JP2009134884A - 電源システム及びその駆動制御方法並びに電子機器 - Google Patents

電源システム及びその駆動制御方法並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】環境温度が高温又は低温になって後に、適切に対処し得るようにする。
【解決手段】電源システムは、燃料電池を有する発電ユニット35Aと、生成水を貯留する生成水タンク38Aと、高濃度燃料カートリッジ10A又は低濃度燃料カートリッジ14Aが装着される装着部16Aと、装着部16Aに装着されたカートリッジの種類を識別する識別センサ21Aと、生成水タンク38A内の水の温度を検知する温度センサ40Aと、表示部56Aと、温度センサ40Aの検知温度と識別センサ21Aの識別結果とに基づいて装着部16Aに装着されているカートリッジが、温度センサ40Aの検知温度で使用可能なものであるか否かを判定し、使用可能なものではないと判定したときに、表示部56Aによる報知を行う制御部51A,55Aと、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、燃料電池を備えて構成される電源システム及びその駆動制御方法、並びにそれを備える電子機器に関する。
燃料電池を様々な環境下で利用できるように研究開発が行われている。例えば、燃料電池で効率よく発電を行える燃料濃度と燃料電池の温度とに相関関係があるので、燃料電池の温度を測定し、その測定温度に適した濃度の燃料を供給するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年では、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、腕時計、PDA(Personal Digital Assistance)、電子手帳等といった携帯型の電子機器がめざましい進歩・発展を遂げている。このような電子機器における消費電力の増加に対応して、その電源として、燃料電池を用いたものが提案されている。この燃料電池には、気体状の水素と水が連続的に供給されることで発電するものと、液体のメタノールと水の混合物が連続的に供給されることで発電するものがあり、気体状の水素により発電する燃料電池においても、、液体のメタノールと水から気体状の水素を生成するマイクロリアクタを備えて、生成した水素を燃料電池に供給するように構成されるものがある。何れの燃料電池の場合でも、液体のメタノールや水をカートリッジ、タンクといった容器に貯留する必要がある。
特開2006−4868号公報
ところで、例えば夏季において周囲の環境温度が高いときに容器内の燃料の温度が上昇して沸騰し、燃料の供給を適切に行うことができなくなることがある。一方、冬季において周囲の環境温度が低いときに容器内の水の温度が低下して凍結してしまい、水の供給を適切に行うことができなくなることがある。かかる場合、燃料電池での発電を継続して適切に行うことができない。このように周囲の環境温度が高温又は低温になったときでも、継続して発電を行うことができるように適切な処理をする必要がある。
そこで、本発明の課題は、環境温度が高温又は低温になったときでも、発電を継続して行うことができるように、適切に対処し得るようにすることである。
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、
燃料と水の混合物により発電する燃料電池を有する発電部と、
前記燃料電池における発電に用いられる水を貯留する水容器と、
前記燃料を貯留したカートリッジが着脱可能に装着される一又は複数の装着部と、
前記装着部に装着された前記カートリッジの種類を識別する識別部と、
前記水容器内の水の温度を検知する温度検知部と、
報知器と、
前記温度検知部により検知された検知温度と前記識別部の識別結果とに基づいて、前記装着部に装着されている前記カートリッジが、前記温度検知部により検知された検知温度で使用可能なものであるか否かを判定し、使用可能なものではないと判定したときに、前記報知器による報知を行う制御部と、
を備えることを特徴とする電源システムである。
請求項2に係る発明は、
前記装着部に装着される前記カートリッジは、低濃度燃料を貯留した低濃度燃料カートリッジ又はその濃度よりも高い濃度の高濃度燃料を貯留した高濃度燃料カートリッジであり、
前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジが、前記高濃度燃料カートリッジ又は前記低濃度燃料カートリッジの何れであるかを識別することを特徴とする請求項1に記載の電源システムである。
請求項3に係る発明は、
前記低濃度燃料は水と純粋な前記燃料を混合したものであり、前記高濃度燃料は純粋な前記燃料であることを特徴とする請求項2に記載の電源システムである。
請求項4に係る発明は、
前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第1の温度以上であると判断したときに、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の電源システムである。
請求項5に係る発明は、
前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第1の温度未満であると判断したとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項4に記載の電源システムである。
請求項6に係る発明は、
前記第1の温度は、前記燃料の沸点に基づく温度であることを特徴とする請求項4又は5に記載の電源システムである。
請求項7に係る発明は、
前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第2の温度以下であると判断したとき、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の電源システムである。
請求項8に係る発明は、
前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第2の温度を超えると判断したとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項7に記載の電源システムである。
請求項9に係る発明は、
前記第2の温度は、水の凝固点に基づく温度であることを特徴とする請求項7又は8に記載の電源システムである。
請求項10に係る発明は、
前記水容器は、前記燃料電池における発電により生成された生成水を貯留することを特徴とする請求項1に記載の電源システムである。
請求項11に係る発明は、
前記装着部に装着された前記カートリッジの温度を検知するカートリッジ温度検知部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電源システムである。
請求項12に係る発明は、
前記報知器が表示部であり、
前記制御部が前記報知器による報知として前記カートリッジの、前記温度検知部により検知された検知温度で使用可能なものへの交換を促すための表示を前記表示部にすることを特徴とする請求項1に記載の電源システムである。
請求項13に係る発明は、
前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジの形状又は該カートリッジの内容物の濃度の検出の何れかにより前記カートリッジの種類を識別することを特徴とする請求項1に記載の電源システムである。
請求項14に係る発明は、
燃料と水の混合物により発電する燃料電池を有する発電部と、前記燃料電池における発電に用いられる水を貯留する水容器と、前記燃料を貯留したカートリッジが着脱可能に装着される一又は複数の装着部と、前記装着部に装着された前記カートリッジの種類を識別する識別部と、前記水容器内の水の温度を検知する温度検知部と、報知器と、前記温度検知部により検知された検知温度と前記識別部の識別結果とに基づいて、前記装着部に装着されている前記カートリッジが、前記温度検知部により検知された検知温度で使用可能なものであるか否かを判定し、使用可能なものではないと判定したときに、前記報知器による報知を行う制御部と、を有する電源システムと、
前記燃料電池によって発電された電力によって駆動される電子機器本体部と、
を備えることを特徴とする電子機器である。
請求項15に係る発明は、
前記装着部に装着される前記カートリッジは、低濃度燃料を貯留した低濃度燃料カートリッジ又はその濃度よりも高い濃度の高濃度燃料を貯留した高濃度燃料カートリッジであり、
前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジが、前記高濃度燃料カートリッジ又は前記低濃度燃料カートリッジの何れであるかを識別することを特徴とする請求項14に記載の電子機器である。
請求項16に係る発明は、
前記低濃度燃料は水と純粋な前記燃料を混合したものであり、前記高濃度燃料は純粋な前記燃料であることを特徴とする請求項15に記載の電子機器である。
請求項17に係る発明は、
前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第1の温度以上であると判断したときに、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項15又は16に記載の電子機器である。
請求項18に係る発明は、
前記電源システムは、前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第1の温度未満であると判断したとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項15に記載の電子機器である。
請求項19に係る発明は、
前記第1の温度は、前記燃料の沸点に基づく温度であることを特徴とする請求項17又は18に記載の電子機器である。
請求項20に係る発明は、
前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第2の温度以下であると判断したとき、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項15又は16に記載の電子機器である。
請求項21に係る発明は、
前記電源システムは、前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第2の温度を超えるとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項20に記載の電子機器である。
請求項22に係る発明は、
前記第2の温度は、水の凝固点に基づく温度であることを特徴とする請求項20又は21に記載の電子機器である。
請求項23に係る発明は、
前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジの形状により前記カートリッジの種類を識別することを特徴とする請求項14に記載の電子機器である。
請求項24に係る発明は、
前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物の濃度を検出することによってカートリッジの種類を識別することを特徴とする請求項14に記載の電子機器である。
請求項25に係る発明は、
燃料と水の混合物により発電する燃料電池を有する発電部と、前記燃料電池における発電に用いられる水を貯留する水容器と、前記燃料を収容するカートリッジが着脱可能に装着される1又は複数の装着部と、報知器と、を有する電源システムの駆動制御方法であって、
前記水容器内の水の温度を検知する温度検知ステップと、
前記装着部に装着された前記カートリッジの種類を識別する識別ステップと、
前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記温度検知ステップの検知温度で使用することが可能なものであるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて使用可能でないと判定されたときに、前記報知器の報知を行う報知ステップと、
を含むことを特徴とする電源システムの駆動制御方法である。
請求項26に係る発明は、
前記装着部に装着される前記カートリッジは、低濃度燃料を貯留した低濃度燃料カートリッジ又はその濃度よりも高い濃度の高濃度燃料を貯留した高濃度燃料カートリッジであり、
前記識別ステップでは、前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと識別するか、前記低濃度燃料カートリッジと識別することを特徴とする請求項25に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項27に係る発明は、
前記低濃度燃料は水と純粋な前記燃料を混合したものであり、前記高濃度燃料は純粋な前記燃料であることを特徴とする請求項26に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項28に係る発明は、
前記判定ステップでは、前記識別ステップにおいて識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知ステップによる前記検知温度が所定の第1の温度以上であると判断したとき、、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が前記検知温度で使用可能でないと判定することを特徴とする請求項26又は27に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項29に係る発明は、
前記判定ステップでは、前記温度検知ステップによる前記検知温度が前記第1の温度未満であると判断したとき、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記検知温度で使用することが可能なものであると判定することを特徴とする請求項28に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項30に係る発明は、
前記第1の温度は、前記燃料の沸点に基づく温度であることを特徴とする請求項28又は29に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項31に係る発明は、
前記判定ステップでは、前記識別ステップにおいて識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知ステップによる前記検知温度が所定の第2の温度以下であると判断したとき、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記検知温度で使用可能でないと判定することを特徴とする請求項26又は27に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項32に係る発明は、
前記判定ステップでは、前記温度検知ステップによる前記検知温度が前記第2の温度以上であると判断したとき、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記検知温度で使用することが可能なものであると判定することを特徴とする請求項31に記載の電源システムの駆動制御方法である。
請求項33に係る発明は、
前記第2の温度は、水の凝固点に基づく温度であることを特徴とする請求項31又は32に記載の電源システムの駆動制御方法である。
本発明によれば、環境温度が高温又は低温になったときでも、発電を継続して行うことができるように、適切に対処することができる。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施形態における電子機器1の概略構成を示したブロック図である。
電子機器1は、電子機器本体2と、この電子機器本体2に設けられる電源システムが設けられている。以下、電源システムについて具体的に説明する。
電子機器本体2には装着部16,18が設けられている。装着部16に対しては、燃料カートリッジ10が着脱可能であり、装着部18に対しては、水カートリッジ12及び混合液カートリッジ14が着脱可能である。ここで装着部18は水カートリッジ12と混合液カートリッジ14に共有の装着部であり、水カートリッジ12及び混合液カートリッジ14の両方を同時に装着部18に装着することはできず、水カートリッジ12と混合液カートリッジ14のうちの一方が装着部18に装着された場合には、他方を装着部18に装着することができない。また、電子機器本体2の装着部16にはインレットコネクタ17が設けられ、燃料カートリッジ10にはアウトレットコネクタ11が設けられている。燃料カートリッジ10が装着部16に装着されると、インレットコネクタ17とアウトレットコネクタ11が連結される。また、電子機器本体2の装着部18にはインレットコネクタ19が設けられ、カートリッジ12,14にはアウトレットコネクタ13,15がそれぞれ設けられ、水カートリッジ12が装着部18に装着された場合にはアウトレットコネクタ13がインレットコネクタ19に連結され、混合液カートリッジ14が装着部18に装着された場合にはアウトレットコネクタ15がインレットコネクタ19に接続される。
燃料カートリッジ10には、例えば水が混合されていない純粋な燃料(例えば燃料がメタノールである場合、これを100%メタノールとも言う。)が貯留されている。燃料カートリッジ10に貯留される燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料であり、特に液体燃料である。
水カートリッジ12には、水が貯留されており、特に純水が貯留されている。なお、水カートリッジ12内の水には、水に他の物質が混合されていてもよい。
混合液カートリッジ14には、水と燃料の混合液が貯留されている。混合液カートリッジ14に貯留される混合液中の燃料は、燃料カートリッジ10に貯留される燃料と同じ種類のものである。このように、水と燃料の混合液が貯留されているので、混合液カートリッジ14内の混合液の凝固点は水カートリッジ12内の水の凝固点よりも低く、混合液カートリッジ14内の混合液の沸点は燃料カートリッジ10内の燃料の沸点よりも高い。なお、混合液カートリッジ14内の混合液には、更に他の物質が混合されていてもよい。
本実施形態では、燃料カートリッジ10に貯留される燃料が100%メタノールであり、混合液カートリッジ14に貯留された混合液がメタノールと水の混合液(混合比(重量比)は、例えばメタノールが2に対して水が8の割合である。以下、これを20%メタノール混合液とも言う。)である。
なお、混合液カートリッジ14の内容物は、別の混合比の混合液であってもよい。
また、混合液カートリッジ14を複数準備し、異なる混合比の混合液をこれら混合液カートリッジ14に貯留し、これら混合液カートリッジ14を適宜使い分けてもよい。
また、燃料カートリッジ10の内容物が純粋な燃料でなくてもよいが、燃料カートリッジ10の内容物の燃料比率が、混合液カートリッジ14の内容物の燃料比率よりも高いことが必要である。
また、燃料カートリッジ10は水カートリッジ12に対し一体に設けられていてもよいし、別体に設けられていてもよい。また、燃料カートリッジ10は混合液カートリッジ14に対し一体に設けられていてもよいし、別体に設けられていてもよい。一体の場合、混合液カートリッジ14に一体となる燃料カートリッジ10と、水カートリッジ12と一体となる燃料カートリッジ10を準備する。
また、着脱可能な燃料カートリッジ10の代わりに、電子機器本体2に固定された燃料タンクを用いてもよい。この場合、燃料を燃料タンクの補給口から燃料タンク内に補給することになる。
電子機器本体2の装着部18には、識別センサ(識別部)21及び温度センサ(温度検知部)20が設けられている。これらは、識別センサ21及び温度センサ20は例えばコネクタ19の周囲(近傍)に設けられている。温度センサ20は、装着部18に装着されたカートリッジ(水カートリッジ12又は混合液カートリッジ14)の液体の温度を電気信号に変換するものである。温度センサ20によって検知された温度を表す信号は、燃料電池制御部51(図2に図示)に出力される。温度センサ20は、装着部18に装着されたカートリッジの内容物の温度を直接測定するものであってもよいし、内容物の温度を間接的に測定するものであってもよい。なお、本明細書において「内容物の温度を間接的に測定する」との記載は、内容物の周囲の雰囲気又は物体(例えば、カートリッジ)の温度を直接的に測定し、その測定温度から内容物の温度を推定することをいう。
識別センサ21は、装着部18に装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部18に水カートリッジ12が装着された場合には、水カートリッジ12の装着が識別センサ21によって検知され、水カートリッジ12の装着の旨の信号が燃料電池制御部51(図2に図示)に出力される。一方、装着部18に混合液カートリッジ14が装着された場合には、混合液カートリッジ14の装着が識別センサ21によって検知され、混合液カートリッジ14の装着の旨の信号が燃料電池制御部51(図2に図示)に出力される。
識別センサ21は、プッシュスイッチ、リミットセンサ、光電センサ、近接センサ、磁界センサ、圧力センサ、赤外線センサ、撮像素子、濃度センサ(例えば、カートリッジの内容物の燃料濃度を測定することにより、カートリッジの種類を識別するもの)、その他のセンサである。なお、識別センサ21が濃度センサの場合、装着部18に装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が識別センサ21によって測定され、測定濃度を表す信号が識別センサ21から燃料電池制御部51に出力され、燃料電池制御部51がその濃度信号によってカートリッジの識別をする。
図1では、一例として識別センサ21がプッシュスイッチである場合を示している。この場合、識別センサ21にボタン(突出部)22が設けられ、混合液カートリッジ14には逃げ凹部23が形成されており、水カートリッジ12には凹部が形成されていない。混合液カートリッジ14が装着部18に装着された場合には、凹部23にボタン22が収まって、ボタン22が押されず、識別センサ21がオフとなる。一方、水カートリッジ12が装着部18に装着された場合には、水カートリッジ12によってボタン22が押され、識別センサ21がオンとなる。なお、水カートリッジ12又は混合液カートリッジ14の装着と、識別センサ21のオン又はオフの関係とは逆であってもよい。
電子機器本体2には、発電機能を司る発電ユニットが内蔵されている。発電ユニットは、燃料ポンプ31、供給ポンプ32、生成水ポンプ33、混合切替部34、燃料電池発電ユニット(発電部)35、エアポンプ36、凝縮・気液分離装置37及び生成水タンク38を有する。
燃料ポンプ31は、燃料カートリッジ10内の燃料を混合切替部34に送液するものである。なお、アウトレットコネクタ11とインレットコネクタ17が連結されると、燃料カートリッジ10から燃料ポンプ31までの経路が確立される。
生成水ポンプ33は、生成水タンク38内の生成水を混合切替部34に送液するものである。
供給ポンプ32は、装着部18に装着されたカートリッジ(水カートリッジ12又は混合液カートリッジ14)内の液体(水又は混合液)を混合切替部34に送液する。なお、アウトレットコネクタ13とインレットコネクタ19が連結されると、水カートリッジ12から供給ポンプ32までの経路が確立され、アウトレットコネクタ15とインレットコネクタ19が連結されると、混合液カートリッジ14から供給ポンプ32までの経路が確立される。
燃料ポンプ31、供給ポンプ32及び生成水ポンプ33は何れも送液量可変型のポンプである。
混合切替部34は流量制御弁、方向切替弁等から構成されており、流体の流れの方向を切り替えるとともに流体の流量を制御するものである。ここで、混合切替部34は、燃料ポンプ31から燃料電池発電ユニット35への流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34は、供給ポンプ32から燃料電池発電ユニット35への流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。更に、混合切替部34は、生成水ポンプ33から燃料電池発電ユニット35への流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34の動作によって、燃料電池発電ユニット35へ流れる各種流体の方向・流量が制御され、これにより各種流体の混合比が制御される。
エアポンプ36は、電子機器本体2の外部の空気を燃料電池発電ユニット35に送るものである。
燃料電池発電ユニット35は気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、混合切替部34から送られてきた燃料と水の混合液により発電するものである。つまり、燃料と水の混合液が混合切替部34によって気化器に連続的に送られ、電子機器本体2の外の空気がエアポンプ36によって一酸化炭素除去器及び燃料電池のカソードに連続的に送られると、これにより燃料電池発電ユニット35は燃料電池において連続的に発電する。具体的には、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37に送られる。燃料電池発電ユニット35の燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35が以上のような構成を有する。
一方、燃料電池発電ユニット35の燃料電池が、気体状のメタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電ユニット35は、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、混合切替部34から送られた混合液が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水と空気中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出されるとともに気体状の水(水蒸気)を含む気体が燃料電池発電ユニット35から凝縮・気液分離装置37に送られる。なお、液体状のメタノール及び水で発電を行う燃料電池の場合、更に気化器も省略することができる。
また、燃料電池発電ユニット35の燃料電池が、固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35は、一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37に送られる。
なお、気化器が燃料電池発電ユニット35に内蔵されているものとしているが、燃料電池発電ユニット35とは別に気化器を設け、燃料と水の混合液が混合切替部34によって気化器に送られて、その気化器で気化された混合気が燃料電池発電ユニット35に供給されるものとしてもよい。
凝縮・気液分離装置37は凝縮器及び気液分離器等を有し、燃料電池発電ユニット35から送られた気体が凝縮器によって冷却されて、気体中の水分が液体に凝縮され、気液分離器によって液体の水と気体に分離される。凝縮・気液分離装置37で分離された液体の水は生成水タンク38に送られて生成水タンク38に貯留され、分離された気体は排気として電子機器本体2の外に排出される。なお、固定された生成水タンク38の代わりに、電子機器本体2に対して着脱可能なカートリッジ式の生成水カートリッジを用いてもよい。
生成水タンク38は、例えば電子機器1の各部で発生した熱で温められる。この生成水タンク38には、貯留量センサ39及び温度センサ40が設けられている。貯留量センサ39は生成水タンク38に貯留されている生成水の量を電気信号に変換するものである。貯留量センサ39によって検知された貯留量を表す信号は、燃料電池制御部51(図2に図示)に出力される。温度センサ40は、生成水タンク38に貯留された生成水の温度を電気信号に変換するものである。温度センサ40によって検知された温度を表す信号は、燃料電池制御部51(図2に図示)に出力される。なお、温度センサ40は、生成水タンク38の内容物の温度を直接測定するものであってもよいし、内容物の温度を間接的に測定するものであってもよい。
図2は、電子機器1の回路構成を示したブロック図である。図2に示すように、電子機器1は、図1に示された構成要素の他に、燃料電池制御部51、記憶部52、電源切替制御部53、二次電池54、電子機器制御部55、表示部56及びキー入力部57等を更に具備する。
燃料電池制御部51は例えばCPU、RAM等を有するマイクロコンピュータである。この燃料電池制御部51は、燃料ポンプ31、供給ポンプ32、生成水ポンプ33、混合切替部34、燃料電池発電ユニット35及びエアポンプ36の制御を行う。
記憶部52は不揮発性メモリ、磁気記録ディスク等であり、各種データが記憶部52に記録される。ここで、記憶部52に対する読み書きは、燃料電池制御部51によって行われる。
二次電池54は、電気エネルギーを化学エネルギーの形にして蓄えるものである。
電源切替制御部53は、燃料電池発電ユニット35の燃料電池で生成された電気エネルギーを二次電池54に充電したり、燃料電池発電ユニット35の燃料電池又は二次電池54から電子機器本体2の各負荷(電子機器制御部55、表示部56、キー入力部57、記憶部52に加えて、他の部分も含む)に電力を供給したりする。
キー入力部57は、例えば種々のボタン、スイッチ等から構成されており、それらのボタンやスイッチの操作に応じた入力信号を電子機器制御部55に出力する。
表示部56は、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他の表示部である。
電子機器制御部55は例えばCPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータである。電子機器制御部55はキー入力部57から入力した入力信号、燃料電池制御部51から入力した信号に基づいて各種の処理を行う。例えば、電子機器制御部55が表示部56に表示制御信号を出力する。これにより、表示制御信号に応じた表示が表示部56で行われる。
次に、電子機器1の使用方法及び電子機器1の動作について説明する。
<発電動作>
まず、発電に関する動作について説明する。図3は、発電に関する動作において、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51は、燃料電池制御部51のROMに格納されたプログラムに従って図3に示された処理を実行し、電子機器制御部55は、電子機器制御部55のROMに格納されたプログラムに従って図3に示された処理を実行する。
ユーザは、電子機器1を使用するに際して、例えば純粋燃料(例えば100%メタノール)が貯留された燃料カートリッジ10を装着部16に装着するともに、水が貯留された水カートリッジ12又は混合液が貯留された混合液カートリッジ14のどちらか一方を装着部18に装着する。水カートリッジ12が装着部18に装着された場合には、水カートリッジ12が装着された旨の信号が識別センサ21から燃料電池制御部51に出力される。混合液カートリッジ14が装着部18に装着された場合には、混合液カートリッジ14が装着された旨の信号が識別センサ21から燃料電池制御部51に出力される。
燃料電池制御部51は、貯留量センサ39から入力された貯留量信号により、生成水タンク38に生成水があるか否かを判断する(ステップS1)。貯留量センサ39による貯留量信号がゼロを示している場合には(ステップS1:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS5に移行し、貯留量センサ39による貯留量信号がゼロを超えている場合には(ステップS1:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS2に移行する。
ステップS2においては、燃料電池制御部51は、温度センサ40から入力された温度信号により、生成水タンク38にある生成水の温度がゼロ℃以下であるか否かを判断する。温度センサ40の温度信号により示された温度がゼロ℃を越えている場合には(ステップS2:No)、燃料電池制御部51の処理はステップS3に移行し、温度センサ40の温度信号により示された温度がゼロ℃以下である場合には(ステップS2:Yes)、燃料電池制御部51の処理はステップS5に移行する。なお、ここでの閾値であるゼロ℃は水の凝固点から定められたものであるが、閾値が液体状態と固体状態とに仕切るものであれば、ゼロ℃に定める必要はない。
ステップS3においては、燃料電池制御部51が、生成水ポンプ33及び燃料ポンプ31を駆動する。このとき供給ポンプ32は停止されている。そして、燃料電池制御部51が、生成水ポンプ33及び燃料ポンプ31の送液量を制御するとともに、混合切替部34を制御する(ステップS4)。燃料電池制御部51が生成水ポンプ33、燃料ポンプ31及び混合切替部34を制御することによって、生成水タンク38内の水が生成水ポンプ33及び混合切替部34を経由して燃料電池発電ユニット35に送液され、燃料カートリッジ10内の燃料が燃料ポンプ31及び混合切替部34を経由して燃料電池発電ユニット35に送液される。このとき、生成水と燃料が混合切替部34にて混合され、燃料電池制御部51が生成水ポンプ33、燃料ポンプ31及び混合切替部34を制御することによって、燃料と生成水の混合比(重量比)を6:4にする(但し、この混合比は一例であって、6:4に限るものではない)。その後、燃料電池制御部51の処理は、ステップS1に戻る。
ステップS3〜S4によって燃料電池発電ユニット35における発電が開始され、発電により生成された水は生成水タンク38に貯留される。周囲の温度がゼロ℃を越えているため、生成水タンク38内の生成水も凍っていない状態であり、生成水タンク38に貯留された生成水が燃料電池発電ユニット35の発電に用いられる。そのため、生成水を再利用することができ、水カートリッジ12や混合液カートリッジ14の交換頻度が低くなる。
ステップS5においては、燃料電池制御部51が、識別センサ21から入力された信号により、装着部18に装着されたカートリッジが水カートリッジ12であるかそれとも混合液カートリッジ14であるかを判断する。識別センサ21によって水カートリッジ12の装着が検知されている場合には(ステップS5:Yes)、燃料電池制御部51の処理はステップS8に移行し、識別センサ21によって混合液カートリッジ14の装着が検知されている場合には(ステップS5:No)、燃料電池制御部51の処理はステップS6に移行する。なお、識別センサ21が濃度センサの場合、ステップS5における燃料電池制御部51の判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度がゼロである場合、燃料電池制御部51の処理はステップS8に移行し、濃度センサの検知濃度がゼロを超えている場合、燃料電池制御部51の処理はステップS6に移行する。
ステップS6においては、燃料電池制御部51が、供給ポンプ32及び燃料ポンプ31を駆動し、生成水ポンプ33を停止する。そして、燃料電池制御部51が、供給ポンプ32及び燃料ポンプ31の送液量を制御するとともに、混合切替部34を制御する(ステップS7)。燃料電池制御部51が供給ポンプ32、燃料ポンプ31及び混合切替部34を制御することによって、混合液カートリッジ14内の混合液が供給ポンプ32及び混合切替部34を経由して燃料電池発電ユニット35に送液され、燃料カートリッジ10内の燃料が燃料ポンプ31及び混合切替部34を経由して燃料電池発電ユニット35に送液される。このとき、混合液と燃料が混合切替部34にて混合され、燃料電池制御部51が供給ポンプ32、燃料ポンプ31及び混合切替部34を制御することによって、燃料と混合液の混合比(重量比)を5:5にする。なお、この混合比は、上記ステップS4において、燃料と生成水の混合比を6:4とした場合に対応する。即ち、純粋な燃料(100%メタノール)とメタノールと水の混合液(20%メタノール)とを、5:5の混合比で混合することによって、上記ステップS4における燃料と生成水の混合比6:4と同じメタノール濃度の混合液を生成することができる。従って、但し、この混合比は一例であって、5:5に限るものではなく、上記ステップS4における混合比に対応するものである。その後、燃料電池制御部51の処理は、ステップS1に戻る。
ステップS6〜S7においては、生成水タンク38内に生成水が無い場合又は生成水タンク38内の生成水が凍っている場合であって、混合液カートリッジ14が装着されているときである。生成水タンク38内の生成水が凍っていても、混合液カートリッジ14内の混合液が凍っていないので、その混合液が燃料電池発電ユニット35の発電に用いられ、燃料電池発電ユニット35が発電する。つまり、低温の環境下でも、電子機器1が動作する。
ステップS8においては、燃料電池制御部51は、温度センサ20から入力された温度信号により、水カートリッジ12内にある水の温度がゼロ℃以下であるか否かを判断する。温度センサ20の温度信号により示された温度がゼロ℃を越えている場合には(ステップS8:No)、燃料電池制御部51の処理はステップS9に移行し、温度センサ20の温度信号により示された温度がゼロ℃以下である場合には(ステップS8:Yes)、燃料電池制御部51の処理はステップS11に移行する。なお、ここでの閾値であるゼロ℃は水の凝固点から定められたものであるが、閾値が液体状態と固体状態とに仕切るものであれば、ゼロ℃に定める必要はない。
ステップS9においては、燃料電池制御部51が、供給ポンプ32及び燃料ポンプ31を駆動し、生成水ポンプ33を停止する。そして、燃料電池制御部51が、供給ポンプ32及び燃料ポンプ31の送液量を制御するとともに、混合切替部34を制御する(ステップS10)。燃料電池制御部51が供給ポンプ32、燃料ポンプ31及び混合切替部34を制御することによって、水カートリッジ12内の水が供給ポンプ32及び混合切替部34を経由して燃料電池発電ユニット35に送液され、燃料カートリッジ10内の燃料が燃料ポンプ31及び混合切替部34を経由して燃料電池発電ユニット35に送液される。このとき、水と燃料が混合切替部34にて混合され、燃料電池制御部51が供給ポンプ32、燃料ポンプ31及び混合切替部34を制御することによって、燃料と水の混合比(重量比)を6:4にする(但し、この混合比は一例であって、6:4に限るものではない)。その後、燃料電池制御部51の処理は、ステップS1に戻る。
ステップS9〜S10においては、生成水タンク38内に生成水が無い場合であって、水カートリッジ12が装着されているときである。水カートリッジ12の内容物が純水であるため、混合液カートリッジ14が装着されている場合よりも、内容物の消費速度が少なくて済む。そのため、水カートリッジ12の交換頻度が低くなる。
ステップS11においては、燃料電池制御部51が、生成水ポンプ33、供給ポンプ32及び燃料ポンプ31を停止し、燃料電池発電ユニット35の発電が停止する。このときでは、生成水タンク38内の生成水や水カートリッジ12内の水が凍っており、水の供給が出来ない状態である。そういった状態のなかで、燃料ポンプ31が止まるので、高濃度の燃料が燃料発電ユニット35に供給されることがない。
燃料電池制御部51が以上のように図3の処理を実行している場合、燃料電池制御部51が燃料ポンプ31、供給ポンプ32又は生成水ポンプ33を駆動するときには、エアポンプ36も駆動する。
温度センサ20,40によって生成水タンク38、カートリッジの内容物の温度を別々に測定しているので、以下に述べるような場合でも、適切に対応できる。即ち、電子機器1が寒い場所にあったために、生成水タンク38内の生成水が凍結している場合、その後、電子機器1が暖かい場所に移動して、生成水タンク38内の生成水が凍結したままでも、装着部18に装着したカートリッジを別の水カートリッジ12又は混合液カートリッジ14に交換すれば、適切に対応できる。
なお、上述の説明において、混合切替部34を設けずに、燃料ポンプ31、供給ポンプ32、生成水ポンプ33によって送られる液体が別々に燃料電池発電ユニット35に供給されて、これら液体が燃料電池発電ユニット35内で混合されてもよい。この場合、ステップS4、S7、S10では燃料電池制御部51が混合切替部34を制御せず、ステップS4では生成水ポンプ33と燃料ポンプ31を制御し、ステップS7、S10では供給ポンプ32と燃料ポンプ31を制御し、これらのポンプの送液量の制御により混合比を調整するものする。
また、上述の説明において、装着部18に装着されるものが、混合液カートリッジ14だけでもよい。この場合、識別センサ21が不要となり、図3に示した処理においては、ステップS5、S8〜S11の処理が行われず、ステップS2のYesの判定後やステップS1のNoの判定後では、ステップS6に移行することになる。
<温度データ蓄積動作>
温度データを蓄積することに関する動作について説明する。図4は、温度データ蓄積に関する動作において、燃料電池制御部51が行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51は、図4に示した処理を図3に示した処理と並行して行う。
燃料電池制御部51は、所定時間毎に(図4では、10分間毎に)、温度センサ20によって検知された温度を記憶部52に記録することで、温度データを蓄積する。具体的には、図4のような処理を行う。まず、温度センサ20によって温度が検知され、その温度を表す信号が燃料電池制御部51に入力されており(ステップS21)、燃料電池制御部51が温度センサ20による検知温度を記憶部52に記録する(ステップS22)。ここで、燃料電池制御部51が時計機能を有するとともに、温度記録時に発電が行われているか否かを判定する判定機能を有する。そして、温度記録時においては、燃料電池制御部51は、時計機能によって得られた温度記録時の日時を温度データに対応付けて記憶部52に記録するとともに、判定機能によって得られた発電フラグを温度データに対応付けて記憶部52に記録する。ここで、発電フラグとは、温度記録時に発電しているか否かを表す識別子であり、例えば、燃料電池制御部51は燃料ポンプ31を駆動している時には発電フラグを立て、燃料ポンプ31を停止している時には発電フラグを立てない。
そして、燃料電池制御部51は、温度データを記録したら、計時を開始する(ステップS23)。そして、計時開始してから所定時間(図4では、10分間)が経過したら(ステップS24:Yes)、燃料電池制御部51は計時をリセットし、ステップS21に戻る。
燃料電池制御部51は、以上の処理の繰り返しにより、所定時間毎に、温度データ、日時、発電フラグを対応付けて記録する。なお、燃料電池制御部51は、データの蓄積量を抑えるために、例えば過去1週間以内のデータを蓄積することとして、1週間前のデータは記憶部52から削除するようにする。
<助言処理1>
推奨するカートリッジについて助言することに関する動作について説明する。図5は、推奨カートリッジの助言に関する動作において、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は、図5に示した処理を図3に示した処理と並行して行うが、ユーザが電子機器1を操作した時に、特に、電子機器1の電源がオンとなった時や電源がオフとなった時に、図5に示した動作が開始されるのが好ましい。
まず、燃料電池制御部51が、識別センサ21から入力された信号により、装着部18に装着されたカートリッジが水カートリッジ12であるかそれとも混合液カートリッジ14であるかを判断する(ステップS31)。識別センサ21によって水カートリッジ12の装着が検知されている場合には(ステップS31:Yes)、燃料電池制御部51の処理はステップS32に移行し、識別センサ21によって混合液カートリッジ14の装着が検知されている場合には(ステップS31:No)、燃料電池制御部51の処理はステップS33に移行する。
ステップS32においては、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に凍結履歴があるか否かを判定する。凍結履歴があるか否かについては、例えば過去24時間以内の温度データの中に、所定の閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。ここでは、所定の閾値は、水カートリッジ12に収容された水の凝固点(具体的には、ゼロ℃)とされている。従って、燃料電池制御部51が、例えば過去24時間以内の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがあると判定したら(ステップS32:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS35に移行する。一方、燃料電池制御部51が、例えば過去24時間以内の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがないと判定したら(ステップS32:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS34に移行する。
ステップS35においては、燃料電池制御部51の指令により、電子機器制御部55が混合液カートリッジの推奨表示を表示部56に表示させる。ここで、表示部56には、「過去24時間に水が凍結したため、混合液カートリッジを装着する方がよい。」といった旨の推奨表示が行われる。その表示を見たユーザは、過去の水の凍結を把握するので、水カートリッジ12を混合液カートリッジ14に交換することができる。従って、混合液カートリッジ14の内容物は水カートリッジ12の内容物よりも凍結しにくいので、燃料電池発電ユニット35による発電が行われやすくなる。
そして、電子機器制御部55は、燃料電池制御部51を介して記憶部52の温度データ・日時データ・発電フラグを読み込み、その読み込んだ温度データ・日時データ・発電フラグに従って、過去1週間の温度・発電状況を日時とともに表示する(ステップS36)。例えば、電子機器制御部55は、横軸を日時とするとともに縦軸を温度とした折れ線グラフを表示部56に表示し、又は温度と日時を対応付けた表を表示部56に表示し、このグラフ又は表において、発電中の温度の表示態様(例えば、色)と、発電していない時の温度の表示態様(例えば、色)を異ならせるよう表示する。このような表示を見たユーザは、混合液カートリッジ14の用意やそれへの交換を実際にするかどうかを判断することができる。更に、ユーザは発電中の発熱による水の昇温の影響を考慮することができるが、そのような考慮をユーザにさせないために、発電中や発電後の温度が表示されないものとしてもよい。
その後、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は実行処理を終了する。
一方、ステップS33においては、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に所定の閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。ここでの所定の閾値は、水カートリッジ12に収容された水の凝固点よりも高いもの(以下、凝固点超閾値という。)とされており、例えば5℃とされている。従って、燃料電池制御部51が、例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS33:Yes)、燃料電池制御部51が実行処理を終了する。一方、燃料電池制御部51が、例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS33:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS39に移行する。
ステップS39においては、燃料電池制御部51の指令により、電子機器制御部55が水カートリッジの推奨表示を表示部56に表示させる。ここで、表示部56には、「過去24時間に水の温度が凝固点超閾値(例えば、5℃)以下になったことがないため、水カートリッジを装着する方がよい。」といった旨の推奨表示が行われる。その表示を見たユーザは、過去の温暖状況を把握するので、混合液カートリッジ14を水カートリッジ12に交換することができる。従って、水カートリッジ12の内容物は混合液カートリッジ14の内容物よりも水濃度が高いので、水カートリッジ12の交換頻度を抑えることができる。
ステップS39後のステップS40においては、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55がステップS36と同様の処理を実行する。その後、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は実行処理を終了する。
一方、ステップS34においては、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51が、例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS34:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS37に移行する。一方、燃料電池制御部51が、例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS34:No)、燃料電池制御部51が実行処理を終了する。
ステップS37においては、燃料電池制御部51の指令により、電子機器制御部55が混合液カートリッジの準備推奨表示を表示部56に表示させる。ここで、表示部56には、「過去24時間に水の温度が凝固点超閾値(例えば、5℃)以下になったため、混合液カートリッジの準備をする方がよい。」といった旨の推奨表示が行われる。その表示を見たユーザは、過去に水が凍結しそうになったことを把握するので、混合液カートリッジ14の準備をすることができる。従って、混合液カートリッジ14の内容物は水カートリッジ12の内容物よりも凍結しにくいので、環境温度が更に下がって水が凍結する場合でも、混合液カートリッジ14に交換すれば、燃料電池発電ユニット35による発電が行われやすくなる。
ステップS37後のステップS38においては、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55がステップS36と同様の処理を実行する。その後、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は実行処理を終了する。
<助言処理2>
推奨するカートリッジについて助言することに関する動作について説明する。図6は、推奨カートリッジの助言に関する動作において、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が行う処理の流れを示したフローチャートである。図6に示した処理は、図5に示した処理の代わりに行われる。
まず、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された発電フラグとそれに対応する日時データとを読み出し、発電フラグ及び日時データに基づき1週間前から今までに少なくとも一回発電中となっている時間帯を特定する(ステップS51)。以下、この特定した時間帯を使用時間帯という。
次に、燃料電池制御部51が、装着部18に装着されたカートリッジの種類を識別センサ21により識別する(ステップS41)。識別センサ21によって水カートリッジ12の装着が検知されている場合には(ステップS41:Yes)、燃料電池制御部51の処理はステップS42に移行し、識別センサ21によって混合液カートリッジ14の装着が検知されている場合には(ステップS41:No)、燃料電池制御部51の処理はステップS43に移行する。なお、識別センサ21が濃度センサの場合、ステップS41における燃料電池制御部51の判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度がゼロである場合、燃料電池制御部51の処理はステップS42に移行し、濃度センサの検知濃度がゼロを超えている場合、燃料電池制御部51の処理はステップS43に移行する。
ステップS42においては、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に所定の閾値(所定の閾値は、水の凝固点とされている)以下になったものがあるか否かによって判定する。そして、燃料電池制御部51が、使用時間帯の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがあると判定したら(ステップS42:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS45に移行する。一方、燃料電池制御部51が、使用時間帯の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがないと判定したら(ステップS42:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS44に移行する。
ステップS45では、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図5のステップS35と同様のことを行い、更に、ステップS45後のステップS46では、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図5のステップS36と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は実行処理を終了する。
一方、ステップS43においては、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51が、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS43:Yes)、燃料電池制御部51が実行処理を終了する。一方、燃料電池制御部51が、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS43:No)、燃料電池制御部51の処理がステップS49に移行する。
ステップS49では、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図5のステップS39と同様のことを行い、更に、ステップS49後のステップS50では、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図5のステップS40と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は実行処理を終了する。
一方、ステップS44においては、燃料電池制御部51は、記憶部52に蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51が、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS44:Yes)、燃料電池制御部51の処理がステップS47に移行する。一方、燃料電池制御部51が、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS44:No)、燃料電池制御部51が実行処理を終了する。
ステップS47では、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図5のステップS37と同様のことを行い、更に、ステップS47後のステップS48では、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図5のステップS38と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51及び電子機器制御部55は実行処理を終了する。
燃料電池制御部51及び電子機器制御部55が図6に示すような処理を行うことによって、例えばユーザが深夜や早朝に電子機器1を使用しない場合に、深夜や早朝に水が凍結していることがあったとしても、ユーザが電子機器1を使用するときには、水カートリッジ12への交換を促さないで済む。
<第2の実施の形態>
図7は、本発明の実施形態における電子機器1Aの概略構成を示したブロック図である。
電子機器1Aは、電子機器本体2Aと、この電子機器本体2Aに設けられる電源システムとを備える。以下、電源システムについて具体的に説明する。
本体2Aには装着部16Aが設けられている。装着部16Aに対しては、低濃度燃料カートリッジ14A及び高濃度燃料カートリッジ10Aが着脱可能であり、高濃度燃料カートリッジ10A及び低濃度燃料カートリッジ14Aの両方を同時に装着部16に装着することはできず、高濃度燃料カートリッジ10Aと低濃度燃料カートリッジ14Aのうちの一方が装着部16Aに装着された場合には、他方を装着部16Aに装着することができない。また、電子機器本体2Aの装着部16Aにはインレットコネクタ17Aが設けられ、カートリッジ10A,14Aにはアウトレットコネクタ11A,15Aがそれぞれ設けられ、高濃度燃料カートリッジ10Aが装着部16Aに装着された場合にはアウトレットコネクタ11Aがインレットコネクタ17Aに連結され、低濃度燃料カートリッジ14Aが装着部16Aに装着された場合にはアウトレットコネクタ15Aがインレットコネクタ17Aに接続される。
高濃度燃料カートリッジ10Aには、例えば純粋な燃料が貯留されている。高濃度燃料カートリッジ10Aに貯留される燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料であり、特に液体燃料である。なお、高濃度燃料カートリッジ10Aに貯留される燃料は純粋でなくともよく、高濃度の燃料であればよい。
低濃度燃料カートリッジ14Aには、高濃度燃料カートリッジ10Aに貯留される燃料よりも低濃度の燃料が貯留されている。具体的には、低濃度燃料カートリッジ14Aには、水と純粋燃料の混合液が貯留されている。低濃度燃料カートリッジ14Aに貯留される混合液中の純粋燃料は、高濃度燃料カートリッジ10Aに用いられる純粋燃料と同じものである。このように、水と純粋燃料の混合液が貯留されているので、低濃度燃料カートリッジ14A内の低濃度燃料の沸点が高濃度燃料カートリッジ10A内の高濃度燃料の沸点よりも高い。なお、低濃度燃料カートリッジ14A内の低濃度燃料には、更に他の物質が混合されていてもよい。
本実施形態では、高濃度燃料カートリッジ10Aに貯留される高濃度燃料が純粋メタノール(100%メタノール)であり、低濃度燃料カートリッジ14Aに貯留された低濃度燃料がメタノールと水の混合液(混合比(重量比)は、例えばメタノールが6に対して水が4(60%メタノール)である。)である。この場合、高濃度燃料カートリッジ10A内のメタノールの沸点が約65℃であり、低濃度燃料カートリッジ14A内の低濃度燃料の沸点が約74℃である。
なお、低濃度燃料カートリッジ14Aの内容物は、別の混合比の混合液であってもよい。
また、低濃度燃料カートリッジ14Aを複数準備し、異なる混合比の混合液をこれら低濃度燃料カートリッジ14Aに貯留し、これら低濃度燃料カートリッジ14Aを適宜使い分けてもよい。
また、高濃度燃料カートリッジ10Aの内容物が純粋な燃料でなくてもよいが、高濃度燃料カートリッジ10Aの内容物の燃料濃度が、低濃度燃料カートリッジ14Aの内容物の燃料濃度よりも高いことが必要である。
電子機器本体2Aの装着部16Aには、識別センサ(識別部)21A及び温度センサ20(温度検知部)Aが設けられている。識別センサ21A及び温度センサ20Aは、例えばコネクタ17Aの周囲(近傍)に設けられている。温度センサ20Aは、装着部16Aに装着されたカートリッジ(高濃度燃料カートリッジ10A又は低濃度燃料カートリッジ14A)の液体の温度を電気信号に変換するものである。温度センサ20Aによって検知された温度を表す信号は、燃料電池制御部(制御部)51A(図8に図示)に出力される。温度センサ20Aは、装着部16Aに装着されたカートリッジの内容物の温度を直接測定するものであってもよいし、内容物の温度を間接的に測定するものであってもよい。
識別センサ21Aは、装着部16Aに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部16Aに高濃度燃料カートリッジ10Aが装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Aの装着が識別センサ21Aによって検知され、高濃度燃料カートリッジ10Aの装着の旨の信号が燃料電池制御部51A(図8に図示)に出力される。一方、装着部16Aに低濃度燃料カートリッジ14Aが装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Aの装着が識別センサ21Aによって検知され、低濃度燃料カートリッジ14Aの装着の旨の信号が燃料電池制御部51A(図8に図示)に出力される。
識別センサ21Aは、プッシュスイッチ、リミットセンサ、光電センサ、近接センサ、磁界センサ、圧力センサ、赤外線センサ、撮像素子、濃度センサ(例えば、カートリッジの内容物の燃料濃度を測定することにより、カートリッジの種類を識別するもの)、その他のセンサである。なお、識別センサ21Aが濃度センサ(濃度検出器)の場合、装着部18Aに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が識別センサ21Aによって測定され、測定濃度を表す信号が識別センサ21Aから燃料電池制御部51Aに出力され、燃料電池制御部51Aがその濃度信号によってカートリッジの識別をする。
図7では、一例として識別センサ21Aがプッシュスイッチである場合を示している。この場合、識別センサ21Aにボタン(突出部)22Aが設けられ、低濃度燃料カートリッジ14Aには逃げ凹部23Aが形成されており、高濃度燃料カートリッジ10Aには凹部が形成されていない。低濃度燃料カートリッジ14Aが装着部16Aに装着された場合には、凹部23Aにボタン22Aが収まって、ボタン22Aが押されず、識別センサ21Aがオフとなる。一方、高濃度燃料カートリッジ10Aが装着部16Aに装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Aによってボタン22Aが押され、識別センサ21Aがオンとなる。なお、高濃度燃料カートリッジ10A又は低濃度燃料カートリッジ14Aの装着と、識別センサ21Aのオン又はオフの関係とは逆であってもよい。
電子機器本体2Aには、発電機能を司る発電ユニットが内蔵されている。発電ユニットは、燃料ポンプ(供給器)31A、生成水ポンプ33A、混合切替部34A、燃料電池発電ユニット(発電部)35A、エアポンプ36A、凝縮・気液分離装置37A及び生成水タンク(水容器)38Aを有する。
燃料ポンプ31Aは、燃料カートリッジ10又は低濃度燃料カートリッジ14Aの内容物を混合切替部34Aに送液するものである。なお、アウトレットコネクタ11Aとインレットコネクタ17Aが連結されると、高濃度燃料カートリッジ10Aから燃料ポンプ31Aまでの経路が確立され、アウトレットコネクタ15Aとインレットコネクタ17Aが連結されると、低濃度燃料カートリッジ14Aから燃料ポンプ31Aまでの経路が確立される。
生成水ポンプ33Aは、生成水タンク38A内の生成水を混合切替部34Aに送液するものである。
燃料ポンプ31A及び生成水ポンプ33Aは何れも送液量可変型のポンプである。
混合切替部34Aは流量制御弁、方向切替弁等から構成されており、流体の流れの方向を切り替えるとともに流体の流量を制御するものである。ここで、混合切替部34Aは、燃料ポンプ31Aから燃料電池発電ユニット35Aへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Aは、生成水ポンプ33Aから燃料電池発電ユニット35Aへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Aの動作によって、燃料電池発電ユニット35Aへ流れる各種流体の方向・流量が制御され、これにより各種流体の混合比が制御される。
エアポンプ36Aは、電子機器本体2Aの外部の空気を燃料電池発電ユニット35Aに送るものである。
燃料電池発電ユニット35Aは気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、混合切替部34Aから送られてきた燃料と水の混合液により発電するものである。つまり、燃料と水の混合液が混合切替部34Aによって気化器に連続的に送られ、電子機器本体2Aの外の空気がエアポンプ36Aによって一酸化炭素除去器及び燃料電池のカソードに連続的に送られると、これにより燃料電池発電ユニット35Aは燃料電池において連続的に発電する。具体的には、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Aに送られる。燃料電池発電ユニット35Aの燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Aが以上のような構成を有する。
一方、燃料電池発電ユニット35Aの燃料電池が、気体状のメタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電ユニット35Aは、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、混合切替部34Aから送られた混合液が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水と空気中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出されるとともに気体状の水(水蒸気)を含む気体が燃料電池発電ユニット35Aから凝縮・気液分離装置37Aに送られる。なお、液体状のメタノール及び水で発電を行う燃料電池の場合、更に気化器も省略することができる。
また、燃料電池発電ユニット35Aの燃料電池が、固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Aは、一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Aに送られる。
なお、気化器が燃料電池発電ユニット35Aに内蔵されているものとしているが、燃料電池発電ユニット35Aとは別に気化器を設け、燃料と水の混合液が混合切替部34Aによって気化器に送られて、その気化器で気化された混合気が燃料電池発電ユニット35Aに供給されるものとしてもよい。
凝縮・気液分離装置37Aは凝縮器及び気液分離器等を有し、燃料電池発電ユニット35Aから送られた気体が凝縮器によって冷却されて、気体中の水分が液体に凝縮され、気液分離器によって液体の水と気体に分離される。凝縮・気液分離装置37Aで分離された液体の水は生成水タンク38Aに送られて生成水タンク38Aに貯留され、分離された気体は排気として電子機器本体2Aの外に排出される。なお、固定された生成水タンク38Aの代わりに、電子機器本体2Aに対して着脱可能なカートリッジ式の生成水カートリッジを用いてもよい。
生成水タンク38Aは、例えば電子機器1Aの各部で発生した熱で温められる。この生成水タンク38Aには、貯留量センサ39A及び温度センサ40Aが設けられている。貯留量センサ39Aは生成水タンク38Aに貯留されている生成水の量を電気信号に変換するものである。貯留量センサ39Aによって検知された貯留量を表す信号は、燃料電池制御部51A(図8に図示)に出力される。温度センサ40Aは、生成水タンク38Aに貯留された生成水の温度を電気信号に変換するものである。温度センサ40Aによって検知された温度を表す信号は、燃料電池制御部51A(図8に図示)に出力される。なお、温度センサ40Aは、生成水タンク38Aの内容物の温度を直接測定するものであってもよいし、内容物の温度を間接的に測定するものであってもよい。
図8は、電子機器1Aの回路構成を示したブロック図である。図8に示すように、電子機器1Aは、図7に示された構成要素の他に、燃料電池制御部51A、記憶部52A、電源切替制御部53A、二次電池54A、電子機器制御部55A、表示部(報知器)56A及びキー入力部57A等を更に具備する。
燃料電池制御部51Aは例えばCPU、RAM等を有するマイクロコンピュータである。この燃料電池制御部51Aは、燃料ポンプ31A、生成水ポンプ33A、混合切替部34A、燃料電池発電ユニット35A及びエアポンプ36Aの制御を行う。
記憶部52Aは不揮発性メモリ、磁気記録ディスク等であり、各種データが記憶部52Aに記録される。ここで、記憶部52Aに対する読み書きは、燃料電池制御部51Aによって行われる。
二次電池54Aは、電気エネルギーを化学エネルギーの形にして蓄えるものである。
電源切替制御部53Aは、燃料電池発電ユニット35Aの燃料電池で生成された電気エネルギーを二次電池54Aに充電したり、燃料電池発電ユニット35Aの燃料電池又は二次電池54Aから電子機器本体2Aの各負荷(電子機器制御部55A、表示部56A、キー入力部57A、記憶部52Aに加えて、他の部分も含む)に電力を供給したりする。
キー入力部57Aは、例えば種々のボタン、スイッチ等から構成されており、それらのボタンやスイッチの操作に応じた入力信号を電子機器制御部55Aに出力する。
表示部56Aは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他の表示部である。
電子機器制御部55Aは例えばCPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータである。電子機器制御部55Aはキー入力部57Aから入力した入力信号、燃料電池制御部51Aから入力した信号に基づいて各種の処理を行う。例えば、電子機器制御部55Aが表示部56Aに表示制御信号を出力する。これにより、表示制御信号に応じた表示が表示部56Aで行われ、表示部56Aにより各種の報知が行われる。
電子機器制御部55A及び燃料電池制御部51Aを組み合わせたものが制御部に相当する。そして、この制御部は、温度センサ40Aにより検知された検知温度と識別センサ21Aの識別結果とに基づいて、装着部16Aに装着されているカートリッジが検知温度で使用可能なものであるか否かを判定する機能と、その判別により使用可能なものではないと判定したときに表示部56Aによる報知を行う機能と、を有する。
次に、電子機器1Aの使用方法及び電子機器1Aの動作について説明する。
<発電動作>
まず、発電に関する動作について説明する。図9は、発電に関する動作において、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51Aは、燃料電池制御部51AのROMに格納されたプログラムに従って図9に示された処理を実行し、電子機器制御部55Aは、電子機器制御部55AのROMに格納されたプログラムに従って図9に示された処理を実行する。
ユーザは、電子機器1Aを使用するに際して、燃料が貯留された高濃度燃料カートリッジ10A又は混合液が貯留された低濃度燃料カートリッジ14Aのどちらか一方を装着部16Aに装着する。高濃度燃料カートリッジ10Aが装着部16Aに装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Aが装着された旨の信号が識別センサ21Aから燃料電池制御部51Aに出力される。低濃度燃料カートリッジ14Aが装着部16に装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Aが装着された旨の信号が識別センサ21Aから燃料電池制御部51Aに出力される。
まず、燃料電池制御部51Aが、識別センサ21Aから入力された信号により、装着部16に装着されたカートリッジが高濃度燃料カートリッジ10Aであるかそれとも低濃度燃料カートリッジ14Aであるかを判断する(ステップS61)。識別センサ21Aによって低濃度燃料カートリッジ14Aの装着が検知されている場合には(ステップS61:No)、燃料電池制御部51Aの処理はステップS62に移行し、識別センサ21Aによって低濃度燃料カートリッジ14Aの装着が検知されている場合には(ステップS61:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理はステップS63に移行する。なお、識別センサ21Aが濃度センサの場合、ステップS61における燃料電池制御部51Aの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Aの処理はステップS62に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Aの処理はステップS63に移行する。
ステップS62においては、燃料電池制御部51Aは、生成水ポンプ33Aを停止するとともに、燃料ポンプ31Aを駆動する。この時、燃料電池制御部51Aが混合切替部34Aを制御することによって、生成水ポンプ33Aと燃料電池発電ユニット35Aとの間の流路が遮断され、燃料ポンプ31Aと燃料電池発電ユニット35Aとの間の流路が開放される。これにより、低濃度燃料カートリッジ14A内の低濃度燃料が燃料ポンプ31A及び混合切替部34Aを経由して燃料電池発電ユニット35Aに送液される。燃料電池発電ユニット35Aでは電気化学反応により発電が起き、生成された生成水のうち気体部分は凝縮・気液分離装置37Aを経由して排出され、液体部分は生成水タンク38Aに貯留される。ステップS62後、燃料電池制御部51Aの処理は、ステップS61に戻る。
ステップS63においては、燃料電池制御部51Aは、温度センサ20Aから入力された温度信号により、高濃度燃料カートリッジ10A内にある内容物の温度が所定の閾値以上であるか否かを判断する。ここでの所定の閾値(以下、沸点未満閾値という。)は、高濃度燃料カートリッジ10A内に収容された内容物の沸点未満とされており、例えば、内容物が純粋メタノール(100%メタノール)である場合、沸点が65℃であるので、閾値が63℃とされている。なお、この沸点未満閾値が、第1の温度に相当する。
そして、温度センサ20Aの温度信号により示された温度が沸点未満閾値以上であると燃料電池制御部51Aによって判断された場合には(ステップS63:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS64に移行し、温度センサ20Aの温度信号により示された温度が沸点未満閾値未満であると燃料電池制御部51Aによって判断された場合には(ステップS63:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS66に移行する。
ステップS64においては、燃料電池制御部51Aが生成水ポンプ33A及び燃料ポンプ31Aを停止し、これにより燃料電池発電ユニット35Aにおける発電が停止する。そして、燃料電池制御部51Aの指令により、電子機器制御部55Aが表示部56Aにより報知を行う(ステップS65)。具体的には、電子機器制御部55Aが交換推奨の旨の表示信号を表示部56Aに出力することにより、「燃料の沸騰の可能性により、発電を停止し、低濃度燃料カートリッジを交換して下さい。」という報知が表示部56Aにて行われる。これにより、ユーザに対して交換の推奨がされる。その表示を見たユーザは、高濃度燃料カートリッジ10A内の燃料が沸騰しそうであることを認識でき、燃料よりも沸騰しにくい低濃度燃料の入った低濃度燃料カートリッジ14Aに交換することができる。その後、燃料電池制御部51Aの処理は、ステップS61に戻る。なお、ステップS65では、表示部56Aによって低濃度燃料カートリッジの交換推奨の旨が報知されたが、電子機器制御部55Aがスピーカを制御することによってスピーカにより低濃度燃料カートリッジの交換推奨の旨が音声報知されてもよいし、電子機器制御部55Aがランプを制御することによってランプが点灯、点滅等し、これにより低濃度燃料カートリッジの交換推奨の旨が報知されてもよい。
ところで、高濃度燃料カートリッジ10A内の燃料が沸騰すると、内部気圧が高まり、その圧力によって気体燃料が強制的に燃料電池発電ユニット35Aに送られてしまい、燃料電池発電ユニット35Aの各部(触媒)が劣化してしまう虞がある。そうしたなか、高濃度燃料カートリッジ10A内の燃料が沸騰する前に、燃料ポンプ31Aが停止し(ステップS64)、ユーザにカートリッジの交換を推奨するので、ユーザが低濃度燃料カートリッジ14Aに交換すれば、燃料電池発電ユニット35Aの劣化を抑えることができる。
ステップS66においては、燃料電池制御部51Aが、生成水ポンプ33及び燃料ポンプ31を駆動する。そして、燃料電池制御部51Aが、生成水ポンプ33A及び燃料ポンプ31Aの送液量を制御するとともに、混合切替部34Aを制御する。燃料電池制御部51Aが生成水ポンプ33A、燃料ポンプ31A及び混合切替部34Aを制御することによって、生成水タンク38A内の水が生成水ポンプ33A及び混合切替部34Aを経由して燃料電池発電ユニット35Aに送液され、高濃度燃料カートリッジ10A内の高濃度燃料が燃料ポンプ31A及び混合切替部34Aを経由して燃料電池発電ユニット35Aに送液される。このとき、生成水と燃料が混合切替部34Aにて混合され、燃料電池制御部51Aが生成水ポンプ33A、燃料ポンプ31A及び混合切替部34Aを制御することによって、燃料と生成水の混合比(重量比)を6:4にする(但し、この混合比は一例であって、6:4に限るものではなく、燃料電池発電ユニット35Aに要求される混合比に応じた値に設定されるものである)。このように、生成水を再利用して、生成水と燃料を混合するので、高濃度燃料カートリッジ10A内の燃料を長時間使用することができる。
その後、燃料電池制御部51Aの処理は、ステップS61に戻る。
<温度データ蓄積動作>
温度データを蓄積することに関する動作について説明する。図10は、温度データ蓄積に関する動作において、燃料電池制御部51Aが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51Aは、図10に示した処理を図9に示した処理と並行して行う。
燃料電池制御部51Aは、所定時間毎に(図10では、10分間毎に)、温度センサ20Aによって検知された温度を記憶部52Aに記録することで、温度データを蓄積する。具体的には、図10のような処理を行う。まず、温度センサ20Aによって温度が検知され、その温度を表す信号が燃料電池制御部51Aに入力されており(ステップS71)、燃料電池制御部51Aが温度センサ20Aによる検知温度を記憶部52Aに記録する(ステップS72)。ここで、燃料電池制御部51Aが時計機能を有するとともに、温度記録時に発電が行われているか否かを判定する判定機能を有する。そして、温度記録時においては、燃料電池制御部51Aは、時計機能によって得られた温度記録時の日時を温度データに対応付けて記憶部52Aに記録するとともに、判定機能によって得られた発電フラグを温度データに対応付けて記憶部52Aに記録する。ここで、発電フラグとは、温度記録時に発電しているか否かを表す識別子であり、例えば、燃料電池制御部51Aは燃料ポンプ31Aを駆動している時には発電フラグを立て、燃料ポンプ31Aを停止している時には発電フラグを立てない。
そして、燃料電池制御部51Aは、温度データを記録したら、計時を開始する(ステップS73)。そして、計時開始してから所定時間(図10では、10分間)が経過したら(ステップS74:Yes)、燃料電池制御部51Aは計時をリセットし、ステップS71に戻る。
燃料電池制御部51Aは、以上の処理の繰り返しにより、所定時間毎に、温度データ、日時、発電フラグを対応付けて記録する。なお、燃料電池制御部51Aは、データの蓄積量を抑えるために、例えば過去1週間以内のデータを蓄積することとして、1週間前のデータは記憶部52Aから削除するようにする。
<助言処理1>
推奨するカートリッジについて助言することに関する動作について説明する。図11は、推奨カートリッジの助言に関する動作において、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは、図11に示した処理を図9に示した処理と並行して行うが、ユーザが電子機器1Aを操作した時に、特に、電子機器1Aの電源がオンとなった時や電源がオフとなった時に、図11に示した動作が開始されるのが好ましい。
まず、燃料電池制御部51Aが、識別センサ21Aから入力された信号により、装着部16Aに装着されたカートリッジが高濃度燃料カートリッジ10Aであるかそれとも低濃度燃料カートリッジ14Aであるかを判断する(ステップS81)。識別センサ21Aによって高濃度燃料カートリッジ10Aの装着が検知されている場合には(ステップS81:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理はステップS82に移行し、識別センサ21Aによって低濃度燃料カートリッジ14Aの装着が検知されている場合には(ステップS81:No)、燃料電池制御部51Aの処理はステップS83に移行する。なお、識別センサ21Aが濃度センサの場合、ステップS81における燃料電池制御部51Aの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Aの処理はステップS83に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Aの処理はステップS82に移行する。
ステップS82においては、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に所定の閾値(以下、第一の沸点未満閾値という。)以下になったものがあるか否かを判定する。ここでは、第一の沸点未満閾値は、高濃度燃料カートリッジ10A内の燃料の沸点未満(具体的には、60℃)とされている。従って、燃料電池制御部51Aが、例えば過去24時間以内の温度データの中に第一の沸点未満閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS82:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS85に移行する。一方、燃料電池制御部51Aが、例えば過去24時間以内の温度データの中に第一の沸点未満閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS82:No)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS84に移行する。
ステップS85においては、燃料電池制御部51Aの指令により、電子機器制御部55Aが低濃度燃料カートリッジの推奨表示を表示部56Aに表示させる。ここで、表示部56Aには、「低濃度燃料カートリッジを装着する方がよい。」といった旨の推奨表示が行われ、これにより低濃度燃料カートリッジへの交換を推奨する旨がユーザに報知される。その表示を見たユーザは、高濃度燃料カートリッジ10A内の燃料が過去に沸騰しそうになったことを把握するので、高濃度燃料カートリッジ10Aを低濃度燃料カートリッジ14Aに交換することができる。従って、低濃度燃料カートリッジ14Aの内容物は高濃度燃料カートリッジ10Aの内容物よりも沸騰しにくいので、燃料電池発電ユニット35Aによる発電が行われやすくなる。
そして、電子機器制御部55Aは、燃料電池制御部51Aを介して記憶部52Aの温度データ・日時データ・発電フラグを読み込み、その読み込んだ温度データ・日時データ・発電フラグに従って、過去1週間の温度・発電状況を日時とともに表示する(ステップS86)。例えば、電子機器制御部55Aは、横軸を日時とするとともに縦軸を温度とした折れ線グラフを表示部56Aに表示し、又は温度と日時を対応付けた表を表示部56Aに表示し、このグラフ又は表において、発電中の温度の表示態様(例えば、色)と、発電していない時の温度の表示態様(例えば、色)を異ならせるよう表示する。このような表示を見たユーザは、低濃度燃料カートリッジ14Aの用意やそれへの交換を実際にするかどうかを判断することができる。更に、ユーザは発電中の発熱による燃料の昇温の影響を考慮することができるが、そのような考慮をユーザにさせないために、発電中や発電後の温度が表示されないものとしてもよい。
その後、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは実行処理を終了する。
一方、ステップS83においては、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ1週間以内の温度データの中に所定の閾値(以下、第二の沸点未満閾値という。)以上になったものがあるか否かによって判定する。ここでの第二の沸点未満閾値は、燃料カートリッジ10内の燃料の沸点よりも低いものとされ、更にステップS82における第一の沸点未満閾値よりも低いものとされている。例えば、第二の沸点未満閾値は50℃である。従って、燃料電池制御部51Aが、過去1週間以内の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあると判定したら(ステップS83:Yes)、燃料電池制御部51Aが実行処理を終了する。一方、燃料電池制御部51Aが、過去1週間以内の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがないと判定したら(ステップS83:No)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS89に移行する。
ステップS89においては、燃料電池制御部51Aの指令により、電子機器制御部55Aが高濃度燃料カートリッジの推奨表示を表示部56Aに表示させる。ここで、表示部56Aには、「高濃度燃料カートリッジを装着する方がよい。」といった旨の推奨表示が行われ、これにより、高濃度燃料カートリッジの装着の旨がユーザに報知される。その表示を見たユーザは、過去の温暖状況を把握するので、低濃度燃料カートリッジ14Aを高濃度燃料カートリッジ10Aに交換することができる。従って、高濃度燃料カートリッジ10Aの内容物は低濃度燃料カートリッジ14Aの内容物よりも燃料濃度が高いので、高濃度燃料カートリッジ10Aの交換頻度を抑えることができる。
ステップS89後のステップS90においては、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55AがステップS86と同様の処理を実行する。その後、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは実行処理を終了する。
一方、ステップS84においては、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51Aが、例えば過去24時間以内の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあると判定したら(ステップS84:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS87に移行する。一方、燃料電池制御部51Aが、例えば過去24時間以内の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがないと判定したら(ステップS84:No)、燃料電池制御部51Aが実行処理を終了する。
ステップS87においては、燃料電池制御部51Aの指令により、電子機器制御部55Aが低濃度燃料カートリッジの準備推奨表示を表示部56Aに表示させる。ここで、表示部56Aには、「低濃度燃料カートリッジの準備をする方がよい。」といった旨の推奨表示が行われ、低濃度燃料カートリッジの準備の旨がユーザに報知される。その表示を見たユーザは、過去に燃料が高温になったことを把握するので、低濃度燃料カートリッジ14Aの準備をすることができる。従って、低濃度燃料カートリッジ14Aの内容物は水カートリッジ12の内容物よりも沸騰しにくいので、環境温度が更に上がって燃料が沸騰しそうになった場合でも、低濃度燃料カートリッジ14Aに交換すれば、燃料電池発電ユニット35Aによる発電が行われやすくなる。
ステップS87後のステップS88においては、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55AがステップS86と同様の処理を実行する。その後、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは実行処理を終了する。
<助言処理2>
推奨するカートリッジについて助言することに関する動作について説明する。図12は、推奨カートリッジの助言に関する動作において、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが行う処理の流れを示したフローチャートである。図12に示した処理は、図11に示した処理の代わりに行われる。
まず、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された発電フラグとそれに対応する日時データとを読み出し、発電フラグ及び日時データに基づき1週間前から今までに少なくとも一回発電中となっている時間帯を特定する(ステップS101)。以下、この特定した時間帯を使用時間帯という。
次に、燃料電池制御部51Aが、装着部16Aに装着されたカートリッジの種類を識別センサ21Aにより識別する(ステップS91)。識別センサ21Aによって高濃度燃料カートリッジ10Aの装着が検知されている場合には(ステップS91:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理はステップS92に移行し、識別センサ21Aによって低濃度燃料カートリッジ14Aの装着が検知されている場合には(ステップS91:No)、燃料電池制御部51Aの処理はステップS93に移行する。なお、識別センサ21Aが濃度センサの場合、ステップS91における燃料電池制御部51Aの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Aの処理はステップS93に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Aの処理はステップS92に移行する。
ステップS42においては、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に第一の沸点未満閾値以上になったものがあるか否かによって判定する。ここで、第一の沸点未満閾値は、発電中のときと、発電していないときでは異なる値とし、具体的には発電中のときは発電していないときよりも高く、例えば、発電中のときは60℃とし、発電していないときは40℃とする。そして、燃料電池制御部51Aが、使用時間帯の温度データの中に第一の沸点未満閾値以上になったものがあると判定したら(ステップS92:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS95に移行する。一方、燃料電池制御部51Aが、使用時間帯の温度データの中に第一の沸点未満閾値以上になったものがないと判定したら(ステップS92:No)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS94に移行する。
ステップS95では、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが図11のステップS85と同様のことを行い、更に、ステップS95後のステップS96では、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが図11のステップS86と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは実行処理を終了する。
一方、ステップS93においては、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあるか否かによって判定する。ここで、第二の沸点未満閾値は、発電中のときと、発電していないときでは異なる値とし、具体的には発電中のときは発電していないときよりも高く、例えば、発電中のときは55℃とし、発電していないときは35℃とする。燃料電池制御部51Aが、使用時間帯の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあると判定したら(ステップS93:Yes)、燃料電池制御部51Aが実行処理を終了する。一方、燃料電池制御部51Aが、使用時間帯の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがないと判定したら(ステップS93:No)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS99に移行する。
ステップS99では、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが図11のステップS89と同様のことを行い、更に、ステップS99後のステップS100では、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが図11のステップS90と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは実行処理を終了する。
一方、ステップS94においては、燃料電池制御部51Aは、記憶部52Aに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあるか否かによって判定する。ここで、第二の沸点未満閾値は、発電中のときと、発電していないときでは異なる値とし、具体的には発電中のときは発電していないときよりも高く、例えば、発電中のときは55℃とし、発電していないときは35℃とする。燃料電池制御部51Aが、使用時間帯の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがあると判定したら(ステップS94:Yes)、燃料電池制御部51Aの処理がステップS97に移行する。一方、燃料電池制御部51Aが、使用時間帯の温度データの中に第二の沸点未満閾値以上になったものがないと判定したら(ステップS94:No)、燃料電池制御部51Aが実行処理を終了する。
ステップS97では、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが図11のステップS87と同様のことを行い、更に、ステップS97後のステップS98では、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aが図11のステップS88と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51A及び電子機器制御部55Aは実行処理を終了する。
<第3の実施の形態>
図13は、本発明の実施形態における電子機器1Bの概略構成を示したブロック図である。
この電子機器1Bは、電子機器本体2Bと、電子機器本体2Bに設けられる電源システムとを備える。以下、電源システムについて具体的に説明する。
電子機器本体2Bには装着部16B,18Bが設けられている。装着部16Bに対しては、高濃度燃料カートリッジ10B又は低濃度燃料カートリッジ14Bが着脱可能であり、装着部18Bに対しては、高濃度燃料カートリッジ10B又は低濃度燃料カートリッジ14Bが着脱可能である。ここで装着部16Bは高濃度燃料カートリッジ10B及び低濃度燃料カートリッジ14Bに共有の装着部であり、高濃度燃料カートリッジ10B及び低濃度燃料カートリッジ14Bの両方を同時に装着部16Bに装着することはできず、高濃度燃料カートリッジ10Bと低濃度燃料カートリッジ14Bのうちの一方が装着部16Bに装着された場合には、他方を装着部16Bに装着することができない。同様に、装着部18Bも、高濃度燃料カートリッジ10B及び低濃度燃料カートリッジ14Bに共有の装着部である。また、2つの高濃度燃料カートリッジ10Bを装着部16B,18Bにそれぞれ装着することもできるし、2つの低濃度燃料カートリッジ14Bを装着部16B,18Bにそれぞれ装着することもできる。
また、電子機器本体2Bの装着部16B,18Bにはインレットコネクタ17B,19Bが設けられ、高濃度燃料カートリッジ10Bにはアウトレットコネクタ11Bが設けられ、低濃度燃料カートリッジ14Bにはアウトレットコネクタ15Bが設けられている。高濃度燃料カートリッジ10Bが装着部16B又は装着部18Bに装着されると、アウトレットコネクタ11Bがインレットコネクタ17B又はインレットコネクタ19Bに連結され、低濃度燃料カートリッジ14Bが装着部16B又は装着部18Bに装着されると、アウトレットコネクタ15Bがインレットコネクタ17B又はインレットコネクタ19Bに連結される。
高濃度燃料カートリッジ10Bには、例えば純粋な燃料が貯留されている。高濃度燃料カートリッジ10Bに貯留される燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料であり、特に液体燃料である。なお、高濃度燃料カートリッジ10Bに貯留される燃料は純粋でなくともよく、高濃度の燃料であればよい。
低濃度燃料カートリッジ14Bには、高濃度燃料カートリッジ10Bに貯留される燃料よりも低濃度の燃料が貯留されている。具体的には、低濃度燃料カートリッジ14Bには、水と燃料の混合液が貯留されている。低濃度燃料カートリッジ14Bに貯留される混合液中の純粋燃料は、高濃度燃料カートリッジ10Bに貯留される純粋燃料と同じものである。このように、水と純粋燃料の混合液が貯留されているので、低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液の凝固点が水の凝固点よりも低く、低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液の沸点が高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料の沸点よりも高い。なお、低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液には、更に他の物質が混合されていてもよい。
本実施形態では、高濃度燃料カートリッジ10Bに貯留される高濃度燃料が純粋メタノールであり、低濃度燃料カートリッジ14Bに貯留された低濃度が純粋メタノールと水の混合液(混合比(重量比)は、例えば純粋メタノールが6に対して水が4である。)である。
なお、低濃度燃料カートリッジ14Bの内容物は、別の混合比の混合液であってもよい。
また、低濃度燃料カートリッジ14Bを複数準備し、異なる混合比の混合液をこれら低濃度燃料カートリッジ14Bに貯留し、これら低濃度燃料カートリッジ14Bを適宜使い分けてもよい。
また、高濃度燃料カートリッジ10Bの内容物が純粋な燃料でなくてもよいが、高濃度燃料カートリッジ10Bの内容物の燃料比率が、低濃度燃料カートリッジ14Bの内容物の燃料比率よりも高いことが必要である。
また、着脱可能な高濃度燃料カートリッジ10B・低濃度燃料カートリッジ14Bの代わりに、電子機器本体2Bに固定された燃料タンクを用いてもよい。
電子機器本体2Bの装着部18Bには第一識別センサ21B及び第一残量センサ20Bが設けられ、装着部16Bには第二識別センサ42B及び第二残量センサ41Bが設けられている。第一識別センサ21B及び第一残量センサ20Bは、例えばコネクタ19Bの周囲(近傍)に設けられ、第二識別センサ42B及び第二残量センサ41Bは、例えばコネクタ17Bの周囲(近傍)に設けられている。第一残量センサ20Bは、装着部18Bに装着されたカートリッジ(高濃度燃料カートリッジ10B又は低濃度燃料カートリッジ14B)の内容物の残量を電気信号に変換するものである。第一残量センサ20Bによって検知された残量を表す信号は、燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。第二残量センサ41Bは、装着部16Bに装着されたカートリッジの内容物の残量を電気信号に変換するものである。第二残量センサ20Bによって検知された残量を表す信号は、燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。残量センサ20B,41Bには、音波又は光波の反射を利用した光センサ又は音響センサや、抵抗や容量を利用した電気的センサ、その他のセンサを用いることができる。また、高濃度燃料カートリッジ10Bや低濃度燃料カートリッジ14Bの長手方向に残量センサ20B,41Bを設けてもよい。
第一識別センサ21Bは、装着部18Bに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部18Bに高濃度燃料カートリッジ10Bが装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Bの装着が第一識別センサ21Bによって検知され、高濃度燃料カートリッジ10Bの装着の旨の信号が燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。一方、装着部18Bに低濃度燃料カートリッジ14Bが装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Bの装着が第一識別センサ21Bによって検知され、低濃度燃料カートリッジ14Bの装着の旨の信号が燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。
第二識別センサ42Bは、装着部16Bに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部16Bに高濃度燃料カートリッジ10Bが装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Bの装着が第二識別センサ42Bによって検知され、高濃度燃料カートリッジ10Bの装着の旨の信号が燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。一方、装着部16Bに低濃度燃料カートリッジ14Bが装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Bの装着が第二識別センサ42Bによって検知され、低濃度燃料カートリッジ14Bの装着の旨の信号が燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。
第一識別センサ21B及び第二識別センサ42Bは、プッシュスイッチ、リミットセンサ、光電センサ、近接センサ、磁界センサ、圧力センサ、赤外線センサ、撮像素子、濃度センサ(例えば、カートリッジの内容物の燃料濃度を測定することにより、カートリッジの種類を識別するもの)、その他のセンサである。なお、第一識別センサ21Bが濃度センサの場合、装着部18Bに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が第一識別センサ21Bによって測定され、測定濃度を表す信号が第一識別センサ21Bから燃料電池制御部51Bに出力され、第二識別センサ42Bが濃度センサの場合、装着部16Bに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が第二識別センサ42Bによって測定され、測定濃度を表す信号が第二識別センサ42Bから燃料電池制御部51Bに出力され、燃料電池制御部51Bがその濃度信号によってカートリッジの識別をする。
図13では、一例として第一識別センサ21B及び第二識別センサ42Bがプッシュスイッチである場合を示している。この場合、識別センサ21B,42Bにボタン(突出部)22B,43Bが設けられ、低濃度燃料カートリッジ14Bには逃げ凹部23Bが形成されており、高濃度燃料カートリッジ10Bには凹部が形成されていない。低濃度燃料カートリッジ14Bが装着部16B又は装着部18Bに装着された場合には、凹部23Bにボタン22B又はボタン43Bが収まって、ボタン22B又はボタン43Bが押されず、識別センサ21B,42Bがオフとなる。一方、高濃度燃料カートリッジ10Bが装着部16B又は装着部18Bに装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Bによってボタン22B又はボタン43Bが押され、識別センサ21B,42Bがオンとなる。なお、高濃度燃料カートリッジ10B又は低濃度燃料カートリッジ14Bの装着と、識別センサ21B,41Bのオン又はオフの関係とは逆であってもよい。
電子機器本体2Bには、発電機能を司る発電ユニットが内蔵されている。発電ユニットは、第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32B、生成水ポンプ33B、混合切替部34B、燃料電池発電ユニット35B、エアポンプ36B、凝縮・気液分離装置37B及び生成水タンク38Bを有する。
第一燃料ポンプ31Bは、装着部18Bに装着された高濃度燃料カートリッジ10B又は低濃度燃料カートリッジ14Bの内容物を混合切替部34Bに送液するものである。第二燃料ポンプ32Bは、装着部16Bに装着された高濃度燃料カートリッジ10B又は低濃度燃料カートリッジ14Bの内容物を混合切替部34Bに送液するものである。
生成水ポンプ33Bは、生成水タンク38B内の生成水を混合切替部34Bに送液するものである。
第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32B及び生成水ポンプ33Bは何れも送液量変型のポンプである。
混合切替部34Bは流量制御弁、方向切替弁等から構成されており、流体の流れの方向を切り替えるとともに流体の流量を制御するものである。ここで、混合切替部34Bは、第一燃料ポンプ31Bから燃料電池発電ユニット35Bへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Bは、第二燃料ポンプ32Bから燃料電池発電ユニット35Bへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。更に、混合切替部34Bは、生成水ポンプ33Bから燃料電池発電ユニット35Bへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Bの動作によって、燃料電池発電ユニット35Bへ流れる各種流体の方向・流量が制御され、これにより各種流体の混合比が制御される。
エアポンプ36Bは、電子機器本体2Bの外部の空気を燃料電池発電ユニット35Bに送るものである。
燃料電池発電ユニット35Bは気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、混合切替部34Bから送られてきた燃料と水の混合液により発電するものである。つまり、燃料と水の混合液が混合切替部34Bによって気化器に連続的に送られ、電子機器本体2Bの外の空気がエアポンプ36Bによって一酸化炭素除去器及び燃料電池のカソードに連続的に送られると、これにより燃料電池発電ユニット35Bは燃料電池において連続的に発電する。具体的には、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Bに送られる。燃料電池発電ユニット35Bの燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Bが以上のような構成を有する。
一方、燃料電池発電ユニット35Bの燃料電池が、気体状のメタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電ユニット35Bは、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、混合切替部34Bから送られた混合液が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水と空気中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出されるとともに気体状の水(水蒸気)を含む気体が燃料電池発電ユニット35Bから凝縮・気液分離装置37Bに送られる。なお、液体状のメタノール及び水で発電を行う燃料電池の場合、更に気化器も省略することができる。
また、燃料電池発電ユニット35Bの燃料電池が、固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Bは、一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Bに送られる。
なお、気化器が燃料電池発電ユニット35Bに内蔵されているものとしているが、燃料電池発電ユニット35Bとは別に気化器を設け、燃料と水の混合液が混合切替部34Bによって気化器に送られて、その気化器で気化された混合気が燃料電池発電ユニット35Bに供給されるものとしてもよい。
凝縮・気液分離装置37Bは凝縮器及び気液分離器等を有し、燃料電池発電ユニット35Bから送られた気体が凝縮器によって冷却されて、気体中の水分が液体に凝縮され、気液分離器によって液体の水と気体に分離される。凝縮・気液分離装置37Bで分離された液体の水は生成水タンク38Bに送られて生成水タンク38Bに貯留され、分離された気体は排気として電子機器本体2Bの外に排出される。なお、固定された生成水タンク38Bの代わりに、電子機器本体2Bに対して着脱可能なカートリッジ式の生成水カートリッジを用いてもよい。
生成水タンク38Bは、例えば電子機器1Bの各部で発生した熱で温められる。この生成水タンク38Bには、温度センサ40B及び貯留量センサ39Bが設けられている。貯留量センサ39Bは生成水タンク38Bに貯留されている生成水の量を電気信号に変換するものである。貯留量センサ39Bによって検知された貯留量を表す信号は、燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。温度センサ40Bは、生成水タンク38Bに貯留された生成水の温度を電気信号に変換するものである。温度センサ40Bによって検知された温度を表す信号は、燃料電池制御部51B(図14に図示)に出力される。なお、温度センサ40Bは、生成水タンク38Bの内容物の温度を直接測定するものであってもよいし、内容物の温度を間接的に測定するものであってもよい。
図14は、電子機器1Bの回路構成を示したブロック図である。図14に示すように、電子機器1Bは、図13に示された構成要素の他に、燃料電池制御部51B、記憶部52B、電源切替制御部53B、二次電池54B、電子機器制御部55B、表示部56B及びキー入力部57B等を更に具備する。
燃料電池制御部51Bは例えばCPU、RAM等を有するマイクロコンピュータである。この燃料電池制御部51Bは、第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32B、生成水ポンプ33B、混合切替部34B、燃料電池発電ユニット35B及びエアポンプ36Bの制御を行う。
記憶部52Bは不揮発性メモリ、磁気記録ディスク等であり、各種データが記憶部52Bに記録される。ここで、記憶部52Bに対する読み書きは、燃料電池制御部51Bによって行われる。
二次電池54Bは、電気エネルギーを化学エネルギーの形にして蓄えるものである。
電源切替制御部53Bは、燃料電池発電ユニット35Bの燃料電池で生成された電気エネルギーを二次電池54Bに充電したり、燃料電池発電ユニット35Bの燃料電池又は二次電池54Bから電子機器本体2Bの各負荷(電子機器制御部55B、表示部56B、キー入力部57B、記憶部52Bに加えて、他の部分も含む)に電力を供給したりする。
キー入力部57Bは、例えば種々のボタン、スイッチ等から構成されており、それらのボタンやスイッチの操作に応じた入力信号を電子機器制御部55Bに出力する。
表示部56Bは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他の表示部である。
電子機器制御部55Bは例えばCPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータである。電子機器制御部55Bはキー入力部57Bから入力した入力信号、燃料電池制御部51Bから入力した信号に基づいて各種の処理を行う。例えば、電子機器制御部55Bが表示部56Bに表示制御信号を出力する。これにより、表示制御信号に応じた表示が表示部56Bで行われる。
次に、電子機器1Bの使用方法及び電子機器1Bの動作について説明する。
<発電動作>
まず、発電に関する動作について説明する。図15は、発電に関する動作において、燃料電池制御部51B及び電子機器制御部55Bが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51Bは、燃料電池制御部51BのROMに格納されたプログラムに従って図15に示された処理を実行し、電子機器制御部55Bは、電子機器制御部55BのROMに格納されたプログラムに従って図15に示された処理を実行する。
ユーザは、電子機器1Bを使用するに際して、燃料が貯留された高濃度燃料カートリッジ10Bや低濃度燃料カートリッジ14Bを装着部16Bや装着部18Bに装着する。ここで、組み合わせは自由である。つまり、高濃度燃料カートリッジ10Bを装着部16B,18Bにそれぞれ装着してもよいし、低濃度燃料カートリッジ14Bを装着部16B,18Bにそれぞれ装着してもよいし、高濃度燃料カートリッジ10Bを装着部16B,18Bの一方に且つ低濃度燃料カートリッジ14Bを他方に装着してもよい。
ステップS111においては、各種センサ20B,21B,40B,41B,42Bの検知結果が燃料電池制御部51Bに出力されている。
具体的には、高濃度燃料カートリッジ10Bが装着部18Bに装着された場合、高濃度燃料カートリッジ10Bの装着の旨の信号が第一識別センサ21Bから燃料電池制御部51Bに出力される。低濃度燃料カートリッジ14Bが装着部18Bに装着された場合、低濃度燃料カートリッジ14Bの装着の旨の信号が第一識別センサ21Bから燃料電池制御部51Bに出力される。高濃度燃料カートリッジ10Bが装着部16Bに装着された場合、高濃度燃料カートリッジ10Bの装着の旨の信号が第二識別センサ42Bから燃料電池制御部51Bに出力される。また、生成水タンク38B内の生成水温度を表す信号が、温度センサ40Bから燃料電池制御部51Bに出力される。また、装着部18Bに装着されたカートリッジの内容物の残量を表す信号が、第一残量センサ20Bから燃料電池制御部51Bに出力される。装着部16Bに装着されたカートリッジの内容物の残量を示す信号が、第二残量センサ41Bから燃料電池制御部51Bに出力される。
燃料電池制御部51Bは、各種センサ20B,21B,40B,41B,42Bの検知結果に基づいて、第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32B、生成水ポンプ33B及び混合切替部34Bを制御する(ステップS112)。具体的には、表1〜表3に示すように、各種センサ20B,21B,40B,41B,42Bの検知結果を「条件」とし、その「条件」に対応した「制御内容」で第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32B、生成水ポンプ33B及び混合切替部34Bが燃料電池制御部51Bによって制御される。例えば、温度センサ40Bの検知温度がゼロ℃以下であり、且つ残量センサ20B,41Bによる検知残量がゼロである場合(状況番号1)には、燃料電池制御部51が第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32B及び生成水ポンプ33Bを停止する。なお、表1〜表3において状況番号の若いものが優先される。
Figure 2009134884
Figure 2009134884
Figure 2009134884
また、第一識別センサ21Bが濃度センサの場合、表1〜表3において、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下であることは、低濃度燃料カートリッジ14Bの装着を検知したことと同義ことであり、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えていることは、高濃度燃料カートリッジ10Bを検知したことと同義である。第二識別センサ42Bが濃度センサの場合も同様である。
ステップS112において、燃料電池制御部51Bは、第一燃料ポンプ31Bを駆動(又は停止)する場合には、混合切替部34Bの制御によって、第一燃料ポンプ31Bから燃料電池発電ユニット35Bの流れを許容(又は遮断)する。更に、燃料電池制御部51Bは、第二燃料ポンプ32Bを駆動(又は停止)する場合には、混合切替部34Bの制御によって、第二燃料ポンプ32Bから燃料電池発電ユニット35Bの流れを許容(又は遮断)する。更に、燃料電池制御部51Bは、生成水ポンプ33Bを駆動(又は停止)する場合には、混合切替部34Bの制御によって、生成水ポンプ33Bから燃料電池発電ユニット35Bの流れを許容(又は遮断)する。
また、ステップS112において、燃料電池制御部51Bは、各種センサ20B,21B,40B,41B,42Bの検知結果に基づいた指令を電子機器制御部55Bに出す。電子機器制御部55Bはその指令に従って表示部56Bに表示信号を出力し、表示部56Bに所定の表示が行われ、これによりユーザに対し所定の報知がなされる。各種センサ20B,21B,40B,41B,42Bの検知結果と表示部56Bに表示される内容の関係は、表1〜表3に示す通りである。例えば、温度センサ40Bの検知温度がゼロ℃以下であり、且つ残量センサ20B,41Bによる検知残量がゼロである場合(状況番号1)には、それに基づく燃料電池制御部51Bの指令を受けた電子機器制御部55Bが「低濃度燃料カートリッジに交換」といった表示を表示部56Bに表示させることによって、低濃度燃料カートリッジへの交換をユーザに促す。
ステップS112後、燃料電池制御部51Bは、各種センサ20B,21B,40B,41B,42Bの検知結果や、第一燃料ポンプ31B,第二燃料ポンプ32Bの動作状況に基づいた指令を電子機器制御部55Bに出す。電子機器制御部55Bはその指令に従って表示部56Bに表示信号を表示し、表示部56Bに所定の表示が行われる。その表示例を図16〜図18に示す。図16〜図18に示すように、表示部56Bには、装着部18Bに装着されたカートリッジを表すカートリッジアイコン61Bと、装着部16Bに装着されたカートリッジアイコン62Bとが表示される。カートリッジアイコン62Bに付属して表示されたスノーアイコン63Bは、装着部18Bに装着されたカートリッジが低濃度燃料カートリッジ14Bであることを表す。また、装着部18Bに装着されたカートリッジの内容物を用いて発電を行うために、第一燃料ポンプ31Bが作動している場合には、カートリッジアイコン61Bが赤く表示され、逆に第一燃料ポンプ31Bが作動していない場合には、カートリッジアイコン61Bが黒く表示される。同様に、装着部16Bに装着されたカートリッジの内容物を用いて発電を行うために、第二燃料ポンプ32Bが作動している場合には、カートリッジアイコン62Bが赤く表示され、逆に第二燃料ポンプ32Bが作動していない場合には、カートリッジアイコン62Bが黒く表示される。このような表示は、燃料電池制御部51Bの指令を受けた電子機器制御部55Bが表示部56Bを駆動することによって行われる。
本実施形態によれば、高濃度燃料カートリッジ10Bと低濃度燃料カートリッジ14Bの両方を装着しておくと、寒冷地において、起動時に生成水タンク38B内の生成水が凍結している場合だけ、低濃度燃料カートリッジ14Bの混合液を用いて発電を行い、起動時に生成水が凍結した場合や、起動後に生成水が解凍した場合には、高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料と生成水を用い得るので、体積当たりの発電量の多い高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料を使える機会が増える。
そのような場合でも高濃度燃料カートリッジ10Bが空になると、自動的に生成水を用いることを停止して、低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液を用いて発電するので、高濃度燃料カートリッジ10Bが空になっても発電を続けることができる。そして、そのように発電が継続した状態で、空になった高濃度燃料カートリッジ10Bを新たな高濃度燃料カートリッジ10Bに交換することができる。その交換を完了すると、自動的にその新たな高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料を用いて発電が起こり、燃料の体積当たりの発電量の多い発電を再開することができる。
また、生成水タンク38内の生成水が凍結している時に、燃料電池発電ユニット35Bの発電に用いている高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料の残量が少なくなった時には、燃料電池発電ユニット35Bの発電を維持した状態で、他方の高濃度燃料カートリッジ10Bを低濃度燃料カートリッジ14Bに交換することで、今利用中の低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液を使い切った時点で生成水が解凍されていない場合にも、交換した新たな低濃度燃料カートリッジ14Bに自動的に切り替わって、燃料電池発電ユニット35Bの発電状態を続けることができる。この場合、今利用している低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液を使い切った時点で生成水が解凍されてしまった場合でも、交換した新たな低濃度燃料カートリッジ14Bに自動的に切り替えて、燃料電池発電ユニット35Bの発電を行えるので、生成水が解凍されるタイミングを正確に予測できなくても、継続的に発電が行われる。この時、もし高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料による発電に切り替えたい場合には、燃料電池発電ユニット35Bの発電を維持した状態で、空になった低濃度燃料カートリッジ14Bを高濃度燃料カートリッジ10Bに交換すればよい。その交換が完了した時点から、高濃度燃料カートリッジ10B内の燃料と解凍生成水とを用いた発電が自動的に行われる。
低濃度燃料カートリッジ14Bを二つ装着した場合でも、片方の低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液がなくなると、自動的に他方の低濃度燃料カートリッジ14Bを用いて発電が継続される。そのため、空の低濃度燃料カートリッジ14Bを新たなカートリッジに交換することができるので、低濃度燃料カートリッジ14Bしかない場合や、寒冷地においてどのカートリッジを装着すべきか考慮したくない場合には、低濃度燃料カートリッジ14Bを二つ装着して片方が空になったら、空になった低濃度燃料カートリッジ14Bを交換していくことで、長時間の連続発電を行うことができる。同じタイプのカートリッジが装着されている時には、内容物残量の少ないカートリッジを自動的に選んでその内容物を用いるので、そのカートリッジが空になった後に他方のカートリッジが空になるまでの時間を長くとることができ、これにより、最初に空になったカートリッジを交換するまでの猶予時間を長くすることができる。
また、高濃度燃料カートリッジ10Bだけが装着されている場合や、低濃度燃料カートリッジ14B内の混合液がない場合には、生成水タンク38B内の生成水が凍結している時に全てのポンプ31〜33を止めて発電動作を行わないので、高濃度の燃料により燃料電池発電ユニット35Bにダメージを与えることを防止することができるうえ、高濃度の燃料を無駄に消費してしまうことがない。
二つの装着部16B,18Bがあり、カートリッジも2種類あり、装着部16B,18Bのうちどちらかに装着されたカートリッジの内容物で発電しているかで、2つの状況があるので、カートリッジを交換するタイミングや、交換する種類、どちらにカートリッジをどちらに装着すべきか等の判断が難しいが、本実施形態ではどちらかの装着部に装着されているカートリッジの種類と燃料残量、今どちらの燃料カートリッジで発電しているかを示す表示を設けたので、ユーザがカートリッジの交換をしやすく、カートリッジの準備もできる。
また、寒冷地ではないところでは、2つの高濃度燃料カートリッジ10Bを装着することにより、高濃度の燃料を用いて長時間の連続発電を行うことができる。
<第4の実施の形態>
図19は、本発明の実施形態における電子機器1Cの概略構成を示したブロック図である。
電子機器1Cは、電子機器本体2Cと、電子機器本体2Cに設けられる電源システムとを備える。以下、電源システムについて具体的に説明する。
電子機器本体2Cには装着部18Cが設けられている。装着部18Cに対しては、高濃度燃料カートリッジ10C及び低濃度燃料カートリッジ14Cが着脱可能である。ここで装着部18Cは高濃度燃料カートリッジ10Cと低濃度燃料カートリッジ14Cに共有の装着部であり、高濃度燃料カートリッジ10C及び低濃度燃料カートリッジ14Cの両方を同時に装着部18Cに装着することはできず、高濃度燃料カートリッジ10Cと低濃度燃料カートリッジ14Cのうちの一方が装着部18Cに装着された場合には、他方を装着部18Cに装着することができない。また、電子機器本体2Cの装着部18Cにはインレットコネクタ19Cが設けられ、カートリッジ10C,14Cにはアウトレットコネクタ11C,15Cがそれぞれ設けられている。高濃度燃料カートリッジ10Cが装着部18Cに装着されると、アウトレットコネクタ11Cがインレットコネクタ19Cに連結され、低濃度燃料カートリッジ14Cが装着部18Cに装着されると、アウトレットコネクタ15Cがインレットコネクタ19Cに連結される。
高濃度燃料カートリッジ10Cには、例えば純粋な燃料が貯留されている。高濃度燃料カートリッジ10Cに貯留される燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料であり、特に液体燃料である。なお、高濃度燃料カートリッジ10Cに貯留される燃料は純粋でなくともよく、高濃度の燃料であればよい。
低濃度燃料カートリッジ14Cには、高濃度燃料カートリッジ10Cに貯留された燃料よりも低濃度の燃料が貯留されている。具体的には、低濃度燃料カートリッジ14Cには、水と純粋燃料の混合液が貯留されている。低濃度燃料カートリッジ14Cに貯留される混合液中の純粋燃料は、高濃度燃料カートリッジ10Cに貯留される純粋燃料と同じものである。このように、水と純粋燃料の混合液が貯留されているので、低濃度燃料カートリッジ14C内の燃料の凝固点が水の凝固点よりも低く、低濃度燃料カートリッジ14C内の燃料の沸点が高濃度燃料カートリッジ10C内の燃料の沸点よりも高い。なお、低濃度燃料カートリッジ14C内の低濃度燃料には、更に他の物質が混合されていてもよい。
本実施形態では、高濃度燃料カートリッジ10Cに貯留された高濃度燃料が純粋メタノール(100%メタノール)であり、低濃度燃料カートリッジ14Cに貯留された低濃度燃料の純粋メタノールと水の混合液(混合比(重量比)は、例えばメタノールが6に対して水が4である。つまり、低濃度燃料は60%メタノールである。
なお、低濃度燃料カートリッジ14Cの内容物は、別の混合比の混合液であってもよい。
また、低濃度燃料カートリッジ14Cを複数準備し、異なる混合比の混合液をこれら低濃度燃料カートリッジ14Cに貯留し、これら低濃度燃料カートリッジ14Cを適宜使い分けてもよい。
また、高濃度燃料カートリッジ10Cの内容物が純粋な燃料でなくてもよいが、高濃度燃料カートリッジ10Cの内容物の燃料比率が、低濃度燃料カートリッジ14Cの内容物の燃料比率よりも高いことが必要である。
電子機器本体2Cの装着部18Cには、識別センサ21Cが設けられている。識別センサ21Cは、例えばインレットコネクタ19Cの周囲(近傍)に設けられている。識別センサ21Cは、装着部18Cに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部18Cに高濃度燃料カートリッジ10Cが装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Cの装着が識別センサ21Cによって検知され、高濃度燃料カートリッジ10Cの装着の旨の信号が燃料電池制御部51C(図20に図示)に出力される。一方、装着部18Cに低濃度燃料カートリッジ14Cが装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Cの装着が識別センサ21Cによって検知され、低濃度燃料カートリッジ14Cの装着の旨の信号が燃料電池制御部51C(図20に図示)に出力される。
識別センサ21Cは、プッシュスイッチ、リミットセンサ、光電センサ、近接センサ、磁界センサ、圧力センサ、赤外線センサ、撮像素子、濃度センサ(例えば、カートリッジの内容物の燃料濃度を測定することにより、カートリッジの種類を識別するもの)、その他のセンサである。なお、識別センサ21Cが濃度センサ(濃度検出器)の場合、装着部18Cに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が識別センサ21Cによって測定され、測定濃度を表す信号が識別センサ21Cから燃料電池制御部51Cに出力され、燃料電池制御部51Cがその濃度信号によってカートリッジの識別をする。
図19では、一例として識別センサ21Cがプッシュスイッチである場合を示している。この場合、識別センサ21Cにボタン(突出部)22Cが設けられ、低濃度燃料カートリッジ14Cには逃げ凹部23Cが形成されており、高濃度燃料カートリッジ10Cには凹部が形成されていない。低濃度燃料カートリッジ14Cが装着部18Cに装着された場合には、凹部23Cにボタン22Cが収まって、ボタン22Cが押されず、識別センサ21Cがオフとなる。一方、高濃度燃料カートリッジ10Cが装着部18Cに装着された場合には、燃料カートリッジ10によってボタン22Cが押され、識別センサ21Cがオンとなる。なお、燃料カートリッジ10又は低濃度燃料カートリッジ14Cの装着と、識別センサ21Cのオン又はオフの関係とは逆であってもよい。
電子機器本体2Cには、発電機能を司る発電ユニットが内蔵されている。発電ユニットは、燃料ポンプ(供給器)31C、生成水ポンプ33C、混合切替部34C、燃料電池発電ユニット(発電部)35C、エアポンプ36C、凝縮・気液分離装置37C及び生成水タンク(水容器)38Cを有する。
燃料ポンプ31Cは、装着部18Cに装着されたカートリッジの内容物を混合切替部34Cに送液するものである。
生成水ポンプ33Cは、生成水タンク38C内の生成水を混合切替部34Cに送液するものである。
燃料ポンプ31C及び生成水ポンプ33Cは何れも送液量可変型のポンプである。
混合切替部34Cは流量制御弁、方向切替弁等から構成されており、流体の流れの方向を切り替えるとともに流体の流量を制御するものである。ここで、混合切替部34Cは、燃料ポンプ31Cから燃料電池発電ユニット35Cへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。更に、混合切替部34Cは、生成水ポンプ33Cから燃料電池発電ユニット35Cへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Cの動作によって、燃料電池発電ユニット35Cへ流れる各種流体の方向・流量が制御され、これにより各種流体の混合比が制御される。
エアポンプ36Cは、電子機器本体2Cの外部の空気を燃料電池発電ユニット35Cに送るものである。
燃料電池発電ユニット35Cは気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、混合切替部34Cから送られてきた燃料と水の混合液により発電するものである。つまり、燃料と水の混合液が混合切替部34Cによって気化器に連続的に送られ、電子機器本体2Cの外の空気がエアポンプ36Cによって一酸化炭素除去器及び燃料電池のカソードに連続的に送られると、これにより燃料電池発電ユニット35Cは燃料電池において連続的に発電する。具体的には、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Cに送られる。燃料電池発電ユニット35Cの燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Cが以上のような構成を有する。
一方、燃料電池発電ユニット35Cの燃料電池が、気体状のメタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電ユニット35Cは、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、混合切替部34Cから送られた混合液が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水と空気中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出されるとともに気体状の水(水蒸気)を含む気体が燃料電池発電ユニット35Cから凝縮・気液分離装置37Cに送られる。なお、液体状のメタノール及び水で発電を行う燃料電池の場合、更に気化器も省略することができる。
また、燃料電池発電ユニット35Cの燃料電池が固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Cは一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Cに送られる。
なお、気化器が燃料電池発電ユニット35Cに内蔵されているものとしているが、燃料電池発電ユニット35Cとは別に気化器を設け、燃料と水の混合液が混合切替部34Cによって気化器に送られて、その気化器で気化された混合気が燃料電池発電ユニット35Cに供給されるものとしてもよい。
凝縮・気液分離装置37Cは凝縮器及び気液分離器等を有し、燃料電池発電ユニット35Cから送られた気体が凝縮器によって冷却されて、気体中の水分が液体に凝縮され、気液分離器によって液体の水と気体に分離される。凝縮・気液分離装置37Cで分離された液体の水は生成水タンク38Cに送られて生成水タンク38Cに貯留され、分離された気体は排気として電子機器本体2Cの外に排出される。なお、固定された生成水タンク38Cの代わりに、電子機器本体2Cに対して着脱可能なカートリッジ式の生成水カートリッジを用いてもよい。
生成水タンク38Cは、例えば電子機器1Cの各部で発生した熱で温められる。この生成水タンク38Cには、温度センサ40Cが設けられている。温度センサ40Cは、生成水タンク38Cに貯留された生成水の温度を電気信号に変換するものである。温度センサ40Cによって検知された温度を表す信号は、燃料電池制御部51C(図20に図示)に出力される。なお、温度センサ40Cは、生成水タンク38Cの内容物の温度を直接測定するものであってもよいし、内容物の温度を間接的に測定するものであってもよい。
図20は、電子機器1Cの回路構成を示したブロック図である。図20に示すように、電子機器1Cは、図1に示された構成要素の他に、燃料電池制御部51C、記憶部52C、電源切替制御部53C、二次電池54C、電子機器制御部55C、表示部(報知器)56C及びキー入力部57C等を更に具備する。
燃料電池制御部51Cは例えばCPU、RAM等を有するマイクロコンピュータである。この燃料電池制御部51Cは、燃料ポンプ31C、生成水ポンプ33C、混合切替部34C、燃料電池発電ユニット35C及びエアポンプ36Cの制御を行う。
記憶部52Cは不揮発性メモリ、磁気記録ディスク等であり、各種データが記憶部52Cに記録される。ここで、記憶部52Cに対する読み書きは、燃料電池制御部51Cによって行われる。
二次電池54Cは、電気エネルギーを化学エネルギーの形にして蓄えるものである。
電源切替制御部53Cは、燃料電池発電ユニット35Cの燃料電池で生成された電気エネルギーを二次電池54Cに充電したり、燃料電池発電ユニット35Cの燃料電池又は二次電池54Cから電子機器本体2Cの各負荷(電子機器制御部55C、表示部56C、キー入力部57C、記憶部52Cに加えて、他の部分も含む)に電力を供給したりする。
キー入力部57Cは、例えば種々のボタン、スイッチ等から構成されており、それらのボタンやスイッチの操作に応じた入力信号を電子機器制御部55Cに出力する。
表示部56Cは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他の表示部である。
電子機器制御部55Cは例えばCPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータである。電子機器制御部55Cはキー入力部57Cから入力した入力信号、燃料電池制御部51Cから入力した信号に基づいて各種の処理を行う。例えば、電子機器制御部55Cが表示部56Cに表示制御信号を出力する。これにより、表示制御信号に応じた表示が表示部56Cで行われ、表示部56Cにより各種の報知が行われる。
電子機器制御部55C及び燃料電池制御部51Cを組み合わせたものが制御部に相当する。そして、この制御部は、温度センサ40Cにより検知された検知温度と識別センサ21Cの識別結果とに基づいて、装着部18Cに装着されているカートリッジが検知温度で使用可能なものであるか否かを判定する機能と、その判別により使用可能なものではないと判定したときに表示部56Cによる報知を行う機能と、を有する。
次に、電子機器1Cの使用方法及び電子機器1Cの動作について説明する。
<発電動作>
まず、発電に関する動作について説明する。図21は、発電に関する動作において、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51Cは、燃料電池制御部51CのROMに格納されたプログラムに従って図21に示された処理を実行し、電子機器制御部55Cは、電子機器制御部55CのROMに格納されたプログラムに従って図21に示された処理を実行する。
ユーザは、電子機器1Cを使用するに際して、燃料が貯留された高濃度燃料カートリッジ10C又は混合液が貯留された低濃度燃料カートリッジ14Cのどちらか一方を装着部18Cに装着する。高濃度燃料カートリッジ10Cが装着部18Cに装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Cが装着された旨の信号が識別センサ21Cから燃料電池制御部51Cに出力される。低濃度燃料カートリッジ14Cが装着部18Cに装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Cが装着された旨の信号が識別センサ21Cから燃料電池制御部51Cに出力される。
そして、燃料電池制御部51Cは、識別センサ21Cから入力された信号により、装着部18Cに装着されたカートリッジが高濃度燃料カートリッジ10Cであるかそれとも低濃度燃料カートリッジ14Cであるかを判断する。識別センサ21Cによって高濃度燃料カートリッジ10Cの装着が検知されている場合には(ステップS121:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS123に移行し、識別センサ21Cによって低濃度燃料カートリッジ14Cの装着が検知されている場合には(ステップS121:No)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS122に移行する。なお、識別センサ21Cが濃度センサの場合、ステップS121における燃料電池制御部51Cの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Cの処理はステップS122に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Cの処理はステップS123に移行する。
ステップS122においては、燃料電池制御部51Cが燃料ポンプ31Cを駆動し、生成水ポンプ33Cを停止し、更に燃料電池制御部51Cが燃料ポンプ31Cの送液量を制御するとともに、混合切替部34Cを制御する。燃料電池制御部51Cが混合切替部34Cを制御することによって、生成水タンク38C内の生成水が止められて燃料電池発電ユニット35Cに流れない。一方、燃料電池制御部51Cが燃料ポンプ31Cを制御することによって、低濃度燃料カートリッジ14C内の低濃度燃料が燃料電池発電ユニット35Cに流れ、低濃度燃料の流量が混合切替部34Cによって制御される。低濃度燃料が燃料電池発電ユニット35Cに流れることで発電が起き、生成された水が生成水タンク38Cに貯留されていく。このように、低濃度燃料カートリッジ14Cの内容物は燃料と水の混合液であって水よりも凍結しにくいので、仮に生成水タンク38C内の水が凍結しても、発電を行える。
その後、燃料電池制御部51Cの処理は、ステップS121に戻る。
ステップS123においては、燃料電池制御部51Cは、温度センサ40Cから入力された温度信号により、生成水タンク38Cにある生成水の温度がゼロ℃以下であるか否かを判断する。温度センサ40Cの温度信号により示された温度がゼロ℃を越えている場合には(ステップS123:No)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS124に移行し、温度センサ40Cの温度信号により示された温度がゼロ℃以下である場合には(ステップS123:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS125に移行する。ここでの閾値であるゼロ℃は水の凝固点から定められたものであるが、閾値が液体状態と固体状態とに仕切るものであれば、ゼロ℃に定める必要はない。ここでの閾値であるゼロ℃が第2の温度に相当する。なお、温度センサ40Cによって生成水の温度を測定することにより、生成水が凍結しているか否かを識別するものとしたが、光学的センサによって生成水タンク38C内の生成水が凍結しているか否かを識別するものとしてもよい。
ステップS124においては、燃料電池制御部51Cが燃料ポンプ31C及び生成水ポンプ33Cを駆動し、更に燃料電池制御部51Cが燃料ポンプ31C及び生成水ポンプ33Cの送液量を制御するとともに、混合切替部34Cを制御する。燃料電池制御部51Cが混合切替部34Cを制御することによって、生成水タンク38C内の生成水が燃料電池発電ユニット35Cに流れ得るようになり、高濃度燃料カートリッジ10C内の燃料も燃料電池発電ユニット35Cに流れ得るようになる。また、燃料の流量が燃料ポンプ31C及び混合切替部34Cによって制御され、生成水の流量が生成水ポンプ33C及び混合切替部34Cによって制御される。このような流量制御により、燃料と生成水の混合比が調整され、燃料と生成水の混合比(重量比)が6:4になる(但し、この混合比は一例であって、6:4に限るものではなく、燃料電池発電ユニット35Cに要求される混合比に応じた値に設定されるものである)。これにより、燃料と生成水の混合液が燃料電池発電ユニット35Cに流れることで発電が起き、生成された水が生成水タンク38Cに貯留されていく。このように、生成水を再利用して、生成水と燃料を混合するので、高濃度燃料カートリッジ10C内の燃料を長時間使用することができる。
その後、燃料電池制御部51Cの処理は、ステップS121に戻る。
ステップS125においては、燃料電池制御部51Cが燃料ポンプ31C及び生成水ポンプ33Cを停止する。これにより、燃料・生成水が燃料電池発電ユニット35Cに流れず、燃料電池発電ユニット35Cにおける発電が停止する。高濃度燃料カートリッジ10Cが装着されている場合、生成水タンク38C内の生成水が凍結していると、仮に燃料ポンプ31Cが作動していると、高濃度の燃料が燃料電池発電ユニット35Cに供給されてしまうが、ここでは燃料ポンプ31Cが停止しているので、高濃度の燃料による燃料電池発電ユニット35Cの損傷を防止することができる。
また、ステップS125において、燃料電池制御部51Cが表示指令を電子機器制御部55Cに出し、電子機器制御部55Cはその指令に従って表示部56Cにより報知を行う。具体的には、電子機器制御部55Cが交換推奨の旨の表示信号を表示部5CAに出力することにより、「生成水凍結により発電を停止したので、低濃度燃料カートリッジに交換して下さい。」という報知が表示部56Cにて行われる。これにより、低濃度燃料カートリッジへの交換の推奨がユーザにされる。なお、表示部56Cによって低濃度燃料カートリッジの交換推奨の旨が報知されたが、電子機器制御部55Cがスピーカを制御することによってスピーカにより低濃度燃料カートリッジの交換推奨の旨が音声報知されてもよいし、電子機器制御部55Cがランプを制御することによってランプが点灯、点滅等し、これにより低濃度燃料カートリッジの交換推奨の旨が報知されてもよい。
報知後、燃料電池制御部51Cの処理は、ステップS121に戻る。
<温度データ蓄積動作>
温度データを蓄積することに関する動作について説明する。図22は、温度データ蓄積に関する動作において、燃料電池制御部51Cが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51Cは、図22に示した処理を図21に示した処理と並行して行う。
燃料電池制御部51Cは、所定時間毎に(図22では、10分間毎に)、温度センサ40Cによって検知された温度を記憶部52Cに記録することで、温度データを蓄積する。具体的には、図22のような処理を行う。まず、温度センサ40Cによって温度が検知され、その温度を表す信号が燃料電池制御部51Cに入力されており(ステップS131)、燃料電池制御部51Cが温度センサ40Cによる検知温度を記憶部52Cに記録する(ステップS132)。ここで、燃料電池制御部51Cが時計機能を有するとともに、温度記録時に発電が行われているか否かを判定する判定機能を有する。そして、温度記録時においては、燃料電池制御部51Cは、時計機能によって得られた温度記録時の日時を温度データに対応付けて記憶部52Cに記録するとともに、判定機能によって得られた発電フラグを温度データに対応付けて記憶部52Cに記録する。ここで、発電フラグとは、温度記録時に発電しているか否かを表す識別子であり、例えば、燃料電池制御部51Cは燃料ポンプ31Cを駆動している時には発電フラグを立て、燃料ポンプ31Cを停止している時には発電フラグを立てない。
そして、燃料電池制御部51Cは、温度データを記録したら、計時を開始する(ステップS133)。そして、計時開始してから所定時間(図22では、10分間)が経過したら(ステップS134:Yes)、燃料電池制御部51Cは計時をリセットし、ステップS21に戻る。
燃料電池制御部51Cは、以上の処理の繰り返しにより、所定時間毎に、温度データ、日時、発電フラグを対応付けて記録する。なお、燃料電池制御部51Cは、データの蓄積量を抑えるために、例えば過去1週間以内のデータを蓄積ることとして、1週間前のデータは記憶部52Cから削除するようにする。
<助言処理1>
推奨するカートリッジについて助言することに関する動作について説明する。図23は、推奨カートリッジの助言に関する動作において、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは、図23に示した処理を図21に示した処理と並行して行うが、ユーザが電子機器1Cを操作した時に、特に、電子機器1Cの電源がオンとなった時や電源がオフとなった時に、図23に示した動作が開始されるのが好ましい。
まず、燃料電池制御部51Cが、識別センサ21Cから入力された信号により、装着部18Cに装着されたカートリッジが高濃度燃料カートリッジ10Cであるかそれとも低濃度燃料カートリッジ14Cであるかを判断する(ステップS141)。識別センサ21Cによって高濃度燃料カートリッジ10Cの装着が検知されている場合には(ステップS141:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS142に移行し、識別センサ21Cによって低濃度燃料カートリッジ14Cの装着が検知されている場合には(ステップS141:No)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS143に移行する。なお、識別センサ21Cが濃度センサの場合、ステップS141における燃料電池制御部51Cの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Cの処理はステップS143に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Cの処理はステップS142に移行する。
ステップS142においては、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に凍結履歴があるか否かを判定する。凍結履歴があるか否かについては、例えば過去24時間以内の温度データの中に、所定の閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。ここでは、所定の閾値は、生成水タンク38Cに収容された水の凝固点(具体的には、ゼロ℃)とされている。従って、燃料電池制御部51Cが、例えば過去24時間以内の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがあると判定したら(ステップS142:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS145に移行する。一方、燃料電池制御部51Cが、例えば過去24時間以内の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがないと判定したら(ステップS142:No)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS144に移行する。
ステップS145においては、燃料電池制御部51Cの指令により、電子機器制御部55Cが低濃度燃料カートリッジの推奨表示を表示部56Cに表示させる。ここで、表示部56Cには、「過去24時間に生成水が凍結したため、低濃度燃料カートリッジを装着する方がよい。」といった旨の推奨表示が行われる。その表示を見たユーザは、過去の生成水の凍結を把握するので、高濃度燃料カートリッジ10Cを低濃度燃料カートリッジ14Cに交換することができる。生成水タンク38C内の生成水が凍結したものとしても、低濃度燃料カートリッジ14Cの内容物が燃料と水を混合したものであってその混合液は水に比較して凍結しにくいので、燃料電池発電ユニット35Cによる発電が行われやすくなる。
そして、電子機器制御部55Cは、燃料電池制御部51Cを介して記憶部52Cの温度データ・日時データ・発電フラグを読み込み、その読み込んだ温度データ・日時データ・発電フラグに従って、過去1週間の温度・発電状況を日時とともに表示する(ステップS146)。例えば、電子機器制御部55Cは、横軸を日時とするとともに縦軸を温度とした折れ線グラフを表示部56Cに表示し、又は温度と日時を対応付けた表を表示部56Cに表示し、このグラフ又は表において、発電中の温度の表示態様(例えば、色)と、発電していない時の温度の表示態様(例えば、色)を異ならせるよう表示する。このような表示を見たユーザは、低濃度燃料カートリッジ14Cの用意やそれへの交換を実際にするかどうかを判断することができる。更に、ユーザは発電中の発熱による水の昇温の影響を考慮することができるが、そのような考慮をユーザにさせないために、発電中や発電後の温度が表示されないものとしてもよい。
その後、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは実行処理を終了する。
一方、ステップS143においては、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ過去1週間以内の温度データの中に所定の閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。ここでの所定の閾値は、生成水タンク38Cに収容された水の凝固点よりも高いもの(以下、凝固点超閾値という。)とされており、例えば5℃とされている。従って、燃料電池制御部51Cが、過去1週間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS143:Yes)、燃料電池制御部51Cが実行処理を終了する。一方、燃料電池制御部51Cが、過去1週間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS143:No)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS149に移行する。
ステップS149においては、燃料電池制御部51Cの指令により、電子機器制御部55Cが高濃度燃料カートリッジの推奨表示を表示部56Cに表示させる。ここで、表示部56Cには、「過去1週間に生成水の温度が凝固点超閾値(例えば、5℃)以下になったことがないため、高濃度燃料カートリッジを装着する方がよい。」といった旨の推奨表示が行われる。その表示を見たユーザは、過去の温暖状況を把握するので、低濃度燃料カートリッジ14Cを高濃度燃料カートリッジ10Cに交換することができる。高濃度燃料カートリッジ10Cの内容物は低濃度燃料カートリッジ14Cの内容物よりも燃料濃度が高いので、高濃度燃料カートリッジ10Cの交換頻度を抑えることができる。
ステップS149後のステップS150においては、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55CがステップS146と同様の処理を実行する。その後、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは実行処理を終了する。
一方、ステップS144においては、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51Cが、例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS144:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS147に移行する。一方、燃料電池制御部51Cが、例えば過去24時間以内の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS144:No)、燃料電池制御部51Cが実行処理を終了する。
ステップS147においては、燃料電池制御部51Cの指令により、電子機器制御部55Cが低濃度燃料カートリッジの準備推奨表示を表示部56Cに表示させる。ここで、表示部56Cには、「過去24時間に生成水の温度が凝固点超閾値(例えば、5℃)以下になったため、低濃度燃料カートリッジの準備をする方がよい。」といった旨の推奨表示が行われる。その表示を見たユーザは、過去に生成水が凍結しそうになったことを把握するので、低濃度燃料カートリッジ14Cの準備をすることができる。生成水タンク38C内の生成水が凍結したものとしても、低濃度燃料カートリッジ14Cの内容物が燃料と水を混合したものであってその混合液は水に比較して凍結しにくいので、低濃度燃料カートリッジ14Cに交換すれば、燃料電池発電ユニット35Cによる発電が行われやすくなる。
ステップS147後のステップS148においては、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55CがステップS146と同様の処理を実行する。その後、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは実行処理を終了する。
<助言処理2>
推奨するカートリッジについて助言することに関する動作について説明する。図24は、推奨カートリッジの助言に関する動作において、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが行う処理の流れを示したフローチャートである。図24に示した処理は、図23に示した処理の代わりに行われる。
まず、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された発電フラグとそれに対応する日時データとを読み出し、発電フラグ及び日時データに基づき1週間前から今までに少なくとも一回発電中となっている時間帯を特定する(ステップS161)。以下、この特定した時間帯を使用時間帯という。
次に、燃料電池制御部51Cが、装着部18Cに装着されたカートリッジの種類を識別センサ21Cにより識別する(ステップS151)。識別センサ21Cによって高濃度燃料カートリッジ10Cの装着が検知されている場合には(ステップS151:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS152に移行し、識別センサ21Cによって低濃度燃料カートリッジ14Cの装着が検知されている場合には(ステップS151:No)、燃料電池制御部51Cの処理はステップS153に移行する。なお、識別センサ21Cが濃度センサの場合、ステップS151における燃料電池制御部51Cの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Cの処理はステップS153に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Cの処理はステップS152に移行する。
ステップS152においては、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に所定の閾値(所定の閾値は、水の凝固点とされている)以下になったものがあるか否かによって判定する。そして、燃料電池制御部51Cが、使用時間帯の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがあると判定したら(ステップS152:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS155に移行する。一方、燃料電池制御部51Cが、使用時間帯の温度データの中に所定の閾値(凝固点)以下になったものがないと判定したら(ステップS152:No)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS154に移行する。
ステップS155では、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図23のステップS145と同様のことを行い、更に、ステップS155後のステップS156では、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図23のステップS146と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは実行処理を終了する。
一方、ステップS153においては、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51Cが、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS153:Yes)、燃料電池制御部51Cが実行処理を終了する。一方、燃料電池制御部51Cが、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS153:No)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS159に移行する。
ステップS159では、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図23のステップS149と同様のことを行い、更に、ステップS159後のステップS160では、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図23のステップS150と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは実行処理を終了する。
一方、ステップS154においては、燃料電池制御部51Cは、記憶部52Cに蓄積された温度データを読み込み、読み込んだ使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあるか否かによって判定する。燃料電池制御部51Cが、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがあると判定したら(ステップS154:Yes)、燃料電池制御部51Cの処理がステップS157に移行する。一方、燃料電池制御部51Cが、使用時間帯の温度データの中に凝固点超閾値以下になったものがないと判定したら(ステップS154:No)、燃料電池制御部51Cが実行処理を終了する。
ステップS157では、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図23のステップS147と同様のことを行い、更に、ステップS157後のステップS158では、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図23のステップS148と同様のことを行う。その後、燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cは実行処理を終了する。
燃料電池制御部51C及び電子機器制御部55Cが図24に示すような処理を行うことによって、例えばユーザが深夜や早朝に電子機器1Cを使用しない場合に、深夜や早朝に水が凍結していることがあったとしても、ユーザが電子機器1Cを使用するときには、高濃度燃料カートリッジ10Cへの交換を促さないで済む。
<第5の実施の形態>
図25は、本発明の実施形態における電子機器1Dの概略構成を示したブロック図である。
電子機器1Dは、電子機器本体2Dと、電子機器本体2Dに設けられる電源システムとを備える。以下、電源システムについて具体的に説明する。
電子機器本体2Dには装着部18Dが設けられている。装着部18Dに対しては、高濃度燃料カートリッジ10D及び低濃度燃料カートリッジ14Dが着脱可能である。ここで装着部18Dは高濃度燃料カートリッジ10Dと低濃度燃料カートリッジ14Dに共有の装着部であり、高濃度燃料カートリッジ10D及び低濃度燃料カートリッジ14Dの両方を同時に装着部18Dに装着することはできず、高濃度燃料カートリッジ10Dと低濃度燃料カートリッジ14Dのうちの一方が装着部18Dに装着された場合には、他方を装着部18Dに装着することができない。また、電子機器本体2Dの装着部18Dにはインレットコネクタ19Dが設けられ、カートリッジ10D,14Dにはアウトレットコネクタ11D,15Dがそれぞれ設けられている。高濃度燃料カートリッジ10Dが装着部18Dに装着されると、アウトレットコネクタ11Dがインレットコネクタ19Dに連結され、低濃度燃料カートリッジ14Dが装着部18Dに装着されると、アウトレットコネクタ15Dがインレットコネクタ19Dに連結される。
高濃度燃料カートリッジ10Dには、例えば純粋な燃料が貯留されている。高濃度燃料カートリッジ10Dに貯留される燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料であり、特に液体燃料である。なお、高濃度燃料カートリッジ10Dに貯留される燃料は純粋でなくともよく、高濃度の燃料であればよい。
低濃度燃料カートリッジ14Dには、水と純粋燃料の混合液が貯留されている。低濃度燃料カートリッジ14Dに貯留される混合液中の純粋燃料は、高濃度燃料カートリッジ10Dに貯留される高濃度燃料と同じものである。このように、水と純粋燃料の混合液が貯留されているので、低濃度燃料カートリッジ14D内の混合液の凝固点が水の凝固点よりも低く、低濃度燃料カートリッジ14D内の混合液の沸点が高濃度燃料カートリッジ10D内の燃料の沸点よりも高い。なお、低濃度燃料カートリッジ14D内の低濃度燃料には、更に他の物質が混合されていてもよい。
本実施形態では、高濃度燃料カートリッジ10Dに貯留される高濃度燃料が純粋メタノール(100%メタノール)であり、低濃度燃料カートリッジ14Dに貯留された低濃度燃料は、メタノールが6に対して水が4である。つまり、低濃度燃料は、60%メタノールである。
なお、低濃度燃料カートリッジ14Dの内容物は、別の混合比の混合液であってもよい。
また、低濃度燃料カートリッジ14Dを複数準備し、異なる混合比の混合液をこれら低濃度燃料カートリッジ14Dに貯留し、これら低濃度燃料カートリッジ14Dを適宜使い分けてもよい。
また、高濃度燃料カートリッジ10Dの内容物が純粋な燃料でなくてもよいが、高濃度燃料カートリッジ10Dの内容物の純粋燃料比率が、低濃度燃料カートリッジ14Dの内容物の純粋燃料比率よりも高いことが必要である。
電子機器本体2Dの装着部18Dには、識別センサ21Dが設けられている。識別センサ21Dは、例えばインレットコネクタ19Dの周囲(近傍)に設けられている。識別センサ21Dは、装着部18Dに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部18Dに高濃度燃料カートリッジ10Dが装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Dの装着が識別センサ21Dによって検知され、高濃度燃料カートリッジ10Dの装着の旨の信号が燃料電池制御部51D(図26に図示)に出力される。一方、装着部18Dに低濃度燃料カートリッジ14Dが装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Dの装着が識別センサ21Dによって検知され、低濃度燃料カートリッジ14Dの装着の旨の信号が燃料電池制御部51D(図26に図示)に出力される。
識別センサ21Dは、プッシュスイッチ、リミットセンサ、光電センサ、近接センサ、磁界センサ、圧力センサ、赤外線センサ、撮像素子、濃度センサ(例えば、カートリッジの内容物の燃料濃度を測定することにより、カートリッジの種類を識別するもの)、その他のセンサである。なお、識別センサ21Dが濃度センサの場合、装着部18Dに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が識別センサ21Dによって測定され、測定濃度を表す信号が識別センサ21Dから燃料電池制御部51Dに出力され、燃料電池制御部51Dがその濃度信号によってカートリッジの識別をする。
図25では、一例として識別センサ21Dがプッシュスイッチである場合を示している。この場合、識別センサ21Dにボタン(突出部)22Dが設けられ、低濃度燃料カートリッジ14Dには逃げ凹部23Dが形成されており、高濃度燃料カートリッジ10Dには凹部が形成されていない。低濃度燃料カートリッジ14Dが装着部18Dに装着された場合には、凹部23Dにボタン22Dが収まって、ボタン22Dが押されず、識別センサ21Dがオフとなる。一方、高濃度燃料カートリッジ10Dが装着部18Dに装着された場合には、燃料カートリッジ10によってボタン22Dが押され、識別センサ21Dがオンとなる。なお、燃料カートリッジ10又は低濃度燃料カートリッジ14Dの装着と、識別センサ21Dのオン又はオフの関係とは逆であってもよい。
電子機器本体2Dには、発電機能を司る発電ユニットが内蔵されている。発電ユニットは、燃料ポンプ32D、生成水ポンプ33D、混合切替部34D、燃料電池発電ユニット35D、エアポンプ36D、凝縮・気液分離装置37D及び生成水タンク38Dを有する。
燃料ポンプ32Dは、装着部18Dに装着されたカートリッジの内容物を混合切替部34Dに送液するものである。
生成水ポンプ33Dは、生成水タンク38D内の生成水を混合切替部34Dに送液するものである。
燃料ポンプ32D及び生成水ポンプ33Dは何れも送液量可変型のポンプである。
混合切替部34Dは流量制御弁、方向切替弁等から構成されており、流体の流れの方向を切り替えるとともに流体の流量を制御するものである。ここで、混合切替部34Dは、燃料ポンプ32Dから燃料電池発電ユニット35Dへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。更に、混合切替部34Dは、生成水ポンプ33Dから燃料電池発電ユニット35Dへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Dの動作によって、燃料電池発電ユニット35Dへ流れる各種流体の方向・流量が制御され、これにより各種流体の混合比が制御される。
エアポンプ36Dは、電子機器本体2Dの外部の空気を燃料電池発電ユニット35Dに送るものである。
燃料電池発電ユニット35Dは気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、混合切替部34Dから送られてきた燃料と水の混合液により発電するものである。つまり、燃料と水の混合液が混合切替部34Dによって気化器に連続的に送られ、電子機器本体2Dの外の空気がエアポンプ36Dによって一酸化炭素除去器及び燃料電池のカソードに連続的に送られると、これにより燃料電池発電ユニット35Dは燃料電池において連続的に発電する。具体的には、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Dに送られる。燃料電池発電ユニット35Dの燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Dが以上のような構成を有する。
一方、燃料電池発電ユニット35Dの燃料電池が、気体状のメタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電ユニット35Dは、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、混合切替部34Dから送られた混合液が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水と空気中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出されるとともに気体状の水(水蒸気)を含む気体が燃料電池発電ユニット35Dから凝縮・気液分離装置37Dに送られる。なお、液体状のメタノール及び水で発電を行う燃料電池の場合、更に気化器も省略することができる。
また、燃料電池発電ユニット35Dの燃料電池が固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Dは一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Dに送られる。
なお、気化器が燃料電池発電ユニット35Dに内蔵されているものとしているが、燃料電池発電ユニット35Dとは別に気化器を設け、燃料と水の混合液が混合切替部34Dによって気化器に送られて、その気化器で気化された混合気が燃料電池発電ユニット35Dに供給されるものとしてもよい。
凝縮・気液分離装置37Dは凝縮器及び気液分離器等を有し、燃料電池発電ユニット35Dから送られた気体が凝縮器によって冷却されて、気体中の水分が液体に凝縮され、気液分離器によって液体の水と気体に分離される。凝縮・気液分離装置37Dで分離された液体の水は生成水タンク38Dに送られて生成水タンク38Dに貯留され、分離された気体は排気として電子機器本体2Dの外に排出される。なお、固定された生成水タンク38Dの代わりに、電子機器本体2Dに対して着脱可能なカートリッジ式の生成水カートリッジを用いてもよい。
生成水タンク38Dは、例えば電子機器1Dの各部で発生した熱で温められる。この生成水タンク38Dには、貯留量センサ39Dが設けられている。貯留量センサ39Dは生成水タンク38Dに貯留されている生成水の量を電気信号に変換するものである。貯留量センサ39Dによって検知された貯留量を表す信号は、燃料電池制御部51D(図26に図示)に出力される。
図26は、電子機器1Dの回路構成を示したブロック図である。図26に示すように、電子機器1Dは、図1に示された構成要素の他に、燃料電池制御部51D、記憶部52D、電源切替制御部53D、二次電池54D、電子機器制御部55D、表示部56D及びキー入力部57D等を更に具備する。
燃料電池制御部51Dは例えばCPU、RAM等を有するマイクロコンピュータである。この燃料電池制御部51Dは、燃料ポンプ32D、生成水ポンプ33D、混合切替部34D、燃料電池発電ユニット35D及びエアポンプ36Dの制御を行う。
記憶部52Dは不揮発性メモリ、磁気記録ディスク等であり、各種データが記憶部52Dに記録される。ここで、記憶部52Dに対する読み書きは、燃料電池制御部51Dによって行われる。
二次電池54Dは、電気エネルギーを化学エネルギーの形にして蓄えるものである。
電源切替制御部53Dは、燃料電池発電ユニット35Dの燃料電池で生成された電気エネルギーを二次電池54Dに充電したり、燃料電池発電ユニット35Dの燃料電池又は二次電池54Dから電子機器本体2Dの各負荷(電子機器制御部55D、表示部56D、キー入力部57D、記憶部52Dに加えて、他の部分も含む)に電力を供給したりする。
キー入力部57Dは、例えば種々のボタン、スイッチ等から構成されており、それらのボタンやスイッチの操作に応じた入力信号を電子機器制御部55Dに出力する。
表示部56Dは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他の表示部である。
電子機器制御部55Dは例えばCPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータである。電子機器制御部55Dはキー入力部57Dから入力した入力信号、燃料電池制御部51Dから入力した信号に基づいて各種の処理を行う。例えば、電子機器制御部55Dが表示部56Dに表示制御信号を出力する。これにより、表示制御信号に応じた表示が表示部56Dで行われる。
次に、電子機器1Dの使用方法及び電子機器1Dの動作について説明する。
<発電動作>
まず、発電に関する動作について説明する。図27は、発電に関する動作において、燃料電池制御部51D及び電子機器制御部55Dが行う処理の流れを示したフローチャートである。なお、燃料電池制御部51Dは、燃料電池制御部51DのROMに格納されたプログラムに従って図27に示された処理を実行し、電子機器制御部55Dは、電子機器制御部55DのROMに格納されたプログラムに従って図27に示された処理を実行する。
ユーザは、電子機器1Dを使用するに際して、燃料が貯留された高濃度燃料カートリッジ10D又は混合液が貯留された低濃度燃料カートリッジ14Dのどちらか一方を装着部18Dに装着する。高濃度燃料カートリッジ10Dが装着部18Dに装着された場合には、高濃度燃料カートリッジ10Dが装着された旨の信号が識別センサ21Dから燃料電池制御部51Dに出力される。低濃度燃料カートリッジ14Dが装着部18Dに装着された場合には、低濃度燃料カートリッジ14Dが装着された旨の信号が識別センサ21Dから燃料電池制御部51Dに出力される。
そして、燃料電池制御部51Dは、識別センサ21Dから入力された信号により、装着部18Dに装着されたカートリッジが高濃度燃料カートリッジ10Dであるかそれとも低濃度燃料カートリッジ14Dであるかを判断する。識別センサ21Dによって高濃度燃料カートリッジ10Dの装着が検知されている場合には(ステップS171:Yes)、燃料電池制御部51Dの処理はステップS173に移行し、識別センサ21Dによって低濃度燃料カートリッジ14Dの装着が検知されている場合には(ステップS173:No)、燃料電池制御部51Dの処理はステップS172に移行する。なお、識別センサ21Dが濃度センサの場合、ステップS171における燃料電池制御部51Dの判断は濃度センサの検知濃度に基づくものとなり、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下である場合、燃料電池制御部51Dの処理はステップS172に移行し、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えている場合、燃料電池制御部51Dの処理はステップS173に移行する。
ステップS172においては、燃料電池制御部51Dが燃料ポンプ32Dを駆動し、生成水ポンプ33Dを停止し、更に燃料電池制御部51Dが燃料ポンプ32Dの送液量を制御するとともに、混合切替部34Dを制御する。燃料電池制御部51Dが混合切替部34Dを制御することによって、生成水タンク38D内の生成水が止められて燃料電池発電ユニット35Dに流れない。一方、燃料電池制御部51Dが燃料ポンプ32Dを制御することによって、低濃度燃料カートリッジ14D内の混合液が燃料電池発電ユニット35Dに流れ、混合液の流量が混合切替部34Dによって制御される。混合液が燃料電池発電ユニット35Dに流れることで発電が起き、生成された水が生成水タンク38Dに貯留されていく。このように、低濃度燃料カートリッジ14Dの内容物は燃料と水の混合液であるので、仮に生成水タンク38内に生成水がなくても、発電を行える。
その後、燃料電池制御部51Dの処理は、ステップS171に戻る。
ステップS173においては、燃料電池制御部51Dは、貯留量センサ39Dから入力された貯留量信号により、生成水タンク38D内に生成水があるか否かを判断する。貯留量センサ39Dの貯留量信号により示された貯留量がゼロを越えている場合には(ステップS173:No)、燃料電池制御部51Dの処理はステップS174に移行し、貯留量センサ39Dの貯留量信号により示された貯留量がゼロである場合には(ステップS173:Yes)、燃料電池制御部51Dの処理はステップS175に移行する。
ステップS174においては、燃料電池制御部51Dが燃料ポンプ32D及び生成水ポンプ33Dを駆動し、更に燃料電池制御部51Dが燃料ポンプ32D及び生成水ポンプ33Dの送液量を制御するとともに、混合切替部34Dを制御する。燃料電池制御部51Dが混合切替部34Dを制御することによって、生成水タンク38D内の生成水が燃料電池発電ユニット35Dに流れ得るようになり、高濃度燃料カートリッジ10D内の燃料も燃料電池発電ユニット35Dに流れ得るようになる。また、燃料の流量が燃料ポンプ32D及び混合切替部34Dによって制御され、生成水の流量が生成水ポンプ33D及び混合切替部34Dによって制御される。このような流量制御により、燃料と生成水の混合比が調整され、燃料と生成水の混合比(重量比)が6:4になる(但し、この混合比は一例であって、6:4に限るものではなく、燃料電池発電ユニット35Dに要求される混合比に応じた値か、又は、低濃度燃料カートリッジ14Dに貯留された混合液と同じ値とする)。これにより、燃料と生成水の混合液が燃料電池発電ユニット35Dに流れることで発電が起き、生成された水が生成水タンク38Dに貯留されていく。このように、生成水を再利用して、生成水と燃料を混合するので、高濃度燃料カートリッジ10D内の燃料を長時間使用することができる。
その後、燃料電池制御部51Dの処理は、ステップS171に戻る。
ステップS175においては、燃料電池制御部51Dが燃料ポンプ32D及び生成水ポンプ33Dを停止する。これにより、燃料・生成水が燃料電池発電ユニット35Dに流れず、燃料電池発電ユニット35Dにおける発電が停止する。高濃度燃料カートリッジ10Dが装着されている場合、生成水タンク38D内に生成水が貯留されていないと、仮に燃料ポンプ32Dが作動していると、高濃度の燃料が燃料電池発電ユニット35Dに供給されてしまうが、ここでは燃料ポンプ32Dが停止しているので、高濃度の燃料による燃料電池発電ユニット35Dの損傷を防止することができる。
また、ステップS175において、燃料電池制御部51Dが表示指令を電子機器制御部55Dに出し、電子機器制御部55Dはその指令に従って表示部56Dに表示信号を出力し、表示部56Dに所定の表示が行われ、これによりユーザに対して所定の報知が行われる。具体的には、燃料電池制御部51Dの指令を受けた電子機器制御部55Dが「生成水不足により発電を停止したので、低濃度燃料カートリッジに交換して下さい。」といった表示を表示部56Bに表示させることによって、混合液カートリッジへの交換をユーザに促す。
その後、燃料電池制御部51Dの処理は、ステップS171に戻る。
<第6の実施の形態>
図28は、本発明の実施形態における電子機器1Eの概略構成を示したブロック図である。
電子機器1Eは、電子機器本体2Eと、電子機器本体2Eに設けられる電源システムとを備える。以下、電源システムについて具体的に説明する。
電子機器本体2Eには装着部16E,18Eが設けられている。装着部16Eに対しては、燃料カートリッジ10E又は液体カートリッジ14Eが着脱可能であり、装着部18Eに対しては、燃料カートリッジ10E又は液体カートリッジ14Eが着脱可能である。ここで装着部16Eは燃料カートリッジ10E及び液体カートリッジ14Eに共有の装着部であり、燃料カートリッジ10E及び液体カートリッジ14Eの両方を同時に装着部16Eに装着することはできず、燃料カートリッジ10Eと液体カートリッジ14Eのうちの一方が装着部16Eに装着された場合には、他方を装着部16Eに装着することができない。同様に、装着部18Eも、燃料カートリッジ10E及び液体カートリッジ14Eに共有の装着部である。また、2つの燃料カートリッジ10Eを装着部16E,18Eにそれぞれ装着することもできるし、2つの液体カートリッジ14Eを装着部16E,18Eにそれぞれ装着することもできる。
また、電子機器本体2Eの装着部16E,18Eにはインレットコネクタ17E,19Eが設けられ、燃料カートリッジ10Eにはアウトレットコネクタ11Eが設けられ、液体カートリッジ14Eにはアウトレットコネクタ15Eが設けられている。燃料カートリッジ10Eが装着部16E又は装着部18Eに装着されると、アウトレットコネクタ11Eがインレットコネクタ17E又はインレットコネクタ19Eに連結され、液体カートリッジ14Eが装着部16E又は装着部18Eに装着されると、アウトレットコネクタ15Eがインレットコネクタ17E又はインレットコネクタ19Eに連結される。
燃料カートリッジ10Eには、例えば純粋な燃料が貯留されている。燃料カートリッジ10Eに貯留される燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、その他の燃料であり、特に液体燃料である。
液体カートリッジ14Eには、例えば水と燃料の混合液が貯留されている。液体カートリッジ14Eに貯留される混合液中の燃料は、燃料カートリッジ10Eに貯留される燃料と同じものである。なお、液体カートリッジ14E内の混合液には、更に他の物質が混合されていてもよい。
本実施形態では、燃料カートリッジ10Eに貯留される燃料がメタノールであり、液体カートリッジ14Eに貯留された混合液がメタノールと水の混合液(混合比(重量比)は、メタノールが6に対して水が4である。)である。
なお、液体カートリッジ14Eの内容物は、別の混合比の混合液であってもよい。
また、液体カートリッジ14Eを複数準備し、異なる混合比の混合液をこれら液体カートリッジ14Eに貯留し、これら液体カートリッジ14Eを適宜使い分けてもよい。
また、燃料カートリッジ10Eの内容物が純粋な燃料でなくてもよいが、燃料カートリッジ10Eの内容物の燃料比率が、液体カートリッジ14Eの内容物の燃料比率よりも高いことが必要である。
また、着脱可能な燃料カートリッジ10E・液体カートリッジ14Eの代わりに、電子機器本体2Eに固定された燃料タンクを用いてもよい。
電子機器本体2Eの装着部18Eには第一識別センサ21E及び第一残量センサ20Eが設けられ、装着部16Eには第二識別センサ42E及び第二残量センサ41Eが設けられている。第一識別センサ21E及び第一残量センサ20Eは、例えばコネクタ19Eの周囲(近傍)に設けられ、第二識別センサ42E及び第二残量センサ41Eは、例えばコネクタ17Eの周囲(近傍)に設けられている。第一残量センサ20Eは、装着部18Eに装着されたカートリッジ(燃料カートリッジ10E又は液体カートリッジ14E)の内容物の残量を電気信号に変換するものである。第一残量センサ20Eによって検知された残量を表す信号は、燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。第二残量センサ41Eは、装着部16Eに装着されたカートリッジの内容物の残量を電気信号に変換するものである。第二残量センサ41Eによって検知された残量を表す信号は、燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。残量センサ20E,41Eには、音波又は光波の反射を利用した光センサ又は音響センサや、抵抗や容量を利用した電気的センサ、その他のセンサを用いることができる。また、燃料カートリッジ10Eや液体カートリッジ14Eの長手方向に残量センサ20E,41Eを設けてもよい。
第一識別センサ21Eは、装着部18Eに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部18Eに燃料カートリッジ10Eが装着された場合には、燃料カートリッジ10Eの装着が第一識別センサ21Eによって検知され、燃料カートリッジ10Eの装着の旨の信号が燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。一方、装着部18Eに液体カートリッジ14Eが装着された場合には、液体カートリッジ14Eの装着が第一識別センサ21Eによって検知され、液体カートリッジ14Eの装着の旨の信号が燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。
第二識別センサ42Eは、装着部16Eに装着されたカートリッジの種類を識別するものである。つまり、装着部16Eに燃料カートリッジ10Eが装着された場合には、燃料カートリッジ10Eの装着が第二識別センサ42Eによって検知され、燃料カートリッジ10Eの装着の旨の信号が燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。一方、装着部16Eに液体カートリッジ14Eが装着された場合には、液体カートリッジ14Eの装着が第二識別センサ42Eによって検知され、液体カートリッジ14Eの装着の旨の信号が燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。
第一識別センサ21E及び第二識別センサ42Eは、プッシュスイッチ、リミットセンサ、光電センサ、近接センサ、磁界センサ、圧力センサ、赤外線センサ、撮像素子、濃度センサ(例えば、カートリッジの内容物の燃料濃度を測定することにより、カートリッジの種類を識別するもの)、その他のセンサである。なお、第一識別センサ21Eが濃度センサの場合、装着部18Eに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が第一識別センサ21Eによって測定され、測定濃度を表す信号が第一識別センサ21Eから燃料電池制御部51Eに出力され、第二識別センサ42Eが濃度センサの場合、装着部16Eに装着されたカートリッジの内容物の燃料濃度が第二識別センサ42Eによって測定され、測定濃度を表す信号が第二識別センサ42Eから燃料電池制御部51Eに出力され、燃料電池制御部51Eがその濃度信号によってカートリッジの識別をする。
図28では、一例として第一識別センサ21E及び第二識別センサ42Eがプッシュスイッチである場合を示している。この場合、識別センサ21E,42Eにボタン(突出部)22E,43Eが設けられ、液体カートリッジ14Eには逃げ凹部23Eが形成されており、燃料カートリッジ10Eには凹部が形成されていない。液体カートリッジ14Eが装着部16E又は装着部18Eに装着された場合には、凹部23にボタン22E又はボタン43Eが収まって、ボタン22E又はボタン43Eが押されず、識別センサ21E,42Eがオフとなる。一方、燃料カートリッジ10Eが装着部16E又は装着部18Eに装着された場合には、燃料カートリッジ10Eによってボタン22E又はボタン43Eが押され、識別センサ21E,42Eがオンとなる。なお、燃料カートリッジ10E又は液体カートリッジ14Eの装着と、識別センサ21E,41Eのオン又はオフの関係とは逆であってもよい。
電子機器本体2Eには、発電機能を司る発電ユニットが内蔵されている。発電ユニットは、第一ポンプ31E,第二ポンプ32E、生成水ポンプ33E、混合切替部34E、燃料電池発電ユニット35E、エアポンプ36E、凝縮・気液分離装置37E及び生成水タンク38Eを有する。
第一ポンプ31Eは、装着部18Eに装着された燃料カートリッジ10E又は液体カートリッジ14Eの内容物を混合切替部34Eに送液するものである。第二ポンプ32Eは、装着部16Eに装着された燃料カートリッジ10E又は液体カートリッジ14Eの内容物を混合切替部34Eに送液するものである。
生成水ポンプ33Eは、生成水タンク38E内の生成水を混合切替部34Eに送液するものである。
第一ポンプ31E,第二ポンプ32E及び生成水ポンプ33Eは何れも送液量可変型のポンプである。
混合切替部34Eは流量制御弁、方向切替弁等から構成されており、流体の流れの方向を切り替えるとともに流体の流量を制御するものである。ここで、混合切替部34Eは、第一ポンプ31Eから燃料電池発電ユニット35Eへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Eは、第二ポンプ32Eから燃料電池発電ユニット35Eへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。更に、混合切替部34Eは、生成水ポンプ33Eから燃料電池発電ユニット35Eへの流体の流れを遮断・許容するとともに、その流量を制御する。混合切替部34Eの動作によって、燃料電池発電ユニット35Eへ流れる各種流体の方向・流量が制御され、これにより各種流体の混合比が制御される。
エアポンプ36Eは、電子機器本体2Eの外部の空気を燃料電池発電ユニット35Eに送るものである。
燃料電池発電ユニット35Eは気化器、改質器、一酸化炭素除去器、燃料電池、各種センサ、ヒータ、バルブ等から構成され、混合切替部34Eから送られてきた燃料と水の混合液により発電するものである。つまり、燃料と水の混合液が混合切替部34Eによって気化器に連続的に送られ、電子機器本体2Eの外の空気がエアポンプ36Eによって一酸化炭素除去器及び燃料電池のカソードに連続的に送られると、これにより燃料電池発電ユニット35Eは燃料電池において連続的に発電する。具体的には、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガス(水素、二酸化炭素、一酸化炭素等を含む。)に改質され、改質器で生成した微量な一酸化炭素が一酸化炭素除去器によって酸化により除去され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。そして、燃料電池における水素と酸素の電気化学反応によって、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Eに送られる。燃料電池発電ユニット35Eの燃料電池が、固体高分子電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Eが以上のような構成を有する。
一方、燃料電池発電ユニット35Eの燃料電池が、気体状のメタノールで発電を行うものである場合、燃料電池発電ユニット35Eは、改質器や一酸化炭素除去器を備えず、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、混合切替部34Eから送られた混合液が気化器に送液され、気化器において燃料と水が混合されて蒸発され、気化した燃料・水と空気中の酸素との電気化学反応が燃料電池において起こることで電力が取り出されるとともに気体状の水(水蒸気)を含む気体が燃料電池発電ユニット35Eから凝縮・気液分離装置37Eに送られる。なお、液体状のメタノール及び水で発電を行う燃料電池の場合、更に気化器も省略することができる。
また、燃料電池発電ユニット35Eの燃料電池が、固体酸化物電解質膜を有する燃料電池である場合、燃料電池発電ユニット35Eは、一酸化炭素除去器を備えず、改質器、気化器及び燃料電池等から構成されたものとなる。この場合、気化器において燃料と水が加熱されて気化され、気化した燃料と水が改質器によって改質ガスに改質され、燃料電池のアノードに送られた改質ガス中の水素と、燃料電池のカソードに送られた空気中の酸素とが燃料電池の電解質膜を介して電気化学的に反応する。これにより、燃料電池において発電が起き、発電動作に伴って水蒸気が生成される。燃料電池で生成された水蒸気は、他の生成物とともに凝縮・気液分離装置37Eに送られる。
なお、気化器が燃料電池発電ユニット35Eに内蔵されているものとしているが、燃料電池発電ユニット35Eとは別に気化器を設け、燃料と水の混合液が混合切替部34Eによって気化器に送られて、その気化器で気化された混合気が燃料電池発電ユニット35Eに供給されるものとしてもよい。
凝縮・気液分離装置37Eは凝縮器及び気液分離器等を有し、燃料電池発電ユニット35Eから送られた気体が凝縮器によって冷却されて、気体中の水分が液体に凝縮され、気液分離器によって液体の水と気体に分離される。凝縮・気液分離装置37Eで分離された液体の水は生成水タンク38Eに送られて生成水タンク38Eに貯留され、分離された気体は排気として電子機器本体2Eの外に排出される。なお、固定された生成水タンク38Eの代わりに、電子機器本体2Eに対して着脱可能なカートリッジ式の生成水カートリッジを用いてもよい。
この生成水タンク38Eには、貯留量センサ39Eが設けられている。貯留量センサ39Eは生成水タンク38Eに貯留されている生成水の量を電気信号に変換するものである。貯留量センサ39Eによって検知された貯留量を表す信号は、燃料電池制御部51E(図29に図示)に出力される。
図29は、電子機器1Eの回路構成を示したブロック図である。図29に示すように、電子機器1Eは、図28に示された構成要素の他に、燃料電池制御部51E、記憶部52E、電源切替制御部53E、二次電池54E、電子機器制御部55E、表示部56E及びキー入力部57E等を更に具備する。
燃料電池制御部51Eは例えばCPU、RAM等を有するマイクロコンピュータである。この燃料電池制御部51Eは、第一ポンプ31E,第二ポンプ32E、生成水ポンプ33E、混合切替部34E、燃料電池発電ユニット35E及びエアポンプ36Eの制御を行う。
記憶部52Eは不揮発性メモリ、磁気記録ディスク等であり、各種データが記憶部52Eに記録される。ここで、記憶部52Eに対する読み書きは、燃料電池制御部51Eによって行われる。
二次電池54Eは、電気エネルギーを化学エネルギーの形にして蓄えるものである。
電源切替制御部53Eは、燃料電池発電ユニット35Eの燃料電池で生成された電気エネルギーを二次電池54Eに充電したり、燃料電池発電ユニット35Eの燃料電池又は二次電池54Eから電子機器本体2Eの各負荷(電子機器制御部55E、表示部56E、キー入力部57E、記憶部52Eに加えて、他の部分も含む)に電力を供給したりする。
キー入力部57Eは、例えば種々のボタン、スイッチ等から構成されており、それらのボタンやスイッチの操作に応じた入力信号を電子機器制御部55Eに出力する。
表示部56Eは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他の表示部である。
電子機器制御部55Eは例えばCPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータである。電子機器制御部55Eはキー入力部57Eから入力した入力信号、燃料電池制御部51Eから入力した信号に基づいて各種の処理を行う。例えば、電子機器制御部55Eが表示部56Eに表示制御信号を出力する。これにより、表示制御信号に応じた表示が表示部56Eで行われる。
次に、電子機器1Eの使用方法及び電子機器1Eの動作について説明する。
<発電動作>
ユーザは、電子機器1Eを使用するに際して、燃料が貯留された燃料カートリッジ10Eや混合液が貯留された液体カートリッジ14Eを装着部16Eや装着部18Eに装着する。ここで、組み合わせは自由である。つまり、燃料カートリッジ10Eを装着部16E,18Eにそれぞれ装着してもよいし、液体カートリッジ14Eを装着部16E,18Eにそれぞれ装着してもよいし、燃料カートリッジ10Eを装着部16E,18Eの一方に且つ液体カートリッジ14Eを他方に装着してもよい。
各種センサ20E,21E,39E,41E,42Eの検知結果が燃料電池制御部51Eに出力されている。具体的には、燃料カートリッジ10Eが装着部18Eに装着された場合、燃料カートリッジ10Eの装着の旨の信号が第一識別センサ21Eから燃料電池制御部51Eに出力される。液体カートリッジ14Eが装着部18Eに装着された場合、液体カートリッジ14Eの装着の旨の信号が第一識別センサ21Eから燃料電池制御部51Eに出力される。燃料カートリッジ10Eが装着部16Eに装着された場合、燃料カートリッジ10Eの装着の旨の信号が第二識別センサ42Eから燃料電池制御部51Eに出力される。また、生成水タンク38E内の生成水の貯留量を表す信号が、貯留量センサ39Eから燃料電池制御部51Eに出力される。また、装着部18Eに装着されたカートリッジの内容物の残量を表す信号が、第一残量センサ20Eから燃料電池制御部51Eに出力される。装着部16Eに装着されたカートリッジの内容物の残量を示す信号が、第二残量センサ41Eから燃料電池制御部51Eに出力される。
燃料電池制御部51Eは、各種センサ20E,21E,39E,41E,42Eの検知結果に基づいて、第一ポンプ31E,第二ポンプ32E、生成水ポンプ33E及び混合切替部34Eを制御する。具体的には、表4〜表6に示すように、各種センサ20E,21E,39E,41E,42Eの検知結果を「条件」とし、その「条件」に対応した「制御内容」で第一ポンプ31E,第二ポンプ32E、生成水ポンプ33E及び混合切替部34Eが燃料電池制御部51Eによって制御される。例えば、貯留量センサ39Eの検知貯留量がゼロであり、且つ残量センサ20E,41Eによる検知残量がゼロである場合(状況番号1)には、燃料電池制御部51が第一ポンプ31E,第二ポンプ32E及び生成水ポンプ33Eを停止する。表4〜表6において状況番号の若いものが優先される。
Figure 2009134884
Figure 2009134884
Figure 2009134884
ここで、燃料電池制御部51Eは、第一ポンプ31Eを駆動する場合には、混合切替部34Eの制御によって、第一ポンプ31Eから燃料電池発電ユニット35Eの流れを許容する。更に、燃料電池制御部51Eは、第二ポンプ32Eを駆動する場合には、混合切替部34Eの制御によって、第二ポンプ32Eから燃料電池発電ユニット35Eの流れを許容する。更に、燃料電池制御部51Eは、生成水ポンプ33Eを駆動する場合には、混合切替部34Eの制御によって、生成水ポンプ33Eから燃料電池発電ユニット35Eの流れを許容する。
なお、第一識別センサ21Eが濃度センサの場合、表4〜表6において、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、70%)以下であることは、液体カートリッジ14Eの装着を検知したことと同義ことであり、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えていることは、燃料カートリッジ10Eを検知したことと同義である。第二識別センサ42Eが濃度センサの場合も同様である。
<変形例>
液体カートリッジ14Eに混合液が貯留されているのではなく、水が貯留されているものであってもよい。この場合、表7〜表8に示すように、燃料電池制御部51Eは、各種センサ20E,21E,39E,41E,42Eの検知結果を「条件」とし、その「条件」に対応した「制御内容」で第一ポンプ31E,第二ポンプ32E、生成水ポンプ33E及び混合切替部34Eが燃料電池制御部51Eによって制御される。例えば、貯留量センサ39Eの検知貯留量がゼロであり、且つ残量センサ20E,41Eによる検知残量がゼロである場合(状況番号1)には、燃料電池制御部51が第一ポンプ31E,第二ポンプ32E及び生成水ポンプ33Eを停止する。表7〜表8において状況番号の若いものが優先される。
Figure 2009134884
Figure 2009134884
なお、第一識別センサ21Eが濃度センサの場合、表4〜表6において、濃度センサの検知濃度が所定閾値(例えば、10%)以下であることは、液体カートリッジ14Eの装着を検知したことと同義ことであり、濃度センサの検知濃度がその所定閾値を超えていることは、燃料カートリッジ10Eを検知したことと同義である。第二識別センサ42Eが濃度センサの場合も同様である。
第1実施形態における燃料電池システムの概略構成を示したブロック図である。 第1実施形態における燃料電池システムの回路構成を示したブロック図である。 第1実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第1実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第1実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第1実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態における燃料電池システムの概略構成を示したブロック図である。 第2実施形態における燃料電池システムの回路構成を示したブロック図である。 第2実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態における燃料電池システムの概略構成を示したブロック図である。 第3実施形態における燃料電池システムの回路構成を示したブロック図である。 第3実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態において表示部に表示されるアイコンを示した図である。 第3実施形態において表示部に表示されるアイコンを示した図である。 第3実施形態において表示部に表示されるアイコンを示した図である。 第4実施形態における燃料電池システムの概略構成を示したブロック図である。 第4実施形態における燃料電池システムの回路構成を示したブロック図である。 第4実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第4実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第4実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第4実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第5実施形態における燃料電池システムの概略構成を示したブロック図である。 第5実施形態における燃料電池システムの回路構成を示したブロック図である。 第5実施形態において制御部が行う処理の流れを示したフローチャートである。 第6実施形態における燃料電池システムの概略構成を示したブロック図である。 第6実施形態における燃料電池システムの回路構成を示したブロック図である。
符号の説明
1、1A〜1E 電子機器
10、10E 燃料カートリッジ
10A〜10D 高濃度燃料カートリッジ
12 水カートリッジ
14 混合水カートリッジ
14A〜14D 低濃度燃料カートリッジ
14E 液体カートリッジ
20、20A〜20B、40、40A〜40C 温度センサ
21、21A〜21E 識別センサ
31、31A〜31C、31E、32、32B、32D〜32E、33、33A〜33E ポンプ
35、35A〜35E 燃料電池発電ユニット
38、38A〜38E 生成水タンク

Claims (33)

  1. 燃料と水の混合物により発電する燃料電池を有する発電部と、
    前記燃料電池における発電に用いられる水を貯留する水容器と、
    前記燃料を貯留したカートリッジが着脱可能に装着される一又は複数の装着部と、
    前記装着部に装着された前記カートリッジの種類を識別する識別部と、
    前記水容器内の水の温度を検知する温度検知部と、
    報知器と、
    前記温度検知部により検知された検知温度と前記識別部の識別結果とに基づいて、前記装着部に装着されている前記カートリッジが、前記温度検知部により検知された検知温度で使用可能なものであるか否かを判定し、使用可能なものではないと判定したときに、前記報知器による報知を行う制御部と、
    を備えることを特徴とする電源システム。
  2. 前記装着部に装着される前記カートリッジは、低濃度燃料を貯留した低濃度燃料カートリッジ又はその濃度よりも高い濃度の高濃度燃料を貯留した高濃度燃料カートリッジであり、
    前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジが、前記高濃度燃料カートリッジ又は前記低濃度燃料カートリッジの何れであるかを識別することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  3. 前記低濃度燃料は水と純粋な前記燃料を混合したものであり、前記高濃度燃料は純粋な前記燃料であることを特徴とする請求項2に記載の電源システム。
  4. 前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第1の温度以上であると判断したときに、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の電源システム。
  5. 前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
    前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第1の温度未満であると判断したとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項4に記載の電源システム。
  6. 前記第1の温度は、前記燃料の沸点に基づく温度であることを特徴とする請求項4又は5に記載の電源システム。
  7. 前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第2の温度以下であると判断したとき、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項2又は3に記載の電源システム。
  8. 前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
    前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第2の温度を超えると判断したとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項7に記載の電源システム。
  9. 前記第2の温度は、水の凝固点に基づく温度であることを特徴とする請求項7又は8に記載の電源システム。
  10. 前記水容器は、前記燃料電池における発電により生成された生成水を貯留することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  11. 前記装着部に装着された前記カートリッジの温度を検知するカートリッジ温度検知部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  12. 前記報知器が表示部であり、
    前記制御部が前記報知器による報知として前記カートリッジの、前記温度検知部により検知された検知温度で使用可能なものへの交換を促すための表示を前記表示部にすることを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  13. 前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジの形状又は該カートリッジの内容物の濃度の検出の何れかにより前記カートリッジの種類を識別することを特徴とする請求項1に記載の電源システム。
  14. 燃料と水の混合物により発電する燃料電池を有する発電部と、前記燃料電池における発電に用いられる水を貯留する水容器と、前記燃料を貯留したカートリッジが着脱可能に装着される一又は複数の装着部と、前記装着部に装着された前記カートリッジの種類を識別する識別部と、前記水容器内の水の温度を検知する温度検知部と、報知器と、前記温度検知部により検知された検知温度と前記識別部の識別結果とに基づいて、前記装着部に装着されている前記カートリッジが、前記温度検知部により検知された検知温度で使用可能なものであるか否かを判定し、使用可能なものではないと判定したときに、前記報知器による報知を行う制御部と、を有する電源システムと、
    前記燃料電池によって発電された電力によって駆動される電子機器本体部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  15. 前記装着部に装着される前記カートリッジは、低濃度燃料を貯留した低濃度燃料カートリッジ又はその濃度よりも高い濃度の高濃度燃料を貯留した高濃度燃料カートリッジであり、
    前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジが、前記高濃度燃料カートリッジ又は前記低濃度燃料カートリッジの何れであるかを識別することを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
  16. 前記低濃度燃料は水と純粋な前記燃料を混合したものであり、前記高濃度燃料は純粋な前記燃料であることを特徴とする請求項15に記載の電子機器。
  17. 前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第1の温度以上であると判断したときに、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項15又は16に記載の電子機器。
  18. 前記電源システムは、前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
    前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第1の温度未満であると判断したとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項15に記載の電子機器。
  19. 前記第1の温度は、前記燃料の沸点に基づく温度であることを特徴とする請求項17又は18に記載の電子機器。
  20. 前記制御部は、前記識別部により識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知部による検知温度が所定の第2の温度以下であると判断したとき、前記報知器による報知を行うように制御することを特徴とする請求項15又は16に記載の電子機器。
  21. 前記電源システムは、前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物を前記発電部に供給する供給器を更に備え、
    前記制御部は、前記温度検知部による検知温度が前記第2の温度を超えるとき、前記供給器を駆動するように制御することを特徴とする請求項20に記載の電子機器。
  22. 前記第2の温度は、水の凝固点に基づく温度であることを特徴とする請求項20又は21に記載の電子機器。
  23. 前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジの形状により前記カートリッジの種類を識別することを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
  24. 前記識別部は、前記装着部に装着された前記カートリッジの内容物の濃度を検出することによってカートリッジの種類を識別することを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
  25. 燃料と水の混合物により発電する燃料電池を有する発電部と、前記燃料電池における発電に用いられる水を貯留する水容器と、前記燃料を収容するカートリッジが着脱可能に装着される1又は複数の装着部と、報知器と、を有する電源システムの駆動制御方法であって、
    前記水容器内の水の温度を検知する温度検知ステップと、
    前記装着部に装着された前記カートリッジの種類を識別する識別ステップと、
    前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記温度検知ステップの検知温度で使用することが可能なものであるか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて使用可能でないと判定されたときに、前記報知器の報知を行う報知ステップと、
    を含むことを特徴とする電源システムの駆動制御方法。
  26. 前記装着部に装着される前記カートリッジは、低濃度燃料を貯留した低濃度燃料カートリッジ又はその濃度よりも高い濃度の高濃度燃料を貯留した高濃度燃料カートリッジであり、
    前記識別ステップでは、前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと識別するか、前記低濃度燃料カートリッジと識別することを特徴とする請求項25に記載の電源システムの駆動制御方法。
  27. 前記低濃度燃料は水と純粋な前記燃料を混合したものであり、前記高濃度燃料は純粋な前記燃料であることを特徴とする請求項26に記載の電源システムの駆動制御方法。
  28. 前記判定ステップでは、前記識別ステップにおいて識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知ステップによる前記検知温度が所定の第1の温度以上であると判断したとき、、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が前記検知温度で使用可能でないと判定することを特徴とする請求項26又は27に記載の電源システムの駆動制御方法。
  29. 前記判定ステップでは、前記温度検知ステップによる前記検知温度が前記第1の温度未満であると判断したとき、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記検知温度で使用することが可能なものであると判定することを特徴とする請求項28に記載の電源システムの駆動制御方法。
  30. 前記第1の温度は、前記燃料の沸点に基づく温度であることを特徴とする請求項28又は29に記載の電源システムの駆動制御方法。
  31. 前記判定ステップでは、前記識別ステップにおいて識別された前記装着部に装着された前記カートリッジを前記高濃度燃料カートリッジと判断し、前記温度検知ステップによる前記検知温度が所定の第2の温度以下であると判断したとき、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記検知温度で使用可能でないと判定することを特徴とする請求項26又は27に記載の電源システムの駆動制御方法。
  32. 前記判定ステップでは、前記温度検知ステップによる前記検知温度が前記第2の温度以上であると判断したとき、前記識別ステップにおいて識別された前記カートリッジの種別が、前記検知温度で使用することが可能なものであると判定することを特徴とする請求項31に記載の電源システムの駆動制御方法。
  33. 前記第2の温度は、水の凝固点に基づく温度であることを特徴とする請求項31又は32に記載の電源システムの駆動制御方法。
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