JP2009182759A - ハウリング抑制装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウリングを有効に抑制する。
【解決手段】ハウリング抑制装置20は、収音機器12と放音機器14とを含む音響系で発生するハウリングを抑制する。推定部22は、放音機器14から収音機器12に到達する帰還音を推定することで推定信号RE(z)を生成する。調整部32は、推定信号RE(z)を調整することで推定信号SS(z)を生成する。スペクトル減算部34は、音響信号X2(z)の周波数スペクトルから推定信号SS(z)の周波数スペクトルを減算した結果を利用して音響信号X3(z)を生成する。フィルタ部42は、音響信号X3(z)のうちハウリング周波数Fを含む周波数帯域の成分を抑制して音響信号X4(z)を生成する。音響信号X4(z)を増幅器50にて増幅した音響信号Y(z)が放音機器14に供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハウリングを抑制する技術に関する。
収音機器と放音機器とを含む音響系で発生するハウリングを抑制する各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、放音機器から収音機器に到達する音響(以下「帰還音」という)を推定した信号(以下「推定信号」という)を生成する適応フィルタと、収音機器が生成した音響信号から時間領域にて推定信号を減算する演算器とを具備するハウリング抑制装置が開示されている。
特開2006−217542号公報
しかし、特許文献1の技術においてはハウリングの原因となる成分を音響信号から完全には除去し切れない場合がある。例えば、音響信号と推定信号とで位相が相違する場合には帰還音の成分(ハウリングの原因となる成分)が演算器による演算後の音響信号に残存し、当該成分が音響系内を循環することでハウリングが累積的に増大する。以上の事情を考慮して、本発明は、ハウリングを有効に抑制することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明のハウリング抑制装置は、収音機器と放音機器とを含む音響系で発生するハウリングを抑制する装置であって、放音機器から収音機器に到達する帰還音を推定して推定信号を生成する推定手段と、収音機器から放音機器に至る音響信号の周波数スペクトル(例えば図1における音響信号X2(z)の周波数スペクトルや図2または図3における音響信号X1(z)の周波数スペクトル)から推定信号に対応した周波数スペクトル(例えば図1における推定信号SS(z)の周波数スペクトルや図2または図3における推定信号RE(z)の周波数スペクトル)を減算するスペクトル減算手段とを具備する。
以上の構成においては、帰還音を推定した推定信号が周波数領域で音響信号から減算されるから、例えば音響信号と推定信号(帰還音)とで位相が相違する場合であっても、ハウリングの原因となる帰還音を音響信号から有効に抑制することが可能である。なお、ハウリングとは、音響信号が完全に発振し切った状態だけでなく、帰還音に起因して音響信号の強度が現に増大しつつある状態も包含する概念である。また、例えば、帰還音の時間波形を表す信号(推定信号)を生成する手段や帰還音の周波数特性(周波数スペクトル)を特定する手段が本発明の推定手段として好適に採用される。
本発明の好適な態様において、推定手段は、音響信号から推定信号を減算する演算手段と、演算手段による減算後の音響信号(例えば図1や図2の音響信号X2(z))が最小となるように推定信号を特定する適応フィルタとを含む。以上の態様によれば、推定手段に適応フィルタが利用されるから、帰還音の特性を高精度に推定した推定信号を生成することが可能となる。なお、推定信号に対応した周波数スペクトルをスペクトル減算手段が減算する対象となる音響信号は、演算手段による減算後の音響信号(例えば図1の音響信号X2(z))および減算前の音響信号(例えば図2の音響信号X1(z))の何れでもよい。
本発明の好適な態様に係るハウリング抑制装置は、推定手段が生成した推定信号を調整する調整手段を具備し、スペクトル減算手段は、調整手段による調整後の推定信号(例えば図1の推定信号SS(z))の周波数スペクトルを音響信号の周波数スペクトルから減算する。以上の態様においては、推定手段の生成した推定信号が調整部にて調整されるから、調整の態様を適宜に選定することで音響信号内の帰還音の成分を充分に抑制する(したがってハウリングを抑制する)ことが可能である。
本発明の好適な態様に係るハウリング抑制装置は、ハウリング周波数(ハウリングが発生した周波数)を特定する周波数特定手段と、音響信号(例えば図1から図3における音響信号X1(z)〜X4(z)または音響信号Y(z))のうちハウリング周波数を含む周波数帯域の成分を抑制するフィルタとを具備する。例えば推定手段による帰還音の推定が音響系の特性の急激な変化に追従できない場合、スペクトル減算手段による減算のみではハウリングを完全には抑制できない可能性がある。以上の態様によれば、音響信号のうち実際にハウリングが発生した周波数を含む周波数帯域の成分が抑制されるから、スペクトル減算手段による減算のみではハウリングを完全には抑制できない場合であっても有効にハウリングを抑制することが可能である。
本発明に係るハウリング抑制装置は、音響信号の処理に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明に係るプログラムは、収音機器と放音機器とを含む音響系で発生するハウリングを抑制するためのプログラムであって、放音機器から収音機器に到達する帰還音を推定して推定信号を生成する推定処理と、収音機器から放音機器に至る音響信号の周波数スペクトルから推定信号に対応した周波数スペクトルを減算するスペクトル減算処理とをコンピュータに実行させる。以上のプログラムによっても、本発明に係る音処理装置と同様の作用および効果が奏される。なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされる。
<A:音処理装置の形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るハウリング抑制装置を利用した拡声装置のブロック図である。拡声装置100は、周囲の音響(音声や楽音)の音量を調整して放射する装置であり、収音機器12と放音機器14とハウリング抑制装置20とを具備する。なお、以下では説明の簡略化のために、総ての信号や音響を便宜的に周波数領域の成分(引数z)として表記する。
収音機器(例えばマイクロホン)12は、周囲の音響に応じた音響信号X1(z)を生成してハウリング抑制装置20に供給する。ハウリング抑制装置20は、音響信号Y(z)を生成して放音機器14に出力する。放音機器(例えばスピーカ装置)14は、音響信号Y(z)に応じた音波を放射する。
放音機器14から放射された音波の一部は帰還音として収音機器12に到達する。すなわち、収音機器12と放音機器14とはループ状の音響系を構成する。したがって、音響系の全体における利得が1を上回る場合にはハウリングが発生する。ハウリング抑制装置20は、ハウリングを抑制するための処理を音響信号X1(z)に対して実行することで音響信号Y(z)を生成する。
図1に示すように、ハウリング抑制装置20は、推定部22と調整部32とスペクトル減算部34とフィルタ部42と増幅器50とを具備する信号処理装置(DSP)である。なお、プログラムを実行することで図1の各要素として機能する演算処理装置(CPU)によってもハウリング抑制装置20は実現される。
推定部22には収音機器12の生成した音響信号X1(z)が供給される。なお、実際には収音機器12からの出力信号がA/D変換器を介してデジタルの音響信号X1(z)に変換されるが、A/D変換器の図示は便宜的に省略されている。
図1に示すように、収音機器12には、拡声の対象となる音響(以下「被拡声音」という)に加えて、放音機器14から収音機器12までの音波の経路に応じた伝達特性H(z)を放音機器14からの放射音(Y(z))に付加した帰還音とが到来する。したがって、推定部22に供給される音響信号X1(z)は、以下の式(1)に示すように、帰還音に対応する帰還音信号R(z)(R(z)=H(z)・Y(z))と被拡声音に対応する信号S(z)との加算に相当する。
X1(z)=S(z)+R(z)
=S(z)+H(z)・Y(z) ……(1)
推定部22は、放音機器14から収音機器12に到達する帰還音(R(z))を推定することで、帰還音信号R(z)を模擬した推定信号RE(z)を生成する。本形態の推定部22は演算部221と適応フィルタ223とで構成される。演算部221は、音響信号X1(z)から推定信号RE(z)を減算することで音響信号X2(z)を生成する。適応フィルタ223には、演算部221が出力した音響信号X2(z)と放音機器14に供給される音響信号Y(z)(あるいは音響信号Y(z)を遅延させた信号)が供給される。適応フィルタ223は、音響信号X2(z)の強度が最小となるように推定信号RE(z)を特定する。さらに詳述すると、適応フィルタ223は、放音機器14に供給される音響信号Y(z)と演算部221が算定した音響信号X2(z)に応じて複数のフィルタ係数を随時に調整することで、帰還音の経路の伝達関数H(z)を推定した伝達関数HE(z)を設定し、伝達関数HE(z)を音響信号Y(z)に乗算することで推定信号RE(z)(RE(z)=HE(z)・Y(z))を生成する。したがって、音響信号X2(z)は以下の式(2)で表現される。
X2(z)=X1(z)−RE(z)
=X1(z)−HE(z)・Y(z) ……(2)
式(2)のように音響信号X2(z)は音響信号X1(z)から推定信号RE(z)を減算することで生成されるが、音響信号X2(z)には帰還音信号R(z)の成分が残存する場合がある。例えば、演算部221による減算は実際には時間領域で実行されるから、推定信号RE(z)が帰還音信号R(z)に充分に近似する場合であっても、音響信号X1(z)と推定信号RE(z)との位相が相違する場合には音響信号X2(z)に帰還音信号R(z)の成分が残存する。音響信号X2(z)に残存した帰還音信号R(z)の成分が放音機器14と収音機器12で構成される音響系を循環する従来の構成においては、当該成分が累積的に増大してハウリングを発生させる。
図1の調整部32およびスペクトル減算部34は、音響信号X2(z)に残存した帰還音信号R(z)を抑圧するための手段である。調整部32は、適応フィルタ223が生成した推定信号RE(z)を調整することで当該推定信号RE(z)に対応する推定信号SS(z)を生成する。推定信号SS(z)は、調整部32の伝達関数HA(z)を含む以下の式(3)で表現される。
SS(z)=HA(z)・RE(z) ……(3)
スペクトル減算部34は、推定信号RE(z)に応じた推定信号SS(z)を周波数領域で音響信号X2(z)から減算(スペクトルサブトラクション)することで音響信号X3(z)を生成する。さらに詳述すると、スペクトル減算部34は、以下の式(4)に示すように、音響信号X2(z)の周波数スペクトル(振幅スペクトルまたはパワースペクトル)から推定信号SS(z)の周波数スペクトル(振幅スペクトルまたはパワースペクトル)を減算して生成された周波数スペクトルを音響信号X2(z)の振幅スペクトルとして設定することで音響信号X3(z)を生成する。
X3(z)=X2(z)(|X2(z)|2−|Ss(z)|2)/|X2(z)|2
=X2(z)(|X2(z)|2−|HA(z)・RE(z)|2)/|X2(z)|2
=X2(z)(|X2(z)|2−|HA(z)・HE(z)・Y(z)|2)/|X2(z)|2 ……(4)
音響信号X2(z)は音響信号X1(z)から推定信号RE(z)を減算した信号であるから(式(1))、スペクトル減算部34が音響信号X2(z)の周波数スペクトルから推定信号RE(z)の周波数スペクトルを減算するとすれば、音響信号X2(z)における推定信号RE(z)(帰還音信号R(z))の抑圧が過剰となる。そこで、調整部32は、推定信号RE(z)の強度を低下させることで推定信号SS(z)を生成する。したがって、例えば1未満の所定の正数を推定信号RE(z)に乗算する乗算器が調整部32として好適に採用される。以上のように調整部32の伝達関数HA(z)を適宜に調整することで、音響信号X2(z)に残存する帰還音信号R(z)の成分を充分に抑圧することが可能である。なお、調整部32は、推定信号RE(z)の強度の調整に加えて、推定信号RE(z)を遅延させる処理を実行してもよい。
ところで、帰還音のうちハウリングを発生させる持続的な成分は演算部221およびスペクトル減算部34の作用で確かに抑制される。しかし、例えば音響系の特性(特に伝達関数H(z))が急激に変化したような場合には、適応フィルタ223の推定が特性の変化に充分に追従できない(推定信号RE(z)と帰還音信号R(z)との相違が拡大する)から、帰還音信号R(z)の抑圧が不充分となってハウリングが発生する可能性がある。図1のフィルタ部42は、音響信号X3(z)のうち実際にハウリングが発生している成分を抑制する手段である。
フィルタ部42は、周波数特定部421とフィルタ423とを具備する。周波数特定部421は、ハウリングが発生している周波数(以下「ハウリング周波数」という)Fを特定する。ハウリング周波数Fの特定には公知の技術が任意に採用される。例えば、音響信号X2(z)の周波数スペクトルのピークを検出することでハウリング周波数Fを特定する手段や、音響信号X2(z)を複数の周波数帯域に分離した各成分の強度からハウリング周波数Fを特定する手段が周波数特定部421として好適である。
フィルタ423は、スペクトル減算部34による処理後の音響信号X3(z)のうち周波数特定部421が特定したハウリング周波数Fを含む周波数帯域の成分を抑制することで音響信号X4(z)を生成する。例えば、音響信号X3(z)のうちハウリング周波数Fを中心とする狭帯域の成分が減衰するように周波数特性が可変に制御されるノッチフィルタがフィルタ423として好適である。なお、ハウリングが発生していない状況ではハウリング周波数Fが特定されないから、フィルタ423は、音響信号X3(z)の全成分を音響信号X4(z)として通過させる。
増幅器50は、フィルタ部42が生成した音響信号X4(z)を増幅することで音響信号Y(z)を生成する。増幅器50のゲインは、例えば利用者からの指示に応じて可変に制御される。増幅器50が出力する音響信号Y(z)は、放音機器14に供給されて音波として放射されるとともに、推定部22(適応フィルタ223)に供給されて推定信号RE(z)の生成に使用される。なお、実際には増幅器50の出力した音響信号Y(z)がD/A変換器を介してアナログ信号に変換されたうえで放音機器14に供給されるが、D/A変換器の図示は便宜的に省略されている。
以上に説明した本形態においては、周波数領域で音響信号X2(z)から推定信号SS(z)が減算されるから、音響信号X2(z)と推定信号RE(z)(推定信号SS(z))との位相が相違する場合であっても、音響信号X2(z)内の帰還音信号R(z)は充分に抑制される。したがって、音響信号X1(z)から時間領域にて推定信号RE(z)を減算する構成のみでハウリングを抑制する場合と比較してハウリングを有効に抑制することが可能である。
ところで、周波数領域で信号間の減算を実行する技術として、音響信号の周波数スペクトルから雑音の周波数スペクトルを減算することで雑音を抑圧する方法(スペクトルサブトラクション)が従来から提案されている。雑音の周波数スペクトルは、例えば音響信号のうち無音の区間(目的音が存在しない区間)を利用して推定されるから、音響信号から減算される雑音の周波数スペクトルと、音響信号のうち目的音が存在する区間における雑音の周波数スペクトルとは完全には合致しない。したがって、周波数スペクトルの減算後に残存した雑音の成分が耳障りなミュージカルノイズとして受聴者に知覚されるという問題がある。
本形態においては、適応フィルタ223を使用することで帰還音(帰還音信号R(z))が高精度に推定されるから、音響信号の無音の区間から雑音の周波数スペクトルを減算する場合に問題となるミュージカルノイズは発生し難い。また、帰還音信号R(z)は被拡声音の信号S(z)に近似するから、音響信号X4(z)に帰還音信号R(z)の成分が残存したとしても、ミュージカルノイズのような雑音は殆ど受聴者に認識されないという利点がある。
<B:第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に係るハウリング抑制装置20を利用した拡声装置100のブロック図である。なお、以下の各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図2に示すように、収音機器12が生成した音響信号X1(z)は推定部22(演算部221)とスペクトル減算部34とに供給される。演算部221が生成した音響信号X2(z)はスペクトル減算部34に供給されない。すなわち、音響信号X2(z)は、適応フィルタ223による推定信号RE(z)の生成(帰還音の推定)のみに使用され、スペクトル減算部34による帰還音信号R(z)の抑制には利用されない。スペクトル減算部34は、適応フィルタ223が生成した推定信号RE(z)の周波数スペクトルを音響信号X1(z)の周波数スペクトルから減算した結果を利用して音響信号X3(z)を生成する。
推定信号RE(z)は帰還音信号R(z)を推定した信号であるから、音響信号X1(z)の周波数スペクトルから推定信号RE(z)の周波数スペクトルをスペクトル減算部34にて減算することで、第1実施形態と同様に帰還音信号R(z)を抑制することが可能である。したがって、本形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、推定信号RE(z)を調整することで推定信号SS(z)を生成する調整部32を図2の適応フィルタ223とスペクトル減算部34との間に配置し、スペクトル減算部34が音響信号X1(z)から推定信号SS(z)を減算する構成も採用される。
<C:第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態に係るハウリング抑制装置20を利用した拡声装置100のブロック図である。図3のハウリング抑制装置20は、図2の推定部22に代えて推定部225を具備する。推定部225は、推定部22と同様に、収音機器12が生成する音響信号X1(z)と増幅器50が出力する音響信号Y(z)とに基づいて推定信号RE(z)を生成する。
帰還音信号R(z)の定義(R(z)=H(z)・Y(z))から以下の式(5)が導出される。なお、記号「*」は複素共役を意味する。
H(z)={Y*(z)・R(z)}/{Y*(z)・Y(z)} ……(5)
音響信号X1(z)や帰還音信号R(z)の短い区間のみに着目すると音響信号X1(z)および帰還音信号R(z)の特性は相違する。しかし、帰還音信号R(z)は音響信号X1(z)から生成された信号であるから、充分に長い時間長にわたる音響信号X1(z)の加算と充分に長い時間長にわたる帰還音信号R(z)の積算(または平均)とは近似する。したがって、未知の帰還音信号R(z)の代わりに既知の音響信号X1(z)を使用することで、式(5)の伝達関数H(z)は、以下の式(6)の伝達関数HE(z)として近似的に推定される。なお、式(6)における記号「Σ」は、帰還音信号R(z)の加算と音響信号X1(z)の加算とが充分に近似する程度の時間にわたる加算(または平均)を意味する。
HE(z)={Σ(Y*(z)・X1(z))}/{Σ(Y*(z)・Y(z))} ……(6)
図3の推定部225は、音響信号Y(z)と音響信号X1(z)とから式(6)に基づいて伝達関数HE(z)の算定(すなわち伝達関数H(z)の推定)を実行するとともに、伝達関数HE(z)と音響信号Y(z)とを乗算することで推定信号RE(z)を算定する(RE(z)=HE(z)・Y(z))。推定信号RE(z)は、帰還音信号R(z)を推定した信号に相当する。
スペクトル減算部34は、音響信号X1(z)の周波数スペクトルから推定信号RE(z)の周波数スペクトルを減算することで音響信号X3(z)を生成する。したがって、第1実施形態と同様の効果が実現される。以上に説明したように、推定信号RE(z)の推定に適応フィルタ223は必須ではない。なお、推定信号RE(z)を推定信号SS(z)に調整する調整部32を図3の推定部225とスペクトル減算部34との間に配置し、スペクトル減算部34が音響信号X1(z)の周波数スペクトルから推定信号SS(z)の周波数スペクトルを減算する構成も採用される。
<D:変形例>
以上の各形態には以下に例示するような様々な変形を加えることができる。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
(1)変形例1
ハウリング抑制装置20にて使用される各信号(音響信号や推定信号)を時間領域および周波数領域の一方から他方に変換する位置(時点)は任意である。第1実施形態においては、例えば、音響信号X2(z)が時間領域から周波数領域に変換(例えばフーリエ変換やウェーブレット変換など)され、推定信号SS(z)または推定信号RE(z)が時間領域から周波数領域に変換される。第2実施形態や第3実施形態においては、例えば、音響信号X1(z)が時間領域から周波数領域に変換される。また、第1実施形態ないし第3実施形態においては、音響信号X3(z)または音響信号X4(z)が周波数領域から時間領域に変換(例えば逆フーリエ変換や逆ウェーブレット変換など)される。以上の説明から理解されるように、スペクトル減算部34による減算を周波数領域で実行する構成が本発明では好適に採用される。
(2)変形例2
推定信号RE(z)を生成する方法(帰還音を推定する方法)は以上の例示に限定されない。例えば、放音機器14から収音機器12までの経路の伝達関数H(z)が既知であれば、増幅器50が出力する音響信号Y(z)に当該伝達関数H(z)を乗算することで推定信号RE(z)が生成される。
(3)変形例3
以上の各形態におけるフィルタ部42は省略される。例えば、図1のフィルタ部42を省略した態様においては、図4に示すようにスペクトル減算部34から増幅器50に音響信号X3(z)が供給される。図2や図3の構成についても同様である。さらに、以上の各形態におけるフィルタ部42の位置は適宜に変更される。例えば、収音機器12と推定部22(または推定部225)との間にフィルタ部42を配置してもよい。
また、フィルタ部42におけるハウリング周波数Fの特定の方法は任意である。例えば、以上の各形態では音響信号X2(z)に基づいてハウリング周波数Fを特定したが、何れの段階にある音響信号(X1(z),X3(z),X4(z),Y(z))を利用してもハウリング周波数Fの特定は可能である。また、適応フィルタ223にて設定された複数のフィルタ係数(あるいは伝達関数HE(z)や推定信号RE(z)や推定信号SS(z))に基づいてハウリング周波数Fを特定する構成も採用される。
(4)変形例4
ハウリング抑制装置20を複数の装置に分散した構成も採用される。例えば、増幅器50は他の要素とは別体の装置とされる。また、ハウリング抑制装置20の一部を専用の電子回路(DSP)で実現するとともに他の一部を演算処理装置とプログラムとの協働で実現してもよい。
本発明の第1実施形態に係る拡声装置のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る拡声装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る拡声装置のブロック図である。 変形例に係る拡声装置のブロック図である。
符号の説明
100……拡声装置、12……収音機器、14……放音機器、20……ハウリング抑制装置、22……推定部、221……演算部、223……適応フィルタ、32……調整部、34……スペクトル減算部、42……フィルタ部、421……周波数特定部、423……フィルタ、50……増幅器、X1(z),X2(z),X3(z),X4(z),Y(z)……音響信号、RE(z),SS(z)……推定信号。

Claims (7)

  1. 収音機器と放音機器とを含む音響系で発生するハウリングを抑制する装置であって、
    前記放音機器から前記収音機器に到達する帰還音を推定する推定手段と、
    前記収音機器から放音機器に至る音響信号の周波数スペクトルから、前記推定手段が推定した帰還音に対応した周波数スペクトルを減算するスペクトル減算手段と
    を具備するハウリング抑制装置。
  2. 前記推定手段は、
    前記帰還音を表す推定信号を前記音響信号から減算する減算手段と、
    前記演算手段による減算後の音響信号が最小となるように前記推定信号を特定する適応フィルタと
    を含む請求項1のハウリング抑制装置。
  3. 前記スペクトル減算手段は、前記演算手段による減算後の音響信号の周波数スペクトルから前記推定信号に対応した周波数スペクトルを減算する
    請求項2のハウリング抑制装置。
  4. 前記スペクトル減算手段は、前記演算手段による減算前の音響信号の周波数スペクトルから前記推定信号に対応した周波数スペクトルを減算する
    請求項2のハウリング抑制装置。
  5. 前記推定手段が推定した帰還音を調整する調整手段を具備し、
    前記スペクトル減算手段は、前記調整手段による調整後の周波数スペクトルを前記音響信号の周波数スペクトルから減算する
    請求項1から請求項4の何れかのハウリング抑制装置。
  6. ハウリング周波数を特定する周波数特定手段と、
    前記音響信号のうち前記ハウリング周波数を含む周波数帯域の成分を抑制するフィルタと
    を具備する請求項1から請求項5の何れかのハウリング抑制装置。
  7. 収音機器と放音機器とを含む音響系で発生するハウリングを抑制するためのプログラムであって、
    前記放音機器から前記収音機器に到達する帰還音を推定する推定処理と、
    前記収音機器から放音機器に至る音響信号の周波数スペクトルから、前記推定手段が推定した帰還音に対応した周波数スペクトルを減算するスペクトル減算処理と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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