JP2009161634A - 液晶材料、液晶表示素子および液晶表示装置 - Google Patents

液晶材料、液晶表示素子および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な表示特性および応答特性を得ることが可能な液晶表示素子を提供する。
【解決手段】偏光板10の間に、画素電極基板20と透明電極基板30とが設けられ、その間に、配向膜40により挟まれるように液晶層50が設けられている。液晶層50は、室温でネマチック液晶相を示すと共に負の誘電異方性を有する液晶分子50Aと、屈曲型分子50Bとを含んでいる。この屈曲型分子50Bにより、液晶分子50Aの配向が良好に安定化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、常誘電性を示す液晶材料、ならびにそれを用いた液晶表示素子および液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示素子を駆動することによって映像表示を行う液晶表示装置は、薄型で軽量かつ消費電力が小さいことから、テレビやモニターなどの画像表示装置のほか、デジタルカメラ、携帯電話などの情報端末などに広く活用されている。
このような液晶表示装置では、液晶表示素子の液晶表示方式(表示モード)として、ネマチック液晶相を示す液晶材料を用いたツイステッドネマチック(TN;Twisted Nematic)モード、垂直配向(VA;Vertical Alignment)モード、横電界(IPS;In Plane Switching)モード、またはフリンジフィールドスイッチング(FFS;Fringe Field Switching)モードが知られている(特許文献1参照)。
特開平06−160878号公報
また、上記した表示モードの他に、強誘電性液晶あるいは反強誘電性液晶を用いた表示モードなども知られている。この強誘電性液晶あるいは反強誘電性液晶を用いた表示モードでは、液晶材料として、一般的にスメクチック液晶相を示すキラルな液晶分子が用いられているが、スメクチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と屈曲構造を有するアキラルな分子とを併せて用いる技術(特許文献2参照)や、屈曲構造を有するバナナ型の液晶分子を用いる技術(特許文献3参照)も知られている。ところが、強誘電性液晶あるいは反強誘電性液晶を用いた表示モードでは、応答速度が速いが、温度特性、耐ショック性およびスイッチング性が低く、十分な表示特性が得られにくいという問題がある。
特開2002−161277号公報 特開平10−161145号公報
このため、高い表示特性が得られやすいネマチック液晶相を示す液晶材料を用いた表示モードが広く普及しており、中でも、VAモードは、広い視野角が確保されるため注目されている。
このVAモードの液晶表示素子では、例えば、液晶材料中の液晶分子が負の誘電率異方性、すなわち分子の長軸方向の誘電率が短軸方向に比べて小さい性質を有しており、基板に垂直に配向していた液晶分子が、電圧の印加により、基板に対して平行な方向に倒れるように応答することで、光を透過させる構成となっている。ところがVAモードでは、液晶分子が任意の方向に倒れることからその配向方向が定まらず、そのことが電圧に対する応答特性を悪化させる要因となっていた。このため、応答特性の向上を目的として、電圧をかけない状態で、液晶分子を基板法線に対して僅かに傾斜させて保持する技術(液晶分子にチルト角を付与する技術)が従来から検討されている。
この液晶分子にチルト角を付与する技術としては、例えば、図3に示したように基板表面に線状突起を設ける技術が知られている(特許文献4参照)。この液晶表示素子では駆動基板200と対向基板300との間に液晶分子500Aを含む液晶層500が封止されている。駆動基板200と対向基板300との各対向面には、電極202,302と、互いに対向しない線状突起410と、それらを覆う配向膜400とが設けられている。液晶層500では、電圧を印加していない状態において、液晶分子500Aは配向膜400の面に対しほぼ垂直に配向するようになっている。よって、液晶分子500Aは、線状突起410近傍の領域では駆動基板200および対向基板300の表面に対してわずかに傾斜している(すなわち、チルト角が付与されている)一方で、それ以外の領域では駆動基板200および対向基板300の表面に対してほぼ垂直となる姿勢をとっている。この状態の液晶層500に電圧が印加されると、線状突起410近傍の液晶分子500Aの傾斜が他の液晶分子500Aへ順次伝播し、それらの液晶分子500Aは駆動基板200および対向基板300の表面に対してほぼ水平に倒れた姿勢をとるように応答する。
特許第2947350号明細書
上記の他に、VAモードの液晶表示素子において、高分子材料によって、液晶分子を基板法線から僅かに傾斜させて保持することでチルト角を付与する技術も知られている(特許文献5参照)。具体的には、光重合性を有するモノマーを添加して組成した液晶層を基板間に封止したのち、電圧を印加して液晶分子にチルト角を付与した状態で露光してモノマーを重合させることによりポリマーを形成し、電圧を印加していない状態で、液晶分子の倒れる方向を予め定めている。
特開2002−357830号公報
また、液晶材料についても種々の検討がなされており、例えば、液晶材料に非平面性を有する化合物である4−フルオロフェニルフェニルエーテルを含有させることにより、応答特性を向上させる技術が知られている(非特許文献1参照)。
P.キリキラン(P.Kilickiran)、他6名,「トゥワーズ・ファースター・エルシーエス・アット・ロウワー・ドライビング・ボルテージ(Towards Faster LCs at Lower Driving Voltage)」,プロシーディングス・オブ・ザ・13th・インターナショナル・ディスプレイ・ワークショップス(Proceedings of The 13th International Display Workshops ;IDW'06),p.23
最近の液晶表示装置では、より鮮明な映像が望まれると共に大画面化の傾向にあり、それに伴い表示特性および応答特性のさらなる向上が望まれている。しかしながら、従来の液晶表示素子では、十分な表示特性および応答特性を得ることが困難であった。
具体的には、例えば図3に示した液晶表示素子では、駆動基板200および対向基板300の表面に対して垂直に配向した液晶分子500Aが電圧の印加に応答して倒れるタイミングと、線状突起410近傍の液晶分子500Aが電圧の印加に応答して倒れるタイミングとの間にずれが生じ、結果として液晶分子500A全体の応答速度が遅くなるという問題がある。特に、黒から中間色への階調変化では、印加する電圧の変化量が小さいため、応答速度がさらに遅くなる。また、線状突起410間の距離を短くすることで、応答速度を速くすることが可能ではあるが、線状突起410の上部は、液晶表示素子の透過率に寄与しないので、突起の占める割合が増えると透過率が低下し表示特性が損なわれるという問題がある。
また、特許文献5の技術では、モノマーを完全に重合させることは容易ではないことから未反応のモノマーが多少残存する可能性が高く、その場合には液晶材料の電圧保持性を悪化させ、表示特性が損なわれるおそれがある。
また、非特許文献1の技術では、非平面性を有する化合物が、液晶分子の配向を乱す傾向にあることから、電圧印加した際の応答時間(立上がりの応答時間)はやや短縮される傾向にあるが、電圧を印加していない状態に戻る際の応答時間(立下がりの応答時間)がかかり、全体として十分な応答特性が得られにくいという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、良好な表示特性および応答特性を得ることが可能な液晶材料ならびにそれを用いた液晶表示素子および液晶表示装置を提供することにある。
本発明の液晶材料は、常誘電体であり、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含むものである。この「アキラルな」とは、不斉炭素を有さないという意味である。この「環状構造」とは、炭素環または複素環のことである。
本発明の液晶表示素子は、対向配置された一対の基板と一対の基板間に設けられた電極および液晶層とを有し、液晶層は、常誘電体である液晶材料で構成され、液晶材料は室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含むものである。
本発明の液晶表示装置は、対向配置された一対の基板と一対の基板間に設けられた電極および液晶層とを有する液晶表示素子を備え、液晶層は常誘電体である液晶材料で構成され、液晶材料は室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含むものである。
本発明の液晶材料では、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含むことにより、液晶分子の配向が良好に整えられている。よって、上記した液晶材料を用いた本発明の液晶表示素子および液晶表示装置では、透過率および液晶分子の電圧保持性を損なうことなく、電極により電圧を印加した場合および電圧を印加していない状態に戻した場合に、速やかに液晶分子が応答する。
本発明の液晶材料によれば、常誘電体であり、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含むので、液晶分子が良好に安定化した配向をとることができる。これにより、本発明の液晶材料を用いた液晶表示素子および液晶表示装置によれば、良好な表示特性および応答特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る液晶材料は、例えば、液晶表示素子やそれを備えた液晶表示装置に用いるものであり、室温でネマチック液晶相を示す液晶分子と、屈曲型分子とを含んでいる。ここでの「室温」とは、15℃以上40℃以下の温度のことである。
この液晶材料は、常誘電体であって、すなわち自発分極を有しない(自発分極が実質的に0である)ものである。ここでの「自発分極を有しないもの」とは、例えば、そのもの(物質)を分子の集合体と捉えた場合、それらの分子が双極子モーメントを有していても、それらは互いにランダムな方向を向いており全体として相殺され(打ち消され)巨視的な分極を有しないものをいう。あるいは、その物質を原子あるいは分子などが配列した固体として捉えた場合、個々の原子または分子もしくはそれらを構成するイオンなどが対称的な平衡位置にあり分極を有しないものをいう。このような自発分極を有しない物質としては、例えば常誘電体が挙げられる。常誘電体は、双極子の向きが特定方向に揃っておらず、乱雑に双極子が配列された(合計の双極子モーメントが0である)誘電体である。
一方、自発分極を有するものとは、例えば、電場が印加されていない状態であっても分子の永久双極子モーメントが揃っていたり個々の原子やイオンが対称的な平衡位置からずれていたりすることにより、巨視的な分極を有する物質をいう。自発分極を有し、かつ液晶相を示す物質としては、例えば、強誘電性液晶(液晶相を示す強誘電体)やフェリ誘電性液晶(液晶相を示すフェリ誘電体)が挙げられる。強誘電体とは、自発分極を有するもののうち、外部からの電場によって分極の向きを反転させることのできるものである。フェリ誘電体とは、自らを構成する分子の双極子が互いに反対向きとなるように配列(互いのモーメントを打ち消し合う向きに配列)されているが、順方向の双極子モーメントの大きさと逆方向の双極子モーメントの大きさとが異なるために巨視的な分極を有するものである。このような自発分極を有すると液晶材料は、それ自身の配向が乱れやすく、液晶表示素子に用いた場合に、スイッチング性が低下しやすい傾向にあり好ましくない。
また、フェリ誘電体と同様に、分子の双極子が互いに反対向きに配列されている誘電体として反強誘電体がある。この反強誘電体は、順方向の双極子モーメントの大きさと逆方向の双極子モーメントの大きさとが互いに等しいので自発分極は有さないが、所定の閾値以上の電圧を印加して電場を発生させた場合には全ての双極子が電場方向を向くので強誘電相を示すこととなる(反強誘電相から強誘電相への相転移が生ずる)。このような反強誘電体を液晶材料として採用し、強制的に相転移させて液晶表示素子に用いる場合には、液晶層の面内方向に沿ったストライプ状のドメイン成長を伴うので、コントラスト比の劣化を招くおそれがある。したがって、反強誘電性液晶(液晶相を示す反強誘電体)は、自発分極を有しないものの、液晶材料としては相応しくない。
なお、液晶材料の自発分極を測定する方法としては、焦電性を利用する方法や、D−Eヒステリシスを利用する方法や、分極反転電流を観測する方法などがある。
また、この液晶材料は、全体として誘電異方性を有するように、誘電異方性を有する分子を複数含んで構成されたものである。すなわち、誘電異方性を有する分子が互いに異なる方向を向くことにより全体として誘電異方性が相殺される(打ち消される)ことがないように構成されたものである。よって、この液晶材料では、全体の誘電異方性の絶対値が0より大きくなるように後述する液晶分子および屈曲型分子を含んで構成されている。なお、誘電異方性(Δε)とは、分子の長軸方向の誘電率(ε1)と分子の単軸方向の誘電率(ε2)との差、すなわち、Δε=ε1−ε2で求められるものである。この誘電率εは、ε=Cpd/S(Cpは液晶の静電容量を表す。dは液晶層の厚さを表す。Sは2枚の基板の電極の重なり部分の面積を表す。)により求めることができる。
この液晶材料は、ネマチック液晶相を示すことが好ましい。液晶表示素子に用いた場合に良好な耐ショック性および温度特性が得られるからである。通常、液晶表示装置の使用温度は、室温である15℃以上40℃以下であることから、液晶材料は少なくともこの温度範囲でネマチック液晶相を示すことが好ましい。但し、透過型の液晶表示装置では、搭載された液晶表示素子の背面側にバックライトが設けられており、駆動時には、バックライトが点灯することにより発熱し、液晶表示素子の温度を10℃〜20℃程度上昇させる。このことから、ネマチック液晶相を示す温度範囲は、室温に+20℃の余裕を持たせた15℃以上60℃以下が好ましい。さらに、場合によっては0℃〜60℃程度の環境下での使用もあり得るので、バックライトの点灯に伴う発熱を考慮すると0℃以上80℃以下でネマチック液晶相を示すことが特に好ましい。
この液晶材料の平均分子量は、200以上800以下であることが好ましい。200未満であると、揮発性が高まり、液晶表示素子の製造工程上、全体として組成にずれが生じやすくなり、液晶分子と屈曲型分子との組成比がくずれ、液晶表示素子に用いた場合、後述するように透過率や応答特性の低下が生じるおそれがある。一方、800超であると液晶材料の相転移温度が高くなりネマチック液晶相を示しにくくなると共に、粘性が高くなりやすくなり、液晶表示素子に用いた場合に、十分な応答特性が得られにくくなる。なお、ここでの「液晶材料の平均分子量」とは、液晶材料中に含まれる各成分の分子量とそれぞれの重量割合との積を足しあわすことにより算出されるものであり、各成分を例えば成分1〜成分nとした場合、液晶材料の平均分子量=(成分1の分子量×成分1の重量割合)+(成分2の分子量×成分2の重量割合)+・・・+(成分nの分子量×成分nの重量割合)により算出される。平均分子量の下限は、220以上が好ましく、300以上がより好ましい。また平均分子量の上限は、500以下がより好ましい。液晶表示素子に用いた場合に高い表示特性および応答特性が得られるからである。
液晶分子は、炭素骨格を基本とした環状構造を有する環式有機化合物であり、室温でネマチック液晶相を示すと共に誘電異方性を有する、いわゆる棒状の分子である。この液晶分子は、分子中に不斉炭素を有さないで構成されたアキラルな化合物である。液晶分子は、1種を単独で用いられてもよく、複数種を混合して用いられてもよい。この液晶分子がアキラルな化合物であるのは、液晶分子の配向による液晶材料全体の呈色がなく、液晶表示素子に用いた場合に、良好な表示特性が得られるからである。具体的には、液晶材料がキラルな液晶分子(分子中に不斉炭素を有する化合物)で構成される場合あるいはキラルな液晶分子を含んで構成される場合には、液晶分子の分子軸の配向方向が空間で連続的に変化し、全体として巨視的ならせん構造をとる。この場合には液晶材料がらせんの周期(らせんピッチ)に対応した光を反射する性質(選択反射)を有することから、その選択反射波長が可視光の波長程度となると呈色することになる。すなわち、液晶分子がキラルな化合物であると、液晶材料として呈色するおそれがあり、液晶表示素子に用いるには適さなくなる可能性がある。
なお、通常、このようなキラルな液晶分子を液晶表示素子に用いる場合には、液晶材料全体としてらせんピッチを調整し選択反射波長を長波長側に設定することにより、光の利用効率および白表示の色バランスを最適化している。しかしながら、後述する屈曲型分子は、アキラルな化合物であっても液晶相を示すものの場合、屈曲構造の折れ曲がり方向や分子の傾き方向によって異方性(キラリティ)を生じるものがある。屈曲型分子がキラリティを生じる場合には、液晶分子がキラルな化合物であると、らせん構造のねじれ力を強め、らせんピッチを短くし、選択反射波長が短波長側にシフトする。しかも、その選択反射波長には、温度依存性がある。このことからも、液晶分子としてキラルな液晶分子を用いることは好ましくない。なお、選択反射は、らせんピッチと共に媒質の平均屈折率とも関係しており、選択反射波長の光は、波長λ=nP(nは平均屈折率を表す。Pはらせんピッチを表す。)を中心とした波長幅Δλ=PΔn(Δnは屈折率の異方性を表す。)の光である。選択反射波長は、例えば、円二色分散計により測定することができる。
また、「環状構造」とは、上記したように炭素環または複素環のことであり、炭素環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロへキサン環あるいはビシクロデカン環(デカヒドロナフタレン環)などのシクロ炭化水素や、シクロペンタジエン環、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環などの芳香族環が挙げられ、複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、ラクトン環あるいはジオキサン環などが挙げられる。また、「環式有機化合物」とは、上記した環状構造に置換基が導入された化合物のことであり、置換基としては、例えば、水素基(−H)や、ハロゲン基や、アルキル基(−Cn 2n+1)、アルキレン基(−Cn 2n−)、アルコキシル基(−O−Cn 2n+1)、アルケニル基(−Cn 2n-1)、アルケニレン基(−Cn 2n-2−)、アルキニル基(−Cn 2n-3)あるいはそれらをハロゲン化した基や、アルキニレン基(−Cn 2n-4−)、オキシ基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO2 )、シアノ基(−CN)あるいは炭素−窒素二重結合を有する基(−HC=N−)などが挙げられる。なお、上記した「環式有機化合物」の意味することは、後述する屈曲型分子についても同様である。
液晶分子が有する環状構造の数は、2以上であることが好ましい。広い温度範囲でネマチック液晶相を示しやすくなるからである。中でも、環状構造の数は2以上4以下であることが好ましく、特に2以上3以下であることが好ましい。
液晶分子は、炭素(C)と、水素(H)、酸素(O)およびハロゲンからなる群から選択される元素とにより構成されていることが好ましい。優れた耐熱性や耐光性が得られやすくなると共に比抵抗および電圧保持率が高くなりやすいからである。液晶分子がハロゲンを有する場合には、フッ素および塩素のうちの少なくとも一方を有することが好ましく、特にフッ素を有することが好ましい。電圧保持率がより高くなるからである。
液晶分子の分子量は、200以上800以下であることが好ましい。この範囲内であれば、室温でネマチック液晶相を示しやすいからである。
屈曲型分子は、環式有機化合物であり、環状構造を有する1または2以上の屈曲部を含んで構成されることで全体として屈曲した構造となっている。屈曲部が環状構造を有しているのは、屈曲した構造が剛直に保持されると共に屈曲型分子全体が平面性を示しやすくなるからである。これにより、屈曲部が環状構造を有さない場合よりも液晶分子の配向が良好に整えられ、安定化しやすくなる。よって、この液晶材料を液晶表示素子に用いた場合には、液晶分子の配向が良好に安定化するため、良好な応答特性が得られる。
屈曲部が有する環状構造の炭素数は、4以上14以下であることが好ましい。液晶分子の配向をより良好に安定化するからである。また、屈曲型分子は高い効果が得られることから、屈曲部以外に環状構造を有していてもよい。
屈曲型分子が有する環状構造の数は、液晶分子が有する環状構造の数よりも多いことが好ましい。屈曲型分子は屈曲部から末端までの分子の長さや構造的な剛直さが液晶分子の配向に影響するため、液晶分子よりも屈曲型分子が有する環状構造が多いほうが、液晶分子の配向をより安定化させるからである。屈曲型分子が有する環状構造の数は4以上9以下が好ましい。より高い効果が得られるからである。詳細には、環状構造の数が4より少ないと屈曲型分子では、屈曲部を1つの環状構造により構成し、かつその屈曲部を介して1つずつの環状構造を有する化合物などになる。このような屈曲型分子は液晶分子の配向を乱すおそれがある。一方、屈曲型分子が有する環状構造の数が10以上であると液晶分子との相溶性の低下や、粘性の上昇や、結晶性の向上などが生じるおそれがある。特に、屈曲型分子が有する環状構造の数は、5以上9以下が好ましく、5以上7以下がより好ましい。
屈曲型分子の構成元素としては、炭素、水素、窒素(N)、硫黄(S)、酸素またはハロゲンなどが挙げられ、中でも、屈曲型分子は、炭素と、水素、酸素およびハロゲンからなる群から選択される元素とにより構成されていることが好ましい。優れた耐熱性や耐光性が得られやすくなると共に比抵抗および電圧保持率が高くなりやすいからである。これにより、液晶材料が高温雰囲気や光に曝されても電圧保持率が損なわれることなく、液晶分子の配向が整えられた状態が維持される。なお、低い耐光性を示す屈曲型分子の具体例としては、分子中に炭素−窒素二重結合を有するものが挙げられ、この場合、可視および紫外領域の光照射による分解あるいは異性化がおこりやすくなる。
また、屈曲型分子は、誘電異方性を有してもよく、その場合には、上記した液晶分子の誘電異方性と同じ符号であることが好ましい。これにより、液晶表示素子に用いた場合に、駆動電圧の印加によって液晶分子と同様の応答を自発的に示す。よって、良好な表示特性が得られる。
屈曲型分子は、液晶相を示すことが好ましく、ネマチック液晶相あるいはスメクチック液晶相を示すことがより好ましく、中でも、ネマチック液晶相を示すことが特に好ましい。液晶分子との相溶性が高まるからである。
屈曲型分子は、置換基として塩素基(−Cl)、臭素基(−Br)、フッ素基(−F)、ニトロ基(−NO2 )、シアノ基(−CN)、トリフルオロメチル基(−CF3 )、ジフルオロメトキシ基(−O−CHF2 )およびトリフルオロメトキシ基(−O−CF3 )からなる群のうちの少なくとも1種を有していることが好ましい。これにより、比抵抗が高くなり、高温においても高い電圧保持率が維持される。よって、液晶表示素子に用いた場合には、コントラストの低下およびフリッカーの発生の抑制、ならびに焼き付きの防止に寄与できる。中でも、フッ素基またはフッ素を有する置換基が粘性を低下させるため好ましい。なお、フッ素基またはフッ素を有する置換基は、分子の極性を高めるため、例えば、屈曲型分子の短軸方向に導入することにより大きな負の誘電異方性を付与することができる。これにより、VAモードの液晶表示素子に用いると、屈曲型分子の短軸方向と配向膜との反発が強まり、屈曲型分子の配向が略垂直となる。
屈曲型分子は、アキラルな化合物でもよいが、上記したようにアキラルな化合物であっても、屈曲構造の折れ曲がり方向や分子の傾き方向によって異方性が生じるものもある。
屈曲型分子の分子量は、液晶材料の平均分子量よりも大きいことが好ましい。屈曲型分子の分子量が液晶材料全体の平均分子量よりも小さいと全体の粘度が低下し液晶分子の配向が乱れやすくなるが、屈曲型分子の分子量が液晶材料全体の平均分子量よりも大きいと液晶分子の配向が良好に整い、安定化しやすくなるからである。中でも、屈曲型分子の分子量は300より大きく1000以下であることが好ましい。高い効果が得られるからである。すなわち、屈曲型分子の分子量が300より大きいことで液晶分子の配向がより安定化するうえ、減圧雰囲気下においても蒸発しにくくなり、十分な効果が得られやすい。また、屈曲型分子の分子量が1000以下であれば粘性の上昇を適度に抑え、確実に液晶相を示すこととなり、液晶分子との相溶性も良好に維持される。屈曲型分子の分子量は、特に310以上800以下であることが好ましい。より高い効果が得られるからである。
屈曲型分子の液晶材料中における含有量は、0.2重量%以上50重量%未満であることが好ましい。0.2重量%以上であれば十分な効果を得やすいからである。また、50重量%未満であれば良好な透過率が得られ、屈曲型分子が液晶相を示す場合であっても、液晶材料が自発分極を生ずるおそれがないからである。中でも、0.2重量%以上20重量%未満が好ましく、特に0.2重量%以上10重量%未満が好ましい。広い温度範囲で液晶材料がネマチック液晶相を示しやすいからである。
屈曲型分子としては、例えば、化1で表される屈曲型分子が挙げられる。化1中において、Aは環状構造を有する2価の基であり、屈曲部に相当する。また、W1およびW2は1価の基であり、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。ただし、W1−A−W2の結合角は180°未満である。
Figure 2009161634
化1に示したW1−A−W2の結合角は、90°以上であることが好ましく、115°以上160°未満であることがより好ましく、120°以上155°未満であることが特に好ましい。高い効果が得られるからである。
化1中のAとしては、例えば、化2で表される基などが挙げられる。化2中のXは、水素基(−H)、塩素基、臭素基、フッ素基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、またはトリフルオロメトキシ基であり、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。なお、Aが化2(1)に示した基である場合には、W1−A−W2の結合角が約120°となり、Aが化2(7)に示した基である場合には、W1−A−W2の結合角は約154°となる。
Figure 2009161634
また、化1中のW1およびW2のうちの少なくとも一方は、化3で表される基でもよい。その場合、化3中のBとしては、例えば、化4で表される基などが挙げられ、化3中のR1としては、例えば、化5で表される基などが挙げられる。化3中のBは環状構造を有する2価の基である。化3中のR1は炭素、水素、酸素および窒素ならびにハロゲンからなる群から選択される元素により構成される2価の基である。化3中のnは1以上の整数である。ただし、化3中において、BおよびR1は、nが2以上の場合、それぞれが同一でもよいし異なってもよい。中でも、化3中のnは1以上5以下であることが好ましい。高い効果が得られるからである。詳細には、化3中のnが6以上であると屈曲型分子の粘性の上昇や結晶性の向上や液晶分子との相溶性の低下などが生じるおそれがあるからである。特に、化3中のnは2あるいは3であることが好ましい。また、化3中のR2は炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基またはアルケニルオキシル基である。化4中のXは水素基、塩素基、臭素基、フッ素基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、またはトリフルオロメトキシ基であり、それらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Figure 2009161634
Figure 2009161634
Figure 2009161634
また、化1に示した屈曲型分子は、W1およびW2のうちの少なくても一方が液晶骨格を有していることが好ましい。この液晶骨格は、液晶相を示す化合物が備える環状構造を有する骨格のことであり、相転移温度、誘電率、化学的安定性あるいは粘性などの性質を特徴づける骨格のことである。この液晶骨格を有することにより、屈曲型分子が、液晶相を示しやすくなると共に、後述するような優れた特性を発揮しやすくなる。中でも、W1およびW2が同一の液晶骨格を有していることがより好ましい。より高い効果が得られるからである。また、この液晶骨格は、上記した液晶分子が有する液晶骨格と同一であることが好ましい。屈曲型分子と液晶分子との相溶性が高まるからである。
液晶骨格としては、例えば、トラン系骨格、ナフタレン系骨格、ビフェニル系骨格、フェニルシクロヘキサン系骨格、ビフェニルシクロヘキサン系骨格、フェニルビシクロヘキサン系骨格、ターフェニル系骨格、ビシクロヘキシル系骨格、シクロヘキシルシクロヘキセン系骨格、ジフェニルシクロヘキサン系骨格、ジシクロヘキシルベンゼン系骨格、ジオキサン系骨格、インダン系骨格、安息香酸シクロヘキシル系骨格、シクロヘキシルカルボン酸フェニル系骨格、安息香酸フェニル系骨格、シクロヘキサンカルボン酸シクロヘキシル系骨格、安息香酸ビフェニリル系骨格、ビフェニルカルボン酸フェニル系骨格、安息香酸ビシクロヘキシル系骨格、安息香酸フェニルシクロヘキシル系骨格、フェニルシクロヘキサンカルボン酸フェニル系骨格、シクロヘキシルスチレン系骨格、ジシクロヘキシルエテン系骨格、スチルベン系骨格、ジフェニルエタン系骨格、ジシクロヘキシルエタン系骨格、フェニルシクロヘキシルエタン系骨格、シクロヘキサン環とビフェニル系骨格とをエチレン基を介して連結した骨格、フェニルシクロヘキサン系骨格とシクロヘキサン環とをエチレン基を介して連結した骨格、フェニルシクロヘキサン系骨格とベンゼン環とをエチレン基を介して連結した骨格、ビシクロヘキサン系骨格とベンゼン環とをエチレン基を介して連結した骨格、ベンゼン環とビフェニル系骨格とをエチレン基を介して連結した骨格、プロペニルフェニルエーテル系骨格とシクロヘキサン環とを連結した骨格、プロペニルフェニルエーテル系骨格とビシクロヘキサン系骨格とを連結した骨格、シッフ塩基系骨格、ビフェニルカルボン酸系骨格、シクロヘキシル安息香酸系骨格、フェニルシクロヘキサンカルボン酸系骨格、あるいはジフルオロメチレンオキシ基を有する骨格などが挙げられる。これらのうちの1種を単独で有していてもよいし、複数種を有していてもよい。中でも、トラン系骨格、ナフタレン系骨格、ビフェニル系骨格、フェニルシクロヘキサン系骨格、ビフェニルシクロヘキサン系骨格、フェニルビシクロヘキサン系骨格、ターフェニル系骨格、ビシクロヘキシル系骨格、シクロヘキシルシクロヘキセン系骨格、安息香酸シクロヘキシル系骨格、安息香酸フェニル系骨格およびシッフ塩基系骨格からなる群のうちの少なくとも1種を有していることが好ましい。高い安定性が得られるからである。上記した液晶骨格の一例として、化6〜化32で表される一連の骨格が挙げられる。以下に上記した液晶骨格の性質について併せて説明する。
Figure 2009161634
化6に示した骨格は、トラン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、液晶相−等方相の相転移温度が高く、低温度域の粘性が低いという性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、液晶材料の使用時の上限温度を高くすると共に、低温域での応答特性の向上に寄与する。
Figure 2009161634
化7に示した骨格は、ナフタレン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、粘性が低く、高誘電率という性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、高い応答特性が得られ、低い電圧で駆動可能であるため、消費電力が少なくなる。ナフタレン系骨格としては、ナフタレン環を有する骨格、テトラヒドロナフタレン環を有する骨格またはデカヒドロナフタレン環を有する骨格が挙げられる。
Figure 2009161634
化8に示した骨格は、ビフェニル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、水分、空気および熱や、赤外、可視および紫外領域の照射や、直流および交流電界に対して化学的安定性が高いという性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、耐久性の向上に寄与する。
Figure 2009161634
化9に示した骨格は、フェニルシクロヘキサン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、低い粘性を示すと共に、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、応答特性と共に耐久性の向上に寄与する。
Figure 2009161634
化10に示した骨格は、ビフェニルシクロヘキサン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、液晶相−等方相の相転移温度が高く、かつビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、液晶材料の使用時の上限温度を高くすると共に、耐久性の向上に寄与する。
Figure 2009161634
化11に示した骨格は、フェニルビシクロヘキサン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、粘性が低く、かつビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、液晶材料の使用時の上限温度を高くすると共に、耐久性および応答特性の向上に寄与する。
Figure 2009161634
化12に示した骨格は、ターフェニル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化13に示した骨格は、ビシクロヘキシル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化14に示した骨格は、シクロヘキシルシクロヘキセン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、室温でネマチック液晶相を示しやすく、かつフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、応答特性と共に耐久性の向上に寄与する。
Figure 2009161634
化15に示した骨格は、ジフェニルシクロヘキサン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、液晶相−等方相の相転移温度が高いという性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、液晶材料の使用時の上限温度を高くすることに寄与する。
Figure 2009161634
化16に示した骨格は、ジシクロヘキシルベンゼン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ジフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化17に示した骨格は、ジオキサン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。中でも、シクロヘキサン環と1,3−ジオキサン環とが連結した骨格、シクロヘキサン環と1,3−ジオキサン環とがカルボン酸エステル結合を介して連結した骨格、ベンゼン環と1,3−ジオキサン環とが連結した骨格、またはベンゼン環と1,3−ジオキサン環とがカルボン酸エステル結合を介して連結した骨格が好ましい。より高い安定性を示すからである。
Figure 2009161634
化18に示した骨格は、インダン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、液晶相の下限温度が低く、かつビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、液晶材料の使用時の温度範囲が広くなると共に、耐久性の向上に寄与する。よって、屋外や車載での使用にも対応可能な液晶表示素子に極めて有用である。
Figure 2009161634
化19に示した骨格は、安息香酸シクロヘキシル系骨格またはシクロヘキシルカルボン酸フェニル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、フェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化20に示した骨格は、安息香酸フェニル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化21に示した骨格は、シクロヘキサンカルボン酸シクロヘキシル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化22に示した骨格は、安息香酸ビフェニリル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化23に示した骨格は、ビフェニルカルボン酸フェニル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化24に示した骨格は、安息香酸ビシクロヘキシル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化25に示した骨格は、安息香酸フェニルシクロヘキシル系骨格およびフェニルシクロヘキサンカルボン酸フェニル系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化26に示した骨格は、シクロヘキシルスチレン系骨格、ジシクロヘキシルエテン系骨格およびスチルベン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化27に示した骨格は、ジフェニルエタン系骨格、ジシクロヘキシルエタン系骨格、およびフェニルシクロヘキシルエタン系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化28に示した骨格は、シクロヘキサン環とビフェニル系骨格とをエチレン基を介して連結した骨格、フェニルシクロヘキサン系骨格とシクロヘキサン環とをエチレン基を介して連結した骨格、フェニルシクロヘキサン系骨格とベンゼン環とをエチレン基を介して連結した骨格、ビシクロヘキサン系骨格とベンゼン環とをエチレン基を介して連結した骨格、およびベンゼン環とビフェニル系骨格とをエチレン基を介して連結した骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ジフェニルシクロヘキサン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化29に示した骨格は、プロペニルフェニルエーテル系骨格とシクロヘキサン環とを連結した骨格、およびプロペニルフェニルエーテル系骨格とビシクロヘキサン系骨格とを連結した骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化30に示した骨格は、シッフ塩基系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ネマチック液晶相を示しやすく、粘度が低くなりやすくなる。これにより、液晶表示素子に用いた場合には、応答特性の向上に寄与する。シッフ塩基系骨格としては、フェニルメタンイミン骨格が挙げられる。
Figure 2009161634
化31に示した骨格は、ビフェニルカルボン酸系骨格、シクロヘキシル安息香酸系骨格およびフェニルシクロヘキサンカルボン酸系骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ビフェニル系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
Figure 2009161634
化32に示した骨格は、ジフルオロメチレンオキシ基を有する骨格の一例であり、この骨格を有する場合には、ナフタレン系骨格を有する場合と同様の性質を示しやすくなる。
また、化1中のW1およびW2は液晶骨格とその末端側に炭素数1以上16以下のアルキル基、アルコキシル基、アルケニル基およびアルケニルオキシル基のうちのいずれか1種とを有する基であることが好ましい。液晶分子の配向を安定化させるからである。アルキル基等の炭素数が上記した範囲であるのは、16以上であると粘性や相転移温度が高くなるからである。中でもアルキル基等の炭素数は1以上8以下が好ましい。
液晶骨格を有するW1およびW2としては、例えば、化33〜化44で表される一連の構造が挙げられる。化33〜化44中のnは、1以上16以下の整数を表す。なお、化33はトラン系骨格、化34はナフタレン系骨格、化35はビフェニル系骨格、化36はフェニルシクロヘキサン系骨格、化37はビフェニルシクロヘキサン系骨格、化38はフェニルビシクロヘキサン系骨格、化39はターフェニル系骨格、化40ビシクロヘキシル系骨格、化41はシクロヘキシルシクロヘキセン系骨格、化42は安息香酸シクロヘキシル系骨格またはシクロヘキサンカルボン酸フェニル系骨格、化43は安息香酸フェニル系骨格、化44はシッフ塩基系骨格のそれぞれを有する構造を表している。
Figure 2009161634
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化1に示した屈曲型分子としては、例えば、化45〜化64で表される一連の化合物が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、複数種を混合して用いられてもよい。なお、化63(1)の化合物は、液晶相を示さない屈曲型分子である。
Figure 2009161634
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なお、屈曲型分子は、化45〜化64に示した化合物に限定されないことは言うまでもない。
ここで、屈曲型分子の合成方法を化45(2)の化合物を例に挙げて説明する。
化45(2)の化合物を合成する際には、例えば、液晶分子である化65で表される化合物と化66で表される1,3−ベンゼンジオールとをエステル結合させる。これにより、化45(2)の化合物が合成される。
Figure 2009161634
Figure 2009161634
また、この液晶材料は、上記した液晶分子および屈曲型分子の他に、例えば、液晶相を示すと共に炭素骨格を基本とした鎖状の化合物や、誘電異方性を有さない(誘電異方性がない)が液晶相を示す化合物を含んでいてもよい。これらは液晶相を示すことが好ましいが、液晶相を示さない化合物であってもよい。また、この液晶材料は、必要に応じて、粘性を低下させる化合物を含んでいてもよい。液晶材料の粘性が低下することにより、液晶表示素子に用いた場合に、より良好な応答特性が得られるからである。但し、それらの化合物としては、アキラルな化合物が好ましい。
本実施の形態の液晶材料では、全体として常誘電体であり、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含むことにより、液晶材料全体が選択反射により呈色することなく、液晶分子の配向が良好に整えられている。これにより、液晶材料に電圧を印加した場合には、液晶分子が配向を良好に維持した状態で、電界に対して速やかに応答する。なお、本実施の形態では、液晶材料中に屈曲型分子を複数種含むようにしてもよいし、1種のみ含むようにしてもよい。
すなわち、この液晶材料によれば、キラルな液晶分子を用いた場合に懸念される選択反射による液晶材料全体の呈色が生じることがない。また、屈曲型分子を含まない場合や、化67で表される4−フルオロフェニルフェニルエーテルを用いた場合と比較して、液晶分子が良好に安定化した配向をとることができる。これにより、この液晶材料を液晶表示素子および液晶表示装置に用いた場合には、良好な表示特性および応答特性を得ることができる。
Figure 2009161634
また、屈曲型分子は、アキラルな化合物でもよく、液晶相を示すものでもよく、中でも、ネマチック液晶相を示すものを用いれば、液晶分子との相溶性が増すので、液晶分子の配向の安定化に効果的である。特に、液晶分子および屈曲型分子が同じ符号の誘電異方性を有していれば、液晶分子の配向をより安定化させることができる。また、液晶材料中における屈曲型分子の含有量を0.2重量%以上50重量%未満の範囲内とすれば、より高い効果が見込まれる。
さらに、屈曲型分子の分子量が液晶材料全体の平均分子量よりも大きければ、液晶分子の配向が整えられ、高い効果を得ることができる。
なお、「背景技術」に記載した特許文献2において、屈曲型の分子を含む液晶材料が開示されているが、その液晶材料がスメクチック液晶相を示す強誘電性液晶であるので、常誘電体である本発明の液晶材料と同様の作用効果が得られないのは、明らかである。具体的には、液晶表示素子において、特許文献2の液晶材料を用いた場合、液晶材料では、自発分極と電界とのカップリングにより、電界に対して自発分極の向きが応答することで液晶分子が反転し、スイッチングしている。これに対して、本発明の液晶材料を用いた場合には、液晶材料では、液晶分子の誘電率異方性と電界とのカップリングにより、電界に対して誘電異方性が応答することで液晶分子がスイッチングしている。すなわち、本発明の液晶材料と特許文献2の液晶材料とは、全く異なる構成であり、しかも、それを用いた液晶表示素子においても明らかに構成および作用効果が異なるものである。
また、同様に特許文献3においても、屈曲型の分子が開示されているが、液晶材料が屈曲型分子により構成され、強誘電性液晶であるので、本発明の液晶材料と特許文献3の液晶材料とでは構成および作用効果が異なることは明らかである。
次に、上記した液晶材料の使用例として、液晶表示素子および液晶表示装置に用いた場合について説明する。
図1は、液晶表示素子の断面模式図であり、図1(A)は、駆動電圧が印加されていない状態を表し、図1(B)は、駆動電圧が印加されている状態を表している。この液晶表示素子の表示モードは、いわゆる垂直配向(VA)モードであり、駆動電圧が印加されていない状態では、黒を表示している。
この液晶表示素子は、例えば、図1に示したように、互いに対向配置された一対の偏光板10の間に互いに対向配置された画素電極基板20および透明電極基板30と、画素電極基板20および透明電極基板30のそれぞれのうちの互いに対向し合う面を覆うように設けられた配向膜40と、画素電極基板20と透明電極基板30との間に配向膜40を介して封入された液晶層50とを備えている。すなわち、この液晶表示素子は、一対の偏光板10の間に、画素電極基板20と透明電極基板30とが設けられ、画素電極基板20と透明電極基板30との間に、配向膜40により挟まれるように液晶層50が設けられた構成を有している。この液晶表示素子は、いわゆる透過型液晶表示素子である。
偏光板10は、入射光に対して特定の偏光成分を透過させる機能を有する光学部材であり、光の振動方向を制御するものである。また、偏光板10は、必要に応じて、位相差板と併せて用いてもよい。これにより、負の屈折率異方性を有する位相差板を用いた場合には、駆動電圧が印加されていない状態において液晶層50による複屈折が補償され、きわめて広い視角方向で良好な黒表示が得られる。
画素電極基板20は、駆動素子を含む駆動回路が形成された透明基板21の一面に、画素電極22が設けられた構成を有している。透明基板21は、例えば、ガラスやプラスチックなどの透明(光透過性)材料により構成されている。
画素電極22は、液晶層50に電圧を印加するための一方の電極である。また、画素電極22は、例えば、複数存在し、マトリックス状の配列パターンを形成している。すなわち、各画素電極22には、独立して個別に電位が供給されるようになっている。画素電極22は、例えば、光透過性を有する透明電極であり、例えば、酸化インジウム錫(ITO;Indium Tin Oxide)などの透明電極材料により構成されている。
透明電極基板30は、透明基板31上に、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のフィルタがストライプ状に設けられたカラーフィルタ(図示せず)と、有効表示領域のほぼ全面に亘って透明電極32とが設けられた構成を有している。
透明基板31は、例えば、ガラスやプラスチックなどの透明(光透過性)材料により構成されている。透明電極32は、液晶層50に電圧を印加するためのもう一方の電極であり、例えば、酸化インジウム錫などの透明電極材料により構成されている。
配向膜40は、液晶層50に含有される液晶分子50Aを所定の配向状態となるように配向させるものである。この配向膜40は、上記したように、画素電極基板20および透明電極基板30のそれぞれの内側面、すなわち液晶層50に隣接する側の面を覆っている。より具体的には、配向膜40は、画素電極基板20においては画素電極22およびその周辺の基板11を覆っていると共に、透明電極基板30においては透明電極32を覆っている。配向膜40は、液晶分子50Aを基板面に対して垂直方向に配向させる垂直配向膜である。配向膜40の材料としては、垂直配向性を有する材料が挙げられ、例えば、ポリイミド、レシチン、オクデシルエトキシシランなどの有機材料が挙げられる。ポリイミドとしては、例えば、JALS−2131−R6(JSR社製)などである。配向膜40には、さらに、ラビング等の配向方向を規制する処理が施されていてもよい。
液晶層50は、上記した液晶材料により構成されており、ここでの液晶材料は負の誘電異方性を有すると共にネマチック液晶相を示す液晶分子50Aと、屈曲型分子50Bとを含んでいる。この液晶層50では、図1(A)に示したように駆動電圧が印加されていない状態において、液晶分子50Aは、画素電極基板20および透明電極基板30の表面に対してほぼ垂直の姿勢をとっているが、斜め成分を有する屈曲型分子50Bが含まれることで、屈曲型分子50B近傍の液晶分子50Aの配向が(例えば僅かに傾くように)影響を受けた状態で安定化される。これにより、屈曲型分子を含まない場合と比較して応答時間が短縮される。よって、応答速度が向上し、優れた応答特性が得られる。
上記したように液晶材料は、常誘電体であり、自発分極を有しない(自発分極が実質的に0である)ものであるが、ここで自発分極を有する場合について説明する。自発分極を有すると液晶層内に自己電場が形成され、液晶材料中に存在するイオンがこの自己電場を中和するように液晶層内を移動することで、液晶層と基板との間に存在する絶縁層(配向膜など)に電荷が蓄積される。この状態において駆動電圧を印加しスイッチングを行うと、自発分極と電界とがカップリングし液晶材料の配向方向の変化に伴い分極(の向き)の反転が生じ、絶縁層に蓄積された電荷は液晶材料と絶縁層とに容量分割されることとなる。このため、駆動電圧が印加されていない状態に戻すと液晶層には逆方向の電場(以下、逆電場という。)が誘起されてしまう。この逆電場は、液晶層と絶縁層との並列回路によって決まる時定数で減衰するが、液晶材料の配向を乱し、スイッチング性を低下しやすくする原因となる。この逆電場は液晶材料の自発分極の大きさに比例することから、自発分極が0であれば逆電場による液晶材料の配向乱れが生じないのでスイッチング性を損なうことがない。
ここでの液晶分子50Aは、負の誘電異方性を有しているので、高い開口率が得られると共に、優れた応答特性が得られる。屈曲型分子50Bとしては、液晶分子50Aと同じ符号の誘電異方性、ここでは負の誘電異方性を有しているものが好ましい。液晶分子50Aおよび屈曲型分子50Bの誘電異方性の符号が同じであることにより、液晶層50全体の誘電異方性(Δε)の絶対値が大きくなるため、駆動電圧を低くできるからである。
この液晶表示素子は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、透明基板21に画素電極22が設けられた画素電極基板20と、透明基板31に透明電極32が設けられた透明電極基板30とを準備する。次に、画素電極基板20および透明電極基板30のそれぞれに配向膜40を形成する。続いて、配向膜40同士が向かい合うように画素電極基板20および透明電極基板30を互いに対向させたのち、液晶材料の注入口を残して、それらの基板間が所定の間隔となるようにシール材で封止することにより、セルを作製する。続いて、セル内に残存する水分子を除去する。
次に、真空注入法によりセル内に液晶材料を注入する。この液晶材料に含まれる屈曲型分子50Bとしては、その分子量が液晶材料全体の平均分子量よりも大きなものを用いることが好ましい。液晶材料全体の平均分子量よりも小さな分子量の屈曲型分子を用いて製造した場合に生じるような液晶材料の組成ずれが起こりにくく、良好な応答特性が得られやすくなるからである。
真空注入法によりセル内に液晶材料を注入する装置としては、例えば、内部が減圧および増圧可能である真空槽と、真空槽内部を排気して減圧する真空ポンプと、真空槽を大気圧または加圧状態にする装置と、セルを液晶注入口が下向きとなるように保持すると共に上下方向に搬送可能な搬送手段とを備えた液晶注入装置が挙げられる。この液晶注入装置を用いて液晶材料を注入する際には、まず、セルを室温まで冷却し、注入用の液晶材料と共に真空槽内へ搬入する。次に、真空ポンプを作動させて真空槽内部を排気して所定の真空度(例えば、1×10-1Torr程度)まで減圧し、減圧状態を保持する。なお、この際、注入用の液晶材料には、その中の溶存ガスなどを除去する目的で、液晶注入装置に備えられた脱泡槽内において脱泡処理を施しておいてもよい。脱泡処理の際には、まず、例えば、液晶材料を液晶皿などの容器に表面張力で所定量隆起する程度、滴下する。次に、液晶材料を減圧状態で保持したまま、真空槽の減圧状態を解除することなくセルの液晶注入口を液晶材料へ接触させ、その状態をしばらく保持する。次に、真空槽内を徐々に増圧し、大気圧に戻す。これにより、液晶材料がセル内外での圧力差および毛細管現象によりセル内に注入される。最後に、セルを真空槽の外へ搬出する。
続いて、液晶材料が注入されたセルをプレス機などにより所望の圧力および時間で加圧し、液晶注入口から吹き出した液晶材料を拭き取ったのちに、液晶注入口を例えば紫外線硬化樹脂などの封止材により封止する。
最後に、偏光板10をその吸収軸が直交するように透明基板21,31の外側、すなわち配向膜40を形成した面と透明基板21または透明基板31を介して対向する位置に貼り付ける。これにより、液晶表示素子が完成する。
次に、図2を参照して、上記した液晶表示素子を備えた液晶表示装置の構成について説明する。図2は、図1に示した液晶表示素子を備えた液晶表示装置の回路構成を表している。
液晶表示装置は、例えば、図2に示したように、表示領域60と、表示領域60内に設けられた複数の画素Gと、その表示領域60の周囲に設けられたソースドライバ61およびゲートドライバ62と、ソースドライバ61およびゲートドライバ62を制御するタイミングコントローラ63と、ソースドライバ61およびゲートドライバ62に電力を供給する電源回路64とを含んで構成されている。なお、表示領域60の背面側には、蛍光管などにより構成されたバックライト(図示せず)が設けられている。
表示領域60は、映像が表示される領域であり、複数の画素Gがマトリックス状に配列されることにより映像を表示可能に構成された領域である。なお、図2では、複数の画素Gを含む表示領域60を示している他、4つの画素Gに対応する領域を別途拡大して示している。
この表示領域60では、行方向に複数のソース線71が配列されていると共に列方向に複数のゲート線72が配列されており、それらのソース線71およびゲート線72が互いに交差する位置に画素Gがそれぞれ配置されている。各画素Gは、上記した本実施の形態の液晶表示素子と共にトランジスタ121およびキャパシタ122を含んで構成されている。但し、図2では、液晶表示素子に関しては画素電極22、透明電極32および液晶層50のみを示し、他の構成要素の図示を省略する。各トランジスタ121では、ソース電極がソース線71に接続され、ゲート電極がゲート線72に接続され、ドレイン電極がキャパシタ122および画素電極22に接続されている。各ソース線71は、ソースドライバ61に接続されており、そのソースドライバ61から画像信号が供給されるようになっていると共に、各ゲート線72は、ゲートドライバ62に接続されており、そのゲートドライバ62から走査信号が順次供給されるようになっている。
ソースドライバ61およびゲートドライバ62は、複数の画素Gの中から特定の画素Gを選択するものである。
タイミングコントローラ63は、例えば、画像信号(例えば、赤、緑、青に対応するRGBの各映像信号)と、ソースドライバ61の動作を制御するためのソースドライバ制御信号とをソースドライバ61に出力する。また、タイミングコントローラ63は、例えば、ゲートドライバ62の動作を制御するためのゲートドライバ制御信号をゲートドライバ62に出力する。ソースドライバ制御信号としては、例えば、水平同期信号、スタートパルス信号あるいはソースドライバ用のクロック信号などが挙げられる。ゲートドライバ制御信号としては、例えば、垂直同期信号や、ゲートドライバ用のクロック信号などが挙げられる。
次に、図1および図2を参照して、液晶表示装置の動作について説明する。
この液晶表示装置では、以下の要領で画素電極22と透明電極32との間に駆動電圧を印加することにより、映像が表示される。具体的には、ソースドライバ61が、タイミングコントローラ63からのソースドライバ制御信号の入力により、同じくタイミングコントローラ63から入力された画像信号に基づいて所定のソース線71に個別の画像信号を供給すると共に、ゲートドライバ62が、タイミングコントローラ63からのゲートドライバ制御信号の入力により所定のタイミングでゲート線72に走査信号を順次供給する。これにより、画像信号が供給されたソース線71と走査信号が供給されたゲート線72との交差点に位置する画素Gが選択され、その画素Gに駆動電圧が印加されることとなる。
選択された画素Gでは、駆動電圧が印加されると、液晶層50に含まれる液晶分子50Aの配向状態が、画素電極22と透明電極32との間の電位差に応じて図1(A)から図1(B)に示した状態へ変化する。具体的には、液晶層50では、図1(A)に示した駆動電圧の印加前の状態から、駆動電圧が印加されることで、屈曲型分子50B近傍に位置することで配向方向が規定された液晶分子50Aが自らの傾き方向に倒れ、かつ、その動作がその他の液晶分子50Aに伝播することとなる。その結果、図1(B)に示したように大部分の液晶分子50Aが画素電極基板20および透明電極基板30に対してほぼ水平(平行)となる姿勢をとるように応答する。これにより、液晶層50の光学的特性が変化し、液晶表示素子への入射光が変調された射出光となり、その射出光に基づいて階調表現されることで、映像が表示される。なお、屈曲型分子50Bが負の誘電異方性を有する場合には、図1(B)に示したように、屈曲型分子50Bは画素電極基板20および透明電極基板30の表面に沿って延在する姿勢を自発的にとる。ただし、屈曲型分子50Bが誘電異方性を有さない場合であっても、液晶分子50Aの姿勢の変化に伴い、屈曲型分子50Bは画素電極基板20および透明電極基板30の表面に沿って延在する姿勢となる。
この液晶表示素子および液晶表示装置によれば、液晶層50が、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子50Aと、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子50Bとを含んでいるので、液晶層50が選択反射により呈色することなく、良好な表示特性を得ることができる。また、屈曲型分子50Bが駆動電圧を印加する前の段階において液晶分子50Aの配向方向に影響を与え、その配向を良好に安定化させ、駆動電圧を印加し配向方向が変化している間も、その配向を安定化させる。これにより、屈曲型分子50Bを含まない場合と比べて、電圧印加した際の応答時間(立上がりの応答時間)を短縮し、電圧を印加していない状態に戻る際の応答時間(立下がりの応答時間)が良好に維持され、良好な応答特性を得ることができる。さらに、電極表面などに線状突起を設けた場合に懸念されるような透過率の低下や、モノマーを重合させて得た高分子材料によってチルト角を付与する場合に懸念される液晶材料の電圧保持性悪化などの問題が生ずることがない。加えて、線状突起を設けたり、電圧を印加した状態でモノマーを重合させたりする場合と比べて製造工程も簡素化できる。
また、屈曲型分子50Bはアキラルな化合物でもよく、液晶相を示すものでもよく、中でも、ネマチック液晶相を示すものを用いることにより、液晶分子50Aとの相溶性が増すので、応答特性の向上および表示特性の維持に効果的である。また、液晶分子50Aおよび屈曲型分子50Bが同じ誘電異方性の符号を有し、特にいずれも負の誘電異方性を有していれば、広い視角方向において高いコントラストを表し、高い開口率が得られことにより、優れた表示特性および応答特性を得ることができる。また、液晶材料中における屈曲型分子50Bの含有量を0.2重量%以上10重量%未満の範囲内とすれば、より高い効果が見込まれる。
さらに、屈曲型分子50Bの分子量が液晶材料の平均分子量よりも大きければ、高い効果を得ることができる。
なお、上記した液晶表示素子および液晶表示装置において、液晶層50に含まれる液晶分子50Aとして、負の誘電異方性を有する液晶分子を用いたVAモードについて説明したが、正の誘電異方性を有する液晶分子を用いた液晶表示素子についても、液晶層50に屈曲型分子50Bを含ませることにより、同様の作用、効果が得られる。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示した液晶表示素子(VAモード)を以下の手順により作製した。すなわち、まず、ガラス製の透明基板21にITOよりなる画素電極22が設けられた画素電極基板20と、ガラス製の透明基板31にITOよりなる透明電極32が設けられた透明電極基板30とを準備した。続いて、画素電極基板20および透明電極基板30のそれぞれに配向膜40を形成した。続いて、配向膜40同士が向かい合うように画素電極基板20および透明電極基板30を互いに対向させたのち、それらの基板間のセルギャップが4μmとなるようにプラスチックビーズを介してシール材で封止した。
次に、屈曲型分子を用いて常誘電体である液晶材料を調製した。その際、室温でネマチック液晶相を示すと共に負の誘電異方性を有するアキラルな液晶分子としてMJ−961213(MJ;メルク社製、平均分子量約320)と、負の誘電異方性を有する屈曲型分子としてスメクチック液晶相を示す化45(1)の化合物(分子量692)とを用いて、化45(1)の化合物の含有量が液晶材料中において2重量%となるように調製した。この液晶材料の平均分子量は約320であり、ネマチック液晶相を示した。
次に、液晶注入装置を用いて真空注入法により調製した液晶材料をセルギャップに封入した。この際、真空槽内の真空度を1×10-1Torr程度とし、液晶材料を注入した。
次に、液晶材料が注入されたセルをプレス機により加圧し、液晶注入口から吹き出した液晶材料を拭き取ったのちに、液晶注入口を封止剤として紫外線硬化樹脂を用いて封止した。これにより液晶層50を形成した。
最後に、偏光板10をその吸収軸が直交するように透明基板21,31の外側、すなわち配向膜40を形成した面と透明基板21または透明基板31を介して対向する位置に貼り付けた。これにより、透過型の液晶表示素子を作製した。
(比較例1)
化45(1)の化合物を含まない液晶材料を用いた点を除き、実施例1と同様の手順を経た。
(比較例2)
化45(1)の化合物に代えて、化67に示した4−フルオロフェニルフェニルエーテル(分子量188)を用い、液晶材料を大気中において毛細管現象により注入したことを除き、実施例1と同様の手順を経た。この液晶材料の平均分子量は約310であり、ネマチック液晶相を示した。
これらの実施例1および比較例1,2の液晶表示素子について、応答特性を調べたところ表2に示した結果が得られた。応答特性を調べる際には、室温において、駆動電圧無印加状態から、閾値以上の駆動電圧を印加したときの液晶分子が傾斜し終わるまでの時間(立上がりの応答時間)と、駆動電圧を印加している状態から駆動電圧無印加状態にもどるまでの時間(立下がりの応答時間)とを測定した。
Figure 2009161634
表2に示したように、化45(1)の化合物を含む実施例1では、屈曲型分子を含まない比較例1よりも立上がりの応答時間が短縮され、立下がりの応答時間は同等であった。また、実施例1では、4−フルオロフェニルフェニルエーテルを含む比較例2よりも立上がりおよび立下がりの応答時間が短縮された。この結果は、屈曲型分子50Bが液晶分子50Aの配向を駆動電圧の無印加および印加時において安定化させたことを表している。一方、比較例2では立下がりの応答時間が長くなったことから、4−フルオロフェニルフェニルエーテルは液晶材料の粘度を下げる効果は有しているが、屈曲部が環状構造を有していないので、液晶分子の配向を乱しているものと考えられる。
このことから、液晶表示素子では、液晶層50がアキラルな液晶分子50Aと、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子50Bとを含む液晶材料に構成されることにより、良好な応答特性が得られることが確認された。また、化45(1)の化合物が液晶相を示し、スメクチック液晶相を示すことから、屈曲型分子50Bとしては、液晶相を示すものが好ましく、液晶分子50Aとの相溶性の観点からネマチック液晶相を示すものも好ましいことが確認された。なお、上記の液晶材料は、自発分極が0であることは言うまでもない。さらに、化45(1)の化合物の化1に示したW1−A−W2の結合角に相当する結合角は、約120°であり、90度以上180°未満の範囲内、115°以上160°以下の範囲内であるので、上記した結合角の範囲が適正な範囲であることが確認された。
なお、本実施例では示していないが、液晶材料中における化45(1)の化合物の含有量が10重量%の場合には、室温においてスメクチック相を示した。すなわち、液晶材料では、屈曲型分子の含有量が10重量%未満であれば、液晶表示素子に用いた場合に、より良好な表示特性が得られることが示唆された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、それらの構成は自由に変更可能である。具体的には、上記実施の形態および実施例では、本発明の液晶材料をVAモードの液晶表示素子に用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、TNモードやFFSモードやIPSモードなどにおいても、上記実施の形態および実施例と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、本発明の液晶表示素子および液晶表示装置を透過型の液晶表示素子および液晶表示装置に適用するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、反射型の液晶表示素子および液晶表示装置に適用することも可能である。これらの反射型の液晶表示素子および液晶表示装置では、画素電極がアルミニウムなどの光反射性を有する電極材料により構成される。この場合においても、上記実施の形態および実施例と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る液晶材料を用いた液晶表示素子の構成を表す断面図である。 図1に示した液晶表示素子を備えた液晶表示装置の回路構成を表す図である。 従来の液晶表示素子を説明するための断面図である。
符号の説明
10…偏光板、20…画素電極基板、21,31…透明基板、22…画素電極、30…透明電極基板、32…透明電極、40…配向膜、50…液晶層、50A…液晶分子、50B…屈曲型分子、60…表示領域、61…ソースドライバ、62…ゲートドライバ、63…タイミングコントローラ、64…電源回路、71…ソース線、72…ゲート線。

Claims (12)

  1. 常誘電体である液晶材料であって、
    室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含む
    ことを特徴とする液晶材料。
  2. 前記屈曲型分子は、アキラルな化合物であることを特徴とする請求項1記載の液晶材料。
  3. 前記屈曲型分子は、液晶相を示すことを特徴とする請求項1記載の液晶材料。
  4. 前記屈曲型分子は、化1で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の液晶材料。
    Figure 2009161634
    (Aは環状構造を有する2価の基である。W1およびW2は1価の基である。ただし、W1−A−W2の結合角は180°未満である。)
  5. 前記化1に示したW1−A−W2の結合角は、90°以上であることを特徴とする請求項4記載の液晶材料。
  6. 前記化1に示したW1−A−W2の結合角は、115°以上160°以下であることを特徴とする請求項4記載の液晶材料。
  7. 前記化1に示したW1およびW2のうちの少なくとも一方は、化2で表される基であることを特徴とする請求項4記載の液晶材料。
    Figure 2009161634
    (Bは環状構造を有する2価の基である。R1は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)および窒素(N)ならびにハロゲンからなる群から選択される元素により構成される2価の基である。nは1以上の整数である。R2は炭素数1以上20以下のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基またはアルケニルオキシル基である。)
  8. 前記屈曲型分子の含有量は、0.2重量%以上50重量%未満であることを特徴とする請求項1記載の液晶材料。
  9. 前記屈曲型分子の分子量は、全体の平均分子量よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の液晶材料。
  10. 前記液晶分子は、負の誘電異方性を有することを特徴とする請求項1記載の液晶材料。
  11. 対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間に設けられた電極および液晶層とを有し、
    前記液晶層は、常誘電体である液晶材料で構成され、
    前記液晶材料は、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含む
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  12. 対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間に設けられた電極および液晶層とを有する液晶表示素子を備え、
    前記液晶層は、常誘電体である液晶材料で構成され、
    前記液晶材料は、室温でネマチック液晶相を示すアキラルな液晶分子と、屈曲部が環状構造を有する屈曲型分子とを含む
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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