JP2009150409A - 低温タンク及びその構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 液化ガスの低温液体を貯蔵する低温タンク1の底版コンクリート5に、低温液体による周辺地盤の凍結防止用流体を通水させる循環冷媒管10を、底版コンクリート5の厚さ方向の中央部付近に埋設する。コンクリート打設時から循環冷媒管10内にコンクリート硬化熱冷却用流体を通水させる。これにより、底版コンクリート5の硬化熱発生時に、底版コンクリート5に発生する温度応力を低減させ、温度ひび割れの発生を防止する。完成後のタンク供用時には、循環冷媒管10内に凍結防止用流体を通水して周辺地盤の凍結を防止する。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、従来、低温液体貯蔵時におけるタンク底版に生じる凍結領域Spを考慮し、その凍結領域を避けた底版の下面側領域にヒーター18(8)を配管することで対応する発明が開示されている。
さらに底版コンクリート5内には、その底版厚さ方向のほぼ中央の高さにブライン液等の冷媒を循環させる流体管路13が配管されている。この流体管路13は、本実施例では図2に模式的に示したように、平面渦巻き状になっている。配管形状としてはこの他に半円状配管、平行配管の端部に折り返し部を設けた配管形状等が可能である。
図3(a)は、低温タンク1の地下空間7の掘削が完了し、その底版位置に所定版厚の底版コンクリート5を打設完了した時点を示した断面図である。図3(b)は、図3(a)に示した底版コンクリート5内の循環冷媒管10を示した部分拡大図である。同図に断面で示された各循環冷媒管10は、図2に示したような平面配管形状をなして底版コンクリート内に埋設され、その管内を冷却水が循環されるようになっている。コンクリート内を循環する循環冷媒管10内には、コンクリート硬化時の発熱抑制のために、水温20℃程度の冷却水を、地上に設置した冷却器(図示せず)を併設した循環ポンプ25等によって縦配管26,27を介して循環させることが好ましい。冷却後に温度上昇した管路内の戻り水はクーリングタワー等の冷却器や、海水等との熱交換機で冷却し、再び冷却水として循環させるか、そのまま海洋に排水する。海洋に排水する場合は、海洋排水として適正な水温まで冷却し、臨海部に設けられた図示しない排水口から海洋に排水することが好ましい。
上述のように、循環冷媒管10を用いることにより、底版コンクリート5の打設時から硬化時にかけて発生するコンクリートの硬化熱による温度応力の低減を図ることができる。さらに、タンク供用時に低温液体を貯蔵する場合には、循環冷媒管10内に水温(液温)20℃程度の冷媒を通水することで、貯蔵された低温液体による、底版コンクリート5における冷熱の影響範囲を、底版上面から循環冷媒管10より上側にとどめることができる。これにより、底版コンクリート5の上面と底面との温度差をより小さくすることができ、タンク供用時(低温液体貯蔵時)における底版コンクリート5に生じる温度応力を十分小さくすることができる。なお、冷媒としては水、エチレングリコール水溶液等を用いることができる。
図4は、循環冷媒管10を用いて、底版コンクリート5打設時におけるコンクリートの冷却を行う際に上述した循環冷媒管10に、補助冷却管16,17を付加して組み合わせたコンクリート冷却構造を有する底版コンクリート5の断面図である。図4(a)に示したように、本実施例では、全高が8m程度ある底版コンクリート5の厚さ方向の中央部付近に循環冷媒管10を配管し、上層、下層コンクリート内のそれぞれの中間高さ位置に補助冷却管16,17を埋設する。これらの補助冷却管16,17は、あらかじめ、温度解析により対象となる底版コンクリート5の硬化時の温度上昇量を把握しておき、その温度上昇を適正な範囲に抑える冷却効果が得られるような熱量が供給できるように配管設計とすることが好ましい。また、配管に送られる冷水の温度、流量もあらかじめ底版コンクリートの温度解析により、設定することが可能である。なお、これら補助冷却管16,17は、コンクリート硬化時のコンクリート温度上昇の抑制を目的として設置されるが、タンク供用後において、底版コンクリート5の凍結範囲の制御のために、ブライン液等の冷媒を循環させることをも可能とするものである。また、底版コンクリート厚さによっては、図4(b)に示したように、補助冷却管17のみをコンクリート表面と循環冷媒管10との間に設けることでコンクリート硬化時の温度応力を抑制することも可能である。
コンクリート打設時にコンクリートを冷却するための冷却水等の冷媒用流体は、底版コンクリート5内の循環冷媒管10あるいは補助冷却管を通過してコンクリート内の配管を通過した直後には、水温が約60℃程度まで上昇することが知られている。そこで、この高温になった冷却水を冷却して排水するか、循環利用することが必要となってくる。本発明では、通常の冷却ポンプに加え、既設の低温タンク1の低温液体(液化ガス)を常温ガスに気化させる気化設備(ORV(オープンラックベーパライザ),(図示せず))に熱源として用いられている循環海水(低温排水)を利用して循環冷媒管10内の冷却水温度を15℃程度まで低下させることができる。この場合には、従来、設備されていた複数段の冷却水槽を設けたり、クーリングタワー等の冷却設備を設ける必要がなくなる。
3 液体貯蔵部
5 底版コンクリート
6 側壁コンクリート
10 循環冷媒管
16,17 補助冷却管
28 熱交換用コイル部
30 仮設冷却タンク
32 低温排水排水溝
Claims (4)
- 液化ガスの低温液体を貯蔵する低温タンクであって、該タンクの底版コンクリートの厚さ方向の中央部付近に配管された循環冷媒管に、底版コンクリートの硬化熱発生時にコンクリート冷却用流体を通水し、タンク完成後は、前記低温タンクに貯蔵された前記低温液体による周辺地盤の凍結防止用流体を通水させるようにしたことを特徴とする低温タンク。
- 液化ガスの低温液体を貯蔵する低温タンクの底版コンクリートに、前記低温液体による周辺地盤の凍結防止用流体を通水させる循環冷媒管を、底版コンクリートの厚さ方向の中央部付近に埋設し、該循環冷媒管内にコンクリート硬化熱冷却用流体を通水させ、底版コンクリート硬化熱発生時に、該底版コンクリートに発生する温度応力を低減するようにしたことを特徴とする低温タンクの構築方法。
- 請求項2に記載された低温タンクの構築方法において、前記循環冷媒管内を通水された前記底版コンクリート冷却後の高温化した冷却用流体を、既設低温タンクの液化ガス気化設備から得られる低温排水で熱交換冷却し、再度前記循環冷媒管に戻して循環させ、コンクリート冷却を行うようにしたことを特徴とする低温タンクの構築方法。
- 前記低温排水を貯水した容器内に、前記冷却用流体が通水される冷媒管の熱交換用のコイル部を設け、該コイル部を通過する際に前記冷却用流体が温度平衡状態まで冷却されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の低温タンクの構築方法。
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- 2007-12-18 JP JP2007326133A patent/JP2009150409A/ja active Pending
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