JP2009160718A - 放電加工機および放電加工機における加工液の液面レベル設定方法 - Google Patents

放電加工機および放電加工機における加工液の液面レベル設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 効率よくかつ精度よくワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように該液面のレベルを設定する。
【解決手段】 昇降動作可能に構成された加工槽6から加工液をオーバーフローさせつつワークWの放電加工を行う放電加工機1において、光ビームを投光する投光器21および該投光器21からの光ビームを受光する受光器22を備え該受光器22における光ビームの受光データに基づいて光ビームの光路上にワークWが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサ20と、光学式センサ20から出力された検出信号に基づいてワークWの上面位置W´を検出するワーク上面位置検出手段および検出されたワークWの上面位置W´から加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から加工槽6を上昇動作させて加工液の液面レベルを設定する液面レベル設定手段を含む設定装置30と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように該液面のレベルを設定することができる放電加工機および放電加工機における加工液の液面レベル設定方法に関する。
放電加工は、加工電極と加工対象物との間に形成される加工間隙(以下、極間とする)に電圧を印加して放電を発生させ、この放電により加工対象物を加工する加工方法である。放電加工においては、極間に加工屑が多く介在するとアークやショート等の不良放電を引き起こす恐れがあり、この極間の加工屑を連続的に除去すべく、例えば、特許文献1に開示するように、加工液を満たした加工槽内にワークを浸漬しつつ放電加工を行う。
この放電加工に用いられる加工液には、水系又は油系の加工液があるが、油系の加工液では、放電による熱の発生で加工液が局部的に高温となったときに火災が発生する恐れがある。そこで、従来は、油系の加工液における火災の発生を防止すべく、加工液の液面レベルをワークの上面位置から所定に離間させて設定していた。
特開平08−118149号公報
ところで、上述した加工液の液面レベルの設定は、加工槽の高さ位置を所定に設定して該加工槽から加工液を常時オーバーフローさせて行っていた。そして、加工槽の高さ位置の設定は、例えばリミットスイッチを所定の高さ位置に設置しておき、該リミットスイッチが検出する位置まで加工槽を昇降動作させることにより行っており、リミットスイッチの高さ位置は作業者が手動にて設定していた。
しかしながら、このように作業者が手動にて設定することとすると、ワークの厚みを変更した放電加工を行うたびに、作業者がいちいちリミットスイッチの高さ位置を変更して液面レベルを設定し直さなければならず作業が極めて煩雑であった。
しかも、従来は目測により液面レベルを設定することも多く、ワークの上面位置から加工液の液面が十分に離間しないまま放電加工を行ってしまい、加工中に火災が発生する事例もたびたび報告されていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、効率よくかつ精度よくワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように該液面のレベルを設定することができる放電加工機および放電加工機における加工液の液面レベル設定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、放電加工機に係る請求項1の発明は、ワークを加工液に浸漬し昇降動作可能に構成された加工槽から加工液をオーバーフローさせつつワークの放電加工を行う放電加工機において、光ビームを投光する投光部および投光部から投光された光ビームを受光する受光部を備え受光部における光ビームの受光データに基づいて光ビームの光路上にワークが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサと、光学式センサから出力された検出信号に基づいてワークの上面位置を検出するワーク上面位置検出手段およびワーク上面位置検出手段により検出されたワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から加工槽を上昇動作させて加工液の液面レベルを設定する液面レベル設定手段を含む設定装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、光ビームを投光する投光部および投光部から投光された光ビームを受光する受光部を備え受光部における光ビームの受光データに基づいて光ビームの光路上にワークが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサと、光学式センサから出力された検出信号に基づいてワークの上面位置を検出するワーク上面位置検出手段およびワーク上面位置検出手段により検出されたワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から加工槽を上昇動作させて加工液の液面レベルを設定する液面レベル設定手段を含む設定装置と、を有することとしたので、作業者の手動操作を介することなくワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように加工液の液面レベルを設定することができ、該液面レベルの設定を効率よくかつ精度よく行うことができる。
ここで、光学式センサは加工槽に取り付けられ、ワーク上面位置検出手段におけるワークの上面位置の検出は、光学式センサを加工槽とともに昇降動作させながら行う構成とするとともに、設定装置は、ワークの上面位置が検出されたときに加工槽の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を原点位置として設定する原点位置設定手段を更に有することとすれば、ワークの上面位置の検出と加工槽の原点位置の設定を同時に行うことができる。しかも、加工槽の原点位置はワークの上面位置に応じて適宜に設定されるので、該上面位置の実際の高さ距離を検出せずとも液面レベルが所望に設定されるように加工槽の上昇動作を行うことができ、更に効率よく加工液の液面レベルの設定を行うことができる。また、光学式センサを昇降動作可能に構成された加工槽に取り付けているので、光学式センサを昇降動作させるための昇降装置を別途設ける必要もなく、放電加工機の簡素化にも寄与することができる(請求項2、請求項3)。
放電加工機における加工液の液面レベル設定方法に係る請求項4の発明は、ワークを加工液に浸漬し昇降動作可能に構成された加工槽から加工液をオーバーフローさせつつワークの放電加工を行う放電加工機における加工液の液面レベル設定方法において、光ビームを投光する投光部および投光部から投光された光ビームを受光する受光部を備え受光部における光ビームの受光データに基づいて光ビームの光路上にワークが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサの検出信号に基づいてワークの上面位置を検出するステップと、ワークの上面位置を検出するステップにより検出されたワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から加工槽を上昇動作させて加工液の液面レベルを設定するステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、光ビームを投光する投光部および投光部から投光された光ビームを受光する受光部を備え受光部における光ビームの受光データに基づいて光ビームの光路上にワークが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサの検出信号に基づいてワークの上面位置を検出するステップと、ワークの上面位置を検出するステップにより検出されたワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から加工槽を上昇動作させて加工液の液面レベルを設定するステップと、を有することとしたので、作業者の手動操作を介することなくワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように加工液の液面レベルを設定することができ、該液面レベルの設定を効率よくかつ精度よく行うことができる。
ここで、光学式センサは加工槽に取り付けられ、ワークの上面位置の検出は、光学式センサを加工槽とともに昇降動作させながら行うこととするとともに、ワークの上面位置が検出されたときに加工槽の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を原点位置として設定するステップを更に含むこととすれば、ワークの上面位置の検出と加工槽の原点位置の設定を同時に行うことができる。しかも、加工槽の原点位置はワークの上面位置に応じて適宜に設定されるので、該上面位置の実際の高さ距離を検出せずとも液面レベルが所望に設定されるように加工槽の上昇動作を行うことができ、更に効率よく加工液の液面レベルの設定を行うことができる。また、光学式センサを昇降動作可能に構成された加工槽に取り付けているので、光学式センサを昇降動作させるための昇降装置を別途設ける必要もなく、放電加工機の簡素化にも寄与することができる(請求項5)。
本発明によれば、効率よくかつ精度よくワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように該液面のレベルを設定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示す放電加工機(形彫放電加工機)の概略を示す構成図、図2は加工槽回りの詳細な構成を示す斜視図である。これらの図を参照して放電加工機の概要を説明すると、放電加工機1は、該加工機1の基部をなし後部に立設部分を有するベッド2と、ベッド2の立設部分の上面に設けられ前方に延出するサドル3と、サドル3の前面にクイルベース4を介して備えられ工具電極Eを装着するクイル5と、ベッド2の前部に載置される加工槽6と、加工槽6に収容されワークWを載置する定盤7と、加工槽6の前壁および側壁を一体に昇降動作させる昇降装置8と、昇降装置8を駆動するモータ8aと、を有しており、加工液を加工槽6に満たしてワークWを加工液に浸漬しつつ極間に放電を発生させてワークWの放電加工を行う構成となっている。
放電加工機1には加工液供給系統9および加工液排出系統10が併設されており、ワークWの放電加工中は加工液供給系統9から加工槽6に連続的に加工液が供給されるとともに、加工液が一定量満たされた後は加工槽6の内面上部側に設けられた複数のオーバーフロー孔6aから加工液がオーバーフローして加工液排出系統10に排出され、加工槽6の加工液が常時清澄にかつ一定の液面レベルに保持される。なお、昇降装置8を駆動するモータ8aの駆動量を検出すべく該モータ8aには検出器8bが備えられており、この検出器8bにはポテンシオメータやエンコーダ等が採用される。
加工槽6には光学式センサ20が所定の取り付け治具等を介して取り付けられており、光学式センサ20は昇降装置8により加工槽6とともに昇降動作可能となっている。この光学式センサ20は投光器(投光部)21と受光器(受光部)22からなる。
投光器21は、放電加工機1の正面側から見て加工槽6の左側壁の上面に取り付けられており、複数の光ビーム21aがワークWの設置方向に向けて水平方向に投光可能となっている。
受光器22は、ワークWを介して投光器21と対向するように放電加工機1の正面側から見て加工槽6の右側壁の上面に取り付けらており、投光器21から投光される複数の光ビーム21aが受光可能なように構成されるとともに、光ビーム21aの受光データに基づいて該光ビーム21aの光路上にワークWが存在するか否かを検出する検出信号を出力する機能を有している。すなわち、検出信号は、光ビーム21aの光路上にワークWが存在し受光器22が複数の光ビーム21aのうち一部でも受光していないときはON状態となり、光ビーム21aの光路上にワークWが存在せず受光器22が複数の光ビーム21aの全てを受光しているときはOFF状態となる。
本実施形態にあってはこのように構成された光学式センサ20を用いてワークWの上面位置を検出するとともに、検出されたワークWの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように該液面のレベルを設定する。このワークWの上面位置の検出および液面レベルの設定原理は次のように説明される。
すなわち、検出信号がOFF状態のときは、図3のように、光ビーム21aの光路位置21bがワークWの上面位置W´よりも高い位置にあると判断して昇降装置8により加工槽6とともに光学式センサ20を下降動作させ、検出信号がOFF状態からON状態に切り替わったときに、図4の如く光ビーム21aの光路の高さ位置21b(以下、単に光路位置21bとする)がワークWの上面位置W´に達したと判断する。これによりワークWの上面位置W´が検出されるとともに、ワークWの上面位置W´が検出されたときの加工槽6の位置を原点位置とする。つまり、原点位置は光路位置21bとワークWの上面位置W´とが一致したときの加工槽6の位置であり、ワークWの上面位置W´の検出と同時に設定することができるとともに、ワークWの上面位置W´に応じて適宜に設定される。
一方、検出信号がON状態のときは、図5に示すように、光路位置21bがワークWの上面位置W´よりも低い位置にあると判断して昇降装置8により加工槽6とともに光学式センサ20を上昇動作させ、検出信号がON状態からOFF状態に切り替わったときに、図6の如く光路位置21aがワークWの上面位置W´に達したと判断し、同じくワークWの上面位置W´の検出と加工槽6の原点位置の設定が同時に行われる。
そして、このように検出されたワークWの上面位置W´に対し加工液の液面レベルが所望に設定されるように加工槽6を図4または図6の原点位置から所定量上昇させる。上述の如く原点位置はワークWの上面位置W´に応じて適宜に設定されるので、該上面位置W´の実際の高さ距離を検出せずとも液面レベルが所望に設定されるように加工槽6の上昇動作を行うことができる。
すなわち、図7および数1に示すように、液面レベルが所望に設定される原点位置からの加工槽6の上昇量Xは、ワークWの上面位置W´に対する加工液面の所望の離間距離Yに更にオーバーフロー孔6aの最下端位置から光路位置21bまでの距離Zを加えて演算される。
[数1]
X=Y+Z
放電加工機1には放電加工制御装置として機能するNC制御装置が併設されており、このNC制御装置は上述した光学式センサ20を用いたワークWの上面位置W´の検出および該ワークWの上面位置W´に基づく所望の加工液の液面レベルの設定を行う設定装置30としても機能する。すなわち、設定装置30は、図8に示すように、入力部31と、記憶部32と、処理部33とから構成されている。
入力部31は、キーボード、マウス、或いはタッチパネル等で構成されており、処理部33における各種情報処理に必要な種々の情報を入力する機能を有している。すなわち、入力部31から入力される情報には、ワークWの上面位置W´に対する加工液面の所望の離間距離Yおよびオーバーフロー孔6aの最下端位置から光路位置21bまでの距離Z等がある。
記憶部32は、ハードディスク等で構成されており、加工液の液面レベルの設定に必要な各種プログラムを記憶する機能を有している。
すなわち、記憶部32には、受光器22の検出信号がOFF状態のとき(光路位置21bがワークWの上面位置W´よりも高い位置にあるとき)に加工槽6とともに光学式センサ20を下降動作させるとともに、検出信号がOFF状態からON状態に切り替わったときに光路位置21bがワークWの上面位置W´に達し該上面位置W´が検出されたと判断する第1のワーク上面位置検出プログラム、検出信号がON状態のとき(光路位置21bがワークWの上面位置W´よりも低い位置にあるとき)に加工槽6とともに光学式センサ20を上昇動作させるとともに、検出信号がON状態からOFF状態に切り替わったときに光路位置21bがワークWの上面位置W´に達し該上面位置W´が検出されたと判断する第2のワーク上面位置検出プログラム、ワークWの上面位置W´が検出されたときに加工槽6の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を加工槽6の原点位置として設定する原点位置設定プログラム、設定された原点位置から加工槽6を上昇動作させるとともに、加工槽6の原点位置からの上昇量が数1の上昇量Xと一致したときに加工槽6を停止動作させ、かつ、加工液供給系統9により加工液を供給して液面レベルを所望に設定する液面レベル設定プログラム等の各種プログラムが記憶されている。なお、上述した入力部31から入力されるワークWの上面位置W´に対する加工液面の所望の離間距離Yおよびオーバーフロー孔6aの最下端位置から光路位置21bまでの距離Z等を予め記憶部32に記憶させておき該記憶部32から処理部33が読み出す構成としてもよい。
処理部33は入力部31から入力された各種情報、受光器22からの検出信号、更には検出器8bからのモータ8aの駆動量信号等に基づいて記憶部32に記憶されている上述の各プログラムを実行する機能を有する。すなわち、処理部33は、第1のワーク上面位置検出プログラムを実行して受光器22からの検出信号に基づき加工槽6とともに光学式センサ20を下降動作させワークWの上面位置W´を検出する手段(第1のワーク上面位置検出手段)、第2のワーク上面位置検出プログラムを実行して受光器22からの検出信号に基づき加工槽6とともに光学式センサ20を上昇動作させワークWの上面位置W´を検出する手段(第2のワーク上面位置検出手段)、原点位置設定プログラムを実行してワークWの上面位置W´が検出されたときに加工槽6の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を原点位置として設定する手段(原点位置設定手段)、液面レベル設定プログラムを実行してワークWの上面位置W´から加工液の液面が所望に離間するように原点位置から加工槽6を上昇動作させて該液面のレベルを設定する手段(液面レベル設定手段)として機能し、受光器22からの検出信号のON状態およびOFF状態の確認、上述の数1に基づく加工槽6の上昇量Xの演算、該演算された上昇量Xと昇降装置8のモータ8aの駆動量との比較等を行い、昇降装置8のモータ8aおよび加工液供給系統9に必要な動作指令を出力する。
次にこのように構成された設定装置30による光学式センサ20を用いたワークWの上面位置W´の検出方法および該上面位置W´に基づく所望の加工液の液面レベルの設定方法を図9のフローチャートに基づいて説明する。
すなわち、まずステップS1において、オペレータ等が入力部31から各種情報すなわちワークWの上面位置W´に対する加工液面の所望の離間距離Yおよびオーバーフロー孔6aの最下端位置から光路位置21aまでの距離Z等を入力するとともに、受光器22からの検出信号および検出器8bからのモータ8aの駆動量信号を入力可能な状態としておく。本実施形態にあっては、離間距離Yは放電加工中に火災の発生のない安全な高さとして110mm程度に設定される。
次いで、ステップS2において、処理部33は、検出信号がOFF状態である(図3の如く光路位置21aがワークWの上面位置W´よりも高い位置にある状態)ことを確認すると、ステップS3Aに進み、モータ8aに下降指令を出力し加工槽6とともに光学式センサ20を下降動作させる。
そして、ステップS4Aにおいて、処理部33は、ステップS3Aの下降動作により検出信号がOFF状態からON状態に切り替わったことを確認すると、ステップS5Aにおいて、光路位置21aがワークWの上面位置W´に達してワークW´の上面位置W´が検出されたと判断する。
そして更に、ステップS6Aにおいて、処理部33は、ステップS5AにおけるワークWの上面位置W´の検出と同時にモータ8aに停止指令を出力して加工槽6を停止動作させる(図4の状態)。これにより、ワークWの上面位置W´の検出と加工槽6の原点位置の設定を同時に行う。
一方、ステップS2において、処理部33は、検出信号がON状態である(図5の如く光路位置21aがワークWの上面位置W´よりも低い位置にある状態)ことを確認すると、ステップS3Bに進み、モータ8aに上昇指令を出力し加工槽6とともに光学式センサ20を上昇動作させる。
そして、ステップS4Bにおいて、処理部33は、ステップS3Bの上昇動作により検出信号がON状態からOFF状態に切り替わったことを確認すると、ステップS5Bにおいて、光路位置21aがワークWの上面位置W´に達してワークW´の上面位置W´が検出されたと判断する。
そして更に、ステップS6Bにおいて、処理部33は、ステップS5BにおけるワークWの上面位置W´の検出と同時にモータ8aに停止指令を出力して加工槽6を停止動作させる(図6の状態)。これにより、ワークWの上面位置W´の検出と加工槽6の原点位置の設定を同時に行う。
次いで、ステップS7において、処理部33は、ステップS2において入力されたワークWの上面位置W´に対する加工液面の所望の離間距離Yおよびオーバーフロー孔6aの最下端位置から光路位置21aまでの距離Zに基づいて数1により加工液の液面レベルが所望に設定される原点位置からの加工槽6の上昇量Xを演算する。
続いて、ステップS8において、処理部33は、モータ8aに上昇指令を出力しステップS6A乃至ステップS6Bにおいて設定された原点位置から加工槽6を上昇動作させるとともに、ステップS9において、原点位置からのモータ8aの駆動量つまり加工槽6の上昇量とステップS7において演算された上昇量Xとを比較し、加工槽6の上昇量が上昇量Xと一致したときは、ステップS10において、モータ8aに停止指令を出力して加工槽6を停止動作させる(図7の右側の状態)。
そして更に、ステップS11において、処理部33は、加工液供給系統9に起動指令を出力し加工槽6から加工液をオーバーフローさせつつ加工槽6に加工液を連続的に供給する。
以上の如く本実施形態においては、設定装置30により光学式センサ20を用いてワークWの上面位置W´を検出するとともに、該検出した上面位置W´から加工液の液面が所望に離間するように加工液の液面レベルを設定することとしたので、該液面レベルの設定を作業者の手動操作を介することなく効率よくかつ精度よく行うことができる。
また、光学式センサ20は加工槽6に取り付けられ、ワークWの上面位置W´の検出は、光学式センサ20を加工槽6とともに昇降動作させながら行い、ワークWの上面位置W´が検出されたときに加工槽6の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を原点位置として設定することとしたので、ワークWの上面位置W´の検出と加工槽6の原点位置の設定を同時に行うことができる。
しかも、加工槽6の原点位置はワークWの上面位置W´に応じて適宜に設定されるので、該上面位置W´の実際の高さ距離を検出せずとも液面レベルが所望に設定されるように加工槽6の上昇動作を行うことができ、更に効率よく加工液の液面レベルの設定を行うことができる。
更に、光学式センサ20を昇降動作可能に構成された加工槽6に取り付けることで、光学式センサ20を昇降動作させるための昇降装置を別途設ける必要もなく、放電加工機1の簡素化にも寄与することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の応用実施または変形実施が可能である。例えば、本実施形態にあっては形彫放電加工機において所望の加工液の液面レベルを設定する場合について説明しているがワイヤカット放電加工機においても同様に適用することができるのは勿論である。
本発明は、放電加工機に利用できる。具体的には、ワークの上面位置から加工液の液面が所望に離間するように該液面のレベルを設定する場合に役立つ。
本発明の実施形態に係る放電加工機の概略を示す構成図である。 同放電加工機における加工槽回りの詳細な構成を示す斜視図である。 光学式センサの検出信号がOFF状態のときの光路位置とワークの上面位置との位置関係を説明するための図で、(a)は正面図、(b)平面図である。 光学式センサの検出信号がOFF状態からON状態に切り替わった状態(ワークの上面位置が検出され、かつ、加工槽の原点位置が設定された状態)を説明するための図で、(a)は正面図、(b)平面図である。 光学式センサの検出信号がON状態のときの光路位置とワークの上面位置との位置関係を説明するための図で、(a)は正面図、(b)平面図である。 光学式センサの検出信号がON状態からOFF状態に切り替わった状態(ワークの上面位置が検出され、かつ、加工槽の原点位置が設定された状態)を説明するための図で、(a)は正面図、(b)平面図である。 液面レベルが所望に設定される原点位置からの加工槽の上昇量を説明するための図である。 設定装置の構成を示すブロック図である。 設定装置による光学式センサを用いたワークの上面位置の検出方法および該上面位置に基づく所望の加工液の液面レベルの設定方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
E:工具電極
W:ワーク
W´:ワークの上面位置
X:液面レベルが所望に設定される原点位置からの加工槽の上昇量
Y:ワークの上面位置に対する加工液面の所望の離間距離
Z:オーバーフロー孔の最下端位置から光路位置までの距離
1:放電加工機
2:ベッド
3:サドル
4:クイルベース
5:クイル
6:加工槽
6a:オーバーフロー孔
7:定盤
8:昇降装置
8a:モータ
8b:検出器
9:加工液供給系統
10:加工液排出系統
20:光学式センサ
21:投光器
21a:光路位置
22:受光器
30:設定装置
31:入力部
32:記憶部
33:処理部

Claims (5)

  1. ワークを加工液に浸漬し昇降動作可能に構成された加工槽から前記加工液をオーバーフローさせつつ前記ワークの放電加工を行う放電加工機において、
    光ビームを投光する投光部および該投光部から投光された光ビームを受光する受光部を備え該受光部における光ビームの受光データに基づいて前記光ビームの光路上に前記ワークが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサと、
    前記光学式センサから出力された検出信号に基づいて前記ワークの上面位置を検出するワーク上面位置検出手段および前記ワーク上面位置検出手段により検出されたワークの上面位置から前記加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から前記加工槽を上昇動作させて前記加工液の液面レベルを設定する液面レベル設定手段を含む設定装置と、
    を有することを特徴とする放電加工機。
  2. 前記光学式センサは前記加工槽に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の放電加工機。
  3. 前記ワーク上面位置検出手段における前記ワークの上面位置の検出は、前記光学式センサを前記加工槽とともに昇降動作させながら行う構成とするとともに、前記設定装置は、前記ワークの上面位置が検出されたときに前記加工槽の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を前記原点位置として設定する原点位置設定手段を更に有することを特徴とする請求項2に記載の放電加工機。
  4. ワークを加工液に浸漬し昇降動作可能に構成された加工槽から前記加工液をオーバーフローさせつつ前記ワークの放電加工を行う放電加工機における加工液の液面レベル設定方法において、
    光ビームを投光する投光部および該投光部から投光された光ビームを受光する受光部を備え該受光部における光ビームの受光データに基づいて前記光ビームの光路上に前記ワークが存在するか否かを検出する検出信号を出力する光学式センサの前記検出信号に基づいて前記ワークの上面位置を検出するステップと、
    前記ワークの上面位置を検出するステップにより検出された前記ワークの上面位置から前記加工液の液面が所望に離間するように所定に設定された原点位置から前記加工槽を上昇動作させて前記加工液の液面レベルを設定するステップと、
    を有することを特徴とする放電加工機における加工液の液面レベル設定方法。
  5. 前記光学式センサは前記加工槽に取り付けられ、前記ワークの上面位置の検出は、前記光学式センサを前記加工槽とともに昇降動作させながら行うこととするとともに、前記ワークの上面位置が検出されたときに前記加工槽の昇降動作を同時に停止させて該停止した位置を前記原点位置として設定するステップを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の放電加工機における加工液の液面レベル設定方法。
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