JP2009153716A - 超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム - Google Patents

超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】カラードプラモードによって取得された超音波画像のボケを抑制しつつ、心腔内と心壁との境界のギザギザや、正常流内に黒抜けを低減させることができる超音波診断装置等を提供すること。
【解決手段】超音波走査によって取得された原画像データを用いて辺縁領域を検出し、当該辺縁領域については、血流領域から遠ざかるに従って平滑化されたスムージング画像の割合を高くすると共に、原画像の割合を低くするように、ブレンド処理を実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、組織等からの信号成分の輝度を変えることなく、ノイズ成分のみを低減するフィルタ処理を行う超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラムに関する。
超音波診断は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。この他、システムの規模がX線、CT、MRIなど他の診断機器に比べて小さく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便な診断手法であると言える。この超音波診断において用いられる超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、超音波診断はX線などのように被曝の影響がなく、産科や在宅医療等においても使用することができる。
ところで、この様な超音波診断装置を用いてカラードプラモードにより循環器の画像診断を行う際に、例えば心腔内と心壁との境界がギザギザしたり、正常流内に黒抜けしたりすることにより、描画性が低下する場合がある。係る場合には、所定のスムージング処理を施し、これらの不具合を低減させるのが一般的である。
なお、本願に関連する公知文献としては、例えば次のようなものがある。
特願2006−17772
しかしながら、従来のスムージング処理手法により心腔内と心壁との境界のギザギザや、正常流内に黒抜けを低減させる場合には、血流等の診断に有効な情報もボケてしまうことがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、カラードプラモードによって取得された超音波画像のボケを抑制しつつ、心腔内と心壁との境界のギザギザや、正常流内に黒抜けを低減させることができる超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラムを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
請求項1に記載の発明は、被検体の所定の領域に対してドプラモードによる超音波送受信を実行し、第1の超音波画像データを発生するデータ発生手段と、前記第1の超音波画像データを用いて血流領域と組織領域との境界領域及びその近傍領域である辺縁領域を検出する検出手段と、前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、当該第1の超音波画像データと、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データにスムージング処理を施した第2の超音波画像データと、を所定の割合でブレンドすることで、画像補正処理を実行する補正手段と、を具備することを特徴とする超音波診断装置である。
請求項8に記載の発明は、被検体の所定の領域に対してドプラモードによる超音波送受信を実行することで取得された第1の超音波画像データを用いて、血流領域と組織領域との境界領域及びその近傍領域である辺縁領域を検出する検出手段と、前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、当該第1の超音波画像データと、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データにスムージング処理を施した第2の超音波画像データと、を所定の割合でブレンドすることで、画像補正処理を実行する補正手段と、を具備することを特徴とする超音波画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、被検体の所定の領域に対してドプラモードによる超音波送受信を実行することで取得された第1の超音波画像データを用いて、血流領域と組織領域との境界領域及びその近傍領域である辺縁領域を検出させる検出機能と、前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、当該第1の超音波画像データと、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データにスムージング処理を施した第2の超音波画像データと、を所定の割合でブレンドすることで、画像補正処理を実行させる補正機能と、を具備することを特徴とする超音波画像処理プログラムである。
以上本発明によれば、カラードプラモードによって取得された超音波画像のボケを抑制しつつ、心腔内と心壁との境界のギザギザや、正常流内に黒抜けを低減させることができる超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラムを実現することができる。
以下、本発明の第1実施形態乃至第3実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、ドプラ処理ユニット24、スキャンコンバータ25、データ処理部26、制御プロセッサ(CPU)28、内部記憶部29、インタフェース部30を具備している。以下、個々の構成要素の機能について説明する。
超音波プローブ12は、超音波送受信ユニット21からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。当該超音波プローブ12から被検体Pに超音波が送信されると、当該送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、エコー信号として超音波プローブ12に受信される。このエコー信号の振幅は、反射することになった反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合のエコーは、ドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分を依存して、周波数偏移を受ける。
入力装置13は、装置本体11に接続され、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール13s、マウス13c、キーボード13d等を有している。例えば、操作者が入力装置13の終了ボタンやFREEZEボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、当該超音波診断装置は一時停止状態となる。
モニター14は、スキャンコンバータ25からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報や、血流情報を画像として表示する。
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、プローブ12に駆動パルスを印加する。
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。この加算により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理ユニット23は、送受信ユニット21からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。このデータは、スキャンコンバータ25に送信され、反射波の強度を輝度にて表したBモード画像としてモニター14に表示される。
ドプラ処理ユニット24は、送受信ユニット21から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。得られた血流情報はスキャンコンバータ25に送られ、平均速度画像、分散画像、パワー画像、これらの組み合わせ画像としてモニター14にカラー表示される。
スキャンコンバータ25は、超音波スキャンの走査線信号列を、Bモード処理部23、ドプラ処理部24、データ処理部26から受け取ったデータを種々のパラメータの文字情報や目盛等と共に合成し、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、表示画像としての超音波診断画像を生成する。スキャンコンバータ25は、画像データを格納する記憶メモリを搭載しており、例えば診断の後に操作者が検査中に記録された画像を呼び出すことが可能となっている。なお、当該スキャンコンバータ25に入る以前のデータは、例えば空間的位置毎の振幅値或いは輝度値の集合であり、「生データ」と呼ばれる。
データ処理部26は、制御プロセッサ28からの制御に基づいて、スキャンコンバージョン前の生データ、或いはスキャンコンバージョン後の画像データを用いて、後述する辺縁領域平滑化機能に従う処理(辺縁領域平滑化処理)を実行する。
制御プロセッサ28は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する制御手段である。制御プロセッサ28は、内部記憶部29から画像生成・表示等を実行するための制御プログラムを読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・制御等を実行する
内部記憶部29は、所定のスキャンシーケンス、画像生成。表示処理を実行するための制御プログラムや、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送受信条件、ボディマーク生成プログラムその他のデータ群が保管されている。内部記憶部29のデータは、インタフェース部30を経由して外部周辺装置へ転送することも可能となっている。
インタフェース部30は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインタフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インタフェース部30よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
(辺縁領域平滑化機能)
次に、本超音波診断装置1が有する、辺縁領域平滑化機能について説明する。この機能は、超音波画像において、カラードプラモードによって取得された超音波画像における血流領域(例えば心腔内)と組織領域(例えば心壁)との境界及び/又はその近傍領域である辺縁領域(以下、単に「辺縁領域」と呼ぶ。)において、スムージング画像をブレンドする補正を行うことで、辺縁領域を平滑化するものである。この機能により、辺縁領域のボケやギザギザを低減させることができ、超音波画像における視認性を改善することができる。
なお、本実施形態では、説明を具体的にするために、スキャンコンバージョン後のデータである画像データに対して、当該辺縁領域平滑化機能を適用する場合を例とする。しかしながら、当該機能は、データ形式に拘泥されず、スキャンコンバージョン前のデータである生データに対しても適用可能である。
また、本実施形態では、超音波診断装置1によって辺縁領域平滑化機能を実現する場合を例として説明する。しかしながら、本辺縁領域平滑化機能を実現するために、超音波画像の撮像機能は必須ではない。例えば、専用プログラムを医用ワークステーション等の超音波画像処理装置にインストールし、予め取得された超音波生データや超音波画像データに対して、本辺縁領域平滑化機能を実行するようにしてもよい。
図2は、辺縁領域平滑化処理の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。同フローチャートにおいて、ステップS3乃至ステップS6までが診断非有効領域低減処理に対応する。
[超音波走査(エコー信号の取得):ステップS1]
まず、制御プロセッサ28は、所定のスキャンシーケンスに従ってドプラモード撮像を実行し、エコー信号を取得する(ステップS1)。
[ドプラモード処理(画像データの生成):ステップS2]
次に、ドプラモード処理ユニット24は、送受信ユニット21から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求め、ドプラ画像に関する生データを生成する。スキャンコンバータ25は、ドプラモード処理ユニット24から受け取った生データを用いて、画像データを生成する(ステップS2)。
[スムージング画像データの生成:ステップS3]
次に、データ処理部26は、所定の手法により、スムージング画像データを生成する(ステップS3)。ここで、スムージング画像データとは、本来の画像より解像度を低下させるように、原画像データ(すなわち、ステップS2において取得されたデータ)を用いて生成されるものである。
このスムージング画像データは、信号領域をマクロで捉えることで、辺縁領域等のギザギザを解消するために使用されるものである。その生成手法には限定はないが、典型例としては、次のようなものがある。
すなわち、まず、データ処理部26は、図3に示すように、ステップS2において取得された超音波画像データを用いて、当該画像に対する縮小画像を生成する。縮小画像は、例えば画像データ上に所定サイズの小領域(例えば、3×3=9画素の小領域)を設定し、所定の窓関数を用いて、当該小領域の平均値を計算し、この平均値を縮小画像の所定位置の画素値とするマッピング処理を行う。次に、小領域の中心を例えば隣の画素に移動させて同様にマッピング処理を行う。この様なマッピング処理を、画像データ上の全ての画素に対して実行することにより、縮小画像を生成することができる。また、他の手法として、例えば所定の割合(例えば、1/2や1/3)での画素の間引き処理によっても、縮小画像を生成することができる。
次に、得られた縮小画像を所定の手法によって補間(例えば、二次元のスプライン補間)し元のサイズの画像を生成することで、スムージング画像データを生成することができる。
[原画像データから辺縁領域を検出:ステップS4]
次に、データ処理部26は、原画像データを用いて、辺縁領域を検出する(ステップS4)。
すなわち、まず、データ処理部26は、図4に示すように、ステップS2において取得された超音波画像データに対して2値化処理を実行し、2値化画像を取得する。
次に、データ処理部26は、得られた2値化画像に対して所定のタップ数のフィルタ処理を実行し、係数画像を生成する。例えば、画像データ上に所定タップ数の小領域(例えば、3×3=9画素の小領域)を設定し、所定の窓関数を用いて、当該小領域の平均値を計算し、この平均値を係数として縮小画像の中心位置の画素値とするマッピング処理を行う。次に、小領域の中心を例えば隣の画素に移動させて同様にマッピング処理を行う。この様なマッピング処理を、画像データ上の全ての画素に対して実行することにより、図4に示すような係数画像を生成することができる。
次に、データ処理部26は、係数画像において、0以上1未満の値を有する画素については辺縁領域と判定し、一方、1の値を有する画素については辺縁領域以外と判定することで、図4に示すように辺縁領域を検出する。
[辺縁領域についてのブレンド処理の実行:ステップS5a]
次に、データ処理部26は、所定のブレンド割合に従って、辺縁領域についてブレンド処理を実行する(ステップS5a)。すなわち、データ処理部26は、例えば図5に示すようなブレンド割合に従って、血流領域側(心腔側)に近い辺縁領域おいては原画像のブレンド割合(重み係数)を高くすると共に、スムージング画像のブレンド割合(重み係数)を低くする。一方、データ処理部26は、辺縁領域おいて、血流領域から遠ざかるに従って原画像のブレンド割合を低くすると共に、スムージング画像のブレンド割合を高くする。
また、ドプラ画像の観察においては、血流領域(辺縁領域内側)については解像度の高い画像が要求されることから、例えば図5に示すようにスムージング画像の割合を0とし、全て原画像の情報を用いるものとする。一方、辺縁領域外側については、特に解像度の高い画像が要求される場合が少ないため、例えば図5に示すように原画像の割合を0とし、全てスムージング画像の情報を用いるものとする。
なお、図5に示したブレンド割合は、例示に過ぎない。すなわち、辺縁領域において、血流領域から遠ざかるに従ってスムージング画像のブレンド割合を高くすると共に、原画像のブレンド割合を低くするものであれば、どのようなものであってもよい。
[超音波画像の表示:ステップS6]
次に、モニター14は、データ処理部26からのビデオ信号に基づいて、診断有効領域と診断非有効領域とのコントラストが強調された超音波画像を所定の形態で表示する(ステップS6)。
図6(a)は、本辺縁領域平滑化処理が実行されていない従来の超音波画像を示した図である。図6(b)は、本辺縁領域平滑化処理が実行された超音波画像を示した図である。図6(a)と図6(b)とを比較すると、図6(b)においては、本辺縁領域平滑化処理により図6(a)に比して辺縁領域のギザギザが低減されており、且つ辺縁領域平滑化処理によるボケも発生していないことがわかる。
(データ量低減化機能)
次に、本超音波診断装置が有するデータ量低減化機能について説明する。この機能は、フレーム毎の超音波画像データを回転させ、メモリからのデータ読み出しの総量を低減化させることができる。当該機能に従う処理(データ量低減化処理)を例えば診断非有効領域低減処理前に実行することで、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
図7(a)、(b)、(c)は、本データ量低減化処理を説明するための一例を示した図である。セクタスキャンによる超音波走査が行われた場合には、スキャンコンバート後の画像データは、図7(a)に示すような扇型となる。係る扇形の画像データをメモリに書き込み/読み出しする場合、従来の装置では、図7(a)に示すような矩形状の領域に書き込み読み出している。従って、例えば領域S1、S2、S3の様な超音波画像データ以外の不要な領域についても書き込み/読み出しを行うこととなっていた。
本データ量低減化処理では、例えば超音波走査領域の形状や大きさに基づいて、得られた超音波画像データを例えば図7(b)に示すように、画像データを含む矩形領域の面積が最小となる様に回転させ、当該画像データを書き込み/読み出しするためのメモリ領域を最小化する。この様に最小化されたメモリ領域に書き込まれた画像データに対して、既述の診断非有効領域低減処理を実行し、その後、図7(c)に示すように、画像データが元の向きとなるように回転させる。これにより、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
また、例えば図8(a)に示すように、超音波走査領域が超音波照射面に対して斜め方向である場合にも、図8(b)に示すように、画像データを含む矩形領域の面積が最小となる様に回転させ、当該画像データを書き込み/読み出しするためのメモリ領域を最小化することができる。その後、図8(c)に示すように、画像データが元の向きとなるように回転させる。これにより、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置では、超音波走査によって取得された原画像データを用いて辺縁領域を検出し、当該辺縁領域については、血流領域から遠ざかるに従って平滑化されたスムージング画像の割合を高くすると共に、原画像の割合を低くするように、ブレンド処理を実行し、また、血流領域に近づくに従ってスムージング画像の割合を低くすると共に、原画像の割合を高くするように、ブレンド処理を実行する。従って、ドプラモードによって取得された画像において、血流領域の画質を維持しつつ、辺縁領域及びその近傍におけるギザギザを低減させることができる。その結果、超音波画像の視認性を上げることができ、画像診断における観察作業の負担軽減、画像診断の質の向上等に寄与することができる。
また、本実施形態に係る超音波診断装置では、辺縁領域内側においては原画像データが用いられ、且つ辺縁領域外側においては平滑化されたスムージング画像データが用いられた超音波画像を生成する。従って、ドプラモードによって取得された画像において、辺縁領域内側の血流領域においては高分解能で、辺縁領域外側においては人間の目には自然な形態で、超音波画像を観察することができる。その結果、超音波画像の視認性を上げることができ、画像診断における観察作業の負担軽減、画像診断の質の向上等に寄与することができる。
さらに、本超音波診断装置では、画像データをメモリに書き込む際、データの書き込み/読み出しのデータ量が最小になるように、超音波走査範囲を回転処理させ、処理対象となるデータ量を低減化させることができる。その結果、超音波画像表示までのスループットを向上させることができ、リアルタイム性の高い超音波画像表示を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態において述べた辺縁領域平滑化処理では、例えば辺縁領域の端部において多少のボケを感じることがある。この辺縁領域端部のボケは、例えば当該端部の近傍に発生する小さな逆流成分の描画性を落とす場合がある。
この様な不具合を解消するために、本実施形態に係る超音波診断装置は、速度に応じてスムージング画像と原画像とのブレンド割合を調整する機能(速度応答方式調整機能)を有する。
図9は、本実施形態に係る速度応答方式調整機能に従う処理(速度応答方式調整処理)の流れを示したフローチャートである。なお、ステップS1乃至ステップS4については、第1の実施形態で述べた通りである。
[速度応答方式を用いた辺縁領域についてのブレンド処理の実行:ステップS5b]
次に、データ処理部26は、辺縁領域における位置及び速度に応じた所定のブレンド割合に従って、辺縁領域についてブレンド処理を実行する(ステップS5b)。
すなわち、まず、データ処理部26は、図5に示すようなブレンド割合に従って、辺縁領域内の各位置についてのブレンド割合を決定する。
次に、データ処理部26は、例えば図10に示すようなブレンド割合に従って、速度に応じて辺縁領域内の各位置についてのブレンド割合を調整する。すなわち、データ処理部26は、ドプラ信号に基づいて辺縁領域の各位置の速度を取得し、図10に示す対応関係に従って、速度が速い場合には原画像データの割合を高くし、一方速度が遅い場合にはスムージング画像の割合を高くするように、各位置におけるブレンド割合を調整する。
なお、図10に示したブレンド割合は、例示に過ぎない。すなわち、辺縁領域において、速度が速い場合には原画像データの割合を高くし、一方速度が遅い場合にはスムージング画像の割合を高くするものであれば、どのようなものであってもよい。
[超音波画像の表示:ステップS6]
次に、モニター14は、データ処理部26からのビデオ信号に基づいて、診断有効領域と診断非有効領域とのコントラストが強調された超音波画像を所定の形態で表示する(ステップS6)。
図11(a)は、本速度応答方式調整処理が実行されていない超音波画像を示した図である。図11(b)は、本速度応答方式調整処理が実行された超音波画像を示した図である。図11(a)と図11(b)とを比較すると、図11(b)においては、本速度応答方式調整処理により、図11(a)に比して速度(流速)の早い領域においては原画像の情報が維持されており、かつ辺縁領域又はその近傍の正常流領域においては滑らかな画像となっていることがわかる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置では、速度が速い場合には原画像データの割合を高くし、一方速度が遅い場合にはスムージング画像の割合を高くするように、各位置におけるブレンド割合を調整する。従って、ドプラモードによって取得された画像に辺縁領域平滑化処理を施した場合であっても、速度の早い領域においては原画像の情報を維持し、かつ辺縁領域又はその近傍の正常流領域においては平滑化された画像を生成することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
一般に、心筋の近くにおいては、正常血流であっても速度が早くなることがある。係る状況において第2の実施形態において述べた速度応答方式調整処理を実行した場合には、心筋近くの正常血流においては原画像が優先的に表示されてしまい、辺縁領域或いはその近傍のギザギザを適切に低減できない可能性がある。
この様な不具合を解消するために、本実施形態に係る超音波診断装置は、Bモード撮像によって取得された画像(Bモード画像)を用いて、Bモード画像上の高輝度領域(すなわち、心筋に対応する領域)近傍のカラー領域においては原画像のブレンド割合を低くすると共に、スムージング画像のブレンド割合を高くする機能(組織応答式調整機能)を有する。
図12は、本実施形態に係る組織応答式調整機能に従う処理(組織応答式調整処理)の流れを示したフローチャートである。以下、各ステップにおける処理の内容について説明する。
[超音波走査(エコー信号の取得):ステップS11]
まず、制御プロセッサ28は、所定のスキャンシーケンスに従って、Bモード撮像及びドプラモード撮像を実行し、エコー信号を取得する(ステップS11)。
[ドプラモード処理(画像データの生成):ステップS12]
次に、Bモード処理ユニット23は、Bモード撮像によって取得されたエコー信号に対して対数増幅、包絡線検波処理などを施し、Bモード画像に関する生データを生成する。また、ドプラモード処理ユニット24は、ドプラモード撮像によって取得されたエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求め、ドプラ画像に関する生データを生成する。スキャンコンバータ25は、Bモード画像に関する生データ、ドプラモード画像に関する生データを用いて、Bモード画像データ及びドプラモード画像データを生成する(ステップS12)。
[スムージング画像データの生成:ステップS13]
次に、データ処理部26は、ステップS12において取得されたドプラモード画像データ(原画像データ)を用いて、スムージング画像データを生成する(ステップS13)。本ステップでの処理は、既述のステップS3の内容と実質的に同一である。
[原画像データから辺縁領域を検出:ステップS14]
次に、データ処理部26は、原画像データを用いて、辺縁領域を検出する(ステップS4)。本ステップでの処理は、既述のステップS4の内容と実質的に同一である。
[速度応答方式を用いた辺縁領域についてのブレンド処理の実行:ステップS15]
次に、データ処理部26は、辺縁領域における位置及び速度に応じた所定のブレンド割合に従って、辺縁領域についてブレンド処理を実行する(ステップS15)。本ステップでの処理は、既述のステップS5bの内容と実質的に同一である。
[Bモード画像を用いた被調整領域の検出:ステップS16]
データ処理部26は、Bモード画像データを用いて被調整領域を検出する(ステップS16)。すなわち、まず、データ処理部26は、図13(a)に示すようなBモード画像に対して2値化処理を実行し、図13(b)に示すような2値化画像を取得する。
次に、データ処理部26は、得られた2値化画像に対して所定のタップ数のフィルタ処理を実行し、係数画像を生成する。例えば、画像データ上に所定タップ数の小領域(例えば、3×3=9画素の小領域)を設定し、所定の窓関数を用いて、当該小領域の平均値を計算し、この平均値を係数として縮小画像の中心位置の画素値とするマッピング処理を行う。次に、小領域の中心を例えば隣の画素に移動させて同様にマッピング処理を行う。この様なマッピング処理を、画像データ上の全ての画素に対して実行することにより、図13(c)に示すような係数画像を生成することができる。
次に、データ処理部26は、係数画像において、その係数が0以上1未満である画素を有する領域を被調整領域として検出する。
[被調整領域についてのブレンド割合の調整:ステップS17]
次に、データ処理部26は、被調整領域についてブレンド割合を調整する(ステップS17)。
すなわち、データ処理部26は、ドプラ画像上の被調整領域に対応する領域において、係数が高い画素につてはBモード画像における高輝度領域に近いと判定し、スムージング画像のブレンド割合が高くなるように調整する。一方、データ処理部26は、被調整領域において、係数が低い画素につてはBモード画像における高輝度領域から遠いと判定し、原画像のブレンド割合が高くなるように調整する。
[超音波画像の表示:ステップS18]
次に、モニター14は、データ処理部26からのビデオ信号に基づいて、超音波画像を所定の形態で表示する(ステップS18)。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置では、Bモード画像上の高輝度領域に近い領域である被調整領域を検出し、当該被調整領域において、係数が高い画素につてはBモード画像における高輝度領域に近いと判定し、スムージング画像のブレンド割合が高くなるように調整する。一方、データ処理部26は、被調整領域において、係数が低い画素につてはBモード画像における高輝度領域から遠いと判定し、原画像のブレンド割合が高くなるように調整する。これにより、心筋近くに速度の速い正常血流が発生した場合であっても、辺縁領域のギザギザを低減することができる一方、例えば心筋近くに発生しない逆流する血液をボケの影響を少なくして映像化することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
(1)本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
(2)上記実施形態においては、二次元の超音波画像データに対して診断非有効領域低減処理を実行する場合を例として説明した。しかしながら、本診断非有効領域低減処理は二次元画像データに拘泥されない。例えば、三次元画像データを二次元画像データに分割し、各二次元画像データに対して、既述の診断非有効領域低減処理を実行することで、三次元画像データに対しても診断非有効領域低減処理を実行することができる。また、例えばステップS3において、例えば小領域を3×3×3=27画素の領域として設定し、ボケ画像ボリュームデータを生成し、画像データ上に所定サイズの小領域(例えば、3×3=9画素の小領域)を設定し、以降ボリュームデータ単位で同様の処理を行うことによっても、実現することができる。
(3)超音波画像を観察する場合、一般に、ある最大輝度値に対して、ある指定した輝度値以上に変化がなければ、画像データを更新しても視覚的に変化を感じない。従って、上記実施形態において、例えば診断非有効領域低減処理前又は診断非有効領域低減処理後の隣接するフレーム間で位置の対応する画素値を比較し、その差が全ての画素において所定の値より小さい場合には、時刻の新しいフレームの画像データを後段の処理に送らないようにしてもよい。この様な構成によれば、データ処理量を減少させることができ、リアルタイム性の高い画像を提供することができる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、カラードプラモードによって取得された超音波画像のボケを抑制しつつ、心腔内と心壁との境界のギザギザや、正常流内に黒抜けを低減させることができる超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラムを実現することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。 図2は、辺縁領域平滑化処理の流れを示したフローチャートである。 図3は、スムージング画像データの生成を説明するための図である。 図4は、原画像データからの辺縁領域の検出処理を説明するための図である。 図5は、辺縁領域についてのブレンド処理において利用されるブレンド割合に一例を示した図である。 図6(a)は、辺縁領域平滑化処理が実行されていない従来の超音波画像を示した図である。図6(b)は、辺縁領域平滑化処理が実行された超音波画像を示した図である。 図7(a)、(b)、(c)は、本データ量低減化処理を説明するための一例を示した図である。 図8(a)、(b)、(c)は、本データ量低減化処理を説明するための他の例を示した図である。 図9は、第2の実施形態に係る速度応答方式調整処理の流れを示したフローチャートである。 図5は、速度応答方式調整処理において利用されるブレンド割合に一例を示した図である。 図11(a)は、本速度応答方式調整処理が実行されていない従来の超音波画像を示した図である。図11(b)は、本速度応答方式調整処理が実行された超音波画像を示した図である。 図12は、第3の実施形態に係る組織応答式調整処理の流れを示したフローチャートである。 図13(a)、(b)、(c)は、Bモード画像を用いた被調整領域の検出処理を説明するための図である。
符号の説明
10…超音波診断装置、12…超音波プローブ、13…入力装置、14…モニター、21…超音波送信ユニット、22…超音波受信ユニット、23…Bモード処理ユニット、24…ドプラ処理ユニット、25…スキャンコンバータ、26…データ処理部、28…制御プロセッサ、29…内部記憶部、30…インタフェース部

Claims (9)

  1. 被検体の所定の領域に対してドプラモードによる超音波送受信を実行し、第1の超音波画像データを発生するデータ発生手段と、
    前記第1の超音波画像データを用いて血流領域と組織領域との境界領域及びその近傍領域である辺縁領域を検出する検出手段と、
    前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、当該第1の超音波画像データと、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データにスムージング処理を施した第2の超音波画像データと、を所定の割合でブレンドすることで、画像補正処理を実行する補正手段と、
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記補正手段は、前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、前記血流領域から遠ざかるに従って前記第2の超音波画像データの割合が高くなるように、前記ブレンド処理を実行することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記補正手段は、前記第1の超音波画像データから得られる前記辺縁領域の各位置における血流の速度又は組織の速度に基づいて、前記辺縁領域について、速度が早くなるに従って前記第1の超音波画像データの割合が高くなるように、前記ブレンド処理を実行することを特徴とする請求項1又は2記載の超音波診断装置。
  4. 前記補正手段は、Bモード画像の組織領域に基づいて特定される、前記第1の超音波画像データ上の被調整領域について、組織領域から遠ざかるに従って前記第1の超音波画像データの割合が高くなるように、前記ブレンド処理を実行することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  5. 前記補正手段は、前記血流領域以外の領域においては、前記第2の超音波画像データのみを用いる画像補正処理をさらに実行することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  6. 超音波が送信される前記所定の領域の大きさ及び形状に基づいて、読み出しデータ量が最小になるように、メモリへ書き込む場合の前記第1の超音波画像データの向きを判定し、前記判定した向きに従って前記第1の超音波画像データをメモリに書き込む書き込み手段をさらに具備し、
    前記検出手段、前記補正手段は、前記判定した向きに従ってメモリに書き込まれた前記第1の超音波画像データを用いて、前記各処理を実行すること、
    を特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  7. 前記第1及び第2の超音波画像データは、三次元画像データであることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の超音波診断装置。
  8. 被検体の所定の領域に対してドプラモードによる超音波送受信を実行することで取得された第1の超音波画像データを用いて、血流領域と組織領域との境界領域及びその近傍領域である辺縁領域を検出する検出手段と、
    前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、当該第1の超音波画像データと、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データにスムージング処理を施した第2の超音波画像データと、を所定の割合でブレンドすることで、画像補正処理を実行する補正手段と、
    を具備することを特徴とする超音波画像処理装置。
  9. コンピュータに、被検体の所定の領域に対してドプラモードによる超音波送受信を実行することで取得された第1の超音波画像データを用いて、血流領域と組織領域との境界領域及びその近傍領域である辺縁領域を検出させる検出機能と、
    前記第1の超音波画像データの前記辺縁領域の各位置について、当該第1の超音波画像データと、前記第1の超音波画像データを用いて当該第1の超音波画像データにスムージング処理を施した第2の超音波画像データと、を所定の割合でブレンドすることで、画像補正処理を実行させる補正機能と、
    を具備することを特徴とする超音波画像処理プログラム。
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