JP2009170093A - 光学的情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正弦波変調グルーブおよび前記グルーブ間に分散して配置されたアドレスピットが形成された支持体と、書き換え可能な相変化材料を少なくとも含む反射率18〜30%以上の記録層と、前記記録層の上に形成される接着性樹脂層とを少なくとも有し、未記録状態の再生信号中に占めるアドレスピット信号成分であるアドレスピット出力値が0.18から0.27の範囲である。支持体の複屈折はダブルパスにて100nm以下である。
【選択図】図1
Description
本発明の目的は、主たる記録信号とアドレス信号が、互いに干渉しあわず記録再生できる高密度相変化型の光学的情報記録媒体(記録ディスク)を提案することであり、特にこの目的を実現するためのアドレス信号出力範囲と、アドレス信号等の具体的な微細構造を寸法で示すことにある。
更にDVDに限定されることなく、開発中である短波長レーザーを利用した記録再生装置にも対応した、微細構造寸法を一般式で示すことにある。
第2の発明は、前記書き換え可能な相変化材料が、アンチモンとテルルと融点1100度以下の金属を含む合金であることを特徴とする請求項1記載の光学的情報記録媒体を提供する。
第3の発明は、前記書き換え可能な相変化材料が、銀、インジウム、アンチモン、テルル合金であることを特徴とする請求項1記載の光学的情報記録媒体を提供する。
アドレス情報は各アドレスピット13間の距離を基に記録される。従ってアドレスピット13自身の長さ(AL)は一定とする。図17はアドレス情報の一例を示す情報フォーマットである。冒頭にシンクビット(同期信号)があり、続いて相対アドレスデータが続き、そしてECCブロックアドレスデータ(ECC:エラー訂正コード)からなっている。例えばシンクは1ビット、相対アドレスデーターが4ビット、ECCブロックアドレスデータが8ビットという構成になっている。
録されているために、ランド12上のアドレスピット13との干渉は少ない構造である。ただし図3に示すように、アドレスピット13と情報マーク14は隣接する場合もあり、隣接記録後のアドレスピット13の読み取り性、及び情報マーク14の読み取り性には充分留意が必要である。
アドレスピット13の長さをALと定義する。アドレスピット13はランド12のほぼ中央に打ち込まれているからアドレスピット13の中心線とグルーブ11の中心線との間隔は、ほぼ、TP/2となる(図示せず)。またグルーブ11とアドレスピット13は支持体2に対して共に同じ深さに刻まれたものであり、図示はしないが、その深さは共にdとする。また図3(記録状態)において記録後の情報マーク14の長さは変調により様々な長さであるが、そのうち最短マークの長さをMLとする。
記録後のディスクは、図3に示した通りグルーブに反射率差のある記録マーク14が形成されているので、トラッキングは種々方法が取りうる。例えばDPDトラッキングやDPPトラッキングなどである。しかしながら未記録時は図2のとおりグルーブ11のみであり、トラッキング方法は事実上、プッシュプル法しか取り得ない。
記録マーク14の読みとり性能の指標の一つにジッターがある。これは記録後に、再生を行って、時間軸方向の揺らぎ(標準偏差)をクロックで除したものであり、数値は小さいほど安定した再生が得られる。例えばDVD規格ではイコライザー通過後、8.0%以下であることが決まっている。
DVDプレーヤーに代表される再生装置のピックアップには4分割のフォトディテクターが用いられている。このそれぞれの出力を加減乗除することによってアドレスピット信号を効率よく生成することができる。図6は上述したような4分割ディテクター9の模式図である。図2および図3に対応して縦軸は半径方向、横軸を接線方向(トラック方向)としている。4分割ディテクターの再生出力をそれぞれIa、Ib、Ic、Idとしているが、ここで図2および図3に対応してIa及びIbは内周側、Ic及びIdは外周側に配置したディテクターである。そして再生にあたっては、(Ia+Ib)−(Ic+Id)となるように出力を合成することでアドレスピット13をコントラスト良く再生することができる。
APb=|(Ia+Ib)−(Ic+Id)|/|(Ia+Ib+Ic+Id)|
また図8は記録状態の再生波形である。図7の波形に対し、グルーブ11に記録された情報マーク14の信号が重ね書きされている。この信号はグルーブ11に対して、あたかもノイズのように重畳されるので、アドレスピット13の読み取りには甚大な影響を及ぼす。言い換えれば未記録時にアドレスピットが正しくデコードできたとしても、記録後にはデコードできない場合が出てくる。
このようにアドレスピット出力値APbが大きい値ほど、アドレスピットは読み出しやすく、エラーレートは小さいものとなる。記録前後で比べると、記録前は読み出しやすいが、記録後は読み出しでエラーが発生しやすいことが分かる。記録信号が干渉しやすくなっているためであり、充分なAPb値が必要である。
以上のことから、記録後のエラーレート、5%未満を確保するためには、アドレスピット出力値APbは0.18以上必要であるといえる。なお記録後のエラーレートが5%である状態を詳しく信号解析すると、RF信号の重畳がかなり見られ、図8におけるアドレスピットの開口率、すなわち図8におけるΔ/APsは10%しかない。言い換えれば、Δ/APsが10%以上必要ともいえる。
アドレスピット13とグルーブ11は部分的に接しているので、アドレスピット13が記録後の記録マーク14の再生に干渉することも考えられる。そこで種々アドレスピット出力値(APb)を有する光ディスクについて、記録マーク14を読み取り、エラー数を計測した。図10にその測定値を示す。ここで横軸はアドレスピット出力値APbであり、縦軸はPIエラー数(連続8ECCブロックについて、1バイト以上誤ったブロック列の数)である。APbのある値を境に、急激にエラーが増大することが分かる。アドレスピット13の回折光が、記録マーク14に干渉して読み誤りを発生させていることが理解される。例えば、DVD規格ではPIエラーは280個以下であることを求めているので、アドレスピット出力値APbは0.27以下が相応しい。
本発明なる光ディスク及びドライブは、先述したとおり再生スポット径(λ/NA)に対して、小さいTPと小さい最短マーク長を想定している。更に(1)及び(2)で検討したように、再生波長より充分浅い深さを想定している。このような条件下で所望のアドレスピット出力値APbを得るための、ALとdの条件を検討した。
APb=0.14k+4.11n(d−26)/λ
つまり、未記録状態の再生信号中に占めるアドレスピット信号成分であるアド
レスピット出力値(APb)の範囲:
0.18<APb<0.27
上記アドレスピット出力を満足する各種微細寸法:
0.05λ/n ≦ d ≦ 0.1λ/nであり、且つ
0.35≦(w/TP)≦0.55であり、且つ
0.18<0.14k+4.11n(d−26)/λ<0.27
なる関係を同時に満足する寸法d及びw及びk。
具体的にはマスタービームをグルーブ11の形成に充て、サブビームをアドレスピット13の形成に充てる。そしてマスタービームには偏向器(例えばEODやAOD)を通すことで正弦波変調する。またサブビームには変調器(例えばEOMやAOM)を通すことで断続変調する。この2ビームによるマスタリングは、それぞれを単独に行った場合には位置精度が不充分となるので同時に行うのが望ましい。その場合、マスタービームとサブビームとの間隔はTP/2に設定することが必要となる。なお、この段階ではブランクマスターにはイメージは記録されるが、形状の変更はない。
また反射率調整、熱伝搬特性調整等を目的として公知の光反射膜(アルミニウム、金、銀やこれらを含む合金など)を併用して積層し、記録層3を構成してもよい。また、高密度記録再生を行うために、公知の超解像マスク膜やコントラスト増強膜を併用して積層してもよい。このような成膜を行う方法としては、公知の真空成膜法、例えばスパッタリング法やイオンプレーティング法、真空蒸着法、CVD法を用いることができる。特に相変化材料とスパッタリング法は相性がよく、量産性にも富んでいる。
本発明の一実施例である光ディスク1を赤色半導体レーザーを用いたディスクシステムに適応した例について説明する。なお使用するλは 650nm、対物レンズの開口数NAは0.6である。従って再生スポット径(λ/NA)は1083nm(1.083μm)である。
具体的には記録層3は、支持体2側よりZnSSiO/AgInSbTe/ZnSSiO/AlTiの順でスパッタリング法によって積層されている。そして反射率は18〜30%である。この構造で650nmにおける記録感度は7.5〜14.0mWとなっている。また635nm光においても記録することができ、その記録感度は650nmとほぼ同じ7.0〜13.0mWの範囲で保てる。
0.05・650/1.58≦d≦0.1・650/1.58、
すなわち20nm≦d≦41nmであり、且つ
0.35≦(w/0.74)≦0.55、
すなわち、
0.26μm≦w≦0.41μmであり、且つ
0.18<0.14k+4.11・1.58(d−26)/650<0.27、
すなわち0.18<0.14k +0.01(d−26)<0.27である。
ここで、ML=0.4μmであるから、
0.18<0.35AL+0.01(d−26)<0.27、すなわち
44<35AL+d<53 とも表現できる。
本発明の実施例である光ディスク1を緑色半導体レーザーを用いたディスクシステムに適応した例について説明する。使用するλは532nm、対物レンズの開口数NAは0.75である。従って再生スポット径(λ/NA)は709nm(0.709μm)である。
0.05・532/1.60≦d≦0.1・532/1.60、
すなわち17nm≦d≦33nmであり、且つ
0.35≦(w/0.468)≦0.55、
すなわち0.16μm≦w≦0.26μmであり、且つ
0.18<0.14k+4.11・1.60(d−26)/532<0.27、
すなわち0.18<0.14k+0.012(d−26)<0.27である。
また各種層の厚みやその内部構成、外寸、構成材料は必要に応じ随時変更することが可能である。
2 支持体
3 記録層
4 樹脂層
5 ダミー支持体
7 透過層
9 4分割ディテクター
10 微細構造
11 グルーブ
12 ランド
13 アドレスピット
14 情報マーク
20 微細構造
21 グルーブ
22 ランド
23 アドレスピット
24 アドレス領域
Claims (1)
- 正弦波変調グルーブ及び前記正弦波変調グルーブ間に分散して配置された一定の長さを有するアドレスピットからなる微細構造を少なくとも有する支持体と、
前記微細構造上に形成された書き換え可能な相変化材料を少なくとも含む反射率18〜30%の記録層と、
前記記録層上に形成される接着性樹脂層とを少なくとも有し、
前記記録層の前記正弦波変調グルーブ上に、前記記録層の反射率よりも低くかつ読み取り可能な反射率を有する情報マークが変調記録される一方、前記変調記録された情報マークが、再生波長λを用いて、4分割ディテクターにより再生される光学的情報記録媒体であって、
前記4分割ディテクターは、前記光学的情報記録媒体の半径方向の直線と前記半径方向の直線に直交する接線方向の直線とで分割された4つの領域を有し、前記接線方向の直線で分割された前記光学的情報記録媒体の内周側の2つの領域から出力される第1の合成出力値と前記光学的情報記録媒体の外周側の2つの領域から出力される第2の合成出力値との差分出力値で観測される前記アドレスピットのピーク信号出力値を、前記4分割ディテクターの4つの領域から出力される全合成出力値で除したときに、0.18〜0.27の範囲となるように、前記支持体の屈折率、前記正弦波変調グルーブのトラックピッチ、前記正弦波変調グルーブ及び前記アドレスピットの深さ、前記正弦波変調グルーブの幅、前記アドレスピットの長さ、前記変調記録される情報マークの最短マーク長を定めると共に、
前記支持体の複屈折をダブルパスにて100nm以下としたことを特徴とする光学的情報記録媒体。
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