JP2009134611A - 商品仕様決定支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規商品の仕様の決定を容易にする。
【解決手段】商品仕様決定支援装置10の入力部110は、新規商品の仕様の候補の集合を受け付ける。他社商品代替量予測部1040は、入力部110が受け付けた仕様候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、その仕様候補を備える新規商品が販売されないと仮定した場合に、その仕様候補と関連付けて予測販売量DB140に記憶された予測販売量のうち、市場において他社の商品によって代替され得る販売量である他社商品代替量を予測する。この予測において、他社商品代替量予測部1040は、自社商品を購入した顧客とその顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報DB150から取得される情報を用いて多次元分析を行う。
【選択図】図1
【解決手段】商品仕様決定支援装置10の入力部110は、新規商品の仕様の候補の集合を受け付ける。他社商品代替量予測部1040は、入力部110が受け付けた仕様候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、その仕様候補を備える新規商品が販売されないと仮定した場合に、その仕様候補と関連付けて予測販売量DB140に記憶された予測販売量のうち、市場において他社の商品によって代替され得る販売量である他社商品代替量を予測する。この予測において、他社商品代替量予測部1040は、自社商品を購入した顧客とその顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報DB150から取得される情報を用いて多次元分析を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、新規商品の仕様の決定を支援する商品仕様決定支援装置に関する。
企業による新規商品の開発においては、市場の動向及び顧客の嗜好などに応じて、その新規商品の仕様が決定される。例えば、車両の開発においては、外板色、排気量、乗車定員、及び搭載装備などの様々な仕様項目について、各仕様項目の内容が決定される。
商品の仕様の最適化に関する従来技術として、例えば特許文献1には、顧客のニーズに適合するように最適化された車両の仕様を自動的に生成するコンピュータシステムが開示されている。特許文献1に記載の技術では、顧客が所望する所望仕様項目及び顧客が所望しない不所望仕様項目を顧客データベースに記憶させておき、現行の車両の販売数が減少した場合など、現行車両が顧客のニーズに適合していないと判断される場合に、この所望仕様項目を現行車両の仕様に追加し、不所望仕様項目を現行車両の仕様から削除する処理が行われる。
また、商品の生産計画に関する従来技術として、例えば特許文献2には、顧客の指定した仕様、納期、数量に基づいて最適な生産計画を作成する生産管理システムが記載されている。
ところで、車両などの商品の生産・販売においては、一般に、1種類の商品(例えば、ある車種の車両)について、ある仕様項目を備える商品と備えない商品との両方が生産・販売されたり、1つの仕様項目に関して複数の異なる内容の仕様を備える商品をそれぞれ生産・販売されたりする。例えば、ある新規車両について、その開発企画段階で1つの仕様項目「外板色」に関して複数の異なる色が設定され、設定された各色の外板色を備える新規車両が生産・販売される場合がある。
上述のような新規商品の仕様のバリエーションが多い程、その生産に必要な部品点数がより多くなり、生産に必要なコストもより高くなる。よって、生産コスト削減の観点からは、新規商品の企画段階において、仕様のバリエーションを可能な限り少なくすることが望まれる。しかしながら、顧客の嗜好の多様化などの事情から、仕様のバリエーションを少なくすると、仕様のバリエーションがより多い場合と比較して新規商品の販売量がより少なくなることが見込まれる場合がある。一般に、新規商品の企画段階において、仕様のバリエーションのうちの1つを削減すると、削減したバリエーションの仕様を備える新規商品の予測販売量のすべてが市場において他の商品に代替されて販売量の減少を招くと判断され、そのバリエーションの仕様は削減されない場合が多い。
本発明に係る商品仕様決定支援装置は、新規商品の仕様の決定を支援する装置であって、前記新規商品の仕様の候補の集合を受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のそれぞれと、当該仕様候補を備える前記新規商品について求められた予測販売量と、を関連付けて記憶する予測販売量記憶部と、前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、当該仕様候補を備える前記新規商品が販売されないと仮定した場合に、当該仕様候補に関連付けて前記予測販売量記憶部に記憶された前記予測販売量のうち、市場において他社の商品によって代替され得る販売量である他社商品代替量を予測する他社商品代替量予測部と、を備え、前記他社商品代替量予測部は、自社商品を購入した顧客と当該顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報記憶部から取得される情報を用いて多次元分析を行うことで、前記他社商品代替量を予測することを特徴とする。
本発明の1つの態様の商品仕様決定支援装置は、前記他社商品代替量が所定の閾値以下である場合に、前記仕様の候補集合から当該仕様候補を削除する。
本発明の他の1つの態様の商品仕様決定支援装置において、前記顧客関連情報は、各仕様項目と当該顧客が商品の購入において当該仕様項目を重視する重視度とを関連付ける情報を含み、前記他社商品代替量予測部は、前記顧客情報記憶部から、当該仕様候補に対応する仕様項目に関連付けられた重視度を取得し、取得した重視度を用いて、前記他社商品代替量を予測する。
本発明の他の1つの態様の商品仕様決定支援装置は、前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、当該仕様候補を備える前記新規商品が販売されないと仮定した場合に、当該仕様候補に関連付けて前記予測販売量記憶部に記憶された前記予測販売量のうち、市場において、当該仕様候補と異なる仕様候補であって前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補を備える前記新規商品によって代替され得る販売量である他仕様代替量を予測する他仕様代替量予測部をさらに備え、前記他仕様代替量予測部は、自社商品を購入した顧客と当該顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報記憶部から取得される情報を用いて多次元分析を行うことで、前記他社商品代替量を予測する。
本発明の他の1つの態様の商品仕様決定支援装置において、前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、当該仕様候補を備える前記新規商品が販売されないと仮定した場合に、当該仕様候補に関連付けて前記予測販売量記憶部に記憶された前記予測販売量のうち、市場において、前記新規商品と異なる自社の商品によって代替され得る販売量である自社他商品代替量を予測する自社他商品代替量予測部をさらに備え、前記自社他商品代替量予測部は、自社商品を購入した顧客と当該顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報記憶部から取得される情報を用いて多次元分析を行うことで、前記自社他商品代替量を予測する。
本発明によると、新規商品の仕様の決定にあたって、仕様のバリエーションの候補の削減の可否の判断を容易にすることができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。以下では、一例として、新規開発される車両の仕様の決定を支援する場合について説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態における商品仕様決定支援装置の構成例を示すブロック図である。図1を参照し、商品仕様決定支援装置10は、処理部100、入力部110、表示部120、販売実績DB(データベース)130、予測販売量DB140、及び顧客情報DB150を備える。
処理部100は、入力部110から取得した情報や上述の各種DBから取得した情報を用いて各種の演算などの処理を行い、その処理の結果を表示部120に表示させたり、演算結果を上述の各種DBに書き込んだりする。処理部100は、販売量予測部102及び代替量予測部104を備える。
販売量予測部102は、新規車両の販売量を予測する処理を行う。販売量予測部102は、ある新規車両についてユーザが入力部110を用いて指定した仕様の候補を取得し、販売実績DB130を参照して、ユーザが指定した各仕様候補を備える新規車両の予測販売量を求める。また、販売量予測部102は、各仕様候補と、その仕様候補を備える新規車両について求めた予測販売量と、を関連づけて予測販売量DB140に記憶させる。
代替量予測部104は、他社商品代替量予測部1040、他仕様代替量予測部1042、及び自社他商品代替量予測部1044を備える。他社商品代替量予測部1040、他仕様代替量予測部1042、及び自社他商品代替量予測部1044は、それぞれ、ある仕様を備える新規車両が販売されないと仮定した場合に、市場において、その仕様を備える新規車両の販売量が、他社の車両、その仕様と異なる仕様を備える新規車両、及び、その新規車両と異なる自社の車両、によって代替され得る販売量(以下、それぞれ、「他社商品代替量」、「他仕様代替量」、及び「自社他商品代替量」と呼ぶ)を予測する処理を行う。ある仕様候補についての他社商品代替量、他仕様代替量、及び自社他商品代替量は、言い換えると、それぞれ、その仕様候補を備える新規車両を購入する意思のある顧客のうち、その仕様候補を備える新規車両が販売されないと仮定した場合に、代わりに、他社の車両、その仕様候補と異なる仕様を備える新規車両、及び、その新規車両と異なる自社の車両を購入する顧客の数であるとも言える。代替量予測部104が備える各部は、予測販売量DB140及び顧客情報DB150を参照して、各種の代替量を求める。
処理部100で行われる処理の詳細については後述する。
入力部110は、ユーザからの入力を受け付け、受け付けた情報を処理部100へ渡す。例えば、入力部110は、新規車両の仕様の候補の集合についてユーザの入力を受け付け、受け付けた仕様候補の集合を処理部100へ渡す。
表示部120は、処理部100による処理の結果を表示する。例えば、表示部120は、販売量予測部102が求めた新規車両の予測販売量や、代替量予測部104が求めた各種の代替量などを表示する。表示部120によって、商品仕様決定支援装置10における処理の結果がユーザに提示される。
販売実績DB130は、すでに販売されている車両の販売実績を記憶するデータベースである。図2に、販売実績DB130のデータ内容の一例を示す。図2を参照し、販売実績DB130は、車両、仕様タイプ、仕様項目、及び販売実績を関連付けて記憶する。「車両」は、販売済みの車両の種類を表し、「仕様タイプ」は、各車両における仕様のバリエーションを表す。図2に例示する表の1行の情報が、ある仕様タイプを備える車両についての情報レコードに対応する。「仕様項目」には、外板色、排気量、乗車定員、及び搭載装備などの項目が含まれる。ある仕様タイプを備える車両のレコードにおいて、「仕様項目」に含まれる各項目は、その仕様タイプを備える車両における各仕様項目の内容を表す情報を含む。図2に示す「仕様項目」に含まれる各項目は一例であり、必要に応じて、他の仕様項目を設けてもよいし、図2に示す仕様項目を設けないものとしてもよい。また、各レコードの「販売実績」には、その仕様タイプを備える車両の販売台数が記憶される。この販売実績としては、例えば、年度別の販売台数や、各年の月ごとの販売台数など、ある一定期間における販売台数を記憶しておけばよい。あるいは、その仕様タイプを備える車両の販売開始から現在までの販売台数の総計を記憶しておいてもよい。
予測販売量DB140は、新規車両の仕様候補ごとの予測販売量を記憶するデータベースである。予測販売量DB140には、販売量予測部102において求められた予測販売量が記憶される。予測販売量DB140は、例えば、新規車両の1つの仕様項目に着目し、その仕様項目の内容のバリエーションの候補(仕様候補)それぞれの販売量について、新規車両の全販売量に対する予測割合を記憶する。図3に、予測販売量DB140のデータ内容の一例を示す。図3を参照し、予測販売量DB140は、車両、仕様項目、仕様候補、及び予測販売量を関連付けて記憶する。図3の例では、新規車両であるX車について、各種の仕様項目のうちの1つである「外板色」の候補「赤」、「白」、及び「黒」のそれぞれについて求められた予測販売量(X車の全販売量に対する予測割合)が記憶されている。図3に例示する表は、X車の全体の予測販売量のうち、外板色が赤であるものの予測販売量は10%、白であるものの予測販売量は40%、及び黒であるものの予測販売量は50%を占めると予測されていることを示す。
顧客情報DB150は、自社の商品を購入した顧客に関連する情報を記憶するデータベースである。図4に、顧客情報DB150のデータ内容の一例を示す。図4を参照し、顧客情報DB150には、各顧客(購入者)に関連付けて、購入車両、購入前保有車両、年齢、性別、年収ランク、重視度、及び満足度の各項目が登録される。「購入車両」の項目には、その購入者が購入した車両の種類を表す情報が記憶される。図4の例では図示しないが、「購入車両」の項目には、その購入者が購入した車両の種類とともに、購入車両の仕様タイプを記憶しておいてもよい。「購入前保有車両」の項目には、その購入者が「購入車両」の項目に記憶された車両を購入する前に保有していた車両を示す情報、及びその車両が自社のものであるか他社のものであるかを示す情報が記憶される。「重視度」の項目には、車両の購入において、その購入者がどのような事項をどの程度重視するかを表す情報が記憶される。図4に例示する表では、「重視度」の項目は、下位項目として、「色」、「機能」、「装備」、「価格」、及び「ブランド」の各項目を含む。また、「満足度」の項目には、その購入者の購入した車両に関する様々な側面における満足度を表す情報が記憶される。図4に例示する表では、「満足度」の項目は、下位項目として、「色」、「安全性」、及び「走行性能」の各項目を含む。「重視度」及び「満足度」のそれぞれについて、図4に示す下位項目は一例にすぎず、必要に応じて、図4に例示する各下位項目を含まないものとしてもよいし、その他の下位項目を含むものとしてもよい。
顧客情報DB150は、車両の購入者に対してアンケートを行い、そのアンケートの結果を記憶装置に登録することで構築できる。
図5に、処理部100が行う処理手順の一例を示す。
図5に例示する処理は、例えば、入力部110を用いてユーザが新規車両の仕様決定のための処理の開始を指示し、その指示を処理部100が入力部110から受け取ったときに開始される。まず、ステップS10で、処理部100は、入力部110を介して、処理対象の新規車両、処理対象の仕様項目、及び、当該仕様項目の内容の候補集合について、ユーザによる入力を取得する。以下、ステップS10で、処理対象の新規車両として「X車」、処理対象の仕様項目として「外板色」、外板色の仕様の候補集合として{「赤」、「白」、「黒」}がユーザにより入力された場合の処理の例について説明する。
ステップS12で、処理部100の販売量予測部102は、販売実績DB130を参照し、入力部110を介して取得した仕様の候補集合に含まれる各仕様候補について予測販売量を求める。例えば、販売量予測部102は、処理対象の新規車両の全体の販売量に対する、各仕様候補を備える車両の販売量の割合を予測し、この予測割合を当該仕様候補の予測販売量とする。販売量予測部102は、例えば、販売実績DB130から、処理対象の新規車両と同様の車種の車両のレコードを抽出し、抽出した全レコードの販売実績の合計と、抽出したレコードのうち各仕様候補に対応する仕様を備える車両のレコードの販売実績の合計と、の比を求めることで、各仕様候補についての予測販売量を求める。あるいは、販売量予測部102は、商品の販売量の予測において一般的に用いられる種々の方法を用いて予測販売量を求めてもよい。
さらに、ステップS12で、販売量予測部102は、各仕様候補について求めた予測販売量を予測販売量DB140に記憶させる。以下、ステップS12の販売量予測処理の結果、販売量予測部102は図3に例示する表の情報を予測販売量DB140に記憶させたとして説明する。
次に、ステップS14で、処理部100は、仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうち、ステップS12で求められて予測販売量DB140に記憶された予測販売量が最小の仕様候補を選択する。図3の例を参照すると、処理部100は、外板色の仕様候補「赤」、「白」、及び「黒」のうち、予測販売量が最小である仕様候補「赤」を選択する。
ステップS16では、処理部100の代替量予測部104は、顧客情報DB150を参照して多次元分析を行うことで、ステップS14で選択された仕様候補について、他社商品代替量、他仕様代替量、及び自社他商品代替量を予測する。多次元分析とは、データベースに登録されたデータについて、複数の異なる項目に着目して種々の分析を行う分析手法である。
他社商品代替量予測部1040は、ステップS14で選択された仕様候補について、他社商品代替量を予測する。例えば、図4に例示する内容のデータが顧客情報DB150に記憶されている場合、他社商品代替量予測部1040は、まず、顧客情報DB150に登録された全レコードのうち「購入前保有車両」が他社の車両であるレコードの割合を、次回の車両購入時に他社の車両を購入する可能性の高い顧客の割合(他社移行割合)として求める。さらに、処理対象の新規車両のターゲット顧客層や、処理対象の仕様候補についての購入者の重視度などを考慮して、他社移行割合に対する補正係数を求める。例えば、処理対象の新規車両のターゲット顧客層が、ある一定の範囲の年齢層及び年収ランクの顧客である場合、その年齢層及び年収ランクの購入者のレコードを顧客情報DB150から抽出する。そして、例えば抽出したレコードにおいて重視度の下位項目を参照し、処理対象の仕様候補の仕様項目に対応する下位項目に登録された重視度の値の平均値を求める。例えば、外板色の仕様候補「赤」が処理対象である本例の場合、顧客情報DB150の重視度の下位項目「色」の重視度の平均値を求める。求めた平均値が大きい程、そのターゲット顧客層においてその仕様項目を重視する顧客が多いと考えられるので、その仕様項目について仕様候補のバリエーションが少なくなると、その新規車両の代わりに他の車両を購入する顧客が多くなると考えられる。よって、重視度の平均値が大きい程、大きな値を取るような補正係数を決定し、決定した補正係数を上述の他社移行割合に乗じる。この補正係数を乗じた後の他社移行割合と、処理対象の仕様候補の予測販売量と、の積を求めることで、その仕様候補の他社商品代替量を求めることができる。
他仕様代替量予測部1042は、ステップS14で選択された仕様候補について、他仕様代替量を求める。他仕様代替量予測部1042は、例えば、まず、顧客情報DB150に登録された全レコードのうち「購入前保有車両」が自社の車両であるレコードの割合を、次回の車両購入時にも自社の車両を購入する可能性の高い顧客の割合(リピート率)として求め、このリピート率に対して、処理対象の新規車両のターゲット顧客層や、処理対象の仕様候補についての購入者の重視度などを考慮した補正係数を求める。この補正係数は、例えば、その新規車両のターゲット顧客層に対応する購入者のレコードを顧客情報DB150から抽出し、抽出したレコードのうち、処理対象の仕様候補の仕様項目に対応する重視度の下位項目について、登録された重視度の値の平均値が小さい程、大きな値になるように決定される。ターゲット顧客層において、その仕様候補の仕様項目を重視する顧客が少ない場合、その仕様項目について仕様候補のバリエーションが少なくなったことが原因でその新規車両の代わりに他の車両を購入する顧客は少ないと考えられるからである。この補正係数を乗じた後のリピート率と、処理対象の仕様候補の予測販売量と、の積を求めることで、その仕様候補の他仕様代替量を求めることができる。
あるいは、例えば、他仕様代替量予測部1042は、他社商品代替量予測部1040で求められた他社商品代替量を用いて他仕様代替量を求めてもよい。処理対象の仕様候補の予測販売量から他社商品代替量予測部1040で求められた他社商品代替量を減算した値は、その仕様候補を備える新規車両の代わりに、自社の車両を購入する可能性のある顧客の数を表すと言える。したがって、顧客情報DB150を参照して多次元分析を行うことで、これらの顧客のうち、異なる仕様候補を備える処理対象の新規車両を購入する可能性の高い顧客の割合を求めることで、他仕様代替量を求めることができる。例えば、処理対象の仕様候補の予測販売量から他社商品代替量予測部1040で求められた他社商品代替量を減算した値に、上述のような重視度の平均値が小さい程大きな値を取る補正係数を乗じることで他仕様代替量を求めてもよい。
自社他商品代替量予測部1044は、ステップS14で選択された仕様候補について自社他商品代替量を求める。例えば、自社他商品代替量予測部1044は、処理対象の仕様候補の予測販売量から、他社商品代替量予測部1040において求められた他社商品代替量と他仕様代替量予測部1042において求められた他仕様代替量との和を減算することで、自社他商品代替量を求めることができる。
あるいは、自社他商品代替量予測部1044は、他社商品代替量予測部1040の処理と関連して上記で説明したように、対応する仕様項目の重視度の平均値が大きい程、大きな値を取るような補正係数を決定し、決定した補正係数を乗じて補正したリピート率と、処理対象の仕様候補の予測販売量と、の積を求めることで自社他商品代替量を求めてもよい。
以上で説明した各種の代替量を求める方法は一例であり、顧客情報DB150の他の項目に着目した分析により各種の代替量を求めてもよい。顧客情報DB150に記憶された情報から、処理対象の新規車両や、処理対象の仕様項目及び仕様候補に関して、各種の観点から顧客の嗜好などを多次元分析することで、各種の代替量を求めることができる。
ステップS18では、ステップS16で求めた他社商品代替量が所定の閾値以下であるか否かを判定する。ステップS18の判定の結果YESに進むと、ステップS20で、処理部100は、ステップS10で取得された仕様の候補集合から、ステップS16において代替量の予測の対象となった仕様候補(ステップS14で選択された仕様候補)を削除する。他社商品代替量が所定の閾値以下である場合、その仕様候補を削減することで失われる利益よりも、その仕様候補を削減することで節減できるコストの方が大きいと判断できるからである。
ステップS18の判定で用いられる閾値は、その仕様候補を備える新規車両の生産・販売に必要な工数及び費用などに基づいて予め決定されて図示しない記憶部に記憶される。
ステップS18の判定の結果NOに進むと、ステップS20を行わずに、処理は終了する。
以上、図5を参照して説明した処理の例では、ある仕様候補について求められた他社商品代替量が閾値以下である場合に、仕様の候補集合から当該仕様候補を削除する。他の例では、代替量の予測の対象となった仕様候補の削除を指示するユーザの入力を受けた場合に、その仕様候補を削除してもよい。図6に、この例の場合の処理手順を表すフローチャートを示す。
図6を参照すると、ステップS10〜ステップS16の処理は、図5を参照して説明した上述のステップS10〜ステップS16と同様の処理である。
ステップS14で選択された仕様候補について、ステップS16で各種の代替量が求められた後、ステップS30で、処理部100は、求めた他社商品代替量、他仕様代替量、及び自社他商品代替量を表示部120に表示させる。ユーザは、この表示を確認することで、その仕様候補を削除するか否かを検討することができる。
図7に、ステップS30で表示部120に表示される画面の例を示す。図7の例では、処理対象の新規車両であるX車の外板色の仕様候補「赤」について、他社商品代替量、他仕様代替量、及び自社他商品代替量がそれぞれ、1%、6%、及び3%であることを示す。ここで、各種の代替量の単位(%)は、X車の予測販売量の全体に対する割合を示すものとする。
次に、ステップS32で、処理部100は、入力部110において、代替量の予測の対象となった仕様候補の削除を指示する入力を受け付けたか否かを判定する。削除指示が入力されていれば、ステップS20に進み、入力されていなければ、ステップS20を行わずに処理は終了する。
ステップS20では、処理部100は、ステップS10で取得された仕様の候補集合から、代替量の予測の対象となった仕様候補を削除する。
以上で説明した実施形態によると、ある仕様候補を備える新規車両を販売しないと仮定した場合にその新規車両が市場において他社の車両に代替され得る量が予測される。これにより、その仕様候補の削減が自社商品の販売量の減少に影響する程度をより正確に予測できるため、その仕様候補の削減の可否をより容易に判断できる。
以上では、処理対象の仕様項目を「外板色」とする例について説明したが、上述の処理を他の仕様項目について適用することも当然に可能である。また、例えば、1つの装備(例えば、カーナビゲーションシステムなどのオプションの装備)を備えるか否か、を仕様候補として上述の処理を適用し、その装備を備える新規車両の予測販売量について上述の各種の代替量を予測することもできる。また、必要に応じて、他社商品代替量、他仕様代替量、及び自社他商品代替量のいずれかだけを求めてもよい。例えば、少なくとも他社の車両を代わりに購入してしまう可能性のある顧客の割合が予測できればよい場合は、他仕様代替量及び自社他商品代替量を求めずに、他社商品代替量だけを求めてもよい。
また、以上で説明した処理の例では、ある仕様項目における複数の仕様候補のうち予測販売量が最小である仕様候補についてのみ、各種の代替量を予測する。他の処理の例では、複数の仕様候補について、それぞれ、上述の各種の代替量を予測してもよい。
以上に例示した商品仕様決定支援装置10は、典型的には、汎用のコンピュータにて上述の商品仕様決定支援装置10の各部の機能又は処理内容を記述したプログラムを実行することにより実現される。コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、図8に示すように、CPU(中央演算装置)20、メモリ(一次記憶)22、各種I/O(入出力)インタフェース24などがバス26を介して接続された回路構成を有する。また、そのバス26に対し、例えばI/Oインタフェース24経由で、キーボードやマウスなどの入力装置28、及び、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置30が接続される。入力装置28及び表示装置30は、それぞれ、図1の入力部110及び表示部120として機能する。また、バス26には、I/Oインタフェース24を介して、HDD(ハードディスクドライブ)32や、CD、DVD、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体を読み取るためのディスクドライブ34が接続される。このようなドライブ32,34は、メモリに対する外部記憶装置として機能する。実施形態の処理内容が記述されたプログラムがCDやDVDなどの記録媒体を経由して、又はネットワーク経由で、HDD32などの固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがメモリ22に読み出されCPU20により実行されることにより、上述の実施形態の処理が実現される。
10 商品仕様決定支援装置、20 CPU、22 メモリ、24 I/Oインタフェース、26 バス、28 入力装置、30 表示装置、32 HDD、34 ディスクドライブ、100 処理部、102 販売量予測部、104 代替量予測部、110 入力部、120 表示部、130 販売実績DB、140 予測販売量DB、150 顧客情報DB、1040 他社商品代替量予測部、1042 他仕様代替量予測部、1044 自社他商品代替量予測部。
Claims (5)
- 新規商品の仕様の決定を支援する装置であって、
前記新規商品の仕様の候補の集合を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のそれぞれと、当該仕様候補を備える前記新規商品について求められた予測販売量と、を関連付けて記憶する予測販売量記憶部と、
前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、当該仕様候補を備える前記新規商品が販売されないと仮定した場合に、当該仕様候補に関連付けて前記予測販売量記憶部に記憶された前記予測販売量のうち、市場において他社の商品によって代替され得る販売量である他社商品代替量を予測する他社商品代替量予測部と、
を備え、
前記他社商品代替量予測部は、自社商品を購入した顧客と当該顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報記憶部から取得される情報を用いて多次元分析を行うことで、前記他社商品代替量を予測することを特徴とする商品仕様決定支援装置。 - 請求項1に記載の商品仕様決定支援装置において、
前記他社商品代替量が所定の閾値以下である場合に、前記仕様の候補集合から当該仕様候補を削除することを特徴とする商品仕様決定支援装置。 - 請求項1又は2に記載の商品仕様決定支援装置において、
前記顧客関連情報は、各仕様項目と当該顧客が商品の購入において当該仕様項目を重視する重視度とを関連付ける情報を含み、
前記他社商品代替量予測部は、前記顧客情報記憶部から、当該仕様候補に対応する仕様項目に関連付けられた重視度を取得し、取得した重視度を用いて、前記他社商品代替量を予測することを特徴とする商品仕様決定支援装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の商品仕様決定支援装置において、
前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、当該仕様候補を備える前記新規商品が販売されないと仮定した場合に、当該仕様候補に関連付けて前記予測販売量記憶部に記憶された前記予測販売量のうち、市場において、当該仕様候補と異なる仕様候補であって前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補を備える前記新規商品によって代替され得る販売量である他仕様代替量を予測する他仕様代替量予測部をさらに備え、
前記他仕様代替量予測部は、自社商品を購入した顧客と当該顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報記憶部から取得される情報を用いて多次元分析を行うことで、前記他社商品代替量を予測することを特徴とする商品仕様決定支援装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の商品仕様決定支援装置において、
前記入力部が受け付けた前記仕様の候補集合に含まれる仕様候補のうちの少なくとも1つについて、当該仕様候補を備える前記新規商品が販売されないと仮定した場合に、当該仕様候補に関連付けて前記予測販売量記憶部に記憶された前記予測販売量のうち、市場において、前記新規商品と異なる自社の商品によって代替され得る販売量である自社他商品代替量を予測する自社他商品代替量予測部をさらに備え、
前記自社他商品代替量予測部は、自社商品を購入した顧客と当該顧客に関する顧客関連情報とを関連付けて記憶する顧客情報記憶部から取得される情報を用いて多次元分析を行うことで、前記自社他商品代替量を予測することを特徴とする商品仕様決定支援装置。
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-
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