JP2009156632A - 炉心燃料移動支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子力発電所の定期点検時に、燃料の燃焼状況を正確に反映した燃料移動手順作成作業と関連作業が効率的に行なえる炉心燃料移動支援装置を提供する。
【解決手段】所定の第nサイクル終了時の燃料移動開始前炉心とその次の第n+1サイクル開始時の燃料移動完了時候補炉心の炉心配置入力データと、プロセス計算機の炉心性能計算結果とから、燃料集合体毎の核特性を評価する炉心性能計算機構と、
中間取出し対象燃料と移動優先度を含む移動条件入力データから燃料移動過程で実現すべき中間燃料配置目標を決定する移動条件設定機構と、
前記炉心性能計算機構が出力した燃料集合体毎の核特性と、前記移動条件設定機構が出力した中間燃料配置目標とから、燃料の移動手順を決定する移動手順作成機構と、
を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所の原子炉における燃料装荷,取出し,交換等に適用される燃料移動技術に係り、特に、燃料集合体毎の核特性を評価する炉心性能計算機構と、燃料移動過程で実現すべき中間燃料配置目標を決定する移動条件設定機構とを有し、両者の協働により定期点検時に、迅速に安全な燃料の移動手順を決定できる炉心燃料移動支援装置に関する。
原子力発電所では、約1年の運転毎に定期点検を実施し、主要機器の点検保修とともに、燃料の入替えや並び替え等を行っている。通常、燃料の入替えや並び替えを行なうための燃料移動作業には、延べ2〜3週間を要している。
原子力プラントの稼働率を向上させるためには、定期検査の期間をより短くすることが望まれる。したがって、定期検査工程のクリティカルパスとなり得る燃料移動作業については、サイトエンジニアが正確で効率的な計画を立案する必要がある。
また、燃料の移動目標は安全性と経済性を考慮した炉心設計結果に基づいており、より正確な結果を得るため、核燃料の燃焼状態をプロセス計算機の炉心性能計算による実績評価結果に基づいた炉心設計を実施している。
通常、炉心設計はオフサイトの設計会社で実施され、発電所サイトでは燃料移動作業に関わる手順の計画(燃料移動計画)を策定している。これは、炉心設計を実施するための燃料の核特性データベースや設計用解析プログラムを設計エンジニアが管理し、燃料移動作業に関わる機器の定期点検条件、および、新燃料や使用済み燃料等の燃料体の位置管理情報は発電所サイトエンジニアが管理していることによる。両者の品質プログラムは独立しており、また、これらすべての設計管理活動を集中管理することは、情報管理面、エンジニア技能の面で実現が難しい。
従来、炉心の核特性情報は、各運転サイクル毎の炉心単位で、設計会社と発電所双方の品質プログラムに基づき供給されている。しかし、正しい核特性情報を構築するためには、プロセス計算機の炉心性能計算に基づく炉心燃料の燃焼状況の情報が設計会社にフィードバックされる必要がある。
炉心設計は、一般的には1ヶ月余りに亘る、設計条件、安全上、経済上の諸条件を考慮した評価、品質確認のプロセスを要する。このため、プロセス計算機からの燃焼状況フィードバックは、運転サイクル中も適時設計会社に提供され、運転完了前に次の運転サイクルの燃料配置と制御棒操作等の運転操作が決定される。
原子炉の出力運転中は、燃料配置を変更することはできないが、運転操作による反応度および出力分布制御が可能であるため、炉心設計時に予測された炉心特性のある程度のずれをカバーできる。一方、定期検査の間に実施される燃料移動作業では、正確な燃料の燃焼状況に基づく核特性の評価が行なえないと安全な作業は行なえない。
すなわち、発電所サイト業務である燃料移動計画を立案する上で、炉心設計からの情報反映のリードタイム、および、プロセス計算機から設計会社への炉心燃料の燃焼状況フィードバックのプロセス、並びに、それらの品質の確保が重要である。
また、燃料移動計画には、移動中の各ステップの原子炉炉心体系における未臨界度の確保が必要である。このため、制御棒1本未挿入時の炉心反応度の臨界に対する余裕、すなわち、炉停止余裕の評価と移動期間中の炉停止余裕確保が求められる。これには、正確な燃料の燃焼状況に基づく核特性の反映が必要であり、運転サイクルが完了したら速やかにプロセス計算機から当該情報を燃料移動計画に適用する必要がある。
プロセス計算機の炉心性能評価に用いられる核熱水力計算モデルは、沸騰水型原子炉の場合、従来では中性子エネルギー群毎の核的特性を高速群の中性子束分布計算に対する補正で考慮する修正1群モデルと、燃料集合体毎と軸方向に24点の計算点を設定した3次元拡散計算が広く適用されている。近年では、さらに2群、3群などの多群モデルが適用されてきている。多群のモデルであれば、定期点検時の燃料移動中の燃料集合体が部分的に取り出された燃料体系であっても、より正確に核的特性を評価することができるが、より時間を必要とする。
通常、燃料移動計画中の炉停止余裕評価は、多群3次元のモデルから、修正1群や2次元モデル、あるいは、より簡便な相関モデルを提供することで時間短縮を図っている。ただし、この場合、モデルやモデル用定数の提供は、設計会社が作成し発電所サイトに提供している。
以前は発電所エンジニアが手作業で作成していた燃料移動計画も、「特許-2945700号 燃料移動計画支援装置」等の技術の反映により、自動的により早く作成できるようになった。
しかし、特許-2945700号の技術では、燃料の核特性と位置情報からなる燃料データベースを炉心設計が完了した後構成する必要があり、そのデータベースの品質保証を含め、燃料移動計画開始までのリードタイムを充分確保する必要がある。
「特開平4-36692 炉心作業管理システム」の技術によれば、自動的に炉心設計を行なう燃料取替計画機構と燃料移動計画機構の連携により全計画を自動化するが,燃料データベースの更新は必要であり、プロセス計算機のデータを反映する仕組みが必要である。また、このシステム入出力を発電所サイトで直接サービスする必要があるが、前述のように炉心設計を実施するための燃料の核特性データベースや設計用解析プログラムの管理をサイトエンジニアが実施するのは難しい。
「特開2005-121476 燃料移送手順データ作成装置」の技術によれば、燃料移動手順の立案過程で制限値となる未臨界性の評価を実施し、移動候補を絞り込んでいるが、このような手段においても正しい核特性データベースの供給手段が必須となる。未臨界性の評価モデルが精度良くなる核特性データベースを構成するためには、プロセス計算機の炉心性能計算で実施しているような詳細な炉心の中性子束分布結果、燃料燃焼度評価結果、核分裂性物質同位体核種の燃焼変化を原子炉運転実績に整合して評価し、少なくとも、燃料移動開始前(前サイクル末期炉心)と燃料移動完了時(次サイクル初期炉心)の全構成燃料について用意する必要がある。
発電所サイトにおける重要な管理事項として、核分裂性核種と親物質核種同位体の出入量および生成・消滅量評価と所在管理があり、生成・消滅量評価はプロセス計算機の炉心性能計算の重要な機能である。発電所サイト管理では、通常、プロセス計算機の評価結果を燃料の出入管理と合わせて原子燃料計量管理システムで総量および所在管理をしている。この同位体管理の目的は核分裂性物質および親物質の所在管理であるため、正確な同位体核種の質量管理と所在管理は必須である。この点でプロセス計算機、原子燃料計量管理システム、および、燃料移動計画の連携は重要である。
例えば、「特開2000-162371 燃料集合体核種量算出装置および算出方法」の技術によれば、同位体核種を導入起源国別に詳細な生成・消滅量評価を行なえるが、所在管理概念を持たないため、原子燃料計量管理システムとの受け渡しに個別の品質管理プロセスが必要である。
使用済燃料の収納ラックにおいては、燃料移動後の取出し燃料が配置された状況で未臨界が維持されていなければならないが、この状況を確認するためには使用済燃料収納体系の中性子輸送計算等の評価が必要になる。「特許-3708599号 使用済燃料集合体の収納体系収納時の未臨界度評価方法」等の技術を用いれば、未臨界の余裕を評価できるが、この場合も核定数の提供が必要であり、発電所サイトで評価を行なおうとすれば、プロセス計算機から得られた燃料の燃焼状況評価と燃料移動後の所在管理と連携をとるため、設計会社と発電所サイト間のデータ受け渡しに個別の品質管理プロセスが必要である。
また同時に、燃料プール内の燃料収納体系である収納ラックは、プラントのライフサイクルを通じて一定とは限らず、使用済み燃料の収納状況に応じて増設したり、収納効率の良いものに変更したりする可能性もある。また、プラント外に中間貯蔵施設が配置される場合は、別個の臨界安全評価が必要になる。プラント内の収納ラックの臨界安全評価に関しては、設計会社の評価システムを利用する場合、収納体系や燃料移動の状況を、発電所サイトから設計会社に入力として正確に受け渡す品質管理プロセスが必要である。
また、炉内中性子検出器にいたる中性子束分布の評価にも、使用済燃料収納ラックの臨界安全評価と同様に核定数の提供が必要であり、プロセス計算機から得られた燃料の燃焼状況評価と燃料移動後の所在管理と連携をとるため、受け渡しに個別の品質管理プロセスが必要である。この評価に適切な物理モデルが適用できない場合、例えば、中性子検出器周りに絶えず燃焼が進んで自発中性子源の蓄積した燃料を維持するような制約が必要になる。
以上のように、プロセス計算機から供給できる各燃料の燃焼状況評価が発電所サイトに所在するにもかかわらず、独立した下流システムに供給するために、設計エンジニアに委託して個々の核燃料データベースを構築する必要があり、作業時間を要すると共に、品質管理上の課題を多く抱えている。
特許第2945700号公報 特開平4-36692号公報 特開2005-121476号公報 特開2000-162371号公報 特許第3708599号公報
プロセス計算機の炉心性能計算は、近年の計算機能力の進歩により、管理すべき炉心の核特性情報が正確に与えられれば、運転時の炉心の各種特性を高精度で予測評価することが可能になっている。
炉心燃料の燃焼状況は、沸騰水型原子炉の場合、以下の条件により相違する。(1)炉心構成に用いられた燃料の種別、体数とその配置、(2)運転期間中の原子炉出力レベルと期間、(3)運転期間中の制御棒の挿入量、挿入パターンと操作のタイミング、(4)運転期間中の再循環流量のレベルと操作のタイミング。プロセス計算機は、周期ログにより、これらの関連データを蓄積し、提供可能になっている。
ところが、従来技術では、発電所サイトにおいて、プロセス計算機の出力を連携して利用する炉心燃料移動支援装置はなかった。このため、(1)プロセス計算機の出力に基づく燃料の核特性を設計会社に送り、(2)設計会社において解析評価し、(3)解析評価結果に基づき燃料移動手順の作成に必要なデータを構成して、(4)発電所サイトの燃料移動手順作成システムに供給し、(5)構成データをサイトエンジニアが利用する業務プロセスが必要であった。
上述したような業務プロセスでは、設計会社と発電所サイトの業務プロセスにおけるデータの授受と品質管理が必要であり、発電所サイトエンジニアの業務着手に待ち時間が生じる等、燃料移動手順の作成までに時間を要した。
また、燃料移動作業に関連する核物質の同位体所在管理や使用済燃料の収納ラック体系における臨界安全評価等、原子炉の運転状況と定期検査中の燃料移動の双方の正確な情報を必要とする業務についても、同じ理由で時間を要している。
さらに、燃料移動中の中性子検出器の計数評価については、起動用中性子検出器の計数下限回避が燃料移動手順の作成条件になっているため、短期間に核特性データを授受して正確な評価することが難しかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、原子力発電所の定期点検時に、燃料の燃焼状況を正確に反映した燃料移動手順作成作業と関連作業が効率的に行なえる炉心燃料移動支援装置を提供することにある。
本願発明による炉心燃料移動支援装置は、
所定の第nサイクル終了時の燃料移動開始前炉心とその次の第n+1サイクル開始時の燃料移動完了時候補炉心の炉心配置入力データと、プロセス計算機の炉心性能計算結果とから、燃料集合体毎の核特性を評価する炉心性能計算機構と、
中間取出し対象燃料と移動優先度を含む移動条件入力データから燃料移動過程で実現すべき中間燃料配置目標を決定する移動条件設定機構と、
前記炉心性能計算機構が出力した燃料集合体毎の核特性と、前記移動条件設定機構が出力した中間燃料配置目標とから、燃料の移動手順を決定する移動手順作成機構と、
を有することを特徴とする。
前記炉心性能計算機構は、炉心の核熱特性をシミュレーション評価する核特性モデルに応じた3次元複数群計算用定数を同等以下の次元または同等以下の群数計算用定数に縮約して、燃料移動手順の決定時の炉停止余裕制限評価用定数データベースとして提供するようにすることができる。
また、前記移動手順作成機構が出力した移動手順に基づき、中性子検出器周辺の燃料バンドルとガイドと制御棒の配置を構成する燃料配置評価機構と、前記燃料配置評価機構が構成した燃料バンドルと制御棒の配置に基づき、燃料領域の中の固定中性子源として自発核分裂性同位体量と中性子発生核反応のソース強度を評価し、固定中性子源計算を実施し、これに基づいて中性子検出器計数率を評価する中性子計装評価機構とを有するようにすることができる。
また、前記移動手順作成機構が出力した移動手順に基づいて、前記炉心性能計算機構による同位体重量評価結果を燃料集合体毎の所在と移動情報に関連付け、同位体の所在情報を指定管理領域ごとに提供する同位体核種量所在管理機構を備えるようにすることができる。
また、燃料プールにおける燃料集合体収納体系の未臨界度を評価する臨界安全管理機構をさらに備えるようにすることができる。
本願発明の炉心燃料移動支援装置によれば、炉心性能計算機構を有することにより、発電所サイトエンジニアは、運転サイクル末期が近づいた時点で、設計会社から1つ以上の次サイクル初期候補炉心を含む炉心配置入力データを入手し、炉心性能計算機構により、この配置情報と関連付けて識別可能な燃料毎の燃焼状況を任意時点で評価できる。
これにより、運転サイクル終了直後に燃料毎の同位体組成や燃焼度等の燃料情報データから核特性データベースを移動開始前後の配置について遅滞なく構築できる。
移動条件設定機構は、炉内機器の定期検査対象の位置や作業優先度を燃料移動条件として与えれば、燃料移動中に実現すべき中間取出し燃料を特定できる。
また、移動手順作成機構は、炉心性能計算機構と移動条件設定機構の出力、すなわち、燃料毎の核特性データベースと中間取出し燃料の選定に基づき、これらを制限入力として燃料移動手順を立案することができる。
移動条件設定機構への入力は、発電所サイトエンジニアが自身で判断、調整できるものであるから、燃料移動手順についても、運転サイクル終了後遅滞なく作成立案できる。燃料毎の核特性は、燃料移動過程の炉停止余裕を代表とする炉心特性を評価するのに必要なだけでなく、燃焼度による取出し対象燃料や外観検査の特定や、検出器周りに残すべき燃料の判断基準にも必要である。燃料移動過程の炉心特性の評価は、移動ステップに対応する炉心燃料配置を炉心性能計算機構にフィードバックすることで容易に実現できる。
炉心の核熱特性をシミュレーション評価する核特性モデルに応じた3次元複数群計算用定数を、同等以下の次元または同等以下の群数計算用定数に縮約して、燃料移動手順の決定時の炉停止余裕制限評価用定数データベースとして提供する炉心性能計算機構を有する本願発明によれば、発電所サイトエンジニアは、炉心性能計算に適用するよりも簡便で高速な炉停止余裕制限評価モデルと評価用定数を、炉心性能計算機構から移動手順作成機構への入力にできる。これにより、運転サイクル終了後遅滞なく、移動手順立案時の炉停止余裕制限を考慮して燃料移動手順を作成立案できる。
燃料配置評価機構と中性子計装評価機構とを有する本願発明の炉心燃料移動支援装置によれば、燃料配置評価機構が移動手順を元に任意の時点における燃料集合体とガイドと制御棒の配置を評価し、中性子源として有効な範囲を特定できるので、中性子計装評価機構が固定中性子源計算により中性子束分布とこれに比例する中性子検出器の計数率を評価することができる。固定中性子源計算は炉心性能計算機構に評価体系を入力して実施することも、炉心性能計算機構から必要な範囲の核定数データや評価モデルを中性子計装評価機構に入力することも可能である。発電所サイトエンジニアは、燃料移動過程における中性子検出器の計数率を確保するのに、従来の経験的モデル、すなわち、燃焼度と隣接燃料体数で判断するのではなく、実物理現象を模擬した中性子束分布計算による中性子検出器の計数率予測値を、移動手順作成機構における制限評価に適用できる。この結果、例えば起動用中性子検出器の運用下限3cpsを合理的な燃料配置で確保できることになり、燃料移動手順の自由度が拡大する。
同位体核種量所在管理機構を有する本願発明の炉心燃料移動支援装置によれば、炉心性能計算機構で任意の運転時点において、燃料集合体毎の核分裂性各種の同位体重量を評価できると共に、移動手順作成機構で各燃料の炉心間または炉心−燃料プール間の移動情報を特定でき、同位体核種量所在管理機構は両者の情報を関連付け、指定管理領域毎の集計値として統合する。したがって、発電所サイトエンジニアは、燃料体毎の同位体各種所在量を燃料移動前後で炉心、燃料プール、あるいは、プラント管理境界の任意の指定管理領域で正確に集計できる。これにより、独立した燃料計量管理システムで燃料出入量、同位体重量変化量、燃料移動履歴を入力として個別に用意することなく、発電プラントの運転―停止点検サイクルを通じ遅滞なく、かつ、データ入出力品質管理プロセスを合理化して、核分裂性各種同位体の所在管理を実現できる。この炉心燃料移動支援装置内では、関連する評価量、集計量のデータフローが一貫しているので、任意の処理ステップで関連監査情報を取り出すことも可能である。
臨界安全管理機構をさらに備えた燃料プール内の収納体系が一定の場合には移動手順作成機構の固定入力とできるが、収納ラックの増設等により収納体系が変化する場合には、移動条件設定機構の入力とする。収納体系の変更は燃料移動手順上の位置管理情報の変更になるので発電所サイトエンジニアがこれを入力することは品質管理上合理的である。この収納体系の情報は、位置情報と収納体系を構成する核種量情報とすることができる。いずれの場合も、同位体核種量所在管理機構が、移動手順作成機構の出力から燃料プール収納管理単位(最小は燃料集合体)毎の核種量を集計することができ、同じ仕組みで燃料集合体の構成材料や減速材、あるいは、ガイドを構成するステンレス等の核種量を集計できる。臨界安全管理機構は、これらの燃料移動に伴う収納管理単位の核種量の情報と、前記収納体系自身の核種情報の情報を元に、中性子計装評価機構と共通のデータ授受方法により、未臨界評価すべき収納体系全体の固有値計算を実施する。これにより、発電所サイトエンジニアは、燃料プール内の収納体系について、遅滞なく未臨界度評価を実施できる。また、収納体系の変更についても柔軟に対応できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による炉心燃料移動支援装置の第1の実施形態を示すブロック構成図である。
本実施形態による炉心燃料移動支援装置は、炉心性能計算機構1と、燃料情報データ記憶手段11と、移動条件設定機構2と、移動手順作成機構3と、燃料移動手順と炉停止余裕評価値を格納する移動手順データ記憶手段12と、結果判定表示機構6を有している。
炉心性能計算機構1には、入力として、燃料配置101と制御棒配置102を含む炉心配置入力データ10が供給される。
燃料配置101は、既に運転している第nサイクルの燃料移動開始前炉心EOCnと、継続する炉心設計で得られる第n+1サイクルの燃料移動完了時炉心BOCn+1の燃料配置を定義している。
炉心性能計算機構1は、好ましくはプロセス計算機と同期して燃料配置101と制御棒配置102の履歴を蓄積し、燃焼シミュレーションを実施し、運転サイクル終了時点の各燃料の核種同位体量を評価し、燃料核特性を決定する。
燃料移動完了時炉心については、新燃料と再装荷燃料があるが、新燃料は燃料核特性が確定しており、炉心配置入力データ10でそれらの燃料の燃料核特性が供給される。再装荷燃料は、対応する燃料を燃料移動開始前炉心から検索できるので、燃料核特性が決定できる。
これにより、炉心性能計算機構1は、燃料情報データとして、燃料移動開始前炉心と燃料移動完了時炉心の燃料配置情報を燃料配置情報データ記憶手段111に、対応する燃料核特性を燃料特性データ記憶手段112に格納することができる。これらの燃料移動開始前炉心と燃料移動完了時炉心の燃料配置情報と、対応する燃料核特性は、移動手順作成機構3の入力とされる。
燃料配置101の燃料移動完了時炉心BOCn+1のケースについては、設計会社では複数検討するのが通常なので、燃料移動完了時炉心候補として複数のデータを管理して適用することが可能である。燃料情報データ記憶手段11はケースごとのデータ管理も可能なので、その入力時期は複数回に分かれていてもよい。
移動条件設定機構2への入力として、中間取出し対象燃料201と移動優先度202を含む移動条件入力データ20が供給される。
中間取出し対象燃料201は、制御棒、検出器、燃料外観検査等の保守条件に合わせ、対象位置と燃料取出し範囲の組み合わせを定義する。
移動優先度202は、未臨界担保のために先行して燃料を市松状に取出したり、作業優先する機器に関わる取出しを優先したり、作業期間を確保する諸条件を定義する。
これらの移動条件入力データ20は定期検査毎に変わるため、発電所サイトエンジニアが調整して決定する。その他移動の条件として、半ば固定的なものは、燃料プールの収納ラックの場所定義があり、これに新燃料、使用済燃料のバッチ、仮置き(中間一時取出し)スペース、外観検査用、ガイド用等の目的を割振る場合もある。通常、移動条件設定機構2は、移動条件入力データ20の整合性を確認調整し、燃料移動過程で実現すべき中間燃料配置目標を決定し、移動手順作成機構3の入力とする。
移動手順作成機構3は、炉心性能計算機構1と移動条件設定機構2の出力、すなわち、燃料毎の核特性データベースと中間取出し対象燃料の選定に基づき、これらを制限入力として移動手順121を立案する。移動手順作成機構3が移動手順121を炉心性能計算機構1にフィードバックすると、炉心性能計算機構1は、移動手順過程における任意の燃料配置を評価できるので、炉心性能計算により炉停止余裕122を評価して、移動手順121に対応する形式で移動手順データ記憶手段12に格納する。
結果判定表示機構6は、燃料情報データ記憶手段11の燃料配置情報データ記憶手段111にある燃料配置情報と、移動手順データ記憶手段12の移動手順121に基づき、任意の移動ステップ61における炉心燃料配置601、および、プール燃料配置(図示しない)を表示する。また、移動ステップ61に対応する移動手順121と炉停止余裕122を表示する。表示する移動手順121は、燃料移動作業者に対する作業指示帳票であってもよく、また、燃料交換機移動データ7の形式に変換することも可能である。
結果判定表示機構6における炉心燃料配置601の表示は、炉心性能計算機構1の炉心性能計算結果を表示するグラフィックインタフェースを兼ねていてもよく、燃料情報データ記憶手段11にある情報を炉心燃料配置601の当該燃料位置に関連付けて表示するのが好ましい。
また、炉停止余裕計算では、通常、最小の炉停止余裕に限らず引き抜き可能な制御棒毎の炉停止余裕が得られているので、炉心燃料配置601の当該制御棒位置に関連付けて表示するようにしてもよい。この表示を計算結果や順位と関連付けたカラーコード化表示にしたり、点滅などの視覚効果を与えたりすることは容易に実現可能である。
なお、燃料とその位置の関連付けは、燃料に位置情報を付随して表示してもよく、炉心燃料配置601のグラフィック表示に各燃料の特定情報を表示するようにしてもよい。
また、移動手順計画過程においても炉停止余裕の評価は必要であるが、これについては炉心性能計算機構1の炉心性能計算を簡略化したものでよい。炉心性能計算機構1が炉心の核熱特性をシミュレーション評価する核特性モデルに応じた3次元複数群計算用定数を同等以下の次元または同等以下の群数計算用定数に縮約して、移動手順立案時の炉停止余裕制限評価用定数データベースとして提供してもよい。炉心性能計算に適用するよりも簡便で高速な炉停止余裕制限評価モデルと評価用定数を燃料情報データ記憶手段11に含め、炉心性能計算機構1から移動手順作成機構3への入力にすることができる。
本発明の第1実施形態の炉心燃料移動支援装置によれば、設計会社から受領する燃料配置と制御棒配置の履歴を、蓄積しておけるので、発電所サイトエンジニアが、適宜選択して移動手順立案に適用することができる。
また、炉心性能計算機構1は、運転サイクル終了時点の各燃料タイプの燃焼度や制御棒中性子照射量の評価も可能なので、移動条件入力データ20に通常含まれる外観検査対象燃料および交換対象制御棒の選定を自動化すること、または、移動条件入力データ20と評価による選定との整合判定を行なうことを容易に実現できる。
図2は、本発明による炉心燃料移動支援装置の第2の実施形態を示すブロック構成図である。
本発明の第2実施形態の炉心燃料移動支援装置は、炉心性能計算機構1と、燃料情報データ記憶手段11と、移動条件設定機構2と、移動手順作成機構3と、燃料移動手順と炉停止余裕評価値を格納する移動手順データ記憶手段12と、燃料配置評価機構31と、中性子計装評価機構32と、結果判定表示機構6を有している。
この第2実施形態の炉心燃料移動支援装置の、炉心性能計算機構1と、燃料情報データ記憶手段11と、移動条件設定機構2と、移動手順作成機構3と、移動手順データ記憶手段12と、結果判定表示機構6は、第1実施形態のものと共通であり、本実施形態は追加的に燃料配置評価機構31と、中性子計装評価機構32とを有している。
本実施形態において、炉心性能計算機構1で作成され、燃料情報データ記憶手段11の燃料特性データ記憶手段112の燃料核特性には、固定中性子源格子計算用の核定数、および、核分裂性同位体量を含むようにする。
燃料配置評価機構31は、燃料情報データ記憶手段11の燃料配置情報データ記憶手段111にある燃料配置情報と、移動手順データ記憶手段12の移動手順121に基づき、各移動ステップにおける炉心燃料配置を構成し、構成燃料の対応する燃料核特性を燃料特性データ記憶手段112から得る。
燃料配置評価機構31は、炉心燃料全体、または、起動用中性子検出器の周りの所定範囲の燃料体(例として6×6体)とこれに含まれる中性子源を特定して、中性子計装評価機構32に渡す。
中性子計装評価機構32は、燃料配置評価機構31から渡された燃料領域の中の固定中性子源として、自発核分裂性同位体量とその他中性子発生核反応のソース強度を評価する。これに基づき、固定中性子源計算を実施して、起動用中性子検出器の中性子束分布を評価し、これに検出器感度係数を掛け合わせて中性子計測予測値321を得る。起動用中性子検出器と中性子計測予測値321の組が複数チャンネルで得られる場合は、最小となるチャンネルの中性子計測予測値321を特定する。中性子計装評価機構32は、移動手順121に対応する形式で移動手順データ記憶手段12に、中性子計測予測値321を格納する。
第2実施形態の結果判定表示機構6は、任意の移動ステップ61における炉心燃料配置601を表示し、表示に際し移動手順データ記憶手段12から中性子計測予測値321を参照し、対応する検出器位置と対応づけて表示する。中性子計測予測値321の表示は、予測値の数値であっても、グラフ表示であっても、カラーコード化表示であっても良い。特に、下限計数値を下回る場合に注意を促す表示とすることは有効である。
なお、移動手順作成機構3は、移動手順と関連して中性子計測予測値321を利用できるため、これが低くなりすぎないように移動手順を修正することも可能である。また、中性子計装評価機構32は、固定中性子源計算を、炉心性能計算機構1に評価体系を入力して実施することも、炉心性能計算機構1から必要な範囲の核定数データや評価モデルを中性子計装評価機構32に入力して実施することも可能である。
この第2の実施形態の炉心燃料移動支援装置によれば、発電所サイトエンジニアが、移動手順立案において回避すべき起動用検出器の運用下限の発生の有無を事前に評価すること、または、回避するように移動手順を自動調整することができる。
図3は、本発明による炉心燃料移動支援装置の第3の実施形態を示すブロック構成図である。
本発明の第3実施形態の炉心燃料移動支援装置は、炉心性能計算機構1と、燃料情報データ記憶手段11と、移動条件設定機構2と、移動手順作成機構3と、同位体の所在情報を指定管理領域毎に提供する同位体核種量所在管理機構4と、結果判定表示機構6を有している。
この第3実施形態の炉心燃料移動支援装置の、炉心性能計算機構1と、移動条件設定機構2と、移動手順作成機構3は第1実施形態のものと共通であり、本実施形態は特に同位体核種量所在管理機構4を有している。
本実施形態では、炉心性能計算機構1で核分裂性核種および親核種同位体量が評価されるので、燃料情報データ記憶手段11の燃料特性データ記憶手段112の燃料核特性には核分裂性核種および親核種同位体量を含むようにする。
核分裂性核種と親核種同位体(主にウランとプルトニウム)は、経済的価値およびセキュリティ管理上きわめて重要なのでグラム単位で出入管理および生成消滅収支管理(いわゆる計量管理)が必要であり、第3実施形態の炉心燃料移動支援装置によれば、この計量管理機能を実現することができる。
同位体核種量所在管理機構4は、燃料特性データ記憶手段112の核分裂性核種および親核種同位体量を燃料集合体毎の所在/移動情報に関連付ける。
次に、計量管理の出入境界となる管理区域を定義した管理区域定義入力40に基づき、同位体の所在情報を指定管理領域毎に集計する。
移動手順作成機構3で作成し移動手順データ記憶手段12に記憶された移動手順121により、指定管理領域間の燃料集合体の出入を評価できるので、同位体核種量所在管理機構4は、燃料移動開始時と完了時の指定管理領域毎の同位体核種量を集計することができる。
第3実施形態の結果判定表示機構6は、前記指定管理領域毎の同位体核種量41を表示することができる。
第3実施形態の炉心燃料移動支援装置によれば、炉心性能計算機構1で任意の運転時点における燃料集合体毎の核分裂性各種の同位体重量を評価できると共に、移動手順作成機構3で各燃料の炉心間または炉心−燃料プール間の移動情報を特定でき、同位体核種量所在管理機構4が両者の情報を関連付け、指定管理領域毎の集計値として統合することができる。
したがって、発電所サイトエンジニアは、燃料体毎の同位体各種所在量を燃料移動前後で炉心、燃料プール、あるいは、プラント管理境界の任意の指定管理領域で正確に集計できる。これにより、発電プラントの運転―停止点検サイクルを通じ遅滞なく、かつ、データ入出力品質管理プロセスを合理化して、核分裂性各種同位体の所在管理を実現することができる。
図4は、本発明による炉心燃料移動支援装置の第4の実施形態を示すブロック構成図である。
この第4実施形態の炉心燃料移動支援装置は、炉心性能計算機構1と、燃料情報データ記憶手段11と、移動条件設定機構2と、移動手順作成機構3と、同位体の所在情報を指定管理領域毎に提供する同位体核種量所在管理機構4と、中性子強度評価コードシステムにより燃料集合体収納体系の未臨界度を評価する臨界安全管理機構5と、結果判定表示機構6を有している。
ここで、管理区域定義入力40を集合体毎とし、同位体核種量所在管理機構4の出力である指定管理領域毎の同位体核種量を燃料ラック情報管理データ記憶手段42に格納する。なお、管理区域定義入力40は、位置情報と収納ラックを構成する核種量情報とする。
同位体核種量所在管理機構4は、移動手順作成機構3の出力から燃料プール収納管理単位(最小は燃料集合体)毎の核種量を集計し、指定管理領域毎の同位体核種量を燃料ラック情報管理データ記憶手段42に格納する。
同じ仕組みで燃料集合体の構成材料や減速材、あるいは、ガイドを構成するステンレス等の核種量を集計して、指定管理領域毎の構造材核種量を燃料ラック情報管理データ記憶手段42に格納する。また、同位体核種量所在管理機構4は、指定管理領域毎の同位体核種量と、指定管理領域毎の構造材核種量について、核種毎の核特性を燃料情報データ記憶手段11から検索して、燃料ラック情報管理データ記憶手段42に格納する。
ガイドや燃料ラックの構成核種については、炉心性能計算機構1の初期組み込みライブラリに含まれない場合は、管理区域定義入力40に含めて設定する。
臨界安全管理機構5は、燃料ラック情報管理データ記憶手段42の燃料移動に伴う指定管理領域毎の同位体核種量と、指定管理領域毎の構造材核種量と、これらの核種情報の情報を元に、第2実施形態の炉心燃料移動支援装置の中性子計装評価機構32と共通のデータ授受方法により、未臨界評価すべき収納体系全体の固有値計算を実施する。
すなわち、燃料領域中の固定中性子源として、自発核分裂性同位体量とその他中性子発生核反応のソース強度を評価して、固有値計算を実施する。これにより未臨界度51が得られるが、臨界安全管理機構5は、収納体系を収納ラック毎等のサブ領域に分割して、サブ領域ごとの固有値計算を実施することもでき、ラック別未臨界表示用の未臨界度データ52を得る。
結果判定表示機構6は、未臨界度51およびラック別未臨界表示52を出力する。ラック別未臨界表示52については、管理区域定義入力40の収納ラックの位置情報から、ラックの描画範囲を決め、未臨界度51に対応したカラーコードで識別表示ができる。特に、未臨界度が小さい場合に注意を促す表示とすることは有効である。
本発明の第4実施形態の炉心燃料移動支援装置では、燃料プール内の収納体系が一定の場合には移動手順作成機構3の固定入力とすることができるが、収納ラックの増設等により収納体系が変化する場合には、図5に示すように、管理区域定義入力40を移動条件設定機構2の入力とする。収納体系の変更は燃料移動手順上の位置管理情報の変更になるので発電所サイトエンジニアがこれを入力する。
いずれの場合も、本発明の第4実施形態の炉心燃料移動支援装置によれば、発電所サイトエンジニアは、燃料プール内の収納体系の変更の有無に関わらず、遅滞なく未臨界度評価を実施できるので、発電プラントの運転―停止点検サイクルを通じ遅滞なく、かつ、データ入出力品質管理プロセスを合理化して、燃料プール内の収納体系の未臨界度管理を実現できる。
なお、未臨界度が小さい場合に、使用する燃料プール位置を変更することは、臨界安全管理機構5から移動条件設定機構2に未臨界度51をフィードバックして、例えば、未臨界度51の小さい収納ラックについて、特定燃焼度以上の燃料の設置を禁止する条件を加えることで容易に実現できる。
本発明の炉心燃料移動支援装置によれば、炉心特性評価結果を炉心特性データとして構成し、燃料移動計画や固定中性子源計算に使用する燃料の特性を燃料情報データとして構成してあるが、これらへのアクセスはネットワークを通じて行なうことも可能である。また、本発明の炉心燃料移動支援装置の主要処理機構として炉心性能計算機構および移動手順作成機構が構成されるが、これらは一つの計算処理装置に限らず、分散された計算処理装置、遠隔指令を処理するエージェント計算プロセス、または、ウェブサービスであってもよい。したがって、インターネットを含むネットワークで機能する処理システムとして、本発明を実施できる。
以上説明した本発明によれば、設計会社と発電所サイトのデータインタフェースを合理化し、設計会社への評価委託を経ずに発電所サイトエンジニア自らが定期検査時の関連業務を自ら実施できるため、発電所サイトエンジニアの関連業務の待ち時間を減らし、データの品質を向上させる燃料移動支援装置を提供することができる。
また、本発明の炉心燃料移動支援装置によれば、原子炉停止後、あるいは、次サイクルの燃料配置案が提供された時点で燃料集合体毎の核特性が遅滞なく評価され、かつ、燃料移動計画に確実に適用されるため、定期検査開始時点で発電所サイトエンジニアに燃料移動手順を提示できる。外部システムと記録用メディアを介したデータの授受を燃料配置案のみにできるので、核特性に関しては再照合による確認が不要になる。このため、データ移送/加工/検証時間を短縮できる。燃料移動中の中性子検出器の計数評価も容易に実現できるので、起動用中性子検出器の計数下限回避した燃料移動手順作成が可能となる。また、燃料燃焼度や制御棒中性子照射量の評価は炉心性能計算結果をすぐ適用できるので、外観検査対象燃料および交換対象制御棒の指定自動化または整合判定が可能になる。
さらに、燃料移動作業に関連する核物質の同位体所在管理や使用済燃料の収納ラック体系における臨界安全評価等、原子炉の運転状況と定期検査中の燃料移動の双方の正確な情報を必要とする業務についても、遅滞なく燃料集合体毎の核特性を評価できるため、効率的な業務運営が可能となる。本発明の炉心燃料移動支援装置の同位体所在管理機能や臨界安全評価機能は、同位体所在管理境界が変更された場合でも、使用済燃料の収納ラック体系が変更された場合でも、継続して適用可能である。
このように、本発明の炉心燃料移動支援装置は、必要な条件を確実に反映した燃料移動計画作業と関連業務を効率的に支援することができる。
本発明に係る炉心燃料移動支援装置の第1実施形態を示すブロック構成図。 本発明に係る炉心燃料移動支援装置の第2実施形態を示すブロック構成図。 本発明に係る炉心燃料移動支援装置の第3実施形態を示すブロック構成図。 本発明に係る炉心燃料移動支援装置の第4実施形態を示すブロック構成図。 本発明に係る炉心燃料移動支援装置の第4実施形態の変形例を示すブロック構成図。
符号の説明
1 炉心性能計算機構
2 移動条件設定機構
3 移動手順作成機構
4 同位体核種量所在管理機構
5 臨界安全管理機構
6 結果判定表示機構
7 燃料交換機移動データ
10 炉心配置入力データ
11 燃料情報データ記憶手段
12 移動手順データ記憶手段
20 移動条件入力データ
31 燃料配置評価機構
32 中性子計装評価機構
40 管理区域定義入力
42 燃料ラック情報管理データ記憶手段
51 未臨界度
52 ラック別未臨界表示
61 移動ステップ
101 燃料配置
102 制御棒配置
111 燃料配置情報データ記憶手段
112 燃料特性データ記憶手段
121 移動手順
122 炉停止余裕
201 中間取出し対象燃料
202 移動優先度
321 中性子計測予測値
601 炉心燃料配置

Claims (5)

  1. 所定の第nサイクル終了時の燃料移動開始前炉心とその次の第n+1サイクル開始時の燃料移動完了時候補炉心の炉心配置入力データと、プロセス計算機の炉心性能計算結果とから、燃料集合体毎の核特性を評価する炉心性能計算機構と、
    中間取出し対象燃料と移動優先度を含む移動条件入力データから燃料移動過程で実現すべき中間燃料配置目標を決定する移動条件設定機構と、
    前記炉心性能計算機構が出力した燃料集合体毎の核特性と、前記移動条件設定機構が出力した中間燃料配置目標とから、燃料の移動手順を決定する移動手順作成機構と、
    を有することを特徴とする炉心燃料移動支援装置。
  2. 前記炉心性能計算機構は、炉心の核熱特性をシミュレーション評価する核特性モデルに応じた3次元複数群計算用定数を同等以下の次元または同等以下の群数計算用定数に縮約して、燃料移動手順の決定時の炉停止余裕制限評価用定数データベースとして提供すること特徴とする請求項1記載の炉心燃料移動支援装置。
  3. 前記移動手順作成機構が出力した移動手順に基づき、中性子検出器周辺の燃料バンドルとガイドと制御棒の配置を構成する燃料配置評価機構と、
    前記燃料配置評価機構が構成した燃料バンドルと制御棒の配置に基づき、燃料領域の中の固定中性子源として自発核分裂性同位体量と中性子発生核反応のソース強度を評価し、固定中性子源計算を実施し、これに基づいて中性子検出器計数率を評価する中性子計装評価機構とを有することを特徴とする請求項1または2記載の炉心燃料移動支援装置。
  4. 前記移動手順作成機構が出力した移動手順に基づいて、前記炉心性能計算機構による同位体重量評価結果を燃料集合体毎の所在と移動情報に関連付け、同位体の所在情報を指定管理領域ごとに提供する同位体核種量所在管理機構を備えた請求項1ないし3のいずれかに記載の炉心燃料移動支援装置。
  5. 燃料プールにおける燃料集合体収納体系の未臨界度を評価する臨界安全管理機構をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の炉心燃料移動支援装置。
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