JP2009174503A - 内燃機関の失火検出装置および失火検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】失火検出の精度が向上した内燃機関の失火検出装置を提供する。
【解決手段】EFIECUは、複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定する場合には、第1の判定レベルを用いて判定を行なう(S3,S4)。またEFIECUは、複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無を第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて判定を行なう(S2,S7)。
【選択図】図2
【解決手段】EFIECUは、複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定する場合には、第1の判定レベルを用いて判定を行なう(S3,S4)。またEFIECUは、複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無を第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて判定を行なう(S2,S7)。
【選択図】図2
Description
この発明は、内燃機関の失火検出装置および失火検出方法に関する。
従来の内燃機関の失火検出装置として、例えば特開2004−176563号公報(特許文献1)に開示されているように、各気筒の爆発行程中における所定のクランク回転角度の所要時間に基づき気筒間の回転変動量を算出して失火の有無を判定するものがある。
この技術では、第1の変動量算出手段により算出された180度のクランク回転角度の所要時間T180ベースの第1の回転変動量が判定値THを越えている場合は、完全失火か否かの判定、単一気筒の失火であるか否かのパターン判定及び失火と非失火とを繰返すか否かのランダム判定を経て単一気筒完全失火、連続複数気筒完全失火、ランダム失火及び悪路のいずれかが判定される。第1の回転変動量が判定値TH以下である場合には、第2の変動量算出手段から入力された270度のクランク回転角度の所要時間T270ベースの第2の回転変動量と判定値THとの比較が行われ、第2の回転変動量が判定値THを越えている場合に間欠複数気筒完全失火と判定される。
特開2004−176563号公報
特開平10−318033号公報
近年、環境に配慮した自動車として、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とするハイブリッド自動車が普及してきている。
このようなハイブリッド自動車には、エンジンとモータとを動力分割機構で接続したものがある。エンジンからの駆動力を動力分割機構に伝達する機構として、トランスアクスルダンパが設けられる。このような構成の車両は、特定の気筒が連続して失火する連続失火時に、ダンパ捻り共振が発生する場合があり、エンジン回転数とエンジン負荷率で決まる動作平面において、回転変動量が小さく出る動作領域が存在する。このような動作領域では、ランダム失火は影響が受けにくくランダム失火時よりも1気筒連続失火時の回転変動量の方が小さくなってしまう。
従来は、回転変動量の判定レベルは、ランダム失火の場合も連続失火の場合も共通の判定レベルを用いていた。このため、特定の回転速度領域で失火誤検出を行なう可能性が高くなっていた。
この発明の目的は、失火検出の精度が向上した内燃機関の失火検出装置および失火検出方法を提供することである。
この発明は、要約すると、複数の気筒を有する内燃機関の失火を検出する失火検出装置であって、内燃機関の回転軸の回転変動量を検出する検出部と、検出部の検出した回転変動量に基づいて失火の有無を判定する判定部とを備える。判定部は、複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定する場合には、第1の判定レベルを用いて判定を行なう。また判定部は、複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無を第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて判定を行なう。
好ましくは、第2の判定レベルは第1の判定レベルよりも低い。判定部は、回転変動量が第1の判定レベルを超える場合にはランダム失火に対応する第1の条件に基づく失火判定を実行し、回転変動量が第1の判定レベルより低く第2の判定レベルを超える場合には連続失火に対応する第2の条件に基づく失火判定を実行する。
より好ましくは、第2の条件は、第1、第2のサイクルにおいてともに第1の気筒に対応する時刻に回転変動量が第2の判定レベルを超えたことを含む。
好ましくは、内燃機関を搭載する車両は、第1、第2のモータジェネレータと、第1、第2のモータジェネレータと内燃機関との間で動力を分割する動力分割機構とを含む。
より好ましくは、車両は、動力分割機構と内燃機関との間に設けられるダンパをさらに含む。
この発明は、他の局面に従うと、複数の気筒を有する内燃機関の失火の有無を回転軸の回転変動量に基づいて検出する内燃機関の失火検出方法であって、第1の判定レベルを用いて、複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定するステップと、第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて、複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無の判定を行なうステップとを含む。
本発明によれば、失火の誤検出を行なう可能性が低減され、内燃機関正常時に警告ランプ等で失火の誤報を行なう可能性も低減される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係る車両1の主たる構成を示す図である。
図1を参照して、車両1は、エンジン150と、エンジン150とともに車両走行に使用するモータジェネレータMG1と、エンジン150の回転軸とモータジェネレータMG1の回転軸と車輪駆動軸とが接続されたプラネタリギヤ120と、エンジン150およびモータジェネレータMG1を制御する制御装置180とを備える。
図1を参照して、車両1は、エンジン150と、エンジン150とともに車両走行に使用するモータジェネレータMG1と、エンジン150の回転軸とモータジェネレータMG1の回転軸と車輪駆動軸とが接続されたプラネタリギヤ120と、エンジン150およびモータジェネレータMG1を制御する制御装置180とを備える。
動力系統に備えられたエンジン150は通常のガソリンエンジンであり、クランクシャフト156を回転させる。エンジン150の運転はEFIECU(Electronic Fuel Injection−Electronic Control Unit)170により制御されている。
EFIECU170は内部にCPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)等を有するワンチップ・マイクロコンピュータを含む。EFIECU170において、CPUがROMに記録されたプログラムに従い、エンジン150の燃料噴射量その他の制御を実行する。
動力系統には、他にモータジェネレータMG1,MG2が備えられている。モータジェネレータMG1,MG2は、同期電動機である。モータジェネレータMG1,MG2は、外周面に複数個の永久磁石を有するロータ132,142と、回転磁界を形成する三相コイル131,141が巻回されたステータ133,143とを備える。
ステータ133,143はケース119に固定されている。モータジェネレータMG1,MG2のステータ133,143に巻回された三相コイル131,141は、それぞれインバータ191,192を介してバッテリ194に接続されている。
インバータ191,192は、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。インバータ191,192は、制御装置180に接続されている。制御装置180からの制御信号に応じてインバータ191,192のトランジスタがスイッチングされると、バッテリ194とモータジェネレータMG1,MG2との間に電流が流れる。
モータジェネレータMG1,MG2はバッテリ194からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(以下、この走行状態を力行と呼ぶ)、ロータ132,142が外力により回転している場合には三相コイル131,141の両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ194を充電することもできる(以下、この走行状態を回生と呼ぶ)。
エンジン150とモータジェネレータMG1,MG2は、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合されている。プラネタリギヤ120は、サンギヤ121と,リングギヤ122と,プラネタリピニオンギヤ123と、プラネタリピニオンギヤ123を支持するプラネタリキャリア124とを含む。
サンギヤ121は、プラネタリギヤ120の中央で回転することができる。プラネタリピニオンギヤ123は、サンギヤ121の外周とリングギヤ122の内周と噛み合い、サンギヤ121の周囲を自転しながら公転することができる。リングギヤ122は、プラネタリピニオンギヤ123の周囲で回転することができる。
エンジン150のクランクシャフト156は、ダンパ130を介してプラネタリキャリア軸127に結合されている。ダンパ130は、クランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するためのものである。モータジェネレータMG1のロータ132は、サンギヤ軸125に結合されている。モータジェネレータMG2のロータ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介して駆動軸112および車輪116R,116Lに伝達される。
なお、リングギヤ軸126とモータジェネレータMG2のロータ142との間にリダクションプラネタリギヤを設けたり、変速可能なギヤ機構を設けたりしても良い。また、チェーンベルト129に換えて歯車機構で動力を伝達するように変更しても良い。
ハイブリッド車両1の運転全体は、制御装置180により制御されている。制御装置180は、EFIECU170と同様、内部にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピュータである。制御装置180はEFIECU170と接続されており、両者は種々の情報を相互に通信し合うことが可能である。
例えば、制御装置180は、EFIECU170を経由してクランクポジションセンサ152の出力から検出されたエンジン回転数Neを得る。そして制御装置180は、エンジン150の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値Ne*或いは現在の車両状態などの情報をEFIECU170に送信することにより、エンジン150の運転を間接的に制御することができる。また、制御装置180は、トルク指令値Tm*、Tg*を決定しインバータ191,192のスイッチングを制御することにより、モータジェネレータMG1,MG2の運転を直接制御することができる。
かかる制御を実現するために制御装置180には、種々のセンサ、例えば、運転者によるアクセルの踏み込み量Accを検出するためのアクセルペダルポジションセンサ165、駆動軸112の回転数を知るための回転数センサ144、およびシフトレバーに設けられシフト切替え指示Sposを検出するシフトポジションセンサ162などが接続されている。この他、制御装置180には、図示しないブレーキペダルに設けられたブレーキペダルポジションセンサなども接続されている。
なお、制御装置180とEFIECU170の機能を1つのコンピュータで実現しても良い。また、制御装置180は、さらに細分化された複数のECU(モータ制御ECU、ブレーキECU、バッテリ管理ECU等)で実現されるものであっても良い。このように構成された制御装置全体のいずれかの部分で後に説明するエンジン150の失火判定が実行される。EFIECU170においてエンジンの回転変動量を算出して失火判定を行なうのが良いが、制御装置180側でエンジン回転数を処理して回転変動量を算出して失火判定を行なうように変形しても良い。
リングギヤ軸126と駆動軸112は機械的に結合されているため、本実施の形態では、駆動軸112の回転数を知るための回転数センサ144をリングギヤ軸126に設け、モータジェネレータMG2の回転Nmを制御するためのセンサと共用している。また、制御装置180は、サンギヤ軸125の回転角度θs、リングギヤ軸126の回転角度θr、第1のインバータ191からの電流値Iu1,Iv2、第2のインバータ192からの電流値Iu2,Iv2、バッテリ194の残容量を示す充電状態SOCなどの入力を受け、これらを用いてモータ制御等を行なう。
図2は、エンジン150の失火判定処理を示したフローチャートである。このフローチャートの処理は、走行制御またはエンジン制御のメインルーチンから所定の条件が成立するごとに呼び出され実行される。失火判定は、制御装置180、EFIECU170のいずれで行なわれても良いが、以下は失火判定がEFIECU170で行なわれるとして説明を進める。
図2を参照して、まず、EFIECU170は、エンジン回転数Neとエンジン負荷率とに基づいて、ステップS1において、失火モニタ条件が成立するか否かを判断する。
図3は、失火モニタ条件について説明するための図である。
図3の横軸は、エンジン回転数Neを示し、縦軸はエンジン負荷率を示す。ラインL1は、ニュートラルレンジ(Nレンジ)でのトルクゼロラインを示す。ラインL2は、レッドゾーン回転(通常使用範囲の上限)でのトルクゼロ点からインテイクマニホルドの負圧が13.3kpa低い点とエンジン回転数Neが3000rpmでのNレンジトルクゼロ点とを結ぶ直線である。
図3の横軸は、エンジン回転数Neを示し、縦軸はエンジン負荷率を示す。ラインL1は、ニュートラルレンジ(Nレンジ)でのトルクゼロラインを示す。ラインL2は、レッドゾーン回転(通常使用範囲の上限)でのトルクゼロ点からインテイクマニホルドの負圧が13.3kpa低い点とエンジン回転数Neが3000rpmでのNレンジトルクゼロ点とを結ぶ直線である。
そして、図2の失火モニタ条件が成立する領域とは、図3の領域B3である。領域B3は、図3の領域B1と領域B2を除外した領域である。領域B1は、Nレンジでの負トルク域である。領域B2は直線L2とトルクゼロラインL1とで囲まれた領域である。
ステップS1では、エンジンが始動した後の、クランクシャフトの2回転目の終わりから、エンジンの状態が領域B3に入るか否かの判断が開始される。
エンジンが回転開始すると、制御装置180は、クランク角ポジションセンサが所定角度変化する時間を計測し、これの差分を求め、差分の変動を観測することによって回転変動量を検出する。そして、ステップS2において、回転変動量に基づいて連続失火仮判定条件が成立するか否かが判断される。
図4は、失火仮判定の条件を示した図である。
図4において、エンジン負荷率が横軸に示され、回転変動量が縦軸に示されている。エンジンが安定的に正常に回転しているときは、動作点は領域A1に位置する。ある気筒のみ連続して失火しているときは、動作点は領域A2に位置する。また、単発的に失火が発生する場合には、動作点は領域A3に位置する。
図4において、エンジン負荷率が横軸に示され、回転変動量が縦軸に示されている。エンジンが安定的に正常に回転しているときは、動作点は領域A1に位置する。ある気筒のみ連続して失火しているときは、動作点は領域A2に位置する。また、単発的に失火が発生する場合には、動作点は領域A3に位置する。
ステップS2においては、制御装置180は、判定しきい値Th1を用いて連続失火仮判定条件が成立するか否かを判断する。これにより、正常時の動作領域A1であるかそれ以外であるかを分けることができる。回転変動量がしきい値Th1よりも小さい場合には失火は生じていないと判断され、ステップS10に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
回転変動量がしきい値Th1よりも大きい場合には、失火が発生している可能性が高い。ただし、正常時の動作領域A1と連続失火時の動作領域A2は近接しているので、誤判定が生じる可能性がある。そこで、回転変動量がしきい値Th1よりも大きい場合には、ステップS3に処理が進み、ランダム失火仮判定条件が成立するか否かが判断される。ランダム失火仮判定は、回転変動量が図4のしきい値Th2を超えるか否かで判断される。
回転変動量がしきい値Th2を超えない場合には、ステップS7に処理が進み、しきい値Th2を超えた場合にはステップS4に処理が進む。ステップS7では、連続失火本判定条件が成立するか否かが判断される。
図5は、連続失火本判定条件を説明するための図である。
図5を参照して、気筒#4で失火が発生し回転変動量がしきい値Th1よりも大きくなっている。気筒#4の前に点火される気筒#3の点火時期に対応する回転変動量がしきい値Th4よりも小さく、かつ気筒#4の後に点火される気筒#2の点火時期に対応する回転変動量がしきい値Th3よりも小さい場合には、図5に示すような回転変動量の変化パターンに当てはまることが分かる。このパターンが2サイクル連続する場合には連続失火本判定条件が成立したことになる。
図5を参照して、気筒#4で失火が発生し回転変動量がしきい値Th1よりも大きくなっている。気筒#4の前に点火される気筒#3の点火時期に対応する回転変動量がしきい値Th4よりも小さく、かつ気筒#4の後に点火される気筒#2の点火時期に対応する回転変動量がしきい値Th3よりも小さい場合には、図5に示すような回転変動量の変化パターンに当てはまることが分かる。このパターンが2サイクル連続する場合には連続失火本判定条件が成立したことになる。
ステップS7で連続失火本判定条件が成立した場合には、ステップS8において連続失火判定が確定し、失火情報に基づいて図示しない警告ランプが点灯されエラー情報が記録される。一方、ステップS7で連続失火本判定条件が成立しない場合には、ステップS9に処理が進み、回転変動は悪路走行に起因するものであると判断される。
一方、ステップS3でランダム失火仮判定条件が成立した場合には、ステップS4に処理が進む。ステップS4ではランダム失火本判定条件が成立するか否かが判断される。
図6は、ランダム失火本判定条件を説明するための図である。
図6を参照して、気筒#3で失火が発生し回転変動量が大きくなり、気筒#3の点火時期近辺での回転変動量がしきい値Th1を超えさらに大きいしきい値Th2も超えている。
図6を参照して、気筒#3で失火が発生し回転変動量が大きくなり、気筒#3の点火時期近辺での回転変動量がしきい値Th1を超えさらに大きいしきい値Th2も超えている。
気筒#3の前に点火される気筒#1の点火時期に対応する回転変動量がしきい値Th6よりも小さく、かつ気筒#3の後に点火される気筒#4の点火時期に対応する回転変動量がしきい値Th5よりも小さい場合には、図6に示すような回転変動量の変化パターンに当てはまることが分かる。このパターンが1サイクル確認された場合にはランダム失火本判定条件が成立したことになる。
ステップS4でランダム失火本判定条件が成立した場合には、ステップS5においてランダム失火判定が確定し、失火情報に基づいて図示しない警告ランプが点灯されエラー情報が記録される。一方、ステップS4で連続失火本判定条件が成立しない場合には、ステップS6に処理が進み、回転変動は悪路走行に起因するものであると判断される。
ステップS5、S6,S8,S9のいずれかの判定が確定すると、ステップS10に処理が進み、制御はメインルーチンに移される。
再び図1等を参照して、本実施の形態について総括的に説明する。本実施の形態に係る失火検出装置は、複数の気筒を有するエンジン150の失火を検出する失火検出装置であって、エンジン150の回転軸の回転変動量を検出する検出部(クランク角センサ)と、検出部の検出した回転変動量に基づいて失火の有無を判定する判定部(EFIECU170)とを備える。判定部は、複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定する場合には、第1の判定レベルTh2を用いて判定を行なう。また判定部は、複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無を第1の判定レベル(Th2)とは異なる第2の判定レベル(Th1)を用いて判定を行なう。
好ましくは、第2の判定レベル(Th1)は第1の判定レベル(Th2)よりも低い。判定部は、回転変動量が第1の判定レベルを超える場合にはランダム失火に対応する第1の条件(図6のパターン)に基づく失火判定を実行し、回転変動量が第1の判定レベルより低く第2の判定レベルを超える場合には連続失火に対応する第2の条件(図5のパターン)に基づく失火判定を実行する。
より好ましくは、図5に示すように、第2の条件は、第1、第2のサイクルにおいてともに第1の気筒(たとえば気筒#4)に対応する時刻に回転変動量が第2の判定レベル(Th1)を超えたことを含む。
好ましくは、エンジン150を搭載する車両は、第1、第2のモータジェネレータMG1,MG2と、第1、第2のモータジェネレータとエンジン150との間で動力を分割する動力分割機構(プラネタリギヤ120)とを含む。
より好ましくは、車両は、動力分割機構とエンジン150との間に設けられるダンパ130をさらに含む。
この発明は、他の局面に従うと、複数の気筒を有するエンジン150の失火の有無を回転軸の回転変動量に基づいて検出するエンジン150の失火検出方法であって、第1の判定レベルを用いて、複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定するステップ(S3,S4)と、第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて、複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無の判定を行なうステップ(S2,S7)とを含む。
以上説明したように、本実施の形態では、仮失火判定時に連続失火用の判定レベルとランダム失火用の判定レベルを分ける。すなわち、失火種別に応じた判定レベルで仮失火判定を行なう。
このことにより、ダンパ等の共振の影響によりランダム失火よりも連続失火の方が回転変動が小さく出る領域においても精度良く失火の検出ができる。ランダム失火用の判定レベルは大きいまま、連続失火用の判定レベルを小さくすれば連続失火の検出が可能となる。
つまり、ランダム失火は失火本判定処理で前サイクルでの失火履歴を見ていないのでそのまま判定レベルを下げると誤検出しやすいが、連続失火は前サイクルの失火履歴の有無を見ているので、ランダム失火に比べて誤検出しにくい。そこで連続失火の判定では回転変動量の判定しきい値を小さくすることが可能である。
そのため、連続失火用の判定レベルとランダム失火用の判定レベルを分けることで、ランダム失火の判定レベルを下げることなく、連続失火を検出することができるようになり、耐誤検出性を向上させることができる。
なお、以上の実施の形態で開示された制御方法は、コンピュータを用いてソフトウエアで実行可能である。この制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体(ROM、CD−ROM、メモリカードなど)から車両の制御装置中のコンピュータに読み込ませたり、また通信回線を通じて提供したりしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハイブリッド車両、112 駆動軸、116R,116L 車輪、119 ケース、120 プラネタリギヤ、121 サンギヤ、122 リングギヤ、123 プラネタリピニオンギヤ、124 プラネタリキャリア、125 サンギヤ軸、126 リングギヤ軸、127 プラネタリキャリア軸、129 チェーンベルト、130 ダンパ、131,141 三相コイル、132,142 ロータ、133,143 ステータ、144 回転数センサ、150 エンジン、152 クランクポジションセンサ、156 クランクシャフト、162 シフトポジションセンサ、165 アクセルペダルポジションセンサ、180 制御装置、191,192 インバータ、194 バッテリ、MG1,MG2 モータジェネレータ。
Claims (6)
- 複数の気筒を有する内燃機関の失火を検出する失火検出装置であって、
前記内燃機関の回転軸の回転変動量を検出する検出部と、
前記検出部の検出した前記回転変動量に基づいて失火の有無を判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定する場合には、第1の判定レベルを用いて判定を行ない、前記複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと前記第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無を前記第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて判定を行なう、内燃機関の失火検出装置。 - 前記第2の判定レベルは前記第1の判定レベルよりも低く、
前記判定部は、前記回転変動量が第1の判定レベルを超える場合にはランダム失火に対応する第1の条件に基づく失火判定を実行し、前記回転変動量が第1の判定レベルより低く前記第2の判定レベルを超える場合には前記連続失火に対応する第2の条件に基づく失火判定を実行する、請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記第2の条件は、前記第1、第2のサイクルにおいてともに前記第1の気筒に対応する時刻に前記回転変動量が前記第2の判定レベルを超えたことを含む、請求項2に記載の内燃機関の失火検出装置。
- 前記内燃機関を搭載する車両は、
第1、第2のモータジェネレータと、
前記第1、第2のモータジェネレータと前記内燃機関との間で動力を分割する動力分割機構とを含む、請求項1に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 前記車両は、
前記動力分割機構と前記内燃機関との間に設けられるダンパをさらに含む、請求項4に記載の内燃機関の失火検出装置。 - 複数の気筒を有する内燃機関の失火の有無を回転軸の回転変動量に基づいて検出する内燃機関の失火検出方法であって、
第1の判定レベルを用いて、前記複数の気筒のうちのいずれかの気筒が一度でも失火すると失火と判定するランダム失火の有無を判定するステップと、
前記第1の判定レベルとは異なる第2の判定レベルを用いて、前記複数の気筒のうちの第1の気筒が第1サイクルと前記第1サイクルに続く第2サイクルとにおいて連続して失火する連続失火の有無の判定を行なうステップとを含む、内燃機関の失火検出方法。
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