JP2009150860A - ナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム - Google Patents
ナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】発電所全運転期間にナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムを提供する。
【解決手段】本発明の受動安全等級残熱除去システムは、発電所の全運転期間において、原子炉容器及び原子炉構造物冷却のために活用する受動型原子炉構造物空気冷却システム(CACS)の高温の加熱空気出口流路とナトリウム−空気熱交換器(AHX)の空気流路を連結したり、原子炉構造物空気冷却システムの前記加熱空気出口流路と前記ナトリウム−空気熱交換器の空気流路入口配管外側に別途の空気−空気熱交換器を具備し、外部空気温度が−40℃(設計時に考慮する基準温度)まで下がる場合にも一定温度以上の常温の外部空気を前記ナトリウム−空気熱交換器入口に供給する。
【選択図】図6
【解決手段】本発明の受動安全等級残熱除去システムは、発電所の全運転期間において、原子炉容器及び原子炉構造物冷却のために活用する受動型原子炉構造物空気冷却システム(CACS)の高温の加熱空気出口流路とナトリウム−空気熱交換器(AHX)の空気流路を連結したり、原子炉構造物空気冷却システムの前記加熱空気出口流路と前記ナトリウム−空気熱交換器の空気流路入口配管外側に別途の空気−空気熱交換器を具備し、外部空気温度が−40℃(設計時に考慮する基準温度)まで下がる場合にも一定温度以上の常温の外部空気を前記ナトリウム−空気熱交換器入口に供給する。
【選択図】図6
Description
本発明は、空気流路にダンパー(damper)を使用しない完全受動型のプール(pool)直接冷却方式安全等級残熱除去システムに関するもので、より詳細には、原子炉構造物空気冷却システムの廃熱を活用して加熱空気をナトリウム−空気熱交換器の空気流路に供給して、常に一定温度以上の常温空気を前記ナトリウム−空気熱交換器に供給することによって、発電所の全運転期間において、除熱用ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除することにより、常に作動待機状態を維持してナトリウム固化(solidificationまたはfreezing)による除熱ナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した、受動安全等級残熱除去システムに関するものである。
一般的な液体金属炉(LMR:Liquid Metal Reactor)は、炉心(Reactor Core)、中間熱交換器(IHX)、蒸気発生器(SG)に連結している正常熱除去システムの機能が喪失した場合に、緊急な原子炉運転中断につながる炉心の崩壊熱(decay heat)除去のために、残熱除去システム(RHRS)を具備している。
今まで全世界的に、ナトリウム冷却高速炉を含む多種多様な液体金属冷却高速炉(以下液体金属炉)では、安全性強化を目的に受動型安全等級残熱除去系統を採択してきた。従来技術によるプール型(pool type)液体金属炉の残熱除去システムは、炉心出口上部に位置した高温プール(hot pool)の熱的慣性を利用して、炉心の崩壊熱を効果的に除去するように設計されたもので、プール直接冷却方式(Direct Reactor Cooling;DRC)を活用する。
このようなプール直接冷却方式(DRC)は、図1に図示したように、高温プール150の高温ナトリウム液位(X2)以下に位置するようにナトリウム−ナトリウム熱交換器20’を設置して、原子炉建物上端にナトリウム−空気熱交換器40’を設置し、二つの熱交換器を別途の除熱用ナトリウム−ループ30’で連結することにより、熱流入源及び熱除去源の高低差によって形成される除熱用ナトリウム−ループ30’内での密度差を利用したナトリウムの自然循環によって、システムの熱を最終ヒートシンク源である大気に放出する方式である。
しかし、前記プール直接冷却方式(DRC)は、別個に具備される除熱用ナトリウム−ループ30’を通じた高温プール150からナトリウム−空気熱交換器40’への伝熱過程で、液体ナトリウムの特性である除熱用ナトリウム−ループ30’内部のナトリウムが固化することを防止するために、正常運転中にも持続的な熱供給がなされなければならない。このように供給される熱は、正常状態では液体金属炉の熱損失にあたるので、除熱用ナトリウム−ループ30’の外側を通過する空気流路の入口43’及び出口47’に、それぞれダンパー(damper)170を設置し、除熱用ナトリウム−ループ30’に隔離バルブ180を設置して、正常運転中にダンパー170及び隔離バルブ180の制御を通じたナトリウム及び空気の流量調節によって、ナトリウム固化防止のための最小限の熱量のみを除熱用ナトリウム−ループ30’に供給することにより、高温プールの正常運転中の熱損失を最小化して、正常熱除去システムの機能喪失による非常炉心崩壊熱除去時には、ダンパー170及び隔離バルブ180を最大に開いて流量を増加させることにより、本格的な設計除熱性能を発揮するように設計されている。
このようにプール直接冷却方式(DRC)は、正常運転中の熱損失防止及びナトリウム固化防止のための最小目標熱量供給のために除熱用ナトリウム−ループ30’に隔離バルブ180を設置し、空気流路の入口43’及び出口47’にダンパー170を設置してこれらの開放度を調節する方式を採択していて、非常炉心崩壊熱除去時の作動信頼性を高めるために受動概念を具現するための隔離バルブ180及びダンパー170を安全等級化する設計概念が主に用いられているが、この方式も隔離バルブ180またはダンパー170自体に対する機械的な駆動条件が満足されなければならないので、完全な受動概念による残熱除去機能遂行が不可能で、残熱除去システムの作動信頼性と係わった作動安全性の側面において好ましくない問題点があった。
すなわち、正常運転中にも高温プール及び空気熱交換器間の熱交換が持続的に成立するので、正常運転中の熱損失を防止するために除熱用ナトリウムループに別途の隔離バルブを設置したり、空気熱交換器に流入する空気入口・出口配管にダンパーを設置して、これらの空気流量を調節することで、除熱用中間ナトリウムループのナトリウム固化防止及び正常運転中の熱損失量を調節するように設計及び運用される。
したがって、系統の伝熱媒質が全面的に自然循環によって除熱機能を遂行することはするが、オペレーター(operator)の介入またはトリップ(trip)信号によって、いかなる形態であっても系統作動のための開始信号が生産され、それによって系統のダンパーまたはバルブなどのムービングパート(moving part)がある器機が作動するように設計されているので、厳密に言えば完全な受動型系統であるとみることはできない。
このような受動型系の不完全性を克服するためのものとして、もう一つの従来技術である残熱除去システムが適用された液体金属炉は、図2及び図3に図示したように、原子炉容器100の下部中心に炉心110が位置して、炉心の外周を取り囲む中央炉心上部に所定の高さに延長される円筒状の炉心支持容器(reactor support barrel)120が設置されている。
そして、原子炉容器100の内部空間は、炉心支持容器120の外周面に対して垂直に延長して水平に配置される環形の隔離板125と、隔離板の端で垂直上方に延長して原子炉容器100の内壁と炉心支持容器120の間に配置される円筒状の原子炉バッフル130が設置され、炉心110及び隔離板125の上部であり、原子炉バッフル130内側に位置する高温プール150と、隔離板125下部及び原子炉バッフル130と原子炉容器100内壁間に位置する低温プール200に区分される。
ここで、原子炉バッフル130の高さは、正常運転状態で高温プール150のナトリウム液位(X)より高くして、高温ナトリウムが低温プール200にあふれ出ることを防止し、炉心支持容器120の高さは、高温プール150のナトリウム液位(X)より低くして高温プール内で炉心支持容器120の外周面側空間にも、常に高温のナトリウムが満たされた状態を維持するようにする。
炉心支持容器120の外周面と原子炉バッフルの内周面間には、正常熱除去システムの構成要素である多数の中間熱交換器(IHX)140が、所定の配列規則によって配置され、低温プール200の液体ナトリウムが原子炉炉心を経て高温プール150に揚程する1次系統ポンプ145が所定の配列規則によって配列するように設置され、正常運転中に高温プール150と低温プール200間に常に一定の水準以上の液位差(Z)が維持されるようにする。
ここで、中間熱交換器(IHX)140は、2個1組で構成され、各組別に原子炉外部に位置する蒸気発生器(steam generater:未図示)と連結して正常運転時に原子炉炉心で発生する熱を除去するようになる。
また、中間熱交換器140と蒸気発生器を連結する配管上には中間系統隔離バルブ190が設置され、系統過度時のように正常熱除去システムに障害が発生した場合に、内部のナトリウム流動を遮断するように構成されている。
そして、前記原子炉バッフル130内側面と隣接した高温プール150端に位置する3個の垂直円形管10が設置されている。
この垂直円形管10は、自体の下端が低温プール200と連通して、1次系統ポンプ145の揚程によって内部の液位(Y)が低温プール200と同一に維持され、原子炉バッフル130と同様に、該上端が正常運転時の高温プール150ナトリウム液位(X)より高く延長されている。
より詳しく説明すると、図3に図示したように、垂直円形管10は原子炉バッフル130の内壁と支持容器120の外壁間に中間熱交換器140及び1次系統ポンプ145と重複しないように等間隔に設置して、それぞれの下端は隔離板125を貫通して低温プール200と連通し、上端は原子炉バッフル130と同一程度の高さに延長されて高温プール150と区分された低温プール200の一部分になり、内部の液位(Y)が低温プール200と一緒に1次系統ポンプ145によって低い液位(Y)を維持するようになって、外周面は高温プール150のナトリウムと接触状態に置かれるようになる。
ここで、高温プール150及び垂直円形管10を含む低温プール200内部の空いた空間には、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの非活性気体が充填される。充填された非活性気体は、圧力過渡時の圧力変動を吸収してシステム全体の急激な圧力過渡を防止する役割を遂行すると共に、高温プール150から原子炉ヘッド160への伝熱量を減少させる熱遮断の役割を同時に遂行している。このような役割をする非活性気体は、カバーガス(cover gas)と呼ばれる。
図4に図示したように、各垂直円形管10内部の正常運転時の低温プール液位(Y)より高い位置に、ナトリウム−ナトリウム熱交換器20がナトリウムとの直接接触が遮断された状態で設置され、ここで、ナトリウム−ナトリウム熱交換器20は、ナトリウムとの直接的な接触が遮断されることによって、垂直円形管10の内周面と輻射による熱伝達のみ可能な状態に置かれるようになる。
ナトリウム−ナトリウム熱交換器20は、それぞれ原子炉ヘッド160を貫通して原子炉上部に延長される除熱用ナトリウム−ループ30によって原子炉建物上部に設置されたナトリウム−空気熱交換器40と連結され、原子炉内部で吸収した熱をナトリウム−空気熱交換器40で大気に放出するようになる。
すなわち、ナトリウム−空気熱交換器40内部では、除熱用ナトリウム−ループ30によって伝達された高温プール150の熱をナトリウム−空気熱交換器40下部の入口43から流入して熱交換後、ナトリウム−空気熱交換器40上部の出口47に排出される外部空気を利用した直接的な熱除去が成立する。
中間熱交換器(IHX)140を通じた正常熱除去システムの機能が喪失された系統過渡時には、図5に図示したように、正常熱除去システムの機能喪失によって1次系統ポンプ145の機能が喪失され、高温プール150と低温プール200間の液位差(Z)が消えながら低温プール200の液位(Y)が上昇して、炉心110の崩壊熱によって高温プール150内部のナトリウムが膨脹することにより、高温プール150のナトリウム液位(X)が原子炉バッフル130及び垂直円形管10の高さ以上(X’)に上昇して、原子炉容器100と原子炉バッフル130間の環形空間及びナトリウム−ナトリウム熱交換器20が設置された垂直円形管10内部に、高温のナトリウムが流れ込むようになる。
ここで、垂直円形管10内部のナトリウム−ナトリウム熱交換器20が高温のナトリウムと直接接触するようになることで、高温のナトリウムはナトリウム−ナトリウム熱交換器20を通じて除熱用ナトリウム−ループ30で熱を奪われるようになり、それにより垂直円形管10内部のナトリウム密度が増加して垂直円形管10外部のナトリウム密度より大きくなることで、密度差によって自然に高温プール150から低温プール200へのナトリウム自然循環流動が発生するようになる。
垂直円形管10内部とナトリウム−ナトリウム熱交換器20の伝熱管27表面間の環形空間を通じて高温のナトリウム流動が形成されることによって、正常運転中に輻射熱伝達によってのみ成り立った高温プール150とナトリウム−ナトリウム熱交換器20間の熱交換メカニズムが、垂直円形管10内部で高温のナトリウム流動による対流熱伝達による熱交換メカニズムに転換されながら、高温プール150からナトリウム−ナトリウム熱交換器20への急激な熱除去が発生するようになる。
すなわち、前記のような完全受動型残熱除去系統を採択したプール型原子炉を対象に、ナトリウム−ナトリウム崩壊熱交換器(DHX;Decay Heat eXchanger)を1次系統ポンプの揚程によって形成される高温プール(hot pool)と低温プール(cold pool)の液位差を利用して一次系統崩壊熱交換器をプールナトリウムと直接接触しないように設置することで、正常運転中の熱損失量は最小化して、正常熱除去源機能喪失によって原子炉及び1次系統ポンプの作動が中止した場合のナトリウム液位上昇時に限って、1次系統ナトリウムと熱除去用中間ループナトリウム間の活発な対流伝熱過程を通じて、煙突を通じて系統の残熱を最終ヒートシンク源である大気中に放出する概念を採択している。
したがって、これは除熱用中間ナトリウムループの隔離バルブまたはナトリウム−空気熱交換器の空気流路入口・出口のダンパーがなくても正常運転中の不必要な熱損失を防止すると同時に完全な受動概念の作動信頼性を有することができる、大容量原子炉の残熱除去系統設計の具現を可能にしている。
しかし、前記のような完全な受動概念を具現するために、ナトリウム−空気熱交換器空気流路にダンパーなどの空気流量調節装置を採択していないので、外部空気の温度が零下に下がる冬季または原子炉プールナトリウムの温度が200℃まで下がる再装填運転期間には、熱除去用中間ループのナトリウムの固化(solidificationまたは freezing)の可能性が内在している。参考に、正常運転中の原子炉プールナトリウムの平均温度は、467℃である。
したがって、ナトリウムの融点は約94℃であるので、設計基準で採択している外部空気温度−40℃がナトリウム−空気熱交換器の空気流路に流入する場合には、ナトリウム−空気熱交換器のナトリウム伝熱管内部でナトリウムが凝固する可能性が高い。前記のような従来技術では、熱除去用中間ナトリウムループ内部、特にナトリウム−空気熱交換器のナトリウム伝熱管内部で固化が起きると、原子炉プールで最終ヒートシンク源である大気中への自然循環熱除去流路が閉鎖されて発電所の安全性に深刻な影響を与えるようになるので、発電所の全運転期間において熱除去用中間ナトリウムループのナトリウム固化を防止することができるシステムが求められている。
したがって、完全受動型プール(pool)直接方式の安全等級残熱除去系統(PDRC)の熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化現象は、正常運転中、1次系統ナトリウムプールから熱除去用中間ループのナトリウムへの熱伝達が全面的に輻射によって成り立つので、対流または伝導伝熱抵抗に比べて非常に大きい値である輻射伝熱抵抗の影響により、外部空気条件につれて熱除去用中間ループナトリウムの温度が充分に高くならないために発生する。
したがって、設計基準を満足させるためには、正常運転モードを含む発電所の全運転期間において、熱除去用中間ループのナトリウムの固化(solidificationまたはFreezing)を防止する程度の伝熱量が安定的に確保されなければならない。しかし、従来技術では、外部空気が零下に下がる場合及び発電所の再装填運転温度(200℃)での熱除去用中間ループのナトリウム固化防止に対するいかなる対処方法及び対処設備を提供することもできない。
前記の問題点を解決するために案出された本発明は、上述した従来技術と同じダンパー除去及びオペレーター介入の余地を排除しながらも、発電所の全運転期間において熱除去用中間ループのナトリウムの固化可能性を基本的に排除するためのものであって、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)の高温の加熱空気出口流路とナトリウム−空気熱交換器(AHX)の空気流路を連結したり、原子炉構造物空気冷却システムの前記加熱空気出口流路と前記ナトリウム−空気熱交換器の空気流路入口配管外側に別途の空気−空気熱交換器を具備して成り立つ、ナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の第1実施形態によるナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、原子炉構造物の外側から内側に形成して外側の一定位置に形成された外部空気入口から流入した外部空気が通過する外部空気流路と、該外部空気流路を通じて流入した外部空気が、原子炉下端で方向を転換して原子炉容器の外周面を冷却しながら加熱された加熱空気を前記原子炉構造物外部に誘導させる加熱空気出口流路と、そして前記加熱空気出口流路に沿って前記加熱された空気がナトリウム−空気熱交換器(AHX)内部に流入するための空気入口ノズルをさらに含んで成り立つ。
ここで、前記外部空気は、前記原子炉容器の外周面を直接冷却することを特徴とする。
一方、前記空気入口ノズルを通じて前記加熱空気は、前記ナトリウム−空気熱交換器の空気入口領域に流入して前記ナトリウム−空気熱交換器内の空気流路にしたがって上昇して、ヘリカル形態の前記ナトリウム−空気熱交換器のナトリウム伝熱管を冷却して、前記ナトリウム−空気熱交換器の上端の煙突を通じて最終ヒートシンク源である大気中に放出されることを特徴とする。
また、発電所の全運転期間において、前記加熱空気が前記空気入口ノズルを通じて前記ナトリウム−空気熱交換器に流入することにより、前記ナトリウム伝熱管内部のナトリウムと前記ナトリウム伝熱管外部の前記空気流路の前記加熱空気との熱交換時、前記ナトリウム伝熱管内部の前記ナトリウムの最低温度が、ナトリウムの固化温度以下に下がらないように維持され、外部空気温度が−40℃まで下降する設計基準場合にも、前記原子炉構造物空気冷却システムを通過した空気温度が、最低35℃以上に維持されることによって、除熱用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を基本的に除去することができることを特徴とする。
そして、本発明の第2実施形態によるナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、原子炉構造物の外側から内側に形成され、外側の一定位置に形成された外部空気入口から流入した外部空気が通過する外部空気流路と、前記外部空気流路を通じて流入した外部空気が、原子炉下端で方向を転換して前記原子炉容器の外周面を冷却しながら加熱された加熱空気を前記原子炉構造物外部に誘導する加熱空気出口流路と、前記加熱空気出口流路と連結する上向き空気配管を通じて原子炉建物外部に前記加熱空気を誘導する空気排出流路と、外部から外部空気が流入し、前記ナトリウム−空気熱交換器内部に流入するための空気入口ノズルを含み、前記空気排出流路の外側に結合される空気流路入口配管、そして前記空気流路入口配管外側に具備され、前記空気排出流路外側面に付着する多数個の冷却フィン(cooling fin)を含んで成り立つ。
ここで、前記外部空気は、前記原子炉容器の外周面を直接冷却することを特徴とする。
そして、前記空気流路入口配管と前記空気排出流路は、相互に隔離するように成り立つことを特徴とする。
一方、前記受動安全等級残熱除去システムまたは前記原子炉構造物空気冷却システム中のいずれか一方が機能を喪失した場合、相互間に他のシステムに対する作動失敗の影響を防止することができる。
本発明は、原子炉構造物冷却用に活用している原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)の廃熱を適切に活用して、CACS空気出口流路の加熱された空気をAHX空気流路入口に供給することで、常に一定温度以上の常温空気をAHXに供給するようにして、発電所の全運転期間において除熱用ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を基本的に排除することにより、従来技術の完全受動概念残熱除去系統概念から、除熱用中間ナトリウムループの隔離バルブまたはナトリウム−空気熱交換器に流入する空気流路入口・出口のダンパーなどを除去して受動性を強化し、常に作動待機状態を維持して、外部空気が零下に下がったり、発電所再装填運転期間に原子炉プールナトリウムの温度が200℃まで下がる場合に発生するナトリウム固化による除熱用ナトリウムループの機能喪失確率を最小化し、窮極的に系統の作動信頼性を高めることができる効果がある。
また、既存技術では、完全受動型安全等級残熱除去系統に対して除熱用中間ナトリウムループでのナトリウム固化防止方案に対する具体的提示なしに漠然と主張している空気流路の流量調節装置(damper)除去及びオペレーター操作排除概念を、ナトリウム固化可能性を基本的に排除することにより、より具体化することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態において、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
図6は、本発明の第1実施形態によるナトリウム固化防止を排除した残熱除去システムが適用された液体金属炉を概略的に図示した垂直断面概念図で、図7は本発明の第1実施形態によるナトリウム固化防止を排除した残熱除去システムが適用された液体金属炉を概略的に図示した水平断面概念図で、図8は図6のナトリウム固化防止を排除した残熱除去システムが適用された液体金属炉を概略的に図示した部分垂直断面概念図で、図9は本発明の実施形態によるナトリウム固化防止を排除した残熱除去システムが適用された液体金属炉を概略的に図示した垂直断面概念図で、図10は図9の“A”の空気−空気熱交換器を概略的に図示した概念図で、図11は図9の“A”の空気−空気熱交換器を概略的に図示した斜視図で、図12は原子炉構造物空気冷却システムの出口空気とナトリウム−空気熱交換器の入口空気間の熱交換状態を概略的に図示したグラフで、図13は本発明の第1実施形態による原子炉構造物を概略的に図示した概念図で、図14は本発明の実施形態による原子炉構造物を概略的に図示した概念図で、図15は図14の“B”を概略的に図示した斜視図である。
まず、本発明の第1実施形態によるナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、図6ないし図8に図示したように、原子炉容器100の下部中心に炉心110が位置して、該炉心110の外周を取り囲む中央炉心上部に所定の高さに延長された円筒状の炉心支持容器(reactor support barrel)120を設置する。
そして、原子炉容器100の内部空間が、炉心支持容器120の外周面に対して垂直に延長して水平に配置された環形の隔離板125と、該隔離板125の端で垂直上方に延長されて前記原子炉容器100の内壁と炉心支持容器120間に配置される円筒状の原子炉バッフル130を設置して、前記炉心110及び隔離板125の上部であり、原子炉バッフル130内側に位置する高温プール150と、隔離板125下部及び原子炉バッフル130と原子炉容器100内壁間に位置する低温プール200とに区分される。
ここで、原子炉バッフル130の高さは、正常運転状態で高温プール150のナトリウム液位(X)より高くし、高温ナトリウムが低温プール200からあふれ出ることを防止して、炉心支持容器120の高さは高温プール150のナトリウム液位(X)より低くして、高温プール150内で炉心支持容器120の外周面側空間にも、常に高温のナトリウムが満たされた状態を維持するようにする。
前記炉心支持容器120の外周面と原子炉バッフル130の内周面との間には、正常熱除去システムの構成要素である多数の中間熱交換器(IHX)140が、所定の配列規則にしたがって配置され、低温プール200の液体ナトリウムが原子炉炉心110を経て高温プール150に揚程する1次系統ポンプ145が所定の配列規則によって配列設置され、正常運転中に高温プール150と低温プール200間に常に一定の水準以上の液位差(Z)が維持されるようにする。
ここで、中間熱交換器(IHX)140は、2個1組に構成して、各組別に原子炉外部に位置する蒸気発生器(steam generater:未図示)と連結され、正常運転時に原子炉炉心110で発生する熱を除去する。
また、前記中間熱交換器140と蒸気発生器を連結する配管上には、中間系統隔離バルブを設置して、系統過渡時のように正常熱除去システムに障害が発生した場合には、内部のナトリウム流動を遮断するように構成されている。
そして、前記原子炉バッフル130内側面と隣接した高温プール150端に位置する3個の垂直円形管10を設置する。
前記垂直円形管10は、該下端は低温プール200と連通して1次系統ポンプ145の揚程によって内部の液位(Y)を低温プール200と同一に維持して、該上端は原子炉バッフル130と同じく正常運転時の高温プール150のナトリウム液位(X)より高く延長されている。
もう少し詳しく説明すると、前記垂直円形管10は、原子炉バッフル130の内壁と支持容器120の外壁間に中間熱交換器140及び1次系統ポンプ145と重複しないように等間隔に設置して、それぞれの下端は、隔離板125を貫通して低温プール200と連通し、上端は原子炉バッフル130と同じ程度の高さに延長して高温プール150と区分された低温プール200の一部分になり、内部の液位(Y)が低温プール200とともに1次系統ポンプ145によって低い液位(Y)を維持するようになり、外周面は高温プール150のナトリウムと接触状態に置かれるようになる。
そして、原子炉構造物300の外側から内側に形成して、外側の一定位置に形成された外部空気入口311から流入した外部空気が通過する外部空気流路313と、該外部空気流路313を通じて流入した外部空気が、原子炉下端101で方向を転換して前記原子炉容器100の外周面を冷却しながら加熱され、前記原子炉構造物300の外部に誘導される加熱空気出口流路315と、そして前記加熱空気出口流路315に沿って前記加熱された空気が、ナトリウム−空気熱交換器(AHX)40内部に流入するための空気入口ノズル45をさらに含んで成り立つ(図13参照)。
ここで、前記外部空気は、前記原子炉容器100の外周面を直接冷却することを特徴とする。
すなわち、前記外部空気は、前記原子炉容器100の外周面に沿って循環時に加熱されるので、前記原子炉容器100の外周面を直接冷却するようになる。
一方、前記加熱空気は、前記空気入口ノズル45を通じて 前記ナトリウム−空気熱交換器40の空気入口領域に流入し、前記ナトリウム−空気熱交換器40内の空気流路48に沿って上昇してヘリカル形態の前記ナトリウム−空気熱交換器40のナトリウム伝熱管49を冷却して、前記ナトリウム−空気熱交換器40の上端の煙突50を通じて最終ヒートシンク源である大気中に放出されることを特徴とする。
また、発電所の全運転期間において、前記加熱空気が前記空気入口ノズル45を通じて直接前記ナトリウム−空気熱交換器40に流入することで、前記ナトリウム伝熱管49内部のナトリウムと前記ナトリウム伝熱管49外部の前記空気流路48の前記加熱空気との熱交換時に、前記ナトリウム伝熱管49内部の前記ナトリウムの最低温度がナトリウムの固化温度以下に下がらないように維持して、外部空気温度が−40℃まで下がる設計基準の場合にも、前記原子炉構造物空気冷却システム(CACS)310を通過した空気温度が最低35℃以上に維持されることによって、除熱用中間ナトリウムループ30でのナトリウム固化可能性を基本的に除去することができることを特徴とする。
そして、図9ないし図11に図示したように、本発明の第2実施形態によるナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、原子炉構造物300の外側から内側に形成され、外側の一定位置に形成された外部空気入口311から流入した外部空気が通過する外部空気流路313と、前記外部空気流路313を通じて流入した外部空気が原子炉下端101で方向を転換して、前記原子炉容器100の外周面を冷却しながら加熱された加熱空気を前記原子炉構造物300外部に誘導する加熱空気出口流路315と、該加熱空気出口流路315と連結された上向き空気配管317を通じて原子炉建物外部に前記加熱空気を誘導する空気排出流路319と、外部から外部空気が流入し、前記ナトリウム−空気熱交換器40内部に流入するための空気入口ノズル45を含み、前記空気排出流路319の外側に結合する空気流路入口配管46、そして前記空気流路入口配管46外側に具備されて、前記空気排出流路319外側面に付着した多数個の冷却フィン(cooling fin)410を含む空気−空気熱交換器400(図15参照)をさらに含んで成り立つ。
ここで、前記外部空気は、本発明の第1実施形態で上述したように、前記原子炉容器100の外周面を直接冷却することを特徴とする。
そして、前記空気流路入口配管46と前記空気排出流路319は、相互に隔離するように成り立つことを特徴とする。
一方、前記受動安全等級残熱除去システム(PDRC)または前記原子炉構造物空気冷却システム(CACS)中、いずれか一方が機能を喪失した場合、相互間に他のシステムに対する作動失敗の影響を防止することができる。
一方、上述したような本発明の第1実施形態及び第2実施形態によるナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、高温管37及び低温管33を含む除熱用中間ナトリウムループ30を具備している。これは原子炉プールに設置されている崩壊熱除去熱交換器(DHX)20と原子炉建物上端のナトリウム−空気熱交換器(AHX)40を相互連結する機能を提供し、原子炉プールから吸収された系統の熱を最上端の空気煙突50を通じて最終ヒートシンク源である大気中に放出するように、自然循環によって熱を伝達する役割を遂行する。
ここで、外部の空気は、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310の外部空気入口311に一旦流入して、環形の原子炉空洞に沿って原子炉下端101まで進行し、引き続き方向転換して原子炉容器100及び格納容器の外周面を直接冷却しながら加熱され、原子炉建物300外部に誘導される四角形ダクト形態の空気流路315に沿って前記ナトリウム−空気熱交換器40の空気入口ノズル45と連結するように配置される。
ここで、前記ナトリウム−空気熱交換器40の空気入口ノズル45を通じて流入した高温の空気は、前記ナトリウム−空気熱交換器40の空気流路48に沿って上昇しながらヘリカル形態のナトリウム伝熱管49を冷却して、上端の空気煙突50を通じて最終ヒートシンク源である大気中に放出される。
このようなプール(pool)型の大容量ナトリウム冷却高速炉は、原子炉容器(RV;Reactor Vessel)100及び原子炉容器外部を取り囲んでいるコンクリート構造物の冷却のために、空気冷却系統または水冷却系統を活用していて、発電所の全運転期間において原子炉容器100及び周辺コンクリート構造物の温度を設計基準以下に維持するように、常に安定的な除熱性能を確保するための原子炉構造物冷却システム(CACS)310を具備している。
特に、大部分のナトリウム冷却高速炉及び液体金属冷却高速炉等では、経済性及び安全性、作動信頼性などの理由により、このような原子炉構造物冷却システムを受動型空気冷却システムに設計している。
したがって、このような原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310は、運転モード別に原子炉プールナトリウムの温度によって、一定量の熱量が除去されながら原子炉容器100及び周辺構造物を冷却して、除去される熱量及び自然循環によって形成される空気流量によって、空気入口及び出口間に一定量の温度上昇分を提供するのが一般的である。
定量的な分析結果によると、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310の出口温度は、正常運転中の場合(プール平均温度:〜460℃)入口温度対比、約75℃〜80℃の温度上昇効果を提供すると分析された。
したがって、外部空気温度が−40℃まで下がる設計基準温度の場合にも、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310の加熱空気出口流路315及び空気排出流路319の加熱された空気を受動安全等級残熱除去系統(PDRC)のナトリウム−空気熱交換器(AHX)40の空気流路48の入口温度に活用する場合には、一定温度以上の常温の空気を前記ナトリウム−空気熱交換器40に供給するようになるので、除熱用中間ナトリウムループ30内部の低温管ナトリウム温度が固化温度まで下がる現象を根本的に防止することができる。
すなわち、本発明の第1実施形態によるナトリウム固化防止のための空気流路配置システムは、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310から出た加熱された空気を、ナトリウム−空気熱交換40機の空気入口ノズル45を通じて内側の空気流路48に直接連結する概念であり、本発明の第2実施形態によるナトリウム固化防止のための空気流路配置システムは、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310から出た加熱された空気を、ナトリウム−空気熱交換器40の空気流路入口配管46外側に設置した空気−空気熱交換器400を利用して、ナトリウム−空気熱交換器40の入口に流入する空気を直接加熱することで、ナトリウム−空気熱交換器40内側の空気流路48に流入する外部空気の温度を上昇させて外部の冷たい空気が直接流入することを防止する概念である。
したがって、上述したような本発明の第1実施形態に適用された空気流路配置のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、比較的簡単ながらもナトリウム−空気熱交換器空気入口温度を上昇させるのに効果的に寄与することができる。
一方、前記本発明の第2実施形態に適用された空気流路配置のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システムは、安全系統である受動型残熱除去系統(PDRC)とやはり安全系統である受動型空気冷却構造物冷却システム(CACS)の空気流路がお互いに隔離され、一系統の機能喪失時にも相互間の系統作動失敗の影響を基本的に防止することができるという利点を有している。
このような概念をもとに、本発明の第1実施形態及び第2実施形態では、受動型原子炉構造物空気冷却システムを通過して排出される高温の空気を活用して、外部空気が−40℃まで下がる設計基準温度条件でも、ナトリウム−空気熱交換器(AHX)でのナトリウム固化が基本的に防止され得るように空気流路を構成したものである。
したがって、本発明の第1実施形態及び第2実施形態によるナトリウム固化防止原理に対する説明は下記のようになる。
まず、第1実施形態では、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310を通過しながら加熱されて上昇する空気温度は、空気入口の外気温度対比約75℃〜80℃程度で(正常運転中のナトリウムプール平均温度:467℃基準)、したがって外部空気温度が−40℃の設計基準温度を仮定した場合、ナトリウム−空気熱交換器40のナトリウム入口温度は、約35℃〜40℃程度になる。
反対に、外部空気温度が設計基準上限温度である+40℃の場合には、ナトリウム−空気熱交換器40の入口空気温度が約120℃まで上昇し得るが、ナトリウム伝熱管49の温度が約400℃内外で維持されるので、むしろ熱損失側面ではナトリウム伝熱管49と空気の温度差減少により、夏季には正常運転中の熱損失量を減少させることができる。
但し、過渡期性能の側面では、除熱性能悪化が憂慮され得るが、受動安全等級残熱除去系統(PDRC)の伝熱面積算定時、これに対する十分な設計上の余裕度を考慮したので、設計除熱性能側面で安全基準を満足するには支障がないことが確認された。
そして、前記ナトリウム−空気熱交換器40空気入口温度を上昇させるまた一つの方案である本発明の第2実施形態では、ナトリウム−空気熱交換器40入口領域と原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310、空気排出流路319を直接連結しないで、それぞれの流路すなわち、空気流路入口配管46と空気排出流路319を相互隔離した開放型構造を維持しながら二つの流路間の熱交換器、すなわち空気−空気熱交換器を前記空気流路入口配管46の外側に構成して、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310を経た加熱された空気を利用して前記ナトリウム−空気熱交換器40の入口空気を加熱する方式である。
この方式で外部の空気は、原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310の外部空気入口311に一旦流入して環形の原子炉空洞に沿って原子炉下端まで進行して、引き続き方向を転換して原子炉容器100(または格納容器)の外周面を直接冷却しながら加熱されて原子炉建物外部に誘導される加熱空気出口流路315に沿って進行して、上向き空気配管317を通じて原子炉建物外部に誘導されて前記ナトリウム−空気熱交換器40の空気流路入口配管46と接するように配置される。
ここで、前記原子炉構造物空気冷却システム(CACS;Cavity Air Cooling System)310を通過して排出される加熱された空気を前記空気−空気熱交換器400内側の前記空気排出流路319外側面に伝熱性能向上のために、流路方向に平行な冷却フィン(fin)410が設置された前記空気排出流路319の内部を通過するようにして、前記ナトリウム−空気熱交換器40入口空気が外部に流れるようにして、相互熱伝達性能を高めるために空気−空気熱交換器400を設置して、前記ナトリウム−空気熱交換器40に流入する空気の温度を上昇させる。
以後、前記ナトリウム−空気熱交換器40の温度が上昇して前記空気入口ノズル45を通じて空気流路48に流入した高温の空気は、前記ナトリウム−空気熱交換器40の空気流路48に沿って上昇しながらヘリカル形態のナトリウム伝熱管49を冷却して、上端の煙突50を通じて最終ヒートシンク源である大気中に放出される。
この場合には、安全系統である受動型残熱除去系統(PDRC)のナトリウム−空気熱交換器40の空気入口流路配管46とやはり安全系統である受動型空気冷却構造物冷却システム(CACS)310の空気排出流路319が相互に隔離され、結局は二つの空気流路が別に構成される概念なので、一系統の機能喪失時にも相互間の系統作動失敗の影響を基本的に防止することができるという長所を有する。
これは、図12に図示したように、原子炉構造物空気冷却システムの出口空気とナトリウム−空気熱交換器の入口空気間の熱交換状態を示す。参考に、Tair,envは入口空気温度を、TANX,inはナトリウム−空気熱交換器の入口空気温度を、TCACS,hotは前記原子炉構造物空気冷却システム(CACS)での加熱空気温度を、TCACS,outは前記ナトリウム−空気熱交換器の入口の熱交換器を通じた出口空気温度を、ΔTincはTair,envからTAHX,inまでの温度増加分を示す。
したがって、上述したように、本発明の第1実施形態及び第2実施形態による空気流路配置の概念を適用した場合、発電所の全運転期間において完全受動型安全等級残熱除去系統(PDRC)の除熱用中間ナトリウムループ内部でのナトリウム固化が基本的に防止されながらも、大容量原子炉の非常残熱除去を効果的に遂行することができる作動信頼性が高い完全受動型残熱除去系統の設計が可能であり、類似系統概念を使用する大容量炉型に比べてもナトリウム固化防止のための対処設備の導入必要性除去による、経済性向上及び安全系統作動信頼性の画期的な向上による安全性増進効果を得ることができる。
本発明は、特定の実施形態と係わって図示及び説明したが、添付の特許請求の範囲によって示され発明の思想及び領域から逸脱しない限度内で、多様な変更、改造及び変化が可能だということを当業界で通常の知識を有する者なら誰でも易しく理解することができるだろう。
10 垂直円形管、20,20’ ナトリウム−ナトリウム熱交換器、23 低温ナトリウム下降管、25 U型伝熱部、27 伝熱管、29 加熱ナトリウム収集器、30,30’ 除熱用ナトリウム−ループ、33 低温管、37 高温管、40,40’ ナトリウム−空気熱交換器、43,43’ 空気流路入口、45 空気入口ノズル、46 空気流路入口配管、47,47’ 空気流路出口、48 空気流路、49 ナトリウム伝熱管、50 煙突、100 原子炉容器、110 炉心、120 支持容器、125 隔離板、130 原子炉バッフル、140 中間熱交換器、145 1次系統ポンプ、150 高温プール、160 原子炉ヘッド、170 ダンパー、180 隔離バルブ、200 低温プール、210 原子炉支持壁、300 原子炉構造物、310 原子炉構造物空気冷却システム(CACS)、311 外部空気入口、313 外部空気流路、315 加熱空気出口流路、317 上向き空気配管、319 空気排出流路、400 空気−空気熱交換器、410 冷却フィン(fin)。
Claims (9)
- 原子炉内部の崩壊熱を除去するためのナトリウム−ナトリウム熱交換器、該ナトリウム−ナトリウム熱交換器より高い位置に具備されるナトリウム−空気熱交換器、前記ナトリウム−ナトリウム熱交換器とナトリウム−空気熱交換器を連結する除熱用ナトリウム−ループ及びナトリウム冷却高速炉側の高温プールの液位が原子炉容器内壁側の低温プールの液位より高くなるようにその液位差を維持する1次系統ポンプを具備し、原子炉容器及び原子炉容器外部を取り囲む原子炉構造物空気冷却システムを具備して原子炉構造物の温度を設計基準以下に維持するようにして、正常熱除去システムが機能する場合には少なくとも前記高温プール内の高温ナトリウムとの直接的な接触なしに前記高温プールから前記ナトリウム−ナトリウム熱交換器に伝達される輻射熱を利用して前記除熱用ナトリウム−ループの媒介体を固化しないようにして、そして前記正常熱除去システムが機能しない場合には、前記ナトリウム−ナトリウム熱交換器を通じて原子炉内部の崩壊熱を除去するナトリウム冷却高速炉の完全受動安全等級残熱除去システムにおいて、
前記原子炉構造物の外側から内側に形成され外側の一定位置に形成された外部空気入口から流入した外部空気が通過する外部空気流路、
該外部空気流路を通じて流入した外部空気が原子炉下端で方向を転換して前記原子炉容器の外周面を冷却しながら加熱された加熱空気を前記原子炉構造物外部に誘導させる加熱空気出口流路、及び
前記加熱空気出口流路に沿って、前記加熱された空気が前記ナトリウム−空気熱交換器(AHX)内部に流入するための空気入口ノズルをさらに含んで成り立つ、ナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。 - 前記外部空気が、前記原子炉容器の外周面を直接冷却することを特徴とする請求項1に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
- 前記空気入口ノズルを通じて前記加熱空気が、前記ナトリウム−空気熱交換器の空気入口領域に直接流入して前記ナトリウム−空気熱交換器内の空気流路に沿って上昇してヘリカル形態の前記ナトリウム−空気熱交換器のナトリウム伝熱管を冷却して、前記ナトリウム−空気熱交換器の上端の煙突を通じて最終ヒートシンク源である大気中に放出されることを特徴とする請求項1に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
- 発電所の全運転期間において、前記加熱空気が前記空気入口ノズルを通じて前記ナトリウム−空気熱交換器に流入することにより、前記ナトリウム伝熱管内部のナトリウムと前記ナトリウム伝熱管外部の前記空気流路の前記加熱空気との熱交換時に、前記ナトリウム伝熱管内部の前記ナトリウムの最低温度がナトリウムの固化温度以下に下がらないように維持され、外部空気温度が−40℃まで下がる設計基準の場合にも、前記原子炉構造物空気冷却システムを通過した空気温度が最低35℃以上に維持されることによって、除熱用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を基本的に除去できることを特徴とする請求項1に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
- 原子炉内部の崩壊熱を除去するためのナトリウム−ナトリウム熱交換器、該ナトリウム−ナトリウム熱交換器より高い位置に具備されるナトリウム−空気熱交換器、前記ナトリウム−ナトリウム熱交換器とナトリウム−空気熱交換器を連結する除熱用ナトリウム−ループ及びナトリウム冷却高速炉側の高温プールの液位が原子炉容器内壁側の低温プールの液位より高くなるようにその液位差を維持する1次系統ポンプを具備し、原子炉容器及び原子炉容器外部を取り囲む原子炉構造物空気冷却システムを具備して原子炉構造物の温度を設計基準以下に維持するようにして、正常熱除去システムが機能する場合には、少なくとも前記高温プール内の高温ナトリウムとの直接的な接触なしに前記高温プールから前記ナトリウム−ナトリウム熱交換器に伝達する輻射熱を利用して前記除熱用ナトリウム−ループの媒介体を固化しないようにして、そして前記正常熱除去システムが機能しない場合には、前記ナトリウム−ナトリウム熱交換器を通じて原子炉内部の崩壊熱を除去するナトリウム冷却高速炉の完全受動安全等級残熱除去システムにおいて、
前記原子炉構造物の外側から内側に形成されて外側の一定位置に形成された外部空気入口から流入した外部空気が通過する外部空気流路、
前記外部空気流路を通じて流入した外部空気が、原子炉下端で方向を転換して前記原子炉容器の外周面を冷却しながら加熱された加熱空気を前記原子炉構造物外部に誘導する加熱空気出口流路、
該加熱空気出口流路と連結する上向き空気配管を通じて原子炉建物外部に前記加熱空気を誘導する空気排出流路、
外部から外部空気が流入し、前記ナトリウム−空気熱交換器内部に流入するための空気入口ノズルを含み、前記空気排出流路の外側に結合された空気流路入口配管、及び
前記空気流路入口配管外側に具備され、前記空気排出流路外側面に付着する多数個の冷却フィン(cooling fin)を含む空気−空気熱交換器をさらに含んで成り立つ、ナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。 - 前記外部空気が、前記原子炉容器の外周面を直接冷却することを特徴とする請求項5に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
- 前記空気流路入口配管と前記空気排出流路が、相互に隔離するように成り立ったことを特徴とする請求項5に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
- 前記受動安全等級残熱除去システムまたは前記原子炉構造物空気冷却システムの中でいずれか一方が機能を喪失した場合、相互間に他のシステムに対する作動失敗の影響を防止することができる請求項5または請求項7に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
- 発電所の全運転期間において、前記加熱空気が前記空気入口ノズルを通じて前記ナトリウム−空気熱交換器に流入することにより、前記ナトリウム伝熱管内部のナトリウムと前記ナトリウム伝熱管外部の前記空気流路の前記加熱空気との熱交換時、前記ナトリウム伝熱管内部の前記ナトリウムの最低温度がナトリウムの固化温度以下に下がらないように維持して、外部空気温度が−40℃まで下がる設計基準の場合にも、前記原子炉構造物空気冷却システムを通過した空気温度が最低35℃以上に維持することによって、除熱用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を基本的に除去できることを特徴とする請求項5または請求項7に記載のナトリウム冷却高速炉の残熱除去用中間ナトリウムループでのナトリウム固化可能性を排除した受動安全等級残熱除去システム。
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