JP2009176731A - 燃料電池の電極材料からの貴金属回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フッ化水素ガスなどの副次的な有害物質を発生させることなく、燃料電池の電極材料から触媒として含まれている白金などの貴金属を効率的に回収する方法を提供する。
【解決手段】 撥水性を備え且つ貴金属系触媒を含む電極材料を酸化処理して親水化させた後、湿式浸出処理にて貴金属を回収する。かかる電極材料の酸化処理においては、電極材料を酸化させる流体が、燃料電池のセル内に形成されている反応剤流路を介して電極材料に供給されることが好ましい。また、該酸化処理は、水分の共存下で行われるのが好ましく、水蒸気を含むオゾンガスを用いることがより好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池から回収した電極材料に触媒として含まれている白金などの貴金属を、副次的な有害物質を発生させることなく、湿式により効率的に回収する方法に関する。
近年、クリーンなエネルギー源として燃料電池が注目されており、中でも固体高分子型燃料電池(PEFC)は、その小型可能性や携帯性などに対する期待が高く、現在最も開発が進んでいる。固体高分子型燃料電池は、パーフルオロスルホン酸などのフッ素系高分子からなる電解質膜の両面に、アノード及びカソードがそれぞれ接合された基本構造体から構成されている。この基本構造体のアノード及びカソードの外側に、更にカーボンペーパーやカーボンクロスなどのガス拡散層を接合したものが電極材料(MEA;Membrane Electrode Assembly)と称されている。
固体高分子型燃料電池は、上記電極材料の両側に更に流路基板を有している。流路基板には、アノード及びカソードにそれぞれ燃料及び酸化剤(以降、これらをまとめて反応剤とも称する)を供給するための反応剤流路が設けられている。この電極材料とこれを挟んだ流路基板からなる構成は、一般にセル又は単セルと呼ばれている。
上記構造の固体高分子型燃料電池は、アノードに燃料として水素やアルコールを供給すると共に、カソードに酸化剤として酸素又は空気を供給することによって電気化学反応が生じて発電する。具体的には、アノードでは供給された水素から電子が奪われて水素イオンとなる一方、カソードでは電解質膜を通過してアノードからきた水素イオンが電子及び酸素と反応して水を生成する。固体高分子型燃料電池は、このような電気化学反応によって発電するものである。
上記した構造の下で電気化学反応を起こさせて所望の発電性能を発揮させるため、固体高分子型燃料電池の電極材料を構成する部材の一部には、撥水性を有する材料が用いられたり、撥水処理が施されたりしている。例えば、アノード及びカソードは、撥水材を混合したフッ素系高分子中に白金などの貴金属系触媒を混合分散して形成されている。
ところで、固体高分子型燃料電池を採り入れた燃料電池自動車や家庭用定置型燃料電池システムは、既に大規模実証試験段階にあり、本格的な販売も近いという現状にある。しかしながら、大規模に普及させるには、電極周辺部材を一体化した電極材料の耐久性やコストの課題を解決する必要がある。特に、固体高分子型燃料電池は、電極材料に多量の貴金属系触媒を使用しており、これがコスト的な見地からも、貴金属資源量に鑑みても、将来普及させる際に大きな障害になることが顕在化してきた。この問題に対する対応策の一つとして、貴金属以外の触媒であって、貴金属系触媒と同じ程度の性能を持つものを探索する試みが盛んに行われているが、今のところ十分な再現性を持つ非貴金属系触媒の開発はなされていない。
そこで、使用済みの固体高分子型燃料電池を解体して処理する際に、その電極材料から貴金属を効率よく回収する技術の開発が検討されている。しかしながら、現状の固体高分子型燃料電池では、前述したように、その電極材料を構成する電解質膜やアノード及びカソードなどの部材の多くは、フッ素系高分子のマトリックスで構成されており、電極材料の特定部分については安定した撥水性を持つよう設計されていることから、貴金属の回収には多くの問題がある。
例えば、特許第2684171号公報(特許文献1)には、乾式の回収方法として、貴金属系触媒を含む電極材料を炉で燃焼処理して貴金属成分を含む残渣を回収し、その残渣を各種手法で更に処理することで貴金属を取り出す方法が記載されている。しかし、このような処理を行うと電極材料のマトリックスがフッ素系高分子であるために、燃焼処理時に有害なフッ化水素ガスが発生することが避けられない。発生するフッ化水素ガス量を抑制する工夫の余地は多少あるものの、フッ化水素ガスの発生を完全になくすことは事実上困難であるため、ガス処理設備が必要となるほか、焼成炉が長期使用に耐えられないなどの問題がある。
一方、湿式の回収方法としては、貴金属回収方法として広く採用される王水溶解法などの適応が考えられる。しかしながら、固体高分子型燃料電池の電極材料は、前述したように撥水性を保持するよう設計された部材が含まれているため、湿式処理による回収方法を採用した場合には、この部材の撥水性が電極材料と王水などの処理液との接触を悪くし、貴金属回収の妨げとなっていた。
即ち、電極材料中の貴金属系触媒は、撥水材を混合したフッ素系高分子のマトリックス中に分散しているため、王水などの処理液で浸出しようとしても電極材料中の貴金属との接触効率が上がらず、回収効率が極めて悪いという問題があった。しかも、電極材料のマトリックス材質については、強度特性や耐熱性などの点から、フッ素系高分子が最も定評ある素材として世界的に定着しつつある上、フッ素系高分子以外の有機系材質は未だ見通しが立たない現状である。
一般的には、電極材料の劣化に伴って撥水性も低下する傾向にあるとされているが、電極材料の撥水性がある程度減退してしまうと燃料電池としての発電効率が低下してしまい、常用に耐えられなくなってしまう場合があり、このような燃料電池は使用済みとして廃棄処分される。従って、廃棄対象となる燃料電池の電極材料は、まだかなりの撥水性を保持しているものも多いと考えられる。しかも、電極材料の劣化状態は、燃料電池としての使用状況などにより千差万別であり、よって撥水性の保持状況も個々によって異なる。このような状況から、燃料電池の電極部材を一定の湿式処理条件で処理して、貴金属を効率よく回収する方法は知られていなかった。
特許第2684171号公報
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、使用済みとなった燃料電池や、生産されたものの諸事情により使用されなかった燃料電池などの電極材料から、触媒として含まれている白金などの貴金属を、フッ化水素ガスなどの副次的な有害物質を発生させることなく、湿式により効率的に回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、燃料電池の電極材料から白金などの貴金属を湿式処理により効率的に回収する方法について鋭意検討を重ねた結果、撥水材の混合等により撥水性が具備された部材からなる電極材料を湿式により浸出処理する場合は、当該湿式浸出処理の前に、所定の処理を施して親水化することによって、効率よく貴金属を回収できることを見出した。
即ち、上記目的を達成するため、本発明が提供する電極材料からの貴金属回収方法は、使用済みなどの燃料電池の電極材料から触媒として含有されている貴金属を回収する方法であって、撥水性を備え且つ貴金属系触媒を含む電極材料を酸化処理して親水化させた後、湿式にて貴金属を浸出処理することを特徴とする。
上記本発明の電極材料からの貴金属回収方法においては、電極材料を酸化させる流体を、燃料電池のセル内に形成されている反応剤流路を介して該電極材料に供給することが好ましい。また、酸化処理においては、電極材料を水分の共存下にて酸化処理することが好ましい。更に、電極材料をオゾンガスで酸化処理することが好ましい。
本発明によれば、使用済みなどの燃料電池から回収した電極材料を湿式浸出処理する際に、前処理として親水化することにより、フッ化水素ガスなどの副次的な有害物質を発生させることなく、電極材料に触媒として含まれている白金などの貴金属を極めて効率よく回収することができる。
本発明においては、燃料電池から回収した電極材料を湿式にて浸出処理することにより白金などの貴金属を回収するが、その浸出処理の前処理として酸化処理を施すことによって、撥水材の混合などにより撥水性を備えた電極材料の部材を親水化させる。この電極材料の親水化により、電極材料と浸出処理液の接触が改善され、電極材料中の貴金属を効率よく回収することが可能となる。
本発明が処理する対象の燃料電池は、例えば、固体高分子型燃料電池(PEFC)や、その一形態である直接メタノール型燃料電池(DMFC)などのように電極材料の部材が撥水性を保持しているものである。電極材料中に触媒として含まれる貴金属は、主に白金(Pt)であるが、ルテニウム(Ru)など他の貴金属が含まれていても良い。また、本発明においては、燃料電池の形態として、複数の単セルを積層したスタックを想定しているが、1個の単セルからなるものであっても良い。
電極材料を親水化させる手段としては、酸化処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、イオン照射処理、表面グラフト化処理などがあり、これらの2つ以上の処理を組み合わせて実施することができる。これらの処理の中でも酸化処理が最も好ましく、例えば、オゾンや過酸化水素を用いる酸化処理、大気中での加熱による酸化処理などがある。また、大気中での加温による酸化処理も考えられるが、この場合、電極材料が燃焼するとフッ化水素ガスなどの有害物質が発生するので、燃焼が起こらない温度で行う必要がある。
特にオゾンを用いる酸化処理は、気相でも液相でも実施することができ、加熱しなくても処理が可能であるうえ、親水化の効果が顕著であるため好ましい。オゾンガスの濃度あるいはオゾン溶存液の濃度は、特に限定されるものではないが、濃度が高いほど酸化速度が速く、短時間で親水化できる。酸化処理の方法としては、オゾンガスに電極材料を接触させる方法、オゾンを溶解させた水又は水溶液に電極材料を浸漬する方法がある。
更に、上記の酸化処理は、水分の共存下で行うこと、即ち液相又は気相の水が存在する状態で行うことが好ましい。これは、水分共存化で酸化処理すると電極材料の撥水性を持つ部材の表面に酸素が結合する現象に加えて水酸基が置換・吸着する現象が生じるからである。オゾンを溶解させた水又は水溶液を用いる場合は既に水が共存しているが、オゾンガスを用いる場合には水蒸気を混合すれば良い。特に水蒸気を混合したオゾンガスを用いて酸化処理を行えば、電極材料を極めて効率よく親水化することができる。
電極材料の親水化には、上記した酸化処理の他に、プラズマ処理、紫外線照射処理、イオン照射処理、表面グラフト化処理などを用いることも可能である。また、作業時の安全性が確保できる状況であれば、金属ナトリウム溶液で処理する方法を採用することも可能である。
上記のプラズマ処理とは、放電ガスとして希ガスを用い、副反応ガスとして水やアルコール類などの蒸気やガスを使用して、チャンバー内で放電させることによりプラズマ状態を作り、電極材料表面と反応させて親水化する処理である。プラズマ処理には、反応性スパッタリングなどのスパッタリング処理、大気圧グロー放電処理や定圧グロー放電処理などと呼ばれるものも含まれる。
また、上記した紫外線照射処理とは、紫外線、特に遠紫外線を照射して、電極材料表面を光化学的に親水性に改質する方法であり、エキシマレーザーやエキシマランプを用いて、特定の波長域の遠紫外線であるエキシマ光を照射する処理も含まれる。尚、紫外線照射は、水蒸気やアルコール蒸気の雰囲気下で行うことによって、真空中で照射する場合よりも改質効率が向上する。
上記したイオン照射処理とは、熱電子などの衝突により水分子などをイオン化させ、加速電圧をかけてそのイオンを電極材料に照射して親水化する処理を言う。また、上記の表面グラフト化処理とは、電極材料表面に反応開始点(ラジカル)を生成させ、そこに親水性の反応性物質を接触させることにより、接ぎ木のように親水性の分子の枝を伸ばす方法を指す。反応開始点を生成させる手段としては、電子線照射やガンマ線照射などが使用できる。
上記した電極材料の親水化に際して、その電極材料の形態は、例えば、アノードやカソード(触媒層)、電解質膜、ガス拡散層などの各部材が接合した一体形態であっても、これらを分離させた後の分離形態、あるいは適宜に破砕された分断形態などであっても良いが、以下に説明するように、親水化に反応剤流路を使用する場合は、電極材料全体を十分に酸化させ得るように、一体形態であることがより望ましい。即ち、反応剤流路は発電の際に電極材料に反応剤を供給するものであるが、この反応剤流路を酸化処理に利用することによって、電極材料を酸化させる流体をより効率良く電極材料全体に行き渡らせることができる。
これにより、酸化処理工程用として特別な処理槽を設ける必要がなくなり、簡便且つ低コストに親水化処理を行うことができる。尚、上記反応剤流路に反応剤を供給したり反応剤流路から反応剤を排出したりする給排経路が更に備わっていることがより望ましい。電極材料を酸化させる流体の電極材料への供給がより効率よく行われるからである。
ここで電極材料を酸化させる流体とは、必要に応じて加熱を併用することにより電極材料を酸化させることが可能な流体であり、例えば、空気や酸素ガス、オゾン含有ガス、オゾンを溶解させた水又は水溶液、過酸化水素含有溶液等が挙げられる。加熱を併用することによって酸化処理の効率が向上するが、電極材料が燃焼しないように、又は水や水溶液からの水蒸気を含むガス発生に起因して上昇するセル内の圧力がセル構造の許容圧力範囲内に収まるように、温度を制御する必要がある。
上記のごとく酸化処理などにより親水化させた電極材料は、次に、湿式にて浸出処理することにより白金などの貴金属を回収する。このとき、上記酸化処理のときと同様に、燃料電池のセル内に形成されている反応剤流路を利用して電極材料から貴金属を抽出し得る溶液を供給しても良いが、一般的には、セルを解体し、中から取り出した電極材料を湿式浸出処理対象とする方が好ましい。なぜなら、酸化処理時と比較して、湿式浸出処理における処理温度や処理液の化学的反応性は、一般的に著しく高く、セル内の圧力上昇等を構造的な許容範囲内に収めることが難しいからである。
湿式浸出処理により貴金属を抽出する方法としては、酸、アルカリ、塩素イオンのようなイオン溶液などの抽出溶液を用いて抽出回収する方法が知られており、王水溶解法や塩素浸出法、塩酸と他の酸化剤を用いる方法などが代表的なものである。これらの種類の異なる抽出溶液を用い、順次組み合わせて処理しても差し支えない。尚、湿式浸出処理は周知の条件に従って実施すればよい。
本発明による親水化のための酸化処理をせずに、例えば電極材料をそのまま周知の条件に従って王水溶解法により湿式浸出処理しても、白金の回収率は、下記の比較例に示すように殊の外低い。これに対して、本発明における前処理としてオゾンガスによる酸化処理を実施した後、周知の条件で王水溶解法により湿式浸出処理を行った場合には、下記の実施例に示すように白金を高い回収率で回収することができる。
この湿式浸出処理により得られた浸出溶液は、電極材料に含まれていた白金などの貴金属を溶解しているので、一般的な貴金属の精製工程に供給される。そして、浸出溶液中の白金などの貴金属は、その精製工程において回収され、工業的な貴金属原料として、例えば、再度電極材料用の触媒としてリサイクルすることができる。尚、湿式浸出処理で発生する固形残渣は、他の材料の回収工程や最終的な処理工程に供給されるが、貴金属がまだ残留している場合には、再度湿式浸出処理工程に戻し、回収処理を行うことを繰り返すこともできる。
[実施例1]
使用済み固体高分子型燃料電池からセルスタックを取り出し、セルを解体して内蔵されていた処理対象である電極材料を回収した。回収後定量分析した結果、この電極材料には白金(Pt)が3.47重量%含まれていた。この電極材料を1cm角に切断した後、湿式浸出処理の前処理として酸化処理を行い、親水化させた。即ち、電極材料10.3g(Pt含有量357mg)を酸化処理槽に投入し、水蒸気を含むオゾンガスを1.2リットル/minで24時間連続して通過させた。
上記酸化処理に用いた水蒸気を含むオゾンガスは、既存のオゾン活性水製造設備からの排ガスを用いた。尚、このオゾン活性水製造設備は、2リットル/minのオゾン活性水を製造するために、実質容量60リットルの循環滞留水槽に、オゾン濃度85g/Nmのオゾンガスを1.5リットル/minで連続注入している。
次に、上記酸化処理後の電極材料の全量を、6リットルの王水を抽出溶液として入れた浸出処理槽に投入し、85〜100℃の抽出温度で1.5時間撹拌保持して貴金属の抽出処理を行った。
得られた浸出溶液を回収し、定量分析した結果、浸出溶液中に浸出した白金の合計量は327mgであった。この結果から、燃料電池から回収された電極材料に当初から含まれていた白金含有量のうち91.5%が回収できたことが分る。
[実施例2]
実施例1と同じタイプの使用済み固体高分子型燃料電池からセルスタックを取り出し、セルを解体して内蔵されていた処理対象である電極材料を回収した。この回収した電極材料を全て親水化処理槽に投入し、水蒸気を含むオゾン含有ガスを1.5リットル/minで4時間流通させて親水化処理を施した。
上記親水化処理に用いた水蒸気を含むオゾンガスは、既存のオゾン活性水製造設備からの排ガスを用いた。尚、このオゾン活性水製造設備は、2リットル/minのオゾン活性水を製造するために、実質容量60リットルの循環滞留水槽に、オゾン濃度40g/Nmのオゾンガスを4リットル/minで連続注入している。
親水化処理後の電極材料を定量分析した結果、白金(Pt)が3.04重量%含まれていた。次に、この親水化処理後の電極材料を1cm角に切断した後、その10.5g(Pt量として319mg分)を、実施例1と同様に、抽出液として6リットルの王水を入れた浸出処理槽に投入し、85〜100℃の抽出温度で1.5時間撹拌保持して貴金属の抽出処理を行った。
得られた浸出溶液を回収し、定量分析した結果、浸出溶液中に浸出した白金の合計量は291mgであった。この結果から、燃料電池から回収された電極材料に当初から含まれていた白金含有量のうち91.2%が回収できたことが分る。
[実施例3]
実施例1と同じタイプの使用済み固体高分子型燃料電池からセルスタックとそれに繋がる反応剤給排経路を一体のまま取り出し、その反応剤給排経路を利用してセルスタックを構成する各々の単セル内に形成されている反応剤流路に水蒸気を含むオゾン含有ガスを1.5リットル/minで4時間流通させて親水化処理を施した。
上記親水化処理に用いた水蒸気を含むオゾンガスは、実施例2と同様のものを用いた。次に、親水化処理したセルスタックを解体し、セルスタック内の電極材料を全て回収した。この回収した親水化処理後の電極材料を定量分析した結果、白金(Pt)が3.24重量%含まれていた。
次に、この親水化処理後の電極材料を1cm角に切断した後、その10.1g(Pt量として327mg分)を、実施例1と同様に、抽出液として6リットルの王水を入れた浸出処理槽に投入し、85〜100℃の抽出温度で1.5時間撹拌保持して貴金属の抽出処理を行った。
得られた浸出溶液を回収し、定量分析した結果、浸出溶液中に浸出した白金の合計量は299mgであった。この結果から、燃料電池から回収された電極材料に当初から含まれていた白金含有量のうち91.4%が回収できたことが分る。
[比較例]
上記実施例と同じ使用済み固体高分子型燃料電池から回収した電極材料を、前処理である酸化処理を行わずにそのまま湿式浸出処理した。尚、処理前に行った定量分析の結果、この電極材料の白金含有量は、4.21重量%であった。
この電極材料10.9g(Pt含有量378mg)を1cm角に切断した後、その全量を、6リットルの王水を抽出溶液として入れた浸出処理槽に投入し、85〜100℃の抽出温度で1.5時間撹拌保持して貴金属の抽出処理を行った。
得られた浸出溶液を回収し、定量分析した結果、浸出溶液中に浸出した白金の合計量は198mgであった。この結果から、燃料電池から回収された電極材料に当初から含まれていた白金含有量の回収率はわずかに52.3%であることが分る。
上記実施例1〜3及び比較例の結果から、酸化処理して親水化させた後、湿式浸出処理することによって貴金属を極めて高い回収率で回収できることが分った。また、燃料電池のセル内に形成されている反応剤流路を利用して電極材料を酸化させる流体を供給することによって、親水化処理槽を用いることなく貴金属を極めて高い回収率で回収できることが分った。

Claims (4)

  1. 燃料電池の電極材料から触媒として含有されている貴金属を回収する方法であって、撥水性を備え且つ貴金属系触媒を含む電極材料を酸化処理して親水化させた後、湿式にて貴金属を浸出処理することを特徴とする電極材料からの貴金属回収方法。
  2. 前記酸化処理において、電極材料を酸化させる流体を、燃料電池のセル内に形成されている反応剤流路を介して電極材料に供給することを特徴とする、請求項1に記載の電極材料からの貴金属回収方法。
  3. 前記酸化処理において、電極材料を水分の共存下にて酸化処理することを特徴とする、請求項1又は2に記載の電極材料からの貴金属回収方法。
  4. 前記酸化処理において、電極材料をオゾンガスで酸化処理することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電極材料からの貴金属回収方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2020016671A1 (ja) * 2018-07-17 2021-08-02 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 燃料電池スタックを構成する材料の回収方法。
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