JP2009146819A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】単セルを鉛直方向に複数積層させた燃料電池スタックにおいて、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドが、発電によって生成された生成水によって閉塞されることを抑制する。
【解決手段】単セル40を鉛直方向に複数積層した燃料電池スタック100において、単セル40は、アノード411aの表面側に積層され、水素の流路を構成するアノード側金属多孔体43aと、カソード411cの表面側に積層され、空気の流路を構成するカソード側金属多孔体43cと、を備える。そして、アノード側金属多孔体43aにおける水素導入領域43ai、および、カソード側金属多孔体43cにおける空気導入領域43ciに、撥水処理を施す。
【選択図】図7

Description

本発明は、燃料電池スタックに関し、詳しくは、単セルを鉛直方向に複数積層した燃料電池スタックに関するものである。
燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、酸素)との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。そして、この燃料電池には、単セル(燃料電池)を複数積層させた燃料電池スタックがある。
このような燃料電池スタックには、一般に、燃料電池スタックの外部から供給された燃料ガスを、各単セルのアノードに分岐して供給するための燃料ガス供給マニホールドや、各単セルのアノードから排出された排出ガスであるアノードオフガスを集合させて燃料電池スタックの外部に排出するためのアノードオフガス排出マニホールドや、燃料電池スタックの外部から供給された酸化剤ガスを、各単セルのカソードに分岐して供給するための酸化剤ガス供給マニホールドや、各単セルのカソードから排出された排出ガスであるカソードオフガスを集合させて燃料電池スタックの外部に排出するためのカソードオフガス排出マニホールドが備えられる。そして、燃料電池スタックを構成する各単セルにおいて、発電時に上記電気化学反応によって生成された生成水は、アノードオフガスや、カソードオフガスとともに、これらの排出ガスの流れによって、アノードオフガス排出マニホールドや、カソードオフガス排出マニホールドを介して、燃料電池スタックの外部に排水される。
特開2006−179455号公報 特開2007−42538号公報 特表2006−505910号公報 特開2000−164229号公報
ところで、近年では、電源として、燃料電池スタックを搭載した電気自動車等の移動体が開発されている。そして、燃料電池スタックが移動体に搭載される際には、移動体における燃料電池スタックの搭載スペースの制限上、燃料電池スタックは、例えば、単セルの積層方向が水平方向となる向きで搭載される場合や、単セルの積層方向が鉛直方向となる向きで搭載される場合がある。そして、燃料電池スタックが、移動体に、単セルの積層方向が鉛直方向となる向きで搭載される場合には、先に説明した各種マニホールドの主流路において、各ガスは鉛直方向に流れることになる。さらに、燃料ガス供給マニホールドの主流路、および、酸化剤ガス供給マニホールドの主流路から、それぞれ、各単セルのアノード、および、カソードに分岐して供給された燃料ガス、および、酸化剤ガスは、それぞれ、各単セルのアノード、および、カソードの表面に沿って、アノードオフガス排出マニホールド、および、カソードオフガス排出マニホールドに向かって、水平方向に流れることになる。
そして、燃料電池スタックが搭載された移動体、例えば、電気自動車は、坂道やカーブ等、様々な路面上を走行したり、加減速したりするため、各単セルにおいて発電時に生成された生成水には、重力や遠心力等の外力が作用する。そして、単セルの積層方向が鉛直方向となる向きで、燃料電池スタックが移動体(例えば、電気自動車)に搭載されている場合において、燃料電池スタックが、例えば、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールド側に傾いた場合には、上記生成水は、重力によって、ガスの流れに逆らって、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドの方向に逆流する場合がある。この場合、上記生成水が、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドの少なくとも一部を閉塞し、単セルのアノードや、カソードへの、燃料ガスや、酸化剤ガスの供給を阻害するおそれがあった。しかし、従来、このような不具合については、考慮されていなかった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、単セルを鉛直方向に複数積層させた燃料電池スタックにおいて、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドが、発電によって生成された生成水によって閉塞されることを抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する単セルを鉛直方向に複数積層した燃料電池スタックであって、前記燃料電池スタックの外部から供給された前記燃料ガスを、複数の前記単セルのアノードに分岐して供給するための燃料ガス供給マニホールドと、前記複数の単セルのアノードから排出された排出ガスであるアノードオフガスを集合させて前記燃料電池スタックの外部に排出するためのアノードオフガス排出マニホールドと、前記燃料電池スタックの外部から供給された前記酸化剤ガスを、前記複数の単セルのカソードに分岐して供給するための酸化剤ガス供給マニホールドと、前記複数の単セルのカソードから排出された排出ガスであるカソードオフガスを集合させて前記燃料電池スタックの外部に排出するためのカソードオフガス排出マニホールドと、を備え、前記単セルは、前記アノードの表面側に積層され、前記燃料ガスを前記アノードの表面に沿って流すための流路を構成するアノード側流路構成部材と、前記カソードの表面側に積層され、前記酸化剤ガスを前記カソードの表面に沿って流すための流路を構成するカソード側流路構成部材と、を備え、前記アノード側流路構成部材における、前記燃料ガス供給マニホールドから前記燃料ガスが導入される領域である燃料ガス導入領域、および、前記カソード側流路構成部材における、前記酸化剤ガス供給マニホールドから前記酸化剤ガスが導入される領域である酸化剤ガス導入領域の少なくとも一方に、撥水処理が施されている、燃料電池スタック。
適用例1の燃料電池スタックでは、上記アノード側流路構成部材における上記燃料ガス導入領域、および、上記カソード側流路構成部材における酸化剤ガス導入領域の少なくとも一方に、撥水処理が施されている。したがって、燃料電池スタックが、例えば、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールド側に傾く等により、発電によって生成された生成水に外力が作用し、この生成水が、ガスの流れに逆らって、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドの方向に逆流した場合であっても、上記生成水を、撥水処理が施された上記燃料ガス導入領域、または、上記酸化剤ガス導入領域で撥水し、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドへの上記生成水の浸入を抑制することができる。この結果、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドが、上記生成水によって閉塞されることを抑制することができる。
[適用例2]適用例1記載の燃料電池スタックであって、前記カソード側流路構成部材における前記酸化剤ガス導入領域には、前記撥水処理が施されており、前記酸化剤ガス導入領域は、前記カソードと当接する領域以外の領域に配置されている、燃料電池スタック。
適用例2の燃料電池スタックでは、単セルにおいて、上記酸化剤ガス導入領域が、カソードと当接する領域以外の領域に配置されているので、先述したように、上記生成水が酸化剤ガス供給マニホールドの方向に逆流した場合に、カソードの表面の一部に上記生成水が滞留することを抑制することができる。したがって、カソードの全面を発電に有効利用することができる。
[適用例3]適用例2記載の燃料電池スタックであって、前記単セルは、さらに、前記カソード側の面において、前記酸化剤ガス導入領域以外の領域であって、前記カソードよりも外側の領域に、前記電気化学反応によって生成された生成水を貯水するためのカソード側貯水部を備える、燃料電池スタック。
適用例3の燃料電池スタックでは、単セルが上記カソード側貯水部を備えるので、燃料電池スタックが、例えば、上記酸化剤ガス導入領域の方向に傾いたときに、上記カソード側貯水部に上記生成水を貯水することができる。なお、上記カソード側流路構成部材の一部を上記カソード側貯水部として利用するものとしてもよいし、単セル内のカソード側の空隙を上記カソード側貯水部として利用するものとしてもよい。
[適用例4]適用例3記載の燃料電池スタックであって、前記酸化剤ガス導入領域における前記撥水処理は、前記生成水を、前記カソード側貯水部に導くように施されている、燃料電池スタック。
適用例4の燃料電池スタックでは、上記酸化剤ガス導入領域における撥水処理が、上記生成水を、上記カソード側貯水部に導くように施されているので、上記生成水を速やかに上記カソード側貯水部に導くことができる。
[適用例5]適用例1ないし4のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、前記アノード側流路構成部材における前記燃料ガス導入領域には、前記撥水処理が施されており、前記燃料ガス導入領域は、前記アノードと当接する領域以外の領域に配置されている、燃料電池スタック。
適用例5の燃料電池スタックでは、単セルにおいて、上記燃料ガス導入領域が、アノードと当接する領域以外の領域に配置されているので、先述したように、上記生成水が燃料ガス供給マニホールドの方向に逆流した場合に、アノードの表面の一部に上記生成水が滞留することを抑制することができる。したがって、アノードの全面を発電に有効利用することができる。
[適用例6]適用例5記載の燃料電池スタックであって、前記単セルは、さらに、前記アノード側において、前記燃料ガス導入領域以外の領域であって、前記アノードよりも外側の領域に、前記電気化学反応によって生成された生成水を貯水するためのアノード側貯水部を備える、燃料電池スタック。
適用例6の燃料電池スタックでは、単セルが上記アノード側貯水部を備えるので、燃料電池スタックが、例えば、上記燃料ガス導入領域の方向に傾いたときに、上記アノード側貯水部に上記生成水を貯水することができる。なお、上記アノード側流路構成部材の一部を上記アノード側貯水部として利用するものとしてもよいし、単セル内のアノード側の空隙を上記アノード側貯水部として利用するものとしてもよい。
[適用例7]適用例6記載の燃料電池スタックであって、前記燃料ガス導入領域における前記撥水処理は、前記生成水を、前記アノード側貯水部に導くように施されている、燃料電池スタック。
適用例7の燃料電池スタックでは、上記燃料ガス導入領域における撥水処理が、上記生成水を、上記アノード側貯水部に導くように施されているので、上記生成水を速やかに上記アノード側貯水部に導くことができる。
[適用例8]適用例1ないし7のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、前記単セルにおいて、前記アノードは、鉛直上方に配置されており、前記カソードは、鉛直下方に配置されている、燃料電池スタック。
適用例8の燃料電池スタックでは、単セルにおいて、アノードは、鉛直上方に配置されており、カソードは、鉛直下方に配置されているので、カソードで生成された上記生成水を、重力によって、カソードからカソード側流路構成部材に速やかに移動させ、上記生成水がカソードに滞留するのを抑制することができる。
本発明は、上述した種々の特徴を必ずしも全て備えている必要はなく、その一部を省略したり、適宜、組み合わせたりして構成することができる。また、本発明は、上述の燃料電池スタックとしての構成の他、この燃料電池スタックを備える燃料電池システム、この燃料電池システムを備える車両等の移動体の発明として構成することもできる。なお、それぞれの態様において、先に示した種々の付加的要素を適用することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.車両の構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100を備える車両1000の概略構成を示す説明図である。この車両1000は、いわゆる電気自動車であり、電源として、燃料電池スタック100や、図示しないバッテリを備えている。そして、車両1000は、燃料電池スタック100によって発電される電力や、バッテリから出力される電力によって、図示しないモータを駆動し、その動力によって、車輪を回転させて走行する。燃料電池スタック100によって発電された電力は、バッテリに蓄電することも可能である。
本実施例では、車両1000において、燃料電池スタック100は、図示するように、居室の前方の居室外の空間に備えられているものとした。そして、燃料電池スタック100は、複数の単セルが鉛直方向に積層された向きで設置されている。なお、図示は省略しているが、車両1000の床下部や、居室の前方や後方の、居室外の空間には、それぞれ、燃料電池スタック100やバッテリを備える燃料電池システムを構成する各種構成部品や、車輪を回転させるためのモータや、その他の機能部品等が配置されている。
A2.燃料電池スタックの構成:
図2は、本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す説明図である。図2(a)に、燃料電池スタック100の上面図を示した。また、図2(b)に、燃料電池スタック100の側面図を示した。また、図2(c)に、燃料電池スタック100の下面図を示した。
この燃料電池スタック100は、概ね、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、それぞれアノード、および、カソードを接合した膜電極接合体を、セパレータを介在させて、鉛直方向に複数積層させたスタック構造を有している。本実施例では、電解質膜として、固体高分子膜を用いるものとした。電解質として、固体酸化物等、他の電解質を用いるものとしてもよい。また、本実施例では、セパレータは、後述するように、3層構造を有しており、セパレータ内には、アノードに供給すべき燃料ガスとしての水素の流路や、カソードに供給すべき酸化剤ガスとしての空気の流路や、冷却水の流路が形成されている。なお、燃料電池スタック100における膜電極接合体の積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
燃料電池スタック100は、図2(b)に示したように、一端から、エンドプレート10a、絶縁板20a、集電板30a、複数の単セル40、集電板30b、絶縁板20b、エンドプレート10bの順に積層することによって構成されている。本実施例では、これらは、それぞれ略矩形形状を有しているものとした。そして、燃料電池スタック100内部には、水素や、空気や、冷却水を、それぞれ各膜電極接合体に分配して供給するための供給マニホールド(水素供給マニホールド、空気供給マニホールド、冷却水供給マニホールド)や、各膜電極接合体のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却水をそれぞれ集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するための排出マニホールド(アノードオフガス排出マニホールド、カソードオフガス排出マニホールド、冷却水排出マニホールド)が形成されている。
そして、図2(a)に示したように、エンドプレート10aの図示した下側長辺の内側には、下側長辺に沿って、空気供給マニホールドを構成する3つの空気供給口12iが形成されている。また、エンドプレート10aの図示した左側短辺の内側には、水素供給マニホールドを構成する水素供給口14i、および、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給口16iが形成されている。また、エンドプレート10aの図示した右側短辺には、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出口16oが形成されている。
また、図2(c)に示したように、エンドプレート10bの図示した下側長辺の内側には、下側長辺に沿って、カソードオフガス排出マニホールドを構成する3つのカソードオフガス排出口12oが形成されている。また、エンドプレート10bの図示した右側短辺の内側には、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出口14oが形成されている。
なお、空気供給口12iや、カソードオフガス排出口12oや、水素供給口14iや、アノードオフガス排出口14oや、冷却水供給口16iや、冷却水排出口16oの数、形状、配置は、図示した例に限られず、任意に設定可能である。
水素供給口14iには、図示しない水素タンクから、燃料ガスとしての水素が供給され、燃料電池スタック100のアノードから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出口14oから排出される。また、空気供給口12iには、図示しないエアコンプレッサによって圧縮された酸化剤ガスとしての酸素を含む空気が供給され、燃料電池スタック100のカソードから排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス排出口12oから排出される。また、冷却水供給口16iには、図示しないラジエータによって冷却され、ポンプによって加圧された冷却水が供給され、燃料電池スタック100の内部を流れて、冷却水排出口16oから排出されて循環する。
単セル40は、膜電極接合体、および、シールガスケットを一体的に備えるユニットと、セパレータとによって構成されている。この単セル40については、後述する。
エンドプレート10a,10bは、剛性を確保するために、鋼等の金属によって形成されている。また、絶縁板20a,20bは、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。また、集電板30a,30bは、緻密質カーボンや、銅板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。集電板30a,30bには、それぞれ、図示しない出力端子が設けられており、燃料電池スタック100によって発電された電力を出力可能となっている。
A3.単セルの構成:
燃料電池スタック100を構成する各単セル40は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の周囲にシールガスケットを配置したユニット(以下、シールガスケット一体型MEAと呼ぶ)の両面に、後述する金属多孔体を積層させ、これらを、後述するセパレータ42によって挟持することによって構成されている。膜電極接合体は、電解質膜の一方の面に、カソードとして、カソード側触媒層と、カソード側ガス拡散層とがこの順に接合され、他方の面にアノードとして、アノード側触媒層と、アノード側ガス拡散層とがこの順に接合されたものである。カソード側ガス拡散層、および、アノード側ガス拡散層としては、例えば、カーボンクロスや、カーボンペーパ等を適用可能である。また、金属多孔体としては、例えば、発泡金属を焼結させたものや、エキスパンドメタル等を適用可能である。これらは、後述する第2実施例、および、第3実施例においても同様である。以下、単セル40を構成するシールガスケット一体型MEA41、セパレータ42、および、単セル40の断面構造について説明する。
A3.1.シールガスケット一体型MEA:
図3は、第1実施例におけるシールガスケット一体型MEA41の概略構造を示す説明図である。図3(a)に、シールガスケット一体型MEA41のアノード側から見た平面図を示した。また、図3(b)には、図3(a)におけるA−A断面図を示した。
図3(a)に示したように、シールガスケット一体型MEA41は、略矩形形状を有しており、矩形形状を有するMEA411の周囲に、シリコーンゴムからなるシールガスケット410を一体形成したものである。MEA411は、図3(b)に示したように、電解質膜411mの両面に、それぞれカソード411c(カソード側触媒層411cc、カソード側ガス拡散層411cd)、および、アノード411a(アノード側触媒層411ac、アノード側ガス拡散層411ad)を接合したものである。
そして、図3(a)に示したように、シールガスケット410の図示した下側長辺部のMEA411の近傍領域には、空気供給マニホールドを構成する3つの空気供給用貫通孔412iが、シールガスケット410の下側長辺に沿って形成されている。シールガスケット410における3つの空気供給用貫通孔412iの形成位置は、エンドプレート10aに形成された3つの空気供給口12iの形成位置と対応している。
また、シールガスケット410の図示した上側長辺部のMEA411の近傍領域には、カソードオフガス排出マニホールドを構成する3つのカソードオフガス排出用貫通孔412oが、シールガスケット410の上側長辺に沿って形成されている。シールガスケット410における3つのカソードオフガス排出用貫通孔412oの形成位置は、エンドプレート10bに形成された3つのカソードオフガス排出口12oの形成位置と対応している。
また、シールガスケット410の図示した左側短辺部のMEA411の近傍領域には、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔414iと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔416iとが形成されている。シールガスケット410における水素供給用貫通孔414i、および、冷却水供給用貫通孔416iの形成位置は、それぞれ、エンドプレート10aに形成された水素供給口14i、および、冷却水供給口16iの形成位置と対応している。
また、シールガスケット410の図示した右側短辺部のMEA411の近傍領域には、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔414oと、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔416oとが形成されている。シールガスケット410におけるアノードオフガス排出用貫通孔414oの形成位置、および、冷却水排出用貫通孔416oの形成位置は、それぞれ、エンドプレート10bに形成されたアノードオフガス排出口14o、および、エンドプレート10aに形成された冷却水排出口16oの形成位置と対応している。
また、図3(a),(b)に示したように、シールガスケット410における、上述した各貫通孔、および、MEA411の周囲には、シールガスケット410の両面にライン状の突起部を形成することによって、シールラインSLがそれぞれ形成されている。このシールラインSLによって、シールガスケット一体型MEA41と後述するセパレータ42とを積層したときに、上述した各貫通孔内を流れる水素や、空気や、冷却水、および、MEA411の表面を流れる水素や、空気等の外部へ漏洩を抑制することができる。
なお、図3(a)に示したように、本実施例では、シールガスケット一体型MEA41において、各空気供給用貫通孔412iとMEA411との距離は、各カソードオフガス排出用貫通孔412oとMEA411との距離よりも長くなるように設定されている。
図4は、シールガスケット一体型MEA41において、MEA411におけるアノード411aの表面、および、カソード411cの表面に、それぞれ、アノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cを積層させた状態を示す説明図である。シールガスケット一体型MEA41のアノード側から見た平面図を示した。アノード側金属多孔体43aは、水素供給マニホールドから供給された水素をMEA411のアノード411aの表面に沿って流すための流路を構成し、本発明におけるアノード側流路構成部材に相当する。また、カソード側金属多孔体43cは、空気供給マニホールドから供給された空気をMEA411のカソード411cの表面に沿って流す流路を構成し、本発明におけるカソード側流路構成部材に相当する。
図中の破線で囲われた領域は、MEA411に対応した領域を表している。そして、図示するように、アノード側金属多孔体43aにおいて、MEA411のアノード411aと当接する領域以外の領域であって、空気供給用貫通孔412iとMEA411との間の領域43aiには、撥水処理が施されている。このアノード側金属多孔体43aにおける領域43ciは、後述するように、水素供給マニホールドから水素が導入される領域であり、以下、水素導入領域43aiと呼ぶ。また、カソード側金属多孔体43cにおいて、MEA411のカソード411cと当接する領域以外の領域であって、空気供給用貫通孔412iとMEA411との間の領域43ciにも、撥水処理が施されている。このカソード側金属多孔体43cにおける領域43ciは、後述するように、空気供給マニホールドから空気が導入される領域であり、以下、空気導入領域43ciと呼ぶ。アノード側金属多孔体43aにおける水素導入領域43ai、および、カソード側金属多孔体43cにおける空気導入領域43ciに撥水処理が施されている理由については後述する。
なお、上述した撥水処理には、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等が用いられる。また、アノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cにおいて、水素導入領域43ai、および、空気導入領域43ci以外の領域には、親水処理が施されている。この親水処理には、例えば、金メッキが用いられる。
A3.2.セパレータ:
図5は、第1実施例におけるセパレータ42の構成部品の平面図である。本実施例におけるセパレータ42は、それぞれ複数の貫通孔が設けられた3枚の金属製の平板、すなわち、カソード対向プレート42cと、中間プレート42mと、アノード対向プレート42aとから構成されている。そして、セパレータ42は、中間プレート42mを、カソード対向プレート42cと、アノード対向プレート42aとによって挟み、これらをホットプレス接合することによって作製されている。本実施例では、カソード対向プレート42cと、中間プレート42mと、アノード対向プレート42aとは、シールガスケット一体型MEA41と同一の略矩形形状を有するステンレス鋼製の平板を用いるものとした。カソード対向プレート42cと、中間プレート42mと、アノード対向プレート42aとして、ステンレス鋼の代わりに、チタンやアルミニウム等、他の金属製の平板を用いるものとしてもよい。
図5(a)は、シールガスケット一体型MEA41のカソード側の面と当接するカソード対向プレート42cの平面図である。図中の破線で囲われた矩形領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を表している。また、図中の一点鎖線で囲われた矩形領域は、先に示したアノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cに対応する領域を表している。
図示するように、カソード対向プレート42cには、シールガスケット一体型MEA41に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422ciと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422coと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424ciと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔426ciと、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔426coと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424coとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、カソード対向プレート42cには、図示するように、空気供給用貫通孔422ci近傍の、カソード側金属多孔体43cの空気導入領域43ciと対向する位置に配置された空気供給口422osと、カソードオフガス排出用貫通孔422co近傍の、カソード側金属多孔体43cの端部領域と対向する位置に配置されたカソードオフガス排出口422oeとが形成されている。本実施例では、空気供給口422osと、カソードオフガス排出口422oeとは、カソード側金属多孔体43cの長辺の長さとほぼ等しい幅を有するスリット形状を有するものとした。
図5(b)は、中間プレート42mの平面図である。図中の破線で囲われた矩形領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を表している。また、図中の一点鎖線で囲われた矩形領域は、先に示したアノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cに対応する領域を表している。
図示するように、中間プレート42mには、シールガスケット一体型MEA41に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422miと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422moと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424miと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424moとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。また、中間プレート42mには、冷却水供給マニホールドを構成する複数の冷却水流路形成用貫通孔426mも形成されている。
また、中間プレート42mにおいて、空気供給用貫通孔422miには、空気供給用貫通孔422miから、カソード対向プレート42cに形成された空気供給口422osに、空気を流すための複数の空気供給用流路形成部422mipが、櫛歯状に設けられている。また、カソードオフガス排出用貫通孔422moには、カソード対向プレート42cに形成されたカソードオフガス排出口422oeから、カソードオフガス排出用貫通孔422moに、カソードオフガスを流すための複数のカソードオフガス排出用流路形成部422mopが、櫛歯状に設けられている。また、水素供給用貫通孔424miには、この水素供給用貫通孔424miから、後述するアノード対向プレート42aに形成された水素供給口424hsに、水素を流すための水素供給用流路形成部424mipが設けられている。また、アノードオフガス排出用貫通孔424moには、後述するアノード対向プレート42aに形成されたアノードオフガス排出口424heから、アノードオフガス排出用貫通孔424moに、アノードオフガスを流すためのアノードオフガス排出用流路形成部424mopが設けられている。
図5(c)は、シールガスケット一体型MEA41のアノード側の面と当接するアノード対向プレート42aの平面図である。図中の破線で囲われた矩形領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41におけるMEA411に対応する領域を表している。また、図中の一点鎖線で囲われた矩形領域は、先に示したアノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cに対応する領域を表している。
図示するように、アノード対向プレート42aには、シールガスケット一体型MEA41に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422aiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424aiと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔426aiと、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔426aoと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424aoとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、アノード対向プレート42aには、図示するように、空気供給用貫通孔422ai近傍の、アノード側金属多孔体43aの水素導入領域43aiと対向する位置に配置された水素供給口424hsと、カソードオフガス排出用貫通孔422ao近傍の、アノード側金属多孔体43aの端部領域と対向する位置に配置されたアノードオフガス排出口424heとが形成されている。本実施例では、水素供給口424hsと、アノードオフガス排出口424heとは、カソード対向プレート42cに形成された空気供給口422os、および、カソードオフガス排出口422oeと同様に、アノード側金属多孔体43aの長辺の長さとほぼ等しい幅を有するスリット形状を有するものとした。
図6は、セパレータ42の平面図である。このセパレータ42は、先に説明したように、カソード対向プレート42cと、中間プレート42mと、アノード対向プレート42aとを、ホットプレス接合することによって形成されている。ここでは、アノード対向プレート42a側から見た様子を示した。
図から分かるように、アノード対向プレート42aにおいて、水素供給口424hsは、中間プレート42mに形成された水素供給用流路形成部424mipと重なるように形成されている。また、アノード対向プレート42aにおいて、アノードオフガス排出口424heは、中間プレート42mに形成されたアノードオフガス排出用流路形成部424mopと重なるように形成されている。
また、カソード対向プレート42cにおいて、空気供給口422osは、中間プレート42mに形成された複数の空気供給用流路形成部422mipの各端部と重なるように形成されている。また、カソード対向プレート42cにおいて、カソードオフガス排出口422oeは、中間プレート42mに形成された複数のカソードオフガス排出用流路形成部422mopの各端部と重なるように形成されている。
また、中間プレート42mにおいて、複数の冷却水流路形成用貫通孔426mは、それぞれ、その一端が、アノード対向プレート42aに形成された冷却水供給用貫通孔426ai、および、カソード対向プレート42cに形成された冷却水供給用貫通孔426ciと重なるとともに、その他端が、アノード対向プレート42aに形成された冷却水排出用貫通孔426ao、および、カソード対向プレート42cに形成された冷却水排出用貫通孔426coと重なるように形成されている。
A3.3.単セルの断面構造:
図7は、単セル40の断面構造を示す説明図である。セパレータ42と、シールガスケット一体型MEA41とを積層させたときの、図6におけるA−A断面図を示した。なお、本実施例の燃料電池スタック100では、単セル40において、カソード411cは、電解質膜411mの下面に形成されており、また、アノード411aは、電解質膜411mの上面に形成されているものとした。
図中に矢印で示したように、単セル40において、燃料電池スタック100の外部から供給された空気は、カソード対向プレート42cの空気供給用貫通孔422ciを通り、中間プレート42mの空気供給用貫通孔422miから分岐して、空気供給用流路形成部422mipを通り、カソード対向プレート42cの空気供給口422osから、カソード側金属多孔体43cにおける空気導入領域43ciの表面に対して垂直な方向に供給される。
そして、空気供給口422osから供給された空気は、カソード側金属多孔体43c中、および、カソード側ガス拡散層411cd中を拡散しつつ流れ、発電時に生成された生成水とともに、カソード対向プレート42cのカソードオフガス排出口422oeから、カソード側金属多孔体43cの表面に対して垂直な方向に排出され、中間プレート42mのカソードオフガス排出用流路形成部422mop、カソードオフガス排出用貫通孔422moを通って、アノード対向プレート42aのカソードオフガス排出用貫通孔422ao等を通じて、燃料電池スタック100の外部に排出される。
また、図6、および、図7から分かるように、燃料電池スタック100の外部から供給された水素は、カソード対向プレート42cの水素供給用貫通孔424ciを通り、中間プレート42mの水素供給用貫通孔424miから分岐して、水素供給用流路形成部424mipを通り、アノード対向プレート42aの水素供給口424hsから、アノード側金属多孔体43aにおける水素導入領域43aiの表面に対して垂直な方向に供給される。
そして、水素供給口424hsから供給された水素は、アノード側金属多孔体43a中、および、アノード側ガス拡散層411ad中を拡散しつつ流れ、発電時に生成された生成水とともに、アノード対向プレート42aのアノードオフガス排出口424heから、アノード側金属多孔体43aの表面に対して垂直な方向に排出され、中間プレート42mのアノードオフガス排出用流路形成部424mop、アノードオフガス排出用貫通孔424moを通って、アノード対向プレート42aのアノードオフガス排出用貫通孔424ao等を通じて、燃料電池スタック100の外部に排出される。
また、図6、および、図7から分かるように、燃料電池スタック100の外部から供給された冷却水は、カソード対向プレート42cの冷却水供給用貫通孔426ci、中間プレート42mの冷却水流路形成用貫通孔426mを通って、アノード対向プレート42aの冷却水排出用貫通孔426ao等を通じて、燃料電池スタック100の外部に排出される。
A4.効果:
図8は、第1実施例の燃料電池スタック100の効果を示す説明図である。燃料電池スタック100を搭載した車両1000が坂道を走行し、燃料電池スタック100が空気供給マニホールド側に傾いたときの単セル40の断面を示した。
先に説明したように、単セルを鉛直方向に複数積層した燃料電池スタックでは、単セルにおいて、発電時に生成された生成水は、カソードオフガスや、アノードオフガスとともに、これらのガスの流れによって、カソードオフガス排出マニホールドや、アノードオフガス排出マニホールドを介して、燃料電池スタックの外部に排水される。しかし、このような燃料電池スタックが車両1000に搭載され、例えば、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾いた場合には、上記生成水は、重力によって、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流する場合がある。この場合、上記生成水が、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの少なくとも一部を閉塞し、単セルのカソードや、アノードへの、空気や、水素の供給を阻害するおそれがあった。
そこで、第1実施例の燃料電池スタック100では、単セル40において、アノード側金属多孔体43aにおける水素導入領域43ai、および、カソード側金属多孔体43cにおける空気導入領域43ciに、撥水処理を施すこととした。こうすることによって、図示したように、燃料電池スタック100が、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾く等により、発電によって生成された生成水Wに外力が作用し、この生成水Wが、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流した場合であっても、上記生成水Wを、撥水処理が施された空気導入領域43ci、および、水素導入領域43aiで撥水し、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドへの上記生成水Wの浸入を抑制することができる。この結果、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドが、上記生成水Wによって閉塞されることを抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池スタック100では、単セル40において、空気導入領域43ciが、カソード411cと当接する領域以外の領域に配置されているので(図4,7,8参照)、先述したように、上記生成水Wが空気供給マニホールドの方向に逆流した場合に、カソード411cの表面の一部に上記生成水が滞留することを抑制することができる。したがって、カソード411cの全面を発電に有効利用することができる。
また、本実施例の燃料電池スタック100では、単セル40において、アノード411aは、電解質膜411mの上面に形成されており、カソード411cは、電解質膜411mの下面に形成されているので、発電時にカソード411cで生成された生成水を、重力によって、カソード411cからカソード側金属多孔体43c速やかに移動させ、上記生成水がカソード411cに滞留するのを抑制することができる。
B.第2実施例:
図示は省略するが、第2実施例の燃料電池スタックも、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、車両1000に、複数の単セルが鉛直方向に積層された向きで設置される。そして、第2実施例の燃料電池スタックの構成は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成とほぼ同じである。ただし、第2実施例の燃料電池スタックでは、後述する単セル40Aの構造の一部が、第1実施例における単セル40と異なっている。以下、第2実施例の燃料電池スタックにおける単セル40Aを構成するシールガスケット一体型MEA41A、および、セパレータ42Aについて説明する。なお、単セル40Aにおけるガスの流れは、先に説明した単セル40におけるガスの流れと同じであるので、単セル40Aの断面構造についての図示および説明は省略する。
B1.シールガスケット一体型MEA41A:
図9は、第2実施例におけるシールガスケット一体型MEA41Aの概略構造を示す説明図である。図4に示した第1実施例におけるシールガスケット一体型MEA41と同様に、シールガスケット一体型MEA41Aにおいて、MEA411におけるアノード411aの表面、および、カソード411cの表面に、それぞれ、アノード側金属多孔体43Aa、および、カソード側金属多孔体43Acを積層させた状態を示した。図中の破線で囲われた領域は、MEA411に対応した領域を表している。
図3、および、図4と図9との比較から分かるように、第2実施例におけるシールガスケット一体型MEA41Aの構造は、第1実施例におけるシールガスケット一体型MEA41の構造とほぼ同じである。ただし、シールガスケット一体型MEA41Aでは、シールガスケット410Aに形成された空気供給用貫通孔412Aiの大きさ、および、配置が、シールガスケット一体型MEA41と異なっており、3つの空気供給用貫通孔412Aiの間の距離が、シールガスケット一体型MEA41における3つの空気供給用貫通孔412iの間の距離よりも長く設定されている。そして、これに伴い、空気供給用貫通孔412Ai近傍のシールラインSLの配置が、第1実施例と異なっている。さらに、アノード側金属多孔体43Aa、および、カソード側金属多孔体43Acの形状が、第1実施例におけるアノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cの形状と異なっている。
すなわち、図9に示したように、第2実施例におけるアノード側金属多孔体43Aaでは、MEA411のアノード411aと当接する領域以外の領域であって、各空気供給用貫通孔412AiとMEA411との間の領域に、それぞれ、撥水処理が施された水素導入領域43Aaiが設けられている。そして、各水素導入領域43aiの間の領域、および、各空気供給用貫通孔412Aiの間の領域(領域43Aaw)にも、アノード側金属多孔体43Aaが配置されており、これらの領域43Aawには、親水処理が施されている。また、カソード側金属多孔体43Acにおいて、MEA411のカソード411cと当接する領域以外の領域であって、各空気供給用貫通孔412AiとMEA411との間の領域に、それぞれ、撥水処理が施された空気導入領域43Aciが設けられている。そして、各空気導入領域43ciの間の領域、および、各空気供給用貫通孔412Aiの領域(領域43Acw)にも、カソード側金属多孔体43Acが配置されており、これらの領域43Acwにも、親水処理が施されている。
アノード側金属多孔体43Aaにおける各領域43Aaw、および、カソード側金属多孔体43Acにおける各領域43Acwは、それぞれ、第2実施例の燃料電池スタックが空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾く等により、発電によって生成された生成水Wに外力が作用し、この生成水Wが、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流したときに(図8参照)、図中に矢印で示したように、生成水Wを貯水する機能を奏する。アノード側金属多孔体43Aaにおける各領域43Aaw、および、カソード側金属多孔体43Acにおける各領域43Acwは、それぞれ、本発明におけるアノード側貯水部、および、カソード側貯水部に相当する。
B2.セパレータ:
図10は、第2実施例におけるセパレータ42Aの構成部品の平面図である。本実施例におけるセパレータ42Aは、第1実施例におけるセパレータ42と同様に、それぞれ複数の貫通孔が設けられた3枚の金属製の平板、すなわち、カソード対向プレート42Acと、中間プレート42Amと、アノード対向プレート42Aaとから構成されている。そして、セパレータ42Aは、中間プレート42Amを、カソード対向プレート42Acと、アノード対向プレート42Aaとによって挟み、これらをホットプレス接合することによって作製されている。本実施例においても、カソード対向プレート42Acと、中間プレート42Amと、アノード対向プレート42Aaとは、シールガスケット一体型MEA41Aと同一の略矩形形状を有するステンレス鋼製の平板を用いるものとした。
図10(a)は、シールガスケット一体型MEA41Aのカソード側の面と当接するカソード対向プレート42Acの平面図である。図中の破線で囲われた矩形領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41AにおけるMEA411に対応する領域を表している。また、図中の一点鎖線で囲われた領域は、先に示したアノード側金属多孔体43Aa、および、カソード側金属多孔体43Acに対応する領域を表している。
図示するように、カソード対向プレート42Acには、シールガスケット一体型MEA41Aに形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422Aciと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422coと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424ciと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔426ciと、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔426coと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424coとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41Aにおいて、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、カソード対向プレート42Acには、図示するように、3つの空気供給用貫通孔422Aci近傍の、カソード側金属多孔体43cの空気導入領域43Aciと対向する位置にそれぞれ配置された3つの空気供給口422Aosと、カソードオフガス排出用貫通孔422co近傍の、カソード側金属多孔体43Acの端部領域と対向する位置に配置されたカソードオフガス排出口422oeとが形成されている。本実施例では、各空気供給口422Aosは、対応する各空気供給用貫通孔422Aciの長辺の長さとほぼ等しい幅を有するスリット形状を有するものとした。また、カソードオフガス排出口422oeは、カソード側金属多孔体43Acの長辺の長さとほぼ等しい幅を有するスリット形状を有するものとした。
図10(b)は、中間プレート42Amの平面図である。図中の破線で囲われた矩形領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41AにおけるMEA411に対応する領域を表している。また、図中の一点鎖線で囲われた領域は、先に示したアノード側金属多孔体43Aa、および、カソード側金属多孔体43Acに対応する領域を表している。
図示するように、中間プレート42Amには、シールガスケット一体型MEA41Aに形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422Amiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422moと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424miと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424moとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41Aにおいて、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。また、中間プレート42Amには、冷却水供給マニホールドを構成する複数の冷却水流路形成用貫通孔426mも形成されている。
また、中間プレート42Amにおいて、各空気供給用貫通孔422Amiには、各空気供給用貫通孔422Amiから、カソード対向プレート42Acに形成された空気供給口422Aosに、それぞれ、空気を流すための複数の空気供給用流路形成部422mipが、櫛歯状に設けられている。また、カソードオフガス排出用貫通孔422moには、カソード対向プレート42Acに形成されたカソードオフガス排出口422oeから、カソードオフガス排出用貫通孔422moに、カソードオフガスを流すための複数のカソードオフガス排出用流路形成部422mopが、櫛歯状に設けられている。また、水素供給用貫通孔424miには、この水素供給用貫通孔424miから、後述するアノード対向プレート42Aaに形成された各水素供給口424hsに、水素を流すための水素供給用流路形成部424mipが設けられている。また、アノードオフガス排出用貫通孔424moには、後述するアノード対向プレート42Aaに形成されたアノードオフガス排出口424heから、アノードオフガス排出用貫通孔424moに、アノードオフガスを流すためのアノードオフガス排出用流路形成部424mopが設けられている。
図10(c)は、シールガスケット一体型MEA41Aのアノード側の面と当接するアノード対向プレート42Aaの平面図である。図中の破線で囲われた矩形領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA41AにおけるMEA411に対応する領域を表している。また、図中の一点鎖線で囲われた領域は、アノード側金属多孔体43Aa、および、カソード側金属多孔体43Acに対応する領域を表している。
図示するように、アノード対向プレート42Aaには、シールガスケット一体型MEA41Aに形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422Aaiと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422aoと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424aiと、冷却水供給マニホールドを構成する冷却水供給用貫通孔426aiと、冷却水排出マニホールドを構成する冷却水排出用貫通孔426aoと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424aoとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA41Aにおいて、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、アノード対向プレート42Aaには、図示するように、各空気供給用貫通孔422ai近傍の、アノード側金属多孔体43aの各水素導入領域43aiと対向する位置にそれぞれ配置された3つの水素供給口424Ahsと、カソードオフガス排出用貫通孔422ao近傍の、アノード側金属多孔体43Aaの端部領域と対向する位置に配置された水素供給口424hsとが形成されている。本実施例では、各水素供給口424hsは、各空気供給用貫通孔422Aciの長辺の長さとほぼ等しい幅を有するスリット形状を有するものとした。また、アノードオフガス排出口424heは、アノード側金属多孔体43Aaの長辺の長さとほぼ等しい幅を有するスリット形状を有するものとした。
図11は、セパレータ42Aの平面図である。このセパレータ42Aは、先に説明したように、カソード対向プレート42Acと、中間プレート42Amと、アノード対向プレート42Aaとを、ホットプレス接合することによって形成されている。ここでは、アノード対向プレート42Aa側から見た様子を示した。
図から分かるように、アノード対向プレート42Aaにおいて、各水素供給口424hsは、中間プレート42Amに形成された水素供給用流路形成部424mipと重なるように形成されている。また、アノード対向プレート42Aaにおいて、アノードオフガス排出口424heは、中間プレート42Amに形成されたアノードオフガス排出用流路形成部424mopと重なるように形成されている。
また、カソード対向プレート42Acにおいて、各空気供給口422osは、中間プレート42Amに形成された複数の空気供給用流路形成部422mipの各上端部と重なるように形成されている。また、カソード対向プレート42Acにおいて、カソードオフガス排出口422oeは、中間プレート42Amに形成された複数のカソードオフガス排出用流路形成部422mopの各下端部と重なるように形成されている。
また、中間プレート42Amにおいて、複数の冷却水流路形成用貫通孔426mは、それぞれ、その一端が、アノード対向プレート42Aaに形成された冷却水供給用貫通孔426ai、および、カソード対向プレート42Acに形成された冷却水供給用貫通孔426ciと重なるとともに、その他端が、アノード対向プレート42Aaに形成された冷却水排出用貫通孔426ao、および、カソード対向プレート42Acに形成された冷却水排出用貫通孔426coと重なるように形成されている。
B3.効果:
以上説明した第2実施例の燃料電池スタックでは、単セル40Aにおいて、アノード側金属多孔体43Aaにおける水素導入領域43Aai、および、カソード側金属多孔体43Acにおける空気導入領域43Aciに、撥水処理が施されている。また、アノード側金属多孔体43Aa、および、カソード側金属多孔体43Acに、それぞれ、アノード側貯水部(領域43Aaw)、および、カソード側貯水部(領域43Acw)が設けられている。こうすることによって、燃料電池スタックが、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾く等により、発電によって生成された生成水Wに外力が作用し、この生成水Wが、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流した場合であっても、上記生成水Wを、撥水処理が施された空気導入領域43Aci、および、水素導入領域43Aaiで撥水するとともに、カソード側貯水部、および、アノード側貯水部に貯水し、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドへの上記生成水Wの浸入を抑制することができる。この結果、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドが、上記生成水Wによって閉塞されることを抑制することができる。
C.第3実施例:
図示は省略するが、第3実施例の燃料電池スタックも、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、車両1000に、複数の単セルが鉛直方向に積層された向きで設置される。そして、第3実施例の燃料電池スタックの構成は、第1実施例の燃料電池スタック100の構成とほぼ同じである。ただし、第3実施例の燃料電池スタックでは、単セルの構造の一部が、第1実施例における単セル40と異なっている。以下、第3実施例の燃料電池スタックにおける単セルを構成するシールガスケット一体型MEA41Bについて説明する。なお、第3実施例の燃料電池スタックにおけるセパレータは、先に説明したセパレータ42と同じであり、また、単セルにおけるガスの流れは、先に説明した単セル40におけるガスの流れと同じであるので、第3実施例におけるセパレータ、および、単セルの断面構造についての図示および説明は省略する。
図12は、第3実施例におけるシールガスケット一体型MEA41Bの概略構造を示す説明図である。図4に示した第1実施例におけるシールガスケット一体型MEA41と同様に、シールガスケット一体型MEA41Bにおいて、MEA411におけるアノード411aの表面、および、カソード411cの表面に、それぞれ、アノード側金属多孔体43Ba、および、カソード側金属多孔体43Bcを積層させた状態を示した。図中の破線で囲われた領域は、MEA411に対応した領域を表している。
図3、および、図4と図12との比較から分かるように、第3実施例におけるシールガスケット一体型MEA41Bの構造は、第1実施例におけるシールガスケット一体型MEA41の構造とほぼ同じである。ただし、シールガスケット一体型MEA41Aでは、空気供給用貫通孔412i近傍のシールラインSLの配置が、第1実施例と異なっており、シールガスケット410Bにおける図示した右下の領域に、シールラインSLで囲まれた領域が設けられている。さらに、アノード側金属多孔体43Ba、および、カソード側金属多孔体43Bcの形状が、第1実施例におけるアノード側金属多孔体43a、および、カソード側金属多孔体43cの形状と異なっている。
すなわち、図12に示したように、第3実施例におけるアノード側金属多孔体43Baでは、MEA411のアノード411aと当接する領域以外の領域であって、空気供給用貫通孔412iとMEA411との間の領域に、撥水処理が施された水素導入領域43Baiが設けられている。そして、先述したシールガスケット410Bにおける図示した右下の領域にも、アノード側金属多孔体43Baの一部(領域43Baw)が配置されており、この領域43Bawには、親水処理が施されている。また、カソード側金属多孔体43Bcにおいて、MEA411のカソード411cと当接する領域以外の領域であって、空気供給用貫通孔412iとMEA411との間の領域に、撥水処理が施された空気導入領域43Bciが設けられている。そして、先述したシールガスケット410Bにおける図示した右下の領域にも、カソード側金属多孔体43Bcの一部(領域43Bcw)が配置されており、この領域43Bcwにも、親水処理が施されている。
アノード側金属多孔体43Baにおける領域43Baw、および、カソード側金属多孔体43Bcにおける領域43Bcwは、それぞれ、第3実施例の燃料電池スタックが空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾く等により、発電によって生成された生成水Wに外力が作用し、この生成水Wが、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流したときに(図8参照)、図中に矢印で示したように、生成水Wを貯水する機能を奏する。アノード側金属多孔体43Baにおける領域43Baw、および、カソード側金属多孔体43Bcにおける領域43Bcwは、それぞれ、本発明におけるアノード側貯水部、および、カソード側貯水部に相当する。
なお、本実施例では、図示したように、アノード側金属多孔体43Baの水素導入領域43Baiにおける撥水処理、および、カソード側金属多孔体43Bcの空気導入領域43Bciにおける撥水処理は、第3実施例の燃料電池スタックが空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾く等により、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流したときに、生成水Wを、速やかにアノード側貯水部(領域43Baw)、および、カソード側貯水部(領域43Bcw)に導くことができるように、アノード側貯水部方向、および、カソード側貯水部方向に傾斜して施されている。
以上説明した第3実施例の燃料電池スタックでは、単セルにおいて、アノード側金属多孔体43Baにおける水素導入領域43Bai、および、カソード側金属多孔体43Bcにおける空気導入領域43Bciに、撥水処理が施されている。また、アノード側金属多孔体43Ba、および、カソード側金属多孔体43Bcに、それぞれ、アノード側貯水部(領域43Baw)、および、カソード側貯水部(領域43Bcw)が設けられている。こうすることによって、燃料電池スタックが、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールド側に傾く等により、発電によって生成された生成水Wに外力が作用し、この生成水Wが、ガスの流れに逆らって、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドの方向に逆流した場合であっても、上記生成水Wを、撥水処理が施された空気導入領域43Bci、および、水素導入領域43Baiで撥水するとともに、カソード側貯水部、および、アノード側貯水部に速やかに移動させて貯水し、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドへの上記生成水Wの浸入を抑制することができる。この結果、空気供給マニホールドや、水素供給マニホールドが、上記生成水Wによって閉塞されることを抑制することができる。
D.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
D1.変形例1:
上記第1実施例では、アノード側金属多孔体43aにおける水素導入領域43ai、および、カソード側金属多孔体43cにおける空気導入領域43ciの双方に、撥水処理を施すものとしたが、本発明は、これに限られない。水素導入領域43ai、および、空気導入領域43ciの少なくとも一方に撥水処理を施すようにすればよい。これは、第2実施例、および、第3実施例においても同様である。
D2.変形例2:
上記第1実施例では、アノード側金属多孔体43aにおける水素導入領域43ai、および、カソード側金属多孔体43cにおける空気導入領域43ciは、それぞれ、MEA411のアノード411a、および、カソード411cと当接しない領域に配置するものとしたが、本発明は、これに限られない。ただし、水素導入領域43ai、および、空気導入領域43ciを、それぞれ、MEA411のアノード411a、および、カソード411cと当接しない領域に配置することによって、上記生成水が逆流したときに、アノード411aや、カソード411cの表面の一部に滞留することを抑制し、アノード411aや、カソード411cの全面を発電に有効利用することができる。これは、第2実施例、および、第3実施例においても同様である。
D3.変形例3:
上記第1実施例では、単セル40において、アノード411aは、電解質膜411mの上面に配置されており、カソード411cは、電解質膜411mの下面に配置されているものとしたが、本発明は、これに限られず、アノード411aを、電解質膜411mの下面に配置し、カソード411cを、電解質膜411mの上面に配置するようにしてもよい。ただし、アノード411aを、電解質膜411mの上面に配置し、カソード411cを、電解質膜411mの下面に配置することによって、カソード411cで生成された上記生成水Wを、重力によって、カソード411cからカソード側金属多孔体43cに速やかに移動させ、上記生成水Wがカソード411cに滞留するのを抑制することができる。
D4.変形例4:
上記第2実施例では、アノード側金属多孔体43Aaの一部の領域43Aaw、および、カソード側金属多孔体43Acの一部の領域43Acwを、それぞれ、アノード側貯水部、および、カソード側貯水部として利用するものとしたが、本発明は、これに限られない。これらの領域を空隙として、それぞれ、アノード側貯水部、および、カソード側貯水部として利用するようにしてもよい。
また、上記第3実施例では、アノード側金属多孔体43Baの一部の領域43Baw、および、カソード側金属多孔体43Bcの一部の領域43Bcwを、それぞれ、アノード側貯水部、および、カソード側貯水部として利用するものとしたが、本発明は、これに限られない。これらの領域を空隙として、それぞれ、アノード側貯水部、および、カソード側貯水部として利用するようにしてもよい。
D5.変形例5:
上記第1ないし第3実施例において、アノード側金属多孔体43a,43Aa,43Ba、および、カソード側金属多孔体43c,43Ac,43Bcは、それぞれ、単一の部材からなるものとしてもよいし、複数の部材からなるものとしてもよい。アノード側金属多孔体43a,43Aa,43Ba、および、カソード側金属多孔体43c,43Ac,43Bcが、複数の部材からなる場合には、水素導入領域43ai,43Aai,43Bai、および、空気導入領域43ci,43Aci,43Bciの気孔率を他の領域における気孔率よりも小さくするようにしてもよい。こうすることによって、燃料ガス供給マニホールドや、酸化剤ガス供給マニホールドへの生成水の浸入を抑制する効果を、さらに高めることができる。
本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100を備える車両1000の概略構成を示す説明図である。 本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す説明図である。 第1実施例におけるシールガスケット一体型MEA41の概略構造を示す説明図である。 シールガスケット一体型MEA41においてMEA411におけるアノード411aの表面およびカソード411cの表面にそれぞれアノード側金属多孔体43aおよびカソード側金属多孔体43cを積層させた状態を示す説明図である。 第1実施例におけるセパレータ42の構成部品の平面図である。 セパレータ42の平面図である。 単セル40の断面構造を示す説明図である。 第1実施例の燃料電池スタック100の効果を示す説明図である。 第2実施例におけるシールガスケット一体型MEA41Aの概略構造を示す説明図である。 第2実施例におけるセパレータ42Aの構成部品の平面図である。 セパレータ42Aの平面図である。 第3実施例におけるシールガスケット一体型MEA41Bの概略構造を示す説明図である。
符号の説明
1000…車両
100…燃料電池スタック
10a,10b…エンドプレート
12i…空気供給口
12o…カソードオフガス排出口
14i…水素供給口
14o…アノードオフガス排出口
16i…冷却水供給口
16o…冷却水排出口
20a,20b…絶縁板
30a,30b…集電板
40,40A…単セル
41,41A,41B…シールガスケット一体型MEA
410,410A,410B…シールガスケット
412i,412Ai…空気供給用貫通孔
412o…カソードオフガス排出用貫通孔
414i…水素供給用貫通孔
414o…アノードオフガス排出用貫通孔
416i…冷却水供給用貫通孔
416o…冷却水排出用貫通孔
411…MEA
411m…電解質膜
411a…アノード
411ac…アノード側触媒層
411ad…アノード側ガス拡散層
411c…カソード
411cc…カソード側触媒層
411cd…カソード側ガス拡散層
42,42A…セパレータ
42c,42Ac…カソード対向プレート
422ci,422Aci…空気供給用貫通孔
422os,422Aos…空気供給口
422co…カソードオフガス排出用貫通孔
422oe…カソードオフガス排出口
424ci…水素供給用貫通孔
424co…アノードオフガス排出用貫通孔
426ci…冷却水供給用貫通孔
426co…冷却水排出用貫通孔
42m,42Am…中間プレート
422mi,422Ami…空気供給用貫通孔
422mip…空気供給用流路形成部
422mo…カソードオフガス排出用貫通孔
422mop…カソードオフガス排出用流路形成部
424mi…水素供給用貫通孔
424mip…水素供給用流路形成部
424mo…アノードオフガス排出用貫通孔
424mop…アノードオフガス排出用流路形成部
426m…冷却水流路形成用貫通孔
42a,42Aa…アノード対向プレート
422ai,422Aai…空気供給用貫通孔
422ao…カソードオフガス排出用貫通孔
424ai…水素供給用貫通孔
424ao…アノードオフガス排出用貫通孔
426ai…冷却水供給用貫通孔
426ao…冷却水排出用貫通孔
424hs,424Ahs…水素供給口
424he…アノードオフガス排出口
43a,43Aa,43Ba…アノード側金属多孔体
43ai,43Aai,43Bai…水素導入領域
43Aaw,43Baw…アノード側貯水部
43c,43Ac,43Bc…カソード側金属多孔体
43ci,43Aci,43Bci…空気導入領域
43Acw,43Bcw…カソード側貯水部
SL…シールライン
W…生成水

Claims (8)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって発電する単セルを鉛直方向に複数積層した燃料電池スタックであって、
    前記燃料電池スタックの外部から供給された前記燃料ガスを、複数の前記単セルのアノードに分岐して供給するための燃料ガス供給マニホールドと、
    前記複数の単セルのアノードから排出された排出ガスであるアノードオフガスを集合させて前記燃料電池スタックの外部に排出するためのアノードオフガス排出マニホールドと、
    前記燃料電池スタックの外部から供給された前記酸化剤ガスを、前記複数の単セルのカソードに分岐して供給するための酸化剤ガス供給マニホールドと、
    前記複数の単セルのカソードから排出された排出ガスであるカソードオフガスを集合させて前記燃料電池スタックの外部に排出するためのカソードオフガス排出マニホールドと、
    を備え、
    前記単セルは、
    前記アノードの表面側に積層され、前記燃料ガスを前記アノードの表面に沿って流すための流路を構成するアノード側流路構成部材と、
    前記カソードの表面側に積層され、前記酸化剤ガスを前記カソードの表面に沿って流すための流路を構成するカソード側流路構成部材と、を備え、
    前記アノード側流路構成部材における、前記燃料ガス供給マニホールドから前記燃料ガスが導入される領域である燃料ガス導入領域、および、前記カソード側流路構成部材における、前記酸化剤ガス供給マニホールドから前記酸化剤ガスが導入される領域である酸化剤ガス導入領域の少なくとも一方に、撥水処理が施されている、
    燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックであって、
    前記カソード側流路構成部材における前記酸化剤ガス導入領域には、前記撥水処理が施されており、
    前記酸化剤ガス導入領域は、前記カソードと当接する領域以外の領域に配置されている、
    燃料電池スタック。
  3. 請求項2記載の燃料電池スタックであって、
    前記単セルは、さらに、前記カソード側において、前記酸化剤ガス導入領域以外の領域であって、前記カソードよりも外側の領域に、前記電気化学反応によって生成された生成水を貯水するためのカソード側貯水部を備える、
    燃料電池スタック。
  4. 請求項3記載の燃料電池スタックであって、
    前記酸化剤ガス導入領域における前記撥水処理は、前記生成水を、前記カソード側貯水部に導くように施されている、
    燃料電池スタック。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記アノード側流路構成部材における前記燃料ガス導入領域には、前記撥水処理が施されており、
    前記燃料ガス導入領域は、前記アノードと当接する領域以外の領域に配置されている、
    燃料電池スタック。
  6. 請求項5記載の燃料電池スタックであって、
    前記単セルは、さらに、前記アノード側において、前記燃料ガス導入領域以外の領域であって、前記アノードよりも外側の領域に、前記電気化学反応によって生成された生成水を貯水するためのアノード側貯水部を備える、
    燃料電池スタック。
  7. 請求項6記載の燃料電池スタックであって、
    前記燃料ガス導入領域における前記撥水処理は、前記生成水を、前記アノード側貯水部に導くように施されている、
    燃料電池スタック。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の燃料電池スタックであって、
    前記単セルにおいて、前記アノードは、鉛直上方に配置されており、前記カソードは、鉛直下方に配置されている、
    燃料電池スタック。
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