JP2009155604A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】染料(1)、C.I.アシッドレッド289(AR289)、水、ジプロピレングリコールプロピルエーテル(DPP)、特定のアセチレングリコール系界面活性剤を含むインクジェット記録用インクであって、染料(1)、AR289、DPPおよび前記界面活性剤が、(A)〜(D)の条件を満たすように配合されている。(A)インク全量に対し染料(1)とAR289の合計配合量が、2〜5重量%(B)インクにおいて、染料(1):AR289=9:1〜7:3(重量比)(C)0.5≦x≦2.5(D)1≦y≦3x:インク全量に対する特定の構造の界面活性剤の配合量(重量%)y:インク全量に対するDPPの配合量(重量%)
【選択図】なし
Description
着色剤、水、水溶性有機溶剤およびアセチレングリコール系界面活性剤を含むインクジェット記録用インクであって、
前記着色剤が、下記の染料(1)および染料(2)を含み、
前記水溶性有機溶剤が、ジプロピレングリコールプロピルエーテルを含み、
前記アセチレングリコール系界面活性剤が、下記一般式(3)で表される界面活性剤を含み、
前記染料(1)、前記染料(2)、前記ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよび前記一般式(3)で表される界面活性剤が、それぞれ、下記(A)〜(D)の条件を満たすように配合されていることを特徴とする。
染料(1):下記一般式(1)で表される染料
染料(2):C.I.アシッドレッド289
(A) 前記インク全量に対し、前記染料(1)と前記染料(2)の合計配合量が、2〜5重量%
(B) 前記インクにおける前記染料(1)と前記染料(2)との重量比が、染料(1):染料(2)=9:1〜7:3
(C) 0.5≦x≦2.5
(D) 1≦y≦3
x:インク全量に対する一般式(3)で表される界面活性剤の配合量(重量%)
y:インク全量に対するジプロピレングリコールプロピルエーテルの配合量(重量%)
R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基であり、
R3は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、
R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のスルホニル基、置換または無置換のアシル基であり、R4、R5、R6およびR7は同一でも異なっていてもよいが、R4とR5が共に水素原子であることはなく、R6とR7が共に水素原子であることはなく、
A1およびA2は、双方が置換または無置換の炭素原子であるか、若しくは一方が置換または無置換の炭素原子であり、且つ、他方が窒素原子である。
R11、R12、R13およびR14は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜5の直鎖状または分岐鎖状アルキル基である。
(E) y≧−2x+3 且つ y≦−2x+6
x:インク全量に対する一般式(3)で表される界面活性剤の配合量(重量%)
y:インク全量に対するジプロピレングリコールプロピルエーテルの配合量(重量%)
R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基であり、
R3は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、
R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のスルホニル基、置換または無置換のアシル基であり、R4、R5、R6およびR7は同一でも異なっていてもよいが、R4とR5が共に水素原子であることはなく、R6とR7が共に水素原子であることはなく、
A1およびA2は、双方が置換または無置換の炭素原子であるか、若しくは一方が置換または無置換の炭素原子であり、且つ、他方が窒素原子である。
インク組成成分(下記表1および表2)を、均一に混合した。その後、得られた混合物を、東洋濾紙(株)製の親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプメンブレンフィルタ(孔径0.2μm)を用いてろ過することで、実施例1〜8および比較例1〜13のインクジェット記録用インクを得た。なお、表1および表2において、染料(1−A)〜(1−F)は、それぞれ、前記化学式(1−A)〜(1−F)で表される化合物である。
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cを使用し、富士通コワーコ(株)製のオフィス用紙W上に、背景に各実施例および各比較例のインク、ラインにブラザー工業(株)製のインクカートリッジLC10BKに充填されたブラックインクを用いて評価サンプルの印画を行った。各実施例および各比較例のインクと前記ブラックインクとの境界部のRagを、ISO13660に準ずる方法により測定した。ここで、Ragとは、ISO13660で定義されたラインのラジェットネスであり、ラジェットなラインとは、本来スムーズで真っ直ぐなはずの理想のラインエッジに対して波打っている状態を示す。得られたRagから、下記の評価基準に従って評価した。
A:ラインのRagが、30未満
B:ラインのRagが、30以上40未満
C:ラインのRagが、40以上
ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機DCP−330Cを使用し、富士通コワーコ(株)製のオフィス用紙W上に、1億ドット(約3万枚)の連続印字を行った。前記連続印字の結果を、下記の基準に従って評価した。不吐出とは、インクジェットヘッドのノズルが目詰まりし、前記インクが吐出されない状態である。吐出曲がりとは、インクジェットヘッドのノズルの一部が目詰まりし、前記インクが、前記記録用紙に対して垂直に吐出されず、斜めに吐出される状態である。
A:連続印字中において、不吐出および吐出曲がりが全くないか、不吐出若しくは吐出曲がりが僅かにあったが、前記不吐出若しくは吐出曲がりが、共に5回以内のパージによって回復した。
C:連続印字中において、不吐出および吐出曲がりが多数有り、前記不吐出および吐出曲がりが、共に5回のパージでは回復しなかった。
スガ試験機(株)製のオゾンウェザーメーターOMS−Hを用いて、オゾン濃度2ppm、槽内温度24℃、槽内相対湿度60%の条件下、前記グラデーションサンプルを40時間放置した。ついで、前記放置後の前記パッチのOD値を、前述と同様にして、測定した。つぎに、下記式(I)によりOD値減少率(%)を求め、耐オゾン性を、下記の評価基準に従って評価した。なお、前記OD値減少率が小さいほど、画質の劣化が少なく、耐オゾン性に優れていたこととなる。
OD値減少率(%)={(X−Y)/X}×100 ・・・(I)
X:1.0(初期OD値)
Y:放置後のOD値
A:OD値減少率が、20%未満
C:OD値減少率が、20%以上
スガ試験機(株)製の強エネルギーキセノンウェザーメーターSC750―WNを用いて、槽内温度25℃、槽内相対湿度50%、照度93klxの条件下、前記グラデーションサンプルにキセノンランプ光を200時間照射した。ついで、前記照射後の前記パッチのOD値を、前述と同様にして、測定した。つぎに、下記式(II)によりOD値減少率(%)を求め、耐光性を、下記の評価基準に従って評価した。なお、前記OD値減少率が小さいほど、画質の劣化が少なく、耐光性に優れていたこととなる。
OD値減少率(%)={(X−Y)/X}×100 ・・・(II)
X:1.0(初期OD値)
Y:照射後のOD値
A:OD値減少率が、30%未満
C:OD値減少率が、30%以上
インク1gあたりの接触面積が30mm2となる条件で、前記インクにゴム片(エチレンプロピレンゴム(EPDM);ゴム硬度(旧JIS K 6301 A型による測定)40°)を浸漬させ、温度70℃の環境下で1週間保存した。前記保存後、前記インクから前記ゴム片を取り出した後、前記インクを東洋濾紙(株)製の親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプメンブレンフィルター(孔径:0.2μm;直径:15mm)でろ過し、ろ過に要する時間を計測した。コントロールとして、前記保存前のインクを、前述と同様の条件でろ過し、ろ過に要する時間を計測した。つぎに、下記式(III)によりろ過時間の増加率を求め、ゴム析出性を、下記の評価基準に従って評価した。
ろ過時間の増加率=Y/X ・・・(III)
X:保存前のろ過時間
Y:保存後のろ過時間
A:ろ過時間の増加率が、1.3倍未満
B:ろ過時間の増加率が、1.3倍以上1.6倍未満
C:ろ過時間の増加率が、1.6倍以上
前記グラデーションサンプルを、目視にて観察し、マゼンタ色が充分に表現されているか否かを、下記の評価基準に従って評価した。
A:マゼンタ色を充分に表現できている。
B:マゼンタ色を表現できている。
C:マゼンタ色を表現できていない。
各インクについて、前記(a)〜(f)の結果から、下記の評価基準に従って総合評価を行った。
AA:すべての評価結果がAであった。
A :評価結果のいずれかにBがあったが、Cはなかった。
C :評価結果のいずれかにCがあった。
2 インクカートリッジ
3 インクジェットヘッド
4 ヘッドユニット
5 キャリッジ
6 駆動ユニット
7 プラテンローラ
8 パージ装置
9 キャリッジ軸
10 ガイド板
Claims (5)
- 着色剤、水、水溶性有機溶剤およびアセチレングリコール系界面活性剤を含むインクジェット記録用インクであって、
前記着色剤が、下記の染料(1)および染料(2)を含み、
前記水溶性有機溶剤が、ジプロピレングリコールプロピルエーテルを含み、
前記アセチレングリコール系界面活性剤が、下記一般式(3)で表される界面活性剤を含み、
前記染料(1)、前記染料(2)、前記ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよび前記一般式(3)で表される界面活性剤が、それぞれ、下記(A)〜(D)の条件を満たすように配合されていることを特徴とするインクジェット記録用インク。
染料(1):下記一般式(1)で表される染料
染料(2):C.I.アシッドレッド289
(A) 前記インク全量に対し、前記染料(1)と前記染料(2)の合計配合量が、2〜5重量%
(B) 前記インクにおける前記染料(1)と前記染料(2)との重量比が、染料(1):染料(2)=9:1〜7:3
(C) 0.5≦x≦2.5
(D) 1≦y≦3
x:インク全量に対する一般式(3)で表される界面活性剤の配合量(重量%)
y:インク全量に対するジプロピレングリコールプロピルエーテルの配合量(重量%)
R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基であり、
R2は、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基であり、
R3は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基であり、
R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基、置換または無置換のスルホニル基、置換または無置換のアシル基であり、R4、R5、R6およびR7は同一でも異なっていてもよいが、R4とR5が共に水素原子であることはなく、R6とR7が共に水素原子であることはなく、
A1およびA2は、双方が置換または無置換の炭素原子であるか、若しくは一方が置換または無置換の炭素原子であり、且つ、他方が窒素原子である。
R11、R12、R13およびR14は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜5の直鎖状または分岐鎖状アルキル基である。 - さらに、前記ジプロピレングリコールプロピルエーテルおよび前記一般式(3)で表される界面活性剤が、それぞれ、下記(E)の条件を満たすように配合されている請求項1記載のインクジェット記録用インク。
(E) y≧−2x+3 且つ y≦−2x+6
x:インク全量に対する一般式(3)で表される界面活性剤の配合量(重量%)
y:インク全量に対するジプロピレングリコールプロピルエーテルの配合量(重量%)
- マゼンタインクとして用いられる請求項1または2記載のインクジェット記録用インク。
- インクジェット記録用インクを含むインクカートリッジであって、前記インクが、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
- インクカートリッジおよびインク吐出手段を含み、インクジェット記録用インクが前記インク吐出手段から吐出されるインクジェット記録装置であって、前記インクカートリッジが、請求項4記載のインクカートリッジであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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