JP2009171441A - 宅側装置の登録方法、asonシステム及び局側装置 - Google Patents

宅側装置の登録方法、asonシステム及び局側装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 光スイッチ部7,8の支線と宅側装置2との対応関係を予め設定しておかなくても、局側装置1がディスカバリを実行できるようにする。
【解決手段】 本発明は、光信号の方路選択が可能な光スイッチ部7,8を有する光スイッチ装置3を介して、局側装置1と複数の宅側装置2がP2MP形態で接続されるASONシステムにおいて、局側装置1が行う宅側装置2の登録方法である。局側装置1は、自身が未登録の宅側装置2を見つけるために送信するディスカバリゲートを通すための光スイッチ部7,8の支線とその開通期間を、当該局側装置1が光スイッチ装置3に送信する、光スイッチ部7,8での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームdG,uGによって決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一つの局側装置と複数の宅側装置をポイントツーマルチポイントで接続した光ファイバネットワークにおいて、光ファイバに伝送された光信号の方路を光スイッチで選択的に制御するASONシステムに関する。
換言すると、EPON(GE−PONや10GE−PON等)における光スプリッタを上記光スイッチで代替させたASONシステムと、これに使用する局側装置、及び、そのシステムにおいて好適に実施される宅側装置の登録方法に関する。
PONシステム(Passive Optical Network System)は、一つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と複数の宅側装置(ONU:Optical Network Unit)とが光カプラ等のパッシブ素子を介して接続されたポイントツーマルチポイント(P2MP:Point To Multipoint)形態の光ファイバネットワークシステムである。
このPONシステムのうち、EPON(Ethernet-PON)は、イーサネット(Ethernet:登録商標)技術をベースとした高速伝送システムを経済的に実現するものであり、IEEE802.3ah(TM)として2004年6月に標準化された高速光アクセス方式の一つである。
上記IEEE802.3ah(TM)による標準規格では、局側装置と宅側装置の間の制御プロトコルであるMPCP(Multi-Point Control Protocol)や、通信ネットワークにおける装置や回線の保守監視制御に関するOAM(Operation Administration and Maintenance)プロトコルが規定されており、このうち、MPCPは、宅側装置の自動登録機能(ディスカバリ機能)や、宅側装置からの帯域要求(REPORT)と宅側装置への送信許可(GATE)とで行われる上り信号の多重制御機能などが規定されている。
かかるEPONでは、光信号を光スプリッタで受動的に分配するものであることから、以下に述べる問題点が指摘されている(特許文献1参照)。
(1) 光スプリッタが光信号を分配するので、光信号のパワー損失が大きく、局側装置と宅側装置の間の伝送距離が余り長く設定することができない。
(2) 局側装置からの下り信号が同じ光スプリッタに繋がるすべての宅側装置に到達するので、あるユーザが故意又は悪意を持ってなりすまし、他のユーザ宅宛ての下り信号を見ることが可能である。
(3) あるユーザが、局側装置の送信許可に従わず、故意に又は悪意を持って宅側装置から光信号を継続して出し続けることにより、他の宅側装置の通信を阻害することが可能である。
そこで、特許文献1では、ポイントツーマルチポイント形態の光アクセスネットワークにおいて、PONで採用されていた受動的な光スプリッタの代わりに、光信号の行き先(方路)を制御する能動的な光スイッチを用いたものを推奨しており、これによれば、上記問題点(1)〜(3)が解消される。
なお、光ファイバの分岐点に光スイッチを用いる光アクセスネットワークは、OSAN(Optical Switched Access Network)或いはASON(Active Switched Optical Network)と呼ばれ、用語として未だ確立していないが、本明細書では、従来技術の場合をOSANと呼び、本発明の対象となるものをASONと呼ぶ。
一方、特許文献2には、光スイッチ(OSM:Optical Switching Module)にもレンジング機能を持たせて、宅側装置の場合と同様に、局側装置が光スイッチに対するレンジングを行うようにしたGE−OSANシステムが開示されている。
この特許文献2のシステムでは、それぞれのレンジングの結果である宅側装置の往復遅延時間と光スイッチの往復遅延時間との差を当該光スイッチに伝えることにより、上り信号用光スイッチに対するスイッチング素子の接続開始時刻を得ることが可能となる。
IEEE Std 802.3ah(TM)-2004 特開2006−140830号公報 特開2006−246262号公報
上記OSANシステムにおいても、PONの場合と同様に、MPCPに規定されているディスカバリを行うことにより、未登録の宅側装置を局側装置に自動的に認識させてLLIDを付与する登録手続を行うことができる。
しかしながら、特許文献1及び2に記載のOSANシステムでは、PONの制御フレームに記された情報のみに基づいて光スイッチのスイッチングを行っているので、光スイッチの支線と宅側装置との対応関係については、局側装置が自動的に認識することができない。
従って、従来のOSANシステムでは、光スイッチの支線と宅側装置との対応関係を予め手動で設定しておかないと、局側装置がMPCPによるディスカバリを実施することができず、光スイッチの支線と宅側装置との対応関係をも含めた宅側装置の登録作業を自動的に実行することができなかった。
また、既にPONシステムが導入されつつあることから、PONの宅側装置をOSANシステムに混在収容することは、PONシステムからOSANシステムへの移行を容易する点において望ましい。しかし、従来のOSANシステムでは、光スイッチから宅側装置への下り信号がバーストになるので、下りバースト信号を想定していないPONの宅側装置を、OSANシステムに混在して動作させることはできなかった。
本発明は、このような実情に鑑み、光スイッチ部の支線と宅側装置との対応関係を予め設定しておかなくても、局側装置がディスカバリを実行できる宅側装置の登録方法等を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、光スイッチ部の支線と宅側装置との対応関係も含めて宅側装置の登録作業をすべて自動的に行うことができる宅側装置の登録方法等を提供することを第二の目的とする。
さらに、本発明は、下りバースト信号に対応したOSANの宅側装置に対しては、他の宅側装置への信号を遮断し通信の秘匿性を高めるという、OSAN本来の目的を適えつつ、下りバースト信号に非対応なPONの宅側装置を、同一OSANシステムに混在して動作させることを第三の目的とする。
本発明の宅側装置の登録方法(請求項1)は、光信号の方路選択が可能な光スイッチ部を有する光スイッチ装置を介して、局側装置と複数の宅側装置がP2MP形態で接続されるASONシステムにおいて、前記局側装置が行う前記宅側装置の登録方法であって、
前記局側装置が未登録の前記宅側装置を見つけるために送信するディスカバリゲートを通す前記光スイッチ部の支線とその開通期間を、前記局側装置が前記光スイッチ装置に送信する、前記光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定することを特徴とする。
上記宅側装置の登録方法によれば、局側装置が送信するディスカバリゲートを通すための光スイッチ部の支線とその開通期間を、当該局側装置が光スイッチ装置に送信する光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定するようにしたので、光スイッチの支線と宅側装置との対応関係を予め手動で設定しておかなくても、局側装置がディスカバリを実施することができる。
本発明は、また、光スイッチ部の支線と宅側装置との対応関係も含めた宅側装置の登録作業をすべて自動的に行う登録方法として、個別方式と一括方式による登録方法を提供するものである。
このうち、個別方式の登録方法(請求項2)は、前記局側装置が、前記ゲートフレームによって前記光スイッチ部の支線を一つずつ開通させるとともに、その開通期間内に前記ディスカバリゲートを送信して、前記支線ごとに未登録の前記宅側装置との間でディスカバリを実行するものである。
この個別方式の登録方法によれば、ゲートフレームによって一つずつ開通される支線の開通期間の間に、ディスカバリゲートを送出して未登録の宅側装置との間でディスカバリを行うので、局側装置は、自身が発したゲートフレームで開通させた支線を通じて宅側装置からの登録要求フレームを受けることにより、登録された宅側装置がどの支線に繋がっているかを認識することができる。
このため、宅側装置と光スイッチ部の支線との対応関係を予め設定しておかなくても、その対応関係も含めて宅側装置を自動登録することができる。
これに対して、一括方式の登録方法(請求項3)は、前記局側装置が、前記ゲートフレームによって前記光スイッチ部の全部又は複数の支線を開通させるとともに、その開通期間内に前記ディスカバリゲートを送信して、全部又は複数の前記支線を通じて未登録の前記宅側装置との間でディスカバリを実行したあと、更に、全部又は複数の前記支線から登録済みの前記宅側装置に対応する前記支線を検索するポート発見シーケンスを行うものである。
この一括方式の登録方法によれば、全部又は複数の支線に対する開通期間の間に、ディスカバリゲートを送出して未登録の宅側装置との間でディスカバリを行うので、宅側装置の登録手続が済んだ段階では、光スイッチ部の支線と登録済みの宅側装置との対応関係を局側装置が認識することはできない。
しかし、局側装置は、上記ディスカバリに続いて、全部又は複数の支線の中から登録済みの宅側装置に対応する支線を検索するポート発見シーケンスを行うので、局側装置が宅側装置と光スイッチ部の支線との対応関係を予め設定しておかなくても、その対応関係も含めて宅側装置を自動登録することができる。
また、上記一括方式の登録方法によれば、光スイッチ部の全て又は複数の支線を開通させた状態で通常のディスカバリを行ってから、登録済みの宅側装置に対応する支線を絞り込むポート発見シーケンスに移行するので、支線ごとにそれぞれディスカバリを行う前記個別方式(請求項2)に比べて、宅側装置の自動登録をより迅速に行い得るという利点もある。
更に、上記一括方式の登録方法において、前記ポート発見シーケンスは、全部又は複数の前記支線を階層的に分割してなる支線グループに属する各支線に対して順次絞り込みを行うものであることが好ましい(請求項4)。
この場合、支線グループに分けないで個別の支線ごとに絞り込みを行う場合に比べて、宅側装置に対応する支線をより迅速に発見することができる。
一方、前記複数の宅側装置に、下りバースト信号を受信可能なバースト対応の宅側装置と、受信不能なバースト非対応の宅側装置が含まれており、前記光スイッチ装置は自身の登録が完了した後すべての下り方路を開通させた状態にし、新たに登録された前記宅側装置がバースト対応のものである場合には、前記光スイッチ装置は、そのバースト対応の宅側装置に対応する前記光スイッチ部における下り方向の支線の開通状態を停止し、前記ゲートフレームによる開通に切り替えることが好ましい(請求項5)。
この場合、新たに登録された宅側装置が、下りバースト信号に対応したASONの宅側装置であった場合、他の宅側装置への信号が遮断されるので、通信の秘匿性が高まる。
また、新たに登録された宅側装置が、下りバースト信号に非対応なPONの宅側装置であった場合、下り連続信号が継続するので、同一ASONシステムに混在して動作し続けることができる。
ところで、前記した通り、前記個別方式の登録方法(請求項2)と前記一括方式の登録方法(請求項3又は4)とを処理時間の点で対比すると、個別方式の特徴は、支線個別にディスカバリを行うので、未登録のONUの数に関わらず、登録を欲しているONUをすべて登録させるに必要な時間の上限が抑えられていることである。一方、特定のONUにとっては、登録を欲してから登録が完了するまでの時間が支線の選択順に依存し、長くなる場合がある。
一括方式の特徴は、全支線を対象にディスカバリを行うので、登録を欲したONU(これ以外のONUの状態は変わらないとする)がどの支線に接続されていても、比較的短時間で登録が完了することである。一方、同時に登録を欲しているONUが多数ある場合、登録要求が衝突する確率が高くなり、すべてのONUを登録させるのに必要な時間が長くなる可能性がある。
そこで、上記個別方式の登録方法と一括方式の登録方法とを、ASONシステムの状況に応じて選択的に行うことが好ましい(請求項6)。
この場合、例えば、ONUの電源オン等、ONUの事情による登録に備える通常状態では、一括方式による登録方法を実行し、RNやOLT、あるいはOLT−RN間アクセス回線が障害からの復旧したときなど、多数のONUが同時に登録要求する事象に備えては、個別方式による登録方法を実行することにより、宅側装置の自動登録を効率的に行うことができる。
本発明のASONシステム(請求項7)は、局側装置と、光信号の方路選択が可能な光スイッチ部を有する光スイッチ装置と、この光スイッチ装置を介して前記局側装置とP2MP形態で接続された複数の宅側装置とを備えたASONシステムであって、前記局側装置が未登録の前記宅側装置を見つけるために送信するディスカバリゲートを前記光スイッチ部に通すための開通期間を、前記局側装置が前記光スイッチ装置に送信する、前記光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定することを特徴とする。
また、本発明の局側装置(請求項8)は、光信号の方路選択が可能な光スイッチ部を有する光スイッチ装置を介して複数の宅側装置とP2MP形態で接続されたASONシステムの局側装置であって、未登録の前記宅側装置を見つめるために送信するディスカバリゲートを前記光スイッチ部に通すための開通期間を、前記光スイッチ装置に送信する、前記光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定すること特徴とする。
このASONシステム及び局側装置(請求項7及び8)は、前記した宅側装置の登録方法(請求項1)とはカテゴリが相違するが、実質同一の発明であって、その登録方法と同じ作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、光スイッチ部の支線と宅側装置との対応関係を予め設定しておかなくても、局側装置がディスカバリを実行することができる。
また、本発明の個別方式又は一括方式の登録方法によれば、光スイッチ部の支線と宅側装置との対応関係も含めて、宅側装置の登録作業をすべて自動的に行うことができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係るASONシステムの全体構成図である。
本実施形態のASONシステムは、ASON用の局側装置1と、複数のASON用宅側装置2と、ASON用の光スイッチ装置3と、これらをポイントツーマルチポイントで接続する光ファイバ4とから構成されている。このシステムは、既存のアクセスPON回線における、PON用の局側装置、宅側装置及び光スプリッタを、それぞれ、ASON用の局側装置1、ASON用の宅側装置2及びASON用の光スイッチ装置3に置換することにより、既設の光ファイバ4網を使ってシステム構築されたものである。
なお、以下においては、記述の簡略化のため、特に断りがない限り、ASON用の局側装置1、ASON用の光スイッチ装置2及びASON用の宅側装置3を、それぞれ、単に局側装置1、光スイッチ装置2及び宅側装置3と呼ぶ。
また、必要に応じて、局側装置を「OLT」、宅側装置を「ONU」、光スイッチ装置を「RN(Remote Node)」と略記することがある。
局側装置1と各宅側装置2は、10GEPON(IEEE 802.3avタスクフォースにて標準化中)を拡張したものになっており、光スイッチ装置3と組み合わせることによって、本発明のASONシステムを構成する。
また、本実施形態のASONシステムでは、局側装置1と宅側装置2は、通常の10GEPON用の宅側装置や局側装置とそれぞれ光スプリッタ5を介して接続することにより、10GEPONシステムの一部としても動作することができる。
更に、本実施形態のASONシステムは、図1に示すように、10GEPON用の宅側装置2Aを、その他のASON用の宅側装置2と混在して収容することもできるし、光スイッチ装置3を多段構成にできるようになっている。
〔光スイッチ装置の構成〕
図1に示すように、光スイッチ装置3は、光信号の方路選択が可能な光スイッチ部として、下り信号用の1×N光スイッチ(以下、下り光スイッチという。)7と、上り信号用のN×1光スイッチ(以下、上り光スイッチという。)8とを備えている。また、光スイッチ装置3は、光双方向信号と片方向信号を多重/分離するためのWDMスプリッタ9と、上記光スイッチ部7,8を開閉制御するスイッチ制御部10と備えている。
このスイッチ制御部10は局側装置1とパッシブに接続されていて、光スイッチ装置3は、一種の宅側装置2として動作する(光スイッチ装置3の時計の同期も同様)。
図2は下り光スイッチ7の概略構成図であり、図3は上り光スイッチ8の概略構成図である。
図2に示すように、下り光スイッチ7は、上り側(図2の右側)に単数の光ファイバが接続され下り側(図2の左側)に複数の光ファイバが接続された光スプリッタ11と、この光スプリッタ11から分岐する各光ファイバにそれぞれ設けられた複数の半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)12とを備えている。
この光増幅器12は、その入力ポートIが上り側(図2の右側)でかつ出力ポートOが下り側(図2の左側)となるように光ファイバが接続され、スイッチ制御部10からのデジタル制御信号(ゲート信号)の入力部である制御ポートGを備えている。
そして、光増幅器12は、上記制御ポートGに対する制御信号が0の場合に、出力ポートOへの光信号を遮断し、その制御信号が1の場合に入力ポートIからの光信号を増幅して出力ポートOへ透過させるものである。
このように、下り光スイッチ7は、光スプリッタ11で分岐した後でその支線ごとにSOA12を挿入した構成になっており、SOA12の増幅作用で分岐による減衰を補うとともに、SOA12のゲート動作で光信号の開通/遮断を制御する。
一方、図3に示すように、上り光スイッチ8も、上り側(図3の右側)に単数の光ファイバが接続され下り側(図3の左側)に複数の光ファイバが接続された光スプリッタ13と、この光スプリッタ13から分岐する各光ファイバにそれぞれ設けられた複数の半導体光増幅器14とを備えているが、この光増幅器14の入出力方向が、下り光スイッチ7の場合とは逆転した回路構成になっている。
すなわち、上り光スイッチ8の光増幅器14は、その入力ポートIが下り側(図3の左側)でかつ出力ポートOが上り側(図3の右側)となるように光ファイバが接続されている。
なお、この光増幅器14も、スイッチ制御部10からのデジタル制御信号(ゲート信号)の入力部である制御ポートGを備えており、当該制御ポートGに対する制御信号が0の場合に、出力ポートOへの光信号を遮断し、その制御信号が1の場合に入力ポートIからの光信号を増幅して出力ポートOへ透過させる。
このように、上り光スイッチ8は、支線ごとにSOA14を挿入し、SOA14の出力を光スプリッタ13で合流する構成になっており、方向は逆になるが、SOA14の増幅及び開閉作用は下りと同じである。
図1に戻り、光スイッチ装置3のスイッチ制御部10は、パワースプリッタ(以下、単にスプリッタと表記すると、このタイプを表す。)5を介して局側装置1側の光ファイバ4に接続されている。
このスイッチ制御部10は、局側装置1と宅側装置2との通信をスヌープしたり、局側装置1が光スイッチ装置3専用に生成したゲートフレーム(本実施形態では、下りゲートdG)に従ったスイッチングを行うことにより、光スイッチ部を構成する下り光スイッチ7や上り光スイッチ8の方路及び開通期間を判断して、その光スイッチ7,8の各光増幅器12,14の制御ポートGへのゲート信号を出力する。なお、このスイッチ制御部10の詳細については後述する。
本実施形態のASONシステムにおいても、従前のPONシステムと同様に、上りの光波長と下りの光波長を分けて波長分割多重(WDM)を行う。このため、光スイッチ装置3の内部の光ファイバは、前記WDMスプリッタ9によって分岐しており、上り方向及び下り方向でそれぞれ異なる受信すべき波長成分のレーザ光のみが各光スイッチ7,8に到達するようになっている。
なお、図例では、上り波長λ1が1270nmで、下り波長λ2が1577nmのレーザ光を使用している。
〔通信プロトコルの追加〕
次に、本実施形態のASONシステムを実行するための通信プロトコルを説明する。
本実施形態では、局側装置1と宅側装置2との間の通信プロトコルは、基本的にはEPON(IEEE Std 802.3ah)及び10GEPON(IEEE 802.3av)に従う。もっとも、光スイッチ装置3が能動的な光電子部品であることに伴い、更にその上で、以下のプロトコルを追加する。
(1) 登録要求に関するプロトコル
上述の通り、光スイッチ装置3はアクティブな装置であるから、OAMによる管理制御が必須である。
そこで、光スイッチ装置3は、一種の宅側装置2として局側装置1と通信可能なものとし、PONシステムのディスカバリに際する登録要求(REGISTER_REQ)に、光スイッチ装置3であることを識別するための情報を追加する。
また、同様に、10GEPON用の宅側装置2との混在環境を想定して、登録要求(REGISTER_REQ)に、「ASON用」の宅側装置2であることを識別するための情報を追加する。
(2) 下りゲートに関するプロトコル
従前のPONシステムでは、下り信号は単にブロードキャストされるだけであるため、下り信号に関する送信許可や送信時間が特に問題になることはない。
しかし、本実施形態のASONシステムでは、光スイッチ装置3で下り信号の行き先も制御するので、その装置3内の下り光スイッチ7に対する下り方向の回線制御を行う必要がある。このため、予め局側装置1から光スイッチ装置3に、下り方向の回線制御を指示するメッセージを追加する。
以下、この下り光スイッチ7に対する下り方向の回線制御のためのメッセージ(ゲートフレーム)を、「下りゲートdG」という。これに対して、従前のMPCPに規定されている、上り方向の回線制御のためのゲートを、「上りゲートuG」と呼ぶ。
上記下りゲートdGには、局側装置1が送信する下りのフレーム列を宛先別に纏めた下りバーストについての宛先と送信期間を記す。すなわち、下りゲートdGには、宅側装置2を識別するためのLLID(Logical link ID)の他に、局側装置1での下り信号の送出期間(開始時刻と送出時間で指定)の組が一つないし複数記されているものとする。
なお、LLIDには、ユニキャスト用のLLIDだけでなく、ブロードキャスト用やマルチキャスト用のLLIDも含まれるものとする。
かかる下りゲートdGのメッセージのやり取りは、新しいMPCPフレームを定義して行うこともできるし、OAMフレームで行ってもよいが、多段構成した光スイッチ装置3のすべてに同報させる場合を想定すると、MPCPフレームを使う方が望ましい。
(3) 上りゲートに関するプロトコル
一方、上りゲートuGは、従前のMPCPの規定通り、宅側装置2が送信する上りのフレーム列を送信元別に纏めた上りバーストについての送信元と送信期間が記されている。そこで、上り光スイッチ8に対する上り方向の回線制御については、局側装置1が送信した前記上りゲートuGをスヌープ(覗き見)して行う。
すなわち、上り光スイッチ8の方路は、上りゲートuGが通過するときの下りスイッチ7での方路に等しくし、上り光スイッチ8の開通期間は上りゲートuGに記された内容に従うものとする。
もっとも、上りゲートuGに記された送信期間は、宅側装置2の時計で指定されるものであるから、それだけでは、光スイッチ装置3を通過する期間は不明である。
そこで、この光スイッチ装置3に対する通過期間を導出するため、上りゲートuGに、局側装置1における受信期間(受信開始時刻と受信時間)の情報を追加するものとする。
図4は、上記情報が追加されている場合において、宅側装置2及び光スイッチ装置3が局側装置1との間の往復遅延時間を測定する方法を示すシーケンス図である。
図4の左側のシーケンスに示すように、局側装置1での受信開始時刻と受信時間の情報が上りゲートuGに記されておれば、(OLT受信開始時刻)−(ONU(or RN)送信開始時刻)が、OLTからONU(or RN)間の往復遅延時間(RTT:Round Trip Time)を表すことになり、ONU(or RN)においても、OLTとの間のRTTを知ることができる。
そして、図4の右側のシーケンスに示すように、RNは、ONUへの上りゲートuGに記されたOLT受信期間を、OLT−RN間のRTT分だけ早めることで、ONUからの上りバースト信号が光スイッチ装置3を通過する期間を、RN自身の時計に即して求めることができる。
〔局側装置の構成〕
本実施形態の局側装置1は、基本的に10GEPONの局側装置であり、光スイッチ装置3を光スプリッタに置き換えた環境でも10GEPONの局側装置として動作する。
局側装置1はアクセス回線に対して最初にディスカバリシーケンスを起動する。光スイッチ装置3が動作しているASONシステムでは、このシーケンスにおいて光スイッチ装置3が登録され、局側装置1は当該装置3の存在を認識する。
更に、上記ディスカバリシーケンスを繰り返すことで、光スイッチ装置3の配下の宅側装置2や、多段になった下位の光スイッチ装置3が登録される。
図5は、局側装置1の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、局側装置1は、下り信号の送信タイミングをスケジューリングする送信制御回路17と、宅側装置2からの上り信号に対する動的帯域割当(DBA:Dynamic Bandwidth Allocation)を行う帯域割当回路28を備えている。
上位のアップリンク回線からの下りフレームは、宛先の異なる宅側装置2ごとの下りキュー16Aに振り分けられ、下りバッファ16に一時的に保存される。
このとき、ブロードキャストフレームやマルチキャストフレームもそれ専用の下りキュー16Aに振り分けられる。なお、マルチキャストはグループ単位でキュー16Aを構成するものとする。
下りスケジューラとしての送信制御回路17は、オペレータが各キュー16Aに付与した属性(割当帯域や遅延等)に基づいて、各キュー16Aの送出順と送出量を決定する。
この下りスケジューラ17が決定すべき各下りキュー16Aの送出量の単位は、帯域効率と遅延とのトレードオフ(単位が大きいと帯域効率はよくなるが、遅延が長くなる。)を考慮して決められるが、典型的には、送出時間に換算して数μ秒オーダー(10Gbpsでは、イーサネット最大長フレームの1ないし数個分)とする。
このように、局側装置1が下りキュー16A単位に下りフレーム列を纏めて生成した、宅側装置2に対するフレーム群を「下りバースト」と呼ぶ。この下りバーストの先頭には、同期のための信号を挿入してもよい。
送信制御回路17は、このように事前に決められた下りバーストの送出順と送出量の情報を含んだ下りゲートdGを生成し、光信号としてアクセス回線に送出させる。これにより、光スイッチ装置3は、下りバーストの送出順と送出量を把握することができる。
同報する宅側装置2のグループを動的に設定するマルチキャスト(これを動的マルチキャストと定義する。)を行う場合、局側装置1の制御フレーム処理回路26は、マルチキャストLLIDとグループに属する宅側装置2のユニキャストLLIDの対応を、例えばOAMによって光スイッチ装置3に指示する。
その他にも静的マルチキャストがあり、これはマルチキャストLLIDと光スイッチ装置3のポートの対応を固定的に予約しておくものである。
局側装置1の帯域割当回路28は、EPONの場合と同様に、宅側装置2からの上りキューの状態を、宅側装置2が送信した制御フレームであるレポート(REPORT)によって収集し、このとき、時刻管理回路25によって最新のRTTが求められる。
そして、帯域割当回路28は、オペレータから与えられた属性(割当帯域や遅延等)を満足するように、所定のアルゴリズムで上りバーストの配置(局側装置1での受信開始時刻及び受信時間)を決定し、各宅側装置2に上りゲートuGで送信許可を与える。
以下、図5を参照しつつ、局側装置1の内部構成を敷衍する。
図5に示すように、アップリンク回線からの下りフレームは、受信器30Bを介して一旦下りバッファ16に保存された後、送信制御回路17の指示に基づき符号化回路シリアライザ18に送られる。
符号化回路シリアライザ18は、送信フレームを所定の方法及び所定のレートに基づいて符号化するとともに、シリアルなビット信号として電気光変換器(E/O)19に送る。このとき、送信しようとしているフレームが制御フレームであれば、ASONカウンタの最新の値を参照して、そのフレームにタイムスタンプTSを付す。電気光変換器(E/O)19はシリアルなビット信号を光信号に変換し、WDMカプラを経てASONシステムの光ファイバ4に送出する。
一方、ASONシステムの光ファイバ4からWDMカプラを経て入射された上り光信号は、光電気変換器(O/E)20によって電気信号に変換され、クロック・データリカバリ回路21に入力される。クロック・データリカバリ回路21は、受信信号に内包されるクロック信号を抽出するとともに、そのクロック信号で受信信号をサンプリングし、シリアルデータを再生し、シリアルデータをデシリアライザ復号回路22に送る。
デシリアライザ復号回路22は、シリアルデータを低速のパラレルデータに変換するとともに復号処理を行い、元のフレームを復元する。
復元されたフレームは、フレーム種別分別回路23に入力され、制御フレームとそれ以外のユーザフレームが分別される。このうち、ユーザフレームは、送信器30Aを介してアップリンク回線に送信され、制御フレームは、タイムスタンプ抽出回路24を経て、制御フレーム処理回路26に送られる。
タイムスタンプ抽出回路24は、タイムスタンプTSを読取り、それを時刻管理回路25に送る。制御フレーム処理回路26は、制御フレームの種別を判断して宅側装置2や光スイッチ装置3の登録処理に関するものを登録処理回路27に送り、宅側装置2や光スイッチ装置3への帯域割当に関するものを帯域割当回路28に送る。
登録処理回路27は、登録処理の起動を帯域割当回路28に指示するとともに、登録要求のあった宅側装置2や光スイッチ装置3との間で定められたシーケンスに基づいた制御フレームをやりとりし、その宅側装置2等を登録させるか、或いは、登録を拒否する。
宅側装置2等を登録させる場合は、登録処理回路27はその宅側装置2等への継続的な帯域割当を帯域割当回路28に指示する。
帯域割当回路28は、登録処理回路27からの登録処理起動の指示に基づき、登録要求をポーリングするための送信許可を割当て、帯域割当のための制御フレームの発行を制御フレーム処理回路26に指示する。
また、帯域割当回路28は、制御フレーム処理回路26から帯域割当要求の制御フレームを受けると、所定のポリシーに基づいた帯域割当処理を実行し、個々の宅側装置2に対する送信許可を割当て、帯域割当のための制御フレーム(上りゲートuG)の発行を制御フレーム処理回路26に指示する。
制御フレーム処理回路26は、登録処理回路27または帯域割当回路28から制御フレームの発行指示を受けると、対応する制御フレームを構成し、前記送信制御回路17に送る。なお、宅側装置2の登録に関するシーケンスの詳細については後述する。
基準クロック生成回路29は、理想的な周波数fを中心として定められた周波数範囲で自律的に発振し、基準クロックを生成する。
時刻管理回路25は、基準クロックをカウントしてASON用カウンタを生成し、このカウンタを局側装置1の各要部に配布する。また、時刻管理回路25は、制御フレームのタイムスタンプTSを受け取ると、そのフレームの送信元の宅側装置2との間の往復伝搬時間RTTを計算し、このRTT情報を局側装置1の各要部に配布する。
このとき、時刻管理回路25は、直前のRTTとの変化を調べ、変動が所定の範囲を超えた場合は、アラームを生成する。このアラームを受けた場合、登録処理回路27は当該宅側装置2の登録を拒否するなどの必要な処理を行う。
送信制御回路17は、制御フレーム処理回路26から制御フレーム(下りゲートdG及び上りゲートuGを含む。)を受け取ると、一旦下りバッファ16に保存するとともに、一般の下りフレームの送信に優先してスケジューリングを行う。このとき、カウンタの最新の値を参照して、制御フレームにタイムスタンプTSが付される。
〔宅側装置について〕
本実施形態の宅側装置2は、基本的に10GEPONの宅側装置であり、PON環境では10GEPONの宅側装置として動作する。
もっとも、本実施形態のASONシステムでは、下り信号についてもバースト信号となるので、宅側装置2の受信回路(光電気変換器(O/E)31)は、局側装置1と同様にバースト信号の受信が可能で、かつ、下り信号が連続信号かバースト信号かを識別可能となっている。
そして、下り信号が連続信号である場合、宅側装置2の時計は下り信号に同期して駆動され、下り信号がバースト信号である場合、宅側装置2の時計は自律して駆動される。なお、いずれの場合も、上り信号は宅側装置2の時計に同期して送信される。
なお、宅側装置2でのバースト受信技術としては、高速AGCや高速CDR等の、EPONの局側装置に用いられている周知のものを採用することができる。
図6は、宅側装置2の一例を示すブロック図である。
光ファイバ4からWDMカプラを経て入射された下り光信号は、光電気変換器(O/E)31によって電気信号に変換され、クロック・データリカバリ回路32に入力される。また、光電気変換機(O/E)31は、下り光信号が常時入力されていることを条件に連続信号を識別し(逆はバースト信号)、連続光識別信号として時計回路37に送る。
クロック・データリカバリ回路32は、受信信号に内包されるクロック信号を抽出するとともに、そのクロック信号で受信信号をサンプリングし、シリアルデータを再生し、シリアルデータをデシリアライザ復号回路33に送るとともに、再生クロックを時計回路37に送る。
デシリアライザ復号回路33は、シリアルデータを低速のパラレルデータに変換するとともに復号処理を行い、元のフレームを復元する。
復元されたフレームは、フレーム種別分別回路34に入力され、制御フレームとそれ以外のフレームが分別される。このうち、ユーザフレームは、送信器44Aを介してアップリンク回線に送信され、制御フレームは、タイムスタンプ抽出回路35を経て、制御フレーム処理回路36に送られる。
タイムスタンプ抽出回路35は、タイムスタンプTSを読取り、時計回路37に送る。制御フレーム処理回路36は、制御フレームの種別を判断して、登録処理に関するものを登録処理回路38に送る。送信許可に関するものであった場合は、送信許可情報を送信制御回路39に通知する。
送信許可情報には、データ種別(登録許可または通常許可:通常許可の場合は帯域要求強制の有無)、送信開始時刻及び送信持続時間が含まれている。
登録処理回路38は、局側装置1との間で定められたシーケンスに基づいた制御フレームをやりとりし、当宅側装置2を登録させる。制御フレーム処理回路36は、登録処理回路38から制御フレームの発行指示を受けると、対応した制御フレームを構成し、送信制御回路39に送る。なお、宅側装置2の登録に関するシーケンスの詳細については後述する。
ローカルクロック生成回路40は、理想的な周波数fを中心として定められた周波数範囲で自律的に発振し、ローカルクロックを生成する。
時計回路37は、連続光識別信号が有効のとき再生クロックを基準とし、そうでないときはローカルクロックを基準としてASON用カウンタをカウントするとともに、基準としたクロックを送信制御回路に供給する(送信処理はこのクロックに同期して動作する)。このカウンタの値は送信制御回路39から参照可能になっている。また、制御フレームのタイムスタンプTSを受け取ると、その値でASON用カウンタを更新する。
このとき、直前のカウンタとの変化を調べ、変動が所定の範囲を超えた場合は、アラームを生成する。このアラームを受け、登録処理回路38は登録を取り下げるなどの必要な処理を行う。
受信器44Bは、ユーザ回線からフレームを受信し、宛先がユーザ回線内であるフレームをフィルタリングした上で、上り方向に送信すべきフレームを一旦上りバッファ41に保存する。上りバッファ41の状態は、送信制御回路39が管理している。
送信制御回路39は、制御フレーム処理回路36から送信すべき制御フレームを受け取ると、一旦上りバッファ41に保存する。また、送信許可で帯域要求強制を指示された場合は、上りバッファ41の状態を反映したレポートフレーム(制御フレームの一種)を生成し、上りバッファ41に記録する。
送信制御回路39は、制御フレーム処理回路36から送信許可の通知を受ける。送信許可のデータ種別が通常許可である場合には、送信制御回路39は、ASON用カウンタが送信開始時刻に到達した時点で電気光変換器(E/O)43に発光を指示し、送信持続時間が経過するまでは発光指示を持続する。
このとき、発光指示に先立って、上りバッファ41に送信持続時間に見合った量の送信フレームの取り出しを指示する。なお、帯域要求強制を指示されている場合は、レポートフレームを含めて取り出す。また、送信持続時間に見合った量とは、符合(誤り訂正を行うならそのための符号も含む)化後のデータが送信持続時間に送出できることを言う。
他方、制御フレーム処理回路36から登録要求の制御フレームを受け取った場合は、送信許可のデータ種別が登録要求であるから、送信制御回路39は、ASON用カウンタが送信開始時刻に到達した時点から、送信持続時間の範囲でランダムな時間ウェイトした後に、電気光変換器(E/O)43に発光を指示し、登録要求の制御フレームを送出する時間だけ発光指示を持続する。このとき、発光指示に先立って、上りバッファ41に当該フレームの取り出しを指示する。
上りバッファ41から取り出されたフレームは、符号化回路シリアライザ42によって所定の方法および所定のレートに基づいて符号化され、シリアルなビット信号として電気光変換器(E/O)43に送られる。
このとき、送信しようとしているフレームが制御フレームであれば、ASONカウンタの最新の値を参照して、そのフレームにタイムスタンプTSを付す。電気光変換器(E/O)43は発光指示がある期間、シリアルなビット信号を光信号に変換する。一方、電気光変換器(E/O)43は発光指示がない期間は発光しない。電気光変換器(E/O)43が変換した光信号は、WDMカプラを経てアクセス回線に送出される。
〔周波数差を考慮したレンジング処理〕
前記した通り、局側装置1の帯域割当回路28は、各宅側装置2に対して上りゲートuGで送信許可を与えるが、本実施形態では、このとき、上りゲートuGに記す宅側装置2の送信期間は、局側装置1での受信期間を宅側装置2とのRTT分だけ早めるとともに、局側装置1と宅側装置2の間の時計の周波数差の差分を補正したものとする。その理由は、次の通りである。
すなわち、EPONにおいては、宅側装置2の時計は、MPCPフレームを受信する度にタイムスタンプTSをロードすることで局側装置1の時計と同期させ、MPCPフレームのインターバルは、受信信号に内包されるクロックで時計を更新することにより同期を維持するようになっている。
しかし、本実施形態のASONシステムにおいては、宅側装置2への下り信号もバースト信号になるので、受信信号を使って同期を維持することができない。また同様に、上り信号を下り信号に同期したループタイミングで送信することもできない。
このため、局側装置1の帯域割当回路28は、宅側装置2の時計が自走することを前提に上りゲートuGによる送信許可を決定するが、イーサネット規約では±100ppmのクロック誤差を許容していることから、インターバルが1msあった場合、最大200nsの時間ずれが生じることになり、時間的影響を無視できない。
すなわち、上記のずれが生じても前後のバーストが衝突しないようなギャップを挿入する必要があり、帯域効率が悪くなる。
そこで、局側装置1は、宅側装置2での経過時間が異なる二つのレポート(第1のレポートと第2のレポート)により、RTTに加えて、局側装置1と宅側装置2のクロックの周波数差dfを測定する。
図7は、上記周波数差を求めるレンジング処理を示すシーケンス図である。
図7に示すように、OLTの帯域割当回路28は、RTTの算出を行うレンジング処理において、二つのREPORTの送信を強制する一つのGATEを生成し、このGATEを送信器19から送信させる。
このGATEには一つのタイムスタンプTSと二つの送信許可が含まれている。このとき、一つ目の第1のREPORT用の送信許可は、レンジング処理におけるREPORT用の送信許可と同様に、GATEの受信時刻と直近の送信時刻とされている。
他方、二つ目の第2のREPORT用の送信許可は、ONUでの経過時間を出来るだけ長くとるのが望ましい。
ここで、第1のREPORTの受信時刻をTrとすると、第1のREPORTを受信した時の式(Tr−TS)は、OLTとONUの正確なRTTを反映している。また、これら二つのREPORTが伝送される間でのRTTの変化は比較的小さいので、第1のREPORT受信時の(Tr−TS)と第2のREPORT受信時のそれとの差は、OLTとONUとの間のクロック周波数の差に起因すると言える。
従って、OLTは、上記の測定から、RTTとともにクロック周波数の差dfを算出するようにしている。このように、OLTは、実際に測定された周波数差dfによるずれを勘案して、GATEによって送信開始時刻を調整するようになっている。
なお、図6の例では、第1のREPORTの送信時間をGATEの受信時間と近接させた場合を例示しているが、dfの測定方法はこれに限定されない。
すなわち、精度は劣るものの、ONUでの経過時間が異なる独立した二つのGATE−REPORTから、RTTとdfを算出してもよい。
この場合、OLT或いはONUのクロック周波数が環境条件等で経時変化するので、dfの計算もRTTと同様に継続的に実施することが好ましい。本来のGATE−REPORT処理では測定条件が満足されない場合、前記第二段階のレンジングを起動する。
そして、局側装置1の帯域割当回路28は、上記周波数差dfを考慮して、各宅側装置2からの上りバースト信号を衝突なくかつ稠密に配置させる。
ただし、OLT−RN間の下り信号は連続信号とするので、光スイッチ装置3の時計は下り受信信号に同期させるものとする。また、光スイッチ装置3宛の下り信号には、バースト同期のための信号が不要となる。
〔スイッチ制御部による方路制御〕
図1に示すように、RNのスイッチ制御部10は、局側装置1とパッシブに接続されており、一種の宅側装置2として光スイッチ装置3を動作させる。
従って、このスイッチ制御部10は、初期時において、光スイッチ7,8をすべて遮断するようにしており、局側装置1からのディスカバリシーケンスに呼応して、光スイッチ装置3を登録させる。
前記した通り、上りゲートuGには局側装置1での受信期間が追加されているので、スイッチ制御部10は、OLT−RN間のRTTを求め、それ以後、自身への上りゲートuGが到着するごとにRTTを更新する。
また、スイッチ制御部10は、下りゲートdGを受信すると、下り光スイッチ7の方路と開通期間を判断し、当該下り光スイッチ7のSOA12に対するゲート信号を生成する。この場合、スイッチ制御部10は、LLIDと支線との対応関係を把握して下り光りスイッチ7の方路を決定するが、この制御については後述する。
更に、スイッチ制御部10は、下りゲートdGのLLIDがブロードキャストLLIDの場合には、下り光スイッチ7のすべての方路を開通させ、下りゲートdGのLLIDがマルチキャストLLIDの場合には、宛先に対応する下り光スイッチ7の方路を開通させる。
一方、スイッチ制御部10は、OLTからの上りゲートuGをスヌープし、上りゲートuGを通過させるための下りゲートdGと併せて、上り光スイッチ8の方路を制御する。
すなわち、スイッチ制御部10は、上りゲートuGを下り光スイッチ7に通すための下りゲートdGによって上り光スイッチ8の方路を決定し、上りゲートuGによって上り光スイッチ8の開通期間を決定する。この開通期間は、前記した通り、宅側装置2への上りゲートuGに記されたOLT受信期間をOLT−RN間のRTTだけ早めた期間とする。
なお、本実施形態の例では、バースト信号が到着したことを、上り光スイッチ8がそのスイッチのポート単位で検出することは、コストがかかるために行っていない。
もっとも、これを可能にする一例としては、上り光信号を光カプラで分岐させ、受光素子で光信号の有無を検出する方法がある。
これを前提とすると、光スイッチ装置3は、宅側装置2のユニキャストLLIDと支線ポートとの対応を学習することが可能であり、後述するディスカバリ一括方式におけるポート発見シーケンスは不要となる。
一方、スイッチ制御部10は、通常の10GEPON用の宅側装置2Aを混在させる(図1)システムにおいては、光スイッチ装置3が登録された段階で、下り光スイッチ7を全開通させ、ASON用の宅側装置2が発見された下り光スイッチ7の支線ポートに対しては、下りゲートdGによる開通に切り替える。
このようにすることで、バースト受信できない宅側装置2Aを混在させることが可能になる。このとき、上記10GEPON用の宅側装置2Aを光スイッチ装置3に置き換えれば、光スイッチ装置3の多段構成が可能となる。
〔スイッチ制御部の構成〕
図8は、スイッチ制御部10の構成を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、光スイッチ装置3内に設けたパワースプリッタ5(図1)から分岐した光ファイバは、スイッチ制御部10のWDMスプリッタ45に接続されており、このスプリッタ45は下り光信号と上り光信号を分離/多重する。
分離された下り光信号は、光電気変換器(O/E)46によって電気信号に変換され、クロック・データリカバリ回路47に入力される。
クロック・データリカバリ回路47は、受信信号に内包されるクロック信号を抽出するとともに、そのクロック信号で受信信号をサンプリングし、シリアルデータを再生する。このクロック信号は時計回路48と符号化回路シリアライザ49に入力される。
一方、シリアルデータはデシリアライザ復号回路50に入力され、そこで低速のパラレル信号への変換と復号処理が行われ、元のフレームが復元される。
復元されたフレームはフレーム種別分別回路51にて、MPCPフレーム、下りゲートフレーム及びRN宛のフレームが分別され、タイムスタンプ抽出回路52に送られる。
タイムスタンプ抽出回路52は、局側装置1が記したOLT送信時のタイムスタンプTSを抽出して、時計回路48に送るとともに、フレームを制御フレーム処理回路53に渡す。
時計回路48は、入力されたタイムスタンプTSが現在時刻となるように、自身の時計をリセットするとともに、タイムスタンプTSのインターバルでは抽出されたクロックで時計を更新する。
ただし、タイムスタンプTSのドリフトが規定値より大きい場合は、時計をリセットせず、制御フレーム処理回路53にタイムスタンプドリフト違反のアラームが送られる。
この時計回路48の時計は、制御フレーム処理回路53、下りスイッチ制御回路54及び上りスイッチ制御回路55等から参照できるようになっている。
制御フレーム処理回路53は、受け取ったMPCPフレームやRN宛のフレームに応答する形で、光スイッチ装置3の登録、OLTとのRTT算出、及び、OLTとの管理情報のやり取りを行う。
このとき、登録要求(REGISTER_REQ)、登録応答(REGISTER_ACK)、レポート(REPORT)及び管理情報等を局側装置1に送出する場合は、光スイッチ装置3宛の上りゲートuGに従ったタイミングで、当該フレームを符号化回路シリアライザ50に送る。
符号化回路シリアライザ59は、符号化と高速なシリアル信号への変換を、クロック・データリカバリ回路47が抽出したクロックに同期して行う。
このシリアル信号は、電気光変換器(E/O)56にて光信号に変換され、この光信号は、上り光信号としてWDMスプリッタ45を介して下り信号に多重される。なお、このとき、電気光変換器56は、光スイッチ装置3への上りゲートuGに従った期間のみ発光する。
制御フレーム処理回路53は、LLIDと光スイッチ7,8の支線ポートとの対応関係を、例えば参照テーブルに保持している。
この対応関係は、予め予約されるか、管理情報として局側装置1から通知されるか、或いは、後述する個別方式によるONU登録シーケンスにより学習するか、によって定められる。
制御フレーム処理回路53は、下りゲートフレームを受けると、送出期間ごとの開通指示情報に分解し、第1のキュー57へ入れる。このとき、開通指示が時間順に並ぶ位置に挿入するとともに、LLIDは前記参照テーブルによって開通支線ポートを表す方路ビットマップに置換しておく。
下りスイッチ制御回路54は、第1のキュー57先頭の開通指示情報を参照し、時計が開通指示の期間に該当する間、上記方路ビットマップに即して下り光スイッチ7のゲート信号をドライブするとともに、第1のキュー57の先頭エントリを除去する。この下り光スイッチ7のドライブ信号(ビットマップで表現)は遅延回路59を経て制御フレーム処理回路53に戻される。
下りフレームが、光スイッチ装置3内のパワースプリッタ5→O/E46→タイムスタンプ抽出回路52を経て制御フレーム処理回路53へ到達するまでには、一定の処理遅延が発生する。
そこで、遅延回路59は、かかる処理遅延を勘案して、制御フレーム処理回路53への入力フレームと、それを通過させるための下り光スイッチ7のドライブ信号とのずれを補償する。
また、制御フレーム処理回路53は、自身以外への上りゲートフレームをスヌープし、グラントごとの開通指示情報に変換し、第2のキュー58へ入れる(開通指示が時間順に並ぶ位置に挿入する)。
このとき、開通支線ポートを表す方路ビットマップは、そのときの下り光スイッチ7のドライブ情報(ビットマップ)を反映する。また、開通期間は当該グラントに対応したOLT受信期間(これは上りゲートuGに記されている。)をOLT−RN間のRTTだけ早めた期間とする。
上り光スイッチ制御回路55は、第2のキュー58先頭の開通指示情報を参照し、時計が開通指示の期間に該当する間、方路ビットマップに即して上り光スイッチ8のゲート信号をドライブするとともに、第2のキュー58の先頭エントリを除去する。
〔宅側装置の登録方法〕
本実施形態のASONシステムにおいては、光スイッチ装置3が下り光信号の行き先を方向付けるため、宅側装置2のディスカバリ(未知の宅側装置2との通信リンクを自動的に確立するための登録作業)を行うに当たって、光スイッチ装置3の支線ポートと対応付けて宅側装置2を登録する必要がある。
この支線ポートに対応付けた宅側装置2の登録方法は種々考えられるが、以下、代表的な二つの方式(個別方式と一括方式)について説明する。
〔個別方式による登録方法〕
この個別方式(逐次方式ともいう。)による登録方法は、要するに、光スイッチ装置3の支線ポートごとにディスカバリを行う方法である。
OLTは、ディスカバリゲートを下り光スイッチ7に通すための下りゲートdGに、支線選択的に定義された静的マルチキャストLLIDを指定する。これに対応して、RNは、予約された支線のみにディスカバリゲートを通す。
OLTは、登録時に新規LLIDを与えるが、登録通知(REGISTER)に対する下りゲートdGまでを予約LLIDで通し、以後は新規LLIDで通すようにする。
RNは、登録通知(REGISTER)に記された新規LLIDをスヌープし、予約LLIDとの対応と、支線ポートとの対応を認識することができる。
図9は、上記個別方式による登録方法を示すシーケンス図である。以下、この図9を参照して、当該登録方法の内容を更に敷衍する。
ここで、図9に示す登録シーケンスに用いる各制御フレームの表記を、次の通り定義する。
dG(pJ,Pk):支線pJを期間Pkだけ開通させる下りゲート
uG(L,Pk) :LLID(L)のONUへの上りゲート(グラント期間Pk)
uDG(Pk) :上りディスカバリゲート(グラント期間Pk)
RR(aM) :アドレスaMのONUからの登録要求(REGISTER_REQ)
R(aM,L) :アドレスaMのONUにLLID(L)を割り当てるための登録通知(REGISTER)
RA(L) :LLID(L)のONUからの登録応答(REGISTER_ACK)
図9に左から順に示すように、まず、OLTは、下りゲートdG(p1,P1)をアクセス回線に送出する。その後、OLTは、上記開通期間P1の間に上りディスカバリゲートuDG(P2)をアクセス回線に送出する。
RNは、この下りゲートdG(p1,P1)を受け取り、自身の下り光スイッチ7の支線p1を期間P1だけ開通させる。また、RNは期間P1に通過する上りディスカバリゲートuDG(P2)をスヌープし、自身の上り光スイッチ8の支線p1(期間P1の下り光スイッチの方路に該当)を、期間P2の間、開通させる。(ここに記述したように、RNが行う光スイッチ7、8の制御は従属的であり、以後、図9の説明において、RNの動作を省略する。)
OLTは支線p1に送出された上りディスカバリゲートuDG(P2)の応答として、例えば未登録のアドレスa1のONUからの登録要求RR(a1)を受信する。
その後、OLTは、下りゲートdG(p1,P3)をアクセス回線に送出する。そして、OLTは、上記開通期間P3の間に登録通知R(a1,1)と上りゲートuG(1,P4)を送出して、アドレスa1のONUにLLID(1)を割り当てるとともに、そのONUに、期間P4の送信許可を与える。
その登録通知R(a1,1)を受けたONUは、送信許可が与えられた期間P4の間に、登録応答RA(1)を送出する。この登録応答RA(1)を受けたOLTは、その応答RA(1)を発したONUを、支線p1に接続されたアドレスa1のONU(a1)として登録する。
同様に、OLTは、下りゲートdG(p2,P5)をアクセス回線に送出した後、その期間P5の間に、上りディスカバリゲートuDG(P6)を送出し、更に未登録のアドレスa2のONUからの登録要求RR(a2)を受信する。
その後、OLTは、下りゲートdG(p2,P7)をアクセス回線に送出した後、その期間P7の間に、登録通知R(a2,2)と上りゲートuG(2,P8)を送出して、アドレスa2のONUにLLID(2)を割り当てるとともに、そのONUに、期間P8の送信許可を与える。
登録通知R(a2,2)を受けたONUは、送信許可が与えられた期間P8の間に、登録応答RA(2)を送出する。この登録応答RA(2)を受けたOLTは、その応答RA(2)を発したONUを、支線p2に接続されたアドレスa2のONU(a2)として登録する。
このように、上記個別方式による登録方法によれば、OLTが、下り光スイッチ7,8の支線pJ(J=1〜N)を一つずつ所定期間Pkだけ開通させる下りゲートdG(pJ,Pk)を個別に送出し、その個別の支線pJの開通期間Pkの間に、上りディスカバリゲートuDG(Pk)を送出して未登録のONUとの間でディスカバリを行うので、登録されたONUがどの支線pJに繋がっているかを認識することができる。
このため、ONUとRNの支線ポートとの関係を予め設定しておかなくても、その対応関係も含めてONUを自動登録することができる。
〔一括方式による登録方法〕
一方、一括方式による登録方法は、要するに、EPONと同様のディスカバリをすべての支線ポート(必ずしも全部である必要はなく、一部の複数の支線ポートであってもよい。)に対して同時に行う方式である。
すなわち、OLTは、上りディスカバリゲートuDGを通す下りゲートdGについてブロードキャストLLIDを指定する。これにより、OLTは、任意の支線にあるONUを発見することができるが、これだけでは、OLTとRNはいずれも、ONUと支線との対応を認識することができない。
このため、OLTは、上記ディスカバリシーケンスに引き続いて、ポート発見シーケンスを実行する。
このポート発見シーケンスでは、OLTは、新規LLIDへのレポート強制ゲートを、通過させる静的LLIDを試行錯誤的に変えつつ送信し、このレポート(REPORT)の有無によって、ONUが属する支線ポートを最終的に特定する。
この場合、例えば、全支線ポートに対し、二分割、四分割、八分割等の2のn乗で階層的に分割したグループに予約LLIDを割当ててバイナリサーチすることにより、支線ポートの数Nの増加に対し、logNオーダーの時間でポートを発見することが可能である。このとき、分割したグループの支線ポートすべてに既にONUが登録されている場合は、そのグループをサーチ範囲から除外することによって、さらに迅速にポートを発見することができる。OLTはその結果をRNに通知する。
図10は、上記一括方式による登録方法を示すシーケンス図である。以下、この図10を参照して、当該登録方法の内容を更に敷衍する。
なお、図10に示す登録シーケンスでは、個別方式(図9の場合)で定義した各制御フレームに加え、次の各制御フレームの表記を更に定義する。
dG(pB,Pk) :全支線を期間Pkだけ開通せる下りゲート
dG(pMi,Pk):支線グループMiを期間Pkだけ開通させる下りゲート
uGfr(L,Pk):LLID(L)のONUへの上りゲート(グラント期間Pkでかつレポート強制付き)
RP(L) :LLID(L)のONUからのレポート(REPORT)
OAMp(L,pJ):RNにLLID(L)と支線pJの対応付けを通知するOAMフレーム
図10に左から順に示すように、まず、OLTは、下りゲートdG(pB,P1)をアクセス回線に送出する。その後、OLTは、上記開通期間P1の間に上りディスカバリゲートuDG(P2)をアクセス回線に送出する。
RNは、この下りゲートdG(pB,P1)を受け取り、自身の下り光スイッチ7のすべての支線p1〜pNを期間P1だけ開通させる。また、RNは期間P1に通過する上りディスカバリゲートuDG(P2)をスヌープし、自身の上り光スイッチ8のすべての支線p1〜pN(期間P1の下り光スイッチの方路に該当)を、期間P2の間、開通させる。(ここに記述したように、RNが行う光スイッチ7,8の制御は従属的であり、以後、図10の説明において、RNの動作を省略する。)
OLTは、すべての支線p1〜pNに送出された上りディスカバリゲートuDG(P2)の応答として、例えば未登録のアドレスa2のONUからの登録要求RR(a2)を受信する。その後、OLTは、下りゲートdG(pB,P3)をアクセス回線に送出する。
OLTは、上記開通期間P4の間に登録通知R(a2,1)と上りゲートuG(1,P4)を送出して、アドレスa2のONUにLLID(1)を割り当てるとともに、そのONUに、期間P4の送信許可を与える。
その登録通知R(a2,1)を受けたONUは、送信許可が与えられた期間P4の間に、登録応答RA(1)を送出する。この登録応答RA(1)を受けたOLTは、その応答RA(1)を発したONUを、アドレスa2のONU(a2)として登録する。
次いで、OLTは、前記ポート発見シーケンスを行う。
このシーケンスにおいて、OLTは、まず、下りゲートdG(pM0x,P5)をアクセス回線に送出する。
OLTは、上記開通期間P5の間に上りゲートuGfr(1,P6)を送出して、期間P6でレポート強制付きの送信許可を与え、LLID(1)を有するONUからのレポートの返信を待つ。
図10の例では、支線p2に接続されている前記ONU(a2)がレポートRP(a2)を送出しているので、この時点で、LLID(1)を有するONU(a2)が支線グループpM0x(=p1,p2)に含まれることが判明する。
しかし、支線グループpM0xには二つの支線p1,p2が含まれているので、ONU(a2)が当該グループ中のどの支線p1,p2に繋がっているのかは、未だ判明していない。
そこで、OLTは、更に下りゲートdG(pM00,P7)をアクセス回線に送出する。OLTは、上記開通期間P7の間に上りゲートuGfr(1,P8)を送出して、期間P8でレポート強制付きの送信許可を与え、LLID(1)を有するONU(a2)からのレポートの返信を待つ。
図10に示す例では、所定時間が経過してもレポートの返信がない。
そこで、OLTは、更に下りゲートdG(pM01,P9)をアクセス回線に送出する。OLTは、上記開通期間P9の間に上りゲートuGfr(1,P10)を送出して、期間P10でレポート強制付きの送信許可を与え、LLID(1)を有するONU(a2)からのレポートの返信を待つ。
そして、実際に支線p2に接続されているONU(a2)がレポートRP(a2)を送出し、このレポートRP(a2)を受信した時点で、OLTは、LLID(1)を有するONU(a2)が支線グループpM01(=p2のみ)に含まれることを認識する。すなわち、ONU(a2)を支線P2に発見する。
その後、OLTは、OAMフレームOAMp(1,p2)をRNに送出し、LLID(1)のONUが支線p2に繋がっていることをRNに通知する。
このように、上記一括方式による登録方法によれば、OLTが、下り光スイッチ7,8の全支線p1〜pNを所定期間Pkだけ開通させる下りゲートdG(pB,Pk)を送出し、その開通期間Pkの間に、未登録のONUに対するディスカバリを行い、その後、登録済み(LLID付与済み)のONUに対するレポート強制付きの上りゲートuGfr(L,Pk)を、光スイッチ7,8の支線pJ(J=1〜N)を絞り込みながら送信するポート発見シーケンスを行うので、ONUとRNの支線ポートとの対応関係を予め設定しておかなくても、その対応関係も含めてONUを自動登録することができる。
また、一括方式による登録方法では、光スイッチ7,8の全支線p1〜pNを開通させた状態で通常のディスカバリを行ってから、登録済みのONUに対応する支線pJ(J=1〜N)を絞り込むポート発見シーケンスに移行するので、各支線pJ(J=1〜N)ごとにそれぞれディスカバリを行う前記個別方式に比べて、一般に、ONUの自動登録をより迅速に行うことができる。
なお、上記個別方式あるいは一括方式の登録方法において、図1に示すように、ONUに、バースト信号を受信可能なバースト対応のASON−ONUとは異なり、バースト信号を受信不能なバースト非対応の10GEPON−ONUが含まれる可能性のあるシステムにおいては、スイッチ制御部10は、自身の登録が完了した後、下り光スイッチ7のすべての支線p1〜pN(あるいは10GEPON−ONUが接続される可能性のある支線)を常時開通させておく。新たに登録されたONUがASON−ONUのものである場合には、そのONUに対応する下り光スイッチ7の支線の常時開通を止め、OLTから指示される下りゲートdGに従った開通に切り替える。
これにより、バースト非対応のONUへの下り信号は連続信号になり、バースト信号によってバースト非対応のONUが誤動作することを防止するとともに、ASON−ONUと同一のアクセス回線に混在させることができる。
〔個別方式と一括方式の双方適用〕
一方、上記個別方式の登録方法(図9)と一括方式の登録方法(図10)とは、互いに排他的なものではなく、一つのASONシステムにおいてこれら双方の登録シーケンスを実施することができる。
ここで、ASONシステムは、光スイッチの各支線pJ(J=1〜N)に対して一つのONUを接続する形態を基本としているので、以下の比較においては、この形態を前提とする。
個別方式の特徴は、支線個別にディスカバリを行うので、未登録のONUの数に関わらず、登録を欲しているONUをすべて登録させるに必要な時間の上限が抑えられていることである。一方、特定のONUにとっては、登録を欲してから登録が完了するまでの時間が支線の選択順に依存し、長くなる場合がある。
一括方式の特徴は、全支線を対象にディスカバリを行うので、登録を欲したONU(これ以外のONUの状態は変わらないとする)がどの支線に接続されていても、比較的短時間で登録が完了することである。一方、同時に登録を欲しているONUが多数ある場合、登録要求が衝突する確率が高くなり、すべてのONUを登録させるのに必要な時間が長くなる可能性がある。
一般に、ONUの電源オン等、ONUの事情による登録に備える通常状態では、一括方式による登録が適しており、RNやOLT、あるいはOLT−RN間アクセス回線が障害からの復旧したときなど、多数のONUが同時に登録要求する事象に備えては、個別方式による登録が適している。
そこで、一つのASONシステムにおいて、個別方式の登録方法と一括方式の登録方法とを、ASONシステムの状況に応じて選択的に行うことが推奨される。
これらの登録方法の切り替えは、オペレータが指示して行ってもよいし、一括方式において登録要求の衝突頻度が高くなれば自動的に個別方式に切替えるようにしてもよい。
なお、これらの方式を一般化すれば、支線をグループ分けし、グループ個別に一括方式を適用する。グループの範囲を最大にしたものがいわゆる一括方式であり、最小にしたものが個別方式(ポート発見シーケンスは不要なので削除)である。これらの中間として、グループの範囲を調節してもよい。
上記実施形態はすべて例示であり本発明の範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での変更が含まれる。
本発明の一実施形態に係るASONシステムの全体構成図である。 下り光スイッチの概略構成図である。 上り光スイッチの概略構成図である。 往復遅延時間(RTT)の測定方法を示すシーケンス図である。 局側装置の構成を示す機能ブロック図である。 宅側装置の構成を示す機能ブロック図である。 周波数差を求めるレンジング処理を示すシーケンス図である。 光スイッチ装置のスイッチ制御部の構成を示す機能ブロック図である。 個別方式による登録方法を示すシーケンス図である。 一括方式による登録方法を示すシーケンス図である。
符号の説明
1 局側装置
2 宅側装置
3 光スイッチ装置
4 光ファイバ
5 光スプリッタ
7 下り光スイッチ(光スイッチ部)
8 上り光スイッチ(光スイッチ部)
9 WDMスプリッタ
10 スイッチ制御部
dG 下りゲート
uG 上りゲート

Claims (8)

  1. 光信号の方路選択が可能な光スイッチ部を有する光スイッチ装置を介して、局側装置と複数の宅側装置がP2MP形態で接続されるASONシステムにおいて、前記局側装置が行う前記宅側装置の登録方法であって、
    前記局側装置が未登録の前記宅側装置を見つけるために送信するディスカバリゲートを通すための前記光スイッチ部の支線とその開通期間を、前記局側装置が前記光スイッチ装置に送信する、前記光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定することを特徴とする宅側装置の登録方法。
  2. 前記局側装置は、前記ゲートフレームによって前記光スイッチ部の支線を一つずつ開通させるとともに、その開通期間内に前記ディスカバリゲートを送信して、前記支線ごとに未登録の前記宅側装置との間でディスカバリを実行する請求項1に記載の宅側装置の登録方法。
  3. 前記局側装置は、前記ゲートフレームによって前記光スイッチ部の全部又は複数の支線を開通させるとともに、その開通期間内に前記ディスカバリゲートを送信して、全部又は複数の前記支線を通じて未登録の前記宅側装置との間でディスカバリを実行したあと、
    更に、全部又は複数の前記支線の中から登録済みの前記宅側装置に対応する前記支線を検索するポート発見シーケンスを行う請求項1に記載の宅側装置の登録方法。
  4. 前記ポート発見シーケンスは、全部又は複数の前記支線を階層的に分割してなる支線グループに属する各支線に対して順次絞り込みを行うものである請求項3に記載の宅側装置の登録方法。
  5. 前記複数の宅側装置には、下りバースト信号を受信可能なバースト対応の宅側装置と、受信不能なバースト非対応の宅側装置が含まれており、前記光スイッチ装置は自身の登録が完了した後すべての下り方路を開通させた状態にし、新たに登録された前記宅側装置がバースト対応のものである場合には、
    前記光スイッチ装置は、そのバースト対応の宅側装置に対応する前記光スイッチ部における下り方向の支線の開通状態を停止し、前記ゲートフレームによる開通に切り替える請求項1〜4のいずれか1項に記載の宅側装置の登録方法。
  6. 請求項2に記載の登録方法と請求項3又は4に記載の登録方法とを、ASONシステムの状況に応じて選択的に行うことを特徴とする宅側装置の登録方法。
  7. 局側装置と、光信号の方路選択が可能な光スイッチ部を有する光スイッチ装置と、この光スイッチ装置を介して前記局側装置とP2MP形態で接続された複数の宅側装置とを備えたASONシステムであって、
    前記局側装置は、自身が未登録の前記宅側装置を見つけるために送信するディスカバリゲートを通すための前記光スイッチ部の支線とその開通期間を、当該局側装置が前記光スイッチ装置に送信する、前記光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定することを特徴とするASONシステム。
  8. 光信号の方路選択が可能な光スイッチ部を有する光スイッチ装置を介して、複数の宅側装置とP2MP形態で接続可能なASONシステムの局側装置であって、
    未登録の前記宅側装置を見つめるために送信するディスカバリゲートを通すための前記光スイッチ部の支線とその開通期間を、前記光スイッチ装置に送信する、前記光スイッチ部での光信号の方路と開通タイミングが記されたゲートフレームによって決定することを特徴とする局側装置。
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