JP2009139340A - 圧力センサの製造方法、圧力センサ、半導体装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】CMOS回路との一体化が容易で生産性に優れ、キャビティを高い寸法精度で形成できる圧力センサの製造方法を提供する。
【解決手段】基板1aの第1半導体層3をエッチングすることにより開口部8を形成し、開口部8の側壁にサイドウォール8aを形成する工程と、第1半導体層3上に第2半導体層4を選択エピタキシャル成長させる工程と、開口部8を介して埋め込み絶縁膜3とサイドウォール8とをエッチングして、内壁が第1半導体層3の開口部の内壁よりも外側に位置する空洞部5を形成する工程と、アニールを行うことにより、少なくとも開口部8の縁部に形成されている第2半導体層4にマイグレーションを生じさせて、第2半導体層4により空洞部5を封止し、空洞部5の天井部をダイアフラム6とする工程と、ダイアフラム6の撓みを検出する検出素子を形成する工程とを備える圧力センサの製造方法とする。
【選択図】図2
【解決手段】基板1aの第1半導体層3をエッチングすることにより開口部8を形成し、開口部8の側壁にサイドウォール8aを形成する工程と、第1半導体層3上に第2半導体層4を選択エピタキシャル成長させる工程と、開口部8を介して埋め込み絶縁膜3とサイドウォール8とをエッチングして、内壁が第1半導体層3の開口部の内壁よりも外側に位置する空洞部5を形成する工程と、アニールを行うことにより、少なくとも開口部8の縁部に形成されている第2半導体層4にマイグレーションを生じさせて、第2半導体層4により空洞部5を封止し、空洞部5の天井部をダイアフラム6とする工程と、ダイアフラム6の撓みを検出する検出素子を形成する工程とを備える圧力センサの製造方法とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、圧力センサの製造方法、圧力センサ、半導体装置、電子機器に関し、特に、CMOS回路との一体化が容易で、MEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスに好適に用いられる生産性に優れた圧力センサの製造方法に関する。
近年、半導体市場において、圧力センサや加速度センサ、ジャイロセンサ、共振器などのMEMSデバイスやNEMS(Nano Electro Mechanical Systems)デバイスの実用化が進められている。現在、加速度センサや、ジャイロセンサ、共振器などのMEMSデバイスでは、量産化が開始されている。しかし、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と融合、あるいはCMOSと集積化されたMEMSデバイスにおいては、まだまだ課題が多く、様々な技術開発が進められている。
また、従来の半導体圧力センサは、一般に、基板上に半導体素子(ピエゾ抵抗素子)を形成した後に、裏面をエッチングしてダイアフラムを形成している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、裏面をエッチングしてダイアフラムを形成する技術を用いる場合、半導体圧力センサとCMOS回路との一体化が困難であった。このため、従来の半導体圧力センサとCMOS回路とが一体化されたデバイスは、2チップ構成とするか、あるいはシステムインパッケージ(SiP)手法による実装技術を用いて製造されていた。
しかしながら、裏面をエッチングしてダイアフラムを形成する技術を用いる場合、半導体圧力センサとCMOS回路との一体化が困難であった。このため、従来の半導体圧力センサとCMOS回路とが一体化されたデバイスは、2チップ構成とするか、あるいはシステムインパッケージ(SiP)手法による実装技術を用いて製造されていた。
裏面をエッチングすることなくダイアフラムを形成する方法としては、ダイアフラムを形成するための第1の基板と、凹部の設けられた第2の基板とを貼り合わせる方法(例えば、特許文献2参照)や、半導体基板に複数のトレンチを形成して熱処理することにより、複数のトレンチが形成された領域に空洞領域を形成する方法(例えば、特許文献3参照)などがある。
特開平5−114745号公報
特開平11−126910号公報
特開2002−5763号公報
しかしながら、従来の技術では、裏面をエッチングすることなくダイアフラムを形成する方法を用いた場合であっても、半導体圧力センサとCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを製造する際の生産性を向上させることが要求されていた。
例えば、特許文献3に記載の技術では、半導体基板に複数のトレンチを形成するためのエッチングや熱処理に長い時間が必要であるため、生産性が低かった。また、特許文献3に記載の技術では、キャビティの寸法精度が低いことや、平面積の大きいキャビティの形成が困難であることなどにより、得られた圧力センサのダイナミックレンジやリニアリティなどの特性が十分に得られない場合があった。
例えば、特許文献3に記載の技術では、半導体基板に複数のトレンチを形成するためのエッチングや熱処理に長い時間が必要であるため、生産性が低かった。また、特許文献3に記載の技術では、キャビティの寸法精度が低いことや、平面積の大きいキャビティの形成が困難であることなどにより、得られた圧力センサのダイナミックレンジやリニアリティなどの特性が十分に得られない場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、CMOS回路との一体化が容易で生産性に優れ、キャビティを高い寸法精度で形成できる圧力センサの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明の圧力センサの製造方法によって製造されたダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサおよびこれを備えた半導体装置、電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明の圧力センサの製造方法によって製造されたダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサおよびこれを備えた半導体装置、電子機器を提供することを目的とする。
本発明の圧力センサの製造方法は、ダイアフラムの撓みを検出することにより圧力を測定する圧力センサの製造方法であって、半導体基板の一面側に埋め込み絶縁膜と第1半導体層とが順に形成された基板の前記第1半導体層をエッチングすることにより、前記埋め込み絶縁膜が底面に露出された開口部を形成する工程と、前記開口部の側壁に絶縁膜からなるサイドウォールを形成する工程と、前記第1半導体層上に、開口部の内壁が前記第1半導体層の前記開口部の内壁よりも内側に位置する第2半導体層を選択エピタキシャル成長させる工程と、前記開口部を介して前記埋め込み絶縁膜と前記サイドウォールとをエッチングすることにより、内壁が前記第1半導体層の前記開口部の内壁よりも外側に位置する空洞部を形成する空洞部形成工程と、アニールを行うことにより、少なくとも前記開口部の縁部に形成されている前記第2半導体層にマイグレーションを生じさせて、前記第2半導体層により前記空洞部を封止し、前記空洞部の天井部をダイアフラムとするマイグレーション工程と、前記ダイアフラムの撓みを検出する検出素子を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の圧力センサの製造方法によれば、半導体基板に複数のトレンチを形成して熱処理することにより空洞領域を形成する場合と比較して、短時間で効率よく空洞部およびダイアフラムを形成でき、生産性を向上させることができる。
また、本発明の圧力センサの製造方法によれば、裏面をエッチングすることなくダイアフラムを形成することができるので、例えば、本発明の圧力センサの製造方法を用いて圧力センサとCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを製造する場合に、圧力センサとCMOS回路との一体化を容易に行うことができる。
また、本発明の圧力センサの製造方法によれば、裏面をエッチングすることなくダイアフラムを形成することができるので、例えば、本発明の圧力センサの製造方法を用いて圧力センサとCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを製造する場合に、圧力センサとCMOS回路との一体化を容易に行うことができる。
また、本発明の圧力センサの製造方法では、第1半導体層上に、開口部の内壁が前記第1半導体層の前記開口部の内壁よりも内側に位置する第2半導体層をエピタキシャル成長させるので、第1半導体層上のみに第2半導体層を形成した場合と比較して、開口部の平面積を小さくすることができ、マイグレーション工程時における空洞部の封止が容易となるので、マイグレーション工程に要する時間を短縮できる。
しかも、本発明の圧力センサの製造方法を用いて、例えば、圧力センサとCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを製造する場合には、CMOS回路のゲートを形成する前の段階で圧力センサの空洞部およびダイアフラムを形成することができるので、圧力センサとCMOS回路との一体化を非常に容易に行うことができる。
また、本発明の圧力センサの製造方法によれば、空洞部形成工程における開口部の形状とエッチング条件とを変更することによって、容易に所望の形状の空洞部を精度よく形成できる。したがって、本発明の圧力センサの製造方法によれば、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを提供できる。
また、本発明の圧力センサの製造方法によれば、空洞部形成工程における開口部の形状とエッチング条件とを変更することによって、容易に所望の形状の空洞部を精度よく形成できる。したがって、本発明の圧力センサの製造方法によれば、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを提供できる。
また、本発明の圧力センサの製造方法においては、前記第2半導体層の材料として、SiまたはSiGeを用いることが好ましい。
第2半導体層の材料として、SiまたはSiGeを用いた場合、還元雰囲気中でアニールを行うことにより、容易に第2半導体層にマイグレーションを生じさせることができ、容易に第2半導体層により空洞部を封止することができる。
また、SiGeはSiと比較して融点が低いため、第2半導体層がSiGeからなるものである場合、第2半導体層がSiからなるものである場合と比較して、アニール時間を短縮することができ、マイグレーション工程に要する時間を短縮できる。したがって、生産性をより一層向上させることができる。
第2半導体層の材料として、SiまたはSiGeを用いた場合、還元雰囲気中でアニールを行うことにより、容易に第2半導体層にマイグレーションを生じさせることができ、容易に第2半導体層により空洞部を封止することができる。
また、SiGeはSiと比較して融点が低いため、第2半導体層がSiGeからなるものである場合、第2半導体層がSiからなるものである場合と比較して、アニール時間を短縮することができ、マイグレーション工程に要する時間を短縮できる。したがって、生産性をより一層向上させることができる。
また、本発明の圧力センサの製造方法では、前記第1半導体層がSiからなり、前記埋め込み絶縁膜と前記サイドウォールがSi酸化膜からなり、前記空洞部形成工程において、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングを行なう方法とすることができる。
空洞部形成工程においてウェットエッチングを行うと、開口部の縁部に形成されている第1半導体層や第2半導体層の形状が変形する現象、いわゆるスティッキングが生じる場合がある。特に、平面積の大きい空洞部を形成する場合には、スティッキングが生じやすい。スティッキングが生じると、所望の空洞部形状が得られない場合がある。
これに対し、第1半導体層がSiからなり、埋め込み絶縁膜と前記サイドウォールがSi酸化膜からなる場合には、前記空洞部形成工程において、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングを行なうと、スティッキングが生じにくい。したがって、容易に高い寸法精度で広範囲にわたって埋め込み絶縁膜をエッチングすることができ、平面積の大きい空洞部を高い寸法精度で形成できる。その結果、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを提供できる。
空洞部形成工程においてウェットエッチングを行うと、開口部の縁部に形成されている第1半導体層や第2半導体層の形状が変形する現象、いわゆるスティッキングが生じる場合がある。特に、平面積の大きい空洞部を形成する場合には、スティッキングが生じやすい。スティッキングが生じると、所望の空洞部形状が得られない場合がある。
これに対し、第1半導体層がSiからなり、埋め込み絶縁膜と前記サイドウォールがSi酸化膜からなる場合には、前記空洞部形成工程において、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングを行なうと、スティッキングが生じにくい。したがって、容易に高い寸法精度で広範囲にわたって埋め込み絶縁膜をエッチングすることができ、平面積の大きい空洞部を高い寸法精度で形成できる。その結果、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを提供できる。
また、本発明の圧力センサの製造方法では、前記検出素子が、ピエゾ抵抗素子または圧電素子である方法とすることができる。
検出素子が、ピエゾ抵抗素子または圧電素子である場合、検出素子が、静電容量の変化を検出するものである場合と比較して、容易に形成することができ、好ましい。
検出素子が、ピエゾ抵抗素子または圧電素子である場合、検出素子が、静電容量の変化を検出するものである場合と比較して、容易に形成することができ、好ましい。
また、本発明の圧力センサの製造方法では、基板が単結晶シリコン・オン・インシュレーター(SOI)基板である方法とすることができる。この場合、容易に精度良く圧力センサを製造できるとともに、圧力センサと高性能のCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを容易に製造できる。
また、本発明の圧力センサの製造方法では、半導体基板上にパッド酸化膜と窒化膜とを順に形成し、前記窒化膜をエッチングすることにより、前記パッド酸化膜が底面に露出された開口部を形成する工程と、前記開口部に露出された前記パッド酸化膜を熱酸化することにより、前記埋め込み絶縁膜となる熱酸化膜を形成する工程と、前記窒化膜と前記パッド酸化膜とを除去する工程と、前記熱酸化膜上に前記第1半導体層を形成する工程とを行なうことにより、前記基板を形成する方法とすることができる。
また、本発明の圧力センサは、上記のいずれかに記載の圧力センサの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、基板上に、半導体集積回路の設けられた回路領域と、本発明の圧力センサの設けられたセンサ領域とが形成されていることを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、本発明の圧力センサが備えられたことを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、基板上に、半導体集積回路の設けられた回路領域と、本発明の圧力センサの設けられたセンサ領域とが形成されていることを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、本発明の圧力センサが備えられたことを特徴とする。
はじめに、本発明の圧力センサについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明の圧力センサの一例を示した断面図である。図1に示す圧力センサ10は、ダイアフラム6の撓みを検出することにより圧力を測定するものである。図1において、符号1は単結晶Si基板(半導体基板)を示している。図1に示すように、Si基板1の一面側には、SiO2からなる埋め込み絶縁膜2と単結晶シリコンからなる半導体層(第1半導体層)3とが順に備えられている。また、符号5は、キャビティ(空洞部)を示している。キャビティ5は、図1に示すように、底面がSi基板1、壁面が埋め込み絶縁膜2、天面が半導体層3からなる空洞であり、キャビティ5の天井部を構成する半導体層3とSiGeからなるオーバーハング層(第2半導体層)4とによってダイアフラム6が形成されている。ダイアフラム6上には、ダイアフラムの撓みを検出するための検出素子であるピエゾ抵抗素子7,7が複数備えられている。各ピエゾ抵抗素子7,7は、それぞれ配線(図示略)と電気的に接続されている。
図1は、本発明の圧力センサの一例を示した断面図である。図1に示す圧力センサ10は、ダイアフラム6の撓みを検出することにより圧力を測定するものである。図1において、符号1は単結晶Si基板(半導体基板)を示している。図1に示すように、Si基板1の一面側には、SiO2からなる埋め込み絶縁膜2と単結晶シリコンからなる半導体層(第1半導体層)3とが順に備えられている。また、符号5は、キャビティ(空洞部)を示している。キャビティ5は、図1に示すように、底面がSi基板1、壁面が埋め込み絶縁膜2、天面が半導体層3からなる空洞であり、キャビティ5の天井部を構成する半導体層3とSiGeからなるオーバーハング層(第2半導体層)4とによってダイアフラム6が形成されている。ダイアフラム6上には、ダイアフラムの撓みを検出するための検出素子であるピエゾ抵抗素子7,7が複数備えられている。各ピエゾ抵抗素子7,7は、それぞれ配線(図示略)と電気的に接続されている。
次に、図1に示す圧力センサの製造方法を図面を用いて説明する。
図2は、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明するための工程図である。図1に示す圧力センサを製造するには、まず、図2(a)に示すように、単結晶Si基板1の一面側に、例えば0.4μmのSiO2からなる埋め込み絶縁膜2と、0.2μmの単結晶シリコン相からなる半導体層3とが順に形成された単結晶SOI基板1a(基板)を用意する。そして、単結晶SOI基板1aの半導体層3をエッチングすることにより、埋め込み絶縁膜2が底面に露出された開口部8を形成する。開口部8の平面形状は、例えば、円形、矩形、短冊状などの形状とすることができる。
図2は、本実施形態の圧力センサの製造方法を説明するための工程図である。図1に示す圧力センサを製造するには、まず、図2(a)に示すように、単結晶Si基板1の一面側に、例えば0.4μmのSiO2からなる埋め込み絶縁膜2と、0.2μmの単結晶シリコン相からなる半導体層3とが順に形成された単結晶SOI基板1a(基板)を用意する。そして、単結晶SOI基板1aの半導体層3をエッチングすることにより、埋め込み絶縁膜2が底面に露出された開口部8を形成する。開口部8の平面形状は、例えば、円形、矩形、短冊状などの形状とすることができる。
次に、半導体層3上の全面に、CVD法によりSiO2を半導体層3の厚みより厚く(本実施形態では0.2μm以上)堆積させてSiO2膜(絶縁膜)を形成し、このSiO2膜をウェットエッチングすることにより、図2(b)に示すように、開口部8の側壁にSiO2からなるサイドウォール8aを形成する。サイドウォール8aは、半導体層3の開口部8の側壁に、後述するオーバーハング層4が形成されることを防止するものである。半導体層3の開口部8の側壁にオーバーハング層4が形成されると、後述するキャビティ5を形成するためのエッチングの精度に支障を来たす場合がある。本実施形態においては、開口部8の側壁にサイドウォール8aを形成するので、キャビティ5を形成するためのエッチングを高精度で行なうことができる。
その後、図2(c)に示すように、半導体層3上に、SiGeをエピタキシャル成長させることにより、オーバーハング層4を形成する。ここで形成するオーバーハング層4の厚みは、0.2μm以上であることが好ましい。また、SiGeのエピタキシャル成長は、500〜800℃の温度で、Si2H6とGeH4とCl2とを用いて行なうことが好ましい。SiGeをエピタキシャル成長させる際にCl2を用いることで、開口部8の底面に露出している埋め込み絶縁膜2上やサイドウォール8a上にSiGeがエピタキシャル成長することを防止でき、半導体層3上に選択的にSiGeをエピタキシャル成長させることができる。
なお、本実施形態では、図2(c)に示すように、サイドウォール8a上に直接オーバーハング層4が形成されることは防止されているが、半導体層3上だけでなく、サイドウォール8aと平面視で重なるオーバーハング領域4aにもオーバーハング層4が形成されている。このことにより、図2(c)に示すように、オーバーハング層4によって構成される開口部8の内壁が、半導体層3によって構成される開口部8の内壁よりも内側に位置するものとされている。
オーバーハング領域4aに形成されたオーバーハング層4は、開口部8の近傍の半導体層3上において、オーバーハング層4となるSiGeが、開口部8の内側に向って横方向に成長することによって形成される。SiGeの横方向の成長は、SiGeの成長速度を調節することによって制御することができ、SiGeの成長速度を速くすることで、SiGeの横方向の成長を促進させることができる。
オーバーハング領域4aに形成されたオーバーハング層4は、開口部8の近傍の半導体層3上において、オーバーハング層4となるSiGeが、開口部8の内側に向って横方向に成長することによって形成される。SiGeの横方向の成長は、SiGeの成長速度を調節することによって制御することができ、SiGeの成長速度を速くすることで、SiGeの横方向の成長を促進させることができる。
次に、図2(d)に示すように、開口部8を介してSiO2からなる埋め込み絶縁膜2とSiO2からなるサイドウォール8aとをエッチングすることにより、キャビティ5を形成する(キャビティ(空洞部)形成工程)。
キャビティ5を形成するためのエッチングは、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよいが、HFを用いたウェットエッチングや、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングを行なうことが好ましい。特に、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングは、スティッキングが生じにくく、容易に高い寸法精度で広範囲にわたって埋め込み絶縁膜2をエッチングすることができるので、平面積の大きいキャビティ5を高い寸法精度で形成でき、好ましい。
キャビティ5を形成するためのエッチングは、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよいが、HFを用いたウェットエッチングや、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングを行なうことが好ましい。特に、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングは、スティッキングが生じにくく、容易に高い寸法精度で広範囲にわたって埋め込み絶縁膜2をエッチングすることができるので、平面積の大きいキャビティ5を高い寸法精度で形成でき、好ましい。
キャビティ形成工程後に得られたキャビティ5の内壁は、図2(d)に示すように、半導体層3によって構成される開口部8の内壁よりも外側に位置するものとされており、開口部8の埋め込み絶縁膜2を側壁とする部分の平面積が、開口部8の半導体層3を側壁とする部分の平面積よりも広くなっているとともに、開口部8のオーバーハング層4を側壁とする部分の平面積が、開口部8の半導体層3を側壁とする部分の平面積よりも狭くなっている。そして、埋め込み絶縁膜2を側壁とする部分の平面形状が、ダイアフラム6の平面形状に対応するものとされている。埋め込み絶縁膜2を側壁とする部分の平面形状は、キャビティ5を形成するためのエッチングを行なう前の開口部8の形状と、キャビティ5を形成するためのエッチングの条件とによって決定される。
次に、水素雰囲気などの還元雰囲気中でアニールを行うことにより、開口部8の縁部8bに形成されているオーバーハング層4を構成するSiGeと半導体層3を構成するSiとにマイグレーションを生じさせて、図2(e)に示すように、オーバーハング層4および半導体層3によりキャビティ5を封止し、キャビティ5の天井部をダイアフラム6とする(マイグレーション工程)。
ここで封止されたキャビティ5内の圧力は、アニール条件によって、キャビティ5内を真空とした絶対圧やキャビティ5内を大気圧としたゲージ圧などに制御することができ、圧力センサ10の用途などに応じて適宜決定できる。
ここで封止されたキャビティ5内の圧力は、アニール条件によって、キャビティ5内を真空とした絶対圧やキャビティ5内を大気圧としたゲージ圧などに制御することができ、圧力センサ10の用途などに応じて適宜決定できる。
その後、ダイアフラム6上に、ピエゾ抵抗素子7、7を複数配置し、各ピエゾ抵抗素子7,7をそれぞれ配線(図示略)と電気的に接続することにより、図1に示す圧力センサ10とする。
本実施形態の圧力センサ10の製造方法によれば、半導体基板に複数のトレンチを形成して熱処理することにより空洞領域を形成する場合と比較して、短時間で効率よくキャビティ5およびダイアフラム6を形成でき、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態の圧力センサ10の製造方法によれば、圧力センサ10とCMOS回路との一体化を容易に行うことができ、圧力センサ10とCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを容易に製造できる。
また、本実施形態の圧力センサ10の製造方法によれば、容易に所望の形状のキャビティ5を精度よく形成でき、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサ10を提供できる。
また、本実施形態の圧力センサ10の製造方法によれば、圧力センサ10とCMOS回路との一体化を容易に行うことができ、圧力センサ10とCMOS回路とが一体化されたMEMSデバイスを容易に製造できる。
また、本実施形態の圧力センサ10の製造方法によれば、容易に所望の形状のキャビティ5を精度よく形成でき、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサ10を提供できる。
なお、本発明の圧力センサおよび圧力センサの製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態においては、検出手段が、ピエゾ抵抗素子であるものを例に挙げて説明したが、検出手段は、ダイアフラムの撓みを検出することができるものであればよく、圧電素子であってもよいし、ダイアフラムの撓みを静電容量の変化として検出するものであってもよい。図6(a)(b)は、圧力センサの部位に圧電体層50を用いた例である。図6(a)に示す例では、上記製造方法によって作製されたキャビティ5を有するオーバーハング層4の直上に、圧力により発生した応力に応じて電荷を発生する圧電体層50が形成されており、発生した電荷を電極51で検知する圧電センサとして機能するものとされている。図6(b)は、図6(a)に示す圧電センサ52を半導体集積回路30と一体化した平面図である(配線図は省略)。本発明によれば、キャビティ5の形成後の工程は半導体集積化回路の製造工程とよく整合するので、この様にして半導体回路とセンサ部を一体化することが可能となる。
例えば、上述した実施形態においては、検出手段が、ピエゾ抵抗素子であるものを例に挙げて説明したが、検出手段は、ダイアフラムの撓みを検出することができるものであればよく、圧電素子であってもよいし、ダイアフラムの撓みを静電容量の変化として検出するものであってもよい。図6(a)(b)は、圧力センサの部位に圧電体層50を用いた例である。図6(a)に示す例では、上記製造方法によって作製されたキャビティ5を有するオーバーハング層4の直上に、圧力により発生した応力に応じて電荷を発生する圧電体層50が形成されており、発生した電荷を電極51で検知する圧電センサとして機能するものとされている。図6(b)は、図6(a)に示す圧電センサ52を半導体集積回路30と一体化した平面図である(配線図は省略)。本発明によれば、キャビティ5の形成後の工程は半導体集積化回路の製造工程とよく整合するので、この様にして半導体回路とセンサ部を一体化することが可能となる。
また、上述した実施形態においては、SiGeからなるオーバーハング層を形成したが、オーバーハング層はSiをエピタキシャル成長させることにより形成してもよい。この場合であっても、半導体層3上に選択的にエピタキシャル成長させることによって形成でき、水素雰囲気などの還元雰囲気中でアニールを行うことによりマイグレーションさせて、キャビティ5を封止することができる。
また、上述した実施形態においては、マイグレーション工程において、オーバーハング層4を構成するSiGeと半導体層3を構成するSiとにマイグレーションを生じさせてキャビティ5を封止したが、オーバーハング層4を構成するSiGeのみにマイグレーションを生じさせてキャビティ5を封止してもよい。
また、マイグレーション工程において、キャビティ5内を完全に封止することが好ましいが、キャビティ5を封止することにより、圧力を検出することが可能なダイアフラムを形成できればよく、キャビティ5内が完全に密閉されていなくてもよい。
また、上述した実施形態においては、マイグレーション工程において、オーバーハング層4を構成するSiGeと半導体層3を構成するSiとにマイグレーションを生じさせてキャビティ5を封止したが、オーバーハング層4を構成するSiGeのみにマイグレーションを生じさせてキャビティ5を封止してもよい。
また、マイグレーション工程において、キャビティ5内を完全に封止することが好ましいが、キャビティ5を封止することにより、圧力を検出することが可能なダイアフラムを形成できればよく、キャビティ5内が完全に密閉されていなくてもよい。
また、上述した実施形態においては、基板として、単結晶SOI基板を用いたが、半導体基板上に埋め込み絶縁膜と半導体層とが順に備えられた基板であればよく、例えば、以下に示す方法によって形成されたものであってもよい。
図3は、本実施形態の圧力センサの製造方法に用いられる基板の製造方法を説明するための工程図である。まず、図3(a)に示すように、Si基板11(半導体基板)を用意し、Si基板11上に、熱酸化による応力を緩衝するためのパッド酸化膜12を形成する。次に、パッド酸化膜12上にCVD法によりSi3N4からなる窒化膜13を形成し、窒化膜13をドライエッチングすることにより、図3(b)に示すように、パッド酸化膜12が底面に露出された開口部13aを形成する。
図3は、本実施形態の圧力センサの製造方法に用いられる基板の製造方法を説明するための工程図である。まず、図3(a)に示すように、Si基板11(半導体基板)を用意し、Si基板11上に、熱酸化による応力を緩衝するためのパッド酸化膜12を形成する。次に、パッド酸化膜12上にCVD法によりSi3N4からなる窒化膜13を形成し、窒化膜13をドライエッチングすることにより、図3(b)に示すように、パッド酸化膜12が底面に露出された開口部13aを形成する。
続いて、開口部13aに露出されたパッド酸化膜12を熱酸化(LOCOS酸化)することにより、図3(c)に示すように、埋め込み絶縁膜となるSiO2からなる熱酸化膜14を形成する。その後、窒化膜13とパッド酸化膜12とをエッチングにより除去し、熱酸化膜14上に多結晶シリコンからなる半導体層15を形成する。以上の工程により、図2に示すSOI基板1aを用いた場合と同様に上述した圧力センサの製造方法に用いることのできる基板1bが得られる。
このようにして得られた基板1bを用いて圧力センサを製造した場合、SOI基板1aを用いた場合と比較して安価な圧力センサを提供できる。
このようにして得られた基板1bを用いて圧力センサを製造した場合、SOI基板1aを用いた場合と比較して安価な圧力センサを提供できる。
[半導体装置]
次に、本発明の半導体装置について図面を参照して説明する。図4は、本発明の半導体装置の一例であるMEMSデバイスを示した概略平面図である。図4に示すMEMSデバイス20は、基板上に回路領域30とセンサ領域10aとが形成されたものである。回路領域30には、CMOS回路(半導体集積回路)が設けられており、センサ領域10aには本発明の圧力センサが設けられている。
図4に示すMEMSデバイス20は、センサ領域10aに本発明の圧力センサが設けられているので、容易に製造でき、しかも、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを備えたものとなる。
次に、本発明の半導体装置について図面を参照して説明する。図4は、本発明の半導体装置の一例であるMEMSデバイスを示した概略平面図である。図4に示すMEMSデバイス20は、基板上に回路領域30とセンサ領域10aとが形成されたものである。回路領域30には、CMOS回路(半導体集積回路)が設けられており、センサ領域10aには本発明の圧力センサが設けられている。
図4に示すMEMSデバイス20は、センサ領域10aに本発明の圧力センサが設けられているので、容易に製造でき、しかも、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを備えたものとなる。
[電子機器]
次に、本発明の電子機器について図面を参照して説明する。図5は、本発明の電子機器の一例である腕時計型電子機器を示した斜視図である。図5に示す腕時計型電子機器80の本体81には、本発明の圧力センサが備えられている。
図5に示す電子機器は、本発明の圧力センサを備えたものであるので、容易に製造でき、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを備えたものとなる。
なお、本実施形態の電子機器として腕時計型電子機器を例に挙げて説明したが、本発明は図5に示す例に限定されるものではなく、本発明の圧力センサは、各種の電子機器に好適に用いることができる。さらに、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
次に、本発明の電子機器について図面を参照して説明する。図5は、本発明の電子機器の一例である腕時計型電子機器を示した斜視図である。図5に示す腕時計型電子機器80の本体81には、本発明の圧力センサが備えられている。
図5に示す電子機器は、本発明の圧力センサを備えたものであるので、容易に製造でき、ダイナミックレンジやリニアリティなどの特性に優れた圧力センサを備えたものとなる。
なお、本実施形態の電子機器として腕時計型電子機器を例に挙げて説明したが、本発明は図5に示す例に限定されるものではなく、本発明の圧力センサは、各種の電子機器に好適に用いることができる。さらに、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1、11…Si基板(半導体基板)、1a…SOI基板(基板)、1b…基板、2…埋め込み絶縁膜、3、15…半導体層(第1半導体層)、4…オーバーハング層(第2半導体層)、4a…オーバーハング領域、5…キャビティ(空洞部)、6…ダイアフラム、7…ピエゾ抵抗素子(検出素子)、8…開口部、8a…サイドウォール、8b…縁部、10…圧力センサ、10a…センサ領域、12…パッド酸化膜、13…窒化膜、14…熱酸化膜、20…MEMSデバイス、30…回路領域。
Claims (9)
- ダイアフラムの撓みを検出することにより圧力を測定する圧力センサの製造方法であって、
半導体基板の一面側に埋め込み絶縁膜と第1半導体層とが順に形成された基板の前記第1半導体層をエッチングすることにより、前記埋め込み絶縁膜が底面に露出された開口部を形成する工程と、
前記開口部の側壁に絶縁膜からなるサイドウォールを形成する工程と、
前記第1半導体層上に、開口部の内壁が前記第1半導体層の前記開口部の内壁よりも内側に位置する第2半導体層を選択エピタキシャル成長させる工程と、
前記開口部を介して前記埋め込み絶縁膜と前記サイドウォールとをエッチングすることにより、内壁が前記第1半導体層の前記開口部の内壁よりも外側に位置する空洞部を形成する空洞部形成工程と、
アニールを行うことにより、少なくとも前記開口部の縁部に形成されている前記第2半導体層にマイグレーションを生じさせて、前記第2半導体層により前記空洞部を封止し、前記空洞部の天井部をダイアフラムとするマイグレーション工程と、
前記ダイアフラムの撓みを検出する検出素子を形成する工程とを備えることを特徴とする圧力センサの製造方法。 - 前記第2半導体層の材料として、SiまたはSiGeを用いることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサの製造方法。
- 前記第1半導体層がSiからなり、前記埋め込み絶縁膜と前記サイドウォールがSi酸化膜からなり、
前記空洞部形成工程において、無水HFとアルコールとの混合ガスを用いる気相エッチングを行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧力センサの製造方法。 - 前記検出素子が、ピエゾ抵抗素子または圧電素子であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の圧力センサの製造方法。
- 前記基板が単結晶シリコン・オン・インシュレーター基板であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧力センサの製造方法。
- 半導体基板上にパッド酸化膜と窒化膜とを順に形成し、前記窒化膜をエッチングすることにより、前記パッド酸化膜が底面に露出された開口部を形成する工程と、
前記開口部に露出された前記パッド酸化膜を熱酸化することにより、前記埋め込み絶縁膜となる熱酸化膜を形成する工程と、
前記窒化膜と前記パッド酸化膜とを除去する工程と、
前記熱酸化膜上に前記第1半導体層を形成する工程とを行なうことにより、前記基板を形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧力センサの製造方法。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の圧力センサの製造方法によって製造されたことを特徴とする圧力センサ。
- 基板上に、半導体集積回路の設けられた回路領域と、請求項7に記載の圧力センサの設けられたセンサ領域とが形成されていることを特徴とする半導体装置。
- 請求項7に記載の圧力センサが備えられたことを特徴とする電子機器。
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JP2007318943A JP2009139340A (ja) | 2007-12-10 | 2007-12-10 | 圧力センサの製造方法、圧力センサ、半導体装置、電子機器 |
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JP2013003031A (ja) * | 2011-06-20 | 2013-01-07 | Seiko Epson Corp | 圧力センサーの製造方法、圧力センサーデバイスの製造方法、圧力センサー及び圧力センサーデバイス |
CN109399555A (zh) * | 2017-08-18 | 2019-03-01 | 无锡华润上华科技有限公司 | 一种半导体器件的制备方法 |
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WO2022001029A1 (zh) * | 2020-06-28 | 2022-01-06 | 无锡华润上华科技有限公司 | 电容压力传感器及其制造方法 |
-
2007
- 2007-12-10 JP JP2007318943A patent/JP2009139340A/ja active Pending
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