JP2009179038A - 樹脂注入成形の事前検査方法、およびそれを用いた樹脂注入成形の準備方法 - Google Patents

樹脂注入成形の事前検査方法、およびそれを用いた樹脂注入成形の準備方法 Download PDF

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一朗 武田
Eisuke Wadahara
英輔 和田原
Hitoshi Nishiyama
等 西山
Masaaki Yamazaki
真明 山崎
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Abstract

【課題】繊維基材を型内に配置して樹脂を注入、繊維基材に樹脂を含浸させ、繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形により高品質な繊維強化プラスチックを安定生産するにあたり、成形の成否を成形前に確認する、事前検査方法を提供する。
【解決手段】樹脂注入成形における事前検査方法は、注入孔6または排出孔7の一方から外界から気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、前記注入孔6または前記排出孔7に配した流量計1で通気量を測定し、前記通気量を予め設定した基準範囲と比較し、前期通気量が前記基準範囲に収まるか外れるかによって、所望の繊維強化プラスチックを成形可能かどうか判別するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維基材を単独で、または、繊維基材と副資材をともに型内に配置して樹脂を注入、繊維基材に樹脂を含浸させ、繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形により高品質な繊維強化プラスチックを安定生産するにあたり、成形の成否を成形前に確認する事前検査方法、および当該検査方法を用いた樹脂注入成形の準備方法に関する。
強化繊維とマトリックス樹脂からなる繊維強化プラスチックは、比強度、比弾性率が高く、力学特性に優れること、耐候性、耐薬品性などの高機能特性を有することなどから産業用途においても注目され、その需要は年々高まりつつある。
航空機部材やスポーツ用品など高機能特性を有する繊維強化プラスチックの成形方法としては、プリプレグと称される連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸せしめた半硬化状態の中間基材を積層し、高温高圧釜で加熱加圧することによりマトリックス樹脂を硬化させ繊維強化プラスチックを成形するオートクレーブ成形が最も一般的に行われている。
さらに、近年では密閉型内に樹脂が未含浸の繊維基材を配置し、型内に樹脂を注入、繊維基材に樹脂を含浸させ、樹脂を硬化させて繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形が行われるようになった。樹脂が未含浸の繊維基材はプリプレグと比較して、三次元形状への追従性が良好であるため、比較的複雑な形状の繊維強化プラスチックを製造しやすい利点がある。樹脂を繊維基材内に含浸する駆動力としては、樹脂の高圧注入や、型内の減圧による樹脂の吸引や、それらの組み合わせが用いられる。このような樹脂注入成形は一般的に、熱硬化性樹脂を含浸・硬化させる場合はRTM(Resin Transfer Molding)成形と呼ばれたり、熱可塑性樹脂のモノマー、オリゴマーを含浸・重合させ固化させる場合はRIM(Reaction Injection Molding)成形と呼ばれたりする。特に、型内の減圧のみを用いる場合は、型内が減圧下であるため強固に型締めする必要がなく、昇降機や上下型を用意しなくても、片面型に繊維基材を配置し、バッグフィルムで覆い、型とバッグフィルムで覆われた空間を真空ポンプなどで減圧するだけで、樹脂を注入可能とすることができるため、型償却費が小さく、特に大型構造物で低コストな成形を実現できる。このような成形法はVaRTM成形(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)と呼ばれている。
しかしながら、予め設計値通りの樹脂量が含浸しているプリプレグを用いたオートクレーブ成形と比較して、樹脂注入成形は新たに樹脂を注入するため、場所による樹脂含浸量の粗密により、品質がばらつきやすい。わずかな繊維基材の乱れや配置のずれにより、未含浸部や樹脂リッチ部が発生しやすく、安定生産できる生産条件幅が小さいため、品質制御が困難であった。例えば未含浸部があると、繊維強化プラスチックの製品価値が大きく損なわれるが、樹脂注入成形にあたって未含浸が発生するかしないかを成形前に現場で判断することは難しいという問題があった。
上述のような問題を解決するため、予め繊維基材に樹脂を注入する成形実験を行い、含浸距離と時間の関係からDarcy則に基づき繊維基材の含浸係数を取得し、含浸性を定量的に評価する方法が示されている(例えば特許文献1、2)。また、樹脂を用いる上記成形実験と比較して低コストな評価法として、繊維基材の上下方向の通気量をフラジュール形法などで測定し、通気量により含浸性を定量的に評価する方法も示されている(例えば特許文献3)。これらの方法により、繊維基材自体の含浸性を定量化することは可能であると推測されるが、実際の生産工程で発生する予期せぬ繊維基材の乱れや型自体の擾乱が含浸性に与える影響までは考慮できず、樹脂注入成形の生産安定性を高めることが出来ない、という問題があった。
特開2007−196685号公報 特開2007−269015号公報 特開2004−114586号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、繊維基材を単独で、または、繊維基材と副資材をともに型内に配置して樹脂を注入、繊維基材に樹脂を含浸させ、繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形により高品質な繊維強化プラスチックを安定生産するにあたり、成形の成否を成形前に確認する事前検査方法、および当該検査方法を用いた樹脂注入成形の準備方法を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)注入孔および排出孔以外は密閉された成形型内に繊維基材を単独で、または、繊維基材と副資材とを配し、前記注入孔から樹脂を注入し、前記排出孔から気体を排出し、前記繊維基材中に前記樹脂を含浸させて繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形における樹脂注入前に行う事前検査方法であって、下記A〜Dのいずれかの手段により前記注入孔または前記排出孔の一方から外界から気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、前記注入孔または前記排出孔に配した流量計で通気量を測定し、前記通気量を予め設定した基準範囲と比較し、前記通気量が前記基準範囲に収まるか外れるかによって、所望の繊維強化プラスチックを成形可能かどうか判別する事前検査方法。
A:同一の機器を用いて、前記注入孔に気体を注入する
B:同一の機器を用いて、前記注入孔から気体を排出する
C:同一の機器を用いて、前記排出孔に気体を注入する
D:同一の機器を用いて、前記排出孔から気体を排出する。
(2)前記基準範囲を、前記A〜Dのいずれかの手段により前記注入孔または前記排出孔のいずれか一方から外界から気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、前記注入孔または前記排出孔に配した流量計で通気量を測定した後、樹脂注入して繊維強化プラスチックを成形する成形実験を繰り返し、所望の繊維強化プラスチックを得た際の通気量の範囲とする、(1)に記載の事前検査方法。
(3)所望の繊維強化プラスチックが、予め設定した繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の範囲内および/または予め設定した体積含有率Vfの範囲内の繊維強化プラスチックである、(1)または(2)に記載の事前検査方法。
(4)前記気体が空気である、(1)〜(3)のいずれかに記載の事前検査方法。
(5)前記排出孔に前記流量計を配し、前記注入孔から高圧空注入する(1)〜(4)のいずれかに記載の事前検査方法。
(6)前記注入孔に前記流量計を配し、前記排出孔から負圧吸引する(1)〜(4)のいずれかに記載の事前検査方法。
(7)負圧吸引する手段が真空ポンプである(6)に記載の事前検査方法。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の事前検査方法を用いて事前検査を行い、前記通気量が前記基準範囲を外れた際、樹脂注入成形の再調整を行うステップ、および前記事前検査を行うステップを、前記通気量が前記基準範囲に収まるまで繰り返す、樹脂注入成形の準備方法。
(9)前記樹脂注入成形の再調整を行うステップが、繊維基材の配置位置の調整、繊維基材の交換、副資材の配置位置の調整、副資材の交換、注入孔位置の調整、または、成形型の密閉度の調整、の少なくとも一つを行うことである、(8)の樹脂注入成形の準備方法。
本発明によれば、繊維基材を単独で、または、繊維基材と副資材とを型内に配置して樹脂を注入、繊維基材に樹脂を含浸させ、繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形により高品質な繊維強化プラスチックを安定生産するに当たり、成形の成否を成形前に確認することができる。すなわち本発明は、同一の機器において、例えば、成形実験を繰り返し、所望の繊維強化プラスチックを得た際の通気量の範囲を基準範囲とするなど、成形の成否の判断基準を予め設定するという操作を行うだけで、成形の成否を成形前(つまり、繊維基材に樹脂を注入する前)に確認することができるので、低コストであり、かつ、実際の生産工程で発生する予期せぬ繊維基材、副資材の乱れや、型自体の擾乱により含浸性が悪化することを未然に防止することができ、生産安定性を高めることできる。
本発明者らは、樹脂注入成形により高品質な繊維強化プラスチックを安定生産するにあたり、成形の成否を成形前に簡便に、かつ、正確に確認する事前検査方法を見出すため、鋭意検討し、成形型全体の通気量を測定し、通気量が特定の範囲内である場合、高品質な繊維強化プラスチックが得られることを見出したことにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したのである。
従来より、予め含浸試験を行い、定量的に基材の含浸係数を取得して、樹脂注入成形の成否をシミュレーションなどを用いて予測する手法が知られているが、実際の樹脂注入成形においては必ずしも予測通りに樹脂が繊維基材内に含浸するわけではなく、しばしば未含浸部が発生してしまう。原因は、含浸試験と実際の樹脂注入成形の条件の違いにある。例えば積層数が異なる場合、繊維基材内と繊維基材同士の層間では樹脂の流動のしやすさが異なるため、再現性がない。また、例えば成形型のキャビティ厚みが異なり、繊維基材の押し付け圧が異なる場合、繊維基材中の隙間量が変わり、含浸性が大きく異なってしまう。これら積層数や積層構成、成形型のキャビティ厚みなどを、実際の樹脂注入成形を忠実に再現して含浸試験を行ったとしても、三次元形状に繊維基材を賦形した場合には繊維基材の繊維配向角や繊維体積含有率が局所的に変化することが知られており、平板状の繊維基材を用いた含浸試験ではそれら局所的な擾乱までは再現できない。さらに実際の成形では、繊維基材自体のばらつきや、繊維基材以外の擾乱、例えばピールプライや樹脂拡散媒体などの副資材を用いる場合にはこれら副資材の寸法や配置、型自体の公差、繊維基材と型との密着性、型の密閉度、注入孔の位置など、含浸試験では測定し得ない様々な要因により、成形の成否が左右されてしまう。したがって、含浸試験により取得した含浸係数だけでは樹脂注入成形の成否判断の指標とはならない。
また、樹脂を用いる含浸試験よりもより簡便な検査方法として、繊維基材の上下方向の通気量を測定することで、含浸性を予測する手法が知られているが、一般的に樹脂注入成形では繊維基材の面方向に樹脂が含浸するため、繊維基材の上下方向の通気量で繊維基材の含浸性を適切に評価できていない可能性がある。さらに、上述したように、実際の樹脂注入成形では、繊維基材以外の要因により成形の成否が左右されてしまう可能性もあるため、繊維基材の通気量を測定しただけでは樹脂注入成形の成否判断の指標とはならない。
そこで本発明者らは、実際の樹脂注入成形において成形の成否を左右する支配的な条件のほとんどを考慮して、なおかつ簡便に成形の成否を判断するために、本発明に係る事前検査方法を見出した。すなわち、注入孔および排出孔以外は密閉された成形型内に繊維基材を単独で、または、繊維基材と副資材をともに配し、注入孔から樹脂を注入し、排出孔から気体を排出し、前記繊維基材中に樹脂を含浸させて繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形における樹脂注入前に行う事前検査方法であって、図4のフローチャートに示すように、注入孔または排出孔の一方から外界の気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、注入孔または排出孔に配した流量計で通気量を測定し、通気量を予め設定した基準範囲と比較し、通気量が基準範囲に収まるか外れるかによって、所望の繊維強化プラスチックを成形可能かどうか判別する。注入孔または排出孔の一方から外界から空気気体を流入させ、もう一方から外界に気体を取り出す手段としては、A:同一の機器を用いて前記注入孔気体を注入する、B:同一の機器を用いて前記注入孔から気体を排出する、C:同一の機器を用いて前記排出孔に気体を注入する、またはD:同一の機器を用いて前記排出孔から気体を排出する、の手段が用いられる。
本発明で事前検査を行う樹脂注入成形は、以下の流れで行われる。成形型内に布帛基材や不織布基材などの繊維基材のみ、または、繊維基材とピールプライや樹脂拡散媒体などの副資材を配置し、すでに成形型に注入孔および排気孔が設置されている場合は、繊維基材や副資材の位置関係を調整し、注入孔および排出孔にチューブなどを用いる場合には、成形型や繊維基材、副資材との位置関係を調整して注入孔および排出孔を配置する。次に、両面型ならば上下型、片面型ならば下型とバッグフィルムで成形型を閉じ、注入孔および排出孔以外を密閉する。その後、注入孔から積極的に樹脂を注入することで、成形型内の気体を受動的に排出孔から排出してもよいし、積極的に排出孔から成形型内の気体を排出することによって、成形型内を負圧として受動的に注入孔から樹脂を注入してもよいし、注入孔から積極的に樹脂を注入するとともに、排出孔からも積極的に樹脂を排出してもよい。排出孔からは気体だけでなく樹脂が排出しても構わない。こうして注入された樹脂は繊維基材内に直接含浸、もしくは副資材を通して繊維基材内に含浸して、熱硬化性樹脂ならば反応・硬化、熱可塑性樹脂ならば重合・固化することにより、繊維基材と一体化し、繊維強化プラスチックとなる。
含浸試験のように樹脂を用いず、気体を用いて検査するため、繊維基材や型などを汚すことなく、簡易に短時間で実施可能である。実際の樹脂注入成形において、繊維基材を型内に配置し型締めを行い、後は樹脂を注入するだけの状態で検査を行うため、繊維基材だけでなく副資材や型など含浸に影響するほとんどの主要な要因を考慮して、成形の成否を判断することが出来る。その際、注入孔または排出孔の一方から外界から気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させる気体の駆動源として同一の機器を用いることで、通気量を定量的に比較することができる。本発明の通気量の基準範囲は絶対的な指標ではなく、同一の形状、同一の装置群で樹脂注入成形するにあたり、相対的な指標として用いることができる。なお、本発明でいう注入孔および排出孔はそれぞれ複数の孔から構成されていても構わず、事前検査時には注入に用いられる孔同士、排出に用いられる孔同士をそれぞれ1つにまとめて扱い、複数の孔すべての流量を和算してもよいし、複数の孔同士をチューブで接続し1つの流路にまとめ、その流路の流量を測定しても構わない。
さらに好ましくは、前記基準範囲を、図5のフローチャートで示すように、上記A〜Dのいずれかの手段により注入孔または排出孔のいずれか一方から外界から気体流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、注入孔または排出孔に配した流量計で通気量を測定した後、樹脂注入して繊維強化プラスチックを成形する成形実験を繰り返し、所望の繊維強化プラスチックを得た際の通気量の範囲とするのがよい。所望の繊維強化プラスチックとは、最終的に得られる繊維強化プラスチックが、製品として許容できる繊維強化プラスチックであることを指す。具体的には、品質管理上、予め設定した繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の範囲内および/または予め設定した体積含有率Vfの範囲内であることをもって、所望の繊維強化プラスチックを得たとすることが好ましい。本発明において“繊維強化プラスチック表面の未含浸面積”とは、繊維強化プラスチック表面において、予め設定した繊維体積含有率Vfよりはるかに高いVfの場所の面積を指し、樹脂が足りずに繊維がむき出しとなっている部位、樹脂が少なく成形型面に比べ明らかにざらざらした表面となっている部位、および、平滑な面から局所的に樹脂が欠けたへこみ(ピット)の面積を和算したものを指す。その他、製品として許容できる繊維強化プラスチックの具体例としては、表面品位などを官能評価して、合格水準であると判断された繊維強化プラスチックでもよいし、ピットの数や表面平滑性、ボイド率、重量などによって定量評価して、合格水準であると判断された繊維強化プラスチックでもよい。
さらに好ましくは、前記予め設定する基準範囲は、安全率を見込み、通気量の平均から±0.4×(所望の繊維強化プラスチックを得た際の通気量の最大値−所望の繊維強化プラスチックを得た際の通気量の最小値)の範囲とするのがよい。同一製品を大量に樹脂注入成形で製造する場合には、通気量データを蓄積することにより、より好ましい通気量の範囲の確度が高くなり、生産安定性が向上する。
本発明において、通気量を測定する媒体は気体であればどのようなものを用いても構わない。繊維基材や樹脂の酸素に対する反応性が問題となる場合に窒素やアルゴンガスなど不活性ガス環境下で樹脂注入成形を行う場合は、不活性ガスをそのまま利用しても構わない。空気雰囲気で樹脂注入成形を行う場合でも、窒素などを高圧充填したガスボンベを用いて高圧注入を行ってもよい。気体の中でも空気を用いる場合は、特別な供給手段が必要なく、低コストで簡便に通気量を測定する媒体として利用可能であり、好ましい。
流量計は注入孔または排出孔のいずれに設置してもよいが、さらに好ましくは、検査媒体である気体の駆動源が設置される孔とは別の孔に流量計を配するのがよい。大気開放された孔に流量計を設置することで、気体の駆動源からの擾乱を受けにくくなる。例えば、排出孔から気体の注入を行う場合は、注入孔に流量計を配し、注入孔から気体を排出する場合は、排出孔に流量計を配するのがよい。さらに好ましくは、排出孔に流量計を配し注入孔から高圧空注入する、もしくは、注入孔に流量計を配し排出孔から負圧吸引するのがよい。
高圧空注入する手段としては、工場で供給された一定圧の高圧空を用いたり、高圧充填したガスボンベから一定圧で気体を流出させたり、圧力ポンプを用いることができる。また、負圧吸引する手段としては、真空ポンプを用いるのがよい。樹脂注入成形を行う現場には真空ポンプはありふれた装置であり、この真空ポンプを排出孔に接続し、注入孔には流量計を配し、注入孔を大気開放するだけで、通気量を測定することができる。なお、真空ポンプには固有の流量容量があり、本発明の事前検査方法においては同一の機器、すなわち、同じ真空ポンプか、少なくとも同じ型式、同じ流量容量の真空ポンプを適用するのがよい。一方、注入孔は二股とし、片方を樹脂ポット(または樹脂注入機)に、もう片方を流量計に接続し、弁で切り替えることで、検査時に注入孔を樹脂ポット(または樹脂注入機)から流量計につなぎかえる手間がなく生産サイクルへの影響を最小限とすることができ、好ましい。
上記の事前検査を行い、通気量が基準範囲外であった場合には、樹脂注入を行っても所望の繊維強化プラスチックを得られる可能性は低い。したがって、図6のフローチャートに示すように、事前検査の結果、樹脂注入を中止した場合、樹脂注入成形の再調整を行うステップ、および事前検査を行うステップを、通気量が基準範囲に収まるまで繰り返す、樹脂注入成形の準備を行うのが好ましい。通気量が好ましい通気量の範囲より大きい場合は、成形型内に隙間が大きいことを示している。そのまま樹脂注入成形を行えば、隙間を樹脂が流動してしまい、流動抵抗の大きな繊維基材には樹脂が含浸せず、未含浸部が形成されてしまう可能性がある。また、隙間に樹脂が充填され樹脂リッチ部が形成されてしまうおそれもある。したがって、繊維基材の大きさ、厚みが成形型キャビティに対して適切であるか、樹脂が繊維基材を介さずにそのまま排出孔に排出されるような経路が形成されていないか、に注目して、繊維基材や副資材などの調整を行う必要がある。通気量が好ましい通気量の範囲より小さい場合は、繊維基材内に十分に樹脂が流動できる隙間が足りない可能性がある。したがって、繊維基材の大きさ、厚みが成形型キャビティに対して適切であるか、注入孔、副資材の配置に注目して、繊維基材や副資材などの調整を行う必要がある。さらに好ましくは、樹脂注入成形の再調整として、繊維基材の配置位置の調整、繊維基材の交換、副資材の配置位置の調整、副資材の交換、注入孔位置の調整、もしくは、成形型の密閉度の調整、の少なくとも一つを行うのがよい。
本発明の事前検査方法としては、強度、剛性、軽量性が要求される、ボンネット、ルーフ、フロアなどの自動車部材、スキン、ストリンガーなどの航空機部材、風車ブレードなどを樹脂注入成形にて製造するにあたり好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例に記載の発明に限定されるというものではない。
繊維基材:炭素繊維平織物CO6343B(東レ製、織物目付:198g/m
強化繊維:T300B−3K(弾性率:230GPa、強度:3530MPa、フィラメント数:3000本、1.8g/cm
樹脂:エポキシ樹脂TR−C35(東レ製、1.2g/cm
主剤:エピコート828(油化シェルエポキシ社製)
硬化剤:TR−C35Hイミダゾール誘導体(東レ製)
(混合比:主剤:硬化剤=10:1)
100℃での樹脂粘度:17mmPa・s(E型粘度計を用いて30℃、50℃、70℃にて粘度を測定し、WLF式に基づき換算した値)
コア材:フォーマックHR#1006(積水化学工業製)
耐熱アクリル樹脂性発砲体、密度0.1g/cm、厚み6mm。
<繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合の測定法>
樹脂注入成形により得られた繊維強化プラスチック表面において、予め設定した繊維体積含有率Vfよりはるかに高いVfの場所の面積を指し、樹脂が足りずに繊維がむき出しとなっている部位、樹脂が少なく成形型面に比べ明らかにざらざらした表面となっている部位、および、平滑な面から局所的に樹脂が欠けたへこみ(ピット)の面積を和算したものを、繊維強化プラスチック表面積(両面)で割った割合を、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合とする。
(実施例1)
図1に示すRTM成形型8、9を用いて、140cm(長さ)×80cm(幅)×20cm(高さ)の大きさで1.8mm厚、設定繊維体積含有率Vf48%、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%以下の繊維強化プラスチックを成形するにあたり、事前検査を行った。
繊維基材をキャビティ10に沿わせて裁断し、8層擬似等方積層([(0/90)/(±45)]2S)して、キャビティ10に賦形した。次に、上型8を降ろし、型締めし、真空ポンプ3で型内を減圧した。本試験で用いた真空ポンプ3の容量は120L/minの流量容量を有する。同日に真空ポンプ3単独の真空度(大気圧との差圧)を確認したところ、762mmHgであった。成形型8、9を密閉した状態で真空ポンプ3を接続し、真空度を確認した際、0.4mmHg以下の差であるときに成形型内は密閉されているとして、検査を継続した。注入孔6は二股に分かれており、片方は樹脂注入機4に、もう片方は流量計1につながり大気開放されている。この状態で、注入孔6側の弁2を流量計1側に開放し、通気量の測定を行った。通気量測定が終った後、弁2を樹脂注入機4側に開放し、RTM成形を行った。樹脂注入機4から主剤と硬化剤を混合したエポキシ樹脂を80℃、0.75MPaで押し出し、100℃に温調した成形型8、9に注入した。樹脂は溝11で左右に広がり繊維基材に面方向に樹脂を含浸する。注入後、15分保持して型開けし、脱型して繊維強化プラスチックを得た。
上記成形実験を10回繰り返し、表1に示すように、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%以下となった場合、所望の繊維強化プラスチックが得られたとして○、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%より大きかった場合を×として判定したところ、8回が○となった。この8回の成形前の通気量の範囲は10.3〜31.5L/minであり、事前検査の指標である通気量の基準範囲として設定した。残りの2回の通気量はそれぞれ、7.9L/minと35.3L/minであった。前者は繊維基材の切込部のオーバーラップの影響でVfが高い領域が存在し、樹脂不足により表面がざらざらになっていた。一方、後者は繊維基材の配置がずれており、繊維基材端部に隙間が出来ており、その部分が樹脂リッチとなったほか、中央部にまで樹脂が流動せず、中央部に未含浸部が発生していた。
さらに、上記成形実験にならい通気量を測定し、通気量の基準範囲10.3〜31.5L/minを外れていた場合には、成形型を開け、調整を行い、さらに通気量を測定し、上記通気量の基準範囲に収まるまで調整と通気量測定を繰り返すこととした。表2に示すように、20回中5回、上記通気量の基準範囲を外れたので、成形型を開け、それぞれ繊維基材の配置のずれ、目ずれをなおし、成形型に噛み込んでいた繊維基材端部のほつれを裁断し、オーバーラップにより嵩高となっている部分をカットして修正することにより、いずれも2回目の通気量の測定時には上記通気量の基準範囲に収まった。実際に成形したところ、20回とも所望の繊維強化プラスチックを得ることができた。このようにして、非常に簡易な事前検査により、RTM成形を用いて繊維強化プラスチックを安定生産することが可能となった。
(実施例2)
図2に示すVaRTM成形に習って、20cm(長さ)×20cm(幅)の大きさで0.9mm厚、設定繊維体積含有率Vf48%、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%以下の平板状の繊維強化プラスチックを成形するにあたり、事前検査を行った。
繊維基材を20×20cmに裁断し、4層擬似等方積層([(0/90)/(±45)])して、片面型17に配置した。次に、積層した繊維基材15の上にピールプライ14(脱型時、バッグフィルムなどと繊維強化プラスチックを分離するため)、樹脂拡散媒体13(プラスチックネット)を配し、バッグフィルム12で覆い、シール材16で成形型を密閉した。注入孔6と排出孔7を設け、排出孔7に真空ポンプ3を接続し、型内を減圧した。本試験で用いた真空ポンプ3の容量は80L/minの流量容量を有する。片面型17は100℃に温調されたオーブン内に配置した。注入孔6側の弁2を閉め、成形型内を減圧し密閉されていることを確認した後、注入孔6に流量計を取り付け大気開放し、通気量の測定を行った。通気量測定が終った後、注入孔6側の弁2を閉め、成形型内を減圧し、注入孔6を樹脂ポット5に接続して、弁2を開放し、VaRTM成形を行った。樹脂ポット5には80℃で温調した主剤と硬化剤を混合したエポキシ樹脂が入っている。樹脂は樹脂拡散媒体13、ピールプライ14を介して繊維基材15に面方向に含浸した。注入後、15分保持して型開けし、脱型して繊維強化プラスチックを得た。
上記成形実験を10回繰り返し、表4に示すように、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%以下となったものを所望の繊維強化プラスチックが得られたとして○、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%より大きかった場合を×として判定したところ、7回が○となった。この7回の成形前の通気量の範囲は8.5〜21.1L/minであり、事前検査の指標である通気量の基準範囲として設定した。残りの3回の通気量はそれぞれ、5.8L/min、7.9L/min、25.3L/minであった。前2つは樹脂拡散媒体13のサイズが小さく、樹脂が硬化するまでに繊維基材15に含浸しきれず、未含浸部が発生した。最後の1つは樹脂拡散媒体13のサイズが大きかったため、繊維基材15隅々にまで樹脂が行き渡る前に樹脂が樹脂拡散媒体13を介して排出孔7から排出されてしまい、裏面を中心に未含浸部が発生した。
さらに、上記成形実験にならい通気量を測定し、通気量の基準範囲8.5〜21.1L/minを外れていた場合には、成形型を開け、調整を行い、さらに通気量を測定し、上記通気量の基準範囲に収まるまで調整と通気量測定を繰り返すこととした。表5に示すように、20回中4回、上記通気量の基準範囲を外れたので、それぞれバッグフィルム12を剥ぎ、新たな樹脂拡散媒体13を配置し、または副資材であるピールプライ14や樹脂拡散媒体13の端部をカットして形を整え、位置ずれを調整した後、新たなバッグフィルム12でもう一度成形型を密閉した。注入孔6側の弁2を閉め、成形型内を減圧し密閉されていることを確認した後、注入孔6を大気開放し、もう一度通気量の測定を行った。いずれも2回目の通気量の測定時には上記通気量の基準範囲に収まった。実際に成形したところ、20回とも所望の繊維強化プラスチックを得ることができた。さらに、繊維体積含有率Vfはいずれも48±1%と極めてばらつきが少なく、高品質な繊維強化プラスチックを得ることができた。
(実施例3)
図3に示すVaRTM成形に習って、20cm(長さ)×20cm(幅)×6.2mm(高さ)の大きさで、繊維基材部の設定繊維体積含有率Vf48%、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%以下のハット形状のサンドイッチ構造の繊維強化プラスチックを成形するにあたり、事前検査を行った。
コア材18を台形断面に加工し、表面に溝加工(樹脂の流路とするため)を施した。その周りに繊維基材を4層擬似等方積層([(0/90)/(±45)]、うちコア上面は[(0/90)/(±45)]、コア下面は[(±45)/(0/90)])して、片面型17に配置した。次に、繊維基材15の上にピールプライ14を配し、バッグフィルム12で覆い、シール材16で成形型を密閉した。以降、実施例2と同様にして、通気量測定と樹脂注入成形を10回繰り返した。
10回ともコア材18の表面に施した溝加工の様態が異なる(溝の幅、ピッチなどを変更)。表6に示すように、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%以下となったものを所望の繊維強化プラスチックが得られたとして○、繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合が1%より大きかった場合を×として判定として判定したところ、6回が○となった。この6回の成形前の通気量の範囲は9.3〜26.4L/minであり、事前検査の指標である基準となる通気量の基準範囲として設定した。うち、上記通気量の基準範囲の平均値近くの通気量となった、17.0L/minの通気量を計測したコア材18の溝加工の仕様を採用し、20回の本成形を行った。
表7に示すように、上記成形実験にならい通気量を測定し、通気量の基準範囲9.3〜26.4L/minを外れていた場合には、成形型を開け、調整を行い、さらに通気量を測定し、上記通気量の範囲となるまで調整と通気量測定を繰り返すこととした。20回中1回、上記通気量の基準範囲より大きくなった。繊維基材15が大きく、バッグフィルム12が突っ張り、隙間が生じていた。バッグフィルム12を剥ぎ、繊維基材15の端部を裁断した後、新たなバッグフィルム12でもう一度成形型を密閉し、成形型の密閉度を調整した。注入孔6側の弁2を閉め、成形型内を減圧し密閉されていることを確認した後、注入孔6を大気開放し、もう一度通気量の測定を行ったところ、上記通気量の基準範囲内となった。実際に成形したところ、20回とも所望の繊維強化プラスチックを得ることができた。
(比較例1)
実施例1の成形実験と同様にして、通気量を測定し、通気量が実施例1で設定した基準範囲10.3〜31.5L/minに収まるか外れるかに関わらず、10回の樹脂注入成形を行った。表3に示すように、10回中2回が設定した基準範囲を外れた、38.4L/min、6.5L/minを示したが、そのまま樹脂注入成形を行ったところ、いずれも繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の割合は10%を超え、所望の繊維強化プラスチックを得ることができなかった。前者は繊維基材端部が樹脂リッチとなったほか、中央部に未含浸部が生じた。後者はR部で繊維基材の目ずれが起き、局所的に高Vfとなり、表面がざらざらしている部位が生じた。
(比較例2)
実施例2の成形実験前に、JIS L1096(1999年)の8.27.1のA法(フラジュール形法)に従い、(株)大栄科学精器製作所製コンパクト型通気度試験機AP−360Sを使用して、4層擬似等方積層した繊維基材単独の通気量を測定した。直径が7cmの円筒の一端に、20cm×20cmに裁断し積層した繊維基材を配し、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が水柱1.27cmの圧力を示すように吸込ファンを調整し、そのときの垂直形気圧計を示す圧力と、使用した空気孔の種類とから、試験機に付属の表によって積層した繊維基材を通過する空気量(cm/cm・sec)を求め、測定は5回とし、その平均値を通気量として表4に示した。実施例2と比較すると、所望の繊維強化プラスチックが得られたかどうかと積層した繊維基材単独の通気量とは相関が見られなかった。一つの原因としては、実際は積層した繊維基材の面方向に樹脂含浸が行われる一方、測定されたのが積層した繊維基材の厚み方向の通気量であったため、と推測される。もう一つの原因としては、実施例2では積層した繊維基材の他に、ピールプライや樹脂拡散媒体などの副資材を併用しており、積層した繊維基材単独の通気量では樹脂注入成形全体の樹脂含浸に与える影響まで考慮できなかったため、と推測される。
Figure 2009179038
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本発明の事前検査を行う樹脂注入成形の一例を示す概略図である。 本発明の事前検査を行う樹脂注入成形の一例を示す断面図である。 本発明の事前検査を行う樹脂注入成形の一例を示す断面図である。 本発明の事前検査方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の成形実験の一例を示すフローチャートである。 本発明の樹脂注入成形の準備方法の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1:流量計
2:弁
3:真空ポンプ
4:樹脂注入機
5:樹脂ポット
6:注入孔
7:排出孔
8:上型
9:下型
10:キャビティ
11:溝
12:バッグフィルム
13:樹脂拡散媒体
14:ピールプライ
15:繊維基材
16:シール材
17:片面型
18:コア材
19:型の昇降
20:樹脂注入
21:負圧吸引

Claims (9)

  1. 注入孔および排出孔以外は密閉された成形型内に繊維基材を単独で、または、繊維基材と副資材とを配し、前記注入孔から樹脂を注入し、前記排出孔から気体を排出し、前記繊維基材中に前記樹脂を含浸させて繊維強化プラスチックを成形する樹脂注入成形における樹脂注入前に行う事前検査方法であって、下記A〜Dのいずれかの手段により前記注入孔または前記排出孔の一方から外界から気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、前記注入孔または前記排出孔に配した流量計で通気量を測定し、前記通気量を予め設定した基準範囲と比較し、前記通気量が前記基準範囲に収まるか外れるかによって、所望の繊維強化プラスチックを成形可能かどうか判別する事前検査方法。
    A:同一の機器を用いて、前記注入孔に気体を注入する
    B:同一の機器を用いて、前記注入孔から気体を排出する
    C:同一の機器を用いて、前記排出孔に気体を注入する
    D:同一の機器を用いて、前記排出孔から気体を排出する
  2. 前記基準範囲を、前記A〜Dのいずれかの手段により前記注入孔または前記排出孔のいずれか一方から外界から気体を流入させ、もう一方から外界に気体を流出させ、前記注入孔または前記排出孔に配した流量計で通気量を測定した後、樹脂注入して繊維強化プラスチックを成形する成形実験を繰り返し、所望の繊維強化プラスチックを得た際の通気量の範囲とする、請求項1に記載の事前検査方法。
  3. 所望の繊維強化プラスチックが、予め設定した繊維強化プラスチック表面の未含浸面積の範囲内および/または予め設定した体積含有率Vfの範囲内の繊維強化プラスチックである、請求項1または2に記載の事前検査方法。
  4. 前記気体が空気である、請求項1〜3のいずれかに記載の事前検査方法。
  5. 前記排出孔に前記流量計を配し、前記注入孔から高圧空注入する、請求項1〜4のいずれかに記載の事前検査方法。
  6. 前記注入孔に前記流量計を配し、前記排出孔から負圧吸引する、請求項1〜4のいずれかに記載の事前検査方法。
  7. 負圧吸引する手段が真空ポンプである、請求項6に記載の事前検査方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の事前検査方法を用いて事前検査を行い、前記通気量が前記基準範囲を外れた際、樹脂注入成形の再調整を行うステップ、および前記事前検査を行うステップを、前記通気量が前記基準範囲に収まるまで繰り返す、樹脂注入成形の準備方法。
  9. 前記樹脂注入成形の再調整を行うステップが、繊維基材の配置位置の調整、繊維基材の交換、副資材の配置位置の調整、副資材の交換、注入孔位置の調整、または、成形型の密閉度の調整、の少なくとも一つを行うことである、請求項8の樹脂注入成形の準備方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014517779A (ja) * 2011-05-06 2014-07-24 スネクマ 複合材料製の部品の射出成形方法
JP7562445B2 (ja) 2021-02-26 2024-10-07 三菱重工業株式会社 材料成形装置及び材料の成形方法

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