JP2009144759A - フランジ継手用漏液防止ボルト及びナット、ならびにそのフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットを用いた漏液部補修方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】漏液部を簡単に且つ確実に補修できるようにする。
【解決手段】対向するフランジ部1,1同士にボルト孔2,2が形成されており、そのボルト孔2,2に挿通したボルト11にナット12をねじ込んで締付けることにより、前記フランジ部1,1間を液密に固定するフランジ継手部Fに使用する前記ボルト11及び前記ナット12であって、前記ボルト11及び前記ナット12の前記フランジ部1側に向く座面11a,12aにそれぞれそのボルト軸心c周り全周に亘る環状突起21,22を設け、その各環状突起21,22をその全周に亘って前記フランジ部1,1の表面1a,1aに直接接触させて前記締付けを可能とする。その締付けにより、前記環状突起21,22とフランジ部1,1との接触部をその全周に亘って液密に閉じ、ボルト孔2内周とボルト11の軸部11b外周との隙間を通ってフランジ部1の表面1aに流れ出た液体を、外部に漏れ出ないようにする。
【選択図】図1
【解決手段】対向するフランジ部1,1同士にボルト孔2,2が形成されており、そのボルト孔2,2に挿通したボルト11にナット12をねじ込んで締付けることにより、前記フランジ部1,1間を液密に固定するフランジ継手部Fに使用する前記ボルト11及び前記ナット12であって、前記ボルト11及び前記ナット12の前記フランジ部1側に向く座面11a,12aにそれぞれそのボルト軸心c周り全周に亘る環状突起21,22を設け、その各環状突起21,22をその全周に亘って前記フランジ部1,1の表面1a,1aに直接接触させて前記締付けを可能とする。その締付けにより、前記環状突起21,22とフランジ部1,1との接触部をその全周に亘って液密に閉じ、ボルト孔2内周とボルト11の軸部11b外周との隙間を通ってフランジ部1の表面1aに流れ出た液体を、外部に漏れ出ないようにする。
【選択図】図1
Description
この発明は、送水管や送油管など内部に水や油などの液体が供給される管状体、あるいは、変圧器の油槽や各種タンクなど内部に液体が満たされる筺状体において、対向するフランジ部同士をボルト及びナットで締付けて固定したフランジ継手部に漏水や漏油等(以下、総称して「漏液」という。)が発生した場合に、その漏液部を補修するために用いるフランジ継手用漏液防止ボルト及びナット、及びそのフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットを用いた漏液部の補修方法に関するものである。
送水管や送油管などの管状体や、変圧器の油槽などの筺状体において、対向するフランジ部同士をボルト及びナットで締付けて固定したフランジ継手部には、経年により漏液が生じる場合がある。
例えば、この発明の実施形態の説明図である図2に示す管状体(管路)Pのフランジ継手部Fを例に説明すると、図8(a)に矢印Aで示すように、ボルト孔2,2から内部の液体が漏れ出たり、あるいは、図8(b)に矢印Bで示すように、フランジ継手部Fの対向するフランジ部1,1間の隙間を通って、フランジ部1,1の外周縁5に内部の液体が漏れ出る事例が見られる。
漏液が発生する理由としては、そのフランジ継手部Fの対向するフランジ部1,1間に介在するパッキン6の劣化や、フランジ部1,1自体の腐食等により、既設ボルト3及び既設ナット4による両フランジ部1,1同士を締付ける力が弱まったことなどが考えられる。
このような漏液が発生した場合、管状体、筺状体の内部の液体が徐々に外部に漏れ出るので、そのまま放置することは美観上好ましくなく、また、安全上の観点から漏液を放置できない場合もある。
しかし、フランジ継手部に生じた漏液を止めるためには、管状体内部の液体の供給を止めた後、あるいは筺状体内部の液体を抜き取った後、ボルトやパッキン等を除去してフランジ継手部を完全に分解し、そのフランジ部間に新たなパッキンを挿入して新しいボルト及びナットで締付ける方法がある。
しかし、フランジ継手部の分解を伴うこの手法によると、内部の液体の供給を止めたり、あるいは内部の液体を抜き取る必要があるので、大がかりな作業となる。このため、容易には補修作業を行うことができなかった。
そこで、フランジ継手部を完全に分解することなく、漏液部を補修するための各種技術が開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
そこで、フランジ継手部を完全に分解することなく、漏液部を補修するための各種技術が開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1,2に記載の技術によれば、重ね合わせたフランジ部の外周を覆う部材を必要とする。この部材は、フランジ継手部の形状に合わせてその外形に沿うように、その都度製作する必要があるので、部品の製作が面倒である。また、この手法によれば、部品点数が多くなる点も問題である。
また、図8(a)に示すように、フランジ部を貫通するボルト孔から漏液が発生した場合には、完全に漏液を止めることができない場合もあると考えられる。
また、図8(a)に示すように、フランジ部を貫通するボルト孔から漏液が発生した場合には、完全に漏液を止めることができない場合もあると考えられる。
また、特許文献3に記載の技術は、フランジ部同士の間にパッキン、鋼線、コーキング剤等を介在させるので、作業が繁雑である。また、特許文献1,2と同様、特に、ボルト孔を通じた漏液は完全に止めることはできない場合もある。
そこで、この発明は、漏液部を簡単に且つ確実に補修できるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、対向するフランジ部同士にボルト孔が形成されており、そのボルト孔に挿通したボルトにナットをねじ込んで締付けることにより、前記フランジ部間を液密に固定するフランジ継手部に使用する前記ボルト及び前記ナットであって、前記ボルト及び前記ナットの前記フランジ部側に向く座面にそれぞれそのボルト軸心周り全周に亘る環状突起を設け、その各環状突起をその全周に亘って前記フランジ部の表面に直接接触させて前記締付けを可能としたフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットを採用した。
この構成によれば、ボルトの座面及びナットの座面にそれぞれ設けた環状突起が、対向するフランジ部に直接接触するので、通常のボルト及びナットのようにフラットな座面がフランジ部に面接触する場合と比較して、そのフランジ部と座面との接触面積が小さくなる。接触面積が小さくなれば、ボルト及びナットからフランジ部に作用する圧力が増大するので、そのフランジ同士を密着させる力が高まる。密着度合いが高まれば、漏液を効果的に防止することができる。
また、その環状突起は、ボルト側及びナット側において、それぞれフランジ部のボルト孔周囲に全周に亘って直接接触するので、特に、そのボルト孔周囲におけるフランジ部同士の密着度合いが高まり、ボルト孔を通じて生じ得る漏液を抑えるのに効果的であるといえる。
また、その環状突起は、ボルト側及びナット側において、それぞれフランジ部のボルト孔周囲に全周に亘って直接接触するので、特に、そのボルト孔周囲におけるフランジ部同士の密着度合いが高まり、ボルト孔を通じて生じ得る漏液を抑えるのに効果的であるといえる。
さらに、そのボルト、ナットの締付けにより、前記環状突起と前記フランジ部との接触部をその全周に亘って液密に閉じる構成とすれば、そのフランジ部間の隙間と、ボルト孔内周とボルトの軸部外周との隙間を通ってフランジ部表面に流れ出た液体を、その環状突起とフランジ部との接触部で封じて外部に漏れ出ないようにすることができる。このため、ボルト孔を通じて生じる漏液をさらに効果的に抑制することができる。
その環状突起とフランジ部との接触部を液密に閉じるに際し、例えば、前記環状突起がフランジ部の素材を弾性変形あるいは塑性変形させながらそのフランジ部に食い込むようにすると、液密の度合いを高めるのに効果的である。環状突起をフランジ部に食い込ませることができれば、いわゆるラビリンス効果により、前記接触部を通過する液体の圧力損失を高めることができるからである。
このとき、前記環状突起を構成する素材を、前記フランジ部の表面の素材よりも硬いものとすれば、その食い込みが生じやすくなるので、液密の度合いを高めることができる。
また、前記環状突起を、前記フランジ部に接触する先端がその全周に亘って鋭角状に尖って形成されたものとすれば、前記環状突起と前記フランジ部との接触面積をさらに小さくして締付けの圧力を高めることができる。また、環状突起の先端が鋭角状に尖っていれば、その環状突起がフランジ部に対してより深く食い込みやすくなり、環状突起がフランジ部に深く食い込めば、液密の度合いをさらに高めることができる。
なお、フランジ部の表面が、経年の腐食等により凹凸状になっている場合には、このような環状突起のフランジ部への食い込みが、液密の確保に有効である。
前記環状突起と前記フランジ部との接触部を液密に閉じる構成において、前記環状突起は前記座面の外径側に位置し、その環状突起の内径側に向く周壁を、前記先端から遠ざかるにつれて徐々に縮径するテーパー面とした構成を採用することができる。
環状突起の内側がテーパー面であれば、ボルト頭部の断面形状が、環状突起の先端に向かうにつれて徐々に細くなる構成となる。このため、ボルトの頭部に対して環状突起の強度を高めることができる。
これらの各フランジ継手用漏液防止ボルト及びナットの製造方法として、座面がボルト軸心方向に直交する面方向のフラット面となっているボルト及びナットを用いて、そのボルト及びナットの前記座面を切削することにより前記環状突起がボルト軸心方向に突出するように形成されることを特徴とするフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットの製造方法を採用することができる。
また、フランジ継手部に生じた漏液部を、これらの各フランジ継手用漏液防止ボルト及びナットを用いて補修する漏液部補修方法として、以下の構成を採用することができる。
すなわち、前記フランジ部の漏液部に取付けられている既設ボルト及び既設ナットを取外し、その既設ボルト及び既設ナットを取り外した後の前記フランジ部のボルト孔に、前記フランジ部側に向く座面にそれぞれそのボルト軸心周り全周に亘る環状突起を設けたボルト及びナットを取付け、前記ボルトに前記ナットをねじ込んで締付けることにより、前記各環状突起をその全周に亘って前記フランジ部の表面に直接接触させる漏液部補修方法である。
すなわち、前記フランジ部の漏液部に取付けられている既設ボルト及び既設ナットを取外し、その既設ボルト及び既設ナットを取り外した後の前記フランジ部のボルト孔に、前記フランジ部側に向く座面にそれぞれそのボルト軸心周り全周に亘る環状突起を設けたボルト及びナットを取付け、前記ボルトに前記ナットをねじ込んで締付けることにより、前記各環状突起をその全周に亘って前記フランジ部の表面に直接接触させる漏液部補修方法である。
この発明は、ボルトの座面及びナットの座面にそれぞれ設けた環状突起が、対向するフランジ部に直接接触するので、ボルト及びナットからフランジ部に作用する圧力を増大させてそのフランジ同士を密着させる力を高め、漏液部を簡単に且つ確実に補修できる。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、図2(a)に示す管状体(管路)Pの接続部に設けられたフランジ継手部F、又は図2(b)に示す変圧器の筺状体Qに設けられたフランジ継手部Fの一部又は全部に、漏水部又は漏油部が生じた際に、それらの漏水又は漏油を止めるための補修方法である。管状体Pは、内部に水が流通するものであり、筺状体Qは内部に絶縁油が満たされている。
フランジ継手部Fは、対向するフランジ部1,1同士に、複数のボルト孔2,2が形成されている。図2(a)(b)に示す状態は、それぞれ、図8に示す既設ボルト3及び既設ナット4が既に取り外され、その既設ボルト3及び既設ナット4を取り外した後のボルト孔2,2に、漏水部又は漏油部の補修に用いるフランジ継手用漏液防止ボルト11及びナット12を取付けようとしている状態を示している。
そのフランジ継手部Fの漏水部や漏油部において、既設ボルト3及び既設ナット4を取り外した後、そのフランジ部1,1のボルト孔2,2周囲の清掃を行い、各フランジ部1,1の表面1a,1aやボルト孔2,2内の水や油を除去しておく。また、各フランジ部1,1の表面1a,1aに腐食等による凹凸がある場合には、適宜それらの凹凸を除去する、あるいは滑らかにするようにその表面1aの研削、研磨を行っておくことが望ましい。
フランジ継手用漏液防止ボルト11及びナット12(以下、単に「ボルト11」「ナット12」と記載する。)の構成を、図1に示す。
ボルト11の構成は、断面六角形の頭部11cと、ねじ溝11dが形成された軸部11bとを備え、その頭部11cの前記フランジ部1側に向く座面11aに、ボルト軸心c周り全周に亘る環状突起21が設けられている。環状突起21は、頭部11cの断面六角形を成す部分よりも軸部11b側に設けた断面円形の張出し部11eに形成されている。
ナット12の構成は、断面六角形の頭部12cと、ねじ溝12dが形成された孔部12bとを備え、その頭部12cの前記フランジ部1側に向く座面12aに、ボルト軸心c周り全周に亘る環状突起22が設けられている。環状突起22は、頭部12cの断面六角形を成す部分よりも座面12a側に設けた断面円形の張出し部12eに形成されている。
その各環状突起21,22は、図1(b)に示すように、それぞれ前記座面11a,12aの外径側に位置し、その環状突起21,22の内径側に向く周壁21b,22bが、前記先端21a,22aから遠ざかるにつれて徐々に縮径するテーパー面となっている。すなわち、各環状突起21,22は、その径方向への厚さが先端に向かうにつれて徐々に薄くなるように先細りに形成されているので、各頭部11c,12cに対して強固に支持される。
なお、環状突起21,22の位置、大きさとしては、この実施形態のように、各座面11a,12aのほぼ全体が環状突起21,22で構成されているようにしてもよいし、例えば、図6(a)に示すように、ボルト11及びナット12の各座面11a,12aの内径寄りの部分をボルト軸心方向に直交する面方向のやや広いフラット面として、そのフラット面よりもさらに外径寄りの部分を、軸方向に突出する環状突起21,22で構成されるようにしてもよい。また、それ以外の構成として、軸部11bの根元部やねじ孔12bの縁から環状突起21,22が立ち上がるようにして、前記フラット面を備えない座面11a,12aの構成も考えられる。
このボルト11をフランジ部1のボルト孔2に挿通し、そのボルト11に前記ナット12をねじ込んで締付けることにより、前記各環状突起21,22をその全周に亘って前記フランジ部1,1の表面1a,1aに直接接触させる。
そのナット12の締付けにより、前記各環状突起21,22が、その全周に亘って前記フランジ部1,1の表面1a,1aに押し付けられる。各環状突起21,22の先端21a,22aは、ボルト軸心c方向に直交する同一面内に形成されているので、その全周が前記フランジ部1,1の表面1a,1aに均等な力で当接するようになっている。
その各環状突起21,22は、図3(a)(b)に示すように、その先端21a,22aがフランジ部1,1の表面1a,1aに直接接触し、その接触面積は非常に小さいものとなっている。このため、前記既設ボルト3及び既設ナット4のようにフラットな座面がフランジ部に面接触する場合と比較して、あるいは、平ワッシャ7(図7参照)を介して接触する場合と比較して、フランジ部1に作用する圧力を増大させる。このため、フランジ部1,1同士を密着させる力が高まり、そのフランジ部1,1間の漏水、漏油を効果的に防止することができる。
また、その環状突起21,22は、フランジ部1,1のボルト孔2,2周囲に全周に亘って直接接触するので、特に、そのボルト孔2,2周囲におけるフランジ部1,1同士の密着度合いを高めることができる。このため、ボルト孔2,2を通じて漏水又は漏油が生じている場合の補修に効果的である。
また、この締付けにより、前記環状突起21,22とフランジ部1,1の表面1a,1aとの接触部が、その全周に亘って高い圧力で密着して液密に閉じられるようになっている。
このため、図4に示すように、前記フランジ部1,1間の隙間と、ボルト孔2内周とボルト11の軸部11b外周との隙間を通ってフランジ部1の表面1aに流れ出た水や油を、その環状突起21,22とフランジ部1の表面1aとの接触部で封じて外部に漏れ出ないようにすることができる。このため、ボルト孔2を通じて生じ得る漏水や漏液を、効果的に抑制することができる。
このため、図4に示すように、前記フランジ部1,1間の隙間と、ボルト孔2内周とボルト11の軸部11b外周との隙間を通ってフランジ部1の表面1aに流れ出た水や油を、その環状突起21,22とフランジ部1の表面1aとの接触部で封じて外部に漏れ出ないようにすることができる。このため、ボルト孔2を通じて生じ得る漏水や漏液を、効果的に抑制することができる。
また、この実施形態では、各環状突起21,22の先端21a,22aは、そのフランジ部1,1との接触部を液密に閉じるに際し、フランジ部1,1の表面1a,1aの素材を弾性変形あるいは塑性変形させながら、そのフランジ部1に食い込むように締付けられるようになっている。このような食い込みが生じることにより、液密の度合いが高められている。図4では、フランジ部1の表面1aに図示する凹凸が生じているので、このような食い込みによる液密度向上の効果が高いといえる。
さらに、この食い込みにおいて、前記環状突起21,22の先端21a,22aがその全周に亘って鋭角状に尖って形成されていることも有効に作用している。すなわち、前記環状突起21,22の先端21a,22aが鋭角状に尖っていれば、フランジ部1,1の表面1a,1aに食い込みやすくなるからである。
また、その環状突起21,22を構成する素材は、前記フランジ部1,1の表面1a,1aの素材よりも硬くなるように焼き入れが施されていることにより、各先端21a,22aがフランジ部1,1の表面1a,1aに食い込みやすくなっている。
また、その環状突起21,22を構成する素材は、前記フランジ部1,1の表面1a,1aの素材よりも硬くなるように焼き入れが施されていることにより、各先端21a,22aがフランジ部1,1の表面1a,1aに食い込みやすくなっている。
これらのボルト11及びナット12を用いて、実際に漏液防止効果を確認するための耐圧実験を行ったところ、良好な結果が確認できている。
具体的には、フランジ部1を構成する鋼材として一般的なSS400からなるブロック状の試験片を用いる。試験片は、内部に一定の円形断面を有する長手状の中空空間を有し、試験片の外側から、その空間に連通するボルト孔2が形成されている。
ボルト孔2の一つは、その長手状の空間の長さ方向に沿って空間の端部に開口するように形成され、もう一つは、長手状の空間の周面に開口するように、径方向に向けて設けられる。この2箇所のボルト孔2に前記ボルト11をねじ込んだ。そして、ボルト11の環状突起21をボルト孔2周囲の鋼材表面に直接接触させ、そのボルト11をナット12で締付けた。このとき、ナット12の環状突起22も鋼材表面に直接接触する。
ボルト11、12は、焼き入れを施すことにより環状突起21、22の硬度を高めている。
このボルト孔2の内周に、0.6MPの圧油、及び0.93MPの圧気を作用させて、内部からの流体の漏れがないことを確認できた。
ボルト11、12は、焼き入れを施すことにより環状突起21、22の硬度を高めている。
このボルト孔2の内周に、0.6MPの圧油、及び0.93MPの圧気を作用させて、内部からの流体の漏れがないことを確認できた。
なお、環状突起21,22は、例えば、図6(b)に示すように、鋭角状に尖った先端21a,22aに面取り部21c,22cを設けた構成としてもよい。
また、環状突起21,22は、この実施形態のように鋭角状に尖った先端21a,22aを有する形状に限定されない。例えば、図6(c)に示すように、その先端21a,22aが前記フランジ部1の表面1aに径方向幅wの範囲で面接触するようなフラット面となっている構成など、他の断面形状を成す環状突起21,22であっても所定の効果を発揮し得る。なお、その先端21a,22aのフランジ部1,1との接触部の面積が、できる限り小さいことが望ましいことはいうまでもない。
また、環状突起21,22は、この実施形態のように鋭角状に尖った先端21a,22aを有する形状に限定されない。例えば、図6(c)に示すように、その先端21a,22aが前記フランジ部1の表面1aに径方向幅wの範囲で面接触するようなフラット面となっている構成など、他の断面形状を成す環状突起21,22であっても所定の効果を発揮し得る。なお、その先端21a,22aのフランジ部1,1との接触部の面積が、できる限り小さいことが望ましいことはいうまでもない。
これらのボルト11及びナット12を製造する際には、前記環状突起21,22の形成を前記頭部11c,12cの成形と同時に行うこともできるが、例えば、図5(a)に示すボルト11’及びナット12’を切削加工することにより、図5(b)に示すボルト11及びナット12とすることができる。この切削は、ねじ溝11d,12dの形成前であっても形成後であってもよい。
具体的には、図5(a)に示す切削前のボルト11’及びナット12’は、座面11a’,12a’がボルト軸心c方向に直交する面方向のフラット面となっている一般的な既製品を使用することができる。
このボルト11’及びナット12’の前記座面11a’,12a’のうち、図示する凹状の部分13,14を切削することにより、その切削後の座面11a,12aにおいて、前記環状突起21,22がボルト軸心c方向に突出するように形成される。
このボルト11’及びナット12’の前記座面11a’,12a’のうち、図示する凹状の部分13,14を切削することにより、その切削後の座面11a,12aにおいて、前記環状突起21,22がボルト軸心c方向に突出するように形成される。
なお、図7に示すように、前記各環状突起21,22を、それぞれ前記座面11a,12aの径方向中程(軸部11bの外周と頭部11cの外周との中間付近、あるいはねじ孔12bの縁と頭部12cの外周との中間付近)に位置させ、その環状突起21,22の内径側に向く周壁21b,22bに加えて、外径側に向く周壁21c,22cもテーパー面とした構成としてもよい。すなわち、前記各環状突起21,22の外径側に向く周壁21c,22cは、その先端21a,22aから遠ざかるにつれて徐々に拡径するテーパー面となっている。
このようにすれば、各環状突起21,22の先端21a,22aに作用する前記フランジ部1からの押し付け力が、その環状突起21,22全体に対して均等に作用しやすくなるので、より好ましい。
このようにすれば、各環状突起21,22の先端21a,22aに作用する前記フランジ部1からの押し付け力が、その環状突起21,22全体に対して均等に作用しやすくなるので、より好ましい。
1 フランジ部
2 ボルト孔
3 既設ボルト
4 既設ナット
5 外周縁
6 パッキン
11 ボルト
11a,12a 座面
12 ナット
13,14 凹部
21,22 環状突起
21a,22a 先端
21b,22b 周壁
c ボルト軸心
F フランジ継手部
P 管状体(管路)
Q 筺状体(変圧器)
2 ボルト孔
3 既設ボルト
4 既設ナット
5 外周縁
6 パッキン
11 ボルト
11a,12a 座面
12 ナット
13,14 凹部
21,22 環状突起
21a,22a 先端
21b,22b 周壁
c ボルト軸心
F フランジ継手部
P 管状体(管路)
Q 筺状体(変圧器)
Claims (7)
- 対向するフランジ部1,1同士にボルト孔2,2が形成されており、そのボルト孔2,2,に挿通したボルト11にナット12をねじ込んで締付けることにより、前記フランジ部1,1間を液密に固定するフランジ継手部Fに使用する前記ボルト11及び前記ナット12であって、前記ボルト11及び前記ナット12の前記フランジ部1側に向く座面11a,12aにそれぞれそのボルト軸心c周り全周に亘る環状突起21,22を設け、その各環状突起21,22をその全周に亘って前記フランジ部1,1の表面1a,1aに直接接触させて前記締付けを可能としたフランジ継手用漏液防止ボルト及びナット。
- 前記締付けにより、前記環状突起21,22とフランジ部1,1との接触部をその全周に亘って液密に閉じるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフランジ継手用漏液防止ボルト及びナット。
- 前記環状突起21,22を構成する素材は、前記フランジ部1,1の表面1a,1aの素材よりも硬いことを特徴とする請求項2に記載のフランジ継手用漏液防止ボルト及びナット。
- 前記環状突起21,22は、前記フランジ部1,1に接触する先端21a,22aがその全周に亘って鋭角状に尖って形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のフランジ継手用漏液防止ボルト及びナット。
- 前記環状突起21,22は前記座面11a,12aの外径側に位置し、その環状突起21,22の内径側に向く周壁21b,22bを、前記先端21a,22aから遠ざかるにつれて徐々に縮径するテーパー面としたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のフランジ継手用漏液防止ボルト及びナット。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットの製造方法において、
座面11a’,12a’がボルト軸心c方向に直交する面方向のフラット面となっているボルト11’及びナット12’を用いて、そのボルト11’及びナット12’の前記座面11a’,12a’を切削することにより前記環状突起21,22がボルト軸心c方向に突出するように形成されることを特徴とするフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットの製造方法。 - フランジ継手部Fに生じた漏液部を、請求項1乃至5のいずれかに記載のフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットを用いて補修する漏液部補修方法において、
前記フランジ部1,1の漏液部に取付けられている既設ボルト3及び既設ナット4を取外し、その既設ボルト3及び既設ナット4を取り外した後の前記フランジ部1,1のボルト孔2,2に、前記フランジ部1側に向く座面11a,12aにそれぞれそのボルト軸心c周り全周に亘る環状突起21,22を設けたボルト11及びナット12を取付け、そのボルト11に前記ナット12をねじ込んで締付けることにより、前記各環状突起21,22をその全周に亘って前記フランジ部1,1の表面1a,1aに直接接触させる漏液部補修方法。
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JP2007320428A JP2009144759A (ja) | 2007-12-12 | 2007-12-12 | フランジ継手用漏液防止ボルト及びナット、ならびにそのフランジ継手用漏液防止ボルト及びナットを用いた漏液部補修方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010146821A1 (ja) | 2009-06-17 | 2010-12-23 | 新日本製鐵株式会社 | 絶縁被膜を有する電磁鋼板及びその製造方法 |
CN102777474A (zh) * | 2012-07-23 | 2012-11-14 | 冯新永 | 抽油机电机防盗螺栓组 |
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2007
- 2007-12-12 JP JP2007320428A patent/JP2009144759A/ja active Pending
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