヌクレオチド配列(ここで、Nは好ましくはプリンである)を含んで成る。外部案内配列転写体は、mRNAと相補的外部案内配列との間での塩基対の形成により、標的化されたmRNA種に結合し、従って、前記塩基対合された領域の5’側に位置するヌクレオチドでのRNアーゼPによるmRNAの切断を促進する。
一般的に、Zcytor16ヌクレオチド酸配列を有する治療用ベクター、例えば組換えウィルスを含んで成る組成物の用量は、対照の年齢、体重、身長、性別、一般的な医学的状態及びこれまでの医学的歴史のような要因に依存して変化するであろう。治療用ベクターの適切な投与経路は、静脈内注射、動脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、腫瘍内注射、及び腫瘍を含む腔中への注射を包含する。例示のように、Hortonなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96: 1553 (1999)は、インターフェロン−αをコードするプラスミドDNAの筋肉内注射がネズミモデルにおいて一次及び転移性腫瘍に対する可能性ある抗腫瘍効果を生成することを示す。
本発明のウィルスベクター、非ウィルスベクター又はウィルス及び非ウィルスベクターの組み合わせを含んで成る組成物は、医薬的に有用な組成物を調製するための既知方法に従って配合され得、それによれば、ベクター又はウィルスは、医薬的に許容できるキャリヤーと共に混合される。上記で示されるように、組成物、例えばリン酸緩衝溶液は、その投与が受容体対象により許容され得る場合、“医薬的に許容できるキャリヤー”であると言われる。他の適切なキャリヤーは、当業者に良く知られている(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 19th Ed. (Mack Publishing Co. 1995), 及びGilman’s the Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th Ed. (MacMillan Publishing Co. 1985) を参照のこと)。
治療のためには、治療用遺伝子ベクター、又はそのようなベクターを含んで成る組換えウィルス、及び医薬的に許容できるキャリヤーが、治療的有効量で対象に投与され得る。発現ベクター(又はウィルス)及び医薬的に許容できるキャリヤーの組み合わせは、投与される量が生理学的に有意である場合、“治療的有効量”で投与されると言われる。剤は、その存在が受容体対象の生理学において検出できる変化をもたらす場合、生理学的に有意である。例えば、炎症を処理するために使用される剤は、その存在が炎症応答を緩和する場合、生理学的に有意である。
治療用遺伝子発現ベクター又は組換えウィルスにより処理される対象がヒトである場合、治療は好ましくは、体細胞遺伝子治療である。すなわち、治療用遺伝子発現ベクター又は組換えウィルスによるヒトの好ましい処理は、ヒト生殖細胞系の一部を形成し、そして次の世代に通され得る核酸分子を細胞中に導入すること(すなわち、ヒト生殖系遺伝子治療)を必要としない。
14.トランスジェニックマウスの生成:
トランスジェニックマウスは、すべての組織において、又は組織−特異的又は組織に好ましい調節要素の制御下で、Zcytor16遺伝子を過剰発現するよう構築され得る。Zcytor16のそれらの過剰生成体は、過剰発現に起因する表現型を特徴づけるために使用され得、そしてトランスジェニック動物は過剰Zcytor16により引き起こされるヒト疾病のためのモデルとして作用することができる。Zcytor16を過剰発現するトランスジェニックマウスはまた、大きな動物の乳汁又は血液におけるZcytor16、例えば可溶性Zcytor16の生成のためのモデル生物反応体を提供する。
トランスジェニックマウスを生成するための方法は、当業者に良く知られている(例えば、Jacob, “Expression and Knockout of interferons in Transgenic Mice,” in Overexpression and Knockout of Cytokines in Transgenic Mice, Jacob (ed.), Pages 111-124 (Academic Press, Ltd. 1994), Monastersky and Robl (eds.), Strategies in Transgenic Animal Science (ASM Press 1995), and Abbud and Nilson, “Recombinant Protein Expression in Transgeic Mice,” in Gen Expression Systems: using Nature for the Art of Expression, Fernandez and Hoeffler (eds.), pages 367-397 (Academic Press, Inc. 1999)を参照のこと)。
例えば、Zcytor16遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを生成するための方法は、成熟した受精能雄(種マウス)(B6C3f1, 生後2−8ヶ月(Tacomic Farms, Germantown, NY))、精管切除された雄(duds)(B6D2f1, 2−8ヶ月(Taconic Farms))、 思春期直前受胎能雌(ドナー)(B6C3f1, 4-5週(Taconic Farms))、及び成熟した受胎能雌(受容体)(B6D2f1, 2−4ヶ月(taconic farms))により開始することができる。
ドナーは、1週間、気候順応化され、そして次に、約8IU/マウスのPregnant Mare’s Serum ゴナドトロピン(Sigma Chemical Company, St. Louis, MO)I.P. により、及び46−47時間後、8IU/マウスのヒトChorionic Gonadotropin (hCG (Sigma)) L.P. により注射され、過剰排卵を誘発された。ドナーが、ホルモン注射に続いて、種マウスにより交配される。排卵は一般的に、hCG注射の13時間以内に生じる。交接は、交配の次の朝、膣栓の存在により確認される。
受精された卵を手術用スコープ下で集める。卵管を集め、そして卵を、ヒアルロニダーゼ(Sigma)を含む尿検査用スライド中に開放する。卵を、1度、アヒルロニダーゼにより洗浄し、そして2度、Whitten’s W640 媒体(Menino and O’cloray, Biol. Reprod. 77: 159 (1986), 及びDienhart and Downs, Zygote 4: 129 (1996) により記載される)により洗浄し、これを5%CO2、5%O2及び90%N2と共に37℃でインキュベートする。次に、卵を、マイクロインジェクションまで、37℃/5%CO2のインキュベーターに貯蔵する。
Zcytor16コード配列を含むプラスミドDNA10〜12μgを、線状化し、ゲル精製し、そしてマイクロインジェクションのために5−10ng/μlの最終濃度で、10mMのトリス−HCl (pH7.4), 0.25mMのEDTA(pH8.0)の溶液に再懸濁する。例えば、Zcytor16コード配列は、配列番号2のアミノ酸残基をコードすることができる。
プラスミドDNAを、暖かな、CO2平衡化された鉱油により被覆された1度のW640媒体に含まれる、収穫された卵中にマイクロインジェクトする。DNAを注射用針中に吸い込み(0.75mmのID, 1mmのOD硼珪酸塩ガラス細管から引き抜かれる)、そして個々の卵中に注入する。注射用針により、個々の卵の、ハプロイド前核の1つ又は両者中に貫通する。
数ピコリットルのDNAを前核中に注入し、そして注射用針を、核と接触しないよう引き抜く。前記方法を、すべての卵が注入されるまで、反復する。都合良くマイクロインジェクトされた卵を、前もってガス抜きされたW640媒体を有する器官組織−培養皿中に移し、37℃/5%CO2のインキュベーターにおいて一晩、貯蔵する。
次の日、2細胞の胚を、偽妊娠受容体中に移す。受容体は、精管切除されたdudsとの交接の後、膣栓の存在により同定される。受容体に麻酔をし、そして背面左側上の毛を剃り、そして手術用顕微鏡に移す。切開を、皮膚において、及び胸郭、背部及び後脚により概略される腹部の中央、すなわち膝と脾臓との間の中途まで筋肉壁を通して行う。生殖器官を、小さな手術用ドレープ上に切除する。脂肪パッドを、手術用ドレープ上に広げ、そして子供用止血小鉗子(Roboz, Rockville, MD)を、脂肪パットに取り付け、そしてマウスの背部上をつるし、器官が腹部にスライドすることを防ぐ。
鉱油、続いて交互にW640及び空気気泡を含む精巧なトランスファーピペットにより、前日の注入からの12〜17個の健康な2−細胞胚を、受容体中に移す。膨張した膨大部を位置決定し、そしてその膨大部と包との間の卵管を保持し、卵管の刻み目を前記包に隣接して、28gの針により行い、膨大部又は包を裂かないことを確かめる。
ピペットを、卵管における刻み目に移し、そして胚を吹き込み、最初の空気気泡のピペットからの除去を可能にする。脂肪パッドを軽く、腹膜中に押し込み、そして生殖器官を滑り込ませる。腹膜壁を、1つの縫合により閉じ、そして皮膚を傷口用クリップにより閉じる。マウスは、少なくとも4時間、37℃の暖かなスライド上で回復した。
受容体を、対でカゴに戻し、そして19−21日の妊娠を可能にする。誕生後、19−21日の産後を、離乳の前に可能にする。離乳子供の性別を鑑別し、そして別々の性別のカゴに入れ、そして0.5cmの生検(遺伝子型識別のために使用される)を、尾から、無菌のハサミにより取る。
ゲノムDNAを、QIAGEN DNEASYキットを用いて、その製造業者の説明書に従って、切り取られた尾から調製する。ゲノムDNAを、同じプラスミドに導入されたZcytor16遺伝子又は選択マーカー遺伝子を増幅するために企画されたプライマーを用いて、PCRにより分析する。動物がトランスジェニックであることが確かめられた後、それらは、トランスジェニック雌を野生型雄と共に、又はトランスジェニック雄を1又は複数の野生型雌と共に配置することによって、近交系に戻し交雑する。子供が生まれ、そして離乳され、性別を分け、そしてそれらの尾を、遺伝子型識別のために切り取る。
生存動物におけるトランスジーンの発現について調べるために、部分肝切除を行う。手術準備を、zyphoid工程下で直接的に上部腹部に行う。無菌技法を用いて、小さな1.5−2cmの切開を、胸骨下で行い、そして肝臓の左側葉を取り出す。4−0絹糸を用いて、下部葉を体腔外に確保するために、その下部葉の回りを縛る。クランプを用いて、その結び目を保持し、そして吸収性Dexon (American Cyanamid; Wayne, N. J.) の第2ループを、最初の結び目に隣接して配置する。
遠位切断をDexon結び目から行い、そして約100mgの切除された肝臓組織を、無菌ペトリ皿に配置する。切除された肝臓切片を、14mlのポリプロピレン丸底管に移し、そして液体窒素において凍結し、そして次に、ドライアイス上に貯蔵する。手術部位を、縫合及び傷口用クリップにより閉じ、そして動物のカゴを、37℃で加熱されるパッド上に、手術の後、24時間、配置する。動物を手術の後、毎日調べ、そして傷口用クリップを、手術の7−10日後に取り除く。Zcytor16 mRNAの発現レベルを、RNA溶液ハイブリダイゼーションアッセイ又はポリメラーゼ鎖反応を用いて、個々のトランスジェニックマウスについて試験する。
Zcytor16を過剰発現するトランスジェニックマウスを生成する他に、その遺伝子を異常に低く発現するか、又はまったく発現しないトランスジェニックマウスを構築することは有用である。そのようなトランスジェニックマウスは、Zcytor16の欠失に関連する疾病のための有用なモデルを提供する。上記で論じられたように、Zcytor16遺伝子発現は、アンチセンス遺伝子、リボザイム遺伝子、又は外部案内配列遺伝子を用いて阻害され得る。Zcytor16遺伝子を過少発現するトランスジェニックマウスを生成するためには、そのような阻害配列が例えば配列番号37に示され、そして本明細書に記載されるるように、フラグメント及び全5’ UTR、コード領域、及び3’ UTRを包含するZcytor16 mRNAに標的化される。特定の遺伝子の異常に低い発現をトランスジェニックマウスを生成するための方法は、当業者に知られている(例えば、Wuなど., “Gene Under Expression in Cultured Cells and Animals by Antisense DNA and DNA Strategies” in Methods in Gene Biotechnology, p. 205-224 (CRC Press 1997) を参照のこと)。
Zcytor16遺伝子発現をほとんどか又はまったく有さないトランスジェニックマウスを生成するための他のアプローチは、非官能性Zcytor16遺伝子により置換された、少なくとも1つの正常Zcytor16対立遺伝子を有するマウスを生成することである。非官能性Zcytor16遺伝子を企画する1つの方法は、もう1つの遺伝子、例えば選択マーカー遺伝子を、Zcytor16をコードする核酸分子内に挿入することである。いわゆるそれらの“ノックアウトマウス”を生成するための標準の方法は、当業者に知られている(例えば、Jacob, “Expression and Knockout of Interferons in Transgenic Mice,” in Overexpression and Knockout of Cytokines in Transgenic Mice, Jacob (ed.), Pages 111-124 (Academic Press, Ltd, 1994), 及びWuなど., “New Strategies for Gene Knockout,” in Methods in Gene Biotechnology, Pages 339-365 (CRC Press 1997)を参照のこと)。
本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドは、さらに、遺伝学及び分子生物学、タンパク質化学、及び抗体生成及び分析に関連する実験用実習キットにおいて教育用用具として有用であろう。その独得のポリヌクレオチド及びポリペプチド配列のために、Zcytor16の分子は、試験のための標準として、又は“未知”として使用され得る。例えば、Zcytor16ポリヌクレオチドは、Zcytor16が発現されるべき遺伝子である、融合構造体を包含する、細菌、ウィルス又は哺乳類発現のための発現構造体をいかにして調製するかを学生に教授するために;ポリヌクレオチドの制限エンドヌクレアーゼ切断部位を決定するために;組成におけるZcytor16ポリヌクレオチドのmRNA及びDNA位置を決定するために(すなわち、ノザン及びサザンブロット、及びポリメラーゼ鎖反応による);そして核酸ハイブリダイゼーションにより関連するポリヌクレオチド及びポリペプチドを同定するために、補助体として使用され得る。
Zcytor16ポリペプチドは、抗体の調製;ウェスターンブロットによるタンパク質の同定;タンパク質の精製;発現された合計のタンパク質に対する割合としての発現されたZcytor16ポリペプチドの重量の決定;ペプチド分解部位の同定;アミノ及びカルボキシル末端標識のカップリング;アミノ酸配列分析;及び生来の及び標識されたタンパク質(すなわち、受容体結合、シグナルトランスダクション、増殖及び分化)の生物学的活性のインビトロ及びインビボでのモニターリングのための補助体として、教育的に使用され得る。
Zcytor16ポリペプチドはまた、分析熟練、例えば、質量分析学、コンホメーション、例えば4個のαヘリックスを決定するために、円ニ色性を、原子の立体構造を詳細に決定するために、X−線結晶学を、溶液におけるタンパク質の構造を表すために、核磁気共鳴分光学を教授するためにも使用され得る。例えば、Zcytor16を含むキットが、学生の分析熟練を開発するために未知のタンパク質として、又は学生の熟練の試験として、分析する学生に与えられ得る。アミノ酸配列は教師によっては知られており、すなわちタンパク質は学生の熟練を決定し、又はその熟練を進展せしめるための試験として学生に提供されるので、教師は、学生がポリペプチドを正しく分析したかどうかを知ることができる。あらゆるポリペプチドはユニークであるので、Zcytor16の教育的利用はそれ自体ユニークであろう。
さらに、Zcytor16は組織−特異的発現を有し、そしてクラスIサイトカイン受容体構造及び明白な染色体局在化、及び発現パターンを有するポリペプチドであるので、活性は増殖アッセイ、本明細書に記載されるルシフェラーゼ及び結合アッセイを用いて測定され得る。さらに、単球、前立腺、リンパ及び他の組織におけるZcytor16ポリヌクレオチド及びポリペプチドの発現は、診断及び組織−特異的同定及び方法の使用において学生を訓練するために分析され得る。
さらに、Zcytor16ポリヌクレオチドは、その遺伝子座が知られているので、染色体検出及び診断方法の使用に基づいて学生を訓練するために使用され得る。さらに、学生は、ヒト染色体1について、及びより特定には、Zcytor16遺伝子が位置する遺伝子座6q23-q24について訓練され、そして教育され得る。そのようなアッセイは、当業界において良く知られており、そしてサイトカイン受容体タンパク質について学生を教授し、そしてZcytor16と当業界における他のサイトカイン受容体との間の種々の性質、例えば細胞に対する細胞効果、酵素運動学、種々の抗体結合親和性、組織特異性及び同様のものを試験するために、教育環境において使用され得る。
Zcytor16に対して特異的に結合する抗体は、Zcytor16を精製し、抗体をコードするポリヌクレオチドをクローニングし、そして配列決定するために、親和性クロマトグラフィーカラムをいかにして調製するかを学生に教授するための教授援助として、及び従って、ヒト型化抗体をいかにして企画するかを学生に教授するための実習課目として使用され得る。さらに、Zcytor16に対して特異的に結合する抗体は、例えば当業界において知られている組織学的及び現場方法を用いて、活性化されたCD91+細胞、細胞分類、又は卵巣癌組織の検出への使用のための教授助剤として使用され得る。
次に、Zcytor16遺伝子、ポリペプチド又は抗体は、試薬会社によりパッケージされ、そして学生が分子生物学の分野において熟練を得るために大学及び他の教育機関に市販される。個々の遺伝子及びタンパク質はユニークであるので、個々の遺伝子及びタンパク質は、実験実習課目における学生のためのユニークな挑戦及び学習経験を創造する。Zcytor16遺伝子、ポリペプチド又は抗体を含むそのような教育用キットは、本発明の範囲内で有ると思われる。
15.IL−TIFに結合するか、又はIL−TIFアンタゴニスト活性を有する、抗体又はポリペプチドの治療使用:
IL−TIFポリヌクレオチドは、T−細胞、活性化されたT−及びB−細胞、及びリンパ組織において発現される。ヒトIL−TIFヌクレオチド配列は、配列番号14で表される。
配列番号14の分析は、それから翻訳されたIL−TIFサイトカインポリペプチドのための2個の可能な開始メチオニン残基が存在することを示す。前記2個の推定されるIL−TIFポリペプチドアミノ酸配列は、配列番号15で示される(配列番号14におけるヌクレオチド21で開始Metを有する179個のアミノ酸ポリペプチド、配列番号14におけるヌクレオチド57で開始Metを有する167個のアミノ酸ポリペプチド)。それらの両配列はIL−TIFポリペプチドをコードするが、IL−10及び他のサイトカインへのIL−TIF配列の類似性及び強いシグナル配列の存在に基づいて、配列番号15のアミノ酸34(Ala)〜179(Ile)は、十分に機能的な、分泌されたIL−TIFサイトカインポリペプチドをコードする。N末端配列分析は、成熟が配列番号15の残基34(Ala)で開始することを示す。
一般的に、サイトカインは4−αヘリックス構造を有することが予測され、そして前記第1及び第4ヘリックスはリガンド−受容体相互作用において最も重要である。前記第1及び第4ヘリックスは、ファミリーのメンバー間でより高く保存される。配列番号15で示されるヒトIL−TIFアミノ酸配列に関しては、ヒトIL−TIF、ヒトIL−10、ヒトzcytor10 (WO US98/25288号)及びヒトHuman MDA7 (Genbak受託番号Q13007号)アミノ酸配列の一列整列は、IL−TIFヘリックスAが配列番号15のアミノ酸残基53(THr)〜65(Leu)により定義され:ヘリックスBは配列番号15のアミノ酸残基92(Met)〜103(Val)により定義され;ヘリックスCは配列番号15のアミノ酸残基115(Met)〜128(Arg)により定義され;そしてヘリックスDは配列番号15のアミノ酸残基161(Ile)〜174(Leu)により定義されることを示す。
構造分析は、A/Bループが長く、B/Cループが短く、そしてC/Dループが長いことを示唆する。このループ構造は、アップ−アップ−ダウン−ダウンヘリカル機構をもたらす。4個のシステイン残基は、配列番号15のアミノ酸残基20、40、89及び132に対応する、IL−10とIL−TIFとの間に保存される。矛盾しないシステイン配置は、4−ヘリカル束構造のさらなる確認である。
本明細書に記載されるIL−TIFポリペプチド領域、ドメイン、モチーフ、残基及び配列をコードするその対応するポリヌクレオチドは、配列番号1に示される通りである。さらに、本明細書に記載されるその対応するIL−TIFポリペプチド領域、ドメイン、モチーフ、残基及び配列はまた、配列番号15に示される通りである。
4−ヘリカル束サイトカインはまた、それらの成分ヘリックスの長さにより分類される。“長い−ヘリックス”形のサイトカインは一般的に、24〜30個の残基のヘリックスから成り、そしてIL-6、繊毛好中球因子(CNTF)、白血病阻害因子(LIF)及びヒト成長ホルモン(hGH)を包含する。“短い−ヘリックス”形のサイトカインは一般的に、18〜21個の残基のヘリックスから成り、そしてIL−2, IL-4及びGM-CSFを包含する。IL−TIFは、短い−ヘリックス形のサイトカイングループの新規メンバーであると思われる。CNTF及びIL-6を用いての研究は、CNTFヘリックスがIL-6における相当のヘリックスにより交換され得、キメラにCTNF−結合性質を付与することを示した。
従って、4−ヘリカルサイトカインの機能的ドメインが配列同一性に関係なく、構造的相同性に基づいて決定され、そしてキメラにおいて機能的に組み込みを維持することができると思われる(Kallenなど., J. Biol. Chem. 274: 11859-11867, 1999)。類似する方法を用いて、IL−TIFにおける受容体結合特異性を付与する推定上の領域は、残基65〜72、残基97〜103及び残基133〜152を包含する、配列番号15の34(Ala)〜179(Ile)のアミノ酸残基の領域を含んで成る。それらの領域は、受容体結合特異性を決定し、そして調節するために、他の短い−ヘリックス形のサイトカインを特に有するキメラ分子を調製するために有用であろう。
本発明はまた、本明細書に記載されるIL−TIFポリペプチドのエピトープ−担持の部分を含んで成るポリペプチドフラグメント又はペプチドも提供する。そのようなフラグメント又はペプチドは、完全なタンパク質が免疫原として使用される場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部である“免疫原性エピトープを含んで成る。免疫原性エピトープ−担持のペプチドは、標準方法を用いて同定され得る。(例えば、Geysenなど., Proc. Natl. Acad Sci. USA81: 3988, 1983を参照のこと)。
対照的に、ポリペプチドフラグメント又はペプチドは、抗体が特異的に結合することができるタンパク質分子の領域である“抗原性エピトープ”を含んで成る。一定のエピトープは、線状又は連続した範囲のアミノ酸から成り、そしてそのようなエピトープの抗原性は、変性剤により破壊されない。タンパク質のエピトープを模倣する比較的短い合成ペプチドがタンパク質に対する抗体の生成を刺激するために使用され得ることは、当業界において知られている(例えば、Sutcliffeなど., Science 219: 660, 1983を参照のこと)。従って、本発明の抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるポリペプチドと結合する抗体を生ぜしめるために有用である。
Hopp/Woods親水性プロフィールは、最も抗原性の可能性を有する領域を決定するために使用され得る(Hoppなど., 1981, 前記;及びHopp、1986、前記)。IL−TIFおいては、それらの領域は、次のものをを包含する:(1)配列番号15のアミノ酸番号41(Arg)〜アミノ酸番号46(Asn);(2)配列番号15のアミノ酸番号133(His)〜アミノ酸番号138(Asp);(3)配列番号15のアミノ酸番号146(Gln)〜アミノ酸番号151(Thr);(4)配列番号15のアミノ酸番号149(Lys)〜アミノ酸番号154(Lys);及び(5)配列番号15のアミノ酸番号157(Glu)〜アミノ酸番号162(Lys)。
さらに、例えばDNASTAR Proteanプログラム(DNASTAR, Inc., Madison, WI)を用いて、Jameson-Wolfプロットにより推定されるようなIL−TIF抗原性エピト−プは、好ましい抗原として作用し、そして当業者により容易に決定される。そのような抗原は、次のものをを包含する:(1)配列番号15のアミノ酸番号40(Cys)〜アミノ酸番号47(Phe);(2)配列番号15のアミノ酸番号64(Ser)又は67(Asp)〜アミノ酸番号71(Asp)又は112(Gln)又は115(Met);(3)配列番号15のアミノ酸番号106(Pro)又は104(Gln)〜アミノ酸番号112(Gln)又は115(Met);(4)配列番号15のアミノ酸番号125(Leu)〜アミノ酸番号130(Ser)又は131(Thr);(5)配列番号15のアミノ酸番号135(Glu)〜アミノ酸番号138(Asp)又は140(His);及び(6)配列番号15のアミノ酸番号146(Gln)又は156(Gly)〜アミノ酸番号159(Gly)。
抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは好ましくは、配列番号15の34(Ala)〜179(Ile)の少なくとも4〜10個のアミノ酸、少なくとも10〜15個のアミノ酸、又は約14〜約30個のアミノ酸を含む。そのようなエピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるように、IL−TIFポリペプチドのフラグメント化又は化学的ペプチド合成により生成され得る。さらに、エピトープは、ランダムペプチドライブラリーのファージ表示により選択され得る(例えば、Lane and Stephen, Curr. Opin. Immunol. 5: 268, 1993, 及びCortese など., Curr. Opin. Biotechnol. 7: 616, 1996を参照のこと)。
エピトープを含んで成る小さなペプチドからエピトープを同定し、そして抗体を生成するための標準の方法は、例えばMole, “Epitope Mapping,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.), Pages 105-16 (The Humana Press, Inc., 1992), Price, “Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, Engineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), page 60-84 (Cambridge University Press 1995), 及びColigan など. (eds.), Current Protocols in Immunology, pages 9.3.1-9.3.5 and pages 9.4.1-9.4.11 (John Wiley & Sons, 1997)により記載される。
IL−TIFポリペプチドはまた、IL−TIFエピトープ、ペプチド又はポリペプチドに特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。IL−TIFポリペプチド又はそのフラグメントは、動物を接種し、そして免疫応答を誘発するための剤(免疫原)として作用する。そのような抗体はプロ−炎症性IL−TIFの生物学的作用を阻止するためにも使用され得、そして本明細書に記載されるような種々の疾病における抗−炎症性治療剤として有用である。当業者は、抗原性エピトープ担持のポリペプチドがIL−TIFポリペプチド(例えば、配列番号15の34(Ala)〜179(Ile))の少なくとも6、好ましくは少なくとも9及びより好ましくは少なくとも15〜約30個の連続したアミノ酸残基を含むことを認識するであろう。IL−TIFポリペプチドの大きな部分、すなわち配列番号15のアミノ酸配列の30〜100個の残基〜その全体の長さの残基を含んでなるポリペプチドが含まれる。
抗原又は免疫原エピトープはまた、本明細書に記載されるように、結合された標識、アジュバンド及びキャリヤーを含むことができる。適切な抗原は、配列番号15のアミノ酸番号34(Ala)〜アミノ酸番号179(Ile)によりコードされるIL−TIFポリペプチド、又は連続した9〜144個又は30〜144このそのアミノ酸フラグメントを含む。他の適切な抗原は、本明細書に記載されるように、単離されたヘリックスを含んで成るポリペプチド及び4−ヘリカル−束構造のフラグメントを包含する。
抗原として使用するための好ましいペプチドは、親水性ペプチド、例えば本明細書に記載されるように、疎水性プロットから当業者により予測されるそれらのものである。さらに、例えばDNASTAR Proteanプログラム(DNASTAR, Inc., Madison, WI)を用いて、Jameson-Wolfプロットにより推定されるようなIL−TIF抗原性エピト−プは、好ましい抗原として作用し、そして当業者により容易に決定される。
それらの抗原(又は免疫原)による動物の接種により生成される免疫応答からの抗体は、本明細書に記載のようにして単離され、そして精製され得る。ポリクローナル及びモノクローナル抗体を調製し、そして単離するための方法は、当業界において良く知られている。例えば、Current Protocols in Immunology, Cooligan, など., (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995; Sambrook など., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982 を参照のこと。
当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、例えば馬、ウシ、ヤギ、羊、犬、鶏、ウサギ、マウス、及びラットを、IL−TIFポリペプチド又はそのフラグメントにより接種することにより生成され得る。IL−TIFポリペプチドの免疫性は、アジュバント、例えばミヨウバン(水酸化アルミニュウム)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用により高められ得る。免疫化のために有用なポリペプチドはまた、免疫グロブリン ポリペプチド又はマルトース結合タンパク質との融合体ポリペプチド、例えばIL−TIF又はその一部の融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部分は、免疫化のために、高分子キャリヤー(例えば、カサガイヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に都合良く連結又は結合され得る。
本明細書で使用される場合、用語“抗体”とは、ポリクローナル抗体、親和性精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗原結合フラグメント、例えばF(ab’)2及びFabタンパク質分解性フラグメントを包含する。遺伝子的に構築された損なわれていない抗体又はフラグメント、例えばキメラ抗体、Fvフラグメント、一本鎖抗体及び同様のもの、並びに合成抗原結合ペプチド及びポリペプチドもまた包含される。非ヒト抗体は、ヒト骨格及び不変領域上に非ヒトCDRのみを移植することによって、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込むことによって(任意には、暴露された残基の置換によってヒト−様表面によりそれらのドメインを“おおう(cloaking)”ことによって;ここで結果物は“張り合わされた”抗体である)、ヒト適合され得る。多くの場合、ヒト型化抗体は、正しい結合特性を増強するために、ヒト可変領域骨格ドメイン内に非ヒト残基を保持することができる。
ヒト適合化抗体を通して、生物学的半減期が高められ、そしてヒトへの投与に基づく有害な免疫反応の可能性が低められる。さらに、ヒト抗体は、WIPO公開WO98/24893号に開示されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むよう構築されたトランスジェニック非−ヒト動物において生成される。好ましくは、それらの動物における内因性免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えにより不活性化されるか又は排除される。
抗体は、1)それらが限界レベルの結合活性を示す場合、及び2)それらが関連するポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合、特異的に結合すると考えられる。限界レベルの結合は、本明細書における抗−IL−TIF抗体が対照(非−IL−TIF)ポリペプチドへの結合親和性よりも少なくとも10倍高い親和性を伴って、IL−TIFポリペプチド、ペプチド又はエピトープに結合するかどうか決定される。好ましくは、抗体は、106M-1又はそれ以上、好ましくは107M-1又はそれ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは109M-1又はそれ以上の結合親和性(Ka)を示す。抗体の結合親和性は、例えばScatchard 分析(Scatchard, G., Ann. NY Acad. Sci. 51: 660-672, 1949)を用いて、当業者によって容易に決定され得る。
抗−IL−TIF抗体は関連するポリペプチド分子と有意に交差反応しないかどうかは、例えば、標準のウェスターンブロット分析を用いて、IL−TIFポリペプチドであるが、しかし知られていない関連するポリペプチドを検出する抗体により示される(Ausubel など., 前記)。既知の関連するポリペプチドの例は、従来技術に開示されているそれらのもの、例えば既知のオルト体及びパラ体、及びタンパク質ファミリーの類似する既知メンバーである。スクリーニングはまた、非ヒトIL−TIF及びIL−TIF変異体ポチペプチドを用いて行われ得る。さらに、抗体は、IL−TIFポリペプチドに対して特異的に結合する集団を単離するために、既知の関連するポリペプチドに“対してスクリーンされ得る”。例えば、IL−TIFに対して生ぜしめられた抗体は不溶性マトリックスに付着される関連するポリペプチドに吸着され;IL−TIFに対して特異的な抗体は適切な緩衝液条件下で前記マトリックスを通して流れるであろう。
スクリーニングは、既知の溶接に関連するポリペプチドに対して交差反応しないポリクローナル及びモノクローナル抗体の単離を可能にする(Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and Lane (eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988; Current Protocols in Immunology, Cooligan, など. (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995)。特異的抗体のスクリーニング及び単離は当業界において当業界において良く知られている。
Fundamental Immunology, Paul (eds.), Raven Press, 1993; Getzoffなど., Adv.in Immunol. 43: 1-98, 1988; Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Goding, J.W. (eds.), Academic Press Ltd., 1996; Benjamin など., Ann. Rev. Immunol. 2: 67-101, 1984を参照のこと。特異的に結合する抗−IL−TIF抗体は、当業界において知られており、そして下記に開示される多くの方法により検出され得る。
当業者に知られている種々のアッセイがIL−TIFタンパク質又はペプチドに特異的に結合する抗体を検出するために使用され得る。典型的なアッセイは、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and lane (Eds.), Cold Speing Harbor Laboratory Press, 1988 に詳細に記載されている。そのようなアッセイの代表的な例は次のものを包含する:同時免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、ラジオイムノ沈殿、酵素結合の免疫吸着アッセイ(ELISA)、ドットブロット又はウェスターンブロットアッセイ、阻害又は競争アッセイ。及びサンドイッチアッセイ。さらに、野生型対変異体のIL−TIFタンパク質又はペプチドに結合する抗体がスクリーンされ得る。
本明細書において有用な抗体を生成するか又は選択するための他の技法は、インビトロで、IL−TIFタンパク質又はペプチドにリンパ球を暴露し、そしてファージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選択すること(例えば、固定された又はラベルされたIL−TIFタンパク質又はペプチドの作用を通して)を包含する。可能性あるIL−TIFポリペプチド結合ドメインを有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示)又は細菌、例えばE.コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多くの手段、例えばランダム突然変異誘発及びランダムポリヌクレオチド合成を通して得られる。
それらのランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチドであり得る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子、又は有機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために使用され得る。そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そしてスクリーニングするための技法は、当業界において知られており(Ladner など., アメリカ特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778 号; Ladner など., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特許第5,571,698 号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins (Academic Press, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及びそのようなライブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClontech (Palo Alto, CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs, Inc. (Beverly, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, MJ) から市販されている。
ランダムペプチド表示ライブラリーは、IL−TIFに結合するタンパク質を同定するために、本明細書に開示されるIL−TIF配列を用いてスクリーンされ得る。IL−TIFポリペプチドと相互作用するそれらの“結合ポリペプチド”は、細胞を標識するために;親和性精製によりパラ体及び相同体ポリペプチドを単離するために使用され得る;それらは薬物、トキシン、放射性核種及び同様のものに直接的にまたは間接的に接合され得る。それらの結合ポリペプチドはまた、分析方法に、例えば発現ライブラリーをスクリーニングし、そして活性を中和するために、例えばリガンドと受容体又は受容体に結合するウィルスとの間の相互作用を阻止しするためにも使用され得る。
結合ポリペプチドはまた、IL−TIFポリペプチドの循環レベルを決定するために;根本的な病理学又は疾病のマーカーとして可溶性IL−TIFポリペプチドを検出し又は定量化するために、診断アッセイにも使用され得る。それらの結合ポリペプチドはまた、IL−TIF結合及びシグナルトランスダクションをインビトロ及びインビボで阻止するために、IL−TIF “アンタゴニス”として使用することができる。それらの抗−IL−TIF結合ポリペプチドは、IL−TIF活性又はタンパク質を阻害するために有用である。そのような抗−IL−TIF結合ポリペプチドは、プロ−炎症性IL−TIFの生物学的作用を阻止するために使用され、そして本明細書に記載されるように種々の疾病における抗−炎症性治療剤として有用である。
IL−TIFに対する抗体は、IL−TIFを発現する細胞を標識するために;アフィニティー精製によりIL−TIFを単離するために;例えば、ポリペプチドの循環レベルを決定するための診断アッセイのために;根本的な病理学又は疾病のマーカーとして可溶性IL−TIFを検出し又は定量化するために;FACS を使用する分析方法において;発現ライブラリーをスクリーニングするために;抗-インディオタイプ抗体を生成するために;及びインビトロ及びインビボでIL−TIF活性を阻止するための中和抗体又はアンタゴニスとして使用され得る。
適切な直接的標識又はラベルは、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子及び同様のものを包含し;間接的な標識又はラベルは、中間体としてのビオチン−アビジン又は他の補体/抗−補体対の使用を特徴とする。本発明書における抗体及び結合タンパク質はまた、薬物、トキシン、放射性核種、及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体はインビボ診断又は治療用途のために使用され得る。さらに、IL−TIF又はそのフラグメントに対する抗体は、アッセイ、例えば当業界において知られているウェスターンブロット又は他のアッセイにおいて、変性されたIL−TIF又はそのフラグメントを検出するためにインビトロで使用され得る。
本明細書における抗体又はポリペプチドはまた、薬剤、トキシン、放射性核種及び同様のものに直接的に又は間接的に接合され得、そしてそれらの接合体は、インビボ診断又は治療用途のために使用される。例えば、本発明のポリペプチド又は抗体は、対応する抗−相補的分子(例えば、それぞれ受容体又は抗原)を発現する組織又は器官を同定し、又は処理するために使用され得る。より特定には、抗−IL−TIF抗体又はその生物活性フラグメントが、検出可能な又は細胞毒性の分子に連結され、そして抗−相補的分子を発現する細胞、組織又は器官を有する哺乳類に供給され得る。
適切な検出可能分子は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合され得、そして放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子、及び同様のものを包含する。適切な細胞毒性分子は、ポリペプチド又は抗体に直接的に又は間接的に結合され得、そして細菌又は植物毒性(例えば、ジフテリア毒素、プソイドモナシス内毒素、リシン、アブリン及び同様のもの)、及び治療用放射性核種、例えばI−131、レニウム−188又はイットニウム−90(ポリペプチド又は抗体に直接的に結合されるか、又はキレ−ト成分により間接的に結合される)を包含する。
結合ポリペプチド又は抗体はまた、細胞毒性薬物、例えばアドリアマイシンに結合され得る。検出可能又は細胞毒性分子の間接的な結合に関しては、検出可能又は細胞毒性分子は相補的/抗相補的対のメンバーにより結合され得、ここで他のメンバーはポリペプチド又は抗体部分に結合される。それらの目的のためには、ビオチン/ストレプタビジンが典型的な相補的/抗相補的対である。
もう1つの態様においては、ポリペプチド−毒素融合タンパク質又は抗体−毒素融合タンパク質は、標的化された細胞又は組織阻害又は除去(例えば、癌細胞又は組織を処理するために)のために使用され得る。他方では、ポリペプチドが複数の機能ドメイン(すなわち、活性化ドメイン又はリガンド結合ドメイン、及び標的化ドメイン)を有する場合、標的化ドメインのみを包含する融合タンパク質は、検出可能分子、細胞毒性分子又は相補的分子を、興味ある細胞又は組織型に向けるために適切である。例えば、単一のドメインのみのを包含する融合タンパク質が相補的分子を含む場合、抗−相補的分子は検出可能又は細胞毒性分子に接合され得る。従って、そのようなドメイン−相補的分子融合タンパク質は、一般的抗−相補的−検出可能/細胞毒性分子接合体の細胞/組織−特異的供給ための一般的標的化ビークルを表す。そのようなサイトカイン毒素融合タンパク質は、標的組織のインビボ殺害のために使用され得る。
もう1つの態様においては、IL−TIFサイトカイン融合タンパク質又は抗体−サイトカイン融合タンパク質は、結合ポリペプチドサイトカイン又は抗−マウスzcytor10抗体が過剰増殖性細胞を標的化する場合、標的組織(例えば、白血病、リンパ腫、肺癌、結腸癌、メラノーマ、膵臓癌、卵巣癌、血液及び骨髄癌、又はIL−TIF受容体が発現される他の癌)のインビボ殺害を増強するために使用され得る(一般的には、Hornickなど., Blood 89: 4437-4447, 1997を参照のこと)。
記載される融合タンパク質は、作用の所望する部位へのサイトカインの標的化を可能にし、それにより、サイトカインの高められた局部濃度を提供する。適切なIL−TIFポリペプチド又は抗−IL−TIF抗体は、所望しない細胞又は組織(例えば、腫瘍又は白血病)を標的化し、そして融合されたサイトカインはエフェクター細胞による改良された標的細胞溶解を仲介する。例えば、この目的のための適切なサイトカインは、インターロイキン−2及び顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSM)を包含する。
さらにもう1つの態様においては、IL−TIFポリペプチド又は抗−IL−TIF抗体が血管細胞又は組織を標的化する場合、そのようなポリペプチド又は抗体は、再狭窄を低めるために、放射性核種、及び特にβ−放出性放射性核種により接合され得る。そのような治療アプローチは、放射線治療法を行う臨床医に対して低い危険性を提供する。例えば、必要とされる放射線量が提供されるまで、患者のステント支持された血管中に配置されたイリジウム−192含浸されたリボンは、血管における低められた組織増殖、及びプラシーボリボンを受けた対照グループよりも大きな管腔直径を示した。さらに、再血管化及びステント血栓症は、処理グループにおいて有意に低かった。類似する結果が、本明細書に記載されるように、放射性各種を含む生活性接合体の標的化により予測される。
本明細書に記載される生活性ポリペプチド又は抗体接合体は、静脈内、動脈内又は管内供給され得るか、又は作用の意図された部位で局部的に導入され得る。
さらに、炎症は、侵入剤を受けとめるために生物による保護応答である。炎症は、多くの細胞及び体液メディエーターを包含するカスケード現象である。一方では、炎症応答の抑制は宿主を免疫無防備状態にすることができるが;しかしながら、抑制されていなければ、炎症は、重度の合併症、例えば慢性炎症性疾患(例えば、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、炎症性腸疾患及び同様のもの)、敗血性ショック及び多発性器官不全を誘発する。
重要なことには、それらの種々の疾病状態は、通常の炎症メディエーターを共有する。炎症により特徴づけられる集合的疾病は、ヒト罹病率及び死亡率に対して大きな衝撃を有する。従って、本明細書に記載される、抗−炎症性抗体及び結合ポリペプチド、例えば抗−IL−TIF抗体及び結合ポリペプチドは、ぜん息及び自己免疫性及び敗血症ショックに対してアレルギーからの莫大な数のヒト及び動物疾病のための可能性ある決定的な治療剤を有することは明白である。本明細書に記載される抗−炎症性抗IL−TIF抗体及び結合ポリペプチドの使用は、特に疾病、例えば関節炎、内毒血症、炎症性腸疾患、乾癬、関連疾病及び同様のものにおいて、本明細書に記載されるIL−TIFアンタゴニストとして治療的に使用され得る。
1つの観点においては、本発明は、(a)アミノ酸残基28〜127;(b)アミノ酸残基132〜231;(c)アミノ酸残基28〜231; (d)アミノ酸残基23〜230;(e)アミノ酸残基23〜231;(f)アミノ酸残基22〜230;(g)アミノ酸残基22〜231;及び(h)アミノ酸残基1〜231から成る群から選択された配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。
1つの観点においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、(a)アミノ酸残基28〜127;(b)アミノ酸残基132〜231;(c)アミノ酸残基28〜231; (d)アミノ酸残基23〜230;(e)アミノ酸残基23〜231;(f)アミノ酸残基22〜230;(g)アミノ酸残基22〜231;及び(h)アミノ酸残基1〜231から成る群から選択されたアミノ酸配列を含んで成る。
もう1つの観点においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、(a)アミノ酸残基28〜127;(b)アミノ酸残基132〜231;(c)アミノ酸残基28〜231; (d)アミノ酸残基23〜230;(e)アミノ酸残基23〜231;(f)アミノ酸残基22〜230;(g)アミノ酸残基22〜231;及び(h)アミノ酸残基1〜231から成る群から選択されたアミノ酸配列から成る。
第2の観点においては、本発明は、(a)アミノ酸残基28〜127;(b)アミノ酸残基132〜231;(c)アミノ酸残基28〜231; (d)アミノ酸残基23〜230;(e)アミノ酸残基23〜231;(f)アミノ酸残基22〜230;(g)アミノ酸残基22〜231;及び(h)アミノ酸残基1〜231から成る群から選択された配列番号2の対照アミノ酸配列に対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。
1つの態様においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、前記対照アミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する。もう1つの態様においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、前記対照アミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する。も1つの態様においては、上記に開示される単離されたポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜231又は配列番号2のアミノ酸残基28〜231のいずれかを含んで成る。
第3の観点においては、本発明は、(a)配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、又は(b)配列番号1のヌクレオチド64〜693又は82〜693のヌクレオチド配列、又は配列番号1のヌクレオチド64〜693又は82〜693のヌクレオチド配列の補体から成る核酸分子、又は(c)配列番号1又は37、又は配列番号1又は37のヌクレオチド配列の補体のいずれかである単離された核酸分子を提供する。1つの態様においては、前記核酸分子によりコードされるアミノ酸配列と、配列番号3のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異が、保存性アミノ酸置換によるものである単離された核酸分子は上記に開示される通りである。もう1つの態様においては、上記に開示される単離された核酸分子は、配列番号1のヌクレオチド1〜693のヌクレオチド配列を含んで成る。
もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるような単離された核酸分子を含んで成るベクターを提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるような単離された核酸分子、転写プロモーター及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを含んで成る発現ベクターを提供し、ここで前記プロモーターは前記核酸分子により作用可能に連結され、そして前記核酸分子は前記転写ターミネーターにより作用可能に連結される。
もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるような発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞を提供し、ここで前記宿主細胞は細菌、酵母細胞、菌類細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞及び植物細胞の群から選択される。
もう1つの観点においては、本発明は、マウスZcytor16タンパク質の生成方法を提供し、ここで上記に開示されるような発現ベクターを含んで成り、そして前記Zcytor16タンパク質を生成する組換え宿主細胞を培養することを含んで成る。もう1つの態様においては、上記に開示される方法は、前記培養された組換え宿主細胞からマウスZcytor16タンパク質を単離することをさらに含んで成る。
もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるようなポリペプチドと特異的に結合する抗体又は抗体フラグメントを提供する。1つの態様においては、上記に開示されるような抗体は、(a)ポリクローナル抗体、(b)ネズミモノクローナル抗体、(c)(b)に由来するヒト型化抗体、及び(d)ヒトモノクローナル抗体から成る群から選択される。
もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるような抗体と特異的に結合する抗−イディオタイプ抗体を提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、上記に開示されるようなポリペプチドを含んで成る融合タンパク質を提供する。1つの態様においては、上記に開示されるような融合タンパク質は、免疫グロブリン成分をさらに含んで成る。
もう1の観点においては、本発明は、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを提供し、ここで前記アミノ酸差異は保存性アミノ酸置換から成り;そして前記ポリヌクレオチド配列によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはIL−TIFを結合するか、又はIL−TIF活性を拮抗する。
もう1の観点においては、本発明は、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、ホモダイマー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。
もう1の観点においては、本発明は、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドを提供し、ここで前記ポリヌクレオチド配列によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはホモダイマー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成る。
もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはさらに、細胞内ドメインをコードする。もう1つの態様においては、単離されたポリヌクレオチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはさらに、親和性標識を含んで成る。
もう1の観点においては、本発明は、次の作用可能に連続された要素:(a)転写プロモーター;アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸配列を有する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする第1DNAセグメント;及び転写ターミネーター;及び(b)第2転写プロモーター;可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをコードする第2DNAセグメント;及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供し、ここで前記第1及び第2DNAセグメントは単一の発現のベクター内に含まれるか、又は独立した発現ベクター内に含まれる。
1つの態様においては、上記に開示される発現ベクターはさらに、前記第1及び第2DNAセグメントに作用可能に連結される分泌シグナル配列をさらに含んで成る。もう1つの態様においては、発現ベクターは上記に開示される通りであり、ここで前記第2DNAセグメントは、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るポリペプチドをコードする。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示される発現ベクターを含んで成る培養された細胞を提供し、ここで前記細胞は前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるような発現ベクターを含んで成る培養された細胞を提供し、ここで前記第1及び第2DNAセグメントは独立した発現ベクター上に位置し、そして細胞中に同時トランスフェクトされ、そして細胞が前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるような発現ベクターを導入されている培養された細胞を提供し、ここで前記細胞は前記DNAセグメントによりコードされるヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体ポリペプチドを発現する。1つの態様においては、上記に開示される細胞が提供され、ここで前記細胞は可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドヘテロダイマー又はマルチマー複合体を分泌する。もう1つの態様においては、上記に開示される細胞が提供され、ここで前記細胞はIL−TIFを結合し、又はIL−TIF活性を拮抗する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドヘテロダイマー又はマルチマー複合体を分泌する。
もう1の観点においては、本発明は、下記成分:アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドをコードする第1DNAセグメント;及び可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをコードする少なくとも1つの他のDNAセグメントを含んで成る融合タンパク質をコードするDNA構造体を提供し、ここで前記第1及び他のDNAセグメントは読み取り枠の整合して連結され;そして前記第1及び他のDNAセグメントは前記融合タンパク質をコードする。1つの態様においては、融合タンパク質をコードするDNA構造体は上記に開示される通りであり、ここで少なくとも1つの他のDNAセグメントは、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るポリペプチドをコードする。
もう1の観点においては、本発明は、次の作用可能に連結された要素:転写プロモーター:上記に開示されるような融合タンパク質をコードするDNA構造体:及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターを提供し、ここで前記プロモーターは前記DNA構造体に作用可能に連結され、そして前記DNA構造体は前記転写ターミネーターに作用可能に連結される。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるような発現ベクターを含んで成る培養された細胞を提供し、ここで前記細胞は前記DNA構造体によりコードされるポリペプチドを発現する。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるような細胞を培養し;そして前記細胞により生成されるポリペプチドを単離することを含んで成る、融合タンパク質の生成方法を提供する。
もう1の観点においては、本発明は、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含んで成る、IL−TIFを結合するか又はIL−TIF活性を拮抗する単離された可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを提供する。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるような単離されたポリペプチドを提供し、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、ホモダイマー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。
もう1の観点においては、本発明は、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る単離された可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを提供し、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはホモダイマー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。
もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する。もう1つの態様においては、単離されたポリペプチドは上記に開示される通りであり、ここで前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは、親和性標識、化学的成分、毒素又はラベルをさらに含んで成る。
もう1の観点においては、本発明は、可溶性受容体サブユニットを含んで成る単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体複合体を提供し、ここで前記可溶性受容体サブユニットの少なくとも1つが、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る。もう1つの態様においては、上記に開示される単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体複合体はさらに、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る。もう1つの態様においては、上記に開示される単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体複合体はさらに、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytorII受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成る。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるような細胞を培養し;そして前記細胞により生成される可溶性受容体ポリペプチドを単離することを含んで成る、ヘテロダイマー又はマルチマー複合体を形成する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドの生成方法を提供する。
もう1の観点においては、本発明は、下記群:(a)アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなポリペプチドを含んで成るモノマー又はホモダイマー可溶性受容体を含んで成るポリペプチド;
(b)可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る可溶性サイトカイン受容体へテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成る(a)のポリペプチド;
(c)可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成る(a)のポリペプチド;及び
(d)可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)を含んで成る可溶性サイトカイン受容体へテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成る(a)のポリペプチドから選択された可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドにより動物を接種し;ここで前記ポリペプチドが、抗体を生成するために前記動物において免疫応答を誘発し;そして前記動物から抗体を単離することを含んで成る、可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドに対する抗体を生成するための方法を提供する。
もう1の観点においては、本発明は、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなポリペプチドを含んで成るホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体に対して特異的に結合する上記に開示されるような方法により生成される抗体を提供する。1つの態様においては、上記に開示されるような抗体はモノクローナル抗体である。
もう1の観点においては、本発明は、上記に開示されるようなホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体に対して特異的に結合する抗体を提供する。
もう1の観点においては、本発明は、可溶性サイトカイン受容体の不在下で培養される骨髄又は末梢血液細胞に比較して、骨髄又は末梢血液細胞における造血細胞の増殖又は分化を低めるのに十分な量の、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるような可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成るを含んで成る組成物と共に骨髄又は末梢血液細胞を培養することを含んで成る、造血細胞及び造血細胞前駆体のIL−TIF−誘発された増殖又は分化を阻害するための方法を提供する。1つの態様においては、前記造血細胞及び造血前駆体細胞は、リンパ球である。もう1つの態様においては、前記リンパ球は、マクロファージ又はT細胞である。
もう1の観点においては、本発明は、炎症を低めるために十分な量の、アミノ酸22〜231又は28〜231からの配列番号2に示されるようなポリペプチドの組成物を、炎症を有する哺乳類に投与することを含んで成る、IL−TIF−誘発された又はIL−9誘発された炎症を低めるための方法を提供する。
もう1の観点においては、本発明は、(1)血清アミロイドAタンパク質のレベルを決定し;(2)医薬的に許容できるビークル中、請求項41記載の可溶性マウスZcytor16サイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る組成物を投与し;(3)血清アミロイドAタンパク質の後−投与レベルを決定し;(4)段階(3)における血清アミロイドAタンパク質のレベルに、段階(1)における血清アミロイドAタンパク質のレベルを比較することを含んで成る、炎症を有する哺乳類において炎症応答を抑制するための方法を提供し、ここで血清アミロイドAタンパク質レベルの上昇又は下降の欠失が炎症応答の抑制の表示である。
もう1の観点においては、本発明は、患者における遺伝子異常性の検出方法を提供し、ここで患者から遺伝子サンプルを得;配列番号1又は配列番号1の補体又は配列番号37又は配列番号37の補体の少なくとも14個の連続ヌクレオチドを含んで成るポリヌクレオチドと共に前記遺伝子サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下でインキュベーションすることによって、第1反応生成物を生成し;前記第1反応生成物を可視化し;そして野生型患者からの対照反応生成物に対して前記第1反応生成物を比較することを含んで成り、ここで前記第1反応生成物と前記対照反応する生成物との間の差異が患者における遺伝子異常性の表示であることを特徴とする。
もう1の観点においては、本発明は、患者から組織又は生物学的サンプルを得;前記組織又は生物学的サンプルを、上記に開示されるような抗体と共に、前記抗体が前記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに結合する条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体を可視化し;そして正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおける結合される抗体のレベルを比較する、患者における癌を検出するための方法を提供し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇が前記患者における癌の表示である。
もう1の観点においては、本発明は、患者から組織又は生物学的サンプルを得;配列番号1又は配列番号1の補体又は配列番号37又は配列番号37の補体の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし;前記組織又は生物学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズする条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを可視化し;そして正常な対照組織又は生物学的サンプルに対して、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおけるラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションのレベルを比較する、患者における癌を検出するための方法を提供し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに比較して、前記患者組織又は生物学的サンプルに対するラベルにされたポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションの上昇が前記患者における癌の表示である。
もう1の観点においては、本発明は、IL−TIF又は血清アミロイドAが役割を演じる炎症性疾患を有する哺乳類の処理方法を提供し、ここで炎症が減じられるよう、前記哺乳類にIl−TIF又は血清アミロイドAのアンタゴニストを投与することを含んで成り、ここで前記アンタゴニストが、配列番号2のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメント;配列番号34のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメントを含んで成る可溶性受容体;配列番号2のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメントを特異的に結合する抗体;及びIL−TIFのポリペプチド又はポリペプチドフラグメント(配列番号15)を特異的に結合する抗体又は結合ポリペプチドから成る群から選択される。1つの態様においては、前記疾患は慢性炎症性疾患である。
もう1つの態様においては、前記疾患が、炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎;クローン病;関節炎;及び乾癬から成る群からの慢性炎症性疾患である。もう1つの態様においては、前記疾患は急性炎症性疾患である。もう1つの態様においては、前記疾患が、内毒素血症;敗血症;毒性ショック症候群;及び感染性疾患から成る群からの急性炎症性疾患である。もう1つの態様においては、zcytor11のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメント(配列番号34)を含んで成る前記アンタゴニスト可溶性受容体がさらに、CRF2−4のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメント(配列番号35)を含んで成る。
本発明は、次の非制限的例によりさらに例示される。
例1Zcytor16のクローニング、及びZcytor16可溶性受容体:Zcytor16CEE, Zcytor16CFLG, Zcytor16CHIS及びZcytor16−Fc4を発現する哺乳類発現ベクターの構造
A. Zcytor16細胞外ドメインのクローニング
翻訳されたヒトゲノムデータベースの走査は、zcytor16と称するクラスIIサイトカイン受容体の同定をもたらした。続いて、zcytor16についての配列により、自家由来の狭い扁桃リブラリーからのクローンを同定した。その扁桃ライブラリークローンにおける挿入体を配列決定し、そしてzcytor16細胞外ドメインをコードすることを示した。Zcytor16クローンのポリヌクレオチド配列は配列番号1で示され、そしてポリペプチド配列は配列番号2で示される。
B.可溶性Zcytor16受容体Zcytor16−Fc4の哺乳類発現
Zcytor16可溶性受容体Zcytor16sR/Fc4を発現する哺乳類発現ベクターの構造
1つの発現ベクターを、C−末端Fc4標識(配列番号5)に融合された可溶性Zcytor16ポリペプチド(Zcytor16cR, すなわち配列番号2の残基22(Thr)〜残基231(Pro);配列番号13)を発現するために調製した。
約630bpのPCR生成されたZcytor16 DNAフラグメントを、可溶性受容体をコードするZcytor16 DNAのそれぞれの5’及び3’末端でBamHI及びBgl2制限部位を付加するためにPCRプライマーとしてオリゴZC29,181(配列番号6)及びオリゴZC29,182(配列番号17)を用いて創造した。Zcytor16 cDNA(配列番号1)(例1A)を含むプラスミドを、鋳型として使用した。Zcytor16フラグメントのPCR増幅を次の通りに行った:94℃で1分(1サイクル);94℃で30秒、68℃で90秒、続いて追加の68℃での4分間のインキュベーション及び10℃での維持(25サイクル)。反応を、クロロホルム/フェノール抽出及びイソプロパノール沈殿により精製し、そしてBamHI及びBgl2により消化した(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)。1%アガロースゲル電気泳動により可視化されるような約630bpのバンドを、QiaexIITM 精製キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、製造業者の説明に従って精製した。
Fc4/pzmp20プラスミドは、CMVプロモーター、ヒトtPAリーダーペプチド、コード配列の挿入のための複数の制限部位、Fc4標識及びヒト成長ホルモンターミネーターを含む哺乳類発現ベクターである。前記プラスミドはまた、複製のE.コリ起点、SV40プロモーター、エンハンサー及び複製の起点を有する哺乳類選択マーカー発現単位、DHFR遺伝子、及びSV40ターミネーターを有する。Zcytor16sR/Fc4/pzmp20発現ベクターはヒトtPAリーダーペプチド(配列番号8及び9)を使用し、そしてZcytor16ポリペプチド配列の細胞外部位のC−末端にFc4標識(配列番号5)を結合する。Fc4は、Fc受容体をもはや結合しないよう突然変異を含む、ヒトIgGに由来するFc領域である。
約30ngの制限消化されたZcytor16sR挿入体及び約10ngの消化されたベクター(Bgl2により切断された)を、約11℃で一晩、連結した。1μlの連結反応を、DH10Bコンピテント細胞(Gibco BRL, Rockville, MD)中に、製造業者の説明書に従ってエレクトロポーレートし、そして50mg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にプレートし、そして一晩インキュベートした。コロニーを、個々のコロニーの液体培養物2mlから調製されたDNAの制限分析によりスクリーンした。陽性クローンの挿入体配列を、配列分析により確かめた。大規模プラスミド調製を、Qiagen(商標)Mega Prepキット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って行った。
類似する方法を用いて、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体、例えばFc4により標識されたCRF2−4及びIL−10Rの非−Zcytor16サブユニットを調製した。
C.Zcytor16CEE, Zcytor16CFLF及びZcytor16CHISを含むZcytor16哺乳類発現ベクターの構成
1つの発現ベクター、すなわち、pC4Zcytor16CEE4,Zcytor16ポリペプチドの可溶性細胞外ドメイン(例えば、配列番号2のアミノ酸22〜231;配列番号13)の発現のために調製し、ここで前記構造体は、予測される開始メチオニンから成り、そして予測されるトランスメンブランドメインに隣接して切断され、そしてC−末端Glu−Glu標識(配列番号10)を有するZcytor16ポリペプチドを発現するよう企画されている。
Zcytor16細胞外サイトカイン結合ドメイン(例えば、配列番号13)を含んで成るZcytor16 DNAフラグメントを、PCRを用いて創造し、そして精製する。切除されたDNAを、シグナルペプチド、例えば生来のZcytor16シグナルペプチドを有するプラスミド発現ベクター中にサブクローン化し、そしてZcytor16ポリペプチドコードのポリヌクレオチド配列のC−末端にGlu−Glu標識(配列番号10)を結合する。そのような哺乳類発現ベクターは、哺乳類プロモーター、コード配列の挿入のための複数の制限部位、停止コドン及び哺乳類ターミネーターを有する発現カセットを含む。このプラスミドはまた、複製のE.コリ起点、SV40プロモーター、エンハンサー及び複数の起点を有する哺乳類選択マーカー発現単位、DHFR遺伝子及びSV40ターミネーターも有することができる。
制限消化されたZcytor16挿入体及び前に消化されたベクターを、標準の分子生物学技法を用いて連結し、そしてDH10Bコンピテント細胞(GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)中に、その製造業者の説明書に従ってエレクトロポレートし、そして50μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にプレートし、そして一晩インキュベートした。コロニーを、個々のコロニーから調製されたDNAの制限分析によりスクリーンした。陽性クローンの挿入体配列を、配列分析により確かめた。大規模プラスミド調製を、QIAGEN(商標)Maxi prepキット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って行った。
同じ方法を用いて、一列に並んで6個のHis残基(配列番号12)から成るC−末端HIS標識、及びC−末端FLAG(配列番号11)標識、すなわちZcytor16CFLAGを有する、Zcytor16可溶性ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体(非−Zcytor16可溶性受容体サブユニット、例えば可溶性CRF2−4又はIL−10R)を調製する。それらの構造体を構成するためには、前記ベクターは、glu-glu標識(配列番号10)の代わりに、HIS又はFLAG(商標)標識のいずれかを有する。
例2可溶性受容体ポリペプチドのトランスフェクション及び発現
トランスフェクションの前日、BHK570細胞(ATCC NO. CRL−10314;ATCC, Manasas, VA)を、通常のBHK DMEM (Gibco/BRL High Glucose) 培地を含む10cmプレートに、50%集密性でプレートした。トランスフェクションの日、細胞を、血清フリー(SF)DMEMにより1度、洗浄し、続いてZcytor16sR/Fc4/pzmp20発現プラスミドによりトランスフェクトした。16μgのZcytor16sR−Fc4 DNA構造体(例1B)を、640μlの合計最終体積のSF DMEM中に希釈した。希釈されたLipofectAMINETM (Gibco BRL, Gaithersburg, MD) 混合物(605μlの培地中、35μlのLipofectAMINETM)を、DNA混合物に添加し、そして室温で30分間インキュベートした。5mlのSF培地を、DNA/LipofectAMINETM 混合物に添加し、次に、これを、BHK細胞に添加した。細胞を、38℃/5%CO2で5時間インキュベートし、この後、10%FBSと共に6.4mlのBHK培地を添加した。細胞を37℃/5%CO2で一晩インキュベートした。
トランスフェクションの約24時間後、BHK細胞を、1μMのメトトレキセート(MTX)を有する選択培地に分けた。前記細胞を、安定したZcytor16sR−Fc4/BHK細胞系が同定されるまで、この状態で反復して分離した。Zcytor16可溶性受容体融合タンパク質の発現レベルを検出するために、トランスフェクトされたBHK細胞を、PBSにより洗浄し、そしてSF培地において72時間インキュベートした。SFならし培地を集め、そして20μlのサンプルを、還元条件下で、10%SDS−PAGEゲル上で展開した。タンパク質バンドを、ウェスターンブロットによりニトロセルロースフィルターにトランスファーし、そして融合タンパク質を、ヤギ−抗−ヒトIgG/HRP接合体(Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc, West Grove, PA)を用いて検出した。Fc4に融合される異なった可溶性受容体を含む発現ベクターを、対照として使用した。安定したZcytor16sR−Fc4/BHK細胞の発現レベルは、約2mg/l であった。
タンパク質精製のために、トランスフェクトされたBHK細胞を、T−162フラスコ中に移した。細胞が約80%の集密性に達するとすぐに、それらを、PBSにより洗浄し、そして100mlのSF培地において72時間インキュベートし、そして次に、ならし培地を、タンパク質精製のために集めた(例11)。
例3E.コリにおけるZcytor16可溶性受容体の発現
A.hu Zcytor16/MBP-6H融合ポリペプチドを発現する発現ベクターpCZR225の構成
マルトース結合タンパク質(MBP)にC−末端で融合されるZcytor16可溶性受容体をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを、相同組換えにより構成する。融合ポリペプチドは、Zcytor16可溶性受容体(例えば、配列番号13)に融合される約388個のN−末端アミノ酸MBP部分を含む。Zcytor16 cDNAのフラグメント(配列番号1)を、本明細書に記載のようなPCRを用いて単離する。
次の2種のプライマーを、標準のPCR反応におけるZcytor16フラグメントの生成に使用する:(1)1つは、約40bpのベクターフランキング配列及び約25bpのアミノ末端に対する配列を含み、及び(2)もう1つは、前記フランキングベクター配列に対応する3’末端約40bp及びZcytor16のカルボキシル末端に応答する配列約25bpを含む。100μlのPCR反応物2μlを、分析するために、1×TBE緩衝液中、1.0%アガロースゲル上で試験し、そして予測されるおおよそのフラグメントが見られる。残るPCR反応物を、第2のPCR管において組合し、そして無水エタノール400μlにより沈殿せしめる。沈殿されたDNAを、下記のようにして、適切に制限消化された受容体受容体ベクターpTAP98中への組換えのために使用し、MBP− Zcytor16融合体をコードする構造体を生成する。
プラスミドpTAP98は、プラスミドpRS316及びpMAL-c2に由来する。プラスミドpRS316は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)シャトルベクターである(Hieter P. and Sikorski, R., Genetics 122: 19-27, 1989)。pMAL-C2 (NEB)は、E.コリ発現プラスミドである。それは、tacプロモーター駆動MalE(MBPコードの遺伝子)、続いて、His標識、トロンビン切断部位、クローニング部位及びrrnBターミネーターを担持する。ベクターpTAP98を、酵母相同組換えを用いて構成する。100ngのEcoRI切断された、pMAL-c2を、1μgのPvuI切断されたpRS316, 1μgのリンカーと共に組合し、そして1μgのScaI/EcoRI切断されたpRS316を、PCR反応において組合す。PCR生成物を、100%エタノール沈殿により濃縮する。
コンピテント酵母細胞(S.セレビシアエ)を、約1μgの上記Zcytor16受容体PCR生成物及び100ngのSmaI消化されたpTAP98ベクターを含む混合物数10μLと共に組合し、そして標準方法を用いてエレクトロポレートし、そしてURA−Dプレート上にプレートし、そして30℃でインキュベートする。
約48時間後、単一プレートからUra+酵母形質転換体を採取し、DNAを単離し、そしてエレクトロコンピテントE.コリ細胞(例えば、MC1061, Casadabanなど., J. Mol. Biol. 138, 179-207)を形質転換し、そして標準方法を用いて、MM/CA+AMP 100mg/lプレート(Pryor and Leiting, Protein Ezpression and Purification. 10:309-319, 1997)上にプレーtする。細胞を、100μg/mlのアンピシリンと共に、MM/CAにおいて、2時間、37℃で、振盪しながら増殖する。その培養物1mlを、1mMのIPTGにより誘発する。2〜4時間後、個々の培養物250μlを、酸により洗浄されたガラスビーズ250μ、及び5%βME及び色素を含むThomer緩衝液(8Mの尿酸、100mMトリス、pH7.0, 10%グリセロール、2mMのEDTA,5%SDS)250μlと共に混合する。サンプルを1分間、振盪し、そして65℃に10分間、加熱する。その20μlを、4%〜12%PAGEゲル(NOVEX)上のライン当たりに負荷する。ゲルを、1×MES緩衝液において試験する。陽性クローンを、pCZR225と命名し、そして配列決定分析にゆだねる。
1μlの配列決定DNAを用いて、BL21株を形質転換する。細胞を、2.0kV, 25μF及び400オームで電気パルスする。エレクトロポレーションに続いて、100mg/lのアンピシリンを含むMM/CA溶液0.6ml上にプレートする。細胞を、MM/CAにおいて増殖し、そして上記のようにして、IPTGにより誘発する。陽性クローンを用いて、huzcytor16/MBP-6H融合タンパク質のタンパク質精製のために、標準技法により増殖する。
例4.Zcytor16可溶性受容体ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体を、精製されたhuzcytor16/MBP-6Hポリペプチド(例3)又は精製された組換えZcytor16CEE可溶性受容体(例1;例11)により、雌New zealand 白色ウサギを免疫化することによって、調製する。ウサギは、完全フロイントアジュバント(Pierce, Rockford, IL)中、精製されたタンパク質200mgの初期腹腔内(IP)注射、続いて、不完全フロイトアジュバント中、精製されたタンパク質100μgの追加免疫IP注射を、3週ごとに与えられる。第3の追加免疫注射の投与後7〜10日で、動物は放血され、そして血清が集められる。次に、ウサギを、追加免疫し、そして3週ごとに放血する。
Zcytor16−特異的ポリクローナル抗体を、CNBr-SEPHAROSE 1g当たり約10mgの適切に精製されたZcytor16ポリペプチドを用いて調製されるCNBr−SEPHAROSE 4Bタンパク質カラム(Pharmacia LKB)を用いて、ウサギ血清から親和性精製し、続いて、PBSにおける20倍の透析を一晩、行う。Zcytor16−特異的抗体を、抗体標的物として適切な1μg/mlのタンパク質抗原を用いてのELISA力価調査により特徴づけるウサギ抗−Zcytor16親和性精製された抗体の検出の下限(LLD)を、標準方法を用いて決定する。
例5.Zcytor16受容体モノクローナル体
Zcytor16可溶性受容体モノクローナル抗体を、本明細書に記載される精製された組換えZcytor16タンパク質により、雄BalbCマウス(Harlan Sprague Dawley, Indianapolis, IN)を免疫化することによって、調製する。マウスは、完全フロイントアジュバント(Pierce, Rockford, IL)中、精製されたタンパク質20mgの初期腹腔内(IP)注射、続いて、不完全フロイトアジュバント中、精製されたタンパク質10mgの追加免疫IP注射を、2週ごとに与えられる。第3の追加免疫注射の投与後7〜10日で、動物は放血され、そして血清が集められ、そして抗体力化を評価する。
脾臓細胞を、高い力価のマウスから収穫し、そして4:1の融合比の脾臓細胞:骨髄腫細胞を用いての2種の別々の融合方法によりPEG 1500 (Boerhinger Mannheim, UK) を用いて、ネズミSP2/0骨髄腫細胞に融合する(Antibodies: A Laboratory Manual, E. Harlow and D. Lane, Cold Spring Harbor Press)。融合の後、10日間の増殖に続いて、特定の抗体−生成ハイブリドマーを、抗体標的物として、精製された組換えZcytor16可溶性受容体タンパク質(例6C)を用いて、ELISAにより、そして抗体標的物として、Zcytor16配列を発現するBa F3細胞(例8)を用いて、FACSにより同定する。両方法によるその得られる陽性ハイブリドマーを、限界希釈法により3度クローン化する。
例6.ORIGENアッセイを用いてのZcytor16受容体へテロダイマー化の評価
可溶性Zcytor16受容体 (例11)、又はgp130 (Hibi, M. など., Cell63: 1149-1157, 1990) を、5倍モル過剰のスルホ−NHS−LC−ビオチン(Piece, Inc., Rockford, IL)との反応により、製造業者のプロトコールに従って、ビオチニル化する。可溶性Zcytor16受容体及び他の可溶性受容体サブユニット、例えば可溶性IL−10R(sIL-10R)又はCRF2-4受容体(CRF2-4)、可溶性zcytor11受容体(アメリカ特許5,965,704号)又は可溶性zcytor7受容体(アメリカ特許5,945,511号)を、5倍モル過剰のRu−BPY−NHS(Igen、Inc., Gaithersburg, MD)により、製造業者のプロトコールに従って、ラベルする。
可溶性Zcytor16受容体のビオチニル化され、そしてRu−BPY−NHP−ラベルされた形は、それぞれBio− Zcytor16受容体及びRu− Zcytor16と命名され;他の可溶性受容体サブユニットのビオチニル化され、そしてRu−BPY−NHS−ラベルされた形も同様に命名され得る。アッセイを、Zcytor16へテロダイマー受容体を結合するリガンド、例えばIL-TIFを発現する細胞からのならし培地を用いて、又は精製されたIL-TIFを用いて行うことができる。
初期受容体結合特徴化のために、一連サイトカイン又はならし培地を、それらがZcytor16受容体ホモダイマー化を介在することができるかどうか、及びそれらが上記の可溶性サブユニットZcytor16受容体へのヘテロダイマー化を介在できるかどうかを決定するために試験する。これを行うために、50μlのならし培地又はTBS−B含有の精製されたサイトカインを、例えば400ng/mlのRu−mZcytor16受容体及びBio− mZcytor16、又は400ng/mlのRu− mZcytor16受容体及びBio−gp130、又は400ng/mlのRu−CRF2-4及びBio−mZcytor16を含むTBS−B(20mMのトリス、150mMのNaCl、1mg/mlのBSA、pH7.2)50μlと組合す。室温での1時間のインキュベーションに続いて、30μgのストレプタビジン被覆された、2.8mmの磁気ビーズ(Dynal, Inc., Oslo, Norway)を添加し、そしてその反応を、室温でさらに1時間インキュベートする。次に、200μlのORIGENアッセイ緩衝液(Igen, Inc., Gaithersburg, MD)を添加し、そして受容体会合の程度を、M8 ORIGEN分析機(Igen,Inc.)を用いて測定する。
例7.zcytor17 受容体へテロダイマーを生成するための構造体
分泌されたヒトZcytor16へテロダイマーを発現するベクターを構成する。この構造体においては、Zcytor16の細胞外サイトカイン−結合ドメイン(例えば配列番号13)を、IgGガンマ1(IgGγ1)のH鎖に融合し、そしてヘテロマ−サイトカイン受容体サブユニット(例えば、gp130, LIF, IL-12, WSX-1又はIL−2受容体成分(IL-2Rα、IL-2Rβ、IL-2Rγ)、IL-4/IL-13受容体ファミリー受容体成分(IL-4Rα、IL-BRα、IL-13Rα’)、インターロイキン受容体サブユニットの細胞外部分(例えば、CRF2-4、IL-9、IL-10、zcytor7、zcytor11、IL-4受容体成分)を、ヒトカッパL鎖(ヒトκL鎖)に融合する。
A.IgGγ1及びヒトκL鎖融合ベクターの構成
IgGγ1のH鎖を、Zem229R哺乳発現ベクター(ATCC寄託番号69447号)中にクローン化し、その結果、5’EcoRI及び3’NheI部位を有するいずれかの所望するサイトカイン受容体細胞外ドメインをクローン化でき、N−末端細胞外ドメイン−C−末端IgGγ1融合体をもたらすことができる。この構造体に使用されるIgGγ1フラグメントを、鋳型としてClontech hFetal Liver cDNAライブラリーからIgGγ1配列を単離するために、PCRを用いることにより製造する。PCR生成物を、本明細書に記載される方法を用いて、精製し、そしてMluI及びEcoRI(Boerhinger-Mannheim)により消化し、エタノール沈殿し、そして本明細書に開示される標準の分子生物学技法を用いて、MluI及びEcoRIにより前もって消化されたZem229R中に、所望する制限部位リンカーを含んで成るオリゴと共に連結する。
ヒトκL鎖を、Zem228R哺乳類発現ベクター(ATCC寄託番号69446号)においてクローン化し、その結果、5’EcoRI部位及び3’KpnI部位を有する、いずれかのサイトカイン受容体細胞外ドメインがクローン化し、N−末端サイトカイン細胞外ドメイン−C−末端ヒトκL鎖融合体をもたらすことができる。KpnI部位はヒトκL鎖配列内に位置するので、特定のプライマーが、サイトカイン受容体の所望する細胞外ドメインの3’末端を、このKpnI部位中にクローン化するよう企画される。前記プライマーは、その得られるPCR生成物が、KpnI部位までのヒトκL鎖のセグメントと共に、所望するサイトカイン受容体細胞外ドメインを含むよう企画される。
このプライマーは好ましくは、KpnI部位で切断されたフラグメントの5’側で融合される所望するサイトカイン受容体細胞外ドメインの3’末端の少なくとも10個のヌクレオチドの部分を含んで成る。この構造体に使用されるヒトκL鎖フラグメントを、上記で使用されるのと同じClontechヒト胎児肝臓cDNAライブラリーからヒトκL鎖配列を単離するために、PCRを用いることによって製造する。PCR生成物を、本明細書に記載される方法を用いて精製し、そしてMluI及びEcoRI(Boerhinger-Mannheim)により消化し、エタノール沈殿せしめ、そして本明細書に開示される標準の分子生物学技法を用いて、MluI及びEcoRIにより前もって消化されたZem228R中に、上記MluI/EcoRIリンカーにより連結する。
B.融合ベクター構造体中へのZcytor16受容体又はヘテロダイマーサブユニット細胞ドメインの挿入
上記構造ベクターを用いて、IgGγ1に融合されるZcytor16を有する構造体を製造する。この構成は、標準方法及びEcoRI及びNheI制限部位を供給するオリゴを用いて、扁桃cDNAライブラリー(Clontech)又はプラスミド(例1A)からのZcytor16受容体の細胞外サイトカイン−結合ドメイン(配列番号13)を、PCR処理することによって行われる。その得られるPCR生成物を、本明細書に記載のようにして、EcoRI及びNheIにより消化し、ゲル精製し、そして上記の前もってEcoRI及びNheI消化され、そしてバンド−精製されたZem229R/IgGγI中に連結する。得られるベクターを、配列決定し、Zcytor16/IgGガンマ1融合体が正しいことを確認する。
κL鎖に融合されるヘテロダイマーサイトカイン受容体サブユニット細胞外ドメインを有する別々の構造体をまた、上記のようにして構成する。CRF2-4/ヒトκL鎖の構成を、標準方法を用いて、例えばリンパ球cDNAライブラリー(Clontech)、及びEcoRI及びKpnI制限部位を供給するオリゴから、PCRにより上記のようにして行う。得れれるPCR生成物を、EcoRI及びKpnIにより消化し、そして次に、この生成物を、上記のようにして、前もってEcoRI及びKpnI消化され、そしてバンド−精製されたZem228R/ヒトκL鎖ベクター中に連結する。得られるベクターを配列決定し、サイトカイン受容体サブユニット/ヒトκL鎖融合体が正しいことを確認する。
D. Zcytor16及びヘテロダイマーサイトカイン受容体サブユニット細胞外ドメインの同時−発現
約15μgの個々の上記ベクターを、LipofectaminePlusTM 試薬(Gibco/BRL)を用いて、製造業者の説明書に従って、哺乳類細胞、例えばBHK−570細胞(ATCC No. CRL-10314)中に同時トランスフェクトする。トランスフェクトされた細胞を、1μMのメトトレキセート(MTX)(Sigma,St. Louis, MO)及び0.5mg/mlのG418(Gibco/BRL)を含むDMEM+5%FBS(Gibco/BRL)において、10日間、選択する。得られるトランスフェクタントのプールを、10μmのMTX及び0.5mg/mlのG418において再び選択する。
得られる二重選択された細胞のプールを用いて、タンパク質を生成する。このプールの3種の画分(Nunc, Denmark)を用いて、血清フリーのならし培地10Lを生成する。このならし培地を、1mlのタンパク質−Aカラム上に通し、そして約10, 750μlの画分に溶出する。最高のタンパク質濃度を有する画分をプールし、そしてPBSに対して透析する(10kDのMWのカットオフ)。最終的に、透析された材料を、通常の方法を用いてのアミノ酸分析(AAA)のために提供する。
例8増殖アッセイを用いてのZcytor16受容体とヘテロダイマー化又は多重化する受容体サブユニットの決定
本明細書に記載される標準の方法を用いて、BaF3/mZcytor16−MPLキメラ(ここで、Zcytor16の細胞外ドメイン(例えば、配列番号13)がmpl受容体の細胞内シグナル化ドメインに整合して融合される)を発現する細胞を、IL−TIFの存在化での増殖応答について試験する。そのような細胞は、モノマー又はホモダイマーZcytor16受容体のリガンド結合を測定するためのバイオアッセイ細胞系として作用する。さらに、追加のヘテロダイマーサイトカイン受容体サブユニットによりトランスフェクトされたBaF3/mZcytor16−MPLキメラ細胞を、IL−TIFの存在下での増殖アッセイについて評価することができる。
IL−TIFの存在下で、BaF3/mZcytor16−MPL細胞がシグナル化する場合、これは、Zcytor16受容体がシグナルにホモダイマー化することができることを示唆する。IL−TIFリガンド、例えばCRF2-4の存在下でシグナル化する追加のMPL−クラスIIサイトカイン受容体融合体によるBaF3/MPL−mZcytor16細胞系のトランスフェクションは、ヘテロダイマーサイトカイン受容体サブユニットがZcytor16受容体シグナル化のために必要とされるかどうか決定する。この目的のためへのMPL−受容体融合体の使用は、Zcytor16受容体のための細胞内シグナル化ドメインの存在についての必要性を軽減する。
次に、個々の独立した受容体複合体細胞系を、IL−TIFの存在下でアッセイし、そして増幅を通常の方法(例えば、Alamar Blue アッセイ)を用いて測定する。BaF3/MPL-Zcytor16バイオアッセイ細胞系は、モノマー又はホモダイマー受容体活性のための対照として作用し、そして従って、種々の受容体複合体組み合わせによりシグナルを比較するための基線として使用される。
トランスフェクトされていないバイオアッセイ細胞系は、バックグラウンド活性のための対照として作用し、そして従って、種々の受容体複合体組み合わせによりシグナル化を比較するための基線として使用される。リガンド(IL−TIF)を有さないBaF3/MPL-mZcytor16はまた、対照としても使用される。正しい受容体複合体の存在下でのIL−TIFは、IL−TIFの存在下でバックグラウンドよりも約5倍又はそれ以上、BaF3/mZcytor16−MPL受容体細胞系の増殖を高めることが予測される。Zcytor16ヘテロダイマー及びマルチマー受容体の成分を発現する細胞は、IL−TIFの存在下で増殖すべきである。
例9インビトロでのZcytor16受容体の再構成
Zcytor16−シグナル化複合体に包含される成分を同定するために、受容体再構成の研究を、次の通りにして行う。ルシフェラーゼレポーター哺乳類発現ベクタープラスミドにより、本明細書に記載される標準方法を用いて、トランスフェクトされたBHK570細胞(ATCC No. CRL-10314)は、IL-TIFの存在下でルシフェラーゼレポーターに対する、トランスフェクトされたZcytor16受容体複合体からのシグナルトランスダクション応答を測定するために、バイオアッセイ細胞系として作用する。BHK細胞は、Zcytor16受容体を内因的に発現しない。
典型的なルシフェラーゼレポーター哺乳類発現ベクターは、次の4種の遺伝子からのSTAT転写因子結合要素を含む相補的オリゴヌクレオチドにより構成されたKZ134プラスミドである:修飾されたc-fos Sis誘発性要素(m67SIE又はhSIE)(Sadowski, H. など., Science 261: 1739-1744, 1993)、 p21 WAF1遺伝子からのp21 SIE1(Chin,Y. など., Science 272: 719-722, 1996)、β−カゼイン遺伝子の乳腺応答要素(Schmitt-Ney, M. など., Mol. Cell. Biol. 11: 3745-3755, 1991)、及びFcg RI遺伝子のSTAT誘発性要素(Seidel,H. など., Proc. Natl. Acad. Sci. 92: 3041-3045, 1995)。
それらのオリゴヌクレオチドは、Asp718−XhoI適合性末端を含み、そして同じ酵素により消化されたc-Fosプロモーター(Poulsen, L.K. など., J. Biol. Chem. 273: 6229-6232, 1998)を有し、そしてネオマイシン選択マーカーを含む受容体ホタルルシフェラーゼレポーターベクター中に、標準の方法を用いて連結された。KZ134プラスミドを用いて、BHK又はBaF3細胞を標準のトランスフェクション及び選択方法により安定してトランスフェクトし、それぞれ、BHK/KZ134又はBaF3/KZ134細胞系を製造する。
バイオアッセイ細胞を、mZcytor16−mpl融合受容体のみによりトランスフェクトし、又は種々の他の既知受容体サブユニットの1つにより同時にトランスフェクトする。受容体複合体は、mZcytor16−mpl受容体のみ、mZcytor16−mpl受容体と1又は複数のCRF2-4、IL-9、IL-10、zcytor11、zcytor7クラスIIサイトカイン受容体サブユニット、又はIL-4受容体成分又はIL-2受容体成分(IL-2Rα、IL-2Rβ、IL-2Rγ)との種々の組合せ;mZcytor16−mpl受容体と1又は複数のIL-4/IL-13受容体ファミリー受容体成分(IL-4Rα、IL-13Rα、IL-13Rα’)、及び他のインターロイキン受容体(例えば、IL-15Rα、IL-7Rα、IL-9Rα、IL-21R(Zcytor11;WIPO公開WO 00/17235; Parrish-Novak, J.など., Nature 408: 57-63, 2000))との種々の組み合わせを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
次に、個々の独立した受容体複合体細胞系を、サイトカイン−ならし培地又は精製されたサイトカインの存在下でアッセイし、そしてルシフェラーゼ活性を通常の方法を用いて測定する。トランスフェクトされていないバイオアッセイ細胞系は、バックグランドルシフェラーゼ活性のための対照として作用し、そして従って、種々の受容体複合体組み合わせによるシグナルを比較するための基線として使用される。正しい受容体複合体の存在下でZcytor16受容体を結合するならし培地又はサイトカインは、バックグラウンドよりも約5倍又はそれ以上のルシフェラーゼ読み取りを付与することが予測される。
他方では、BaF3/ mZcytor16-mpl細胞系が上記のように同時−トランスフェクトされ、そして増殖が測定される(例8)類似するアッセイを行うことができる。
例10COS細胞トランスフェクション及び分泌トラップ
COS細胞トランスフェクションを次の通りに行った:92μlの血清フリーDMEM培地(500mlのDMEM中、55mgのピルビン酸ナトリウム、146mgのL−グルタミン、5mgのトランスフェリン、2.5mgのインスリン、1μgのセレニウム及び5mgのフェテュイン)中、0.5μgのDNA及び5μlのリポフェクタミン(Gibco BRL)の混合物を、室温で30分間インキュベートし、そして次に、400mlの血清フリーDMEM培地を添加した。500μlの混合物を、1.5×105個の細胞/ウェルで12−ウェル組織培養プレート上にプレートされ、そして37℃で5時間前もってインキュベートされたCOS細胞上に添加した。追加の500μlの20%FBS DMEM培地(500mlのDMEM中、100mlのFBS、55mgのピルビン酸ナトリウム及び146mgのL−グルタミン)を添加し、そしてプレートを一晩インキュベートした。
分泌トラップを次の通りにして行った:培地を、PBSによりすすぎ、細胞を除き、そしてPBS中、1.8%ホルムアルデヒドにより15分間、固定した。次に、細胞を、TNT(水中、0.1Mのトリス−HCl、0.15MのNaCl、及び0.05%のTween−20)により洗浄した。細胞を、PBS中、0.1%Triton−Xにより15分間、透過せしめ、そしてTNTにより洗浄した。細胞を、水中、TNB(0.1Mのトリス−HCl、0.15MのNaCl及び0.5%のブロッキング試薬(NEN Renaissance TSA−Direct Kit)により1時間、阻止した。細胞を再びTNTにより洗浄した。次に、細胞を、TNB中、1〜3μg/mlのZcytor16可溶性受容体Fc4融合タンパク質(Zcytor16sR-Fc4)(例11)と共に1時間インキュベートした。
細胞をTNTにより洗浄し、そして次に、TNB中に、1:200で希釈されたヤギ−抗−ヒトIg−HRP(Fc特異的;Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.)と共にさらに1時間インキュベートした。再び、細胞をTNTにより洗浄した。Zcytor16sR-Fc4に陽性的に結合する抗体を、希釈緩衝液(NENキット)中、1:50に希釈されたフルオレセインチラミド試薬により検出し、そして4〜6分間インキュベートし、そしてTNTにより洗浄した。細胞を、TNT中、1.5に希釈されたVectas hield Mounting Media (Vector Labs Burlingame, CA) により保存した。細胞を蛍光顕微鏡上でFTTCフィルターを用いて可視化した。
Zcytor16はクラスIIサイトカイン受容体であるので、既知の又は孤児のクラスIIサイトカインとのZcytor16sR/Fc4融合タンパク質の結合を試験する。サイトカイン(中でも、IL−TIF、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、IL−10)のcDNAを含むpZP7発現ベクターを、COS細胞中にトランスフェクトし、そしてトランスフェクトされたCOS細胞へのZcytor16sR/Fc4の結合を、上記のような分泌トラップアッセイを用いて行う。ヒトIL−TIFは陽性の結合を示した。それらのデータに基づけば、ヒトIL−TIF及びヒトZcytor16は、可能性あるリガンド−受容体対である。
例11トランスフェクトされたBHK570細胞からZcytor16−Fc4ポリペプチドの精製
特にことわらない限り、すべての操作を4℃で行った。次の方法を、Fc4に対するC−末端融合体を含むZcytor16ポリペプチド(Zcytor16−Fc4;例1)を精製するために使用した。Zcytor16−Fc4(例2)によりトランスフェクトされたBHK570細胞からのならし培地約16,500mlを、0.2μmの無菌フィルターを通して濾過し、そして次に、0.001mMのロイペプチン(Boerhinge−Mannheim, Indianapolis, IN)、 0.001mMのペプスタチン(Boerhinger−Mannheim)及び0.4mMのPefabloc(Boerhinger−Mannheim)のプロテアーゼインヒビター溶液により補充した。
Porosタンパク質A50カラム(20mlの層体積、Applied Biosystems)を充填し、そして400mlのPBS(Gibco/BRL)により洗浄した。補充されたならし培地を、15ml/分の流速でカラム上に通し、続いて800mlのPBS(BRL/Gibco)により洗浄した。Zcytor16−Fc4を、0.1Mのグリシン(pH3.0)によりカラムから溶出し、そして5mlの画分を、0.5mlの2Mのトリス(pH7.8)中に直接的に集め、画分における最終pHを7.4に調節した。
カラム性能を、出発培地の還元性SDS−PAGEゲルのウェルターンブロット、及びカラム通過を通して特徴づけられた。ウェスターンブロットは、出発培地において60,000Daでの免疫反応性タンパク質を示す抗−ヒトIgG HRP (Amersham) 抗体を使用し、ここで出発材料は前記カラム通過には存在せず、このことは完全な捕獲を示唆する。タンパク質A50溶出画分を、還元性SDS PAGEゲルにより特徴づけた。このゲルは、画分3〜11において60,000Daでの強くクーマシーブルー染色されたバンドを示した。画分3〜11をプールした。
タンパク質A50溶出プールを、30,000Da Ultrafree Biomax 遠心分離濃縮機(15mlの体積、Millipore)を用いて、44mlから4mlに濃縮した。Sephacryl S-300 ゲル濾過カラム(175mlの層体積;Pharmacia)を、350mlのPBS(BRL/Gibco)により洗浄した。濃縮されたプールを、1.5ml/分の流速でカラム上に注入し、続いて、225mlのPBS(BRL/Gibco)により洗浄した。溶出されたピークを、2ml画分に集めた。
溶出された画分を、還元性及び非還元性銀染色された(Geno Technology)SDS PAGEゲルにより特徴づけた。還元性銀染色されたSDS PAGEゲルは、画分14〜31において60,000Daでの強く染色されたバンドを示し、そして非還元性銀染色されたSDS PAGEゲルは、画分14〜31において160,000Daでの強く染色されたバンドを示した。画分1〜31をプールし、30,000Da Ultrafree Biomax遠心分離濃縮機(15mlの体積、Millipore)を用いて、22mlに濃縮した。この濃縮物を、0.2μmのAcrodisc無菌フィルター(Pall Corporation)を通して濾過した。
濃縮され、プールされた画分のタンパク質濃度を、BCA分析(Pierce, Rockford, IL)により行い、そして材料をアリコートし、そして標準の方法に従って、−80℃で貯蔵した。プールされた画分の濃度は、1.50mg/mlであった。
例12ノザンブロット及びPCRを用いての組織パネルにおけるヒトZcytor16組織分布
A. ノザンブロット及びドットブロットを用いてのヒトZcytor16組織分布
ノザンブロット分析を、Human Multiple Tissue Northern Blots I, II, III (Clontech) 及び自家生成されたU−937ノザンブロットを用いて行った。U−937は、ヒト単芽球性前単球細胞系である。cDNAプローブを、オリゴZC25,9363 (配列番号16) 及びZC28,354 (配列番号17) を用いて生成した。PCR条件は次の通りであった:94℃で1分;94℃で15秒(30サイクル);60℃で30秒;72℃で30秒及び72℃での5分間の最終延長。364bpの生成物を、1%TBEゲル上でのゲル電気泳動によりゲル精製し、そしてバンドをレーザーブレードにより切除する。cDNAを、QIAquick Gel Extraction Kit (Qiagen) を用いてアガロースから抽出した。9ngのこのフラグメントを、Rediprime II (Amersham), すなわちランダムプライムラベリングシステムを用いて、32P−dCTPにより、製造業者の説明書に従って放射性ラベルした。
組込まれなかった放射能を、Nuc−Trapカラム(Stratagene)を用いて、その製造業者の説明書に従って除去した。ブロットを、ExpressHyb (Clontech) 溶液において65℃で3時間、プレハイブリダイズした。ブロットを、1.0×106cpm/mlのラベルされたプローブ、0.1mg/mlのサケ精子DNA及び0.5μg/mlのヒトcot−1 DNAを含むExpresshyb溶液において65℃で一晩ハイブリダイズした。ブロットを、2×SSC、0.1%SDSにより室温で、0.1×SSC、0.1%SDSにより55℃で30分間、2度、洗浄した。約1.0kb及び3.0kbのサイズの転写体を、脾臓及び胎盤において検出したが、しかし試験された他の組織においては検出しなかった。同じサイズの転写体及び追加の約1.2kbの転写体を、U−937細胞系において検出した。
B.PCRを用いての組織cDNAパネルにおけるヒトZcytor16の組織分布
ヒト組織からのcDNAのパネルを、PCRを用いて、Zcytor16発現についてスクリーンした。パネルは自家製造され、そして種々の正常及び癌性ヒト組織からの94種のマラソンcDNA及びcDNAサンプルを包含し、そして細胞系は下記表5に示される。前記cDNAは自家ライブラリーからであり、又はマラソンcDNAは自家RNA調製物、すなわちClontech RNA又はInvitrogen RNAからであった。マラソンcDNAは、マラソン−ReadyTM キット(Clontech, Palo Alto, CA)を用いて製造され、そしてクラスリンプライマーZC21,195(配列番号18)及びZC21,196(配列番号19)によりQC試験し、そして次に、クラスリンバンドの強さに基づいて希釈された。
パネルサンプルの性質を評価するために、品質管理(QC)についての次の3種の試験を行った:(1)ライブラリーのために使用されるRNA品質を評価するために、自家cDNAを、個々のcDNAライブラリーについてのベクター配列に対して特異的であるベクターオリゴによるPCRにより、平均挿入体について試験し;(2)パネルサンプルにおけるcDNAの濃度の標準化を、5’ベクターオリゴZC14,063(配列番号20)及び3’α−チューブリン特異的オリゴプライマーZC17,574(配列番号21)又は3’G3PDH特異的オリゴプライマーZC17,600(配列番号22)を用いて、十分な長さのαチューブリン又はG3PDH cDNAを増幅するために、標準のPCR方法を用いて達成し;そして(3)サンプルを、可能なリボソーム又はミトコンドリアDNA汚染について調べるために配列決定に送った。
パネルを、ヒトゲノムのDNA(Clontech, Palo, Alto, CA)陽性対照サンプルを含む96−ウェル形式において組みたてた。個々のウェルは約0.2〜100pg/μlのcDNAを含んだ。PCR反応を、オリゴZC25,963(配列番号16)及びZC27,695(配列番号23)、Advantage 2 DNA Polymeraase Mix (Clontech), 及びRadiload 色素(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)を用いて組みたてた。
増幅を次の通りに行った:94℃で2分(1サイクル)、94℃で20秒、58℃で30秒及び72℃で1分(30サイクル)、続いて72℃で5分(1サイクル)。約10μlのPCR反応生成物を、2%アガローズゲルを用いて、標準のアガローズゲル電気泳動にゆだねた。予測される正しいDNAフラグメントサイズは、いずれの組織又は細胞系にも観察されなかった。Zcytor16の発現を示す続く実験は、このパネルからの負の結果がたぶん、使用されるプライマーによることを示した。
Figure 2009183289
Figure 2009183289
ヒト組織からのcDNAの追加のパネルを、PCRを用いて、Zcytor16発現についてスクリーンした。パネルは自家製造され、そして種々の正常及び癌性ヒト組織からの77種のマラソンcDNA及びcDNAサンプルを包含し、そして細胞系は下記表6に示される。PCR反応の他に、アッセイを上記の通りに行った。PCR反応を、オリゴZC25,963(配列番号30)及びZC25,964(配列番号31)、Advantage 2 DNA Polymeraase Mix (Clontech), 及びRadiload 色素(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)を用いて組みたてた。増幅を次の通りに行った:94℃で1分(1サイクル)、94℃で10秒、60℃で30秒及び72℃で30秒(38サイクル)、続いて72℃で5分(1サイクル)。
予測される正しいDNAフラグメントサイズを、骨髄、胎児心臓、胎児腎臓、胎児筋肉、胎児皮膚、心臓、乳腺、胎盤、唾液腺、骨格筋、小腸、脊椎、脾臓、腎臓、胎児脳、食道腫瘍、子宮腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍、肺腫瘍及びRPMI−1788(B−リンパ球細胞系)において観察した。Zcytor16発現は、このパネルにおいて試験された他の組織及び細胞系においては観察されなかった。Zcytor16の発現パターンは、一定の組織−特異的腫瘍、特に卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌及び食道癌における発現を示し、ここでZcytor16は、正常な組織においては発現されないが、しかし腫瘍細胞においては発現される。
当業者は、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体及び結合パターンが、生検、組織又は組織サンプル、特に卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌及び食道癌組織における癌又は癌組織を検出するために診断剤として使用され得ることを理解する。本発明の分子についてのそのような診断使用は、当業界において知られており、そして本明細書に記載される。
さらに、Zcytor16、すなわち1つのIL−TIFの受容体の発現パターンが、一定の特定の組織及び組織−特異的腫瘍における発現を示すので、天然のリガンド、すなわちIL−TIFを包含する結合パターンはまた、生検、組織又は組織学的サンプル(ここで、Il−TIF受容体が発現される)、及び特に、卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌及び食道癌における特定の組織(正常又は異常)、癌又は癌組織を検出するための診断剤としても使用され得る。IL−TIFはまた、その受容体、例えばZcytor16及びzcytor11が発現される他の組織を標的化するためにも使用され得る。さらに、そのような結合パターンは、腫瘍又は疾病組織の部位に治療剤を標的化するために、化学療法剤、毒性成分及び同様のものに接合され得る。そのような診断及び標的化された治療使用は、当業界において知られており、そして本明細書に記載される。
市販の第1鎖cDNAパネル(Human Blood Fractions MTC Panel, Clontech, Palo Alto, CA)をまた、上記のようにしてアッセイした。パネルは次のサンプルを含んだ:単核細胞、活性化された単核細胞、静止CD4+細胞、活性化されたCD4+細胞、静止CD8+細胞、活性化されたCD8+細胞、静止CD14+細胞、静止CD19+細胞及び活性化されたCD19+細胞。活性化されたCD4+細胞及び活性化されたCD19+細胞はZcytor16発現を示し、そして試験された他の細胞、例えば休止CD4+及び休止CD19+細胞はそうではなかった。
Figure 2009183289
C. RT−PCRを用いてのヒト組織及び細胞系RNAパネルにおける組織分布
ヒト細胞系からのRNAのパネルを、RT−PCRを用いて、Zcytor16発現についてスクリーンした。パネルは自家製造され、そして表7〜10に示されるように、種々の正常及び癌性ヒト組織及び細胞系からの84種のRNAを含んだ。RNAは、自家又は購入された組織及び細胞系から、RNAeasy Midi又はMiniキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて製造された。パネルは、サンプル当たり100ngのRNAを用いて、96−ウェル型で設定された。RT−PCR反応は、オリゴヌクレオチドZC25,963(配列番号30)及びZC25,964(配列番号31)、Rediload組織及びSUPERSCRIPT One RT-PCR System (Life Technologies, Gaithersburg, MD) を用いて設定された。
増幅を次の通りにして行った:50℃で30分(1サイクル)、続いて94℃で15秒、59℃で30秒、72℃で30秒(40サイクル)、次に72℃で5分の最終延長。8〜10μlのPCR反応生成物を、4%アガロースゲルを用いて、標準のアガロースゲル電気泳動にゆだねた。184bpの正しい推定されるcDNAフラグメントは、細胞系U-937、HL-60、ARPE-19、HaCat#1、HaCat#2、HaCat#3、及びHaCat#4;膀胱、癌性乳房、癌に隣接する正常乳房、気管支、結腸、潰瘍性大腸炎、十二指腸、子宮内膜、食道、胃−食道、心臓左心室、心臓心室、回腸、肝臓、肺、リンパ節、リンパ腫、乳房腺癌、乳腺、癌性卵巣、膵臓、耳下腺及び皮膚、脾臓リンパ腫及び小腸において観察された。Zcytor16発現は、このパネルにおいて試験された他の組織及び細胞系においては観察されなかった。
Zcytor16は、次の正常組織においてPCRにより検出可能的に発現される:消化系、例えば食道、胃−食道、膵臓、十二指腸、回腸、結腸、小腸;女性生殖系、例えば乳腺、子宮内膜、乳房(癌組織に隣接する);及び他の系、例えばリンパ節、皮膚、耳下腺、膀胱、気管支、心臓心室及び腎臓。さらに、Zcytor16は、次のいくつかのヒト腫瘍においてPCRにより検出可能的に発現される:女性生殖組織に関連する腫瘍、例えば乳腺癌、卵巣癌、子宮癌、他の乳癌;及び他の組織、例えばリンパ腫、胃腫瘍及び肺腫瘍。Zcytor16の発現は、女性生殖器官の正常組織、及びそれらの器官に関連するいくつかの腫瘍において見出される。Zcytor16は、Zcytor16が過剰発現され得るそれらの腫瘍のためのマーカーとして作用することができる。
Zcytor16に関して陽性のいくつかの癌は、外胚葉/上皮起源(乳腺癌及び他の乳癌)に関連する。従って、Zcytor16は、上皮組織、例えば消化系及び女性生殖器官における上皮組織(例えば、子宮内膜組織、上皮柱)、及び癌を包含する上皮組織のためのマーカーとして作用することができる。さらに、好ましい態様においては、Zcytor16は、一定の組織−特異的腫瘍、特に卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌、及び食道癌のためのマーカーとして作用することができ、ここでZcytor16は正常組織においては発現しないが、しかし腫瘍組織においては発現される。診断目的のためへの本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド及び抗体の使用は、当業者において知られており、そして本明細書に開示される。
Figure 2009183289
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例13十分な長さのzcytor11を発現する発現ベクターの構成
完全なzcytor11受容体(共通所有のアメリカ特許第5,965,704号)を、十分な長さのzcytor16受容体cDNA(配列番号24)及びプロマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドpZP7PからのEcoRI及びXhoIによる消化により単離した。消化物を、1%低溶融点アガロース(Boerhinger Mannheim)ゲル上で展開し、そして約1.5kbのzcytor11 cDNAを、QiaquickTM ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて、その製造業者の説明書に従って単離した。精製されたzcytor11 cDNAを下記のようにして、発現ベクター中に挿入した。
受容体発現ベクターpZP−7を、EcoRI(BRL)及びXbaI(BRL)により、製造業者の説明書に従って消化し、そして上記のようにしてゲル精製した。このベクターフラグメントを、上記で単離された、EcoRI及びXbaI切断されたMPL− zcytor17キメラ及び、EcoRI/BamHI 5’MPLフラグメントと共に連結反応において組合した。この連結は、T4リガーゼ(BRL)を用いて、12℃で一晩、行われた。連結のサンプルを、DH10B ElectroMAXTM エレクトロコンピテントE.コリ細胞においてエレクトロポレートした(25μF、200Ω、1.8V)。形質転換体をLB+アンピシリンプレート上にプレートし、そして単一のコロニーを、2mlのLB+アンピシリン中に採取し、そして一晩、増殖した。プラスミドDNAを、Wizard Minipreps (Premega) を用いて単離し、そして個々をEcoRI及びXhoIにより消化し、挿入体の存在を確かめた。挿入体は約1.5kbであり、そして十分な長さであった。SpeI及びPstIによる消化を用いて、ベクターの正体を確かめた。
例14CRF2-4受容体を発現するBaF3細胞(BaF3/CRF2-4細胞)及びzcytor11受容体と共にCRF2-4受容体を発現するBaF3細胞(BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞)の構成
十分な長さのCFR2-4受容体を発現するBaF3細胞を、下記CFR2-4発現ベクター30μgを用いて構成した。CFR2-4受容体を発現する前記BaF3細胞を、BaF3/CFR2-4を命名した。それらの細胞を対照として使用し、そしてさらに、十分な長さのzcytor11受容体によりトランスフェクトし(アメリカ特許第5,965,704号)、そして下記のようにしてIL−TIF活性についてのスクリーンを構成するために使用した。
A.CRF2-4受容体を発現するBaF3細胞の構成
CRF2-4(Genbank受容体番号Z17227号)の十分な長さのcDNA配列を、例6に記載のようにして、Daudi細胞系cDNAライブラリーから単離し、そして次に、発現ベクターpZP7P中にクローン化した。
BaF3、すなわちネズミ骨髄に由来するインターロイキン−3 (IL-3) 依存性プレ−リンパ球細胞系(Palacios and Steinmetz, Cell 41: 727-734, 1985; Mathey-Prevot など.,Mol. Cell. Biol. 6:4133-4135, 1986)を、10%熱−不活性化されたウシ胎児血清、2ng/mlのネズミIL-3 (mIL-3) (R&D. Minneapolis, MN)、2mMのL-glutaMax-1TM (Gibco BRL), 1mMのピルビン酸ナトリウム(Gibco BRL)及びPSN抗生物質(Gibco BRL)により補充された完全倍地(RPMI培地(JRH Bioscience Inc., Lenexa, KS))において維持した。エレクトロポレーションの前、CRF2-4/pZP7Pを調製し、そしてQiagen Maxi Prepキット(Qiagen)を用いて、製造業者の説明書に従って精製した。
エレクトロポレーションのためのBaF3細胞を、血清フリーRPMI培地により1度洗浄し、そして次に、血清フリーRPMI培地に107個の細胞/mlの細胞密度で再懸濁した。1mlの再懸濁されたBaF3細胞を、30μgのCRF2-4/pZP7PプラスミドDNAと共に混合し、そして別々の使い捨てエレクトロポレーションチャンバー(GIBCO BRL)に移した。室温で、15分間のインキュベーシヨンの後、細胞に、エレクトロポレーション装置(CELL-PORATORTM; GIBCO BRL)により供給される2回の連続したショック(800 1Fad/300V.; 1180 1Fad/300V.)を与えた。
5−分間の回収時間の後、エレクトロポレートされた細胞を、50mlの完全培地に移し、そしてインキュベーターに、15−24時間(37℃、5%CO2)配置した。次に、細胞を回転沈降し、そしてT-162フラスコにおいて、2μg/mlのプロマイシンを含む完全培地50mlに再懸濁し、プロマイシン耐性プールを単離した。この後、BaF3/CRF2-4細胞と呼ばれる、トランスフェクトされたBaF3細胞のプールを、下記のようにして、シグナル化能力についてアッセイした。さらに、それらの細胞を、下記のようにして、zcytor11受容体によりトランスフェクトした。
B.CRF2-4及びzcytor11受容体を発現するBaF3細胞の構成
十分な長さのzcytor11受容体を発現するBaF3/CRF2-4細胞を、上記例6に記載されるzcytor11発現ベクター30μgを用いて、上記例5Aに従って構成した。回収に続いて、トランスフェクタントを、200μg/mlのゼオシン及び2μg/mlのプロマイシンを用いて選択した。zcytor11受容体を発現するBaF3/CRF2-4細胞を、BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞として命名した。それらの細胞を用いて、IL−TIF活性、及び例15に記載されるZcytor16アンタゴニスト活性についてスクリーンした。
例15Almar Blue増殖アッセイにおけるBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を用いてのIL−TIFアンタゴニスト活性のスクリーニング
A.Almar Blue増殖アッセイにおけるBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を用いてのIL−TIF活性のスクリーニング
精製されたIL−TIF−CEE(例19)を用いて、下記のようにして増殖活性の存在について試験した。精製されたZcytor16−Fc4(例11)を用いて、下記のようにしてこのアッセイにおいてIL−TIFの増殖応答を拮抗した。
BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を、回転沈降し、そして上記例7Aに記載のようにして、但し、mIL3(この後、“mIL-3遊離培地”として言及される)を用いないで、洗浄した。細胞を、回転し、そして3度洗浄し、mIL-3の除去を確保した。次に、細胞を血球計により計数した。細胞を、mIL-3遊離培地を用いて、ウェル当たり100μlの体積において、ウェル当たり5000個の細胞での96−ウェル形式でプレートした。
BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞の増殖を、mIL-3遊離培地により、50, 10, 2, 1, 0.5, 0.25, 0.13, 0.06ng/mg の濃度に希釈にされたIL−TIF−CEEタンパク質を用いて評価した。100μlの前記希釈されたタンパク質を、BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞に添加した。合計アッセイ体積は200μlである。アッセイプレートを、37℃、5%CO2下で3日間インキュベートし、この時点で、Alamar Blue (Accumed, Chicago, IL) を、20μl/ウェルで添加した。プレートを再び、37℃、5%CO2下で24時間インキュベートした。Alamar Blueは、生存細胞の数に基づいて蛍光測定読み取りを与え、そして従って、負の対照に比較しての細胞増殖の直接的な測定である。
プレートを再び、37℃、5%CO2下で24時間インキュベートした。プレートを、波長544(励起)及び590(発光)で、SoftMaxTM Proプログラムを用いて、FmaxTM プレートリーダー(Molecular Devices Sunnyvale, CA)上で読み取った。結果は、IL−TIF−CEEに対するBaF/CRF2-4/zcytor11細胞の用量−依存性増殖応答を確かめた。その応答は、測定される場合、50ng/mlの上限でバックグラウンドの約15倍〜0.06ng/mgの下限での2倍の誘発であった。BaF3野生型細胞及びBaF3/CRF2-4細胞は、IL−TIF−CEEに応答して増殖せず、このことは、IL−TIFがCRF2-4/zcytor11ヘテロダイマー受容体に対して特異的であることを示す。
Zcytor16がIL−TIF活性を拮抗できるかどうかを決定するために、上記アッセイを、精製された可溶性ヒトZcytor16/Fc4を用いて反復した。IL−TIFが10μg/mlでZcytor16と組合される場合、すべての濃度でのIL−TIFに対する応答は、バックグラウンドまで下降された。IL−TIFの増殖効果を可能にされた可溶性ヒトZcytor16の存在は、それがIL−TIFリガンドの可能性あるアンタゴニストであることを示す。このアッセイはまた、IL−TIFの拮抗におけるマウスZcytor16活性を評価するためにも使用される。
例16MES13細胞におけるレポーターミニ−遺伝子のIL−TIF活性化及びZcytor16−Fc4による活性の阻害
MES13細胞(ATCC No. CRL-1927)を、ピルベート及び10%血清(HyClone)により補充されたDMEM成長培地(Life Technologies)を含む96−ウェル組織培養クラスター(Costar)において、10,000個の細胞/ウェルでプレートした。次の日、培地を、0.1%BSA(FractionV:Sigma)により血清を置換することによって、血清フリーDMEM培地に交換した。この培地はまた、1000:1の感染の多重度(m.o.i.)、すなわち細胞当たり1000個のアデノウィルス粒子で、SRE及びSTAT要素により駆動されるルシフェラーゼレポーターミニ−遺伝子をコードするアデノウィルス構造体KZ136(下記)を含んだ。
細胞におけるアデノウィルス構造体の24時間の組み込みを可能にした後、培地を交換し、そして血清−フリー培地により置換した。組換えZcytor16-Fc4融合体を有するか又は有さないヒト組換えIL−TIFを、ウェルにおいてその示される最終濃度で添加した(下記表11に記載されるようにして)。IL−TIF及びZcytor16−Fc4の両者の希釈を、血清フリー培地により行った。0.1%BSAを、基本的アッセイ対照のために添加した。4時間後、細胞を溶解し、そしてレポーター遺伝子の活性化を示すルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼアッセイシステムアッセイキット(Promega)及びLabsystems Luminoskan発光計(Labsystems, Helsinki, Finland)を用いて、溶解物において決定した。活性は、溶解物におけるルシフェラーゼ単位(LU)として表される。結果は、下記表13に示される。
Figure 2009183289
それらの結果は、次の1つのことを示す:第1に、MES13細胞はヒト組換えIL−TIFに対して応答し、そして従って、サイトカインのための内因性機能的受容体を有する。第2に、ヒトzcytoR16−Fc4受容体融合体は、このサイトカインが使用される最高の用量でさえ、IL−TIFに対する応答を効果的に阻止するアンタゴニストとして作用する。従って、zcytor16は、IL−TIFに対する内因的に応答できる細胞(MES13)、すなわちサイトカインに応答するために追加の受容体成分の外因性発現を必要としない細胞に対するIL−TIFの効果的アンタゴニストである。
アデノウィルスKZ136ベクターの構成は次の通りであった。オリジナルKZ136ベクターは、Poulsen, LKなど. J. Biol. Chem. 273: 6228, 1998に開示される。CMVプロモーター/エンハンサー及びSV40 pA配列を、pACCMV. PLpA(T.C. Beckerなど., Meth. Immunology 43: 161-189, 1994)から取り出し、そしてAsp717/KpnI及びHind III部位(オリゴZC13252(配列番号26)及びZC13453(配列番号27))を含むリンカーにより置換した。
STAT/SRE駆動のルシフェラーゼレポーターカセットを、Asp718/kpnI−Hind IIIフラグメントとして、ベクターKZ136(Poulsen, LKなど., 前記)から切除し、そして適合されたpACベクター中に挿入した。組換えKZ136アデノウィルスを、T.C. Beckerなど., 前記に記載のようにして、JM17アデノウィルスによる293細胞のトランスフェクションにより生成した。プラーク精製されたウィルスを増幅し、そしてアッセイの12〜48時間前、5〜50pfu/細胞での培養された細胞の感染のために使用した。ルシフェラーゼレポーターアッセイを、Poulsen, LKなど., 前記に記載のようにして、96ウェルマイクロプレートにおいて行った。
B.HCT−15及びHT−29細胞系に対するIL−TIFレポーター遺伝子アッセイ
HCT−15(ヒト結腸腺癌、ATCC#CCL−225)及びHT−29(ヒト上皮結腸直腸腺癌、ATCC#HTB−38)細胞を、96ウェル不透明プレート(Costar)中、10%ウシ胎児血清、1%Glutamax及び1%ピルビン酸ナトリウムにより補充されたRPMIに、3000個の細胞/100μl/ウェルでプレートした。それらの細胞を、37℃、5%CO2インキュベーターにおいて24時間インキュベートした。
次に、細胞を、ウェル当たり50μの、1%ITS及び2%HEPES(血清フリー培地)により補充されたDMEM/F12培地(Life Technologies)中、上記に記載されるKZ136アデノウィルス(STAT/SRE/Lucif)により、5000のM. O. I. を用いて感染せしめた。細胞を24時間インキュベートした。
アデノウィルスの除去の後、細胞サンプルを、Zcytor16−Fc4融合体可溶性受容体の存在又は不在下で、一連の濃度のIL−TIFを含む血清フリー培地により希釈し、そしてウェル当たり100μlの体積で96−ウェルプレートに希釈し、そして4時間インキュベートした。血清フリー培地のみを、バックグラウンド対照として使用した。次に、細胞を溶解し、そしてPromegaからの試薬及びプロトコールを用いて、製造業者の説明書に従って、ルシフェラーゼ基質に暴露した。プレートを、40μlの注射及び5秒の調整プロトコールを用いて、Berthold Microlumat Plus LB96V2R (Perkin-Elmer Life Science) 上で読み取った。
HCT−15細胞は、10ng/mlでのIL−TIFに対して、培地のみよりも2.5倍の誘発及び5ng/mlで2.2倍の誘発を示した。IL−TIF応答は、Zcytor16-Fc4融合体可溶性受容体が1μg/mlで添加される場合、バックグラウンドレベルに阻止した。
HT−29細胞は、10ng/mlで6.2倍の誘発から0.08ng/mlでの2倍の誘発まで、IL−TIFに対して良好な用量応答性を示した。このIL−TIF応答は、1μg/mlのZcytor16−Fc4融合体可溶性受容体が添加される場合、バックグラウンドレベルまで完全に阻止された。
例17CEE−標識されたIL−TIFを生成するための構造体
オリゴヌクレオチドを、Kozak配列及びIL−TIFのためのコード領域を含むが、その停止コドンを有さないPCRフラグメントを生成するために企画した。それらのオリゴヌクレオチドを、5’末端でKpnI部位及び3’末端でBanHI部位を有するよう企画し、C−末端Glu−Glu標識された(配列番号10)タンパク質の哺乳類発現のための本発明の標準ベクターのpHZ200−CEE中へのクローニングを促進した。pHZ200ベクターはMT−1プロモーターを含む。
PCR反応を、IL−TIF cDNAフラグメントを増幅するために、Turbo Pfuポリメラーゼ(Stratagene)を用いて行った。約20ngのヒトIL−TIFポリヌクレオチド鋳型(配列番号14)、及びオリゴヌクレオチドZC28,590(配列番号28)及びZC28,580(配列番号29)を、PCR反応に使用した。PCR反応条件は次の通りであった:90℃で60秒、55℃で60秒及び72℃で60秒(30サイクル);及び72℃で10分;続いて4℃での維持。PCR生成物を、アガロース電気泳動により分離し、そしてQiaQuickTM (Qiagen) ゲル抽出キットを用いて精製した。単離された約600bpのDNAフラグメントを、KpnI及びBamHI(Boerhinger−Mannheim)により消化し、上記のようにしてゲル精製し、そしてKpnI及びBamHIにより前もって消化されたpHZ200−CEE中に連結した。
約1μlの連結反応物を、DH10B ElectroMaxTM コンピテント細胞(GIBCO BRL, Gaithersburg, MD)中に、製造業者の説明書に従ってエレクトロポレートし、そして100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にプレートし、そして一晩インキュベートした。コロニーを採取し、そして上記のようなPCR条件と共に、オリゴヌクレオチドZC28,590(配列番号28)及びZC28,580(配列番号29)を用いて、PCRによりスクリーンした。次に、挿入体を含むクローンを配列決定し、誤りのないIL−TIF挿入体を確認した。配列分析により確かめられるような正しいpHZ200−IL−TIF−CEE構造体のMaxiprepsを行った。
例18IL−TIF可溶性受容体ポリペプチドのトランスフェクション及び発現
BHK570細胞(ATCC No. CRL-10314)を、800μlの血清フリー(SF)DMEM培地(DMEM, Gibco/BRL High Glucose)(Gibco BRL, Gaithersburg, MD)において、約1.2×106個の細胞/ウェル(6−ウェルプレート)でプレートした。細胞を、血清フリー(SF)DMEM中、LipofectinTM (Gibco BRL) を用いて、製造業者の説明書に従って、上記(例10)IL−TIF−CEE包含発現プラスミドによりトランスフェクトした。
細胞を、37℃で約5時間インキュベートし、次に、30mlのDMEM/5%のウシ胎児血清(FBS)(Hyclone, Logan, UT)の最終体積で150mmのMAXIプレートを分離するために移した。プレートを37℃、5%CO2下で一晩インキュベートし、そしてDNA:LipofectinTM 混合物を、選択培地(5%FBS/DMEM及び1μMのメトトレキセート(MTX))により次の日、置換した。
トランスフェクションの約10〜12日後、コロニーを、5μMのMTXを有する5%FCS/DMEM 1mlを含む12−ウェルプレートに機械的に採取し、次に、集密性まで増殖した。次に、陽性の発現クローンコロニーのならし培地サンプルを、SDS−PAGE及びウェスターン分析により、発現レベルについて試験した。高い発現性のクローンを採取し、そして前記細胞により発現されるIL−TIF−CEEの精製についてのならし培地のアンプル生成のために拡張した(例19)。
例19BHK570細胞からのIL−TIF−CEEの精製
特にことわらない限り、すべての操作は4℃で行われた。次の方法を、C−末端Glu−Glu(EE)標識(配列番号10)を含むIL−TIFポリペプチドを精製するために使用した。IL−TIF−CEE(例18)を発現するBHK細胞からのならし培地を、ProFlux A30上でAmicon S10Y3スパイラル遠心分離機により濃縮した。プロテアーゼインヒビター溶液を、前記濃縮されたならし培地に添加し、2.5mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA, Sigma Chemical Co. St. Louis, MO)、0.003mMのロイペプチン(Boehringer−Mannheim, Indianapolis, IN)、0.001mMのペプスタチン(Boehringer−Mannheim)及び0.4mMのPefabloc(Boehringer−Mannheim)の最終濃度にした。サンプルを分析のために除去し、そして多量の体積を、精製を開始するまで、−80℃で凍結した。濃縮されたならし培地の合計の標的物タンパク質濃度を、抗−EE HRP接合された抗体を用いて、SDS−PAGE及びウェスターンブロット分析により決定した。
約100mlカラムの抗−EE G−Sephrose(下記のように調製された)を、Waters AP-5, 5cm×10cmガラスカラムに充填した。カラムを流動充填し、そしてリン酸緩衝溶液(PBS)(pH7.4)により、BioCad Sprint (PerSeptive BioSystems, Framingham, MA) 上で平衡化した。濃縮されたならし培地を融解し、0.2ミクロンの無菌膜を通して濾過し、pHを7.4に調節し、次に、約1ml/分の流速で一晩カラム上に負荷した。カラムを、10カラム体積(CV)のリン酸緩衝溶液(PBS, pH7.4 )により洗浄し、次に、5ml/分で、0.5mg/mlのEEペプチド(Anaspec, San Jose, CA) を含むPBS(pH6.0)200mlによりプラグ溶出した。使用されるEEペプチドは、配列EYMPME(配列番号10)を有する。
カラムを10CVのPBSにより洗浄し、次に、5CVの0.2Mグリシン(pH3.0)により溶出した。グリシン溶出されたカラムのpHを、2CVの5×PBSにより7.0に調節し、次にPBS(pH24)により平衡化した。5mlの画分を、全溶出クロマトグラフィーにおいて集め、そして280及び215nMでの吸光度をモニターし;通過及び洗浄プールをまた、保存し、そして分析した。EE−ポリペプチド溶出ピーク画分を、抗−EE HRP接合抗体を用いて、SDS−PAGE銀染色及びウェスターンブロットを通して標的タンパク質について分析した。興味あるポリペプチド溶出画分をプールし、そして10,000ドルトン分子量カットオフ膜回転濃縮機(Millipore, Bedford, MA)を用いて、その製造業者の説明書に従って、60mlから5.0mlに濃縮した。
他の同時精製タンパク質からIL−TIF−CEEを分離するために、前記濃縮されたポリペプチド溶出のプールされた画分を、pH8.0で、POROS HQ-50 (PerSeptive BioSystems, Framingham, MAからの強アニオン交換樹脂) にゆだねた。1.0×6.0cmのカラムを充填し、そしてBioCad Sprint上に流動充填した。カラムを、対向イオンに荷電しし、次に20mMのTRIS(pH8.0)(トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン))により平衡化した。サンプルを、1:13に希釈し(PBSのイオン強度を低めるために)、次に5ml/分でPoros HQカラム上に充填した。
カラムを、10CVの20mMのトリス(pH8.0)により洗浄し、次に、40CVグラジエントの20mMのトリス/1Mの塩化ナトリウム(NaCl)により10ml/分で溶出した。1.5mlの画分を、全クロマトグラフィー上で集め、そして280及び215nMでの吸光度をモニターした。溶出ピーク画分を、SDS−PAGE銀染色により分析した。興味ある画分をプールし、そして10,000ドルトン分子カットオフ膜回転濃縮機(Millipore, Bedford, MA)を用いて、製造業者の説明に従って、1.5〜2mlに濃縮した。
遊離EEペプチド及びいずれかの汚染性同時精製タンパク質からIL−TIF−CEEポリペプチドを分離するために、プールされた濃縮画分を、PBSにより平衡化し、そしてBioCad Sprintを用いて、1.0ml/分の流速で充填される、1.5×90cmのSephadex S200 (Pharmacia, Piscataway, NJ) カラム上でのサイズ排除クロマトグラフィー処理にゆだねた。1.5mlの画分を、全クロマトグラフィーを通して集め、そして280及び215nMでの吸光度をモニターした。ピーク画分を、SDS−PAGE銀染色により特徴づけ、そして最も純粋な画分のみをプールした。この材料は、精製されたIL−TIF−CEEポリペプチドを提供した。
この精製された材料を、最終的に、4mlのActiClean Etox (Sterogene) カラムにゆだね、いずれかの存存する内毒素を除去した。サンプルを、PBSにより平衡化された重力カラム上に4度、通し、次にカラムを1回の3ml体積のPBSにより洗浄し、これを“清浄された”サンプルとしてプールした。次に、その材料を、0.2ミクロンの無菌膜を通して濾過し、そしてそれを等分するまで、−80℃で貯蔵した。
ウェスターンブロットされた、クーマシーブルー及び銀色されたSDS−PAGEゲル上で、IL−TIF−CEEポリペプチドは、1つの主要バンドであった。精製された材料のタンパク質濃度を、BCA分析(Pierce, Rockford, IL)により行い、そしてタンパク質を等分し、そして標準の方法に従って、−80℃で貯蔵した。
抗−EE Sepharoseを調製するために、100mlの層体積のプロテインG−Sepharose(Pharmacia, Piscataway, NJ)を、500mlのNalgene 0.45ミクロンフィルターユニットを用いて、0.02%アジ化ナトリウムを含むPBS100mlにより3度、洗浄した。ゲルを、6.0体積の200mMトリエタノールアミン(pH8.2)(TEA, Sigma, St. Louis, MO)により洗浄し、そして900mgの抗体を含む、等体積のEE抗体溶液を添加した。4℃での一晩のインキュベーションの後、結合されなかった抗体を、上記のように、5体積の200mMのTEAにより樹脂を洗浄することによって除去した。
樹脂を2体積のTEAに再懸濁し、適切な容器に移し、そしてTEAに溶解されたジメチルピリミデート−2HCl(Pierce, Rockford, IL)を、プロテインG−Sepharoseゲルに添加し、36mg/mlの最終濃度にした。ゲルを室温で45分間、揺り動かし、そして液体を、上記のようにしてフィルターユニットを用いて除去した。次に、ゲル上の非特異的部位を、200mMのTEA中、5体積の20mMのエタノールアミンと共に室温で10分間インキュベートすることによってブロックした。次に、ゲルを、0.02%のアジ化ナトリウムを含むPBS5体積により洗浄し、そしてこの溶液において4℃で貯蔵した。
例20ノザンブロット及びPCRを用いての組織パネルにおけるヒトzcytor11組織分布
A. PCRを用いての組織パネルにおけるヒトzcytor11組織分布
ヒト組織からのcDNAのパネルを、PCRを用いて、zcytor11発現についてスクリーンした。パネルは自家製造され、そして種々の正常及び癌性ヒト組織からの94種のマラソンcDNA及びcDNAサンプルを包含し、そして細胞系は下記表6に示される。PCR反応の他に、使用される方法は、例12に示される通りであった。PCR反応は、オリゴヌクレオチドZC14,666(配列番号32)及びZC14,742(配列番号33)、Advantage 2 cDNAポリメラーゼ混合物(Clontech, Palo Alto, CA)及びRediload色素(Research Genetics, Inc., Huntsville, AL)を用いて設定された。
増幅を、次の通りにして行った:94℃で2分(1サイクル)、94℃で15秒、51℃で30秒、及び72℃で30秒(40サイクル)、続いて72℃で7分(1サイクル)。正しい予測されるDNAフラグメントは、膀胱、脳、頸部、結腸、胎児脳、胎児心臓、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、胎児皮膚、心臓、腎臓、肝臓、肺、メラノーマ、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、直腺、唾液腺、小腸、卵巣、胸腺、気管支、脊椎、甲状腺、肺腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍、及び胃腫瘍において観察された。zcytor11発現は、このパネルにおいて試験された他の組織及び細胞系においては観察されなかった。
市販の第1鎖cDNAパネル(Human Blood Fractions MTC Panel, Clontech, Palo Alto, CA)をまた、上記のようにしてアッセイした。パネルは次のサンプルを含んだ:単核細胞、活性化された単核細胞、静止CD4+細胞、活性化されたCD4+細胞、静止CD8+細胞、活性化されたCD8+細胞、静止CD14+細胞、静止CD19+細胞及び活性化されたCD19+細胞。次のサンプルは、zcytor11の陽性発現を示した:単核細胞、静止CD8+及びCD19+細胞。
B. RT−PCRを用いてのヒト細胞系及び組織パネルにおけるzcytor11の組織分布:
ヒト細胞系からのRNAのパネルを、RT−PCRを用いて、zcytor11発現についてスクリーンした。パネルは自家製造され、そして表7〜10に示されるように、種々の正常及び癌性ヒト組織及び細胞系からの84種のRNAを含んだ。RNAは、自家又は購入された組織及び細胞系から、RNAeasy Midi又はMiniキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて製造された。パネルは、サンプル当たり100ngのRNAを用いて、96−ウェル型で設定された。RT−PCR反応は、オリゴヌクレオチドZC14,666(配列番号32)及びZC14,742(配列番号33)、Rediload組織及びSUPERSCRIPT One RT-PCR System (Life Technologies, Gaithersburg, MD) を用いて設定された。
増幅を次の通りにして行った:50℃で30分(1サイクル)、続いて94℃で15秒、52℃で30秒、72℃で30秒、次に72℃で7分の最終延長(45サイクル)。8〜10μlのPCR反応生成物を、4%アガロースゲルを用いて、標準のアガロースゲル電気泳動にゆだねた。正しい推定されるcDNAフラグメントは、副腎、膀胱、乳房、気管支、正常結腸、結腸癌、十二指腸、子宮内膜、食道、胃癌、胃食道癌、心室、腸骨、正常腎臓、肝臓癌、肝臓、肺、リンパ節、膵臓、耳下腺、皮膚、小腸、胃、甲状腺及び子宮において観察された。zcytor11の発現を示す細胞系は、A-431、 分化されたCaCo2、 DLD-1、 HBL-100、 HCT-15、 HepG2、 HepG2+IL6、 HuH7及びNHEK#1-4であった。zcytor11発現は、このパネルにおいて試験された他の組織及び細胞系においては観察されなかった。
さらに、zcytor11、すなわちIL−TIF受容体の1つの発現パターンは、一定の特定の組織における発現を示すので、天然のリガンドIL−TIFを包含する結合パターンはまた、生検、組織又は組織学的サンプルにおける、特にIL−TIF受容体が発現される組織における特定の組織(正常又は異常)、癌又は癌組織を検出するための診断剤として使用され得る。IL−TIFはまた、その受容体、例えばzcytor11及びCRF2−4が発現される他の組織を標的化するために使用され得る。さらに、そのような結合パターンは、腫瘍又は疾病組織の部位に治療を標的化するために、化学療法剤、毒性成分及び同様のものに結合され得る。そのような診断及び標的化された治療は、当業界において知られており、そして本明細書に記載されている。
zcytor11(上記)及びZcytor16(例12及び21の発現パターンは、IL−TIFの作用のための標的組織及び細胞型、及び従って、IL−TIFアンタゴニスト、例えばZcytor16を示した。zcytor11発現は一般的に、次の3種の生理学的システムにおいてZcytor16発現とオーバーラップした:消化系、女性生殖系及び免疫系。さらに、受容体(zcytor11)の発現パターンは、IL−TIFアンタゴニスト、例えばZcytor16が、次の2種の領域、すなわち炎症(例えば、IBD、クローン症、膵炎)及び癌(例えば、卵巣、結腸)におけるヒト疾病のための治療に使用されることを示した。すなわち、本発明のポリヌクレオチド及び抗体は、炎症、及びzcytor11受容体を発現する細胞とのIL−TIF相互作用の他のサイトカイン誘発効果を拮抗するために使用され得る。
さらに、zcytor11の発現は、潰瘍性大腸炎組織、IL−6により誘発されたHepG2肝臓細胞系、活性化されたCD8+T−細胞及びCD19+B−細胞においてダウンレギュレートされるか又は不在であると思われた。しかしながら、休止CD19+細胞(上記)に比較して、Zcytor16は、活性化されたCD19+B細胞(例2)においてアップレギュレートされると思われ、そしてzcytor11は、活性化されたCD19+細胞においてダウンレギュレートされる。それらのRT−PCR実験は、CD19+末梢血液細胞、すなわちBリンパ球がIL−TIFのための受容体、すなわちzcytoR11及びzcytoR16を発現することを示す。さらに、B細胞は、zcytoR11及びzcytoR16の調節された発現を示す。ミトゲンにより活性化されたB−リンパ球は、zcytoR11の発現を低め、そしてzcytoR16の発現を高める。これは、B細胞及び他の細胞に対するIL-TIFの活性を低めるよう作用する。
可溶性zcytoR16は、B細胞に対するIL−TIFの効果を中和するためにアンタゴニストとして作用する。これは、B細胞がキープレーヤーである次の疾患において有益である:自己免疫疾患、例えば全身性エリトーマシス(SLE)、重症筋無力症、免疫複合体病、及びIL−TIFにより悪化されるB−細胞癌。また、B細胞が疾病病理学に寄与する次の自己免疫患者は、zcytoR16治療のための標的である:多発性硬化症、炎症性腸疾患(IBD)及びリウマチ様関節炎。zcytoR16治療は、アトピー性疾患、例えばぜん息、アレルギー性及びアトピー性皮膚炎(IgEの生成が疾病の病原に寄与する)においてIgEを生成するB細胞を低めるか又は阻害するために有益である。
B細胞悪性疾患は、上記に記載される“フィードバック阻害”の欠失を示すことができる。zcytoR16の投与は、IL−TIFシグナル化の制御を回復し、そしてB細胞悪性疾患を阻害する。手術による再切開又は化学療法に続いてのzcytoR16の投与は、B細胞悪性疾患を有する患者における最少の残存疾患を処理するために有用であり得る。調節の欠失は、zcytoR11の高められた発現の維持を導くことができる。従って、zcytoR11を標的化する治療用モノクローナル抗体のための標的物を創造する。
例21現場ハイブリダイゼーションを用いてのZcytor16を発現する細胞の同定
特にヒト組織を単離し、そして現場ハイブリダイゼーションによりZcytor16発現についてスクリーンした。軟骨、結腸、虫垂、腸、胎児肝臓、肺、リンパ節、リンパ腫、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、皮膚、脾臓及び胸腺に関する種々のヒト組織を調製し、断片化し、そして現場ハイブリダイゼーションにゆだねた。組織を、標準方法を用いて、10%の緩衝化されたホルマリンに固定し、そしてパラフィンにおいてブロックした。組織を、4〜8ミクロンに断片化した。
組織を、標準のプロトコール(”Development of non-isotopic in situ hybridization” at The Laboratory of Experiment Pathology (LEP), NIEHS, Research Triangle Park, NC; Webアドレスhttp://dir.niehs.nih.gov/dirlep/ish.html)を用いて調製した。手短には、組織断片を、HistoClear (National Diagnostics, Atlanta, GA) により脱パラフィン化し、そして次に、エタノールにより脱水した。次に、それらを、37℃で2〜7分間、プロティナーゼK(50μg/ml)(Boehringer Diagnostics, Indianapolis, IN)により消化した。この段階に続いて、組織をアセチル化し、そして脱水した。
1つの現場プローブを、ヒトZcytor16配列(配列番号1のヌクレオチド1〜693)に対して企画し、そして標準方法を用いて、配列番号1を含むプラスミドから単離した。T3 RNAポリメラーゼを用いて、アンチセンスプローブを生成した。そのプローブを、In Vitro Transcription System (Promega, Madison, WI) を用いて、ジゴキシゲニン(Boehringer)により、製造業者の説明書に従ってラベルした。
現場ハイブリダイゼーションを、ジゴキシゲニンによりラベルされたZcytor16プローブ(上記)により行った。プローブを、62.5℃で12〜16時間、1〜5pモル/mlの濃度でスライドに付加した。続いて、スライドを、2×SSC及び0.1×SSCにより55℃で洗浄した。シグナルを、チラミドシグナル増幅(TSA)(TSA、現場間接的キット;NEN)を用いて増幅し、そしてVector Red基質キット(Vector Lab)により、その製造業者の説明書に従って可視化した。次に、スライドを、ヘマトキシリン(Vector Laboratories, Burlingame, CA)により対比染色した。
シグナルを、試験されるいくつかの組織において観察した:末梢組織におけるリンパ節、血漿細胞及び他の単核細胞は強い陽性であった。リンパ小節におけるほとんどの細胞は陰性であった。リンパ腫サンプルにおいては、陽性シグナルが有糸分裂及び多核細胞において見出された。脾臓においては、陽性シグナルが、小胞の末梢で拡散された単核細胞に見出された。胸腺においては、陽性のシグナルが、皮質及び骨髄の両者において拡散された単核細胞において見出された。胎児肝臓においては、強いシグナルが、洞様空間において、単核細胞の混合された集団において観察された。肝細胞のサブセットはまた、陽性であった。炎症性虫垂においては、Peyerパッチ及び炎症部位における単核細胞が陽性であった。腸においては、いくらかの血漿細胞及び神経節細胞が陽性であった。正常な肺においては、Zcytor16が、肺胞上皮、及び間隙組織及び循環における単核細胞において発現された。
肺癌組織においては、強いシグナルが、ほとんどの血漿細胞、及び末梢凝集体の末梢におけるいくらかの他の単核細胞において観察された。卵巣癌においては、上皮細胞は強い陽性であった。いくつかの間隙細胞、たぶん単核細胞もまた陽性であった。正常な卵巣においては、シグナルは観察されなかった。正常及び膵炎の膵臓サンプルにおいては、線房細胞、及び腸間膜におけるいくつかの単核細胞が陽性であった。初期(8週)胎盤において、シグナルが栄養膜に観察された。皮膚においては、表皮における炎症浸潤物におけるいくらかの単核細胞は陽性であった。ケラチノサイトはまた、弱い陽性であった。前立腺癌においては、間隙組織における散在性単核細胞は陽性であった。関節軟骨においては、軟骨細胞は陽性であった。試験された他の組織、例えば正常卵巣、及び結腸腺癌は陰性であった。
要約すると、現場データは、Zcytor16についての上記の発現データと一致した。Zcytor16発現は、単核細胞において主として観察され、そして上皮はまた陽性であった。それらの結果は、ヒト細胞におけるZcytor16発現の存在、及び炎症、自己免疫疾患、又は他の免疫機能における、例えばプロ−炎症サイトカイン、例えばIL−ILF(但し、それだけには限定されない)の結合における役割点を確証した。さらに、Zcytor16発現の検出は、例えば組織学的サンプルにおける単核細胞のためのマーカーとして使用され得る。
Zcytor16は、単核細胞、例えば正常組織(リンパ節、脾臓、胸腺、膵臓、腎臓、肝臓及び肺)、及び異常組織(炎症虫垂、肺癌、卵巣癌、膵炎、炎症性皮膚及び前立腺癌)において発現される。リンパ節、腸及び肺癌における血漿細胞がZcytor16に関して陽性であることは、注目すべきである。血漿細胞は、抗体合成を担当する、免疫学的に活性化されたリンパ球である。さらに、IL−TIFは、免疫学的に活性化されたT細胞において発現される。さらに、Zcytor16の発現は、活性化された(休止においてではない)CD4+及びCD19+細胞においてのみ検出された(例12)。従って、Zcytor16は、一定のリンパ球、例えば単核リンパ球及び制限された型の活性化されたリンパ球、例えば活性化されたCD4+及びCD19+の単離においてマーカーとして又は標的物として使用され得る。
さらに、活性化された免疫細胞、例えば活性化されたCD4+及びCD19+細胞におけるZcytor16発現の存在は、Zcytor16が外来性侵入体、例えば微生物及び細胞残骸に対する身体の免疫防御反応に関与し、そして炎症及び癌形成の間、免疫応答において役割を演じることを示した。
さらに、本明細書において論じられるように、いくつかの組織における上皮形、例えば肝細胞(内皮由来の上皮)、肺胞上皮(内皮由来の上皮)及び卵巣癌上皮(中胚葉由来の上皮)は、Zcytor16発現に関して陽性であった。Zcytor16の上皮発現は、肝臓及び肺における炎症応答及び/又は癌状態において変更され得る。従って、Zcytor16は、炎症又は癌の結果として、それらの組織における変化をモニターするためにマーカーとして使用され得る。さらに、Zcytor16現場発現の分析は、正常卵巣上皮がZcytor16発現に関して陰性であり、ところがそれは、卵巣癌上皮において強い陽性であることを示し、このことは、Zcytor16ポリヌクレオチド、ポリペプチド又は抗体が、本明細書に記載されるように、卵巣癌の診断及び処理のために診断マーカー及び/又は治療標的物として使用され得る証拠をさらに提供する。
Zcytor16はまた、他の組織、例えば膵臓(正常及び膵炎組織)における腺房細胞、胎盤(外胚葉由来の)における栄養膜、軟骨(中胚葉由来のにおける軟骨細胞、及び腸(外胚葉由来の)における神経節細胞においても検出された。Zcytor16自体は、それらの器官における対応する細胞の分化及び/又は正常機能に関与している。Zcytor16の可能性ある使用は、正常な代謝及び妊娠、骨形成/恒常性、及び腸の生理学的機能の維持及び同様のものを包含する。
例22IL−TIFポリペプチドのインビボ効果
マウス(雌、C57B1、生後8週;Charles River Labs, Kingston, NY)を、3種のグループに分けた。IL−TIFポリペプチド(配列番号15)を発現するアデノウィルスを、標準方法を用いて前もって製造した。日0で、親又はIL−TIFアデノウィルスを、第1グループ(n=8)及び第2グループ(n=8)にそれぞれ、尾の静脈を通して投与し、そして個々のマウスは、約0.1mlの体積中、約1×1011の粒子の用量を受けた。第3グループ(n=8)は、処理を受けなかった。日12で、マウスを計量し、そして血液をマウスから採血した。サンプルを、完全な血液計数(CBC)及び血清化学について分析した。好中球及び血小板計数の統計学的に有意な上昇が、親アデノウィルス処理グループに対して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループからの血液サンプルにおいて検出された。
また、リンパ球及び赤血球細胞計数が、親アデノウィルス処理のグループに対して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループから有意に低められた。さらに、IL−TIFアデノウィルス処理されたマウスは、体重が低下し、ところが親アデノウィルス処理されたマウスは体重が増加した。また、血清zcytor18レベルは高められ、そしてグルコースレベルは3日目で低下した。要約すると、zcytor18アデノ−マウスは、他のプロ炎症性サイトカイン、例えばTNF−α、II−1β、及びgp130サイトカインによってまた開始され得る急性相応答を示した。
その急性相応答は、パターン認識分子により開始される中位の炎症応答である。その急性相パターン質は、微生物に対して増強された保護を提供し、そして細胞トラフィッキング及びメディエーター開放に対する効果により炎症応答を調節する。例えば、SAAは、有能な白血球活性化機能、例えば走化性の誘発、内皮細胞への白血球付着の増強及び高められたファゴサイトーシスを有する。急性相応答の大きさ及び持続期間を開始し、そして変更する因子の理解は、感染性及び炎症性疾患のための新規治療剤の開発における重要な段階を表す。
前記結果は、IL−TIFが造血、すなわちインビボでの血液細胞形成に影響を及ぼすことを示した。IL−TIF自体は、異なった血液幹細胞に影響を及ぼす生物学的活性を有し、従って、特定の系統において一定の分化された血液細胞の上昇又は低下をもたらす。例えば、IL−TIFは、リンパ球を低めると思われ、これはたぶん、リンパ細胞を高める傾倒した前駆体の阻害のためである。IL−TIFはまた、赤血球細胞を低め、これは、IL−TIFが、それらの工程に関与する血液細胞に影響を及ぼすことによって、貧血、感染、炎症及び/又は免疫疾患において役割を演じることができる概念を支持する。IL−TIFに対するアンタゴニスト、例えば本発明の抗体又はzcytor11可溶性受容体は、それらの疾病における治療剤として使用され得る。
さらに、マウスにおけるIL−TIFアデノウィルスを用いるそれらの実験は、IL−TIFの過剰発現がインビボで好中球及び血小板のレベルを高めることを示唆する。完全な動物システムにおいてIL−TIFに対する応答に関与する他の因子(例えば、サイトカイン及びモディファイアー遺伝子)が存在すると思われる。それにもかかわらず、IL−TIF及びその受容体は、種々の障害、例えば炎症、免疫障害、感染、貧血、造血及び他の癌及び同様のものの診断及び処理のための適切な試薬/標的物である。
例24Zcytor16の染色体割り当て及び配置
公的に入手できるWWWサーバー(例えば、Stanford Human Genome Center, Stanford University, CAサーバー、http://shgc-www.stanford.edu/, 及びNational Center for Biotechnology Information, National Library of Medicine, Bethesda.MD, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genemap99/) と共に、Stanford G3 Human/Hamster Radiation Hybrid (RH) Mapping Panel (Research genetics, Inc., Huntsville, AL) の市販バージョンを用いて、Zcytor16を、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により染色体6上で位置決定した。
PCR反応を、Zcytor16特異的センス及びアンチセンスプライマーZC27,713 (配列番号40)及びZC27,714 (配列番号41) を用いて行った。それらは、3’UTRに226bpのアンプリコンを生成する。PCR反応のために、HotStarTaq DNAポリメラーゼ及び緩衝液(Qiagen Inc., Valencia, CA)を用いた。PCRサイクラー条件は次の通りであった:95℃での15分間の初期1サイクル、続いて95℃での1分間の変性、56℃で1分間のアニーリング及び72℃での1分15秒のの延長(35サイクル)、及び72℃で7分間の最終延長(1サイクル)。反応を、2%アガロースゲル(EM Science, Gibbstown, NJ)上での電気泳動により分離し、そして臭化エチジウム染色により可視化した。Stanford G3RHマップングパネルのために得られたデータベクターは次の通りであった:01000 00000 10000 00000 00000 00010 00000 00000 00000 00000 10000 00010 00010 10000 00010 10000 000。
放射線ハイブリッド(RH)マッピングは、Stanford G3 RHマッピングパネル上での染色体6にZcytor16を連結する。RH結果は、Stanford G3 骨格マーカーSHGC−9657からのZcytor16 0 cR10000を定めた(LOD=12.38, 1 cR10000=約29kb)。SHGC−9657(D6S1835)は、ヒト−インターフェロン−γ受容体(IFNγR1)のためのSTSゲノム性、配列標識された部位である。IFNγR1は、現場ハイブリダイゼーションにより6q24.1-q24.2に位置決定されており(Papanicolaouなど., Cytogenet. Cell Genet. 76: 181-182, 1997)、そしてNCBI GeneMap’99上のD6S442(158.5cM)−D6S1581(165.OcM)間隔に存在する。IFNγR1へのZcytor16の密接した接近性のために、Zcytor16はまた、6q23−q24染色体領域に位置することが予測され得る。
例25IL−TIF−発現トランスジェニックマウス
A.マウスIL−TIFを発現するトランスジェニックマウスの生成
リンパ特異的EμLCKプロモーター、マウスIL−TIF(配列番号42;配列番号43に示されるポリペプチド)、ラットインスリンIIイントロン、IL−TIF cDNA及びヒト成長ホルモンポリA配列の5’フランキング配列を含むトランスジェニックベクターからのDNAフラグメントを、標準方法を用いて調製し、そして標準のマイクロインジェクションプロトコールを用いて、受精されたB6C3f1(Taconic, Germantown, NY)ネズミ卵母細胞中へのマイクロインジェクションのために使用した。Hogan, B. など., Manipulationg the Mouse Embryo. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1994を参照のこと。
リンパ−特異的EμLCKプロモーターを有するマウスIL−TIFに対するトランスジェニックである25匹のマウスを、154匹の子供マウス間で同定した。11匹のトランスジェニック子供マウスは、生後数時間で死亡し、光沢の外観を有する9匹のトランスジェニック子供マウスは誕生の日、検死され、そして2匹は成熟した。発現レベルは、1匹の成熟動物においては低かった。検死された子供マウスからの組織を調製し、そして下記のようにして組織学的に試験した。
新生児子供マウスの光沢のある外観は、ドライであり、適切な授乳の低下をもたらすかのように、皮膚の硬化に関連しているように思われた。
B.トランスジェニックマウスからの遺伝子型及び発現分析
上記に記載される、EμLCKプロモーターにより駆動されるマウスIL−TIFトランスジェニック系からの新生児子供マウスは、1日目(生後1日)、異常性が観察され、そして組織採取のために殺害された。すべての子供マウスは独得の耳標識番号を与えられ、そして殺害の時点で光沢のある皮膚表現型を有するものとして明示されるそれが示された。12匹の子供マウスのうち、6匹は、光沢のある皮膚表現型を有することが観察され、そして2匹は“重度”の表現型として明示された。重度の表現型は、皮膚に特に光沢があり、そして非常にドライである、ほとんど移動性を有さない小さな子供マウスとして定義された。皮膚を、個々の子供マウスの左側部から採取し、そしてTissue−Tek包埋媒体において凍結した。
遺伝子型分類は、光沢のある皮膚が、発現データは集められなかったが、トランスジェニック状態の良好なインジケーターであることを確証した。凍結された皮膚ブロックを、低温槽上で7μに断片化し、そしてCD3, CD4, CD8, マウスマクロファージ、B−細胞、CD80及びMHCクラスIIの存在を調べるために染色した。染色プロトコールは、組織への市販の抗体の結合、ペルオキシダーゼラベルされた二次抗体による検出、及び染色を可視化するためのDAB色原体反応を包含した。
トランスジェニックマウスは、それぞれ抗原提供細胞及び樹状突起細胞を染色する、MHCクラスIICD80においてより高いことが見出された。マクロファージマーカーはまた、野生型動物においてよりも、重度の及び非重度のトランスジェニック動物において、一層の細胞を検出したが、但し、それらの細胞の分布は上部真皮において非常に局在した。重度の表現型として分類された動物は、すべての3種のそれらのマーカーによる最も強い染色を有し、野生型に比較される場合、細胞強度及び細胞数における劇的な上昇を示した。
この変動性は、それらのトランスジェニック創始者の子供マウスにおけるIL−TIFの発現レベルの差異のためであり得る。MHCクラスII陽性細胞は、ゆるい開放性群に配置される下部真皮に局在し、CD80陽性細胞は、筋肉/脂肪層における又はそのすぐ上部のいずれかにおける真皮下に卓越して存在した。それらの2種の細胞集団は、オーバーラップするようには思えない。すべての他のマーカーは、すべての動物において染色する同等のものであった。肥満細胞についてのトルイジンブルー染色は、野生型動物とトランスジェニック動物との間のわずかな差異を示すか、又はその差異を示さなかった。
C.トランスジェニックマウスからの組織の肉眼的評価:EμLCKプロモーターを有するIL−TIF TGは新生児致死−病歴を有した
誕生の日、IL−TIFトランスジェニック動物を含む一腹の子供マウスを安楽死せしめ、そして前身体を、10%緩衝されたホルマリンに含浸固定した。6匹のトランスジェニック及び2匹の非トランスジェニック子供マウスを、さらなる研究のために提供した。6匹のトランスジェニック動物のうち4匹は、安楽死の時点で、光沢のある皮膚を有することが示された。固定された組織を5個の断片に整えた(頭の縦断面、及び上部及び下部胸郭及び上部及び下部腹の横断面)。組織をパラフィンに包埋し、通常通りに処理し、5μmで断片化し(Jung 2065 Supercut microtome, leica Microsystems, Wetzlar, Germany)、そしてH&Eにより染色した。染色された組織は、有資格の獣医病理学者局(ACVP)により、光顕微鏡(Nikon Eclipse E600, Nikon Inc., Melville, NY)下で評価された。
顕微鏡試験に基づいて、2匹のトランスジェニック子供マウスの表皮は、対照を包含する他の6匹のマウスの表皮よりも厚いことが観察された。他の異常性は、いずれかのマウスの皮膚及び他の組織において示されなかった。胸郭及び腹の対応する領域からの皮膚の代表的領域を、40倍の対物レンズ及び顕微鏡に備え付けられたCoolSnapデジタルカメラ(Roper Scientific, Inc., San Diego, CA)により画像化した。次に、表皮の厚さを、組織形態学的ソフトウェア(Scion Image for Windows(登録商標) (NIH Image), Scion Corp., Frederick, MD, V. B4.0.2)を用いて決定した。結果は次の通りであった:
Figure 2009183289
統計学的有意性を決定するにはマウスの数は不十分であった;しかしながら、トランスジェニック動物、特に光沢のある皮膚を有するそれらの動物は、非光沢性トランスジェニック動物及び非トランスジェニック対照よりも厚い表皮を有する傾向があった。光沢性トランスジェニック動物は、非光沢性トランスジェニック動物よりも高い発現レベルのIL−TIFを有することができる;しかしながら、発現レベルはそれらのマウスに関しては決定されなかった。
例26IL−TIFポリペプチドのインビボ効果
A. IL-TIFアデノウィルスにより感染されたマウスはSADの誘発を示す:
マウス(雌、C57B1、生後8週;Charles River Labs, Kingston, NY)を、3種のグループに分けた。IL−TIFポリペプチド(配列番号15)を発現するアデノウィルスを、標準方法を用いて前もって製造した。日0で、親又はIL−TIFアデノウィルスを、第1グループ(n=8)及び第2グループ(n=8)にそれぞれ、尾の静脈を通して投与し、そして個々のマウスは、約0.1mlの体積中、約1×1011の粒子の用量を受けた。第3グループ(n=8)は、処理を受けなかった。日12で、マウスを計量し、そして血液をマウスから採血した。研究の2日目、マウスを殺害し、体重を記録し、そして血液及び組織を分析のために集めた。
すべての血液サンプルを、完全な血液計数(CBC)及び血清化学について分析した。12及び20日目、好中球及び血小板計数における統計学的に有意な上昇性を、親アデノウィルス処理されたグループに比較して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループからの血液サンプルにおいて検出した。また、リンパ球計数は、12日目で、親アデノウィルス処理されたグループに比較して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループからのサンプルにおいて有意に低められたが、しかし20日目で、反対の効果が観察された。さらに、IL−TIFアデノウィルス処理されたマウスは体重が減少したが、ところが親アデノウィルス処理されたマウスは体重が増加した。
グルコースは、親アデノウィルス処理されたグループに比較して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループからの血清サンプルにおいて、両時点で有意に低下した。血清アルブミンはまた、両時点で有意に低められた。血液尿窒素レベルは、20日目で有意に低められた。血清グロブリンレベルは、両時点で、親アデノウィルス処理されたグループに比較して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループにおいて有意に高められた。顕微鏡的には、IL−TIFに寄与する1つの観察される組織形態学的変化は、腎臓における細尿管再生であった。マウスにおいては異常ではないが、この動物グループにおいては、高められた発生率及び重症性が存在した。ネフロパシーは、皮質細尿管上皮細胞の好塩基球増加の共焦領域として特徴づけられる。
上記実験と企画において同一の追加の実験を、結果を確証し、そして追加のサンプルを集めるために行った。この研究においては、体重を3日ごとに記録し、血液を、アデノウィルス注射の3日後にマウスから集め、そしてマウスを、10日目(グループ当たりn=4)及び20日目(グループ当たりn=4)、血液及び組織収集のために殺害した。高められた好中球及び血小板計数が、親アデノウィルス処理されたグループを比較して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループからの血液サンプルにおいて再び検出された。この効果は、3日目までに好中球に関して明白であったが、しかし血小板計数は、10日目まで有意に異ならなかった。
また、リンパ球計数は、3及び10日目で、親アデノウィルス処理されたグループに比較して、IL−TIFアデノウィルス投与されたグループから有意に低められたが、しかしそれらはこれまでの研究におけるように、20日目に高められなかった。再び、IL−TIFアデノウィルス投与されたマウスは研究の間にわたって体重が低下したが、ところが対照ウィルス処理されたマウス及び処理されないマウスは体重が増加した。血清化学パラメーターは、これまでの研究と一致した。IL−TIFアデノウィルス処理に関連する腎臓における細尿管再生の組織学的発見がまた、この研究において確認された。これは、IL−TIFアデノウィルスを投与されたマウス(2日目)における中位のタンパク質尿の追加の発見と一致した。
前記結果は、IL−TIFが造血、すなわちインビボでの血液細胞形成に影響を及ぼすことを示した。IL−TIF自体は、異なった血液幹細胞に影響を及ぼす生物学的活性を有し、従って、特定の系統において一定の分化された血液細胞の上昇又は低下をもたらす。例えば、IL−TIFは、リンパ球を低めると思われ、これはたぶん、リンパ細胞を高める傾倒した前駆体の阻害のためである、これは、IL−TIFがそれらの工程に包含される血液細胞に影響を与えることによって貧血、感染、炎症及び/又は免疫疾患において役割を演じることができる見解を支持する。IL−TIFに対するアンタゴニスト、例えば抗体又はその可溶性受容体zcytor16は、それらの疾病における治療用試薬として使用され得る。
さらに、マウスにおけるIL−TIFアデノウィルスを用いるそれらの実験は、IL−TIFの過剰発現がインビボで好中球及び血小板のレベルを高めることを示唆する。完全な動物システムにおいてIL−TIFに対する応答に関与する他の因子(例えば、サイトカイン及びモディファイアー遺伝子)が存在すると思われる。それにもかかわらず、IL−TIF及びその受容体は、種々の障害、例えば炎症、免疫障害、感染、貧血、造血及び他の癌及び同様のものの診断及び処理のための適切な試薬/標的物である。従って、IL−TIF、抗−IL−TIF抗体及びその受容体、例えばzcytor16及び可溶性zcytor11/CRF2-4は、種々の障害、例えば炎症、免疫疾患、感染、貧血、造血及び他の癌、及び同様のものにおける診断及び処理のための適切な試薬/標的物である。
体重の低下、急性相タンパク質SAAの出現、及び低められたグルコース、アルブミン及び尿窒素により明示される代謝性混乱とIL−TIF発現との結合は、IL−TIFが一定の炎症応答において初期に作用するサイトカインであることを示唆する。IL−TIFアデノウィルスを投与されたマウスは、慢性炎症の状態、例えばIBD、潰瘍性大腸炎、関節炎、乾癬、喘息及び同様のものの状態を表すことができる。一定のゆがいな有害な慢性工程は、IL−TIFに対するアンタゴニスト、例えば抗−IL−TIF抗体、及びその受容体、例えばzcytor16及び可溶性zcytor11/CRF2-4及び同様のものにより阻害され得る。
B.IL−TIFは、プロ−炎症性サイトカインである:アデノ−TIFマウスにおけるSAAの血清レベル
ELISAを、Mouse SAA Immunoassay kit 及びProtocol(Biosource International, California, USA)を用いて、IL−TIF−アデノウィルスにおけるSAAのレベルを決定するために行った。希釈された標準及び未知のものを、抗−マウスSAA抗体により前もって被覆されたアッセイプレート中に、HRP−抗−マウスSAAと共にプレートした。プレートを、キットの説明書に従って、37℃で1時間インキュベートし、そして次に洗浄した。プレートを、TMBを用いて、室温で15分間、展開し、そして2MのH2SO4により停止した。450nmでの吸光度を、Spectromax190(Molecular Devices, California, USA)を用いて読み取った。得られるデータを、Softmax Pro (Molecular Davices, California, USA) 及びExcel(Microsoft Corp., Washington, USA)を用いて分析した。
IL−TIF−アデノウィルスにより感染されたマウスは、親アデノウィルス対照に比較して、10倍以上の非常に高められたレベルのmSAAを有した。
C.IL−TIF−アデノウィルス感染されたマウスの流動細胞測定分析
アデノウィルスによるインビボでのIL−TIF発現の効果を分析するために、感染の10及び20日目、IL−TIF−アデノウィルス感染されたC57BL/6のマウスから末梢血液、脾臓及び骨髄を単離した。約100μlの血液を、ヘパリン処理された管に集め、次に低張溶解により赤血球細胞を消耗せしめた(細胞を、3.6%NaCl1.5mlを添加する前、約5秒間、4.5mlの蒸留水に溶解した)。脾臓を、2枚の冷却されたガラススライド間に押しつぶし、そして放出される細胞を、Nytex膜(細胞濾過器)上に通し、そしてペレット化した。骨髄を、乳ばち及び乳棒において1つの大腿骨を押しつぶし、そして細胞濾過器(Falcon)にその細胞を通すことによって得た。細胞を、FACS洗浄緩衝液(WB=HBSS/1%BSA/10mMヘルペス)に再懸濁し、トリパンブルーにおいて計数し、そして1×106個の個々のタイプの生存細胞を、5mlのポリスチレン管にアリコートした。
細胞を洗浄し、そしてペレット化し、次に、特定の免疫細胞サブセットを同定するために使用される種々の細胞表面マーカーを認識する、蛍光ラベルされた(FITC、PE及びCyChrome)モノクローナル抗体(Pharmingen, San Diego, CA)のカクテルと共に氷上で20分間インキュベートした。それらのマーカーは次のものを包含する(試験される3種のグループに列挙される)。血液染色に関しては、CD3、Gr1及びB220;脾臓染色に関しては、CD62L、CD44及びCD3;CD21、CD23及びB220;IgD、IgM及びB220;CD11b、Gr1及びCD8;骨髄染色に関しては、CD11b、Gr1、CD3;IgD、IgM及びB220。細胞を、1.5mlのNBにより洗浄し、そしてペレット化し、次に、0.4mlのWBに再懸濁し、そしてCellQuestソフトウェア(Becton Dickinson, Mountain View, CA)を用いて、FACScan上で分析した。
本発明者は、IL−TIF−アデノ処理されたマウスの血液における好中球の画分が10日目で4〜13倍及び20日目で2〜3倍、高められたことを見出した。10日目で、この差異は、血液におけるリンパ球及び単球の画分の同時低下をもたらした。骨髄においては、本発明者は、B細胞の合計数が約1.5倍、低下し、ところが成熟した再循環B細胞の百分率及び未成熟Bの細胞の合計数は10日目でわずかに低下したことを見出した。20日目で、それらの差異の多くは消出したが、但し本発明者は、成熟した再循環B細胞の画分のわずかな上昇を見出した。脾臓においては、B細胞の合計数は試験された両日でわずかに(1.5〜2倍)低下したが、ところが20日目に、境界領域のB細胞(CD21+CD23−B220+)画分は2倍、上昇し、そして小胞B細胞(CD21+CD23+B220+)の数は2倍、低下した。
境界領域のB細胞は、それらがより通常の小胞B細胞よりもB細胞マイトゲン(例えば、LPS)に対してより感染性であるので、病原体に対する最初の防御系であると思われ、そしてそれらがそれらの同起源の抗原と遭遇する場合、それらは抗体分泌細胞に非常にすばやく分化する。IL−TIFは小胞細胞の環境領域B細胞への転換を増強することが可能であり、又はそれは低成熟性小胞細胞を選択的に消耗することが可能である。骨髄に見られるB細胞数の変化は、プレ/プロ及び/又は未成熟B細胞の増強された分化、又は血液/脾臓からの再循環B細胞の高められた流入、及びたぶん、未成熟B細胞の末梢への輸送の同時上昇に影響を及ぼすことができる。成熟BM B細胞の実際の数は上昇せず、その結果、IL−TIFはそれらの増殖を増強することができない。他方では、IL−TIFは、未成熟B細胞野分化を阻止し、そしてそれにより、成熟B細胞の相対的表示を高めることができる。
D.zcytor16/Fc4はインビボIL−TIFを中和する:IL−TIFにより誘発されるSAA発現を示すSAA ELISAはzcytor16-Fc4注射により阻止される
zcytor16がIL−TIFによるSAA誘発を阻害するかどうかを評価するために、マウス(雌、C3H/HEJ、生後8週;Jackson Labs, Bar Harbor, ME)を、下記表15に示されるように、それぞれ3匹の動物から成る5つのグループに分け、そしてタンパク質のIP注射により処理した。
Figure 2009183289
zcytor16注射の15分後までにIL−TIF注射を行った。両タンパク質注射は、非経口路により行われた。血液サンプルを、処理の前、次に処理の2及び6時間後、個々のマウスから採取した。血清を、SAA及びIL−TIFの測定のために個々のサンプルから調製した。
IL−TIF、及びIL−TIFのための可溶性受容体、すなわち本明細書に記載されるzcytor16−Fc4により処理されるマウスにおけるSAAのレベルを決定するために、ELISAを、これまでに記載のようにして行った。20〜100μgの濃度でのzcytor16−Fc4と共に3μgのIL−TIFにより処理されたマウスは、IL−TIFのみにより誘発されたSAAのレベルにおいてバックグラウンドレベルへの低下を示し、このことは、zcytor16がインビボでのIL−TIFのSAA誘発活性を阻害したことを示した。
例27炎症性腸疾患マウスモデルにおけるIL−TIFの発現
炎症性腸疾患(IBD)は、2種のタイプ、すなわち、潰瘍性大腸炎(UC)及びクローン病(CD)に分けられる多種多様性疾病である。それらの疾病の病因は現在、未知であり、そして臨床学的表示は異なる。UCは結腸に制限され、そして症状は出血性下痢、体重の低下及び腹部痛を包含する。UCの肉眼での特徴は、断続的な潰瘍及び短くされた結腸を包含する。対照的に、クローン病はまた、腸の他の部分に影響を及ぼすことができる。症状は、下痢(UCに見られるよりもより低い程度の出血である)、低い発熱及び痛みを包含する。肉眼による特徴は、狭窄、深い潰瘍、裂及びフィステルを伴っての線維性腸を包含する。
それらのヒト疾病を模倣するいくつかの動物モデルが入手できる。新規薬剤スクリーニングのための3種の通常使用される大腸炎モデルは、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)により誘発されたラットモデル、マウスT−細胞トランスファーモデル、及びデキストラン硫酸ナトリウム又はDSS−誘発されたマウスモデルである。DSSモデルは疾病活性指数評点システム(S. N. S. Murthy, Treatment of Dextran Sulfate Sodium-Induced Murine Colitis by Intracolonic Cyclosporin, Digestive Diseases and Sciences, Vol. 38, No. 9 (September 1993), pp. 1722-1734)を用いて、Dr. S. Murthyによるモデルから誘発された。
現在の研究においては、急性大腸炎は、マウスが飲料水にDSSを6日間、供給される場合に生じた。動物は、UC患者の病状に類似する、体重の低下及び出血性下痢を示した。DSS損傷の機構は、十分には特徴づけられていないが、しかしそれは非特異的炎症性免疫応答を誘発し、そして腸に対する環境的効果を模倣すると思われる。細胞に対して毒性であるH2Sがたぶん生成される。さらに、発光性細菌郡における変化が生じた。活性化された単球、マクロファージ及び肥満細胞が結腸において示されている。すべての3種の動物モデルのためのメディエーターは、炎症性プロスタグランンジン、リューコトリエン代謝物及びサイトカインを包含する。
A. 方法
大腸炎を、Charles River Laboratories からのSwiss Webster 雌マウスにおいてDSS
摂取により誘発した。マウスは、研究の開始で、生後10及び11週目であった。マウスは、飲料水中、4%DSSを6週間、与えられるか(処理されたマウス)、又は通常の飲料水のみを与えられた(対照マウス)。便性質、不自然血液及び体重の低下を包含する測定の組合せを含んで成る、疾病活性指数臨床学的評点(DAI)を使用した。DAIは、DSS処理の1日目から開始して、個々のマウスについて毎日得られた。
6日後、DSSを、処理されたマウスの飲料水から除去した。すべてのマウスは、研究の開始から2,7又は10日目で殺されるまで、DAI臨床学的評価によりモニターされた。2及び7日目、4匹のDSS処理されたマウス及び1匹の対照マウスを殺した。10日目、4匹のDSS処理されたマウス及び2匹の対照マウスを殺した。殺害の後、すべての動物について、結腸の長さを測定した。結腸切片を、組織学的分析のために10%中性緩衝化ホルマリンに固定するか、又はmRNA抽出のために凍結した。
B. 織学的評点及び疾病活性化指数(DAI)評点:
組織学的指数評点を、引例1における方法に従って得た。一般的に、結腸切片は、陰窩、過形成上皮、陰窩歪曲及び炎症について病理学者により盲検評価された。
毎日、個々のマウスは、体重の低下、便の硬さ及び腸出血に基づいての臨床学的評点に関して分類される。より高い評点は、体重の低下、下痢及び出血の量の上昇に割り当てられた。個々のマウスについての毎日の評点は、3種の結果/観察から得られた平均等級であった。
C. 結果
DSS処理されたマウスについての結腸の長さは、処理されていない対照よりも、7及び10日目、幾分短かかったが、しかしその結果は有意ではなかった(統計学的適用により調べられなかった)。臨床学的DAI評価は、このモデルを用いての過去の研究に見られる疾病症状に類似する、DSS処理されたマウスにおける疾病症状の上昇に影響を及ぼした。非自然的な血液は約4及び5日目で最大であり、そしてゆるい便は、6及び7日でより一般的であった。組織病理学的結果は、疾病評点がすべての殺害の日、特に7(ピーク)及び10日目で対照とは異なったことを示す。それらの組織病理学的スクリーニング評点は次の通りであった:対照=0.5、2日目でのDSS処理されたマウス=8.8、7日目でのDSS処理されたマウス=21、10日目でのDSS処理されたマウス=18。臨床学的及び組織病理学的評価は、DSS処理されたマウスが、処理されていない対照に比較して、有意な結腸疾病を有したことを示す。凍結された組織サンプルを、下記の通りにmRNA決定のために使用した。
D. RT−PCRを用いてのネズミIBD結腸サンプルにおけるIL−TIF RNAの組織発現
炎症性腸疾患モデルにおけるマウスIL−TIF RNA(配列番号42)の相対的発現を決定するために、DSS処理されたマウスの遠位結腸を集め、そしてすぐに液体窒素において凍結した。この実験においては、マウスはDSSにより処理され、そしてサンプルが処理後2,7及び10日目で取られた。正常な処理されていないマウスからのサンプルを同様に集めた。次に、RNAを、標準のRNeasy MidiprepTM キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、製造業者の説明書に従って、サンプルから単離した。
RT−PCR反応は、”Superscript One-Step RT-PCR System with Platinum Taq” (Life Technologies, Gaithersburg, MD) を使用した。個々の25μlの反応は次のものから成った:12.5μlの2×反応緩衝液、0.5μl(20pモル/μl)のZC39,289 (配列番号44)、0.5μl(20pモル/μl)のZC39,290(配列番号45)、0.4μlのRT/Taqポリメラーゼ混合物、10μlのRNアーゼフリーの水、1.0μlの全RNA(100nq/μl)。増幅を通の通りに行った:50℃で30分(1サイクル)、続いて94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で60秒(35サイクル)、次に72℃で7分間の最終延長。8〜10μlのPCR反応生成物を、2%アガロースを用いての標準アガロースゲルの電気泳動にゆだねた。
予測される正しいcDNAフラグメントサイズを、次の通りにして観察した:2日目の両サンプルに弱いバンドが存在した。3種の7日目のサンプルのうち2種のサンプルが強いバンドを生成し、そして3日目の7種のサンプルが非常に強いバンドを生成した。3種の10日目のサンプルは強いバンドを生成した。最終的に、2種の“正常”な対照サンプルはいずれのバンドも生成しなかった。それらの結果は、結腸における一定タイプの炎症応答、例えばIBD、UC及びCDに関するそれらの応答においてIL-TIFのアップレギュレーションが存在することを示唆する。データは下記表13に要約されており、ここで相対的発現は次の通りに評点を付けられている:O=が存在しない;1=弱いバンド;2=強いバンド;3=非常に強いバンド。
Figure 2009183289
例28hzcytor11/hCRF2-4ヘテロダイマーを生成するための構成体
分泌されたhzcytor11/hCRF2-4ヘテロダイマーを発現する細胞系を構成した。この構成においては、hzcytor11の細胞外ドメイン(配列番号46)を、そのC末端でGlu-Glu標識(配列59)を有するIgGγ(Fc4)(配列番号5)のH鎖に融合し、そしてCRF2-4の細胞外ドメイン(配列番号47)を、このC末端でHis標識(配列番号60)を有するFc4に融合した。前記へテロダイマーの両hzcytor11及びhCRF2-4アームのために、8個のアミノ酸のGlu-Serスペーサー(配列番号48)を、前記受容体とFc4のN−末端との間に構築した。さらに、トロンビン分解部位を、標識の可能性あるタンパク質分解除去を可能にするために、Fc4ドメインとC−末端標識との間に構築した。
前記へテロダイマーのhzcytor11/Fc4-CEE部分の構成のために、hzcytor11の細胞外部分を、次のような条件下で、それぞれ5’及び3’末端で構築されたEcoR1及びBamHI制限部位を有するオリゴZC39335(配列番号49)及びZC39434(配列番号50)と共にFc4(hzcytor11/IgG)に融合されたヒトzcytor11を含むベクターからPCR処理した:94℃で60秒、57℃で60秒及び72℃で120秒(25サイクル);及び72℃で7分。PCR生成物を、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて精製し、EcoRI及びBamHI (Buerhinger-Mannheim) により消化し、ゲル電気泳動処理し、そしてQIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いて精製した。
Hzcytor11 EcoRI/BamHIフラグメントを、EcoRI及びBamHIにより消化されたpZP-9 hzcytor7/Fc4-TCS-CEE中に連結した。このベクターは、CEE標識(配列番号10)と共にFc4(配列番号5)に融合されたhzcytor7の細胞外部分(アメリカ特許第5,945,511号)を有し、そしてEcoRI及びBamHIによる消化はhzcytor7の細胞外部分を除去し、そしてhzcytor11の置換を可能にする。得られる連結のミニ調製物を、正しいサイズのEcoRI/BamHI挿入についてスクリーンし、そして正しいミニ調製物を配列決定し、PCR反応の精度を確認した。hcytor11/Fc4-CEE融合ポリペプチドのポリペプチドの配列は、配列番号61に示される。
前記ヘテロダイマーのhCRF2-4/Fc4-cHIS部分の構成のために、hCRF2-4の細胞外部分を、次のような条件下でオリゴZC39,319 (配列番号51)及びZC39,325(配列番号52)を含むpZP-9CRFからPCR処理した:94℃で60秒、57℃で60秒、及び72℃で120秒(30サイクル);及び72℃で7分。PCR生成物を上記のようにして精製し、そして次に、EcoRI及びBamHIにより消化した。PCR生成物は内部EcoRI部位を有しているので、次の2種のバンドを消化に基づいて得た:0.101kBのEcoRI/EcoRIフラグメント及び0.574kBのEcoRI/BamHIフラグメント。0.574EcoRI/BamHIフラグメントを、EcoRI及びBamHIにより消化されたベクターpHZ-1 DR1/Fc4-TCS-cHIS中に連結した。
このベクターは、C−HIS標識(配列番号12)と共にFc4に融合されたhDR-1の細胞外部分を有し、そしてEcoRI及びBamHIによる消化はhDR-1の細胞外部分を除去し、そしてhCRF2-4の置換を可能にする。得られる連結のミニ調製物を、正しいサイズのEcoRI/BamHI挿入体についてスクリーンし、そして陽性ミニ調製物をEcoRI消化し、そしてバンドを、さらなる構成のために精製した。0.101kBのEcoRI/EcoRIフラグメントを、EcoRI処理されたミニ調製物中に連結し、そしてクローンを、KpnI/NatI制限消化により挿入の正しい配向についてスクリーンした。正しいサイズの挿入を有するクローンを、DNA決定するために提供し、PCR反応の精度を確認した。hzcytor11/Fc4-CEE融合ポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号62で示される。
約16μgの個々のhzcytor11/Fc4-cEE及びhCRF2-4/Fc-4-cHISを、Lipofectamine (Gibco/BRL) を用いて、その製造業者の説明書に従って、BHK−570(ATCC No. CRL-10314) 細胞中に同時トランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞を、1μMのメトトレキセート(MTX)(Sima, St. Louis, MO)及び0.5mg/mlのG418(Gibco/BRL)を含む、DMEM+5%FBS (Gibco/BRL) において10日間、選択した。得られるトランスフェクトのプールを、10μMのMTX及び0.4mg/mlのG418において10日間、再び選択した。
例29zcytor11/CRF2-4ヘテロダイマー受容体の精製
ならし培養培地のzcytor11/CRF2-4ヘテロダイマーを、0.2μmのフィルターを通して濾過し、そして0.02%(w/v)のアジ化ナトリウムを添加した。前記ならし培地を、Poros Protein A 50 Columnに10〜20ml/分で直接的に負荷した。負荷に続いて、カラムをPBSにより洗浄し、そして結合されたタンパク質を0.1Mのグリシン(pH3.0)により溶出した。タンパク質を含むその溶出された画分をpH7.2に調節し、そしてYM30 Stirred Cell Membrane (Millipore) を用いて、80ml以下に濃縮した。
Protein Aカラムの溶出物80mlを、318mlのSuperdex 200 HiLoad 26/60 Column (Pharmacia) 上に負荷した。カラムを、PBS(pH7.2)により、3ml/分で溶出した。タンパク質を含む画分をプールし、凝集物を排除した。Superdex 200プールを、個体NaCl及びイミダゾールを用いて、0.5MのNaCl、10mMのイミダゾールに調節し、そしてそのpHを、NaOHにより7.5に調節した。調節されたタンパク質溶液を、200mlのNiNTAカラム(Qiagen)上に2CV/時で負荷した。結合されたタンパク質を、イミダゾールの次の5種の濃縮段階:40mM, 100mM, 150mM, 250mM, 500mMを伴って、カラムのPBS洗浄に続いて溶出した。
個々のイミダゾール段階で溶出された画分をプールし、そしてN−末端配列決定により分析した。配列決定により決定されたヘテロダイマーを含む画分をプールし、そしてYM30 Stirred Cell Membrane (Millipore) を用いて、50mlに濃縮した。NiNTAカラムからの溶出物50mlを、318mlのSuperdex 200 HiLoad 20/60 Column (Pharmacia) 上に負荷した。カラムを、PBS(pH7.2)により3ml/分で溶出した。タンパク質を含む画分を、SEC MALS分析により決定されるようにして、凝集物を排除するためにプールした。
精製されたタンパク質を、N−末端配列決定、アミノ酸分析、及びSEC−MALSにより分析した。結合親和性及び生物学的活性を決定した。
例30Alamarブルー精製アッセイにおいてBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を用いてのZcytor16-Fc4活性とCRF2-4/Zcytor11-Fc4活性との比較
本明細書に記載されるBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を回転沈降せしめ、そしてPBSにより2度、洗浄し、mIL-3の除去を確かめ、そして次に、回転せしめ、そしてmIL-3を有さない完全培地(RPMI1640, 10%FBS, 1% GlutaMAX, 1%ピルビン酸ナトリウム)(この後、“mIL-3フリー培地”として言及される)に再懸濁した。次に、細胞を血球測定器により計数した。細胞を、mIL-3フリー培地を用いて、ウェル当たり100μlの体積において、5000個の細胞/ウェルで96ウェルにプレートした。
IL-TIFタンパク質(配列番号15)を、mIL-3フリー培地において200pg/mlに希釈した。Zcytor16-Fc4融合タンパク質(本明細書に記載される)を、プレートの上部列上でmIL-3フリー/IL-TIF培地により1μg/mlに希釈し、そして次に、96ウェルプレート上の残りの7つの列を、個々のウェルにおいて100μlの体積を残しながら、1:2の比で連続的に希釈した。次に、これを、すべてのウェルにおける100pg/mlの最終IL-TIF濃度、及び200μlの合計アッセイ体積において約1, 0.5, 0.25, 0.125, 0.063, 0.31,0.016及び0.008μg/mlの最終Zcytor16-Fc4の濃度のために、100μlの細胞に添加した。CRF2-4/zcytor11-Fc4を、プレートの上部列でmIL-3フリー/IL-TIF培地により8μl/mlに希釈し、そして次に、残りの7つの列を、個々のウェルにおいて100μlの体積を維持しながら、1:2の比で連続的に希釈した。
次に、これを、すべてのウェルにおける100pg/mlの最終IL-TIF濃度、及び200μlの合計アッセイ体積において約8, 4, 2, 1, 0.05, 0.25, 0.125及び0.063μl/mlの最終CRF2-4/zcytor11-Fc4濃度のために、100μlの細胞に添加した。アッセイプレートを、37℃で、5%CO2下で4日間インキュベートし、この時点で、Almarブルー(Accumed, Chicago, IL)を、20μl/ウェルで添加した。プレートを、37℃で、5%CO2下で16時間、再びインキュベートした。Alamarブルーは、生存細胞の数に基づいて蛍光測定読み取りを付与し、そして従って、負の対照に比較しての細胞増殖の直接的測定である。プレートを、波長530(励起)及び590(発光)で、Wallac Victor2 1420 Multilobel Counter (Wallac, Turku, Finland) 上で読み取った。
結果は、Zcytor16-Fc4によるBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞に対するIL-TIFの増殖効果の強い用量依存性阻害を示した。CRF2-4/zcytor11-Fc4は、IL-TIFのより弱い阻害性を示した。IL-TIFは、細胞をバックグラウンドよりも13倍、単独で刺激した。Zcytor16は、0.025〜1μg/mlの濃度で増殖を完全に阻害し、そして8ng/ml以下の残るすべての濃度で増殖を部分的に阻害した。CRF2-4/zcytor11-Fc4は8μg/mlの最高の濃度で増殖を完全に阻害することができ、それは0.125〜4μg/mlで増殖を部分的に阻害し、そして阻害は63ng/mlの最低濃度でかろうじて検出できた。
例31Zcytor16はマウスコラーゲン誘発された関節炎(CIA)においてIL-6及びSAAレベルを低める
A.マウスコラーゲン誘発された関節炎(CIA)モデル
生後10週目の雄DBA/1Jマウス(Jackson Labs)を、グループ当たり13匹のマウスの3つのグループに分けた。21日目、動物は、完全にフロントアジュバンド配合された1mg/mlのニワトリ第II型コラーゲン(Chondrex, Redmond, WA により調製された)50〜100μlの皮下注射を与えられ、そして3週間後、0日目、それらは凍結乾燥されたアリコートから250μg/mlとして調製された、E.コリ0111:B4からのLPS(Sigma, St. Louis, MO)100μg(25μg)の注射を与えられた。Zcytor16を、0日目〜25日目までの4週間、週当たり3度、腹腔内注射として投与した。
最初の2つのグループは、動物当たり100又は10μlのzcytor16を受け、そして第3グループは、ビークル対照、すなわちPBS(Life Technologies, Rockville, MD)を受けた。動物は、LPS注射に続いて関節炎の症状を示し始め、そしてほとんどの動物は2〜3週以内で炎症を進行せしめた。疾病の程度を、足の密性を測定するためにカリパスを用いることによって、及び次のように個々の足に臨床学的に評点(0〜3)を割り当てることによって、個々の足において評価した:0=正常、0.5=つま先の炎症、1=軽い足の炎症、2=中位の足の炎症、及び3=下記に詳細されるような重度の足の炎症。
疾病のモニターリング
動物は、第2コラーゲン注射の後すぐに炎症の症状を示し始め、そして何匹かの動物は第2コラーゲン注射の前、つま先の炎症の症状を有し始める。ほとんどの動物は、追加注射の2〜3週間以内に関節炎を進行したが、しかし何匹かはより長い時間を要した。このモデル上における疾病の発生率は典型的には95〜100%であり、そして0〜2つの非応答体(6週間の観察の後に決定された)が典型的には、40匹の動物を用いての研究において見出される。炎症が始まるにつれて、種々の低い程度の足又はつま先の炎症の一時的な発生が存在することを注目すること。この理由のために、動物は、著しい永続的な足の膨張が進行するまで、確立された疾病を有するものとして考慮されない。
すべての動物は、個々の足に定性的臨床学的評点を割り当てることによって行われる、それらの足における疾病の状態を評価するために毎日、観察された。毎日、個々の動物は、臨床学的疾病のその状態に従って評点を付けられるその4本の足を有する。臨床学的評点を決定するために、足は次の3種の領域、すなわちつま先、足自体(手根又は足根)及び手首又は足首関節を有するものとして考慮され得る。それらの領域に関する炎症の程度及び重傷度は、いずれかの関節膨張、引き裂かれた爪又は赤みについてのすべてのつま先の観察、いずれかの足における水腫又は赤みのいずれかの表示、及び腱又は骨の微妙な解剖学的境界のいずれかの損失の表示、並びに脚まで近位的に拡張する場合の表示により示される。1,2又は3の評価の足は、第1に、全体的な重傷度の痕跡、及び第2に、いかに多くの領域が包含されるかに基づかれた。臨床学的評価のために使用される標準は下記に示される。
臨床学的評点
0=正常。
0. 5=1又は複数のつま先が包含されるが、しかしそれらのつま先のみが炎症を起こしている。
1=足(1つの領域)、及びつま先を包含する軽い炎症。
2=足における中位の炎症、及びいくつかのつま先及び/又は手首/足首(2種の領域)を包含する。
3=足、手首/足首、及びいくつかの又はすべてのつま先(3種の領域)における重度の炎症。
確立された疾病は、一晩(速読的に2日)、持続する、2又はそれ以上の等級の足炎症の定性的評価として定義する。確立された疾病が存在するとすぐに、データが記録され、そして“確立された疾病”を有する動物の最初の日として企画される。
血液を実験を通して集め、抗−コラーゲン抗体の血清レベルをモニターした。動物を21日目に安楽死せしめ、そして血液を血清及びCBCのために集めた。個々の動物から、1つの影響された足を、組織学のために10%NBFに集め、そして1つを液体窒素において凍結し、そしてmRNA分析のために−80℃で貯蔵した。また、1/2脾臓、1/2腸間膜リンパ節、1つの肝臓葉及び左腎臓を、RNA分析のためにRNAlaterに集め、そして1/2脾臓、1/2胸腺、1/2腸間膜リンパ節、残りの肝臓及び右腎臓を、組織学的のために10%NBFに集めた。血清を集め、そして免疫グロブリン及びサイトカインアッセイのために−80℃で凍結した。
足の評点及び測定データが分析される場合、グループ間に統計学的に有意な差異は見出されなかったが、但しzcytor16を受ける1つの処理グループが足の炎症の開始及び進行において遅延を有したことについての示唆が存在した。体重、CBCパラメーター又は抗−コラーゲン抗体レベルにおける変化に関して、グループ間に有意な差異は存在しなかった。それらの初期結果は、zcytor16が体重、赤又は白血球細胞、又は抗体生成に悪影響を与えないが、しかし炎症を低めることができることを示す。投与、作用の機構及び効率についてのさらなる調査が手段下にある。
B.マウスCLAモデルにおける抗−コラーゲンELISAデータ
血清サンプルを、コラーゲン誘発された関節炎のネズミモデル(上記例31A)から、LPS攻撃の日(0日目)に対して0, 7, 14, 21及び28日目に集めた。血清サンプルを、抗−コラーゲン抗体力価についてELISAによりスクリーンした。PBS対照に比較して、抗−コラーゲン抗体のレベルに対する100μg又は10μg処理グループにおけるzcytor16処理の統計学的に有意な効果は存在しなかった。抗−コラーゲンELISA方法及び材料の記載は下記の通りである。
抗−コラーゲンELISAのために使用される試薬は、Maxisorp96−ウェルマイクロタイタープレート(NUNC, Ruchester, NY)、ニワトリ第II型コラーゲン(Chondrex, Redmond, WA), Super Block (Pierce, Rockford, IL)、ホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP)−接合されたヤギ抗−マウスIgG+A+M(H+L)(zymed, South San Francisco, CA)及びo-フェニレンジアミンジヒドロクロリド基質(Pierce, Rockford, IL)であった。すべてのアッセイに使用される緩衝液は、ELISA B希釈緩衝液(PBS+0.1%BSA+0.05% Tween (Sigma, St. Louis, MO)、ELISA C洗浄緩衝液(PBS+0.05 Tween)及びNovoD展開緩衝液(0.063Mのクエン酸ナトリウム、0.037Mのクエン酸)、H2O2 (Sigma) 及び1Nの1NのH2SO4(VWR、Tukwill, WA)であった。
約100μlの末梢血液を、逆−眼窩出血により、血清分離器管(Becton Dickinson)中に集めた。血清を遠心分離(2〜3分、16,000×g, 4〜6℃)により集め、そして分析まで、−20℃で貯蔵した。抗−コラーゲンIg抗体レベルを決定するために、NUNCプレートを、10μg/mlのニワトリ第II型コラーゲン(Chondnex, Redmond, WA)により被覆し、そして4℃で一晩インキュベートした。プレートをELISA Cにより洗浄し、Super Block (Pierce, Rockford, IL) により阻止し(5分、室温)、そしてELISA Cにより洗浄した。希釈された血清サンプル(5倍のELISA Bにおいて、1:5000から1:625,000に希釈された)を、ElISAプレートに三重反復して添加し、そしてプレートを4℃で一晩インキュベートした。
インキュベーションの後、プレートをELISA Cにより洗浄し、そしてペルオキシダーゼ−ラベルされたヤギ抗−マウスIg Fc (Zymed, ELISA Bにおいて1:2000) を添加した。プレートをインキュベートし(室温、90分)、ELISA Cを用いて再びすすぎ、そしてHRP活性を、o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド基質(10mlのNovoD+1錠剤OPD+10μlのH2O2, Pierce)を用いて進行せしめた。反応を1NのH2SO4により停止した。1:25,000の希釈での血清サンプルの相対的光学密度測定を、Spectra MAX 190を用いて、490nmで取り、そしてデータを、SoftMax Proソフトフェア(Molecular Devices Corporation, Palo Alto, CA)を用いて分析した。
C. マウスCIAモデルにおけるIL-6及びSAA分析
0日目の血清サンプルを、25μgのLPSの腹腔内投与後4時間でCIAマウス(上記例31A)から収穫した。サンプルを、Biosource International (Camarillo, CA) から購入された市販のELISAキットにより、その製造業者の説明書に従って、IL-6及び血清アミロイドA(SAA)濃度についてのスクリーンした。
IL-6レベルは、それぞれ、100μgのzcytor16, 10μgのzcytor16及びPBS対照にゆだねられたマウスグループにおいて、9651±1563pg/ml, 10,865±1478pg/ml及び15,000±2,099pg/mlであった。100μgの用量のzcytor16に暴露されたCIAマウスのグループにおけるIL-6濃度は、p=0.0351を伴って、PBS対照マウスに比較して有意に低かった。統計学的有意性を、5%の有意性レベルを伴って、Fisher’s PLSDを用いて計算した(ABACUS Concepts, INC, Berkeley, CA)。
さらに、SAA濃度は、それぞれ、100μgのzcytor16, 10μgのzcytor16及びPBS対照グループにゆだねられたマウスグループにおいて、381±40μg/ml, 348±37μg/ml及び490±50μg/mlであった。10μgの用量のzcytor16に暴露されたマウスCIAマウスのグループにおけるSAA濃度は、p=0.0257を伴って、PBS対照マウスに比較して有意に低かった。統計学的有意性を、5%の有意性レベルを伴って、Fisher’s PLSDを用いて計算した(ABACUS Concepts, INC, Barkeley, CA)。
例32DSSマウスモデルにおけるIL-TIF受容体、Zcytor11の発現
定量的RT-PCRを行い、DSS-誘発されたIBD(例27)を有するマウスの結腸におけるマウスzcytor11の発現レベルを測定した。RNAを、2,7及び10日目、正常なマウスの結腸、及び処理からのDSS-処理されたマウスの遠位結腸から単離した。RT-PCRを、Applied Biosystems 7700 TaqMan装置及びプロトコールを用いて行った。手短には、“Primer Express”ソフトウェアを用いて、Applied Biosystemsガイドラインに従って、マウスzcytor11配列(ZC39776 (配列番号53) 及びZC39777(配列番号54))及びFAM/TAMRAラベルされたTaqManプローブ(ZC38752(配列番号55))に対するプライマーを企画した。
25ngのRNAを、PE/Applied Biosystems TaqMan EZ RT-PCR Core Reagents及び上記に言及されるプライマー及びプローブと共に、個々の反応に添加した。RT-PCR反応を、次の条件下で二重反復して行った:50℃で2分、60℃で30分、95℃で5分;94℃で20秒及び60℃で1分(40サイクル)。発現値を、既知数の合成マウスzcytor11 RNA転写体の分子の標準曲線に比較し、そして発現を、反応当たりのマウスzcytor11の分子の絶対数として報告する。予備データは、マウスzcytor11発現が、正常マウス結腸における発現レベルに比較される場合、DSS−誘発されたIBDを有する。7日目及び10日目のマウスの遠位結腸においてわずかにダウンレギュレーションされ得ることを示唆する。
例33軽い内毒素血症モデル、すなわちLPS-誘発された内毒素血症マウスモデルにおけるIL-TIF及び前炎症インジケーター
A.LPS-誘発された内毒素血症マウスモデル:LPS-誘発された内毒素血症マウスモデルにおける前炎症性サイトカイン及び体温の評価
インビボ実験を企画し、軽い内毒素血症のマウスLPSモデルにおけるzcytor16の効果を実験した。前記モデルを最初に評価するために、前炎症性サイトカイン及び体温を測定し、前記モデルのための対照データを集めた。
手短には、生後6ヶ月のBalb/c(CRL)雌マウスを、無菌PBS中、25μgのLPS(Sigma)により腹腔内(IP)注射した。血清サンプルを、個々の時点のために8匹のグループから、0,1, 4, 8, 16, 24, 48, 及び72時間で集めた。血清サンプルを、炎症性サイトカインレベルについてアッセイした。IL-1b, IL-6, TNFa, IL-10及び血清アミロイドAタンパク質(SAA)レベルを、Biosource International (Camarillo, CA) から購入した市販のELISAキットを用いて測定した。
TNFaレベルは4000pg/mlでピークに達し、そしてIL-10レベルは、LPS注射の1時間後、341pg/mlであった。LPS注射の4時間後で、IL-6, IL-1b及びIL-10はそれぞれ、6,100pg/ml, 299pg/ml及び229pg/mlであった。血清におけるSAAレベルは、LPS注射4時間後までに、0.405mg/mlであった。血清におけるSAA濃度は、LPS注射の24時間後までに3.9mg/mlに上昇し続けたが、しかしながら、血清における1〜2mg/mlよりも高いSAAレベルは、SAAと他の血清成分との間の相互作用のために、存在するELISAキットにより正確に又は再生可能的に測定することは困難である。それらの結果は、IL-TIF(例33B)の他に、前炎症性サイトカインが実際、このモデルにおいて生成されたことを示唆した。従って、次の基準が、軽い内毒素血症のLPSモデルのための生物学的マーカーとして確立された:LPS注射の1時間後のTNFa血清レベル、LPS注射の4時間後のIL-6血清レベル及びLPS注射の4及び8時間後のSAA血清レベル。
別々の動物のグループにおける体温を、72時間の実験の間、手術により移植された遠隔計測装置によりモニターした。マウスにおける体温は、LPS注射の30分後、37.07℃から34.98℃に2℃最大に低下した。
LPS注射の30分前、100μgのzcytor16-Fc融合タンパク質の注入は、4及び8時間点で、SAA誘発の約50%を有意に低めたが、ところが10μgのzxytor16-Fcは有意な効果を有さなかった。TNF-α及びIL-6レベルには有意な変化は存在しない。zcytor16注射は、1時間の点で循環における好中球の数を低めた。それは、zcytor16-Fcの投与がSAA誘発に関してzcytor18活性を中和できることを示した。
B. Alamarブルー増殖アッセイにおけるBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を用いてのLPS−誘発された内毒素血症マウスモデルからのマウス血清におけるIL-TIF活性の検出
本明細書に記載されるBaF3/CRF2-4/zcytor11細胞を回転沈降せしめ、そしてPBSにより2度、洗浄し、mIL-3の除去を確かめ、そして次に、回転せしめ、そしてmIL-3を有さない完全培地(RPMI1640, 10%FBS, 1% GlutaMAX, 1%ピルビン酸ナトリウム)(この後、“mIL-3フリー培地”として言及される)に再懸濁した。次に、細胞を血球測定器により計数した。細胞を、mIL-3フリー培地を用いて、ウェル当たり100μlの体積において、5000個の細胞/ウェルで96ウェルにプレートした。
例33Aに記載される実験からのLPS-誘発された内毒素血症マウスからの血清を、プレートの上部列上でmIL-3フリー培地により2%に希釈し、そして次に、96ウェルプレート上の残りの7つの列を、個々のウェルにおいて100μlの体積を残しながら、1:2の比で連続的に希釈した。次に、これを、200μlの合計アッセイ体積において約1, 0.5, 0.25, 0.125, 0.063, 0.031,0.016及び0.008%の最終血清濃度のために、100μlの細胞に添加した。プレートを、37℃で、5%CO2下で16時間、再びインキュベートした。Alamarブルーは、生存細胞の数に基づいて蛍光測定読み取りを付与し、そして従って、負の対照に比較しての細胞増殖の直接的測定である。プレートを、波長530(励起)及び590(発光)で、Wallac Victor2 1420 Multilobel Counter (Wallac, Turku, Finland) 上で読み取った。
結果は、0,1,8及び16時間の点でバックグラウンドレベル以上の有意な増殖を示さなかった。4時間の時点からの血清サンプルは、バックグラウンドよりも4〜10倍以上の増殖の増強を示し、これは、それらのサンプルにおけるIL-TIFの存在を示唆する。
C. LPS−誘発された内毒素血症マウスモデル:zcytor16の効果を評価するための実験
マウスにおいて1回の25μgのLPSのIP投与により誘発された前炎症性インディケーターをもたらすzcytor16処理の能力を試験した。すべてのサンプルを、SAA、IL-TIF及び循環性好中球数について分析した。個々のグループからのサブセットを、特定のサイトカインレベルについて分析した(1時間のサンプルをTNFαについてスクリーンし、4時間のサンプルをIL-6について分析した)。動物を下記表14における示される時点で殺害し、そして全血液及び血清を集め、そして分析のためにアリコートした。
72匹のB1/6雌マウス(CRL)が、下記表に記載のようにして、zcytor16の1回のIP投与を与えられた。対照マウスは、C57B1/6(CRL)であった。
30分後、それらは、内毒素血症カスケードを開始するために、100μl中、25μgのLPS(Sigma)のもう1回のIP注射を受けた。個々のグループにおけるマウスを、表17に示されるように、対応する時点で殺害し、50μlの全血液を集め、循環好中球の合計数を測定し、そして残りを血清のために回転せしめ、そして本明細書に記載される種々のアッセイのためにアリコートした。
Figure 2009183289
D. Zcytor16/Fc4はインビボでSAA誘発を中和する:LPS−誘発された内毒素血症マウスモデルにおいてLPSにより誘発されたSAA発現を示すSAA ELISAはzcytor16-Fc4注射により阻害される
zcytor16がLPS−誘発された内毒素血症マウスモデルにおいてSAA誘発を阻害することができるかどうかを評価するために、マウスは、上記例33Cにおける表14に示されるように、LPS注射の30分前、Zcytor16を注射された。
4及び8時間のサンプルにおけるSAAレベルを決定するためにELISAを、Mouse SAA Immunoassay Kit (BiioSource International, California) を用いて、その製造業者の説明書に従って行った。4時間の時点で、100μg又は10μgのZcytor16により処理されたマウスは、PBS注射されたマウスに比較して、SAAレベルにおいて、用量依存性の、統計学的に有意な低下を示した。8時間の時点で、100μgのZcytor16により処理されたマウスは、PBS注射されたマウスに比較して、SAAレベルにおいて統計学的に有意な低下を示し続けた。これは、zcytor16の存在がインビボでLPSによるSAAの誘発を阻害することを示唆する。
例34FlagTBXzCytor16のバキュロウィルス発現
発現ベクター、すなわちpzBV37L: egtNF(tbx)sCytor16を、上流の6個のアミノ酸のトロンビン切断部位及び酵素切断部位の上流のN−末端Flagエピトープ標識を有するzCytor16ポリペプチドを発現するために企画した。この構造体は、シグナルペプチドが切断された後、可溶性受容体配列の直接的に上流の酵素プロセッシング部位を有するFlag標識されたzCytor16を発現するために使用され得る。
A. pzBV37LegtNF(tbx)sCytor16の構成
それぞれ5’及び3’末端上にBspeI及びXbaI制限部位を含む、698bpのFlagTbxzCytor16フラグメントを、zCytor16 cDNA含有の鋳型から2回のPCR増幅により生成した。プライマーZC40,094 (配列番号58) 及びZC40,943(配列番号57)を、第2回目に使用した。第1回目のPCRに関しては、反応条件は次の通りであった:100μlの体積の反応のためにはExpand High Fidelity PCR System (Boerhinger Mannheim) を使用した;94℃で2分(1サイクル);94℃で15秒、50℃で30秒及び72℃で60秒(35サイクル);72℃で5分(1サイクル);続いて4℃でのソーキング。5μlの第1回の反応混合物を、ゲル電気泳動(1% NuSieveアガロース)により可視化した。
正しいサイズのPCR生成物の存在が確かめられると、第2回のPCRを、鋳型として第1回目の反応物1μlを用いて設定した。第2回目の反応の条件は、第1回目のと同じであった。第2回目のPCR生成物5μlを、ゲル電気泳動(1% Nusieveアガロース)により可視化した。反応混合物の残りを、Qiagen PCR精製キットにより、その製造業者の説明書に従って精製し、そして水30μlに溶出した。cDNAを、37℃で適切な緩衝条件下でBspeI及びXbaI(New England Biolabs, Beverly, MA)を用いて消化した。その消化されたPCR生成物バンドを、1%アガロースTAEゲルに通し、切除し、そしてQIAquickTM Gel Extraction kit (Qiagen, カタログ番号28704) を用いて抽出し、そして30μlの水に溶出した。消化されたFlagTBXzCytor16 PCRを、BspeI及びXbaI部位でベクターpZBV37LのMCS中に連結した。
pZBV37Lベクターは、多面体プロモーターが除去され、そして後期活性化基礎タンパク質プロモーター、及びMCSの上流のEGTリーダーシグナル配列により置換されている、pFastBac1TM (Life Technologies) 発現ベクターの修飾体である。5μlの制限酵素消化されたFlagTBXzCytor16 PCRフラグメント及び約50ngのその対応するpZBV37Lベクターを、適切な緩衝条件下で20μlの体積において16℃で一晩、連結した。5μlの連結混合物を用いて、2mmのギャップのエレクトロポレーションキュベットにおいて、400オーム、2V及び25μFでのエレクトロポレーションにより、50μlのElectoMACTM DH12sTM 細胞(Life Technologies, カタログ番号18312-017)を形質転換した。形質転換された細胞を、350μlのSOC培地(2% Bacto Tryptone, 0.5% Bacto Yeast Extract, 10ml の1MのNacl, 1.5mMのKCl, 10mMのMgCl2, 10mMのMgSO4及び20mMのグルコース)に希釈し、37℃で1時間、増殖し、そして50μlの前記希釈溶液を、100μg/mlのアンピシリンを含むLBプレート上にプレートした。
クローンをPCRにより分析し、そして陽性クローンを選択し、プレートし、そして配列決定のために提出した。正しい配列が確かめられると、25ngの陽性クローンDNAを用いて、42℃の熱ブロックにおいて45秒間の熱ショックにより、100μlのDH10BacTM Efficiency(商標)コンピテント細胞(GIBCO−BRL、カタログ番号10361-012)を形質転換した。37℃で1時間、増殖された前記形質転換されたDH10BacTM 細胞を、900μlのSOC培地(2% Bacto Tryptone, 0.5% Bacto Yeast Extract, 10ml の1MのNacl, 1.5mMのKCl, 10mMのMgCl2, 10mMのMgSO4及び20mMのグルコース)に希釈し、そしてその溶液100μlを、50μg/mlのカナマイシン、7μg/mlのゲンタマイシン、10μg/mlのテトラサイクリン、40μg/mlのIPTG及び200μg/mlのBluo Galを含むLuria Agarプレート上にプレートした。
前記プレートを、37℃で48時間インキュベートした。色彩選択を用いて、トランスポーズされたウィルスDNA(“bacmid”として言及される)を有するそれらの細胞を同定した。白色であるそれらのコロニーを、分析のために採取した。コロニーをPCRにより分析し、そして陽性コロニー(所望するbacmidを含む)を、増殖するために選択した。クローンを、プライマーZC447(配列番号34)及びZC976(配列番号7)を用いてのPCRを通して、bacmidにおけるトランスポーズ可能な要素に対するプライマーを用いて、DNAを増殖することによって、正しい分子量の挿入体についてスクリーンした。PCR反応条件は次の通りであった:94℃で2分(1サイクル);94℃で10秒、50℃で30秒、及び72℃で120秒(25サイクル);72℃で5分(1サイクル);続いて4℃でのソーキング。PCR生成物を1%アガロースゲル上で展開し、挿入体サイズを調べた。正しいサイズの挿入体を有するそれらを増殖し、そしてbacmid DNAを単離し、そして精製した。このbacomid DNAを用いて、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞をトランスフェクトした。
B.トランスフェクション
Sf9細胞を、6−ウェルプレートに1×106個の細胞/プレートで接種し、そして27℃で1時間、結合せしめた。約5μgのbacmid DNAを、100μlのSf-900 II SFM (Life Technologies) により希釈した。20μlのLipofectamineTM 試薬(Life Technologies, カタログ番号18324-012)を、100μlのSf-900 II SFMにより希釈した。bacmid DNA及び脂質溶液を軽く混合し、そして室温で45分間インキュベートした。800μlのSf-900 II SFMを、前記脂質−DNA混合物に添加した。細胞を27℃で一晩インキュベートした。DNA−脂質混合物を吸出し、そして2mlのSf−900 II培地を個々のプレートに添加した。プレートを、27℃、90%の温度で約7日間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した。
C.増幅
Sf9細胞を、2mlのSF-900 IIを含む6−ウェルプレートに1×106個の細胞/プレートで接種した。トランスフェクションプレートからのウィルス500μlをウェルに配置し、プレートを、27℃、90%の温度で96時間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した(一次増幅)。
第2回目の増幅を次の通りに進行せしめた:Sf9細胞を、2mlのSF-900 IIを含む6−ウェルプレートに、1×106個の細胞/プレートで接種した。一次増幅プレートからのウィルス100μlを、ウェルに配置し、そしてプレートを、27℃、90%の温度で144時間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した(二次増幅)。
追加の増幅を行った(三次増幅)。Sf9細胞を、250mlの振盪フラスコにおいて、50mlのSf−900 II SFM中で約1×106個の細胞/mlの密度に増幅した。次に、それらを、上記プレートからのウィルスストック1mlにより感染せしめ、そして27℃で4日間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した。
このウィルスストックを、増殖阻害曲線により滴定し、そして1のMOIを示す力価培養物を合計48時間、進行せしめた。上清液を、N-末端Flagエピトープに対して特異的なモノクローナル抗体及びHRP接合されたGt及びMu二次抗体を用いて、ウェスターンブロットにより分析した。結果は、約30kDaのバンドを示した。上清液をまた、活性分析のために提供した。
次に、多量のウィルスストックを次の方法により生成した:SF9細胞を、2800mlのフラスコにおいて、1LのSf−900 II SFM中において、約1×106個の細胞/mlの密度まで増殖した。次に、それらを、三次増幅からのウィルスストック5mlにより感染せしめ、そして27℃で96時間インキュベートし、この後、ウィルスを収穫した。
大規模感染を完結し、下流の精製のために材料を提供した。
前述から、本発明の特定の態様が例示目的のために本明細書に記載されて来たが、種々の修飾が本発明の範囲内で行われ得ることは理解されるであろう。

Claims (58)

  1. (a)アミノ酸残基28〜127;
    (b)アミノ酸残基132〜231;
    (c)アミノ酸残基28〜231;
    (d)アミノ酸残基23〜230;
    (e)アミノ酸残基23〜231;及び
    (f)アミノ酸残基22〜230;
    から成る群からのアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
  2. 前記ポリペプチドが、
    (a)アミノ酸残基28〜127;
    (b)アミノ酸残基132〜231;
    (c)アミノ酸残基28〜231;
    (d)アミノ酸残基23〜230;
    (e)アミノ酸残基23〜231;及び
    (f)アミノ酸残基22〜230;
    から成る群からのアミノ酸配列から成る請求項1記載の単離されたポリペプチド。
  3. 前記単離されたポリペプチドが、配列番号2のいずれかのアミノ酸残基28〜231を含んで成る請求項1記載の単離されたポリペプチド。
  4. (a)配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、あるいは(b)配列番号1のヌクレオチド64、67,82もしくは94〜693のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子にストリンジェントな洗浄条件の後にハイブリダイズして残る核酸分子、又は配列番号1のヌクレオチド64、67、82もしくは94〜694のヌクレオチド配列の相補体から成る核酸分子、あるいは(c)配列番号1もしくは37、又は配列番号1もしくは37のヌクレオチド配列の相補体のいずれかである単離された核酸分子。
  5. 前記核酸分子によりコードされるアミノ酸配列と、配列番号3のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異が、保存性アミノ酸置換による請求項4記載の単離された核酸分子。
  6. 配列番号1のヌクレオチド64〜693もしくは82〜693のヌクレオチド配列を含んで成る請求項4記載の単離された核酸分子。
  7. 請求項6記載の単離された核酸分子を含んで成るベクター。
  8. 請求項6記載の単離された核酸分子、転写プロモーター及び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターであって、前記プロモーターが前記核酸分子により作用可能に連結され、そして前記核酸分子が前記転写ターミネーターにより作用可能に連結される発現ベクター。
  9. 細菌、酵母細胞、菌類細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞及び植物細胞の群から選択された、請求項8記載の発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
  10. タンパク質の生成方法であって、請求項8記載の発現ベクターを含んで成り、そして前記タンパク質を生成する組換え宿主細胞を培養することを含んで成る方法。
  11. 前記培養された組換え宿主細胞から前記タンパク質を単離することをさらに含んで成る請求項10記載の方法。
  12. 請求項2記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体又は抗体フラグメント。
  13. 前記抗体が、(a)ポリクローナル抗体、(b)ネズミモノクローナル抗体、(c)前記(b)に由来するヒト型化抗体、(d)抗体フラグメント、及び(e)ヒトモノクローナル抗体から成る群からである請求項12記載の抗体。
  14. 請求項12記載の抗体と特異的に結合する抗−イディオタイプ抗体。
  15. 請求項2記載のポリペプチドを含んで成る融合タンパク質。
  16. 前記融合タンパク質が、免疫グロブリン成分をさらに含んで成る請求項15記載の融合タンパク質。
  17. アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成し、そして前記ポリヌクレオチド配列によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがIL−TIFと結合するか、又はIL−TIF活性と拮抗することを特徴とする単離されたポリヌクレオチド。
  18. 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成る請求項17記載の単離されたポリヌクレオチド。
  19. 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項17記載の単離されたポリヌクレオチド。
  20. 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがさらに、細胞内ドメインをコードする請求項17記載の単離されたポリヌクレオチド。
  21. 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがさらに、親和性標識を含んで成る請求項17記載の単離されたポリヌクレオチド。
  22. 次の作用可能に連結された要素:
    (a)転写プロモーター;アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸配列を有する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする第1DNAセグメント;及び転写ターミネーター;並びに
    (b)第2転写プロモーター;可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをコードする第2DNAセグメント;及び転写ターミネーターを含んで成り、
    ここで前記第1及び第2DNAセグメントが単一の発現のベクター内に含まれるか、又は独立した発現ベクター内に含まれることを特徴とする発現ベクター。
  23. 前記第1及び第2DNAセグメントに作用可能に連結された分泌シグナル配列をさらに含んで成る請求項22記載の発現ベクター。
  24. 前記第2DNAセグメントが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るポリペプチドをコードする請求項22記載の発現ベクター。
  25. 請求項22記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞であって、前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養された細胞。
  26. 請求項22記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞であって、前記第1及び第2DNAセグメントが独立した発現ベクター上に位置し、そして細胞中に同時トランスフェクトされ、そして細胞が前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養された細胞。
  27. 請求項22記載の発現ベクターを導入されている培養された細胞であって、前記DNAセグメントによりコードされるヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体ポリペプチドを発現する培養された細胞。
  28. 前記細胞が、可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドヘテロダイマー又はマルチマー複合体を分泌する請求項25記載の細胞。
  29. 前記細胞が、IL−TIFを結合し、又はIL−TIF活性を拮抗する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドヘテロダイマー又はマルチマー複合体を分泌する請求項25記載の細胞。
  30. 下記成分:
    アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を有するポリペプチドをコードする第1DNAセグメント;及び
    可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをコードする少なくとも1つの他のDNAセグメントを含んで成る融合タンパク質をコードするDNA構造体であって、
    前記第1及び他のDNAセグメントが読み取り枠を整合して連結され;そして
    前記第1及び他のDNAセグメントが前記融合タンパク質をコードすることを特徴とするDNA構造体。
  31. 少なくとも1つの他のDNAセグメントが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るポリペプチドをコードする請求項30記載のDNA構造体。
  32. 次の作用可能に連結された要素:
    転写プロモーター:
    請求項30記載の融合タンパク質をコードするDNA構造体:及び
    転写ターミネーター;
    を含んで成る発現ベクターであって、前記プロモーターが前記DNA構造体に作用可能に連結され、そして前記DNA構造体が前記転写ターミネーターに作用可能に連結されることを特徴とする発現ベクター。
  33. 請求項32記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞であって、前記DNA構造体によりコードされるポリペプチドを発現する細胞。
  34. 融合タンパク質の生成方法であって、
    請求項33記載の細胞を培養し;そして
    前記細胞により生成されるポリペプチドを単離することを含んで成る方法。
  35. アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る単離された可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドであって、前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成し、そして前記ポリヌクレオチド配列によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがIL−TIFを結合するか、又はIL−TIF活性を拮抗することを特徴とする単離されたポリヌクレオチド。
  36. 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項35記載の単離されたポリペプチド。
  37. 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項35記載の単離されたポリペプチド。
  38. 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、親和性標識、化学的成分、毒素又はラベルをさらに含んで成る請求項35記載の単離されたポリペプチド。
  39. 可溶性受容体サブユニットを含んで成り、ここで前記可溶性受容体サブユニットの少なくとも1つが、アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体複合体。
  40. 可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをさらに含んで成る請求項39記載の単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体複合体。
  41. 可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytorII受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成る請求項39記載の単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体複合体。
  42. ヘテロダイマー又はマルチマー複合体を形成する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドの生成方法であって、
    請求項25記載の細胞を培養し;そして
    前記細胞により生成される可溶性受容体ポリペプチドを単離する;
    ことを含んで成る方法。
  43. 可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドに対する抗体を生成するための方法であって、
    下記群:
    (a)アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなポリペプチドを含んで成るモノマー又はホモダイマー可溶性受容体を含んで成るポリペプチド;
    (b)可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る可溶性サイトカイン受容体へテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成る(a)のポリペプチド;
    (c)可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成る(a)のポリペプチド;及び
    (d)可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)を含んで成る可溶性サイトカイン受容体へテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成る(a)のポリペプチドからの可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドにより動物を接種し;ここで前記ポリペプチドが、抗体を生成するために前記動物において免疫応答を誘発し;そして
    前記動物から抗体を単離することを含んで成る方法。
  44. アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなポリペプチドを含んで成るホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体に対して特異的に結合する、請求項43記載の方法により生成される抗体。
  45. 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項44記載の抗体。
  46. 請求項39記載のホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体に対して特異的に結合する抗体。
  47. 造血細胞及び造血細胞前駆体のIL−TIF−誘発された増殖又は分化を阻害するための方法であって、可溶性サイトカイン受容体の不在下で培養される骨髄又は末梢血液細胞に比較して、骨髄又は末梢血液細胞における造血細胞の増殖又は分化を低めるのに十分な量の、アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるような可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る組成物と共に骨髄又は末梢血液細胞を培養することを含んで成る方法。
  48. 前記造血細胞及び造血前駆体細胞が、リンパ球である請求項47記載の方法。
  49. 前記リンパ球が、マクロファージ又はT細胞である請求項48記載の方法。
  50. IL−TIF−誘発された又はIL−9誘発された炎症を低めるための方法であって、炎症を低めるために十分な量の、アミノ酸28〜231からの配列番号2に示されるようなポリペプチドの組成物を、炎症を有する哺乳類に投与することを含んで成る方法。
  51. 炎症を有する哺乳類において炎症応答を抑制するための方法であって、
    (1)血清アミロイドAタンパク質のレベルを決定し;
    (2)医薬的に許容できるビークル中、請求項35記載の可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含んで成る組成物を投与し;
    (3)血清アミロイドAタンパク質の後−投与レベルを決定し;
    (4)段階(3)における血清アミロイドAタンパク質のレベルに、段階(1)における血清アミロイドAタンパク質のレベルを比較することを含んで成り、ここで血清アミロイドAタンパク質レベルの上昇又は下降の欠失が炎症応答の抑制の表示である方法。
  52. 患者における癌を検出するための方法であって、
    患者から組織又は生物学的サンプルを得;
    前記組織又は生物学的サンプルを、請求項12記載の抗体と共に、前記抗体が前記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに結合する条件下でインキュベートし;
    前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体を可視化し;そして
    正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおける結合される抗体のレベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇が前記患者における癌の表示である方法。
  53. IL−TIF又は血清アミロイドAが役割を演じる炎症性疾患を有する哺乳類の処理方法であって、
    炎症が減じられるよう、前記哺乳類にIl−TIF又は血清アミロイドAのアンタゴニストを投与することを含んで成り、ここで前記アンタゴニストが、
    (a)配列番号2のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメント;
    (b)配列番号34のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメントを含んで成る可溶性受容体;
    (c)配列番号2のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメントを特異的に結合する抗体;及び
    (d)IL−TIFのポリペプチド又はポリペプチドフラグメント(配列番号15)を特異的に結合する抗体又は結合ポリペプチドから成る群からである方法。
  54. 前記疾患が慢性炎症性疾患である請求項53記載の方法。
  55. 前記疾患が、
    (a)炎症性腸疾患:
    (b)潰瘍性大腸炎;
    (c)クローン病;
    (d)関節炎;及び
    (e)乾癬から成る群からの慢性炎症性疾患である請求項54記載の方法。
  56. 前記疾患が急性炎症性疾患である請求項53記載の方法。
  57. 前記疾患が、
    (a)内毒素血症;
    (b)敗血症;
    (c)毒性ショック症候群;及び
    (d)感染性疾患から成る群からの急性炎症性疾患である請求項56記載の方法。
  58. zcytor11のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメント(配列番号34)を含んで成る前記アンタゴニスト可溶性受容体がさらに、CRF2−4のポリペプチド又はサイトカイン結合ドメインフラグメント(配列番号35)を含んで成る請求項53記載の方法。
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