JP2009153858A - 歯科用補綴物の製作装置および製作方法 - Google Patents

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彰継 瀬川
Seiji Hamano
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Abstract

【課題】緻密焼結工程を不要とし、かつ加工後の緻密焼結後における手直し工程を省くことにより、効率よく歯科補綴物を作成することが可能な歯科用補綴物の製作方法および歯科用補綴物の製作装置を提供する。
【解決手段】歯科用補綴物の製作装置100は、ダイヤモンド粒子を含有する回転切削工具を用いてセラミックス製の補綴物材料101を加工する際に、セラミックス製の補綴物材料101に対して材料保持機構104を通じて周期振動を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転研削工具を用いてセラミックス等の歯科用補綴物を製作する製作装置および製作方法に関するものである。
近年、歯科医療における歯科補綴物製作では、コンピュータを用いて3次元モデルで作成し、その形状データを基にNCマシン等の回転研削工具を用いた加工機により補綴物を作成するといった方法、CAD(Computer Aided Design)/CAM(Computer Aided Manufacturing)が利用されている。このような方法において、難削材である緻密焼結されたセラミックス材料等を研削もしくは研削加工する際には、材料の硬度が高いために、最終補綴物形状を得るために必要な時間が膨大になってしまう。また、加工時間の短縮を狙って、加工速度を上げた場合には、加工工具に対して大きな負荷が掛かるため、工具の激しい磨耗や破損等の問題があった。
例えば、特許文献1では、酸化セリウムを含む正方晶酸化ジルコニア粒子と酸化アルミニウムを主成分とするセラミックス材料を用いて、整形加工体を形成後に予備焼結を行った予備焼結体を研削加工している。そして、その後、緻密焼結して歯科補綴物を製造することで研削時間の短縮を図っている。
また、特許文献2には、酸化イットリウム、およびアルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウムのいずれかの酸化物を含むセラミックス材料を用いて、同様に予備焼結を行った予備焼結体を研削加工し、その後、緻密焼結することにより歯科補綴物を製造する方法が記載されている。
特開2006−271435号公報(平成18年10月12日公開) 特表2003−506191号公報(平成15年2月18日公表)
しかしながら、予備焼結を行ったセラミックス材料を短時間で加工し、その後緻密焼結するという方法においては、補綴物の形状を研削もしくは研削加工した後に緻密焼結する必要がある。よって、緻密焼結時の補綴物の収縮による寸法変化を考慮して加工をした場合でも収縮寸法誤差が生じてしまう。この結果、緻密焼結後に手直しが必要となるとともに、緻密焼結時間そのものの時間も必要となる。
一方、緻密焼結したセラミックス材料を加工する場合には、予備焼結セラミックスの加工と比較して、歯科用補綴物を得るまでの加工時間が非常に長くなるおそれがある。
本発明の課題は、加工中に回転研削工具に掛かる負荷の大きさを低減し、かつ研削加工後における工程を省いて効率よく歯科補綴物を作成することが可能な歯科補綴物の製作装置および制作方法を提供することにある。
第1の発明に係る歯科用補綴物の製作装置は、回転研削工具を用いて歯科用補綴物の研削加工を行う装置であって、回転研削工具と、材料保持機構と、周期振動発生機構と、を備えている。材料保持機構は、回転研削工具の軸方向に対して交差する方向に沿って補綴物材料を保持する。周期振動発生機構は、補綴物材料を加工する際に、補綴物材料に対して周期振動を付与する。
ここでは、例えば、セラミックス製の歯科用補綴物の研削加工を行う装置において、補綴物材料に対して周期振動を付与した状態で、回転研削工具を用いて研削加工を行う。
ここで、上記回転研削工具としては、例えば、ダイヤモンド粒子を含有する研削部分を有する工具を用いることができる。また、補綴物材料とは、歯科用補綴物の原料となるセラミックス等からなる材料をいう。
これにより、補綴物材料に対する周期振動の付与によって、周期振動を付与しないで行う研削加工と比較して、研削加工を実施する際における回転研削工具にかかる負荷を低減し、研削加工時における回転研削工具の加速度を増大させることができる。この結果、補綴物材料を歯科用補綴物に研削加工する工程を簡略化して、効率よく補綴物材料の研削加工を行うことができる。
第2の発明に係る歯科用補綴物の製作装置は、第1の発明に係る歯科用補綴物の製作装置であって、周期振動発生機構は、補綴物材料に対して、1μm〜50μmの振幅、1kHz〜50kHzの周波数の振動を付与する。
これにより、上記回転研削工具にかかる負荷低減効果を最大限に引き出すことができる。
第3の発明に係る歯科用補綴物の製作装置は、第1または第2の発明に係る歯科用補綴物の製作装置であって、周期振動発生機構は、回転研削工具の軸方向と交差する方向に沿った縦波を、補綴物材料に対して付与する。
これにより、補綴物材料を効果的に振動させることで、回転研削工具と補綴物材料との接触回数を増加させて研削加工を行うことができるため、補綴物材料の研削加工を効率よく実施することができる。
第4の発明に係る歯科用補綴物の製作装置は、第1または第2の発明に係る歯科用補綴物の製作装置であって、周期振動発生機構は、回転研削工具の軸方向に沿った横波を、補綴物材料に対して付与する。
これにより、補綴物材料を効果的に振動させることで、回転研削工具が補綴物材料と接触する線速度を増加させて研削加工を行うことができるため、補綴物材料の研削加工を効率よく実施することができる。
第5の発明に係る歯科用補綴物の製作装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製作装置であって、材料保持機構と周期振動発生機構とを合わせて、周期振動の伝達方向を軸として回転させる補綴物回転機構をさらに備えている。
これにより、歯科用補綴物を材料保持機構ごと回転させながら回転研削工具によって研削加工を行うことができる。よって、回転研削工具と補綴物材料との接触を継続した状態で、補綴物材料の外周部分等の研削加工ができ、回転検索工具が補綴物材料と接触しない時間を削減することで研削加工を効率よく行うことができる。
第6の発明に係る歯科用補綴物の製作装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製作装置であって、周期振動発生機構が補綴物材料に対して付加する振動の振幅の大小と振動のON/OFFとを研削加工条件に応じて調整する調整手段をさらに備えている。
これにより、仕上げ加工の種類や補綴用材料の材質、歯科用補綴物の形状、必要加工精度等に応じて、補綴物材料に対して適切な周期振動を付与することで、効率よく補綴物材料の研削加工を行うことができる。
第7の発明に係る補綴用材料の製作装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製作装置であって、補綴物材料は、セラミックス系の材料である。
これにより、補綴物材料として一般的に使用されるセラミックス系の材料のような難削材を効果的に研削加工して、所望の形状の歯科用補綴物を製作することができる。
第8の発明に係る歯科用補綴物の製作方法は、回転研削工具を用いて歯科用補綴物を研削加工する歯科用補綴物の製作方法であって、第1のステップと第2のステップとを備えている。第1のステップでは、回転研削工具の軸方向と交差する方向に沿って補綴物材料を保持する。第2のステップでは、歯科用補綴物を加工する際に、補綴物材料に対して周期振動を付与する。
ここでは、例えば、セラミックス製の歯科用補綴物の研削加工を行う製作方法において、補綴物材料に対して周期振動を付与した状態で、回転研削工具を用いて研削加工を行う。
ここで、上記回転研削工具としては、例えば、ダイヤモンド粒子を含有する研削部分を有する工具を用いることができる。また、補綴物材料とは、歯科用補綴物の原料となるセラミックス等からなる材料をいう。
これにより、補綴物材料に対する周期振動の付与によって、周期振動を付与しないで行う研削加工と比較して、研削加工を実施する際における回転研削工具にかかる負荷を低減し、研削加工時における回転研削工具の加速度を増大させることができる。この結果、補綴物材料を歯科用補綴物に研削加工する工程を簡略化して、効率よく補綴物材料の研削加工を行うことができる。
第9の発明に係る歯科用補綴物の製作方法は、第8の発明に係る歯科用補綴物の製作方法において、1μm〜50μmの振幅、1kHz〜50kHzの周波数の周期振動が、補綴物材料に対して付与される。
これにより、上記回転研削工具にかかる負荷低減効果を最大限に引き出すことができる。
第10の発明に係る歯科用補綴物の製作方法は、第8または第9の発明に係る歯科用補綴物の製作方法であって、第2のステップでは、回転研削工具の軸方向に対して交差する方向に沿った縦波を含む周期振動が、補綴物材料に対して付与される。
これにより、補綴物材料を効果的に振動させることで、回転研削工具と補綴物材料との接触回数を増加させて研削加工を行うことができるため、補綴物材料の研削加工を効率よく実施することができる。
第11の発明に係る歯科用補綴物の製作方法は、第8または第9の発明に係る歯科用補綴物の製作方法であって、第2のステップでは、回転研削工具の軸方向に沿った横波を含む周期振動が、補綴物材料に対して付与される。
これにより、補綴物材料を効果的に振動させることで、回転研削工具が補綴物材料と接触する線速度を増加させて研削加工を行うことができるため、補綴物材料の研削加工を効率よく実施することができる。
第12の発明に係る歯科用補綴物の製作方法は、第8から第11の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製作方法であって、第1のステップにおいて補綴物材料を保持する材料保持機構と、第2のステップにおいて補綴物材料に対して周期振動を付与する周期振動発生機構とを合わせて、周期振動の伝達方向を軸として回転させる第3のステップをさらに備えている。
これにより、歯科用補綴物を材料保持機構ごと回転させながら回転研削工具によって研削加工を行うことができる。よって、回転研削工具と補綴物材料との接触を継続した状態で、補綴物材料の外周部分等の研削加工ができ、回転検索工具が補綴物材料と接触しない時間を削減することで研削加工を効率よく行うことができる。
第13の発明に係る歯科用補綴物の製作方法は、第8から第12の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製作方法であって、第2のステップにおいて、補綴物材料に対して付与される振動の振幅の大小と振動のON/OFFとを、研削加工条件に応じて調整する第5のステップをさらに備えている。
これにより、仕上げ加工の種類や補綴用材料の材質、歯科用補綴物の形状、必要加工精度等に応じて、補綴物材料に対して適切な周期振動を付与することで、効率よく補綴物材料の研削加工を行うことができる。
第14の発明に係る歯科用補綴物の作成方法は、第8から第13の発明のいずれか1つに係る歯科用補綴物の製作方法であって、補綴物材料は、セラミックス系の材料である。
これにより、補綴物材料として一般的に使用されるセラミックス系の材料のような難削材を効果的に研削加工して、所望の形状の歯科用補綴物を製作することができる。
本発明の歯科用補綴物の製作装置および製作方法によれば、研削加工時における回転研削工具に掛かる抵抗を低減して、効率よく歯科用補綴物を製作することができる。
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る歯科用補綴物の製作装置および製作方法ついて、図1〜図4および図7を用いて説明すれば以下の通りである。
本実施形態の歯科用補綴物の製作装置100は、図1に示すように、回転研削工具102を用いて、材料保持機構104によって保持されたセラミックス製の補綴物材料101を研削加工して歯科用補綴物を製作する装置である。そして、製作装置100は、図1に示すように、回転研削工具102と、スピンドル103と、材料保持機構104と、補綴物回転機構105と、振動子(周期振動発生機構)106と、を備えている。
ここで、本実施形態において使用されている補綴物材料101は、特許第2945935号に記載された方法によって得られたセラミックス製の円柱形の材料(図2(a)参照)を用いている。具体的には、酸化ジルコニウム65.9〜69.9重量%、酸化セリウム10.1〜11.1重量%、酸化アルミニウム19.5〜23.5重量%、酸化チタン0.01〜0.03重量%、および酸化マグネシウム0.04〜0.08重量%を含む原料配合物による整形加工体の緻密焼結体である。
回転研削工具102は、ダイヤモンド粒子を含有する研削部分を有しており、回転軸を中心に回転駆動されることで、研削部分に接触した材料を研削加工する。
スピンドル103は、回転研削工具102に対して、研削加工を行うために必要な回転駆動力を付与する。
材料保持機構104は、被加工物としての補綴物材料101を保持するための機構であって、回転研削工具102の回転軸に交差する方向に沿ってセラミックス製の補綴物材料101を保持する。
補綴物回転機構105は、材料保持機構104において保持された補綴物材料101を、材料保持機構104ごと所定の方向に回転させる。
振動子106は、軸振動型の振動子であって、軸振動するボルト締めランジュバン振動子を用いて、図3(a)および図3(b)に示すように、補綴物材料101を軸方向において伸縮する。また、振動子106は、周期振動駆動および制御を行う周期振動発振器(図示せず)によって駆動・制御され、研削加工条件に応じて、補綴物材料101および材料保持機構104に対して縦波や横波を含む所望の振動を付与する。
<補綴物材料101の研削方法>
本実施形態では、以上のような構成を備えた歯科用補綴物の製作装置100において、図7に示すフローチャートに従って、セラミックス製の補綴物材料101が所望の形状になるように研削加工を行う。
具体的には、まず、ステップS1において、材料保持機構104において、回転研削工具102の回転軸に交差する方向に沿ってセラミックス製の補綴物材料101を保持する。
次に、ステップS2において、材料保持機構104において保持された補綴物材料101に対して、振動子106から所望の振動が付与される。この時、補綴物材料101および材料保持機構104には、振動子106によって、回転研削工具102の軸方向に交差する方向に20kHzの周期の縦波の周期振動が付与される。
次に、ステップS3において、研削加工条件に応じて、振動子106から補綴物材料101に対して付与される周期振動が調整される。より具体的には、振動子106からの周期振動を発生させる周期振動発振器からの出力によって、図4に示すように、振動子106から補綴物材料101に対して付与される周期振動の振幅の大きさや振動付与のON/OFFが選択される。すなわち、荒加工、中荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工の4種類の研削加工条件に応じて、周期振動の振幅を10μm、8μm、5μm、0μmに設定する。なお、上記研削加工条件としては、仕上げ加工の種類や補綴物材料101の硬度や歯科用補綴物の形状等が含まれる。
次に、ステップS4において、回転研削工具102をスピンドル103によって回転駆動し、スピンドル103によって高速回転された回転研削工具102を、補綴物材料101に対して接触させることで研削加工を行う。
ここで、補綴物材料101の外周部分の加工工程では、補綴物回転機構105を用いて、補綴物材料101、材料保持機構104および振動子106を、円柱形の補綴物材料101の軸を中心として回転させながら加工を行う。また、前工程から加工方向を変更させる必要がある場合は、補綴物回転機構105で、補綴物材料101の被加工面を回転研削工具102に対して位置決めするために、補綴物材料101と回転研削工具102が接触していない時に、一定角度(例えば、90°や180°等)回転させればよい。
次に、ステップS5において、所望の形状に加工された補綴物材料101(歯科用補綴物)の保持を解除する。
本実施形態では、以上のように、補綴物材料101へ周期振動を付加しながら研削加工を行うことにより、周期振動を付加しない場合と比較して研削加工時の加工抵抗(負荷)を低減することができる。この負荷低減により、加工時の回転研削工具102の送り速度や切り込み量を大きくすることが可能となる。この結果、回転研削工具102が破損する等の不具合を回避しつつ、例えば、セラミックス完全緻密焼結体等を材料とする上顎3番歯のコーピング研削加工時間を20%短縮することができた。
<特徴>
本実施形態の歯科用補綴物の製作装置100は、被研削加工物としての補綴物材料101を保持する材料保持機構104と、補綴物材料101に対して所望の周期振動を付与する振動子106とを備えている。
これにより、例えば、難削材料である緻密焼結後のセラミックス材料等の補綴物材料101を用いた歯科用補綴物の製作において、研削加工時において回転研削工具102に掛かる負荷を低減することができる。よって、回転研削工具102の激しい磨耗や破損を発生させることなく、加工速度を従来よりも上昇させることができる。この結果、歯科用補綴物の製作に要する時間を短縮し、かつ加工後の緻密焼結工程を省くことができる。よって、焼結による収縮寸法誤差の考慮や手直しの必要がなくなり、加工後そのまま歯科用補綴物として使用可能となる。
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る歯科用補綴物の製作装置500について、図5〜図6(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、軸振動型の振動子106(図1参照)を、たわみ振動型の振動子(周期振動発生機構)506に置換した点において上記実施形態1とは異なっているが、その他の構成については同様である。よって、上記実施形態1と同様の構成および機能を備えた部材については、同じ符号を付しその説明を省略する。
本実施形態の歯科用補綴物の製作装置500は、図5に示すように、回転研削工具102を用いて、材料保持機構104によって保持されたセラミックス製の補綴物材料101を研削加工して歯科用補綴物を製作する装置である。そして、製作装置500は、図5に示すように、回転研削工具102と、スピンドル103と、材料保持機構104と、補綴物回転機構105と、振動子506と、を備えている。
回転研削工具102、スピンドル103、材料保持機構104、および補綴物回転機構105については、上記実施形態1と同様である。
振動子506は、周期振動の駆動・制御を行う周期振動発振器(図示せず)によって駆動・制御されており、たわみ振動するボルト締めランジュバン振動子を用いて、図6(a)および図6(b)に示すように、円柱形の軸に対して垂直な方向に振動される。
上記実施形態1と同様に、セラミックス製の補綴物材料101および材料保持機構104には、振動子506から回転研削工具102の軸方向に沿って20kHzの周期で周期振動(横波)が付与される。この状態において、スピンドル103によって高速回転された回転研削工具102が補綴物材料101に対して接触して、補綴物材料101の研削加工が行われる。
また、研削加工の工程において、前工程から加工方向や加工される部分を変更する場合には、実施形態1と同様に、補綴物材料101と回転研削工具102が接触していない時に、補綴物回転機構105によって補綴物材料101を所定の角度だけ回転させればよい。これにより、補綴物材料101の被加工面を回転研削工具102に対して正確に位置決めして、所望の部分の研削加工を行うことができる。
さらに、実施形態1と同様に、補綴物材料101に対して付与される周期振動の振幅については、周期振動発振器からの出力によって、図4に示すように、仕上げ加工の種類等を含む研削加工条件によって周期振動の振幅の大きさや振動付与のON/OFFを制御する。
本実施形態では、以上のように、補綴物材料101へ周期振動を付加しながら研削加工を行うことにより、周期振動を付加しない場合と比較して研削加工時の加工抵抗(負荷)を低減することができる。この負荷低減により、加工時の回転研削工具102の送り速度や切り込み量を大きくすることが可能となる。この結果、回転研削工具102が破損する等の不具合を回避しつつ、例えば、セラミックス完全緻密焼結体等を材料とする上顎3番歯のコーピング研削加工時間を18%短縮することができた。
<特徴>
本実施形態の歯科用補綴物の製作装置500は、被研削加工物としての補綴物材料101を保持する材料保持機構104と、補綴物材料101に対して所望の周期振動を付与する振動子506とを備えている。
これにより、例えば、難削材料である緻密焼結後のセラミックス材料等の補綴物材料101を用いた歯科用補綴物の製作において、研削加工時において回転研削工具102に掛かる負荷を低減することができる。よって、回転研削工具102の激しい磨耗や破損を発生させることなく、加工速度を従来よりも上昇させることができる。この結果、歯科用補綴物の製作に要する時間を短縮し、かつ加工後の緻密焼結工程を省くことができる。よって、焼結による収縮寸法誤差の考慮や手直しの必要がなくなり、加工後そのまま歯科補綴物として使用可能となる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、補綴物材料101として、特許第2945935号に記載される成分を持つセラミックス材料を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、イットリア系正方晶ジルコニア(Y−TZP)等の他のセラミックス材料を補綴物材料として用いてもよい。また、セラミックス材料としては、緻密焼結体でなくてもよく、予備焼結あるいは未焼結体であってもよい。
さらには、補綴物材料101としては、セラミックス系の材料に限定されるものではなく、他の難削性の材料を用いてもよい。
(B)
上記実施形態では、補綴物材料101として、図2(a)に示すように、円柱形の材料を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図2(b)に示す直方体の材料501aや、図2(c)に示す補綴物材料に対して材料保持のための固定冶具が取り付けられた材料501b等を用いてもよい。
(C)
上記実施形態では、補綴物材料101に対して付与される振動周期として、20kHzの振動を付与した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、20kHz以外の異なる振動周期を持つ軸振動する振動子を使用してもよい。
また、振動の振幅についても全ての工程において同じ振幅を付与する等してもよく、図4において上げた数値に限定されるものではない。
(D)
上記実施形態では、図1に示すように、補綴物回転機構105において軸振動する振動子106を保持する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、材料保持機構だけを保持する、あるいは軸振動する振動子および材料保持機構の双方を保持する構成であってもよい。
(E)
上記実施形態では、材料保持機構104および軸振動する振動子106は別部品として構成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、振動子が材料保持機構の機能を有することで、材料保持機構および軸振動する振動子が一体となった構成であってもよい。
(F)
上記実施形態では、振動子106および506としてボルト締めランジュバン振動子を用いて構成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、振動子として、磁歪素子を用いたアクチュエータおよび圧電素子を用いたアクチュエータを使用した構成であってもよい。
本発明の歯科用補綴物の製作方法および装置は、緻密焼結後のセラミックス材料をはじめとする難削材料を使用した歯科用補綴物の製作において研削もしくは研削加工に要する時間を大幅に短縮する効果を有することから、その他医療分野における同様のセラミックス等の難削材を用いた人工骨等の製作の用途にも適用可能である。
本発明の一実施形態に係る歯科用補綴物の製作機構の構成を示す概略図。 本発明の実施形態1および実施形態2の捕綴物材料の形状を示す概略図。 (a)および(b)は、本発明の実施形態1で使用する軸振動する振動子を示す模式図。 本発明の実施形態1,2に係る加工条件に応じた周期振動の振幅を示す選択図。 本発明の実施形態2に係る歯科用補綴物の製作機構を示す概略図。 (a)および(b)は、本発明の実施形態2で使用する軸振動する振動子を示す模式図。 本発明の歯科用補綴物の製作方法の流れを示すフローチャート。
符号の説明
100 歯科用補綴物の製作装置
101 補綴物材料
102 回転研削工具
103 スピンドル
104 材料保持機構
105 補綴物回転機構
106 軸振動する振動子(周期振動発生機構)
500 歯科用補綴物の製作装置
501a 材料(補綴物材料)
501b 材料(補綴物材料)
506 たわみ振動する振動子(周期振動発生機構)

Claims (14)

  1. 回転研削工具を用いて補綴物材料の研削加工を行って歯科用補綴物を製作する製作装置であって、
    前記回転研削工具と、
    前記回転研削工具の軸方向に対して交差する方向に沿って前記補綴物材料を保持する材料保持機構と、
    前記補綴物材料を加工する際に、前記補綴物材料に対して周期振動を付与する周期振動発生機構と、
    を備えている歯科用補綴物の製作装置。
  2. 前記周期振動発生機構は、前記補綴物材料に対して、1μm〜50μmの振幅、1kHz〜50kHzの周波数の振動を付与する、
    請求項1に記載の歯科用補綴物の製作装置。
  3. 前記周期振動発生機構は、前記補綴物材料に対して、前記回転研削工具の軸方向と交差する方向に沿った縦波を含む周期振動を付与する、
    請求項1または2に記載の歯科用補綴物の製作装置。
  4. 前記周期振動発生機構は、前記補綴物材料に対して、前記回転研削工具の軸方向に沿った横波を含む周期振動を付与する、
    請求項1または2に記載の歯科用補綴物の製作装置。
  5. 前記材料保持機構と前記周期振動発生機構とを合わせて、前記周期振動の伝達方向を軸として回転させる補綴物回転機構をさらに備えている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製作装置。
  6. 前記周期振動発生機構が前記補綴物材料に対して付加する振動の振幅の大小と振動のON/OFFとを研削加工条件に応じて調整する調整手段をさらに備えている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製作装置。
  7. 前記補綴物材料は、セラミックス系の材料である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製作装置。
  8. 回転研削工具を用いて補綴物材料を研削加工して歯科用補綴物を製作する方法であって、
    前記回転研削工具の軸方向と交差する方向に沿って前記補綴物材料を保持する第1のステップと、
    前記歯科用補綴物を加工する際に、前記補綴物材料に対して周期振動を付与する第2のステップと、
    を備えている歯科用補綴物の製作方法。
  9. 前記第2のステップでは、1μm〜50μmの振幅、1kHz〜50kHzの周波数の周期振動が、前記補綴物材料に対して付与される、
    請求項8に記載の歯科用補綴物の製作方法。
  10. 前記第2のステップでは、前記回転研削工具の軸方向に対して交差する向きの縦波を含む周期振動が、前記補綴物材料に対して付与される、
    請求項8または9に記載の歯科用補綴物の製作方法。
  11. 前記第2のステップでは、前記回転研削工具の軸方向に沿った横波を含む周期振動が、前記補綴物材料に対して付与される、
    請求項8または9に記載の歯科用補綴物の製作方法。
  12. 前記第1のステップにおいて前記補綴物材料を保持する材料保持機構と、前記第2のステップにおいて前記補綴物材料に対して周期振動を付与する周期振動発生機構と、を合わせて、前記周期振動の伝達方向を軸として回転させる第3のステップをさらに備えている、
    請求項8から11のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製作方法。
  13. 前記第2のステップにおいて、前記補綴物材料に対して付与される振動の振幅の大小と振動のON/OFFとを、研削加工条件に応じて調整する第5のステップをさらに備えている、
    請求項8から12のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製作方法。
  14. 前記補綴物材料は、セラミックス系の材料である、
    請求項8から13のいずれか1項に記載の歯科用補綴物の製作装置。

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CN114449975A (zh) * 2019-10-08 2022-05-06 登士柏西诺德公司 机加工用于制造牙科修复体的牙科块材的方法

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