JP2009176429A - リレー及びリレーの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、小型化されたリレー及びリレーの制御方法を提供する。
【解決手段】接触位置と、離間位置との間で変位可能な導電性の可動部材37と、可動部材37を移動させるスライダ17と、温度上昇により撓み変形することでスライダ17を移動させるバイメタル部材20と、バイメタル部材20を誘導加熱する第1誘導加熱手段21と、可動部材37を接触位置に保持する係合部44を備え、且つ、係合部44に連なって設けられると共に温度上昇により可動部材37と係合部44との間の係合を解除する方向に撓み変形するバイメタルからなる可撓部46を備えた導電性の作動部材43と、可撓部46を誘導加熱する第2誘導加熱手段47とを備える。固定接点12と可動接点13とを接続及び離間させるために磁力を用いないので、比較的大型のコイルを用いなくてもよい。これによりリレー10の小型化を図ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】接触位置と、離間位置との間で変位可能な導電性の可動部材37と、可動部材37を移動させるスライダ17と、温度上昇により撓み変形することでスライダ17を移動させるバイメタル部材20と、バイメタル部材20を誘導加熱する第1誘導加熱手段21と、可動部材37を接触位置に保持する係合部44を備え、且つ、係合部44に連なって設けられると共に温度上昇により可動部材37と係合部44との間の係合を解除する方向に撓み変形するバイメタルからなる可撓部46を備えた導電性の作動部材43と、可撓部46を誘導加熱する第2誘導加熱手段47とを備える。固定接点12と可動接点13とを接続及び離間させるために磁力を用いないので、比較的大型のコイルを用いなくてもよい。これによりリレー10の小型化を図ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、過電流保護機能を備えたリレー及びリレーの制御方法に関する。
従来より、過電流保護機能を備えたリレーとしては、特許文献1に記載のものが知られている。このリレーは、コイルと、このコイルが励磁されることで撓み変形すると共に可動接点を備えた可動接点バネと、可動接点と電気的に接続可能な固定接点とを備える。可動接点バネは、コイルが励磁されると可動接点と固定接点とが接触する方向に撓み変形する。
また、上記の可動接点バネはバイメタルからなる。従来技術における可動接点バネは、温度が上昇すると、可動接点と固定接点とが離間する方向に撓み変形するように、バイメタルの向きが設定されている。
上記の構成においては、コイルに通電してコイルを励磁すると、可動接点バネが撓み変形して可動接点が固定接点側に移動する。すると、可動接点と固定接点とが接触し、両接点が電気的に接続される。
可動接点と固定接点とが電気的に接続されている状態で、両接点間に過電流が流れると、可動接点バネはジュール熱により温度が上昇する。すると、バイメタルからなる可動接点バネは、可動接点と固定接点とが離間する方向に撓み変形する。この結果、可動接点と固定接点とが離間するので、過電流が遮断される。
特開平9−149541号公報
しかしながら上記の構成によると、可動接点バネを撓み変形させて可動接点を移動させる手段として磁力を発生させるコイルが用いられている。可動接点バネを撓み変形させるためには比較的大きな磁力が必要となるため、コイルを小型化することは難しい。このため、リレーを小型化することが難しいという問題点がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型化されたリレー及びリレーの制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、リレーであって、固定接点と、前記固定接点と接触可能な可動接点を備え、且つ、前記固定接点と前記可動接点とが接触する接触位置と、前記固定接点と前記可動接点とが離間する離間位置との間で変位可能な導電性の可動部材と、前記可動部材と係合して、前記可動部材を前記接触位置に移動させる第1位置と、前記可動部材を前記離間位置に移動させる第2位置との間で移動可能なスライダと、前記スライダを前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する第1付勢手段と、前記スライダと係合して、温度上昇により撓み変形することで前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記スライダを前記第2位置から前記第1位置へと移動させるバイメタル部材と、前記バイメタル部材を誘導加熱する第1誘導加熱手段と、前記スライダに設けられて前記可動部材を前記接触位置から前記離間位置へ向かう方向に付勢する第2付勢手段と、前記可動部材と係合して、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記可動部材を前記接触位置に保持する係合部を備え、且つ、前記係合部に連なって設けられると共に温度上昇により前記可動部材と前記係合部との間の係合を解除する方向に撓み変形するバイメタルからなる可撓部を備えた導電性の作動部材と、前記可撓部を誘導加熱する第2誘導加熱手段と、備える。
まず、リレーの固定接点と可動接点との間に電流を流すためには、第1誘導加熱手段に通電する。すると、バイメタル部材が誘導加熱されて、バイメタル部材の温度が上昇し、バイメタル部材が撓み変形する。すると、バイメタル部材の撓み変形によりスライダが第1付勢手段の付勢力に抗して第2位置から第1位置へと移動し、可動部材が離間位置から接触位置へと移動する。これにより、可動部材の可動接点と、固定接点とが接触し、両接点が電気的に接続される。この結果、電流は、固定接点、可動接点、可動部材、係止部、作動部材へと流れる。
スライダが第1位置へと移動した後、第1誘導加熱手段への通電を停止する。すると、バイメタル部材の温度が低下して、バイメタル部材が復帰変形する。これにより、スライダは、第1付勢手段の付勢力により、第2位置へ移動しようとする。すると、可動部材は、スライダの移動に伴って接触位置から離間位置から移動しようとする。このとき、可動部材は、作動部材の係合部と係合することにより、第1付勢手段及び第2付勢手段に抗して接触位置に保持される。これにより、第1誘導加熱手段への通電が停止された後も、固定接点と可動接点との間は通電される。
次に、固定接点と可動接点との間の通電を遮断するためには、第2誘導加熱手段に通電する。すると、可撓部が誘導加熱されて、可撓部の温度が上昇する。すると、バイメタルからなる可撓部は、可動部材と係合部との間の係合を解除する方向に撓み変形する。これにより、可動部材と、作動部材の係合部との間の係合が解除される。すると、スライダが第1付勢手段に付勢されて第2位置に移動すると共に、可動部材は第2付勢手段に付勢されて離間位置に移動する。これにより、固定接点と可動接点との電気的接続が遮断される。
このように本発明によれば、固定接点と可動接点とを接続及び離間させるために磁力を用いないので、比較的大型のコイルを用いなくてもよい。これによりリレーの小型化を図ることができる。
一方、可動接点と固定接点とが電気的に接続されている状態において、過電流が流れると、作動部材の温度が上昇する。すると、作動部材の可撓部が可動部材と係合部との間の係合を解除する方向に撓み変形し、上記と同様にして、固定接点と可動接点との電気的接続が遮断される。このように本発明によれば、回路を過電流から保護することができる。
本発明の実施態様としては、以下の構成が好ましい。
前記バイメタル部材は、第1金属板と前記第1金属板よりも大きな熱膨張率を有する第2金属板とを接合してなる2枚のバイメタル板を、前記第1金属板同士を対向させた姿勢で重ねて、前記2枚のバイメタル板の端縁同士を接合してなるバイメタルユニットを含む構成としてもよい。
前記バイメタル部材は、第1金属板と前記第1金属板よりも大きな熱膨張率を有する第2金属板とを接合してなる2枚のバイメタル板を、前記第1金属板同士を対向させた姿勢で重ねて、前記2枚のバイメタル板の端縁同士を接合してなるバイメタルユニットを含む構成としてもよい。
上記の構成によれば、バイメタルユニットを加熱すると、バイメタルユニットを構成するバイメタル板が、第1金属板側が凹部となり、且つ第2金属板側が凸部となるように撓み変形する。すると、各バイメタル板の第1金属板を対向させた姿勢で重ねられたバイメタルユニットは、その厚み方向外方に凸状に膨出するように撓み変形する。このように上記の構成によれば、温度上昇時における各バイメタル板の撓み量を増幅することができる。これにより、1枚のバイメタル板によりスライダを移動させる場合に比べて、可動部材を確実に接触位置に移動させることができる。
前記バイメタル部材は、複数の前記バイメタルユニットを積層してなる構成としてもよい。
上記の構成によれば、温度上昇時における各バイメタルユニットの撓み量を増幅することができる。これにより、1つのバイメタルユニットによりによりスライダを移動させる場合に比べて、可動部材を確実に接触位置に移動させることができる。
また、本発明は、固定接点と、前記固定接点と接触可能な可動接点を備え、且つ、前記固定接点と前記可動接点とが接触する接触位置と、前記固定接点と前記可動接点とが離間する離間位置との間で変位可能な導電性の可動部材と、前記可動部材と係合して、前記可動部材を前記接触位置に移動させる第1位置と、前記可動部材を前記離間位置に移動させる第2位置との間で移動可能なスライダと、前記スライダを前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する第1付勢手段と、前記スライダと係合して、温度上昇により撓み変形することで前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記スライダを前記第2位置から前記第1位置へと移動させるバイメタル部材と、前記バイメタル部材を誘導加熱する第1誘導加熱手段と、前記スライダに設けられて前記可動部材を前記接触位置から前記離間位置へ向かう方向に付勢する第2付勢手段と、前記可動部材と係合して、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記可動部材を前記接触位置に保持する係合部を備え、且つ、前記係合部に連なって設けられると共に温度上昇により前記可動部材と前記係合部との間の係合を解除する方向に撓み変形するバイメタルからなる可撓部を備えた導電性の作動部材と、前記可撓部を誘導加熱する第2誘導加熱手段と、備えたリレーの制御方法であって、前記固定接点と前記可動接点との間を電気的に接続する際には、前記第1誘導加熱手段に、少なくとも前記バイメタル部材が撓み変形して前記スライダが前記第2位置から前記第1位置へと移動することで前記可動部材が前記離間位置から前記接触位置へと移動して前記固定接点と前記可動接点とが電気的に接触するまでに必要とされる接触時間の間、通電する第1通電工程を実行し、前記固定接点と前記可動接点との間の電気的接続を切断する際には、前記第2誘導加熱手段に、少なくとも前記可撓部が撓み変形して前記可動部材と前記係合部との間の係合が解除されるまでに必要とされる離間時間の間、通電する第2通電工程を実行する。
上記の方法によれば、第1誘導加熱手段に対しては接触時間の間だけ通電すればよく、また、第2誘導加熱手段に対しては離間時間の間だけ通電すればよい。
本発明の実施態様としては、以下の構成が好ましい。
前記第1通電工程においては、前記第1誘導加熱手段に断続的に通電してもよい。
前記第1通電工程においては、前記第1誘導加熱手段に断続的に通電してもよい。
第1通電工程において、第1誘導加熱手段への通電が保持された状態で故障が発生した場合、バイメタル部材が加熱され続け、バイメタル部材が過熱することが懸念される。
上記の方法によれば、第1誘導加熱手段に通電されない期間においては、バイメタル部材は加熱されず、むしろバイメタル部材からは熱が放散される。この結果、バイメタル部材が継続的に加熱される場合に比べて、バイメタル部材の温度を低くすることができるから、バイメタル部材が過熱することを抑制できる。
また、前記第2通電工程においては、前記第2誘導加熱手段に断続的に通電してもよい。
第2通電工程において、第2誘導加熱手段への通電が保持された状態で故障が発生した場合、可撓部が加熱され続け、可撓部が過熱することが懸念される。
上記の方法によれば、第2誘導加熱手段に通電されない期間においては、可撓部は加熱されず、むしろ、可撓部からは熱が放散される。この結果、可撓部が継続的に加熱される場合に比べて、可撓部の温度を低くすることができるから、可撓部が過熱することを抑制できる。
本発明によれば、リレーを小型化することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9を参照して説明する。実施形態1に係るリレー10は、ケース11内に固定接点12と可動接点13とが収容されてなる。以下の説明においては、図2における上下方向を上下方向とし、図2における左右方向を左右方向とし、図2における紙面の貫通方向手前側を前側とし、紙面の貫通方向奥側を後側とする。
本発明の実施形態1を図1ないし図9を参照して説明する。実施形態1に係るリレー10は、ケース11内に固定接点12と可動接点13とが収容されてなる。以下の説明においては、図2における上下方向を上下方向とし、図2における左右方向を左右方向とし、図2における紙面の貫通方向手前側を前側とし、紙面の貫通方向奥側を後側とする。
(ケース11)
図2に示すように、ケース11は、底部14と、この底部14の上方に組み付けられて上方及び下方に開口する筒部15と、この筒部15の上側の開口塞ぐ蓋部16とを備える。
図2に示すように、ケース11は、底部14と、この底部14の上方に組み付けられて上方及び下方に開口する筒部15と、この筒部15の上側の開口塞ぐ蓋部16とを備える。
図1に示すように、底部14は、合成樹脂製であって、上方から見て矩形状をなす。この底部14は上方に開口する浅い容器状をなしている。
図1に示すように、筒部15は、合成樹脂製であって、略角筒状をなす。図2及び図3に示すように、筒部15の下端部は、底部14の開口内に上方から嵌着されている。図2に示すように、筒部15の上下方向における中央付近には、筒部15の4つの側壁から内方に延びて板状をなし、後述するスライダ17を上下方向に案内するガイド部18が設けられている。
図2に示すように、筒部15の上端部の開口は、矩形状をなす合成樹脂製の蓋部16により塞がれている。
(第1誘導加熱手段21)
図1に示すように、ケース11内には、底部14の上に、上方に開口する箱状をなす収容部19が収容されている。図2に示すように、収容部19内には、後述するバイメタル部材20を誘導加熱する第1誘導加熱手段21が収容されている。第1誘導加熱手段21は、円筒形状をなす第1ボビン22に第1コイル23が巻回されて構成されている。第1ボビン22の上下方向の高さ寸法は、収容部19の上下方向の高さ寸法の略半分に設定されている。
図1に示すように、ケース11内には、底部14の上に、上方に開口する箱状をなす収容部19が収容されている。図2に示すように、収容部19内には、後述するバイメタル部材20を誘導加熱する第1誘導加熱手段21が収容されている。第1誘導加熱手段21は、円筒形状をなす第1ボビン22に第1コイル23が巻回されて構成されている。第1ボビン22の上下方向の高さ寸法は、収容部19の上下方向の高さ寸法の略半分に設定されている。
(バイメタル部材20)
図2に示すように、第1ボビン22の内部には、バイメタル部材20が収容されている。このバイメタル部材20は、板状をなす複数のバイメタルユニット24を積層してなる。
図2に示すように、第1ボビン22の内部には、バイメタル部材20が収容されている。このバイメタル部材20は、板状をなす複数のバイメタルユニット24を積層してなる。
バイメタルユニット24は、第1金属板25と、この第1金属板25よりも熱膨張率の大きな第2金属板26とを接合させてなる2枚のバイメタル板27を、第1金属板25同士を対向させた姿勢で重ね合わせ、両バイメタル板27の端縁同士を固定してなる。第1金属板25及び第2金属板26は磁性体からなる。なお、図2においては、最上部に位置するバイメタル板27についてのみ第1金属板25及び第2金属板26を記載し、それ以外のバイメタル板27については、第1金属板25及び第2金属板26は省略されている。
バイメタル部材20は、上記の構成を有する複数(本実施形態では4つ)のバイメタルユニット24を、各バイメタルユニット24を構成するバイメタル板27の板厚方向(上下方向)に積層してなる。加熱されていない状態におけるバイメタル部材20の上下方向の高さ寸法は、第1ボビン22の上下方向の高さ寸法と同じか、やや低く設定されている。バイメタル部材20は、バイメタルユニット24を上下方向に積層されているから、温度上昇により、上下方向に膨出するように撓み変形するようになっている。
(スライダ17)
図2に示すように、第1ボビン22の上端部には、合成樹脂製のスライダ17が載置されている。スライダ17は、上方から見て矩形状をなし、第1ボビン22の上端部に載置される基台28を備える。
図2に示すように、第1ボビン22の上端部には、合成樹脂製のスライダ17が載置されている。スライダ17は、上方から見て矩形状をなし、第1ボビン22の上端部に載置される基台28を備える。
図2に示すように、基台28の上面には、第1バネ29(本発明の第1付勢手段に相当)が上下方向に弾性変形可能な姿勢で載置されている。第1バネ29の上端部は、ガイド部18の下面に、上方に陥没形成された凹部30内に収容されており、凹部30の上壁に下方から当接している。この第1バネ29により基台28は下方に付勢されている。
図3に示すように、基台28の前後両端部(図3における左右両端部)には、上方に延びる一対の柱部31が固定されている。柱部31は上方に延びており、図3に示すように、ガイド部18の前後両端部寄りの位置に上下方向に貫通して形成された1対の第1貫通孔32内を上下方向に貫通している。この第1貫通孔32により、柱部31は、上下方向に案内されて移動可能になっている。
柱部31の上端には、柱部31と一体に、矩形板状をなす本体部33が形成されている。本体部33は矩形板状をなしており、板面が左右方向を向く姿勢でケース11内に配置されている。
図3に示すように、本体部33の下縁部には、前後方向の中央付近に、下方に垂下してガイドリブ34が形成されている。図3に示すように、ガイドリブ34は、ガイド部18の前後方向の中央付近に上下方向に貫通して形成された第2貫通孔35内を上下方向に貫通している。この第2貫通孔35によりガイドリブ34は、上下方向に案内されて移動可能になっている。ガイドリブ34の下端部は、収容部19の開口内に突入しており、第1バネ29の内部に挿通されている。
図2に示すように、ガイドリブ34の外周には第2バネ36(本発明の第2付勢手段に相当)が外嵌されている。第2バネ36の上端部は、本体部33の下端縁に下方から当接している。
(可動部材37)
第2バネ36の下端部は、金属製の可動部材37と上方から当接している。図2に示すように、可動部材37は前方から見て略L字状をなしている。上述した第2バネ36は、可動部材37の下端部から右方(図2における右方)に向かって延びる受板38の上面に、上方から当接している。
第2バネ36の下端部は、金属製の可動部材37と上方から当接している。図2に示すように、可動部材37は前方から見て略L字状をなしている。上述した第2バネ36は、可動部材37の下端部から右方(図2における右方)に向かって延びる受板38の上面に、上方から当接している。
可動部材37の上端部寄りの位置には、左方(図2における左方)に突出して、可動接点13が形成されている。また、可動部材37の上端縁は、右方(図2における右方)に曲げ形成されており、スライダ17の本体部33の上端縁に上方から係止する係止部39とされる。
図2においては、可動部材37は、ガイド部18の上面に、上方に突出して形成された載置部40の上面に載置されている。可動部材37は、上述したい第2バネ36により下方に付勢されている。
(固定端子41)
図2における筒部15の左側壁の内面には、その上端部に、金属製の固定端子41が配設されている。固定端子41は前方からみて略L字状をなしている。固定端子41の下端部には、右方(図2に置ける右方)に突出して固定接点12が形成されている。固定端子41の上端部は右方(図2における右方)の曲げ形成されており、蓋部16の内面に固定されている。
図2における筒部15の左側壁の内面には、その上端部に、金属製の固定端子41が配設されている。固定端子41は前方からみて略L字状をなしている。固定端子41の下端部には、右方(図2に置ける右方)に突出して固定接点12が形成されている。固定端子41の上端部は右方(図2における右方)の曲げ形成されており、蓋部16の内面に固定されている。
詳細には図示しないが、固定端子41は、蓋部16を貫通して、蓋部16の外面に配設された第1出力端子42と電気的に接続されている。第1出力端子42は、蓋部16の外面に図12における左側に位置して、上方に突出して設けられている。
(作動部材43)
一方、蓋部16の下面には、導電性を有する作動部材43が配設されている。作動部材43は、金属板材をプレス成形することにより形成される。作動部材43は前方からみて略L字状をなしている。作動部材43の下端部には、左方(図2における左方)に突出して、可動部材37の受板38と係合可能な係合部44が形成されている。係合部44は、上方に向かうに従って、前方から見て略S字状に曲げ形成されてなる。また、作動部材43の上端部は左方(図2における左方)に曲げ形成されており、蓋部16の内面に固定されている。
一方、蓋部16の下面には、導電性を有する作動部材43が配設されている。作動部材43は、金属板材をプレス成形することにより形成される。作動部材43は前方からみて略L字状をなしている。作動部材43の下端部には、左方(図2における左方)に突出して、可動部材37の受板38と係合可能な係合部44が形成されている。係合部44は、上方に向かうに従って、前方から見て略S字状に曲げ形成されてなる。また、作動部材43の上端部は左方(図2における左方)に曲げ形成されており、蓋部16の内面に固定されている。
詳細には図示しないが、作動部材43は、蓋部16を貫通して、蓋部16の外面に配設された第2出力端子45と電気的に接続されている。第2出力端子45は、蓋部16の外面に図2における右側に位置して、上方に突出して設けられている。
作動部材43のうち、係合部44に連なると共に上下方向に延びる部分は、バイメタルからなり、温度が上昇すると係合部44が右方(図2における右方)に移動するように撓み変形する可撓部46とされる。
(第2誘導加熱手段47)
図2における筒部15の右側壁の内面には、その上端部寄りの位置に、上述した可撓部46材を誘導加熱する第2誘導加熱手段47が取り付けられている。第2誘導加熱手段47は、円筒形状をなす第2ボビン48に第2コイル49が巻回されて構成されている。第2ボビン48の上下両端部には、筒部15の側壁に取り付けるための一対の固定部50が上下方向に突出して形成されている。この固定部50と、筒部15の側壁の内面とが固定されている。可撓部46は、第2ボビン48の内部を上下方向に貫通した姿勢で配置されている。
図2における筒部15の右側壁の内面には、その上端部寄りの位置に、上述した可撓部46材を誘導加熱する第2誘導加熱手段47が取り付けられている。第2誘導加熱手段47は、円筒形状をなす第2ボビン48に第2コイル49が巻回されて構成されている。第2ボビン48の上下両端部には、筒部15の側壁に取り付けるための一対の固定部50が上下方向に突出して形成されている。この固定部50と、筒部15の側壁の内面とが固定されている。可撓部46は、第2ボビン48の内部を上下方向に貫通した姿勢で配置されている。
(出力端子等)
図3に示すように、蓋部16の上面には、前後方向(図3における左右方向)に並んで複数の端子が上方に突出して設けられている。本実施形態においては、前側(図3における左側)から順に、可動部材37に接続される第2出力端子45、第2コイル49に接続される第2コイル側端子51、第1コイル23に接続される第1コイル側端子52とされる。図3には詳細に図示しないが、第2コイル側端子51及び第1コイル側端子52はそれぞれ一対形成されている。図3において、第2コイル側端子51に対して紙面を貫通する方向奥側に、この第2コイル側端子51と対をなす第2コイル側端子51が設けられている。同様に、図3において、第1コイル側端子52に対して紙面を貫通する方向奥側に、この第1コイル側端子52と対をなす第1コイル側端子52が設けられている。
図3に示すように、蓋部16の上面には、前後方向(図3における左右方向)に並んで複数の端子が上方に突出して設けられている。本実施形態においては、前側(図3における左側)から順に、可動部材37に接続される第2出力端子45、第2コイル49に接続される第2コイル側端子51、第1コイル23に接続される第1コイル側端子52とされる。図3には詳細に図示しないが、第2コイル側端子51及び第1コイル側端子52はそれぞれ一対形成されている。図3において、第2コイル側端子51に対して紙面を貫通する方向奥側に、この第2コイル側端子51と対をなす第2コイル側端子51が設けられている。同様に、図3において、第1コイル側端子52に対して紙面を貫通する方向奥側に、この第1コイル側端子52と対をなす第1コイル側端子52が設けられている。
図には詳細に示さないが、第2コイル49からは図示しないリード線が延出されて、蓋部16を貫通した状態で第2コイル49と第2コイル側端子51とが電気的に接続されている。また、第1コイル23からは図示しないリード線が延出されて蓋部16を貫通した状態で第1コイル23と第1コイル側端子52とが電気的に接続されている。
続いて、図4ないし図8に、本実施形態に係るリレー10を制御する回路を示すと共に、リレー10の動作を示すブロック図を示す。なお、各図において、第1出力端子42、第2出力端子45、第1コイル側端子52、及び第2コイル側端子51については省略されている。
固定端子41は、第1出力端子42を介して電源53と電気的に接続されている。また、可動部材37は第2出力端子45を介して、負荷54に接続されている。
第1コイル23を構成する電線の一方の端部は、第1コイル側端子52を介して第1スイッチ56に接続されている。この第1スイッチ56は高周波電源57に接続されている。
また、第1コイル23を構成する電線の他方の端部は、第1コイル側端子52を介してグラウンド55に接続されている。
第2コイル49を構成する電線の一方の端部は、第2コイル側端子51を介して第2スイッチ58に接続されている。この第2スイッチ58は高周波電源57に接続されている。
また、第2コイル49を構成する電線の他方の端部は、第2コイル側端子51を介してグラウンド55に接続されている。
高周波電源57と、第1スイッチ56及び第2スイッチ58との間の間を接続する導電路は、接続点59で分岐されている。第1スイッチ56及び第2スイッチ58としては、例えばFETなどの半導体リレーを用いることができる。上記の高周波電源57は、例えば周波数25〜100kHz、電流0.1〜10A、電圧8〜18Vの高周波電流を発生させ、第1スイッチ56及び第2スイッチ58を介して、それぞれ第1コイル23及び第2コイル49に高周波電流を通電する。
CPU60は、ユーザからリレー10をオンする指令又はオフする指令を受けて、第1スイッチ56及び第2スイッチ58をオン又はオフする制御を実行する。
(初期状態)
続いて、本実施形態に係るリレー10の動作について説明する。図4は、初期状態、すなわち、ユーザがCPU60に対してリレー10をオンする指令も、オフする指令もなしていない状態を示す。この状態においては、第1スイッチ56及び第2スイッチ58の双方は切断されている。
続いて、本実施形態に係るリレー10の動作について説明する。図4は、初期状態、すなわち、ユーザがCPU60に対してリレー10をオンする指令も、オフする指令もなしていない状態を示す。この状態においては、第1スイッチ56及び第2スイッチ58の双方は切断されている。
上記のように第1スイッチ56は切断されているので、第1コイル23には高周波電源57からの高周波電流は流れていない。このため、バイメタル部材20は誘導加熱されていないので、バイメタル部材20を構成するバイメタル板27は撓み変形していない。上述したように、室温におけるバイメタル部材20の上下方向の高さ寸法は、第1ボビン22の上下方向の高さ寸法と同じか、やや低く設定されているので、スライダ17の基台28は、第1ボビン22及びバイメタル部材20の上面、又は第1ボビン22の上面に載置されている。
この状態において、スライダ17は第1バネ29により上方から下方に付勢されている。また、スライダ17に取り付けられた第2バネ36は、可動部材37を上方から下方に付勢している。可動部材37の受板38は、ガイド部18の載置部40の上面に載置された状態になっている。
上記の状態において、固定金具の固定端子41と、可動部材37の可動端子とは離間した状態にある。この状態における可動部材37の位置が、離間位置とされ、また、スライダ17の位置が、第2位置とされる。
可動部材37が離間位置にある場合には、固定端子41と可動端子とは離間した位置にあり、固定端子41と可動端子とは電気的に接続されていない。
なお、第2スイッチ58が切断されていることにより、第2コイル49には高周波電流が通電されていないので、可撓部46は誘導加熱されていない。
(第1通電工程)
次に、図5ないし図7を参照して、第1通電工程について説明する。図5は、ユーザがCPU60にリレー10をオンする指令を与えた状態を示す。CPU60は、ユーザからの指令を受けて、第1スイッチ56を接続させる共に、第2スイッチ58を切断させる。
次に、図5ないし図7を参照して、第1通電工程について説明する。図5は、ユーザがCPU60にリレー10をオンする指令を与えた状態を示す。CPU60は、ユーザからの指令を受けて、第1スイッチ56を接続させる共に、第2スイッチ58を切断させる。
第1スイッチ56が接続されることにより、第1コイル23には、高周波電源57から高周波電流が通電される。すると、バイメタル部材20が誘導加熱され、バイメタル部材20の温度が上昇する。すると、バイメタル部材20は上下方向に膨出するように撓み変形する(図5参照)。これにより、バイメタル部材20の上面は、下方からスライダ17の基台28に当接し、基台28を上方に押し上げる。
基台28は、第1バネ29の付勢力に抗して、上方に移動する。すると、基台28と、柱部31を介して接続されている本体部33も上方に移動する。これにより、本体部33の上端縁に係止部39を介して係止している可動部材37も、上方に移動する。
すると、可動部材37の受板38の右端縁(図5における右側の端縁)が、左方(図5における左方)から、作動部材43の係合部44に当接する。これにより作動部材43の可撓部46は、右方に撓み変形する。
続いて、図6に、バイメタル部材20が更に変形した状態を示す。図6においては、CPU60により、第1スイッチ56は接続された状態に制御され、且つ、第2スイッチ58は切断された状態に制御されている。この状態において、バイメタル部材20は、例えば155〜165℃に加熱されている。
バイメタル部材20が上方に膨出するように更に変形することにより、スライダ17の基台28は図5に示されるよりも上方に移動する。これにより、スライダ17の本体も、図5に示されるよりも上方に移動する。
スライダ17に係合する可動部材37も、図5に示されるよりも上方に移動しており、可動部材37の受板38の右端縁は、作動部材43の係合部44を乗り越えて係合部44よりも上方に位置している。これにより、作動部材43の可撓部46は左方に復帰変形している。この結果、作動部材43の係合部44は、可動部材37の受板38の右端縁の下方に位置するようになっている。
続いて、図7に、固定接点12と可動接点13とが接続された状態を示す。図7においては、CPU60は、第1スイッチ56を切断させ、且つ第2スイッチ58を切断させる制御を実行する。
第1スイッチ56が切断されたことにより、第1コイル23には高周波電流が通電されない。これにより、バイメタル部材20は誘導加熱されない。この結果、バイメタル部材20から熱が放散されることにより、バイメタル部材20の温度が下がる。すると、バイメタル部材20が復帰変形する。
バイメタル部材20が復帰変形することにより、スライダ17の基台28部は、第1バネ29に付勢されて下方に移動する。すると、基台28に連なる本体部33も下方に移動する。
本体部33が下方に移動すると、本体部33に係止していた可動部材37も下方に変位する。すると、可動部材37の受板38の右端縁は、この受板38の右端縁の下方に位置していた作動部材43の係合部44に対して、上方から当接する。
本体部33が更に下方に移動すると、本体部33の下縁に配された第2バネ36により、受板38の左右方向の中央付近は下方に付勢される。すると、受板38の右端縁は作動部材43の係合部44から上方に向かう力を受けると共に、受板38の左右方向中央付近は第2バネ36から下方に向かう力を受ける。この結果、受板38の左端縁は下方に向かう力を受ける。すると、作動部材43の上端部から左方に突出して形成された可動接点13は、図中矢線で示すように、左方に変位する方向の力を受ける。この結果、可動接点13は、固定接点12に対して右方から押圧され、可動接点13と固定接点12とが接触して、電気的に接続される。この状態における可動部材37の位置が、接触位置とされ、また、スライダ17の位置が、第1位置とされる。係合部44は、第1バネ29及び第2バネ36により可動部材37が下方に付勢される力に抗して、可動部材37を接触位置に保持する。
上述したように、可動部材37は、接触位置と、離間位置との間を移動可能になっている。また、スライダ17は、第1位置と、第2位置との間を移動可能になっている。
また、第1バネ29は、スライダ17を第1位置から第2位置へ向かう方向(図中、上方から下方)に付勢しており、第2バネ36は、可動部材37を接触位置から離間位置へ向かう方向(図中、上方から下方)に付勢している。
可動接点13と固定接点12とが電気的に接続されることにより、電源53からの電流が、電源53、第1出力端子42、固定端子41、固定接点12、可動接点13、可動部材37、受板38、係合部44、可撓部46、第2出力端子45へと通電され、さらに、第2出力端子45から、負荷54へと通電される。
CPU60は、第1誘導加熱手段21に、少なくともバイメタル部材20が撓み変形してスライダ17が第2位置から第1位置へと移動することで可動部材37が離間位置から接触位置へと移動して固定接点12と可動接点13とが電気的に接触するまでに必要とされる接触時間(0.05〜1.0秒)の間、通電させる。好ましくは、上記の接触時間よりもやや長い時間(0.2〜1.2秒)だけ通電させることで、固定接点12と可動接点13とを確実に電気的に接触させることができる。本実施形態における第1通電工程においては、CPU60、第1コイル23に対して、高周波電流を0.2〜1.0秒間、通電させる。
上記のようにして第1通電工程が終了する。
(第2通電工程)
続いて、図8を参照して、第2通電工程について説明する。図8においては、CPU60は、ユーザからリレー10をオフする指令を受けて、第1スイッチ56を切断させ、且つ、第2スイッチ58を接続させる処理を実行する。
続いて、図8を参照して、第2通電工程について説明する。図8においては、CPU60は、ユーザからリレー10をオフする指令を受けて、第1スイッチ56を切断させ、且つ、第2スイッチ58を接続させる処理を実行する。
第2スイッチ58が接続されることで、高周波電源57から、第2コイル49に高周波電流が通電される。すると、バイメタルからなる可撓部46が加熱される。本実施形態においては、可撓部46は、155〜165℃に加熱される。これにより、可撓部46は右方(図8における右方)に撓み変形する。この結果、可撓部46の下端部に連なる係合部44が右方に移動するので、係合部44と、可動部材37の受板38との係合が解除される。すると、第1バネ29及び第2バネ36により付勢されて、可撓部46材及びスライダ17は下方に移動する。これにより、可動接点13と固定接点12とが離間して、可動接点13と固定接点12との電気的接続が切断される。
可動接点13と固定接点12との電気的接続が切断されると、CPU60は、第1スイッチ56を切断させ、且つ、第2スイッチ58を切断させる処理を実行する。
CPU60は、第2誘導加熱手段47に、少なくとも可撓部46が撓み変形して可動部材37と係合部44との間の係合が解除されるまでに必要とされる離間時間(0.05〜1.0秒)の間、通電させる。好ましくは、上記の離間時間よりもやや長い時間(0.2〜1.2秒)だけ通電させることで、固定接点12と可動接点13との電気接続を確実に切断させることができる。本実施形態における第2通電工程においては、CPU60は、第2コイル49に対して、高周波電流を0.2〜1.0秒間、通電させる。
このようにして、第2通電工程が終了する。第2通電工程が終了すると、可撓部46から熱が放散され、可撓部46が復帰変形し、リレー10は初期状態に戻る(図4参照)。
(過電流保護機能)
続いて、図9を参照して、負荷54に過電流が流れた場合におけるリレー10の動作について説明する。固定接点12と可動接点13とが電気的に接続されている状態で負荷54に過電流が流れると、可撓部46はジュール熱により温度が上昇する。すると、バイメタルにより構成された可撓部46は、右方(図9における右方)に撓み変形する。この結果、可撓部46に連なる係合部44と、可動部材37の受板38との係合が解除される。本実施形態においては、可撓部46の温度が155〜165℃になると、係合部44と受板38との係合が解除されるように設定されている。
続いて、図9を参照して、負荷54に過電流が流れた場合におけるリレー10の動作について説明する。固定接点12と可動接点13とが電気的に接続されている状態で負荷54に過電流が流れると、可撓部46はジュール熱により温度が上昇する。すると、バイメタルにより構成された可撓部46は、右方(図9における右方)に撓み変形する。この結果、可撓部46に連なる係合部44と、可動部材37の受板38との係合が解除される。本実施形態においては、可撓部46の温度が155〜165℃になると、係合部44と受板38との係合が解除されるように設定されている。
係合部44と受板38との係合が解除されると、第1バネ29及び第2バネ36により付勢されて、可撓部46材及びスライダ17は下方に移動する。これにより、可動接点13と固定接点12とが離間して、可動接点13と固定接点12との電気的接続が切断される。このようにして、過電流が遮断される。
過電流が遮断されると、可撓部46から熱が放散され、可撓部46の温度が下がる。すると、可撓部46は図9における左方に変位し、リレー10は初期状態に戻る(図4参照)。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。
以上説明したように、本実施形態においては、まず、リレー10の固定接点12と可動接点13との間に電流を流すために、第1誘導加熱手段21に通電する。すると、バイメタル部材20が誘導加熱されて、バイメタル部材20の温度が上昇し、バイメタル部材20が上下方向に撓み変形する。すると、バイメタル部材20の撓み変形によりスライダ17が第1付勢手段の付勢力に抗して第2位置から第1位置へと移動し、可動部材37が離間位置から接触位置へと移動する。これにより、可動部材37の可動接点13と、固定接点12とが接触し、両接点が電気的に接続される。この結果、電流は、固定接点12、可動接点13、可動部材37、係止部39、作動部材43へと流れる。
以上説明したように、本実施形態においては、まず、リレー10の固定接点12と可動接点13との間に電流を流すために、第1誘導加熱手段21に通電する。すると、バイメタル部材20が誘導加熱されて、バイメタル部材20の温度が上昇し、バイメタル部材20が上下方向に撓み変形する。すると、バイメタル部材20の撓み変形によりスライダ17が第1付勢手段の付勢力に抗して第2位置から第1位置へと移動し、可動部材37が離間位置から接触位置へと移動する。これにより、可動部材37の可動接点13と、固定接点12とが接触し、両接点が電気的に接続される。この結果、電流は、固定接点12、可動接点13、可動部材37、係止部39、作動部材43へと流れる。
スライダ17が第1位置へと移動した後、第1誘導加熱手段21への通電を停止する。すると、バイメタル部材20の温度が低下して、バイメタル部材20が復帰変形する。これにより、スライダ17は、第1付勢手段の付勢力により、第2位置へ移動しようとする。すると、可動部材37は、スライダ17の移動に伴って接触位置から離間位置から移動しようとする。このとき、可動部材37は、作動部材43の係合部44と係合することにより、第1付勢手段及び第2付勢手段に抗して接触位置に保持される。これにより、第1誘導加熱手段21への通電が停止された後も、固定接点12と可動接点13との間は通電される。
次に、固定接点12と可動接点13との間の通電を遮断するためには、第2誘導加熱手段47に通電する。すると、可撓部46が誘導加熱されて、可撓部46の温度が上昇する。すると、バイメタルからなる可撓部46は、可動部材37と係合部44との間の係合を解除する方向に撓み変形する。これにより、可動部材37と、作動部材43の係合部44との間の係合が解除される。すると、スライダ17が第1付勢手段に付勢されて第2位置に移動すると共に、可動部材37は第2付勢手段に付勢されて離間位置に移動する。これにより、固定接点12と可動接点13との電気的接続が切断される。
このように本発明によれば、固定接点12と可動接点13とを接続及び離間させるために磁力を用いないので、比較的大型のコイルを用いなくてもよい。これによりリレー10の小型化を図ることができる。
一方、可動接点13と固定接点12とが電気的に接続されている状態において、過電流が流れると、作動部材43の温度が上昇する。すると、作動部材43の可撓部46が可動部材37と係合部44との間の係合を解除する方向に撓み変形し、上記と同様にして、固定接点12と可動接点13との電気的接続が切断される。このように本発明によれば、回路を過電流から保護することができる。
また、本実施形態においては、バイメタル部材20は、第1金属板25と第1金属板25よりも大きな熱膨張率を有する第2金属板26とを接合してなる2枚のバイメタル板27を、第1金属板25同士を対向させた姿勢で重ね、且つ、2枚のバイメタル板27の端縁同士を接合してなるバイメタルユニット24を含む。
上記の構成によれば、バイメタルユニット24を加熱すると、バイメタルユニット24を構成するバイメタル板27が、第1金属板25側が凹部30となり、且つ第2金属板26側が凸部となるように撓み変形する。すると、各バイメタル板27の第1金属板25を対向させた姿勢で重ねられたバイメタルユニット24は、その厚み方向外方に凸状に膨出するように撓み変形する。このように上記の構成によれば、温度上昇時における各バイメタル板27の撓み量を増幅することができる。これにより、1枚のバイメタル板27によりスライダ17を移動させる場合に比べて、可動部材37を確実に接触位置に移動させることができる。
さらに本実施形態においては、バイメタル部材20は、複数のバイメタルユニット24を積層してなる。
上記の構成によれば、温度上昇時における各バイメタルユニット24の撓み量を増幅することができる。これにより、1つのバイメタルユニット24によりによりスライダ17を移動させる場合に比べて、可動部材37を確実に接触位置に移動させることができる。
また、本実施形態においては、固定接点12と可動接点13との間を電気的に接続する際には、第1誘導加熱手段21に、少なくともバイメタル部材20が撓み変形してスライダ17が第2位置から第1位置へと移動することで可動部材37が離間位置から接触位置へと移動して固定接点12と可動接点13とが電気的に接触するまでに必要とされる接触時間の間、通電する第1通電工程を実行し、固定接点12と可動接点13との間の電気的接続を切断する際には、第2誘導加熱手段47に、少なくとも可撓部46が撓み変形して可動部材37と係合部44との間の係合が解除されるまでに必要とされる離間時間の間、通電する第2通電工程を実行する。
これにより、第1誘導加熱手段21に対しては接触時間の間だけ通電すればよく、また、第2誘導加熱手段47に対しては離間時間の間だけ通電すればよい。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。本実施形態においては、CPU60は、第1通電工程において、第1誘導加熱手段21に対して断続的に通電する。
次に、実施形態2について説明する。本実施形態においては、CPU60は、第1通電工程において、第1誘導加熱手段21に対して断続的に通電する。
また、CPU60は、第2通電工程において、第2誘導加熱手段47に対して断続的に通電する。
上記以外の構成については実施形態と同じなので、重複する説明を省略する。
例えば第1通電工程において、第1誘導加熱手段21への通電が保持された状態で故障が発生した場合、バイメタル部材20が加熱され続け、バイメタル部材20が過熱することが懸念される。
上記の方法によれば、第1誘導加熱手段21に通電されない期間においては、バイメタル部材20は加熱されず、むしろバイメタル部材20からは熱が放散される。この結果、バイメタル部材20が継続的に加熱される場合に比べて、バイメタル部材20の温度を低くすることができるから、バイメタル部材20が過熱することを抑制できる。
また、第2通電工程において、第2誘導加熱手段47への通電が保持された状態で故障が発生した場合、可撓部46が加熱され続け、可撓部46が過熱することが懸念される。
上記の方法によれば、第2誘導加熱手段47に通電されない期間においては、可撓部46は加熱されず、むしろ、可撓部46からは熱が放散される。この結果、可撓部46が継続的に加熱される場合に比べて、可撓部46の温度を低くすることができるから、可撓部46が過熱することを抑制できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、バイメタル部材20として、4つのバイメタルユニット24を重ねたものを用いたが、これに限られず、バイメタル部材20としては、1枚又は複数のバイメタル板27を用いてもよく、また、1〜3個又は5個以上のバイメタルユニット24を用いてもよい。
(2)本実施形態においては、第1誘導加熱手段21は、第1コイル23が巻回された第1ボビン22の内部にバイメタル部材20が挿通される構成としたが、これに限られず、第1誘導加熱手段21は、バイメタル部材20を誘導加熱するために必要な任意の構成とすることができる。
(3)本実施形態においては、第2誘導加熱手段47は、第2コイル49が巻回された第2ボビン48の内部に可撓部46が挿通される構成としたが、これに限られず、第2誘導加熱手段47は、可撓部46を誘導加熱するために必要な任意の構成とすることができる。
(4)本実施形態においては、第1出力端子42、第2出力端子45、第1コイル側端子52、及び第2コイル側端子51は、蓋部16の上面に設ける構成としたが、これに限られず、上記の各端子は、ケース11の外面のうち必要な任意の位置に設けることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、バイメタル部材20として、4つのバイメタルユニット24を重ねたものを用いたが、これに限られず、バイメタル部材20としては、1枚又は複数のバイメタル板27を用いてもよく、また、1〜3個又は5個以上のバイメタルユニット24を用いてもよい。
(2)本実施形態においては、第1誘導加熱手段21は、第1コイル23が巻回された第1ボビン22の内部にバイメタル部材20が挿通される構成としたが、これに限られず、第1誘導加熱手段21は、バイメタル部材20を誘導加熱するために必要な任意の構成とすることができる。
(3)本実施形態においては、第2誘導加熱手段47は、第2コイル49が巻回された第2ボビン48の内部に可撓部46が挿通される構成としたが、これに限られず、第2誘導加熱手段47は、可撓部46を誘導加熱するために必要な任意の構成とすることができる。
(4)本実施形態においては、第1出力端子42、第2出力端子45、第1コイル側端子52、及び第2コイル側端子51は、蓋部16の上面に設ける構成としたが、これに限られず、上記の各端子は、ケース11の外面のうち必要な任意の位置に設けることができる。
10…リレー
12…固定接点
13…可動接点
17…スライダ
20…バイメタル部材
21…第1誘導加熱手段
22…第1ボビン(第1誘導加熱手段)
23…第1コイル(第1誘導加熱手段)
24…バイメタルユニット
25…第1金属板
26…第2金属板
27…バイメタル板
29…第1バネ(第1付勢手段)
36…第2バネ(第2付勢手段)
37…可動部材
43…作動部材
44…係合部
46…可撓部
47…第2誘導加熱手段
48…第2ボビン(第2誘導加熱手段)
49…第2コイル(第2誘導加熱手段)
12…固定接点
13…可動接点
17…スライダ
20…バイメタル部材
21…第1誘導加熱手段
22…第1ボビン(第1誘導加熱手段)
23…第1コイル(第1誘導加熱手段)
24…バイメタルユニット
25…第1金属板
26…第2金属板
27…バイメタル板
29…第1バネ(第1付勢手段)
36…第2バネ(第2付勢手段)
37…可動部材
43…作動部材
44…係合部
46…可撓部
47…第2誘導加熱手段
48…第2ボビン(第2誘導加熱手段)
49…第2コイル(第2誘導加熱手段)
Claims (6)
- 固定接点と、
前記固定接点と接触可能な可動接点を備え、且つ、前記固定接点と前記可動接点とが接触する接触位置と、前記固定接点と前記可動接点とが離間する離間位置との間で変位可能な導電性の可動部材と、
前記可動部材と係合して、前記可動部材を前記接触位置に移動させる第1位置と、前記可動部材を前記離間位置に移動させる第2位置との間で移動可能なスライダと、
前記スライダを前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する第1付勢手段と、
前記スライダと係合して、温度上昇により撓み変形することで前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記スライダを前記第2位置から前記第1位置へと移動させるバイメタル部材と、
前記バイメタル部材を誘導加熱する第1誘導加熱手段と、
前記スライダに設けられて前記可動部材を前記接触位置から前記離間位置へ向かう方向に付勢する第2付勢手段と、
前記可動部材と係合して、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記可動部材を前記接触位置に保持する係合部を備え、且つ、前記係合部に連なって設けられると共に温度上昇により前記可動部材と前記係合部との間の係合を解除する方向に撓み変形するバイメタルからなる可撓部を備えた導電性の作動部材と、
前記可撓部を誘導加熱する第2誘導加熱手段と、
を備えたリレー。 - 前記バイメタル部材は、第1金属板と前記第1金属板よりも大きな熱膨張率を有する第2金属板とを接合してなる2枚のバイメタル板を、前記第1金属板同士を対向させた姿勢で重ねて、前記2枚のバイメタル板の端縁同士を接合してなるバイメタルユニットを含む請求項1に記載のリレー。
- 前記バイメタル部材は、複数の前記バイメタルユニットを積層してなる請求項2に記載のリレー。
- 固定接点と、
前記固定接点と接触可能な可動接点を備え、且つ、前記固定接点と前記可動接点とが接触する接触位置と、前記固定接点と前記可動接点とが離間する離間位置との間で変位可能な導電性の可動部材と、
前記可動部材と係合して、前記可動部材を前記接触位置に移動させる第1位置と、前記可動部材を前記離間位置に移動させる第2位置との間で移動可能なスライダと、
前記スライダを前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に付勢する第1付勢手段と、
前記スライダと係合して、温度上昇により撓み変形することで前記第1付勢手段の付勢力に抗して前記スライダを前記第2位置から前記第1位置へと移動させるバイメタル部材と、
前記バイメタル部材を誘導加熱する第1誘導加熱手段と、
前記スライダに設けられて前記可動部材を前記接触位置から前記離間位置へ向かう方向に付勢する第2付勢手段と、
前記可動部材と係合して、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段の付勢力に抗して前記可動部材を前記接触位置に保持する係合部を備え、且つ、前記係合部に連なって設けられると共に温度上昇により前記可動部材と前記係合部との間の係合を解除する方向に撓み変形するバイメタルからなる可撓部を備えた導電性の作動部材と、
前記可撓部を誘導加熱する第2誘導加熱手段と、
を備えたリレーの制御方法であって、
前記固定接点と前記可動接点との間を電気的に接続する際には、前記第1誘導加熱手段に、少なくとも前記バイメタル部材が撓み変形して前記スライダが前記第2位置から前記第1位置へと移動することで前記可動部材が前記離間位置から前記接触位置へと移動して前記固定接点と前記可動接点とが電気的に接触するまでに必要とされる接触時間の間、通電する第1通電工程を実行し、
前記固定接点と前記可動接点との間の電気的接続を切断する際には、前記第2誘導加熱手段に、少なくとも前記可撓部が撓み変形して前記可動部材と前記係合部との間の係合が解除されるまでに必要とされる離間時間の間、通電する第2通電工程を実行するリレーの制御方法。 - 請求項4に記載のリレーの制御方法であって、
前記第1通電工程においては、前記第1誘導加熱手段に断続的に通電するリレーの制御方法。 - 請求項4に記載のリレーの制御方法であって、
前記第2通電工程においては、前記第2誘導加熱手段に断続的に通電するリレーの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008010646A JP2009176429A (ja) | 2008-01-21 | 2008-01-21 | リレー及びリレーの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008010646A JP2009176429A (ja) | 2008-01-21 | 2008-01-21 | リレー及びリレーの制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009176429A true JP2009176429A (ja) | 2009-08-06 |
Family
ID=41031333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008010646A Pending JP2009176429A (ja) | 2008-01-21 | 2008-01-21 | リレー及びリレーの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009176429A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114373653A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-04-19 | 深圳市精视智造科技有限公司 | 一种膨胀式熔断器 |
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2008
- 2008-01-21 JP JP2008010646A patent/JP2009176429A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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