JP2009143917A - 治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビオラキサンチンは、皮膚外用剤の一成分としての利用が知られている。本発明の課題は、種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である、ビオラキサンチンを有効成分とする治療剤の提供にある。
【解決手段】 ビオラキサンチンを有効成分とする、抗アレルギー剤、高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、リウマチ治療剤、抗鬱・抗ストレス剤、アディポネクチン産生促進剤、コレステロール低下剤、抗糖尿病剤、血圧低下剤、抗腫瘍剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ビオラキサンチンを有効成分とする各種疾病に有用な治療剤に関する。
ビオラキサンチンは、例えば特許文献1に開示されているように、皮膚外用剤の一成分としての利用が提案されている。
しかしながら、ビオラキサンチンが、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効であるとの見地はない。
特開2008−239609号公報
本発明の目的は、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤である。
請求項2に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤である。
請求項3に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗骨粗鬆症剤である。
請求項4に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とするリウマチ治療剤である。
請求項5に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗鬱・抗ストレス剤である。
請求項6に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン産生促進剤である。
請求項7に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とするコレステロール低下剤である。
請求項8に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤である。
請求項9に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とする血圧降下剤である。
請求項10に記載の発明は、ビオラキサンチンを有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明によれば、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤が提供される。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明で用いられるビオラキサンチンは、カンキツ果実の主要なカロテノイドであり、公知ある。ビオラキサンチンは、カンキツ果実から公知の方法にしたがって抽出、精製してもよいし、市販品を利用してもよい。市販品としては、例えば和光純薬工業(株)製のものを利用できる。
ビオラキサンチンの摂取量は、疾病、性別、年齢、体格等を考慮し、適宜決定すればよいが、乾燥粉末として、例えば成人1日1〜5回、1回量約0.01〜500mg、好ましくは0.5〜30mg程度投与するのがよい。
本発明の治療剤は、公知の方法により適宜製剤化することができる。即ち、本発明に有用な固形製剤または液状製剤は、ビオラキサンチンと添加剤とを混合し、従来充分に確立された公知の製剤製法を用いることにより製造される。添加剤としては、例えば賦形剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、希釈剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤または香料などが挙げられる。
上記賦形剤としては、例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール或いはキシリトールなどの糖アルコール、ブドウ糖、白糖、乳糖或いは果糖などの糖類、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、リン酸水素カルシウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、シクロデキストリン、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、またはメタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、リンゴ酸、リン酸水素ナトリウムまたはリン酸二カリウムなどが挙げられる。
上記清涼化剤としては、例えばl−メントールまたはハッカ水などが挙げられる。
上記懸濁化剤としては、例えば、カオリン、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、メチルセルロースまたはトラガントなどが挙げられる。
上記希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油または乳化剤等が挙げられる。
上記消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサンまたはシリコン消泡剤などが挙げられる。
上記粘稠剤としては、例えばキサンタンガム、トラガント、メチルセルロースまたはデキストリンなどが挙げられる。
上記溶解補助剤としては、例えばエタノール、ショ糖脂肪酸エステルまたはマクロゴールなどが挙げられる。
上記崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチまたは部分アルファー化デンプンなどが挙げられる。
上記結合剤としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、プルラン、アルファー化デンプン、カンテン、トラガント、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。
上記滑沢剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、セタノール、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン、ミツロウまたはサラシミツロウなどが挙げられる。
上記抗酸化剤としては、例えばアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、アスコルビン酸またはクエン酸などが挙げられる。
上記コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタートジエチルアミノアセテートまたはセラックなどが挙げられる。
上記着色剤としては、例えばウコン抽出液、リボフラビン、酸化チタンまたはカロチン液などが挙げられる。
上記矯味矯臭剤としては、例えばクエン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、果糖、D−ソルビトール、ブドウ糖、サッカリンナトリウム、単シロップ、白糖、ハチミツ、アマチャ、カンゾウ、クエン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、オレンジ油、トウヒチンキ、ウイキョウ油、ハッカまたはメントールなどが挙げられる。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、マクロゴール類またはショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、ポリエチレングリコール、トリアセチンまたはセタノールなどが挙げられる。
上記香料としては、例えば、動物性香料或いは植物性香料等の天然香料、または単離香料或いは純合成香料等の合成香料などが挙げられる。
本発明のビオラキサンチンは、飲食品材料に配合してもよい。このような材料としては、例えば、パン、チューインガム、クッキー、チョコレート、シリアル等の固形食品、ジャム、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー等のジャム状、クリーム状またはゲル状食品、ジュース、コーヒー、ココア、緑茶、ウーロン茶、紅茶等の飲料等が挙げられる。また、調味料、食品添加物等に配合することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明で使用されるビオラキサンチンは、抗アレルギー剤、高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、リウマチ治療剤、抗鬱・抗ストレス剤、アディポネクチン産生促進剤、コレステロール低下剤、抗糖尿病剤、血圧降下剤としてきわめて有用である。以下、上記各種薬効について実施例でもって説明する。
実施例1(抗アレルギー剤としての有用性)
市販のビオラキサンチン粉末を準備した。以下、これを粉末1という。
RAST法による食物アレルゲン陽性の慢性じんま疹の患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に前記粉末1を1mg、1カ月投与した。結果を以下の表1に示す。
Figure 2009143917
実施例2
RAST法によるアトピー性皮膚炎患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に実施例1の粉末1を1mg、1カ月投与した。結果を以下の表2に示す。
Figure 2009143917
実施例3(高尿酸血症の改善効果)
実験方法
供試動物はWistar系ラット雌(8週令、体重約180g)を1群6匹で用いた。
試験飼料に0.75%の濃度でアデニンを加えてラットに給与し、腎臓からの尿中への尿酸排泄阻害を起こさせて高尿酸血症のモデル動物とした。
対照群は、上記の0.75%アデニン飼料のみ、薬剤投与群は、0.75%アデニンと実施例1の粉末1含有飼料とした。飼料は自由摂取としたが、薬剤投与群の試験飼料中の上記粉末1の濃度を、摂取量が1mg/kg体重となるように調整した。試験開始日及び24日目に血中の尿酸値を測定した。
その結果、対照群の試験開始日の血中尿酸濃度は、0.57mg/mlであり、24日目が2.33mg/mlであったのに対し、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.80mg/mlであった。
この結果から明らかなように、対照群では血中尿酸濃度が大幅に増加するのに対し、薬剤投与群ではいずれもその濃度は増加しなかった。したがって、ビオラキサンチンを有効成分として含有する薬剤は、高尿酸血症の予防または改善剤として有用であることが示された。
実施例4(抗骨粗鬆症効果)
骨粗鬆症改善効果試験
SD系ラット(22週齢)メスの卵巣を外科的に取り除き、骨粗鬆症のモデルラットを作成した。卵巣摘出ラットを7匹ずつ6群に分け、35日間の試験期間中、1日置きに(計17回)、前記粉末1の摂取量が1mg/kgとなるように、生理食塩水溶解した液体を2ml経口投与した。飼料はオリエンタル酵母株式会社のマウス・ラット・ハムスター用固形飼料CRF−1を用い、給餌および給水方法は自由摂取とした。試験期間中、各群間で、餌の摂取量に差は認められなかった。試験開始後35日目にラットの体重を測定した後、大腿骨を取り出した。大腿骨は、接着組織および筋肉を取り除いて分析に使用した。大腿骨の体積を測定した後、エタノールで3回洗浄し、次にアセトンで3回洗浄したのち、一晩乾燥し、その後、重量を測定して大腿骨の乾燥重量を求めた。体積および乾燥重量から、骨密度(乾燥重量g/体積mm3 )を測定した。なお対照実験として、前記粉末1を含まない生理食塩水をラットに投与したこと以外は、上記実験を繰り返した例(比較例)も併せて、その結果を表3に示す。
Figure 2009143917
実施例4と比較例とを対比したところ、実施例4はp<0.05の危険率で有意差が認められた。
実施例5(抗リウマチ効果)
ヒト慢性リウマチ患者の滑膜から樹立された繊維芽細胞株であるDSEK細胞を10%FBS(バイオウイタッカー社製)を含むIscov−MEM培地(IMDM:ギブコBRL社製)にて、5%CO存在下、37℃で細胞が培養器に飽和になるまで培養し、トリプシン−EDTA溶液(バイオウイタッカー社製)で細胞を3×10細胞/mlとなるように上記培地に懸濁し、96ウェルマイクロタイタープレート(FALCON社製)の各ウェルに200μlずつ分注した。培養5〜7日後、ほぼ細胞が80%飽和になった時で培地を交換し、前記粉末1濃度が500μg/mlの濃度である200μlの上記培地を加えた。
24時間、72時間経過時に10μlのプレミックスWST−1(宝酒造社製、MK400)を加えて37℃で3.5時間反応させ、450nmにおける吸光度(A450)から650nmにおける吸光度(A650)を差し引いた値を細胞増殖度とした。その結果、24時間後の細胞増殖度は0.80、72時間後は0.39であり、抗リウマチ活性が認められた。なお、前記粉末1を加えない対照区では、24時間、72時間経過時の細胞増殖度が3.90であった。
実施例6(抗鬱・抗ストレス効果)
上記粉末1の治療効果を調べた。
マウス強制水泳試験による精神安定作用の評価
本発明の治療剤の評価は、1977年にPorsoltにより開発されたマウス強制水泳試験を採用した。本試験は鬱病の動物モデル実験として最も多用される方法のひとつである。本試験では、マウスをある限られたスペースの中で強制的に泳がせて「無動状態」を惹起させる。この無動状態は、ストレスを負荷された動物が水からの逃避を放棄した一種の「絶望状態」を反映するものと考えられ、ヒトにおける鬱状態、ストレス状態と関連づけられている。事実、抗鬱薬は特異的にこの状況下における無動状態の持続時間を短縮させることがわかっており、この短縮作用は臨床力価との間に有意な相関を有することが認められている。
本試験方法は次のとおりである。
25℃の水を深さ15cmまで入れたプラスチック円筒中でマウスを強制水泳させる。5分間の強制水泳後、30℃の乾燥機中で15分間乾燥し、ホームケージに戻す。翌日マウスに試験試料を腹腔内投与して、その1時間後に再び5分間の強制水泳を課し、現れた無動状態の持続時間をストップウォッチを用いて測定する。マウスが水に浮かんで静止している状態を無動状態と判定する。無動状態持続時間については有意差検定を行い、統計学的に有意差を検定する。実験には雄のddYマウスを使用し、1群6匹とする。なお、試験は全て午後1時から午後6時の間に行う。また、ポジティブコントロールとして抗鬱薬であるイミプラミンを用いた試験も行う。
その結果、粉末1を3mg/kg投与したマウスの無動状態持続時間は、181.5±3.0秒であった。コントロール(生理食塩水のみ)は220.0±2.2秒であった。ポジティブコントロール(30mg/kg投与)のマウスの無動状態持続時間は、176.5±4.0秒であった。本実施例およびポジティブコントロールの無動状態持続時間は、危険率1%で有意差を有する。なお、粉末1を2〜3倍量使用しても、同様の結果を得た。
実施例7
アディポネクチン産生上昇確認試験
正常ヒト前駆脂肪細胞を使用し、1.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはヒト前駆脂肪細胞基礎培地を用いた。24時間後に分化誘導添加剤と粉末1を加えた増殖培地に交換し、さらに1週間培養した。その後、培養上清中に産生されたアディポネクチン量をELISA法により定量した。各試料の評価結果を、ブランク(試料未添加)のアディポネクチン量を100とした場合の相対値にて下記に示す。なお、添加した粉末1濃度は、10μg/mlであった。
上記試験結果:相対値=375。この数値は、危険率1%で有意差を有する。
実施例8(コレステロール低下作用)
体重20g前後のICR系雄性マウス(1群5匹)に、高コレステロール−コール酸食餌(71.9%標準餌、15%ショ糖、2%食塩、10%ココナッツオイル、0.6%コレステロール、0.2%コール酸、0.3%塩化コリン)を試験第1日目から第7日目まで給餌(自由摂取)した。試験第6日目と第7日目に、上記粉末1の5mgを蒸留水に溶解し、経口投与した。その後、24時間の絶食を行い、試験第8日目にマウスから血液を採取し、血清を分離した。
また、採取した血清の一部にヘパリンを添加し沈降させ、低比重リポタンパク(LDL)としてヘパリン沈降リポタンパクを得た。血清中の総コレステロール値及びLDL中のコレステロール値を、シー・シー・アライン(C.C.Allain et al.)らの報告(クリニカル ケミストリイ(Clinical Chemistry)、1974年、20巻、470−475頁)に従って、測定した。
血清中の総コレステロール値からLDLコレステロール値を引いた値を、高比重リポタンパク(HDL)コレステロール値として算出した。なお対照群は、上記粉末1を投与していない群である。
その結果を表4に示した。表4から明らかなように、血清中総コレステロールを低下させる明らかな作用が認められた。
Figure 2009143917
実施例9
6週齢の雄性SD系ラット(1群6匹)の尾静脈にストレプトゾトシンを1回投与することにより糖尿病を惹起した。
前記粉末1の投与量を500μg/kgとし、ストレプトゾトシン(STZ)投与の1時間前に経口投与し、その翌日より1日1回13日間連続経口投与した。最終投与の翌日に50%グルコース水溶液(10ml/kg)を経口投与し、経時的に血糖値(mg/dl)を測定(o−トルイジン・ホウ酸)した。
なお、正常対照群としてSTZを投与せずに滅菌水のみを投与した群、病態対照群としてSTZを投与して滅菌水を投与した群、および陽性対照群としてSTZを投与してニコチン酸アミド(50mg/kg)を投与した群を設けた。ニコチン酸アミドはSTZ糖尿病モデルに対して有効であることが報告されている(新薬開発のための動物利用集成,419−422頁,R&Dプランニング,1985年)。
糖尿病は糖代謝能力が低下し高血糖を呈する疾患である。本実施例においてはグルコース投与1時間後に血糖値のピークを認めるが、病態対照群では最高血糖値が360mg/dlであり、正常対照群では最高血糖値は164mg/dlであった。病態対照群の最高血糖値は正常対照群のそれと比較して約2倍を示し、病態対照群では糖代謝能力の低下が認められた。
粉末1の活性は、式1により病態対照群の血糖値に対する抑制率(%)を算出した。
(式1)
抑制率(%)=〔1−(粉末1投与群または陽性対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)/(病態対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)〕×100
その結果、粉末1投与群の抑制率は61.7%であった。陽性対照群の抑制率は43.0%であった。したがって、粉末1投与群は、病態対照群に比較して、優れた血糖値の低下が認められ、糖代謝能力が改善されていた。
実施例10(血圧降下効果)
実施例1の粉末1を一般市販飼料(船橋農場製、船橋SP)に添加し、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR−SP)を用いて最高血圧値、体重の変化を比較した。対照区は、粉末1を添加しない一般試料を用いた。A区を対照区、B区を本発明区とし、それぞれの飼料で5週齢の雄性SHR−SPを各区6匹ずつ7週間飼育し、12週齢に達した時の血圧値と体重の変化について調べた。表3に示すように血圧の変化においては、本発明区に有意な血圧上昇の抑制が認められた。なお、本発明区においては、粉末1の1日あたりの粉末1の摂取量が、5mg/kg体重となるように飼料中の粉末1の濃度を調整した。
Figure 2009143917
実施例11
〔動物実験〕
4週令のフィッシャー344系雄ラット(日本クレア(株))を標準飼料で6日間予備飼育した後、1群25匹ずつ2群に分け、表4に示したごとくの実験飼料を給与して6カ月間飼育した。なお、飼料は自由に摂取させた。発癌物質(1,2−ジメチルヒドラジン)は試験開始後1週目より20週目まで計20回、20mg/kg体重となるようにラットの腹腔内に投与した。大腸癌の有無は、ラットを解剖して大腸を摘出して数を調べた。動物実験に用いた飼料の成分組成を表6に、大腸癌の発生頻度を表7にそれぞれ示す。なお、本発明区においては、実施例1の粉末1のラットの1日あたりの摂取量が、5mg/kg体重となるように飼料中の粉末1の濃度を調整した。
Figure 2009143917
Figure 2009143917

Claims (10)

  1. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤。
  2. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤。
  3. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗骨粗鬆症剤。
  4. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とするリウマチ治療剤。
  5. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗鬱・抗ストレス剤。
  6. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン産生促進剤。
  7. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とするコレステロール低下剤。
  8. ビオラキサンチンを有効成分とすることを特徴とする抗糖尿病剤。
  9. ビオラキサンチンを有効成分とする血圧降下剤。
  10. ビオラキサンチンを有効成分とする抗腫瘍剤。
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