JP2009150294A - 排ガス処理装置 - Google Patents

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秀宏 飯塚
Kazuhisa Higashiyama
和寿 東山
Masaki Sato
政樹 佐藤
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Abstract

【課題】酸素共存下での排ガスに含まれるNOxの浄化性能が優れた排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】排ガス流れ方向に貫通するマイクロセルの内壁に、酸素共存下の排ガスに含まれるNOxをCO,HCによって窒素に還元浄化するNOx浄化触媒層を形成した触媒マイクロリアクターを備え、この触媒マイクロリアクターのセルの外表面積の総和を触媒マイクロリアクター1L当たり1.1m以上とし、かつ、触媒マイクロリアクターの排ガス流れ方向に対して垂直方向の断面積に対する、NOx浄化触媒層を形成後のセル開口部断面積の総和の比率を17%以上とする。好ましくは、さらに熱交換リアクターと気液分離リアクターを備え、熱交換リアクター、気液分離リアクター、触媒マイクロリアクターの順に排ガスが流通するように配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、外燃機関及び内燃機関の排ガス中の窒素酸化物を、触媒マイクロリアクターを用いて窒素へと還元浄化する排ガス処理装置に関する。
大気汚染防止および地球温暖化防止の観点から、燃料に対する空気の混合比を理論空燃比(完全燃焼混合比)よりも高くした条件で燃焼する機関が注目され、その機関から排出された排ガス中の窒素酸化物を還元浄化する排ガス処理技術が検討されている。
燃料に対する空気の混合比が理論燃焼混合比よりも高くなると、排ガス中の窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の濃度は低下するが、酸素(O)の濃度は高くなる。
燃料に対する空気の混合比が理論空燃比であり、排ガス中の酸素濃度が低い場合には、下記の式(1)及び式(2)に示す還元反応が進み、NOxは共存するCO及びHCにより、ほぼ全量が窒素に還元浄化される。
NO+CO→N+CO …式(1)
NO+HC→N+CO+HO …式(2)
しかし、空気量が理論燃焼混合比よりも高くなると、排ガス中のO濃度が上昇し、式(3)と式(4)に示すCO及びHCの酸化反応が優先的に進み、式(1)及び式(2)に示すNOxの還元反応が進みにくくなる。
2CO+O→2CO …式(3)
HC+O→CO+HO …式(4)
このようなことから、酸素共存下において、CO及びHCとNOxとの還元反応が効率よく進むようにしたNOx浄化触媒の開発が進められている。そして、アルミナ、ゼオライト及びシリケートなどの担体に、Cu、Co、Mn、Fe、Ni、Zn及びAgなどの触媒活性成分を担持したNOx浄化触媒が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、NOx浄化触媒のNOx浄化性能を高めるために、水蒸気の影響が無視できないことも記載されている。
特許文献2には、水蒸気の影響を低減するために、NOx浄化触媒に流入する前に排ガスを低温プラズマ処理して、HOをHとOに分解し、排ガス中の水分濃度を下げることが記載されている。
このように、酸素共存下で、排ガスに含まれるNOxを触媒により還元浄化するためには、NOx浄化触媒の開発と排ガス中の水分除去技術の開発が必要になる。しかし、そのために触媒リアクターシステムが大掛かりとなると、設置スペースが必要になるなどの新たな課題が生じる。
一般的にNOx浄化装置の開発は、基礎研究レベルでの小型装置からベンチスケール、実プラントスケールへとスケールアップを伴う。このスケールアップに伴い、エンジニアリング技術などの開発が必要となる場合もある。
一方、近年、小型で高効率なマイクロリアクター技術の開発が進められている。マイクロリアクター技術を適用することにより、従来のスケールアップ技術を適用せずに、基礎研究で得られた高効率リアクターをナンバリングアップすることにより、実プラントスケールを実現できる。
排ガス処理装置へのマイクロリアクターの適用例としては、ディーゼル車からの微粒子を除去するために、マイクロ流路に触媒を担持したマイクロリアクターの報告例がある(例えば、非特許文献1参照)。
特開平5−195757号公報 特開2005−351113号公報 吉田潤一、マイクロリアクタテクノロジー、エヌ・ティー・エス、2005年、p251〜258
本発明の目的は、酸素共存下の排ガスに含まれるNOxを、マイクロリアクター技術を適用して効果的に還元浄化できるようにした排ガス処理装置を提供することにある。
本発明の排ガス処理装置は、排ガス流れ方向に貫通するセルの内壁に、酸素共存下の排ガスに含まれるNOxをCO,HCによって窒素に還元浄化するNOx浄化触媒層を有する触媒マイクロリアクターを備え、この触媒マイクロリアクターのセルの外表面積の総和を触媒マイクロリアクター1L当たり1.1m以上とし、かつ、触媒マイクロリアクターの排ガス流れ方向に対して垂直方向の断面積に対する、NOx浄化触媒層形成後のセル開口部の断面積の総和の比率を17%以上としたことにある。
本発明の排ガス処理装置には、さらに熱交換リアクターと気液分離リアクターを備えることができる。この場合、熱交換リアクター、気液分離リアクター、触媒マイクロリアクターの順に排ガスが流通するように配置することが望ましい。また、熱交換リアクターは、そこへ流入する排ガスの熱エネルギーを触媒マイクロリアクターへ受け渡して、触媒マイクロリアクターを加熱するように構成することが望ましい。気液分離リアクターは、そこへ流入する排ガスを冷却して排ガス中の水蒸気を液化し、液化した水分を排ガスから除去するように構成することが望ましい。
触媒マイクロリアクターとともに熱交換リアクター及び気液分離リアクターを備えることで、水蒸気の影響を排除でき、NOx浄化効率の一層の向上を図ることができる。
本発明により、酸素共存下の排ガスに含まれるNOxを効率よく窒素へと還元浄化できるようになった。
本発明の排ガス処理装置は、ボイラーなどの外燃機関、ガソリンエンジン、ガスエンジン及びディーゼルエンジンなどの内燃機関に適用することができる。
本発明の排ガス処理装置における触媒マイクロリアクターの構成と効果について説明する。
一般的に、マイクロリアクターは、1mm未満のマイクロ流路(以下、セルという)内で反応を行う装置である。このセルを多数設ければ、マイクロリアクターのセル内の総外表面積を大きくすることができる。そして、このセルの内壁に塗布などによって触媒層を形成すれば、リアクター容積当たりの触媒の外表面積を大きくできる。
マイクロリアクターのセル径を小さくすることにより、反応分子の拡散時間も短縮される。
従って、マイクロリアクターのセル径を小さくし、かつ反応ガスが流通できる外表面積を大きくすることで、短時間で高い排ガス浄化性能を得ることができる。
しかし、単純にセル径を小さくすると、反応ガス流通時の圧損上昇が生じ、反応ガスの停滞による反応効率の低下などの問題が起こる。
圧損上昇の防止について検討した結果、触媒マイクロリアクターの反応ガス流通方向に対して垂直方向の総断面積に対するガス流通部分の総面積の比率を所定の範囲内にすることで、圧損上昇を解決できることを見出した。
また、反応ガスの流通方向に対して垂直方向の総断面積に対するガス流通部分の総面積の比率を所定の範囲内とし、さらにセルの径と総外表面積を所定の範囲とすることで、圧損上昇の抑制と排ガス処理性能を両立できる触媒マイクロリアクターが得られることを見出した。
具体的には、排ガスが流通するセルの外表面積の総和を触媒マイクロリアクター1L当たり1.1m以上とし、触媒マイクロリアクターの排ガス流れ方向に対して垂直方向の断面積に対する触媒塗布後のセル開口部断面積の総和を17%以上とする。更に好ましくは、触媒塗布後のセル開口部のセル径を0.5〜1.0mmとする。
触媒マイクロリアクターのセルの内壁に塗布する触媒は、酸素共存下においてCO及びHCとNOxとの還元反応を選択的に進ませることができるものであれば、いずれの触媒でも良い。アルミナ、ゼオライトあるいはシリケートなどの担体に、Cu、Co、Mn、Fe、Ni、Zn及びAgなどの触媒活性成分を担持した触媒は非常に好ましい。
次に熱交換リアクター及び気液分離リアクターの作用、効果について説明する。
酸素共存下でNOxを還元浄化するNOx浄化触媒をセル内壁に備えた触媒マイクロリアクターのNOx浄化性能を低下させないためには、触媒マイクロリアクターに排ガスが流入する前に、排ガス中から水分を除去することが望ましい。水分を除去するためには排ガスを冷却しなければならないが、一方で排ガス温度が低下すると触媒によるNOx浄化性能が低下する。
したがって、水分対策としては、排ガスを冷却して水蒸気を液化させること、気液分離を行って排ガス中から水分を除去し水蒸気濃度を低下させた排ガスを得ること、及び冷却により温度が低下した排ガスを排ガス浄化に適した温度まで加熱することが必要になる。
この場合、排ガス冷却工程で排ガスから奪った熱エネルギーを、排ガス加熱工程で再利用することが好ましく、これにより、外部から投入する熱エネルギーを低減でき、装置全体の熱効率を高めることができる。
以上のことを踏まえて、本発明の排ガス処理装置では、水分対策のために熱交換リアクターと気液分離リアクターを備え、排ガスの流れ方向から見て熱交換リアクター、気液リアクター及び触媒マイクロリアクターの順に配置することにした。
熱交換リアクターは、水蒸気を含む排ガスの熱ネルギーを触媒マイクロリアクターへ供給することで、熱交換リアクターに供給された排ガスの温度を室温まで冷却する。
気液分離リアクターは、排ガスと水分を分離し、水蒸気濃度の低い排ガスとする。
触媒マイクロリアクターは、そこへ流入した排ガスを、熱交換リアクターから供給された熱エネルギーにより加熱して排ガス浄化に適した温度まで上昇させる。
なお、熱交換リアクターと触媒マイクロリアクターの素材は熱伝導性の良い材料とすることが望ましい。特に、熱伝導率が10W/m・Kより大きい材料が望ましい。この具体的な材料としてはステンレスがある。
さらに、熱交換リアクターと触媒マイクロリアクターは近接していることが好ましい。
アルミナ、ゼオライトあるいはシリケートなどの担体に、Cu、Co、Mn、Fe、Ni、Zn及びAgなどの触媒活性成分を担持したNOx浄化触媒は、550℃以上の温度で優れたNOx還元浄化性能を有する。
したがって、熱交換リアクターは550℃以上の温度の排ガスが流れる部位に設置して、550℃以上の高温の熱を回収し触媒マイクロリアクターへ受け渡せるようにすることが望ましい。熱交換リアクターにヒーターなどの排ガス加熱装置を設置しておくことも望ましい。
図1に本発明の一実施例に係る触媒マイクロリアクターの斜視図を示す。触媒マイクロリアクター1は排ガス流れ方向に貫通したセル2を有し、セル2の内面にNOx浄化触媒層3が塗布等によって形成されている。排ガスはセル2に流入し、セル流路を通過する間にNOx浄化触媒層3に拡散する。そして、排ガス中のNOxはNOx浄化触媒層3にて窒素へと還元される。
セル数、開口部セル径4、セル開口率が異なる以外はすべて同一の構成を有する4種類の触媒マイクロリアクターを製作した。この4種類の触媒マイクロリアクターを表1に実施例触媒1〜4として示す。触媒マイクロリアクターの形状は、17mm四方、長さ21mmである。セル数(cpsi)は、触媒マイクロリアクターの単位断面積(in)当たりに有するセルの数である。セル開口率は、10%、17%、40%及び99%の4種類とした。
セル開口率は、触媒マイクロリアクターの排ガス流れ方向に対して垂直方向の垂直断面5の総面積と、NOx浄化触媒層3が形成されたセル2の開口部の総面積との比率で定義し、式(5)により求めた。
セル開口率(%)=(NOx浄化触媒層が形成されたセル2の開口部の総面積/触媒マイクロリアクターの垂直断面5の総面積)×100 …式(5)
Figure 2009150294
セル開口率に対する圧損を調べた。圧損測定は下記の方法により求めた。
ステンレス容器内に触媒マイクロリアクターを固定し、周辺の隙間をシーリング材により密封した。容器の上流側に乾燥窒素供給ガスラインとガス流量調整器及び圧力計を設置した。所定流量の窒素ガスをマイクロリアクターに供給し、触媒マイクロリアクター前後の圧力を測定した。圧損は、触媒マイクロリアクターの下流側の圧力から触媒マイクロリアクターの上流側の圧力を差し引くことで求めた。なお、窒素ガス流量は9.5L/min(SV95,000h−1)とした。このSV値は火力発電所で用いられる脱硝触媒のSV値にほぼ相当する。
試験結果を図2に示す。セル開口率が40〜99%の領域では、圧損は0.1kPa未満であった。セル開口率が17〜40%では圧損は0.2kPa未満となった。一方、セル開口率が17%未満では、圧損は急激に上昇することが判った。
従って、圧損の上昇を抑制するためには、セル開口率を17〜99%とすることが望ましい。好ましくは40〜99%である。
(試験例1)
φ20mm、長さ20mmのメタル製ハニカムにアルミナをウォッシュコート法でコートした後、触媒活性成分としてCoを含浸法で担持した。以下に詳細を記す。
ベーマイト10g、アルミナゾル10g、精製水40gを混合したアルミナスラリーをメタルハニカムに流し込み、余分なスラリーを除去した後、乾燥し、さらに600℃で1時間焼成してアルミナコートメタルハニカムを得た。アルミナコート量はメタルハニカム容積1Lに対して300g(以下、300g/Lと記す)とした。
次に、アルミナコートしたメタルハニカムにCoを含浸法で担持した。含浸法の手順は以下とした。アルミナ100gに対して金属換算で10gのCoを含む硝酸Co水溶液を調製し、硝酸Co水溶液にアルミナコートメタルハニカムを浸漬した。その後、乾燥し、さらに600℃で1時間焼成した。
セル数が196、464及び1200cpsiのメタルハニカムを用いて、表2に実施例触媒5〜7として示す3種類の触媒マイクロリアクターを作製した。触媒層形成後のセル開口部のセル内壁面積を算出し、ハニカム容積当たりのセル内面積の総和をセル総外表面積(m/L)と定義して、表2に示した。
Figure 2009150294
(試験例2)
固定床流通式触媒活性評価装置を用いて触媒活性評価を実施した。本評価装置は、ガス流量及び温度の制御部、触媒反応部及びガス分析部から構成される。各構成部について、以下に説明する。
ガス流量及び温度制御部は、装置外部から供給される各種反応ガス(N,CO,CO,O及びNO)を所定流量に調整するガス流量調整器、反応管に水蒸気を供給するための水ポンプ及び電気炉温度制御用の温度調節器を備える。
反応ガスの組成は、NO濃度が450ppm、CO濃度が2000ppm、CO濃度が6%、O濃度が5%、Nガスが残部である。
触媒反応部は、反応ガス及び触媒を加熱するためのマッフル型電気炉、反応管及び反応ガス中の水蒸気を捕集する水トラップを備える。また、反応管には、反応ガスと水蒸気との混合と反応ガスの加熱を促進するラシヒリング、実施例触媒及び熱電対(φ0.5mm,K対)を備える。なお、熱電対は実施例触媒の上端面より10mm上の温度(以下、触媒入口温度)を測定するように設置されている。また、実施例触媒と反応管内壁の空隙はシリカウールを充填して閉塞させた。
ガス分析部は、反応ガスを一定量(1L/min)吸引するサンプリングユニット(化学発光式、堀場製作所製)、CO計(非分散型赤外線式、堀場製作所製)、NO計(赤外線吸収式、堀場製作所製)及びO計(磁気式、堀場製作所製)を備える。なお、NOx計はNO濃度とNOx(NO+NO)濃度をそれぞれ測定可能である。従って、NO濃度はNOx濃度とNO濃度との差分から算出できる。
上記の評価装置を用いた触媒活性評価手順を以下に記す。
(1)実施例触媒充填反応管へNを流通しながら触媒入口温度が400℃となるまで昇温する。
(2)400℃において反応ガスの流通を始める。
(3)触媒出口NOx濃度が安定した時点で、NO、NOx、NO、CO及びO濃度を計測し、400℃における定常値とする。
(4)各種定常値を用いてNOからNへの転換率を式(6)により算出し、NOx浄化性能を比較する。
NO→N転換率(%)=[(触媒入口NO濃度−触媒出口NOx濃度−触媒出口NO濃度)/触媒入口NO濃度]×100 …式(6)
なお、SV(空間速度)は、30000h−1とした。
(試験結果1)
実施例触媒7に関して、反応ガスへの水分添加量を0vol%及び10vol%とした場合のNO→N転換率を調べた。試験結果を表3に示す。水分転換量を0vol%(無し)とすることにより、実施例触媒7のNO→N転換率は23%に改善した。反応ガス中から水分を除去することは、高いNO→N転換率を得るために有効であることが明らかである。
Figure 2009150294
(試験結果2)
水分添加無しの反応ガスを用いて、実施例触媒5〜7のNO→N転換率を調べた。図3に結果を示す。セル総外表面積が1.1m/L以上の場合、NO→N転換率は15%以上であった。従って、セル総外表面積は1.1m/L以上が望ましい。さらに、セル総外表面積を2.5m/L以上とすることにより、NO→N転換率は20%以上となり好ましい。
実施例1及び実施例2の結果を総合すると、排ガスが流通可能なセルの外表面積の総和を触媒マイクロリアクター1L当たり1.1m以上とし、セル開口率を17%以上とすることで、圧損の上昇を抑制しつつ、NO→N転換率を15%以上とすることが可能となる。特にセル総外表面積を2.5m/L以上とし、触媒層形成後のセル開口率を40%以上することで、圧損上昇を抑制しつつ、NO→N転換率を20%以上とすることが可能になり好ましい。
外燃機関及び内燃機関からの排ガス中に水蒸気が含まれている場合、図4に示す構成の排ガス処理装置が有効である。
水蒸気を含む高温の排出ガスは、まず熱交換リアクター6へ導入される。熱交換リアクター6と触媒マイクロリアクター1は近接しており、熱交換リアクター6から触媒マイクロリアクター1へ熱エネルギーが伝熱媒体を介して供給される。なお、伝熱媒体としては、熱伝導率が10W/m・Kより大きい材料が望ましい。具体的な材料としてステンレスがある。従って、熱交換リアクターと触媒マイクロリアクターはステンレス製であることが好ましい。
熱交換リアクター6において、排出ガスが冷却されることで、排出ガス中の水蒸気の少なくとも一部は液化する。
熱交換リアクター6を出た水分を含む排出ガスは、次いで気液分離リアクター7内で液体成分と気体成分に分離される。この気液分離リアクター7において、排出ガスをさらに室温付近の温度まで冷却することは、排出ガス中の水蒸気濃度を低下させることができるために好ましい。このために、例えば気液分離リアクター7の排ガス流路の内壁にマイクロオーダーのピラーを櫛状に立てておくことが望ましい。液体はピラーに付着するなどして固定されるが、気体成分は通過させることができる。この結果、気液分離が可能となる。なお、ピラーの部分が冷却されていれば、排出ガスがピラーに接触したときに水蒸気の液化が起こるため好ましい。
気液分離リアクター7を通過した排出ガスは室温付近まで冷却されており、かつ排出ガス中の水蒸気濃度は低下している。この排出ガスが触媒マイクロリアクター1へ供給され、熱交換リアクター6からの熱エネルギー供給を受けて所定温度まで加熱される。
なお、必要に応じて触媒マイクロリアクター1にヒーターを設けて、触媒作動温度までさらに加熱しても良い。
触媒マイクロリアクター1のセル内壁には、NOx浄化触媒がコートされているため、水蒸気が除去された排出ガス中のNOxは効率良く窒素に還元される。
なお、排ガスが流通可能なセルの外表面積の総和を触媒マイクロリアクター1L当たり1.1m以上とし、触媒塗布後のセル開口率を17%以上とすることで、圧損の上昇を抑制しつつ、NOからNへの転換率を高めることが可能となる。特にセル総外表面積を2.5m/L以上とし、触媒層形成後のセル開口率を40%以上することで、圧損上昇を抑制しつつ、NOからNへの転換率がさらに改善するため好ましい。
熱交換リアクター6と触媒マイクロリアクター1とを一体にした場合の一例を図5に示す。
図5の場合、熱交換リアクター6のセル8と触媒マイクロリアクター1のセル2が同じ方向に配置されている。熱交換リアクター6及び触媒マイクロリアクター1はステンレス製とすることが望ましい。熱交換リアクター6のセル8を通過する排出ガスの熱エネルギーは、ステンレスを通じて近接する触媒マイクロリアクター1のセル2へと受け渡される。
熱交換リアクター6と触媒マイクロリアクター1を一体化させた場合の別の例を図6に示す。
図6の場合、熱交換リアクター6のセル8と触媒マイクロリアクター1のセル2が直交するように配置されている。
熱交換リアクター6及び触媒マイクロリアクター1はステンレス製とすることが望ましい。この構造の場合でも、熱交換リアクター6のセル8を通過する排出ガスの熱エネルギーは、ステンレスを通じて近接する触媒マイクロリアクター1のセル2へと受け渡される。
熱交換リアクター6及び触媒マイクロリアクター1を合わせたxz平面方向の断面積に対する、熱交換リアクター6のセル開口部9の断面積の総和の比率は17%以上とすることが好ましい。
同様に、熱交換リアクター6及び触媒マイクロリアクター1を合わせたxy平面方向の断面積に対する、触媒マイクロリアクター1のセル2の開口部の断面積の総和の比率も17%以上とすることが好ましい。
上記の仕様とすることにより、圧損の上昇を抑えつつ、熱交換と触媒反応を良好に行うことが可能となる。
実施例4に記載のように触媒マイクロリアクターと熱交換リアクターを同じ方向に配置して一体化したものについて、熱交換リアクターと触媒マイクロリアクターの熱交換に関して熱流体解析ソフト(FLUENT6.2)を用いて検討した。
図7に解析モデルを示す。
熱交換リアクターセルと触媒リアクターセルが交互に配置されている単純モデルとした。相互のセルの壁はSUS304(壁厚0.1mm)で仕切られている。図7中の左側から高温排ガスが熱交換リアクターセルに流入し、右側から室温(27℃)の排ガスが触媒リアクターセルに流入し、SUSの壁を通じた熱交換が行われる。熱交換リアクターセル数を6個、触媒リアクターセル数を5個とした。
両リアクターセルのセル径を0.2、0.4及び0.8mmとし、熱交換リアクターセルに流入する排ガス温度を400℃ないし550℃とした場合のリアクターの温度分布を計算した。
なお、このシミュレーションにおいて排ガスは乾燥空気とした。反応ガス流速は0.26m/sとした。
熱交換リアクターセルに流入するガス温度を400℃とした場合、両リアクターのセル径を0.2〜0.8mmまでの範囲で変えても解析結果はほぼ同等となり、触媒リアクターセルの出口側は300℃付近となった。
熱交換リアクターセルに流入するガス温度を550℃とした場合の解析結果を図8に示す。なお、リアクターセル径の影響は小さかったため、0.4mmの結果を示す。触媒リアクターセルの上流から30〜40mmの領域は400℃程度となることが判った。
従って、熱交換リアクターに供給する排出ガス温度を制御することにより、触媒リアクターの温度を所定値に昇温できることが判った。例えば、熱交換リアクターに供給する排出ガス温度を550℃とすることにより、触媒リアクター温度を400℃まで昇温できる。
本発明に係る触媒マイクロリアクターの一実施例を示す斜視図である。 セル開口率と圧損の関係の一例を示した図である。 セル総外表面積とNO→N転換率の関係の一例を示した図である。 本発明による排ガス処理装置の一例を示した概略構成図である。 熱交換リアクターと触媒マイクロリアクターを一体化した例を示す斜視図である。 熱交換リアクターと触媒マイクロリアクターを一体化した別の例を示す斜視図である。 熱交換リアクターと触媒リアクターの熱交換の計算モデルを示した図である。 熱交換リアクターと触媒リアクターの熱交換の計算結果の一例を示した図である。
符号の説明
1…触媒マイクロリアクター、2…セル、3…NOx浄化触媒層、4…開口部セル径、5…垂直断面、6…熱交換リアクター、7…気液分離リアクター、8…セル、9…セル開口部。

Claims (6)

  1. 排ガス流れ方向に貫通したセルの内壁に触媒層を有する触媒マイクロリアクターを備えた排ガス処理装置において、
    前記触媒層として、酸素共存下の排ガスに含まれるNOxをCO,HCによって窒素に還元浄化するNOx浄化触媒層を有し、
    前記セルの外表面積の総和を触媒マイクロリアクター1L当たり1.1m以上とし、
    前記触媒マイクロリアクターの排ガス流れ方向に対して垂直方向の断面積に対する、前記NOx浄化触媒層を形成後のセル開口部の断面積の総和の比率を17%以上としたことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 請求項1において、さらに熱交換リアクターと気液分離リアクターを備え、
    前記熱交換リアクター、前記気液分離リアクター、前記触媒マイクロリアクターの順に排ガスが流通するように配置し、
    前記熱交換リアクターを、そこに流入する排ガスの熱エネルギーを前記触媒マイクロリアクターへ受け渡して、前記触媒マイクロリアクターを加熱するように構成し、
    前記気液分離リアクターを、そこへ流入する排ガスを冷却して排ガス中の水蒸気を液化し、液化した水分を排ガスから除去するように構成したことを特徴とする排ガス処理装置。
  3. 請求項1または2において、前記触媒マイクロリアクターの前記NOx浄化触媒層を形成後の開口部セル径が0.5〜1.0mmであることを特徴とする排ガス処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記触媒マイクロリアクターがメタル製であることを特徴とする排ガス処理装置。
  5. 請求項2において、前記熱交換リアクターと前記触媒マイクロリアクターが一体型であり、前記熱交換リアクターに排ガス流れ方向に貫通するセルが設けられ、前記熱交換リアクターのセルと前記触媒マイクロリアクターのセルが交互に配置されていることを特徴とする排ガス処理装置。
  6. 請求項2において、前記熱交換リアクターと前記触媒マイクロリアクターが一体型であり、前記熱交換リアクターに排ガス流れ方向に貫通するセルが設けられ、前記熱交換リアクターのセルに対して垂直の方向に前記触媒マイクロリアクターのセルが配置されていることを特徴とする排ガス処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011194290A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Chugoku Electric Power Co Inc:The 脱硝触媒性能試験装置
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CN115253675A (zh) * 2022-09-20 2022-11-01 天泓环境科技有限责任公司 一种等离子放电协同催化废气处理装置

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