JP2009152417A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 矩形状端子板電極にキャパシタ素子を組み込む際に位置ずれが発生しない構造を提案し、電気二重層キャパシタの製造において、歩留まりを向上させ、長期信頼性を確保すること。
【解決手段】 キャパシタ素子6の上下に配置されリード端子部10a,10bを有する矩形状端子板電極8a,8bのリード端子部が配置される1側面を除く3側面にコの字型ガスケット13a,13bを配置し、キャパシタ素子6と矩形状端子板電極8a,8bとをコの字型ガスケット13a,13bで位置決めし、外装フィルムで固定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、電気二重層キャパシタに関し、特にキャパシタ素子と矩形状端子板電極とを位置決めする構造に関する。
電気二重層キャパシタの形状としては、従来からコイン型と大容量型が知られている。コイン型の電気二重層キャパシタの用途は、例えば据え置き型VTRのタイマー録画機能用時計のバックアップ電源等に使用されている。大容量型の電気二重層キャパシタの用途としては、例えばハイブリッド車の補助電源や無停電電源システム等に使用されている。
一方、携帯機器やノートパソコンの通信カードには、薄型の電気二重層キャパシタが使用されている。携帯機器において、例えば通信モジュールの送信時にピーク電流が増大した時には、Liイオン二次電池だけでは電圧降下を引き起こし、すぐに容量不足となってしまう。そこで、電気二重層キャパシタを補助的に使用することで、主電源であるLiイオン二次電池の駆動時間を延ばすことができる。また、ピーク電流を補うことで電池寿命を延ばすことが可能となる。
従来の電気二重層キャパシタは、例えば特許文献1に記載されているように、その構造は、単位セルまたは、それが積層されたキャパシタ素子と、キャパシタ素子と接続する矩形状端子板電極と、外装フィルムから構成されている。
図5は、従来の電気二重層キャパシタの単位セルの説明図である。図5(a)は、平面図、図5(b)は図5(a)のB−B面での断面図である。単位セル5は、集電体3と周縁部に位置するガスケット4とで構成される空間内に、セパレータ2を介して対向する一対の電極1を収納して構成されている。ガスケット4は、ガスケット4a、4b、4cからなり、電極1に接する部分が4a、セパレータ2に接する部分が4b、集電体3に接する部分4cである。
電極1は、椰子殻系に代表される活性炭および導電性カーボン、バインダから形成されている。セパレータ2は、多孔質を有するフィルムが用いられている。セパレータ2の外形寸法は電極1の外形寸法以上であり、かつ集電体3の外形寸法以下である。集電体3は、導電性を有するゴムが用いられている。ガスケット4は、セル内の絶縁を確保するための部品であり、熱可塑性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂と接着可能なゴムまたは樹脂を用いている。
図6は、従来の電気二重層キャパシタの断面を示す模式図である。図6では構成部品の寸法関係と積層関係をわかりやすくするため、切断位置が一様ではない。従来の電気二重層キャパシタ11は、図5に示した単位セル5を必要数直列に積層して構成されるキャパシタ素子6(図6では、単位セル6個の積層体)の上面に導電性ペースト7aによって矩形状端子板電極8aが接続され、キャパシタ素子6の下面に導電性ペースト7bによって、矩形状端子板電極8bが接続されている。ここで、キャパシタ素子6の上面に接続される矩形状端子板電極8aからは、リード15aが延びて、リード端子部(図示せず)と接続されている。また、キャパシタ素子6の下面に接続される矩形状端子板電極8bからはリード15bが延びて、リード端子部10bと接続されている。これらがさらに外装フィルム9a,9bに覆われて電気二重層キャパシタ11が構成されている。
キャパシタ素子6の上面に矩形状端子板電極8aを接続した面は、外装フィルム9aにて覆われ、キャパシタ素子6の下面に矩形状端子板電極8bを接続した面は、外装フィルム9bにて覆われている。リード端子部10bは、外装フィルム9a,9bの外側に出ている。
導電性ペースト7a,7bは、銀や銅などの導電性物質とバインダから構成されている。外装フィルム9a,9bは、金属箔とポリオレフィン系フィルムを貼り合わせたラミネートフィルムやポリエステル、ポリ塩化ビニルなどから形成された熱収縮性を有するチューブ等が用いられている。
図7は、従来の電気二重層キャパシタの分解図である。図7(a)は、単位セルの平面図を示し、図7(b)は、矩形状端子板電極の平面図を示す。図7(c)は、矩形状端子板電極に単位セルを設置した形態の側面図を示す。
図7(a)は、図6に示したキャパシタ素子6を構成する単位セル5を上面から見た平面図であり、図5(a)と同じく集電体3と周囲のガスケット4cを示している。図7(b)は、図6に示した矩形状端子板電極8bを上面から見た平面図であり、リード端子部10bと、キャパシタ素子6を固定するための素子固定用爪12bが接続されている。
図7(c)は、図7(b)に示した矩形状端子板電極8bに単位セル5を設置した形態の側面図を示している。図6に示した様に矩形状端子板電極8bに単位セル5を必要数積層して構成されたキャパシタ素子6を設置しているが、図を簡略化するため、図7(c)ではキャパシタ素子6として単位セル5が1個のみの場合の例で示しているが、本来は図7(c)に示した矩形状端子板電極8bに必要数の単位セル5の積層体を設置した上に、さらに図6に示した矩形状端子板電極8aを配置する。矩形状端子板電極8aには素子固定用爪12a(図示せず)が含まれ、単位セル5が位置決め固定される。さらに、全体を外装フィルム9a,9bにて覆って作製されていた。しかし、単位セル5はリード端子部10bと素子固定用爪12bによって位置決めされる構造であるが、位置ずれ防止のためには固定が不十分であった。
最近の携帯機器の小型化にともない電気二重層キャパシタに対しても寸法の薄型化、小型化の要求が高まってきている。そこで、従来の電気二重層キャパシタに対してガスケットを限界まで短くさせることや外装フィルムを内側に折り込むなどの対策が進められている。
ところが、これらの薄型化、小型化に対応しようとしても、従来の電気二重層キャパシタの製造において矩形状端子板電極にキャパシタ素子を組み込む際に位置ずれが発生すると、等価直列抵抗(ESR)の上昇や充電不足が生じ電気二重層キャパシタとしての機能を果たさなくなるという不具合が生じている。
そこで、本発明の課題は、矩形状端子板電極にキャパシタ素子を組み込む際に位置ずれが発生しない構造を提案し、電気二重層キャパシタの製造において、歩留まりを向上させ、長期信頼性を確保することである。
本発明は、集電体と、周縁部に位置するガスケットにより、セパレータと前記セパレータを介して対向する一対の電極を収納する単位セルが単数または複数積層されたキャパシタ素子の上下に、1側面にリード端子部を有する矩形状端子板電極が配置され、前記矩形状端子板電極のリード端子部を有する1側面を除く3側面にコの字型ガスケットが配置され、前記キャパシタ素子と前記矩形状端子板電極が前記コの字型ガスケットで位置決めされ、外装フィルムで固定されたことを特徴とする電気二重層キャパシタである。
コの字型ガスケットによりキャパシタ素子と矩形状端子板電極を位置決め固定することができるので、矩形状端子板電極にキャパシタ素子を組み込む際の位置決めが容易になり製造工程での位置ずれの発生が低下し、歩留まりが向上し、等価直列抵抗(ESR)の上昇という不具合の発生を低減し、品質の安定した電気二重層キャパシタの製造が可能となる。
本発明の実施の形態について、以下に図面を参照して説明する。
図1は、本発明による電気二重層キャパシタの単位セルにコの字型ガスケットを追加した説明図である。図1(a)は、平面図、図1(b)は、図1(a)に示したA−A面での断面図である。従来の電気二重層キャパシタと同様の電極1、セパレータ2、集電体3、ガスケット4の積層体からなる単位セル5にコの字型ガスケット13aを追加した構造を示している。図1において、単位セルを構成する電極1、セパレータ2、集電体3、ガスケット4は、従来の電気二重層キャパシタと同様の材質と形状である。ガスケット4は、ガスケット4a、4b、4cからなり、電極1に接する部分が4a、セパレータ2に接する部分が4b、集電体3に接する部分4cである。
コの字型ガスケット13aの材質は従来のガスケット4と同様で良い。コの字型ガスケット13aは、キャパシタ素子と矩形状端子板電極とを位置決め固定するための部品であり、矩形状端子板電極のリード端子部が配置される1側面以外の3側面に配置される。コの字型ガスケット13aは単位セル5が積層されたキャパシタ素子の上面と下面のみに接続するもので、図1はキャパシタ素子の最上層の単位セル5にコの字型ガスケット13aを追加した形態を示している。図1(b)では、コの字型ガスケット13aの右側は、断面で表される。
図2は、本発明の電気二重層キャパシタの断面を示す模式図である。図2では構成部品の寸法関係と積層関係をわかりやすくするため、切断位置が一様ではない。本発明の電気二重層キャパシタ14は、単位セルを必要数直列に積層させたキャパシタ素子6の上面にコの字型ガスケット13aを接続して、矩形状端子板電極8aを接続している、キャパシタ素子6の下面にはコの字型ガスケット13bを接続して、矩形状端子板電極8bを接続している。
従来の電気二重層キャパシタと同様に、キャパシタ素子の上面に接続される矩形状端子板電極8aからはリード15aが延びて、リード端子部(図示せず)と接続されている。キャパシタ素子の下面に接続される矩形状端子板電極8bからはリード15bが延びて、リード端子部10bと接続されている。さらに、従来の電気二重層キャパシタと同様に外装フィルム9a,9bにて覆われて構成されている。
図3は、本発明の電気二重層キャパシタの分解図である。図3(a)は、単位セルにコの字型ガスケットを接続した形態を上面から見た平面図を示し、図3(b)は、矩形状端子板電極の平面図を示し、図3(c)は、矩形状端子板電極にコの字型ガスケットが接続された単位セルを設置した形態の側面図を示す。
図3(a)は、図1(a)と同じく、単位セル5にコの字型ガスケット13aを接続した形態の平面図である。単位セル5は、集電体3とガスケット4cで表され、リード端子部が配置されるガスケット4cが見えている箇所以外の3側面にコの字型ガスケット13aが配置されている。図3(b)は、矩形状端子板電極8bを上面から見た平面図であり、リード端子部10bが接続され、図7(b)に示したような、キャパシタ素子を固定するための素子固定用爪12bは設けられていない。
図3(c)は、図3(b)に示した矩形状端子板電極8b上に下面にコの字型ガスケットを接続した単位セル5を設置した形態の側面図を示している。単位セル5と矩形状端子板電極8bとは、コの字型ガスケット13bによって位置決めされ、固定されている。本発明の電気二重層キャパシタは、図2に示した様に矩形状端子板電極8bに単位セル5を必要数積層して構成されたキャパシタ素子6を設置するが、図を簡略化するため、図3(c)ではキャパシタ素子として単位セル5が1個のみの場合の例で示している。
図4は、本発明の電気二重層キャパシタの構成図である。図4(a)は、平面図であり、図4(b)は側面図である。図4に示す電気二重層キャパシタは外装フィルムで覆う前のものである。図4(a)は、図3(c)に示したように、単位セル5(図示せず)と矩形状端子板電極8bをコの字型ガスケット13bによって固定した上に、さらに矩形状端子板電極8aをコの字型ガスケット13aによって固定した形態の平面図を示している。矩形状端子板電極8aは、リード端子部10aを有しており、矩形状端子板電極8bは、リード端子部10bを有している。
図4(b)は、図4(a)をリード端子部側から見た側面図である。単位セル5の上面は、リード端子部10aを有している矩形状端子板電極8aが、コの字型ガスケット13aによって固定されている。単位セル5の下面は、リード端子部10bを有している矩形状端子板電極8bが、コの字型ガスケット13bによって固定されている。
本発明の電気二重層キャパシタは、図4に示したように単位セル5と矩形状端子板電極8a,8bがコの字型ガスケット13a,13bによって位置決め固定された後に、従来の電気二重層キャパシタと同様に外装フィルムにて覆って作製する。
次に、本発明の電気二重層キャパシタの実施例と比較例として従来の電気二重層キャパシタとを作製した結果について説明する。
はじめに、図1(b)に示した単位セル5を作製した。まず、集電体3は、導電性オレフィン共重合体からなり、外形寸法は16×28×0.025mmとした。ガスケット4の材質はエチレン−メタクリル酸共重合体を用いた。ガスケット4cは厚み0.04mm、外形寸法は18×30mmであり、内形寸法は集電体3の外形寸法に合わせたフレーム形状に加工した。
電極1を形成するためのスラリーは、平均粒径15μm粉末椰子殻活性炭、平均粒径15μmの非球状カーボン、繊維径10〜20μmの繊維状カーボンからなる混合物であり、この混合物の組成比は、75:10:10:5の割合で形成した。このスラリーをガスケット4cの内側の集電体3上に塗布、乾燥させて電極1を形成した。電極1の外形寸法は12×24×0.02mmとした。
電極1の周縁部に、ガスケット4aを形成した。ガスケット4aは、ガスケット4cと同様に外形寸法は18×30mmであり、内形寸法は電極1の外形寸法に合わせたフレーム形状に加工した。この工程で電極1と集電体3とガスケット4c、4aからなるシートを2枚作製した。
次に、電極1と集電体3とガスケット4c,4aからなるシート1枚にガスケット4bを熱圧着により貼り合わせた。ガスケット4bは、ガスケット4a、4cと同様に外形寸法は18×30mmであり、内形寸法はセパレータ2の外形寸法に合わせたフレーム形状に加工した。セパレータ2は、ポリテトラフルオロエチレン系繊維からなり、外形寸法は14×26×0.025mmとしてガスケット4b内に配置した。
ここで、電極1を形成するためのスラリーに、40wt%硫酸水溶液を添加した。セパレータ2に、この硫酸水溶液添加スラリーを塗布し、先に作製した電極1と集電体3とガスケーケット4c,4aからなるシート1枚を、集電体3が外側になるように貼り合わせ、ガスケット4aと4bを熱圧着させ、単位セル5を形成した。
単位セル5を6枚重ね合わせて図2に示したキャパシタ素子6を構成した。キャパシタ素子6の上面と下面に厚さ0.05mmのコの字型ガスケット13a,13bを熱圧着させた。材質はガスケット4と同じくエチレン−メタクリル酸共重合体を用いた。次に厚さ0.1mmの銅製の矩形状端子板電極8a,8bをコの字型ガスケット13a,13bにて位置決め固定した。
その外側から外装フィルム9a,9bを配置し、減圧下で外装フィルム9a,9bの重なった部分を熱融着して、本発明の電気二重層キャパシタを作製した。ここで外装フィルム9a,9bは、厚さ0.11mmのラミネートフィルムを用いた。
次に、比較例として従来の電気二重層キャパシタを作製した。先に説明した工程と同様に図6に示したキャパシタ素子6を作製した。キャパシタ素子6の上面と下面に0.01mmの厚さで導電性オレフィン共重合体を1%含有した銀ペーストからなる導電性ペースト7a,7bを施して厚さ0.1mmの銅製の矩形状端子板電極8a,8bを図6のように重ねあわせた。その外側から先に説明した工程と同様に図6に示した外装フィルム9a,9bを熱融着した。
以上の方法で本発明の電気二重層キャパシタ(本発明品)と従来の電気二重層キャパシタ(比較例)をそれぞれ500個作製した。
本発明の効果を実証するため、等価直列抵抗(ESR)特性検査を実施し、その結果を表1に示す。
表1から、本発明品はESR不良率が0%、比較品は2.60%となり不良率を改善できることを確認した。
1 電極
2 セパレータ
3 集電体
4,4a,4b,4c ガスケット
5 単位セル
6 キャパシタ素子
7a,7b 導電性ペースト
8a,8b 矩形状端子板電極
9a,9b 外装フィルム
10a,10b リード端子部
11 従来の電気二重層キャパシタ
12a,12b 素子固定用爪
13a,13b コの字型ガスケット
14 本発明の電気二重層キャパシタ
15a,15b リード
2 セパレータ
3 集電体
4,4a,4b,4c ガスケット
5 単位セル
6 キャパシタ素子
7a,7b 導電性ペースト
8a,8b 矩形状端子板電極
9a,9b 外装フィルム
10a,10b リード端子部
11 従来の電気二重層キャパシタ
12a,12b 素子固定用爪
13a,13b コの字型ガスケット
14 本発明の電気二重層キャパシタ
15a,15b リード
Claims (1)
- 集電体と、周縁部に位置するガスケットにより、セパレータと前記セパレータを介して対向する一対の電極を収納する単位セルが単数または複数積層されたキャパシタ素子の上下に、1側面にリード端子部を有する矩形状端子板電極が配置され、前記矩形状端子板電極のリード端子部を有する1側面を除く3側面にコの字型ガスケットが配置され、前記キャパシタ素子と前記矩形状端子板電極が前記コの字型ガスケットで位置決めされ、外装フィルムで固定されたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007329417A JP2009152417A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 電気二重層キャパシタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007329417A JP2009152417A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 電気二重層キャパシタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009152417A true JP2009152417A (ja) | 2009-07-09 |
Family
ID=40921215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007329417A Pending JP2009152417A (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 電気二重層キャパシタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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2007
- 2007-12-21 JP JP2007329417A patent/JP2009152417A/ja active Pending
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