JP2009156671A - 光線方向計測装置及び表面性状計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】平行光束、非平行光束における光線の方向分布、光線進行方向の平均的な角度、を含めた角度情報を計測する装置を提供する。
【解決手段】 屈折率の異なる境界面に光線を入射させてその反射率の変化から光線の入射角を知る光線角度検出センサにおいて、入射光束内の光線角度変化幅を角度検出境界面での反射率変化が有効に生じる範囲に納めるための光線角度幅調整装置を設け、角度検出境界面での反射光、透過光の両方を受光装置でそれぞれ受光して、受光された光束における強度分布が光線方向分布に対応することを原理として、光線の方向分布、光線進行方向の平均的な角度を測定する。
【選択図】図4
【解決手段】 屈折率の異なる境界面に光線を入射させてその反射率の変化から光線の入射角を知る光線角度検出センサにおいて、入射光束内の光線角度変化幅を角度検出境界面での反射率変化が有効に生じる範囲に納めるための光線角度幅調整装置を設け、角度検出境界面での反射光、透過光の両方を受光装置でそれぞれ受光して、受光された光束における強度分布が光線方向分布に対応することを原理として、光線の方向分布、光線進行方向の平均的な角度を測定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、測定技術に関し、特に収束あるいは拡散光線の進行方向の微小な変化の検出を簡易に高精度に行う方法およびその応用に関する。
光線の方向を検出するには、高い屈折率の媒体から屈折率の低い媒体へ境界面で生じる臨界角近傍の急激な反射率の変化を利用する臨界角法が知られている。また、屈折率の変化する境界面で、反射光量と屈折透過光量が等しくなる入射角が必ず存在することを利用してその両光量の差の変化から角度を検出する方法が最近研究されている。図1に低屈折率から高屈折率の媒体の境界面への入射光の境界面での分岐(反射と透過)の様子と高屈折率から低屈折率の媒体の境界面への入射光の境界面での分岐の様子を示す。図中、Rp、はp偏光の反射率、Rsはs偏光の反射率を示す。
図2は高屈折率から低屈折率の境界面における入射角と反射率の関係の一例を示す。また図には示さないが、低屈折率から高屈折率に向かう境界面での入射角と反射率の関係も、変化は緩やかになるが、傾向としては図2と類似のものになる。尚、反射光を用いて被測定物の表面形状を測定する技術は、特許文献1に開示されている。
特開2004−37251号公報
収束光や拡散光についても、光束全体が方向を変える場合には、前記の臨界角法や光量の差動検出法でも原理的には検出できるが、図2に見られるように、入射角度に応じて反射率あるいは透過率が単純に増減する範囲は限られている。図3のように光束の広がり角や収束角が大きいときは、光束の中心の光の方向を最適の角度で前記境界面に入射させると、多くの部分の光は全反射光になってしまい、入射角度変化にともなう反射光量変化が無くなり、角度検出に寄与できなくなってしまう。また、光束を構成する光線のうち入射角が小さくなる一部の光線では、その方向変化に伴う反射光量変化が中心の光線とは符号が逆になってしまい、高感度の角度検出の妨げになるという難点がある。
このため、従来の光学式角度センサで被測定面の傾斜角度を高分解能で測るためには、入射光線が平行光束であるだけでなく、被測定面が鏡面でかつ平面で無ければならないと言う制約があった。
すなわち、光学式の角度センサを面の傾斜測定に用いるときは、光学式変位センサのように投射光束を一点に絞って測定面に当てることで、極小の点の変位情報を得る事が出来ない。また、機械加工面などの乱反射成分を含む反射面に対する適用や、円筒面、球面などの曲面の法線方向を検出することも容易ではなかった。
また、臨界角方式の光触針では反射点の角度変化に対する検出感度が存在するが、その光触診用途が、反射点から対物レンズまでの変位を測ることを主目的としていて、光線の平均的な進行方向の変化は精密には測れない。
また、従来の角度センサは、光束をスポット光として一点に集めてその強度変化をみたり、スポットの移動を見る手段がとられていた。そのため、光束に含まれる光線の方向分布などを知ることは難しく、光束に含まれる多くの情報を使うことが難しいという欠点もあった。
本発明は、かかる問題点に鑑み、光線の進行方向に角度幅がある収束光や発散光の平均的な進行方向や進行方向の角度分布の計測を目的として、光束の有する光線進行方向角度に関する多くの情報を取得するための装置の提供を目的とする。
本発明は、光線の進行方向の角度に幅を持つ光束を、光の屈折率の異なる媒質の境界面に入射させ、入射角に応じて反射光と透過光に検出分岐させる角度検出境界面と、前記角度検出境界面で検出分岐された反射光と透過光をそれぞれ電気量に変える受光装置とを具備し、電気量を介して検出された反射光量と透過光量から、前記光線の進行方向の角度に幅を持つ光束の平均的な光線方向を計測することを特徴とする。ここで、「平均的な光線方向」とは、光線の進行方向の角度に幅(発散角又は収束角)を持つ光束の、光線の方向分布と強度分布および光線方向の角度幅および強度分布も考慮した平均的な光線方向をいうものとする。又、「検出分岐」とは反射光と透過光に分けて角度を検出する状態を指し、「差動分岐」とは、直角に光線を分岐し、2本の光線が作る平面内での2本の光線の角度変化の差動出力を取って、感度を上げ、また、角度と反射率の関係の線形性を高める状態を指すものとする。ここで、角度検出境界面は2つとも上記平面に直交し、かつ互いに直交する。なお、2次元分岐は直角に光線を分岐し、2本の光線が作る平面内の傾斜と、平面に直交する方向の傾斜を検出する角度検出境界面に向かわせる。すなわち、角度検出境界面は一方が上記平面に直交し、他方は上記平面に平行になり、かつ2つの角度検出境界面互いに直交する。
本発明はまた、光線の進行方向の角度に幅を持つ光束の有する光線方向の角度幅を、レンズまたは鏡面によって前記角度検出境界面によって検出可能な角度幅以内に狭めるための光線角度幅調整装置を有することを特徴とする。
本発明はまた、前記光線角度幅調整装置におけるレンズまたは鏡を所定の方向に所望の量だけ並進変位させる機構および所定の軸回りに所望の量だけ回転させる機構を具備していて、前記光線方向計測装置の出力をフィードバックして、前記光線角度幅調整装置通過後の光束における角度幅と平均的光線方向を所定の値に調整可能であることを特徴とする。
本発明はまた、前記光線角度幅調整装置を通過後の前記光束を2つに2次元的に分岐して、分岐されたそれぞれの光束の入射する前記角度検出境界面を、互いに直交する2方向の角度成分を検出できる姿勢に配置することで前記光線の2次元角度検出を行うことを特徴とする。
本発明はまた、前記光線角度幅調整装置を通過した光束を、または、前記光線角度幅調整装置を通過した光束を前記2次元分岐をした光束を2つに差動分岐して、前記差動分岐前の光束内にある光線の方向角度変化にともなう前記角度検出境界面への差動分岐後の入射角の変化が、正負逆向きになるように前記角度検出境界面を配置して、2つの前記角度検出境界面による入射角度測定値の差から光線方向変化を感度よく検出することを特徴とする。
本発明はまた、前記受光装置における受光部が結像光学系とその像面に配置された2個以上の光電素子からなるアレー型受光素子を具備する受光部であるか、または小領域のみを受光する素子が光束の断面スポット内を相対走査する機構を伴う受光部であり、前記角度検出境界面での検出分岐前の光束における光線方向分布を計測することを特徴とする。
本発明はまた、前記受光装置における受光部が集光光学系を伴った受光素子で構成され、前記検出分岐した前記反射光と前記透過光、それぞれの全光量から前記角度検出境界面での検出分岐前の光束の平均的光線方向を計測することを特徴とする。
本発明はまた、被測定物に対して所定の方向と位置に光を投射する光源装置と必要に応じて投射光の方向と位置を被測定物に対して相対走査できる機構と、前記光線方向計測装置を具備して、被測定物に投射された光束が被測定物の表面での反射の際の影響で受ける光束内の光線方向角度分布変化またはその平均的な角度および強度分布変化から、被測定物の表面の面法線方向分布、輪郭形状、面形状、反射光の方向と強度の分布として現れる投射光スポット内の表面性状を測定することを特徴とする。
本発明はまた、光線方向計測装置を複数個を備えていて、被測定面での反射光を複数の方向で受けるか、あるいは、また、波長の違いや断続的点灯を含む光源強度に加えられた変調で区別の出来る複数の光源を有していて、複数の投射光の測定対象物での反射光を受けて、より詳細な表面性状を計測することを特徴とする。
請求項1、2を具現する一例として示した図4の実施形態では、方向を測定すべき拡散する光束をレンズによる光線方向角度幅調整装置を介して光線角度幅を調整された光束(角度検出境界面での反射率が入射角変化とともに一定方向に変化する範囲に角度幅が入る光束で、図2で言えば、p偏光を使うとして、ブリュースター角から臨界角までの約8度が上限で、測定範囲での角度の振れ幅を考慮するとそれより狭くなる)に変えると、その光束内のいずれの光線の前記境界面への入射角が臨界角以上になることも、ブリュースター角以下になることもない状態を実現することができる。従って、測定すべき光束の内のそれぞれの光線はその方向に応じた反射率で検出分岐される。また、光束全体としての反射光量と透過光量の差から、境界面に対する光束全体の平均的な入射角を知ることができるようになる。
角度検出境界面は、屈折率の高いほうから低いほうへ入射する場合と、屈折率の低いほうから高いほうへ入射する場合がありうる。後者のほうが反射率の変化する入射角範囲が広いが、感度は悪くなる。屈折率の差が小さい角度検出境界面ほど反射率の変化する入射角範囲が広いが、感度は悪くなる。
なお、本発明の光線方向計測装置では、前記角度幅調整装置通過後の光束内の光線角度の広がり幅がゼロでないときの平均的入射角と平均的反射率の関係は、図2における曲線に関して、光強度分布の重みを付けて光束内光線の角度幅に関する移動平均として表される。したがって、広がり角が大きいほど、拡がり角がゼロの場合に比べて光束全体の平均的入射角変化に対する平均的反射率変化は全体的に緩やかな曲線となり、平均的角度方向変化における検出感度が低くなる。そのとき感度が下がる一方で、光束の広がり角が大きいほど、その平均的な角度方向変化の測定範囲は広がることになる。
また、請求項2に記載の光線方向角度幅調整装置は必須のものではなく、図5のように計測すべき光束の光線方向角度幅が小さいときは前記光線方向角度幅調整装置は省略できることは、言うまでも無い。また、平行光束に拘らないことから、コヒーレント光や単色光だけでなく、非コヒーレント光、白色光を測定対象にすることも容易になる。また、超音波など反射と屈折現象を生じる波なら光線と同様に扱える。
この他、請求項6に記載の光線方向計測装置では、光線の平均的な角度方向のみを検出することしかできないが、受光素子分割部の不感帯において中心の光量が失われる分割型フォトダイオードを使う受光系に比べて、全光量を角度検出に使うことができるという利点を有する。なお、光線方向の平均値だけを求めるときは、狭められた角度幅がゼロに近い、すなわち平行光束に近いほうが感度上望ましい。
以下、図を使って本発明の実施形態にかかる光線方向検出装置の例を説明する。請求項2の実施形態を示す図4(a)において、光線角度幅調整装置としてレンズLを用い、角度検出境界面をDPとして、光が高屈折率媒体のプリズムPSから、低屈折率媒体の空気に向かうときの境界面を利用している。ここで、受光装置RLD1,RLD2は、図示していないが、受光素子、集光レンズや結像レンズ系など、必要に応じて、受光光束の全強度や強度分布を検出できる構成とする(以下、同じ)。半導体レーザLDから出射された発散光束は、レンズLを通過し、プリズムPSに入射した後、角度検出境界面DPで反射された光束は受光装置RLD1で受光され、角度検出境界面DPを透過した光束は受光装置RLD2で受光される。
角度幅のある光束の平均的な反射率(又は透過率)が50%になる状態では、光束の中心が角度0の方向を向いていると定義できる。そこで、例えば受光装置RLD1,RLD2の受光素子の差分がゼロになるときを反射率50%として、かかる差分に基づき求めた反射率が50%より増大すれば、光束の中心の角度はそれに応じた負(又は正)の値になり、一方、求めた反射率が50%より減少すれば、光束の中心の角度はそれに応じた正(又は負)の値になることがわかる。また、光線方向の分布の様子が計測されれば、その形から中心を定義することも出来る。光束の周辺がぼけて明確でない場合には、最低光量としての閾値を設けることで幅を決めることができる。このときは、強度の重みはつけない。更に、方向分布がわかったとき、光線方向に強度(反射光と透過光の強度の和)の重みをつけて表現すれば、一般に強度の大きい光束の中心付近が高くなる山状(ガウシアン分布)の形になる。このときは山の中心(左右の面積が等しい)の方向が、平均強度で決まる方向と同じになる。
また、別な実施例を示す図4(b)において、光線角度幅調整装置として凹面鏡Mを用い、角度検出境界面をDPとして、光が低屈折率媒体の空気から、高屈折率媒体に向かうときの境界面を利用している。受光装置RLD1,RLD2は、受光素子等を含む。半導体レーザLDから出射された発散角θの光束は、凹面鏡Mで反射されて収束光束となり、角度検出境界面DPで反射された光束は受光装置RLD1で受光され、角度検出境界面DPを透過した光束は受光装置RLD1で受光される。受光装置RLD1、RLD2の両者の信号比を演算することで、収束光束の平均的な光線方向を求めることができる。
図示はしないが、図4(a)のレンズや図4(b)の鏡を所定の方向に移動又は回転させるアクチュエータを光線角度幅調整装置の構成要素として追加すると、請求項3に記載の形態になる。例えば、図4(a)のレンズLを、アクチュエータによりその光軸方向に移動すると、レンズLを通過後の光束の角度変化幅が変化し、アクチュエータにより光軸直角方向に移動すると、レンズLを通過後の光束の平均的な進行方向の角度が変化する。かかるアクチュエータを図4(b)の凹面鏡に取り付けても同様である。
図5に示す、請求項4に示した実施形態では、2次元分岐とその後の検出分岐の様子を光束の中心光線だけで示している。図5において、入射光を50%透過(z方向)させ、50%反射(x方向)させるハーフプリズムHPの透過側に、xz面内で傾斜したプリズム斜面PSyを有するプリズムPS1を配置し、ビームスプリッタBSの反射側に、yz面内で傾斜したプリズム斜面PSxを有するプリズムPS2を配置している。プリズム斜面PSy、PSxは、それより屈折率の低い媒体である空気に接している角度検出境界面であり、分割前の光線の光軸回りに互いに90度回転した関係にある。
ここで、方向を検出すべき入射光が、ビームスプリッタBSに下方より入射した後、z、x方向に分けられ、(検出分岐のための境界面を構成する)プリズムPS1,PS2にそれぞれ向かうものとする。それぞれの光は、(検出分岐のための境界面としての)プリズム斜面PSx、PSyに所定の角度で入射し、反射光と透過光に分けられる。このとき、プリズム斜面PSyの反射光は、受光装置RLD1yで検出され、プリズム斜面PSyの透過光は、受光装置RLD2yで検出される。又、プリズム斜面PSxの反射光は、受光装置RLD1xで検出され、プリズム斜面PSxの透過光は、受光装置RLD2xで検出され、それぞれ受光装置内の受光素子で光強度が電流に変換される。この後、図示されていないが、電流電圧変換回路、差動演算素子により、それぞれの斜面での反射光と透過光の差分が取られるので、これを用いて入射光束の角度を精度良く測定できる。又、この差動演算素子の出力がゼロになるように、プリズムPS1をx軸に平行な軸線回りに回転し、プリズムPS2をy軸に平行な軸線回りに回転し、光線の方向の原点を容易に定めることができる。
なお、反射光と透過光の強度の和を求めて、それで、差分を除す演算をすると、光源や反射面等に起因する入射光線の強度変化の影響を打ち消すことが出来る。
図6に示す請求項5に記載の差動型の形態では、反射率α%を角度検出の基準とすると図2の入射角―反射率の関係曲線と、それを反射率α%の点の縦線を中心に左右反転した曲線と差が、入射角―反射率の関係を表すことになるので、単独の光線方向に関しても、ある角度幅での移動平均に関しても、入射角―反射率の線形性が良くなる。なお、図6では簡単のため、光束の中央の光線のみで計測すべき光束を代表している。なお、図6において、2つの角度検出境界面での反射光だけ、あるいは透過光だけを利用しても角度検出は可能である。
図7は請求項6に記載の発明における受光面として、2分割フォトダイオードを用いた場合を示している。受光装置RLD1,2それぞれに入射した光束は、さらに分岐されて2分割フォトダイオードB1,B2と、単独フォトダイオードA1,A2で受光される。2個の単独フォトダイオードA1、A2の差動出力を用いれば光束全体の平均的な角度方向が求まり、2分割フォトダイオードB1の2つの受光面B11とB21の差動出力と、2分割フォトダイオードB2の2つの受光面B12とB22の差動出力とからは、光束の紙面内の上半分と、下半分の平均的な角度方向が求まる。受光面にCCDアレーを配置すればより詳細な光線方向分布が測定できる。2分割フォトダイオードだけでも光束全体の近似的な平均角度方向は求められるが、分割線の不感帯に入る部分が失われるという難点がある。
図8(a)は、請求項8に記載の表面性状計測装置において、光源からの平行光束を投射して、投射スポット内の平面の面法線分布を測定するために、請求項6に記載の受光部として、多数の受光素子を前記投射スポットの結像面に有する実施形態の例である。例えば、受光装置に用いる受光素子として広く普及しているCCDカメラを用いて、被測定面にピントを合わせて画像化する。受光装置RLD1,RLD2により得られる画像を画像1、画像G2とすると、被測定面上の各点からの反射光の方向(対応する微小領域での平均的方向)に応じて、画像1,2の対応点での強度比が変わる。図8(b)はこのときの、測定面上の特定の点Aと、受光部で観察される測定面の像上での対応点を示す。角度検出境界面で分岐された、反射光と、透過光それぞれによる像すなわち、画像1,2が得られ、被測定面の当該の点での面法線の方向によって2つの像での対応点の光強度が変わることになる。すなわち、この強度比から対応する被測定点での法線方向がわかることになり、画像全体では、被測定面の法線方向分布がわかることになる。図8(b)の反射光像だけ、あるいは透過光像だけでも面法線方向分布の検出は可能であるが、両者を使った差動型にした方が検出精度はよくなるのは言うまでもない。
なお、図8では、説明を簡単にするため1次元の角度検出境界面一つと受光部2個からなる光線方向計測装置での形態を示しているが、一般の平面での計測であれば2次元の角度検出ができる受光系が望ましい。このとき、受光部を図5の如く2次元の角度検出が可能な形式にするとスポット内の2次元面法線分布が求まり、被測定面が近似的な鏡面とみなせるものであれば、この2次元法線分布をもとに形状を算出することもできる。なお、2次元角度分布の高精度検出には、差動分岐も含めると被測定面の像は最大8個が必要になる。被測定物に投射された光束が被測定物の表面での反射の際の影響を受ける光束内の光線方向角度分布変化またはその平均的な角度および強度分布変化から、被測定物の表面の面法線方向分布、輪郭形状、面形状、反射光の方向と強度の分布として現れる投射光スポット内の表面性状(面粗さとして捉えきれない微細面形状の性質、表面を形成する粒子の分布、異常粒子の存在、表面の微細な汚染、反射率変化等を含む)を測定することができる。
また、干渉形状測定器の比測定面からの反射光を分岐させて、図8のハーフプリズム以降の光学系を追加すれば、干渉計による被測定面の形状測定と法線方向分布が同時に測定できる装置になる。
図9に、請求項8のもう一つの実施形態を示す。光源LDからの光束が被測定面上の一点に収束し、その反射光は被測定面の表面性状のうち法線角度分布として現れる各種情報を含んで、光線角度幅調整装置の役割を兼ねる対物レンズLを介して、2次元分岐あるいは差動分岐され、角度検出境界面DPに入射する。受光装置RLD1,RLD2が被測定面上のスポット像を形成しその強度分布を検出する形式(請求項5)であれば、紙面内にある方向の面法線角度分布が、2個の受光部出力の比率から求められる。
また受光装置の受光部が図7のようなフォトダイオードであれば、投射スポットの当たる測定点の反射光の平均的な法線角度方向とフォトダイオードの不感帯で2分割された領域それぞれの平均的な法線角度方向が分かる。被測定面は鏡面でなくてもよい。角度幅とその強度分布からは、発散光源または2次光源(測定面の反射で生じる)の光軸方向の移動変位をも検出することが出来る。これは臨界角方式の光蝕針と同様の検出原理であるが、角度方向分布によって、反射点の距離をより正確に知ることの出来るセンサとなる。
図8、図9などの形式で法線方向分布を計測するためには、既知の法線方向を有する基準面での反射光から、投射光および受光系までの光学系によるひずみを背景ノイズとして測定しておくことも望ましい。基準となる光束の結果を記憶しておき、その基準値との変化を検出するときは、測定光学系の誤差要因を取り除くことが出来る。この誤差成分を理論値から評価して補正に使うのも好ましい。
図10に示すように、投射光学系と受光光学系を分割して、投射光を斜入射型にする光触針角度センサも、正反射成分の少なくなる非鏡面や、エッジを測定対象とする場合に有効である。
(応用例)
図11には、工具の刃先など鋭い先端の微細な形状と先端位置を測定するために、2次元光線方向分布を計測する受光装置を用いる応用例を示す。受光装置RLDは、図5,6等に示す2次元光線方向計測装置を含んでいる。図11(b)に示す様に、被測定物体OBを不図示の3次元方向の位置を制御できるステージに搭載し、レンズLにより集光された光源光束の集光点FPに近づける。図11(b)下段の状態から、被測定物体OBが光源光束に接し始めると、図11(b)中段に示すように、その被測定物体OBに接した光線は方向を変え、また、図11(b)上段に示すように、被測定物体OBに遮られて受光装置RLDに届かない光線も生じる。これを受光装置RLDの光線方向計測装置で計測し、強度分布変化を知ることにより、被測定物OBの最先端位置や、その最先端の周辺の形状変化の様子が推定できる。もちろん、従来行われているように、受光装置RLDで受ける前光量の変化からも被測定物OBの先端位置と光束の収束点との相対関係は推定できるが、角度情報を用いることで、その位置と形状をより詳細に計測できることが期待される。
図11には、工具の刃先など鋭い先端の微細な形状と先端位置を測定するために、2次元光線方向分布を計測する受光装置を用いる応用例を示す。受光装置RLDは、図5,6等に示す2次元光線方向計測装置を含んでいる。図11(b)に示す様に、被測定物体OBを不図示の3次元方向の位置を制御できるステージに搭載し、レンズLにより集光された光源光束の集光点FPに近づける。図11(b)下段の状態から、被測定物体OBが光源光束に接し始めると、図11(b)中段に示すように、その被測定物体OBに接した光線は方向を変え、また、図11(b)上段に示すように、被測定物体OBに遮られて受光装置RLDに届かない光線も生じる。これを受光装置RLDの光線方向計測装置で計測し、強度分布変化を知ることにより、被測定物OBの最先端位置や、その最先端の周辺の形状変化の様子が推定できる。もちろん、従来行われているように、受光装置RLDで受ける前光量の変化からも被測定物OBの先端位置と光束の収束点との相対関係は推定できるが、角度情報を用いることで、その位置と形状をより詳細に計測できることが期待される。
また、測定対象物が光を通す物体であり、前記被測定物体が光源からの光線の光路に挿入されるときに、光線方向分布に生じる差を光線方向計測装置で検出することで、光線の屈折と吸収に関わる物体内面の物性の分布状態と対象物の輪郭形状を測定することにも応用できる。
図12は光源光束の収束点近傍に被測定物体を接近させ、そのときの反射光束の光線方向分布を計測することで先端の位置と形状を、図5,6等に示す2次元光線角度計測装置を用いて、単なる強度分布による画像計測よりも精度良く計測しようとする、本発明の応用例である。上述したように、被測定物体の突起先端によって遮られることに起因して生じる受光強度の変化だけでも、突起先端のだいたいの位置はわかるが、光線のどの部分が遮られたための強度変化かということまではわかり難い。図12に示す例のように、収束点近傍に光軸に沿った方向から被測定物体を接近させて、その反射光束の方向分布変化も合わせて計測することで、強度変化が光線のどの部分の遮蔽によるか、あるいはどの部分の光線が反射して方向が変化したかがわかることになる。
図14,15に示すように投射光がリング状でも円筒レンズを介した2本の線状の対向収束光であることも、測定対象によっては良好な結果が期待される。例えば、図14に示すように、光源からの光束を、中央にストッパ(遮光体)を配置したレンズを通過させることで、リング状の光束とし、かかる光束を図12に示す被測定物体に照射する場合、測定対象突起先端に光源スポットの焦点があるときは先端からの反射光が生じ、突起先端が焦点位置よりレンズ側に近づくと、先端からの反射光は無くなり、先端近傍からの反射光のみが受光される。リングでない通常の光源では、突起部先端からの反射光が常に存在し、その周辺からの反射光だけを計測するのが難しくなる。図15に示すように、光源からの光束を、中央にストッパ(遮光体)を配置した円筒レンズを通過させることで、線状の光束とし、かかる光束を図12に示す被測定物体に照射する場合も同様である。
図13は、図12と同様な原理で、非球面鏡などの法線方向を測定するための装置を示し、被測定面上の各点の法線方向を反射光束の平均的な角度方向として計測するために利用できるものである。被測定物体の測定対象面の傾斜角が大きくて受光部へ直接には到達しない反射光線が無視できない場合は、図16のように光線の方向を変え間接的に到達させるための方向変更用反射板BPを、被測定物体の周囲に備えた光線角度幅調整装置を設けることも好ましい。図16(b)に示すように、被測定物体面の傾斜角が大きいため反射光の一部が受光装置で受光されなくなるときに、周辺に備えた光線方向変更用反射鏡によって受光系に入射する方向の光とできる。
図17は反射光束が広がる粗面やエッジ部形状に対応する手法の一つとして、複数の受光装置を配置するシステムの例を示す。図では、投射光束を挟んで2個の受光装置を配置している例を示している。受光装置としては、角度検出境界面A1,A2,B1,B2をそれぞれ2個有する楔状の断面を持つガラス板AとBで光線を分岐している部分だけを示しているが、このあとの受光素子までの系は省略している。光源からの光路は省略する。
被測定物体から反射され、ガラス板Aに向かった光線は第1の角度検出境界面A1で反射光線と透過光線に分岐される。反射光線である分岐光線RA1は不図示の受光素子PA1で受光される。透過光線は第2の角度検出境界面A2で再度分岐され分岐光線RA2、RA3となる。分岐光線RA2、RA3はそれぞれ不図示の受光素子PA2、PA3で受光される。なお、第2の角度検出境界面を鏡にして分岐光線RA3が生じないようにすることもできる。ガラス板Bに向かう反射光線も同様に分岐検出される。受光素子PA1,PA2,PA3の信号を合成することで、被測定物体から反射された光束の広がりを求めることができる。
なお、図17の角度検出用ガラス板は、2個だけでなく、90度間隔での4方向に置いても、また6面、8面などの多面体上のガラス板で置き換えてもよい。また、この面数を極限まで増やせば穴の開いた円錐上のガラス板となり、受光素子上に分岐光線RA1、RA2、RA3それぞれの光線だけによるリング状の像を形成して反射光線の方向分布を2次元的に知ることも出来る。また、最後の円錐の例で穴のない円錐にすれば、第1の角度検出境界面が無くなり、第2の角度検出境界面だけの角度検出装置となる。光線方向計測装置を複数個有して、被測定面での反射光を複数の方向で受けるか、あるいは、また、波長の違いや断続的点灯を含む光源強度に加えられた変調で区別の出来る複数の光源を有して、複数の投射光の測定対象物での反射光を受けて、より詳細な表面性状を計測することができる。
A1,A2 単独フォトダイオード
B1,B2 分割フォトダイオード
B11 ,B12受光面
B21,B22 受光面
BS ビームスプリッタ
DP 角度検出境界面
HP 2次元ハーフプリズム
L レンズ
LD 半導体レーザ
M 凹面鏡
RLD1,RLD2 受光装置
PS プリズム
PS1,PS2 プリズム
PSx プリズム斜面
PSy プリズム斜面
B1,B2 分割フォトダイオード
B11 ,B12受光面
B21,B22 受光面
BS ビームスプリッタ
DP 角度検出境界面
HP 2次元ハーフプリズム
L レンズ
LD 半導体レーザ
M 凹面鏡
RLD1,RLD2 受光装置
PS プリズム
PS1,PS2 プリズム
PSx プリズム斜面
PSy プリズム斜面
Claims (9)
- 光線の進行方向の角度に幅を持つ光束を、光の屈折率の異なる媒質の境界面に入射させ、入射角に応じて反射光と透過光に検出分岐させる角度検出境界面と、前記角度検出境界面で検出分岐された反射光と透過光をそれぞれ電気量に変える受光装置とを具備し、電気量を介して検出された反射光量と透過光量から、前記光線の進行方向の角度に幅を持つ光束の平均的な光線方向を計測することを特徴とする光線方向計測装置。
- 光線の進行方向の角度に幅を持つ光束の有する光線方向の角度幅を、レンズまたは鏡面によって所定の角度幅以内に狭めるための光線角度幅調整装置を有することを特徴とする請求項1に記載の光線方向計測装置。
- 前記光線角度幅調整装置におけるレンズまたは鏡を所定の方向に所望の量だけ並進変位させる機構および所定の軸回りに所望の量だけ回転させる機構の一方あるいは両方を具備していて、前記光線方向計測装置の出力を元に、前記光線角度幅調整装置通過後の光束における角度幅と平均的光線方向を所定の値に調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の光線方向計測装置。
- 前記光線角度幅調整装置を通過後の前記光束を2つに分岐させ、分岐されたそれぞれの光束の入射する前記角度検出境界面を、互いに直交する2方向の角度成分を検出できるように配置することで前記光線の2次元角度検出を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光線方向計測装置
- 前記光線角度幅調整装置を通過した光束を、または、前記光線角度幅調整装置を通過した光束を前記2次元分岐をした光束を2つに差動分岐して、前記差動分岐前の光束内にある光線の方向角度変化にともなう前記角度検出境界面への差動分岐後の入射角の変化が、正負逆向きになるように前記角度検出境界面を配置して、2つの前記角度検出境界面による入射角度測定値の差から光線方向変化を感度よく検出することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の光線方向計測装置。
- 前記受光装置における受光部が結像光学系とその像面に配置された2個以上の光電素子からなるアレー型受光素子を具備する受光部であるか、または小領域のみを受光する素子が光束の断面スポット内を相対走査する機構を伴う受光部であり、前記角度検出境界面での検出分岐前の光束における光線方向分布を計測することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光線方向計測装置。
- 前記受光装置における受光部が集光光学系を伴った受光素子で構成され、前記検出分岐した前記反射光と前記透過光、それぞれの全光量から前記角度検出境界面での検出分岐前の光束の平均的光線方向を計測することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光線方向計測装置。
- 被測定物に対して所定の方向と位置に光を投射する光源装置と必要に応じて投射光の方向と位置を被測定物に対して相対走査できる機構と、請求項1〜7のいずれかに記載の光線方向計測装置を具備して、被測定物に投射された光束が被測定物の表面での反射の際の影響を受ける光束内の光線方向角度分布変化またはその平均的な角度および強度分布変化から、被測定物の表面の面法線方向分布、輪郭形状、面形状、反射光の方向と強度の分布として現れる投射光スポット内の表面性状(面粗さとして捉えきれない微細面形状の性質、表面を形成する粒子の分布、異常粒子の存在、表面の微細な汚染、反射率変化等を含む)を測定する表面性状計測装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の光線方向計測装置を複数個有して、被測定面での反射光を複数の方向で受けるか、あるいは、また、波長の違いや断続的点灯を含む光源強度に加えられた変調で区別の出来る複数の光源を有していて、複数の投射光の測定対象物での反射光を受けて、より詳細な表面性状を計測することを特徴とする、請求項8に記載の表面性状計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007333845A JP2009156671A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 光線方向計測装置及び表面性状計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007333845A JP2009156671A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 光線方向計測装置及び表面性状計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009156671A true JP2009156671A (ja) | 2009-07-16 |
Family
ID=40960857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007333845A Pending JP2009156671A (ja) | 2007-12-26 | 2007-12-26 | 光線方向計測装置及び表面性状計測装置 |
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JP (1) | JP2009156671A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010139306A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Shoichi Shimada | 測定装置 |
-
2007
- 2007-12-26 JP JP2007333845A patent/JP2009156671A/ja active Pending
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JP2010139306A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-06-24 | Shoichi Shimada | 測定装置 |
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