JP2009180626A - 回転検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回転検出装置が車輪に不適正な状態で配設されても回転伝達部の破損を防止することが可能な回転検出装置を提供する。
【解決手段】 車軸Sが挿通する挿通部1aを備えたハウジング1の挿通部1aに装着され車輪とともに回転する被検出体5と、被検出体5に備えられ回転検出用の磁界を発生する検出部5aと、被検出体5に備えられ検出部5aに車輪Sの回転を伝達する弾性部材から成る回転伝達部5cと、回転伝達部5cに形成され車輪Wと当接する伝達片5bと、を備え、被検出体5の回転を磁気検出手段3によって検出する回転検出装置Aにおいて、回転伝達部5cは伝達片5bの根元に肉抜部5eを設けたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばオートバイまたは自転車等の2輪車用の車輪の回転を検出し、この検出した信号をスピードメータ等へ伝達する電気式の回転検出装置に関するものである。
従来の回転検出装置は、回路基板に実装したホールIC等からなる磁気検出素子と、マグネットとが、樹脂ケースに配設され、前記回路基板及び前記磁気検出素子、前記マグネットをエポキシ等からなる封止部材により封止する構造が採用されている。この回転検出装置を、2輪車用(例えば、オートバイ)の回転検出装置として用いる場合は、回転検出装置を車両のミッションケースやスプロケットカバー等に取り付け、その内部で回転するミッションギアやスプロケット等を被検出体として検出するものであった(例えば、特許文献1参照)。
このような回転検出装置は、車両(2輪車)のボディ剛性や排気量等から前記被検出体に振動が生じ、前記被検出体と前記回転検出装置との検出位置ギャップが変動してしまうことから、前記回転検出装置に磁気の変化が生じ検出ノイズとなり、この回転検出装置から出力される出力データに応じて、例えばスピード表示する指示計器の誤動作の原因につながると言った問題点を有していた。
この問題点に着目し、本願出願人は、特許文献2に開示される回転検出装置を提案した。この回転検出装置は、オートバイ等の2輪車における車輪(前輪ホイール)に装着されるものであり、前記車輪が装着される車軸が挿通する挿通部を備えたハウジングを備え、前記挿通部に前記車輪とともに回転する複数の磁極を有し、プラスチックマグネット等の磁性媒体から構成される被検出体を装着し、この被検出体の回転による前記磁極の変化をホールIC等からなる磁気検出手段によって検出する構造であった。
前記被検出体は、前記磁極を有する円筒部と、前記車輪の回転を前記円筒部に伝達するための伝達片とがプラスチックマグネット等によって一体に形成されてなるものであり、前記伝達片は、前記車輪のハブに設けられる凹部形状の取付部に対応するように、前記ハウジングの開口部側の前記円筒部から外方に引き出し形成されてなるもので、前記円筒部周縁の複数箇所に設けられるものであった。
この回転検出装置は、前記車輪とフロントホークとの間に狭持された状態で配設されるものであった。即ち前記回転検出装置は、前記車輪が装着されている前記車軸を前記挿通部に挿通し、前記車輪の前記ハブに設けられる前記取付部に前記伝達片を嵌め込むとともに、前記挿通部から前記ハウジングの外方に向かって突出する前記車軸をフロントホークを介してナット部材によって固定することで、前記車輪と前記フロントホークとの間において狭持される状態で配設されていた。
この回転検出装置を前記車輪に取り付ける製造工程において、前記車輪の前記ハブの前記取付部に前記回転検出装置の前記伝達片を嵌め込む際に、前記伝達片が前記取付部に嵌ったか否かを目視によって確認することが困難であった。従って前記伝達片が前記取付部に嵌め込まれない不適正な状態で前記回転検出装置が前記ハブと前記フロントホークとの間において共締めされると、前記プラスチックマグネットにより構成される前記伝達片の破損が発生する虞があるといった問題点を有していた。
そこで、この問題点に着目し、回転検出装置が前記車輪に不適正な状態で配設される場合であっても、前記回転検出装置の構成部品を破損させることなく前記車輪に組み付け可能な回転検出装置として、前記伝達片をナイロン、ポリアセタール、ポリアミド等の樹脂系材料やバネ材料綱、SPC圧延綱等の金属系材料からなる弾性部材によって構成したものを本願出願人は、提案していた(例えば、特許文献3参照)。
特開平2−264817号公報 特開平9−229714号公報 特開2003−90740号公報
しかし、前記の回転検出装置では、回転検出装置が車輪に不適正な状態で配設され伝達片が極度に屈曲された場合、前記伝達片やその周囲部が塑性変形し、最悪の場合には亀裂が発生し前記伝達片を破損する虞があるといった問題点を有している。
そこで、本発明は前述した問題点に着目し、回転検出装置が車輪に不適正な状態で配設されても伝達片の破損を防止することが可能な回転検出装置を提供するものである。
本発明は、前記課題を解決するため、車軸が挿通する挿通部を備えたハウジングの前記挿通部に装着され車輪とともに回転する被検出体と、前記被検出体に備えられ回転検出用の磁界を発生する検出部と、前記被検出体に備えられ前記検出部に前記車輪の回転を伝達する弾性部材から成る回転伝達部と、前記回転伝達部に形成され前記車輪と当接する伝達片と、を備え、前記被検出体の回転を磁気検出手段によって検出する回転検出装置において、前記回転伝達部は前記伝達片の根元に肉抜部を設けて成るものである。
また、本発明は、前記肉抜部を前記伝達片の根元の幅より大きく形成したものである。
また、本発明は、前記肉抜部を貫通した孔としたものである。
本発明によれば、所期の目的を達成でき、回転検出装置が車輪に不適正な状態で配設されても伝達片の破損を防止することが可能な回転検出装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明するが、例えば、オートバイの車輪の回転数を検出する回転検出装置を例に挙げ説明する。
本発明の第一実施形態である回転検出装置Aは、樹脂材料からなるハウジング1と、図示しない所定の配線パターンが施された回路基板2と、磁気検出素子(磁気検出手段)3と、ゴム製材料からなるシール部材4と、被検出体5とから構成されている。なお、10は、回転検出装置Aが取り付けられる前輪ホイールである。
ハウジング1は、ポリブチレンテレフタレートやナイロン等の樹脂材料からなり、このハウジング1の略中央には、車軸Sが挿通し、金属材料からなる円筒状の挿通部1aがインサート成形されている。この挿通部1aの周縁には、後で詳述する被検出体5が挿通部1aの外周に対し回転自在に配設するための第一の収納部1bが形成され、この第一の収納部1bの外方には、回路基板2と、この回路基板2に実装した磁気検出素子3とを収納する第二の収納部1cが形成されている。また、ハウジング1の外周(第一の収納部1bの周縁)には、前輪ホイール10方向に突出するスカート部1dが形成されている。
回路基板2は、ガラスエポキシ等の絶縁材料からなる基板に所定の配線パターンが形成されており、磁気検出素子3及びコンデンサ等からなる図示しない電子部品等が半田等により電気的に固定されている。また、この回路基板2は、磁気検出素子3への電源供給及び磁気検出素子3からの出力信号を図示しない指示計器(例えば、スピードメータ)に伝達するための配線コード(図示しない)が備えられ、この配線コードは回路基板2の所定箇所に半田により電気的に接続されている。かかる回路基板2は、第二の収納部1c内に配設した後、この第二の収納部1c内にエポキシ樹脂等からなる封止部材11を充填することで配設固定される。
磁気検出素子3は、リードスイッチやホールIC、MR素子(半導体磁気抵抗素子)等からなるもので、被検出体5の磁極の変化を検出する。
シール材4は、ニトリルやシリコン系等のゴム製材料からなるもので、リング形状をしている。このシール部材4は、ハウジング1の第一収納部1b内に、砂やゴミなどの侵入を防止するものである。
被検出体5は、ハウジング1の挿通部1aを挿通させるための円筒部(検出部)5aが形成され、この円筒部5aの表面には、例えば8極の着磁がなされている。尚、円筒部5aは、例えばプラスチックマグネット等から構成される。また被検出体5は、ナイロン、ポリアセタール、ポリアミド等の樹脂系材料やバネ材料綱、SPC圧延綱等の金属系材料からなる弾性部材から構成され、前輪ホイール10のハブ10aに形成された突起部10bに当接する2つの伝達片5bを有する回転伝達部5cが備えられている。
伝達片5bと回転伝達部5cとは、2つの腕5dによって連結されており、この2つの腕5dによって、伝達片5bの根元には、貫通した孔からなる肉抜部5eが設けられている。この肉抜部5eを設けたことによって、伝達片5bが、その腕5dの部分で、容易に屈曲し、伝達片5bやその周囲部の破損を抑制することができる。
また、この肉抜部5eの幅W1は、伝達片5bの根元の幅W2より大きく形成したことによって、腕5dを長くすることができ、腕5dの部分で容易に屈曲し、伝達片5bやその周囲部の破損を抑制することができる。
円筒部5aと回転伝達部5cとは、インサート成形によって一体的に形成してなるものであり、被検出体5を回転させる際に、円筒部5aと回転伝達部5cとが乖離し、回転伝達部5cが空回りしないように形成されている。
なお、本実施形態では、被検出体5は、円筒部5aと回転伝達部5cとをインサート成形によって構成したものであったが、被検出体5は、円筒部5aと回転伝達部5cとを凹凸嵌合によって結合した構成であってもよい。
以上の各部により回転検出装置Aが構成される。
かかる回転検出装置Aは、製造工程における車両(2輪車)への取付の際に、被検出部5に形成される回転伝達部5cの伝達片5bが、前輪ホイール10のハブ10aに形成される突起部10bに当接した状態(以下、不適正な状態という)で、かつフロントホーク(図示しない)と前輪ホイール10との間で締め付けられると、回転伝達部5cの伝達片5bが、肉抜部5eを設けた部分にて、図1の実線で示すように変形するものの、回転検出装置Aを前輪ホイール10に組み付けた状態で、前輪ホイール10を回転させることで、突起部10bが伝達片5bに対して滑り、回転伝達部5cの伝達片5bが元の状態(図1の点線で示す伝達片5b)に復元可能となる。よって、回転伝達部5cの伝達片5bを元の状態に復元させ、ハブ10aに形成される突起部10bに適正なる状態にて配設することが可能となる。よって従来の回転検出装置Aのように被検出体5を破損することが無くなることから、被検出体5を交換したり(構成部品の交換)、回転検出装置Aそのものを交換するといったことが無くなることから、製造工程における回転検出装置Aの歩留まりを向上させることが可能となる。
また、従来のように、回転検出装置Aが車輪に不適正な状態で配設され伝達片5bが極度に屈曲された場合であっても、伝達片5bの根元に設けた貫通孔5eによって、腕5dやその周囲部が容易に変形し、亀裂の発生や、伝達片5eの破損を抑制することができる。
本発明の第一実施形態の回転検出装置を示す断面図。 同実施形態の被検出体の側面図。 同実施形態の被検出体の裏面図。 図3中B−B線の断面図。
符号の説明
1 ハウジング
1a 挿通部
1b 第一の収納部
1c 第二の収納部
1d スカート部
2 回路基板
3 磁気検出素子
4 シール部材
5 被検出体
5a 円筒部(検出部)
5b 伝達片
5c 回転伝達部
5d 腕
5e 肉抜部
10 前輪ホイール
10a ハブ
10b 突起部
11 封止部材
A 回転検出装置
S 車軸

Claims (3)

  1. 車軸が挿通する挿通部を備えたハウジングの前記挿通部に装着され車輪とともに回転する被検出体と、前記被検出体に備えられ回転検出用の磁界を発生する検出部と、前記被検出体に備えられ前記検出部に前記車輪の回転を伝達する弾性部材から成る回転伝達部と、前記回転伝達部に形成され前記車輪と当接する伝達片と、を備え、前記被検出体の回転を磁気検出手段によって検出する回転検出装置において、前記回転伝達部は前記伝達片の根元に肉抜部を設けて成ることを特徴とする回転検出装置。
  2. 前記肉抜部を前記伝達片の根元の幅より大きく形成したことを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置。
  3. 前記肉抜部を貫通した孔としたことを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置。
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