JP2009173200A - 車両のバンパリーンフォースメント構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両衝突時に、バンパリーンフォースメントのエネルギー吸収プロファイルを安定させることのできる車両のバンパリーンフォースメント構造を提供する。
【解決手段】リブ3をバンパリーンフォースメント2の前側壁面部2aのみで支持し、後側壁面部2bからは離間するように配置することにより、車両衝突時においては、バンパリーンフォースメント2の上側壁面部2c及び下側壁面部2dが所定量座屈した後に、リブ3の他端部3bをバンパリーンフォースメント2の後側壁面部2bに突き当てるようにする。これによって、車両衝突直後におけるエネルギー吸収量の急激な低下を抑制する。また、リブ3の他端部3bをバンパリーンフォースメント2の後側壁面部2bに設けられた荷重伝達用係合部4と係合させることにより、リブ3と後側壁面部2bとが当たる位置を一定にする。
【選択図】図2
【解決手段】リブ3をバンパリーンフォースメント2の前側壁面部2aのみで支持し、後側壁面部2bからは離間するように配置することにより、車両衝突時においては、バンパリーンフォースメント2の上側壁面部2c及び下側壁面部2dが所定量座屈した後に、リブ3の他端部3bをバンパリーンフォースメント2の後側壁面部2bに突き当てるようにする。これによって、車両衝突直後におけるエネルギー吸収量の急激な低下を抑制する。また、リブ3の他端部3bをバンパリーンフォースメント2の後側壁面部2bに設けられた荷重伝達用係合部4と係合させることにより、リブ3と後側壁面部2bとが当たる位置を一定にする。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両前部に設けられた車両のバンパリーンフォースメントに関する発明である。
従来、車両のバンパリーンフォースメント構造として、車両衝突時に衝撃を吸収すると共に車両の骨格部材へ荷重を伝達するためのバンパリーンフォースメントと、バンパリーンフォースメントの車両後側の内壁面部から車両前側へ向かって突出するボルトとを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両のバンパリーンフォースメント構造では、車両衝突時に、バンパリーンフォースメントの車両上下方向の壁面部が座屈した後に車両前側の内壁面部がボルトと突き当たることによって、バンパリーンフォースメントの車両衝突直後におけるエネルギー吸収量の急激な低下を抑制している。
特開2001−114043号公報
しかし、上述の車両のバンパリーンフォースメント構造にあっては、車両前側の内壁面部とボルトとが当たる位置が一定に定まらないため、所望のエネルギー吸収プロファイルを得ることができない場合があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、車両衝突時に、バンパリーンフォースメントのエネルギー吸収プロファイルを安定させることのできる車両のバンパリーンフォースメント構造を提供することを目的とする。
本発明に係る車両のバンパリーンフォースメント構造は、車両の前側で車幅方向に延在し、閉断面に構成されたバンパリーンフォースメントと、バンパリーンフォースメント内で車両前後方向に延在し、一端部がバンパリーンフォースメントの車両前側又は車両後側の何れか一方の壁面部に支持され、他端部が他方の壁面部から離間するように配置されたリブと、車両衝突時にリブの他端部と係合するように他方の壁面部に設けられ、車両衝突時の衝突荷重をバンパリーンフォースメントに伝えるための荷重伝達用係合部と、を備えることを特徴とする。
この車両のバンパリーンフォースメント構造によれば、リブがバンパリーンフォースメントの車両前側又は車両後側のいずれか一方の壁面部のみで支持され、他方の壁面部からは離間するように配置されているため、車両衝突時においては、バンパリーンフォースメントの車両上下方向の壁面部が所定量座屈した後に、リブの他端部がバンパリーンフォースメントの他方の壁面部に突き当たる。これによって、車両衝突直後におけるエネルギー吸収量の急激な低下を抑制することができる。また、リブの他端部がバンパリーンフォースメントの他方の壁面部に設けられた荷重伝達用係合部と係合するため、リブと他方の壁面部とが当たる位置を一定にすることができる。これによって、車両衝突時に、バンパリーンフォースメントのエネルギー吸収プロファイルを安定させることができる。
また、本発明に係る車両のバンパリーンフォースメント構造では、荷重伝達用係合部は、車両衝突時に他端部を挟み込んでリブと係合するように、互いに対向する一対の壁部を有することが好ましい。これによって、簡単な構成でバンパリーンフォースメントのエネルギー吸収プロファイルを安定させることができる。
また、本発明に係る車両のバンパリーンフォースメント構造では、一対の壁部の内壁面は、前記リブへ向かって拡がるようにそれぞれテーパ状に形成されていることが好ましい。このような構造によれば、車両衝突時に、リブの他端部がテーパ状の一対の内壁面にガイドされて、確実に荷重伝達用係合部と係合することができる。
また、本発明に係る車両のバンパリーンフォースメント構造では、リブの他端部は、荷重伝達用係合部へ向かって先細となるようにテーパ状に形成されていることが好ましい。このような構造によれば、リブの他端部がテーパ状に形成されており一対の壁部にガイドされやすくなるため、確実に荷重伝達用係合部と係合することができる。
本発明に係る車両のバンパリーンフォースメント構造によれば、車両衝突時に、バンパリーンフォースメントのエネルギー吸収プロファイルを安定させることができる。
以下、本発明に係る車両のバンパリーンフォースメント構造の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、本明細書中において、車両が直前進している際の前方方向を「前方」と定め、「前」「後」「左」「右」等の方向を表す語を用いることとする。
図1は、本実施形態に係る車両のバンパリーンフォースメント構造を備える車両を示す斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図2に示すように、車両のバンパリーンフォースメント構造1は、バンパリーンフォースメント2と、リブ3と、荷重伝達用係合部4とを備えて構成されている。
バンパリーンフォースメント2は、車両の前側で車幅方向に延在して閉断面を構成する部材であり、車両衝突時のエネルギーを吸収する機能を有すると共に、図1に示すように、フロントサイドメンバ6の前端に設けられたクラッシュボックス7を介して車両の骨格部材に衝突荷重を伝達する機能を有する。バンパリーンフォースメント2は、図2に示すように、その横断面が矩形環状に構成され、後側壁面部2bで取付部材8を介してクラッシュボックス7と連結されている。
リブ3は、バンパリーンフォースメント2の内部で当該バンパリーンフォースメント2の長手方向の全長に亘って延びると共に、バンパリーンフォースメント2の横断面において車両前後方向に延在する荷重伝達部材であり、バンパリーンフォースメント2の上側壁面部2c及び下側壁面部2dより大きな板厚で構成されている。このリブ3においては、車両前側の一端部3aがバンパリーンフォースメント2の前側壁面部2aの上下方向の略中央位置で支持されると共に、車両後側の他端部3bが後側壁面部2bから離間する自由端部となっており、車両衝突時に他端部3bが後側壁面部2bに突き当たるように構成されている。
荷重伝達用係合部4は、バンパリーンフォースメント2の内部で車両上下方向に互いに対向するように、後側壁面部2bの上下方向の略中央位置からそれぞれ突出する一対の壁部11,12から構成されている。この荷重伝達用係合部4は、車両衝突時に、壁部11,12の互いに平行な内壁面11a,12a同士の間で他端部3bを挟み込むことでリブ3と係合し、衝突荷重をバンパリーンフォースメント2に伝える機能を有する。なお、荷重伝達用係合部4は、バンパリーンフォースメント2の長手方向の全長に亘って設けられていてもよいが、少なくとも、クラッシュボックス7の前側に設けられていればよい。
次に、このように構成されたバンパリーンフォースメント構造1の作用効果について、図2〜図7を参照して説明する。
図3〜5は、図2に示す車両のバンパリーンフォースメント構造を採用した場合における車両衝突時の様子を示す断面図、図6は、従来の車両のバンパリーンフォースメント構造を示す断面図、図7は、従来の車両のバンパリーンフォースメント構造を採用した場合における車両衝突時の様子を示す断面図である。
図6に示すように、従来の車両のバンパリーンフォースメント構造21においては、リブ23の車両後側の他端部23bが後側壁面部22bまで延びて支持される構成となっている。この車両のバンパリーンフォースメント構造21は、リブ23の板厚を大きくすることによって、車両衝突時に上側壁面部22c及び下側壁面部22dが座屈するよりも後にリブ23を座屈させ、これによって、バンパリーンフォースメント22の車両衝突直後におけるエネルギー吸収量及びクラッシュボックス7への伝達荷重の急激な低下を抑制する構成とされている。しかし、このような車両のバンパリーンフォースメント構造21を採用した場合は、図7に示すように、車両衝突時に、上側壁面部22c及び下側壁面部22dの変形の影響を受けることにより、早期にリブ23が変形してしまい、バンパリーンフォースメント22のエネルギー吸収量及び伝達荷重の低下を十分に抑制することができない可能性がある。また、リブ23の座屈のタイミングを遅くするために、過剰に板厚を大きくした場合は、車両のバンパリーンフォースメント構造21の質量が大きくなってしまうという問題が生じる。
ここで、本実施形態に係る車両のバンパリーンフォースメント構造1では、図3に示すように、リブ3の他端部3bがバンパリーンフォースメント2の後側壁面部2bから離間するように配置された自由端部となっているため、車両衝突時における上側壁面部2c及び下側壁面部2dの変形の影響を排除することができる。そして、図4に示すように、上側壁面部2c及び下側壁面部2dが所定量座屈した後は、バンパリーンフォースメント2のエネルギー吸収量及びクラッシュボックス7への伝達荷重が急激に低下してしまう前に、リブ3の他端部3bが後側壁面部2bに突き当たる。このとき、リブ3の突き当たりによって荷重が発生し、図4及び図5に示すように、バンパリーンフォースメント2は、十分にエネルギー吸収を行うと共にクラッシュボックス7に十分荷重を伝達することができる。以上によって、車両衝突直後におけるエネルギー吸収量の急激な低下を抑制することができる。
また、リブ3の他端部3bは、図4に示すように、バンパリーンフォースメント2の後側壁面部2bに突き当たるときに、荷重伝達用係合部4の壁部11,12で挟み込まれることによって、この荷重伝達用係合部4と係合するため、リブ3と後側壁面部2bとが当たる位置を一定にすることができる。これによって、車両衝突時に、簡単な構造でバンパリーンフォースメント2のエネルギー吸収プロファイルを安定させることができる。
ここで、リブの縦弾性係数をE、断面2次モーメントをI、車両前後方向の長さをlとすると、リブの座屈荷重Pcrは、数式(1)で表される。
数式(1)に示すように、座屈荷重は長さlの二乗に反比例するため、他端部3bが後側壁面部2bから離間することにより短く形成されているリブ3は、質量が同じであれば、前側壁面部2a及び後側壁面部2bで支持されるように形成された従来のリブ(長さL)よりも座屈荷重を大きくすることができる。これによって、簡単な構成でリブ3の質量効率を向上させることができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、荷重伝達用係合部4は、その内壁面11a,12aが互いに平行となるように形成された壁部11,12から構成されているが、図8に示すように、その内壁面31a,32aがリブ33へ向かって拡がるようにそれぞれテーパ状に形成された壁部31,32から構成されていてもよい。このような構造によれば、車両衝突時に、リブ33の他端部33bがテーパ状の一対の内壁面31a,32aにガイドされて、確実に荷重伝達用係合部34と係合することができる。
また、図8に示すように、リブ33の他端部33bが、荷重伝達用係合部34へ向かって先細となるようにテーパ状に形成されていてもよく、このような構造によれば、リブ33が、壁部31,32にガイドされやすくなるため、確実に荷重伝達用係合部34と係合することができる。
また、本実施形態では、前側壁面部2aにリブが設けられ、後側壁面部2bに荷重伝達用係合部が設けられているが、これに代えて、前側壁面部2aに荷重伝達用係合部が設けられ、後側壁面部2bにリブが設けられる構成であってもよい。
1…車両のバンパリーンフォースメント構造、2…バンパリーンフォースメント、3,33…リブ、4,34…荷重伝達用係合部、11,12,31,32…壁部、11a,12a,31a,32a…内壁面。
Claims (4)
- 車両の前側で車幅方向に延在し、閉断面に構成されたバンパリーンフォースメントと、
前記バンパリーンフォースメント内で車両前後方向に延在し、一端部がバンパリーンフォースメントの車両前側又は車両後側の何れか一方の壁面部に支持され、他端部が他方の壁面部から離間するように配置されたリブと、
車両衝突時に前記リブの前記他端部と係合するように前記他方の壁面部に設けられ、車両衝突時の衝突荷重を前記バンパリーンフォースメントに伝えるための荷重伝達用係合部と、
を備えることを特徴とする車両のバンパリーンフォースメント構造。 - 前記荷重伝達用係合部は、車両衝突時に前記他端部を挟み込んで前記リブと係合するように、互いに対向する一対の壁部を有することを特徴とする請求項1記載の車両のバンパリーンフォースメント構造。
- 前記一対の壁部の内壁面は、前記リブへ向かって拡がるようにそれぞれテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の車両のバンパリーンフォースメント構造。
- 前記リブの前記他端部は、前記荷重伝達用係合部へ向かって先細となるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の車両のバンパリーンフォースメント構造。
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JP2008015222A JP2009173200A (ja) | 2008-01-25 | 2008-01-25 | 車両のバンパリーンフォースメント構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110293923A (zh) * | 2018-03-22 | 2019-10-01 | 丰田自动车株式会社 | 车辆骨架构造 |
-
2008
- 2008-01-25 JP JP2008015222A patent/JP2009173200A/ja active Pending
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US10864869B2 (en) | 2018-03-22 | 2020-12-15 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle frame structure |
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