JP2009170164A - プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法およびプラズマディスプレイパネル用背面板 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法およびプラズマディスプレイパネル用背面板 Download PDF

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友 武 森
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藤 浩 斉
Hiroyuki Kadowaki
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【課題】リブを安定して精度よく形成することができるPDP用背面板の製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、表示エリアをなすようになる領域27aを含む中央領域27と、表示エリアをなすようになる領域外に位置する縁部領域28と、を含む背面板用基板20上にリブ層40を形成する工程と、第1ブラストマスク50側からリブ層40へブラスト材75を噴射してリブ層を削る工程と、第2ブラストマスク60側からリブ層へブラスト材を噴射してリブ層を削る工程と、を備える。ブラストマスク50,60は、中央領域に対面する中央部マスク51,61と、縁部領域に対面する縁部マスク57,67と、を含む。縁部マスクの平面視形状は、第1および第2のブラストマスク間で異なる。
【選択図】図11

Description

本発明は、ブラスト加工を二回以上行ってプラズマディスプレイパネル用背面板を製造する方法に係り、とりわけ、所望のパターンを有したリブを安定して精度よく形成することができるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法に関する。
また、本発明は、ブラスト加工を二回以上行って製造されるプラズマディスプレイパネル用背面板に係り、とりわけ、所望のパターンを有したリブを安定して精度よく形成され得るプラズマディスプレイパネル用背面板に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとも呼ぶ)に用いられる背面板は、背面板用基板と、背面板用基板上に所定のパターンで配列されたリブと、背面板用基板およびリブの側面上に形成された蛍光体層と、を有している。一般的に、背面板用基板は、ガラス基板と、ガラス基板上に配列された電極(アドレス電極とも呼ばれる)と、電極を覆うようにしてガラス基板上に積層された誘電体層と、を含んでいる。
この背面板は、電極を有する前面板と重ね合わされて、PDPを構成するようになる。背面板と前面板との間の空間は、一旦排気された後にキセノン等の希ガスを充填され、放電空間として機能する。この放電空間でプラズマ放電を起こすと、紫外線が発生し、この紫外線が蛍光体に到達すると可視光が発生する。そして、放電空間での放電を制御することにより、PDPが表示装置として機能するようになる。
なお、放電空間は、表示エリア内に形成されたリブによって区画される。従来のPDP用背面板において、表示エリア内のリブは、ストライプ状、または、複数の第1リブおよび第1リブと交差する複数の第2リブからなるマトリクス状に形成されていた。このうち、マトリクス状に形成されたマトリクスリブによれば、ストライプ状に形成されたストライプリブと比較して蛍光体を支持する面積を広げることが可能となる。このため、マトリクスリブを有する背面板は、輝度向上の観点において優れている。
一方、近年においては、第2リブが第1リブよりも低くなっている段差マトリクスリブを有した背面板が注目を集めている(例えば、特許文献1)。この段差マトリクスリブを有した背面板は、蛍光体の支持面積を増やせるだけでなく、前面板と重ね合わせた後の排気工程を容易に行うことができる、といった利点も有している。
このような段差マトリクスリブは、複数回のブラスト加工を行うことによって形成され得る。例えば、特許文献1に開示された方法においては、1回目のブラスト加工により、第1リブと第2リブとを有するマトリクスリブを形成し、その後、二回目のブラスト加工により、第2リブの先端部分を削って第2リブの高さを低くしている。
特許第3440907号
しかしながら、背面板の製造、前面板の製造および背面板と前面板との組み合わせ等を含むプラズマディスプレイパネルの全製造工程内において、所定の寸法精度内のリブを形成することは、最も困難な工程のうちの一つとなっている。とりわけ、段差マトリクスリブを形成する場合のように、ブラストマスクの形成およびブラスト加工を複数回行う場合には、所望のパターンを有したリブを精度良く安定して形成することが困難となっている。
ところで、背面板用基板上に形成されるリブは、表示エリア内に配置され蛍光体を塗布されるリブだけでなく、表示エリア外に配置されたリブも含んでいる。とりわけ、ブラスト加工によって、すなわち、ブラスト材をリブ層(リブ形成材料層)へ打ち込み、リブ層を所定のパターンに削り込んでリブを形成する場合、表示エリア外に位置するリブには、最縁部に配置された保護リブが含まれる。ブラスト加工を行う場合、直接衝突してくるブラスト材だけでなく、他の部分に衝突し跳ね返ってきたブラスト材によっても、リブ層は削られていく。とりわけ、縁部に配置されたリブは、縁部側に露出していることから、跳ね返ってきたブラスト材によって当該縁部側から側方に削り込まれやすくなり、結果として、断面における左右対称性が失われやすくなる。このような断面非対称なリブは、その後の焼成工程における熱応力によってさらに変形し、リブの高さばらつきを生じさせる原因となる。そして、保護リブは、表示エリア内に配置されたリブが非対称に削り込まれないようにすることを一つの目的として、設けられている。
今般、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、複数回のブラスト加工を行ってリブを形成する場合、所定のパターンを有した保護リブを精度良く安定して形成することができず、これが一原因となって、表示エリア内のリブを精度良く安定して形成することが困難となっていることが知見された。本発明はこのような知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、ブラスト加工を二回以上行ってプラズマディスプレイパネル用背面板を製造する方法であって、とりわけ、所望のパターンを有したリブを安定して精度よく形成することができるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、ブラスト加工を二回以上行って製造されるプラズマディスプレイパネル用背面板であって、とりわけ、所望のパターンを有したリブを安定して精度よく形成され得るプラズマディスプレイパネル用背面板を提供することを目的とする。
本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法は、画像を表示する表示エリアを含んだプラズマディスプレイパネルに用いられる背面板を製造する製造方法であって、前記表示エリアをなすようになる領域を含む中央領域と前記表示エリアをなすようになる領域外に位置する縁部領域とを含む背面板用基板の前記中央領域および前記縁部領域上にリブ層を形成する工程と、前記中央領域に対面する位置に配置された第1中央部マスクと、前記縁部領域に対面する位置に配置された第1縁部マスクと、を含む第1ブラストマスクを前記リブ層上に形成する工程と、前記第1ブラストマスク側から前記リブ層へブラスト材を噴射して、前記リブ層の一部分を削る工程と、前記一部分が削られたリブ層上から前記第1ブラストマスクを除去する工程と、前記中央領域に対面する位置に配置された第2中央部マスクと、前記縁部領域に対面する位置に配置された第2縁部マスクと、を含む第2ブラストマスクを前記一部分が削られたリブ層上に形成する工程と、前記第2ブラストマスク側から前記リブ層へブラスト材を噴射して、前記リブ層のさらに一部分を削る工程と、を備え、前記第1縁部マスクおよび前記第2縁部マスクは、平面視において、異なる形状を有することを特徴とする。
本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法において、前記第1縁部マスクは、前記縁部領域に対面する位置を面状に覆うように形成され、前記第2縁部マスクは、前記縁部領域上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成されてもよい。あるいは、本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法において、前記第1縁部マスクは、前記縁部領域上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成され、前記第2縁部マスクは、前記縁部領域に対面する位置を面状に覆うように形成されてもよい。あるいは、本発明による本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法において、前記第1縁部マスクおよび前記第2縁部マスクは、前記縁部領域上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成され、前記第2縁部マスクのパターンの線幅は、前記第1縁部マスクのパターンの線幅よりも細くなっていてもよい。
また、本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法において、前記第1中央部マスクは、前記背面板用基板上の第1方向に沿って延びる複数の線状部を有するように形成され、前記第2中央部マスクは、前記第1方向に沿って延びる複数の第1パターン部と、前記第1方向と交差する前記背面板用基板上の第2方向に沿って延びる複数の第2パターン部と、を有するように形成されてもよい。あるいは、前記第1中央部マスクは、前記第1方向に沿って延びる複数の第1パターン部と、前記第1方向と交差する前記背面板用基板上の第2方向に沿って延びる複数の第2パターン部と、を有するように形成され、前記第2中央部マスクは、前記背面板用基板上の第1方向に沿って延びる複数の線状部を有するように形成されてもよい。
さらに、本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法において、前記第1方向に沿って延びる複数の第1リブと、前記第2方向に沿って前記第1リブ間を延び、前記背面板用基板からの高さが前記第1リブよりも低い複数の第2リブと、を含む段差マトリクスリブが、前記中央領域に形成されてもよい。
本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板は、画像を表示する表示エリアを含んだプラズマディスプレイパネルに用いられる背面板であって、前記表示エリアをなすようになる領域を含む中央領域と、前記表示エリアをなすようになる領域外に位置する縁部領域と、を含む背面板用基板と、前記背面板用基板の前記縁部領域上に形成された保護リブと、を含み、前記保護リブは、前記縁部領域の少なくとも一部分を被覆する被覆部と、前記被覆部上から所定のパターンで突出したパターン部と、を有するようにしてもよい。
本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板において、前記被覆部は、前記縁部領域の全領域上を被覆しているようにしてもよい。
本発明によれば、第1縁部マスクおよび第2縁部マスクは、平面視において、異なる形状を有するように形成される。したがって、複数回にわたるブラスト加工中に、リブ層の同一箇所において、側方削り込み量が漸増的に増加することを回避することができる。これにより、所望のパターンを有したリブを縁部領域上に精度良く安定して形成することが可能となる。また、所望のパターンを有した縁部領域上のリブが期待した効果を奏することにより、所望のパターンを有したリブを中央領域上に精度良く安定して形成することも可能となる。結果として、所望のパターンを有したリブが精度良く形成されたPDP用背面板を安定的に得ることができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比を、実物のそれらと変更し誇張してある。
図1乃至図15は本発明によるプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法の一実施の形態を説明するための図である。
<PDP用背面板>
このうち図1は、プラズマディスプレイパネル用背面板(PDP用背面板とも呼ぶ)の製造方法によって形成され得るプラズマディスプレイパネル用背面板の一例を示す平面図である。また、図2および図3は、PDP用背面板のうちの、プラズマディスプレイ(PDPとも呼ぶ)に組み込まれた際に画像を表示する表示エリアに配置されるようになる領域(表示エリア形成領域とも呼ぶ)27aの一部分を示す斜視図および断面図である。また、図4は、図2および図3に示されたプラズマディスプレイパネル用背面板の背面板用基板を説明するための図である。なお、図2は、プラズマディスプレイパネル用背面板の中央部における一部分を示す部分斜視図である。また、図3に示された断面は、図2のIII−III線に沿った断面に対応している。まず、図1乃至図4を参照して、本実施の形態による製造方法を用いて製造され得るプラズマディスプレイパネル用背面板10について説明する。
図1乃至図3に示すように、PDP用背面板10は、リブを支持するようになる部材である板状のリブ形成用基板(背面板用基板)20と、背面板用基板20の一方の面20a上に形成されたリブ30と、を有している。背面板用基板20は、表示エリアをなすようになる領域27aを含む中央領域27と、表示エリア27aをなすようになる領域27aの外に位置する縁部領域28と、を含んでいる。
背面板用基板20上に形成されたリブ30は、段差マトリクスリブ31と、段差マトリクスリブ31の隣に配置されたダミーリブ35と、ダミーリブ35の隣に配置された保護リブ37と、を含んでいる。このうち、段差マトリクスリブ31およびダミーリブ35が背面板用基板20の中央領域27上に形成され、保護リブ37が背面板用基板20の縁部領域28に形成されている。また、段差マトリクスリブ31のみが、中央領域27のうちの、表示エリアをなすようになる領域27a上に配置されている。また、図2に示すように、PDP用背面板10は、背面板用基板20の一方の面20a上および段差マトリクスリブ31の側面上に形成された蛍光体層18を、さらに有している。
まず、背面板用基板20について説明する。背面板用基板20は、PDP用背面板に用いられ得る種々の既知な背面板用基板を用いることができる。
一例として、図4(a)および図4(b)に示すように、背面板用基板20は、板状の支持基板22と、支持基板22の一方の面上の所定の領域に形成された電極24と、支持基板22の一方の面上に積層された誘電体層26と、を含んでいる。支持基板22は、焼成工程における加熱を考慮して、耐熱性を有する材料、例えばガラスから構成される。図4(a)に示すように、電極24は、いわゆるアドレス電極として機能するよう、支持基板22の一方の面上にストライプ状の形態で配置され得る。このような電極24は、種々の導電性材料、例えば銀から構成され得る。また、誘電体26は、アドレス電極24を覆うようにして、所定の誘電率を有する材料を支持基板22の一方の面上に成膜することによって、形成され得る。
なお、図4に示された背面板用基板20は、以下のようにして製造され得る。まず、ガラス等からなる支持基板22を準備し、この支持基板22の一方の面上に感光性材料を含んだ導電性ペーストからなる層を形成する。このときの塗布装置としては、スクリーン印刷機や種々のコーター等の既知の装置を採用することができる。その後、フォトリソグラフィー技術を用いた露光および現像を行い、導電性ペースト層を所望のパターンにパターニングする。次に、焼成により銀ペーストを焼結することにより、支持基板22上に電極24が形成される(図4(a)参照)。
その後、所望の誘電率を有する材料を、電極24を覆うようにして支持基板22の一方の面上に塗工する。このとき、スクリーン印刷機や種々のコーター等の種々の既知な機器を用いて、支持基板22上に成膜することができる。その後、焼成を行うことによって、所望の誘電率を有する材料から誘電体層26が形成されるようになる。以上のようにして、図4(b)に示された背面板用基板20が得られる。
次に、リブ30について説明する。リブ30は、背面板用基板20の一方の面20a上、図示する例においては、誘電体層26上に形成されている。また、上述したように、本実施の形態におけるPDP用背面板10のリブ30は、中央に配置された段差マトリクスリブ31と、ある方向に沿って段差マトリクスリブ31の両外方に配置されたダミーリブ35と、ダミーリブ35のさらにある方向に沿った外方に配置された保護リブ37と、を含んでいる。
このうち段差マトリクスリブ31は、PDP用背面板に用いられ得る種々の既知な構成を取り得る。図2に示すように、本実施の形態における段差マトリクスリブ31は、背面板用基板20の板面上の第1方向に沿って延びる第1リブ32と、第1方向と交差する背面板用基板20の板面上の第2方向に沿って延びる第2リブ33と、を有している。第1リブ32は、第1方向に直交する方向に沿って略一定の間隔を空け、複数形成されている。第2リブ33は、隣り合う二つの第1リブ32間を第2方向に沿って延びている。第2リブ33は、第2方向に直交する方向に沿って略一定の間隔を空けて複数形成されている。
本発明において必須ではないが、図示する例において、第1方向および第2方向は互いに直交している。なお、「交差」とは、直角に交わること(直交すること)、および、90°以外の角度で互いに傾斜して交わること、の両方を含むものとする。
そして、図2および図3に示すように、第2リブ33の背面板用基板20からの高さ(より厳密には、背面板用基板20の板面の法線に沿った第2リブ33の基端部から頂部までの長さ)は、第1リブ32の背面板用基板20からの高さよりも低くなっている。第1リブ32の高さと第2リブ33の高さの差は、上述したように、完成したPDP用背面板10をPDP用前面板と組み合わせた後に、隣り合う二つの第1リブ32間の全域を、第1方向における一方の側または両側から排気することができる程度に設定され得る。また、第2リブ33の高さは、蛍光体の支持面積を十分に増大させることを可能とし得るように、設定され得る。一例として、第2リブ33の高さを、第1リブ32の高さの1/5〜95/100程度に設定することができる。
ダミーリブ35は、上下基板をクリップで繋ぎ合わせる際に支持台として機能させること、表示エリアへの不純物の流入を防止すること、電荷蓄積による絶縁破壊を防止すること等を目的として設けられたリブである。本実施の形態において、ダミーリブ35は、段差マトリクスリブ31の第1方向に沿った延長上に配置されている。また、保護リブ37は、リブ30の形成中に段差マトリクスリブ30を保護することを主目的として設けられたリブであって、本実施の形態においては、第1方向に沿ったダミーリブ35外方に配置されている。保護リブ37は、段差マトリクスリブ31およびダミーリブ35よりも第2方向に沿って長く延び出ている。この結果、第1方向側から観察して、保護リブ37は、段差マトリクスリブ31およびダミーリブ35の全体を覆い隠すようになっている。なお、ダミーリブ35および保護リブ37について図示するパターンは、単なる例示に過ぎず、PDP用背面板に用いられているダミーリブや保護リブの種々のパターンを採用することができる。
また、段差マトリクスリブ31(第1リブ32および第2リブ33)、ダミーリブ35および保護リブ37の具体的な形状や寸法については、PDP用背面板に用いられ得る種々の既知な構成を取り得る。例えば、各リブ30は、その長手方向に直交する断面において、略四角形形状または略台形形状とすることができる。また、各リブ30の焼成後における頂部(背面板用基板20から離れる側の部分)の幅は、5μm〜120μmとすることができる。さらに、各リブ30の配置ピッチは、50μm〜2000μmとすることができる。さらに、各リブ30の焼成後における高さは、20μm〜300μmとすることができる。
以上のようなリブ30は、後述する製造方法に対応し、例えば、ガラスフリットと無機粉体とを含む混合物から構成される。
蛍光体層18は、段差マトリクスリブ31の隣り合う二つの第1リブ32および隣り合う二つの第2リブ33によって囲まれた背面板用基板20の一方の面20a上、段差マトリクスリブ31の第1リブ32の側面上、および、段差マトリクスリブ31の第2リブ33の側面上に支持されている。蛍光体層18の構成は、PDP用背面板に用いられ得る種々の既知な構成を採用することができる。
<PDP用背面板の製造方法>
次に、主に図5乃至図15を参照して、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法について、この製造方法の実施に用いられる製造装置の一例とともに、説明する。
本実施の形態において、PDP用背面板の製造方法は、背面板用基板20上にリブ層(リブ形成材料層)40を形成するリブ層形成工程(図5参照)と、リブ層40の一部分を削る第1ブラスト加工工程と、リブ層40のさらに一部分を削る第2ブラスト加工工程と、を備えている。さらに詳細には、PDP用背面板の製造方法は、第1ブラストマスク50をリブ層40上に形成する第1ブラストマスク形成工程を第1ブラスト加工工程の前にさらに備え、一部分が削られたリブ層40上から第1ブラストマスク50を除去する第1ブラストマスク除去工程を第1ブラスト加工工程の後にさらに備えている。また、PDP用背面板の製造方法は、一部分が削られたリブ層40上に第2ブラストマスク60を形成する第2ブラストマスク形成工程を第2ブラスト加工工程の前にさらに備え、さらに一部分が削られたリブ層40上から第2ブラストマスク60を除去する第2ブラストマスク除去工程を第2ブラスト加工工程の後にさらに備えている。
また、この製造方法の実行に用いられ得るPDP用背面板の製造装置70は、製造方法に対応して、背面板用基板20上にリブ層40を形成するリブ層形成装置71と、ブラストマスク50,60を形成するマスク形成装置と、背面板用基板20上のリブ層40へブラストマスク50,60の側からブラスト材75を噴射するブラスト加工装置80と、ブラストマスク50を除去する除去装置と、を備えている。以下、各工程について、各工程で用いられる装置(手段)とともに説明していく。
(リブ層形成工程)
まず、リブ層形成工程について説明する。リブ層形成工程においては、まず、背面板用基板20を準備し、次に、背面板用基板20の誘電体層26上に、第1リブ32および第2リブ33をなすようになるリブ層(リブ形成材料層)40を形成する。リブ層40は、背面板用基板20の一方の面20a上のうちの、少なくとも中央領域27上および縁部領域28上に配置される。
本実施の形態においては、リブ層形成工程は、背面板用基板20上に第1リブ層41を形成する工程と、第1リブ層41上に、第1リブ層41よりもブラスト加工性の低い第2リブ層42を形成する工程と、第2リブ層42上に、第2リブ層42よりもブラスト加工性の高い第3リブ層43を形成する工程と、を含んでいる。すなわち、図6に示すように、形成されたリブ層40は、第1リブ層41と、第2リブ層42と、第3リブ層43と、を含む三層構造となっている。
ここで、ブラスト加工性とは、同一のブラスト加工条件により比較対象となる層へブラスト材75を噴射した場合における、切削量によって評価する。なお、評価に当たり、切削量の測定は、比較対象層間において同一の方法(例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面像の確認等)で行うこととする。そして、同一条件での切削量が多い場合に、ブラスト加工性が高い(良い)と評価し、同一条件での切削量が少ない場合に、ブラスト加工性が低い(悪い)と評価する。また、二つ以上の層間でブラスト加工性を対比する場合、同一条件での切削量(切削深さ)を用いて対比する。例えば、一方の層の切削深さが30μmで、同一ブラスト加工条件における他方の層の切削深さが10μmである場合、一方の層のブラスト加工性は他方の層のブラスト加工性の3倍である、と評価する。
本件発明者らは、鋭意研究を重ねることによって、第1リブ層41のブラスト加工性が、第2リブ層42のブラスト加工性の1.5倍以上100倍以下、さらに好ましくは、2倍以上25倍以下であることが、好ましいことを知見した。すなわち、第2リブ層42を10μm削る間に、同一のブラスト加工条件により、第1リブ層41が15μm〜1000μm、さらに好ましくは20μm〜250μm削られるようになっていることが好ましい。また、第3リブ層43のブラスト加工性が、第2リブ層42のブラスト加工性の1.1倍以上20倍以下であることが好ましく、1.5倍以上10倍以下であることがさらに好ましいことも、知見された。これらの点については、その理由を後に詳述する。
第1乃至第3のリブ層41,42,43は、例えば、溶剤を含んだリブ層形成組成物48を塗工し、リブ層形成組成物48を乾燥させて溶剤を除去することにより、形成され得る。リブ層形成組成物48の塗工方法および塗工装置としては、従来既知の種々の方法および装置を用いることができる。例えば、リブ層形成装置71が、ダイコーター(図6参照)やスクリーン印刷機等を塗工装置71aとして含み、この塗工装置71aによって、第1乃至第3のリブ層41,42,43をなすようになるリブ層形成組成物48が背面板用基板20上に塗工されていくようにしてもよい。このような方法によれば、背面板用基板20上に、それぞれ均一な膜厚を有した第1乃至第3のリブ層41,42,43を形成し、これにより、背面板用基板20の板面上において均一な膜厚を有したリブ層40を得ることができる。
リブ層形成組成物48としては、PDP用背面板10のリブに用いられている種々の既知な組成物を、リブ層40の形成方法(リブ層形成組成物48の塗工方法)に応じて適宜選択することができる。一例として、リブ層形成組成物48が、上述したガラスフリットおよび無機粉体と、樹脂成分と、溶剤と、を含むようにしてもよい。ガラスフリットは後述する焼成工程において、骨材として機能する無機粉体に融着して、第1リブ32および第2リブ33を形成するようになる。樹脂成分は、リブ層形成組成物48中においてバインダーとして機能する。溶剤は、リブ層形成組成物48の塗工方法に応じて省くことが可能である。また、リブ層形成組成物48が、無機顔料等のさらに他の成分を含むようにしてもよい。
なお、例えば、樹脂成分の含有割合を調節することによって、リブ層形成組成物48から形成される第1乃至第3リブ層41,42,43のブラスト加工性を調整することができる。具体的には、樹脂成分の含有量を増加させることにより、当該リブ層形成組成物48から形成されるリブ層のブラスト加工性を低くすることができ、樹脂成分の含有量を減少させることにより、当該リブ層形成組成物48から形成されるリブ層のブラスト加工性を高くすることができる。ただし、これに限られず、別の方法を用いて、各リブ層41,42,43のブラスト加工性を操作するようにしてもよい。
ところで、第1乃至第3リブ層41,42,43の各厚みは種々設定することができる。ただし、後述するように第2リブ33の高さを高精度に制御する観点から、第2リブ33が、第3リブ層43からなる部分を除く、第1リブ層41からなる部分と第2リブ層42からなる部分とから構成されるようにすることが好ましい。この場合、第1リブ32と第2リブ33との高低差は、第3リブ層43の厚さによって決定されるようになる。また、比較的にブラスト加工により切削しにくい第2リブ層42の厚みが厚いと、ブラスト加工工程に要する時間が長くなってしまう。これらの点を考慮して、第1リブ層41の乾燥後における厚さを10μm〜250μm程度とし、第2リブ層42の乾燥後における厚さを1μm〜30μm程度とし、第3リブ層43の乾燥後における厚さを5μm〜150μm程度としてもよい。
(第1ブラストマスク形成工程)
次に、第1ブラストマスク形成工程について説明する。第1ブラストマスク形成工程は、レジスト層を形成する第1レジスト層形成工程と、形成されたレジスト層をパターニングする第1レジスト層パターニング工程と、を含んでいる。この二つの工程を経て、背面板用基板20上に形成されたリブ層40上に、所定のパターンを有した第1ブラストマスク50が形成されるようになる。
本実施の形態においては、第1レジスト層形成工程として、背面板用基板20上に形成されたリブ層40上に、耐ブラスト加工性を有したドライフィルムレジスト(DFR)を積層する。ドライフィルムレジストは、少なくとも背面板用基板20の中央領域27に対面する位置および背面板用基板20の縁部領域28に対面する位置を含む範囲に、配置される。
第1ドライフィルムレジストの積層方法および積層装置としては、従来既知の種々の方法および装置を用いることができる。一例として、ラミネータを用い、第1ドライフィルムレジストが、例えば熱圧着によって、リブ層40上に積層されていくようにしてもよい。このようなラミネータは、後述する第2ブラストマスク形成工程においても用いられ得る。
次に、第1ドライフィルムレジストを製版し、所定のパターンを有する第1ブラストマスク50を形成する。具体的には、第1ブラストマスク形成工程として、フォトリソグラフィー技術を用いた露光および現像を行い、第1ドライフィルムレジストを所望のパターンにパターニングする。この結果、図6に示すように、背面板用基板20の中央領域27に対面する位置に配置された第1中央部マスク51と、縁部領域28に対面する位置に配置された第1縁部マスク57と、を含む第1ブラストマスク50が、リブ層40上に形成される。
なお、このような第1ブラストマスク50の形成方法にともない、図示しないマスク形成装置は、ドライフィルムレジストのパターニングに用いられる露光装置および現像装置等を含むようになる。これらの装置類としては、従来既知の種々の装置を用いることができる。また、このようなマスク形成装置は、後述する第2ブラストマスク形成工程においても用いられ得る。
ここで、図6を主に参照して、形成された第1ブラストマスクの平面視(ブラストマスクの法線方向(本実施の形態においては、背面板用基板20の法線方向およびPDP用背面板10の法線方向と一致する)から観察した場合)における形状について説明する。なお、図6は、リブ形成中(厳密には、第1ブラストマスク形成工程後)におけるPDP用背面板を示す平面図である。そして、図6に示された範囲は、図1において点線で囲まれたPDP用背面板の端部領域である。
図6に示すように、第1ブラストマスク50の第1中央部マスク51は、背面板用基板20の表示エリア形成領域27aに対面する位置において、表示エリア形成領域27a上に形成されるべき段差マトリクスリブ31の平面視における形状に対応し、平面視においてマトリクス状に形成されている。すなわち、第1中央部マスク51は、表示エリア形成領域27aに対面する位置内に、段差マトリクスリブ31の第1リブ32に対応するように配置された複数の第1パターン部52と、段差マトリクスリブ31の第2リブ33に対応するように配置され、隣り合う二つの第1パターン部52間を延びる複数の第2パターン部53と、を有するようになる。第1パターン部52は背面板用基板20上の第1方向と平行に延び、第2パターン部53は背面板用基板20上の第2方向と平行に延びている。
また、図6に示すように、第1ブラストマスク50の第1中央部マスク51は、表示エリア形成領域27a以外の中央領域27に対面する位置に、当該位置に形成されるべきダミーリブ35のパターニングに用いられるダミーリブ用マスク55を有している。ダミーリブ用マスク55は、形成されるべきダミーリブ35の平面視における形状に対応したパターンを有している。
一方、第1ブラストマスク50の第1縁部マスク57は、背面板用基板20の縁部領域28に対面する領域を面状に覆うように、つまり、いわゆるベタマスクをなすように、形成されている。したがって、第1縁部マスク57は、背面板用基板20の縁部領域28上に形成されたリブ層40の全面を隙間なく被覆している。
(第1ブラスト加工工程)
次に、形成された第1ブラストマスク50側からリブ層40へブラスト材75を噴射し、リブ層40の一部分を削り取る第1ブラスト加工工程について説明する。第1ブラスト加工工程においては、リブ層40のうちの第1ブラストマスク50に覆われていない部分が、削られるようになる。
まず、主に図14および図15を参照して、第1ブラスト加工工程に用いられるブラスト加工装置80について説明する。なお、ここで説明するブラスト加工装置80は、後述する第2ブラスト加工工程においても用いられ得る。
図14および図15に示すように、ブラスト加工装置80は、ブラスト材75を噴射するブラストノズル85と、ブラストノズル85に連結された配管81と、配管81に連結された圧縮ガス源82およびブラスト材供給源83と、被加工体Wを保持する保持装置88と、を有している。このブラスト加工装置80においては、圧縮ガス源82からガスを供給するとともにブラスト材供給源83からブラスト材75を供給するようになっている。供給されたブラスト材75は圧縮ガスとともに、ブラストノズル85から噴射され、保持装置88に保持された被加工体Wに衝突する。この結果、被加工体Wがブラスト材75によって切削されていくようになっている。ここで、本実施の形態における被加工体Wは、背面板用基板20とリブ層40とブラストマスク50(60)との積層体であって、実際に切削されるのはリブ層40である。
ブラストノズル85は、図示しない保持手段を介して保持されている。保持手段は、ブラストノズル85の被加工体Wに対する相対位置を調節することができる。これにより、ブラストノズル85の被加工体Wに対する高さ位置(背面板用基板20の板面の法線に沿った位置)、被加工体Wに対する平面方向位置(背面板用基板20の板面上における位置)を制御することができる。
なお、ブラストノズル85の吐出口86の形態は、特に限定されず、例えばスリット状、円状、楕円状および多角形状等の種々の既知な形態を採用することができる。このうち、被加工体Wを広範囲に渡って一度に加工することができ、これにより、均一かつ効率的な加工を実現することができることから、図15に示すように、ブラストノズル85がスリット状の開口86を有していることが好ましい。この場合の吐出口86の幅(吐出口86の長手方向に直交する方向の開口幅)は、例えば50μm〜10000μmの範囲内、好ましくは100μm〜5000μmの範囲内とすることができる。
次に、このようなブラスト加工装置80を用いて実行される第1ブラスト加工工程について説明する。
第1ブラスト加工工程では、ブラストノズル85からブラスト材75を噴射して、リブ層40を切削する。このとき、ブラストノズル85を保持する保持手段は、背面板用基板20の板面の略法線NLに沿ってブラスト材75が噴射されるように、ブラストノズル85を保持装置88に保持された背面板用基板20とリブ層40とブラストマスク50との積層体(被加工体)Wに対して位置決めする。なお、ブラスト材75はブラストノズル85からある程度の幅を持って噴射されるようになるが、ここでは、ある程度の幅のうちの中心方向が、背面板用基板20の板面の法線に概ね平行となるように、ブラストノズル85の位置を調整することを意味している。
第1ブラスト加工において用いられるブラスト材75としては、特に限定されないが、例えばダイアモンド、アルミナ、炭化シリコン、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ステンレス等が挙げられる。また、ブラスト材75の粒径は、特に限定されないが、例えば3μm〜200μmの範囲内、好ましくは7μm〜100μmの範囲内とすることができる。
また、第1ブラスト加工工程において、ブラストノズル85からブラスト材75が噴射される際の噴射圧力や、ブラスト材75の噴射量等のブラスト加工条件は、リブ層40をブラスト加工する際における通常の設定値を採用することができる。さらに、第1ブラスト加工工程において、ブラストノズル85の吐出口86と切削対象となるリブ層40との離間距離も、リブ層をブラスト加工する際における通常の設定値を採用することができる。
そして、第1ブラスト加工工程においては、ブラストノズル85と、保持装置88に保持された被加工体(積層体)Wと、の相対位置を、背面板用基板20の板面上において変化させ、ブラスト材75が被加工体Wの全域に噴射されるようになる。本実施の形態においては、図15に示すように、保持装置88により第2方向に沿うようにして被加工体Wをブラストノズル85に対して移動させるとともに、図示しない保持手段により第1方向に沿うようにしてブラストノズル85を被加工体Wに対して往復移動させる。
このとき、ブラストノズル85のスリット状の吐出口は、図15に示すように、ブラストノズル85の移動方向に直交する方向(つまり、第2方向)に沿って延びている。したがって、ブラストノズル85の一回の移動により、被加工体Wを広範囲にわたって加工することができる。なお、ブラストノズル85を第2方向に沿って複数設けた場合には、さらに、効率的かつムラなく被加工体Wを加工していくことができる。
また、ブラストノズル85の第1方向に沿った往復移動の速度は、被加工体Wの第2方向に沿った移動の速度よりも格段に速く設定されている。具体的には、被加工体Wがブラストノズル85の吐出口86の長手方向長さ分だけ第2方向に沿って移動する間に、ブラストノズル85が被加工体Wの直上を第1方向に沿って一往復する。この結果、図15に点線で示すように、ブラストノズル85は、被加工体Wの直上をジグザグに移動する。さらに詳細には、ブラストノズル85は、第1方向に沿った往復移動しながら、被加工体Wの直上を第2方向に沿ってしだいに移動していくようになる。以上のようにして、背面板用基板20の板面の法線方向からブラスト材75がリブ層40の全領域に対して噴射されていく。
なお、本件で用いる「直上」とは、背面板用基板20の板面の法線に沿った上方(背面板用基板20よりもブラストマスク(ドライフィルムレジスト)側)を意味し、「直下」とは、背面板用基板20の板面の法線に沿った下方(ブラストマスク(ドライフィルムレジスト)よりも背面板用基板20側)を意味するものとする。
このようにして背面板用基板20の法線NLの方向に沿って噴射されたブラスト材75は、第1ブラストマスク50、あるいは、リブ層40のうちの第1ブラストマスク50によって覆われていない部分に衝突する。この結果、リブ層40のうちの第1ブラストマスク50によって覆われていない部分がブラスト材75によって削られていき、リブ層40が第1ブラストマスク50の形状に対応した形状にパターニングされていく。最終的には、ブラストマスク50によって覆われていない領域においては、リブ層40が除去され、背面板用基板20の一方の面20aが露出するようになる。
これにより、背面板用基板20の縁部領域28上には、図7に示すように、第1縁部マスク57の直下にリブ層40が面状に残留する。ここで、図7は、図6のVII−VII線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、第1ブラスト加工工程後の被加工体Wを示している。
一方、背面板用基板20の中央領域27のうちの、表示エリア形成領域27a以外の領域上には、第1中央部マスク51のダミーリブ用マスク55の直下にダミーリブ35が形成される。
また、図8および図9に示すように、背面板用基板20の縁部領域28上には、第1中央部マスク51の第1パターン部52および第2パターン部53の形状に対応してマトリクスリブ31aが形成される。ここで、図8は、図2に示された部分に対応する部分を示す図であって、第1ブラスト加工工程後における被加工体Wを示す斜視図であり、図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。図8に示すように、マトリクスリブ31aは、第1方向に沿って延びる複数の第1リブ32と、第2方向に沿って第1リブ32間を延びる複数の第2リブ33と、を含んでいる。ただし、図9に示すように、マトリクスリブ31aの第1リブ32および第2リブ33は、第1リブ層41からなる部分と、第2リブ層42からなる部分と、第3リブ層43からなる部分と、をともに含んでおり、互いに同一な高さとなっている。
ところで、図7に示すように、背面板用基板20の法線方向に沿って移動(飛行)してきたブラスト材75は、リブ層40または露出した背面板用基板20に衝突して、不規則な方向に跳ね返るようになる。跳ね返ったブラスト材75の一部は、リブ層40のうちのブラストマスク50の直下に位置する部分に衝突する。このとき、ブラスト材75が十分な移動速度を有していれば、リブ層40のうちの、本来削られることのない第1ブラストマスク50に覆われた部分が削られていくことになる。すなわち、リブ層40のうちの第1ブラストマスク50に覆われている部分も、リブ層40または露出した背面板用基板20に衝突して跳ね返ったブラスト材75によって、側方から削り込まれることになる(以下において、この側方への削り込みをサイドエッチとも呼ぶ)。そして、この側方削り込みは、リブ層40のうちの、側方に露出した部分、および、ブラスト加工中に側方に露出するようになる部分において、より促進されるようになる。
また、本実施の形態においては、上述したように、ブラストノズル85の第1方向に沿った往復移動の速度が、被加工体Wの第2方向に沿った移動の速度よりも格段に速く設定されている。このため、図15に点線で示すように、平面視(背面板用基板20の法線方向から観察した場合)において、ブラストノズル85の被加工体Wに対する相対移動方向は、背面板用基板20の板面上において、第1方向となす角度が45°未満の小さな角度となる。そして、ブラストノズル85は、第1方向に沿った被加工体Wの縁部外方において進行方向の転換を繰り返して第1方向に沿って往復移動しながら、被加工体Wの直上を第2方向の一側から他側へ向け進んでいく。
このような本実施の形態においては、第1ブラスト加工工程後に背面板用基板20上に残留するようになるリブ層40のうちの、第1方向に沿った縁部に位置する部分が、最も激しく当該縁部側から側方に削り込まれるようになる。つまり、図7に示すように、縁部領域28上に位置するリブ層40のうちの、第1方向に沿った最外方に位置する部分における側方削り込み量が最も大きくなる。
なお、上述したように、また、図1に示すように、背面板用基板20の縁部領域28は、第2方向に沿った全範囲において中央領域27を第1方向から覆っている。この結果、縁部領域28上に位置するリブ層40が側方から大きく削り込まれるものの、中央領域27上に位置するリブ層40に対する側方削り込みは大幅に緩和される。
また、本実施の形態においては、上述したように、リブ層40の表面層をなす第3リブ層43の下方には、ブラスト加工性の低い、すなわち、ブラスト加工によって削られにくい第2リブ層42が配置されている。このようなリブ層40をブラスト加工した場合、図7に二点差線で示すように、まず、第3リブ層43が削られて、第2リブ層42が露出することになる。しかしながら、第2リブ層42はブラスト加工によって切削しにくい層であることから、第2リブ層42の切削にしばらく時間がかかる。この間、第2リブ層42に入射して反射したブラスト材75は、図7に点線で示すように、第2リブ層42よりも上方に配置され、第2リブ層42よりも削り取られやすい第3リブ層43を側方から削り込むようになる。すなわち、第3リブ層43の下方に第3リブ層43よりもブラスト加工性の低い第2リブ層42が設けられていることによって、第3リブ層43における側方削り込み(サイドエッチ)が促進されるようになる。
以上のような第1ブラスト加工工程が終了すると、一部分が切削されたリブ層40上から第1ブラストマスク50が除去される。第1ブラストマスク50の除去方法としては、PDP用背面板の製造において用いられ得る種々の既知の方法を採用することができる。例えば、苛性ソーダを用いて第1ブラストマスク50を除去することができる。この場合のブラストマスク除去装置は、苛性ソーダを噴射する噴射機構あるいは苛性ソーダを貯留する苛性ソーダ貯留槽を含むようになる。このようにして、背面板用基板20の一方の面20a上にリブ層40が再び露出するようになる。
(第2ブラストマスク形成工程)
次に、第2ブラストマスク形成工程について説明する。第2ブラストマスク形成工程は、一部分が削られたリブ層40上にレジスト層を形成する第2レジスト層形成工程と、形成されたレジスト層をパターニングする第2レジスト層パターニング工程と、を含んでいる。この二つの工程を経て、一部分が削られたリブ層40上に、所定のパターンを有した第2ブラストマスク60が形成されるようになる。
本実施の形態においては、第2レジスト層形成工程として、背面板用基板20上に形成されたリブ層40上に、耐ブラスト加工性を有した第2ドライフィルムレジスト(DFR)を積層する。第2ドライフィルムレジストは、少なくとも背面板用基板20の中央領域27に対面する位置および背面板用基板20の縁部領域28に対面する位置を含む範囲に、配置される。第2ドライフィルムレジストの積層方法および積層装置は、上述したドライフィルムレジストの積層に用いられ得る方法および装置を採用することができる。
次に、第2ドライフィルムレジストを製版し、所定のパターンを有する第2ブラストマスク60を形成する。具体的には、第2ブラストマスク形成工程として、フォトリソグラフィー技術を用いた露光および現像を行い、第2ドライフィルムレジストを所望のパターンにパターニングする。第2ブラストマスク60の形成に用いられるマスク形成装置は、第1ブラストマスク50の形成に用いられ得る装置を採用することができる。この結果、図10に示すように、背面板用基板20の中央領域27に対面する位置に配置された第2中央部マスク61と、縁部領域28に対面する位置に配置された第2縁部マスク67と、を含む第2ブラストマスク60が、一部分が削られたリブ層40上に形成される。
ここで、図10を主に参照して、形成された第2ブラストマスクの平面視(ブラストマスクの法線方向(本実施の形態においては、背面板用基板20の法線方向およびPDP用背面板10の法線方向と一致する)から観察した場合)における形状について説明する。なお、図10は、図6に対応する図であって、リブ形成中(厳密には、第2ブラストマスク形成工程後)におけるPDP用背面板を示す平面図である。そして、図10に示された範囲は、図6に示された範囲と同様であり、図1において点線で囲まれたPDP用背面板の端部領域である。
図10に示すように、第2ブラストマスク60の第2中央部マスク61は、背面板用基板20の表示エリア形成領域27aに対面する位置内に、互いに平行に線状に延びる複数の線状部62を有している。すなわち、第2中央部マスク61は、表示エリア形成領域27aに対面する位置において、平面視においてストライプ状に形成されている。線状部62は、図12および図13に示すように、マトリクスリブ31a(段差マトリクスリブ30)の第1リブ32上に配置され、背面板用基板20上の第1方向と平行に延びている。結果として、第2中央部マスク61の線状部62は、平面視において、上述した第1中央部マスク51の第1パターン部52と略同一の形状を有している。ここで、図12は、図2に示された部分に対応する部分を示す図であって、第2ブラスト加工工程後における被加工体Wを示す斜視図であり、図13は、図12のXIII−XIII線に沿った断面図である。
また、図10に示すように、第2ブラストマスク60の第2中央部マスク61は、表示エリア形成領域27a以外の中央領域27に対面する位置に、当該位置に形成されるべきダミーリブ35のパターニングに用いられるダミーリブ用マスク65を有している。ダミーリブ用マスク65は、ダミーリブ35の平面視における形状に対応したパターンを有している。結果として、第2中央部マスク61のダミーリブ用マスク65は、平面視において、上述した第1中央部マスク51のダミーリブ用マスク55と略同一の形状を有している。
一方、第2ブラストマスク60の第2縁部マスク67は、平面視において、上述した第1ブラストマスク50の第2縁部マスク57とは異なる形状を有している。具体的には、第2縁部マスク67は、縁部領域28上に形成されるべき保護リブ37の形状に対応したパターンを有している。
(第2ブラスト加工工程)
次に、形成された第2ブラストマスク60側から一部分が削られたリブ層40へブラスト材75を噴射する第2ブラスト加工工程について説明する。第2ブラスト加工工程においては、一部分が削られたリブ層40がさらに削られ、所望のパターンを有したリブ30が当該リブ層40から形成される。
第2ブラスト加工工程に用いられるブラスト加工装置は、上述した第1ブラスト加工工程において用いられたブラスト加工装置80と同一とすることができる。また、第2ブラスト加工工程において、ブラストノズル85からブラスト材75が噴射される際の噴射圧力や、ブラスト材75の噴射量等のブラスト加工条件は、第1ブラスト加工工程と同様に選択され得る。さらに、第2ブラスト加工工程において、ブラストノズル85の吐出口86と切削対象となるリブ層40との離間距離も、第1ブラスト加工工程と同様に選択され得る。
ただし、ブラスト材75の噴射量については、第2ブラスト加工工程におけるブラスト材75の単位時間あたりの噴射量は、第1ブラスト加工工程におけるブラスト材75の単位時間あたりの噴射量よりも少ないことが好ましい。具体的には、第2ブラスト加工工程におけるブラスト材75の単位時間あたりの噴射量が、第1ブラスト加工工程におけるブラスト材75の単位時間あたりの噴射量の1/40以上3/40以下となっていることが好ましい。後述するように、第2ブラスト加工工程においては、第2リブ33のうちの、比較的にブラスト加工性の高い第3リブ層43からなる先端部分のみを切削することになる。また、第2ブラスト加工工程における噴射量を低くすることにより、第2リブ層42を切削してしまうことを効果的に防止し、リブ層40を所望の形状に精度良く安定して切削することができる。その一方で、第2ブラスト加工工程における噴射量を少なくし過ぎると、第2ブラスト加工工程の加工時間が長時間化する。以上のことから、第2ブラスト加工工程におけるブラスト材75の噴射量および第2ブラスト加工工程におけるブラスト材75を上記範囲に設定しておくことが好ましい。
また、第2ブラスト加工工程において、ブラスト材75の噴射方向は、概ね背面板用基板20の板面の法線NLに沿って噴射される。なお、第1ブラスト加工工程においても言及したが、ブラスト材75はブラストノズル85からある程度の幅を持って噴射されるようになる。そしてここでは、ある程度の幅のうちの中心方向が、背面板用基板20の板面の法線に概ね平行となることを意味している。
以上のような条件の下、第2ブラスト加工工程として、ブラストノズル85と、保持装置88に保持された被加工体(積層体)Wと、の相対位置を、背面板用基板20の板面上において変化させ、ブラスト材75が被加工体Wの全域に噴射される。本実施の形態においては、上述した第1ブラスト加工工程と同様にして、保持装置88により第2方向に沿うようにして被加工体Wをブラストノズル85に対して移動させるとともに、図示しない保持手段により第1方向に沿うようにしてブラストノズル85を被加工体Wに対して往復移動させる。これにより、図15に点線で示すように、ブラストノズル85は、第1方向に沿って往復移動しながら、被加工体Wの直上を第2方向に沿ってしだいに移動していく。このようにして、第2ブラスト加工工程として、背面板用基板20の板面の法線方向からブラスト材75がリブ層40の全領域に対して噴射されていく。
第2ブラスト加工工程においては、リブ層40の第2ブラストマスク60によって覆われていない部分をリブ層40の全厚み未満の厚み分だけ削る。すなわち、リブ層40の第2ブラストマスク60によって覆われていないリブ層をすべて削り取ってしまうことはない。より具体的には、図11乃至図13に示すように、第2ブラスト加工工程において、第3リブ層43からなる部分が削り取られ、第2リブ層42が露出するようになる。なお、図11は、図10のXI−XI線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、第2ブラスト加工工程後の被加工体Wを示している。
上述したように、第2リブ層42のブラスト加工性は、リブ層40の表面層をなす第3リブ層43のブラスト加工性よりも低くなっている。したがって、第3リブ層43からなる部分が除去され第2リブ層42からなる部分が露出してくると、ブラスト加工による切削性が大きく変化し、ブラスト条件が一定であれば第2リブ層42の切削にはより長い時間を要するようになる。このため、第3リブ層43からなる部分が除去され、第2リブ層42からなる部分が露出している状態で、第1ブラスト加工工程におけるブラスト材75の噴射を停止することは極めて容易となっている。
以上のようにして、リブ層40の第2ブラストマスク60によって覆われている領域を残しながら、リブ層40の第2ブラストマスク60によって覆われていない領域のうちの第3リブ層43からなる部分が除去されていく。
これにより、図12および図13に示すように、背面板用基板20の縁部領域28上には、第1ブラスト加工工程によって形成された第2リブ33が、略そのままの状態で、第2中央部マスク61の線状部62の直下に残留する。したがって、第1リブ32の背面板用基板20からの高さは、リブ層40の全厚みと同一になる。一方、第1ブラスト加工工程によって形成された第1リブ32は、第2ブラストマスク60によって被覆されていないため、第3リブ層43からなる先端部分を削り取られる。このため、第2リブ33の背面板用基板20の背面板用基板20からの高さは、第1リブ層41と第2リブ層42との厚みを足し合わせた高さとなる。すなわち、第2リブ層42の高さは、第1リブ層41の高さよりも第3リブ層43の厚み分だけ低くなる。この結果、第1ブラスト加工工程で形成されたマトリクスリブ31aから、第1リブ32と、第1リブ32よりも高さの低い第2リブ33と、を有した段差マトリクスリブ31が形成されるようになる。
また、背面板用基板20の中央領域27のうちの、表示エリア形成領域27a以外の領域上には、第1ブラスト加工工程によって形成されたダミーリブ35が、略そのままの状態で、第1中央部マスク61のダミーリブ用マスク65の直下に残留する。
一方、背面板用基板20の縁部領域28上には、図11に示すように、第2縁部マスク67の直下に保護リブ37が形成される。得られた保護リブ37は、第2リブ層42および第3リブ層43からなり、縁部領域28を被覆する被覆部47aと、被覆部47a上から所定のパターンで突出したパターン部47bと、を含むようになる。
ところで、背面板用基板20の縁部領域28上に形成されるリブ(本実施の形態においては保護リブ37)には、当該リブの設置目的等から、段差マトリクスリブ31における第1リブ32と第2リブ33とのように段差を設ける必要はない。したがって、複数回のブラスト加工を行う際、上述した実施の形態において、第1中央部マスク51のダミーリブ用マスク55と第2中央部マスク61のダミーリブ用マスク65とが平面視同一形状であったように、従来のブラストマスクにおいては、縁部領域28上のリブ層40を覆う縁部マスク57,67の形状は平面視において同一に形成されていた。しかしながら、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、複数回のブラスト加工を行う際に、縁部領域28に対面する位置に配置される縁部マスク57,67の形状を平面視同一形状にすると、縁部領域28上に所望のパターンのリブを精度良く安定して形成することが困難となること、さらには、中央領域27上にも所望のパターンのリブを精度良く安定して形成しにくくなることが、確認された。
このような現象が生じるメカニズムは明らかではないが、その一要因と考えられ得るメカニズムについて以下に説明する。ただし、本件発明は以下のメカニズムの限定されるものではない。
上述したように、縁部領域28上におけるリブ層40に対しては、跳ね返ったブラスト材75による縁部側の端面からの側方削り込みが促進される。とりわけ、ブラスト加工が複数回実施され、ブラスト加工時に用いられるマスク形状が同一の場合には、この側方削り込みが漸次進行していき、保護リブ37自体の断面形状は対称形状から大きく異なった形状を有するようになる。また、保護リブ37の断面形状は、その後の焼成工程において発生する熱応力に起因し、さらに変形する。このような変形は、一例として、保護リブ37の高さばらつきを来たす。そして、リブの高さばらつきは、PDP用背面板10を前面板と組み合わせる際に、種々の不具合を生じさせる。
また、縁部領域28上に形成される保護リブ37を精度良く予定した形状に形成することができなくなると、保護リブ37が期待された効果を奏することができなくなる。つまり、中央領域27に配置されたリブ、例えば表示エリア形成領域27a内に位置する段差マトリクスリブ31に対する側方削り込みを有効に防止することができなくなる。この結果、中央領域27上にも所望のパターンのリブ31,35を精度良く安定して形成することができなくなる。
そもそも、一回以上のブラスト加工が実施され一部分が削り取られたリブ層40上に、ブラストマスクを精度良く形成することは容易ではない。とりわけ、縁部領域28上のリブ層40は、縁部側の端面からの側方削り込みによって、それまでのブラスト加工で用いられた縁部マスクの形状とは異なる平面形状を有するようになっている。したがって、一回以上のブラスト加工が実施された後に、縁部領域28内のリブ層40上に同一形状を有した微細な縁部マスクを形成することは極めて困難となる。
また、少なくとも一回のブラスト加工が実施され一部分が削り取られたリブ層40上に、ブラストマスクを安定的に固定することは困難である。とりわけ、縁部領域28上のリブ層40は、縁部側の端面からの側方削り込みによって、縁部マスクの平面形状よりも小さい形状となる。すなわち、縁部マスクのリブ層40側の表面のうちの縁部側の一部分は、リブ層40に接触しておらず浮き上がってしまう。したがって、縁部マスクのリブ層側面のこの部分に、他の部分に衝突して跳ね返ったブラスト材75が衝突するようになる。この結果、この部分の周囲において、リブ層40から引き剥がそうとする力が縁部マスクに作用するようになる。つまり、縁部領域28に対面する位置に形成された縁部マスクはリブから引き剥がされやすくなる。縁部マスクがリブ層40から引き剥がされると、予定した保護リブ37を縁部領域28に形成することができないだけでなく、中央領域27に配置されたリブ、例えば表示エリア形成領域27a内に位置する段差マトリクスリブ31に対する側方削り込みを有効に防止することができなくなる。また、引き剥がされた縁部マスクが、本来配置されるべきではない領域に残留することにより、当該領域に配置されたリブ、例えば表示エリア形成領域27a内に位置する段差マトリクスリブ31の形状を損なう、つまり削り残しを生じさせてしまう。
一方、本実施の形態によれば、第1ブラストマスク50の第1縁部マスク57および第2ブラストマスク60の第2縁部マスク67は、平面視において、異なる形状を有するように形成されている。したがって、複数回にわたるブラスト加工中に、リブ層40の同一箇所に対する側方削り込み量の漸増的な増加を回避することができる。これにより、所望のパターンを有した保護リブ37を縁部領域28上に精度良く安定して形成することが可能となる。
とりわけ、本実施の形態によれば、図10に示すように、第2縁部マスク67の第1方向に沿った最外方位置(最も中央領域27から離れる位置)P2は、第2方向に沿ったいずれの位置においても、第1縁部マスク57の第1方向に沿った最外方位置P1よりも、第1方向に沿って内方(中央領域に近い側)に位置している。したがって、図7および図11から容易に理解することができるように、第2ブラスト加工工程においては、第1ブラスト加工工程における側方削り込み量が最も多くなっていた部分(つまり、第1縁部マスク57の第1方向に沿った最外方位置P1直下近傍に位置していた部分)を削り取って、保護リブ37が形成されるようになる。この結果、従来と比較して、側方削り込みの影響を大幅に排除することができ、これにより、保護リブ37を極めて精度良く形成することができる。
また、このように所望のパターンを有した保護リブ37は、期待した機能、すなわち、中央領域27内のリブ層40が大きく側方から削り込まれることを防止する機能を効果的に発揮することができる。これにより、中央領域27上に所望のパターンを有したリブ、例えば、表示エリア形成領域27a内に所望のパターンを有した段差マトリクスリブ31を形成することが可能となる。
さらに、縁部マスク57,67の形状を各ブラスト加工工程間で変更することによって、所定のパターンを有した縁部マスク57,67を精度良く安定して形成すること、および、縁部マスク57,67をリブ層40上に安定して固定することも可能となる。これらのことから、本実施の形態によれば、所望のパターンを有したリブ30を精度良く安定して形成することができるようになる。
なお、本実施の形態によれば、上述したように、リブ層40の表面層をなす第3リブ層43の下方には、ブラスト加工性の低い、すなわち、ブラスト加工によって削られにくい第2リブ層42が配置されている。このため、第2リブ層42の切削に時間がかかり、第2ブラスト加工工程においても、リブ層40の第3リブ層43からなる部分が側方削り込み(サイドエッチ)によっていくらか切削される。そこで、本件発明者らが鋭意研究を重ねたところ、上述したように、第3リブ層43のブラスト加工性は、第2リブ層42のブラスト加工性の1.1倍以上20倍以下に設定されていることが好ましく、1.5倍以上10倍以下に設定されていることがさらに好ましい。第2リブ層42のブラスト加工性が、第3リブ層43のブラスト加工性に比較して低過ぎると、つまり、第3リブ層43と比較して第2リブ層42が削られにく過ぎると、ブラスト加工工程中における側方削り込み(サイドエッチ)が促進され過ぎ、得られた第1リブ32の第3リブ層43からなる部分が第2リブ層42からなる部分と比較して大きく削り込まれる。これにより、第1リブ32の外輪郭に凹凸が形成され、可視光を発する蛍光体層18を支持する面として不都合が生じる。
一方、第3リブ層43のブラスト加工性が、第2リブ層42のブラスト加工性に対して低過ぎると、つまり、第3リブ層43が削られにく過ぎると、第2ブラスト加工工程において、第3リブ層43からなる部分を優先的に切削することが困難となり、第2リブ層42の一部または全部が削れてしまうことになる。この結果、第2ブラスト加工工程後における第2リブ33の形状、とりわけ、第2リブ33の高さおよび第2リブ33の上面の平坦性を安定させることができない。また、第3リブ層43のブラスト加工性が、第2リブ層42のブラスト加工性に対して低過ぎると、つまり、第3リブ層43が削られにく過ぎると、ブラスト加工工程において、リブ層40の第3リブ層43を削り取るのに長時間を要するようになる。すなわち、生産性を悪化させてしまう。
さらに、本件発明者らがブラスト加工性について鋭意研究を重ねたところ、上述したように、第1リブ層41のブラスト加工性は第2リブ層42のブラスト加工性の1.5倍以上100倍以下に設定されていることが好ましく、2倍以上25倍以下に設定されていることがさらに好ましい。結果として、第1リブ層41のブラスト加工性は、第3リブ層43のブラスト加工性よりも高いことが好ましいことになる。
第1リブ層41のブラスト加工性が、第2リブ層42のブラスト加工性に比較して高過ぎると、つまり、第2リブ層42と比較して第1リブ層41が削られやす過ぎると、ブラスト加工工程中における第1リブ層41への側方削り込み(サイドエッチ)が促進され過ぎ、得られた第1リブ32および第2リブ33の第1リブ層41からなる部分が第2リブ層42からなる部分と比較して大きく削り込まれる。これにより、第1リブ32の外輪郭および第2リブ33の外輪郭に凹凸が形成され、可視光を発する蛍光体層18を支持する面として不都合が生じる。
一方、第1リブ層41のブラスト加工性が、第2リブ層42のブラスト加工性に対して低過ぎると、つまり、第1リブ層41が削られにく過ぎると、第2ブラスト加工工程において、第1リブ層41を削り取るのに長時間を要するようになる。すなわち、生産性を悪化させてしまう。
(その他の工程)
以上のようにして、段差マトリクスリブ31とダミーリブ35と保護リブ37とを含むリブ30が背面板用基板20上に形成された後、リブ30上から第2ブラストマスク60が除去される。第2ブラストマスク60が除去されると、背面板用基板20の一方の面20a上にリブ30が露出するようになる(図1参照)。なお、第2ブラストマスク60の除去は、第1ブラストマスク50をリブ層40上から除去する装置と同一の装置を用い、第1ブラストマスク50をリブ層40上から除去する方法と同様に行うことができる。
次に、背面板用基板20上のリブ30を焼成する。上述したように、本実施の形態によれば、リブ30を精度良く安定して作製することができる。したがって、焼成によってリブ30が変形し、結果として、前面板との組み合わせ時に不具合を来してしまうことを効果的に防止することができる。
最後に、段差マトリクスリブ31の側面および背面板用基板20の一方の面20a上に蛍光体層18を形成する。蛍光体層18の形成方法は、PDP用背面板の製造において用いられ得る種々の既知の方法、例えばスクリーン印刷による成膜方法を採用することができる。
以上のようにして、図3に示されたプラズマディスプレイパネル用背面板10が得られる。
<本実施の形態の作用効果の概要>
以上のような本実施の形態によれば、第1縁部マスク57および第2縁部マスク67は、平面視において、異なる形状を有するように形成されている。したがって、複数回にわたるブラスト加工中に、リブ層40の同一箇所において、側方削り込み量が漸増的に増加してしまうことを回避することができる。これにより、所望のパターンを有した保護リブ37を縁部領域28上に精度良く安定して形成することが可能となる。また、所望のパターンを有した縁部領域28上の保護リブ37が期待した効果を奏することにより、中央領域27上に所望のパターンを有したリブ、例えば、表示エリア形成領域27a内に所望のパターンを有した段差マトリクスリブ31を形成することが可能となる。これにより、所望のパターンを有したリブ30が精度良く形成されたPDP用背面板10を安定的に製造することができる。
また、本実施の形態によれば、第1縁部マスク57は、縁部領域28に対面する位置を面状に覆うように形成され、第2縁部マスク67は、縁部領域28上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成される。したがって、第1ブラスト加工工程において、縁部領域28上のリブ層40は削られることがない。この結果、第2ブラストマスク60を形成する際に、第2縁部マスク67は、平坦なリブ層40の表面上に形成されることになる。このため、第2縁部マスク67を極めて容易かつ精度良く安定して形成することができる。また、作製された第2縁部マスク67はリブ層40に強固に固定されるようになり、第2ブラスト加工工程中にリブ層40から引き剥がされることを効果的に防止することができる。これらのことから、所望のパターンを有したリブ30がさらに精度良く形成されたPDP用背面板10をさらに安定的に得ることができる。
<変形例>
上述した実施の形態に関し、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。以下、図面を参照して変形の一例について説明する。なお、以下に参照する図面において、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
(変形例1)
上述した実施の形態においては、第1縁部マスク57が縁部領域28に対面する位置を面状に覆うように形成され、第2縁部マスク67が縁部領域28上に形成されるべき保護リブ37の形状に対応したパターンで形成されている例を示したが、これに限られない。例えば、図16乃至図19に示すように、第1縁部マスク57が縁部領域28上に形成されるべき保護リブ37の形状に対応したパターンで形成され、第2縁部マスク67が縁部領域28に対面する位置を面状に覆うように形成されていてもよい。ここで、図16は、図6に対応する図であって、リブ形成中におけるPDP用背面板を示す平面図である。図17は、図7に対応する図であって、図16のXVII−XVII線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、第1ブラスト加工工程後の被加工体を示している。図18は、図10に対応する図であって、リブ形成中におけるPDP用背面板を示す平面図である。図19は、図11に対応する図であって、図18のXIX−XIX線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、第2ブラスト加工工程後の被加工体を示している。
本変形例1によれば、第1ブラスト加工工程において、背面板用基板20の縁部領域28上に所望のパターンを有した保護リブ37を精度良く形成することができる。そして、第2ブラスト加工工程中、第2縁部マスク67は縁部領域28に対面する位置を面状に覆う。すなわち、第2ブラスト加工工程中、第1ブラスト加工工程で形成された保護リブ37上に面状の第2縁部マスク67が配置されている。このような第2縁部マスク67は極めて容易かつ安定して形成され得る。また、このような第2縁部マスク67は、微細なパターンを有するマスクと比較して、より強固に安定して保護リブ37上に固定されるようになる。また、第2縁部マスク67はいわゆるシート状に形成されていることから、パターン状に形成され貫通孔や隙間を有するマスクとは異なり、他の部分に衝突して跳ね返ってくるブラスト材75であって、リブ層40から引き剥がすように第2縁部マスク67に衝突してくるブラスト材75の量を大幅に低減することができる。これらのことから本変形例によっても、所望のパターンを有したリブ30を精度良く安定して形成することができる。
(変形例2)
また、上述した実施の形態においては、一方のブラストマスク50が、縁部領域28に対面する位置を面状に覆うように形成されている例を示したが、これに限られない。例えば、図20乃至図22に示すように、第1縁部マスク57および第2縁部マスク67の両方が縁部領域28上に形成されるべき保護リブ37の形状に対応したパターンを有するようにしてもよい。ここで、図20は、第1ブラストマスク形成工程後の被加工体Wを縁部領域の一部分(より厳密には、図6に示された範囲の一部分に相当し、第1縁部マスク57の端部を含む部分)において示す平面図である。図21は、図20のA−A線に沿った断面において、第1ブラスト加工工程後の被加工体Wを示している。図22は、図20のA−A線に沿った断面において、第2ブラストマスク形成工程後の被加工体Wを示している。
図20に示すように、本変形例においては、第2縁部マスク67のパターンの線幅w2a,w2bが第1縁部マスク57のパターンの線幅w1a,w1bよりも細くなっている。ここで、図20においては、第1縁部マスク57の輪郭が点線によって示されている。なお、線幅とは、所定のパターンに形成されたブラストマスクの各部分における幅のことであって、当該部分の長手方向に直交する方向に沿った幅(長さ)を意味している。
このような変形例によれば、図21に示すように、第1ブラスト加工工程において、背面板用基板20の縁部領域28上に所定のパターンを有した保護リブ37が形成される。ただし、第1ブラスト加工工程で形成された保護リブ37は、第1ブラスト加工工程中における側方削り込みによって、第1縁部マスク57の線幅w1a,w1bよりも細い線幅を有するようになる。とりわけ、図21に示すように、第1縁部マスク57に接触する先端面において線幅が細くなる傾向があり、保護リブ37の先端面は端部において曲面となる。このような保護リブ37上にブラストマスクを精度良く形成することは困難であり、また、このような保護リブ37上にブラストマスクを固定することも困難である。
しかしながら、本変形例によれば、上述したように、第2縁部マスク67のパターンの線幅w2a,w2bが第1縁部マスク57のパターンの線幅w1a,w1bよりも細くなっている。したがって、図22に示すように、第1ブラスト加工で形成された保護リブ37の先端面のうちの平坦な部分の幅w3a,w3bよりも第2縁部マスク67のパターンの線幅w2a,w2bの幅を狭くし、さらに、第1ブラスト加工で形成された保護リブ37の先端面のうちの平坦な部分上に、第2ブラストマスク60の第2縁部マスク67を形成することが可能となる。すなわち、この場合、第2ドライフィルムレジスト69のうちの保護リブ37の平坦な端面上に位置している部分から、第2ブラストマスク60の第2縁部マスク67が形成されるようになる。これにより、フォトリソグラフィー技術を用いて第2縁部マスク67を精度良く形成することが可能となる。
また、このように保護リブ37の平坦な端面上に配置された第2縁部マスク67は、保護リブ37に対して強固に固定されるようになる。さらに、第2縁部マスク67がその全面において保護リブ37に密着していれば、他の部分に衝突して跳ね返ってきたブラスト材が、背面板用基板20側から第2縁部マスク67に衝突して保護リブ37を引き剥がすように作用することもない。
さらに、第2縁部マスク67のパターンの線幅w2a,w2bを第1縁部マスク57のパターンの線幅w1a,w1bよりも細くしているので、第2ブラスト加工工程中に、線幅が細くなるように保護リブ37を仕上げ切削することができる。このとき、第1ブラスト加工で形成された保護リブ37のうちの、第1ブラスト加工中に側方削り込みを受けた部分を削り取ることも可能となる。
これらのことから、精度良く形成され強固に保護リブ37へ固定された第2縁部マスク57を用いて、所望の機能を有する保護リブ37を精度よく安定して形成することが可能となる。
なお、上述した変形例において、第2縁部マスク67のパターンの線幅w2a,w2bが第1ブラスト加工で形成された保護リブ37の先端面のうちの平坦な部分の幅w3a,w3bよりもの幅よりも狭くなっていることは必須ではない。
(変形例3)
さらに、上述した実施の形態において、第1パターン部52と第2パターン部53とを有する第1ブラストマスク50を用いた第1ブラスト加工により、背面板用基板20の中央領域28上にマトリクスリブ31aを形成し、線状部62を有する第2ブラストマスク60を用いた第2ブラスト加工により、背面板用基板20の表示エリア形成領域27a上に段差マトリクスリブ31を形成する例を示したが、これに限られない。中央領域27に対面する位置に配置される中央部マスク51,61の形状を種々変更し、その他の種々の方法を用いて、表示エリア形成領域27a上に段差マトリクスリブ31を形成するようにしてもよい。
例えば、図23に示すようにして、段差マトリクスリブ31を表示エリア形成領域27a上に形成するようにしてもよい。ここで、図23は、図2に示された部分に対応する部分を示す図であって、段差マトリクスリブ31の作製方法の一変形例を説明するための斜視図である。具体的には、まず、背面板用基板20上の第1方向に沿って延びる複数の線状部52aを含む第1ブラストマスク50を、リブ層40上に形成する。次に、第1ブラストマスク50の側からリブ層40へブラスト材75を噴射して、リブ層40のうちの第1ブラストマスク50に覆われていない部分を、その全厚み未満の厚み分だけ、削り、第1方向に沿って延びる複数の線状突出部46を含む段差リブ層45を形成する。その後、段差リブ層45上から第1ブラストマスク50を除去する。次に、第1方向に沿って延びる複数の第1パターン部62aと、第1方向と交差する背面板用基板20上の第2方向に沿って第1パターン部62a間を延びる複数の第2パターン部63aと、を含む第2ブラストマスク60を、段差リブ層45上に形成する。次に、第2ブラストマスク60側からリブ層40へブラスト材75を噴射して、段差マトリクスリブ31を形成する。
また、そもそも、段差マトリクスリブ31以外のリブ30が、表示エリア形成領域27a上に形成されるようにしてもよい。
(変形例4)
さらに、上述した実施の形態において、第1ブラストマスク50の第1ダミーリブ用マスク55と、第2ブラストマスク60の第2ダミーリブ用マスク65と、が同一に構成されている例を示したが、これに限られず、第1ダミーリブ用マスク55と、第2ダミーリブ用マスク65と、が異なるように構成されていてもよい。
(変形例5)
さらに、上述した実施の形態において、背面板用基板20の縁部領域28が、中央領域27の表示エリア形成領域27aから離間して、第1方向に沿った中央領域27の両外方に配置されている例を示したが、これに限られない。
例えば、図1に点線で示すように、中央領域27が、第1方向に沿ったその中央部分に、第2方向に突出した側方領域27bを含み、この側方領域27bにもリブが形成される場合には、中央領域27の側方領域27bの第1方向に沿った両外方に追加の縁部領域28aが設けられ、この追加縁部領域28a上にも保護リブ37が形成されるようにしてもよい。この例において、第1ブラストマスク50のうちの追加縁部領域28aに対面する位置に配置される部分(第1追加縁部マスク)と、第2ブラストマスク60のうちの追加縁部領域28aに対面する位置に配置される部分(第2追加縁部マスク)と、が平面視において異なる形状を有していれば、上述したように、追加縁部領域28a上に保護リブを精度良く安定して形成することが可能となり、これにともなって、中央領域27の側方領域27a上におけるリブも精度良く安定して形成することが可能となる。
また、上述した実施の形態においては、縁部領域28が中央領域27の表示エリア形成領域27aから離間している例を示したが、これに限られず、縁部領域28が中央領域27の表示エリア形成領域27aと隣接していてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第1ブラストマスク50の第1縁部マスク57と第2ブラストマスク60の第2縁部マスク67とが、平面視における全域において、異なる形状を有している例を示したが、これに限られず、第1ブラストマスク50の第1縁部マスク57と第2ブラストマスク60の第2縁部マスク67とが、一部分のみにおいて、異なる形状を有しているようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、背面板用基板20の縁部領域28が第1方向に沿った中央領域27の両外方に配置されている例を示したが、これに限られない。例えば、背面板用基板20の縁部領域28が、第1方向に沿った中央領域27の一方の外方のみに配置され、当該縁部領域27上に保護リブ37が形成されるようにしてもよい。あるいは、背面板用基板20の縁部領域28が、平面視において中央領域27を三方または四方から取り囲むようにして配置され、当該縁部領域27上に保護リブ37が形成されるようにしてもよい。また、ブラストノズル85の被加工体Wに対する相対移動方向(図15における点線参照)と第1方向とがなす角度が、ブラストノズル85の被加工体W対する相対移動方向と第2方向とがなす角度よりも大きくなっている場合には、背面板用基板20の縁部領域28が第2方向に沿った中央領域27の外方に配置されるとともに、この縁部領域27上に保護リブ37が形成されることが有効である。
(変形例6)
さらに上述した実施の形態において、リブ層40が第1乃至第3リブ層41,42,43の三層を含んでいる例を示したが、これに限られず、リブ層40の層構成を適宜変更することができる。例えば、リブ層40が単一層から形成されているようにしてもよい。このような変形例においても、第2ブラスト加工工程中に、リブ層40のうちの第2ブラストマスク60に覆われていない部分を、その全厚み未満の任意の厚み分だけ、削ることによって、上述したリブ30と同様のリブを形成することができる。
(変形例7)
上述した実施の形態においては、第1ブラスト加工工程および第2ブラスト加工工程の合計2回のブラスト加工によって、PDP用背面板10を形成する例を示したが、これに限られず、3回以上のブラスト加工によって、PDP用背面板10を形成するようにしてもよい。
(変形例8)
以上のように上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
図1は、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法によって形成され得るプラズマディスプレイパネル用背面板の一例を示す平面図である。 図2は、PDP用背面板のうちの、プラズマディスプレイに組み込まれた際に画像を表示する表示エリア内に位置するようになる一部分を示す斜視図である。 図3は、PDP用背面板のうちの、プラズマディスプレイに組み込まれた際に画像を表示する表示エリア内に位置するようになる一部分を示す断面図である。 図4は、図2および図3に示されたプラズマディスプレイパネル用背面板の背面板用基板を説明するための図である。 図5は、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法のリブ形成工程を説明するための図である。 図6は、第1ブラストマスク形成工程後における被加工体を示す平面図である。 図7は、図6のVII−VII線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、第1ブラスト加工工程後の被加工体を示している。 図8は、図2に対応する図であって、第1ブラスト加工工程後における被加工体Wを示す斜視図であり、 図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。 図10は、図6に対応する図であって、第2ブラストマスク形成工程後における被加工体を示す平面図である。 図11は、図10のXI−XI線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、第2ブラスト加工工程後の被加工体Wを示している。 図12は、図2に対応する図であって、第2ブラスト加工工程後における被加工体Wを示す斜視図であり、 図13は、図12のXIII−XIII線に沿った断面図である。 図14は、ブラスト加工装置の概略構成を示す側面図である。 図15は、図14に示されたブラスト加工装置の概略構成を示す平面図である。 、図16は、図6に対応する図であって、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法の一変形例の第1ブラストマスク形成工程後における被加工体を示す平面図である。 図17は、図7に対応する図であって、図16のXVII−XVII線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法の一変形例における第1ブラスト加工工程後の被加工体を示している。 図18は、図10に対応する図であって、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法の一変形例の第2ブラストマスク形成工程後における被加工体を示す平面図である。 図19は、図11に対応する図であって、図18のXIX−XIX線に沿った断面、すなわち、第1方向に沿った断面において、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法の一変形例における第2ブラスト加工工程後の被加工体を示している。 図20は、プラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法の他の変形例における第1ブラストマスク形成工程後の被加工体Wを縁部領域の一部分において示す平面図である。 図21は、図20のA−A線に沿った断面において、第1ブラスト加工工程後の被加工体を示している。 図22は、図20のA−A線に沿った断面において、第2ブラストマスク形成工程後の被加工体を示している。 図23は、図2に示された部分に対応する部分を示す図であって、段差マトリクスリブ31の作製方法の一変形例を説明するための斜視図である。
符号の説明
10 プラズマディスプレイパネル用背面板(PDP用背面板)
20 背面板用基板
27 中央領域
27a 表示エリア形成領域
28 縁部領域
30 リブ
31 段差マトリクスリブ
31a マトリクスリブ
32 第1リブ
33 第2リブ
35 ダミーリブ
37 保護リブ
40 リブ層
47a 被覆部
47b パターン部
50 第1ブラストマスク
51 第1中央部マスク
52 第1パターン部
53 第2パターン部
55 ダミーリブ用マスク
57 第1縁部マスク
60 第2ブラストマスク
61 第2中央部マスク
62 線状部
65 ダミーリブ用マスク
67 第2縁部マスク

Claims (9)

  1. 画像を表示する表示エリアを含んだプラズマディスプレイパネルに用いられる背面板を製造する製造方法であって、
    前記表示エリアをなすようになる領域を含む中央領域と、前記表示エリアをなすようになる領域外に位置する縁部領域と、を含む背面板用基板の前記中央領域および前記縁部領域上にリブ層を形成する工程と、
    前記中央領域に対面する位置に配置された第1中央部マスクと、前記縁部領域に対面する位置に配置された第1縁部マスクと、を含む第1ブラストマスクを前記リブ層上に形成する工程と、
    前記第1ブラストマスク側から前記リブ層へブラスト材を噴射して、前記リブ層の一部分を削る工程と、
    前記一部分が削られたリブ層上から前記第1ブラストマスクを除去する工程と、
    前記中央領域に対面する位置に配置された第2中央部マスクと、前記縁部領域に対面する位置に配置された第2縁部マスクと、を含む第2ブラストマスクを前記一部分が削られたリブ層上に形成する工程と、
    前記第2ブラストマスク側から前記リブ層へブラスト材を噴射して、前記リブ層のさらに一部分を削る工程と、を備え、
    前記第1縁部マスクおよび前記第2縁部マスクは、平面視において、異なる形状を有する
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  2. 前記第1縁部マスクは、前記縁部領域に対面する位置を面状に覆うように形成され、
    前記第2縁部マスクは、前記縁部領域上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  3. 前記第1縁部マスクは、前記縁部領域上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成され、
    前記第2縁部マスクは、前記縁部領域に対面する位置を面状に覆うように形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  4. 前記第1縁部マスクおよび前記第2縁部マスクは、前記縁部領域上に形成されるべきリブの形状に対応したパターンで形成され、
    前記第2縁部マスクのパターンの線幅は、前記第1縁部マスクのパターンの線幅よりも細い
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  5. 前記第1中央部マスクは、前記背面板用基板上の第1方向に沿って延びる複数の線状部を有するように形成され、
    前記第2中央部マスクは、前記第1方向に沿って延びる複数の第1パターン部と、前記第1方向と交差する前記背面板用基板上の第2方向に沿って延びる複数の第2パターン部と、を有するように形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  6. 前記第1中央部マスクは、前記第1方向に沿って延びる複数の第1パターン部と、前記第1方向と交差する前記背面板用基板上の第2方向に沿って延びる複数の第2パターン部と、を有するように形成され、
    前記第2中央部マスクは、前記背面板用基板上の第1方向に沿って延びる複数の線状部を有するように形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  7. 前記第1方向に沿って延びる複数の第1リブと、前記第2方向に沿って前記第1リブ間を延び、前記背面板用基板からの高さが前記第1リブよりも低い複数の第2リブと、を含む段差マトリクスリブが、前記中央領域に形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板の製造方法。
  8. 画像を表示する表示エリアを含んだプラズマディスプレイパネルに用いられる背面板であって、
    前記表示エリアをなすようになる領域を含む中央領域と、前記表示エリアをなすようになる領域外に位置する縁部領域と、を含む背面板用基板と、
    前記背面板用基板の前記縁部領域上に形成された保護リブと、を含み、
    前記保護リブは、前記縁部領域の少なくとも一部分を被覆する被覆部と、前記被覆部上から所定のパターンで突出したパターン部と、を有する
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用背面板。
  9. 前記被覆部は、前記縁部領域の全領域上を被覆している
    ことを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル用背面板。
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