JP2009174459A - 火花点火式内燃機関の制御方法及び制御プログラム - Google Patents

火花点火式内燃機関の制御方法及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関1の異常燃焼の発生の有無を精度良く判定する。
【解決手段】火花点火式内燃機関1の気筒サイクルにおける所定の検出期間内で、内燃機関の、所定周波数帯域の振動波形を検出する工程、検出した振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、検出期間内での積分値を算出する工程、及び、前記積分値と、所定の判定しきい値とを比較すると共に、その比較結果に基づいて内燃機関の異常燃焼の発生の有無を判定する工程、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、火花点火式内燃機関の制御方法及び制御プログラムに関する。
従来より、火花点火式内燃機関のシリンダブロックに加速度センサからなるノックセンサを取り付け、そのノックセンサが検出した内燃機関の振動波形に基づいて、ノッキング(異常燃焼)の発生の有無を判定する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。具体的に特許文献1に記載の技術では、ノックセンサが検出した振動の強度が、予め設定している判定値を超えたときに、ノッキングが発生したと判定するようにしている。
特開2007−255212号公報
ところが、内燃機関の回転数が増大するにつれて、ノックセンサのノイズが増大するため、ノックセンサの検出信号に基づく振動強度は実際よりも高く検出されることになる。このため、ノックセンサが検出した振動の強度に基づいてノッキングの発生の有無を判定する従来の構成では、実際にはノッキングが発生していないにも拘わらず、検出した振動の強度が判定値を超えてしまうことでノッキングが発生したと誤判定してしまう場合がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の異常燃焼の発生の有無を精度良く判定することにある。
本発明は、異常燃焼が発生したときの内燃機関の振動波形は、異常燃焼が発生していないときの振動波形に比べて減衰し難いという知見を得たことによって成されたものである。
本発明の一側面によると、内燃機関の制御方法は、火花点火式内燃機関の気筒サイクルにおける所定の検出期間内で、当該内燃機関の、所定周波数帯域の振動波形を検出する工程、検出した振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、前記検出期間内での積分値を算出する工程、及び、前記積分値と、所定の判定しきい値とを比較すると共に、その比較結果に基づいて前記内燃機関の異常燃焼の発生の有無を判定する工程、を含む。
このように、内燃機関の振動波形の強度に基づくのではなく、振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、検出期間内での積分値に基づいて、異常燃焼の発生の有無を判定することによって、ノイズの影響を受けることがなくなり、判定精度が向上する。従って、誤判定が防止される。
前記制御方法は、前記振動波形の振幅と所定の重み付け係数との積によって前記振幅導出値を算出する工程を含み、前記重み付け係数は、前記検出期間の後半における値が、前半における値に比べて大に設定される、としてもよい。
前述したように、異常燃焼が発生したときの振動波形は、異常燃焼が発生していないときの振動波形に比べて減衰し難いことから、異常燃焼が発生したときには、検出期間の後半においても、振動波形の振幅は比較的大きいままである。このため、検出期間の後半における値が、前半における値に比べて大に設定される重み付け係数によって、振動波形の振幅に重み付けをして、振幅導出値を算出することにより、その振幅導出値は、異常燃焼の発生時の振動波形の特性を強調した値となる。その振幅導出値の積分値に基づいて、異常燃焼の発生の有無を判定することで、ノイズの影響がさらに排除されて、判定精度がさらに向上する。
前記重み付け係数は、前記検出期間内における時間経過と共に、その値が次第に増大するように設定される、としてもよい。
前記重み付け係数は、前記内燃機関のクランク角の関数である、としてもよい。
前記重み付け係数は、前記検出期間の開始時点から当該期間内における所定時点まで、一定値に設定される、としてもよい。
前記重み付け係数は、前記検出期間内における所定時点からその期間終了時点まで、当該所定時点以前の値よりも大の一定値に設定される、としてもよい。
前記振幅導出値は、前記振動波形の振幅の絶対値に基づいて算出される、としてもよい。
前記検出期間の開始時点は、前記クランク角が第1位相角になった時点であり、その終了時点は、前記クランク角が第2位相角になった時点である、としてもよい。
前記内燃機関は、複数の気筒を有しており、前記検出期間は、前記気筒毎に設定されていると共に、各検出期間は互いに離間している、としてもよい。
本発明の他の側面によると、制御プログラムは、火花点火式内燃機関を制御するコンピュータに、前記内燃機関の気筒サイクルにおける所定の検出期間内で、当該内燃機関の、所定周波数帯域の振動波形を検出する工程、検出した振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、前記検出期間内での積分値を算出する工程、及び、前記積分値と、所定の判定しきい値とを比較すると共に、その比較結果に基づいて前記内燃機関の異常燃焼の発生の有無を判定する工程、を実行させる。
以上説明したように、本発明によると、異常燃焼が発生したときの、内燃機関の振動波形は、異常燃焼が発生していないときの振動波形に比べて減衰し難いことから、振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、検出期間内での積分値に基づいて、異常燃焼の発生の有無を判定することによって、振動強度に基づいて判定を行う場合に比べて、その判定精度を向上させることができ、異常燃焼であるとする誤判定を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(エンジン・システムの全体構成)
図1に示されるように、エンジン・システムは、エンジン1、エンジン1に付随する様々なアクチュエーター、様々なセンサー、及びセンサーからの信号に基づきアクチュエーターを制御するエンジン制御器100を有する。
エンジン1は、火花点火式内燃機関であって、第1〜第4の4つのシリンダ11,11,…を有する。但し、エンジン1は、いかなる数のシリンダを有するものであってもよい。エンジン1は、自動車等の車両に搭載され、その出力軸は、図示しないが、変速機を介して駆動輪に連結されている。エンジン1の出力が駆動輪に伝達されることによって、車両が推進する。
エンジン1は、シリンダブロック12と、その上に載置されるシリンダヘッド13とを備えており、ブロック12の内部にシリンダ11,11,…が形成されている。周知のように、シリンダブロック12には、ジャーナル、ベアリングなどによりクランクシャフト14が回転自在に支持されており、このクランクシャフト14が、コネクティングロッド16を介してピストン15に連結されている。
前記ピストン15は、各シリンダ11内に摺動自在に嵌挿されており、シリンダ11及びシリンダヘッド13と共に燃焼室17を区画している。図には1つのみ示すが、シリンダ11毎に2つの吸気ポート18がシリンダヘッド13に形成され、それぞれが燃焼室17に連通している。同様に、シリンダ11毎に2つの排気ポート19がシリンダヘッド13に形成され、それぞれが燃焼室17に連通している。図に示すように、吸気弁21及び排気弁22はそれぞれ、吸気ポート18及び排気ポート19を燃焼室17から遮断(閉)することができるように配設されている。吸気弁21は吸気弁駆動機構30により、排気弁22は排気弁駆動機構40により、それぞれ駆動され、それによって所定のタイミングで往復動して、吸気ポート18及び排気ポート19を開閉する。
吸気弁駆動機構30及び排気弁駆動機構40は、それぞれ吸気カムシャフト31及び排気カムシャフト41を有する。カムシャフト31,41は、周知のチェーン/スプロケット機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフト14に連結される。動力伝達機構は、周知のように、クランクシャフト14が二回転する間に、カムシャフト31,41を一回転させる。
吸気弁駆動機構30は、吸気カムシャフト31の位相を所定の角度範囲内で連続的に変更可能な位相可変機構(Variable Valve Timing:VVT)32を含んで構成されている。VVT32は、動力伝達機構と吸気カムシャフト31との間に設けられ、このVVT32は、クランクシャフト14に直接駆動されかつ、吸気カムシャフト31と同軸に配置された被駆動軸(図示省略)と吸気カムシャフト31との間に、エンジン制御器100からの制御信号θVVT_Dに応じた位相差を設けるように構成される。具体的にVVT32は、被駆動軸と吸気カムシャフト31との間に周方向に並ぶ複数の液室を設けかつ、それらの液室間に圧力差を設けることによって、前記位相差を作り出す液圧式、又は、被駆動軸と吸気カムシャフト31との間に電磁石と一方向に位相差を設けるような付勢力を生じるスプリングとを有しかつ、その電磁石に電力を付与することによって、前記位相差を作り出す電磁式等を採用することが可能である。
吸気カムシャフト31の位相角は、カム位相センサー35により検出され、その出力信号θVVT_Aがエンジン制御器100に入力される。
点火プラグ51は、例えばねじ等の周知の構造によって、シリンダヘッド13に取り付けられている。点火システム52は、エンジン制御器100からの制御信号SAを受けて、点火プラグ51が所望の点火タイミングで火花を発生するよう、それに通電する。
燃料噴射弁53は、例えばブラケットを使用する等、周知の構造でシリンダヘッド13の一側(図例では吸気側)に取り付けられている。燃料噴射弁53の先端は、上下方向については2つの吸気ポート18の下方に、また、水平方向については2つの吸気ポート18の中間に位置して、燃焼室17内に臨んでいる。
燃料供給システム54は、図示しないが、燃料噴射弁53に燃料を昇圧して供給する高圧ポンプと、この高圧ポンプに対して燃料タンクからの燃料を送る配管やホース等と、燃料噴射弁53を駆動する電気回路と、を備えている。この電気回路は、エンジン制御器100からの制御信号FPを受けて燃料噴射弁53のソレノイドを作動させ、所定のタイミングで所望量の燃料を、燃焼室17内に噴射させる。
吸気ポート18は、吸気マニホルド55内の吸気経路55bによってサージタンク55aに連通している。図示しないエアクリーナからの吸気流は、スロットルボデー56を通過してサージタンク55aに供給される。スロットルボデー56にはスロットル弁57が配置されており、このスロットル弁57は、周知のようにサージタンク55aに向かう吸気流を絞って、その流量を調整する。スロットル・アクチュエーター58が、エンジン制御器100からの制御信号TVOを受けて、スロットル弁57の開度を調整する。
排気ポート19は、排気マニホルド60内の排気経路によって周知のように排気管内の通路に連通している。排気マニホルド60よりも下流の排気通路には、1つ以上の触媒コンバータ61を有する排気ガス浄化システムが配置される。触媒コンバータ61は、周知の三元触媒、リーンNOx触媒、酸化触媒等とすることができ、それ以外にも、特定の燃料制御手法による排気ガス浄化の目的にかなうものであれば、いかなるタイプの触媒としてもよい。
また、排気ガスの一部を吸気系に循環させる(以下、EGRともいう)ために、吸気マニホルド55(スロットル弁57よりも下流側)と排気マニホルド60との間がEGRパイプ62によって接続されている。排気側の圧力は吸入側よりも高いので、排気ガスの一部は吸気マニホルド55に流れ込むようになり(EGRガスと呼ぶ)、この吸気マニホルド55から燃焼室17に吸入される新気と混ざることになる。EGRパイプ62にはEGRバルブ63が配設され、このバルブ63によってEGRガスの流量を調整する。EGRバルブ・アクチュエーター64は、エンジン制御器100からの制御信号EGROPENを受けて、EGRバルブ63の開度を調整する。
エンジン制御器100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。
エンジン制御器100は、エアフローセンサー71からの吸気流量AF、吸気圧センサー72からの吸気マニホルド圧MAP、クランク角センサー73からのクランク角パルス信号というように、種々の入力を受ける。エンジン制御器100は、例えばクランク角パルス信号に基づいて、エンジン回転数NENGを計算する。また、エンジン制御器100は、酸素濃度センサー74からの排気ガスの酸素濃度EGOの入力も受ける。さらに、エンジン制御器100は、アクセル・ペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサー75からのアクセル開度信号αを受ける。またエンジン制御器100には、変速機の出力軸の回転速度を検出する車速センサー76からの車速信号VSPが入力される。
さらに、シリンダブロック12には、当該シリンダブロック12の振動を電圧信号に変換して出力する加速度センサからなるノックセンサ77が取り付けられており、その検出信号aknkもエンジン制御器100に入力される。
より具体的に、エンジン制御器100は前記のような入力に基づいて、以下のようなエンジン1の制御パラメーターを計算する。例えば、所望のスロットル開度信号TVO、燃料噴射パルスFP、点火信号SA、バルブ位相角信号θVVT_D、EGR開度信号EGROPEN等である。
そしてエンジン制御器100は、それらの信号を、スロットル・アクチュエーター58、燃料供給システム54、点火システム52、VVT32及びEGRバルブ・アクチュエーター64等に出力する。
(エンジン制御)
図2は、エンジン制御器100が実行する制御フローを示している。この制御フローは、エンジン1の始動後の通常運転状態において、エンジン制御器100が実行するフローである。
具体的にステップS21では、各種信号を読み込み、続くステップS22において、アクセル開度α、エンジン回転数NENG、及び車速VSPに基づいて、例えば予め設定されたマップ(図示省略)に従い、目標トルクTQを算出する。
ステップS23では、算出した目標トルクTQ、及びエンジン回転数NENGに基づいて、例えば予め設定されたマップ(図示省略)に従い、燃料噴射量FP、要求気筒空気充填量CE及び点火時期SAをそれぞれ算出する。
ステップS24では、要求気筒空気充填量CE、及びエンジン回転数NENGに基づいて、予め設定されたマップに従い、目標VVT進角値θVVT_Dを算出する。このマップは、図2に示すように、縦軸を要求気筒空気充填量CE、横軸をエンジン回転数NENGとして設定されていて、右上がりに設定された所定値以下の領域においては、要求気筒空気充填量CE及びエンジン回転数NENGに拘わらず、目標VVT進角値θVVT_Dが最小に設定される一方、その所定値よりも大きい領域においては、要求気筒空気充填量CEが大きいほど、目標VVT進角値θVVT_Dが大きくなるように設定される。
ステップS25では、要求気筒空気充填量CE、及びエンジン回転数NENGに基づいて、予め設定されたマップに従い、目標スロットル開度TVOを算出する。このマップは、図2に示すように、縦軸を要求気筒空気充填量CE、横軸をエンジン回転数NENGとして設定されていて、右上がりに設定された所定値以下の領域においては、要求気筒空気充填量CEが大きいほど、目標スロットル開度TVOが大きくなるように設定される一方、その所定値よりも大きい領域においては、要求気筒空気充填量CEに拘わらず、目標スロットル開度TVOが一定に設定される。
ステップS26では、ノッキングが発生したか否かを判定する。ノッキング判定の詳細は後述する。ステップS26において、ノッキングが発生していないのNOのときには、ステップS27に移行する一方、ノッキングが発生したのYESのときには、ステップS28に移行する。
ステップS27では、点火進角補正値SAを増加させる(SA=SA+dSA)。一方、ステップS28では、点火進角補正値SAを減少させる(SA=SA−dSA)。そうして、ステップS29では、ステップS23で設定した点火時期SAを、点火進角補正値SAによって補正する(SA=SA+SA)。従って、ステップS27を経由した場合、換言すればノッキングが発生していない場合には点火時期SAは進角し、ステップS28を経由した場合、換言すればノッキングが発生した場合には点火時期SAは遅角する。この点火時期の遅角制御によって、ノッキングが抑制されることになる。
ステップS210では、算出した燃焼噴射量FP、点火時期SA、目標VVT進角値θVVT_D、及び目標スロットル開度TVOに基づいて、燃料供給システム54、点火システム52、VVT32、及びスロットルアクチュエーター58をそれぞれ制御する。
(ノッキング判定)
次に、前記エンジン制御器100が実行するノッキング判定について説明する。図3は、ノッキングが発生したときのノックセンサ77の信号波形(図3の(b)参照)を示しているのに対し、図4は、ノッキングが発生していないときのノックセンサ77の信号波形(図4の(b)参照)を示している。尚、これらのセンサ波形は、ノックセンサ77の信号に対してバンドパスフィルタ処理を施した後の波形を示している。
これらを比較すると、ノックセンサ77の信号波形の振幅の最大値は互いに略同じである。このことから、単にノックセンサ77の信号波形の振幅の最大値(振動の強度)に基づいて、ノッキングの発生の有無を判断することは困難であることが判る。
前記2つの波形を比較すると、ノッキングが発生したときのノックセンサ77の信号波形は、ノッキングが発生していないときのノックセンサ77の信号波形に比べて、減衰し難いことが判る。そこで、この実施形態では、ノックセンサ77の信号波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値を算出し、その振幅導出値の、ノックウインドウ(ノックセンサ77の信号を検出する期間、詳細は後述する)における積分値に基づいて、ノッキングの発生の有無を判定するようにしている。
このことについて図5を参照しながら説明する。先ず同図の(a)は筒内圧の変動を示しており、同図の(b)はそのときのノックセンサ77の出力波形(aknk)を示している。
ノッキングの発生に係る振動周波数は、所定帯域の周波数であるため、同図(b)に示すノックセンサ77の出力波形に対して、バンドパスフィルタ処理を施す。バンドバスフィルタの通過帯域は、エンジン1の種類毎に適宜設定すればよい。同図(c)は、バンドパスフィルタ処理後のノックセンサ77の出力波形(knkbpf)を示している。そして、バンドパスフィルタ処理後のノックセンサ77の出力波形の絶対値を取る(同図の(d)参照)。
同図(e)は、ノックウインドウを示している。このノックウインドウは、前述したように、ノックセンサ77の信号を検出する期間であり、気筒毎に、クランク角に基づいて設定されている。具体的にノックウインドウは、各気筒において着火から膨張に至る期間として設定されており、そのウインドウ幅は、エンジン回転数に応じて変化する。尚、本実施形態では、エンジン1は4気筒エンジンであるため、各気筒に対応するノックウインドウは、互いに180°CAだけ離れることになる。
同図(f)は、重み付け関数を示している。この重み付け関数は、前記(d)に示すバンドパスフィルタ処理後のノックセンサ77の出力波形の絶対値に乗算される関数であり、本実施形態では、ノックウインドウ内において時間の経過と共にその値が増大する単調増加関数として設定されている。重み付け関数は、例えば二次や三次の関数としてもよい。この重み付け関数は、エンジン回転数に応じてノックウインドウの幅が変化することに対応して、エンジン回転数に依存する関数とするのがよい。
前述したように、バンドパスフィルタ処理後のノックセンサ77の出力波形の絶対値と、重み付け関数との積によって、振幅導出値を算出する(同図の(g)参照)。この振幅導出値は、ノックウインドウの後半におけるノックセンサ出力を、その前半におけるノックセンサ出力に対して、相対的に大にした値であり、これは、ノッキングが発生したときのノックセンサ77の信号波形は、ノッキングが発生していないときのノックセンサ77の信号波形に比べて減衰し難いことに対応している。
そうして算出した振幅導出値の、ノックウインドウ内における積分値を算出する(同図の(h)参照)。その積分値knksumは、ノックウインドウの後半におけるセンサ出力が大きいほど大きくなり、ノックウインドウの後半におけるセンサ出力が小さいときには小さくなるため、ノッキングが発生したときのノックセンサ77の信号波形は減衰し難いという点を反映する値になる。この値が予め設定したしきい値よりも大きいときに、ノッキングが発生したと判定することによって、ノッキングの発生の有無を、精度良く判定することが可能になる。
次に、図6のフローチャートを参照しながら、前記エンジン制御器100が実行するノッキング判定の手順について説明する。
先ずステップS61では、ノックセンサ信号を読み込む(aknk)。続くステップS62では、ノックセンサ信号aknkに対して、バンドパスフィルタ処理を施す(knkbpf)。
ステップS63では、ノックウインドウがオープンであるか否かを判定し、オープンであるのYESのときには、ステップS64に移行し、オープンでないのNOのときには、ステップS65に移行する。
ステップS64では、バンドパスフィルタ処理後のノックセンサ出力に対して、重み付け関数g(t)(但し、tは時間)をかけて重み付けをすると共に、その値を積算する(knksum)。そうしてステップS61に戻り、そのステップS61〜S64を繰り返す。これによって、ノックウインドウがクローズするまで、重み付けをしたノックセンサ出力の積算が継続される。
ステップS63でノックウインドウがオープンでないと判定され、ステップS65に移行したときには、そのステップS65において、積算値knksumが、予め設定した所定値(しきい値)よりも大きいか否かを判定する。積算値knksumが所定値よりも大きいのYESのときには、ステップS66に移行してノッキングと判定し、ステップS67に移行する。積算値knksumが所定値以下であるのNOのときには、ステップS66に移行することなく、ステップS67に移行し、そこで積算値knksumを0にリセットした上で、ステップS61に戻る。
ステップS66においてノッキングが判定されなかった場合には、図2のステップS26において「ノッキングなし」の判定がなされ、ステップS27で点火進角補正値SAが所定量dSAだけ増加されて、ステップS29で点火時期SAが進角される。一方、ステップS66でノッキングが判定された場合には、図2のステップS26で「ノッキングあり」の判定がなされ、ステップS28で点火進角補正値SAが所定量dSAだけ増加されて、ステップS29で点火時期SAが遅角される。つまり、ノッキングが生じない範囲で、点火時期が進角される。これにより、エンジン運転効率ができるだけ高められる。
次に、前記のノッキング判定の精度を評価した結果について、図7を参照しながら説明する。ここでは、エンジン1の各種運転状態において、筒内圧とノックセンサ出力とを対応付けたデータを1000個取得し、そのデータに対して、3種類のノッキング判定手法をそれぞれ適用した。そうして、それらの手法の判定精度を互いに比較した。
同図の(a)は、ノックセンサの出力(バンドパスフィルタ処理後の出力を意味し、以下同じである)の最大値に基づいて、ノッキングの発生の有無を判定する手法に対応する。同図(a)は、横軸を筒内圧の変動量とし、縦軸をノックセンサの出力最大値とした平面に、前記1000個のデータをプロットした分布図を示している。
同図の(b)は、ノックセンサ出力の、ノックウインドウにおける積算値に基づいて、ノッキングの発生の有無を判定する手法に対応する。同図(b)は、横軸を筒内圧の変動量とし、縦軸をノックセンサ出力の積算値とした平面に、前記1000個のデータをプロットした分布図を示している。
同図の(c)は、ノックセンサ出力に重み付け関数を乗算した振幅導出値の、ノックウインドウにおける積算値に基づいて、ノッキングの発生の有無を判定する手法に対応する。同図の(c)は、横軸を筒内圧の変動量とし、縦軸を振幅導出値の積算値とした平面に、前記1000個のデータをプロットした分布図を示している。
前記(a)〜(c)のぞれぞれにおいて、白丸は、筒内圧のデータに基づいてノッキングが発生したと判定されたデータであるのに対し、黒点は、ノッキングが発生していないと判定されたデータである。また、一点鎖線は、ノッキングが発生した場合がすべて含まれるように設定した判定しきい値に相当する。つまり、(a)〜(c)のぞれぞれにおいて、一点鎖線よりも上の点はすべて、ノッキングが発生したと判定されることになる。
先ず、同図(a)について見ると、ノックセンサの出力最大値に基づいてノッキングの発生の有無を判断する手法では、ノッキングが発生していない場合も、ノッキングが発生したと判定してしまう誤判定が増えてしまう。具体的に、同図(a)の例においては、73点もの誤判定が発生している。
次に、同図(b)について見ると、ノックセンサ出力の積算値に基づいてノッキングの発生の有無を判定する手法では、誤判定が25点発生しており、前記(a)に比べて誤判定が減少している。
次に、同図(c)について見ると、振幅導出値の積算値に基づいてノッキングの発生の有無を判定する手法では、誤判定は6点のみであり、誤判定は、ほとんど発生していない。
従って、重み付け関数によって振幅導出値を算出し、それの積分値に基づいてノッキング判定を行う、本実施形態に係るノッキング判定では、誤判定を防止して、その判定精度を大幅に向上させることができる。
尚、重み付け関数は、図5(f)に示す関数に限らない。重み付け関数は、ノックウインドウの後半の値が、前半の値よりも大である関数であればよい。例えばノックウインドウの前半は一定値となるようにしてもよい。また逆に、ノックウインドウの後半が一定値となるようにしてもよい。また一例として、例えば図8に示すように、ステップ状の関数を設定してもよい。
以上説明したように、本発明は、判定精度を向上させることができるから、内燃機関の異常燃焼を検出する方法として有用である。
本発明の実施形態に係るエンジン・システムの概略構成図である。 エンジン制御に係るフローチャートである。 ノッキングが発生した場合の、筒内圧の変動及びノックセンサの出力波形の一例を示す図である。 ノッキングが発生していない場合の、筒内圧の変動及びノックセンサの出力波形の一例を示す図である。 ノッキングの発生の有無を判定する手順に係る各波形を示す図である。 ノッキングの発生の有無を判定する手順に係るフローチャートである。 ノッキングの発生の有無を判定する各種手法の判定精度を比較するための図である。 重み付け関数の別の例を示す図である。
符号の説明
1 エンジン(火花点火式内燃機関)
100 エンジン制御器(コンピュータ)

Claims (10)

  1. 火花点火式内燃機関の気筒サイクルにおける所定の検出期間内で、当該内燃機関の、所定周波数帯域の振動波形を検出する工程、
    検出した振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、前記検出期間内での積分値を算出する工程、及び、
    前記積分値と、所定の判定しきい値とを比較すると共に、その比較結果に基づいて前記内燃機関の異常燃焼の発生の有無を判定する工程、を含む内燃機関の制御方法。
  2. 前記振動波形の振幅と所定の重み付け係数との積によって前記振幅導出値を算出する工程を含み、
    前記重み付け係数は、前記検出期間の後半における値が、前半における値に比べて大に設定される、請求項1に記載の制御方法。
  3. 前記重み付け係数は、前記検出期間内における時間経過と共に、その値が次第に増大するように設定される、請求項2に記載の制御方法。
  4. 前記重み付け係数は、前記内燃機関のクランク角の関数である、請求項3に記載の制御方法。
  5. 前記重み付け係数は、前記検出期間の開始時点から当該期間内における所定時点まで、一定値に設定される、請求項2〜4のいずれか1項に記載の制御方法。
  6. 前記重み付け係数は、前記検出期間内における所定時点からその期間終了時点まで、当該所定時点以前の値よりも大の一定値に設定される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の制御方法。
  7. 前記振幅導出値は、前記振動波形の振幅の絶対値に基づいて算出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御方法。
  8. 前記検出期間の開始時点は、前記クランク角が第1位相角になった時点であり、その終了時点は、前記クランク角が第2位相角になった時点である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御方法。
  9. 前記内燃機関は、複数の気筒を有しており、
    前記検出期間は、前記気筒毎に設定されていると共に、各検出期間は互いに離間している、請求項8に記載の制御方法。
  10. 火花点火式内燃機関を制御するコンピュータに、
    前記内燃機関の気筒サイクルにおける所定の検出期間内で、当該内燃機関の、所定周波数帯域の振動波形を検出する工程、
    検出した振動波形の振幅に関連するパラメータである振幅導出値の、前記検出期間内での積分値を算出する工程、及び、
    前記積分値と、所定の判定しきい値とを比較すると共に、その比較結果に基づいて前記内燃機関の異常燃焼の発生の有無を判定する工程、
    を実行させるプログラム。
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