JP2009147517A - 通信端末装置、データ中継装置、携帯電話機、通信システム、通信端末装置の制御方法、データ中継装置の制御方法、通信端末装置制御プログラム、データ中継装置制御プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

通信端末装置、データ中継装置、携帯電話機、通信システム、通信端末装置の制御方法、データ中継装置の制御方法、通信端末装置制御プログラム、データ中継装置制御プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、またプロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに接続している電子機器を検出する。
【解決手段】家庭内LAN2に接続して通信を行うための無線LAN通信I/F15と、3G網に接続してHGW21と通信を行うための3G通信I/F17と、DLNA機器107を検出するためのマルチキャストを家庭内LAN2に送信すると共に、無線LAN通信I/F15にて家庭内LAN2に接続できるか否かを判断するDMP制御部13と、DMP制御部13が、無線LAN通信I/F15にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、3G通信I/F17にてHGW21とPPP接続を行うと共に、DMP制御部13にPPP接続にてマルチキャストを送信させる端末側PPP接続制御部14とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の通信経路(例えば3G(Generation)無線と無線LAN通信)にて通信を行うことのできる通信端末装置、および該通信端末装置と電子機器との間でデータの中継を行うデータ中継装置等に関する。より詳細には、例えば家庭内LAN(Local Area Network)のようなネットワークに接続された電子機器を、上記複数の通信経路のそれぞれを用いて検出するための通信端末装置、データ中継装置、および通信システム等に関する。
現在、DLNA(Digital Living Network Alliance)と呼ばれる家電連携技術が登場している。DLNAは、LANに接続される機器の連携を自動で行うための標準規格である。DLNAに準拠する機器は、原則として相互接続性を持つ。そして、DLNAに準拠する機器は、LANに接続してDLNAアプリケーションを動かすことにより、特に設定を行うことなく、DLNAに準拠する他の機器との連携を行うことができるという特徴を有している。
このDLNAは、DMS(Digital Media Server)、DMP(Digital Media Player)、DMC(Digital Media Controller)等のエンティティから構成される。具体的には、DMSは、コンテンツを蓄積し、DMP等にコンテンツを送信する機能を有する。また、DMPは、DMSのデータを受信し、再生する機能を有する。そして、DMCは、DLNA対応機器を遠隔操作する機能を有する。なお、他にも種々の機器が規定されているが、ここでは説明は省略する。
このDLNAの動作は、機器発見フェーズとデータ転送フェーズとに大別される。機器発見フェーズでは、UPnP(Universal Plug and Play、登録商標)を用いることが規定されているので、DLNA機器は、UPnPを用いてネットワークに接続している機器を検出する。そして、データ転送フェーズではHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やRTP(Real−Time Transfer Protocol)等を用いることが規定されているので、DLNA機器は、HTTPやRTP等を用いて、上記検出した機器とデータの送受信を行う。
UPnPでは、機器を発見するためにIP(Internet Protocol)マルチキャストを用いる。具体的には、UPnP対応機器は、IPアドレス:239.255.255.250のUDPポート1900宛に検索要求のパケットを送信する。ここで、UPnPに対応する機器は、この検索要求パケットに対して返答を行うようになっているので、IPマルチキャストによってUPnPに対応する機器を検出することができるのである。
このように、UPnPにて、UPnP対応機器を発見するためには、IPマルチキャストが非常に重要な役割を果たしている。なお、IPマルチキャストは、基本的に同一リンク内でのみ使用可能である。例えば、IPマルチキャストは、家庭外から家庭内機器を探索するために利用することはできない。したがって、原則として、家庭外からUPnPを利用して家庭内機器をコントロールすることは出来ない。
しかしながら、家庭外から家庭内のDLNA機器をコントロールすることができれば便利である。例えば、下記の特許文献1では、WAN(Wide Area Network)側からLAN側の機器をコントロールする技術を開示している。具体的には、特許文献1に記載の技術では、WAN側にデータを公開する場合にはHTTPへのプロトコル変換を行っている。
また、下記の特許文献2には、DTCP(Digital Transmission Content Protection)をブリッジすることにより、著作権保護のかかっているコンテンツを家の外からでも閲覧ことを可能にする発明が開示されている。
ところで、3G等のセルラ系無線と無線LAN等との2通りの通信経路を利用可能なデュアル無線端末の開発も盛んである。例えば下記の特許文献3には、屋内用無線と屋外用無線とを有する通信端末を含むローミングシステムが開示されている。
具体的には、特許文献3に開示されている発明では、通信端末が屋内システムID情報を記憶している。そして、上記通信端末は、屋内の無線システムから送信される屋内システム情報を受信し、受信したシステム情報に含まれるIDと、上記記憶している屋内システムID情報とが一致する場合には屋内網に接続するようになっている。一方、一致しない場合には屋外無線システムに接続し、主にMobileIPを利用してローミングを行っている。
ここで、無線LANと3G無線等とのデュアル(複数)無線接続機能を有する通信端末装置にてDLNAを利用する例について図14および図15に基づいて説明する。図14は、従来の技術で構成した通信システムの概要を示す図である。図示のように、通信システム101は、家102の中のネットワークと家102の外のネットワークとを含んでいる。具体的には、家102の中のネットワークは家庭内LAN103であり、家104の外のネットワークはインターネットと3G網とで構成されている。
家庭内LAN103は、HGW(Home Gateway)104、HUB105、AP(Access Point)106、DLNA機器107a〜107c、通信端末装置108aおよび108bが接続されて構成されている。
HGW104は、異なるネットワーク間でデータの中継を行う装置であり、図示の例では家庭内LAN103とインターネットとを接続している。すなわち、HGW104がデータの中継を行うことによって、家102の中のネットワークと家102の外のネットワークとで通信を行うことが可能になる。
HUB105は、複数の機器を接続してLANを形成するための集線装置である。図示の例では、HUB105によってHGW104、AP106、およびDLNA機器107a〜107cが互いに通信可能に接続されている。
AP106は、家庭内LAN103に無線LAN接続するための装置である。すなわち、無線LAN通信を行うことのできる機器であれば、AP106経由で家庭内LAN103に接続することができる。ただし、AP106経由の通信には距離的制限があり、ここでは家102の中の機器のみがAP106経由で家庭内LAN103に接続することができるものとする。
DLNA機器107a〜107cは、具体的にはそれぞれHDD(Hard Disk Drive)/BD(Blu−ray Disk)レコーダ、コンポ、およびTVであることを想定している。上述のように、DLNA機器107a〜107cは、家庭内LAN103に有線LAN接続しているので、DLNA機器107a〜107cは互いにデータの送受信を行うことができる。また、DLNAに対応している機器であれば、AP106経由でDLNA機器107a〜107cとデータの送受信を行うこともできる。なお、以下では、DLNA機器107a〜107cの少なくとも1つを指してDLNA機器107と表記する場合がある。
通信端末装置108aおよび108bは、3G無線と無線LANとの2通りの通信経路を利用可能な装置であり、上述のデュアル無線端末に相当する。すなわち、通信端末装置108aおよび108bは、AP106に無線LAN接続してDLNA機器107a〜107cと通信を行うことができると共に、3G網経由でインターネットに接続することができる。
また、通信端末装置108aおよび108bは、DLNA機器107とデータの送受信を行うことができるDLNA対応機器である。ここでは、通信端末装置108aおよび108bは、それぞれ携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistance)であることを想定している。以下では、通信端末装置108aおよび108bの何れか一方または両方を指して通信端末装置108と表記する。
以上の構成を備える通信システム101において、通信端末装置108を用いて家庭内LAN103にアクセスし、DLNA機器107a〜107cと通信を行うことを考える。通信端末装置108が家102の中にある場合には、AP106から家庭内LAN103に接続して通常のDLNA機器として特に問題なく動作する。なお、通信端末装置108が家102の中にあるか否かは、無線LANのSSID(Service Set Identifier)等の受信状況から判断することができる。
一方、通信端末装置108が家102の外にある場合には、通信端末装置108は、図示のように3G網およびインターネットを経由して家庭内LAN103にアクセスする必要がある。ここで、通信端末装置108は、3G網およびインターネットを利用して通信を行う場合にはHTTPを用いる必要があるが、家庭内LAN103を利用して通信を行う場合にはまた別のプロトコル(例えばUPnP)を用いる必要がある。
すなわち、3G網およびインターネットで使用するプロトコルと家庭内LAN103で使用するプロトコルとが異なっているため、例えばHGW等にプロトコル変換機能を持たせる必要がある。
図15は、プロトコル変換機能を備えたHGW104の要部構成を示すブロック図である。図示のように、HGW104は、インターネットに接続して通信を行うためのインターフェイスであるインターネット用通信I/F(Inter Face)109と、家庭内LAN103に接続して通信を行うためのインターフェイスである有線LAN通信I/F110と、HTTPと家庭内LAN103で使用する通信プロトコルとの変換を行うプロトコル変換部111と、DLNA機器107との連携制御を行うDLNA処理部112とを備えている。
これにより、インターネット用通信I/F109が通信端末装置108からHTTPにて受信したデータをプロトコル変換部111がプロトコル変換してDLNA処理部112に送り、DLNA処理部112が有線LAN通信I/F110を介して家庭内LAN103に接続されたDLNA機器107との連携制御を行うことにより、通信端末装置108は、家102の外からでも家庭内LAN103に接続されたDLNA機器107を利用することができる。
特開2004−349895(2004年12月9日公開) 特開2004−180020(2004年6月24日公開) 特開2003−18642(2003年1月13日公開)
しかしながら、上記従来の通信システム101では、通信端末装置108のユーザがDLNA機器107を利用する場合に、家102の中では通常のDLNA用のアプリケーションソフトにてDLNA機器107とのデータの送受信操作を行うことができるのに対し、家102の外ではインターネットに接続し、ブラウザにてDLNA機器107とのデータの送受信操作を行う必要がある。その結果、ユーザは、家102の中に居る場合と出先とで異なったユーザインターフェイスによる操作を強いられることになる。
また、上記通信システム101では、DLNA機器107の操作という同じ目的を達成するために、家102の中に居る場合と出先とで使用するアプリケーションが異なる。すなわち、ユーザは、DLNA機器の操作を行うときには、家102の中であれば例えば単に、通信端末装置108にDMPとしての機能を実行させるためのアプリケーションソフトであるDMPアプリを起動させればよいが、家102の外であればまずインターネットに接続する必要がある。そのため、DLNA機器107とのデータ送受信を行うための操作がユーザにとって分かり難いという問題がある。
さらに、上記通信システム101では、家102の外からDLNA機器107を操作するためには、HTTPと家庭内LAN103で使用するプロトコルとを変換するプロトコル変換機能が必須である。プロトコル変換機能は、例えば図15に示したように、HGW104のようなデータ中継装置に設けることができるが、この場合には、HGW104にかかる処理の負荷が大きくなってしまう。
これらの問題は、マルチキャストを利用可能な通信インターフェイス(例えば無線LAN)と、マルチキャストを利用できない通信インターフェイス(例えば3G等の無線)とを備えるデュアル通信端末にて、マルチキャストを行う際に共通して生じる問題である。すなわち、デュアル無線端末にて、例えばJini(登録商標)やMDNS(Multicast Domain Name Server)等のマルチキャストを機器/サービス発見に用いるミドルウエアを使用する場合には、同一の問題が生じる。
以上のように、従来の技術では、第1通信手段(例えば無線LAN通信手段)にて第1ネットワーク(例えば家庭内LAN)に接続できる場合には、例えばDMPアプリを起動させることによって第1ネットワークに接続している電子機器(例えばDLNA機器)を検出できる。
しかしながら、上記従来の技術では、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できない場合には、DMPアプリを起動させたとしても、第1ネットワークに接続している電子機器を検出することはできない。
なお、例えば、インターネット経由でHTTPを使用することによって、第1ネットワークに接続することができるが、この場合に、第1ネットワークに接続している電子機器を検出するためにはプロトコル変換が必要になる。
したがって、上記従来の構成では、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに応じて、第1ネットワークに接続している電子機器の検出方法が変わってしまう。そのため、第1ネットワークに接続している電子機器を検出する場合に、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに応じて、ユーザインターフェイスが変わってしまうという問題があった。また、プロトコル変換を用いる場合には、処理の負荷が大きくなるという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、プロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる通信端末装置等を実現することにある。
本発明の通信端末装置は、上記課題を解決するために、第1ネットワークに接続して通信を行うための第1通信手段と、上記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続して、上記第1ネットワークと上記第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置と通信を行うための第2通信手段と、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する電子機器検出手段と、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断する通信経路判断手段と、上記通信経路判断手段が上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、上記第2通信手段にて上記データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うと共に、上記電子機器検出手段に該仮想プライベートネットワーク接続にて上記電子機器検出情報を送信させる検出情報送信制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の通信端末装置の制御方法は、上記課題を解決するために、第1ネットワークに接続して通信を行うための第1通信手段と、上記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続して、上記第1ネットワークと上記第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置と通信を行うための第2通信手段とを備えている通信端末装置の制御方法であって、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断する通信経路判断ステップと、上記通信経路判断ステップにおいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、上記第2通信手段にて上記データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続を行う仮想プライベートネットワーク接続確立ステップと、上記仮想プライベートネットワーク接続、及び上記データ中継装置経由で、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する電子機器検出ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、通信経路判断手段によって、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かが判断される。そして、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できる場合には、第1通信手段にて第1ネットワークに電子機器検出情報を送信し、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる。
一方、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できない場合には、第2通信手段とデータ中継装置との間で仮想プライベートネットワーク接続が行われる。データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続することにより、あたかも第1ネットワークと直接に接続しているかのように通信を行うことができる。そのため、第2ネットワークを経由しているにも関わらず、プロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに電子機器検出情報を送信し、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる。
したがって、上記の構成によれば、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、またプロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに電子機器検出情報を送信し、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる。
また、上記の構成によれば、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに応じて電子機器検出情報の送信に用いる通信手段が異なっているが、第2通信手段を用いる場合には仮想プライベートネットワーク接続を用いている。その結果、第1通信手段を用いる場合であっても、第2手段を用いる場合であっても、電子機器検出情報の送信方法(例えば通信プロトコル等)を同じにすることができる。
したがって、例えば電子機器検出手段をアプリケーションソフトとして実装した場合には、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、同じアプリケーションソフトに電子機器検出情報を送信させることができる。そのため、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、上記通信端末装置に電子機器の検出を実行させるためのユーザインターフェイスを同じものとすることができる。
また、本発明のデータ中継装置は、上記課題を解決するために、第1ネットワークと、該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置であって、上記第2ネットワークに接続している通信端末装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うための仮想プライベートネットワーク通信手段と、上記通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、上記通信端末装置と上記仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続を確立させる接続制御手段と、上記仮想プライベートネットワーク通信手段が上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を受信した場合に、該受信した電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する転送制御手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明のデータ中継装置の制御方法は、上記課題を解決するために、第1ネットワークと、該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置の制御方法であって、上記データ中継装置は、上記第2ネットワークに接続している通信端末装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うための仮想プライベートネットワーク通信手段を備え、上記通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、上記通信端末装置と上記仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続を確立させる接続制御ステップと、上記仮想プライベートネットワーク通信手段が上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を受信した場合に、該受信した電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する転送制御ステップとを含むことを特徴としている。
上記データ中継装置またはデータ中継装置の制御方法によれば、本発明の通信端末装置が第1通信手段にて第1ネットワークに接続することができない場合に、通信端末装置と仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続が確立される。そして、仮想プライベートネットワーク通信手段が電子機器検出情報を受信した場合には、電子機器検出情報が第1ネットワークに転送される。
したがって、上記データ中継装置またはデータ中継装置の制御方法を用いることによって、通信端末装置は、第2通信手段を用いて第1ネットワークに接続している電子機器を検出することが可能になる。
ここで、上記データ中継装置は、第2ネットワークに接続しているので、第2ネットワークに接続している他の機器から電子機器検出情報を受信することも考えられる。したがって、受信した電子機器検出情報を無条件で第1ネットワークに転送することは、セキュリティの問題から好ましくない。
そこで、上記の構成によれば、通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、仮想プライベートネットワーク接続が確立されるようになっている。
したがって、電子機器検出情報の送信に仮想プライベートネットワーク接続を用いる本発明の通信端末装置が送信する電子機器検出情報のみを、第1ネットワークに転送することができるので、第1ネットワークに接続している電子機器を部外者に検出されることを防ぐことができる。
また、上記検出情報送信制御手段は、上記電子機器検出情報を送信させた後、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出できない場合に、上記電子機器検出手段に電子機器検出情報を再度送信させることが好ましい。
上記本発明の構成によれば、第2通信手段にて第1ネットワークに電子機器検出情報を送信する場合には、データ中継装置によって電子機器検出情報が中継される。そのため、第2通信手段にて第1ネットワークに電子機器検出情報を送信する場合には、データ中継装置において、通信端末装置から受信した電子機器検出情報を第1ネットワークに転送する転送設定が行われている必要がある。
したがって、電子機器検出情報を送信するタイミングによっては、データ中継装置の上記転送設定が行われていない可能性があり、転送設定が行われていない場合には、当然のことながら電子機器は検出されないことになる。
そこで、上記の構成によれば、電子機器を検出できない場合に、電子機器検出情報を再度送信させるようにしている。したがって、第1ネットワークに接続している電子機器をより確実に検出することができる。
また、上記第1通信手段は、無線LANのアクセスポイントを介して上記第1ネットワークと無線LAN通信を行うものであることが好ましい。
第1通信ネットワークへの接続を、アクセスポイントを介した無線LAN接続にすることによって、第1通信ネットワークに接続できる機器をアクセスポイントの近傍の機器に限定することができる。これにより、不特定多数の機器が、第1通信ネットワークに接続している電子機器の検出を行えないようになるので、第1通信ネットワークのセキュリティを高めることができる。
例えば、第1通信ネットワークが家庭内LANである場合に、アクセスポイントを家の中に設置することにより、家の外からは第1通信ネットワークに接続できなくなる。したがって、家の外から部外者に、家庭内LANに接続している電子機器を検出されることを防ぐことができる。
また、上記通信経路判断手段は、上記アクセスポイントまたは第1ネットワークに設定されているSSID(Service Set Identifier)、上記アクセスポイントのMACアドレス、および上記第1ネットワークのセキュリティ設定の少なくとも1つに基づいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断することが好ましい。
現在、無線LAN通信は、一般に広く普及しているので、上記第1通信手段にて無線LAN接続が成功した場合であっても、接続先のネットワークが上記第1ネットワークであるとは限らない。すなわち、第1通信手段が無線LAN接続しているか否かによって、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かを判断することは難しい。
そこで、上記の構成によれば、SSID、アクセスポイントのMACアドレス、および第1ネットワークのセキュリティ設定の少なくとも1つに基づいて、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かを判断している。
ここで、SSID及びMACアドレスは、各ネットワークに固有のものである。したがって、第1ネットワークまたは上記アクセスポイントにおけるこれらの値を予め取得しておき、第1通信手段が無線LAN接続しているネットワークにおけるSSIDまたはMACアドレスと比較することによって、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かを確実に判断することができる。
また、セキュリティ設定も各ネットワークに個別に設定されているものであるから、第1ネットワークにおけるセキュリティ設定を予め取得しておき、第1通信手段が無線LAN接続しているネットワークにおけるセキュリティ設定と比較することによって、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かを判断することができる。なお、セキュリティ設定とは、例えば認証方法やデータ送受信の際の暗号化に用いる鍵交換方法を指す。
また、例えば第1ネットワークまたは第1ネットワークに接続するアクセスポイントに、ユーザ名やパスワード等を予め設定しておくことによって、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かを判断するようにしてもよい。
また、上記仮想プライベートネットワーク接続は、Point to Point Protocol接続、またはSecurity Architecture for Internet Protocolトンネルモード接続であることが好ましい。
なお、PPP接続の代わりに、PPTP接続(Point to Point Tunneling Protocol)を用いてもよい。
また、上記通信端末装置の各手段を備えている携帯電話機であって、上記第2通信手段は、3G無線通信網経由で上記第2ネットワークに接続するものである携帯電話機によれば、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、またプロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに電子機器検出情報を送信し、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる。
また、現在、広く使用されている携帯電話機は、3G無線通信網に接続するための通信手段を備えている。したがって、第2通信手段を3G無線通信網経由で上記第2ネットワークに接続するものとすることにより、第2通信手段を携帯電話機による通話やメール、インターネットアクセス等の用途に流用することができる。
また、上記通信経路判断手段は、携帯電話網を形成する基地局のうち、現在接続可能な基地局を示す基地局情報に基づいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができるか否かを判断することが好ましい。
携帯電話網は、複数の基地局によって形成されており、携帯電話機は、上記複数の基地局の中で最も近い基地局から携帯電話網に接続するようになっている。したがって、現在接続可能な基地局を示す基地局情報から、携帯電話機の現在位置をある程度特定することができる。
ここで、第1通信手段にて第1ネットワークに接続可能な地域は予めわかっているので、携帯電話機の現在位置が特定されることにより、第1通信手段にて第1ネットワークに接続することができるか否かを判断することができる。例えば、第1ネットワークが家庭内LANである場合に、上記基地局情報が、家から接続可能な基地局以外の基地局に接続可能であることを示しているときには、携帯電話機は第1通信手段にて第1ネットワークに接続することができないと判断することができる。
なお、SSIDや、MACアドレス、セキュリティ設定等と、上記基地局情報との両方を用いることにより、第1通信手段にて第1ネットワークに接続することができるか否かをさらに確実に判断することができる。
また、上記通信端末装置または上記携帯電話機と、上記データ中継装置とを含む通信システムであれば、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、またプロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに電子機器検出情報を送信し、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる。
なお、上記通信端末装置、携帯電話機、及びデータ中継装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記通信端末装置、携帯電話機、及びデータ中継装置の各手段として動作させることにより、上記通信端末装置、携帯電話機、及びデータ中継装置をコンピュータにて実現させるプログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明の通信端末装置は、第1ネットワークに接続して通信を行うための第1通信手段と、上記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続して、上記第1ネットワークと上記第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置と通信を行うための第2通信手段と、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する電子機器検出手段と、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断する通信経路判断手段と、上記通信経路判断手段が上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、上記第2通信手段にて上記データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うと共に、上記電子機器検出手段に該仮想プライベートネットワーク接続にて上記電子機器検出情報を送信させる検出情報送信制御手段とを備えている構成である。
また、本発明の通信端末装置の制御方法は、以上のように、第1ネットワークに接続して通信を行うための第1通信手段と、上記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続して、上記第1ネットワークと上記第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置と通信を行うための第2通信手段とを備えている通信端末装置の制御方法であって、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断する通信経路判断ステップと、上記通信経路判断ステップにおいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、上記第2通信手段にて上記データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続を行う仮想プライベートネットワーク接続確立ステップと、上記仮想プライベートネットワーク接続、及び上記データ中継装置経由で、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する電子機器検出ステップとを含む構成である。
そして、本発明のデータ中継装置は、以上のように、第2ネットワークに接続している通信端末装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うための仮想プライベートネットワーク通信手段と、上記通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、上記通信端末装置と上記仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続を確立させる接続制御手段と、上記仮想プライベートネットワーク通信手段が第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を受信した場合に、該受信した電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する転送制御手段とを備えている構成である。
また、本発明のデータ中継装置の制御方法は、以上のように、データ中継装置は、上記第2ネットワークに接続している通信端末装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うための仮想プライベートネットワーク通信手段を備え、上記通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、上記通信端末装置と上記仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続を確立させる接続制御ステップと、上記仮想プライベートネットワーク通信手段が第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を受信した場合に、該受信した電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する転送制御ステップとを含む構成である。
したがって、第1通信手段にて第1ネットワークに接続できるか否かに関わらず、またプロトコル変換を行うことなく、第1ネットワークに電子機器検出情報を送信し、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図7に基づいて説明すると以下の通りである。まず、図2に基づいて本実施形態の通信システムについて説明する。図2は、通信システム1の概要を示す図である。図示のように、通信システム1は、図14に示す従来の通信システム101と比べて、通信端末装置108aおよび108bが通信端末装置11aおよび11bに変わっている。また、HGW104がHGW(データ中継装置)21に変わり、そのため家庭内LAN103が家庭内LAN(第1ネットワーク)2に変わっている。そして、3G網から回線交換網経由でHGW21に接続できるようになっている。以下では、従来の通信システム101と異なる点についてのみ説明する。
〔通信端末装置の詳細〕
まず、通信端末装置11の詳細について図1に基づいて説明する。図1は、通信端末装置11およびHGW21の要部構成を示すブロック図である。図示のように、通信端末装置11は、記憶部12、DMP制御部(電子機器検出手段、通信経路判断手段)13、端末側PPP接続制御部(検出情報送信制御手段)14、無線LAN通信I/F(第1通信手段)15、端末側PPP擬似通信I/F(第2通信手段)16、および3G通信I/F17を備えている。また、通信端末装置11は、図示していない入力部(例えば入力キー等)や、表示部(例えば液晶表示装置)、通信端末装置11の動作を統括的に制御する中央制御部等を備えている。
なお、図1は、図2に示す通信端末装置11aと11bとで共通している構成について記載している。すなわち、通信端末装置11aと11bとは、本発明の特徴点に関わる構成が同一である。そこで、以下では、通信端末装置11aを例に説明を進める。以下の説明では、通信端末装置11aを指して通信端末装置11と表記する。
ここでは、通信端末装置11aが携帯電話機であることを想定している。すなわち、通信端末装置11aは、図示の構成に加えて、3G網を利用して通話や電子メールの送受信を行う機能、音声ファイルや動画ファイルの再生機能等を備えていることを想定している。
記憶部12は、通信端末装置11で使用するデータやプログラム等を読み出し可能に記憶するものである。具体的には、記憶部12には、通信端末装置11が動作する上で最低限必要となるデータ、例えばBIOS(basic input output system)のプログラムデータやOS(operating system)のプログラムデータなどが記憶されている。また、記憶部12には、無線LAN通信I/F15の接続先を判断するための接続先データが記憶されている。接続先データについては後述する。
DMP制御部13は、無線LAN通信にて家庭内LANに接続して通信することができるか否かを判断する。そして、無線LAN通信にて家庭内LANに接続して通信することができると判断した場合には、無線LAN通信にてマルチキャストによるDLNA対応機器(例えばDLNA機器107)の検索を行う。一方、無線LAN通信にて通信することができないと判断した場合には、後述のPPP(Point to Point Protocol)接続にてマルチキャストによるDLNA対応機器の検索を行う。すなわち、DMP制御部13は、マルチキャストによるDLNA対応機器の検索の際に使用する通信経路を判断・決定し、該決定した通信経路にてマルチキャストによるDLNA対応機器の検索を行う。
また、DMP制御部13は、マルチキャストによって通信端末装置11と通信可能なDLNA対応機器を検出し、該検出したDLNA対応機器のリストを表示部に表示させる。そして、表示させたリスト内のDLNA対応機器が選択された場合に、該選択されたDLNA対応機器が通信端末装置11へとデータを送信するように要求する信号を送信する。これにより、通信端末装置11は、DMPとして機能する。
本実施形態では、DMP制御部13をソフトウェアによって実現する例について説明する。なお、以下では、このソフトウェアをDMPアプリと呼ぶ。DMP制御部13は、入力部への所定の入力操作によって起動するようになっている。
端末側PPP接続制御部14は、通信端末装置11がPPP接続するための処理を行う。具体的には、端末側PPP接続制御部14は、PPP接続対象となる端末(ここではHGW21)に対して通信端末装置11とのPPP接続を要求する信号であるPPP接続要求を送信する。そして、上記送信したPPP接続要求に対して、PPP接続を許可する信号であるPPP接続許可が返ってきた場合に、上記PPP接続対象となる端末とのPPP接続を確立する。
ここで、PPP接続を行う場合には、モデム等の通信デバイスを用い、その上にソフトウェアでPPP層を作成する必要がある。PPP層は、IP層の下に位置する層であって、便宜上、通常の通信デバイス(例えば有線LAN通信を行うための通信インターフェイス)と同様に扱う必要がある。
したがって、PPP接続を行う場合には、OS上では、仮想的なPPP接続用のデバイスがあるものとして管理する必要がある。この仮想的なPPP接続用のデバイスが端末側PPP擬似通信I/F16である。すなわち、通信端末装置11では、PPP接続を行う場合に、通信デバイスとして端末側PPP擬似通信I/F16が指定される。なお、実際には、PPP接続は、3G通信I/F17、3G網、および回線通信網(第2ネットワーク)を介して行われる。この擬似デバイスの手法は、IPSec(Security Architecture for IP)等でも使われている。
無線LAN通信I/F15は、無線LAN通信を行うためのインターフェイスである。通信端末装置11は、無線LAN通信I/F15を介してAP106に接続し、家庭内LAN2に接続することができる。なお、ここでは、無線LAN通信にWi‐Fi(登録商標)を用いることを想定しているが、この例に限られない。本発明には公知の通信手段を適用することができる。
3G通信I/F17は、通信端末装置11が3G通信網(3G網)を介してインターネットまたは回線通信網(一般電話回線)に接続して通信を行うためのインターフェイスである。上述のように、通信端末装置11にてPPP接続を行う場合には、端末側PPP擬似通信I/F16および3G通信I/F17を介して通信が行われる。
以上のように、通信端末装置11は、無線LAN通信I/F15を備えているので、無線LAN通信にて家庭内LAN2に接続することができる。また、通信端末装置11は、PPP接続を用い、HGW21経由で家庭内LAN2に接続することもできる。すなわち、通信端末装置11は、いわゆるデュアル無線端末である。また、通信端末装置11は、DLNA対応機器でもある。
〔HGWの詳細〕
次に、HGW21の詳細について、上記と同じく図1に基づいて説明する。図示のように、HGW21は、有線LAN通信I/F22、インターネット通信I/F23、PPP擬似通信I/F(仮想プライベートネットワーク通信手段)24、回線通信網通信I/F25、ルーティング制御部(転送制御手段)26、マルチキャスト制御部27、およびPPP接続制御部(接続制御手段)28を備えている。また、図示していないが、HGW21は、HGW21で使用する各種データ(OSやBIOS等を含む)を格納する記憶部12と、HGW21の動作を統括的に制御する中央制御部とを備えている。
有線LAN通信I/F22は、家庭内LAN2に有線LANにて接続して通信するためのインターフェイスである。また、インターネット通信I/F23は、インターネットに接続して通信するためのインターフェイスである。そして、PPP擬似通信I/F24は、PPP接続にて通信を行うときに使用する仮想的な通信インターフェイスである。また、回線通信網通信I/F25は、回線通信網に接続して通信するためのインターフェイスである。
ルーティング制御部26は、有線LAN通信I/F22、インターネット通信I/F23、およびPPP擬似通信I/F24の間でルーティングを行うことにより、HGW21が受信したデータを所望の転送先へ転送する。例えば、ルーティング制御部26が有線LAN通信I/F22からPPP擬似通信I/F24へとルーティングを行った場合には、有線LAN通信I/F22経由でHGW21が受信したデータはPPP擬似通信I/F24に転送されることになる。
マルチキャスト制御部27は、マルチキャストのルーティングを制御するものである。具体的には、マルチキャスト制御部27は、IGMPホストメンバシップクエリ(Internet Group Management Protocol Host Membership Query)を所定のネットワーク(例えば家庭内LAN2)に送信する。
ここで、DLNAに対応している機器(例えばDLNA機器107a〜107c)は、IGMPホストメンバシップクエリを受信すると、IGMPホストメンバシップリポート(Internet Group Management Protocol Host Membership Report)を返す。そして、マルチキャスト制御部27は、返ってきたIGMPホストメンバシップリポートによって、以後のマルチキャストの送信先を決定することができる。なお、マルチキャスト制御部27は、例えばPIM−DM(Protocol‐Independent Multicast−Dense Mode)等を用いたソフトウェアによって実現することができる。
PPP接続制御部28は、HGW21がPPP接続するための処理を行う。具体的には、PPP接続制御部28は、PPP接続要求があった場合に、所定の認証処理を行う。そして、認証の結果、上記接続要求が正当であると判断した場合には、PPP接続の要求元とPPP接続を確立する。
また、PPP接続制御部28は、PPP接続を確立する場合には、PPP用の擬似デバイスつまり、PPP擬似通信I/F24を有効化する。この際、PPP接続制御部28は、有線LAN通信I/F22に接続されているDLNA機器107とIP接続性のある(HGW21のルーティング制御部26でルーティング可能な)IPアドレスをPPP接続の要求元である通信端末装置11に割り当てる。
以上のように、HGW21は、有線LAN通信にて家庭内LAN2に接続してDLNA機器と通信を行うことができると共に、PPP接続による通信を行うこともできる。すなわち、通信システム1では、通信端末装置11は、無線LAN通信I/F15にて直接家庭内LAN2に接続する通信経路と、PPP接続を用い、HGW21を介して家庭内LAN2に接続する通信経路との2通りの通信経路(接続方法)にて家庭内LAN2に接続できるようになっている。
〔通信システムにおける処理の流れ〕
以下では、通信システム1における接続方法決定処理の流れについて図3に基づいて説明する。図3は、通信端末装置11が実行する接続方法決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。接続方法決定処理は、DMP制御部13が起動されることによって開始される。上述のように、ここでは、DMP制御部13の機能は、DMPアプリにて実現されることを想定しているので、通信端末装置11のユーザが入力部に所定の入力操作を行い、DMPアプリを立ち上げることによって上記接続方法決定処理が開始される。
DMPアプリは、まず無線通信I/Fの接続先が家庭内LAN2であるか否かを確認する(S1)。接続先の確認方法は特に限定されないが、例えばSSIDの値や、WPA(Wireless Application Protocol)もしくはWEP(Wired Equivalent Protocol)キー等のセキュリティの設定値、AP106のMAC(Media Access Control)アドレス等から接続先が家庭内LAN2であるか否かを判断することができる。
なお、ここでは、記憶部12に接続先データとして、家庭内LAN2の設定が記憶されていることを想定している。つまり、DMPアプリは、無線LAN通信I/F15の現在の接続先における通信設定と上記接続先データに含まれる家庭内LAN2の設定とを比較し、両者が一致するか否かによって接続先が家庭内LAN2であるか否かを判断する。
例えば、接続先データとして、下記の表1に示すようなデータを格納しておけばよい。この場合には、無線LAN通信I/F15の接続先のSSID値が、SSID(1)であれば、DMPアプリは、通信端末装置11が家102の中にある、すなわちAP106経由で家庭内LAN2に直接接続していると判断する。一方、SSID値が、SSID(1)とは異なる値であったり、無線LAN通信I/F15の接続先が検出できなかったりした場合には、DMPアプリは、無線通信I/Fの接続先が家庭内LAN2ではないと判断する。
Figure 2009147517
なお、通信端末装置11が家102の中に存在しない、すなわちAP106に接続できる状態ではない場合であっても、上記接続先データと無線LAN通信I/F15の接続先の設定値(例えばSSID)とが偶然に一致してしまう場合も考えられる。このような場合には、家庭内LAN2以外のネットワークに接続が試みられることになるので好ましくない。
ここで、所定のLAN(例えば家庭内LAN2)に接続できる場所(例えば家102の中)から接続できる3G無線の基地局を示す基地局データを利用することにより、無線通信I/Fの接続先が家庭内LAN2であるか否かの判断精度を向上させることができる。すなわち、通信端末装置11が現在利用できる3G無線の基地局と、所定のLAN(家庭内LAN2)が利用できる場所(家102の中)にて利用できる3G無線の基地局とが一致するか否かを確認することにより、無線通信I/Fの接続先が所定のLAN(家庭内LAN2)であるか否かをより正確に判断することができる。
例えば、家102と同じSSIDを使ったAP106に接続しているにも関わらず、3Gの接続している基地局が家102の近傍の基地局ではない場合は、家庭内LAN2には接続していないと判断することができる。これにより、家庭内LAN2以外のネットワークに接続を試みることを防ぐことができる。上記基地局データは、接続先データと同様に記憶部12に格納しておけばよい。
S1にて、無線通信I/Fの接続先が家庭内LAN2であると判断した場合(S1でYES)には、DMPアプリは、無線LAN通信I/F15に向けて接続処理を実行する(S2)。すなわち、この場合には、通信端末装置11は、無線LAN通信I/F15を介してAP106に接続し、DLNA機器107と通信を行う。
無線LAN通信I/F15を介してDLNA機器107と通信を行う場合の処理の流れについて、図4に基づいて説明する。図4は、通信端末装置11が無線LAN通信I/F15を介してDLNA機器107と通信を行う場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。なお、このタイミングチャートは、図3のフローチャートのS2における処理に相当する。
DMPアプリは、まず無線LAN通信I/F15を有効化する。これは、通信端末装置11が複数の通信デバイス(無線LAN通信I/F15、端末側PPP擬似通信I/F16、および3G通信I/F17)を備えているので、IPパケットの出口制御をする必要があるためである。DMPアプリが無線LAN通信I/F15を有効にすることによって、無線LAN通信I/F15からAP106に無線LAN接続してUPnP処理を行うことができるようになる。
ここで、無線LAN通信I/F15に関して少し説明を行う。通常、OS上で通信デバイスは何らかの名前で管理される。例えば、Linux(登録商標)上において、通信デバイスは、有線LANの場合にはeth0、eth1、…のような名前で管理され、無線LANの場合にはwlan0、wlan1、…のような名前で管理されることが多い。また、BSD(Berkeley Software Distribution)系のOSでは、使用されるデバイスドライバによって通信デバイスがem0、em1、…のような名前や、xl0、xl1、…のような名前で管理されることが多い。
このように、通信デバイスは、OS毎に様々な名前で管理されているが、これらの名前自体には意味はなく、OS上で管理される名前と、実際のデバイスとが1対1で対応付けられている事が重要である。これは、上述したOS以外にもあてはまる。
つまり、通信デバイスの名前は、OS上で管理に使用される名称であると共に、実際の通信デバイスと関連付けられている必要がある。例えば、HGW21において、有線LAN通信I/F22との名前は、HGW21のOS上で管理される名前であると共に、HGW21が実際に有線LAN通信に用いる通信デバイスを示す名前でもある。同様に、通信端末装置11において、無線LAN通信I/F15は、通信端末装置11のOS上での管理名であると共に、通信端末装置11が実際に無線LAN通信に用いる通信デバイスを示す名前でもある。
すなわち、無線LAN通信I/F15を有効化する処理は、OS上において「無線LAN通信I/F15」との管理名で指定される通信デバイスにて通信を行うように設定する処理に相当する。また、無線LAN通信I/F15は、実際に無線LAN通信に使用できる通信デバイスであるから、上記処理によって、無線LAN通信I/F15を介した無線LAN通信が可能になる。
DMPアプリは、以後、通常と同様にDMPとしての処理を行う。すなわち、DMPアプリは、無線LAN通信I/F15宛にマルチキャストを行うことにより、DLNA機器を検索する。具体的には、DMPアプリは、無線LAN通信I/F15に対して、239.255.255.250:1900宛のパケットを送信する。このパケットは、マルチキャストパケットであり、また上述のように、ここでは無線LAN通信I/F15が有効化されているので、上記パケットは無線LAN通信I/F15からAP106を介してDLNA機器107に送られることになる。
DLNA機器107は、マルチキャストを受信すると、該受信したマルチキャストの送信元に対して返答を返す。すなわち、該返答は、家庭内LAN2からAP106を介して通信端末装置11の無線LAN通信I/F15に送られることになる。DMPアプリは、上記返答を受信することにより、データの送受信が可能なDLNA機器107を特定することができ、これらの機器をリストとして表示部に表示させることが可能になる。そして、これにより、DMPアプリは、DLNA機能を利用することができるようになる。
一方、S1にて、無線通信I/Fの接続先が家庭内LAN2ではないと判断した場合(S1でNO)には、DMPアプリは、端末側PPP擬似通信I/F16を有効化し(S3)、該有効化した端末側PPP擬似通信I/F16に向けて接続処理を実行する(S4)。すなわち、この場合には、通信端末装置11は、HGW21にPPP接続を行い、HGW21経由でDLNA機器と通信を行う。
〔PPP接続を利用した接続処理(通信端末装置側)〕
以下では、通信システム1の最大の特徴点である、PPP接続を利用した接続処理について説明する。この処理は、図3のS3およびS4に示す処理に対応している。ここでは、まず、通信端末装置11で行われる接続処理について、図5に基づいて説明する。図5は通信端末装置11で行われるPPP接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。
まず、DMPアプリは、端末側PPP擬似通信I/F16を有効化させる(S11)。続いて、DMPアプリは、端末側PPP接続制御部14に指示してPPP接続要求を送信させる(S12)。S11にて端末側PPP擬似通信I/F16が有効化されているので、PPP接続要求は、端末側PPP擬似通信I/F16から送信されることになる。
端末側PPP接続制御部14は、PPP接続要求を送信した後は、PPP接続許可の受信を待ち受ける(S13)。所定の時間が経過しても、PPP接続許可の受信が確認できない場合(S13でNO)には、端末側PPP接続制御部14は、S12に戻って再度PPP接続要求を送信する。
一方、PPP接続許可の受信を確認した場合(S13でYES)には、端末側PPP接続制御部14は、PPP接続が確立されたことをDMPアプリに伝達する。DMPアプリは、PPP接続の確立を確認すると、マルチキャストによるDLNA機器の検索、すなわちUPnPの機器発見フェーズの処理を行う(S14)。
具体的には、DMPアプリは、239.255.255.250:1900宛にパケットを送信する。この239.255.255.250:1900宛のパケットは、PPP接続にてHGW21に送られる。詳細については後述するが、HGW21では、マルチキャストのルーティングが行われているので、上記パケットは家庭内LAN2に転送されて、DLNA機器107に送信される。そして、上記パケットを受信したDLNA機器107は、通信端末装置11に返答を返す。
DMPアプリが上記返答の受信を確認した(S15)後は、ユニキャストで処理が行われ、通信端末装置11のユーザは、DLNA機器107を利用することができるようになる。したがって、接続処理はここで終了ということになる。
〔PPP接続を利用した接続処理(HGW側)〕
続いて、HGW21で行われる接続処理について、図6に基づいて説明する。図6はHGW21で行われるPPP接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。図示のように、HGW21側の接続処理は、図5のフローチャートのS12にて端末側PPP接続制御部14が送信したPPP接続要求が回線通信網通信I/F25にて受信されることによって開始される(S21)。
回線通信網通信I/F25におけるPPP接続要求の受信は、PPP接続制御部28にて検知される。PPP接続制御部28は、PPP接続要求の受信を確認すると、所定の認証処理を行う(S22)。認証の結果、正当であると認められた場合には、PPP接続制御部28は、通信端末装置11とのPPP接続を確立し、PPP接続用の擬似デバイス、すなわちPPP擬似通信I/F24を有効にする(S23)。
また、PPP接続制御部28は、PPP接続が可能であることを示す信号であるPPP接続許可を上記有効にしたPPP擬似通信I/F24を介して通信端末装置11に送信する(S24)。さらに、PPP接続制御部28は、DLNA機器107とIP接続性のある、すなわちルーティング制御部26でルーティング可能なIPアドレスを通信端末装置11に割り当てる。これにより、DLNA機器107と通信端末装置11とのPPP接続による通信が可能になる。なお、この後PPP接続を用いてマルチキャストのルーティングを行うため、メトリックは十分小さく設定することが好ましい。
続いて、PPP接続制御部28は、HGW21のOS上で有線LAN通信用デバイスとして管理される有線LAN通信I/F22と、上記有効化したPPP擬似通信I/F24との間でマルチキャストルーティングを行うように、マルチキャスト制御部27をこれらのインターフェイスに向けて起動する(S25)。
マルチキャスト制御部27は、マルチキャストパケットの転送が必要な機器を確認するため、IGMPホストメンバシップクエリを、有線LAN通信I/F22を介して家庭内LAN2へと送信する(S26)。なお、IGMPホストメンバシップクエリをPPP擬似通信I/F24宛にも送信するようにしてもよいが、ここでは簡単のため有線LAN通信I/F22宛にのみ送信する例について説明する。
家庭内LAN2には、DLNA機器107が接続されているので、S26にて送信されたIGMPホストメンバシップクエリは、DLNA機器107に伝達される。IGMPホストメンバシップクエリを受け取ったDLNA機器107は、239.255.255.250宛にIGMPホストメンバシップリポートを返す。HGW21は、有線LAN通信I/F22を介して上記IGMPホストメンバシップリポートを受信する(S27)。
マルチキャスト制御部27は、IGMPホストメンバシップリポートの受信を確認すると、239.255.255.250宛のパケットの転送設定(ルーティング)をルーティング制御部26に対して行う(S28)。このルーティングにより、HGW21に239.255.255.250宛で送られてきたパケットが上記IGMPホストメンバシップリポートの送信元のDLNA機器107に転送されることになる。
すなわち、マルチキャスト制御部27は、通信端末装置11からPPP接続にて送られてくる239.255.255.250:1900宛のパケット、すなわちマルチキャストを受信すると、これを家庭内LAN2へと転送する(S29)。そして、このマルチキャストに対してDLNA機器107から返ってくる返答を通信端末装置11へと転送する(S30)。
以後、同様に、通信端末装置11から送られてくるデータ(例えばコンテンツ配信要求)は、DLNA機器107に転送されると共に、DLNA機器107から送られてくるデータ(例えば通信端末装置11から要求されたコンテンツのデータ)は、通信端末装置11に転送される。これにより、通信端末装置11は、家102の外からでもDLNA機器107を利用することができる。
〔PPP接続を利用した接続処理(通信システム全体)〕
次に、上述のPPP接続を利用した接続処理の通信システム1全体からみた処理の流れについて、図7に基づいて説明する。図7は、通信システム1におけるPPP接続を利用した接続処理の一例を示すタイミングチャートである。上述のように、PPP接続を利用した接続処理は、DMPアプリが通信端末装置11が家102の外、すなわち家庭内LAN2にAP106経由で接続できないと判断した場合に開始される。
まず、通信端末装置11のDMPアプリは、端末側PPP擬似通信I/F16を有効にすると共に、端末側PPP接続制御部14に指示して上記有効化した端末側PPP擬似通信I/F16からHGW21にPPP接続要求を送信させる。
HGW21のPPP接続制御部28は、上記PPP接続要求の受信を確認すると、認証処理を行い、有効と認められたときには、PPP擬似通信I/F24を有効化し、該有効化したPPP擬似通信I/F24から通信端末装置11にPPP接続許可を送信する。このPPP接続許可の受信を端末側PPP接続制御部14が確認することによって、通信端末装置11とHGW21とのPPP接続が確立されることになる。
HGW21のPPP接続制御部28は、上記PPP接続許可を送信すると、次にマルチキャスト制御部27を、上記有効化したPPP擬似通信I/F24と家庭内LAN2に接続している有線LAN通信I/F22とに向けて起動させる。
マルチキャスト制御部27は、DLNA機器107にIGMPホストメンバシップクエリを送信する。そして、上記IGMPホストメンバシップクエリを受信したDLNA機器107は、IGMPホストメンバシップリポートを返す。マルチキャスト制御部27は、該返ってきたIGMPホストメンバシップリポートに基づいてマルチキャストのルーティングを行う。
ここで、通信端末装置11のDMPアプリは、PPP接続が確立されたことを確認すると、上記確立したPPP接続にてマルチキャストを行う。具体的には、上記マルチキャストは、PPP擬似通信I/F24宛に送信される。上述のように、HGW21では、マルチキャストのルーティングが行われているので、このマルチキャストは、有線LAN通信I/F22から家庭内LAN2のDLNA機器107へと転送される。
上記転送されたマルチキャストを受信したDLNA機器107は、有線LAN通信I/F22宛に返答を返し、この返答は上記ルーティングにより、PPP擬似通信I/F24を介して通信端末装置11へと転送される。この返答の受信を通信端末装置11のDMPアプリが確認することにより、接続処理は終了する。
以上のように、本発明の通信システム1によれば、家庭内LAN2に無線LAN接続できない場合には、PPP接続にてHGW21を介して家庭内LAN2に接続する。この構成によれば、従来のようにHTTPのプロトコル変換を行う必要がないので、マルチキャストを行う際にHGW21に過剰な負荷がかかることがない。
また、通信端末装置11を利用するユーザは、DLNA機器107を利用する場合には、通信端末装置11の使用場所が家102の外であっても中であっても、同一のソフトウェア(DMPアプリ)を起動させるだけでDLNA機器に接続することが可能となる。すなわち、通信システム1は、従来の通信システム101と比べてユーザの操作性が向上している。
〔実施の形態2〕
上記実施形態では、家102の外から家庭内LAN2に接続する場合に、PPP通信を用いる例について説明した。本実施形態では、家102の外から家庭内LAN2に接続する際に別の通信手段を用いる例について図8から図13に基づいて説明する。なお、上記実施形態と同様の処理および構成については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図8は、本実施形態の通信システム31の概要を示す図である。図示のように、通信システム31では、図2に示した通信システム1と比べて、通信端末装置11が通信端末装置41に変わっている。また、HGW21がHGW(データ中継装置)51に変わり、これにより家庭内LAN2が家庭内LAN(第1ネットワーク)32に変わっている。そして、3G網がWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave access、登録商標)網に変わっており、回線通信網がなくなっている。これらの点を除けば通信システム1と通信システム31とは同様の構成であるから、以下ではその相違点を中心に説明する。
〔通信端末装置の詳細〕
まず、通信端末装置41の詳細な構成について図9に基づいて説明する。図9は、通信端末装置41およびHGW51の要部構成を示すブロック図である。図示のように、通信端末装置41は、記憶部12、通信経路判断部(通信経路判断手段)42、DMP制御部(電子機器検出手段)43、端末側IPsec接続制御部(検出情報送信制御手段)44、無線LAN通信I/F15、端末側IPsec擬似通信I/F(第2通信手段)45、およびWiMAX通信I/F46を備えている。
なお、図9は、図8に示す通信端末装置41aと41bとで共通している構成について記載している。すなわち、通信端末装置41aと41bとは、本発明の特徴点に関わる構成が同一である。そこで、以下では、通信端末装置41bを例に説明を進める。以下の説明では、通信端末装置41bを指して通信端末装置41と表記する。
なお、ここでは、通信端末装置41bがPDAであることを想定している。すなわち、通信端末装置41bは、図示の構成に加えて、3G音声ファイルや動画ファイルの再生機能、スケジュール管理機能等を備えていることを想定している。
通信経路判断部42は、無線LAN通信I/F15の接続先が家庭内LAN32であるか否かの確認を行う。上記実施形態では、DMP制御部13(DMPアプリ)が無線LAN通信I/F15の接続先が家庭内LAN32であるか否かの判断を行っていたが、本実施形態では同じ処理を通信経路判断部42が行う。なお、本実施形態では、通信経路判断部42の機能をソフトウェア(前処理アプリ)によって実現する例について説明する。DMP制御部43は、利用可能なDLNA機器107の検索のために、マルチキャストの送信制御を行う。また、DMP制御部43は、通信端末装置41をDMSとして機能させるための処理も行う。すなわち、DMP制御部43は、上記実施形態のDMP制御部43から、無線LAN通信I/F15の接続先が家庭内LAN32であるか否かの判断を行う機能を除外した機能を有している。本実施形態では、DMP制御部43の機能をソフトウェア(DMPアプリ)によって実現する例について説明する。
端末側IPsec接続制御部44は、IPsecトンネルモード接続を行うための処理を実行する。これにより、通信端末装置41は、IPsecトンネルモード接続を利用して通信を行うことができるようになる。端末側IPsec接続制御部44の機能は、例えばIKE(Internet Key Exchange)デーモンにて実現することができる。
端末側IPsec擬似通信I/F45は、通信端末装置41がIPsecトンネルモード接続を行う際に使用される仮想的な通信デバイスである。すなわち、IPsecトンネルモード接続を行う場合に端末側IPsec擬似通信I/F45は有効化される。そして、端末側IPsec接続制御部44の制御によってIPsecトンネルモード接続が確立される。
WiMAX通信I/F46は、WiMAX網に接続して通信するためのインターフェイスである。すなわち、通信端末装置41は、WiMAX通信I/F46を用い、WiMAX網を介してインターネットに接続するようになっている。なお、通信端末装置41は、インターネットに接続して通信を行うためのインターフェイスを少なくとも1つ備えていればよく、そのインターフェイスはWiMAX通信I/F46に限られない。
〔HGWの詳細〕
次に、HGW51の詳細な構成について上記と同じく図9に基づいて説明する。図示のように、HGW51は、有線LAN通信I/F22、インターネット通信I/F23、IPsec擬似通信I/F(仮想プライベートネットワーク通信手段)52、ルーティング制御部26、マルチキャスト制御部53、およびIPsec接続制御部(接続制御手段)54を備えている。
IPsec擬似通信I/F52は、HGW51がIPsecトンネルモード接続を行う際に使用される仮想的な通信デバイスである。すなわち、IPsecトンネルモード接続を行う場合にIPsec擬似通信I/F52は有効化される。
マルチキャスト制御部53は、マルチキャストのルーティングを制御するものである。マルチキャスト制御部53は、上記実施形態におけるマルチキャスト制御部27と同様の処理を行う。本実施形態では、マルチキャスト制御部53をDVMRP(Distance Vector Multicast Routing Protocol)モジュールにて実現した例について説明する。
IPsec接続制御部54はIPsecトンネルモード接続を行うための処理を実行する。これにより、HGW51は、通信端末装置41とIPsecトンネルモード接続を行うことができる。IPsec接続制御部54の機能は、端末側IPsec接続制御部44と同様に、例えばIKEデーモンにて実現することができる。
〔通信システムにおける処理の流れ〕
本実施形態の通信システム31も、上記実施形態の通信システム1と同様に、図3のフローチャートの流れに従って動作するので、通信システム31における接続方法決定処理の流れについて図3に基づいて説明する。接続方法決定処理は、前処理アプリ(通信経路判断部42)が起動されることによって開始される。前処理アプリは、通信端末装置41のユーザが入力部に所定の入力操作を行うことによって起動される。
前処理アプリは、記憶部12の接続先データを参照して、無線LAN通信I/F15の接続先ネットワークが家庭内LAN32であるか否かを確認する。ここでは、下記の表2に示す接続先データが記憶部12に格納されていることを想定している。なお、表2において、WPAは、「Wi−Fi Protected Access」を、AESは「Advanced Encryption Standard」を、PEAPは「Protected Extensible Authentication Protocol」をそれぞれ表している。
また、表2における設定値は、各接続先ネットワークに接続するために使用する値である。具体的には、「HOGEHOGE」は秘密鍵のアスキー値であり、「USER」の欄にはユーザ名、「PASS」の欄にはユーザ名に対するパスワードが示されている。ユーザ名やパスワードは、ネットワークまたはネットワークにアクセスするためのアクセスポイントにユーザが予め登録しておくことができる。
Figure 2009147517
上記実施形態と同様に、接続先データは、無線LAN通信I/F15の接続先を判断するためのデータである。表2の例では、SSID値、セキュリティモード、認証モード、設定値、およびネットワークの場所が示されている。前処理アプリは、この接続先データと、現在無線LAN通信I/F15の接続先となっているネットワークの設定とを対比することで、無線LAN通信I/F15の接続先のネットワークを特定する。
例えば、前処理アプリは、無線LAN通信I/F15の接続先となっているネットワークが、下記の表3に示す設定であることを検出した場合には、上記表2と下記表3とを対比することにより、無線LAN通信I/F15の接続先ネットワークが、家102の中のネットワーク、すなわち家庭内LAN32であると判断することができる。
なお、表3では、SSID値、セキュリティモード、認証モード、および設定値が示されているが、これらの項目の少なくとも1つを調べることで、無線LAN通信I/F15の接続先のネットワークを特定することができる。すなわち、通信設定の全部が一致した場合に加え、通信設定の一部が一致した場合にも有線LAN通信I/F22がAP106と接続していると判断するようにしてもよい。
例えば、無線LAN通信I/F15の接続先のSSID値がABCであれば、セキュリティモード等の他の設定に関わらず、無線LAN通信I/F15の接続先が家庭内LAN32であると判断するようにしてもよい。この構成によれば、無線LAN通信I/F15の接続先を迅速に決定することができる。
また、接続先データは、前処理アプリが無線LAN通信I/F15の接続先が家庭内LAN32であるか否かを判断できるものであればよく、上述の例に限られない。例えば、接続先データとしてAP106のMACアドレス等を利用することもできる。
Figure 2009147517
前処理アプリは、無線LAN通信I/F15が接続しているネットワークの場所が家102の中、すなわち接続先が家庭内LAN32であると判断した場合(S1でYES)には、前処理アプリは、無線LAN通信I/F15に向けてDMPアプリ(DMP制御部43)を起動する。起動されたDMPアプリは、無線LAN通信I/F15に向けて接続処理を行う(S2)。
これにより、無線LAN通信I/F15およびAP106を介した通信により、DLNA機器に接続することが可能になる。無線LAN通信I/F15およびAP106を介した通信によるDLNA機器への接続については、上記実施形態で説明したとおりであるから、ここでは説明を省略する。
一方、S1にて、無線通信I/Fの接続先が家庭内LAN32ではないと判断した場合(S1でNO)には、前処理アプリは、端末側IPsec擬似通信I/F45を有効化する(S3)。例えば、通信網判断部は、無線LAN通信I/F15の接続先となっているネットワークが、下記の表4に示す設定であることを検出した場合には、上記表2と下記表4とを対比することにより、無線LAN通信I/F15の接続先ネットワークが、ホットスポットであり、家庭内LAN32ではないと判断することができる。
Figure 2009147517
この場合には、処理はS3に移行して、端末側IPsec擬似通信I/F45が有効化される。なお、無線LAN通信I/F15の接続先ネットワークと接続先データとで一致する項目が検出されない場合や、無線LAN通信I/F15がネットワークに接続していない場合にも、前処理アプリは、通信端末装置41が家庭内LAN32には接続していないと判断し、S3の処理が実行される。
そして、前処理アプリは、上記有効化した端末側IPsec擬似通信I/F45に向けてDMPアプリを起動させ、接続処理を実行させる(S4)。ここで、端末側IPsec擬似通信I/F45は、IPsecトンネルモード接続を行うためのインターフェイスである。すなわち、この場合には、通信端末装置41は、HGW51にIPsecトンネルモード接続を行い、HGW51経由でDLNA機器と通信を行う。
〔IPsecトンネルモード接続を利用した接続処理(通信端末装置側)〕
以下では、通信システム31の最大の特徴点である、IPsecトンネルモード接続を利用した接続処理について説明する。この処理は、図3のS3およびS4に示す処理に対応している。ここでは、まず、通信端末装置41側で行われる接続処理について、図10に基づいて説明する。図10は通信端末装置41で行われるIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。
まず、前処理アプリは、端末側IPsec接続制御部44に指示してHGW51とIKEによる鍵交換、すなわちIPsecのSA(Security Association)交換を実行させる。端末側IPsec接続制御部44は、前処理アプリからの上記指示を受けてIPsecのSAをHGW51と交換する(S31)。なお、鍵交換処理の具体的な内容については、本発明の特徴点とは関係がないので説明を省略する。
そして、端末側IPsec接続制御部44は、上記鍵交換が終了すると、端末側IPsec擬似通信I/F45を有効化させる(S32)。これによりIPsecトンネルモード接続が成立することになる。また、端末側IPsec接続制御部44は、上記鍵交換が終了すると、前処理アプリに鍵交換の終了を報告すると共に、「端末側IPsec擬似通信I/F45」との名前を通知する。前処理アプリは、この報告および通知を受けて、DMPアプリを端末側IPsec擬似通信I/F45に向けて起動させる。
詳細については後述するが、HGW51は、上記鍵交換を行った後、有線LAN通信I/F22およびIPsec擬似通信I/F52に向けてIGMPホストメンバシップクエリを送信する。有線LAN通信I/F22に向けて送信されたIGMPホストメンバシップクエリは、家庭内LAN32に接続しているDLNA機器107に受信され、一方IPsec擬似通信I/F52に向けて送信されたIGMPホストメンバシップクエリは、上記成立したIPsecトンネルモード接続にて端末側IPsec擬似通信I/F45に受信される(S33)。
上記起動されたDMPアプリは、IGMPホストメンバシップクエリの受信を確認するとIPsecトンネルモード接続にてHGW51にIGMPホストメンバシップリポートを返す(S34)。これにより、通信端末装置41は、HGW51にマルチキャストの送信先端末として認識されることになる。これにより、DLNA機器107からHGW51にマルチキャストが送信された場合には、該マルチキャストは通信端末装置41に転送されることになる。
また、上記起動されたDMPアプリは、マルチキャストによるDLNA機器の検索を行う(S35)。マルチキャストによるDLNA機器検索の具体的な方法は、上記実施形態にて説明したとおりであるから、ここでは説明を省略する。
DMPアプリは、マルチキャストの送信を行った後、該送信したマルチキャストに対する返答を待ち受ける(S36)。DMPアプリが返答の受信を確認した場合(S36でYES)には、処理はS38に進む。
ここで、DMPアプリがマルチキャストの送信を行ったときに、HGW51にてルーティングが終了していないことも考えられる。ルーティングが終了していなければ、DMPアプリが送信したマルチキャストはDLNA機器107に到達しないので、当然のことながら返答は通信端末装置41に受信されない。
そこで、DMPアプリは、マルチキャストの送信を行った後、所定の時間が経過しても返答が確認できない場合(S36でNO)に、DLNA機器107の再検索を行うか否かを通信端末装置41のユーザに確認する。具体的には、DMPアプリは、図11に示すような画面を通信端末装置41の表示部(図9には示していない)に表示させて、再検索の可否をユーザに選択させる。
図11は、再検索の可否をユーザに選択させるための問合せ画面の一例を示す図である。図示のように、問合せ画面61には、DLNA機器が検出されなかったことを示すメッセージ62が表示されている共に、再検索を実行することを選択させるためのメッセージ63および再検索を実行せずにDLNA機器の検索を終了することを選択させるためのメッセージ64が表示されている。
DMPアプリは、問合せ画面61が表示されているときに、入力部(図9には示していない)において、再検索を実行することを選択させるためのメッセージ62に対応する入力キーへの入力操作を検出した場合に、再検索を行うものと判断し(S37でYES)、S35に戻って再度マルチキャストの送信を行う。
一方、問合せ画面61が表示されているときに、入力部において、検索を終了することを選択させるためのメッセージ63に対応する入力キーへの入力操作を検出した場合に、DMPアプリは、再検索は行わないと判断し(S37でNO)、処理はS38に進む。
S38では、DMPアプリは、マルチキャストの受信の有無を確認する。マルチキャストの受信を確認できなかった場合(S38でNO)には、DMPアプリは接続処理を終了する。一方、マルチキャストの受信を確認した場合(S38でYES)には、DMPアプリは、受信したマルチキャストに対して返答を送信する(S39)。これにより、通信端末装置41は、上記マルチキャストの送信元端末(例えばDLNA機器107)のDMSとして動作するようになる。
以上のように、通信システム31では、IPsecトンネルモード接続を利用することにより、HTTPからのプロトコル変換を行うことなく、家102の外からでもDLNA機器107を利用することができる。また、DLNA機器107はIPsecトンネルモード接続を利用することにより、家102の外にある通信端末装置41をDLNA機器(DMS)として利用することができる。
〔IPsecトンネルモード接続を利用した接続処理(HGW側)〕
続いて、HGW51で行われる接続処理について、図12に基づいて説明する。図12はHGW51で行われるIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。図示のように、HGW51側の接続処理では、まずIKEによる鍵交換が行われる(S41)。具体的にはIPsec接続制御部54が、通信端末装置41の端末側IPsec接続制御部44からの鍵交換の要求を確認することによって鍵交換が開始される。
IPsec接続制御部54は、鍵交換が終了すると、IPsec擬似通信I/F52を有効化し(S42)、通信端末装置41に、DLNA機器107とIP接続性のある、すなわちルーティング制御部26で家庭内LANにルーティング可能なインナーIPアドレスを割り当てる(S43)。これにより、DLNA機器107と通信端末装置41とのIPsecトンネルモード接続による通信が可能になる。
続いてIPsec接続制御部54は、HGW51のOS上で有線LAN通信用デバイスとして管理されるの有線LAN通信I/F22と、上記有効化したIPsec擬似通信I/F52との間でマルチキャストルーティングを行うように、マルチキャスト制御部53をこれらのインターフェイスに向けて起動する(S44)。
マルチキャスト制御部53は、マルチキャストパケットの転送が必要な機器を確認するため、IGMPホストメンバシップクエリを、有線LAN通信I/F22を介して家庭内LAN32へと送信すると共に、IPsec擬似通信I/F52を介して通信端末装置41に送信する(S45)。なお、通信端末装置41をDLNA機器として使用しない場合には、IGMPホストメンバシップクエリを有線LAN通信I/F22宛にのみ送信するようにしてもよい。
家庭内LAN32には、DLNA機器107が接続されているので、S45にて送信されたIGMPホストメンバシップクエリは、DLNA機器107に受信される。IGMPホストメンバシップクエリを受け取ったDLNA機器107は、MultiCastAddr(例えば239.255.255.250)宛にIGMPホストメンバシップリポートを返す。同様に、S45にて送信されたIGMPホストメンバシップクエリは、通信端末装置41にも受信される。IGMPホストメンバシップクエリの受信を確認したDMPアプリは、MultiCastAddr宛にIGMPホストメンバシップリポートを返す。
以上のようにして、通信端末装置41およびDLNA機器107からIGMPホストメンバシップリポートが順次返ってくるので、HGW51はこれらを受信する(S46)。マルチキャスト制御部53は、受信したIGMPホストメンバシップリポートに基づいてルーティング制御部26にルーティングを実行させる。
具体的には、マルチキャスト制御部53は、DLNA機器107からのIGMPホストメンバシップリポートを確認した場合にはIPsec擬似通信I/F52宛のマルチキャストパケットが有線LAN通信I/F22に転送されるようにルーティングを実行させる。また、IGMPホストメンバシップリポートを確認した場合には、有線LAN通信I/F22宛のマルチキャストパケットがIPsec擬似通信I/F52に転送されるようにルーティングさせる。
そして、通信端末装置41およびDLNA機器107からHGW51へとマルチキャストが送信されるので、HGW51は上記のルーティングに従ってマルチキャストの転送を行う。続いて、転送したマルチキャストに対してHGW51に返答が送信されるので、HGW51は上記のルーティングに従ってマルチキャストの転送を行う(S47)。
以後、同様に、通信端末装置41から送られてくるデータは、DLNA機器に転送されると共に、DLNA機器107から送られてくるデータは、通信端末装置41に転送される。これにより、通信端末装置41は、家102の外からでもDLNA機器107を利用することができ、DLNA機器107は、通信端末装置41が家102の外にある場合でも通信端末装置41をDLNA機器として利用することができる。
〔IPsecトンネルモード接続を利用した接続処理(通信システム全体)〕
次に、上述のIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の通信システム31全体からみた処理の流れについて、図13に基づいて説明する。図13は、通信システム31におけるIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の一例を示すタイミングチャートである。上述のように、IPsecトンネルモード接続を利用した接続処理は、DMPアプリが通信端末装置41が家102の外にある、すなわち家庭内LAN32にAP106経由で接続できないと判断した場合に開始される。
まず、通信端末装置41の前処理アプリは、端末側IPsec接続制御部44に指示してHGW51とIKEによる鍵交換を実行させる。鍵交換は、端末側IPsec接続制御部44とHGW51のIPsec接続制御部54とで所定の鍵交換処理を行うことによって実行される。
通信端末装置41では、端末側IPsec接続制御部44が、鍵交換の終了後、IPsecの擬似デバイスである端末側IPsec擬似通信I/F45を有効にする。同様に、HGW51ではIPsec接続制御部54が、鍵交換の終了後、IPsecの擬似デバイスであるIPsec擬似通信I/F52を有効にする。
また、HGW51のIPsec接続制御部54は、上記有効化したIPsec擬似通信I/F52および有線LAN通信I/F22に向けてマルチキャスト制御部53を起動させる。起動したマルチキャスト制御部53は、IPsec擬似通信I/F52および有線LAN通信I/F22に向けてIGMPホストメンバシップクエリを送信する。すなわち、IGMPホストメンバシップクエリは、IPsec擬似通信I/F52を介して接続している通信端末装置41と、有線LAN通信I/F22を介して接続しているDLNA機器107とに送信されることになる。
そして、上記送信したIGMPホストメンバシップクエリに対し、通信端末装置41およびDLNA機器107からHGW51に、IGMPホストメンバシップリポートが返ってくる。マルチキャスト制御部53は、返ってきたIGMPホストメンバシップリポートに基づいてルーティング制御部26にルーティングを行わせる。
このルーティングにより、図示のように、通信端末装置41からHGW51へと送信されるマルチキャストは、HGW51にて中継されてDLNA機器107へと送られる。また、DLNA機器107からHGW51へと送信される返答は、HGW51にて中継されて通信端末装置41へと送られる。そして、これにより、通信端末装置41は、DLNA機器107を利用することができるようになる。
同様に、DLNA機器107からHGW51へと送信されるマルチキャストは、通信端末装置41へと転送され、通信端末装置41からHGW51へと送信される返答はDLNA機器107へと転送される。そして、これにより、DLNA機器107は、通信端末装置41をDLNA機器として利用することができるようになる。
以上のように、本発明の通信システム31によれば、家庭内LAN32に直接に接続できない場合には、上記家庭内LAN32に接続しているDLNA機器とIPsecトンネルモード接続による通信を行う。したがって、従来のようにHTTPのプロトコル変換を行う必要がないので、マルチキャストを行う際にHGW51に過剰な負荷がかかることがない。
また、通信端末装置41を利用するユーザは、DLNA機器107を利用する場合には、通信端末装置41の使用場所が家102の外であっても中であっても、同一のアプリケーション(前処理アプリ)を起動させるだけでDLNA機器に接続することが可能となる。すなわち、通信システム31は、従来の通信システム101と比べてユーザの操作性が向上している。
なお、上記各実施形態では、仮想プライベートネットワーク接続として、PPP接続やIPsecトンネルモード接続を適用した例について説明したが、これらの例に限られない。例えば、PPP接続の代わりにPPTP、L2F(Cisco Layer Two Forwarding)、L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)、またはSSL(Secure Sockets Layer)等を適用することができ、ここに挙げた例以外にも公知の仮想プライベートネットワーク接続を適宜用いることが可能である。
また、仮想プライベートネットワーク接続としてMobileIPを用いてもよい。なお、MobileIPを用いる場合には、HGW21または51にHA(Home Agent)機能を搭載する必要がある。また、この場合には、通信端末装置11または41は、MN(Mobile Node)として機能することになる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、通信端末装置11、通信端末装置41、HGW21、およびHGW51の各ブロック、特にDMP制御部13、端末側PPP接続制御部14、ルーティング制御部26、マルチキャスト制御部27、PPP接続制御部28、通信経路判断部42、DMP制御部43、端末側IPsec接続制御部44、マルチキャスト制御部53、およびIPsec接続制御部54は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、通信端末装置11、通信端末装置41、HGW21、およびHGW51は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである通信端末装置11、通信端末装置41、HGW21、およびHGW51の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記通信端末装置11、通信端末装置41、HGW21、およびHGW51に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、通信端末装置11、通信端末装置41、HGW21、およびHGW51を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の通信システムによれば、プロトコル変換を行うことなくマルチキャストの送信を行うことができるので、UPnPに限られず、JiniやMDNSを用いる場合にも適用できる。
本発明の実施形態を示すものであり、通信端末装置およびHGWの要部構成を示すブロック図である。 上記通信端末装置およびHGWを含む通信システムの概要を示す図である。 上記通信端末装置が実行する接続方法決定処理の流れの一例を示すフローチャートである。 上記通信端末装置が無線LAN通信I/F15を介してDLNA機器と通信を行う場合の処理の流れを示すタイミングチャートである。 上記通信端末装置で行われるPPP接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。 上記HGWで行われるPPP接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。 上記通信システムにおけるPPP接続を利用した接続処理の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり、上記とは別の通信システムの概要を示す図である。 上記通信システムに含まれている通信端末装置およびHGWの要部構成を示すブロック図である。 上記通信端末装置で行われるIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態を示すものであり、再検索の可否をユーザに選択させるための問合せ画面の一例を示す図である。 上記HGWで行われるIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の一例を示すフローチャートである。 上記通信システムにおけるIPsecトンネルモード接続を利用した接続処理の一例を示すタイミングチャートである。 従来の技術で構成した通信システムの概要を示す図である。 上記通信システムに含まれている、プロトコル変換機能を備えたHGWの要部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 通信システム
2、32 家庭内LAN(第1ネットワーク)
11 通信端末装置
13 DMP制御部(電子機器検出手段、通信経路判断手段)
14 端末側PPP接続制御部(検出情報送信制御手段)
15 無線LAN通信I/F(第1通信手段)
16 端末側PPP擬似通信I/F(第2通信手段)
17 3G通信I/F
21 HGW(データ中継装置)
22 有線LAN通信I/F
24 PPP擬似通信I/F(仮想プライベートネットワーク通信手段)
25 回線通信網通信I/F
26 ルーティング制御部(転送制御手段)
27 マルチキャスト制御部
28 PPP接続制御部(接続制御手段)
31 通信システム
41 通信端末装置
42 通信経路判断部(通信経路判断手段)
43 DMP制御部(電子機器検出手段)
44 端末側IPsec接続制御部(検出情報送信制御手段)
45 端末側IPsec擬似通信I/F(第2通信手段)
46 WiMAX通信I/F
51 HGW(データ中継装置)
52 IPsec擬似通信I/F(仮想プライベートネットワーク通信手段)
53 マルチキャスト制御部
54 IPsec接続制御部(接続制御手段)
61 問合せ画面

Claims (14)

  1. 第1ネットワークに接続して通信を行うための第1通信手段と、
    上記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続して、上記第1ネットワークと上記第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置と通信を行うための第2通信手段と、
    上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する電子機器検出手段と、
    上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断する通信経路判断手段と、
    上記通信経路判断手段が上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、上記第2通信手段にて上記データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うと共に、上記電子機器検出手段に該仮想プライベートネットワーク接続にて上記電子機器検出情報を送信させる検出情報送信制御手段とを備えていることを特徴とする通信端末装置。
  2. 上記検出情報送信制御手段は、上記電子機器検出情報を送信させた後、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出できない場合に、上記電子機器検出手段に電子機器検出情報を再度送信させることを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
  3. 上記第1通信手段は、無線LANのアクセスポイントを介して上記第1ネットワークと無線LAN通信を行うものであることを特徴とする請求項1または2に記載の通信端末装置。
  4. 上記通信経路判断手段は、上記アクセスポイントまたは第1ネットワークに設定されているService Set Identifier、上記アクセスポイントのMACアドレス、および上記第1ネットワークのセキュリティ設定の少なくとも1つに基づいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の通信端末装置。
  5. 上記仮想プライベートネットワーク接続は、Point to Point Protocol接続、またはSecurity Architecture for Internet Protocolトンネルモード接続であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の通信端末装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の通信端末装置の各手段を備えている携帯電話機であって、
    上記第2通信手段は、3G無線通信網経由で上記第2ネットワークに接続するものであることを特徴とする携帯電話機。
  7. 上記通信経路判断手段は、携帯電話網を形成する基地局のうち、現在接続可能な基地局を示す基地局情報に基づいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができるか否かを判断することを特徴とする請求項6に記載の携帯電話機。
  8. 第1ネットワークと、該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置であって、
    上記第2ネットワークに接続している通信端末装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うための仮想プライベートネットワーク通信手段と、
    上記通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、上記通信端末装置と上記仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続を確立させる接続制御手段と、
    上記仮想プライベートネットワーク通信手段が上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を受信した場合に、該受信した電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する転送制御手段とを備えていることを特徴とするデータ中継装置。
  9. 請求項1から5の何れか1項に記載の通信端末装置、または請求項6または7に記載の携帯電話機と、請求項8に記載のデータ中継装置とを含む通信システム。
  10. 第1ネットワークに接続して通信を行うための第1通信手段と、上記第1ネットワークとは異なる第2ネットワークに接続して、上記第1ネットワークと上記第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置と通信を行うための第2通信手段とを備えている通信端末装置の制御方法であって、
    上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続できるか否かを判断する通信経路判断ステップと、
    上記通信経路判断ステップにおいて、上記第1通信手段にて上記第1ネットワークに接続することができないと判断した場合に、上記第2通信手段にて上記データ中継装置と仮想プライベートネットワーク接続を行う仮想プライベートネットワーク接続確立ステップと、
    上記仮想プライベートネットワーク接続、及び上記データ中継装置経由で、上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する電子機器検出ステップとを含むことを特徴とする通信端末装置の制御方法。
  11. 第1ネットワークと、該第1ネットワークとは異なる第2ネットワークとの間でデータの中継を行うデータ中継装置の制御方法であって、
    上記データ中継装置は、上記第2ネットワークに接続している通信端末装置と仮想プライベートネットワーク接続を行うための仮想プライベートネットワーク通信手段を備え、
    上記通信端末装置から仮想プライベートネットワーク接続の要求を受信した場合に、上記通信端末装置と上記仮想プライベートネットワーク通信手段との間で仮想プライベートネットワーク接続を確立させる接続制御ステップと、
    上記仮想プライベートネットワーク通信手段が上記第1ネットワークに接続している電子機器を検出するための電子機器検出情報を受信した場合に、該受信した電子機器検出情報を上記第1ネットワークに送信する転送制御ステップとを含むことを特徴とするデータ中継装置の制御方法。
  12. 請求項1から5の何れか1項に記載の通信端末装置、あるいは請求項6または7に記載の携帯電話機を動作させるための通信端末装置制御プログラムであって、
    コンピュータを上記各手段として機能させるための通信端末装置制御プログラム。
  13. 請求項8に記載のデータ中継装置を動作させるためのデータ中継装置制御プログラムであって、
    コンピュータを上記各手段として機能させるためのデータ中継装置制御プログラム。
  14. 請求項12に記載の通信端末装置制御プログラム及び請求項13に記載のデータ中継装置制御プログラムの少なくとも一方を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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