JP2009181430A - コンテンツ分散保存システム、評価値書換方法、管理装置、ノード装置管理処理プログラム、及びノード処理プログラム - Google Patents

コンテンツ分散保存システム、評価値書換方法、管理装置、ノード装置管理処理プログラム、及びノード処理プログラム Download PDF

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Abstract


【課題】同一のコンテンツのレプリカを保存するノード装置間における当該コンテンツの評価値の偏りを効率良く無くし、適切な数のレプリカを当該システム内に確保することを可能としたコンテンツ分散保存システム、評価値書換方法、管理装置、ノード装置管理処理プログラム、及びノード処理プログラムを提供する。
【解決手段】特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置から当該コンテンツの評価値を示す評価値情報を受信し、各評価値情報に示される評価値の合計値を算出し、当該合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行い、前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分け、前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ネットワークを介して互いに通信可能な複数のノード装置を備えたピアツーピア(Peer to Peer(P2P))型の通信システムの技術分野に関する。
この種のピアツーピア型の通信システムにおいて、複数のコンテンツ(映画及び音楽等のコンテンツ)の複製データ(以下、「レプリカ」という)を複数のノード装置に分散して保存(配置)させ、各ノード装置間でレプリカを利用可能としたコンテンツ分散保存システムが知られており、これにより、対故障性やアクセスの分散性が高められている。このように分散保存されたレプリカの所在は、例えば特許文献1に開示されるような分散ハッシュテーブル(以下、DHT(Distributed Hash Table)という)を利用して効率良く検索可能になっている。
また、各コンテンツにはその評価を表す評価値が付与されるようになっており、コンテンツのレプリカを保存しているノード装置では、そのコンテンツの評価値を管理するようになっている。かかる評価値は、コンテンツのレプリカがコンテンツ分散保存システムに投入された初期の段階、つまり、ノード装置に初めて保存された段階においては、当該コンテンツの人気度に応じた値、つまりコンテンツの人気度が高いほど評価値が高い値に設定されている。そして、コンテンツのレプリカを保存しているノード装置は、他のノード装置からの要求に応じて当該レプリカを提供した場合には、当該提供したレプリカに係るコンテンツの評価値を減少(例えば、半分に減少)させるようになっている。
一方、上記新たなコンテンツのレプリカの提供を受けたノード装置は、そのコンテンツの評価値と、既に保存済みのレプリカに係るコンテンツの評価値とを比較して、新たなコンテンツの評価値が大きいときはそのレプリカを保存する(このとき、記憶容量確保のために最も評価値が小さいコンテンツのレプリカが削除される)一方、小さいときには保存しないようになっている(例えば、特許文献1参照)。従って、人気が高いコンテンツほど、コンテンツ分散保存システムにおいて残り易い(削除され難い)。
特開2007−034630号公報
ところで、上述したようにコンテンツの評価値を用いてコンテンツの複製を管理する方法では、コンテンツの複製によって、同一のコンテンツのレプリカを保存するノード装置間における当該評価値が偏る可能性がある。かかる場合、同一のコンテンツのレプリカを保存するノード装置間において当該レプリカの削除され易さにむらができ、削除すべきでないレプリカを削除してしまう可能性が生じ、その結果、十分な数のレプリカをシステム内に確保(保存)することが困難になるという問題が生じる。
本発明は、以上の問題等に鑑みてなされたものであり、同一のコンテンツのレプリカを保存するノード装置間における当該コンテンツの評価値の偏りを効率良く無くし、適切な数のレプリカを当該システム内に確保することを可能としたコンテンツ分散保存システム、評価値書換方法、管理装置、ノード装置管理処理プログラム、及びノード処理プログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ネットワークに接続された複数のノード装置の参加により構成されるコンテンツ分散保存システムであり、複数のコンテンツの複製データが複数のノード装置に分散して保存され、当該複製データを保存した各前記ノード装置によりそのコンテンツの評価を表す評価値が管理されるようにしたコンテンツ分散保存システムにおいて前記コンテンツの複製データの所在を管理する管理装置であって、特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置に対して、当該コンテンツの前記評価値の要求を示す評価値要求情報を送信する評価値要求情報送信手段と、前記評価値の要求に対して、何れかの前記ノード装置から返信されてきた前記評価値を示す評価値情報を受信する評価値情報受信手段と、前記受信された各評価値情報に示される評価値の合計値を算出する合計値算出手段と、前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算手段であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う演算手段と、前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分ける分割値振分手段と、前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する評価値書換要求情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、評価値書換要求情報を受信した各ノード装置における評価値を上記分割値で効率良く書き換えさせることができ、したがって、同一のコンテンツのレプリカを保存するノード装置間における当該コンテンツの評価値の偏りを効率良く無くし、適切な数のレプリカをコンテンツ分散保存システム内に確保することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項2に記載の管理装置において、前記演算手段は、前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数で割り、前記分割値としての平均値を算出することを特徴とする。
この発明によれば、より簡単に分割値を算出することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の管理装置において、前記コンテンツの複製データを保存しているノード装置は、他のノード装置からのコンテンツ要求に応じて自己が保存している複製データを提供する場合には、そのコンテンツの評価値を所定値減算し、当該提供された複製データを新たに保存した当該ノード装置は、前記提供された複製データを保存したことを示す情報を前記管理装置に送信するものであって、当該管理装置の前記評価値要求情報送信手段は、前記ノード装置から送信された、前記複製データを保存したことを示す情報を受信した場合に、当該複製データを保存している前記複数のノード装置に対してそのコンテンツの評価値の要求を示す評価値要求情報を送信することを特徴とする。
この発明によれば、上記コンテンツのレプリカを保存する何れかのノード装置において評価値が変化するタイミングで評価値を書き換えることができるので、より迅速に当該コンテンツの評価値の偏りを無くすことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の管理装置において、前記評価値要求情報送信手段は、前記評価値要求情報に前回算出された平均値を示す情報を含めてこれを送信することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の管理装置から送信された前記評価値書換要求情報を受信したノード装置であって、自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する記憶手段と、前記記憶されている評価値を、前記受信された評価値書換要求情報に示される分割値で書き換える評価値書換手段と、を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の管理装置から送信された評価値要求情報を受信したノード装置であって、自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する記憶手段と、前記受信された評価値要求情報にて示される平均値を基準とする所定範囲内に前記記憶されている評価値が含まれない場合に、当該評価値を示す評価値情報を前記管理装置に対して返信する評価値情報返信手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、評価値情報の受信数を減らすことができるので、管理装置における評価値集計処理の負荷を軽減することができる。
請求項7に記載の管理処理プログラムの発明は、コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一項に記載の管理装置として機能させることを特徴とする。
請求項8に記載のノード処理プログラムの発明は、コンピュータを、請求項5又は6に記載のノード装置として機能させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、ネットワークに接続された複数のノード装置の参加により構成されるコンテンツ分散保存システムであり、複数のコンテンツの複製データが複数のノード装置に分散して保存され、当該複製データを保存した各前記ノード装置によりそのコンテンツの評価を表す評価値が管理されるようにしたコンテンツ分散保存システムにおいて、前記コンテンツの複製データの所在を管理する管理装置は、特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置に対して、当該コンテンツの前記評価値の要求を示す評価値要求情報を送信する評価値要求情報送信手段と、前記評価値の要求に対して、何れかの前記ノード装置から返信されてきた前記評価値を示す評価値情報を受信する評価値情報受信手段と、前記受信された各評価値情報に示される評価値の合計値を算出する合計値算出手段と、前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算手段であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う演算手段と、前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分ける分割値振分手段と、前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する評価値書換要求情報送信手段と、を備え、前記管理装置から送信された評価値要求情報を受信したノード装置は、自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する記憶手段と、前記受信された評価値要求情報に応じて、前記記憶されている評価値を示す評価値情報を前記管理装置に対して返信する評価値情報返信手段と、を備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、ネットワークに接続された複数のノード装置の参加により構成されるコンテンツ分散保存システムであり、複数のコンテンツの複製データが複数のノード装置に分散して保存され、当該複製データを保存した各前記ノード装置によりそのコンテンツの評価を表す評価値が管理されるようにしたコンテンツ分散保存システムにおける評価値書換方法であって、前記コンテンツの複製データの所在を管理する管理装置は、特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置に対して、当該コンテンツの前記評価値の要求を示す評価値要求情報を送信する工程と、前記評価値の要求に対して、何れかの前記ノード装置から返信されてきた前記評価値を示す評価値情報を受信する工程と、前記受信された各評価値情報に示される評価値の合計値を算出する工程と、前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算手段であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う工程と、前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分ける工程と、前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する工程と、を備え、前記管理装置から送信された評価値要求情報を受信したノード装置は、自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する工程と、前記受信された評価値要求情報に応じて、前記記憶されている評価値を示す評価値情報を前記管理装置に対して返信する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、この発明によれば、評価値書換要求情報を受信した各ノード装置における評価値を上記分割値で効率良く書き換えさせることができ、したがって、同一のコンテンツのレプリカを保存するノード装置間における当該コンテンツの評価値の偏りを効率良く無くし、適切な数のレプリカをコンテンツ分散保存システム内に確保することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、コンテンツ分散保存システムに本発明を適用した場合の実施形態である。
1.コンテンツ分散保存システムの構成等
始めに、図1等を参照して、本実施形態に係るコンテンツ分散保存システムの概要構成等について説明する。
図1は、本実施形態に係るコンテンツ分散保存システムにおける各ノード装置の接続態様の一例を示す図である。
図1の下部枠101内に示すように、IX(Internet eXchange)3、ISP(Internet Service Provider)4a,4b、DSL(Digital Subscriber Line)回線事業者(の装置)5a,5b、FTTH(Fiber To The Home)回線事業者(の装置)6、及び通信回線(例えば、電話回線や光ケーブル等)7等によって、インターネット等のネットワーク(現実世界の通信ネットワーク)8が構築されている。なお、図1の例におけるネットワーク8には、データ(パケット)を転送するためのルータが、適宜挿入されているが図示を省略している。
このようなネットワーク8には、複数のノード装置(以下、「ノード」という)Nn(n=1,2,3・・・の何れか)がルータを介して接続されている。また、各ノードNnには、固有の製造番号およびIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられている。そして、本実施形態に係るコンテンツ分散保存システムSは、これらのノードNnのうち、図1の上部枠100内に示すように、何れか複数のノードNnの参加により形成されるピアツーピア方式のネットワークシステムとなっている。
なお、図1の上部枠100内に示すネットワーク9は、既存のネットワーク8を用いて形成された仮想的なリンクを構成するオーバーレイネットワーク9(論理的なネットワーク)である。かかるオーバーレイネットワーク9は、特定のアルゴリズム、例えば、DHTを利用したアルゴリズムにより実現される。
そして、コンテンツ分散保存システムS(言い換えれば、オーバーレイネットワーク9)に参加している各ノードNnには、所定桁数からなる固有の識別情報であるノードIDが割り当てられている。また、当該ノードIDは、例えば、各ノードNnに個別に割り当てられたIPアドレス或いは製造番号を共通のハッシュ関数(例えば、SHA−1等)によりハッシュ化した値(例えば、bit長が160bit)であり、一つのID空間に偏りなく分散して配置されることになる。
なお、コンテンツ分散保存システムSへの参加は、参加していないノードNn(例えば、ノードN8)が、参加している任意のノードNn(例えば、当該システムSに常時参加しているコンタクトノード)に対して参加要求を示す参加メッセージを送信することによって行われる。一方、コンテンツ分散保存システムSは、例えば電源オフによりコンテンツ分散保存システムSから脱退することになる。
また、各ノードNnは、夫々、DHTを用いたルーティングテーブルを保持している。このルーティングテーブルは、コンテンツ分散保存システムS上における各種メッセージの転送先を規定しており、具体的には、ID空間内で適度に離れたノードNn(つまり、コンテンツ分散保存システムSに参加している一部の他のノードNn)のノードID、IPアドレス及びポート番号を含むノード情報が複数登録されている。なお、IPアドレス及びポート番号は、ネットワークNW上のアドレス情報の一例である。
コンテンツ分散保存システムSに参加している1台のノードNnは、該システムSに参加している全てのノードNnのうち、必要最低限のノードNnのノード情報をルーティングテーブルに登録しておき、ノード情報を知らない(記憶していない)ノードNnについては、各ノードNn間で互いに各種メッセージを転送し合って届けてもらうようになっている。なお、DHTを用いたルーティングテーブルは、例えば、コンテンツ分散保存システムSに参加する際に生成される。
このようなDHTを用いたルーティングテーブルについては、特開2006−197400号公報等で公知であるので、詳しい説明を省略する。
ところで、コンテンツ分散保存システムSにおいては、内容の異なる様々なコンテンツ(例えば、映画や音楽等)のレプリカが所定のファイル形式で複数のノードNnに分散して保存(格納)されており、各ノードNn間で当該レプリカを利用可能になっている。例えば、ノードN5には、タイトルがXXXの映画のコンテンツのレプリカが保存されており、一方、ノードN3には、タイトルがYYYの映画のコンテンツのレプリカが保存されるというように、複数のノードNn(以下、「コンテンツ保持ノード」という)に分散されて保存されている。なお、一つのノードNnに、互いに異なる複数のコンテンツのレプリカが保存される場合もある。
また、これらのコンテンツのレプリカには、夫々、コンテンツ名(タイトル)、コンテンツID(コンテンツ毎に固有の識別情報)、及びコンテンツの評価を表す評価値等の情報が付加されている。このコンテンツIDは、例えば、コンテンツ名+任意の数値(或いは、コンテンツデータの先頭数バイトでも良い)が、上記ノードIDを得るときと共通のハッシュ関数によりハッシュ化されて生成される(ノードIDと同一のID空間に配置)。或いは、システム管理者が、コンテンツ毎に一意のID値(ノードIDと同一ビット長)を付与しても良い。この場合は、コンテンツ名とそのコンテンツIDの対応が書かれたコンテンツカタログ情報が、全ノードNnに配布される。なお、上記評価値は、例えば、コンテンツの人気度や重要度を表すものであり、例えば人気が高いコンテンツは、その評価値も高く設定されている。また、当該評価値は、レプリカを保存した各ノードNnにより管理されることになる。
また、このように分散保存されているレプリカの所在、つまり、当該レプリカを保存したノードNnのノード情報と当該コンテンツのレプリカに対応するコンテンツID等の組が含まれるインデックス情報が、当該コンテンツのレプリカの所在を管理しているノードNn(以下、「ルートノード(管理装置の一例)」、又は「コンテンツ(コンテンツID)のルートノード」という)等により記憶(インデックスキャッシュに記憶)、管理されるようになっている。
つまり、コンテンツのレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードのノード情報は、他のノードNnからの問い合わせに応じて提供可能なようにルートノードにより管理されている。
例えば、タイトルがXXXの映画のコンテンツのレプリカについてのインデックス情報は、そのコンテンツ(コンテンツID)のルートノードであるノードN4により管理され、タイトルがYYYの映画のコンテンツのレプリカについてのインデックス情報は、そのコンテンツ(コンテンツID)のルートノードであるノードN7により管理される。また、このようなルートノードは、例えば、コンテンツIDと最も近い(例えば、上位桁がより多く一致する)ノードIDを有するノードNnであるように定められる。
そして、あるノードNnのユーザが、所望するコンテンツのレプリカを取得したい場合、当該レプリカの取得を望むノードNn(以下、「ユーザノード」という)は、当該ユーザにより選択されたコンテンツのコンテンツID及び自己のIPアドレス等を含むコンテンツ所在問合せ(検索)メッセージ(クエリとも言い、当該コンテンツのレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードを検索するための検索情報の一例である)を生成し、これを自己のDHTを用いたルーティングテーブルにしたがって他のノードNnに対して送出する。つまり、ユーザノードは、コンテンツ所在問合せ(検索)メッセージ(以下、単に、「コンテンツ検索メッセージ」という)を、ルートノードに向けて(ルートノード宛に)送出する(つまり、ルートノードにコンテンツのレプリカの所在を問い合わせる)。
これにより、コンテンツ検索メッセージは、コンテンツIDをキーとするDHTルーティングによって当該コンテンツのレプリカの所在を管理するルートノードに至るまで、コンテンツ分散保存システムSに参加しているノードNn(中継ノードという)間を転送(中継)され、最終的に当該ルートノードに到着することになる。
なお、各ノードNnにおいてユーザにより選択されるべきコンテンツのコンテンツ名及びコンテンツID等の属性情報は、例えばコンテンツ提供サーバSAから全てのノードNnに配信されるコンテンツカタログ情報に記述されている。また、上記コンテンツ検索メッセージに含まれるコンテンツIDは、ユーザノードによって、コンテンツ名が上記共通のハッシュ関数によりハッシュ化されて生成されるようにしても良い。なお、DHTルーティングについては、特開2006−197400号公報等で公知であるので、詳しい説明を省略する。
上記コンテンツ検索メッセージを受信したルートノードは、これに含まれるコンテンツIDに対応するインデックス情報をインデックスキャッシュから取得して、当該インデックス情報からコンテンツ保持ノードを例えば一つ選定し、当該選定したコンテンツ保持ノードに対して当該コンテンツ検索メッセージを送信(転送)する。これにより、ユーザノードは、コンテンツ保持ノードからの通知を受け、当該コンテンツ保持ノードに対してコンテンツ要求を行う(コンテンツ要求メッセージを送信する)ことで、当該コンテンツ保持ノードからそのレプリカを取得(ダウンロード)することができる。なお、当該ユーザノードにおいて取得されたレプリカは、一時的に蓄積されることになる。
或いは、上記コンテンツ検索メッセージを受信したルートノードは、これに含まれるコンテンツIDに対応するインデックス情報を上記コンテンツ検索メッセージの送信元であるユーザノードに対して返信するように構成しても良い。これにより、インデックス情報を取得したユーザノードは、当該インデックス情報に示されるコンテンツ保持ノードに対してコンテンツ要求を行うことで、そこからコンテンツのレプリカを取得することが可能になる。
また、以上のようにユーザノードからのコンテンツ要求に応じて自己が保存しているコンテンツのレプリカを提供したコンテンツ保持ノードは、自己が記憶、管理している当該コンテンツの評価値を所定値減算(例えば、当該評価値を半分に減少)することになる。そして更に、当該コンテンツ保持ノードは、減算した分の評価値をそのコンテンツのレプリカの提供を受けたユーザノードに対して与える(移譲する)ことになる。このようにするのは、コンテンツが1つ複製され2つになったため、その分、評価値を分割する趣旨である。
こうして、新たなコンテンツのレプリカの提供を受けたユーザノードは、一時的に蓄積されている当該レプリカに係るコンテンツの評価値と、既に保存されているレプリカに係るコンテンツの評価値とを比較(複数保存されている場合、夫々のコンテンツの評価値と比較)し、例えば、最もコンテンツの評価値が低いレプリカを削除する。ここで上記一時的に蓄積されている当該レプリカに係るコンテンツの評価値が最も低くなければ、当該レプリカは新たに保存されることになる。従って、移譲を受けたコンテンツの評価値が高いほど、それだけ、そのレプリカが当該ユーザノードに保存される確率が高くなるので、当該システムSに保存されるレプリカの数も多くなる。
そして、コンテンツ保持ノードから提供されたコンテンツのレプリカを保存したユーザノードは、当該レプリカを保存したことをそのルートノードに知らせるために(言い換えれば、該システムSに参加している他のノードNnに対して公開するために)、当該レプリカのコンテンツID及び自己のノード情報が含まれるパブリッシュ(登録通知)メッセージを生成し、該パブリッシュメッセージを、そのルートノードに向けて(ルートノード宛に)送出する。これにより、パブリッシュメッセージは、上記コンテンツ検索メッセージと同じように、コンテンツIDをキーとするDHTルーティングによってルートノードに到着することになる。そして、該ルートノードは、受信したパブリッシュメッセージに含まれるノード情報及びコンテンツIDの組を含むインデックス情報を登録(インデックスキャッシュ領域に記憶)することになる。こうして、上記ユーザノードは、新たに、上記コンテンツのレプリカを保持するコンテンツ保持ノードとなる。なお、上記パブリッシュメッセージに含まれるノード情報及びコンテンツIDの組を含むインデックス情報は、ルートノードに至るまでの転送経路におけるキャッシュノードにおいても登録(キャッシュ)される。
2.ノードNnの構成及び機能等
次に、図2を参照して、ノードNnの構成及び機能について説明する。
図2は、ノードNnの概要構成例を示す図である。
各ノードNnは、図2に示すように、演算機能を有するCPU,作業用RAM,各種データおよびプログラムを記憶するROM等から構成されたコンピュータとしての制御部11と、各種データ(例えば、コンテンツのレプリカ、インデックス情報、DHTを用いたルーティングテーブル等)及び各種プログラム等を記憶保存(格納)するためのHD(ハードディスク)等から構成された各種記憶手段としての記憶部12と、受信されたコンテンツのレプリカ等を一時蓄積するバッファメモリ13と、コンテンツのレプリカに含まれるエンコードされたビデオデータ(映像情報)及びオーディオデータ(音声情報)等をデコード(データ伸張や復号化等)するデコーダ部14と、当該デコードされたビデオデータ等に対して所定の描画処理を施しビデオ信号として出力する映像処理部15と、当該映像処理部15から出力されたビデオ信号に基づき映像表示するCRT,液晶ディスプレイ等の表示部16と、上記デコードされたオーディオデータをアナログオーディオ信号にD (Digital)/A(Analog)変換した後これをアンプにより増幅して出力する音声処理部17と、当該音声処理部17から出力されたオーディオ信号を音波として出力するスピーカ18と、ネットワーク8を通じて他のノードNn等間の情報の通信制御を行うための通信部19と、ユーザからの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に対して与える入力部(例えば、キーボード、マウス、或いは、操作パネル等)20と、を備えて構成され、制御部11、記憶部12、バッファメモリ13、デコーダ部14、通信部19、及び入力部20はバス21を介して相互に接続されている。なお、ノードNnとしては、パーソナルコンピュータ、STB(Set Top Box)、或いは、TV受信機等を適用可能である。
また、記憶部12には、コンテンツ分散保存システムSに参加する際のアクセス先となるコンタクトノード及びコンテンツ提供サーバSAのIPアドレス及びポート番号等が記憶されている。更に、記憶部12には、HDに保存(記録)しているコンテンツのレプリカに関する情報(例えば、コンテンツID、コンテンツ名、及び評価値等)を登録するための保存コンテンツ管理テーブルが記憶されている。
このような構成において、制御部11は、CPUが記憶部12等に記憶されたプログラム(本発明の管理処理プログラム及びノード処理プログラムを含む)を読み出して実行することにより、全体を統括制御し、コンテンツ分散保存システムSへの参加により上述したユーザノード、中継ノード、ルートノード、キャッシュノード、及びコンテンツ保持ノードの少なくとも何れか一つのノードとしての処理を行うようになっている。なお、上記ノード処理プログラムは、例えば、ネットワーク8上の所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されて当該記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしても良い。
そして、ルートノードとしての特徴的な処理を行う制御部11は、本発明における評価値要求情報送信手段、評価値情報受信手段、合計値算出手段、演算手段、分割値振分手段、及び評価値書換要求情報送信手段等として機能するようになっている。
より具体的には、ルートノードの制御部11は、自身の管理対象である特定のコンテンツのレプリカを保存している複数のコンテンツ保持ノードに対して、当該コンテンツの評価値の要求を示す評価値集計要求メッセージ(評価値要求情報の一例)を送信し、当該評価値の要求に対して、何れかのコンテンツ保持ノードから返信されてきた評価値を示す評価値集計返答メッセージ(評価値情報の一例)を受信する。
ここで、評価値集計要求メッセージの送信タイミングは任意であり、定期、不定期の何れであっても良い。また、ルートノードは、上述したパブリッシュメッセージを受信したときに、当該パブリッシュメッセージに示されるコンテンツのレプリカを保存している全てのコンテンツ保持ノードに対して上記評価値集計要求メッセージを送信するように構成すれば望ましい。
そして、当該制御部11は、受信された各評価値集計返答メッセージに示される評価値の合計値を算出し、当該算出された合計値を、上記評価値集計返答メッセージを返信したコンテンツ保持ノードの数分に分割する演算を行うようになっている。かかる演算では、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算が行われる。例えば、各分割値の差がプラスマイナス5%以内に収まるように平準化される。最も望ましい平準化計算例としては、例えば、上記算出された合計値を、評価値集計返答メッセージを返信したコンテンツ保持ノードの数で割り、上記分割値としての平均値を算出することが挙げられる。なお、上記平準化計算としてその他にも、例えば統計的な計算手法を用いても良い。例えば、各評価値の標準偏差σを求め、各分割値が上記所定範囲をプラスマイナスασ(αは定数)の範囲にすることなどが考えられる。
当該制御部11は、このように分割された各分割値を、評価値集計返答メッセージを返信した各コンテンツ保持ノードに振り分ける。当該振り分けでは、例えば、各分割値が、各コンテンツ保持ノードのノード情報に対して対応付けられて記憶されることになる。なお、分割値が平均値でない場合、例えば、返信された評価値に応じた分割値が各コンテンツ保持ノードに振り分けられることになる。つまり、大きい評価値を返信したコンテンツ保持ノードほど、大きい分割値が割り当てられることになる。
そして、当該制御部11は、上記振り分けられた分割値を示し、各コンテンツ保持ノードにおいて管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求メッセージを、上記評価値集計返答メッセージを返信した各コンテンツ保持ノードに送信するようになっている。これにより、当該評価値書換要求メッセージを受信したコンテンツ保持ノードでは、保存コンテンツ管理テーブルに登録されている評価値を、受信された評価値書換要求メッセージに示される分割値で書き換えることになる。
3.コンテンツ分散保存システムの動作
次に、コンテンツ分散保存システムSの動作について説明する。
(3−1.ノードNnの処理)
先ず、図3乃至図8を参照して、ノードNnの処理について説明する。
図3は、通常のノードNnの制御部11におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。また、図4は、通常のノードNnの制御部11における評価値集計処理の一例を示すフローチャートである。また、図5は、図3のステップS9における各種メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。また、図6(A)は、図5のステップS92におけるコンテンツ検索メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートであり、図6(B)は、図5のステップS96におけるコンテンツ要求メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。また、図7(A)は、図5のステップS104における評価値加算/減算メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートであり、図7(B)は、図5のステップS106における評価値要求メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。また、図8(A)は、図5のステップS108における評価値集計要求メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートであり、図8(B)は、図5のステップS110における評価値集計返答メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。
なお、図3に示す処理は、あるノードNnにおいて電源オンがなされ、参加処理(コンタクトノードへの参加メッセージ送信)が実行され、コンテンツ分散保存システムSへの参加が行われることにより開始される。
図3のステップS1では、制御部11は、先ず、当該参加時に自ノードが保存しているレプリカと同じコンテンツのレプリカを保存している他のコンテンツ保持ノードを検索してそこから評価値をもらうために、当該コンテンツのコンテンツID等を含む評価値要求メッセージをルートノードに向けて送出する。これにより、当該制御部11は、評価値加算メッセージを他のコンテンツ保持ノードから受信して、上記保存されているレプリカに係るコンテンツの評価値として新たに保存コンテンツ管理テーブルに登録することになる(後述するステップS1042)。よって、当該ノードNnは、コンテンツ分散保存システムSからの脱退時に後述するステップS3で、他のコンテンツ保持ノードに評価値を与えても、当該システムSへの再参加時に、自己が保存しているレプリカに係るコンテンツの評価値を容易に取得することができる。
なお、当該ステップS1において、上記評価値要求メッセージをルートノードに向けて送出することで、制御部11は、当該ルートノードから対象のコンテンツのレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードのIPアドレス等を取得し、その後、当該コンテンツ保持ノードに接続して上記コンテンツの評価値を取得するように構成しても良い。
次いで、制御部11は、電源オフ(シャットダウン)指令があったか否かを判別し、電源オフ指令があった場合には(ステップS2:YES)、ステップS3に進み、電源オフ指令がない場合には(ステップS2:NO)、ステップS4に進む。
ステップS3では、制御部11は、コンテンツ分散保存システムSから脱退するに当たって、自ノードが保存しているレプリカに係るコンテンツの評価値及びコンテンツIDを含む評価値加算メッセージを当該コンテンツのルートノードに向けて送出する。これにより、評価値加算メッセージを受信したコンテンツ保持ノードにおいて当該評価値加算メッセージに示されるコンテンツの評価値が同じコンテンツの評価値に対して加算されることになる(後述するステップS1042)。このとき、自己が保存しているレプリカを削除しても良いし、或いは削除せずに残しておいても良い。また、他のコンテンツ保持ノードに与えるコンテンツの評価値は、自己の保存コンテンツ管理テーブルから削除される(削除せずに残しておいても良い)。
なお、ステップS3において、制御部11は、自ノードが保存しているレプリカと同じコンテンツのレプリカを保存している他のコンテント保持ノードを検索するために、コンテンツ検索メッセージをルートノードに向けて送出し、当該ルートノードから当該コンテント保持ノードのノード情報を取得して、上記評価値加算メッセージを、上記検索されたコンテンツ保持ノードに対して送信するように構成してもよい。この場合、コンテンツ分散保存システムSから脱退するコンテンツ保持ノードは、当該評価値加算メッセージを受信した他のコンテンツ保持ノードにおいて上記評価値の加算が確実に実行されることを確認した後、コンテンツ分散保存システムSからの脱退することができる。
次いで、ステップS4では、制御部11は、ユーザから入力部20を介してコンテンツのリクエストがあったか否かを判別し、当該リクエストがあった場合には(ステップS4:YES)、ステップS5に進み、当該リクエストがない場合には(ステップS4:NO)、ステップS6に進む。
ステップS5では、制御部11は、リクエストされたコンテンツのコンテンツID等を含むコンテンツ検索メッセージをルートノードに向けて送出する。
ステップS6では、制御部11は、他のノードNnからメッセージを受信したか否かを判断し、当該メッセージを受信した場合には(ステップS6:YES)、ステップS7に進み、当該メッセージを受信していない場合には(ステップS6:NO)、ステップS2に戻る。
ステップS7では、制御部11は、上記受信したメッセージの宛先のノード情報に含まれるノードID(又はコンテンツID)のルートノードは自ノードであるか、つまり、当該ノードID(又はコンテンツID)と最も近いノードIDを有するノードNnが自ノードであるか否かを自身のルーティングテーブルから判別する。そして、当該ルートノードが自ノードでない場合には(ステップS7:NO)、制御部11は、メッセージの宛先のノード情報に含まれるノードID(又はコンテンツID)に最も近いノードNnを自身のルーティングテーブルから特定し、当該特定したノードNnに対して上記受信したメッセージを送信(転送)し(ステップS8)、ステップS2に戻る。
一方、当該ルートノードが自ノードである(つまり、自ノード宛てのメッセージである)場合には(ステップS7:YES)、制御部11は、各種メッセージ受信処理を行う(ステップS9)。各種メッセージ受信処理の詳細については後述する。
次に、図4に示す評価値集計処理は、後述するステップS101でパブリッシュメッセージが受信された際に実行されても良いし、定期的に実行されても良い。
図4に示すステップS11では、制御部11は、自ノードはコンテンツXのルートノードであるか否かを判別し、コンテンツX(複数のコンテンツがあるうちの何れかのコンテンツを指す)のルートノードである場合には(ステップS11:YES)、ステップS12に進み、コンテンツXのルートノードでない場合には(ステップS11:NO)、当該処理を終了する。ここで、当該処理が、定期的に実行される場合、当該ノードNnはコンテンツXのルートノードであるかどうかが分かっているので、ステップS11で判別を行うことなくステップS12に進むことができる。一方、当該処理が、パブリッシュメッセージが受信された際に実行される場合には、パブリッシュメッセージに示されたコンテンツがコンテンツXであるか否かが、例えばコンテンツ名やコンテンツIDで判別されることになる。
ステップS12では、制御部11は、コンテンツXの評価値の合計値を格納するバッファVx及びコンテンツXのレプリカを保存するコンテンツ保持ノード数を格納するバッファNxを作成し、夫々“0”を記憶する。
次いで、制御部11は、コンテンツXのレプリカを保存するコンテンツ保持ノードのノード情報をインデックスキャッシュから取得し、当該ノード情報にしたがって夫々のコンテンツ保持ノードにアクセスして評価値集計要求メッセージを送信し(ステップS13)、一定の待機時間、評価値集計返答メッセージの返信を待機する(ステップS14)。かかる待機時間中に、後述するステップS109で評価値集計返答メッセージを受信した場合には、ステップS110で評価値集計返答メッセージ受信処理が行われることになる。なお、評価値集計返答メッセージ受信処理については後述する。
そして、上記待機時間経過後、制御部11は、上述した平準化計算を行い、例えば、評価値の平均値を算出(平均値=バッファVxに格納された値/バッファNxに格納された値)し、算出された平均値を、評価値集計返答メッセージを返信した各コンテンツ保持ノードに振り分ける(ステップS15)。
次いで、制御部11は、評価値集計返答メッセージを返信した各コンテンツ保持ノードに対して、算出された評価値の平均値を示し当該平均値で評価値を書き換える要求を示す評価値書換要求メッセージを送信する(ステップS16)。
次いで、制御部11は、評価値集計用バッファVx,Nxを削除し(ステップS17)、当該処理を終了する。
次に、上記ステップS9における各種メッセージ受信処理では、図5に示すように、先ず、制御部11は、上記受信されたメッセージがコンテンツ検索メッセージであるか否かを判別する(ステップS91)。そして、上記受信されたメッセージがコンテンツ検索メッセージである場合には(ステップS91:YES)、ステップS92に進み、コンテンツ検索メッセージでない場合には(ステップS91:NO)、ステップS93に進む。
ステップS92では、コンテンツ検索メッセージ受信処理が行われる。当該コンテンツ検索メッセージ受信処理においては、図6(A)に示すように、制御部11は、当該コンテンツ検索メッセージに含まれるコンテンツIDに対応するレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードに係るインデックス情報を登録しているか否かをインデックスキャッシュから判別する(ステップS921)。
そして、制御部11は、当該インデックス情報が登録されている場合には(ステップS921:YES)、当該インデックス情報を取得してステップS922に進み、当該インデックス情報が登録されていない場合には(ステップS921:NO)、ステップS923に進む。
ステップS922では、制御部11は、取得したインデックス情報によりコンテンツ保持ノードを特定し、当該コンテンツ保持ノードに対して上記コンテンツ検索メッセージを送信(転送)してステップS923に進む。
ステップS923では、制御部11は、上記コンテンツ検索メッセージに含まれるコンテンツIDに対応するレプリカが自ノードにおける記憶部12に保存されているか否かを判別し、保存されている場合(この場合、コンテンツ保持ノードということになる)には(ステップS923:YES)、ステップS924に進み、保存されていない場合には(ステップS923:NO)、図5の処理に戻る。
ステップS924では、制御部11は、上記コンテンツ検索メッセージに含まれる送信(リクエスト)元のノード情報(例えば、ノードID、IPアドレス及びポート番号等)に対応するノードNn(ユーザノード)に対してコンテンツ検索返答メッセージを送信し、図5の処理に戻る。
図5のステップS93では、制御部11は、上記受信されたメッセージがコンテンツ検索返答メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージがコンテンツ検索返答メッセージである場合には(ステップS93:YES)、ステップS94に進み、コンテンツ検索返答メッセージでない場合には(ステップS93:NO)、ステップS95に進む。
ステップS94では、制御部11は、コンテンツ検索返答メッセージに含まれる送信元のノード情報に対応するコンテンツ保持ノードに対してコンテンツ要求メッセージを送信し、図3の処理に戻る。
ステップS95では、制御部11は、上記受信されたメッセージがコンテンツ要求メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージがコンテンツ要求メッセージである場合には(ステップS95:YES)、ステップS96に進み、コンテンツ要求メッセージでない場合には(ステップS95:NO)、ステップS97に進む。
ステップS96では、コンテンツ要求メッセージ受信処理が行われる。当該コンテンツ要求メッセージ受信処理においては、図6(B)に示すように、制御部11は、現在、コンテンツ要求に係るレプリカを配信可能であるか否かを判別し(ステップS961)、配信可能である場合には(ステップS961:YES)、ステップS962に進み、配信可能でない場合には(ステップS961:NO)、ステップS964に進む。
ステップS962では、制御部11は、上記コンテンツ要求メッセージに含まれる送信元のノード情報に対応するユーザノードに対して、当該要求に係るレプリカのファイルと共にコンテンツ送信メッセージを送信する。
次いで、制御部11は、当該送信したレプリカに係るコンテンツの評価値を例えば半分に減算して(保存コンテンツ管理テーブルを更新)、減算した分の評価値を与えるための評価値加算メッセージを上記ユーザノードに対して送信し(ステップS963)、図5の処理に戻る。
ステップS964では、制御部11は、上記コンテンツ要求メッセージに含まれる送信元のノード情報に対応するユーザノードに対して、コンテンツ送信不可メッセージを送信し、図5の処理に戻る。
図5のステップS97では、制御部11は、上記受信されたメッセージがコンテンツ送信メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージがコンテンツ送信メッセージである場合には(ステップS97:YES)、ステップS98に進み、コンテンツ送信メッセージでない場合には(ステップS97:NO)、ステップS99に進む。
ステップS98では、制御部11は、コンテンツ送信メッセージと共に受信されたレプリカに係るコンテンツの評価値(当該コンテンツ送信メッセージとほぼ同時期に受信された評価値加算メッセージに示された評価値であって後述するステップS1042で保存コンテンツ管理テーブルに登録された評価値)と、既に保存されているレプリカに係るコンテンツの評価値とを比較(複数保存されている場合、夫々のコンテンツの評価値と比較)する。そして、当該制御部11は、当該比較結果、当該コンテンツ送信メッセージと共に受信されたレプリカに係るコンテンツの評価値が最も低くなければ、当該レプリカを記憶部11に記憶保存し、これが完了すると、当該レプリカに対応するコンテンツID等を含むパブリッシュメッセージをルートノードに向けて送出し、図3の処理に戻る。
ステップS99では、制御部11は、上記受信されたメッセージがコンテンツ送信不可メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージがコンテンツ送信不可メッセージである場合には(ステップS99:YES)、ステップS100に進み、コンテンツ送信不可メッセージでない場合には(ステップS99:NO)、ステップS101に進む。
ステップS100では、制御部11は、全てのコンテンツを管理しているコンテンツ提供サーバSAに対してコンテンツ要求メッセージを送信し、図3の処理に戻る。
ステップS101では、制御部11は、上記受信されたメッセージがパブリッシュメッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージがパブリッシュメッセージである場合には(ステップS101:YES)、ステップS102に進み、パブリッシュメッセージでない場合には(ステップS101:NO)、ステップS103に進む。
ステップS102では、制御部11は、受信されたパブリッシュメッセージに含まれるコンテンツID、及び送信元のノード情報を含むインデックス情報を新規登録(インデックスキャッシュ領域に記憶)し、図3の処理に戻る。なお、制御部11は、インデックス情報を新規登録した後、上述した図4に示す評価値集計処理を行うことが望ましい。
ステップS103では、制御部11は、上記受信されたメッセージが評価値加算メッセージ又は評価値減算メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージが評価値加算メッセージ又は評価値減算メッセージである場合には(ステップS103:YES)、ステップS104に進み、評価値加算メッセージでも評価値減算メッセージでもない場合には(ステップS103:NO)、ステップS105に進む。
なお、評価値減算メッセージは、コンテンツ分散保存システムSにおいて、あるコンテンツについて算出された人気度が低下してきたときに、そのコンテンツの評価値を下げるために、システム管理者のノードNnから送出されるものである。
ステップS104では、評価値加算/減算メッセージ受信処理が行われる。当該評価値加算/減算メッセージ受信処理においては、図7(A)に示すように、制御部11は、上記評価値加算メッセージ又は上記評価値減算メッセージに含まれるコンテンツIDに対応するレプリカが自ノードにおける記憶部12に保存されているか否かを判別し(ステップS1041)、保存されている場合には(ステップS1041:YES)、ステップS1042に進み、保存されていない場合には(ステップS1041:NO)、ステップS1043に進む。
ステップS1042では、評価値加算メッセージの場合、制御部11は、評価値加算メッセージに示されるコンテンツの評価値を、自ノードの保存コンテンツ管理テーブルに登録されている同じコンテンツの評価値(0である場合もある)に対して加算し、図5の処理に戻る。一方、評価値減算メッセージの場合、制御部11は、評価値減算メッセージに示されるコンテンツの評価値を、自ノードの保存コンテンツ管理テーブルに登録されている同じコンテンツの評価値(0である場合もある)から減算し、図5の処理に戻る。
ステップS1043では、制御部11は、評価値加算メッセージ又は評価値減算メッセージに含まれるコンテンツIDに対応するレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードに係るインデックス情報を登録しているか否かをインデックスキャッシュから判別する。
そして、制御部11は、当該インデックス情報が登録されている場合には(ステップS1043:YES)、当該インデックス情報を取得してステップS1044に進み、当該インデックス情報が登録されていない場合には(ステップS1043:NO)、ステップS1045に進む。
ステップS1044では、制御部11は、取得したインデックス情報によりコンテンツ保持ノードを1又は複数選定し、当該コンテンツ保持ノードに対して上記評価値加算メッセージ又は評価値減算メッセージを送信(転送)し、図5の処理に戻る。なお、選定されたコンテンツ保持ノードが複数ある場合、上述したように、当該選定された各コンテンツ保持ノードにおいて加算される評価値の総和が、上記評価値加算メッセージに示されるコンテンツの評価値と一致するように当該評価値が配分され、配分された評価値を、当該選定された各コンテンツ保持ノードにおける当該コンテンツの評価値に加算させるための評価値加算メッセージが各コンテンツ保持ノードに送信されることになる。
ステップS1045では、制御部11は、上記評価値加算メッセージ又は評価値減算メッセージをコンテンツ提供サーバSAに対して送信(転送)し、図5の処理に戻る。
図5のステップS105では、制御部11は、上記受信されたメッセージが評価値要求メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージが評価値要求メッセージである場合には(ステップS105:YES)、ステップS106に進み、評価値要求メッセージでない場合には(ステップS105:NO)、図3の処理に戻る。
ステップS106では、評価値要求メッセージ受信処理が行われる。当該評価値要求メッセージ受信処理においては、図7(B)に示すように、制御部11は、上記評価値要求メッセージに含まれるコンテンツIDに対応するレプリカが自ノードにおける記憶部12に保存されているか否かを判別し(ステップS1061)、保存されている場合には(ステップS1061:YES)、ステップS1062に進み、保存されていない場合には(ステップS1061:NO)、ステップS1063に進む。
ステップS1062では、制御部11は、評価値要求メッセージに示されるコンテンツであって保存コンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツの評価値を所定値減算(例えば、当該評価値を半分に減少)し、減算した分の評価値を与えるための評価値加算メッセージを、上記評価値要求メッセージの送信元のノードNn(上述したように再参加したノード)に送信し、図5の処理に戻る。
ステップS1063では、制御部11は、当該評価値要求メッセージに含まれるコンテンツIDに対応するレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードに係るインデックス情報を登録しているか否かをインデックスキャッシュから判別する。
そして、制御部11は、当該インデックス情報が登録されている場合には(ステップS1063:YES)、当該インデックス情報を取得してステップS1064に進み、当該インデックス情報が登録されていない場合には(ステップS1063:NO)、ステップS1065に進む。
ステップS1064では、制御部11は、取得したインデックス情報によりコンテンツ保持ノードを1又は複数選定し、当該コンテンツ保持ノードに対して上記評価値要求メッセージを送信(転送)し、図5の処理に戻る。なお、選定されたコンテンツ保持ノードが複数ある場合、夫々のコンテンツ保持ノードに評価値要求メッセージが送信されるように構成しても良い。
ステップS1065では、制御部11は、上記評価値要求メッセージをコンテンツ提供サーバSAに対して送信(転送)し、図5の処理に戻る。
ステップS107では、制御部11は、上記受信されたメッセージが評価値集計要求メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージが評価値集計要求メッセージである場合には(ステップS107:YES)、ステップS108に進み、評価値集計要求メッセージでない場合には(ステップS107:NO)、ステップS109に進む。
ステップS108では、評価値集計要求メッセージ受信処理が行われる。当該評価値集計要求メッセージ受信処理においては、図8(A)に示すように、制御部11は、評価値集計要求メッセージに示されるコンテンツXのレプリカが保存されているか否かを判別し(ステップS1081)、当該レプリカが保存されていない場合には(ステップS1081:NO)、図5の処理に戻り、当該レプリカが保存されている場合には(ステップS1081:YES)、ステップS1082に進む。
ステップS1082では、制御部11は、評価値集計要求メッセージに示されるコンテンツXであって保存コンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツXの評価値を評価値集計返答メッセージに記述し、当該評価値集計返答メッセージを、コンテンツXのルートノードに送信し、図5の処理に戻る。
ステップS109では、制御部11は、上記受信されたメッセージが評価値集計返答メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージが評価値集計返答メッセージである場合には(ステップS109:YES)、ステップS110に進み、評価値集計返答メッセージでない場合には(ステップS109:NO)、ステップS111に進む。
ステップS110では、評価値集計返答メッセージ受信処理が行われる。当該評価値集計返答メッセージ受信処理においては、図8(B)に示すように、制御部11は、上述した評価値集計用バッファVx,Nxが確保(作成)されているか否かを判別し(ステップS1101)、評価値集計用バッファVx,Nxが確保されていない場合には(ステップS1101:NO)、図5の処理に戻り、評価値集計用バッファVx,Nxが確保されている場合には(ステップS1101:YES)、ステップS1102に進む。
ステップS1102では、制御部11は、評価値集計返答メッセージに示される評価値を、評価値集計用バッファVx内に格納されている値に加算する。
次いで、制御部11は、評価値集計用バッファNxに格納されている値に“1”を加算し(ステップS1103)、図5の処理に戻る。こうして、当該評価値集計返答メッセージ受信処理は、上述したステップS14における待機時間が経過するまで、評価値集計返答メッセージが受信される度に行われることになる。
ステップS111では、制御部11は、上記受信されたメッセージが評価値書換要求メッセージであるか否かを判別し、上記受信されたメッセージが評価値書換要求メッセージである場合には(ステップS111:YES)、ステップS112に進み、評価値書換要求メッセージでない場合には(ステップS111:NO)、図5の処理に戻る。
ステップS112では、制御部11は、保存コンテンツ管理テーブルに登録されている評価値を、受信された評価値書換要求メッセージに示される平均値で書き換え、図5の処理に戻る。
(4−2.コンテンツ提供サーバSAの処理)
先ず、図9を参照して、コンテンツ提供サーバSAの処理について説明する。
図9は、コンテンツ提供サーバSAにおける処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図9に示す処理は、コンテンツ提供サーバSAにおいて電源オンがなされることにより開始される。
図9のステップS21では、コンテンツ提供サーバSAは、電源オフ(シャットダウン)指令があったか否かを判別し、電源オフ指令があった場合には(ステップS21:YES)、当該処理を終了し、電源オフ指令がない場合には(ステップS21:NO)、ステップS22に進む。
ステップS22では、コンテンツ提供サーバSAは、ノードNnからコンテンツ検索メッセージを受信したか否かを判断し、当該メッセージを受信した場合には(ステップS22:YES)、ステップS23に進み、当該メッセージを受信していない場合には(ステップS22:NO)、ステップS24に進む。
ステップS23では、コンテンツ提供サーバSAは、コンテンツ検索メッセージの送信元のユーザノードに対して、コンテンツ検索返答メッセージを送信し、ステップS21に戻る。
ステップS24では、コンテンツ提供サーバSAは、ノードNnからコンテンツ要求メッセージを受信したか否かを判断し、当該メッセージを受信した場合には(ステップS24:YES)、ステップS25に進み、当該メッセージを受信していない場合には(ステップS24:NO)、ステップS27に進む。
ステップS25では、コンテンツ提供サーバSAは、上記コンテンツ要求メッセージに含まれる送信元のノード情報に対応する要求元のノードNnに対して、当該要求に係るレプリカのファイルと共にコンテンツ送信メッセージを送信する。
次いで、コンテンツ提供サーバSAは、当該送信したレプリカに係るコンテンツの評価値(コンテンツ提供サーバSAで管理されている評価値)を例えば半分に減算して、減算した分の評価値を与えるための評価値加算メッセージを要求元のノードNnに対して送信し(ステップS26)、ステップS21に戻る。ここで、後述するステップS28で上記ルートノードから評価値加算メッセージを受信して当該メッセージに示されるコンテンツの評価値が記憶されていた場合には、その記憶されていた評価値が上記減算された分の評価値に加算され、当該加算された評価値を示す評価値加算メッセージがユーザノードに送信されることになる。
或いは、ステップS26でコンテンツ提供サーバSAは、当該送信したレプリカに係るコンテンツの評価値を0に減算して当該減算した評価値(つまり、全評価値)を与えるための評価値加算メッセージを要求元のノードNnに対して送信しても良い。この場合、当該要求元のノードNnに全評価値を渡しておけば、次のコンテンツ要求にはそのノードNnが応じることを期待するものである。
ステップS27では、コンテンツ提供サーバSAは、ノードNnから評価値要求メッセージを受信したか否かを判断し、当該メッセージを受信した場合には(ステップS27:YES)、ステップS26に移行し、上記評価値要求メッセージに示されるコンテンツの評価値を例えば半分に減算して、減算した分の評価値を与えるための評価値加算メッセージを要求元のノードNnに対して送信し、当該メッセージを受信していない場合には(ステップS27:NO)、ステップS28に進む。
ステップS28では、コンテンツ提供サーバSAは、ノードNnから評価値加算メッセージ又は評価値減算メッセージを受信したか否かを判断し、当該メッセージを受信した場合には(ステップS28:YES)、ステップS29に進み、当該メッセージを受信していない場合には(ステップS28:NO)、ステップS21に戻る。
ステップS29では、コンテンツ提供サーバSAは、当該メッセージに示されるコンテンツの評価値を一時的に記憶し、ステップS21に戻る。
以上説明したように、上記実施形態によれば、ルートノードは、自己の管理対象である特定のコンテンツのレプリカを保存している複数のコンテンツ保持ノードに対して、当該コンテンツの評価値の要求を示す評価値集計要求メッセージを送信し、当該評価値の要求に対して、何れかのコンテンツ保持ノードから返信されてきた評価値を示す評価値集計返答メッセージを受信する。続いて、ルートノードは、受信された各評価値集計返答メッセージに示される評価値の合計値を算出し、当該算出された合計値を、上記評価値集計返答メッセージを返信したコンテンツ保持ノードの数分に分割する演算であって当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う。そして、ルートノードは、当該分割された各分割値を、評価値集計返答メッセージを返信した各コンテンツ保持ノードに振り分け、当該振り分けられた分割値で評価値を書き換える要求を示す評価値書換要求メッセージを当該各コンテンツ保持ノードに送信するように構成したので、当該評価値書換要求メッセージを受信した各コンテンツ保持ノードにおける評価値を上記分割値で効率良く書き換えさせることができ、したがって、同一のコンテンツのレプリカを保存するコンテンツ保持ノード間における当該コンテンツの評価値の偏りを効率良く無くし、適切な数のレプリカをコンテンツ分散保存システムS内に確保することができる。また、レプリカ管理が評価値の偏りに影響されにくくなる。
また、高い評価値が付与されたコンテンツのレプリカを保存しているコンテンツ保持ノードが、例えば停電等により、上記ステップS3で評価値加算メッセージを送信できず(他のコンテンツ保持ノードに評価値を与えられず)にコンテンツ分散保存システムSから脱退してしまった場合であっても、同一のコンテンツのレプリカを保存するコンテンツ保持ノード間における当該コンテンツの評価値の偏りを無くし、適切な数のレプリカをコンテンツ分散保存システムS内に確保することができる。
また、ルートノードが、パブリッシュメッセージを受信したときに、当該パブリッシュメッセージに示されるコンテンツのレプリカを保存している全てのコンテンツ保持ノードに対して上記評価値集計要求メッセージを送信して各コンテンツ保持ノードから評価値を取得し、上述した平準化計算を行い、当該各コンテンツ保持ノードに上記評価値書換要求メッセージを行うように構成すれば、何れかのコンテンツ保持ノードにおいて評価値が変化するタイミングで評価値を書き換えることができるので、より迅速に当該コンテンツの評価値の偏りを無くすことができる。
なお、上記実施形態の変形例として、ルートノードが、上記評価値集計要求メッセージに前回算出された平均値を示す情報を含めてこれを送信し、当該メッセージを受信した各コンテンツ保持ノードが、当該メッセージにて示される平均値を基準とする所定範囲(例えば、プラスマイナスの数%の誤差範囲)内に自己が管理している評価値が含まれない(収まっている)場合にのみ、当該評価値を示す評価値集計返答メッセージを上記ルートノードに対して返信するように構成しても良い。この構成の場合、上述した図4に示す評価値集計処理に代えて図10に示す評価値集計処理が行われ、且つ、上述した図8(A)に示す評価値集計要求メッセージ受信処理に代えて図11に示す評価値集計要求メッセージ受信処理が行われることになる。
図10に示す評価値集計処理は、図4の処理と同様、パブリッシュメッセージが受信された際に実行されても良いし、定期的に実行されても良い。
なお、図10のステップS31及びS32の処理は、図4のステップS11及びS12の処理と同様である。
図10のステップS33では、図4のステップS13と同様、制御部11は、各コンテンツ保持ノードに評価値集計要求メッセージを送信するが、その際、前回算出されたコンテンツXの評価値の平均値がメモリに記憶されている場合には、当該平均値を当該評価値集計要求メッセージに記述して送信する。
なお、図10のステップS34〜S36の処理は、図4のステップS14〜S16の処理と同様である。
そして、図10のステップS37では、制御部11は、ステップS35の処理で算出されたコンテンツXの評価値の平均値及び算出年月日日時を示す情報等をメモリ(例えば記憶部12)に記憶する。
一方、図11に示す評価値集計要求メッセージ受信処理において、ステップS1085でレプリカが保存されていると判断された場合には(ステップS1085:YES)、ステップS1086に進む。そして、ステップS1086では、制御部11は、受信された評価値集計要求メッセージにコンテンツXの前回の評価値の平均値が記述されているか否かを判別し、当該平均値が記述されている場合には(ステップS1086:YES)、ステップS1087に進み、当該平均値が記述されていない場合には(ステップS1086:NO)、ステップS1088に進む。
ステップS1087では、制御部11は、受信された評価値集計要求メッセージに記述されるコンテンツXの評価値の平均値を基準とする所定範囲(例えば、プラスマイナスの数%の誤差範囲)内に、保存コンテンツ管理テーブルに登録されている当該コンテンツXの評価値が収まっているか否かを判別する。そして、当該制御部11は、コンテンツXの評価値の平均値を基準とする所定範囲内に保存コンテンツ管理テーブルに登録されている当該コンテンツXの評価値が収まっている場合には(ステップS1087:YES)、評価値集計返答メッセージを送信することなく図5の処理に戻り、当該コンテンツXの評価値が収まっていない場合には(ステップS1087:NO)、ステップS1088に進む。つまり、コンテンツXの評価値の平均値を基準とする所定範囲内に保存コンテンツ管理テーブルに登録されている当該コンテンツXの評価値が収まっている場合、評価値を平準化する対象から外す趣旨である。なお、図11のステップS1088では、図8(A)のステップS1082の処理と同様、評価値集計要求メッセージに示されるコンテンツXであって保存コンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツXの評価値を評価値集計返答メッセージに記述し、当該評価値集計返答メッセージを、コンテンツXのルートノードに返信することになる。
このような変形例の構成によれば、評価値集計返答メッセージの受信数を減らすことができるので、ルートノードにおける評価値集計処理の負荷を軽減することができる。
なお、上記実施形態においては、コンテンツ保持ノードがコンテンツ分散保存システムSからの脱退時に他のコンテンツ保持ノードに自己の評価値を与える形態を一例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、コンテンツ保持ノードがコンテンツ分散保存システムSからの脱退時に他のコンテンツ保持ノードに自己の評価値を与えない形態に対しても同様に適用可能である。
また、上記実施形態は、コンテンツ分散保存システムSに新たに投入(何れか複数のコンテンツ保持ノードに新たに保存)されたコンテンツのレプリカが該システムSにおいて利用可能(公開)となる(例えば、例えば、各ノードNnにおいてコンテンツカタログ情報上からコンテンツを選択可能となる)前であっても同様に適用可能である。
また、上記実施形態におけるコンテンツ分散保存システムSは、DHTを利用したアルゴリズムによって形成されることを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施形態に係るコンテンツ分散保存システムにおける各ノード装置の接続態様の一例を示す図である。 ノードNnの概要構成例を示す図である。 通常のノードNnの制御部11におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。 通常のノードNnの制御部11における評価値集計処理の一例を示すフローチャートである。 図3のステップS9における各種メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。 、図5のステップS92におけるコンテンツ検索メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートであり、(B)は、図5のステップS96におけるコンテンツ要求メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。 (A)は、図5のステップS104における評価値加算/減算メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートであり、(B)は、図5のステップS106における評価値要求メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。 (A)は、図5のステップS108における評価値集計要求メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートであり、(B)は、図5のステップS110における評価値集計返答メッセージ受信処理の詳細を示すフローチャートである。 コンテンツ提供サーバSAにおける処理の一例を示すフローチャートである。 通常のノードNnの制御部11における評価値集計処理の変形例を示すフローチャートである。 図5のステップS108における評価値集計要求メッセージ受信処理の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
8 ネットワーク
9 オーバーレイネットワーク
11 制御部
12 記憶部
13 バッファメモリ
14 デコーダ部
15 映像処理部
16 表示部
17 音声処理部
18 スピーカ
19 通信部
20 入力部
21 バス
Nn ノード
SA コンテンツ提供サーバ
S コンテンツ分散保存システム

Claims (10)

  1. ネットワークに接続された複数のノード装置の参加により構成されるコンテンツ分散保存システムであり、複数のコンテンツの複製データが複数のノード装置に分散して保存され、当該複製データを保存した各前記ノード装置によりそのコンテンツの評価を表す評価値が管理されるようにしたコンテンツ分散保存システムにおいて前記コンテンツの複製データの所在を管理する管理装置であって、
    特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置に対して、当該コンテンツの前記評価値の要求を示す評価値要求情報を送信する評価値要求情報送信手段と、
    前記評価値の要求に対して、何れかの前記ノード装置から返信されてきた前記評価値を示す評価値情報を受信する評価値情報受信手段と、
    前記受信された各評価値情報に示される評価値の合計値を算出する合計値算出手段と、
    前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算手段であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う演算手段と、
    前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分ける分割値振分手段と、
    前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する評価値書換要求情報送信手段と、
    を備えることを特徴とする管理装置。
  2. 請求項2に記載の管理装置において、
    前記演算手段は、前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数で割り、前記分割値としての平均値を算出することを特徴とする管理装置。
  3. 前記コンテンツの複製データを保存しているノード装置は、他のノード装置からのコンテンツ要求に応じて自己が保存している複製データを提供する場合には、そのコンテンツの評価値を所定値減算し、当該提供された複製データを新たに保存した当該ノード装置は、前記提供された複製データを保存したことを示す情報を前記管理装置に送信するものであって、
    当該管理装置の前記評価値要求情報送信手段は、前記ノード装置から送信された、前記複製データを保存したことを示す情報を受信した場合に、当該複製データを保存している前記複数のノード装置に対してそのコンテンツの評価値の要求を示す評価値要求情報を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
  4. 請求項2に記載の管理装置において、
    前記評価値要求情報送信手段は、前記評価値要求情報に前回算出された平均値を示す情報を含めてこれを送信することを特徴とする管理装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の管理装置から送信された前記評価値書換要求情報を受信したノード装置であって、
    自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶されている評価値を、前記受信された評価値書換要求情報に示される分割値で書き換える評価値書換手段と、
    を備えることを特徴とするノード装置。
  6. 請求項4に記載の管理装置から送信された評価値要求情報を受信したノード装置であって、
    自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する記憶手段と、
    前記受信された評価値要求情報にて示される平均値を基準とする所定範囲内に前記記憶されている評価値が含まれない場合に、当該評価値を示す評価値情報を前記管理装置に対して返信する評価値情報返信手段と、
    を備えることを特徴とするノード装置。
  7. コンピュータを、請求項1乃至4の何れか一項に記載の管理装置として機能させることを特徴とする管理処理プログラム。
  8. コンピュータを、請求項5又は6に記載のノード装置として機能させることを特徴とするノード処理プログラム。
  9. ネットワークに接続された複数のノード装置の参加により構成されるコンテンツ分散保存システムであり、複数のコンテンツの複製データが複数のノード装置に分散して保存され、当該複製データを保存した各前記ノード装置によりそのコンテンツの評価を表す評価値が管理されるようにしたコンテンツ分散保存システムにおいて、
    前記コンテンツの複製データの所在を管理する管理装置は、
    特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置に対して、当該コンテンツの前記評価値の要求を示す評価値要求情報を送信する評価値要求情報送信手段と、
    前記評価値の要求に対して、何れかの前記ノード装置から返信されてきた前記評価値を示す評価値情報を受信する評価値情報受信手段と、
    前記受信された各評価値情報に示される評価値の合計値を算出する合計値算出手段と、
    前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算手段であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う演算手段と、
    前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分ける分割値振分手段と、
    前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する評価値書換要求情報送信手段と、
    を備え、
    前記管理装置から送信された評価値要求情報を受信したノード装置は、
    自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する記憶手段と、
    前記受信された評価値要求情報に応じて、前記記憶されている評価値を示す評価値情報を前記管理装置に対して返信する評価値情報返信手段と、
    を備えることを特徴とするコンテンツ分散保存システム。
  10. ネットワークに接続された複数のノード装置の参加により構成されるコンテンツ分散保存システムであり、複数のコンテンツの複製データが複数のノード装置に分散して保存され、当該複製データを保存した各前記ノード装置によりそのコンテンツの評価を表す評価値が管理されるようにしたコンテンツ分散保存システムにおける評価値書換方法であって、
    前記コンテンツの複製データの所在を管理する管理装置は、
    特定のコンテンツの複製データを保存している複数のノード装置に対して、当該コンテンツの前記評価値の要求を示す評価値要求情報を送信する工程と、
    前記評価値の要求に対して、何れかの前記ノード装置から返信されてきた前記評価値を示す評価値情報を受信する工程と、
    前記受信された各評価値情報に示される評価値の合計値を算出する工程と、
    前記算出された合計値を、前記評価値情報を返信したノード装置の数分に分割する演算手段であって、当該分割された各分割値が所定範囲内に収まるように平準化計算を行う工程と、
    前記分割された各分割値を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に振り分ける工程と、
    前記振り分けられた分割値を示し、前記ノード装置において管理されている評価値を当該分割値で書き換える要求を示す評価値書換要求情報を、前記評価値情報を返信した各ノード装置に対して送信する工程と、
    を備え、
    前記管理装置から送信された評価値要求情報を受信したノード装置は、
    自己が保存している複製データに係るコンテンツの評価値を記憶する工程と、
    前記受信された評価値要求情報に応じて、前記記憶されている評価値を示す評価値情報を前記管理装置に対して返信する工程と、
    を備えることを特徴とする評価値書換方法。
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