JP2009168350A - アルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】扁平チューブとヘッダ管とのろう付け接合に際し、過剰ろうが回り込んでチューブに穴詰まりが生じるのを効果的に防止する。
【解決手段】アルミニウム製熱交換器に関し、冷媒を通じる扁平チューブの端末部を冷媒の折り返し供給の通路を形成するヘッダ管の取付穴に挿入してろう付が行われる接合構造において、前記扁平チューブ端末部の少なくとも幅方向両端部の外周面と前記ヘッダ管の成形加工された管内壁との間に、0.05mm以上2mm以下の隙間を確保する。ろう付け時にろうが回り込みやすい扁平チューブの幅方向両端部で内側へのろうの流れを上記隙間で抑制でき、過剰なろうによって扁平チューブの冷媒通路穴を詰まらせることなく、小型高性能の熱交換器を得ることを可能にする。
【選択図】図2
【解決手段】アルミニウム製熱交換器に関し、冷媒を通じる扁平チューブの端末部を冷媒の折り返し供給の通路を形成するヘッダ管の取付穴に挿入してろう付が行われる接合構造において、前記扁平チューブ端末部の少なくとも幅方向両端部の外周面と前記ヘッダ管の成形加工された管内壁との間に、0.05mm以上2mm以下の隙間を確保する。ろう付け時にろうが回り込みやすい扁平チューブの幅方向両端部で内側へのろうの流れを上記隙間で抑制でき、過剰なろうによって扁平チューブの冷媒通路穴を詰まらせることなく、小型高性能の熱交換器を得ることを可能にする。
【選択図】図2
Description
この発明は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金をろう付して組立製造されるアルミニウム製熱交換器における、冷媒を通じるチューブの端末部と冷媒の折り返し供給の通路を形成するヘッダ管との接合構造に関するものである。
自動車に用いられるアルミニウム製熱交換器は主にろう付にて組立てられる。断面を波型にコルゲート加工されたフィン材と冷媒を通じるチューブ材とを組付け、一方さらに、冷媒を通じるチューブ材に関しては、その中を通過した冷媒を折り返して別の段にあるチューブに供給するためのタンクを形成するヘッダ管との間で、チューブ端末をヘッダ管の取付穴に差し込んで組付けてジグで固定する。その後、露点・酸素濃度など所定の環境が整ったろう付炉にて、ろう付温度まで加熱処理して熱交換器を組立てる(例えば特許文献1参照)。
熱交換器のチューブ/ヘッダ管の継ぎ手部の構造は、上記のように、ヘッダ管の側面に細長いスロット穴を開けてそこにチューブを差し込む形式が多い。ヘッダ管構造は、ブレージングシートを管形状に成形した形式や、押出形材をそのまま使う形式などである。熱交換器としては、この差し込んだチューブとヘッダ管の間にろうによるフィレットを形成して、チューブ/ヘッダ管を強固に固定し且つ冷媒の漏れがない継ぎ手を得なければならない。ヘッダ管の中にはブレージングシートを円周方向で長手方向に沿って継ぎ合わせて管をなす形式があり、この長い継ぎ手のためにヘッダ管内側に多量のろうクラッド層を有する場合もある。
特開2003−200260号公報
しかし、上記の継ぎ手を形成するためのろうは、場合によっては過剰に流動し、ヘッダ管内部に少し突き出たチューブの端末部に到達して冷媒を通じるための穴を詰まらせることもある。
フィン、チューブ及びヘッダ管とで組み立てられたアルミニウム合金製熱交換器は、その要求性能との整合性を確認するため、一部の製品を抽出して内部に冷媒を充填し、所定の装置にセットして熱交換性能を測定する。しかし、上記のようにチューブとヘッダ管の継ぎ手の部分で過剰なろうがチューブの穴を詰まらせたものでは、冷媒の流れが損なわれて所定の熱交換性能を得られないことがある。
上記、特許文献1では、扁平チューブの管端のろう材層をはがし、この管端をヘッダ管の取付穴に挿入するとともに、剥がしたろう材をチューブとヘッダ管との接合構造近傍に存在させた状態でろう付することで、上記ろうの流れ込みを防止する手段が講じられている。しかし、この方法では、ろう材層を適切に剥がすことと、剥がしたろう材を接合構造近傍に存在させることが必要になり、作業に困難性を伴うという問題がある。
このため、一般には、前記穴の詰まりを予め見込んだ過大な寸法の熱交換器の設計を余儀なくされるのが常である。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、扁平チューブとヘッダ管とのろう付接合に際し、ろうによるチューブの穴詰まりが効果的に防止される、アルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のチューブ冷媒通路穴のろうによる詰まりを防止し、チューブ端末とヘッダ管との位置寸法及びその形状に関して鋭意思考・調査研究を行なった。また、粉末ろうとろう付フラックスをバインダでアルミニウム材表面に塗膜化して、従来のブレージングシート(ろうクラッド材)を用いずに熱交換器を製造するろう付プロセスの開発が近年進んでいるが、それに適用して優れた上記効果を得られる手法も鋭意研究を重ねた。その鋭意研究を経て、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造のうち、第1の本発明は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金をろう付して組立製造されるアルミニウム製熱交換器に関し、冷媒を通じる扁平チューブの端末部を冷媒の折り返し供給の通路を形成するヘッダ管の取付穴に挿入してろう付が行われる接合構造において、前記扁平チューブ端末部の少なくとも幅方向両端部の外周面と前記ヘッダ管の成形加工された管内壁との間に、0.05mm以上2mm以下の隙間を確保することを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造は、前記第1の本発明において、前記扁平チューブの幅方向両端部と成形加工された管内壁との隙間は、該扁平チューブの幅方向の内側に向けて凹部形状を付与することにより確保されていることを特徴とする。
該凹部形状は、例えば前記幅方向両端部の外周面の一部に変形あるいは切削除去を行うことで付与することができる。
該凹部形状は、例えば前記幅方向両端部の外周面の一部に変形あるいは切削除去を行うことで付与することができる。
第3の本発明のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造は、前記第1または第2の本発明において、前記チューブ表面の一部あるいは全てに、ろうを形成するSi粉末及びろう付用フッ化物系フラックスをアクリル系バインダで塗料化した塗料による塗膜が形成されていることを特徴とする。
第4の本発明のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記ヘッダ管が、Al−Si系ろう合金をヘッダ管の外側にのみ貼り合せたブレージングシートで構成されていることを特徴とする。
第5の本発明のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記ヘッダ管は、ヘッダ管の接合に用いるろう材として、粉末のSiあるいはAl−Siろうを含むろう付用塗膜が外側にのみ塗布されていることを特徴とする。
本発明では、扁平チューブの穴詰まりは、扁平チューブの幅方向両端部へのろうの周り込みが大きく影響しているという知見に基づいてなされたものであり、扁平チューブの幅方向両端部の外周面と、ヘッダ管の成形加工された管内壁との隙間に着目し、これを適正な値に設定することで、扁平チューブの穴のろう詰まりを阻止しようとするものである。
(1)チューブ端末部の幅方向両端部外周面とヘッダ管の成形加工された管内壁との隙間
上記隙間が0.05mm未満であると、ろうがチューブ端末とヘッダ管との間にブリッジを形成しヘッダ管内にある過剰なろうが容易にチューブ端末の穴に流れ込んで穴を詰まらせる。一方、2mm超えると、ろうの流れ込みは防止できるが、ヘッダ管内の空間確保が困難となり必要以上にヘッダ管を大きくせねばならず、実用に供することができない。また、変形や切削除去によって凹部形状を付与して隙間を得る場合、加工量が大きくなってヘッダ管へのチューブ挿入性を阻害したり、加工によって潰される穴の数が多くなり却って熱交換性能を低下させる。このため、上記隙間を0.05〜2mmに限定している。なお、本発明は、チューブ端末部の幅方向両端部外周面とヘッダ管の成形加工された管内壁との間に隙間が確保されていることが必要であり、チューブ端末部の平面部とヘッダ管の成形加工された管内壁との間に隙間を有し、上記幅方向両端部外周面とヘッダ管の成形加工された管内壁との間には適正な隙間が確保されていないものでは、上記効果を得ることはできない。
上記隙間が0.05mm未満であると、ろうがチューブ端末とヘッダ管との間にブリッジを形成しヘッダ管内にある過剰なろうが容易にチューブ端末の穴に流れ込んで穴を詰まらせる。一方、2mm超えると、ろうの流れ込みは防止できるが、ヘッダ管内の空間確保が困難となり必要以上にヘッダ管を大きくせねばならず、実用に供することができない。また、変形や切削除去によって凹部形状を付与して隙間を得る場合、加工量が大きくなってヘッダ管へのチューブ挿入性を阻害したり、加工によって潰される穴の数が多くなり却って熱交換性能を低下させる。このため、上記隙間を0.05〜2mmに限定している。なお、本発明は、チューブ端末部の幅方向両端部外周面とヘッダ管の成形加工された管内壁との間に隙間が確保されていることが必要であり、チューブ端末部の平面部とヘッダ管の成形加工された管内壁との間に隙間を有し、上記幅方向両端部外周面とヘッダ管の成形加工された管内壁との間には適正な隙間が確保されていないものでは、上記効果を得ることはできない。
(2)上記ろう詰まり防止は、粉末ろう+フラックス塗布ろう付プロセスにおいて、より顕著にその効果を発揮できることを示している
(3)クラッド材(ブレージングシート)をヘッダ管に用いる場合、ヘッダ管内側のろうを排除し、外側のろうだけでろう付することで、チューブ端末へのろう流れ込みを防止できる。内側にろうが貼り合わせてあると、過剰なろうがチューブ端末へ流れてチューブの穴詰まりを招く。
(4)ヘッダ管の表面に粉末ろう+フラックス塗布ろう付する場合、その塗料をヘッダ管外側にのみ塗布して、ヘッダ管内側への過剰なろうの流れを抑制できる。内側にろう塗料が塗ってあると、過剰なろうがチューブ端末へ流れ、チューブの穴詰まりを招く。
以上説明したように、本発明のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造によれば、アルミニウムあるいはアルミニウム合金をろう付して組立製造されるアルミニウム製熱交換器に関し、冷媒を通じる扁平チューブの端末部を冷媒の折り返し供給の通路を形成するヘッダ管の取付穴に挿入してろう付が行われる接合構造において、前記扁平チューブ端末部の少なくとも幅方向両端部の外周面と前記ヘッダ管の成形加工された管内壁との間に、0.05mm以上2mm以下の隙間を確保するので、ろう付時にろうが回り込みやすい扁平チューブの幅方向両端部で内側へのろうの流れを抑制でき、よって、過剰なろうによって扁平チューブの冷媒通路穴を詰まらせることなく、ひいては小型高性能の熱交換器を得ることが可能になる。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を図1、2に基づいて説明する。
アルミニウムまたはアルミニウム合金製からなる扁平チューブ2は、幅方向において複数の冷媒通路穴3…3が並列されいる。ヘッダ管5は断面略半円状のアルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材を組み合わせて筒状に接合して構成されており、筒面には前記扁平チューブ2が多段に挿入される取付穴6が多段に形成されている。このとき、成形加工された管の内壁5aと扁平チューブ2の幅方向端部との間には図1、2に示すように、扁平チューブ2の外形形状に対し、0.05〜2mmの隙間G1が確保される形状に形成されている。また、ヘッダ管5に取り付けられた扁平チューブ2…2間に配置されて扁平チューブ2に接合されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製からなるフィン7は、波形に形成されている。
以下に、本発明の一実施形態を図1、2に基づいて説明する。
アルミニウムまたはアルミニウム合金製からなる扁平チューブ2は、幅方向において複数の冷媒通路穴3…3が並列されいる。ヘッダ管5は断面略半円状のアルミニウムまたはアルミニウム合金製の部材を組み合わせて筒状に接合して構成されており、筒面には前記扁平チューブ2が多段に挿入される取付穴6が多段に形成されている。このとき、成形加工された管の内壁5aと扁平チューブ2の幅方向端部との間には図1、2に示すように、扁平チューブ2の外形形状に対し、0.05〜2mmの隙間G1が確保される形状に形成されている。また、ヘッダ管5に取り付けられた扁平チューブ2…2間に配置されて扁平チューブ2に接合されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製からなるフィン7は、波形に形成されている。
上記各部材の組み合わせに際しては、前記扁平チューブ2の表面に、ろうを形成するSi粉末及びろう付用フッ化物系フラックスをアクリル系バインダで塗料化した塗料による塗膜を形成する。該塗料の成分比、塗膜厚さ等は本発明としては特に限定をされるものではなく、適宜選定することができる。また、ヘッダ管5は、Al−Si系ろう合金を外側にのみ貼り合せたブレージングシートで構成するか、粉末のSiあるいはAl−Siろうを含むろう付用塗膜を外側にのみ塗布しておく。
上記ヘッダ管5の各取付穴6にそれぞれ前記扁平チューブ2を挿入し、扁平チューブ2、2間にはフィン7を配置する。この組み立て体には、扁平チューブ2の幅方向両端部を外側から抑える抑え片11、11を有し、これら抑え片11、11の一端部が連結片12で連結された抑え治具10によって固定する。また、抑え治具10は、扁平チューブ2の長手方向に沿って前記ヘッダ管5の外側面に当接する位置決め片12を有している。この抑え治具10を、扁平チューブ2の長手方向における所定位置に固定することで、位置決め片12によって多数の扁平チューブ2がヘッダ管5に対し適正位置に位置決めされる。これによりヘッダ管5と扁平チューブ2とを隙間の存在に拘わらず、扁平チューブ2とヘッダ管5とを適正な位置関係に置くことができる。
上記組み立て体をろう付加熱すると、扁平チューブ2とヘッダ管5とは、扁平チューブ2表面に設けた塗膜とヘッダ管5に設けたろう材層または塗膜によってろうが生成され、該ろうによって扁平チューブ2の端末部とヘッダ管5の取付穴6周辺との間に適度なフィレットが形成されて隙間が残ることなく両者が良好に接合され、扁平チューブ2とフィン7も上記塗膜によるろうによって良好に接続される。上記ろう付では、扁平チューブ2の外周面とヘッダ管5の成形加工された管の内壁5aとの間に適度な大きさで隙間が形成されているので、内側にろうが回り込んで扁平チューブ2の冷媒通路穴3を塞ぐことはなく、また、上記隙間は確実にろうで塞がれる。
(実施形態2)
上記実施形態では、扁平チューブの外周形状よりもヘッダ管の成形加工された管の内壁5aのサイズを大きくすることで、両者間に隙間を確保している。しかし、このような隙間を有すると、上記した位置決め機能を有する抑え治具の使用などが必要になり、作業負担が増大する。この実施形態は、この作業負担の増大を回避するためのものである。
この実施形態2を図3に基づいて説明する。
上記実施形態では、扁平チューブの外周形状よりもヘッダ管の成形加工された管の内壁5aのサイズを大きくすることで、両者間に隙間を確保している。しかし、このような隙間を有すると、上記した位置決め機能を有する抑え治具の使用などが必要になり、作業負担が増大する。この実施形態は、この作業負担の増大を回避するためのものである。
この実施形態2を図3に基づいて説明する。
アルミニウムまたはアルミニウム合金製からなる扁平チューブ20は、上記実施形態と同様に幅方向において複数の冷媒通路穴3…3が並列されており、幅方向両端部の外周面21の一部に幅方向内側に向けた凹部21aがG2の深さ、G4の長さで形成されている。該凹部21aは、変形や切削除去に形状付与することができる。ヘッダ管5に設けられた取付穴6は扁平チューブ20の外形形状に略沿った形状に形成されている。
図3(b)は、扁平チューブ20をヘッダ管5に挿入した状態を示すものである。両者は、扁平チューブ20の外形形状に合わせたヘッダ管5の取付穴6が形成されているので、扁平チューブ20はヘッダ管5に対し、一定した位置に取り付けられる。また、扁平チューブ20の幅方向両端部に設けられた凹部21aは、成形加工された管の内壁5aとの間に0.05〜2mmの大きさの隙間G3を形成する。この隙間G3は、ろう付に際しに、過剰なろうが内側に回り込んで扁平チューブ20の冷媒通路穴3を塞ぐのを防止する。また、この間に、扁平チューブ20は、その外形形状と取付穴6との係止によって間隔G3が決定されており、位置決めのための治具を用いる必要はない。
(実施形態3)
また、扁平チューブの位置決めは、ヘッダ管側に位置決め機構を設けることで行うことも可能になる。この実施形態を図4に基づいて説明する。
ヘッダ管50は、扁平チューブ2の取付穴51の周囲に外側に伸張する抑え片52、52を有している。取付穴51は、扁平チューブ2の幅方向両端部と0.05〜2mmの隙間G3が形成される大きさで形成されており、抑え片52は、この隙間を維持して外側に伸張している。抑え片52の先端側は、内側に回り込み、好ましくは該抑え片52の厚さ以上の幅で扁平チューブ2の幅方向両端部に当接する形状とされている。
また、扁平チューブの位置決めは、ヘッダ管側に位置決め機構を設けることで行うことも可能になる。この実施形態を図4に基づいて説明する。
ヘッダ管50は、扁平チューブ2の取付穴51の周囲に外側に伸張する抑え片52、52を有している。取付穴51は、扁平チューブ2の幅方向両端部と0.05〜2mmの隙間G3が形成される大きさで形成されており、抑え片52は、この隙間を維持して外側に伸張している。抑え片52の先端側は、内側に回り込み、好ましくは該抑え片52の厚さ以上の幅で扁平チューブ2の幅方向両端部に当接する形状とされている。
上記抑え片52によって、扁平チューブ2を取付穴51に挿入する際に、扁平チューブ2がその端部からG4の位置にある両側部段差で係止されることで、長手方向での位置決めがなされるとともに幅方向両端部の外周面と取付穴51との間に適正な隙間G3が確保される。これをろう付する際には、上記隙間G3によって、過剰なろうの回り込みが防止されて扁平チューブ2の冷媒通路穴3が塞がれるのを防止する。
なお、上記実施形態1〜3の説明では、それぞれ扁平チューブの位置決めを行う機構を異なるものとして説明したが、これらを組み合わせるものも当然に本発明に含まれるものである。
なお、上記実施形態1〜3の説明では、それぞれ扁平チューブの位置決めを行う機構を異なるものとして説明したが、これらを組み合わせるものも当然に本発明に含まれるものである。
上記実施形態1、2に示すヘッダ管と扁平チューブ(穴数16)を用意し、幅16mmの扁平チューブの表面にSi粉末とろう付フラックス、バインダ、溶剤を混合した塗膜(Si粉末換算で塗布量3g/m2)を塗布し、ヘッダ管には事前に外側のみろう(Al−Si合金)材を貼り合せた材料を適用した。ヘッダ管の取り付け穴に扁平チューブを挿入することで両者を組み立てた。なお、扁平チューブの幅方向端部の外周面と前記ヘッダ管の成形加工された管内壁との隙間(実施形態に示す隙間G1、G3)が異なる試験材をそれぞれ用意した。組み立て体を、ろう付温度に加熱し、ヘッダ管にろう付された扁平チューブの穴塞がりをろう付後製品のヘッダを縦に切断し、切断断面の穴を視認により確認した。その結果を表1に示した。
表に示すように、本発明の範囲内の隙間を設定したものでは、穴塞がりが殆ど生じなかったが、隙間が過小であると、扁平チューブの全穴数のうち、両側にある穴で10%を超える塞がりが認められた。穴塞がり率が大きくなると、熱交換器性能は大きく低下する。一方、十分な隙間が確保されれば、穴塞がりは発生しない。ただし、隙間が2mmを超えて過大になると、ヘッダ管全体(熱交換器)の寸法を大きくする必要がある。ヘッダ管全体(熱交換器)の寸法を元のまま維持しようとすると、扁平チューブの穴の位置を幅方向の中央寄りに集めて配置(穴の間隔を詰める)したり、穴数を減らす必要があるが、穴の間隔を狭くすると押出加工性が極端に悪くなり、また穴数を減少させると熱交換性能が低下する。
1 熱交換器
2 扁平チューブ
3 冷媒通路穴
5 ヘッダ管
5a 成形加工された管の内壁
6 取付穴
10 抑え治具
20 扁平チューブ
21 外周面
21a 凹部
50 ヘッダ管
51 取付穴
52 抑え片
2 扁平チューブ
3 冷媒通路穴
5 ヘッダ管
5a 成形加工された管の内壁
6 取付穴
10 抑え治具
20 扁平チューブ
21 外周面
21a 凹部
50 ヘッダ管
51 取付穴
52 抑え片
Claims (5)
- アルミニウムあるいはアルミニウム合金をろう付して組立製造されるアルミニウム製熱交換器に関し、冷媒を通じる扁平チューブの端末部を冷媒の折り返し供給の通路を形成するヘッダ管の取付穴に挿入してろう付が行われる接合構造において、前記扁平チューブ端末部の少なくとも幅方向両端部の外周面と前記ヘッダ管の成形加工された管内壁との間に、0.05mm以上2mm以下の隙間を確保することを特徴とする、アルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造。
- 前記扁平チューブの幅方向両端部と成形加工された管内壁との隙間は、該扁平チューブの幅方向の内側に向けて凹部形状を付与することにより確保されていることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造。
- 前記チューブ表面の一部あるいは全てに、ろうを形成するSi粉末及びろう付用フッ化物系フラックスをアクリル系バインダで塗料化した塗料による塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造。
- 前記ヘッダ管が、Al−Si系ろう合金をヘッダ管の外側にのみ貼り合せたブレージングシートで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造。
- 前記ヘッダ管は、ヘッダ管の接合に用いるろう材として、粉末のSiあるいはAl−Siろうを含むろう付用塗膜が外側にのみ塗布されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム製熱交換器におけるチューブとヘッダ管との接合構造。
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---|---|---|---|---|
JP2017089927A (ja) * | 2015-11-05 | 2017-05-25 | 日軽熱交株式会社 | アルミニウム製熱交換器 |
JP2017106661A (ja) * | 2015-12-09 | 2017-06-15 | 株式会社デンソー | 熱交換器 |
JP2020094758A (ja) * | 2018-12-13 | 2020-06-18 | 三菱電機株式会社 | ヘッダ、伝熱管及び熱交換器 |
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