JP2009172972A - インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、効率的に光沢ムラを解消するインクジェット記録方法及び記録物を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインクの液滴を吐出した後に、着色剤としての顔料及び該顔料を分散するためのポリマー微粒子を含み、該クリアインクと反応しないカラーインクの液滴を吐出し、これらの液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、前記クリアインク及び前記カラーインクの表面張力が、共に20mN/m〜35mN/mであり、前記クリアインク及び前記カラーインクそれぞれの液滴の吐出の時間差が、100μ秒〜60秒であることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法及び記録物に関し、詳しくは、効率的に光沢ムラを解消するインクジェット記録方法及び記録物に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインクの小滴を吐出して飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。そして、この方法を利用したインクジェット記録装置は、良好な印字品質、低コスト、比較的静かな動作及びグラフィック形成能により、商業的に広く受け入れられている。中でも、サーマル(バブルジェット(登録商標))及び圧電ドロップ・オン・デマンドプリンターは、市場でとりわけ成功し、オフィス及び家庭でのパソコン用プリンタとして広く用いられてきた。
このようなインクジェット記録方法において、従来から、クリアインクとカラーインクを用いて高性能な印字画質を達成しようという技術が提案されている。例えば、特許文献1〜7等に記載の技術が挙げられる。
中でも、特許文献1には、コストアップやインクジェット記録装置の変更、大型化等を伴うことなく、耐候性に優れ且つ光沢ムラが大幅に低減された記録物を容易に提供することを目的として、顔料インク(カラーインク)組成物と、ポリマー成分を含むクリアインク組成物とを吐出して記録媒体に記録するインクジェット記録方法であって、記録後の前記記録媒体の記録表面全体における光沢性が実質的に均一になるように、前記顔料インク組成物の吐出量及び/又は前記クリアインク組成物の吐出量を調整することを特徴とするインクジェット記録方法が開示されている。
また、特許文献2では、粒状感を低減させることを目的として、少なくとも水及び水溶性有機溶剤を含み、着色剤を実質的に含まない希釈インク(クリアインク)と、少なくとも着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含む1種以上の着色インク(カラーインク)からなり、希釈インクの動的表面張力が、着色インクの動的表面張力よりも高いインクジェット記録用水性インクセットを使用し、希釈インクと着色インクとを重ね打ちすることを特徴とするインクジェット記録方法や、更には、着色インクを、希釈インクを記録した部分に重ね打ちする前記インクジェット記録方法等が開示されている。
しかしながら、これまでの記録方法では、印字画像の光沢ムラの低減が満足できる程度には至っていなかったり、クリアインクの打ち込み量が多くなってしまい、カラーインクがにじむ、コストがかさむなどの問題があった。そこで、印字画像における光沢ムラをより効率的に解消できる技術が望まれていた。
再表2002/087886号公報 特開2006−232933号公報 特開2006−272934号公報 特開2003−286428号公報 特表2005−532924号公報 特開2007−253360号公報 特開2005−28610号公報
本発明は、効率的に光沢ムラを解消するインクジェット記録方法及び記録物を提供することを目的とする。
特定の表面張力を有するクリアインク及びカラーインクそれぞれの液滴を、一定の時間差でもって吐出するインクジェット記録方法が、前記目的を達成し得ることの知見を得て、本発明に至った。
即ち、本発明は以下の構成からなる。
1.ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインクの液滴を吐出した後に、着色剤としての顔料及び該顔料を分散するためのポリマー微粒子を含み、該クリアインクと反応しないカラーインクの液滴を吐出し、これらの液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
前記クリアインク及び前記カラーインクの表面張力が、共に20mN/m〜35mN/mであり、
前記クリアインク及び前記カラーインクそれぞれの液滴の吐出の時間差が、100μ秒〜60秒であることを特徴とするインクジェット記録方法。
2.前記クリアインクの配置が、前記カラーインクの配置を参照して前記カラーインクと重なる位置から優先して決定される前記1に記載のインクジェット記録方法。
3.前記クリアインクの単位面積あたりの吐出量が、前記カラーインクの単位面積あたりの吐出量が最大のときに最小となり、かつ、前記クリアインクの単位面積あたりの吐出量が、前記カラーインクの単位面積あたりの吐出量が最小のときに最大となる前記1又は2に記載のインクジェット記録方法。
4.前記クリアインクの液滴を記録媒体上に吐出することによって形成されるドットが、前記カラーインクの液滴を記録媒体上に吐出することによって形成されるドットよりも小さいドットである前記1〜3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
5.前記1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法によって印刷された記録物。
本発明によれば、効率的に光沢ムラを解消するインクジェット記録方法及び記録物を提供することができる。
次に本発明をその好ましい実施形態に基づいて、さらに詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、既述のとおり、ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインクの液滴を吐出した後に、着色剤としての顔料及び該顔料を分散するためのポリマー微粒子を含み、該クリアインクと反応しないカラーインクの液滴を吐出し、これらの液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
前記クリアインク及び前記カラーインクの表面張力が、共に20mN/m〜35mN/mであり、
前記クリアインク及び前記カラーインクそれぞれの液滴の吐出の時間差が、100μ秒〜60秒であることを特徴とする。
本発明は、上記構成からなる記録方法であるため、印字画像における光沢ムラの発生を効率的に解消することができる。
尚、本明細書において光沢ムラとは、顔料インクを光沢系の記録媒体に印字したときにおいて、ある単位面積あたりの顔料インクの打ち込み量が多い部分と、少ない部分での光沢度の差が大きく、目視で違和感を感じる状態をいう。実際的には、前記カラーインク及び/又は前記クリアインクで形成される印刷画像の、20°鏡面光沢度の差が大きい状態をいう。20°鏡面光沢度は光沢計によって測定される。
また、本明細書においてインクの打ち込み量とは、(単位面積当たりに打たれるドットの数)×(1ドット当たりの重量)で規定する。
本発明の記録方法に用いられるクリアインク及びカラーインクの表面張力は、共に20mN/m〜35mN/mである。クリアインク及びカラーインクの表面張力がこのような範囲にあることで、クリアインクとカラーインクの不用な混色を防ぐことができる。また35mN/mを超える表面張力を持つインクと比較して、記録媒体上での浸透速度が速く、乾燥性に優れる。
また本発明におけるクリアインクとカラーインクは反応しない。クリアインクとカラーインクが相互に反応すると、クリアインクとカラーインクのドットが凝集し、記録媒体上でドットの表面に凹凸ができやすくなり、その結果、光沢性が著しく悪化するため好ましくない。
本発明で効率的に光沢ムラの発生を解消できる理由は、次のように推測できる。
クリアインクが記録媒体上に着弾した後に、カラーインクが重ねて着弾するとカラーインクがクリアインクの上を濡れ広がり、カラーインク単独で着弾した時よりもドット径が広く、表面の凹凸がより少なくなる。しかしながらクリアインクが着弾した後、カラーの着弾がはやすぎると、クリアインクが記録媒体との衝突の影響でまだ安定せず揺れ動いている状態のため、混和が起こりやすくまた表面の凹凸もできやすい。また逆にクリアインクが着弾した後、カラーインクの着弾が遅すぎると、クリアインクが乾燥してしまい濡れ広がりの効果が得られない。
以上の理由により、本発明の記録方法においては、クリアインクの液滴を吐出した後に、カラーインクの液滴を吐出するに際し、クリアインク及びカラーインクそれぞれの液滴の吐出の時間差が、100μ秒〜60秒であり、好ましくは100μ秒〜10秒、更に好ましくは100μ秒〜3秒である。
また同じ理由により、なるべくクリアインクとカラーインクの重なりを多くするため、本発明においては、クリアインクの配置が、カラーインクの配置を参照してカラーインクと重なる位置から優先して決定されることが好ましい。
また、光沢系の記録媒体上で光沢ムラが発生する原因は、インクジェットの記録特性上の問題による。例えば、インクジェット記録物においてより濃度の濃い色を再現する場合には、単位面積あたりのインクの打ち込み量をより多くする必要がある。このため、インクジェット記録方法においては、単位面積あたりのインクの打ち込み量の多い部分、少ない部分が記録画像によっては発生することになる。このため、ポリマー成分を含有する顔料インクを用いて記録する場合には、インクの打ち込み量が多い部分には多くのインク液滴を吐出させるので、それに伴って吐出されるポリマー成分の量も多くなり、ポリマー成分付着量が多くなるのに対し、インクの打ち込み量が少ない部分はインク液滴の吐出量が少なくなるので、ポリマー成分の付着量も少なくなる。これによりインクの打ち込み量の多い部分は高光沢、インクの打ち込み量が少ない部分は低光沢となる。このように、ポリマー成分付着量の差異によって光沢感に差異が発生し、光沢ムラとして記録物品質に反映される。よって、本発明においては、クリアインクの単位面積あたりの吐出量が、前記カラーインクの単位面積あたりの吐出量が最大のときに最小となり、かつ、前記クリアインクの単位面積あたりの吐出量が、前記カラーインクの単位面積あたりの吐出量が最小のときに最大となることが好ましい。
また、本発明においては、クリアインクの液滴を記録媒体上に吐出することによって形成されるドットが、カラーインクの液滴を記録媒体上に吐出することによって形成されるドットよりも小さくなるようにすることが、カラーインクとのにじみを抑制すること、より効率的に光沢ムラを解消する点で好ましい。単位面積インクの打ち込み量が同じ場合には、より小さいドットで吐出した方が、隣接ドットとの空間を少なくすることができるため、より効率的に被覆しやすく、光沢が良くなりやすい。特に、クリアインクが相対的に多くうたれる部分には有用である。
また、本発明においては、クリアインクが着弾した後に、カラーインクが着弾することにより、よりカラーインクが記録媒体の表面に残りやすくなるため、発色性が良くなるという別の効果も発現する。このため記録物のカラーインクの使用量を減らすことが可能となりコストを削減することができる。
本発明の記録方法において用いることのできるクリアインクは、着色剤を含有しない。ただし、用いられるクリアインク中の有機溶剤、ポリマー微粒子などの他の成分によってはわずかに白色、黄色などを呈することもある。
本発明でクリアインクに好ましく用いられるポリマー微粒子としては、例えば、天然高分子が挙げられる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン等のタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、サポニン等のグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。
また、ポリマー微粒子の好ましい例としては合成高分子も挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましく、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。上記塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリン等の塩が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
これらの共重合体は、重量平均分子量が1000〜300,000であるのが好ましく、より好ましくは3000〜150,000である。
クリアインクは、前記ポリマー微粒子をエマルジョンとして含有することもできる。また、前記クリアインクは、併用するカラーインクにおいて顔料分散ポリマーとして使用する分散ポリマーを含有することもできる。その分散ポリマーとしては、顔料表面に吸着して顔料粒子を水に分散する形態をとるポリマーや、顔料表面を覆い、顔料粒子をカプセル化した状態で水に分散する形態をとるポリマーなどのように顔料粒子を水に安定に分散することのできるポリマーであれば特に限定されず、分散形態、水溶性樹脂、又は非水溶性樹脂に関係なくクリアインクに含有することができる。
クリアインク中に含有される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、又は蒸留水等の純水又は超純水を用いることができる。特に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いると、カビやバクテリアの発生を防止してクリアインク組成物の長期保存が可能となる点で好ましい。
クリアインクは、前記ポリマー微粒子を、クリアインク組成物全体の重量に関して好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%の量で含有する。前記ポリマー微粒子の含有量を前記範囲内とすることにより、プリンタヘッドからの吐出安定性、速乾性、及び取扱安全性等を低減させることなく、光沢ムラの防止をすることができる。
また、クリアインクには、記録媒体上での浸透及び乾燥の制御、ノズルの目詰まり防止等の観点から、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、通常、インク組成物中に含有される化合物を特に制限させることなく用いることができる。例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテンー1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類;グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、尿素、尿素誘導体(ジメチル尿素等)等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン;1,−ジメチル−2−イミダゾリジノン;ホルムアミド、アセトアミド;ジメチルスルホキシド;ソルビット、ソルビタン;アセチン、ジアセチン、トリアセチン;スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
クリアインクには、更にpH調整剤を含有することが好ましい。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ及び/又はアンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等を用いることができる。特に、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンから選択される少なくとも1種類のpH調整剤を含み、pH6〜10に調整されることが好ましい。pHがこの範囲を外れると、インクジェットプリンタを構成する材料等に悪影響を与えたり、目詰まり回復性が劣化する。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含有することができる。発泡・起泡の少ないインク組成物を得るという観点からノニオン性界面活性剤が特に好ましい。
ノニオン性界面活性剤のさらなる具体例として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系; ジメチルポリシロキサン等のポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤;その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン界面活性剤は、1種でも2種以上を併用することもできる。
上記ノニオン性界面活性剤の中でも、特にアセチレングリコール系界面活性剤、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤が発泡も少なく、また優れた消泡性能を有する点で好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤の更なる具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられるが、市販品で入手も可能で、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、Tや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等が挙げられる。ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤の更なる具体例としては、ビッグケミー・ジャパン社のBYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、UV3530などを挙げることができる。
また、クリアインクには、更に必要に応じ、粘度調整剤、防腐剤、防カビ剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び/又は誘電率調整剤等の各種助剤を含有させることもできる。
また、クリアインクは、吐出安定性の観点から、20℃における粘度が10mPa・s以下であることが好ましい。粘度を前記の範囲内に調整する方法としては、増粘剤やpH調整剤の添加、固形分濃度の調整、前記ポリマー微粒子の分子量の調整等を挙げることができる。
カラーインクに含有される顔料としては、無機顔料及び有機顔料を使用することができ、それぞれ単独で、又は複数種を任意に混合して用いることができる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン及び酸化鉄の他、コンタクト法、ファーネス法、又はサーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、及びキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、又はキノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、又は酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、又はアニリンブラック等を使用することができる。
さらに前記顔料の具体例を以下に説明する。まず、イエローインク組成物の好ましい顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow 2,C.I.Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow 12,C.I.Pigment Yellow 13,C.I.Pigment Yellow 14,C.I.Pigment Yellow 16,C.I.Pigment Yellow 17,C.I.Pigment Yellow 73,C.I.Pigment Yellow 74,C.I.Pigment Yellow 75,C.I.Pigment Yellow 83,C.I.Pigment Yellow 93,C.I.Pigment Yellow 95,C.I.Pigment Yellow 97,C.I.Pigment Yellow98,C.I.Pigment Yellow 109,C.I.Pigment Yellow 110,C.I.Pigment Yellow 114,C.I.Pigment Yellow 128,C.I.Pigment Yellow 129,C.I.Pigment Yellow 138,C.I.Pigment Yellow 150,C.I.Pigment Yellow 151,C.I.Pigment Yellow 154,C.I.Pigment Yellow 155,C.I.Pigment Yellow180,C.I.Pigment Yellow 185等を挙げることができ、これらのうち、特に好ましく使用することができる顔料として、C.I.Pigment Yellow 74、110及び128等を挙げることができる。
また、マゼンタインク組成物の好ましい顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.Pigment Red 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn),C.I.Pigment Red 57(Ca),C.I.Pigment Red 57:1,C.I.Pigment Red 112,C.I.Pigment Red 122,C.I.Pigment Red 123,C.I.Pigment Red 168,C.I.Pigment Red 184,C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Vioret 19等を挙げることができ、これらのうち、特に好ましい顔料として、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Vioret 19等を挙げることができる。
また、シアンインク組成物の好ましい顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I.Pigment Blue 3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 15:4,C.I.Pigment Blue 15:34,C.I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Pigment Blue 60,C.I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue 60を挙げることができ、これらのうち、特に好ましい顔料として、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4等を挙げることができる。
ブラックインク組成物の好ましい顔料はカーボンブラックであり、具体的には、例えば、三菱化学製のNo.2300,No.900,MCF88,No.33,No.40,No.52,MA7,MA8,MA100,No.2200B等、コロンビア社製の Raven5750,Raven5250,Raven5000,Raven3500,Raven1255,Raven700等、キャボット社製の Regal 400R,Regal 400R,Regal 1660R,Mogul 1,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400等、テグッサ社製の Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4等を挙げることができる。
カラーインクは、水を主溶媒とするのが好ましい。水としては、前記クリアインクに含有される水と同様のものを用いることができる。
カラーインクに含有される顔料を分散するためのポリマー微粒子は、一般に溶媒に不溶な顔料をインク中で安定に分散するために用いられる。前述したポリマー微粒子のうち、このような機能を持てば特に限定されないが、分散安定性、光沢度の観点から、好ましくはスチレン−メタ(アクリ)酸共重合体である。
また、このような樹脂としては市販の物を使用することができ、その具体例としては、
ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル61J(分子量10,000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10,000、酸価195)、ジョンクリル450(分子量10,000〜20,000、酸価100)、ジョンクリル680(分子量3,900、酸価215)、ジョンクリル550(分子量7,500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5,000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3,100、酸価105)、ジョンクリル683(分子量7,300、酸価150)、B−36(分子量6,800、酸価250)等が挙げられる。
カラーインクには、クリアインクと同様に記録媒体上での浸透、乾燥の制御、ノズルの目詰まり防止等の観点から、有機溶剤を含有させることができる。用いられる有機溶剤は前述のクリアインクと同様のものを用いることができる。
また、カラーインクには、更に必要に応じ、粘度調整剤、防腐剤、防カビ剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び/又は誘電率調整剤等の各種助剤を含有させることもできる。
本発明に用いられるカラーインクは、前記のとおり、少なくとも、顔料、及び該顔料を分散するためのポリマー微粒子を含有するものであればよいが、特に好ましい形態を挙げると、前記顔料を好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.5〜8重量%の量で含有し、ポリマー微粒子を好ましくは0.1〜30重量%、更に好ましくは0.5〜15重量%の量で含有し、その他の成分として、前記の有機溶剤等を含有することが、インク組成物の発色性及び信頼性の点で好ましい。
本発明におけるインクの調製に際しては、ノズルの目詰まり防止の観点から粗大粒子を除去することが好ましい。粗大粒子の除去は、例えば前記各成分を混合して得られたインクをメンブランフィルターやメッシュフィルター等のフィルターを用いて濾過し、好ましくは10μm以上、より好ましくは5μm以上の粒子を除去することにより行われる。
なお、カラーインクの諸物性は適宜調整されるが、ヘッドからの安定的な吐出特性の点で、20℃における粘度が10mPa・s以下であることが好ましい。
本発明では、記録媒体として、記録媒体表面上に顔料粒子を残留させることが可能な記録媒体を用いるのが好ましい。このような記録媒体としては、例えば、基材上にインク受容層を設けた記録媒体を用いることができる。インク受容層は、記録媒体の最上層であるか、あるいはその上に、例えば、光沢層を有する中間層であることもできる。このような記録媒体としては、そのインク受容層中に多孔質顔料及びバインダーポリマーを含有する、いわゆる吸収型(空隙型ともいう)の記録媒体と、前記インク受容層中にカゼイン、変性PVA、ゼラチン、又は変性ウレタン等のポリマーを含有する、いわゆる膨潤型の記録媒体とが知られており、本発明ではいずれの記録媒体も使用することができる。
吸収型記録媒体のインク受容層に含有される前記多孔質顔料としては、例えば、沈殿法、ゲルタイプ、又は気相法等のシリカ系、擬ベーマイト等のアルミナ水和物、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、スメクタイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タルク、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
また、吸収型記録媒体のインク受容層に含有される前記バインダーポリマーとしては、結着能力を有し、インク受容層の強度を高めることのできる化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックス、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体等のアクリル系共重合体ラテックス等を挙げることができる。
前記インク受容層には、吸収型記録媒体のインク受容層の場合も、膨潤型の記録媒体のインク受容層の場合も、必要に応じ、定着剤、蛍光増白剤、耐水化剤、防かび剤、防腐剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、及び/又は保水剤等の各種添加剤を含有させることもできる。
前記の各インク受容層が設けられる前記基材としては、紙(サイズ処理紙を含む);ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステル等を紙にコートしたレジンコート紙;バライタ紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、又はポリプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルム;合成紙;合成繊維で形成されたシート状物等を挙げることができる。
本実施形態で用いる記録媒体は、前記のとおり、前記基材上に前記インク受容層を有する限り特に限定されないが、特に好ましい態様は、前記基材と、その上に設けた最上層としての前記インク受容層とを有する記録媒体である。
本発明のインクジェット記録方法においては、クリアインクが吐出された後に時間差があってカラーインクが吐出される。例えば、主走査方向にインクジェットヘッドが走査しながら印刷するプリンタの場合には、往路走査でクリアインクのみを吐出して、副走査方向に紙送りをせずに、復路走査でカラーインクのみを吐出することにより実現できる。また、この方法に限らず、クリアインクが吐出された後にカラーインクが吐出される方法であればいずれも使用できる。
本発明のインクジェット記録方法においては、例えば、ドライバ等のソフトウエアを介し、記録媒体に吐出しようとする色を検知し、その色に対応する前記顔料インクをインクの打ち込み量の組み合わせに変換した信号としてプリンタに出力する。このとき、前記顔料インクの打ち込み量が低いときには、前記クリアインクの吐出量が多くなるように調整する。一方、前記顔料インクの打ち込み量が多いときには、前記クリアインクの吐出量が少なくなるように調整する。また、前記クリアインクの吐出量の調整も、ドライバによって行う。即ち、ドライバによって検知された色に対応する前記顔料インクの打ち込み量に基づいて、前記クリアインク組成物の吐出量を前述のように決定する。そして、決定された前記クリアインクの吐出量を打ち込み量の組み合わせに変換した信号としてプリンタに出力する。
本発明のインクジェット記録方法においては、吐出されるクリアインクのドットがカラーインクと比較して小さい。例えば、インクジェットヘッドの駆動装置において複数の駆動パルスを用いて、同一径のノズルからサイズの異なるインク滴を吐出する方法、またインクジェットヘッドにおいてクリアインク列のノズル径をカラーインク列のノズル径より小さくすることでサイズの異なるインク滴を吐出する方法などにより実現できる。また、この方法に限らず、クリアインクのドットがカラーインクのドットよりも小さくなる方法であればいずれも使用できる。
本発明によれば、前述したインクジェット記録方法によって印刷された記録物が提供される。かかる記録物は、光沢ムラが効率的に解消され、優れた画質を有するものである。
カラーインクの調製
〔ポリマーの調製〕
攪拌機、温度計、還流管、及び滴下ロートを備えた反応容器を窒素置換した後、スチレン30部、α−メチルスチレン10部、ブチルメタクリレート15部、ラウリルメタクリレート10部、アクリル酸2部、t―ドデシルメルカプタン0.3部を入れて70℃に加熱した。これに、別に用意したスチレン150部、アクリル酸15部、ブチルメタクリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部、及びアゾビスイソブチロニトリル3部を滴下ロートに入れて4時間かけて反応容器に滴下して、分散ポリマーを重合反応させた。さらに、反応容器にメチルエチルケトンを添加して、50重量%濃度のポリマー溶液1を作成した。
得られたポリマー溶液1からポリマーを抽出して、中和手滴定法による酸価とGPC法による平均分子量を測定した。その結果、酸価は55KOHmg/g、平均分子量は35,000であった。
イエロー分散液
イエロー顔料を含有するポリマー粒子分散液を以下の通りに製造した。すなわち、上記
で製造したポリマー溶液50部、C.I.ピグメントイエロー74 75部、0.05重量%の水酸化ナトリウム水溶液27.5部、メチルエチルケトン60部を混合し、ホモジナイザーで30分攪拌した。その後、イオン交換水を300部添加して、更に1時間攪拌した。ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を留去した後、0.3μmのメンブレンフィルターで濾過して固形分が20重量%のイエロー分散体を得た。
マゼンタ分散液
マゼンタ顔料を含有するポリマー粒子分散液を、顔料としてC.I.ピグメントレッド122 80部とポリマー溶液40部とを用いた以外は、イエロー分散体と同様にして得た。
シアン分散液
シアン顔料を含有するポリマー粒子分散液を、顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4 50部とポリマー溶液100部とを用いた以外は、イエロー分散体と同様にして得た。
表1に示した組成に従って、上記したイエロー分散液、マゼンタ分散液、又はシアン分散液と、溶剤類及び超純水とを混合して、2時間攪拌した。続いて、孔径約8μmのメンブランフィルタ(商品名)(日本ミリポア・リミテッド製)を用いて濾過して、カラーインクを調製した。
(2)クリアインクの調製
〔インクの調製〕
前記のカラーインクの調製で製造したポリマー溶液1と各溶剤と超純水とを、表1に示した配合比(重量%)で混合して、2時間攪拌した。引き続いて孔径が約8μmのメンブランフィルター(商品名、日本ミリポア・リミテッド社製)を用いて濾過し、クリアインク製造例1を調製した。
クリアインク製造例1のポリマー溶液1をジョンクリル61J(平均分子量10,000、酸価195KOHmg/g、スチレン-アクリル酸ポリマー、ジョンソンポリマー社製)に変更し、表1に示した組成に従って、クリアインク1と同様にクリアインク製造例2を調製した。
クリアインク製造例1のポリマー溶液1を用いずに、表1に示した組成に従って、クリアインク製造例1と同様にクリアインク製造例2を調製した。
クリアインク製造例1のポリマー溶液1を用いて、表1に示した組成に従って、クリアインク製造例1と同様にクリアインク比較例2を調製した。
Figure 2009172972
表1中、各組成物の添加量は重量%である。
(a)光沢ムラ解消に必要なクリアインク量の評価
インクジェットプリンター(セイコーエプソン製;PX−A650)のイエロー列にイエローインク、マゼンタ列にマゼンタインク、シアン列にシアンインク、ブラック列にクリアインク製造例1を搭載した。記録媒体としてPM写真用紙/光沢を用いた。まずカラーインクだけを用いて、カラーインク単色の打ち込み量を2.0mg/cm2、1.5mg/cm2、1.0mg/cm2、0.5mg/cm2の4パターンで、50mm×50mmのベタ印字をおこない、25℃で24時間自然乾燥させた。印字物の光沢度を光沢度計(GM-268;コニカミノルタ社製)で測定した。光沢度は、20°での正反射を測定した。(このときの光沢度を表3右側に示す。)
(実施例1)次に0.5mg/cm2のカラーインク単色のパターンに、クリアインクも印字して、2.0mg/cm2のカラーインク(クリアインクの印字はしない)のパターンと同じ光沢度になるのに必要なクリアインクの打ち込み量を確認した。この時クリアインクをまず往路走査で印字してから、1秒後に復路走査でカラーインクを印字した。クリアインクの配置はカラーインクと重なる位置を優先して印字した。また、クリアインク、カラーインク共に1ドットあたり10ngのインク重量を持つ同じ大きさのドットを用いて印字した。この印字条件のままで同様に、カラーインクの打ち込み量が1.5mg/cm2、1.0mg/cm2の場合でも同様に必要なクリアインクの打ち込み量を確認した。イエロー、マゼンタ、シアン単色各々の結果を平均した結果を表3(左側)に示す。
(実施例2〜4、比較例1〜3)印字条件を表2のように変更して、その他の条件は実験例1と同様に、カラーインク単色の0.5、1.0、1.5mg/cm2のパターンが2.0g/cm2のパターンと同じ光沢度になるのに必要なクリアインクの打ち込み量を確認した。その結果を表3に示す。
Figure 2009172972
(クリアインク製造例2、クリアインク比較例1)
カラーインクは変更せずにクリアインクだけをクリアインク製造例2又はクリアインク比較例1に変更して、クリアインク製造例1の時と全く同じ印字条件で実験例1〜4及び比較例1〜3を行った。その結果を表3に示す。
尚、クリアインク比較例1では、実施例及び比較例いずれの場合も、どれだけインクの打ち込み量を増やしても、カラーの2.0mg/cm2のパターン光沢度に達することはなかった。また、比較例3に関してはどのクリアインクを用いても、クリアインクの打ち込み量が増えるのに従ってカラーインクがあふれだしてしまい、かえって光沢度が下がる結果となり、カラーの2.0mg/cm2のパターン光沢度に達することはなかった。
Figure 2009172972
(b)乾燥性評価
インクジェットプリンター(セイコーエプソン製;PX−A650)のイエロー列にイエローインク、マゼンタ列にマゼンタインク、シアン列にシアンインク、ブラック列にクリアインク製造例1を搭載した。記録媒体としてPM写真用紙/光沢を用いた。カラーインク0.5mg/cm2の打ち込み量のパターンにクリアインクも1.5mg/cm2の打ち込み量で50mm×50mmのベタ印字を行った。このとき印字条件としては上記(a)の評価で用いた実施例1と同じ印字条件を用いた。記録物の乾燥性を下記の条件で判定した。同様にクリアインクをクリアインク製造例2又は比較例2に変更して、同じ条件で評価を行った。結果を表4に示す。
A:印字完了30秒後に指で記録物を触ってもインクがつかない
B:印字完了30秒後に指で記録物を触るとインクがつく
Figure 2009172972
本発明は、効率的に光沢ムラを解消するインクジェット記録方法及び記録物として、産業上利用可能性を有する。

Claims (5)

  1. ポリマー微粒子を含み、かつ、着色剤を含まないクリアインクの液滴を吐出した後に、着色剤としての顔料及び該顔料を分散するためのポリマー微粒子を含み、該クリアインクと反応しないカラーインクの液滴を吐出し、これらの液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記クリアインク及び前記カラーインクの表面張力が、共に20mN/m〜35mN/mであり、
    前記クリアインク及び前記カラーインクそれぞれの液滴の吐出の時間差が、100μ秒〜60秒であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記クリアインクの配置が、前記カラーインクの配置を参照して前記カラーインクと重なる位置から優先して決定される請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記クリアインクの単位面積あたりの吐出量が、前記カラーインクの単位面積あたりの吐出量が最大のときに最小となり、かつ、前記クリアインクの単位面積あたりの吐出量が、前記カラーインクの単位面積あたりの吐出量が最小のときに最大となる請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記クリアインクの液滴を吐出することによって形成されるドットが、前記カラーインクの液滴を吐出することによって形成されるドットよりも小さいドットである請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のインクジェット記録方法によって印刷された記録物。
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