JP2009174929A - 高周波特性測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の目的は、測定精度を高めるために測定周波数の高周波化によりサンプリング領域を小さくして試料の配向特性を測定する場合においても、特殊な形状の導波管を用いることなく、高精度な測定が可能である高周波測定装置を提供することである。
【解決手段】
本発明はマイクロ波空洞共振器を利用した高周波特性測定装置において、導波管内のマイクロ波導入部側とマイクロ波検出部側に、それぞれ大きさの異なる開口を有する開口板を配したことを特徴とする。
また本発明は開口の形状が円形であり、導波管の矩形断面の短辺寸法がa、大きい方の開口の径がcである時、(c/a)<0.7であることを特徴とする。
また本発明は小さい方の開口の径がbである時、(c/b)<5であることを特徴とする。
さらに本発明は(b/a)>0.1かつ(b+c)/a>0.4であることを特徴とする。
【選択図】 図2
本発明の目的は、測定精度を高めるために測定周波数の高周波化によりサンプリング領域を小さくして試料の配向特性を測定する場合においても、特殊な形状の導波管を用いることなく、高精度な測定が可能である高周波測定装置を提供することである。
【解決手段】
本発明はマイクロ波空洞共振器を利用した高周波特性測定装置において、導波管内のマイクロ波導入部側とマイクロ波検出部側に、それぞれ大きさの異なる開口を有する開口板を配したことを特徴とする。
また本発明は開口の形状が円形であり、導波管の矩形断面の短辺寸法がa、大きい方の開口の径がcである時、(c/a)<0.7であることを特徴とする。
また本発明は小さい方の開口の径がbである時、(c/b)<5であることを特徴とする。
さらに本発明は(b/a)>0.1かつ(b+c)/a>0.4であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、マイクロ波空洞共振器を用いてシート状物質の配向特性を測定する装置に関するものである。
マイクロ波を利用して、試料の共振特性から紙やプラスチックフィルム等のシート状物質の配向情報を測定する手法がこれまでにも知られている。
原理的には、共振特性は試料の物性により中心周波数と出力強度が変化する訳であるが、試料を挿入しないブランク状態と試料を挿入した状態の比較では、中心周波数は誘電率により低周波側へシフトし、出力強度は誘電損失により減少する。そして周波数のシフト量と出力強度の変化量から試料の物性を解析する手法である。(図1参照)
原理的には、共振特性は試料の物性により中心周波数と出力強度が変化する訳であるが、試料を挿入しないブランク状態と試料を挿入した状態の比較では、中心周波数は誘電率により低周波側へシフトし、出力強度は誘電損失により減少する。そして周波数のシフト量と出力強度の変化量から試料の物性を解析する手法である。(図1参照)
共振器の構成としては、空洞共振器の中央部を横断するスリットを設け、スリット間に挿入したシート状試料を回転させながら試料を含む系の共振特性を測定することにより、試料の誘電率あるいは誘電損失率の異方性として現れるシート状試料の配向性を測定する方法および装置がある。(特許文献1参照)
しかしながら、マイクロ波空洞共振器にスリットを設けると、このスリットからマイクロ波が漏れてQ値が低下するために検出精度が下がり、共振特性の差異が微細な試料について高精度に測定できないという問題がある。
しかしながら、マイクロ波空洞共振器にスリットを設けると、このスリットからマイクロ波が漏れてQ値が低下するために検出精度が下がり、共振特性の差異が微細な試料について高精度に測定できないという問題がある。
また、マイクロ波空洞共振器を利用した測定装置では、導波管寸法は使用するマイクロ波の波長に依存するので開口面積などの条件などから最小のサンプリング領域も波長に依存することになる。
分解能の高い高精度な測定を行うにはサンプリング領域を小さくする必要があるが、このためには使用波長を短波長、すなわち測定周波数を高周波にすることが必須要件となる。
しかしながらこのことは、導波管共振部に高い寸法精度が要求され、高いQ値を安定して得るのが難しくなるという別側面の問題が生じる要因にもなっている。
これらの問題を解決するために、中心部に小孔(本発明でいう開口)が開けられた開口板を有する空洞共振器を用いて、Q値を高くし、測定精度を向上させる方法がある。(特許文献2参照)
この方法は開口板を設けることによって、従来構造に比べて小孔を通過するマイクロ波の絶対量は減少するが、それに付随した効果としてマイクロ波の漏洩損失も減少するという特性を利用して高いQ値を得、測定精度を向上させるというものであるが、二つの開口の大きさを変えることによる作用、効果、さらにはサンプリング領域の微小化に伴う高周波領域の利用という概念はない。
分解能の高い高精度な測定を行うにはサンプリング領域を小さくする必要があるが、このためには使用波長を短波長、すなわち測定周波数を高周波にすることが必須要件となる。
しかしながらこのことは、導波管共振部に高い寸法精度が要求され、高いQ値を安定して得るのが難しくなるという別側面の問題が生じる要因にもなっている。
これらの問題を解決するために、中心部に小孔(本発明でいう開口)が開けられた開口板を有する空洞共振器を用いて、Q値を高くし、測定精度を向上させる方法がある。(特許文献2参照)
この方法は開口板を設けることによって、従来構造に比べて小孔を通過するマイクロ波の絶対量は減少するが、それに付随した効果としてマイクロ波の漏洩損失も減少するという特性を利用して高いQ値を得、測定精度を向上させるというものであるが、二つの開口の大きさを変えることによる作用、効果、さらにはサンプリング領域の微小化に伴う高周波領域の利用という概念はない。
また、スリットを挟む両側の各部分の基端部が空洞部となっており、その空胴部に誘電体部から空洞部に向かって断面積が徐々に減少する形状で誘電体により構成されインピーダンス整合をとる整合器が設けられているマイクロ波空洞共振器を用いることで、周波数の高周波化をせずに小さい測定面積や小さい試料の配向性を測定する方法がある。(特許文献3参照)
しかしながら、全体的な機器構成、要求精度の観点からインピーダンス整合を完全に満足するのは容易ではなく、実用化の障害の一因となっている。
特願昭59−205992号公報
実公平7−014870号公報
特開平9−026930号公報
しかしながら、全体的な機器構成、要求精度の観点からインピーダンス整合を完全に満足するのは容易ではなく、実用化の障害の一因となっている。
本発明の目的は、測定精度を高めるために測定周波数の高周波化によりサンプリング領域を小さくして試料の配向特性を測定する場合においても、特殊な形状の導波管を用いることなく、高精度な測定が可能である高周波測定装置を提供することである。
本発明はマイクロ波空洞共振器を利用した高周波特性測定装置において、導波管内のマイクロ波導入部側とマイクロ波検出部側に、それぞれ大きさの異なる開口を有する開口板を配したことを特徴とする。
また本発明は開口の形状が円形であり、導波管の矩形断面の短辺寸法がa、大きい方の開口の径がcである時、(c/a)<0.7であることを特徴とする。
また本発明は小さい方の開口の径がbである時、(c/b)<5であることを特徴とする。
さらに本発明は(b/a)>0.1かつ(b+c)/a>0.4であることを特徴とする。
また本発明は開口の形状が円形であり、導波管の矩形断面の短辺寸法がa、大きい方の開口の径がcである時、(c/a)<0.7であることを特徴とする。
また本発明は小さい方の開口の径がbである時、(c/b)<5であることを特徴とする。
さらに本発明は(b/a)>0.1かつ(b+c)/a>0.4であることを特徴とする。
配向特性を高精度に測定するための良好な条件として、検知強度である出力の大きさが基本的に重要な要素であるが、更に必要な条件として、ピーク検出の精度や所要時間の観点から、測定されたスペクトルのQ値が同様に重要である。
本発明では前述の開口条件を導入した高周波測定装置を構成し、Q値の低下を抑制しつつ、大きな出力を得ることを可能にした。
本発明では前述の開口条件を導入した高周波測定装置を構成し、Q値の低下を抑制しつつ、大きな出力を得ることを可能にした。
本発明の高周波特性測定装置に採用したマイクロ波空洞共振器の構成図を図2に示す。
構成面から説明すると、空洞共振器は導波管の途中に管軸に垂直に2枚の開口板(3a、3b)を備え、開口板間が共振器部分となり、試料7を挿入するためのスリット6は共振器部分を横切るように設けられている。マイクロ波導入部側、マイクロ波検出部側とも開口板(3a、3b)の外側が進行波部分になり、2つの開口(4a、4b)間が共振部分になる訳であるが、本測定装置の最大の特徴は、マイクロ波導入部側の開口板3aに設けられた開口4aとマイクロ波検出部側の開口板3bに設けられた開口4bの径が異なることである。
一方、信号の流れの観点から説明すると、マイクロ波掃引発振器10から出力された電気信号は、アンテナ1aを介して空間波としてのマイクロ波に変換され、進行波部分2aを伝播し、その一部がマイクロ波導入部側の開口4a、共振器部分5a、スリット6、マイクロ波検出部側の共振器部分5b、開口4b、さらに導波管の進行波部分2bを経て、受信側のアンテナ1bに伝達され、検波ダイオードを介して再び電気信号に変換されて、増幅器及びA/D(アナログ/デジタル)変換器で構成されるマイクロ波強度受信器20に接続されている。さらにマイクロ波強度受信器20はデータ処理装置30に接続されている。
構成面から説明すると、空洞共振器は導波管の途中に管軸に垂直に2枚の開口板(3a、3b)を備え、開口板間が共振器部分となり、試料7を挿入するためのスリット6は共振器部分を横切るように設けられている。マイクロ波導入部側、マイクロ波検出部側とも開口板(3a、3b)の外側が進行波部分になり、2つの開口(4a、4b)間が共振部分になる訳であるが、本測定装置の最大の特徴は、マイクロ波導入部側の開口板3aに設けられた開口4aとマイクロ波検出部側の開口板3bに設けられた開口4bの径が異なることである。
一方、信号の流れの観点から説明すると、マイクロ波掃引発振器10から出力された電気信号は、アンテナ1aを介して空間波としてのマイクロ波に変換され、進行波部分2aを伝播し、その一部がマイクロ波導入部側の開口4a、共振器部分5a、スリット6、マイクロ波検出部側の共振器部分5b、開口4b、さらに導波管の進行波部分2bを経て、受信側のアンテナ1bに伝達され、検波ダイオードを介して再び電気信号に変換されて、増幅器及びA/D(アナログ/デジタル)変換器で構成されるマイクロ波強度受信器20に接続されている。さらにマイクロ波強度受信器20はデータ処理装置30に接続されている。
マイクロ波空洞共振器の共振器部分の寸法(共振器部分5a+スリット6+共振器部分5b)は、共振モードがTE10n(nは整数)となる寸法に設定されるが、nは定在波の数に対応する数値であるので、共振器部分の寸法は、必然的に使用波長に依存する寸法になる。試料を挿入するためのスリット6は電界ベクトルが最大値となる位置に配置されていることが好ましい。
共振器部分の寸法は使用周波数、共振モードおよび試料を挿入するためのスリット6の間隔により決まる。スリットの間隔は漏洩損失を少なくするために基本的には小さいほどよいが、(スリットの間隔)>(測定できる試料の厚さ)という絶対条件から本発明の測定装置では、スリットの間隔は3mmとした。
スリットの間隔が3mmの場合の共振器部分の最適寸法は、使用周波数4GHz・共振モードTE103ではモード146.2mm、使用周波数12GHz・共振モードTE105では90.6mm、使用周波数32GHz・共振モードTE107では43.6mmになる。
また導波管の矩形断面の寸法もやはり使用周波数に依存するが、短辺と長辺の比は1:2に固定されている。
マイクロ波掃引発振器10が接続されている導波管とマイクロ波強度受信器20が接続されている導波管は、ともに片フランジ付き同軸導波管変換器とすることができる。このような片フランジ付き同軸導波管変換器は市販されているものを使用することができるので構成の実現が容易である。
スリットの間隔が3mmの場合の共振器部分の最適寸法は、使用周波数4GHz・共振モードTE103ではモード146.2mm、使用周波数12GHz・共振モードTE105では90.6mm、使用周波数32GHz・共振モードTE107では43.6mmになる。
また導波管の矩形断面の寸法もやはり使用周波数に依存するが、短辺と長辺の比は1:2に固定されている。
マイクロ波掃引発振器10が接続されている導波管とマイクロ波強度受信器20が接続されている導波管は、ともに片フランジ付き同軸導波管変換器とすることができる。このような片フランジ付き同軸導波管変換器は市販されているものを使用することができるので構成の実現が容易である。
開口板の開口は、二次元的なスリット形状ではなく、円形や正多角形などの周囲が囲まれた閉領域の開口が導波管の中心軸上に配置されている必要がある。
開口の形状については、本発明、本実施例では円開口としたが正多角形の開口でも同様の効果が得られると推測できる。
その理由は、開口形状が正多角形であっても強度分布の形状が基本的に変わる訳ではなく、特にQ値に係わる中心軸近傍の強度分布に限定すれば、Q値に与える影響は極めて小さいと考えてよい。
開口の形状については、本発明、本実施例では円開口としたが正多角形の開口でも同様の効果が得られると推測できる。
その理由は、開口形状が正多角形であっても強度分布の形状が基本的に変わる訳ではなく、特にQ値に係わる中心軸近傍の強度分布に限定すれば、Q値に与える影響は極めて小さいと考えてよい。
試料の特性を測定するための良好な条件としては、出力値とQ値が特に重要である。出力値は基本的には大きいほど好ましい。逆に出力値が小さい場合は、ピーク検出の精度の問題が生じるので出力の絶対値のみならず、波形が重要な要素になる。したがって測定に必要な出力値を単に数値で下限規定するのは適当でない。
Q値についてはピーク検出の精度や所要時間の観点から600程度の値が得られることがより好ましい。しかし600以下であっても、出力がQ値の算出が可能な強度および波形であれば測定の可否という点での問題はない。Q値の算出に関しては、ピーク検出器や増幅器などの電気的構成要素の性能に依存するので、それらを更に高性能なものにすることにより基本的に緩和される問題である。
本願の発明者らは、マイクロ波空洞共振器に備えられた2つの開口板の開口のどちらか一方を他方に比して大きくすることにより、Q値の低下を抑制しつつ、大きな出力を得ることが可能である開口の条件を見出すに至り、実験で効果を確認した。
本願の発明者らは、マイクロ波空洞共振器に備えられた2つの開口板の開口のどちらか一方を他方に比して大きくすることにより、Q値の低下を抑制しつつ、大きな出力を得ることが可能である開口の条件を見出すに至り、実験で効果を確認した。
以下の実施例1から実施例4はいずれもマイクロ波空洞共振器として矩形導波管WRJ-320(周波数帯26.4〜40.1GHz、内径寸法7.112×3.556mm)を採用し、スリット内に試料がない場合(ブランク)の出力値とQ値を測定したものである。
(実施例1)
実施例1は、共振モードTE105(周波数27.14GHz)、TE107(周波数32GHz)、TE109(周波数37.5GHz)において、本発明の骨子である開口径が変化してもQ値が低下せず、目的とするQ値が得られることを実験で確認したものである。
導入部側の開口径を1.0mmとし、検出部側の開口径を1.0、1.5、2.0と変化させ、この開口条件で、上記のいずれの共振モードでも目的とするQ値が得られることを確認した。測定結果を[表1]に示す。
以下の実施例、比較例でも3モードとも同傾向の挙動であることも確認したので、以下の実施例、比較例では代表例として、TE107(周波数32GHz)の測定結果を記載する。
図3は開口径とQ値の関係、図4は開口径と出力相対値をグラフ化したものである。
実施例1は、共振モードTE105(周波数27.14GHz)、TE107(周波数32GHz)、TE109(周波数37.5GHz)において、本発明の骨子である開口径が変化してもQ値が低下せず、目的とするQ値が得られることを実験で確認したものである。
導入部側の開口径を1.0mmとし、検出部側の開口径を1.0、1.5、2.0と変化させ、この開口条件で、上記のいずれの共振モードでも目的とするQ値が得られることを確認した。測定結果を[表1]に示す。
以下の実施例、比較例でも3モードとも同傾向の挙動であることも確認したので、以下の実施例、比較例では代表例として、TE107(周波数32GHz)の測定結果を記載する。
図3は開口径とQ値の関係、図4は開口径と出力相対値をグラフ化したものである。
(実施例2)
実施例2は、二つの開口を導入部側と検出部側で入れ替えても同傾向の挙動を示すことを実験で確認したものである。本発明で二つの開口を大きい方の開口、小さい方の開口とし、導入部側と検出部側で固有の限定を行わなかった根拠を示すものである。測定結果を[表2]に示す。
表中の「出力相対値」は、開口径が導入部側、検出部側ともに0.6mmの時の出力を1として正規化した相対値である。相対値1に相当する絶対出力電圧は0.2mVである。出力強度は当然のことながらマイクロ波掃引発振器からの出力に依存するが、本発明の測定ではマイクロ波掃引発振器からの出力は全て1mWに固定した。実施例3、実施例4においても同定義である。
実施例2は、二つの開口を導入部側と検出部側で入れ替えても同傾向の挙動を示すことを実験で確認したものである。本発明で二つの開口を大きい方の開口、小さい方の開口とし、導入部側と検出部側で固有の限定を行わなかった根拠を示すものである。測定結果を[表2]に示す。
表中の「出力相対値」は、開口径が導入部側、検出部側ともに0.6mmの時の出力を1として正規化した相対値である。相対値1に相当する絶対出力電圧は0.2mVである。出力強度は当然のことながらマイクロ波掃引発振器からの出力に依存するが、本発明の測定ではマイクロ波掃引発振器からの出力は全て1mWに固定した。実施例3、実施例4においても同定義である。
(実施例3)
実施例3は、導入部側の開口径を0.6mmとし、検出部側の開口径を変化させて、有効な開口の条件を実験で確認したものである。測定結果を[表3]に、開口径とQ値の関係を図3に、開口径と出力相対値の関係を図4に示す。
表中の「算出不能」は、出力不十分または出力波形の問題でQ値の算出(スペクトルの高さ、幅)ができないレベルであったことを意味する。実施例4においても同定義である。
また、
a:矩形導波管の短辺寸法 (本発明の測定装置では、3.556mm)
b:小さい方の開口径 (mm)
c:大きい方の開口径 (mm)
については請求項中の定義の通りである。
実施例3は、導入部側の開口径を0.6mmとし、検出部側の開口径を変化させて、有効な開口の条件を実験で確認したものである。測定結果を[表3]に、開口径とQ値の関係を図3に、開口径と出力相対値の関係を図4に示す。
表中の「算出不能」は、出力不十分または出力波形の問題でQ値の算出(スペクトルの高さ、幅)ができないレベルであったことを意味する。実施例4においても同定義である。
また、
a:矩形導波管の短辺寸法 (本発明の測定装置では、3.556mm)
b:小さい方の開口径 (mm)
c:大きい方の開口径 (mm)
については請求項中の定義の通りである。
実施例3-1から実施例3-3は、請求項1から請求項4の条件を全て満足する領域で、開口径比率(c/b)が大きくなってもQ値は低下せず、出力が大幅に増大し、本発明の効果が最も顕著な領域であることを示している。
実施例3-4は、大きい方の開口径と矩形導波管の短辺寸法の比率(c/a)が0.7に達し、出力は更に増大するが、Q値の低下が見られる領域になったことを示している。
実施例3-5は、大きい方の開口径と矩形導波管の短辺寸法の比率が(c/a)が0.84に達し、Q値が半減し、かつ開口径比(c/b)が5.0と大きいにもかかわらず、出力も増大しない領域であることを示している。
実施例3-4および実施例3-5に見られる現象は、漏洩波との干渉が生じ始めることなどが原因であると考えられるが、実施例3-4および実施例3-5は一定の条件低下はあるものの実測定に対してはまだ本発明の効果の方が十分に生きる領域である。
実施例3-4は、大きい方の開口径と矩形導波管の短辺寸法の比率(c/a)が0.7に達し、出力は更に増大するが、Q値の低下が見られる領域になったことを示している。
実施例3-5は、大きい方の開口径と矩形導波管の短辺寸法の比率が(c/a)が0.84に達し、Q値が半減し、かつ開口径比(c/b)が5.0と大きいにもかかわらず、出力も増大しない領域であることを示している。
実施例3-4および実施例3-5に見られる現象は、漏洩波との干渉が生じ始めることなどが原因であると考えられるが、実施例3-4および実施例3-5は一定の条件低下はあるものの実測定に対してはまだ本発明の効果の方が十分に生きる領域である。
一方、比較例3-1および比較例3-2は二つの開口径の大きさ自体が十分でなく、出力がQ値の算出が可能な強度および波形とならない領域であることを示している。
(実施例4)
比較例3-1および比較例3-2から二つの開口径の大きさが十分でない場合には良好な測定条件が得られないことが確認できた。
実施例4は、良好な測定条件が得られる二つの開口の最小の大きさの条件を実験で確認したものである。測定結果を[表4]に示す。
表中の「1>」は、出力相対値が1以下であることを示す。
表4の解るように、小さい方の開口径が0.4mmである場合には、大きい方の開口径が1.0mmでもQ値の算出が不能である。また小さい方の開口径が0.6mmである場合には、大きい方の開口径が0.8mmでもQ値の算出が不能である。しかしながら、小さい方の開口径が0.6mmでも、大きい方の開口径が1.0mmであれば、700以上のQ値が得らる。また小さい方の開口径が0.4mmである場合には、大きい方の開口径が1.5mmにならないと700以上のQ値が得られない。
小さい方の開口径が0.4mmより更に小さい場合には、大きい方の開口径によらずQ値の算出が不能である。(表では省略)
以上の結果及び表4全体を勘案すると、良好な測定条件が得られる小さい方の開口径の最小値は0.4mmとしてよく、矩形導波管の短辺寸法との比率では、(b/a)>0.1が必要であることを意味する。また二つの開口径の和が1.4mmから1.6mmの間に測定条件が急激によくなる条件があることが解るが、これは矩形導波管の短辺寸法との比率では、(b+c)/a>0.4が必要であることを意味する。
小さい方の開口径が1.0mmで開口径の和が2.0mm以上である場合には最低条件の5倍程度の出力が得られることも確認できた。
[表1]
[表2]
[表3]
[表4]
比較例3-1および比較例3-2から二つの開口径の大きさが十分でない場合には良好な測定条件が得られないことが確認できた。
実施例4は、良好な測定条件が得られる二つの開口の最小の大きさの条件を実験で確認したものである。測定結果を[表4]に示す。
表中の「1>」は、出力相対値が1以下であることを示す。
表4の解るように、小さい方の開口径が0.4mmである場合には、大きい方の開口径が1.0mmでもQ値の算出が不能である。また小さい方の開口径が0.6mmである場合には、大きい方の開口径が0.8mmでもQ値の算出が不能である。しかしながら、小さい方の開口径が0.6mmでも、大きい方の開口径が1.0mmであれば、700以上のQ値が得らる。また小さい方の開口径が0.4mmである場合には、大きい方の開口径が1.5mmにならないと700以上のQ値が得られない。
小さい方の開口径が0.4mmより更に小さい場合には、大きい方の開口径によらずQ値の算出が不能である。(表では省略)
以上の結果及び表4全体を勘案すると、良好な測定条件が得られる小さい方の開口径の最小値は0.4mmとしてよく、矩形導波管の短辺寸法との比率では、(b/a)>0.1が必要であることを意味する。また二つの開口径の和が1.4mmから1.6mmの間に測定条件が急激によくなる条件があることが解るが、これは矩形導波管の短辺寸法との比率では、(b+c)/a>0.4が必要であることを意味する。
小さい方の開口径が1.0mmで開口径の和が2.0mm以上である場合には最低条件の5倍程度の出力が得られることも確認できた。
[表1]
[表2]
[表3]
[表4]
1a、1b アンテナ
2a、2b 導波管の進行波部分
3a、3b 開口板
4a、4b 開口
5a、5b 導波管の共振器部分
6 スリット
7 試料
10 マイクロ波掃引発振器
20 マイクロ波強度受信器
30 データ処理装置
2a、2b 導波管の進行波部分
3a、3b 開口板
4a、4b 開口
5a、5b 導波管の共振器部分
6 スリット
7 試料
10 マイクロ波掃引発振器
20 マイクロ波強度受信器
30 データ処理装置
Claims (4)
- マイクロ波空洞共振器を利用した高周波特性測定装置において、導波管内のマイクロ波導入部側とマイクロ波検出部側に、それぞれ大きさの異なる開口を有する開口板を配したことを特徴とする高周波特性測定装置。
- 開口の形状が円形であり、導波管の矩形断面の短辺寸法がa、大きい方の開口の径がcである時、(c/a)<0.7であることを特徴とする請求項1に記載の高周波特性測定装置。
- 小さい方の開口の径がbである時、(c/b)<5であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波特性測定装置。
- (b/a)>0.1かつ(b+c)/a>0.4であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の高周波特性測定装置。
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JP (1) | JP2009174929A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019014169A1 (en) * | 2017-07-13 | 2019-01-17 | Applied Materials, Inc. | METHODS AND APPARATUS FOR DETECTING MICROWAVE FIELDS IN A CAVITY |
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2008
- 2008-01-23 JP JP2008012102A patent/JP2009174929A/ja active Pending
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