JP2009168765A - 磁気センサ素子および電子方位計 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気を安定して精度良く検出し、かつ消費電力の少ない磁気センサ素子を提供する。
【解決手段】磁気センサ素子1は、磁性コア材8の周囲に薄膜コイルが巻回された構成を備える。磁性コア材8は、1つの検出部8aと、2つの励磁部8bと、検出部8aと励磁部8bのそれぞれの両端をつなぐ磁気結合部8cとを備えて構成され、全体として8の字状の形状を有する。磁性コア材8の2つの励磁部8bには、それぞれ、薄膜コイルである励磁コイル4が巻回されて励磁部5を形成する。また、磁性コア材8の検出部8aには、薄膜コイルである検出コイル12が巻回されて、検出部13を形成する。
これにより、検出コイル12と励磁コイル4のそれぞれの巻数を多くすることができ、磁気を安定して精度良く検出し、かつ消費電力の少なくすることが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気センサ素子1は、磁性コア材8の周囲に薄膜コイルが巻回された構成を備える。磁性コア材8は、1つの検出部8aと、2つの励磁部8bと、検出部8aと励磁部8bのそれぞれの両端をつなぐ磁気結合部8cとを備えて構成され、全体として8の字状の形状を有する。磁性コア材8の2つの励磁部8bには、それぞれ、薄膜コイルである励磁コイル4が巻回されて励磁部5を形成する。また、磁性コア材8の検出部8aには、薄膜コイルである検出コイル12が巻回されて、検出部13を形成する。
これにより、検出コイル12と励磁コイル4のそれぞれの巻数を多くすることができ、磁気を安定して精度良く検出し、かつ消費電力の少なくすることが可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、小型の平行フラックスゲート型の磁気センサ素子と、その磁気センサ素子を搭載した電子方位計に関する。
従来から、複数の磁気センサ素子を配置して構成され、電気的に方位を検出可能な電子方位計が知られている。直交配置された複数の磁気センサ素子の出力から得られたデータを演算することで、基準に決めた方向からの角度、すなわち方位角を算出することができる。
この方位角から得られた方位は、アナログ、デジタルの電気信号として処理できるため、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)といった携帯情報端末や腕時計、カーナビゲーション装置、航空機の姿勢検出装置、視覚障害者向け機器、ゲーム機といった様々な電子機器への応用が期待されている。
この方位角から得られた方位は、アナログ、デジタルの電気信号として処理できるため、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)といった携帯情報端末や腕時計、カーナビゲーション装置、航空機の姿勢検出装置、視覚障害者向け機器、ゲーム機といった様々な電子機器への応用が期待されている。
また近年、GPS(Global Positioning System)等を利用した携帯情報端末向けの位置情報提供サービスが始まっている。このサービスによれば、利用者は現在の位置情報を端末の画面表示などにより知ることができる。この端末に電子方位計を組み合わせることで、位置情報に加えて、利用者がどの方位を向いているのか、歩行中であるならばどこに向かっているのかといった情報を知ることができる。
この位置情報と電子方位計とを用いたサービスは、利用者に有益な情報をもたらすものであり、今後多くの産業界に新しいビジネスを生み出すものと考えられる。
この位置情報と電子方位計とを用いたサービスは、利用者に有益な情報をもたらすものであり、今後多くの産業界に新しいビジネスを生み出すものと考えられる。
一方、上述した携帯情報端末は、小型薄型の傾向にあり、その中に搭載される電子デバイスとしては小型低背が求められている。ここで望まれる磁気センサ素子の幅は数mm程度であり、高さとしては、特に1.5mm以下が必須であり、好ましくは1.0mm以下のサイズが求められている。
この様な問題を解決するために、小型化が可能な平行フラックスゲート型の磁気センサ素子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図5は、特許文献1に記載の磁気センサ素子100の構成を示す平面図である。
磁気センサ素子100は、磁性コア材108の周囲に薄膜コイルが巻回された構成を備える。磁性コア材108は、感磁部108aと、感磁部108aの両端に配置された集磁部108bとからなる。薄膜コイルは、感磁部108aの磁化飽和を繰り返すための励磁コイル104と、磁化が反転する際のパルス出力を検出するための検出コイル112とからなる。励磁コイル104と検出コイル112とは、ともに磁性コア材108の感磁部108aに交互に巻回されている。
磁気センサ素子100は、磁性コア材108の周囲に薄膜コイルが巻回された構成を備える。磁性コア材108は、感磁部108aと、感磁部108aの両端に配置された集磁部108bとからなる。薄膜コイルは、感磁部108aの磁化飽和を繰り返すための励磁コイル104と、磁化が反転する際のパルス出力を検出するための検出コイル112とからなる。励磁コイル104と検出コイル112とは、ともに磁性コア材108の感磁部108aに交互に巻回されている。
この様な構成を備える平行フラックスゲート型の磁気センサ素子は、以下の検出原理により磁界に比例した出力を得る。
まず、磁性コア材に巻回した励磁コイルに三角波電流を印加する。三角波電流によって生じた三角波状の磁界により、励磁コイルの中の磁性コアはB−Hカーブに沿って、磁化飽和と反転とを繰り返す。この磁性コアの磁化の反転を、検出コイルによって電流のパルスとして検出する。
ここで、励磁コイルに印加する三角波電流の周波数が変わらなければ、外部磁界の大きさに応じて、検出コイルで検出するパルスのタイミングがシフトする。そのパルス発生の時間変化を検出回路で取り出すことで、外部磁界の大きさに応じた出力を得ることができる。
まず、磁性コア材に巻回した励磁コイルに三角波電流を印加する。三角波電流によって生じた三角波状の磁界により、励磁コイルの中の磁性コアはB−Hカーブに沿って、磁化飽和と反転とを繰り返す。この磁性コアの磁化の反転を、検出コイルによって電流のパルスとして検出する。
ここで、励磁コイルに印加する三角波電流の周波数が変わらなければ、外部磁界の大きさに応じて、検出コイルで検出するパルスのタイミングがシフトする。そのパルス発生の時間変化を検出回路で取り出すことで、外部磁界の大きさに応じた出力を得ることができる。
また、図示しないが、このような磁気センサ素子を、例えば、感磁部の方向が互いに直交する向きをなすように2個または3個配置することにより、電子方位計が構成される。
磁気センサ素子を同一平面内で一回転させたとき、磁気センサ素子の出力は正弦曲線を示す。直交する向きに配置された各磁気センサの出力は、互いに位相の異なる出力関係となり、この各磁気センサ素子の出力から方位角を算出することができる。
磁気センサ素子を同一平面内で一回転させたとき、磁気センサ素子の出力は正弦曲線を示す。直交する向きに配置された各磁気センサの出力は、互いに位相の異なる出力関係となり、この各磁気センサ素子の出力から方位角を算出することができる。
しかしながら、上述した従来の磁気センサ素子では、次のような問題がある。図5に示す従来の磁気センサ素子は、励磁コイルと検出コイルとが、磁性コア材の感磁部に交互に巻回される。このため、励磁コイルと検出コイルとが巻回された数(巻数)を多くすることができない。特に、小型化等のために磁性コア材の感磁部を短くした場合、励磁コイルと検出コイルのそれぞれの巻数が少なくなってしまう。
検出パルスの大きさは、検出コイルの巻数に比例する。このため、検出コイルの巻数が少なくなると、検出パルスが小さくなり、磁界を検出する精度が低減してしまう問題があった。また、磁性コア材に形成される磁束は、励磁コイルの巻数と励磁電流に比例する。このため、励磁コイルの巻数が少なくなるほど、励磁電流を増やさなければならず、消費電力が大きくなってしまう問題があった。
磁気センサの検出精度が低下することは、安定して磁界を測定できないことを意味しており、電子方位計を構成した場合には方位を正しく得ることができなくなる。また、消費電力が大きくなることは、当然電池寿命を短くすることを意味しており、いずれも携帯情報端末などに搭載する磁気センサ素子としては、好ましくない問題であった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、小型化しても磁気を安定して精度良く検出し、かつ消費電力の少ない磁気センサ素子と、その磁気センサを搭載した電子方位計とを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の磁気センサ素子および電子方位計は、下記に記載の構成を備えるものである。
本発明の磁気センサ素子は、磁性コア材に検出コイルを巻き回して形成された検出部と、磁性コア材に励磁コイルを巻き回して形成された励磁部と、を備えた磁気センサ素子において、検出部と励磁部とは、磁性コア材の異なる箇所に形成され、検出部と励磁部の少なくとも一方を複数備え、磁性コア材は、検出部と励磁部の両端を互いに結合する磁気結合部を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、励磁部を複数有することを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、励磁部を複数有する場合において、検出部は、2つの励磁部の間に位置することを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、検出部を複数有することを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、検出部を複数有する場合において、励磁部は、2つ
の検出部の間に位置することを特徴とするものである。
の検出部の間に位置することを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、励磁部内の磁性コア材は、所定の幅の間隙で分割されたことを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、磁気結合部は、検出部と励磁部の端部の近傍で、丸みを帯びて形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明の磁気センサ素子は、検出コイル及び励磁コイルは、薄膜コイルで形成されたことを特徴とするものである。
本発明の電子方位計は、上述した何れかの磁気センサ素子が、非磁性基台上に2個以上配設されてなることを特徴とするものである。
また、本発明の電子方位計は、非磁性基台上に3個の磁気センサが配設され、各磁気センサは、検出部の長手方向が互いに直交する向きをなし、3軸磁気センサを構成することを特徴とするものである。
本発明の磁気センサ素子では、検出コイルが巻回された検出部と、励磁コイルが巻回された励磁部とが、磁性コア材の異なる箇所に形成される。これにより、検出コイルと励磁コイルのそれぞれの巻数を多くすることが可能となる。よって本発明によれば、磁気を安定して精度良く検出でき、かつ消費電力の少ない磁気センサ素子と、その磁気センサを搭載した電子方位計とを提供することが可能となる。
[磁気センサ素子の説明]
本発明の磁気センサ素子は、基本的に、軟磁性体からなる磁性コア材と、薄膜コイルとによって構成され、その磁性コア材は、複数の励磁部または検出部を有する構成を採用したものである。その具体的な構成について、以下の各実施例にて詳細に説明をする。
<実施例1>
本発明の磁気センサ素子は、基本的に、軟磁性体からなる磁性コア材と、薄膜コイルとによって構成され、その磁性コア材は、複数の励磁部または検出部を有する構成を採用したものである。その具体的な構成について、以下の各実施例にて詳細に説明をする。
<実施例1>
まず、本発明の実施例1の磁気センサ素子について説明する。図1は、実施例1の磁気センサ素子1の構成を示す平面図である。実施例1の磁気センサ1は、後述するように、励磁部を2つ、検出部を1つ備えるものである。
磁気センサ素子1は、磁性コア材8の周囲に薄膜コイルが巻回された構成を備える。図1に示す様に、磁性コア材8は、1つの検出部8aと、2つの励磁部8bと、検出部8aと励磁部8bのそれぞれの両端を互いに結合する磁気結合部8cとを備えて構成され、全体として8の字状の形状を有する。磁気結合部8cは、検出部8aと励磁部8bのそれぞれの近傍で、検出部8aと励磁部8bに対して形状の変化が滑らかとなるように丸みを帯びて形成されている。
磁性コア材8の2つの励磁部8bには、それぞれ、薄膜コイルである励磁コイル4が巻回されて励磁部5を形成する。また、磁性コア材8の検出部8aには、薄膜コイルである検出コイル12が巻回されて、検出部13を形成する。図1に示す様に、検出部13は、2つの励磁部5の間に挟まれて位置する。また、磁性コア材8とそれぞれのコイルを電気的に絶縁する図示しない絶縁層が、磁性コア材8を覆う様に形成されている。
それぞれの薄膜コイルの両端には、外部回路と接続するための電極パッドが設けられて
いる。一方の励磁コイル4の両端には電極パッド15、15’が設けられ、他方の励磁コイル4の両端には電極パッド16、16’が設けられている。電極パッド15’と16’とを接続することで、2つの励磁コイル4は接続される。検出コイル12の両端には電極パッド17、18が設けられている。
いる。一方の励磁コイル4の両端には電極パッド15、15’が設けられ、他方の励磁コイル4の両端には電極パッド16、16’が設けられている。電極パッド15’と16’とを接続することで、2つの励磁コイル4は接続される。検出コイル12の両端には電極パッド17、18が設けられている。
上述した構成を備える磁気センサ素子1により、以下のように、外部磁界の大きさに応じた出力を得ることができる。
電極パッド15’と16’を接続し、電極パッド15と16より2つの励磁コイル4に三角波電流を印加する。これにより、2つの励磁コイル4により磁性コア材8の励磁部8bに磁界(磁束)が形成される。励磁部8bに形成された磁束は、磁気結合部8cを介して検出部8aに流れる。
電極パッド15’と16’を接続し、電極パッド15と16より2つの励磁コイル4に三角波電流を印加する。これにより、2つの励磁コイル4により磁性コア材8の励磁部8bに磁界(磁束)が形成される。励磁部8bに形成された磁束は、磁気結合部8cを介して検出部8aに流れる。
2つの励磁コイル4に流れる電流が正(電極パッド15から16に電流が流れる)の場合には、図1の実線の矢印の向きの磁束が磁性コア材8に流れる。また逆に、2つの励磁コイル4に流れる電流が負(電極パッド16から15に電流が流れる)の場合には、図1の破線の矢印の向きの磁束が磁性コア材8に流れる。
印加された三角波電流による三角波状の磁界により、磁性コア材8はB−Hカーブに沿って磁化飽和と反転を繰り返し、その磁化が反転する際に検出コイル12に誘導起電力による検出パルスが発生する。この検出パルスの時間変化を検出回路で取り出すことで、外部磁界の大きさに応じた出力を得ることができる。
ここで、各磁気結合部8cは、検出部8aに多くの磁束を流入させるために、外部の磁界を集める役割を有する。
印加された三角波電流による三角波状の磁界により、磁性コア材8はB−Hカーブに沿って磁化飽和と反転を繰り返し、その磁化が反転する際に検出コイル12に誘導起電力による検出パルスが発生する。この検出パルスの時間変化を検出回路で取り出すことで、外部磁界の大きさに応じた出力を得ることができる。
ここで、各磁気結合部8cは、検出部8aに多くの磁束を流入させるために、外部の磁界を集める役割を有する。
磁気センサ素子1では、検出コイル12が巻回された検出部13と、励磁コイル4が巻回された励磁部5とが、磁性コア材8の異なる箇所に形成される。これにより、検出コイル12と励磁コイル4とを磁性コア材8の同一の箇所に交互に巻回す従来技術と比較して、検出コイル12と励磁コイル4のそれぞれの巻数を多くすることが可能となる。
例えば、図1に示す実施例1の検出部8a及び励磁部8bと、図5に示す従来技術の感磁部108aとを同じ長さであるとした場合、実施例1では、従来技術と比較して、検出コイル12の巻数を2倍、励磁コイル4の巻数を4倍とすることが可能となる。
例えば、図1に示す実施例1の検出部8a及び励磁部8bと、図5に示す従来技術の感磁部108aとを同じ長さであるとした場合、実施例1では、従来技術と比較して、検出コイル12の巻数を2倍、励磁コイル4の巻数を4倍とすることが可能となる。
前述したように、検出コイル12で検出する検出パルスの大きさは、検出コイル12の巻数に比例する。このため、本発明の磁気センサ素子1では、検出コイル12の巻数を多くすることにより検出パルスが大きくなり、磁界検出の精度を向上させることが可能となる。
また、磁性コア材8に形成される磁束は、励磁コイル4の巻数と励磁電流に比例する。このため、本発明の磁気センサ素子では、励磁コイル4の巻数を多くすることにより、励磁電流を減らして消費電力を少なくすることが可能となる。
また、磁性コア材8に形成される磁束は、励磁コイル4の巻数と励磁電流に比例する。このため、本発明の磁気センサ素子では、励磁コイル4の巻数を多くすることにより、励磁電流を減らして消費電力を少なくすることが可能となる。
実施例1の磁気センサ素子1は、1つの検出部13に対して2つの励磁部5を備える。これにより、励磁部5の励磁コイル4の巻数をより多くすることができ、励磁電流を減らして消費電力をより少なくすることが可能となる。
また、本発明の磁気センサ素子1では、磁性コア材8の検出部8aと励磁部8bのそれぞれの両端が、磁性コア材8の磁気結合部8cで結合される。これにより、検出部13と励磁部5との間に磁性コア材8によるループが形成され、反磁界の影響を抑えて磁束の流れを滑らかにすることが可能となる。また本発明の磁気センサ素子1では、検出部13と励磁部5のそれぞれの近傍で、磁気結合部8cが丸みを帯びて形成されている。これにより、検出部13及び励磁部5と、磁気結合部8cとの間の磁束の流れを、更に滑らかにすることが可能となる。
さらに、図1に示す実施例1の磁気センサ素子1では、検出部13が、2つの励磁部5の間に位置している。これにより、2つの励磁部5により磁性コア材8に形成された磁束を、検出部13へ効率良く流すことが可能となる。
また、図1に示す実施例1の磁気センサ素子1では、検出部13と励磁部5とが略同じ長さを有し、並んで配置されている。すなわち、検出部13が該検出部13の長手方向と略直交する向きに移動することにより形成される領域内に、励磁部5が位置する。これにより、検出部13の長手方向のサイズの大型化を伴わずに検出コイル12と励磁コイル4の巻数を多くし、磁界検出の精度を向上させるとともに消費電力を少なくすることが可能となる。
また、図1に示す実施例1の磁気センサ素子1では、検出部13と励磁部5とが略同じ長さを有し、並んで配置されている。すなわち、検出部13が該検出部13の長手方向と略直交する向きに移動することにより形成される領域内に、励磁部5が位置する。これにより、検出部13の長手方向のサイズの大型化を伴わずに検出コイル12と励磁コイル4の巻数を多くし、磁界検出の精度を向上させるとともに消費電力を少なくすることが可能となる。
また、磁気センサ素子1では、検出コイル12と励磁コイル4とが、磁性コア材8の異なる箇所に形成されることにより、検出コイル12と励磁コイル4とを磁性コア材8の同一の箇所に交互に巻回す従来技術と比較して、検出コイル12と励磁コイル4とのショートを防ぐことが可能となる。
以下において、本発明の他の実施形態である実施例2と実施例3の磁気センサ素子について、図面を用いて説明する。以下の説明において、すでに説明した同一の構成には同一の符号を付与しており、その説明は一部省略する。実施例2と実施例3の磁気センサ素子は、実施例1と同様に、磁性コア材8に検出コイル12と励磁コイル4とが巻回され、検出部13と励磁部5がそれぞれ形成された構成を備える。
<実施例2>
<実施例2>
図2は、実施例2の磁気センサ素子2の構成を示す平面図である。実施例2の磁気センサ2は、1つの励磁部5に対して、2つの検出部13を備えるものである。
磁気センサ素子2の磁性コア材8は、1つの励磁部8bと、2つの検出部8aと、検出部8aと励磁部8bのそれぞれの両端をつなぐ磁気結合部8cとを備えて構成され、全体として8の字状の形状を有する。
磁性コア材8の2つの検出部8aには、薄膜コイルである検出コイル12が巻回されて検出部13が形成され、励磁部8bには、薄膜コイルである励磁コイル4が巻回されて励磁部5が形成される。励磁部5は、2つの検出部13の間に挟まれて位置する。
磁気センサ素子2の磁性コア材8は、1つの励磁部8bと、2つの検出部8aと、検出部8aと励磁部8bのそれぞれの両端をつなぐ磁気結合部8cとを備えて構成され、全体として8の字状の形状を有する。
磁性コア材8の2つの検出部8aには、薄膜コイルである検出コイル12が巻回されて検出部13が形成され、励磁部8bには、薄膜コイルである励磁コイル4が巻回されて励磁部5が形成される。励磁部5は、2つの検出部13の間に挟まれて位置する。
実施例1と同様に、励磁コイル4に三角波電流を印加して、図2の実線および破線の矢印で示す向きに、磁性コア材8に磁束を形成する。この磁束により、磁性コア材8はB−Hカーブに沿って磁化飽和と反転を繰り返し、その磁化が反転する際に検出コイル12に誘導起電力による検出パルスが発生する。この検出パルスの時間変化を検出回路で取り出すことで、外部磁界の大きさに応じた出力を得ることができる。
実施例2の磁気センサ素子2においても、実施例1と同様に、検出コイルが巻回された検出部と励磁コイルが巻回された励磁部とが、磁性コア材の異なる箇所に形成されることにより、検出コイルと励磁コイルのそれぞれの巻数を多くすることが可能となる。
例えば、図2に示す実施例2の検出部及び励磁部と、図5に示す従来技術の感磁部とを同じ長さであるとした場合、実施例2では、従来技術と比較して、励磁コイルの巻数を2倍、検出コイルの巻数を4倍とすることが可能となる。
例えば、図2に示す実施例2の検出部及び励磁部と、図5に示す従来技術の感磁部とを同じ長さであるとした場合、実施例2では、従来技術と比較して、励磁コイルの巻数を2倍、検出コイルの巻数を4倍とすることが可能となる。
よって実施例2の磁気センサ素子においても、磁気を安定して精度良く検出し、かつ消費電力を少なくすることが可能となる。
また、図2に示す実施例2の磁気センサ素子では、励磁部が、2つの検出部の間に位置している。これにより、励磁部により磁性コア材に形成された磁束を、2つの検出部へ効率良く流すことが可能となる。
また、図2に示す実施例2の磁気センサ素子では、励磁部が、2つの検出部の間に位置している。これにより、励磁部により磁性コア材に形成された磁束を、2つの検出部へ効率良く流すことが可能となる。
実施例2の磁気センサ素子は、1つの励磁部5に対して2つの検出部13を備える。これにより、検出部13の検出コイル12の巻数をより多くすることができ、検出コイル12の検出パルスを大きくし、磁界検出の精度をより向上させることが可能となる。
上述した説明では、実施例1は2つの励磁部5と1つの検出部13を備えるとし、実施例2は2つの検出部13と1つの励磁部5を備えるとした。しかし本発明の励磁部5および検出部13の数は、これらに限定されるものではない。例えば、磁気センサ素子に要求される磁界の検出感度、消費電力などに応じて、励磁部5および検出部13の両方を複数備えるとしても良い。
<実施例3>
<実施例3>
次に、本発明の実施例3の磁気センサ素子について説明する。図3は、実施例3の磁気センサ素子3の構成を示す平面図である。図3に示すように、実施例3の磁気センサ素子3は、励磁部5内で、磁気コア材8の励磁部8bが所定の間隔で分割された分割部8dを備える。これにより、実施例3の磁気センサ素子3は、前述した各実施例の効果に加えて以下の効果を有する。
分割部8dを設けることにより、磁性コア材8において、検出部8aより励磁部8bの磁気抵抗が高くなる。すなわち、励磁部8bより検出部8aの方が、磁束がより流れやすくなる。これにより、検出対象である外部からの磁界を、検出部13により多く集磁することができ、磁界の検出感度を高めることが可能となる。
分割部8dを設けることにより、磁性コア材8において、検出部8aより励磁部8bの磁気抵抗が高くなる。すなわち、励磁部8bより検出部8aの方が、磁束がより流れやすくなる。これにより、検出対象である外部からの磁界を、検出部13により多く集磁することができ、磁界の検出感度を高めることが可能となる。
図3においては、2つの励磁部5と1つの検出部13とを備える磁気センサ素子3の例を示した。しかし、本発明の励磁部5および検出部13の数は、これに限定されるものではなく、例えば、図2に示す、1つの励磁部5と2つの検出部13とを備える磁気センサ素子に対しても適用可能である。励磁部5および検出部13の数が幾つであっても、磁性コア材8の励磁部8bに分割部8dを設けることにより、外部からの磁界を検出部13により多く集磁し、磁界の検出感度を高めることが可能となる。
[電子方位計の説明]
次に本発明の電子方位計について図面を用いて説明する。図4は、上述した本発明の磁気センサ素子を3個用い、非磁性基台20上に実装して配置した電子方位計19の構成を示す斜視図である。
次に本発明の電子方位計について図面を用いて説明する。図4は、上述した本発明の磁気センサ素子を3個用い、非磁性基台20上に実装して配置した電子方位計19の構成を示す斜視図である。
図4に示すように、この電子方位計19は、非磁性基台20上に、本発明の磁気センサ素子と同じ構成の3個の磁気センサ素子であるX軸磁気センサ素子22、Y軸磁気センサ素子24、およびZ軸磁気センサ素子26と、これらの各磁気センサ素子を駆動するための図示しない磁気センサ用ICを実装配置して構成される。
X軸磁気センサ素子22、Y軸磁気センサ素子24、およびZ軸磁気センサ素子26は、それぞれ検出部の長手方向がX軸、Y軸、Z軸に沿って互いに直交するように配置されて、3軸磁気センサを構成している。
これらの各磁気センサ素子22、24、26の励磁用コイルに励磁電流を流した時に、検出用コイルから出力される検出信号に基づいて、磁気センサ用ICによって方位角を演算することができる。
X軸磁気センサ素子22、Y軸磁気センサ素子24、およびZ軸磁気センサ素子26は、それぞれ検出部の長手方向がX軸、Y軸、Z軸に沿って互いに直交するように配置されて、3軸磁気センサを構成している。
これらの各磁気センサ素子22、24、26の励磁用コイルに励磁電流を流した時に、検出用コイルから出力される検出信号に基づいて、磁気センサ用ICによって方位角を演算することができる。
そして、各磁気センサ素子22、24、26を保護するために封止樹脂28を被せ、さらに、これらの磁気センサ素子を載置した非磁性基台20に、磁気センサ用ICを駆動するための電源端子、各磁気センサ素子の検出信号に基づいて演算した方位角のデータ(信号)を出力するための出力端子などを設けて、電子方位計19のパッケージを構成する。
このように、本発明による磁気センサ素子を3個搭載して3軸磁気センサの電子方位計を構成することにより、3軸磁気センサの電子方位計を小型化し且つ高さを低くすることができ、携帯情報端末へ搭載することが可能になる。
なお、本発明による磁気センサ素子を、2個互いに直交する方向に非磁性基台上に配設して、2軸磁気センサによる電子方位計を構成することもできる。あるいは、本発明による磁気センサ素子を、非磁性基台上に4個以上搭載して、より高精度の電子方位計を構成することもできる。
なお、本発明による磁気センサ素子を、2個互いに直交する方向に非磁性基台上に配設して、2軸磁気センサによる電子方位計を構成することもできる。あるいは、本発明による磁気センサ素子を、非磁性基台上に4個以上搭載して、より高精度の電子方位計を構成することもできる。
1−3 磁気センサ素子
4 励磁コイル
5 励磁部
8 磁性コア材
8a 検出部
8b 励磁部
8c 磁気結合部
8d 分割部
12 検出コイル
13 検出部
15−18 電極パッド
19 電子方位計
20 非磁性基台
22 X軸磁気センサ
24 Y軸磁気センサ
26 Z軸磁気センサ
28 封止樹脂
4 励磁コイル
5 励磁部
8 磁性コア材
8a 検出部
8b 励磁部
8c 磁気結合部
8d 分割部
12 検出コイル
13 検出部
15−18 電極パッド
19 電子方位計
20 非磁性基台
22 X軸磁気センサ
24 Y軸磁気センサ
26 Z軸磁気センサ
28 封止樹脂
Claims (10)
- 磁性コア材に検出コイルを巻き回して形成された検出部と、前記磁性コア材に励磁コイルを巻き回して形成された励磁部と、を備えた磁気センサ素子において、
前記検出部と前記励磁部とは、前記磁性コア材の異なる箇所に形成され、
前記検出部と前記励磁部の少なくとも一方を複数備え、
前記磁性コア材は、前記検出部と前記励磁部の両端を互いに結合する磁気結合部を備えた
ことを特徴とする磁気センサ素子。 - 前記励磁部を複数有する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ素子。 - 前記検出部は、2つの前記励磁部の間に位置する
ことを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ素子。 - 前記検出部を複数有する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ素子。 - 前記励磁部は、2つの前記検出部の間に位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の磁気センサ素子。 - 前記励磁部内の前記磁性コア材は、所定の幅の間隙で分割された
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気センサ素子。 - 前記磁気結合部は、前記検出部と前記励磁部の端部の近傍で、丸みを帯びて形成された
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の磁気センサ素子。 - 前記検出コイル及び前記励磁コイルは、薄膜コイルで形成された
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の磁気センサ素子。 - 請求項1から8の何れか1項に記載の磁気センサ素子が、非磁性基台上に2個以上配設されてなる
ことを特徴とする電子方位計。 - 前記非磁性基台上に3個の前記磁気センサが配設され、
前記各磁気センサは、前記検出部の長手方向が互いに直交する向きをなし、3軸磁気センサを構成する
ことを特徴とする請求項9に記載の電子方位計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008010086A JP2009168765A (ja) | 2008-01-21 | 2008-01-21 | 磁気センサ素子および電子方位計 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=40970084
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009168765A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2011155527A1 (ja) * | 2010-06-09 | 2013-08-01 | 株式会社フジクラ | フラックスゲートセンサおよびそれを利用した電子方位計ならびに電流計 |
WO2013141124A1 (ja) * | 2012-03-23 | 2013-09-26 | 日立金属株式会社 | 磁気センサデバイス |
-
2008
- 2008-01-21 JP JP2008010086A patent/JP2009168765A/ja active Pending
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US9678177B2 (en) | 2012-03-23 | 2017-06-13 | Hitachi Metals, Ltd. | Magnetic sensor device for suppressing magnetic saturation |
US9891293B2 (en) | 2012-03-23 | 2018-02-13 | Hitachi Metals, Ltd. | Magnetic sensor device preventing concentration of magnetic fluxes to a magnetic sensing element |
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