JP2009137455A - 乗用移動体用窓 - Google Patents

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Abstract

【課題】 視認性、電磁波のシールド性および耐破損性の高い乗用移動体用窓を提供する。
【解決手段】 円の一部を切り欠いた円弧状の導電性を有する線材15が格子状に繰り返し配置されるとともに、円弧状の線材15の端部は、隣接する円弧状の線材15の中央部近傍に接続されるメッシュ層12が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、特に、視認性および電磁波のシールド性が要求される窓に用いて好適な乗用移動体用窓に関する。
近年、航空機や、列車や、自動車や、船舶などの操縦者等が乗る乗用移動体においては、外部から侵入した電磁波による乗用移動体の制御機器への悪影響を防止する様々な技術が提案されている。
特に、操縦者が外部を視認するために必須な窓は、電磁波の透過性が高い材料を用いて形成されているとともに、制御機器が窓の近くに配置されているため、電磁波を遮蔽する必要性が高かった。電磁波の遮蔽方法には、電磁波の吸収や反射などが挙げられ、特に電磁波を反射させる場合には、入射方向とは異なる方向に反射させたいという要望があった。
さらに、この窓は、操縦者が外部を視認するためのものであるため、外景が視認できない領域の発生を極力抑える必要もあった。
上述の要求を満たすため、航空機の分野では、上述の窓であるキャノピーに導電性を有する材料から形成されたメッシュを配置する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
具体的には、特許文献1には、半径の大きな円弧と、半径が小さな円との組み合わせであるメッシュパターンであって、円を2.5mm程度のピッチを有する格子上の節に配置し、これら円の間を円弧で繋ぎ合わせたメッシュパターンに関する技術が開示されている。
特許文献2には、2.5mm程度のピッチを有する格子状に配置された多角形形状の各辺を曲線に置き換えたメッシュパターンであって、円弧を繋ぎ合わせた繰り返しパターンに関する技術が開示されている。
米国特許第4772760号公報 米国特許第4932755号公報
上述の特許文献1および2に記載の技術のように、メッシュパターンが2.5mm程度のピッチで繰り返し配置されている場合には、数GHz帯の電磁波のシールド性が良くないという問題があった。
ここで数GHz帯の電磁波は、例えば、携帯電話などの無線通信や、一部のレーダなどに用いられている。
さらに、2.5mm程度のピッチを有するメッシュパターンは、操縦者等の搭乗者にムラとして視認され、外景の外景が視認できない領域が発生するという問題があった。
特に、円形状の繰り返しから構成されるメッシュパターンは、パターンを構成する導電材の線の配置密度がばらつきやすく、操縦者等の搭乗者にムラとして視認されやすいという問題があった。
上述の問題を解決するため、メッシュパターンのピッチを約2.5mmよりも短くする方法も考えられる。
しかしながら、メッシュパターンのピッチを短くすると、光がメッシュパターンにより回折される光条効果が発生するという問題があった。つまり、点状の光源を視た場合に、メッシュパターンに応じた光の帯が光源の回りに見え、外景が視認できない領域が発生するという問題があった。
さらに、メッシュパターンを構成する導電材の線における側面が光の反射面となって、太陽光などが反射し、外景が視認できない領域が発生するという問題があった。
特に、多角形状の繰り返しから構成されるメッシュパターンは、多角形状の辺を構成する線の側面が光の反射面となるため、上述の光の帯が発生しやすく、外景が視認できない領域が発生するという問題があった。
一方、上述の特許文献1および2に記載の技術の他に、導電性を有するとともに光の透過性を有する材料で窓をコーティングする技術も知られている。例えば、金をコーティングする技術や、ITO(Indium Tin Oxide)をコーティングする技術などが知られている。
しかしながら、金をコーティングする方法では、光の透過率が低いため、視認性が低下する問題があった。一方、ITOをコーティングする方法では、窓の変形によりITOコーティング膜が割れるなどの破損が生じる問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、視認性、電磁波のシールド性および耐破損性の高い乗用移動体用窓を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の乗用移動体用窓は、円の一部を切り欠いた円弧状の導電性を有する線材が格子状に繰り返し配置されるとともに、前記円弧状の線材の端部は、隣接する円弧状の線材の中央部近傍に接続されるメッシュ層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、少なくともメッシュ層を有する本発明の乗用移動体用窓に電磁波が入射しても、電磁波は導電性を有する線材からなるメッシュ層により反射される。つまり、乗用移動体用窓は電磁波に対してシールド性を示す。
一方、線材が多角形を形成するように配置されている場合と比較して、円の一部を切り欠いた円弧状に線材が配置されているため、光の回折による外景が視認できない領域の発生が抑制される。
つまり、線材が多角形を形成するように配置されている場合には、多角形に応じた所定方向のみに光の回折が発生するため、外景が視認できない領域が発生しやすい。一方、円の一部を切り欠いた円弧状に線材を配置した場合には、全ての方向に光の回折が発生するため、上述の場合と比較すると外景が視認できない領域の発生が抑制される。
本発明のメッシュ層とは異なり円を並べる等のパターン、言い換えると、円弧状の線材の端部同士を接続させるパターンを有するメッシュ層では、線材の間に形成される空隙の形状が複数のパターンから構成されるため、線材の配置密度の大小が比較的発生しやすい。
その一方、円弧状の線材の端部を、隣接する円弧状の線材の中央部付近に接続させるパターンを有する本発明のメッシュ層では、上記隙間の形状が、1つのパターンで構成されるため、線材の配置密度が比較的一定になりやすい。そのため、円を並べる等のパターンを有するメッシュ層と比較して、上記パターンそのものの視認が抑制される。
さらに、金などの導電性を有する材料を基材の表面全体にコーティングする方法と比較して、光の透過を阻害しにくいため、光の透過率が高く外景が視認できない領域の発生が抑制される。一方、ITOなどの光の透過性の高い材料をコーティングする方法と比較して、延性を有する材料で線材を形成することにより、メッシュ層が破損しにくくなる。
上記発明においては、前記メッシュ層における前記円弧状の線材は、約0.2mmから約0.5mmまでの範囲内のピッチ間隔で繰り返し配置されていることが望ましい。
上記発明においては、前記メッシュ層における前記円弧状の線材は、約0.3mmから約0.4mmまでの範囲内のピッチ間隔で繰り返し配置されていることがより望ましい。
本発明によれば、このように、ピッチ間隔を約0.2mmより好ましくは約0.3mmより広くすることで、メッシュ層における光の回折が発生しにくくなり、外景が視認できない領域の発生が抑制される。
一方、ピッチ間隔を約0.5mmより好ましくは約0.4mmより狭くすることで、線材の配置密度のばらつきがムラとして知覚されにくくなる。
上記発明においては、前記円弧状の線材における円弧の半径は、前記ピッチ間隔に対して約0.5倍から約0.75倍の範囲の値であることが望ましい。
言い換えると、円弧の直径は、ピッチ間隔に対して約8/7倍から約√2倍の範囲の値であることが望ましい。
本発明によれば、円弧の半径または直径を、それぞれ上述の範囲内の値に限定することで、線材の配置分布のばらつきが抑制され、ムラの視認性が抑制される。
上記発明においては、前記線材の周囲に反射防止処理が施されていることが望ましい。
本発明によれば、線材の表面における光の反射が抑制されるため、外景が視認できない領域の発生が抑制される。具体的には、太陽光などが線材の表面に反射して見える光の帯の発生が抑制されるため、外景が視認できない領域の発生が抑制される。
反射防止処理としては、線材の表面の色を艶のない黒色とする黒化処理、例えば、銅から形成された線材の表面に化学的な処理を施して、その表面の色を黒色化する黒化処理などが挙げられる。
上記発明においては、透光性を有するとともに、前記メッシュ層を間に挟んで支持する基材および保護層が設けられていることが望ましい。
本発明によれば、基材と保護層との間にメッシュ層が保持され、メッシュ層が基材から剥離しにくくなる。さらに、メッシュ層が外部の物体と直接接触することがなくなり、メッシュ層の線材が破損しにくくなる。
本発明の乗用移動体用窓は、導電性を有する線材が格子状に繰り返し配置されるとともに、前記線材周囲に反射防止処理が施されたメッシュ層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、線材の表面における光の反射が抑制されるため、外景が視認できない領域の発生が抑制される。具体的には、太陽光などが線材の表面に反射して見える光の帯の発生が抑制されるため、外景が視認できない領域の発生が抑制される。
反射防止処理が施される範囲としては、断面が略矩形の上記線材表面における三つの面や、全周面などを例示することができる。
本発明の乗用移動体用窓によれば、円の一部を切り欠いた円弧状の導電性を有する線材が格子状に繰り返し配置されるとともに、円弧状の線材の端部は、隣接する円弧状の線材の中央部近傍に接続されるメッシュ層が設けられているため、視認性、電磁波のシールド性および耐破損性を高めることができるという効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る乗用移動体用窓であるキャノピーについて、図1から図8を参照して説明する。
本実施形態では、本発明の乗用移動体用窓を航空機におけるパイロットが搭乗するコクピットに用いられるキャノピー(乗用移動体用窓)1に適用して説明するが、コクピットのキャノピーに限られることなく、客室であるキャビンの窓に適用してもよく特に限定するものではない。さらに、上述のように航空機の窓に適用してもよいし、新幹線などの鉄道車両の窓や、艦艇などの船舶の窓に適用してもよく、特に限定するものではない。
図1は、本実施形態のキャノピーの構成を説明する模式図である。
キャノピー1は、コクピットの一部、少なくとも前面を構成するものであって、透光性を有する部材を用いて構成されるものである。パイロットが外景を視認する際には、キャノピー1を介して視認することとなる。
キャノピー1には、図1に示すように、透光性を有する部材から構成された窓部2と、窓部2を支持するフレーム3と、が設けられている。
本実施形態では、フレーム3として公知の構成を用いることができ、特に限定するものではない。
図2は、図1のキャノピーにおける断面構造を説明する断面図である。
窓部2は、キャノピー1のうちの透光性を有する部分であり、パイロットが外景を視認する際には窓部2を介して視認する。
窓部2には、図2に示すように、透光性の高い材料、例えばアクリルなどの透明樹脂を用いて形成された基材11と、電磁波をシールドするメッシュ層12と、メッシュ層12を保護する保護層13と、が設けられている。
本実施形態の基材11としては、公知の透光性を有する材料や構成等を用いることができ、特に限定するものではない。
図3は、図2のメッシュ層の一構成を説明する模式図である。図4は、図2のメッシュ層の他の構成を説明する模式図である。
メッシュ層12は、本実施形態の特徴部であって、キャノピー1に入射した電磁波を反射し、シールド性を発揮する部分である。
メッシュ層12は、図3および図4に示すように、導電性を有する材料、例えば銅の薄膜から形成された線材15から形成された層であって、後述する形状の線材15が格子状に繰り返し配置され、網目状とされた層である。
図5は、図3または図4の線材の断面形状を説明する模式図である。
線材15は、図5に示すように、断面が略矩形状に形成され、その表面には黒化処理層16が形成されている。
黒化処理層16は光の反射を防止する反射防止処理が施された艶のない黒色の層であって、例えば、線材15を酸化処理することにより形成されている。黒化処理層16は、図5に示すように、略矩形状の線材15における全周面に形成されていてもよいし、外景と対向する面の除く三つの面にのみ形成してもよく、特に限定するものではない。
なお、上述のように線材15に艶のない黒色の黒化処理層16を形成して、光の反射を防止してもよいし、他の光の反射を防止する反射防止層を形成してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、線材15の表面における光の反射が抑制されるため、外景が視認できない領域の発生を抑制することができる。具体的には、太陽光などが線材15の表面に反射して見える光の帯の発生が抑制されるため、外景が視認できない領域の発生を抑制することができる。
線材15における幅Wは、約5μmから約20μm間での範囲内の値、より好ましくは、約7μmから約15μmまでの範囲内の値であることが望ましい。一方、線材15の厚さTは、約12μmを例示することができるが、線材15の形成方法などにより他の値が好ましい場合もあり、特に限定するものではない。
なお、線材15を形成する導電性を有する材料としては、上述の銅のほかに、金や、銀や、ニッケルなども例示することができ、特に限定するものではない。
具体的には、線材15は半径Rの円の一部を切り欠いた円弧状に形成され、この円弧状の線材15が、ピッチ間隔Dを有する格子状に繰り返しならんで配置されている。半径Rとピッチ間隔Dとは、以下の式(1)に示す関係をみたしており、特に式(2)を満たす場合を図3に示し、式(3)を満たす場合を図4に示している。
8/7≦2R/D≦√2 ・・・(1)
2R=(√2)D ・・・(2)
2R=(8/7)D ・・・(3)
ここで、ピッチ間隔Dは、約200μmから約500μmまでの範囲内の値、より好ましくは、約300μmから約400μmまでの範囲内の値であることが望ましい。
このように、ピッチ間隔Dを約200μm(約0.2mm)より好ましくは約300μm(約0.3mm)より広くすることで、メッシュ層12における光の回折が発生しにくくなり、外景が視認できない領域の発生を抑制することができる。
一方、ピッチ間隔Dを約500μm(約0.5mm)より好ましくは約400μm(約0.4mm)より狭くすることで、線材15の配置密度のばらつきがムラとして知覚されにくくなる。
言い換えると、メッシュ層12における線材15に関する円弧は、ピッチ間隔Dの格子における交点を中心とした半径Rの円を分割した円弧であって、より具体的には、図3および図4における右および下に隣接する円との交点において、当該半径Rの円を左上側および右下側の2つに分割した円弧のうちの左上側の円弧である。
なお、右に隣接する円との交点が複数の場合には上側の交点において円を円弧に分割し、下に隣接する円との交点が複数の場合には左側の交点において円を円弧に分割している。
このように円弧の半径を上述の範囲内の値に限定することで、線材15の配置分布のばらつきを抑制することができ、ムラの視認性を抑制することができる。
メッシュ層12の形成方法としては、エッチングによる形成方法や、めっきによる形成方法などを挙げることができ、特に限定するものではない。
エッチングによる形成方法では、まず、銅箔などの導電性を有する金属の薄膜に対して、化学エッチングなどにより、上述のパターンを有する線材15を形成し、その後、線材15を基材11に貼り付けることにより、メッシュ層12が形成される。
基材11が曲面を有する場合には、特開2005−104310号公報の明細書に記載されているように、平らな基材11に化学エッチングされた線材15を貼り付け、その後に基材11に対して曲げ加工を施しても良い。
めっきによる形成方法では、まず、基材11にめっきのタネを塗布して、エッチングなどによりめっきタネを上述のパターンに形成し、その後に、電解または無電解めっきにより導電性を有する線材15が上述のパターンに形成され、メッシュ層12が形成される。
なお、基材11が曲面を有する場合には、最初に平らな基材11を準備し、基材11にめっきのタネを塗布した後、または、エッチングなどによりめっきタネを上述のパターンに形成した後に、基材11を曲げ加工してもよい。
保護層13は、基材11との間にメッシュ層12を挟み込み、メッシュ層12を保護するものである。本実施形態では、保護層13は、透光性を有する材料、例えばアクリルなどの透明樹脂から形成されたフィルムから形成されたものに適用して説明する。保護層13の厚さとしては約125μmを例示することができるが、この厚さに限定されるものではない。
なお、保護層13は、上述のように、基材11およびメッシュ層12に貼り付けられるアクリルフィルムであってもよいし、基材11およびメッシュ層12の上から塗布される透明保護剤であってもよく、特に限定するものではない。
次に、上記の構成からなるキャノピー1における作用について説明する。
外部または内部からキャノピー1に入射した電磁波は、基材11または保護層13を透過してメッシュ層12に入射する。メッシュ層12に入射した電磁波は、メッシュ層12においてその大半が反射される。
このとき、電磁波はメッシュ層12に対する入射角に対応する角度で反射されるため、電磁波がメッシュ層12に対して垂直に入射した場合を除き、電磁波の入射方向に反射される電磁波が大幅に削減される。つまり、電磁波に対するステルス性が高くなる。
一方、メッシュ層12を通過する光は、ピッチ間隔Dを空けて繰り返し配置されている線材15により回折されるが、線材15が多角形状、または、多角形状に基づいた形状に繰り返し配置されている場合のように、特定方向にのみ光が回折する光条効果は発生しにくい。つまり、本実施形態の線材15は、円に基づいた円弧状に形成されているため、光条効果は発生しにくい。
また、メッシュ層12の線材15に関する円弧は、ピッチ間隔Dの格子点上に繰り返し配置されているとともに、円弧の端部が隣接する円弧の中央付近に接続されているため、線材15の配置密度のばらつきが抑制されている。
言い換えると、隣り合う線材15の間隔の大小が、例えば線材15が円状に配置された場合と比較して、小さくなる。そのため、キャノピー1を介して外景を視認する操縦者等に、線材15の配置密度のばらつきがムラとして視認されにくくなる。
さらに、メッシュ層12の線材15は、延性の高い銅から形成されているため、基材11の変形に合わせて延びることができる。そのため、線材15は基材11の変形によって切断されにくい。
次に、本実施形態のメッシュ層12と、他のパターンを有するメッシュ層との比較結果について以下の表を用いて説明する。
Figure 2009137455
上記表におけるA1からB2までは、本実施形態に係るメッシュ層12である。具体的には、図3に示すパターンのメッシュ層12であって、ピッチ間隔Dが約300μmのものがA1であり、同じくピッチ間隔Dが約400μmのものがA2である。一方、図4に示すパターンのメッシュ層12であって、ピッチ間隔Dが約300μmのものがB1であって、同じくピッチ間隔Dが約400μmのものがB2である。
図6から図8は、本実施形態のメッシュ層に対する比較対象のメッシュ層のパターンを説明する模式図である。
上記表におけるCからEまでは、比較評価の対象となる他のパターンを有するメッシュ層である。具体的には、図6に示す、正方形が約300μmのピッチ間隔で繰り返し配置されたものがCであり、図7に示す、円形が約900μmのピッチ間隔で重なるように繰り返し配置されたものがD1であり、同じく約500μmのピッチ間隔で重なるように繰り返し配置されたものがD2である。一方、図8に示す、円形が約500μmのピッチ間隔で隣接するように繰り返し配置されたものがEである。
上記表における視認性は、上述の光条効果や、ムラに関する評価項目である。光条効果等がない場合には◎、光条効果等が気にならない場合には○、光条効果等がやや気になる場合には△、光条効果等がはっきり分かるばあいには×と評価されている。
比較評価の結果、本実施形態に係るメッシュ層12(A1からB2)は○か△であり、比較対象のメッシュ層(CからE)は×であり、視認性に関する効果が確認される。
なお、視認性の評価は、複数人、例えば20人ほどのパイロットが、各メッシュ層が設けられたキャノピー1を介して外景を視認した際に、光条効果や、ムラなどが視認されるか、気になるかを評価し、この評価結果を集計することにより行われている。
メッシュのないキャノピーが、この評価の基準(◎)として用いられている。
次に、光透過率(%)は、キャノピー1を透過する光の量に関する評価項である。光の透過量が100%に近いほど好ましい特性を有していると判断される。
評価の基準であるITOコーティングが施されたキャノピーの光透過率は約80%であることから、評価に用いられた全てのメッシュ層(A1からE)は、比較的良好な光透過特性を有すると判断される。
さらに、電磁波のシールド性(dB)に関する評価も行われ、評価に用いられた全てのメッシュ層(A1からE)において、GHz帯の電磁波に対して約20dBから約40dBのシールド効果が確認された。より詳細には、ピッチ間隔の狭いメッシュ層は、ピッチ間隔の広いメッシュ層よりも高いシールド性を示すことが確認された。
上記の構成によれば、メッシュ層12および基材11から構成される本実施形態のキャノピー1に電磁波が入射しても、電磁波は導電性を有する線材15からなるメッシュ層12により反射される。つまり、キャノピー1は電磁波に対してシールド性を示すことができる。
一方、線材15が多角形を形成するように配置されている場合と比較して、本実施形態のキャノピー1では、円の一部を切り欠いた円弧状に線材15が配置されているため、光の回折による外景が視認できない領域の発生を抑制することができる。
つまり、線材15が多角形を形成するように配置されている場合には、多角形に応じた所定方向のみに光の回折が発生するため、外景が視認できない領域の発生が発生しやすい。一方、本実施形態のキャノピー1のように、円の一部を切り欠いた円弧状に線材15を配置した場合には、全ての方向に光の回折が発生するため、上述の場合と比較すると外景が視認できない領域の発生を抑制することができる。
本実施形態のメッシュ層12とは異なり円を並べる等のパターン、言い換えると、円弧状の線材15の端部同士を接続させるパターンを有するメッシュ層では、線材15の間に形成される空隙の形状が複数のパターンから構成されるため、線材15の配置密度の大小が比較的発生しやすい。
その一方、円弧状の線材15の端部を、隣接する円弧状の線材15の中央部付近に接続させるパターンを有する本実施形態のメッシュ層12では、上記隙間の形状が、1つのパターンで構成されるため、線材15の配置密度が比較的一定になりやすい。そのため、円を並べる等のパターンを有するメッシュ層と比較して、上記パターンそのものの視認を抑制することができる。
さらに、金などの導電性を有する材料を基材11の表面全体にコーティングする方法と比較して、本実施形態のメッシュ層12は光の透過を阻害しにくいため、光の透過率が高く外景が視認できない領域の発生を抑制することができる。一方、ITOなどの光の透過性の高い材料をコーティングする方法と比較して、延性を有する材料で線材15を形成することにより、メッシュ層12を破損しにくくすることができる。
保護層13を設けたことにより、メッシュ層12が外部の物体と直接接触することがなくなり、メッシュ層12の線材15が破損しにくくなる。さらに、基材11と保護層13との間にメッシュ層12を保持することにより、メッシュ層12が基材11から剥離しにくくなる。
本発明の一実施形態に係るキャノピーの構成を説明する模式図である。 図1のキャノピーにおける断面構造を説明する断面図である。 図2のメッシュ層の一構成を説明する模式図である。 図2のメッシュ層の他の構成を説明する模式図である。 図3または図4の線材の断面形状を説明する模式図である。 本実施形態のメッシュ層に対する比較対象のメッシュ層のパターンを説明する模式図である。 本実施形態のメッシュ層に対する比較対象のメッシュ層のパターンを説明する模式図である。 本実施形態のメッシュ層に対する比較対象のメッシュ層のパターンを説明する模式図である。
符号の説明
1 キャノピー(乗用移動体用窓)
11 基材
12 メッシュ層
13 保護層
15 線材

Claims (7)

  1. 円の一部を切り欠いた円弧状の導電性を有する線材が格子状に繰り返し配置されるとともに、前記円弧状の線材の端部は、隣接する円弧状の線材の中央部近傍に接続されるメッシュ層が設けられていることを特徴とする乗用移動体用窓。
  2. 前記メッシュ層における前記円弧状の線材は、約0.2mmから約0.5mmまでの範囲内のピッチ間隔で繰り返し配置されていることを特徴とする請求項1記載の乗用移動体用窓。
  3. 前記メッシュ層における前記円弧状の線材は、約0.3mmから約0.4mmまでの範囲内のピッチ間隔で繰り返し配置されていることを特徴とする請求項1記載の乗用移動体用窓。
  4. 前記円弧状の線材における円弧の半径は、前記ピッチ間隔に対して約0.5倍から約0.75倍の範囲の値であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の乗用移動体用窓。
  5. 前記線材の周囲に反射防止処理が施されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の乗用移動体用窓。
  6. 透光性を有するとともに、前記メッシュ層を間に挟んで支持する基材および保護層が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の乗用移動体用窓。
  7. 導電性を有する線材が格子状に繰り返し配置されるとともに、前記線材の周囲に反射防止処理が施されたメッシュ層が設けられていることを特徴とする乗用移動体用窓。
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