JP2009133534A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
膨張機と圧縮機の回転速度の関係が適正ではなくなり吐出圧力が所望の圧力に設定できないことを防止する。
【解決手段】
主圧縮機と、該主圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、該放熱器から流出した冷媒を膨張させる膨張機と、該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器流出した冷媒を圧縮し前記膨張機と駆動軸にて連結された副圧縮機と、該副圧縮機と前記膨張機との間に設置された電動機と、前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間に、前記膨張機に対して並列に接続された膨張弁とを有する冷凍サイクル装置とし、出湯温度、あるいは膨張機の回転数を感知し、膨張機と並列に接続した膨張弁の開度を開閉する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体機械に係り、特に冷凍サイクルを構成するための少なくとも膨張機を含む流体機械として好適なものである。
従来、地球温暖化防止の観点から、フロン冷媒に変わり、温暖化係数が極めて小さい二酸化炭素を冷媒として用いた冷凍空調機が開発されている。二酸化炭素冷媒はその特性上、フロン冷媒を用いた冷凍空調機に比べ成績係数(COP)が小さく、運転時の使用エネルギが大きいため、機器の効率を上げ、COPを大きくしなければ地球温暖化防止への寄与は小さい。そのため、冷凍サイクルの効率を上げる手段として、膨張過程のエネルギを膨張機にて回収し、このエネルギを用いて圧縮過程の一部を担う冷凍サイクル装置が知られている。このような冷凍サイクルとしては、特許文献1に記載のものが知られている。
主圧縮機と、該主圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、該放熱器から流出した冷媒を膨張させる膨張機と、該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記膨張機により発生した機械エネルギにより蒸発した冷媒を圧縮して前記主圧縮機に流通させる副圧縮機を備えた冷凍装置において、前記膨張機に直列に接続された前段膨張弁と前記膨張機に並列に接続されたバイパス膨張弁を設け、これら膨張弁により冷凍サイクルの運転条件変化時の圧力調整を行うものである。
特開2004−325019号公報
上記特許文献1は、膨張弁を二つ使用しているために高価になってしまう。また、膨張弁を二つ使用するので制御方法が困難となり、その制御方法について十分な配慮がされていなかった。
上記特許文献1に記載されているような膨張機と副圧縮機とから構成される膨張/圧縮システムを備えた冷凍サイクルをヒートポンプ給湯機に使用した時の膨張機と副圧縮機と主圧縮機の理論的な回転数の関係を図3に示す。凡例には、給湯機でつくるお湯の温度と1分間当たりのお湯の流量を示す。上記副圧縮機と膨張機の理論的な回転数は、各々の押除容積と主圧縮機の押除容積との比率で決まり、図3には、副圧縮機と膨張機の回転数が夏期条件で一致する場合と冬期条件で一致する場合を示している。
図3から分かるように、条件によっては副圧縮機と膨張機の理論的な回転数がずれてくる。膨張/圧縮システムは膨張機と副圧縮機がクランク軸で接続されているので、実際は両者同じ回転数となり、膨張機の回転数は副圧縮機の回転数にならうことが実験的に分かっている。すなわち、副圧縮機と膨張機の回転数を夏期条件で一致させた場合は、中間期条件や冬期条件では膨張機の回転数が高くなり過ぎて、吐出圧力が低くなり、所望のお湯の温度がつくれないといった現象がおきる。また、副圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させた場合は、中間期条件や夏期条件では、膨張機の回転数が低くなり過ぎて、吐出圧力が高くなり、主圧縮機が無駄な仕事を行いエネルギ効率が悪くなるといった現象が起きる。この問題を解決するには、副圧縮機と膨張機の回転数を夏期条件で一致させた場合は、吐出圧力を上げるために膨張機と直列に接続する膨張弁を設け、この膨張弁の開度を調節することにより吐出圧力を調整する。また、副圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させた場合は、吐出圧力を下げるために膨張機と並列に接続する膨張弁を設け、この膨張弁の開度を調節する。しかし、上記のような対策の場合、膨張弁を流れる冷媒流量分は膨張機にてエネルギ回収ができないので、膨張機の効果が少なくなる。給湯機の場合、年間の消費エネルギは冬期が最も多く、冬期条件で膨張弁使用による損失が発生すると年間を通したエネルギ効率は良くならない。
以上を踏まえると、特許文献1では、膨張機に直列,並列に接続する膨張弁を2個設けているので、副圧縮機と膨張機の回転数を中間期条件で一致させた場合でも、夏期条件および冬期条件に対応可能であるが、年間の消費エネルギが大きい冬期条件で膨張機の効果が最大限発揮できないという課題があることが分かり、年間を通したエネルギ効率を上げる点で課題があることを見出した。
第1の発明に係る冷凍サイクル装置は、
主圧縮機と、
該主圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、
該放熱器から流出した冷媒を膨張させる膨張機と、
該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
該蒸発器流出した冷媒を圧縮し前記膨張機と駆動軸にて連結された副圧縮機と、
該副圧縮機と前記膨張機との間に設置された電動機と、
前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間に、前記膨張機に対して並列に接続された膨張弁と
を有している。
上記の発明では、膨張機と副圧縮機とから構成される膨張/圧縮システムを搭載することにより、高圧から低圧への膨張エネルギを機械エネルギに変換でき、この機械エネルギを利用して主圧縮機の圧縮仕事の一部分を膨張/圧縮システムの副圧縮機で担うことができるので、電気入力を低減でき、高いエネルギ効率の冷凍サイクルが提供できる。その上で、膨張弁を1つとすることにより、安価な冷凍サイクル装置を提供することができる。
第2の発明に係る冷凍サイクル装置は、更に、
前記放熱器で利用した水の熱交換後の温度を感知する温度センサと、
前記温度センサで感知した温度から前記膨張弁の開度を開閉する制御盤と
を有している。
上記の発明では、ヒートポンプ給湯機等のように年間を通しての圧力条件が大きく異なる機器において、膨張機と副圧縮機とから構成される膨張/圧縮システムの膨張機および副圧縮機の作動室容積から決まる最適運転条件から外れた条件にて運転させる場合に、前記放熱器から出た後の水の温度を一定にするように前記膨張弁の開度を調節できる。このため、年間を通して異なる圧力条件において、水の温度を常に一定とした運転ができ、且つ、冷凍サイクルの運転条件を適正に維持することができるため、膨張エネルギとして回収できない膨張弁を流れる冷媒流量を最小とすることができ、高いエネルギ効率の冷凍サイクルを提供することができる。
第3の発明に係る冷凍サイクル装置は、更に、
前記放熱器の入口での冷媒圧力を感知する圧力センサと、
前記圧力センサで感知した圧力から前記膨張弁の開度を開閉する制御盤と
を有している。
上記の発明では、ヒートポンプ給湯機等のように年間を通しての圧力条件が大きく異なる機器において、膨張機と副圧縮機とから構成される膨張/圧縮システムの膨張機および副圧縮機の作動室容積から決まる最適運転条件から外れた条件にて運転させる場合に、前記放熱器入口の冷媒圧力を最適値にするように前記膨張弁の開度を調節できる。このため、年間を通して異なる圧力条件において、膨張/圧縮システムの運転状態を最適に維持することができるため、膨張/圧縮システムのエネルギ回収効率の低下を防止し、効率の高い運転状態を維持することができ、高いエネルギ効率の冷凍サイクルを提供することができる。
第4の発明に係る冷凍サイクル装置は、
主圧縮機と、
該主圧縮機で圧縮された冷媒を水と熱交換して冷却する放熱器と、
該放熱器から流出した冷媒を膨張させる膨張機と、
該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
該蒸発器流出した冷媒を圧縮し前記膨張機と駆動軸にて連結された副圧縮機と、
該副圧縮機と前記膨張機との間に設置された電動機と、
前記電動機を駆動する運転制御装置と、
前記電動機の回転数を検出する回転数検出装置と、
前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間に、前記膨張機に対して並列に接続された膨張弁と、
前記回転数検出装置で検出された電動機の回転数に基づいて、前記膨張弁を開閉する制御盤と
を有する冷凍サイクル。
上記の発明では、ヒートポンプ給湯機等のように年間を通しての圧力条件が大きく異なる機器において、膨張機と副圧縮機とから構成される膨張/圧縮システムの膨張機および副圧縮機の作動室容積から決まる最適運転条件から外れた条件にて運転させる場合に、膨張/圧縮システムの回転数を最適運転回転数にするように前記膨張弁の開度を調節できる。このため、年間を通して異なる圧力条件において、膨張/圧縮システムの運転状態を最適に維持することができるため、膨張/圧縮システムのエネルギ回収効率の低下を防止し、効率の高い運転状態を維持することができ、高いエネルギ効率の冷凍サイクルを提供することができる。
第5の発明に係る冷凍サイクル装置は、更に、
前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間で熱交換を行う熱交換器
が設けられている。
上記の発明では、ヒートポンプ給湯機等のように年間を通しての圧力条件が大きく異なる機器において、膨張機と副圧縮機とから構成される膨張/圧縮システムの膨張機および副圧縮機の作動室容積から決まる最適運転条件から外れた条件にて運転させる場合に、前記膨張弁の開度により冷凍サイクルの運転状態を調節できるとともに、放熱器出口温度が高くなる運転条件においても冷凍サイクルを適正に保つことができ、さらに膨張機入口の温度条件を適正にすることができる。このため、年間を通して異なる圧力条件において、膨張/圧縮システムの運転状態を最適に維持することができるため、膨張/圧縮システムのエネルギ回収効率の低下を防止し、効率の高い運転状態を維持することができ、高いエネルギ効率の冷凍サイクルを提供することができる。
本発明によれば、ヒートポンプ給湯機等のように年間を通しての圧力条件が大きく異なる機器において、年間を通して高い性能を発揮できる冷凍サイクルを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の具体的実施例を、図面を用いて詳細に説明する。図1は基本冷凍サイクルの構成図、図2はこの冷凍サイクルにて使用する膨張/圧縮システムの縦断面図であり、図3は主圧縮機と膨張機の回転数の関係を表している。また、図4は上記冷凍サイクルを用いたヒートポンプ給湯機の構成図である。
図1から図4において、膨張/圧縮システム1は冷凍サイクルにおける作動流体の膨張エネルギを機械エネルギに変換する膨張機2(記号EXで表す)と、この変換された機械エネルギにより仕事をする副圧縮機3(記号SCで表す)から構成され、膨張機2と副圧縮機3はクランク軸4を介して連結され、このクランク軸4には回転子5aと固定子5bからなる電動機5(記号EMで表す)が接続されている。膨張機2と副圧縮機3と電動機5は一つの密閉容器6内に収納されている。
図1に示す冷凍システムの冷媒の流れは、主圧縮機7→放熱器8→膨張機2→蒸発器12→副圧縮機3→主圧縮機7と、主圧縮機7→放熱器8→膨張弁10→蒸発器12→副圧縮機3→主圧縮機7とである。膨張弁10は、放熱器8と膨張機2との間に、膨張/圧縮システム1の膨張機2に対して並列に配置されている。
主圧縮機7(記号MCで表す)から吐出された高温・高圧の冷媒は、吐出パイプ7aを経由し、放熱器8に入って放熱されて温度低下する。この放熱器8から出た冷媒は、流入パイプ9から膨張機2に入るとともに、放熱器8の出口と蒸発器12の入口との間に、膨張機2に対して並列に接続された膨張弁10に入る。ここで、膨張機2に入った冷媒は膨張動作を行ってその膨張エネルギが機械エネルギに変換される。一方、膨張弁10に入って冷媒は膨張するだけである。その後、冷媒は、低温・低圧の気液二相状態の冷媒となって流出パイプ11から吐出される。膨張機2を出た冷媒は、蒸発器12に入って吸熱・ガス化し、吸込パイプ13から副圧縮機3に吸込まれ、この副圧縮機3で昇圧されて吐出パイプ14から主圧縮機7側へ吐出される。副圧縮機3から吐出された冷媒は、吸込パイプ7bから主圧縮機7に吸込まれ、ここで再び圧縮されて吐出パイプ7aから外部に吐出される。以上のサイクルが繰り返されて冷凍サイクルを構成している。
以上のように、冷凍サイクルに膨張/圧縮システムを搭載すると、高圧から低圧への膨張動作において一部の膨張エネルギを機械エネルギに変換でき、この機械エネルギを利用して主圧縮機の圧縮仕事の一部分を膨張/圧縮システムの副圧縮機で担うことができるので、電気入力を低減でき、高いエネルギ効率の冷凍サイクルが提供できる。なお、膨張弁10の方で膨張させなければ、全ての膨張が膨張機2で行われるので、全ての膨張エネルギを機械エネルギに変換できる。
次に、膨張/圧縮システム1について詳細に説明する。膨張/圧縮システム1は、膨張機2と副圧縮機3を同一密閉容器6内に収め、膨張機2を駆動源として副圧縮機3にて圧縮仕事を行うものである。この膨張/圧縮システム1は、固定スクロール17と旋回スクロール18とフレーム23とを有する膨張機2と、シリンダ19と、前記シリンダ内に配置される円筒形状のローラ20と、そのローラにばね21にて押し付けられて接する板状のベーン22とを有する副圧縮機3とが、クランク軸4に連結されており、同一の密閉容器6内に設置される構成となっている。
膨張機2では、固定スクロール17と旋回スクロール18とが互いに噛み合わされて作動室を形成している。上記固定スクロール鏡板と、鏡板の下面側へ突出する渦巻状の固定側ラップとを備えている。固定スクロールは密閉容器6に固定されたフレーム23に固定されている。一方、旋回スクロール18は板状の鏡板と、鏡板の上面に突出する渦巻状の旋回側ラップとを備えている。固定スクロール17と旋回スクロール18は互いに対向する姿勢で配置され、固定側ラップと旋回側ラップが噛み合うことで作動室が形成される。
上記固定スクロール17の中央部には流入パイプ9が穿設され、流入パイプ9から高圧冷媒が前記作動室に流入する。前記旋回スクロール18の公転運動により、作動室を外周に移動させつつ、その作動室の容積を拡大させて前記高圧冷媒を膨張させ、前記固定スクロール17に穿設された流出パイプ11から流出する。
前記副圧縮機3は、両端面を端板24により閉塞されるシリンダ19と、前記シリンダ内に配置される円筒形状のローラ20と、そのローラにばね21にて押し付けられて接する板状のベーン22とから構成される。ベーン22はシリンダ19に挿入されており、背面のばね21にてローラ20に押し付けられている。このため、クランク軸4の回転により、ローラ20がシリンダ19内にて偏心回転するのに追従して、ベーン22は往復運動する。
上記シリンダ19には冷媒の吸込口と吐出口が形成されている。吸込パイプ13は吸込口に接続されている。また、吐出口には吐出弁25が設けられており、圧縮された冷媒は吐出空間に吐出された後、吐出パイプ14より吐出される。
電動機5は膨張/圧縮システム1の起動時のみ駆動され、定常時は電動機5を運転するための電流は遮断され、膨張/圧縮システムにより回転されている。
電動機5が無いと、そのままでは回転しない場合があるので、膨張/圧縮システム1の起動アシストとして電動機5を配設している。この点については後述する。その他のときは原則として使用しない。つまり、起動不良の虞が無いときには電動機5を備えなくとも良い。
次に本実施例におけるヒートポンプ給湯回路における膨張/圧縮システム1の構成について説明する。
図3に上記冷凍サイクルをヒートポンプ給湯機に使用した時の代表的な条件における膨張機2と主圧縮機7の理論的な回転数の関係を示す。凡例には、ヒートポンプ給湯機でつくる湯水の温度と1分間当たりの出湯量を示す。膨張/圧縮システムのような副圧縮機と膨張機の理論的な回転数は、各々の押除容積と主圧縮機の押除容積の比率で決まり、図3には、副圧縮機と膨張機の回転数が夏期条件で一致する場合と冬期条件で一致する場合を示す。
前述したように、給湯機の場合、年間の消費エネルギは冬期が最も多く、冬期条件で膨張機の効果を最大限発揮した方が年間を通したエネルギ効率は良くなる。
以上を踏まえ、副圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させている。このため、年間の消費エネルギの多い冬期で膨張機の効果を最大限に発揮でき、かつ、膨張機に直列に接続した膨張弁を設ける必要がなくなるため、冷凍サイクルの低コスト化が図れる。また、膨張機に並列に接続した膨張弁のみを設けているので、複雑な制御方法も必要なく、さまざまな運転条件で所望の吐出圧力を設定でき、年間を通したエネルギ効率が高く、冷凍サイクル装置の低コスト化が図れる。
次に、この冷凍サイクルを用いたヒートポンプ給湯機の構成について説明する。
図4に上記冷凍サイクルを用いたヒートポンプ給湯機の構成を、図5に本実施例にて用いている冷凍サイクルの構成図を示す。図4に示されたヒートポンプ給湯機は上記冷凍サイクルを備えたヒートポンプ給湯回路30,給湯回路40、および図示しない運転制御手段60を備えている。ヒートポンプ給湯回路30に備えられた冷凍サイクルは上記で説明した冷凍サイクルであり、サイクルには主圧縮機7,放熱器8,膨張/圧縮システム1,膨張弁10,蒸発器12がそれぞれ冷媒配管を通して順次接続されており、冷媒および潤滑油が封入されている。
放熱器8は水と冷媒の間で熱交換を行う水−冷媒熱交換器である。このため放熱器8には冷媒側伝熱管8aおよび給水側伝熱管8bを備えている。放熱器8では後述する構成にて冷媒側伝熱管8aと給水側伝熱管8bの間で熱交換を行う。
蒸発器12は空気と冷媒との間で熱交換を行う空気−冷媒熱交換器である。蒸発器12では冷媒回路を循環する冷媒が室外ファン8aによって取り込まれる空気と熱交換する。
給湯回路40は貯湯,給湯,風呂湯張り,風呂追い焚き等を行うために必要な水循環回路を、それぞれ管路を切り替えて実現する構成を備える。
ヒートポンプ給湯回路30は本実施形態のヒートポンプ給湯機の主となる給湯回路である。上水道との接続口である給水金具41から取り込まれた浄水は減圧弁42で減圧されてバイパス弁43に送られる。バイパス弁43は放熱器8や補助タンク44に配水するために使用される。このバイパス弁43から給水逆止弁56を通過した上水は給水配管8cを経て給水伝熱管8bで温められる。温められた水は途中で熱交換流量調整弁45を介して給湯配管8dを通じ、その給湯配管8dと接続された出湯金具46からヒートポンプ給湯機の外部へ給湯する。それぞれの構成は水配管を介して順次接続されている。
補助タンク44はヒートポンプ給湯回路30によって供給される湯水の温度が低い場合に、ヒートポンプ給湯回路からの温水に混ぜるための高温の温水を貯留するためのものである。この補助タンク44は円筒状で縦長に形成された比較的小容量のタンクで構成されており、貯湯式給湯機に備えられた貯湯タンクの1/3から1/5程度の内容量を持つ。
補助タンク44に貯えられていた温水はタンク流量調整弁47が開くことで分岐管を通じて出湯配管8dに流れ出る。このとき温水が補助タンク44から送り出されるのは給水金具41を通じて供給された上水が減圧弁42およびバイパス弁43を介して水配管を通じて調整された水圧によって補助タンク44に流入するからである。
補助タンク44内の水を温める時に使用される貯湯回路は、補助タンク44と放熱器8の間で構成される。出湯配管8dから分岐した分岐管と接続するタンク流量調整弁47を開放し、タンク循環ポンプ48は補助タンク44の下部から水を引き出す。その引き出された水は給水配管8cを経て給水側伝熱管8bで熱交換される。給湯配管8dを通った温水は熱交換流量調整弁45とタンク流量調整弁47を通って補助タンク44に流入する。この貯湯回路は補助タンク44内の湯水を再加熱する際にも使用される。
浴槽へ湯水を供給する風呂湯張り回路は、基本的な構成はヒートポンプ給湯回路と同じで、出湯金具46から湯水を給湯する代わりに給湯配管8dから分岐した分岐管に湯水が配水される。その分岐管と接続する風呂注湯弁49を開けることで風呂センサ金具50を通過して風呂出湯金具51と接続する浴槽52に湯水が給湯される。浴槽52へ湯張りするときには、放熱器8からの直接給湯とともに補助タンク44内からも給湯を行える。
浴槽52内の温水を再び温める風呂追い焚き回路は浴槽52と水−水熱交換器53との間の水管路である。浴槽52から風呂循環ポンプ54で引き出された水は水−水熱交換器に送られて熱交換により加熱され、浴槽52に再び供給される。
次に本実施例におけるヒートポンプ給湯回路の運転制御について説明する。
図6は湯水使用時のヒートポンプ給湯回路30の動作を示すフローチャートの一例である。
出湯端末で蛇口が開けられ、お湯が使用される(ステップ101)と、運転制御手段60は主圧縮機7および膨張/圧縮システム1を起動させ、ヒートポンプ給湯回路の運転を開始するとともに、給水金具41,減圧弁42,バイパス弁43,放熱器8,熱交換流量調整弁45,出湯金具46の給湯回路(この湯水の流れる経路を瞬間回路と称することとする)により、ヒートポンプ給湯機に給水した水を放熱器8で加熱して、直接使用端末に給湯することができるヒートポンプ給湯運転(ステップ101)を行う。また、同時に給水金具41,減圧弁42,バイパス弁43,補助タンク44,タンク流量調整弁47,出湯金具46の給湯回路によりタンク給湯運転を行う(ステップ107)。
ここで、ヒートポンプ給湯回路30は、主圧縮機7で圧縮された高温高圧の冷媒と熱交換させるため、水を放熱器8に送り込み、給水配管8cから流入する水を加熱して給湯配管8dへ流出させるが、運転初期は放熱器8に送り込まれる冷媒が十分に高温高圧となっていないため、水を加熱する能力が低い。そのため、運転開始時のみ補助タンク44から過渡的に給湯し、立ち上がり時の給湯遅れを防止している。立ち上がり後は、瞬間回路にて使用端末に給湯することができる。
冷凍サイクルは運転制御手段60により、主圧縮機7は主圧縮機用インバータ15により駆動され、また、同時に膨張/圧縮システム1が膨張/圧縮システム用インバータ16により駆動される。ここで、膨張/圧縮システム1は、通常、吐出圧力から吸込圧力までのガスの膨張仕事により駆動されるが、起動時は、吐出圧力と吸込圧力の圧力差が小さく、起動できない虞がある。そこで、膨張/圧縮システム1は、起動時は膨張/圧縮システム用インバータ16により電動機5を駆動し、吐出圧力と吸込圧力の圧力差が大きくなったら、膨張/圧縮システム用インバータ16を停止し、冷媒の膨張仕事による駆動に切り替えており、起動不良の問題を回避している。
また、主圧縮機7および膨張/圧縮システム1は加熱能力が高温安定状態になるまでは、通常運転時より高速回転で運転され、短時間で加熱能力を増加させるとともに、膨張/圧縮システムの自律運転へ移行するよう、運転制御手段60にて制御される。このとき、主圧縮機7と膨張/圧縮システム1の回転数は所定の比によって運転され、主圧縮機7,膨張機2および副圧縮機3のそれぞれの作動室容積から決まる所定の関係にて、その比は決められている。
冷凍サイクルはヒートポンプ給湯運転(ステップ101)にて運転することにより、徐々に放熱器8に送り込まれる冷媒が高温高圧となり、放熱器による加熱が所定の温度となったところで、運転制御手段60は膨張/圧縮システム1の電動機5への通電を停止し、この後は膨張機による駆動力により膨張/圧縮システム1は運転される。また、運転制御手段60が作動してタンク給湯運転を停止して、ヒートポンプ給湯運転のみに切り替えられる(ステップ102,108,109)。このステップ108のタンク給湯判定は、ヒートポンプ給湯回路30の給湯配管8dを流れる湯水の温度に基づいて判定するが、その他に運転開始からの時間を計測し、所定時間を過ぎた時点で切り替えてもよい。
次に、湯水使用が終了して出湯端末の蛇口が閉じられる(ステップ110)と、湯水使用直後でタンク給湯運転とヒートポンプ給湯運転の両方が行われている場合はその両方を停止する。また、既にタンク給湯運転が停止している場合にはヒートポンプ給湯運転を停止する(ステップ103,109)。
更に運転制御手段60はタンク給湯運転およびヒートポンプ給湯運転を停止した後、タンク貯湯量を補助タンク44に設けた温度センサ等にて検知し、残湯量に応じてタンク貯湯運転を行う(ステップ104)。その際、冷凍サイクルの運転は停止せずに、タンク循環ポンプ48を運転し、タンク流量調整弁45を切り替えることで、ヒートポンプ給湯運転からタンク貯湯運転に移行する。補助タンク44に設けた温度センサ等にて貯湯完了を検知し、貯湯完了と判定した(ステップ105)後に運転を終了する(ステップ106)。
次にヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクル制御について更に詳細に説明する。本実施例にて用いている冷凍サイクルは図5に示すように、図1に示す基本冷凍サイクルに、膨張弁制御用の制御基盤27および出湯温度センサ28と、主圧縮機7を駆動するための主圧縮機用インバータ15および膨張/圧縮システムを駆動するための膨張/圧縮システム用インバータ16が付加された構成となっている。図7はヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートの一例である。ヒートポンプ給湯運転開始(ステップ111)により、冷凍サイクルの主圧縮機7は主圧縮機用インバータ15により駆動され(ステップ116)、同時に膨張/圧縮システム1が膨張/圧縮システム用インバータ16により駆動される(ステップ118)。このとき、主圧縮機7と膨張/圧縮システム1の回転数は所定の比によって運転され、主圧縮機7,膨張機2および副圧縮機3のそれぞれの作動室容積から決まる所定の関係にて、その比は決められている。また、膨張弁10は全閉となる(ステップ112)。主圧縮機7および膨張/圧縮システム1は加熱能力が高温安定状態になるまでは、通常運転時より高速回転で運転され、短時間で加熱能力を増加させるとともに、高圧側圧力を早期に上昇させ、膨張/圧縮システムの自律運転へ移行するよう、運転制御手段60にて制御される。
冷凍サイクルはヒートポンプ給湯運転にて運転することにより、徐々に放熱器8に送り込まれる冷媒が高温高圧となり、放熱器による加熱が所定の温度となったところで、運転制御手段60は膨張/圧縮システム1の自律運転判定を行い(ステップ119)、所定値以上であれば電動機5への通電を停止する(ステップ120)。この後は膨張機による駆動力により膨張/圧縮システム1は運転される。このステップ119の自律運転判定は、ヒートポンプ給湯回路30の給湯配管8dを流れる湯水の温度に基づいて判定するが、その他に冷凍サイクルの高圧側圧力を計測し、所定圧力を超えた時点で切り替えてもよい。
膨張/圧縮システム1が自律運転に移行した後はヒートポンプ給湯回路30の給湯配管8dを流れる湯水の温度に基づいて膨張弁10の制御を行う(ステップ113,114)。本冷凍サイクル装置は、主圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させている。このため、図3で説明したように、中間期や夏期条件では吐出圧力が上昇し、吐出ガス温度が上がって出湯温度が高くなりすぎ、給湯機のエネルギ効率が低下する。これを回避するため、出湯温度センサ28で出湯温度を感知し、出湯温度が所望の温度となるように、膨張弁10の開度を調節している。
例えば、中間期や夏期で43℃のお湯を出湯する場合は、主圧縮機7が起動されると、膨張/圧縮システム用インバータ16により膨張/圧縮システム1が起動する。主圧縮機7と膨張/圧縮システム1が起動すると、吐出圧力が上昇し、これに伴い出湯温度が上昇する。出湯温度センサ28により出湯温度を感知し、出湯温度が43℃より高くなった時は、膨張弁10を開き吐出圧力を下げて出湯温度を所望の温度に設定する。
次にヒートポンプ給湯運転時の別の冷凍サイクル制御方法について説明する。ここで用いている冷凍サイクルは図8に示すように、図1に示す基本冷凍サイクルに、膨張弁制御用の制御基盤27および圧力センサ29と、主圧縮機7を駆動するための主圧縮機用インバータ15および膨張/圧縮システムを駆動するための膨張/圧縮システム用インバータ16が付加された構成となっている。図9はヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートの一例である。ヒートポンプ給湯運転開始(ステップ131)から、膨張機による駆動力により膨張/圧縮システム1が自律運転されるステップ140までの運転(ステップ132,136,137,138,139)は前記の冷凍サイクル制御方法と同一である。
膨張/圧縮システム1が自律運転に移行した後はヒートポンプ給湯回路30の放熱器8の入口側に設けられた圧力センサ29によって計測する高圧側圧力に基づいて膨張弁10の制御を行う(ステップ133,134)。本冷凍サイクル装置は、主圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させている。このため、図3で説明したように、中間期や夏期条件では吐出圧力が上昇し、吐出ガス温度が上がって出湯温度が高くなりすぎ、給湯機のエネルギ効率が低下する。これを回避するため、圧力センサ29で高圧側圧力を感知し、外気温と出湯流量と目標出湯温度などから決められる所定の圧力になるよう、膨張弁10の開度を調節している。
例えば、中間期や夏期で43℃のお湯を出湯する場合は、主圧縮機7が起動されると、膨張/圧縮システム用インバータ16により膨張/圧縮システム1が起動する。主圧縮機7と膨張/圧縮システム1が起動すると、吐出圧力が上昇する。圧力センサ29により高圧側圧力を感知し、目標出湯温度である43℃のお湯を作るために必要な加熱能力を得るために予め設定してある目標圧力を参照しながら、高圧側圧力が目標圧力より高くなった時は、膨張弁10を開き吐出圧力を下げて出湯温度を所望の温度に設定する。このように直接冷媒圧力を計測して膨張弁制御を行ってもよい。
次に、更に別の冷凍サイクル制御方法について説明する。ここで用いている冷凍サイクルは図10に示すように、図1に示す基本冷凍サイクルに、膨張弁制御用の制御基盤27,主圧縮機7を駆動するための主圧縮機用インバータ15,膨張/圧縮システムを駆動するための膨張/圧縮システム用インバータ16および膨張/圧縮システムの回転数を計測する周波数カウンタ26が付加された構成となっている。図11はヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートの一例である。ヒートポンプ給湯運転開始(ステップ151)から、膨張機による駆動力により膨張/圧縮システム1が自律運転されるステップ160までの運転(ステップ152,156,157,158,159)は前記の冷凍サイクル制御方法と同一である。
電動機5への通電を停止する(ステップ160)の後、電動機5から膨張/圧縮システム用インバータ16への接続回路を周波数カウンタ26側へと切り替え、膨張/圧縮システム1が自律運転に移行した後は膨張/圧縮システムの回転数の計測を行う(ステップ163)。この周波数カウンタ26での回転数の計測は、電動機5が回転することで発生する誘起電圧の変化を測定することで、その周波数計測から行っている。この周波数カウンタ26によって計測される膨張/圧縮システム1の回転数に基づいて膨張弁10の制御を行う(ステップ153,154)。図3で説明したように、主圧縮機と膨張機の回転数は各運転条件にて最適値が存在し、本冷凍サイクル装置は、主圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させている。このため、中間期や夏期条件では吐出圧力が上昇し、給湯機のエネルギ効率が低下するとともに、膨張機回転数が所定の関係より大きくなる。これを回避するため、周波数カウンタ26によって計測される膨張/圧縮システム1の回転数が図3に示される所定の回転数になるよう、膨張弁10の開度を調節している。
例えば、中間期や夏期で43℃のお湯を出湯する場合は、主圧縮機7が起動されると、膨張/圧縮システム用インバータ16により膨張/圧縮システム1が起動する。主圧縮機7と膨張/圧縮システム1が起動すると、吐出圧力が上昇する。これにより主圧縮機7の回転数に対し予め設定された膨張機の回転数より、実際の回転数が大きくなる。このため、周波数カウンタ26によって膨張/圧縮システム1の回転数を感知し、目標出湯温度である43℃のお湯を作るために必要な加熱能力を得るための主圧縮機回転数に対し決まる膨張機の目標回転数にて運転されるよう、膨張/圧縮システム1の回転数が目標回転数より高くなった時は、膨張弁10を開き吐出圧力を下げて膨張/圧縮システム1の回転数を所望の回転数に設定する。このように直接膨張/圧縮システムの回転数を計測して膨張弁制御を行ってもよい。
更にこの制御方法の場合には、膨張/圧縮システム1の自律運転後の状態を常に監視できるため、ヒートポンプ給湯運転中に何らかの不具合により膨張/圧縮システムが停止してしまった場合、すぐに周波数カウンタ26から膨張/圧縮システム用インバータ16に回路を切り替え、電動機5による運転を再開することが可能となる。このためより信頼性の高い冷凍サイクルの運転が可能である。
次に、第2の実施例について、図面に基づいて説明する。図12は基本冷凍サイクルの構成図である。上記した第1に実施例の冷凍サイクルとほぼ同一の構成であるが、本実施例の冷凍サイクルでは内部熱交換器31を設けており、放熱器8を出た高圧冷媒と、蒸発器12を出た低圧冷媒の間で熱交換を行っている。
内部熱交換器31の高圧側配管の出口にて配管は分岐され、一方は膨張機2の流入パイプ9に、もう一方は膨張弁に接続される。また、内部熱交換器31の低圧側配管は蒸発器12の出口側に配置され、内部熱交換器出口側は副圧縮機3の吸込パイプ13に接続されている。この構成により、放熱器出口温度が高い運転条件においても、放熱側の比エンタルピ差を大きくとることができ、冷凍サイクルを適正な運転条件に保つことができるとともに、副圧縮機3の吸込側のスーパーヒートを大きくすることができるため、副圧縮機での液戻り運転を回避することができる。また、高い放熱器出口温度に対して、膨張機2の入口温度を下げることができ、適正な条件に保つことができるため、膨張エネルギの回収効率を大幅に低下させることなく、効率の高い運転を維持することができる。
この冷凍サイクルにて使用する膨張/圧縮システムについては第1の実施例と同一の構成である。膨張/圧縮システムの構造,動作,得られる効果等の説明は第1の実施例と同じであるため省略する。
図13は本実施例に係るヒートポンプ給湯機の概略構成図である。このヒートポンプ給湯機はいわゆる貯湯式給湯機であり、大きく分けてヒートポンプユニット70とタンクユニット71とから構成されている。このヒートポンプユニット70には主圧縮機と、放熱器と、膨張機と、前記膨張機と駆動軸にて連結された副圧縮機と、前記膨張機と並列に接続された膨張弁とを有する冷凍サイクルが搭載されている。また、ヒートポンプユニット70にはタンク循環ポンプ72が備えられており、貯湯タンク73から水を放熱器8に移送し、放熱器8で加熱された温水を貯湯タンク73に送水する機能を果たしている。
タンクユニット71にはタンク循環ポンプ72からの送水により放熱器8を介して過熱された温水を貯留するための貯湯タンク73,貯湯タンク73に給水する給水配管74および貯湯タンク73から出湯する出湯配管75などから構成される給湯水回路76が搭載されている。また、貯湯タンク73には貯湯タンク内の貯湯量および貯湯温度を検出する水位センサ(サーミスタ)が高さ方向に複数個設けられており、これらの機器の作動を制御する制御装置も備えている。
次に上記構成による貯湯式ヒートポンプ給湯機の動作を説明する。本実施例のヒートポンプ給湯機は夜間の安価な割引電力を使用して、深夜電力時間帯にヒートポンプユニットを作動させ、高温のお湯(例えば85℃の湯)を沸き上げて、貯湯タンク73に貯蔵しておき、日中にその貯蔵したお湯を水と混合して使用する。
電源スイッチがオンされている場合には、制御装置74は貯湯タンク73に設けられた各サーミスタからの温度情報や、予め設定された時刻情報に基づいて、適宜ヒートポンプユニット70を作動させ貯湯タンク73内の水を加熱して高温の湯にする。
図14は本実施例における沸き上げ運転時のフローチャートである。本実施例のヒートポンプ給湯機では深夜電力時間帯に入るなどにより沸き上げ可能な状態になったとき、過去の使用実績、その時の貯湯タンク内の残湯量から沸き上げ目標熱量を算出し、沸き上げ目標温度と沸き上げ運転時間を算出する(ステップ171)。実際の沸き上げ運転は電力料金が安い深夜電力時間帯の終了時刻に沸き上げ完了となるように行うため、算出した運転時間から逆算して沸き上げ運転開始時間を求める(ステップ172)。沸き上げ運転開始判定にてYESとなれば沸き上げ運転を開始し(ステップ173)、ヒートポンプユニットを起動する。貯湯タンク73に設けられた各サーミスタにて検出される温度が沸き上げ目標温度となると沸き上げ終了判定(ステップ174)にてステップ175に進み、ヒートポンプユニットの運転を停止する。
ヒートポンプユニット70運転時の冷凍サイクル制御は上記した第1の実施例でのヒートポンプ給湯運転時と同一であり、上記第1の実施例と同様に、図12に示す基本冷凍サイクルに、膨張弁制御用の制御基盤27および出湯温度センサ28と、主圧縮機7を駆動するための主圧縮機用インバータ15および膨張/圧縮システムを駆動するための膨張/圧縮システム用インバータ16が付加された構成となっている場合、ヒートポンプ運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートは図7に示すヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートと同一である。本冷凍サイクル装置は、主圧縮機と膨張機の回転数を冬期条件で一致させている。このため、先に説明したように、中間期や夏期条件では吐出圧力が上昇し、吐出ガス温度が上がって出湯温度が高くなりすぎ、給湯機のエネルギ効率が低下する。これを回避するため、出湯温度センサ28で出湯温度を感知し、出湯温度が所望の温度となるように、膨張弁10の開度を調節している。
例えば、中間期や夏期で85℃のお湯を出湯する場合は、主圧縮機7が起動されると、膨張/圧縮システム用インバータ16により膨張/圧縮システム1が起動する。主圧縮機7と膨張/圧縮システム1が起動すると、吐出圧力が上昇し、これに伴い出湯温度が上昇する。出湯温度センサ28により出湯温度を感知し、出湯温度が85℃より高くなった時は、膨張弁10を開き吐出圧力を下げて出湯温度を所望の温度に調節する。
また、上記第1の実施例と同様に、図12に示す基本冷凍サイクルに、膨張弁制御用の制御基盤27および圧力センサ29と、主圧縮機7を駆動するための主圧縮機用インバータ15および膨張/圧縮システムを駆動するための膨張/圧縮システム用インバータ16を付加した構成としてもよい。この場合、ヒートポンプ運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートは図9に示すヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートと同一である。中間期や夏期条件で吐出圧力が上昇し、吐出ガス温度が上がって出湯温度が高くなりすぎ、給湯機のエネルギ効率が低下することを回避するため、圧力センサ29で高圧側圧力を感知し、外気温と出湯流量と目標出湯温度などから決められる所定の圧力になるよう、膨張弁10の開度を調節する。
例えば、中間期や夏期で85℃のお湯を出湯する場合は、主圧縮機7が起動されると、膨張/圧縮システム用インバータ16により膨張/圧縮システム1が起動する。主圧縮機7と膨張/圧縮システム1が起動すると、吐出圧力が上昇する。圧力センサ29により高圧側圧力を感知し、目標出湯温度である85℃のお湯を作るために必要な加熱能力を得るために予め設定してある目標圧力を参照しながら、高圧側圧力が目標圧力より高くなった時は、膨張弁10を開き吐出圧力を下げて出湯温度を所望の温度に調節する。このように直接冷媒圧力を計測して膨張弁制御を行ってもよい。
また更に、上記第1の実施例と同様に、図12に示す基本冷凍サイクルに、膨張弁制御用の制御基盤27,主圧縮機7を駆動するための主圧縮機用インバータ15,膨張/圧縮システムを駆動するための膨張/圧縮システム用インバータ16および膨張/圧縮システムの回転数を計測する周波数カウンタ26を付加した構成としてもよい。この場合、ヒートポンプ運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートは図11に示すヒートポンプ給湯運転時の冷凍サイクルの動作を示すフローチャートと同一である。中間期や夏期条件で吐出圧力が上昇し、給湯機のエネルギ効率が低下するとともに、膨張機回転数が所定の関係より大きくなることを回避するため、周波数カウンタ26によって計測される膨張/圧縮システム1の回転数が所定の回転数になるよう、膨張弁10の開度を調節する。
例えば、中間期や夏期で85℃のお湯を出湯する場合は、主圧縮機7が起動されると、膨張/圧縮システム用インバータ16により膨張/圧縮システム1が起動する。主圧縮機7と膨張/圧縮システム1が起動すると、吐出圧力が上昇する。これにより主圧縮機7の回転数に対し予め設定された膨張機の回転数より、実際の回転数が大きくなる。このため、周波数カウンタ26によって膨張/圧縮システム1の回転数を感知し、目標出湯温度である85℃のお湯を作るために必要な加熱能力を得るための主圧縮機回転数に対し決まる膨張機の目標回転数にて運転されるよう、膨張/圧縮システム1の回転数が目標回転数より高くなった時は、膨張弁10を開き吐出圧力を下げて膨張/圧縮システム1の回転数を所望の回転数に調節する。このように直接膨張/圧縮システムの回転数を計測して膨張弁制御を行ってもよい。
更にこの制御方法の場合には、上記第1の実施例と同様に、膨張/圧縮システム1の自律運転後の状態を常に監視できるため、ヒートポンプ給湯運転中に何らかの不具合により膨張/圧縮システムが停止してしまった場合、すぐに周波数カウンタ26から膨張/圧縮システム用インバータ16に回路を切り替え、電動機5による運転を再開することが可能となる。このためより信頼性の高い冷凍サイクルの運転が可能である。
本発明の第1の実施例を示す冷凍サイクル基本構成図。 本発明に使用する膨張/圧縮システムの縦断面図。 図1の実施例の主圧縮機と膨張機と副圧縮機の回転数の関係。 本発明の第1の実施例を示すヒートポンプ給湯機構成図。 本発明の第1の実施例を示す冷凍サイクル構成図。 本発明の第1の実施例を示すヒートポンプ給湯機における、給湯使用時の動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第1の実施例を示す冷凍サイクルにおける、給湯使用時の動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第1の実施例での別の構成を示す冷凍サイクル構成図。 本発明の第1の実施例での別の構成を示す冷凍サイクルにおける、給湯使用時の動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第1の実施例での更に別の構成を示す冷凍サイクル構成図。 本発明の第1の実施例での更に別の構成を示す冷凍サイクルにおける、給湯使用時の動作の一例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施例を示す冷凍サイクル基本構成図。 本発明の第2の実施例を示すヒートポンプ給湯機構成図。 本発明の第2の実施例を示すヒートポンプ給湯機における、沸き上げ運転時の動作の一例を示すフローチャート。
符号の説明
1 膨張/圧縮システム
2 膨張機
3 副圧縮機
4 クランク軸
5 電動機
5a 回転子
5b 固定子
6 密閉容器
7 主圧縮機
7a,14 吐出パイプ
7b,13 吸込パイプ
8 放熱器
9 流入パイプ
10 膨張弁
11 流出パイプ
12 蒸発器
15 主圧縮機用インバータ
16 膨張/圧縮システム用インバータ
17 固定スクロール
18 旋回スクロール
19 シリンダ
20 ローラ
21 ばね
22 ベーン
23 フレーム
24 端板
25 吐出弁
26 周波数カウンタ
27 制御基盤
28 出湯温度センサ
29 圧力センサ
30 ヒートポンプ給湯回路
40 給湯回路
44 補助タンク
60 運転制御手段

Claims (5)

  1. 主圧縮機と、
    該主圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、
    該放熱器から流出した冷媒を膨張させる膨張機と、
    該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    該蒸発器流出した冷媒を圧縮し前記膨張機と駆動軸にて連結された副圧縮機と、
    該副圧縮機と前記膨張機との間に設置された電動機と、
    前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間に、前記膨張機に対して並列に接続された膨張弁と
    を有する冷凍サイクル装置。
  2. 請求項1において、
    前記放熱器で利用した水の熱交換後の温度を感知する温度センサと、
    前記温度センサで感知した温度から前記膨張弁の開度を開閉する制御盤と
    を有する冷凍サイクル装置。
  3. 請求項1において、
    前記放熱器の入口での冷媒圧力を感知する圧力センサと、
    前記圧力センサで感知した圧力から前記膨張弁の開度を開閉する制御盤と
    を有する冷凍サイクル装置。
  4. 主圧縮機と、
    該主圧縮機で圧縮された冷媒を水と熱交換して冷却する放熱器と、
    該放熱器から流出した冷媒を膨張させる膨張機と、
    該膨張機で膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    該蒸発器流出した冷媒を圧縮し前記膨張機と駆動軸にて連結された副圧縮機と、
    該副圧縮機と前記膨張機との間に設置された電動機と、
    前記電動機を駆動する運転制御装置と、
    前記電動機の回転数を検出する回転数検出装置と、
    前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間に、前記膨張機に対して並列に接続された膨張弁と、
    前記回転数検出装置で検出された電動機の回転数に基づいて、前記膨張弁を開閉する制御盤と
    を有する冷凍サイクル装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかにおいて、
    前記放熱器の出口と前記蒸発器の入口との間で熱交換を行う熱交換器を備えた冷凍サイクル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2474259A (en) * 2009-10-08 2011-04-13 Ebac Ltd Vapour compression refrigeration circuit

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