JP2010054255A - 遮蔽型磁気センサー - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の高周波磁性材料の特性を測定するための遮蔽型磁気センサーは、上面及び側面が開放された状態であり、周囲から永久磁石などが近接すると特性が大きく劣化するなどの欠点があった。
【解決手段】この問題を解決するために、本発明では、短絡マイクロストリップ線路の上部に第一の遮蔽用導体、両側面の開口部に第二、第三の遮蔽用導体を取り付けることにより、永久磁石などの近接効果を大幅に軽減した遮蔽型磁気センサーを提供する。
【選択図】 図6
【解決手段】この問題を解決するために、本発明では、短絡マイクロストリップ線路の上部に第一の遮蔽用導体、両側面の開口部に第二、第三の遮蔽用導体を取り付けることにより、永久磁石などの近接効果を大幅に軽減した遮蔽型磁気センサーを提供する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、高周波で使用される磁性材料の材料特性を測定するための磁気センサーの分野に関するものである。
現在の高周波磁性材料特性の測定技術は、共振法と非共振法の二つに大きく分けられる。共振法は共振器の中に試料を挿入し、その挿入前後での品質係数Qと共鳴周波数frの変化から、複素透磁率μ=μ’-jμ”、強磁性共鳴緩和係数α、強磁性共鳴半値幅ΔH、飽和磁化4πMsなどを測定できる。この方法は古くから検討され、国際規格(IEC60556)にも登録されている。
共振法の特徴は、高感度なことあり、微小な試料でも測定が可能である。しかし、一つの共振器で一つの周波数帯しか測定できないという不便がある。広帯域で測定する場合は、周波数帯に応じた多数の共振器が必要である。また、共振器の大きさは高周波の波長に比例するので、低周波になると非常に寸法の大きなものが必要となる。また、測定データの解析に摂動論を用いているため、試料の信号が大きくなると測定誤差を招きやすい。
これに対して非共振法は、伝送線路に直接試料を装荷し、その装荷前後のSパラメータを測定し、その変化から材料特性である複素透磁率μ=μ’-jμ”、強磁性共鳴緩和係数α、強磁性共鳴半値幅ΔH、飽和磁化4πMsなどを測定する方法である。この非共振法には、伝送線路を進行型にする方法と、反射型で測定する方法の二つがある。前者は二つのSパラメータが存在し、実質的に4個の独立変数が測定できるので、複素透磁率だけではなく複素誘電率の測定も可能である。一方、反射型は伝送線路の短絡端に試料を装荷する方法である。近似的には、その部分は高周波電界が零で高周波磁界が最大となるので、磁性材料の磁気特性を優先的に測定することが可能である。
反射型の構成は、伝承線路の種類によって異なる。例えば、導波管、同軸線路、ストリップ線路、マイクロストリップ線路などその短絡端の形態は様々である。これらの中でマイクロストリップ線路の構造が試料の取り外しが最も簡便であり、よく用いられる構造である。従来技術の短絡マイクロストリップ線路の構造を図1に示す。
IEC60556 ED.2 特許公開平7−104044
IEC60556 ED.2
図1は従来技術の短絡マイクロストリップ線路の外観図である。中心導体2と地導体3は短絡部1で接続されている。被測定試料4は、図1では正方形状の試料4が短絡端1の地導体3の上に密着して取り付かれている。なお、この図でLは試料の一辺の長さ、h1は中心導体2と地導体3の間の間隔である。この構造の基本的な考え方は、コネクター5より供給された高周波は、中心導体2に伝わり、短絡部1でほとんど全ての高周波エネルギーが反射波として、コネクター5に戻るとした仮定に基づいている。
しかし、この仮定は、低周波では成立するが、高周波になると中心導体2がアンテナとなり、この系の外部に電磁波6となって伝搬してゆく。従って、反射損失であるSパラメータのS11を測定すると0dBにはならない。この状況を図2の点線10に示した。図2の横軸は周波数であり、従来技術ではS11が高周波になるにつれて、次第に劣化し、8GHzでは1dB以上にも達することが分かる。このことがデータ解析を困難にさせてきた。
この欠点を克服するために、従来技術では図3のように、電磁波6の外部への伝搬を抑えるために第一の遮蔽用導体7で短絡マイクロストリップ線路の上部を覆う方法が取られている。このようにすると図2の実線11のように電磁波6の輻射はほとんど抑えることができるようになる。
しかし、磁気特性の外部磁場効果を測定するために、図4に示すように、外部から永久磁石12a、12bなどの構造物を磁気センサーに近接するとS11の測定値が大きく変化するという現象に直面する。これを図5の曲線13に示した。多くの不要なモードが観測され、この状態では被測定試料4の磁気特性を正しく測定できない。
このような従来技術の背景の中で、本発明の高周波磁性材料測定用の磁気センサーは、該短絡マイクロストリップ線路の上部に第一の遮蔽用導体、両側面の開口部に第二、第三の遮蔽用導体を取り付けた遮蔽型磁気センサーあることを特徴としている。
また、本発明の高周波磁性材料測定用の磁気センサーは、前記マイクロストリップ線路の中心導体と前記第一遮蔽用導体間の距離が、前記マイクロストリップ線路の中心導体と地導体間の距離より大きい遮蔽型磁気センサーであることを特徴としている。
さらに、本発明の高周波磁性材料測定用の磁気センサーは、前記第一の遮蔽用導体の一端が短絡部の中心導体の上部に優先的に接触し、前記第一の遮蔽用導体の他端が地導体に接触した遮蔽型磁気センサーであることを特徴としている。
さらに、本発明の高周波磁性材料測定用の磁気センサーは、前記第一、第二、第三の遮蔽用導体のいずれかが非磁性電磁波吸収体を介して、前記短絡マイクロストリップ線路上部もしくは開口部に取り付けられた遮蔽型磁気センサーであることを特徴としている。
本発明の高周波磁性材料測定用遮蔽型磁気センサーを用いることにより、高周波磁性材料の複素透磁率μ=μ’-jμ”、強磁性共鳴緩和係数α、強磁性共鳴半値幅ΔHと飽和磁化4πMsなどを10GHz以上の高い周波数まで精度よく測定できるようになった。
以下本発明の形態について添付図面を用いて説明する。
図6は本発明の技術の実施例を示す組立図である。二つの開口部に第二の遮蔽用導体8aと第三の遮蔽用導体8bが取り付けられている。このような構成にすることにより、電磁波6の放逸だけではく、永久磁石などの他の物体の近接効果を完全に抑えることができた。これを図7のSパラメータの特性図の15で示した。永久磁石12、13を近接しても、8GHz帯までの全域にわたってほぼ0dBを実現できた。
図8は、本発明の実施例である図6を組み立てた後の外観図である。
図9は、図8の本発明の外観図のA-A’断面図である。第一の遮蔽用導体7と中心導体2の間隔h2は地導体3と中心導体2の間隔h1よりも常に大きいのが特徴である。なぜならば、h2がh1に近くなると、第一の遮蔽用導体7にも無視できない電流が流れるようになり、上下対称のストリップ線路構造に近づくためである。短絡マイクロストリップ線路では、被測定試料4に大きなエネルギーを集中させ、単純な一回巻きのコイルのインダクタンスと見なせるのが特徴であるが、第一の遮蔽用導体7に電流が流れるストリップ線路構造となれば、この近似を使えないからである。電磁エネルギーをh1側に集中させるためには、h2はh1の1.2倍以上必要である。
図10(a)と(b)は、それぞれ図8の本発明の外観図におけるB-B’断面図、C-C’断面図である。図10(b)に示すように、中心導体2が地導体3と第一の遮蔽用導体7の間に挿入されて短絡端1が構成されている。この短絡部1では、第一の遮蔽用導体7が優先的に中心導体2に接触することが重要である。反対に地導体3に接触した場合は、不要モードが発生しやすく測定には適していない。
図11(a)と(b)は、本発明の他の実施例を示す図であり、図10と同様、それぞれ図8の本発明の外観図におけるB-B’断面図、C-C’断面図に相当している。違いは、不要モード発生を抑えるために、第一、第二、第三の遮蔽用導体7、8a、8bの内壁に電波吸収体9a、9b、9cが取り付けられていることである。また、電波吸収体としては、非磁性であることが重要である。磁性を有する場合、これがバックグランドとして測定されるからである。これは電磁エネルギーを熱に変える性能を有するものであり、金属というよりは半導体的な性質を有するものが望まれる。
図12(a)と(b)は、図11(a)の点線で示した円形部分を拡大したものである。電波吸収体は導体の内側に装填されるが、この作成方法としては、塗布、蒸着、スパッターなどいろいろな方法が考えられる。もっとも単純な方法はシート状のものを何らかの接着手段で貼り付けることである。
以上の説明から明らかなように、本発明の技術によれば、高い周波数帯域まで磁性材料の磁気特性を測定するための磁気センサーを提供でき、これは、広範囲の応用分野に対応した高周波磁性材料の測定システムに資するものと考える。
1;短絡部
2;中心導体
3;地導体
4;試料
5;コネクター
6;放射電磁波
7;第一の遮蔽用導体
8a;第二の遮蔽用導体
8b;第三の遮蔽用導体
9a、9b、9c;電波吸収体
10;従来技術の特性
11;従来技術の特性
12a、12b;永久磁石
13;従来技術の特性
14;本発明の特性
2;中心導体
3;地導体
4;試料
5;コネクター
6;放射電磁波
7;第一の遮蔽用導体
8a;第二の遮蔽用導体
8b;第三の遮蔽用導体
9a、9b、9c;電波吸収体
10;従来技術の特性
11;従来技術の特性
12a、12b;永久磁石
13;従来技術の特性
14;本発明の特性
Claims (4)
- 短絡マイクロストリップ線路の短絡端に磁性材料を装荷して磁性材料の材料特性を測定する磁気センサーであって、該短絡マイクロストリップ線路の上部に第一の遮蔽用導体、両側面の開口部に第二、第三の遮蔽用導体を取り付けた遮蔽型磁気センサー。
- 前記マイクロストリップ線路の中心導体と前記第一遮蔽用導体間の距離が、前記マイクロストリップ線路の中心導体と地導体間の距離より大きいことが特徴である前記請求項記載の遮蔽型磁気センサー。
- 前記第一の遮蔽用導体の一端が短絡部の中心導体の上部に優先的に接触し、前記第一の遮蔽用導体の他端が地導体に接触したことを特徴とする前記請求項記載の遮蔽型磁気センサー。
- 前記第一、第二、第三の遮蔽用導体の内側の面に非磁性電磁波吸収体を取り付けられたことを特徴とする前記請求項記載の遮蔽型磁気センサー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008217503A JP2010054255A (ja) | 2008-08-27 | 2008-08-27 | 遮蔽型磁気センサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008217503A JP2010054255A (ja) | 2008-08-27 | 2008-08-27 | 遮蔽型磁気センサー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010054255A true JP2010054255A (ja) | 2010-03-11 |
Family
ID=42070355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008217503A Pending JP2010054255A (ja) | 2008-08-27 | 2008-08-27 | 遮蔽型磁気センサー |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010054255A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106707209A (zh) * | 2017-01-12 | 2017-05-24 | 南京大学 | 基于LabVIEW的短路微带线铁磁共振测量系统及方法 |
CN106872917A (zh) * | 2017-03-03 | 2017-06-20 | 电子科技大学 | 一种测试磁性材料的铁磁共振线宽面内分布的方法及系统 |
-
2008
- 2008-08-27 JP JP2008217503A patent/JP2010054255A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106872917A (zh) * | 2017-03-03 | 2017-06-20 | 电子科技大学 | 一种测试磁性材料的铁磁共振线宽面内分布的方法及系统 |
CN106872917B (zh) * | 2017-03-03 | 2019-08-23 | 电子科技大学 | 一种测试磁性材料的铁磁共振线宽面内分布的方法及系统 |
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