JP2009149476A - セメント系硬化体の強度増進および収縮低減方法。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セメント系硬化体の表面に、セメント系硬化体の終結後から材齢7日の期間に収縮低減剤を塗布、散布または吹き付けることを特徴とするセメント系硬化体の強度増進および収縮低減方法である。
【選択図】なし
Description
さらに、表面硬化不良、それに伴う表面硬度低下を十分防止することができる。特に、初期から長期材齢にかけて大幅な収縮の低減が可能となるので、ひび割れを有効に防止することができる。
しかも、本発明の方法は、施工作業も簡単であり、また施工可能期間も長いため制約が少なく、施工性に優れる。
好ましくは、基本構造としてポリオキシアルキレン重合物を有効成分とする収縮低減剤であり、より好ましくは、この末端に炭素数1〜6の低級アルコール、置換基を有していてもよいフェノール、及びアミノ結合物などを付加したものを有効成分とする収縮低減剤である。
具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシドメタノール付加物などのポリオキシアルキレンに低級アルコールを付加したもの、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック重合物、エチレンオキシド・プロピレンオキシドランダム重合物、グリコールのシクロアルキル基付加物、グリコールの両端にメチル基を付加した付加物、グリコールのフェニル基付加物、グリコールにメチルフェニル基を付加したブロック重合物、グリコールの両端にエチレンオキシドメタノールを付加した付加物及びグリコールにジメチルアミンを付加した付加物等を有効成分とする収縮低減剤を挙げることができる。
塗布などの施工時期は、圧縮強度が増進するため、好ましくはセメント系硬化体の凝結反応の終結後から材齢3日の期間であり、より好ましくはセメント系硬化体の凝結反応の終結後から脱型直後である。
ここで、セメント系硬化体の凝結反応の終結とは、骨材成分を実質含有しないセメントペーストに対してはJIS R 5201「セメントの物理試験方法」の規定による終結時間、またモルタル又はコンクリートに対してはJIS A 1147「コンクリートの凝結時間試験方法」の規定する終結時間のことをいう。
また、本発明での材齢とは、原料を混和・注水してコンクリートを作製後、型枠に打設した時点からの経過期間をいう。
収縮低減剤の塗布、散布または吹き付けをする期間は、モルタル、コンクリートのセメント系硬化体の凝結反応の終結よりも早いと表面強度の低下や硬化不良の理由から好ましくない。またこの期間よりも遅いとこの期間に乾燥収縮の進行が早いことから収縮低減効果が小さくなること、内部水分の蒸発が生じると養生効果が小さくなることから好ましくない。
ここで、「原液」とは、調整せずにそのままの濃度で使用する市販品の液状の収縮低減剤のことをいい、濃縮したものや粉末又は固形状のものの場合には、規格通りに所定の溶剤を用いて所定の濃度に調製したものをいう。
・セメントC:普通ポルトランドセメント、太平洋セメント社製、密度3.15g/cm3
・細骨材S:静岡県菊川市河東産山砂、表乾密度2.61g/cm3、吸水率1.66%
・粗骨材G:茨城県西茨城郡岩瀬産砕石、粗骨材最大寸法20mm、表乾密度2.64g/cm3、吸水率0.67%
・AE減水剤Ad:ポゾリス70、BASFポゾリス社製、リグニンスルホン酸化合物とポリオールの複合体
・塗膜養生剤イ:TF250、アルバー工業、2液硬化型エポキシ樹脂エポキシ塗り材
・塗膜養生剤ロ:マスターキュアー、ASFポゾリス社製、水性パラフィン系
・塗膜養生剤ハ:ノンクラック、ノックス社製、シリカ系
・収縮低減剤イ:クラックセイバー、太平洋マテリアル社製、低級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を有効成分とするもの。
・収縮低減剤ロ:ヒビダン、竹本油脂社製、ポリエーテル系
・収縮低減剤ハ:e-SRA、グレースケミカルズ社製、特殊ポリプロピレングリコール系
収縮低減剤イ(実施例1)と塗膜養生剤イ(比較例1)とについて刷毛塗りによる可使時間(2液硬化型エポキシ樹脂エポキシ塗り材の塗膜養生剤イは混合後)を確認した。
20℃の試験室において収縮低減剤イは使用開始後60分経過後も適度な流動性を呈し、刷毛塗りが十分可能であったのに対し、塗膜養生剤イは使用開始後50分で流動性を喪失し、刷毛塗りができなかった。
このことから、収縮低減剤イが優れた施工作業性を有することが確認できた。
表1に示す配合を用いて20℃の試験室において製造したコンクリートをφ10×20cmの鋼製の円柱型枠に打設した。JIS A 1149「コンクリートの凝結時間試験方法」に準じて凝結試験を行い、終結時間は約9時間である。
打設24時間後脱型し、刷毛を用いて表2に示すそれぞれの時期に収縮低減剤イ、ロ、ハを原液で150g/m2(実施例2〜7、比較例5)、塗膜養生剤ロ、ハを原液で100g/m2(比較例3、4)の塗布を脱型したコンクリート表面に行った。また、無塗布を比較例2とする。
塗布後は、温度20℃、相対湿度60%の試験室にて気中養生した。圧縮強度試験はJIS A1108に基づいて材齢7,28日に行い、その結果を表2に示す。
表2に示すように、収縮低減剤イ、ロ、ハ(実施例2、6、7)を塗布したコンクリートは、無塗布のコンクリート(比較例2)に比べて2割以上の強度増進が認められ、さらに塗膜養生剤を塗布したコンクリート(比較例3、4)に比べても劣らない圧縮強度の増進効果が確認された。
また、塗布時期を変化させて収縮低減剤イ(実施例2、3、4、5)を塗布したコンクリートは、無塗布コンクリート(比較例2)に比べて圧縮強度の増進が認められるが、材齢9日に塗布したコンクリート(比較例5)に比べては同等であり、収縮低減剤による圧縮強度の増進効果は材齢7日程度の初期材齢が有効であることが確認された。
表1に示す配合を用いて20℃の試験室において製造したコンクリートを30cm×30cm×6cmの鋼製板状型枠に打設し、荒均し作業を行い、定規ずり作業時(製造開始から約1時間)に収縮低減剤イ、ロ、ハを原液で100g/m2塗布し、さらに、ブリーディング終了後、金ごてを用いた仕上作業時(製造開始から約6時間)、収縮低減剤イ、ロ、ハを原液で100g/m2塗布した(比較例7、8、9)。前述のように、JIS A 1149「コンクリートの凝結時間試験方法」に準じた凝結試験によるコンクリートの終結時間は約9時間である。また、無塗布を比較例6とする。製造後24時間でJIS A 6253「硬さの求め方」に準じたタイプDのスプリング式硬さ試験機を用いて表面硬度の測定を行った。なお、製造開始とは、原料を混和し、注水時を起点とするものである。
一方、30cm×30cm×6cmの鋼製板状型枠に打設したコンクリートに製造後24時間で収縮低減剤イを原液で150g/m2塗布してさらに塗布後24時間で同様に表面硬度の測定を行った(実施例8)。試験結果を表3に示す。
表3の試験結果より収縮低減剤を表面最終仕上げ作業時に塗布すると表面に脆弱層が生じ、表面硬度が低下する。一方、収縮低減剤を終結後の硬化コンクリートに塗布した場合には無塗布と同等の表面硬度が得られた。
表1に示す配合を用いて20℃の試験室において製造したコンクリートを10cm×10cm×40cmの鋼製型枠に打設、24時間後脱型し、塗膜養生剤および収縮低減剤を表4の条件で塗布した。比較例11は、収縮低減剤イを材齢7日経過後に塗布したコンクリートである。
比較例12は、1m3のコンクリート(1m×1m×1m)を想定した場合、表面積は6m3となり、この場合、収縮低減剤イの標準塗布量が原液で150g/m2であることから、これの使用量と同量の900gをコンクリートの製造時に混和した場合のコンクリートである。JIS A 1129に基づいて乾燥収縮試験を行った結果を表4に示す。
Claims (3)
- セメント系硬化体の表面に、セメント系硬化体の凝結反応の終結後から材齢7日の期間に収縮低減剤を塗布、散布または吹き付けをすることを特徴とするセメント系硬化体の強度増進および収縮低減方法。
- セメント系硬化体の表面に、セメント系硬化体の凝結反応の終結後から材齢3日の期間に収縮低減剤を塗布、散布または吹き付けをすることを特徴とするセメント系硬化体の強度増進および収縮低減方法。
- セメント系硬化体表面への収縮低減剤の塗布、散布または吹き付けの量が、50〜300g/m2であることを特徴とする請求項1または2記載の強度増進および収縮低減方法。
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JP2002193686A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Onoda Co | 収縮低減性を有する水硬性硬化体及びその製造方法 |
JP2004231488A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Denki Kagaku Kogyo Kk | セメントコンクリート硬化体 |
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